JP7016077B2 - ガスハイドレート採掘装置および採掘方法 - Google Patents

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Description

特許法第30条第2項適用 1.刊行物 第45回岩盤力学に関するシンポジウム講演集(CD-ROM版) 2.発行日 平成29年12月21日 3.発行者 公益社団法人 土木学会(東京都新宿区四谷1丁目 外濠公園内) 〔刊行物等〕 1.集会名 第45回岩盤力学に関するシンポジウム 2.開催日 平成30年1月15日~17日(公開日 平成30年1月17日) 3.開催場所 土木学会「土木会館」、東京都新宿区四谷1丁目 外濠公園内
本発明は、ガスハイドレート採掘装置および採掘方法、例えば海底の表層型メタンハイドレートの採掘に適用可能なガスハイドレート採掘装置および採掘方法に関する。
メタンハイドレートは、低温および高圧下で安定であり、海底面下の浅部ないし深部の地盤や寒冷地の深部地盤に賦存することが知られている。図7は、海底におけるメタンハイドレートの分布の様子を示す図であり、より詳しくは、日本近海の海底地盤中におけるメタンハイドレート層(MH層)の賦存形態の想定図である。海水温の深度分布と平均的な地温勾配(0.03℃/m)を仮定し、メタンハイドレートが安定な温度・圧力条件を考慮すると、MH層が存在することが可能な海底の深さDは数百メートル以上となる。さらに、海底面からMH層の基底(BSR)までの深さDMHは、水深Dが大きくなるほど大きく、数百メートルのオーダーと見積もられている。掘削長が数千メートルにも及ぶ海底の油田やガス田の開発実績を考慮すれば削井は容易であるが、最深部までの明かり掘削(海底露天掘り)は極めて困難と考えられる。
また、図7に示すように、海底の堆積層に賦存するMH層の性状としては、未固結な砂層や固結した砂岩層の間隙をメタンハイドレートが充填する場合(いわゆる間隙充填型)の他に、塊状の単体で連続した地層を形成する場合も想定される。
地下深部に賦存する砂層型メタンハイドレートについては、坑井を利用して加熱したり減圧したりして分解するメタンガスを回収する方法の技術開発が進められているが、未だ実用化はしていない。
特許文献1には、ガスハイドレートのハンドリング性を向上させ、回収効率や輸送効率を向上させることを目的としたガスハイドレートの掘削回収方法および掘削回収システムが記載されている。
特開2003-193788号公報
しかし、メタンハイドレート層等のガスハイドレート層の周辺地盤は強度が低い可能性があるため、特許文献1のような所謂虫食い方式による掘削ではガスハイドレートの回収効率(採掘効率)を向上させることが困難となることが想定される。また、露天掘り方式による掘削の場合は、海底地盤を掘削する際の法面勾配を緩くせざるを得ず、掘削する土量および掘削範囲が過大となるおそれがある。このように海底地盤を虫食い方式や露天掘りにより掘削することは経済性および環境親和性の観点から好適ではない。
一方、掘削範囲を限定すべく法面勾配を鉛直にするためには、土留め工や泥水などの安定液の使用が必要となるが、海底地盤では施工が困難である。さらに、掘削したガスハイドレート層をガスハイドレートと土砂に分離する選鉱を行う必要がある。また、選鉱の際にガスハイドレートから分離される土砂を仮置きないし排土するための土捨て場も必要である。
本発明は、上記認識に基づいてなされたものであり、その目的は、経済的で環境への影響が少なく、採掘効率が高いガスハイドレート採掘装置および採掘方法を提供することである。
本発明に係るガスハイドレート採掘装置は、
地盤を掘削するように構成された掘削機構と、
ガスハイドレート層が賦存する領域内の掘削地点に前記掘削機構を位置決めするように構成された位置決め機構と、
ガスハイドレートを回収するように構成された回収機構と、を備え、
前記掘削機構は、前記地盤を鉛直方向に掘削することにより発生する土砂を掘削坑内に存置したまま前記掘削地点における前記ガスハイドレート層を破砕し、前記破砕されたガスハイドレート層を撹拌することにより前記ガスハイドレート層に含まれるガスハイドレートを土砂から分離させ、
前記回収機構は、ガスハイドレートと土砂の比重の違いにより前記掘削坑内に浮上したガスハイドレートを回収することを特徴とする。
また、前記ガスハイドレート採掘装置において、
前記掘削機構は、ジェット水流を噴射することにより、前記破砕されたガスハイドレート層の撹拌を促進する撹拌促進部をさらに有してもよい。
また、前記ガスハイドレート採掘装置において、
前記撹拌促進部は、前記掘削坑の開口側に向けてジェット水流を噴射するようにしてもよい。
また、前記ガスハイドレート採掘装置において、
前記回収機構は、少なくとも前記掘削坑の開口を覆うドーム状の膜構造体を有してもよい。
また、前記ガスハイドレート採掘装置において、
前記位置決め機構は、
所定の方向に延在するガイドレール部と、
前記ガイドレール部を支持する支持部と、
前記所定の方向に沿って前記ガイドレール部の上を移動可能に設けられ、前記掘削機構を懸垂するワイヤーケーブルを巻き上げ、または巻き下げる移動懸垂部と、を有し、
前記掘削機構は、水平方向または鉛直方向に延びる回転軸を中心に回転する1つまたは複数のビットを有してもよい。
また、前記ガスハイドレート採掘装置において、
前記掘削機構は、トレンチカッターで構成され、
前記位置決め機構は、先端に前記トレンチカッターが設けられたクレーン部と、前記クレーン部の基端が取り付けられた支持部とを有してもよい。
また、前記ガスハイドレート採掘装置において、
前記位置決め機構を前記ガスハイドレート層が賦存する領域まで前記地盤の表面に沿って移動させる移動機構をさらに有してもよい。
本発明に係るガスハイドレート採掘方法は、
地盤を掘削するように構成された掘削機構をガスハイドレート層が賦存する領域内の掘削地点に位置決めする工程と、
前記地盤を鉛直方向に掘削することにより発生する土砂を掘削坑内に存置したまま前記掘削地点における前記ガスハイドレート層を破砕し、前記破砕されたガスハイドレート層を撹拌することにより前記ガスハイドレート層に含まれるガスハイドレートを土砂から分離させる工程と、
ガスハイドレートと土砂の比重の違いにより前記掘削坑内に浮上したガスハイドレートを回収する工程と
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、経済的で環境への影響が少なく、採掘効率が高いガスハイドレート採掘装置および採掘方法を提供することができる。
第1の実施形態に係るメタンハイドレート採掘装置の側面図である。 第1の実施形態に係るメタンハイドレート採掘装置の平面図である。 第1の実施形態の変形例1に係るメタンハイドレート採掘装置の一部(撹拌促進部が設けられた掘削機構)の側面図である。 第1の実施形態の変形例2に係るメタンハイドレート採掘装置の側面図である。 第2の実施形態に係るメタンハイドレート採掘装置の側面図である。 第3の実施形態に係るメタンハイドレート採掘装置の側面図である。 海底におけるメタンハイドレートの分布の様子を説明するための図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付す。また、以下の実施形態および変形例ではメタンハイドレートの場合について説明するが、本発明はメタンハイドレート以外のガスハイドレートの採掘に適用することも可能である。
(第1の実施形態)
図1および図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係るメタンハイドレート採掘装置について説明する。
本実施形態に係るメタンハイドレート採掘装置1は、図1に示すように、掘削機構10と、位置決め機構20と、回収機構30と、を備えている。
掘削機構10は、地盤を鉛直方向に掘削するように構成されている。掘削により掘削坑Hが形成される。なお、地盤としては主として海底や湖底等の水中地盤が想定されるが、永久凍土等の地盤であってもよい。
掘削機構10は、水平方向または鉛直方向に延びる回転軸を中心に回転する1つまたは複数のビット(回転カッターとも呼ばれる。)11を有する。図1の例では、ビット11は水平方向に延びる回転軸を中心に回転する。ビット11が回転軸を中心に回転することにより地盤が掘削される。掘削範囲は、水平面内で幅および奥行きが1~4メートル程度が標準であるが、ビット11の径や回転軸の長さを大きくしたり水平面内で並置する数を増やしたりすることで大きくすることが可能である。
位置決め機構20は、図2に示すように、メタンハイドレート層が賦存する領域PA内の掘削地点に掘削機構10を位置決めするように構成されている。より詳しくは、位置決め機構20は、所定の方向に延在するガイドレール部(走行桁とも呼ばれる。)21と、地盤上に設置され、ガイドレール部21を支持する支持部22と、上記所定の方向に沿ってガイドレール部21上を移動可能に設けられた移動懸垂部23と、を有している。
支持部22は、図1および図2に示すように、部材22a,22b,22c,22dから構成される枠状の構造体である。部材22aと部材22bは互いに平行に延在しており、部材22c,22dは部材22a,22bの両端間を繋ぐように設けられている。ガイドレール部21の両端は部材22a,22bにより支持されている。なお、部材22a,22b,22c,22dの長さは、領域PAの大きさ、海底面(または地表面)の傾斜や不陸の程度にもよるが、例えば数十メートル~百数十メートル程度である。
移動懸垂部23には、図1に示すように、ワイヤーケーブル24を介して掘削機構10が接続されている。移動懸垂部23は、ガイドレール部21に沿って移動可能である。すなわち、移動懸垂部23は、図2の矢印Aの方向に移動可能に構成されている。これにより、掘削機構10の水平方向の位置を決めることが可能である。
なお、ガイドレール部21は、領域PAをスイープ可能に構成されてもよい。すなわち、ガイドレール部21は、部材22a,22bが延在する方向(図2の矢印B参照)に移動可能なように部材22a,22bに設けられてもよい。これにより、4つの部材22a,22b,22c,22dにより囲まれる領域の任意の地点に掘削機構10を位置決めすることが可能になる。
移動懸垂部23は、掘削機構10を懸垂するワイヤーケーブル24を巻き上げ、または巻き下げる巻上げ機としての機能を有する。これにより、掘削機構10の鉛直方向の位置を決めることが可能である。最大掘削深度は、ワイヤーケーブル24を長くすることで数百メートル程度まで大きくすることが可能である。
移動懸垂部23は、船舶または陸上の基地(図示せず)から遠隔制御される。例えば、回収機構30の回収管32に沿って設けられた通信ケーブルを介して船舶と移動懸垂部23との間の通信が行われる。なお、通信は音波等を利用した水中無線通信により行われてもよい。
回収機構30は、掘削坑H内に浮上したメタンハイドレートを回収するように構成されている。回収機構30は、ドーム状の膜構造体31と、膜構造体31に接続された回収管32と、回収管32に接続され、掘削坑H内に浮上したメタンハイドレートを吸引する吸引ポンプ33と、を有する。膜構造体31は、本実施形態では、図1に示すように、掘削坑Hの開口を覆い、移動懸垂部23とともに移動するように構成されている。この膜構造体31は、例えば塩化ビニル等の樹脂から構成されるが、他の材料(金属等)から構成されてもよい。
次に、メタンハイドレート採掘装置1によるメタンハイドレートの採掘動作について詳しく説明する。
掘削機構10は、地盤を鉛直方向に掘削することにより発生する土砂を掘削坑H内に存置したまま、掘削地点におけるメタンハイドレート層MHLを破砕する。地盤を掘削すると一般に間隙部分が増えるため、掘削部分の体積はある程度増加する。しかし、掘削機構10による掘削においては、後述のようにメタンハイドレートが土砂と分離して回収されるので、掘削坑H中に残る土砂は回収されたメタンハイドレートの分だけ減少する。よって、掘削により発生した土砂が掘削坑H外に排出されることは抑制され、土捨て場が不要になる。
掘削機構10は、ビット11の回転運動により、破砕されたメタンハイドレート層を撹拌する。メタンハイドレート層を撹拌することにより、掘削機構10はメタンハイドレート層MHLに含まれるメタンハイドレートを土砂から分離させる。
回収機構30は、メタンハイドレートと土砂の比重の違いにより掘削坑H内に浮上したメタンハイドレートを回収する。メタンハイドレートの比重は約0.9g/cmと水や海水よりも低いため、土砂から分離されたメタンハイドレートは、掘削坑H内を浮上する。このようにして浮上した固体のメタンハイドレートが回収機構30により回収される。掘削坑H内を浮上するメタンハイドレートは、塊状、スラリー(氷粒状)あるいはMH粒子の状態である。なお、本実施形態では、メタンハイドレートが分解して発生するメタンガスも膜構造体31により捕集され、回収される。
上記のように、掘削機構10は掘削により発生する土砂を掘削坑H内に存置したまま掘削地点におけるメタンハイドレート層MHLを破砕し、回収機構30は掘削坑H内を浮上する固体のメタンハイドレートを回収する。これにより、本実施形態によれば、海底に土捨て場を設ける必要をなくすことができる。また、掘削坑H内に存置される土砂の土圧により、掘削坑Hの壁面の安定性を高めることができる。その結果、地盤の強度によっては、安定液を用いずに掘削を行うことも可能になる。このように本実施形態によれば、経済的で環境への影響が少ないメタンハイドレートの掘削を行うことができる。ここで、環境への影響が少ない点について付言すれば、本実施形態によれば、土捨て場を設ける必要が無いだけではなく、立坑(掘削坑H)や周辺斜面などの周辺地盤の崩壊を引き起こさず、さらに土砂の巻き上げによる周辺海域(水域)の濁りを抑制することもできる。
さらに、本実施形態によるメタンハイドレートの回収では、基本的にはメタンハイドレートは土砂とともに回収されるのではなく、土砂からある程度(少なくともセパレータで分離可能な程度まで)分離した状態で回収される。よって、土砂とともにメタンハイドレートを回収する従来の方式に比べて効率的なメタンハイドレートの採掘が可能となる。
また、掘削機構10は位置決め機構20によりメタンハイドレート層MHLが賦存する領域PA内に位置決めされてから掘削を行うため、従来の掘削方式(露天掘り方式、土留め工を利用する立て坑方式、シールドマシンやTBM(トンネル・ボーリング・マシン)を利用するトンネル方式等)に比べて精度の高い掘削を行うことができる。
また、掘削機構10は、メタンハイドレート層を破砕するとともに、破砕されたメタンハイドレート層を撹拌することでメタンハイドレートを土砂から分離させる。これにより、掘削作業と並行してメタンハイドレートの選鉱を行うことができる。
また、移動懸垂部23がワイヤーケーブル24の長さを調整することで掘削機構10の鉛直方向の位置を容易に制御することができる。これにより、メタンハイドレート層MHLの下端まで容易に掘削することができる。
さらに、本実施形態では、回収機構30がドーム状の膜構造体31を有する。これにより、掘削により発生する土砂の巻き上げ等による周辺海域(水域)への環境に対する影響の範囲と程度を抑制することができる。加えて、メタンハイドレート層MHLから分離されるメタンハイドレートだけでなく、地盤から噴出するメタンガス(メタンプルーム)も回収することもできる。
上記のように、本実施形態によれば、経済的で環境への影響が少なく、かつ採掘効率が高いメタンハイドレート採掘装置を提供することができる。
なお、撹拌によるメタンハイドレートと土砂の分離の程度については、高い方が望ましいが、メタンハイドレートと土砂の混合粒子が海中(水中)を浮上するために密度が海水(水)よりも小さく、かつ回収管32の先に設けられたセパレータ(図示せず)で分離可能な程度であればよい。後者の条件は、すなわち、セパレータによって、メタンハイドレートを含まない土砂のみの土塊と区別してメタンハイドレートを含む土塊が回収可能な程度の分離であればよい。
また、掘削機構10によるメタンハイドレート層MHLの破砕および撹拌においては、メタンハイドレート層MHLを構成するメタンハイドレート粒子(MH粒子)の大きさ程度(例えば数ミリメートル~数センチメートル)、あるいはそれより小さい粒度にまで細粒化することが望ましい。これにより、回収管32による移送が容易になるとともに、メタンハイドレートの回収率が向上し、海上に輸送される土砂の量を減らすことができる。
また、本実施形態に係る採掘装置は、メタンハイドレートに限らず、比重が水より小さければ他のガスハイドレートの採掘に適用することも可能である。
また、水深が浅く、流れや波浪の影響が小さい穏やかな水域で用いられる場合には、位置決め機構20は船舶により実現されてもよい。すなわち、船舶がワイヤーケーブルを介して掘削機構10を懸垂してもよい。
なお、回収機構30の吸引ポンプ33の吸引動作をビット11の回転動作(掘削動作)に連係させてもよい。例えば、ビット11が停止し、所定時間が経過してから吸引ポンプ33を動作させる。これにより、土砂から分離され、掘削坑H内に浮上したメタンハイドレートを精度良く回収することができる。
<メタンハイドレートの採掘方法>
ここで、上記メタンハイドレート採掘装置1によるメタンハイドレートの採掘方法について説明する。
まず、位置決め機構20が、地盤を掘削するように構成された掘削機構10をメタンハイドレート層MHLが賦存する領域PA内の掘削地点に位置決めする。
次に、掘削機構10が、地盤を鉛直方向に掘削することにより発生する土砂を掘削坑H内に存置したまま掘削地点におけるメタンハイドレート層MHLを破砕し、破砕されたメタンハイドレート層を撹拌することによりメタンハイドレート層に含まれるメタンハイドレートを土砂から分離させる。
次に、回収機構30が、メタンハイドレートと土砂の比重の違いにより掘削坑H内に浮上したメタンハイドレートを回収する。メタンハイドレートの比重は海水や水よりも低く、土砂の比重は海水や水よりも高いため、掘削坑H内の海水(水)中においてメタンハイドレートは浮上し、土砂は沈降することとなる。このように、回収機構30は、メタンハイドレートと土砂の比重の違いにより海水等の媒体を介して掘削坑H内に浮上したメタンハイドレートを回収する。なお、メタンハイドレートが土砂から完全に分離されていなくても、メタンハイドレートと土砂の混合粒子の密度が海水(水)よりも低ければ、混合粒子は掘削坑H内の海水中を浮上する。
上記の採掘方法によれば、経済的で環境への影響が少なく、かつ採掘効率が高いメタンハイドレート採掘方法を提供することができる。
次に、第1の実施形態に係る2つの変形例について説明する。いずれの変形例によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
<変形例1>
図3を参照して、第1の実施形態の変形例1に係るメタンハイドレート採掘装置について説明する。
本変形例に係るメタンハイドレート採掘装置の掘削機構10Aは、図3に示すように、撹拌促進部12をさらに有する。この撹拌促進部12は、ウォータジェットのノズルとして構成され、ジェット水流(ウォータジェット)を噴射することにより、破砕されたメタンハイドレート層の撹拌を促進する。具体的には、高圧水供給管14に供給された高圧水HPWが撹拌促進部12のノズルからジェット水流として噴射される。高圧水HPWは、水底面より上で取水された水がウォータジェット用ポンプ(図示せず)により圧縮・加圧されて生成される。
撹拌促進部12は、図3に示すように、掘削坑Hの開口側(すなわち、掘削機構10Aからみて上側)に向けてジェット水流を噴射することが好ましい。これにより、掘削坑H内の、土砂が付着したメタンハイドレートを効果的に撹拌することができる。
また、図3に示すように、掘削機構10Aは、ジェット水流を掘削坑Hの掘削面(切羽)に噴射する掘削促進部13をさらに有してもよい。これにより、撹拌効率に加えて掘削効率も向上させることができる。
本変形例によれば、このように撹拌促進部12によりメタンハイドレートの撹拌が促進されるため、ビット11の回転による撹拌のみの場合に比べてより効率良くメタンハイドレートを土砂から分離させることができる。その結果、メタンハイドレートの採掘効率を向上させることができる。
<変形例2>
図4を参照して、第1の実施形態の変形例2に係るメタンハイドレート採掘装置について説明する。
本変形例に係るメタンハイドレート採掘装置の膜構造体31Aは、図4に示すように、固定具34により支持部22に固定され、支持部22全体を覆っている。これにより、上述の実施形態に比べて、土砂の巻き上げをより抑制することができるとともに、掘削坑Hから上昇するメタンハイドレートおよび地盤から噴出するメタンガス(メタンプルーム)の回収効率を向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、図5を参照して、本発明の第2の実施形態に係るメタンハイドレート採掘装置について説明する。第2の実施形態と第1の実施形態との間の相違点の一つは、移動機構を備えることである。以下、相違点を中心に第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係るメタンハイドレート採掘装置1Aは、図5(a)および図5(b)に示すように、掘削機構10と、位置決め機構20Aと、回収機構30Bと、移動機構(クローラ)40と、を備えている。
位置決め機構20Aは、互いに並行に設けられた複数のガイドレール部21と、移動機構40上に設けられ、ガイドレール部21を支持する支持部22Aと、各ガイドレール部21に設けられた複数の移動懸垂部23と、を有している。各移動懸垂部23には、ワイヤーケーブル24を介して掘削機構10が接続されている。
回収機構30Bの膜構造体31Bは、固定具34により支持部22Aに固定されており、支持部22A全体を覆っている。
移動機構40は、位置決め機構20Aを地盤の表面(海底面等)に沿って移動させるように構成されている。移動機構40は、船舶または陸上の基地(図示せず)から遠隔制御される。この移動機構40により、位置決め機構20Aは、メタンハイドレート層が賦存する領域まで移動することができる。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態で説明した効果に加えて、メタンハイドレート層が賦存する領域内の地盤上に支持部22Aを設置する手間を省略することができるとともに、メタンハイドレートの賦存領域間を容易に移動することができる。これにより、メタンハイドレートの採掘効率をさらに高めることができる。また、複数の掘削機構10を備えることにより、掘削および採掘の効率をさらに向上させることができる。
(第3の実施形態)
次に、図6を参照して、本発明の第3の実施形態に係るメタンハイドレート採掘装置について説明する。第3の実施形態と第2の実施形態との間の相違点の一つは、掘削手段がビットではなく、トレンチカッター(チェーン式カッター)であることである。すなわち、掘削方式が立坑掘削方式ではなく、トレンチ(溝)掘削方式である。以下、相違点を中心に第3の実施形態について説明する。
本実施形態に係るメタンハイドレート採掘装置1Bは、図6(a)および図6(b)に示すように、トレンチカッター17で構成された掘削機構と、位置決め機構20Bと、回収機構30Cと、移動機構(クローラ)40と、を備えている。
トレンチカッター17には複数の撹拌翼17aが設けられている。撹拌翼17aは、地盤中に位置するため、本実施形態においても,トレンチカッター17による掘削で発生した土砂は掘削された溝の内部に留まり、溝の外には排出されない。
位置決め機構20Bは、先端にトレンチカッター17が設けられたクレーン部26と、クレーン部26の基端が取り付けられた支持部22Bとを有する。なお、クレーン部26の基端は支持部22Bに回転自在に設けられてもよい。
回収機構30Cの膜構造体31Cは、固定具34により位置決め機構20B全体を覆っている。
移動機構40は、位置決め機構20Bを移動させるように構成されている。この移動機構40により、位置決め機構20Bは、メタンハイドレート層が賦存する領域まで移動することができる。
第3の実施形態によれば、第2の実施形態で説明した効果と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明に係る実施形態および変形例について説明した。本発明に係るメタンハイドレート採掘装置およびメタンハイドレート採掘方法は、表層型メタンハイドレートに限らず、砂層型メタンハイドレートの採掘にも適用可能である。また、本発明は、前述のように、メタンハイドレート以外のガスハイドレートの採掘に適用することも可能である。すなわち、本発明に係るガスハイドレート採掘装置およびガスハイドレート採掘方法は、メタンハイドレートに限らず、他のガスハイドレートの採掘にも適用可能である。
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
1,1A,1B メタンハイドレート採掘装置
10,10A 掘削機構
11 ビット
12 撹拌促進部
13 掘削促進部
14 高圧水供給管
17 トレンチカッター
17a 撹拌翼
20,20A,20B 位置決め機構
21 ガイドレール部
22,22A,22B 支持部
22a,22b,22c,22d 部材
23 移動懸垂部
24 ワイヤーケーブル
26 クレーン部
30,30B,30C 回収機構
31 膜構造体
32 回収管
33 吸引ポンプ
34 固定具
40 移動機構
HPW 高圧水
H 掘削坑
MHL メタンハイドレート層
PA 領域

Claims (8)

  1. 地盤を掘削するように構成された掘削機構と、
    ガスハイドレート層が賦存する領域内の掘削地点に前記掘削機構を位置決めするように構成された位置決め機構と、
    ガスハイドレートを回収するように構成された回収機構とを備え、
    前記掘削機構は、前記地盤を鉛直方向に掘削することにより発生する土砂を掘削坑内に存置したまま前記掘削地点における前記ガスハイドレート層を破砕し、前記破砕されたガスハイドレート層を撹拌することにより前記ガスハイドレート層に含まれるガスハイドレートを土砂から分離させ、
    前記回収機構は、ガスハイドレートと土砂の比重の違いにより前記掘削坑内に浮上したガスハイドレートを回収することを特徴とするガスハイドレート採掘装置。
  2. 前記掘削機構は、ジェット水流を噴射することにより、前記破砕されたガスハイドレート層の撹拌を促進する撹拌促進部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のガスハイドレート採掘装置。
  3. 前記撹拌促進部は、前記掘削坑の開口側に向けてジェット水流を噴射することを特徴とする請求項2に記載のガスハイドレート採掘装置。
  4. 前記回収機構は、少なくとも前記掘削坑の開口を覆うドーム状の膜構造体を有することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のガスハイドレート採掘装置。
  5. 前記位置決め機構は、
    所定の方向に延在するガイドレール部と、
    前記ガイドレール部を支持する支持部と、
    前記所定の方向に沿って前記ガイドレール部の上を移動可能に設けられ、前記掘削機構を懸垂するワイヤーケーブルを巻き上げ、または巻き下げる移動懸垂部と、を有し、
    前記掘削機構は、水平方向または鉛直方向に延びる回転軸を中心に回転する1つまたは複数のビットを有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のガスハイドレート採掘装置。
  6. 前記掘削機構は、トレンチカッターで構成され、
    前記位置決め機構は、先端に前記トレンチカッターが設けられたクレーン部と、前記クレーン部の基端が取り付けられた支持部とを有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のガスハイドレート採掘装置。
  7. 前記位置決め機構を前記ガスハイドレート層が賦存する領域まで前記地盤の表面に沿って移動させる移動機構をさらに有することを特徴とする請求項5または6に記載のガスハイドレート採掘装置。
  8. 地盤を掘削するように構成された掘削機構をガスハイドレート層が賦存する領域内の掘削地点に位置決めする工程と、
    前記地盤を鉛直方向に掘削することにより発生する土砂を掘削坑内に存置したまま前記掘削地点における前記ガスハイドレート層を破砕し、前記破砕されたガスハイドレート層を撹拌することにより前記ガスハイドレート層に含まれるガスハイドレートを土砂から分離させる工程と、
    ガスハイドレートと土砂の比重の違いにより前記掘削坑内に浮上したガスハイドレートを回収する工程と
    を備えることを特徴とするガスハイドレート採掘方法。
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