JP2016204799A - 靴下 - Google Patents

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Abstract

【課題】トラス機能の補強、距骨下関節の安定化等を図り、立位・運動動作時の安定性を向上させる。【解決手段】靴下は、外側踵骨部から母指基節骨部に至る足の内側領域に形成され、母指基節骨部において前記母指基節骨部の周りに周設される低伸縮性の領域10と、領域10の外側踵骨側端部から足甲部を通って領域10に至るように形成された低伸縮性の領域12と、足底面であって母指球部と小指球部と踵骨接地部を頂点とする三角形内に形成され、母指球部手前から踵骨接地部手前に至る直線と、立方骨遠位端から立方骨近位端に至る直線と、母指球手前から立方骨遠位端に至る直線と、踵骨接地部手前から立方骨近位端に至る直線を辺とする略台形形状の低伸縮性の領域11と、足甲部を周設するように形成された低伸縮性の領域14を備える。【選択図】図1

Description

本発明は靴下に関し、特に立位・運動動作時の安定性を向上させる靴下に関する。
従来から、足部のアーチ及び足部の正常機能回復を図る靴下が提案されている。
特許文献1には、血行不良を抑制しながら足のアーチを回復させ、足の正常な機能を回復させることを目的とした靱帯補強靴下が記載されている。靴下本体の、横中足靱帯の足裏側に対応する部分と、足根骨の足背側に対応する部分に、足の幅方向で見た引張抵抗力が他の部分よりも強い弾性伸縮部を配置することが記載されている。
特許文献2には、足底のアーチの曲線を正常な形状に保ち、快適な歩行運動を促すことを目的とした靴下が記載されている。 土踏まず部の足長方向中央付近の位置に、低伸縮性で皮膚への着圧力が最も高い編み組織又は素材で構成された第1領域を設けるとともに、第1領域の周囲を囲み、かつ、足底部から足甲部を周設するように、低伸縮性の編み組織又は素材で構成された第2領域を設けた構成とすることが記載されている。第1領域の足周方向の伸びをL1、第2領域の足周方向の伸びをL2、靴下の第1領域と第2領域を除いた他の部分の足周方向の伸びをL3とすると、L1<L2<L3の関係を満たすものとすることで、足底のアーチの曲線を正常な形状に保つ効果を発揮するとしている。
なお、非特許文献1〜3には、姿勢バランス能力の向上、バランス運動中の不安定化による転倒の危険性、足部と距骨下関節の運動連鎖等について記載されている。
特開2005−312512号公報 特開2008−111224号公報
「運動療法の計画・実施のための基本的要素−とくに治療的学習について−」、才藤栄一、清水康祐、長江恩、総合リハビリテーション、33(7):603-610, 2005 "Anxiety affects the postural sway of the antero-posterior axis in college students", Wada M, Sunaga N, Nagai M, Neurosci Lett. 302(2-3):157-159, 2001 「スポーツ動作と安定性−外傷発生に関係するスポーツ動作の特徴から−」、小林寛和、宮下浩二、藤堂庫治、関西理学療法3、49-57, 2003
足部の機能は、横アーチ(横足弓)と内側縦アーチ(内側縦足弓)、外側縦アーチ(外側縦足弓)からなるトラス機能を有している。すなわち、トラス機能は、横アーチと内側縦アーチ、外側縦アーチの3点より構成されるドームとなっており、これらの3点は母指球部、小指球部、踵骨接地部に対応する。トラス機能は、骨構造として足部土踏まずをドーム状に足底部から押し上げ、立位、歩行、走行時に立位面より伝達される荷重及び衝撃に対して足底基底面を拡大することで衝撃を吸収する。また、荷重時の基底面の拡大は、立位バランス能力の向上に寄与する。
上記従来技術においても、横アーチと縦アーチを略正常状態に回復させるとの観点から特定部位に他の部分よりも強い弾性伸縮部を形成配置しているものの、その効果は未だ十分ではないのが実情であり、特にトラス機能における内側縦アーチに対する補強について不十分である。
また、床反力の分散と前方駆動力の発揮には距骨下関節が重要な役割を担い、足部の回外運動に伴う踵骨の内反位でフットストライク(foot-strike)をし、その後、ミッドサポート(mid-support)にかけて足部アーチの弛緩により床反力を分散させており、フットストライクからミッドサポートの距骨下関節の回内運動、足部内側縦アーチの下降、足部外転運動が問題となり得るところ、この対策についても十分に考慮されていない。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みなされたものであり、その目的は、トラス機能の補強、距骨下関節の安定化等を図ることにより、特に立位・運動動作時の安定性を向上させることができる靴下を提供することにある。
本発明の靴下は、外側踵骨部から母指基節骨部に至る足の内側領域に形成され、前記母指基節骨部において前記母指基節骨部の周りに周設される、相対的に低伸縮性の第1領域と、前記第1領域に接続され、前記第1領域の前記外側踵骨側端部から足甲部を通って前記第1領域に至るように形成された、相対的に低伸縮性の第2領域と、足底面であって母指球部と小指球部と踵骨接地部を頂点とする三角形内に形成され、母指球部手前から踵骨接地部手前に至る直線と、立方骨遠位端から立方骨近位端に至る直線と、前記母指球手前から前記立方骨遠位端に至る直線と、前記踵骨接地部手前から前記立方骨近位端に至る直線を辺とする略台形形状の、相対的に低伸縮性の第3領域と、前記第3領域に接続され、足甲部を周設するように形成された、相対的に低伸縮性の第4領域と、足底面であって前記母指球部の領域と前記小指球部の領域と前記踵骨接地部の領域に形成され、同一の素材及び編み組織の第5領域とを備えることを特徴とする。
本発明の1つの実施形態では、前記第2領域は、前記足甲部のうち舟状骨に対応する部位を通り、前記第4領域は、前記足甲部のうちリスフラン関節に対応しない部位を通ることを特徴とする。
本発明によれば、靴下の所定部位に相対的に低伸縮性の領域を形成することで、トラス機能の補強、距骨下関節の安定化等を図り、立位・運動動作時の安定性を向上させることができる。
靴下の右足内側から見た構成図である。 靴下の右足外側から見た構成図である。 靴下の右足足底から見た構成図である。 靴下の右足足背から見た構成図である。 テーピングの右足外側の写真である。 テーピングの右足内側の写真である。 テーピングの右足足底から見た写真である。 テーピングの右足足背から見た写真である。 素足、インソール、テーピングの開眼重心動揺総軌跡長のグラフ図である。 素足、インソール、テーピングの閉眼重心動揺総軌跡長のグラフ図である。 素足、インソール、テーピングの総角度変動指数のグラフ図である。 素足、インソール、テーピングの単位時間変動指数のグラフ図である。 プロトタイプ靴下の右足外側の写真である。 プロトタイプ靴下の右側内側の写真である。 プロトタイプ靴下の右足足底から見た写真である。 プロトタイプ靴下の右足踵から見た写真である。 プロトタイプ靴下の右足足背から見た写真である。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<基本原理>
まず、本実施形態における靴下の基本原理について説明する。
既述したように、足部は、横アーチと内側縦アーチ、外側縦アーチからトラス機能を有しており、立位、歩行、走行時に荷重及び衝撃に対して足底基底面を拡大することで衝撃を吸収し、立位バランス能力の向上に寄与している。
トラス機能の3点となる位置は、母指球部、小指球部、踵骨接地部であり、トラス機構の接続点であるとともに、足圧中心圧等における足底の静的・動的安定性に関わる感覚受容器が存在する。
また、歩行及び走行中の重心移動については、重心位置は、足底面の踵骨部から外側縦アーチを通過し、小指球部から足部を横断して母指球、さらには縦方向に変化して母指足底部へと抜ける軌跡を描く。このことから、運動時の立位の安定性は外側縦アーチにあるものの、衝撃の吸収や立位安定性に関わる基底面の拡大には内側縦アーチが寄与している。内側縦アーチは、踵骨結節を起点として、距骨、舟状骨、内側楔状骨を超えて第1中足骨にかけて形成されるアーチである。
さらに、フットストライクからミッドサポートにおける距骨下関節の回内運動、及び足部内側縦アーチの下降が問題となるため、内側アーチの下降の抑制、及び距骨下関節の回内運動を抑制する必要がある。
そこで、本実施形態では、足部の土踏まず部の位置に、相対的に低伸縮性で構成された領域を設けることでトラス機能を補強することに加え、
(1)衝撃の吸収や立位安定性に関わる基底面の拡大に寄与する内側縦アーチを補強するとともに、内側縦アーチの下降を抑制する
(2)トラス機構の接続点であるとともに、足圧中心圧等における足底の静的・動的安定性に関わる感覚受容器が存在する、母指球部、小指球部、踵骨接地部の3点に関して、その感性を維持する
(3)距骨下関節の回内運動を抑制する
ことで、立位・運動動作時の更なる安定性向上を図るものである。
上記の(1)に関しては、内側縦アーチの主な安定化構造は、足底の靱帯である、足底腱膜と底側踵舟靱帯(スプリング靱帯)であり、特に足底腱膜が重要であることが知られている。この足底腱膜を補強するために、靴下のうち足底腱膜に対応する領域、具体的には踵骨部から母指基節骨部に至る領域に相対的に低伸縮性(言い換えれば、相対的に強い弾性収縮性)の領域を設ける。
また、上記の(2)に関しては、母指球部、小指球部、踵骨接地部の3点の感性を維持すべく、靴下のうちこれらの3点に対応する領域を同一の生地及び同一の編み組織とする。
また、上記の(3)に関しては、靴下のうち距骨下関節に対応する領域に相対的に低伸縮性(言い換えれば、相対的に強い弾性収縮性)の領域を設ける。
本実施形態の靴下は、上記の(1)〜(3)を同時に満たすように靴下に相対的に低伸縮性の領域を設けることで、立位・運動動作時の安定性向上を達成する。
次に、本実施形態における靴下の具体的な構成について説明する。なお、左右の靴下は対称であるため、以下では右足を例にとり説明する。
<具体的構成>
図1〜図4は、本実施形態における靴下の構成図を示す。図1は、右足の内側から見た構成図であり、図2は、右足の外側から見た構成図であり、図3は、右足の足底側から見た構成図であり、図4は、右足の甲側から見た構成図である。本実施形態の靴下は、第1領域としての領域10と、第2領域としての領域12と、第3領域としての領域11と、第4領域としての領域14と、第3領域としての領域13a,13b,13cを備える。
図1及び図2に示すように、外側踵骨部100を起点として、母指基節骨部(あるいは第1基節骨部)200に至るまでの右足の内側側部及び足底に、相対的に低伸縮性の領域10が形成される。すなわち、領域10は、外側踵骨部100を起点とし、踵骨部を囲むように周設され、踵骨部から母指基節骨部200に至るまで右足の内側に沿って形成される。また、図3に示すように、領域10は、母指においては母指基節骨部200の周りを囲むように形成される。
領域10の側部の高さHは、特に限定されないが、例えば母指基節骨部200の周りに周設されることを考慮すると、母指基節骨部200の高さと同程度の寸法とするのが好ましい。また、外側踵骨部100を囲むように周設されることを考慮すると、踵骨の高さに応じて設定してもよい。また、領域10の底部の幅Wも、特に限定されないが、トラス機構の接続点である母指球部300及び踵骨接地部500に影響を与えない程度の小さな寸法とすることが好ましい。
領域10を相対的に低伸縮性とするためには、他の領域に比べて相対的に低伸縮性の素材あるいは編み組織を用いるか、あるいは相対的に低伸縮性の素材及び編み組織を用いる。相対的に低伸縮性の素材の一例はゴム製パッドであり、相対的に低伸縮性の編み組織の一例はタック編みであるが、これに限定されない。
他方、領域10を相対的に低伸縮性としても、靴下を装着した際に外側部の素材が伸長してしまうと、領域10により本来得たい内側縦アーチの強制力が得られない結果となる。
そこで、足の甲を周回するように領域12が形成され、領域12の端部を領域10に接続する。領域12は、舟状骨に対応する領域を通過し、内側における一端は図2におけるP点、具体的には踵骨位置近傍において領域10に接続され、外側における他端は図2におけるQ点、具体的には外側踵骨部100において領域10に接続される。領域12は、領域10と同様に相対的に低伸縮性の領域である。
従って、領域10の両端部に着目すると、領域10の足先側端部については母指基節骨部200の周りに周設され、領域10の踵側端部については領域12を介して足首の周りに周設されることとなり、両端部がそれぞれ母指と足首に係止されている状態となるため、靴下を装着した際の外側部の素材の伸長を抑制し、領域10による内側縦アーチの強制力を確保できる。なお、領域12は、領域10の低伸縮性を確保するだけでなく、舟状骨に対応する位置に周設されることで、舟状骨のずれを抑制する効果もある。
また、土踏まずに対応する部分には、図3に示すように相対的に低伸縮性の領域11を形成するとともに、その左右両端は足の甲を周回するように形成された領域14に接続する。領域11及び領域14により、横アーチを維持・補強する。
トラス機能の3点となる位置は、図3に示すように母指球部300、小指球部400、踵骨接地部500であるから、領域11の形状は、この3点を頂点とする三角形の内側であって、可能な限り当該三角形の内側をカバーする形状とすることが好ましい。このため、本実施形態では領域11の形状が、母指球部300の手前から踵骨接地部500の手前に至る直線と、立方骨の遠位端から近位端に至る直線と、母指球部300の手前から立方骨遠位端に至る直線と、踵骨接地部500の手前から立方骨近位端に至る直線を辺とする略台形形状となるように形成される。
また、領域14は、足の甲を通るように形成されるが、中足骨の動きを抑制しないようにリスフラン関節に対応する位置以外の部位を通るのが好ましい。
さらに、トラス機能の3点となる母指球部300、小指球部400、踵骨接地部500にそれぞれ対応する領域13a、13b、13cでは、足圧中心点のバランス感覚機能を維持するために、同一の素材及び編み組織とする。なお、領域13a、13b、13cの素材及び編み組織は、領域10,11,12,14以外の他の領域と異なっていてもよく、当該他の領域と同一であってもよい。後者の場合、領域13a,13b,13cとその周囲の領域の素材及び編み組織は同一となるためその境界は存在しないことになる。
以上のように、本実施形態の靴下は、領域10,11,12,14を相対的に低伸縮性とし、かつ、領域13a〜13cが同一素材及び編み組織となるように形成することで、トラス機能の補強、距骨下関節の安定化を図り、立位・運動動作時の安定性を向上させることができる。
すなわち、相対的に低伸縮の領域10により、荷重初期にトラス機構に関わる内側縦アーチを維持する足底腱膜の機能を補強するとともに、最大荷重時には、領域10が足部内側から母指基節骨部に存在していることからトラス機構の拡大による張力を利用して母指部をより内側へ牽引することで、足底部基底面が拡大し、距骨下関節の安定化と相俟って重心の安定効果が向上する。図4に、最大荷重時における足部内側の引張力F1及びこれに伴って母指部に印加される内側牽引力F2を示す。この内側牽引力F2は、足底部基底面の拡大のみならず、所謂ニーイントーアウト(膝を曲げたときに膝がつま先より内側に入り、つま先が膝より外側を向く状態)の改善にも寄与し得る。また、歩行時や走行時には、踵離地点で母趾が背屈して足底腱膜が巻き上げられて内側縦アーチが高まるところ、この足底腱膜の巻き上げを補強して内側縦アーチを維持する。
本実施形態では、足首部分にも相対的に低伸縮性の領域16,18が形成されているが、これは装着時のずり落ちを抑制するためのもので必須ではない。
また、本実施形態では、領域10,11,12,14は、相対的に低伸縮性の領域であり、これは他の領域20(例えば距骨に対応する領域や第5中足骨に対応する部分)における伸縮性と比較してその伸縮性が低いことを意味するが、領域10,11,12,14における伸縮性は互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。例えば、内側アーチの役割を補強する上で主要な領域である領域10が最も低い伸縮性となるようにその素材あるいは編み組織を変えてもよい。さらに、領域10,11等は、言うまでもなく皮膚への着圧力が高いことが好ましい。
次に、実施例について説明する。
実施例1は、本実施形態の靴下の基礎となる効果をテーピングで再現した結果である。
対象者は健常成人30名、年齢26.8±6.7歳(男性18名、女性12名)を対象に、同対象者に3度測定を行った。
測定では、
(1)素足
(2)インソールSUPER feetトリムブラック(以下、「インソール」(株式会社インパクトトレーディング)という)装着時
(3)本実施形態の靴下を模したテーピング(以下、「テープ」という)による固定時
の測定を行い、3群間による群間比較を行った。
図5〜図8は、本実施形態の靴下を模したテーピングによる固定の態様を示す写真である。図5は、足底テープ外側面を示す写真、図6は、足底テープ内側面を示す写真、図7は、足底テープ足底面を示す写真、図8は、足底テープ背側面(甲側)を示す写真である。
これらの図から分かるように、テープは、外側踵骨部から母指基節骨部まで貼付するとともに、土踏まず部から甲部を周回するように貼付する。さらに、土踏まず部から外側踵骨部にかけて踵骨を囲むように貼付する。図7に示すように、テープは母指球部300、小指球部400、踵骨接地部500には貼付しない。これらのテープにより、靴下での領域10,11,13a,13b,13c,14が近似される。なお、テープの場合には、靴下の場合のように外側部の素材が伸長してしまうという問題が生じないため、領域12に相当するテープは貼付していない。
分析方法として3群間の比較では1要因被験者内分散分析による検定を行った。いずれの検定においてもSPSS Statistics2.1を用いて、危険率5%未満を有意差ありとした。
測定項目は、立位バランス能力としてFunctional Reach Test(以下FRT)、静止立位による重心安定要素については重心動揺計GS-30(アニマ株式会社)により30秒間立位による開閉眼時の総軌跡長、単位面積軌跡長、矩形面積、外周面積について計測を行った。さらに動的重心安定要素としてディジョックボードVer3.0(酒井医療株式会社)により総角度変動指数、単位時間変動指数について検討を行った。
結果としてバランス能力についての3群間比較からFRTによる3群間比較では、素足群39.9±7.0cm、インソール群39.6±6.0cm、テープ群42.5±6.2cm(P=0.05)で3群間中、テープ群が長く、各群間での比較では、インソール群よりもテープ群(P=0.01)が有意にFRTの距離が長かった。
静止立位による重心安定要素についての3群間比較から、開眼立位30秒での3群間比較総軌跡長では素足群43.5±9.2cm、インソール群41.9±8.5cm、テープ群34.8±9.0cm(P=0.001)で、3群間中、テープ群の距離が短かった。各群間での比較では、素足群よりもテープ群(P=0.001)、インソール群よりもテープ群 (P=0.001)で、3群間中、テープ群がその他の2群間よりも有意に総軌跡長の距離が短くなった。
単位面積軌跡長では素足群2.2±0.9cm2、インソール群2.3±1.0cm2、テープ群1.6±0.7cm2 (P=0.001)で3群間中、テープ群の面積が狭小となった。各群間での比較では、素足群よりもテープ群(P=0.01)の面積が有意に狭小だった。矩形面積では素足群5.7±2.6cm2、インソール群6.0±2.8cm2、テープ群4.4±2.1cm2 (P=0.01)で3群間中、テープ群の面積が狭小となった。各群間での比較では、インソール群よりもテープ群(P=0.05)が有意に面積の狭小化がみられた。
外周面積による3群間比較では素足群1.5±0.8cm2、インソール群1.7±0.9cm2、テープ群1.2±0.6cm2 (P=0.01)で3群間中、テープ群の面積が狭小となった。テープ群において、各群間での比較では、素足群よりもテープ群(P=0.05)、インソール群よりもテープ群(P=0.05)でテープ群がその他の2群間よりも有意に面積の狭小化がみられた。
動的重心安定要素についての3群間比較から、総角度変動指数による3群間比較では素足群488.1±164.1、インソール群458.3±133.5、テープ群414.7±122.4(P=0.01)で3群間中、テープ群の数値が低値となった。各群間での比較では、素足群よりもテープ群(P=0.01)、インソール群よりもテープ群 (P=0.05)で、3群間中、テープ群がその他の2群間よりも有意に低値だった。
単位時間変動指数による3群間比較では、素足群162.7±54.7、インソール群152.8±44.5、テープ群138.1±40.8 (P=0.01)で3群間中、テープ群の数値が低値となった。各群間での比較では、インソール群よりもテープ群 (P=0.05)で、3群間中、テープ群が有意に低値だった。全方向安定指数、左右安定指数、前後安定指数、全方向平均変位、左右平均変位、前後平均変位、全方向角度変動域、左右角度変動域、前後角度変動域について3群間比較による差は見られなかった。
図9〜図12に、3群間での開眼重心動揺総軌跡長、閉眼動揺総軌跡長、総角度変動指数、単位時間変動指数の相違をグラフで示す。
以上のことから、3群間の比較から立位バランスとしてのFRT距離の減少、静止立位時の重心動揺総軌跡長、単位面積軌跡長、矩形面積、外周面積からみた静止時重心の安定、さらに総角度変動指数、単位時間変動指数による動的安定から、実施形態の靴下を模したテーピング固定法による転倒予防効果がみられた。
実施例2は、本実施形態の靴下を模した靴下(以下、これを「プロトタイプ靴下」という)の効果を確認した結果である。このプロトタイプ靴下は、市販されている靴下の特定位置にテープを貼付してその伸縮性を相対的に低下させることで領域10等を再現したものである。
図13〜図17に、プロトタイプ靴下の外観写真を示す。図13は、右足外側の写真であり、図2に対応するものである。図14は、右足内側の写真であり、図1に対応するものである。図15は、右足足底の写真であり、図3に対応するものである。図16は、右足踵部の写真である。図17は、右足足背の写真であり、図4に対応するものである。
実施例1と同様に、対象者は健常成人30名、年齢26.8±6.7歳(男性18名、女性12名)とし、同対象者に3度測定を行った。測定項目は、立位バランス能力としてFunctional Reach Test(以下FRT)、静止立位による重心安定要素については重心動揺計GS-30(アニマ株式会社)により30秒間立位による開眼時の総軌跡長を測定した。
バランス能力のFRTでは、素足群39.9±7.0cmに対し、プロトタイプ靴下群45.8±8.5cm(P=0.05)が得られ、立位開眼時の重心動揺の抑制に関して開眼時総軌跡長は素足群43.5±9.2cmに対し、プロトタイプ靴下群38.1±11.6cm(P=0.05)が得られた。従って、プロトタイプ靴下群では、素足群に比べて重心安定性の向上と立位開眼時の重心動揺の抑制に効果があることが確認された。
10,11,12,14 低伸縮性領域、13a 母指球部対応領域、13b 小指球部対応領域、13c 踵骨接地部対応領域。

Claims (2)

  1. 外側踵骨部から母指基節骨部に至る足の内側領域に形成され、前記母指基節骨部において前記母指基節骨部の周りに周設される、相対的に低伸縮性の第1領域と、
    前記第1領域に接続され、前記第1領域の外側踵骨側端部から足甲部を通って前記第1領域に至るように形成された、相対的に低伸縮性の第2領域と、
    足底面であって母指球部と小指球部と踵骨接地部を頂点とする三角形内に形成され、母指球部手前から踵骨接地部手前に至る直線と、立方骨遠位端から立方骨近位端に至る直線と、前記母指球手前から前記立方骨遠位端に至る直線と、前記踵骨接地部手前から前記立方骨近位端に至る直線を辺とする略台形形状の、相対的に低伸縮性の第3領域と、
    前記第3領域に接続され、足甲部を周設するように形成された、相対的に低伸縮性の第4領域と、
    足底面であって前記母指球部の領域と前記小指球部の領域と前記踵骨接地部の領域に形成され、同一の素材及び編み組織の第5領域と、
    を備えることを特徴とする靴下。
  2. 前記第2領域は、前記足甲部のうち舟状骨に対応する部位を通り、
    前記第4領域は、前記足甲部のうちリスフラン関節に対応しない部位を通る
    ことを特徴とする請求項1に記載の靴下。
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