JP2016205156A - 遠心ポンプおよび遠心ポンプのインペラクリアランスの調整方法 - Google Patents

遠心ポンプおよび遠心ポンプのインペラクリアランスの調整方法 Download PDF

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Kazutomo Hayashimoto
和智 林元
涼太 中山
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涼太 中山
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Abstract

【課題】作業者による大がかりな調整作業を必要とせずに、インペラクリアランスを調整する。
【解決手段】この遠心ポンプ1は、インペラクリアランスTを調整するクリアランス調整手段を備える。クリアランス調整手段は、駆動軸10を軸方向に案内可能に設けられた案内機構20と、案内機構20の駆動および停止位置の保持をするモータ30と、モータ30を制御するコントローラ40とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、遠心ポンプに係り、特に、遠心ポンプのインペラクリアランスを調整する技術に関する。
遠心ポンプは、ケーシングの内面とインペラの羽根の前縁部との対向隙間であるインペラクリアランスの大小によりポンプの性能が変化する(例えば特許文献1参照)。
図3に従来の遠心ポンプの一例を示す。同図に示す遠心ポンプ100では、ケーシング105内のインペラ102が摩耗してインペラクリアランスTが広がるとポンプ性能が低下する。
ポンプ性能が低下した場合、作業者は、不図示のモータやカップリングを取り外し、フレーム107後部のベアリングハウジング108に配置されたクリアランス調整シム109の厚さを変えることで駆動軸110の軸方向位置を調整する。これにより、インペラクリアランスTを調整してポンプ性能の回復を図り、作業者は、再度、モータやカップリングを組み付け、その後、カップリングの芯出し作業を行うという大がかりな調整作業を要していた。
特開2012−140875号公報
これに対し、特許文献1記載の技術では、フレームをケーシングに対して軸方向に沿って移動可能な手動式の調整機構を設け、これにより、作業者がインペラをケーシングに対して軸方向に沿って移動可能としたので、図3に示した例と比べて、作業者によるインペラクリアランスの調整作業の作業性を向上させ得る。しかしながら、特許文献1記載の技術においても、手動式の調整機構であるため、インペラクリアランスが広がってポンプ性能が低下する度に、作業者によるインペラクリアランスの調整作業を要する点で未だ改善の余地がある。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、作業者による大がかりな調整作業を必要とせず、インペラクリアランスを調整可能な遠心ポンプおよび遠心ポンプのインペラクリアランスの調整方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る遠心ポンプは、駆動軸を回転自在に支持するフレームと、該フレーム前面に固定されるケーシングと、該ケーシング内に収容されるとともに前記駆動軸先端に同軸に設けられるインペラとを備え、前記駆動軸の駆動により前記ケーシング内で前記インペラが回転することにより、前記ケーシングに形成された吸込口から吐出口に流体を送る遠心ポンプであって、前記ケーシングの内面と前記インペラの羽根の前縁部との対向隙間であるインペラクリアランスを調整するクリアランス調整手段を備え、前記クリアランス調整手段は、前記駆動軸を軸方向に案内可能に設けられた案内機構と、該案内機構の駆動および停止位置の保持をするモータと、該モータを制御するコントローラとを有することを特徴とする。
本発明の一態様に係る遠心ポンプによれば、クリアランス調整手段は、駆動軸を軸方向に案内可能に設けられた案内機構と、案内機構の駆動および停止位置の保持をするモータと、モータを制御するコントローラとを有するので、インペラクリアランスを自動制御により調整することができる。よって、作業者による大がかりな調整作業を必要とせず、インペラクリアランスを調整可能である。
ここで、本発明の一態様に係る遠心ポンプにおいて、前記コントローラは、前記駆動軸を軸方向前方に移動させてインペラクリアランスが無い接触状態とした後に、前記駆動軸を軸方向後方に移動させてインペラクリアランスを所定に調整することは好ましい。
また、本発明の一態様に係る遠心ポンプにおいて、前記モータは、サーボモータであり、前記コントローラは、前記サーボモータを駆動することにより、前記案内機構によって前記駆動軸を軸方向前方に移動させ、前記サーボモータの回転トルクに基づいて、取得された回転トルクの値が所定の状態になったときに前記サーボモータを停止させるとともに、その停止位置から前記サーボモータを所定の回転量だけ逆転させて前記案内機構によって前記駆動軸を軸方向後方に移動させ、前記インペラクリアランスを所定に調整することは好ましい。
また、本発明の一態様に係る遠心ポンプにおいて、前記コントローラは、当該遠心ポンプが停止しているときに、予めプログラムされた時間に、前記サーボモータを駆動し、前記サーボモータの回転トルクが、予め設定した回転トルク値に上昇したときに、前記サーボモータを停止させ、さらに、その停止位置から、予め定めたインペラクリアランスになるように、前記サーボモータを所定の回転量だけ逆転させて前記インペラクリアランスを所定に調整することは好ましい。
また、本発明の一態様に係る遠心ポンプにおいて、前記コントローラは、当該遠心ポンプが停止しているときに、予めプログラムされた時間に、前記サーボモータを駆動し、前記サーボモータの回転トルクに基づいて、前記サーボモータの回転トルクが、予め設定した回転トルク値に上昇したときに、前記サーボモータを停止させ、さらに、その停止位置から、予め定めたインペラクリアランスになるように、前記サーボモータを所定の回転量だけ逆転させて前記インペラクリアランスを所定に調整することは好ましい。
また、本発明の一態様に係る遠心ポンプにおいて、前記予め設定した回転トルク値は、前記駆動軸を軸方向に可動時の回転トルクの110%〜150%の値から選択した値であることは好ましい。また、前記予め定めたインペラクリアランスは、0.5mmから3mmの範囲から選択した値であることは好ましい。
また、本発明の一態様に係る遠心ポンプにおいて、前記クリアランス調整手段は、前記駆動軸の後部を支持するとともに前記フレームの後部に前記案内機構を介して装着されるベアリングハウジングと、前記モータの回転力を前記ベアリングハウジングに伝達する回転力伝達機構とを有し、前記コントローラは、前記モータを駆動して前記回転力伝達機構を介して前記ベアリングハウジングに回転力を伝達し、前記ベアリングハウジングを前記案内機構によって軸方向に移動させることにより、前記インペラクリアランスを調整することは好ましい。
また、本発明の一態様に係る遠心ポンプにおいて、前記案内機構は、前記フレーム側に前記駆動軸の軸方向に沿って形成された雌ねじ部と、該雌ねじ部に螺合可能に前記ベアリングハウジングの外周面に形成された雄ねじ部とを有し、前記回転力伝達機構は、前記モータの出力軸に外嵌する駆動ギアと、前記ベアリングハウジングの外周面に設けられて前記駆動ギアと歯合する従動ギアとを有することは好ましい。
さらに、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る遠心ポンプのインペラクリアランスの調整方法は、駆動軸を回転自在に支持するフレームと、該フレーム前面に固定されるケーシングと、該ケーシング内に収容されるとともに前記駆動軸先端に同軸に設けられるインペラとを備え、前記駆動軸の駆動により前記ケーシング内で前記インペラが回転することにより、前記ケーシングに形成された吸込口から吐出口に流体を送る遠心ポンプに用いられ、前記ケーシングの内面と前記インペラの羽根の前縁部との対向隙間であるインペラクリアランスを調整する方法であって、前記駆動軸を軸方向に案内可能に設けられた案内機構と、該案内機構の駆動および停止位置の保持をするサーボモータとを用い、前記サーボモータを駆動して前記インペラと前記ケーシングの内面の接触位置を判定し、その接触位置から予め定めたインペラクリアランスになる所定の回転量だけ前記サーボモータを逆転させてインペラクリアランスを調整することを特徴とする。
ここで、本発明の一態様に係る遠心ポンプのインペラクリアランスの調整方法において、前記サーボモータを駆動して、その回転トルクが前記案内機構で前記駆動軸を軸方向に可動時の回転トルクの110%〜150%の値から選択した予め設定した値に上昇したときに、前記接触位置と判定して前記サーボモータを停止し、さらに、その接触位置から、前記インペラクリアランスが0.5mmから3mmの範囲から選択した予め定めたインペラクリアランスになる所定の回転量だけ前記サーボモータを逆転させて前記インペラクリアランスを所定に調整することは好ましい。
本発明の一態様に係る遠心ポンプのインペラクリアランスの調整方法によれば、駆動軸を軸方向に案内可能に設けられた案内機構と、この案内機構の駆動および停止位置の保持をするサーボモータとを用い、サーボモータを駆動して接触位置を判定し、その接触位置から予め定めたインペラクリアランスになる所定の回転量だけサーボモータを逆転させてインペラクリアランスを調整するので、作業者による大がかりな調整作業を必要とせず、インペラクリアランスを調整可能である。
本発明によれば、大がかりな調整作業を必要とせずに、インペラクリアランスを調整することができる。
本発明の一態様に係る遠心ポンプの一実施形態の説明図であり、同図では軸線に沿った断面を示している。 コントローラで実行されるクリアランス調整処理のフローチャートである。 従来の遠心ポンプの一例を示す縦断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
図1に示すように、この遠心ポンプ1は、フレーム7と、フレーム7の前方に設けられたケーシング5とを備える。フレーム7の後部には軸受部11が設けられ、軸受部11の前端面11mには、軸受部11の前面を閉止する前面軸受カバー14が設けられるとともに、軸受部11の後端面側には、後面を閉止する後面軸受カバー15が設けられている。前面軸受カバー14は、ボルト16により軸受部11の前端面11mに直接固定されている。後面軸受カバー15は、後述するベアリングハウジング21との協働によりフレーム7の後面を閉止しており、ベアリングハウジング21のフランジ部23の後端面に不図示のボルトで固定されている。
軸受部11には、軸方向の前後に離隔した軸受12、13を介して駆動軸10が回転自在に支持されている。前部側の軸受12には、深溝玉軸受を用いており、軸受12は、緩いしまり嵌めで駆動軸10を軸受部11に支持している。後部側の軸受13は、二つの軸受13を用いた背面組み合わせでベアリングハウジング21の内周面に保持され、ベアリングハウジング21の外周面が軸受部11の後部内周面に支持されている。後部側の軸受13の内輪は、ロックナット25により駆動軸10と一体に保持され、軸受13の外輪は、ベアリングハウジング21と後面軸受カバー15との間に挟圧されることで、ベアリングハウジング21と後面軸受カバー15の間に一体に保持されている。
駆動軸10の両端は、軸受部11前後の軸受カバー14、15をそれぞれ貫通しており、駆動軸10の先端には、上記ケーシング5の内部に収納されたセミオープン型のインペラ2が固定されている。駆動軸10の先端には雄ねじ10aが形成され、雄ねじ10aがインペラ2の基端側の端面中央に形成された雌ねじ2aに螺合することにより、駆動軸10とインペラ2とが同軸に連結されている。インペラ2は、略円板状のベース部2bを有し、ベース部2bには、軸方向前方に張り出す複数の羽根2cが一体形成されている。
ケーシング5は、後方の本体部5bと前方の吸込部5aとを備える。本体部5bは、その背面部5hがフレーム7の前面7mにボルト・ナット17で固定されている。吸込部5aと本体部5bとは、ボルト・ナット5cで相互に固定され、内部にインペラ2の収容空間が画成されている。本体部5bと吸込部5aの内部には、内面全体を覆うライナー3、4がそれぞれに装着されている。本体部5bの背面中央には、グランドパッキン9を収容した円筒状の軸封装置8が設けられ、駆動軸10の先端側を軸封している。
本体部5bには、上部に吐出口5tが形成され、吸込部5aには、前方にフロントカバー6が装着されている。フロントカバー6は、本体部5bの先端側の取付面5mに、パッキン18を介してボルト・ナット19で固定されている。フロントカバー6には、前方に軸方向に沿って張り出す吸込口6nが形成されており、吸込口6nは、吸込部5aを介して吐出口5tに連通している。
ここで、この遠心ポンプ10は、ケーシング5の内面(この例では、フロントカバーライナ3の内面)とインペラ2の羽根2cの前縁部との対向隙間であるインペラクリアランスTを自動制御により調整するクリアランス調整手段を備えている。
詳しくは、駆動軸10の後端は、上記ベアリングハウジング21に保持された二つの軸受13によって軸受部11に支持されているが、ベアリングハウジング21の外周面の先端側には、クリアランス調整用の雄ねじ部22が形成されるとともに、軸受部11の後部の内周面には、雄ねじ部22に対向する位置に、雄ねじ部22に螺合するクリアランス調整用の雌ねじ部11nが形成され、これら雌ねじ部11nと雄ねじ部22とにより、駆動軸10を軸方向に案内する案内機構20が構成されている。
また、ベアリングハウジング21の後端部には、円環状のフランジ部23が設けられており、このフランジ部23の外周面に、平歯車からなる従動ギア24が形成されている。さらに、フレーム7には、軸受部11の下部の位置に、減速機付のサーボモータ30が設けられている。このサーボモータ30は、出力軸31を後方に向けて水平に装着されている。
出力軸31には、上記従動ギア24に歯合する平歯車からなる駆動ギア32が装着され、これにより、サーボモータ30の回転力をベアリングハウジング21に伝達する回転力伝達機構が構成されている。また、駆動軸10の後端部には、軸方向に沿って複数のスプライン10sが形成されている。これにより、駆動軸10の後端は、ゴム軸継手等の継手に対して軸方向に移動可能に構成されている。
さらに、フレーム7には、上記サーボモータ30を駆動するためのドライバ41と、コントローラ40とが装備されている。コントローラ40は、当該遠心ポンプ1が停止しているときに、予めプログラムされた時間に、クリアランス調整処理のプログラムを実行し、ドライバ41に制御信号を送ってサーボモータ30を駆動可能に構成されている。
詳しくは、コントローラ40でクリアランス調整処理が実行されると、図2に示すように、ステップS1に移行して当該遠心ポンプ1が停止しているか否かを判定し、当該遠心ポンプ1が停止していれば(Yes)ステップS2に移行し、そうでなければ(No)処理を戻す。遠心ポンプ1が停止しているか否かの判定は、例えば、当該遠心ポンプ1を含むシステムを管理する上位コンピュータの指令に基づいて行うことができる。また、例えば、当該遠心ポンプ1を駆動する駆動モータ(不図示)の駆動信号に基づいて行うことができる。
ステップS2では、正方向移動制御のための一連の処理が行われる。正方向移動制御とは、上記インペラクリアランスTを狭くする方向(正方向)にインペラ2を移動させる制御である。コントローラ40は、正方向移動制御のための所定の制御信号をサーボモータ30のドライバ41に送出し、ドライバ41は、サーボモータ30を正方向に回転駆動させてステップS3に移行する。
ここで、サーボモータ30が正方向に回転駆動されると、回転力が駆動用ギア32から従動ギア24を介してベアリングハウジング21に伝達される。このとき、ベアリングハウジング21外周面のクリアランス調整用の雄ねじ部22は、軸受部11内周面のクリアランス調整用の雌ねじ部11nに螺合しているので、従動ギア24と一体のベアリングハウジング21が正方向に所定量回転し、クリアランス調整用のねじ22、11nのリードに応じた量だけ、ベアリングハウジング21を軸方向前方に移動させることができる。これにより、ベアリングハウジング21と後面軸受カバー15とに保持された二つの軸受13が軸方向前方に移動するため、ベアリングハウジング21の移動量だけ駆動軸10を前方に移動させることができる。したがって、駆動軸10の先端に一体固定されたインペラ2がインペラクリアランスTを狭くする方向に移動する。
続くステップS3では、回転トルク値を算出してステップS4に移行する。ここで、このサーボモータ30は、駆動時の回転数とドライバ41にフィードバックされた電流値とに基づいて随時の発生トルクを瞬時に算出することができるものである。ステップS4では、算出された随時の発生トルクが、予め設定した回転トルク値(所定トルク)に達したか否かを判定する。
つまり、算出された随時の発生トルクが所定トルク未満であれば(No)ステップS2に処理を戻し、算出された随時の発生トルクが所定トルク以上であれば(Yes)ステップS5に移行する。ステップS5では、現在の位置をインペラ2とケーシング5の内面の接触位置と判定してサーボモータ30を停止してトルク制限をかける。ここで、本実施形態において、予め設定した回転トルク値は、軸方向前方に可動時の回転トルクの110%〜150%の値から選択した値である。
つまり、インペラ2をサーボモータ30の回転で軸方向前方に移動させて、インペラ2がフロントカバーライナ3と接触した段階から、サーボモータ30の運転トルクは、それまでのインペラ2を軸方向前方に可動時に必要なトルクから急激に上昇する。このとき、そのトルクが軸方向前方に可動時の回転トルクの150%以上とした場合は、インペラ2やフロントカバーライナ3の接触部の損傷が発生するおそれが高くなる。
一方、トルク制限の設定を軸方向前方に可動時の回転トルクの110%以下とした場合には、駆動軸10のグランドパッキン9や各部のオイルシール等のシール部への異物噛み込みや、軸封装置8によるグランドパッキン9の締め具合による抵抗変動等で、フロントカバーライナ3とインペラ2が接触しない段階で軸方向前方への移動が停止してしまう可能性が高くなる。
そこで、本実施形態の遠心ポンプ1では、実際のインペラ2やフロントカバーライナ3の接触点の検出には、サーボモータ30の回転トルクが、軸方向前方に可動時の回転トルクの110%〜150%の範囲に対して設定することとしており、適用するそれぞれの遠心ポンプにおいて、予めインペラ2の軸方向移動試験を実施してトルク制限の適正値を決定し、接触点検知のための設定値を設定している。
続くステップS6では、逆方向移動制御のための一連の処理が行われる。逆方向移動制御とは、上記接触位置からインペラクリアランスTを広くする方向(逆方向)にインペラ2を移動させる制御である。コントローラ40は、逆方向移動制御のための所定の制御信号をサーボモータ30のドライバ41に送出し、ドライバ41はサーボモータ30を逆方向に回転駆動させてステップS7に移行する。
サーボモータ30が逆方向に駆動されると、回転力が駆動用ギア32から従動ギア24に伝達され、従動ギア24と一体のベアリングハウジング21が逆方向に所定量回転し、互いに螺合しているクリアランス調整用のねじ部22、11nのリードに応じた量だけベアリングハウジング21が軸方向後方に移動する。これにより、ベアリングハウジング21に保持された軸受13が軸方向後方に移動するため、その移動量だけ駆動軸10を軸方向後方に移動させることができる。したがって、駆動軸10の先端に一体固定されたインペラ2が、上記接触位置からインペラクリアランスTを広くする方向に移動する。
ステップS7では、回転位置情報を取得してステップS8に移行する。ここで、このサーボモータ30は、位置検出器(回転角度を検知可能なセンサであって、例えば、エンコーダ、レゾルバ)を備えており、コントローラ40は、その位置検出器からサーボモータ30の随時の回転位置情報を取得することができる。
ステップS8では、取得された随時の回転位置情報が、予め定めたクリアランスに応答する回転位置(回転角度)に達したか否かを判定する。つまり、取得された随時の回転位置情報が、予め定めたクリアランスに応答する回転位置未満であれば(No)ステップS6に処理を戻し、取得された随時の回転位置情報が予め定めたクリアランスに応答する回転位置以上であれば(Yes)ステップS9に移行してサーボモータ30を停止して処理を戻す。ここで、本実施形態において、予め定めたクリアランスは、0.5mmから3mmの範囲から選択した値であり、予め定めたクリアランスに応答する回転位置は、この予め定めたクリアランスとなるサーボモータ30の回転位置(回転角度)である。
次に、上述した遠心ポンプ1の作用効果について説明する。
上述したように、この遠心ポンプ1では、インペラクリアランスTを自動制御により調整するクリアランス調整手段を備えているので、作業者による大がかりな調整作業を必要とせずに、インペラクリアランスTを調整することができる。
つまり、図3に示した従来の遠心ポンプ100では、インペラ102が摩耗してインペラクリアランスTが広がり、ポンプ性能が低下した場合、ポンプ駆動用のモータやカップリングを取り外し、ベアリングハウジング108の後部に配置されたクリアランス調整シム109の厚さを変えることで、インペラクリアランスTを調整してポンプ性能の回復を図り、再度、ポンプ駆動用のモータやカップリグを組み付けて、その後、カップリングの芯出し作業を行うという、作業者による大がかりな調整作業が必要であった。
これに対し、本実施形態の遠心ポンプ1では、駆動軸10の後部を支持するとともにフレーム7の後部に案内機構20を介して装着されるベアリングハウジング21と、このベアリングハウジング21の駆動および停止位置の保持をするサーボモータ30と、このサーボモータ30を制御するコントローラ40とを備え、コントローラ40は、当該遠心ポンプ1が停止しているときに、予めプログラムされた時間に、サーボモータ30を自動制御で駆動することができる。
これにより、本実施形態の遠心ポンプ1では、まず、サーボモータ30の正方向回転で駆動軸10と一体のインペラ2を前方に移動させる。インペラ2がフロントカバーライナ3と接触すると、フロントカバーライナ3がインペラ2のそれ以上の前方への移動を妨げる。そのため、サーボモータ30をさらに正方向回転させようとすると、インペラ2が接触位置を超えて更に前方に移動しようとするため、急激なトルク上昇が生じる。
このとき、本実施形態の遠心ポンプ1によれば、コントローラ40は、サーボモータ30の回転トルクに基づいて、取得された回転トルクの値が、予め設定した回転トルク値に上昇したときに、インペラ2とケーシング5の内面の接触位置と判定してサーボモータ30を停止させることができる。
つまり、本実施形態の遠心ポンプ1では、サーボモータ30の発生トルク検知機能及びトルク制限機能を有するので、特別にインペラ2の位置検出のための検出センサーを用いること無く、インペラ2とフロントカバーライナ3との接触後のトルク上昇を監視することにより、インペラ2とフロントカバーライナ3との接触位置を判定することができる。
そして、本実施形態の遠心ポンプ1では、サーボモータ30の回転トルクが、駆動軸10を軸方向前方に可動時の回転トルクの110%〜150%の範囲の値のうち予め設定した値に上昇した時点を、インペラ2とフロントカバーライナ3の接触位置と判定してサーボモータ30を停止し、さらに、その接触位置から、インペラ2を、インペラクリアランスTが0.5mmから3mmの範囲で、予め定めたインペラクリアランスTになるように、サーボモータ30を所定の回転量だけ逆転させて、インペラクリアランスTを自動調整することができる。したがって、本実施形態の遠心ポンプ1によれば、作業者による大がかりな調整作業を不要としつつ、ポンプ性能を長期に保持することができるのである。
以上説明したように、本実施形態の遠心ポンプ1によれば、駆動軸10を軸方向に案内可能に設けられた案内機構20と、案内機構20の駆動および停止位置の保持をするサーボモータ30と、サーボモータ30を制御するコントローラ40とを備え、コントローラ40が、サーボモータ30を駆動してインペラクリアランスTを自動制御により調整するので、作業者による大がかりな調整作業を必要とせず、インペラクリアランスを調整することができる。
特に、本実施形態の遠心ポンプ1によれば、当該遠心ポンプ1が停止しているときに、予めプログラムされた時間に、サーボモータ30を駆動させて、インペラ2とフロントカバーライナ3との接触時のトルク管理により、インペラ2とフロントカバーライナ3との接触位置を検出し、その接触位置からサーボモータ30の逆回転でインペラ2を所定距離だけ軸方向後方に移動させてインペラクリアランスTを所定のクリアランスに自動調整できるので、作業者による大がかりな調整作業を不要としつつ、ポンプ性能を長期に保持する上で好適である。
なお、本発明に係る遠心ポンプは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能であることは勿論である。
1 遠心ポンプ
2 インペラ
3 フロントカバーライナ
4 ケーシングライナ
5 ケーシング
6 フロントカバー
7 フレーム
8 軸封装置
9 グランドパッキン
10 駆動軸
11 軸受部
11n 雌ねじ部
12、13 軸受
14 前面軸受カバー
15 後面軸受カバー
16 ボルト
17 ボルト・ナット
18 パッキン
19 ボルト・ナット
20 案内機構
21 ベアリングハウジング
22 雄ねじ部
23 フランジ部
24 従動ギア(回転力伝達部)
25 ロックナット
30 サーボモータ(モータ)
31 出力軸
32 駆動ギア(回転力伝達部)
40 コントローラ
41 ドライバ
T インペラクリアランス

Claims (10)

  1. 駆動軸を回転自在に支持するフレームと、該フレーム前面に固定されるケーシングと、該ケーシング内に収容されるとともに前記駆動軸先端に同軸に設けられるインペラとを備え、前記駆動軸の駆動により前記ケーシング内で前記インペラが回転することにより、前記ケーシングに形成された吸込口から吐出口に流体を送る遠心ポンプであって、
    前記ケーシングの内面と前記インペラの羽根の前縁部との対向隙間であるインペラクリアランスを調整するクリアランス調整手段を備え、
    前記クリアランス調整手段は、前記駆動軸を軸方向に案内可能に設けられた案内機構と、該案内機構の駆動および停止位置の保持をするモータと、該モータを制御するコントローラとを有することを特徴とする遠心ポンプ。
  2. 前記コントローラは、前記駆動軸を軸方向前方に移動させてインペラクリアランスが無い接触状態とした後に、前記駆動軸を軸方向後方に移動させてインペラクリアランスを所定に調整する請求項1に記載の遠心ポンプ。
  3. 前記モータは、サーボモータであり、
    前記コントローラは、前記サーボモータを駆動することにより、前記案内機構によって前記駆動軸を軸方向前方に移動させ、前記サーボモータの回転トルクに基づいて、取得された回転トルクの値が所定の状態になったときに前記サーボモータを停止させるとともに、その停止位置から前記サーボモータを所定の回転量だけ逆転させて前記案内機構によって前記駆動軸を軸方向後方に移動させ、前記インペラクリアランスを所定に調整する請求項1に記載の遠心ポンプ。
  4. 前記コントローラは、当該遠心ポンプが停止しているときに、予めプログラムされた時間に、前記サーボモータを駆動し、
    前記サーボモータの回転トルクに基づいて、前記サーボモータの回転トルクが、予め設定した回転トルク値に上昇したときに、前記サーボモータを停止させ、さらに、その停止位置から、予め定めたインペラクリアランスになるように、前記サーボモータを所定の回転量だけ逆転させて前記インペラクリアランスを所定に調整する請求項3に記載の遠心ポンプ。
  5. 前記予め設定した回転トルク値は、前記駆動軸を軸方向に可動時の回転トルクの110%〜150%の値から選択した値である請求項4に記載の遠心ポンプ。
  6. 前記予め定めたインペラクリアランスは、0.5mmから3mmの範囲から選択した値である請求項4または5に記載の遠心ポンプ。
  7. 前記クリアランス調整手段は、前記駆動軸の後部を支持するとともに前記フレームの後部に前記案内機構を介して装着されるベアリングハウジングと、前記モータの回転力を前記ベアリングハウジングに伝達する回転力伝達機構とを有し、
    前記コントローラは、前記モータを駆動して前記回転力伝達機構を介して前記ベアリングハウジングに回転力を伝達し、前記ベアリングハウジングを前記案内機構によって軸方向に移動させることにより、前記インペラクリアランスを調整する請求項1〜6のいずれか一項に記載の遠心ポンプ。
  8. 前記案内機構は、前記フレーム側に前記駆動軸の軸方向に沿って形成された雌ねじ部と、該雌ねじ部に螺合可能に前記ベアリングハウジングの外周面に形成された雄ねじ部とを有し、
    前記回転力伝達機構は、前記モータの出力軸に外嵌する駆動ギアと、前記ベアリングハウジングの外周面に設けられて前記駆動ギアと歯合する従動ギアとを有する請求項7に記載の遠心ポンプ。
  9. 駆動軸を回転自在に支持するフレームと、該フレーム前面に固定されるケーシングと、該ケーシング内に収容されるとともに前記駆動軸先端に同軸に設けられるインペラとを備え、前記駆動軸の駆動により前記ケーシング内で前記インペラが回転することにより、前記ケーシングに形成された吸込口から吐出口に流体を送る遠心ポンプに用いられ、前記ケーシングの内面と前記インペラの羽根の前縁部との対向隙間であるインペラクリアランスを調整する方法であって、
    前記駆動軸を軸方向に案内可能に設けられた案内機構と、該案内機構の駆動および停止位置の保持をするサーボモータとを用い、
    前記サーボモータを駆動して前記インペラと前記ケーシングの内面の接触位置を判定し、その接触位置から予め定めたインペラクリアランスになる所定の回転量だけ前記サーボモータを逆転させてインペラクリアランスを調整することを特徴とする遠心ポンプのインペラクリアランスの調整方法。
  10. 前記サーボモータを駆動して、その回転トルクが前記案内機構で前記駆動軸を軸方向に可動時の回転トルクの110%〜150%の値から選択した予め設定した値に上昇したときに、前記接触位置と判定して前記サーボモータを停止し、
    さらに、その接触位置から、前記インペラクリアランスが0.5mmから3mmの範囲から選択した予め定めたインペラクリアランスになる所定の回転量だけ前記サーボモータを逆転させて前記インペラクリアランスを所定に調整する請求項9に記載の遠心ポンプのインペラクリアランスの調整方法。
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