JP2016204581A - 塩化ビニル樹脂組成物 - Google Patents

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直樹 圓城
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Abstract

【課題】特定の配合からなり、特に耐プレス着色性に優れた効果を有する塩化ビニル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対し、(b)トレハロース0.001〜1質量部、(c)β-ジケトン化合物、好ましくはジベンゾイルメタン及び/又はステアロイルベンゾイルメタン0.001〜5質量部、(d)有機酸金属塩0.001〜5質量部、(e)亜鉛変性ハイドロタルサイト化合物0.001〜10質量部含有することを特徴とする塩化ビニル樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、塩化ビニル樹脂組成物に関し、より詳細には、特定の配合からなり、特に耐プレス着色性に優れた効果を有する塩化ビニル樹脂組成物に関する。
塩化ビニル樹脂組成物を用いた成形品は、その機能性と経済性の観点から長年に渡り、大量に使用されている。しかし、塩化ビニル樹脂組成物を加工する際の熱履歴によって、樹脂の黒化や着色が問題となっていた。
これらを改良するため、塩化ビニル樹脂に有機酸金属塩、β-ジケトン化合物、酸化防止剤、安定剤、滑剤等多くの添加剤が配合されている。
例えば、特許文献1では、塩化ビニル樹脂に可塑剤、2個のエーテル環構造を有する二糖類、アルキルホスファイトを配合し、熱安定性と耐プレス着色性を兼ね備えた塩化ビニル系軟質樹脂組成物が提案されている。また、特許文献2では、塩化ビニル樹脂に有機酸亜鉛塩、亜鉛変性ハイドロタルサイト、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤を配合し、熱安定性、耐着色性、透明性に優れた塩化ビニル樹脂組成物が提案されている。
特開2006−143767号 特開2011−168744号
熱安定性は樹脂組成物が空気酸化と熱履歴により生じる劣化に対しての安定性を示す性能であり、他方、耐プレス着色性は樹脂への圧力と熱履歴により生じる劣化に対しての安定性を示す性能である。劣化機構が異なるこれらの性能を満たすためには、従来の技術では未だ不十分であり、熱安定性が良好な樹脂組成物であっても、耐プレス着色性が劣ってしまう場合や、耐プレス着色性が良好であっても、熱安定性が劣る等といった問題があり、耐プレス着色性と熱安定性の両方、さらには耐初期着色性を兼ね備えた塩化ビニル系樹脂組成物が要求されている。
そこで、本発明の目的は、特定の配合からなり、耐プレス着色性、熱安定性、耐初期着色性に優れた効果を有する塩化ビニル系樹脂組成物、特に耐プレス着色性に優れた効果を有する塩化ビニル樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、下記構成であれば、特に耐プレス着色性に優れた塩化ビニル樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対し、(b)トレハロース0.001〜1質量部、(c)β-ジケトン化合物0.001〜5質量部、(d)有機酸金属塩0.001〜5質量部及び(e)亜鉛変性ハイドロタルサイト化合物0.001〜10質量部を含有することを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物を提供するものである。
本発明の塩化ビニル樹脂組成物においては、前記(c)β-ジケトン化合物が、ジベンゾイルメタン及び/又は、ステアロイルベンゾイルメタンであることが好ましい。
本発明の塩化ビニル樹脂組成物においては、前記(d)有機酸金属塩の金属種が、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、亜鉛、バリウムの群から選ばれるいずれか1つ以上であることが好ましい。
本発明によれば、耐プレス着色性、熱安定性、耐初期着色性に優れた効果を有する塩化ビニル系樹脂組成物、特に耐プレス着色性に優れた塩化ビニル樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、(a)塩化ビニル樹脂(以下、「(a)成分」とも称す)100質量部に対し、(b)トレハロース(以下、「(b)成分」とも称す)0.001〜1質量部、(c)β-ジケトン化合物(以下、「(c)成分」とも称す)0.001〜5質量部、(d)有機酸金属塩(以下、「(d)成分」とも称す)0.001〜5質量部、(e)亜鉛変性ハイドロタルサイト化合物(以下、「(e)成分」とも称す)0.001〜10質量部含有するものである。かかる組成であれば、耐プレス着色性に優れた効果を示すことができる。以下、本発明の塩化ビニル樹脂組成物に係る各成分につき、詳細に説明する。
<(a)塩化ビニル樹脂>
本発明の塩化ビニル樹脂組成物においては、(a)成分としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等その重合方法には特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル三元共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソプレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−各種ビニルエーテル共重合体等の塩素含有樹脂、及びそれらの相互のブレンド品或いはそれらの塩素含有樹脂と他の塩素を含まない合成樹脂、例えば、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン三元共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、ポリエステル等とのブレンド品、ブロック共重合体、グラフト共重合体等が挙げられる。重合度は、特に限定されないが、例えば、300〜100000が挙げられ、300〜50000が好ましく、300〜30000がより好ましい。本発明の塩化ビニル樹脂組成物においては、(a)成分は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<(b)トレハロース>
本発明の塩化ビニル樹脂組成物において、(b)成分は、下記の式(1)で表され、一般的には水和物となっている。これらはα,α-、α,β-、β,β-の異性体をとる。本発明では、これら異性体も含めて、(b)成分とする。


Figure 2016204581
(b)成分の含有量は、(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.001〜1質量部であり、熱安定性、加工性、耐プレス着色性の点から、0.003〜0.8質量部が好ましく、0.003〜0.5質量部がより好ましく、0.005〜0.3質量部がさらに好ましく、0.01〜0.1質量部が特に好ましい。その含有量が0.001質量部未満では、熱安定性や耐プレス着色性が不十分な場合があり、1質量部を超えると、加工性やプレートアウト性が低下する場合がある。
<(c)β-ジケトン化合物>
本発明の塩化ビニル樹脂組成物においては、(c)成分としては、例えば、アセチルアセトン、トリアセチルメタン、2,4,6−ヘプタトリオン、ブタノイルアセチルメタン、ラウロイルアセチルメタン、パルミトイルアセチルメタン、ステアロイルアセチルメタン、フェニルアセチルメタン、ジシクロヘキシルカルボニルメタン、ベンゾイルホルミルメタン、ベンゾイルアセチルメタン、ジベンゾイルメタン、オクチルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、ビス(4−オクチルベンゾイル)メタン、ベンゾイルジアセチルメタン、4−メトキシベンゾイルメタン、ビス(4−カルボキシメチルベンゾイル)メタン、2−カルボキシメチルベンゾイルアセチルオクチルメタン、デヒドロ酢酸、シクロヘキサン−1,3−ジオン、3,6−ジメチル−2,4−ジオキシシクロヘキサン−1カルボン酸メチル、2−アセチルシクロヘキサノン、ジメドン、2−ベンゾイルシクロヘキサン等のβ−ジケトン化合物が挙げられる。また、これらのβ-ジケトン化合物の金属塩も使用することができる。β-ジケトン化合物の金属塩を提供し得る金属種としては、例えば、Li、Na及びKや、Mg、Ca、Sr、Zn、Al等が挙げられる。
(c)成分の含有量は、(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.001〜5質量部であり、熱安定性、加工性、耐プレス着色性、耐初期着色性の点から、0.003〜4質量部が好ましく、0.005〜3質量部がより好ましく、0.01〜2質量部がさらに好ましく、0.1〜1質量部が特に好ましい。その含有量が0.001質量部未満では、熱安定性、耐プレス着色性、耐初期着色性が不十分な場合があり、5質量部を超えると、加工性、プレートアウト性、熱安定性が低下する場合がある。本発明の塩化ビニル樹脂組成物においては、(c)成分は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<(d)有機酸金属塩>
本発明の塩化ビニル樹脂組成物において、(d)成分である有機酸金属塩の有機酸成分としては、カルボン酸、有機リン酸類又はフェノール類等が挙げられる。
上記カルボン酸としては、例えば、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、カプリン酸、ネオデカン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、クロロステアリン酸、12−ケトステアリン酸、フェニルステアリン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレイン酸、オレイン酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ブラシジン酸及び類似酸並びに獣脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、桐油脂肪酸、大豆油脂肪酸及び綿実油脂肪酸等の天然に産出する上記の酸の混合物、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、エチル安息香酸、イソプロピル安息香酸、トルイル酸、キシリル酸、サリチル酸、5−tert−オクチルサリチル酸、ナフテン酸、シクロヘキサンカルボン酸等が挙げられる。この中でも、オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ネオデカン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、リシノール酸、安息香酸が好ましい。
また、上記有機リン酸類としては、例えば、モノ又はジオクチルリン酸、モノ又はジドデシルリン酸、モノ又はジオクタデシルリン酸、モノ又はジ−(ノニルフェニル)リン酸、ホスホン酸ノニルフェニルエステル、ホスホン酸ステアリルエステル等が挙げられる。
また、上記フェノール類としては、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、シクロヘキシルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール等が挙げられる。
上記有機酸金属塩の金属成分としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、亜鉛(Zn)、セシウム(Cs)、スズ(Sn)、バリウム(Ba)、アルミニウム(Al)等が挙げられる。この中でも、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、亜鉛、バリウムが好ましく、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、亜鉛がより好ましい。上記有機酸成分と金属成分との塩である、有機酸金属塩は、その組み合わせによって、正塩、酸性塩、塩基性塩、過塩基性塩を形成することができ、それらの塩を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。樹脂への相溶性や、安定化効果の寄与が高い点等から、ステアリン酸金属塩やラウリン酸金属塩、オレイン酸金属塩、リシノール酸金属塩、ネオデカン酸金属塩、2−エチルヘキシル酸金属塩、安息香酸金属塩が好ましく、その金属としては、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、亜鉛、バリウムが好ましい。
(d)成分の含有量は、(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.001〜5質量部であり、熱安定性、加工性、耐プレス着色性、耐初期着色性の点から、0.003〜4質量部が好ましく、0.005〜3質量部がより好ましく、0.01〜2質量部がさらに好ましく、0.1〜1質量部が特に好ましい。その含有量が0.001質量部未満では、熱安定性、耐プレス着色性、耐初期着色性が不十分な場合があり、5質量部を超えると、プレートアウト性、加工性が低下する場合がある。本発明の塩化ビニル樹脂組成物においては、(d)成分は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<(e)亜鉛変性ハイドロタルサイト化合物>
本発明の塩化ビニル樹脂組成物においては、(e)成分としては、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
pZnqAlr(OH)2(CO3r/2・mH2O (2)
但し、式中のMは マグネシウム 、又は、マグネシウム及びカルシウムであり、p、q及びrは各々 下記の式で表される条件を満足する数であり、mは0又は任意の正数である;0<r≦0.5、p+q=1−r、p≧q、0.3≦p<1、0<q<0.5 。
本発明で用いられる亜鉛変性ハイドロタルサイト系化合物の具体例としては、例えば、特公昭46−2280号公報、特公昭47−32198号公報、特公昭50−30039号公報、特公昭48−29477号公報及び特公昭51−29129号公報等に記載されている。当然、本発明においては市販品を用いることもできる。具体例としては、次に示すような化合物が挙げられる。
Mg0.38Zn0.3Al0.32(OH)2(CO30.16・0.2H2
Mg0.45Zn0.23Al0.32(OH)2(CO30.16
Mg0.48Zn0.18Al0.34(OH)2(CO30.17
Mg0.48Zn0.2Al0.32(OH)2(CO30.16
Mg0.5Zn0.17Al0.33(OH)2(CO30.165・0.45H2
Mg0.58Zn0.17Al0.33(OH)2(CO30.5・0.5H2
Mg0.5Zn0.18Al0.32(OH)2(CO30.16
Mg0.5Zn0.2Al0.3(OH)2(CO30.16
Mg0.5Zn0.2Al0.3(OH)2(CO30.15・0.52H2
Mg0.5Zn0.25Al0.25(OH)2(CO30.125
Mg0.51Zn0.17Al0.32(OH)2(CO30.16
Mg0.52Zn0.16Al0.32(OH)2(CO30.16・0.5H2
Mg0.55Zn0.15Al0.32(OH)2(CO30.15
Mg0.6Zn0.14Al0.26(OH)2(CO30.13
Mg0.6Zn0.16Al0.24(OH)2(CO30.12
Mg0.6Zn0.2Al0.2(OH)2(CO30.1
Mg0.4Ca0.1Zn0.18Al0.32(OH)2(CO30.16
Mg0.3Ca0.2Zn0.2Al0.3(OH)2(CO30.16
Mg0.5Zn0.17Al0.33(OH)2(CO30.17・0.5H2
Mg0.5Zn0.17Al0.33(OH)2(CO30.17・0.42H2
Mg0.6Zn0.16Al0.24(OH)2(CO30.12・0.45H2
Mg0.5Zn0.25Al0.25(OH)2(CO30.13・0.39H2
Mg0.67Zn0.08Al0.33(OH)2(CO30.5・0.5H2
Mg0.50ZnAl0.17(OH)0.33(CO30.17・0.5H2
Mg0.5Zn0.17Al0.33(OH)2(CO30.17
Mg0.5Zn0.25Al0.33(OH)2(CO30.13
(e)成分の屈折率は、透明性の観点から1.52〜1.56であることが好ましい。
市販品としては、アルカマイザー4(アルカマイザーP−93 協和化学工業製の商品名)やアルカマイザー7(協和化学工業製の商品名)等が挙げられる。特に透明性の点から、アルカマイザー4(アルカマイザーP−93)を使用することが好ましい。
本発明の塩化ビニル樹脂組成物においては、上記(e)成分の表面を、ステアリン酸等の高級脂肪酸類、オレイン酸アルカリ金属塩等の高級脂肪酸金属塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩等の有機スルホン酸金属塩類、高級脂肪酸アミド類、高級脂肪酸エステル類又はワックス等で被覆した亜鉛変性ハイドロタルサイト系化合物も使用することができる。
(e)成分の含有量は、(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部であり、熱安定性、加工性、耐プレス着色性の点から、0.003〜8質量部が好ましく、0.05〜6質量部がより好ましく、0.1〜5質量部がさらに好ましく、1〜4質量部が特に好ましい。その含有量が0.001質量部未満では、熱安定性や耐プレス着色性が不十分な場合があり、5質量部を超えると、加工性が低下する場合がある。本発明の塩化ビニル樹脂組成物においては、(e)成分は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<その他成分>
また、本発明の塩化ビニル樹脂組成物には、さらに各種の添加剤、例えば、可塑剤、上記(e)以外のハイドロタルサイト化合物、ゼオライト化合物、フェノール系、又は、硫黄系酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ポリオール類、その他の無機化合物等を配合することもできる。
上記可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ブチルヘキシルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルテレフタレート等のフタレート系可塑剤;ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジ(ブチルジグリコール)アジペート等のアジペート系可塑剤;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリ(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリ(ブトキシエチル)ホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート等のホスフェート系可塑剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールと、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、桂皮酸等の二塩基酸とを用い、必要に応じて一価のアルコール、モノカルボン酸(酢酸、芳香族酸等)等をストッパーとして使用したポリエステル系可塑剤;エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化桐油、エポキシ化魚油、エポキシ化牛脂油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化サフラワー油、エポキシ化ステアリン酸メチル、エポキシ化ステアリン酸ブチル、エポキシ化ステアリン酸2−エチルヘキシル、エポキシ化ステアリン酸ステアリルエステル、エポキシ化ポリブタジエン、トリス(エポキシプロピル)イソシアヌレート、エポキシ化トール油脂肪酸エステル、エポキシ化亜麻仁油脂肪酸エステル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビニルシクロへキセンジエポキサイド、ジシクロへキセンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等のエポキシ系可塑剤、その他、テトラヒドロフタル酸系可塑剤、アゼライン酸系可塑剤、ジ−2−エチルヘキシルセバケート(DOS)、ジブチルセバケート(DBS)等のセバシン酸系可塑剤、ステアリン酸系可塑剤、クエン酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、ビフェニレンポリカルボン酸系可塑剤、多価アルコールの芳香族酸エステル系可塑剤(トリメチロールプロパンのトリベンゾエート等)等が挙げられる。好ましくは、フタレート系可塑剤、アジペート系可塑剤、セバシン酸系可塑剤、エポキシ系可塑剤、多価アルコールの芳香族酸エステル系可塑剤が挙げられる。
上記可塑剤の含有量は、本発明の効果を損ねない範囲で配合することができるが、(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して、1〜90質量部が好ましく、10〜80質量部がより好ましい。これら可塑剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記(e)以外のハイドロタルサイト化合物としては、例えば、下記一般式(3)で表されるような化合物を挙げることができる。
Mg1-xAlx(OH)2(Ay-x/z・nH2O (3)
但し、式中のzは1又は2であり、Ay-はz価のアニオン、即ち、(CO32-又は(ClO4-であり、xは、0<x≦0.5、nは0又は正数を表す。具体例としては、次に示すような化合物が挙げられる。
Mg0.750Al0.250(OH)2(CO30.125・0.5H2
Mg0.692Al0.308(OH)2(CO30.154・0.1H2
Mg0.683Al0.317(OH)2(CO30.159・0.5H2
Mg0.667Al0.333(OH)2(CO30.167・0.1H2
Mg0.750Al0.250(OH)2(ClO40.250・0.5H2
Mg0.692Al0.308(OH)2(ClO40.308・0.1H2
Mg0.667Al0.333(OH)2(ClO40.333・0.1H2
市販品としては、DHT−4A(協和化学工業製の商品名)、マグセラー1(協和化学工業製の商品名)等が挙げられる。
上記(e)以外のハイドロタルサイト化合物の含有量は、本発明の効果を損ねない範囲で配合することができるが、(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.03〜3質量部が特に好ましい。
上記ゼオライト化合物としては、独特の三次元ゼオライト結晶構造を有するアルカリ又はアルカリ土類金属のアルミノ珪酸塩であり、例えば、その代表例として、A型、X型、Y型及びP型ゼオライト、モノデナイト、アナルサイト、ソーダライト族のアルミノ珪酸塩、クリノブチロライト、エリオナイト及びチャバサイト等を挙げることができ、これらゼオライト化合物の結晶水(いわゆるゼオライト水)を含有する含水物又は結晶水を除いた無水物のいずれでもよい。上記ゼオライト化合物の含有量は、本発明の効果を損ねない範囲で配合することができるが、(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.03〜3質量部が特に好ましい。
上記フェノール系抗酸化剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル・3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4'−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4'−ブチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2'−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス[2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス[2−{3−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパノイルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリコールビス[β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。上記フェノール系酸化防止剤の含有量は、本発明の効果を損ねない範囲で配合することができるが、(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.01〜1質量部が好ましく、0.03〜0.8質量部がより好ましい。
上記硫黄系抗酸化剤としては、例えば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ミリスチルステアリル、ジステアリルエステル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−第三ブチル−4'−(2−メタクリロイルオキシエトキシエトキシ)ベンゾフェノン、5,5'−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−ドデシル−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−C7〜9混合アルコキシカルボニルエチルフェニル)トリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2'−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−アクリロイルオキシエトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−(2−(2−エチルヘキサノイルオキシ)エチルオキシ)フェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒ
ドロキシ−3−メチル−4−(2−オクタノイルオキシエチル)フェニル)−1,3,5−トリアジン、等の2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2'−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4'−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、テトラキス(α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリロイルオキシメチル)メタン等のシアノアクリレート類等が挙げられる。上記紫外線吸収剤の含有量は、本発明の効果を損ねない範囲で配合することができるが、(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.01〜1質量部が好ましく、0.03〜0.8質量部がより好ましい。
上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルア
ミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,
9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、ビス(1−ウンデシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート等が挙げられる。上記ヒンダードアミン系光安定剤の含有量は、本発明の効果を損ねない範囲で配合することができるが、(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.01〜1質量部が好ましく、0.03〜0.8質量部がより好ましい。
上記ポリオール類としては、例えば、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールのステアリン酸ハーフエステル、ビス(ジペンタエリスリトール)アジペート、グリセリン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール等が挙げられる。上記ポリオール類の含有量は、本発明の効果を損ねない範囲で配合することができるが、(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.01〜2質量部が好ましく、0.01〜1質量部がより好ましい。
その他の無機化合物としては、例えば、珪酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。その他の無機化合物の含有量は、本発明の効果を損ねない範囲で配合することができるが、(a)塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.03〜3質量部がより好ましい。
その他、本発明の樹脂組成物には、さらに必要に応じてその他の添加剤、例えば、充填剤、着色剤、架橋剤、帯電防止剤、防曇剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、滑剤、難燃剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、金属不活性化剤、離型剤、顔料、加工助剤、発泡剤等を、本発明の効果を損ねない範囲で配合することもできる。
本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、調製方法、混合方法及び加工方法とは無関係に使用する事が可能であり、調製方法としては、例えば、上記(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分、(e)成分及び必要に応じてその他の添加剤成分を一括して仕込む方法や、分割して仕込む方法が挙げられ、混合方法としては、V型ブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、ロッキングミキサー、ターブラーミキサー、プラネタリミキサー、バンバリーミキサー、ミルミキサー、ミキシングロール、ニーダー等混合器や混練機により混合する方法等が挙げられ、加工方法としては、例えば、押出し機等による押出加工、溶液流延法、加圧成型加工、粉体成型加工、カレンダー加工等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例により本発明をより詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例によりなんら制限を受けるものではない。尚、表中の配合量の単位は質量部とする。
<実施例1〜4及び比較例1〜8>
下記配合に対し、表1又は2記載の配合物(比較例1は、添加剤が未添加)を、190℃×30rpm(ロール回転速度)×3分(混練時間)×0.6mm(シート厚)の条件でロール混練してシートを作製した。
<配合>
(a)成分:塩化ビニル樹脂(新第一塩ビ(株)製 ZEST1000Z) 100質量部
(b)成分:トレハロース 下記表1〜3
(c)成分:β-ジケトン化合物 下記表1〜3
(d)成分:有機酸金属塩 下記表1〜3
(e)成分:亜鉛変性ハイドロタルサイト 下記表1〜3
テトラキス〔3−(3,5−ジ第三ブチルー4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル〕メタン 0.08質量部
高分子縮合エステル(オレオケミカルジャパン製 G−70S) 0.5質量部
<熱安定性試験>
上記にて得られた0.6mm厚のシートを200℃のギヤーオーブンに入れ、黒化時間(分)を測定した。
熱安定性能は、80分以上であることが性能として優れていることを示している。得られた評価結果を下記の表1〜表3に併記する。
初期着色性試験>
上記にて得られた0.6mm厚のシートを重ねあわせ、190℃5分間プレス加工を行ない2mm厚のシートを作製し、汎用型色差計カラーエースTC−8600A(有限会社 東京電色製)を用いて黄色度(Y.I;Yellowness Index)を測定した。得られた評価結果を下記の表1〜表3に併記する。
<耐プレス着色性試験>
上記にて得られた0.6mm厚のシートを重ねあわせ、190℃30分間プレス加工を行ない1mm厚のシートを作製し、汎用型色差計カラーエースTC−8600A(有限会社 東京電色製)を用いて黄色度(Y.I;Yellowness Index)を測定した。
耐プレス着色性能は、60以下であることが性能として優れていることを示している。得られた評価結果を下記の表1〜表3に併記する。
Figure 2016204581
Figure 2016204581
Figure 2016204581
表1〜3において、比較例1〜8から明らかなように、添加剤未添加及び比較化合物1〜7を配合しても、熱安定性、初期着色性、耐プレス着色性の全てを満たす配合は見出せなかった。一方、実施例1〜4に使用されている、本発明の配合による塩化ビニル樹脂組成物は、熱安定性、初期着色性、耐プレス着色性の全てを満たし、且つ優れた効果を示すことが明らかとなった。

Claims (3)

  1. (a)塩化ビニル樹脂100質量部に対し、(b)トレハロース0.001〜1質量部、(c)β-ジケトン化合物0.001〜5質量部、(d)有機酸金属塩0.001〜5質量部及び(e)亜鉛変性ハイドロタルサイト化合物0.001〜10質量部を含有することを特徴とする塩化ビニル樹脂組成物。
  2. 上記(c)β-ジケトン化合物が、ジベンゾイルメタン及び/又はステアロイルベンゾイルメタンからなることを特徴とする請求項1記載の塩化ビニル樹脂組成物。
  3. 上記(d)有機酸金属塩の金属種が、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、亜鉛、バリウムの群から選ばれる何れか1つ以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の塩化ビニル樹脂組成物。
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