JP2016203770A - ハイブリッドシステムの制御装置 - Google Patents

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圭介 永坂
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和樹 鶴見
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Abstract

【課題】電気加熱式の触媒装置の暖機開始時期を最適化する。【解決手段】ハイブリッドシステム100の制御装置200が、第1運転モード中にバッテリ充電量が所定のモード切替充電量以下まで低下したら第2運転モードに切り替え、第1運転モード中にバッテリ充電量がモード切替充電量よりも大きい暖機開始充電量以下まで低下したら、発熱体151に対して触媒を所定温度まで昇温させるために必要な電力量の電力供給を開始して、第2運転モードに切り替わる前に触媒装置15を暖機し、第1運転モードの運転履歴に基づいて、発熱体151に電力量を供給し終えたときのバッテリ充電量がモード切替充電量に近づくように、暖機開始充電量の値を学習するように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明はハイブリッドシステムの制御装置に関する。
従来のハイブリッドシステムの制御装置として、バッテリの電力のみにより駆動モータを駆動して車両を走行させる電力走行中に電気加熱式の触媒装置の暖機を開始し、触媒装置の暖機完了後に内燃機関を始動してハイブリッド走行を行うように構成されたものがある(特許文献1参照)。
特開2005−146910号公報
ここで、電力走行中に触媒装置の暖機を完了させるためには、バッテリの充電電力量(以下「バッテリ充電量」という。)が、少なくとも触媒装置の暖機中に消費されると予想される電力量未満になる前に、触媒装置の暖機を開始する必要がある。触媒装置の暖機中に消費されるバッテリの電力量は、触媒装置を暖機するために必要な電力量と、触媒装置の暖機中に駆動モータを駆動するために必要な電力量と、の総和となる。
触媒装置の暖機中に駆動モータを駆動するために必要な電力量は、触媒装置の暖機中における各ドライバの要求トルクに依存するため、各ドライバの運転の仕方(運転パターン)によって変化することになる。
したがって前述した従来例のように、電力走行中に触媒装置の暖機を完了させるためには、触媒装置の暖機中に駆動モータを駆動するために必要と予想される電力量を十分なマージンを持った大きい値に設定し、触媒装置の暖機を開始するトリガとなるバッテリ充電量の閾値を十分なマージンを持った大きい値にする必要がある。つまり前述した従来例では、各ドライバの運転パターンに応じた適当な時期に触媒装置の暖機を開始することができないおそれがある。
本発明はこのような問題点に着目してなされたものであり、各ドライバの運転パターンに応じた適当な時期に触媒装置の暖機を開始できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様によれば、内燃機関と、外部電源からの充電が可能なバッテリと、内燃機関の排気経路に設けられ、バッテリから供給される電力で発熱する発熱体と当該発熱体を介して加熱される触媒とを含む電気加熱式の触媒装置と、内燃機関の動力の一部により回生駆動される第1回転電機と、バッテリの充電電力及び前記第1回転電機の発電電力の一方又は双方の電力により力行駆動される第2回転電機と、を備え、内燃機関及び第2回転電機の一方又は双方の動力を駆動対象に伝達可能なハイブリッドシステムを制御する制御装置が、バッテリの充電電力を優先的に利用して第2回転電機を力行駆動させ、少なくとも当該第2回転電機の動力を駆動対象に伝達する第1運転モード中に、バッテリ充電量が所定のモード切替充電量以下まで低下したら、内燃機関を始動させて内燃機関及び第2回転電機の一方又は双方の動力を駆動対象に伝達する第2運転モードに切り替え、第1運転モード中にバッテリ充電量がモード切替充電量よりも大きい暖機開始充電量以下まで低下したら、発熱体に対して触媒を所定温度まで昇温させるために必要な電力量の電力供給を開始して、第2運転モードに切り替わる前に触媒装置を暖機し、第1運転モードの運転履歴に基づいて、発熱体に前記電力量を供給し終えたときのバッテリ充電量がモード切替充電量に近づくように、暖機開始充電量の値を学習するように構成されている。
本発明のこの態様によれば、第1運転モードの運転履歴に基づいて、発熱体に対して触媒を所定温度まで昇温させるために必要な電力量を供給し終えたときのバッテリ充電量が、モード切替充電量に近づくように暖機開始充電量の値を学習するので、各ドライバの運転パターンに応じた適当な時期に触媒装置の暖機を開始することができる。
図1は、車両に搭載された本発明の第1実施形態によるハイブリッドシステム及びハイブリッドシステムを制御する電子制御ユニットの概略構成図である。 図2は、ハイブリッドシステムの運転モード切替制御について説明するフローチャートである。 図3は、ハイブリッドシステムの運転モード切替制御の動作について説明するタイムチャートである。 図4は、本発明の第1実施形態による暖機開始充電量の学習制御について説明するフローチャートである。 図5は、目標通電時間算出処理について説明するフローチャートである。 図6は、冷却水温に基づいて目標供給電力量を算出するためのテーブルである。 図7は、本発明の第1実施形態による学習処理について説明するフローチャートである。 図8は、本発明の第1実施形態による暖機処理について説明するフローチャートである。 図9は、本発明の第1実施形態による暖機開始充電量の学習制御の動作について説明するタイムチャートである。 図10は、本発明の第2実施形態による暖機開始充電量の学習制御について説明するフローチャートである。 図11は、本発明の第2実施形態による暖機処理について説明するフローチャートである。 図12は、本発明の第2実施形態による学習処理について説明するフローチャートである。 図13は、導電性担体に対して目標供給電力量を供給することができた場合の本発明の第2実施形態による暖機開始充電量の学習制御の動作について説明するタイムチャートである。 図14は、導電性担体に対して目標供給電力量を供給することができなかった場合の本発明の第2実施形態による暖機開始充電量の学習制御の動作について説明するタイムチャートである。 図15は、本発明の第3実施形態による暖機開始充電量の学習制御について説明するフローチャートである。 図16は、本発明の第3実施形態による学習処理について説明するフローチャートである。 図17は、導電性担体に対して目標供給電力量を供給することができた場合の本発明の第3実施形態による暖機開始充電量の学習制御の動作について説明するタイムチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
(第1実施形態)
図1は、車両に搭載された本発明の第1実施形態によるハイブリッドシステム100及びハイブリッドシステム100を制御する電子制御ユニット200の概略構成図である。
ハイブリッドシステム100は、内燃機関10と、動力分割機構20と、第1回転電機30と、第2回転電機40と、バッテリ50と、昇圧コンバータ60と、第1インバータ70と、第2インバータ80と、を備え、内燃機関10及び第2回転電機40の一方又は双方の動力を駆動対象に伝達する。本実施形態によるハイブリッドシステム100は、内燃機関10及び第2回転電機40の一方又は双方の動力を、最終減速装置1を介して車輪駆動軸2に伝達することができるように構成されている。
内燃機関10は、機関本体11に形成された各気筒12内で燃料を燃焼させて、クランクシャフトに連結された出力軸13を回転させるための動力を発生させる。本実施形態による内燃機関10はガソリンエンジンであるが、ディーゼルエンジンにすることもできる。各気筒12から排気通路14に排出された排気は、排気通路14を流れて大気中に排出される。排気通路14には、排気中の有害物質を浄化するための電気加熱式の触媒装置(EHC;Electrical Heated Catalyst)15が設けられる。
電気加熱式の触媒装置15は、触媒を表面に担持させたハニカム型の導電性担体151と、導電性担体151に電圧を印加するための一対の電極152と、導電性担体151に印加する電圧を調整する電圧調整回路153と、を備える。
導電性担体151は、例えば炭化ケイ素(SiC)や二珪化モリブデン(MoSi)などの通電されることにより発熱する材料によって形成された担体である。導電性担体151は、筐体150に対して電気的に絶縁された状態で筐体150内に設けられる。本実施形態では導電性担体151の表面に三元触媒を担持させているが、導電性担体151の表面に担持させる触媒の種類は特に限られるものではなく、種々の触媒の中から所望の排気浄化性能を得るために必要な触媒を適宜選択して導電性担体151に担持させることができる。
導電性担体151の下流には、導電性担体151の温度(以下「触媒床温」という。)を検出するための温度センサ211が設けられている。
一対の電極152は、それぞれ筐体150に対して電気的に絶縁された状態で導電性担体151に電気的に接続されると共に、電圧調整回路153を介してバッテリ50に接続される。一対の電極152を介して導電性担体151に電圧を印加して導電性担体151に電力を供給することで、導電性担体151に電流が流れて導電性担体151が発熱し、導電性担体151に担持された触媒が加熱される。一対の電極152によって導電性担体151に印加する電圧は、電子制御ユニット200によって電圧調整回路153を制御することで調整可能であり、例えばバッテリ50の電圧をそのまま印加することも、バッテリ50の電圧を任意の電圧まで降圧させて印加することも可能である。
動力分割機構20は、内燃機関10の動力を、車輪駆動軸2を回転させるための動力と、第1回転電機30を回生駆動させるための動力と、の2系統に分割するための遊星歯車であって、サンギヤ21と、リングギヤ22と、ピニオンギヤ23と、プラネタリキャリア24と、を備える。
サンギヤ21は外歯歯車であり、動力分割機構20の中央に配置される。サンギヤ21は、第1回転電機30の回転軸33と連結されている。
リングギヤ22は内歯歯車であり、サンギヤ21と同心円上となるように、サンギヤ21の周囲に配置される。リングギヤ22は、第2回転電機40の回転軸33と連結される。また、リングギヤ22には、車輪駆動軸2に対して最終減速装置1を介してリングギヤ22の回転を伝達するためのドライブギヤ3が一体化されて取り付けられている。
ピニオンギヤ23は外歯歯車であり、サンギヤ21及びリングギヤ22と噛み合うように、サンギヤ21とリングギヤ22との間に複数個配置される。
プラネタリキャリア24は、内燃機関10の出力軸13に連結されており、出力軸13を中心にして回転する。またプラネタリキャリア24は、プラネタリキャリア24が回転したときに、各ピニオンギヤ23が個々に回転(自転)しながらサンギヤ21の周囲を回転(公転)することができるように、各ピニオンギヤ23にも連結されている。
第1回転電機30は、例えば三相の交流同期型のモータジュネレータであり、サンギヤ21に連結された回転軸33の外周に取り付けられて複数の永久磁石が外周部に埋設されたロータ31と、回転磁界を発生させる励磁コイルが巻き付けられたステータ32と、を備える。第1回転電機30は、バッテリ50からの電力供給を受けて力行駆動する電動機としての機能と、内燃機関10の動力を受けて回生駆動する発電機としての機能と、を有する。
本実施形態では、第1回転電機30は主に発電機として使用される。そして、内燃機関10の始動時に出力軸13を回転させてクランキングを行うときに電動機として使用され、スタートとしての役割を果たす。
第2回転電機40は、例えば三相の交流同期型のモータジュネレータであり、リングギヤ22に連結された回転軸43の外周に取り付けられて複数の永久磁石が外周部に埋設されたロータ41と、回転磁界を発生させる励磁コイルが巻き付けられたステータ42と、を備える。第2回転電機40は、バッテリ50からの電力供給を受けて力行駆動する電動機としての機能と、車両の減速時などに車輪駆動軸2からの動力を受けて回生駆動する発電機としての機能と、を有する。
バッテリ50は、例えばニッケル・カドミウム蓄電池やニッケル・水素蓄電池、リチウムイオン電池などの充放電可能な二次電池である。本実施形態では、バッテリ50として、定格電圧が200V程度のリチウムイオン二次電池を使用している。バッテリ50は、バッテリ50の充電電力を第1回転電機30及び第2回転電機40に供給してそれらを力行駆動することができるように、また、第1回転電機30及び第2回転電機40の発電電力をバッテリ50に充電できるように、昇圧コンバータ60等を介して第1回転電機30及び第2回転電機40に電気的に接続される。またバッテリ50は、バッテリ50の充電電力を導電性担体151に供給して導電性担体151を加熱することができるように、電圧調整回路153及び一対の電極152を介して導電性担体151にも電気的に接続される。
さらにバッテリ50は、例えば家庭用コンセントなどの外部電源からの充電が可能なように、充電制御回路51及び充電リッド52を介して外部電源と電気的に接続可能に構成されている。充電制御回路51は、電子制御ユニット200からの制御信号に基づいて、外部電源から供給される交流電流を直流電流に変換し、入力電圧をバッテリ電圧まで昇圧して外部電源の電力をバッテリ50に充電することが可能な電気回路である。
昇圧コンバータ60は、電子制御ユニット200からの制御信号に基づいて一次側端子の端子間電圧を昇圧して二次側端子から出力し、逆に電子制御ユニット200からの制御信号に基づいて二次側端子の端子間電圧を降圧して一次側端子から出力することが可能な電気回路を備える。昇圧コンバータ60の一次側端子はバッテリ50の出力端子に接続され、二次側端子は第1インバータ70及び第2インバータ80の直流側端子に接続される。
第1インバータ70及び第2インバータ80は、電子制御ユニット200からの制御信号に基づいて直流側端子から入力された直流電流を交流電流(本実施形態では三相交流電流)に変換して交流側端子から出力し、逆に電子制御ユニット200からの制御信号に基づいて交流側端子から入力された交流電流を直流電流に変換して直流側端子から出力することが可能な電気回路をそれぞれ備える。第1インバータ70の直流側端子は昇圧コンバータ60の二次側端子に接続され、第1インバータ70の交流側端子は第1回転電機30の入出力端子に接続される。第2インバータ80の直流側端子は昇圧コンバータ60の二次側端子に接続され、第2インバータ80の交流側端子は第2回転電機40の入出力端子に接続される。
電子制御ユニット200は、デジタルコンピュータから構成され、双方性バス201によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)202、RAM(ランダムアクセスメモリ)203、CPU(マイクロプロセッサ)204、入力ポート205及び出力ポート206を備える。
入力ポート205には、前述した温度センサ211や、バッテリ充電量SOCを検出するためのSOCセンサ212、機関本体11を冷却するための冷却水の温度(以下「冷却水温」という。)を検出するための水温センサ213などの出力信号が、対応する各AD変換器207を介して入力される。また入力ポート205には、アクセルペダル220の踏み込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ214の出力電圧が、対応するAD変換器207を介して入力される。また入力ポート205には、機関回転速度Nなどを算出するための信号として、機関本体11のクランクシャフトが例えば15°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ215の出力信号が入力される。さらに入力ポート205には、ハイブリッドシステム100の起動及び停止を判断するためのスタートスイッチ216からの出力信号が入力される。このように入力ポート205には、ハイブリッドシステム100を制御するために必要な各種センサの出力信号が入力される。
出力ポート206には、対応する駆動回路208を介して機関本体11の点火プラグや触媒装置15の電圧調整回路153、充電制御回路51、昇圧コンバータ60、第1インバータ70、第2インバータ80などの各制御部品が電気的に接続される。
電子制御ユニット200は、入力ポート205に入力された各種センサの出力信号に基づいて、各制御部品を駆動してハイブリッドシステム100を制御するための制御信号を出力ポート206から出力する。
以下、電子制御ユニット200が実施するハイブリッドシステム100の制御について説明する。
図2は、ハイブリッドシステム100の運転モード切替制御について説明するフローチャートである。電子制御ユニット200は、ハイブリッドシステム100の運転が行われるトリップ中(スタートスイッチ216がONされてからOFFされるまでの間)にこのルーチンを所定の演算周期ごとに繰り返し実行する。
ステップS1において、電子制御ユニット200は、運転モードが既に設定済みか否かを判定する。電子制御ユニット200は、運転モードが未設定であればステップS2の処理に進み、運転モードが設定済みであればステップS5の処理に進む。なお運転モードは、ハイブリッドシステム100の停止時に未設定の状態に戻され、ハイブリッドシステム100の起動時は未設定の状態となっている。
ステップS2において、電子制御ユニット200は、バッテリ充電量SOCが所定のモード切替充電量(例えば満充電量の25%)SOCよりも大きいか否かを判定する。モード切替充電量SOCは、運転モードを切り替えるために設定されたバッテリ充電量の閾値である。電子制御ユニット200は、バッテリ充電量SOCがモード切替充電量SOCよりも大きければステップS3の処理に進み、バッテリ充電量SOCがモード切替充電量SOC以下であればステップS4の処理に進む。
ステップS3において、電子制御ユニット200は、運転モードを、バッテリ50の充電電力による電力走行を優先的に行うCD(Charge Depleting;充電消耗)モードに設定する。
CDモードでは、電子制御ユニット200は基本的に内燃機関10を停止させた状態でバッテリ50の充電電力を使用して第2回転電機40を力行駆動させ、第2回転電機40の動力のみにより車輪駆動軸2を回転させる。そして例外的に、所定の内燃機関10始動条件が成立したときには内燃機関10を始動させ、内燃機関10及び第2回転電機40の双方の動力で車輪駆動軸2を回転させる。
このようにCDモードは、バッテリ50の充電電力を優先的に利用して第2回転電機40を力行駆動させ、少なくとも第2回転電機40の動力を車輪駆動軸2に伝達して車両を走行させる運転モードである。
なお、CDモード中における内燃機関10の始動条件は、車両の走行性能確保や部品保護の観点から設定されるもので、例えば車速が所定車速(例えば100km/h)以上となったときやアクセルペダル踏み込みによる急加速要求があったとき、バッテリ50温度が所定温度(例えば−10℃)以下のときなどが挙げられる。
ステップS4において、電子制御ユニット200は、運転モードを、内燃機関10を運転してハイブリッド走行を行うCS(Charge Sustaining;充電維持)モードに設定する。
CSモードでは、電子制御ユニット200は、内燃機関10の動力を動力分割機構20によって2系統に分割し、分割した内燃機関10の一方の動力を車輪駆動軸2に伝達すると共に、他方の動力によって第1回転電機30を回生駆動する。そして、基本的に第1回転電機30の発電電力によって第2回転電機40を力行駆動し、内燃機関10の一方の動力に加えて第2回転電機40の動力を車輪駆動軸2に伝達する。例外的に、例えばアクセルペダル踏み込みによる急加速要求があったときなどは、車両の走行性能確保のために第1回転電機30の発電電力とバッテリ50の充電電力によって第2回転電機40を力行駆動し、内燃機関10及び第2回転電機40の双方の動力を車輪駆動軸2に伝達する。
このようにCSモードは、内燃機関10を運転させると共に第1回転電機30の発電電力を優先的に利用して第2回転電機40を力行駆動させ、内燃機関10及び第2回転電機40の双方(又は一方)の動力を車輪駆動軸2に伝達して車両を走行させる運転モードである。
ステップS5において、電子制御ユニット200は、運転モードがCSモードか否かを判定する。電子制御ユニット200は、運転モードがCSモードではなくCDモードであればステップS2の処理に進み、運転モードがCSモードであれば今回の処理を終了する。このように、バッテリ充電量SOCがいったんモード切替充電量SOC以下まで低下した後は、電子制御ユニット200は運転モードをCSモードに維持する。
図3は、ハイブリッドシステム100の運転モード切替制御の動作について説明するタイムチャートである。このタイムチャートでは、スタートスイッチ216がOFFにされている間に外部電源の電力による充電(プラグイン充電)が行われ、バッテリ充電量SOCが満充電量SOCFULLになっているものとする。
時刻t1で、スターチスイッチがONにされると、電子制御ユニット200は、バッテリ充電量SOCに基づいて運転モードの設定を行う。時刻t1におけるバッテリ充電量SOCは満充電量SOCFULLであり、モード切替充電量SOCよりも大きいので、電子制御ユニット200は、運転モードをCDモードに設定する。CDモード中は、電子制御ユニット200は、ドライバの要求トルクに基づいて、バッテリ50の充電電力を使用して第2回転電機40を力行駆動し、基本的に第2回転電機40の動力のみで車両を走行させる。その結果、CDモード中は徐々にバッテリ充電量SOCが低下していく。
時刻t2で、バッテリ充電量SOCがモード切替充電量SOCまで低下すると、電子制御ユニット200は、内燃機関10を始動させて運転モードをCSモードに切り替え、それ以降は運転モードをCSモードに維持する。CSモード中は、電子制御ユニット200は、バッテリ充電量が所定範囲に収まるように、バッテリ50の充電電力を温存しながら内燃機関10及び第2回転電機40の双方の動力で車両を走行させる。
このように本実施形態では、基本的に運転モードがCDモードからCSモードに切り替わったときに内燃機関10が始動されることになる。
触媒装置15が所望の排気浄化性能を発揮するには、導電性担体151に担持させた触媒を所定温度まで昇温させて、触媒を活性させる必要がある。そのため、機関始動後の排気エミッションの悪化を抑制するには、CDモード中に導電性担体151に対する電力供給を開始して触媒装置15を暖機し、CSモードに切り替わる前に触媒装置15の暖機を完了させておくことが望ましい。
CDモード中に導電性担体151に対する電力供給を開始して触媒装置15を暖機する方法としては、導電性担体151に対する電力供給を開始するバッテリ充電量、すなわち触媒装置15の暖機を開始するバッテリ充電量(以下「暖機開始充電量」という。)SOCを設定し、CDモード中にバッテリ充電量SOCが暖機開始充電量SOCまで低下したら、導電性担体151に対する電力供給を開始して触媒装置15を暖機することが考えられる。暖機開始充電量SOCは、満充電量SOCFULLよりも小さく、モード切替充電量SOCよりも大きい値に設定される。
ここで、車両を運転する各ドライバがCDモード中に要求するトルクはそれぞれ異なるため、CDモード中に第2回転電機40を力行駆動するため(車両を走行させるため)に消費される単位時間当たりのバッテリ50の電力量は、車両を運転する各ドライバによって異なる。すなわち、車両を運転する各ドライバによって、CDモード中のバッテリ充電量SOCの減少割合(傾き)が異なってくる。
CDモード中のバッテリ充電量SOCの減少割合が大きいと、バッテリ充電量SOCが暖機開始充電量SOCからモード切替充電量SOCに低下するまでの時間も短くなってしまうので、導電性担体151に対して触媒を活性させるために必要な電力を供給しきる前にCSモードに切り替わるおそれがある。すなわち、触媒装置15の暖機が完了する前に、内燃機関10を始動させなければならなくなるおそれがある。
このように、CDモード中のバッテリ充電量SOCの減少割合は車両を運転する各ドライバによって異なるため、CSモードに切り替わる前に確実に触媒装置15の暖機を完了させるためには、暖機開始充電量SOCをある程度余裕を持たせた比較的に大きい値に設定し、暖機開始充電量SOCとモード切替充電量SOCとの差分をある程度大きくしておく必要がある。
しかしながら、暖機開始充電量SOCを大きくし過ぎると、導電性担体151に対する電力供給の開始時期が早くなり過ぎ、触媒装置15の暖機が完了してからCSモードに切り替わるまでの時間が長くなる。そのため、例えば触媒装置15の暖機完了と同時に導電性担体151への電力供給を停止すると、CSモードに切り替わるまでの間に触媒温度が低下してしまい、CSモードに切り替わって内燃機関10を始動したときに所望の排気浄化性能が得られなくおそれがある。また、このような触媒温度の低下を防止するために、触媒装置15の暖機完了後も導電性担体151への電力供給を連続的又は断続的に継続すると、その分CDモードで走行できる期間が減少してしまうので、燃費が悪化してしまう。
そこで本実施形態では、CDモード中の運転履歴に基づいて暖機開始充電量SOCを随時学習、更新し、各ドライバの運転パターンに応じた最適な時期に導電性担体151に対する電力供給を開始できるようにした。以下、この本実施形態による暖機開始充電量SOCの学習制御について説明する。
図4は、本実施形態による暖機開始充電量SOCの学習制御について説明するフローチャートである。電子制御ユニット200は、トリップ中にこのルーチンを所定の演算周期ごとに繰り返し実行する。
ステップS10において、電子制御ユニット200は、運転モードがCDモードか否かを判定する。電子制御ユニット200は、運転モードがCDモードであればステップS20に進み、運転モードがCSモードであれば今回の処理を終了する。
ステップS20において、電子制御ユニット200は、触媒床温を目標温度(例えば500℃)まで昇温させるために必要な時間、すなわち導電性担体151に対する通電時間(電力供給を行う時間)の目標値(以下「目標通電時間」という。)ΔtEHCを算出するための目標通電時間算出処理を実施する。以下、図5を参照して目標通電時間算出処理の詳細について説明する。
図5は、目標通電時間算出処理について説明するフローチャートである。
ステップS21において、電子制御ユニット200は、CDモード中の触媒床温と相関関係にあるパラメータに基づいて、触媒床温を目標温度(500℃)まで昇温させるために導電性担体151に供給する必要のある電力量(以下「目標供給電力量」という。)ΔSOCEHCを算出する。CDモード中は、通常、内燃機関10は停止された状態なので、CDモード中の触媒床温と相関関係にあるパラメータとしては、例えば機関本体11の冷却水温のほか外気温などが挙げられる。本実施形態では、電子制御ユニット200は図6のテーブルを参照し、冷却水温に基づいて目標供給電力量を算出している。
ステップS22において、電子制御ユニット200は、目標供給電力量ΔSOCEHCに基づいて、目標通電時間ΔtEHCを算出する。本実施形態では、導電性担体151に対する印加電圧を一定値として導電性担体151に対する単位時間当たりの供給電力量(以下「単位供給電力量」という。)を一定としているので、電子制御ユニット200は、目標供給電力量ΔSOCEHCを単位供給電力量で除算して目標通電時間ΔtEHCを算出している。
なお、例えば目標通電時間を一定値として導電性担体151に対する印加電圧を制御することで、導電性担体151に目標供給電力量ΔSOCEHCを供給するように変更することも可能であり、また、目標通電時間及び導電性担体151に対する印加電圧のそれぞれを一定値とし、予め決まった電力量を導電性担体151に供給するように変更することも可能である。これらの場合は、この目標通電時間処理を省くことができる。
図4に戻り、ステップS30において、電子制御ユニット200は、CDモード中の運転履歴に基づいて、暖機開始充電量SOCを学習する学習処理を実施する。以下、図7を参照して本実施形態による学習処理の詳細について説明する。
図7は、本実施形態による学習処理について説明するフローチャートである。本実施形態による学習処理は、今回のトリップにおけるCDモード中の運転履歴に基づいて、今回のトリップにおける暖機開始充電量SOCの値を随時学習するものである。
ステップS31において、電子制御ユニット200は、今回のトリップにおける車両始動時(システム始動時)から現時点までのCDモード中の運転履歴に基づいて、導電性担体151に対する電力供給中に第2回転電機40を力行駆動するために使用(消費)されるバッテリ50の電力量の推定値(以下「推定消費電力量」という)ΔSOCEVを算出する。
電子制御ユニット200は、具体的には、車両始動時のバッテリ充電量(以下「初期充電量」という。)SOC、現時点のバッテリ充電量SOCnow、車両始動時から現時点までの経過時間Δtnow、及び、目標通電時間ΔtEHCに基づいて、以下の(1)式によって推定消費電力量ΔSOCEVを算出する。
Figure 2016203770
(1)式に示す通り、本実施形態における推定消費電力量ΔSOCEVは、今回のトリップにおける車両始動時から現時点までのCDモード中に第2回転電機40を力行駆動するために使用されたバッテリ50の電力量の時間平均値に、目標通電時間ΔtEHCを乗じたものである。換言すれば、本実施形態における推定消費電力量ΔSOCEVは、今回のトリップにおける車両始動時から現時点までのCDモード中のバッテリ充電量の変化割合(傾き)に、目標通電時間ΔtEHCを乗じたものである。このように本実施形態では、CDモード中の運転履歴を示すものとして、車両始動時から現時点までのCDモード中のバッテリ充電量の変化割合を用いている。
ステップS32において、電子制御ユニット200は、以下の(2)式に基づいて、導電性担体151に目標供給電力量ΔSOCEHCを供給し終えたときのバッテリ充電量(以下「電力供給完了時のバッテリ充電量」という。)SOCが、モード切替充電量SOCに一致すると予想される暖機開始充電量SOCの値を学習し、暖機開始充電量SOCをその学習した値に更新する。
Figure 2016203770
(2)式に示す通り、本実施形態では、モード切替充電量SOCに、目標供給電力量ΔSOCEHCと推定消費電力量ΔSOCEVとの総和を加えた値を、暖機開始充電量SOCとしている。目標供給電力量ΔSOCEHCと推定消費電力量ΔSOCEVとの総和は、換言すれば、車両始動時から現時点までのCDモード中の運転履歴から予想される、導電性担体151に対する電力供給中に消費されるバッテリ50の電力量である。
これにより、バッテリ充電量SOCが暖機開始充電量SOCまで低下したときに導電性担体151に対する電力供給を開始すれば、電力供給完了時のバッテリ充電量SOCを、モード切替充電量SOCに略一致させることができる。そのため、触媒装置15の暖機が完了してからCSモードに切り替わるまでの間隔を短くすることができる。
ステップS33において、電子制御ユニット200は、バッテリ充電量SOCがステップS32で更新された暖機開始充電量SOC以下か否かを判定する。電子制御ユニット200は、バッテリ充電量SOCが暖機開始充電量SOC以下であれば、触媒装置15を暖機するためにステップS40の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、バッテリ充電量SOCが暖機開始充電量SOCよりも大きければステップS31に戻る。
再び図4に戻り、ステップS40において、電子制御ユニット200は、触媒装置15に対する暖機処理を実施する。以下、図8を参照して本実施形態による暖機処理の詳細について説明する。
図8は、本実施形態による暖機処理について説明するフローチャートである。
ステップS41において、電子制御ユニット200は、導電性担体151に対する電力供給を実施する。
ステップS42において、電子制御ユニット200は、導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを供給し終えたか否かを判定する。電子制御ユニット200は、導電性担体151に対して電力供給を開始してからの経過時間(以下「通電時間」という。)が、目標通電時間ΔtEHC以上であれば、導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを供給し終えたと判定してステップS43の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、通電時間が目標通電時間ΔtEHC未満であればステップS44の処理に進む。
ステップS43において、電子制御ユニット200は、導電性担体151に対する電力供給を停止する。
ステップS44において、電子制御ユニット200は、導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを供給し終える前に、バッテリ充電量SOCがモード切替充電量SOC以下まで低下してしまったか否かを判定する。電子制御ユニット200は、バッテリ充電量SOCがモード切替充電量SOC以下まで低下していなければ、ステップS41の処理に戻って導電性担体151に対する電力供給を継続する。
一方で電子制御ユニット200は、バッテリ充電量SOCがモード切替充電量SOC以下まで低下していれば、ステップS43の処理に進み、導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを供給し終える前であっても導電性担体151に対する電力供給を停止させる。これは、バッテリ充電量SOCがモード切替充電量SOCまで低下した後も導電性担体151に対する電力供給を継続すると、バッテリ充電量SOCが低下し過ぎるおそれがあるためである。この場合、触媒装置15の暖機が完了する前に内燃機関10が始動されることになるので、排気エミッションの悪化を抑制するために、電子制御ユニット200は点火時期の遅角等を行って排気温度を上昇させ、触媒装置15の暖機を促進させる。
図9は、本実施形態による暖機開始充電量SOCの学習制御の動作について説明するタイムチャートである。
時刻t11でスタートスイッチ216がONにされ、CDモードでの運転が開始されると、車両を走行させるためにバッテリ50の充電電力が消費され、バッテリ充電量SOCが初期充電量SOCから徐々に低下していく。
そして本実施形態では、このCDモードでの運転中に、車両始動時から現時点までの運転履歴に基づいて、電力供給完了時のバッテリ充電量SOCがモード切替充電量SOCに一致すると予想される暖機開始充電量SOCの値が随時学習、更新される。
具体的には、車両始動時から現時点までのCDモード中に車両を走行させるために使用されたバッテリ50の電力量の時間平均値(=バッテリ充電量SOCの変化割合)に、目標通電時間ΔtEHCを乗じることで、導電性担体151に対する電力供給中に第2回転電機40を力行駆動するために使用されるバッテリ50の電力量(推定消費電力量ΔSOCEV)を推定する。そして、モード切替充電量SOCに、目標供給電力量ΔSOCEHCと推定消費電力量ΔSOCEVとの総和、すなわち導電性担体151に対する電力供給中に消費されると予想されるバッテリ50の電力量を加えた値が、暖機開始充電量SOCとされる。
このようにして、例えば時刻t12では、暖機開始充電量SOCが車両始動時から時刻t12までのCDモード中の運転履歴に基づいて学習、更新された値に設定され、時刻t13では、暖機開始充電量SOCが車両始動時から時刻t13までのCDモード中の運転履歴に基づいて学習、更新された値に設定される。図9に示すように、車両始動時から時刻t12までのバッテリ充電量SOCの変化割合(減少傾き)は、車両始動時から時刻t13までのバッテリ充電量SOCの変化割合(減少傾き)よりも小さいので、時刻t12で学習された暖機開始充電量SOCの方が、時刻t13で学習された暖機開始充電量SOCよりも小さくなる。
そして時刻t14で、バッテリ充電量SOCが、車両始動時から時刻t14までのCDモード中の運転履歴に基づいて学習、更新された暖機開始充電量SOC以下になると、導電性担体151に対する電力供給が開始される。
これにより、時刻t15で導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを供給し終えたときのバッテリ充電量SOCを、モード切替充電量SOCに略一致させることができる。そのため、触媒装置15の暖機が完了してからCSモードに切り替えるまでの間隔を短くすることができる。
なお本実施形態では、CDモードでの運転中に、車両始動時から現時点までの運転履歴に基づいて、電力供給完了時のバッテリ充電量SOCがモード切替充電量SOCに一致すると予想される暖機開始充電量SOCの値を随時学習していたが、電力供給完了時のバッテリ充電量SOCとモード切替充電量SOCとを必ずしも一致させる必要はない。すなわち、電力供給完了時のバッテリ充電量SOCをモード切替充電量SOCに近づけて、電力供給完了時のバッテリ充電量SOCとモード切替充電量SOCとの差が所定範囲内(触媒の活性が維持できる範囲内)に収まるように、暖機開始充電量SOCの値を随時学習するようになっていれば良い。
以上説明した本実施形態によるハイブリッドシステム100は、内燃機関10と、外部電源からの充電が可能なバッテリ50と、内燃機関10の排気経路に設けられ、バッテリ50から供給される電力で発熱する導電性担体151(発熱体)と当該導電性担体151を介して加熱される触媒とを含む電気加熱式の触媒装置15と、内燃機関10の動力の一部により回生駆動される第1回転電機30と、バッテリ50の充電電力及び第1回転電機30の発電電力の一方又は双方の電力により力行駆動される第2回転電機40と、を備え、内燃機関10及び第2回転電機40の一方又は双方の動力を車輪駆動軸2(駆動対象)に伝達可能に構成されている。
そして、ハイブリッドシステム100を制御する電子制御ユニット200(制御装置)が、バッテリ50の充電電力を優先的に利用して第2回転電機40を力行駆動させ、少なくとも当該第2回転電機40の動力を駆動対象に伝達するCDモード(第1運転モード)中にバッテリ充電量SOCが所定のモード切替充電量SOC以下まで低下したら、内燃機関10を始動させて内燃機関10及び第2回転電機40の一方又は双方の動力を駆動対象に伝達するCSモード(第2運転モード)に切り替え、CDモード中にバッテリ充電量SOCがモード切替充電量SOCよりも大きい暖機開始充電量SOC以下まで低下したら、導電性担体151に対して触媒を所定温度まで昇温させるために必要な電力量(目標供給電力量ΔSOCEHC)の電力供給を開始してCSモードに切り替わる前に触媒装置15を暖機し、CDモードの運転履歴に基づいて、導電性担体151に目標供給電力量ΔSOCEHCを供給し終えたときのバッテリ充電量SOCがモード切替充電量SOCに近づくように、暖機開始充電量SOCの値を学習するように構成されている。
そのため、触媒装置15の暖機が完了してからCSモードに切り替えるまでの間隔を短くすることができ、各ドライバの運転パターンに応じた適当な時期に導電性担体151に対する電力供給を開始できる。したがって、触媒装置15の暖機が完了してからCSモードに切り替えるまでの間に触媒温度が低下するのを抑制でき、CSモードに切り替わって内燃機関10を始動したときに所望の排気浄化性能を得ることができる。また、触媒温度の低下を防止するために、触媒装置15の暖機完了後に導電性担体151への電力供給を連続的又は断続的に継続する必要もないので、CDモードでの運転期間を延ばして燃費の悪化を抑制することができる。
特に本実施形態による電子制御ユニット200は、CDモードの運転履歴に基づいて、導電性担体151に目標供給電力量ΔSOCEHCを供給し終えたときのバッテリ充電量SOCとモード切替充電量SOCとが一致する暖機開始充電量SOCの値を学習するように構成されているので、各ドライバの運転パターンに応じた最適な時期に導電性担体151に対する電力供給を開始できる。そのため、CDモードでの運転期間をより延ばすことができ、燃費の悪化を効果的に抑制することができる。
また本実施形態による電子制御ユニット200は、CDモードの運転履歴として、CDモードで運転を開始してからのバッテリ充電量SOCの変化割合を用い、CDモードで運転を開始してからのバッテリ充電量SOCの変化割合に基づいて暖機開始充電量SOCの値を随時学習し、第1運転モード中にバッテリ充電量SOCが学習した暖機開始充電量SOC以下になったら導電性担体151に対する電力供給を開始するように構成されている。
このように、CDモードの運転履歴として、CDモードで運転を開始してから現時点までのバッテリ充電量SOCの変化割合を用いることで、当該バッテリ充電量SOCの変化割合に基づいて今回のトリップにおけるCDモード中の暖機開始充電量SOCの値を随時学習することができる。そのため、学習結果を今回のトリップにおいて反映させることができる。したがって、ドライバの運転パターンが前回のトリップと異なるものであっても、今回の運転パターンに応じた最適な時期に導電性担体151に対する電力供給を開始できる。
(第2実施形態)
次に、図10から図14を参照して本発明の第2実施形態による暖機開始充電量SOCの学習制御について説明する。なお、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を用いて重複する説明を適宜省略する。
図10は、本発明の第2実施形態による暖機開始充電量SOCの学習制御について説明するフローチャートである。ステップS10及びステップS20では、前述した第1実施形態と同様の処理が行われるので、ここでは説明を省略する。
ステップS50において、電子制御ユニット200は、バッテリ充電量SOCが、予め設定された暖機開始充電量SOC以下になったか否かを判定する。このステップS11における予め設定された暖機開始充電量SOCは、前回のトリップで学習された暖機開始充電量SOCであり、この点については後述する。電子制御ユニット200は、バッテリ充電量SOCが暖機開始充電量SOC以下であれば、触媒装置15を暖機するためにステップS60の処理に進む。
ステップS60において、電子制御ユニット200は、本実施形態による暖機処理を実施する。以下、図11を参照して本実施形態による暖機処理の詳細について説明する。
図11は、本実施形態による暖機処理について説明するフローチャートである。ステップS41からステップS44では、前述した第1実施形態の同様の処理が行われるので、ここでは説明を省略する。
ステップS61において、電子制御ユニット200は、フラグFを1に設定する。フラグFは、導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを供給し終える前に電力供給を停止したときに1に設定されるフラグであり、初期値は0に設定される。
図10に戻り、ステップS70において、電子制御ユニット200は、本実施形態による学習処理を実施する。以下、図12を参照して本実施形態による学習処理の詳細について説明する。
図12は、本実施形態による学習処理について説明するフローチャートである。本実施形態による学習処理は、今回のトリップにおけるCDモード中の運転履歴に基づいて暖機開始充電量を学習し、その学習結果を次回のトリップに反映させるものである。
ステップS71において、電子制御ユニット200は、導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを供給することができたか否かを判定する。電子制御ユニット200は、フラグFが0に設定されていれば、導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを供給することができたと判定してステップS72の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、フラグFが1に設定されていれば、導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを供給することができなかったと判定してステップS74の処理に進む。
ステップS72において、電子制御ユニット200は、電力供給完了時のバッテリ充電量SOCと、モード切替充電量SOCと、の差分ΔSOCPLUSを算出する。
ステップS73において、電子制御ユニット200は、以下の(3)式によって、次回のトリップで用いる暖機開始充電量SOCの値を学習し、暖機開始充電量SOCをその学習した値に更新する。
Figure 2016203770
このように、導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを供給することができた場合、電力供給完了時のバッテリ充電量SOCは、少なくともモード切替充電量SOC以上となる。そこで本実施形態では、(3)式に示す通り、今回のトリップにおける暖機開始充電量SOCから、電力供給完了時のバッテリ充電量SOCとモード切替充電量SOCとの差分ΔSOCPLUSを減算した値を、次回のトリップにおける暖機開始充電量SOCとする。
すなわち本実施形態では、導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを供給することができた場合は、CDモード中の運転履歴を示すものとして、電力供給完了時のバッテリ充電量SOCとモード切替充電量SOCとの差分ΔSOCPLUSを用い、差分ΔSOCPLUSに基づいて次回のトリップで用いる暖機開始充電量SOCの値を学習している。
これにより、今回のトリップで生じた電力供給完了時のバッテリ充電量SOCとモード切替充電量SOCとのズレを、次回のトリップでは無くすことができる。よって、次回のトリップにおいて、電力供給完了時のバッテリ充電量SOCをモード切替充電量SOCに略一致させることができる。
ステップS74において、電子制御ユニット200は、導電性担体151に対する電力供給を開始してから停止するまでのCDモード中の運転履歴に基づいて、今回のトリップにおいて導電性担体151に供給できなかった電力量(以下「不足電力量」という)ΔSOCMINUSを算出する。不足電力量ΔSOCMINUSは、換言すれば目標供給電力量ΔSOCEHCと、導電性担体151に実際に供給した電力量と、の差分である。
電子制御ユニット200は、具体的には、暖機開始充電量SOC、モード切替充電量SOC、導電性担体151に対する実際の通電時間Δt、及び、目標通電時間ΔtEHCに基づいて、以下の(4)式によって、不足電力量ΔSOCMINUSを算出する。
Figure 2016203770
ステップS75において、電子制御ユニット200は、以下の(5)式によって、次回のトリップで用いる暖機開始充電量SOCの値を学習し、暖機開始充電量SOCをその学習した値に更新する。
Figure 2016203770
(5)式に示す通り、本実施形態では導電性担体151に対して目標供給電力量を供給することができなかった場合は、今回のトリップにおける暖機開始充電量SOCに、不足電力量ΔSOCMINUSを加算した値を、次回のトリップにおける暖機開始充電量SOCとする。
すなわち、導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを供給することがでなかった場合は、CDモード中の運転履歴を示すものとして、導電性担体151に対する電力供給を開始してから停止するまでのバッテリ充電量の変化割合を用い、当該バッテリ充電量の変化割合に基づいて、不足電力量ΔSOCMINUSを算出し、不足電力量ΔSOCMINUSに基づいて、次回運転時の暖機開始充電量SOCの値を学習している。
これにより、今回のトリップにおいて導電性担体151に供給できなかった電力量(不足電力量ΔSOCMINUS)を、次回のトリップでは導電性担体151に供給することができる。よって、次回のトリップにおいて、電力供給完了時のバッテリ充電量SOCをモード切替充電量SOCに略一致させることができる。
ステップS76において、電子制御ユニット200は、フラグFを0に戻す。
図13は、導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを供給することができた場合の本実施形態による暖機開始充電量の学習制御の動作について説明するタイムチャートである。
図13に示すように、今回のトリップにおいて時刻t21でスタートスイッチ216がONにされ、CDモードでの走行が開始されると、車両を走行させるためにバッテリ50の充電電力が消費され、バッテリ充電量SOCが初期充電量SOCから徐々に低下していく。
時刻t22で、バッテリ充電量SOCが今回のトリップで設定されている暖機開始充電量SOCまで低下すると、導電性担体151に対する電力供給が開始される。そして、時刻t24で通電時間が目標通電時間ΔtEHCに達すると、導電性担体151に対する電力供給が停止され、時刻t25でバッテリ充電量SOCがモード切替充電量SOCまで低下すると、内燃機関10が始動されてCSモードでの走行が開始される。
そして本実施形態では、このように導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを供給することができた場合は、今回のトリップにおける暖機開始充電量SOCから、電力供給完了時のバッテリ充電量SOCとモード切替充電量SOCとの差分を減算した値を、次回のトリップにおける暖機開始充電量SOCとする。
これにより、図13に示すように、次回のトリップでは、時刻t22よりも遅い時刻t23から導電性担体151に対する電力供給が開始され、今回のトリップで生じた電力供給完了時のバッテリ充電量SOCとモード切替充電量SOCとのズレを、次回のトリップでは無くすことができる。よって、次回のトリップにおいて、電力供給完了時のバッテリ充電量SOCをモード切替充電量SOCに略一致させることができる。そのため、触媒装置15の暖機が完了してからCSモードに切り替えるまでの間隔を短くすることができる。
図14は、導電性担体151に対して目標供給電力量を供給し終える前に電力供給を停止した場合の本実施形態による暖機開始充電量の学習制御の動作について説明するタイムチャートである。
図14に示すように、今回のトリップにおいて時刻t31でスタートスイッチ216がONにされ、CDモードでの走行が開始されると、車両を走行させるためにバッテリ50の充電電力が消費され、バッテリ充電量SOCが初期充電量SOCから徐々に低下していく。
時刻t33で、バッテリ充電量SOCが今回のトリップで設定されている暖機開始充電量SOCまで低下すると、導電性担体151に対する電力供給が開始される。そして、時刻t35で、通電時間が目標通電時間ΔtEHCに達する前、すなわち導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを供給し終える前に、バッテリ充電量SOCがモード切替充電量SOCまで低下すると、導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを供給し終える前であっても導電性担体151に対する電力が停止され、内燃機関10が始動されてCSモードでの走行が開始される。
そして本実施形態では、このように導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを供給することができなかった場合は、今回のトリップにおける暖機開始充電量SOCに、今回のトリップにおいて導電性担体151に供給できなかった電力量(不足電力量ΔSOCMINUS)を加算した値を、次回のトリップにおける暖機開始充電量SOCとする。
これにより、図14に示すように、次回のトリップでは、時刻t33よりも早い時刻t32から導電性担体151に対する電力供給が開始され、今回のトリップにおいて導電性担体151に供給できなかった電力量(不足電力量ΔSOCMINUS)を、次回のトリップでは導電性担体151に供給することができる。よって、次回のトリップにおいて、電力供給完了時のバッテリ充電量SOCをモード切替充電量SOCに略一致させることができる。そのため、触媒装置15の暖機が完了してからCSモードに切り替えるまでの間隔を短くすることができる。
以上説明した本実施形態による電子制御ユニット200は、CSモード(第2運転モード)に切り替わる前に、導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを全て供給することができた場合は、CDモード(第1運転モード)の運転履歴として、導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを供給し終えたときのバッテリ充電量(電力供給完了時のバッテリ充電量)SOCとモード切替充電量SOCとの差分ΔSOCPLUSを用いる。そして、差分ΔSOCPLUSに基づいて次回運転時の暖機開始充電量SOCの値を学習し、次回運転時のCDモード中に、バッテリ充電量SOCが学習した暖機開始充電量SOC以下になったら導電性担体151に対する電力供給を開始するように構成されている。
そのため、今回のトリップで生じた電力供給完了時のバッテリ充電量SOCとモード切替充電量SOCとのズレを、次回のトリップでは無くすことができる。よって、次回のトリップにおいて、電力供給完了時のバッテリ充電量SOCをモード切替充電量SOCに略一致させることができる。そのため、各ドライバの運転パターンに応じた最適な時期に導電性担体151に対する電力供給を開始でき、触媒装置15の暖機が完了してからCSモードに切り替えるまでの間隔を短くすることができる。
また、CSモード(第2運転モード)に切り替わったときに、導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを全て供給することができていなかった場合は、導電性担体151に対する電力供給を停止すると共に、CDモード(第1運転モード)の運転履歴として導電性担体151に対して電力供給を開始してから停止するまでのバッテリ充電量の変化割合を用いる。そして、当該バッテリ充電量の変化割合に基づいて、導電性担体151に対して供給できなかった不足分の電力量(不足電力量ΔSOCMINUS)を算出し、不足電力量ΔSOCMINUSに基づいて、次回運転時の暖機開始充電量SOCの値を学習する。そして、次回運転時のCDモード中に、バッテリ充電量SOCが学習した暖機開始充電量SOC以下になったら導電性担体151に対する電力供給を開始するように構成されている。
そのため、今回のトリップにおいて導電性担体151に供給できなかった電力量(不足電力量ΔSOCMINUS)を、次回のトリップでは導電性担体151に供給することができる。よって、次回のトリップにおいて、電力供給完了時のバッテリ充電量SOCをモード切替充電量SOCに略一致させることができる。そのため、各ドライバの運転パターンに応じた適当な時期に導電性担体151に対する電力供給を開始でき、触媒装置15の暖機が完了してからCSモードに切り替えるまでの間隔を短くすることができる。
また、本実施形態では、暖機開始充電量SOCの値の学習を、1トリップの間で1度だけ行うことになるので、第1実施形態で比較して電子制御ユニット200の演算負荷を抑えることができる。
(第3実施形態)
次に、図15から図17を参照して本発明の第3実施形態による暖機開始充電量の学習制御について説明する。
図15は、本発明の第3実施形態による暖機開始充電量の学習制御について説明するフローチャートである。ステップS10及びステップS20では、前述した第1実施形態と同様の処理が行われ、ステップS50及びステップS60では、前述した第2実施形態と同様の処理が行われるので、ここでは説明を省略する。
ステップS80において、電子制御ユニット200は、本実施形態による学習処理を実施する。以下、図16を参照して本実施形態による学習処理の詳細について説明する。
図16は、本実施形態による学習処理について説明するフローチャートである。本実施形態による学習処理は、第2実施形態と同様に今回のトリップにおけるCDモード中の運転履歴に基づいて暖機開始充電量を学習し、その学習結果を次回のトリップに反映させるものであるが、その学習方法が一部相違している。
ステップS71、ステップS74からステップS76では、前述した第2実施形態と同様の処理が行われるので、ここでは説明を省略する。
ステップS81において、電子制御ユニット200は、今回のトリップにおける車両始動時から導電性担体151に対して電力供給を開始した時点までのCDモード中の運転履歴に基づいて、導電性担体151に対する電力供給中に第2回転電機40を力行駆動するために使用(消費)されるバッテリ50の電力量の推定値(推定消費電力量)ΔSOCEVを算出する。
電子制御ユニット200は、具体的には、初期充電量SOC1、今回のトリップの暖機開始充電量SOC、車両始動時から導電性担体151に対する電力供給開始時までの経過時間Δt3、及び、目標通電時間ΔtEHCに基づいて、以下の(6)式によって推定消費電力量ΔSOCEVを算出する。
Figure 2016203770
(6)式に示す通り、本実施形態における推定消費電力量ΔSOCEVは、今回のトリップにおける車両始動時から導電性担体151に対して電力供給を開始した時点までのCDモード中に第2回転電機40を力行駆動するために使用されたバッテリ50の電力量の時間平均値に、目標通電時間ΔtEHCを乗じたものである。換言すれば、本実施形態における推定消費電力量ΔSOCEVは、今回のトリップにおける車両始動時から導電性担体151に対して電力供給を開始した時点までのバッテリ充電量の変化割合(傾き)に、目標通電時間ΔtEHCを乗じたものである。このように本実施形態では、CDモード中の運転履歴を示すものとして、車両始動時からから導電性担体151に対して電力供給を開始した時点までのCDモード中のバッテリ充電量の変化割合を用いている。
ステップS82において、電子制御ユニット200は、以下の(7)式に基づいて、導電性担体151に目標供給電力量ΔSOCEHCを供給し終えたときのバッテリ充電量SOCが、モード切替充電量SOCに一致すると予想される暖機開始充電量SOCの値を学習し、暖機開始充電量SOCをその学習した値に更新する。これにより、次回のトリップではこの今回のトリップで学習した暖機開始充電量SOCに基づいて、導電性担体151に対する電力供給が開始される。
Figure 2016203770
図17は、導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを供給することができた場合の本実施形態による暖機開始充電量の学習制御の動作について説明するタイムチャートである。
図17に示すように、今回のトリップにおいて時刻t41でスタートスイッチ216がONにされ、CDモードでの走行が開始されると、車両を走行させるためにバッテリ50の充電電力が消費され、バッテリ充電量SOCが初期充電量SOCから徐々に低下していく。
時刻t42で、バッテリ充電量SOCが今回のトリップで設定されている暖機開始充電量SOCまで低下すると、導電性担体151に対する電力供給が開始される。そして、時刻t44で通電時間が目標通電時間ΔtEHCに達すると、導電性担体151に対する電力供給が停止され、時刻t45でバッテリ充電量SOCがモード切替充電量SOCまで低下すると、内燃機関10が始動されてCSモードでの走行が開始される。
本実施形態では、CDモードでの走行中に、車両始動時から導電性担体151に対する電力供給開始時期までの運転履歴に基づいて、導電性担体151に目標供給電力量ΔSOCEHCを供給し終えたときのバッテリ充電量SOCがモード切替充電量SOCに一致すると予想される暖機開始充電量SOCの値を学習し、暖機開始充電量SOCをその学習した値に更新する。
具体的には、車両始動時から導電性担体151に対する電力供給開始時期までのCDモード中に車両を走行させるために使用されたバッテリ50の電力量の時間平均値(=バッテリ充電量の変化割合)に、目標通電時間ΔtEHCを乗じることで、導電性担体151に対する電力供給中に第2回転電機40を力行駆動するために使用されるバッテリ50の電力量(推定消費電力量ΔSOCEV)を推定する。そして、モード切替充電量SOC3に、目標供給電力量ΔSOCEHCと推定消費電力量ΔSOCEVとの総和、すなわち車両始動時から導電性担体151に対する電力供給を開始した時点までのCDモード中の運転履歴から導電性担体151に対する電力供給中に消費されると予想されるバッテリ50の電力量を加えた値が、次回のトリップの暖機開始充電量SOCとされる。
これにより、図17に示すように、次回のトリップでは、時刻t42よりも遅い時刻t43から導電性担体151に対する電力供給が開始され、今回のトリップで生じた電力供給完了時のバッテリ充電量SOCとモード切替充電量SOCとのズレを、次回のトリップでは無くすことができる。よって、次回のトリップにおいて、電力供給完了時のバッテリ充電量SOCをモード切替充電量SOCに略一致させることができる。そのため、触媒装置15の暖機が完了してからCSモードに切り替えるまでの間隔を短くすることができる。
以上説明した本実施形態による電子制御ユニット200は、CSモード(第2運転モード)に切り替わる前に、導電性担体151に対して目標供給電力量ΔSOCEHCを全て供給することができた場合は、CDモード(第1運転モード)の運転履歴として、第1運転モードで運転を開始してから導電性担体151に対する電力供給を開始するまでのバッテリ充電量SOCの変化割合を用いる。そして、当該バッテリ充電量SOCの変化割合に基づいて次回運転時の暖機開始充電量SOCの値を学習し、次回運転時のCDモード中に、バッテリ充電量SOCが今回学習した暖機開始充電量SOC以下になったら導電性担体151に対する電力供給を開始する。
そのため、今回のトリップで生じた電力供給完了時のバッテリ充電量SOCとモード切替充電量SOCとのズレを、次回のトリップでは無くすことができる。よって、次回のトリップにおいて、電力供給完了時のバッテリ充電量SOCをモード切替充電量SOCに略一致させることができる。そのため、各ドライバの運転パターンに応じた適当な時期に導電性担体151に対する電力供給を開始でき、触媒装置15の暖機が完了してからCSモードに切り替えるまでの間隔を短くすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば前述した第2及び第3実施形態では、今回のトリップで学習した暖機開始充電量SOCの値を、次回のトリップの暖機開始充電量SOCとしていたが、過去のトリップで学習した暖機開始充電量SOCの値と、今回のトリップで学習した暖機開始充電量SOCの値と、の平均値を次回のトリップの暖機開始充電量SOCとしても良い。
10 内燃機関
15 電気加熱式の触媒装置
30 第1回転電機
40 第2回転電機
50 バッテリ
100 ハイブリッドシステム
151 導電性担体(発熱体)
200 電子制御ユニット

Claims (9)

  1. 内燃機関と、
    外部電源からの充電が可能なバッテリと、
    前記内燃機関の排気経路に設けられ、前記バッテリから供給される電力で発熱する発熱体と当該発熱体を介して加熱される触媒とを含む電気加熱式の触媒装置と、
    前記内燃機関の動力の一部により回生駆動される第1回転電機と、
    前記バッテリの充電電力及び前記第1回転電機の発電電力の一方又は双方の電力により力行駆動される第2回転電機と、
    を備え、
    前記内燃機関及び前記第2回転電機の一方又は双方の動力を駆動対象に伝達可能なハイブリッドシステムを制御するハイブリッドシステムの制御装置であって、
    前記バッテリの充電電力を優先的に利用して前記第2回転電機を力行駆動させ、少なくとも当該第2回転電機の動力を前記駆動対象に伝達する第1運転モード中に、バッテリ充電量が所定のモード切替充電量以下まで低下したら、前記内燃機関を始動させて前記内燃機関及び前記第2回転電機の一方又は双方の動力を前記駆動対象に伝達する第2運転モードに切り替え、
    前記第1運転モード中にバッテリ充電量が前記モード切替充電量よりも大きい暖機開始充電量以下まで低下したら、前記発熱体に対して前記触媒を所定温度まで昇温させるために必要な電力量の電力供給を開始して、前記第2運転モードに切り替わる前に前記触媒装置の暖機を開始し、
    前記第1運転モードの運転履歴に基づいて、前記発熱体に前記電力量を供給し終えたときのバッテリ充電量が前記モード切替充電量に近づくように、前記暖機開始充電量の値を学習するように構成された、
    ハイブリッドシステムの制御装置。
  2. 前記第1運転モードの運転履歴に基づいて、前記発熱体に前記電力量を供給し終えたときのバッテリ充電量と前記モード切替充電量とが一致するように、前記暖機開始充電量の値を学習するように構成された、
    請求項1に記載のハイブリッドシステムの制御装置。
  3. 前記第1運転モードの運転履歴として、前記第1運転モードで運転を開始してからのバッテリ充電量の変化割合を用い、当該バッテリ充電量の変化割合に基づいて前記暖機開始充電量の値を随時学習し、
    バッテリ充電量がその随時学習した暖機開始充電量以下になったら前記発熱体に対する電力供給を開始する、
    請求項1又は請求項2に記載のハイブリッドシステムの制御装置。
  4. 前記バッテリ充電量の変化割合と、前記電力量を前記発熱体に供給するために必要な時間とから、前記発熱体に対して電力供給を実施している期間中に前記第2回転電機を力行駆動するために消費されると予想される前記バッテリの消費電力量を随時算出し、
    その随時算出される消費電力量と前記電力量と前記モード切替充電量とから、前記暖機開始充電量の値を算出する、
    請求項3に記載のハイブリッドシステムの制御装置。
  5. 前記第2運転モードに切り替わる前に、前記発熱体に対して前記電力量を全て供給することができた場合は、前記第1運転モードの運転履歴として、前記第1運転モードで運転を開始してから前記発熱体に対する電力供給を開始するまでのバッテリ充電量の変化割合を用い、当該バッテリ充電量の変化割合に基づいて次回運転時の前記暖機開始充電量の値を学習し、
    次回運転時の前記第1運転モード中に、バッテリ充電量が前記学習した暖機開始充電量以下になったら前記発熱体に対する電力供給を開始する、
    請求項1又は請求項2に記載のハイブリッドシステムの制御装置。
  6. 前記バッテリ充電量の変化割合と、前記電力量を前記発熱体に供給するために必要な時間とから、前記発熱体に対して電力供給を実施している期間中に前記第2回転電機を力行駆動するために消費されると予想される前記バッテリの消費電力量を算出し、
    その算出された消費電力量と前記電力量と前記モード切替充電量とから、次回運転時の前記暖機開始充電量の値を算出する、
    請求項5に記載のハイブリッドシステムの制御装置。
  7. 前記第2運転モードに切り替わる前に、前記発熱体に対して前記電力量を全て供給することができた場合は、前記第1運転モードの運転履歴として、前記発熱体に対してその電力量を供給し終えたときのバッテリ充電量と前記モード切替充電量との差分を用い、当該差分に基づいて次回運転時の前記暖機開始充電量の値を学習し、
    次回運転時の前記第1運転モード中に、バッテリ充電量が前記学習した暖機開始充電量以下になったら前記発熱体に対する電力供給を開始する、
    請求項1又は請求項2に記載のハイブリッドシステムの制御装置。
  8. 前記差分と前記モード切替充電量とから、次回運転時の前記暖機開始充電量の値を算出する、
    請求項7に記載のハイブリッドシステムの制御装置。
  9. 前記第2運転モードに切り替わったときに、前記発熱体に対して前記電力量を全て供給することができていなかった場合は、前記発熱体に対する電力供給を停止すると共に、前記第1運転モードの運転履歴として前記発熱体に対して電力供給を開始してから停止するまでのバッテリ充電量の変化割合を用い、当該バッテリ充電量の変化割合に基づいて、前記発熱体に対して供給できなかった不足分の電力量を算出し、
    前記不足分の電力量に基づいて、次回運転時の前記暖機開始充電量の値を学習し、
    次回運転時の前記第1運転モード中に、バッテリ充電量が前記学習した暖機開始充電量以下になったら前記発熱体に対する電力供給を開始する、
    請求項1、請求項2、又は請求項5から請求項8のいずれか1つに記載のハイブリッドシステムの制御装置。
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