JP2016205688A - ダクト及びデータセンター - Google Patents

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Abstract

【課題】空調に要する電力の消費量を削減できるダクト及びデータセンターを提供する。【解決手段】データセンター内には複数のラック11が列毎に並んで配置されている。また、ラック11の吸気面側の上方にはダクト20が配置されている。ダクト20は、エアー供給源から供給されるエアーが通流する流路が設けられたダクト本体と、ダクト本体に設けられた開口部25と、開口部25の辺に沿って設けられ、エアー供給源側が開放された風向板26とを有する。【選択図】図4

Description

本発明は、ダクト及びデータセンターに関する。
近年、高度情報化社会の到来にともなって、多数の計算機(サーバ)を一括して管理するデータセンターの必要性がますます増加している。
データセンターでは、室内に多数のラックを設置し、各ラックにそれぞれ複数のサーバを収納している。そして、それらのサーバの稼動状態に応じて各サーバにジョブを有機的に配分し、大量のジョブを効率的に処理している。
ところで、サーバは、稼働に伴って多量の熱を発生する。サーバの温度が高くなると誤動作や故障又は処理能力の低下の原因となる。そのため、一般的なラックでは、ファン(送風機)を使用してラックの一方の面(以下、「吸気面」という)からラック内にエアーを取り込み、電子機器を冷却して温度が上昇したエアーを他方の面(以下、「排気面」という)から排出するようになっている。
また、一般的なデータセンターでは、フリーアクセスフロアと呼ばれる二重床構造を有しており、空調機(パッケージエアコン)により冷却されたエアーを床下空間からラックの吸気面側に供給している。
なお、空調機により冷却されたエアーを、ラックの上側からラックの吸気面側に供給することも提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、天井側に設置するダクトの構造についても、種々提案されている(例えば、特許文献2〜4参照)。
特開2011−190967号公報 特開平9−317694号公報 特開2013−181715号公報 特開2010−54090号公報
データセンターでは、室内の空調に多大な電力を消費しており、省エネルギーの観点から消費電力の削減が要求されている。
開示の技術は、空調に要する電力の消費量を削減できるダクト及びデータセンターを提供することを目的とする。
開示の技術の一観点によれば、エアー供給源から供給されるエアーが通流する流路が設けられたダクト本体と、前記ダクト本体に設けられた開口部と、前記開口部の辺に沿って設けられ、前記エアー供給源側が開放された風向板とを有するダクトが提供される。
開示の技術の他の一観点によれば、電子機器が収納された複数のラックと、前記ラックの吸気面側の上方に配置されたダクトとを有するデータセンターにおいて、前記ダクトが、エアー供給源から供給されるエアーが通流する流路が設けられたダクト本体と、前記ダクト本体に設けられた開口部と、前記開口部の辺に沿って設けられ、前記エアー供給源側が開放された風向板とを有するデータセンターが提供される。
上記の一観点に係るダクト及びデータセンターによれば、空調に要する電力を削減できる。
図1は、一般的なデータセンターの室内を模式的に表した断面図である。 図2(a),(b)は、図1に示すデータセンターの問題点を示す図である。 図3は、第1の実施形態に係るデータセンターの室内を示す模式図である。 図4は、第1の実施形態に係るデータセンターの一部を示す斜視図である。 図5は、ダクトの側面図である。 図6は、ダクトを下から見たときの図である。 図7は、ダクトから吹き出したエアーの流れを示す模式図である。 図8は、開口部の先端側の辺のみに沿って設けられた風向板を示す模式図である。 図9は、図8の風向板の問題点を示す模式図である。 図10は、開口部の4辺に沿って設けられた風向板を示す模式図である。 図11は、第1の実施形態のダクトに設けられた風向板を示す模式図である。 図12は、第1の実施形態のダクトの効果を示す模式図(その1)である。 図13は、第1の実施形態のダクトの効果を示す模式図(その2)である。 図14は、開口部の長さxと風向板の鉛直方向の長さzとの関係を示す図である。 図15(a)は、x=200mm、z=200mmの場合のエアーの流れをシミュレーションした結果を示す図、図15(b)は、x=200mm、z=100mmのときのエアーの流れをシミュレーションした結果を示す図である。 図16は、変形例に係るデータセンターを示す模式図である。 図17は、第2の実施形態に係るデータセンターを示す模式図である。 図18は、外気導入モードにおけるエアーの流れを示す模式図である。 図19は、循環モードにおけるエアーの流れを示す模式図である。
以下、実施形態について説明する前に、実施形態の理解を容易にするための予備的事項について説明する。
図1は、一般的なデータセンターの室内を模式的に表した断面図である。
図1に示すように、一般的なデータセンターの室内は、機器設置エリア10aと、機器設置エリア10aの床下に設けられたフリーアクセスフロア(床下空間)10bとに分割されている。
機器設置エリア10aには、複数(図1では1台のみ図示している)のラック11が設置されている。また、各ラック11には、それぞれ複数の電子機器12が収納されている。電子機器12は、例えばサーバ又はストレージである。
フリーアクセスフロア10bには、電源ケーブルや通信ケーブルが配置される。また、空調機13の送風口からフリーアクセスフロア10bに、低温のエアーが供給される。
空調機13からフリーアクセスフロア10bに供給された低温のエアーは、機器設置エリア10aの床に設けられたグリル(通風口)14を介して機器設置エリア10a内に移動する。そして、ラック11の吸気面からラック11内に入り、ラック11内の電子機器12を冷却する。電子機器12を冷却することにより温度が上昇したエアーは、ラック11の排気面から排出される。
機器設置エリア10aの上方には排気流路15が設けられている。ラック11から排出された高温のエアーは、排気流路15を通って空調機13の吸気口に移動する。そして、吸気口から空調機13内に入ったエアーは、空調機13により冷却された後、再度送風口からフリーアクセスフロア10bに供給される。
図2(a),(b)は、上述のデータセンターの問題点を示す図である。
図2(a)は、グリル14から機器設置エリア10aに供給されるエアーの流量が少ない場合を示している。
グリル14から機器設置エリア10aに供給されるエアーの流量が少ないと、ラック11の排気面から排出された高温のエアーが、ラック11の上を通って吸気面側に廻り込んでしまう。そのため、ラック11の上部に収納された電子機器12が十分に冷却されず、故障や誤動作又は処理能力の低下などの障害が発生する。
図2(b)は、グリル14から機器設置エリア10aに供給されるエアーの流量が多い場合を示している。この場合、グリル14から供給された低温のエアーの一部は、ラック1内を通ることなく、ラック11の上部を通って排気面側に移動し、排気流路15内に入ってしまう。従って、空調機13から供給された低温のエアーを有効に利用できないため、空調機13の電力が無駄に消費される。
以下の実施形態では、空調に要する電力の消費量を削減できるダクト及びデータセンターについて説明する。
(第1の実施形態)
図3は、第1の実施形態に係るデータセンターの室内を示す模式図である。また、図4は、同じくそのデータセンターの一部を示す斜視図である。なお、図3中の矢印は、室内のエアーの流れを示している。
図3,図4に示すように、本実施形態に係るデータセンター40の室内には、多数のラック11が列毎に並んで配置されている。各ラック11には、例えば図1のように、複数の電子機器12が収納されている。
隣り合う列のラック11は、吸気面同士又は排気面同士を対向させている。そして、ラック11の吸気面側の空間(以下、「コールドアイル」という)の上方には、冷気供給用のダクト20が配置されている。
ダクト20は、図3に示すように空調機30の送風口に接続されている。また、ダクト20と空調機30との間には、空調機30で冷却されたエアーをダクト20に送る送風機31が設けられている。空調機30及び送風機31は、エアー供給源の一例である。
以下、ダクト20の長手方向の送風機31側を基端側と呼び、その反対側を先端側と呼ぶ。
図5はダクト20の側面図である。また、図6はダクト20を下から見たときの図である。
ダクト20は、筒状のダクト本体21と、ダクト本体21内に配置された仕切り板22a,22bと、ダクト本体21の下面に設けられてエアーを吹き出す開口部25と、開口部25から吹き出すエアーの流れ方向を調整する風向板26とを有する。空調機20から送られてくる低温のエアーは、仕切り板22a,22bにより仕切られた空間(エアー流路)内を通る。
仕切り板22aは、ダクト20内のエアー流路の高さが先端側ほど低くなるように配置されている。また、2枚の仕切り板22bは、ダクト20内のエアー流路の幅が先端側ほど細くなるように配置されている。これらの仕切り板22a,22bにより、ダクト20内のエアー流路の断面積(エアー流れ方向に直交する断面の面積)は、先端側ほど小さくなるようになっている。
ダクト20の下面側には、複数の矩形の開口部25が、ダクト20の長手方向に沿って一定のピッチで配列されている。また、各開口部25の下には、下方に向けて突出する風向板26が設けられている。風向板26は、開口部25の3つの辺、すなわち先端側の第1の辺と、第1の辺に隣り合う2つの第2の辺とに沿って設けられており、基端側(エアー供給源側)は開放されている。
開口部25の長さ(ダクト20の長手方向に平行な方向の長さ)は例えば200mmであり、開口部25の幅(ダクト20の長手方向に直交する方向の長さ)は例えば1200mmである。また、風向板26の鉛直方向の長さは、例えば200mmである。
図7は、ダクト20から吹き出したエアーの流れを示す模式図である。
空調機30から供給される低温のエアーは、送風機31によりダクト20内に送り出され、開口部25から風向板26に沿って下方に吹き出す。
この場合、ダクト20内のエアー流路の断面積がダクト20の長手方向で均一であるとすると、先端側の開口部25からのエアー吹き出し量が多く、基端側の開口部25からのエアーの吹き出し量が少なくなってしまう。
しかし、本実施形態では、前述したように、ダクト20内のエアー流路の断面積が先端側ほど小さくなるように仕切り板21,22が設けられている(図5,図6参照)。このため、本実施形態では、ダクト20内のエアー流路の断面積がダクト20の長手方向で均一である場合に比べて、先端側の開口部25からのエアーの吹き出し量は少なくなり、基端側の開口部25からのエアーの吹き出し量が多くなる。その結果、各開口部25からのエアー吹き出し量が均一化される。
ダクト20の開口部25から吹き出した低温のエアーは、ラック11の吸気面からラック11内に入る。この場合、低温のエアーは比較的重いので、ダクト20の開口部25から吹き出したエアーは、ラック11の吸気面側の空間(コールドアイル)を上から下に移動する。従って、ラック11の吸気面の上部だけでなく、下部にも低温のエアーが供給される。そして、それらのエアーがラック11内に取り込まれて、ラック11内の各電子機器12が冷却される。
電子機器12を冷却することにより温度が上昇したエアーは、ラック11の排気面側の空間(以下、「ホットアイル」という)に排出される。ラック11から排出される高温のエアーは比較的軽いので、ラック11から排出されたエアーは、ホットアイルを下から上に移動する。そして、部屋の天井に沿って空調機30側に移動し、空調機30の吸気面から空調機30内に入る(図3参照)。
ところで、ダクト20から吹き出すエアーの流量にもよるが、ラック11から排気された高温のエアーの一部が、ラック11の上を通って吸気面側に廻り込むことがある。本実施形態では、図7に示すように、ラック11の排気面側から吸気面側に廻り込んだ高温のエアーは、ダクト20から吹き出す低温のエアーと混合される。そのため、ラック11から排気された高温のエアーがそのままラック11内に入ることが回避される。
以下、風向板26の形状及び効果について、より詳細に説明する。
風向板26は、ダクト20(開口部25)から吹き出すエアーの流れ方向を調整し、ラック11の吸気面に低温のエアーを無駄なく送るために設けられている。
例えば図8に示すように、開口部25の先端側の辺のみに沿って風向板26aが設けられている場合、ダクト20から吹き出す低温のエアーは、図9に矢印で示すように、ダクト20の幅方向に広がってしまう。そのため、ダクト20から吹き出す低温のエアーのうちの多くが、ラック11の上を通ってラック11の排気面側に直接移動し、ラック11内の電子機器12を冷却することなく空調機30に戻ってしまう。従って、空調機30から供給される低温のエアーを有効に利用することができず、空調機30の消費電力を十分に削減することができない。
また、例えば図10のように開口部25の4辺に沿って風向板26bが設けられている場合、排気面側からラック11の上を通って吸気面側に廻り込んだ高温のエアーと、ダクト20から吹き出す低温のエアーとが十分に混合されないままラック11内に導入される。そのため、高温のエアーが導入された部分では電子機器12を十分に冷却できなくなるおそれがある。
これに対し、本実施形態のダクト20では、図11に示すように、開口部25の先端側の辺だけでなく、幅方向の両側の辺にも風向板26を設けている。このため、図12に示すように、ダクト20から吹き出すエアーの側方への広がりが抑制される。
また、本実施形態のダクト20では、開口部25の基端側の辺(エアー供給源側の辺)に風向板を設けていない。このため、ラック11の排気面側からラック11の上を通って吸気面側に高温のエアーが廻り込んでも、図13のように高温のエアーAは開口部25のすぐ下で開口部25から吹き出した低温のエアーBと混合されて、温度が低下する。従って、ラック11から排出された高温のエアーがラック11内に直接導入されることがなく、ラック11内の電子機器12を十分に冷却することができる。
これらのことから、本実施形態のダクト20では、ラック11内に収納された電子機器12を十分に冷却することができ、且つ空調機30から供給される低温のエアーを有効に利用することができて、空調に要する電力を削減できるという効果を奏する。
図14は、ダクト20(ダクト本体21)の長手方向をX,ダクト20の幅方向をY、X,Yに直交する方向(鉛直方向)をZとしたときに、開口部25のX方向の長さxと、風向板26のZ方向の長さzとの関係を示す図である。また、図15(a)は、x=200mm、z=200mmの場合のエアーの流れをシミュレーションした結果を示す図である。更に、図15(b)は、x=200mm、z=100mmのときのエアーの流れをシミュレーションした結果を示す図である。
風向板26の鉛直方向の長さzが開口部25の長さxと同じ又はそれ以上(z≧x)の場合、図15(a)に示すように、開口部25から吹き出すエアーの流れ方向はほぼ鉛直方向になる。しかし、風向板26の鉛直方向の長さzが開口部25の長さxよりも小さい(z<x)と、図15(b)に示すように、開口部25から吹き出すエアーの流れ方向が斜めになる。
これらの図15(a),(b)からわかるように、風向板26の鉛直方向の長さzは、開口部25の長さxと同じか、又はそれ以上とすることが好ましい(z≧x)。
なお、図5に示すように、ダクト20の長手方向の両端に配置された風向板26の長さ(鉛直方向の長さ)を、他の風向板26の長さよりも長くすることが好ましい。これにより、ダクト20の長手方向の両端に配置された開口部25から吹き出すエアーの指向性が強まり、それらの開口部25から吹き出すエアーはエアーカーテンとして機能する。その結果、高温のエアーがラック列の側方を廻り込んでコールドアイルへ移動することを抑制できる。
また、本実施形態において、図1に示すように、ラック11の上方に排気流路15(又は、排気用のダクト)を設け、ラック11から排出されたエアーが排気流路15(又は、排気用のダクト)を通って空調機30に戻るようにしてよい。
(変形例)
図16は、変形例に係るデータセンターを示す模式図である。図16に示すデータセンターが第1の実施形態と異なる点は、ダクト20に設けられた風向板の形状が異なることにあり、その他の構成は基本的に第1の実施形態と同様である。そのため、ここでは第1の実施形態と重複する部分の説明は省略する。
図16に示す変形例のデータセンターのダクト20下面には、下方に湾曲した形状の風向板27が設けられている。
図8に示す平板状の風向板26aの場合、開口部25から吹き出したエアーは風向板26aに衝突し、その反動で風向板26aの面に沿って下方だけでなく横方向にも移動する。そのため、ダクト20から吹き出したエアーは、風向板26に衝突した後、図9に示すようにダクト20の幅方向に広がり、その多くがラック11内を通ることなく空調機30に戻ってしまう。このような不具合を回避するために、第1の実施形態では、開口部25の先端側の辺だけでなく、開口部25の幅方向の両側の辺にも風向板26を設けている。
これに対し、図16に示すダクト20では、風向板27が湾曲しているため、開口部25から吹き出したエアーは風向板27の湾曲面に沿って流れ、最終的に垂直下方に向う。従って、開口部25の幅方向の両側の辺に風向板を設けなくても、エアーが幅方向に広がることを抑制できる。
(第2の実施形態)
図17は、第2の実施形態に係るデータセンターを示す模式図である。ここでは、第1の実施形態で説明したダクト20を、外気導入型データセンターに適用した例について説明する。なお、図17において、図3と同一物には同一符号を付している。
本実施形態に係るデータセンター40aでは、図17に示すように、空調機30とダクト20との間に、送風機31、静圧センサ48及びダンパ42が配置されている。静圧センサ48から出力される信号は制御部50に伝達される。また、送風機31は制御部50からの信号に応じて動作し、ダンパ42は制御部50からの信号に応じて開閉する。
空調機30の吸気口側には、制御部50からの信号に応じて開閉するダンパ33が設けられている。また、空調機30内には、冷凍機(図示せず)からポンプ(図示せず)を介して冷媒が供給される熱交換器32が配置されている。
データセンター40aの外には、外気導入部41が配置されている。外気導入部41は、外気から塵埃等を除去するためのフィルタ41aと、外気の温度及び湿度を検出する温湿度センサ49とを有する。温湿度センサ49から出力される信号は、制御部50に伝達される。
外気導入部41は、外気導入用ダクト45を介して空調機30に接続されている。但し、外気導入部41を介して導入される外気は、空調機30内の熱交換器32よりも送風機31側に入る。外気導入部41と空調機30との間のダクト45内には、送風機46と、ダンパ43とが設けられている。送風機46は制御部50からの信号に応じて動作し、ダンパ43は制御部50からの信号に応じて開閉する。
更に、データセンター40aには、室内のエアーを屋外に排出するための排気口18が設けられており、排気口18には送風機47とダンパ44とが配置されている。送風機47は制御部50からの信号に応じて動作し、ダンパ44は制御部50からの信号に応じて開閉する。更にまた、データセンター40aには、ラック11内に入るエアーの温度を検出する複数の温度センサ51が設けられている。これらの温度センサ50から出力される信号も、制御部50に伝達される。
制御部50は、静圧センサ48で検出した圧力が予め設定された値となるように、送風機31の回転数を制御する。また、制御部50は、温度センサ51の出力に基づいてダンパ42の開度を調整する。
更に、制御部50は、温湿度センサ49の出力に基づいて送風機46,47及びダンパ33,43,44を制御する。ダンパ43,44を開、ダンパ33を閉、送風機46,47をオンにしたときには外気導入モードとなり、ダンパ43,44を閉、ダンパ33を開、送風機46,47をオフにしたときには循環モードとなる。
なお、外気導入部41、空調機30及び送風機31はエアー供給源の一例である。また、温湿度センサ49は第1のセンサの一例であり、静圧センサ48は第2のセンサの一例であり、温度センサ51は第3のセンサの一例である。
以下、本実施形態に係るデータセンター40aの空調制御について説明する。
制御部50は、温湿度センサ49の出力から、外気の温度及び湿度を検出する。そして外気の温度及び湿度が所定の範囲内の場合、制御部50は、外気導入モードにすべく、送風機46,47及びダンパ33,43,44を制御する。なお、外気導入モードでは、空調機30の熱交換器32に冷媒を供給する冷凍機及びポンプはオフにする。
図18は、外気導入モードにおけるエアーの流れを示す模式図である。
外気の温度及び湿度が所定の範囲内の場合、制御部50は、ダンパ43,44を開とし、ダンパ33を閉とするとともに、送風機46,47をオンとする。これにより、外気導入部41、送風機46及びダクト45を介して空調機30に外気が導入され、更に空調機30から送風機31を介してダクト20に外気が供給されて、ダクト20からラック11の吸気面側(コールドアイル)にエアー(外気)が吹き出す。
ダクト20からラック11の吸気面側に吹き出したエアーは、ラック11の吸気面からラック11内に入り、ラック11内の電子機器12(図12参照)を冷却する。そして、電子機器12を冷却することにより温度が上昇したエアーは、ラック11の排気面からホットアイルに排出される。ラック11からホットアイルに排出された高温のエアーは、ホットアイルを上昇し、ダンパ44及び送風機47を介して排気口18から屋外に排出される。
外気導入モードにおいて、制御部50は、温度センサ51の出力によりラック11の吸気面側のエアーの温度を検出する。そして、制御部50は、ラック11の吸気面側のエアーの温度が設定値(例えば20℃)よりも低い場合、吸気面側のエアーの温度が設定値になるように送風機31の回転数を制御するとともに、ダンパ42の開度を調整をする。
送風機31の回転数を下げると、ラック11から排出された高温のエアーの一部が、ラック11の排気面側から吸気面側に廻り込む。この場合、前述したように本実施形態のダクト20では、開口部25の基端側の辺に風向板が設けられていないので、排気面側から吸気面側に廻りこんだ高温のエアーは、開口部25のすぐ下でダクト20から吹き出すエアーと混合される(図13参照)。
例えば、外気温が10℃であり、ラック11から排出されるエアーの温度が30℃であるとする。そして、制御部50は、ラック11の吸気面側のエアーの温度が20℃となるように、ダンパ42の開度及び送風機31の回転数を制御するものとする。この場合、ダクト20から吹き出すエアーの量と、ラック11の排気面側から吸気面側に廻り込むエアーの量とが同じであれば、ラック11の吸気面側のエアーの温度は20℃となる。
従来の外気導入型のデータセンターでは、室内に導入するエアーの温度が低すぎると、結露や静電気等により電子機器に不具合が発生するおそれがあるため、電子機器に不具合が発生しないように室内に導入する外気の温度の下限値を比較的高く設定している。
例えば電子機器の吸気許容温度の下限値が18℃であり、外気の温度が10℃であるとすると、従来のデータセンターでは室内に外気を導入せず、循環モードで動作する。
しかし、本実施形態に係るデータセンター40aでは、上述したように10℃の外気を室内に導入しても、ラック11内に入るエアーの温度は20℃になる。
このように、本実施形態のデータセンター40aでは、外気の温度が電子機器の吸気許容温度の下限値よりも低い場合であっても、室内に外気を導入することができる。
一方、外気の温度及び湿度が所定の範囲から外れている場合、制御部50は、循環モードにすべく、送風機46,47及びダンパ33,43,44を制御する。
すなわち、制御部50は、温湿度センサ49の出力により外気の温度又は湿度が所定の範囲外であると判定した場合、送風機46,47をオフにし、ダンパ33を開、ダンパ43,44を閉にする。また、循環モードでは、空調機30の熱交換器32に冷媒を供給する冷凍機及びポンプをオンにする。
図19は、循環モードにおけるエアーの流れを示す模式図である。
フィルタ33を介して空調機30内に導入されたエアーは、熱交換器32により冷却される。そして、送風機31及びダンパ42を介してダクト20に送られ、ダクト20からラック11の吸気面側に吹き出す。
ダクト20から吹き出したエアーは、ラック11の吸気面からラック11内に入り、ラック11内の電子機器12(図12参照)を冷却する。電子機器12を冷却することにより温度が上昇したエアーは、ラック11の排気面からホットアイルに排出される。
ホットアイルに排出されたエアーは、ホットアイルを上昇した後、天井に沿って空調機30側に移動し、空調機30の吸気口から空調機30内に入る。そして、空調機30内で冷却された後、再度ダクト20に送られる。
上述したように、本実施形態に係るデータセンター40aは、外気の温度及び湿度が所定の範囲内のときは、室内に外気を導入してラック11内の電子機器12を冷却する。これにより、第1の実施形態のデータセンター40に比べて、空調に要する電力をより一層削減できるという効果を奏する。
また、本実施形態のデータセンター40aでは、前述したようにデータセンター40a内に導入する外気の温度が低い場合であっても、外気の導入量を調整することで電子機器12に不具合が発生することを回避する。その場合、送風機31の回転数が少なくなるので、送風機31で消費する電力も削減される。
一般的に、送風機の消費電力は風量の2乗〜3乗に比例する。従って、送風機31の風量が50%になると、送風機31で消費する電力は1/4〜1/8に削減される。
以上の諸実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)エアー供給源から供給されるエアーが通流する流路が設けられたダクト本体と、
前記ダクト本体に設けられた開口部と、
前記開口部の辺に沿って設けられ、前記エアー供給源側が開放された風向板と
を有することを特徴とするダクト。
(付記2)前記開口部が矩形であり、前記風向板は前記エアー供給源側の辺以外の3つの辺に沿って設けられていることを特徴とする付記1に記載のダクト。
(付記3)前記ダクト本体の長手方向をX、前記ダクト本体の幅方向をY、前記X,Yに直交する方向をZとしたときに、風向板のZ方向の長さzが、前記開口部のX方向の長さx以上(z≧x)であることを特徴とする付記2に記載のダクト。
(付記4)前記風向板は、湾曲した形状であることを特徴とする付記1に記載のダクト。
(付記5)前記流路の断面積(エアー流れ方向に直交する断面の面積)が、前記エアー供給源側が大きく、その反対側が小さいことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載のダクト。
(付記6)電子機器が収納された複数のラックと、
前記ラックの吸気面側の上方に配置されたダクトとを有するデータセンターにおいて、
前記ダクトが、
エアー供給源から供給されるエアーが通流する流路が設けられたダクト本体と、
前記ダクト本体に設けられた開口部と、
前記開口部の辺に沿って設けられ、前記エアー供給源側が開放された風向板とを有する
ことを特徴とするデータセンター。
(付記7)前記エアー供給源が、
空調機と、前記空調機から供給されるエアーを前記ダクトに送る送風機とを備えることを特徴とする付記6に記載のデータセンター。
(付記8)前記エアー供給源が、
屋外のエアーを前記ラックが配置された室内に導入する外気導入部と、前記外気導入部により導入されたエアーを前記ダクトに送る送風機とを備えることを特徴とする付記6に記載のデータセンター。
(付記9)前記屋外のエアーの温度を検出する第1のセンサと、
空調機と、
前記外気導入部と前記送風機との間に配置された第1のダンパと、
前記第1のセンサの出力に応じて前記第1のダンパを制御する制御部とを有し、
前記送風機は、前記第1のダンパの開閉に応じて、前記外気導入部により導入されるエアーと前記空調機から供給されるエアーのいずれか一方を前記ダクトに送ることを特徴とする付記8に記載のデータセンター。
(付記10)前記送風機と前記ダクトとの間に配置されて圧力を検出する第2のセンサを有し、前記制御部は前記第2のセンサの出力に応じて前記送風機の回転数を制御することを特徴とする付記9に記載のデータセンター。
(付記11)前記送風機と前記ダクトとの間に配置された第2のダンパと、前記ラックの吸気面側のエアーの温度を検出する第3のセンサとを有し、前記制御部は前記第3のセンサの出力に応じて前記第2のダンパの開度を制御することを特徴とする付記10に記載のデータセンター。
(付記12)前記開口部が矩形であり、前記風向板は前記エアー供給源側の辺以外の3つの辺に沿って設けられていることを特徴とする付記6に記載のデータセンター。
(付記13)前記風向板は、湾曲した形状であることを特徴とする付記6に記載のデータセンター。
11…ラック、12…電子機器、13,30…空調機、18…排気口、20…ダクト、21…ダクト本体、22a,22b…仕切り板、25…開口部、26,26a,26b,27…風向板、31,46,47…送風機、32…熱交換器、33,42,43,44…ダンパ、40,40a…データセンター、41…外気導入部、41a…フィルタ、45…外気導入用ダクト、48…静圧センサ、49…温湿度センサ、50…制御部、51…温度センサ。

Claims (8)

  1. エアー供給源から供給されるエアーが通流する流路が設けられたダクト本体と、
    前記ダクト本体に設けられた開口部と、
    前記開口部の辺に沿って設けられ、前記エアー供給源側が開放された風向板と
    を有することを特徴とするダクト。
  2. 前記開口部が矩形であり、前記風向板は前記エアー供給源側の辺以外の3つの辺に沿って設けられていることを特徴とする請求項1に記載のダクト。
  3. 前記ダクト本体の長手方向をX、前記ダクト本体の幅方向をY、前記X,Yに直交する方向をZとしたときに、風向板のZ方向の長さzが、前記開口部のX方向の長さx以上(z≧x)であることを特徴とする請求項2に記載のダクト。
  4. 前記流路の断面積(エアー流れ方向に直交する断面の面積)が、前記エアー供給源側が大きく、その反対側が小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のダクト。
  5. 電子機器が収納された複数のラックと、
    前記ラックの吸気面側の上方に配置されたダクトとを有するデータセンターにおいて、
    前記ダクトが、
    エアー供給源から供給されるエアーが通流する流路が設けられたダクト本体と、
    前記ダクト本体に設けられた開口部と、
    前記開口部の辺に沿って設けられ、前記エアー供給源側が開放された風向板とを有する
    ことを特徴とするデータセンター。
  6. 前記エアー供給源が、
    屋外のエアーを前記ラックが配置された室内に導入する外気導入部と、前記外気導入部により導入されたエアーを前記ダクトに送る送風機とを備えることを特徴とする請求項5に記載のデータセンター。
  7. 前記屋外のエアーの温度を検出する第1のセンサと、
    空調機と、
    前記外気導入部と前記送風機との間に配置された第1のダンパと、
    前記第1のセンサの出力に応じて前記第1のダンパを制御する制御部とを有し、
    前記送風機は、前記第1のダンパの開閉に応じて、前記外気導入部により導入されるエアーと前記空調機から供給されるエアーのいずれか一方を前記ダクトに送ることを特徴とする請求項6に記載のデータセンター。
  8. 前記開口部が矩形であり、前記風向板は前記エアー供給源側の辺以外の3つの辺に沿って設けられていることを特徴とする請求項5に記載のデータセンター。
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