JP2016204875A - 海底資源採掘システム - Google Patents

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清 菊川
康介 菊川
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Abstract

【課題】海底に存在する表層及び堆積物中に存在する海底資源を効率よく採掘する装置を提供する。
【解決手段】海底に存在する表層及び堆積物中に存在する地下資源(メタンハイドレート、コバルト、レアメタル他)を掘削する場合において、採掘機と破砕機と送圧機を備えた自走式採掘装置と、該自走式採掘装置から送り出された破砕物を洋上の海底資源回収船へ移送するための送圧機が配されたステージと、前記破砕物を前記自走式採掘装置から前記ステージへ移送中に直進力・円形力を制御できる横移送チューブと、前記ステージから洋上の前記海底資源回収船へ移送中に直進力・円形力を制御できる縦移送チューブからなることを特徴とする海底資源採掘システム。
【選択図】図1

Description

本発明は、海底に存在する表層及び堆積物中に存在する海底資源を効率よく採掘する装置に関する。
日本近海に莫大な埋蔵量の表層型メタンハイドレートが存在することが確認されており、これを効率的に採掘すれば、エネルギーの心配を無くすることができる。
現在考案されているメタンハイドレートの回収方法には、海底炭鉱手法・自噴回収手法・土木的手法・加熱法・減圧法・化学的手法がある。
日本海側に存在するメタンハイドレートの回収方法として次のようなシステムが開発されている。
図7は全体システムで、陸上より6,ロボットをリモコンにより事前調査により得た場所に走らせ、2,堆積層を掘り下げる。掘った泥は海に流す。3,メタンハイドレート層に達すると、27,カバーをかけ、15,パイプで運ばれたハイドレートを7,処理装置で6,ロボットの近くの海底面に設置する。メタンガスは、そこから地上の8,制御室に送られ、圧縮され、液化されタンクに送られる。
図7Aは装置1,の概略を示す図で、掘削ロボットに必要な機能を表す。11,機構部で全ての機能部材を収納し、12,動力車はその動力となるモーターや制御部が収納され、その下部にはチャタピラ在に向きを変えられるようになって走行する。13,ハンマーアームで砕いたハイドレートを18、バケットアームで17,受け皿にすくい入れる、15,パイプの中に16,螺旋回転体があり、回転すると17,受け皿のハイドレートが上昇する。
図7Bは装置2,の概略を示す図で、海底面に設置する。22,パイプ(図2の15,パイプの先端部)が装置2,に堆積物(メタンハイドレート)を運び、23,粉砕器で細かく砕き、そこへ、21,吸い込みポンプにより海面に近い、温度の高い(10℃以上)海水を引き込み、粉砕したハイドレートに散布する。そこから大量のメタンガスが発生する。20,はフレキシブルパイプで10,ブイで下面に穴が開いておりそこから海水が吸い込まれる。勿論、魚類が入り込まないよう金網等を貼り付ける。26,メタンガス用パイプで装置3,に送る。
図7Cは、装置3,で陸上に設置し、26,メタンガスパイプに29,ガス吸入ポンプで吸い取り、これを30,圧縮機液化して、Aタンクなどへ送られる。
この装置3,には、システム全体を制御する28,配電盤、制御板が内蔵される。
尚、これらの装置1,2,3,のそれぞれに必要な箇所に監視カメラを設置し、万一の時に備える(例えば、特許文献1参照。)。
特開2014−141861
以上に述べた前記先行事例(特許文献1)においては、
1、全てのメタンハイドレートをガス化しており、最終的には圧縮機で液化すること で効率が悪い
2、カバーで覆って集積しようとしているが、その後の処置について掲示されていな い。また、採掘されたメタンハイドレート塊の密度は0.91 g/cm3と軽いことか ら不安定であり、採掘〜バケットアーム〜受け皿への配転に問題がないか疑問が ある。
3、また、採掘されたメタンハイドレート塊の形状が大きい場合に詰まり等の問題が ないか疑問がある。
4、掘削ロボットの横移動時に、吸い上げパイプ及びパイプに内蔵されている螺旋軸 に無理な力が係ることにより、破損等が起きないか疑問
5、移送パイプが固定されていると、採掘場所の移動時に装置および移送パイプの移 動が大がかりとなる。
などの問題が考えられる。
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、回収のためのエネルギー効率を極力落とすことなく、採掘時の環境に配慮した構造とし、配転・移送を安定させるために可撓性をコントロールできるチューブを使用するなどで、回収状態を極力塊状で行えるようにして、回収効率や機動性が高い低価格の海底資源採掘システムを実現することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様の海底資源採掘システムは、海底に存在する表層及び堆積物中に存在する地下資源(メタンハイドレート、コバルト、レアメタル他)を掘削する場合において、採掘機と破砕機と送圧機を備えた自走式採掘装置と、該自走式採掘装置から送り出された破砕物を洋上の海底資源回収船へ移送するための送圧機が配されたステージと、前記破砕物を前記自走式採掘装置から前記ステージへ移送中に直進力・円形力を制御できる横移送チューブと、前記ステージから洋上の前記海底資源回収船へ移送中に直進力・円形力を制御できる縦移送チューブからなることを特徴とする。
本発明の第2の態様の海底資源採掘システムに用いる横移送チューブは、流体導入式中空孔形成チューブ(特許NO.4801214)を使用するもので、該流体導入式中空孔形成チューブは、少なくとも一方端が開口し内部に前記開口に連通した中空孔を有し、一方端の前記開口から中空孔内に海水が圧入される所定長さの複数本の小径ホースを備え、前記複数本の小径ホースは、それぞれの前記中空孔に海水が圧入されたときに、両端に大径開口及び内部にこれらの開口に連通した大径中空孔が形成される大きさの直径を有する円又は楕円の周上長手方向に、それぞれの前記各開口の一端部を揃えて螺旋状に巻回して、海水が圧入される前は、折畳み又は巻回可能な状態にあり、前記一方の各開口から海水が圧入されたときに、他方の各開口が開口している場合は閉鎖して前記海水の圧力により順次膨らみ前方へ押出されて、前記折畳み又は巻回状態から直進し前記大径開口及び大径中空孔が形成されることを特徴とし、該大径中空孔を通して前記破砕物を移送することを特徴とする。
本発明の第3の態様の海底資源採掘システムに用いる縦移送チューブは、前記流体導入式中空孔形成チューブ、もしくは該流体導入式中空孔形成チューブと一部にフレキシブルチューブを組み合わせて用いたことを特徴とする。
本発明の第4の態様の海底資源採掘システムは、海底に存在する表層及び堆積物中に存在する地下資源を掘削する場合において、前記自走式採掘装置と、該自走式採掘装置から送り出された破砕物を洋上の前記海底資源回収船へ直接移送中に直進力・円形力を制御できる移送チューブからなることを特徴とする。
本発明の第5の態様の海底資源採掘システムに用いる移送チューブは、前記流体導入式中空孔形成チューブ、もしくは該流体導入式中空孔形成チューブと一部にフレキシブルチューブを組み合わせて用いたことを特徴とする。
上記第1の課題解決手段による作用は次のとおりである。すなわち、海底資源採掘装置は、海底に存在する表層及び堆積物中に存在する地下資源(メタンハイドレート、コバルト、レアメタル他)を掘削する場合において、採掘機と破砕機と送圧機を備えた自走式採掘装置と、該自走式採掘装置から送り出された破砕物を洋上の海底資源回収船へ移送するための送圧機が配されたステージと、前記破砕物を前記自走式採掘装置から前記ステージへ移送中に直進力・円形力を制御できる横移送チューブと、前記ステージから洋上の前記海底資源回収船へ移送中に直進力・円形力を制御できる縦移送チューブからなる。
自走式採掘装置が海底を移動できることで油井方式の1ポイント方式に比し採掘効率が高く、システムの設営や配転が容易である。また、特に日本海側のメタンハイドレート資源が確認されている場所は、カニが多く確認されており、先行事例にあるパイプラインを施設しない事から、底引き漁業に支障をきたすこともない。
また、破砕物を移送途中に海流等に影響を受けない程度の重いステージを設けており、このステージにより採掘作業と移送作業を分けることで、自走式採掘装置が採掘移動時に移送チューブの影響を小さくしたものである。
仮に自走式採掘装置と直接洋上の海底資源回収船を直結したチューブであれば、自走式採掘装置はチューブの重量、形状、海流等の影響を直接受けることで作業効率を落としかねず、また、事故を起こす可能性が高まる恐れがある。
しかしながら、地下資源の存在状況(面積・高さ等)、水深、海流の状態によりステージを設けず直結する方法もあり、後述する第4・5の課題解決手段がそれである。
また、第2の課題解決手段による作用は次のとおりである。すなわち、前記海底資源採掘システムの横移送チューブは、流体導入式中空孔形成チューブを使用するもので、該流体導入式中空孔形成チューブは、少なくとも一方端が開口し内部に前記開口に連通した中空孔を有し、一方端の前記開口から中空孔内に海水が圧入される所定長さの複数本の小径ホースを備え、前記複数本の小径ホースは、それぞれの前記中空孔に海水が圧入されたときに、両端に大径開口及び内部にこれらの開口に連通した大径中空孔が形成される大きさの直径を有する円又は楕円の周上長手方向に、それぞれの前記各開口の一端部を揃えて螺旋状に巻回して、海水が圧入される前は、折畳み又は巻回可能な状態にあり、前記一方の各開口から海水が圧入されたときに、他方の各開口が開口している場合は閉鎖して前記海水の圧力により順次膨らみ前方へ押出されて、前記折畳み又は巻回状態から直進し前記大径開口及び大径中空孔が形成されることを特徴とし、該大径中空孔を通して前記破砕物を移送する方法である。
流体導入式中空孔形成チューブの特徴は、チューブを構成する複数の螺旋状小径ホースの傾斜角によって、具体的には傾斜角が小さいときは直進力が強く働き、傾斜角が大きいときは円形力が強く働く、また、チューブ内の形状は、ホースが螺旋状にあることで、これにより流体は渦巻状となって流れ易く、詰まり等が発生し難い。
また、使用状況により、ホースの使用本数・ホース及びチューブの素材(軽量)・太さや長さが自由に設定でき、可撓性があり、更には折りたたんで保管することも可能である。
この横移送チューブに求められる課題解決は、装置間のチューブの張状態を最適にコントロールして自走式採掘装置の機動性を高めることであり、流体導入式中空孔形成チューブを導入することで可能となる。
また、第3の課題解決手段による作用は次のとおりである。すなわち、海底資源採掘システムの縦移送チューブは、流体導入式中空孔形成チューブ、もしくは該流体導入式中空孔形成チューブと一部にフレキシブルチューブを組み合わせて用いるもので、縦移送チューブに求められる直進性を最適にコントロールすることが重要となる。フレキシブルチューブは安価であるので、使用特性の変動しない箇所に使用されるのが良い。
これまでの油井方式の1ポイント方式(海底直結)では、海底資源の回収効率が悪く、使用パイプ類は鋼鉄製が主体で重量があり、また、荒海などではパイプの折損リスクも高くなることから停留時の安定技術が求められ、ついては、採掘回収船の大型化や関連設備の重装備から高価にならざるを得なかったが、流体導入式中空孔形成チューブではこうした問題が解決できる。
また、第4の課題解決手段による作用は、第1の課題解決手段に記述した通りで、地下資源の存在状況(面積・高さ等)、水深、海流等の状態により自走式採掘装置の動きにあまり影響を受けないのであれば、自走式採掘装置と洋上の海底資源回収船を直結する方が採掘・回収効率が高くなる。
また、第5の課題解決手段による作用は、第3の課題解決手段に記述した通りで、地下資源の存在状況(面積・高さ等)、水深、海流等の状態により自走式採掘装置の動きにあまり影響がない最適な性能の流体導入式中空孔形成チューブを提供する。
例えば、使用する流体導入式中空孔形成チューブは、自走式採掘装置の移動範囲のものには円形(筒)力の強いものを、その後の海底資源回収船に繋がるものは直進性の強いものを使用することで自走式採掘装置の機動性を損なうことは無い。
上述したように本発明の海底資源採掘システムは、表層型海底資源を効率的・機動的に回収する方法であり、更には漁業環境にも配慮し、且つ低価格化を図ったものである。
上記に記述されていない効果としては、メタンハイドレートの分解時の吸熱対策として、流体導入式中空孔形成チューブに使用している複数本のホースの一部に海面付近の温海水を流通させてチューブ内と熱交換により対処できる。
また、洋上の回収船に回収されたメタンハイドレート塊は、塊の状態のままで直接高圧の保管庫へ収納するなどにより、エネルギー投資・回収効率を高くできる。
更には、破砕物を移送途中に、流体導入式中空孔形成チューブを構成する一部のホース圧を一定間隔で変動させ、破砕物の移送中の形状を変化させて、該破砕物がチューブ内に詰まる等を予防することも想定できる。
図1は海底資源採掘システムの概略図である。 図2は自走式採掘装置の概略図である。 図3はステージの概略図である。 図4は流体導入式中空孔形成チューブの概略図である。 図5は縦移送チューブの配置から稼働までの圧力の変動図である。 図6は海底資源採掘システムによる掘削手順図である。 図7は先行事例の海底資源掘削装置の図である。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。以下に示す実施形態は本発明の技術思想を具体化するための海底資源採掘システムを例示するものであって、本発明をこれらに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
図1においては、全体構成を示しており、海底の表層型メタンハイドレート9を採掘する自走式採掘装置2、ステージ3、海底資源回収船4と前記装置等を繋ぐ移送チューブ5A、5Bからなっている。
システム全体は洋上の海底資源回収船4によりコントロールされ、機器の電源も海底資源回収船4から送電される。
なお、海底資源採掘システム1の設置は、船上で全て組み立ててクレーンで吊り下げて海底に降ろす方法による。
図2においては、自走式採掘装置2で採掘機21と破砕機22と送圧機23とで構成されている。
採掘機21は海底資源9の存在する状況や特性にもよるが、表層型メタンハイドレート9の採掘は、アスファルト舗装の表層を削るドラム式ロードカッター212や木材破砕用のドラムチッパーや除雪機などを応用し、50〜100ミリメートルの深さを表面掘削して走行する機械が良い。
なお、掘削された不安定なメタンハイドレート塊(軽比重)、メタンガス、砕屑物を飛散させず次工程に送るためのカバー211と次工程への集積・送付口を設ける。
また、採掘物のサイズを移送チューブ5A、5Bが詰まることが無いように予め定めたサイズ以下にするため、ドラムに使用するビット数などを工夫する。
破砕機22は前工程から受けた採掘物を、予め定めたサイズ以上のものに破砕する。
送圧機23は、採掘物が細かく破砕され、また多量の海水に含まれた状態であることから、インペラ式による送圧が可能と思われるが、必要により専用の送圧機を開発する。
また、単独に設置するのでなく、採掘機や破砕機にその機能を持たせる方法もある。
また、移送チューブ5A、5Bとの接続は、ねじれや折れの防止のため、回転旋回を自由にできるホース自在継ぎ手25を取り付けるのが良い。
図3はステージ3の概略図で、前行程から受ける破砕物(メタンハイドレート塊、メタンガス、砕屑物と海水)91を洋上の海底資源回収船4へ送圧する 送圧機31を載置し、
また、縦移送チューブ5Bを介して連結されている海底資源回収船4の波風や海流の影響を自走式採掘装置2の動きに影響を及ぼさないように中間点を設けたもので、縦移送チューブ5Bの動きによりステージが動くことのないだけの重し32と固定爪33を持たせている。
なお、自走式採掘装置2に設けられている送圧機23の送圧能力だけで該海底資源回収船4へ移送が可能であれば、ステージ3の送圧機31は設けずとも良い。
また、採掘の環境によっては海底資源回収船4へ送圧する方法ではなく、回収船側4から吸引する方法もある。
図4は流体導入式中空孔形成チューブ5で、他の一般チューブと比し該チューブ独自の特徴として、使用中にホースの圧力を調整することでチューブの直進力や円形力を自由にコントロールできるところにある。
そのため、流体導入式中空孔形成チューブ5は、チューブ本体51に海水圧入装置513、海水抜取り装置514、切換え弁515、連結管516、流量計517が接続され、圧力をコントロールしている。
その他の特徴として、流体導入式中空孔形成チューブ5は、使用目的に合わせた製作が可能で、軽量で、折りたたんで保管でき、移動が安易であり、チューブ内の形状は、ホースを巻回し螺旋状にあることで、流体は渦巻状と流れ易く、今般のような長距離を、送圧力を落とさずに移送するには最適のチューブである。
本海底資源採掘システム1の装置間の移送チューブ5A、5Bの張状態を最適にコントロールするため、自走式採掘装置2の機動性を高める箇所に円形力の強い横移送チューブ5Aを、荒海、海流や海上までの長距離の移送に直進力の強い縦移送チューブ5Bとそれぞれの特徴を最大に生かせるよう配している。
また、必要により、円形力の強いチューブの外側に、前記サイズより大きい直進力の強いもう1つのチューブを設けた2重構造とし、該チューブにかける圧力を制御し必要に応じて円形力、直進力をコントロールする方法もある。
なお、ホース及びチューブの素材(軽量) ・太さや長さ・ホースの使用本数等についての自由度は高いので、採掘する海洋の状況等により選択する。
次に、縦移送チューブ5Bは、流体導入式中空孔形成チューブ5、もしくは該流体導入式中空孔形成チューブと一部にフレキシブルチューブを組み合わせて用いるのが良い。
海底が深いとか海流が強いなどから、縦移送チューブ5Bに求められる直進性を最適にコントロールすること、そして機器に接続する箇所の可撓性が重要となる。汎用のフレキシブルチューブは安価であるので、使用特性の変動しない箇所に使用するのが良い。
縦移送チューブ5Bは、ステージ3に設けられている送圧機31との接続の向き(上・横)は、海流等現場の状況により決定する。
なお、海底が深いとか海流が強い場合には、縦移送チューブ5Bの位置を安定した状態に置くため、予め定められた間隔に舵付の舵付推進機6を設けると良い。
図5は縦移送チューブ5Bの流体導入式中空孔形成チューブ5を使用した時の配置〜稼働までの圧力の変化を説明したものである。
第1段階として、装置を配置するとき、海底資源採掘システム1を船上で全て組み立てて、クレーンで吊り下げて海底8に降ろすときの縦移送チューブ5Bに使用した流体導入式中空孔形成チューブ5の状態で、チューブ及びそれを構成するホースの両端は解放状態にして海上7から海底8へ降ろす。
次に、稼働前の準備段階として、チューブ51を構成する小径ホース512の先端部を閉じ、海水圧入装置513により海水を小径ホース512内へ注入する。
注入圧力は採掘する環境によるが、10〜20気圧を想定しており、これによりチューブが直進・硬化した状態になる。
次は運転時の状況で、直進した大径中空孔511を通して、採掘物(メタンハイドレート塊・海水・メタンガス・砕屑物)91を送圧しているときの状況を示している。
図6はメタンハイドレート9を採掘する手順を説明したものである。
直径数百m、深さ数十mで塊状のメタンハイドレートの表層型集積体上に配置した自走式採掘装置2が、あらかじめ定められた範囲を、数cm〜十数cm程度を削り取りながら地盤
全面を平たんに掘り下げていく過程を表したものである。
1 海底資源採掘システム
2 自走式採掘装置
21 採掘機
211 カバー
212 ドラム式ロードカッター
22 破砕機
23 送圧機
24 キャタピラ
25 ホース自在継ぎ手
3 ステージ
31 送圧機
32 重し
33 固定爪
4 海底資源回収船
5 流体導入式中空孔形成チューブシステム
51 チューブ本体
511 大径中空孔
512 小径ホース
513 海水圧入装置
514 海水抜取り装置
515 切換え弁
516 連結管
517 流量計
5A 横移送チューブ
5B 縦移送チューブ
6 舵付推進機
7 海上
8 海底
9 海底資源(メタンハイドレート)
91 破砕物(塊状海底資源、海底資源ガス・砕屑物および海水)

Claims (5)

  1. 海底に存在する表層及び堆積物中に存在する地下資源(メタンハイドレート、コバルト、レアメタル他)を掘削する場合において、採掘機と破砕機と送圧機を備えた自走式採掘装置と、該自走式採掘装置から送り出された破砕物を洋上の海底資源回収船へ移送するための送圧機が配されたステージと、前記破砕物を前記自走式採掘装置から前記ステージへ移送中に直進力・円形力を制御できる横移送チューブと、前記ステージから洋上の前記海底資源回収船へ移送中に直進力・円形力を制御できる縦移送チューブからなることを特徴とする海底資源採掘システム。
  2. 前記海底資源採掘システムの横移送チューブは、流体導入式中空孔形成チューブを使用するもので、該流体導入式中空孔形成チューブは、少なくとも一方端が開口し内部に前記開口に連通した中空孔を有し、一方端の前記開口から中空孔内に海水が圧入される所定長さの複数本の小径ホースを備え、前記複数本の小径ホースは、それぞれの前記中空孔に海水が圧入されたときに、両端に大径開口及び内部にこれらの開口に連通した大径中空孔が形成される大きさの直径を有する円又は楕円の周上長手方向に、それぞれの前記各開口の一端部を揃えて螺旋状に巻回して、海水が圧入される前は、折畳み又は巻回可能な状態にあり、前記一方の各開口から海水が圧入されたときに、他方の各開口が開口している場合は閉鎖して前記海水の圧力により順次膨らみ前方へ押出されて、前記折畳み又は巻回状態から直進し前記大径開口及び大径中空孔が形成されることを特徴とし、該大径中空孔を通して前記破砕物を移送することを特徴とする請求項1に記載の海底資源採掘システム。
  3. 前記海底資源採掘システムの縦移送チューブは、前記流体導入式中空孔形成チューブ、もしくは該流体導入式中空孔形成チューブと一部にフレキシブルチューブを組み合わせて用いたことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の海底資源採掘システム。
  4. 海底に存在する表層及び堆積物中に存在する地下資源を掘削する場合において、前記自走式採掘装置と、該自走式採掘装置から送り出された破砕物を洋上の前記海底資源回収船へ直接移送中に直進力・円形力を制御できる移送チューブからなることを特徴とする海底資源採掘システム。
  5. 前項の海底資源採掘システムに用いる移送チューブは、前記流体導入式中空孔形成チューブ、もしくは該流体導入式中空孔形成チューブと一部にフレキシブルチューブを組み合わせて用いたことを特徴とする請求項4に記載の海底資源採掘システム
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