JP2016203065A - 逆浸透を用いる脱塩システムおよびその運転方法 - Google Patents

逆浸透を用いる脱塩システムおよびその運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016203065A
JP2016203065A JP2015085350A JP2015085350A JP2016203065A JP 2016203065 A JP2016203065 A JP 2016203065A JP 2015085350 A JP2015085350 A JP 2015085350A JP 2015085350 A JP2015085350 A JP 2015085350A JP 2016203065 A JP2016203065 A JP 2016203065A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
reverse osmosis
desalination system
concentrated water
supplied
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015085350A
Other languages
English (en)
Inventor
吉川 慎一
Shinichi Yoshikawa
慎一 吉川
浩樹 宮川
Hiroki Miyagawa
浩樹 宮川
康司 福▲崎▼
Koji Fukuzaki
康司 福▲崎▼
光太郎 北村
Kotaro Kitamura
光太郎 北村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2015085350A priority Critical patent/JP2016203065A/ja
Publication of JP2016203065A publication Critical patent/JP2016203065A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A20/00Water conservation; Efficient water supply; Efficient water use
    • Y02A20/124Water desalination
    • Y02A20/131Reverse-osmosis

Abstract

【課題】複数段の膜ユニットに個別に最適な薬注が行える逆浸透を用いる脱塩システムおよびその運転方法を提供する。【解決手段】本発明の脱塩システムSは、逆浸透膜101aを用いる前段ROユニット101と、逆浸透膜102aを用いる後段ROユニット102と、前段ROユニット101から供給される高圧の濃縮水101nのエネルギを回収するエネルギ回収装置108と、エネルギ回収装置108でエネルギが回収されて低圧となった濃縮水101nに薬注を施す薬注手段110Bとを備え、薬注が施された濃縮水101nをエネルギ回収装置108で回収された前段ROユニット101から供給される高圧の濃縮水101nのエネルギを用いて後段のROユニット102に供給する。【選択図】図1

Description

本発明は、逆浸透を用いる脱塩システムおよびその運転方法に関する。
従来、脱塩システムの一例として、図5に示すように、前段ROユニット901と後段ROユニット902とを備えるものがある。なお、図5は、従来の脱塩システムの構成を示す模式図である。なお、図5中、破線のラインは高圧のラインを示し、実線のラインは低圧のラインを示す。
前段ROユニット901の前には、前段ROユニット901と後段ROユニット902とに被処理水を送る供給ポンプ903が設けられている。供給ポンプ903と前段ROユニット901との間には、ターボ型の圧力回収装置906、高圧ポンプ904が配置されている。ターボ型の圧力回収装置906は前段ROユニット901からの透過水901tの圧力を回収し、回収した圧力を被処理水w1に付与する。被処理水w1は、高圧ポンプ904により高圧とされた被処理水w3とされ、前段ROユニット901に供給される。
後段ROユニット902の濃縮水側下流には、ERD(Energy Recovery Dvice)が配置されている。ERDは後段ROユニット902からの濃縮水902nの圧力を回収し、被処理水w2に高圧を付与して被処理水w4とする。
被処理水w4が流れるラインには、ERDで失われた若干の圧力を補うブースターポンプ905が設けられている。被処理水w4は、ブースターポンプ105により圧力を補われ、被処理水w3に合流し、前段ROユニット901に供給される。
前段ROユニット901により、供給される被処理水w3が透過した透過水901tと濃縮水901nとが作製される。透過水901tはターボ型の圧力回収装置906で圧力が回収された後、回収される。
後段ROユニット902により、供給される濃縮水901nが透過した透過水902tと濃縮水902nとが作製される。透過水902tは回収され、濃縮水902nはERDで圧力が回収されて、排出される。
前段ROユニット901の上流では、前段ROユニット901と後段ROユニット902との洗浄のための薬注(薬液の注入)が遂行されている。
なお、本願に係る文献公知発明として、下記の特許文献1、2がある。
特許文献1には、高回収RO、ベッセル分割、背圧等について記載されている。
特許文献2には、RO膜の洗浄方法が記載されており、前段RO膜または後段RO膜が洗浄されることが記載されている。
特開2012-130840号公報 特開2013-126635号公報
ところで、前段ROユニット901と後段ROユニット902とではろ過環境(塩分濃度、Flux(流量)、浸透圧)が異なる。そのため、図5に示すような前段ROユニット901の供給部1箇所での薬液注入では、前段ROユニット901と後段ROユニット902とにおいて両者ともに最適である条件での薬液注入は実現が困難である。そのため、膜の性能が十分に発揮できない運転となるおそれがある。
つまり、従来は、前段・後段ROユニット901、902の膜モジュールへ被処理水w3を供給する高圧ポンプ904の前段で薬液注入を行い、注入された薬液は全ての膜モジュール(前段ROユニット901と後段ROユニット902)に供給されていた。
これは、従来、高圧ポンプ904の後段は高圧となるために、薬液はその前で注入するしかなかったためである。
一方、被処理水w3は、前段ROユニット901、後段ROユニット902の各ベッセル中の膜モジュールでろ過がされていき徐々に濃縮される。つまり、後段ROユニット902で濃縮された濃縮水901n2は、前段ROユニット901で濃縮された濃縮水901nより、濃縮の度合いが高い。
そのため、処理対象の被処理水(被処理水w3、濃縮水901n)が異なる前段ROユニット901の膜と後段ROユニット902の膜とでは要求される薬液は異なっている。そのため、前段ROユニット901と後段ROユニット902とのどちらにも最適な薬注はない。
例えば、前段の前段ROユニット901では、有機物に係るバイオファウリングが発生しやすく、これらを防止するような薬剤や薬注方法が必要である。例えばpHを間欠的に変化させて微生物の生育を阻害したり、殺菌剤を用いたりすることが必要である。
一方、後段の後段ROユニット902では濃縮された被ろ過水の濃縮水901nによるカルシウム塩(CaCl)などのスケールが膜面上で析出するスケーリングが発生する。そこで、スケール防止剤を注入したり、pHを酸側にしたりすることでスケーリングを防止する。
前段部と後段部で別々の薬品を注入するにはまず、膜エレメント901a、902aがそれぞれ格納される膜ベッセル901v、902vを特許文献1に記載の構成のように前段部と後段部に分割し、前段部と後段部の間で薬品を注入し、前段の前段ROユニット901の前で注入された薬品の中和を行ったり、後段の後段ROユニット902に必要となる薬品を添加したりする必要がある。
しかし、後段の後段ROユニット902向けの薬注場所となる、前段部と後段部との間は通常5〜8MPaと高圧であり、薬液注入を行うには、高圧の薬液注入ポンプが必要となる。また、間欠注入などで、薬液注入ポンプを稼動させないことがある場合には、高圧の前段ROユニット901の濃縮水901nが薬注部から薬液タンクへ逆流しないように高価な高圧バルブを設置して閉止する、または、高圧対応の逆止弁を設置する必要がある。そのため、前段部と後段部との間の薬注は実用上、不可能であり、実際に行われることはなかった。
本発明は上記実状に鑑み創案されたものであり、複数段の膜ユニットに個別に最適な薬注が行える逆浸透を用いる脱塩システムおよびその運転方法の提供を目的とする。
前記課題を解決するため、第1の本発明の逆浸透を用いる脱塩システムは、逆浸透膜を用いる前段ROユニットと、逆浸透膜を用いる後段ROユニットと、前記前段ROユニットから供給される高圧の濃縮水のエネルギを回収するエネルギ回収装置と、前記エネルギ回収装置で前記エネルギが回収されて低圧となった前記濃縮水に薬注を施す薬注手段とを備え、前記薬注が施された前記濃縮水を前記エネルギ回収装置で回収された前記前段ROユニットから供給される高圧の濃縮水のエネルギを用いて前記後段のROユニットに供給している。
本発明によれば、複数段の膜ユニットに個別に最適な薬注が行える逆浸透を用いる脱塩システムおよびその運転方法を実現できる。
本発明の実施形態1に係る脱塩システムの構成の模式図。 本発明の実施形態2に係る脱塩システムの構成の模式図。 本発明の実施形態3に係る脱塩システムの構成の模式図。 本発明の実施形態4に係る脱塩システムの構成の模式図。 従来の脱塩システムの構成を示す模式図。
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明は、逆浸透を用いる脱塩システムおよびその運転方法に係り、特に、逆浸透を用いる脱塩システムで薬液注入を効果的に行なうことができる構成に係る。
前記したように、薬液注入に関しては、膜モジュールの前段部と後段部とではろ過環境(塩分濃度、Flux、浸透圧)が異なる。そのため、膜モジュールの供給部1箇所での薬液注入では最適ではない条件となり、膜の性能が十分に発揮できない運転となる。
そこで、本発明は、膜の性能が十分に発揮できる薬液注入を行える構成を提供する。
本発明は、被処理液として、海水のみならず、下水、地下水等、海水以外の被処理液にも幅広く適用できる。例えば、海水、地下水、下水等から飲料水や工業用水を作ることに利用できる。また、純水から超純水を取り出すことにも適用できる。
上述の如く、本発明では様々な液体を被処理液に適用できるが、以下の実施形態では、本発明を海水に適用した例について説明する。
<<実施形態1>>
図1に、本発明の実施形態1に係る脱塩システムの構成の模式図を示す。
実施形態1の脱塩システムSは、被処理液の海水から淡水を作るシステムである。
脱塩システムSは、膜ユニットとして、前段ROユニット101と後段ROユニット102とを備えている。
前段ROユニット101には、例えば2つのRO(Reverse Osmosis)膜エレメント101aが直列に接続されるベッセル101vが並列に配設されている。前段ROユニット101に供給される被処理液は、RO膜エレメント101aを透過し脱塩される透過水101tと塩分が濃縮される濃縮水101nとに分離される。
後段ROユニット102には、例えば4つのRO(Reverse Osmosis)膜エレメント102aが直列に接続されるベッセル102vが並列に配設されている。後段ROユニット102に供給される被処理液は、RO膜エレメント102aを透過し脱塩される透過水102tと塩分が濃縮される濃縮水102nとに分離される。RO膜エレメント102aは、例えばポリアミド膜のスパイラル膜が使用される。
前段ROユニット101の前(上流)には、前段ROユニット101と後段ROユニット102とに被処理液w0を送る供給ポンプ103が設けられている。供給ポンプ103の下流で、被処理液w1と被処理液w2とに分岐される。
供給ポンプ103と前段ROユニット101との間には、ERT(Energy Recovery Turbin)(ターボ型の圧力回収装置)106a、高圧ポンプ104が配置されている。ERT106aは前段ROユニット101からの透過水101tの圧力を回収し、回収した圧力を被処理液w1に付与する。なお、前段ROユニット101からの透過水101tの圧力を回収するERT106aは必須ではなく、また圧力回収方式はターボ型に限らなくともよい。
被処理液w1は、高圧ポンプ104により高圧とされた被処理液w3とされ、前段ROユニット101に供給される。高圧ポンプ104により付与される被処理液w3の圧力は、前段ROユニット101と後段ROユニット102とで逆浸透できる圧力が加えられる。
後段ROユニット102の濃縮水102nの下流には、ERD(Energy Recovery Dvice)(圧力交換型の圧力回収装置)106bが配置されている。ERD106bは後段ROユニット102の濃縮水102nの圧力を回収し、被処理液w2に回収した圧力を付与して被処理液w4とする。なお、ERD106bは、必須ではなく、また、圧力回収方式は圧力交換型に限らなくともよい。
被処理液w4のラインには、ERD106bで濃縮水102nから失われた若干の圧力を補うブースターポンプ105が設けられている。被処理液w4は、ブースターポンプ105により圧力を補われ、被処理液w3と合流し、前段ROユニット101に供給される。
前段ROユニット101に供給される被処理液w3は、前段ROユニット101の各ベッセル101vのRO膜エレメント101aを透過し脱塩された透過水101tと、塩分が濃縮された濃縮水101nとに分離される。
後段ROユニット102に供給される濃縮水101nは、後段ROユニット102の各ベッセル102vのRO膜エレメント102aを透過し脱塩された透過水102tと、塩分が濃縮された濃縮水102nとに分離される。
供給ポンプ103と高圧ポンプ104との間には薬注部110Aが設けられる。薬注部110Aからは、前段ROユニット101の膜性能を保持するための薬注(薬液の注入)が行われる。
図1において、実線のラインは相対的に低圧の配管tを示し、破線のラインは相対的に高圧の配管kを示す。
前段ROユニット101と後段ユニット102とを接続する高圧配管107aにはエネルギ回収装置108が設置される。前段ROユニット101から排出される高圧の濃縮水101nは、エネルギ回収装置108で一旦低圧にして低圧配管109aに導入される。そして、低圧配管109aに設けられる薬注部110Bから後段ROユニット102のための薬注が行われる。ここでは図示していないが、薬注は1箇所または1種類だけに限らず、目的に応じて、複数の薬液を複数の薬注部110Bから注入してもよい。薬注部110Bからの薬注は、後段ROユニット102の運転/性能保持に適した薬注が行われる。
低圧配管109aに送られ薬注部110Bで薬注された前段ROユニットの濃縮水101nは、循環ポンプ111によって低圧配管109bを介して、再度、エネルギ回収装置108に導入され、エネルギ回収装置108によって昇圧されて、後段ROユニット102へ供給される。
ここで用いるエネルギ回収装置108は、圧力交換式やターボ型等のどのようなタイプでもよい。
以上の実施形態1の構成によれば、下記の効果を奏する。
1.薬注部110Aで前段ROユニット101のための薬注が行われ、薬注部110Bで後段ROユニット102のための薬注が行われる。そのため、前段ROユニット101と後段ROユニット102とにそれぞれ最適な薬注を行うことができる。
2.従って、前段ROユニット101と後段ROユニット102との性能が良好に発揮でき、性能向上を図れる。
3.前段ROユニット101と後段ROユニット102とが適切に運転できるために長持ちし、前段・後段ROユニット101、102の長寿命化が図れる。
4.後段ROユニット102への薬注部110Bでの薬注は、エネルギ回収装置108を用いて、低圧状態にして行われるので、高圧の薬液注入ポンプが不要である。
5.また、間欠注入などで、薬液注入ポンプを稼動させないことがある場合にも、低圧状態であるので薬注部110Bから薬液タンクへ逆流しないような高価な高圧バルブまたは、高圧対応の逆止弁を設置する必要がない。つまり、薬液タンクへ逆流しないような安価な低圧バルブまたは安価な低圧対応の逆止弁で済む。
6.エネルギ回収装置108に圧力交換式のタイプのものを用いれば、エネルギの回収効率が高いのでランニングコストを抑えることができる。
7.従って、脱塩システムSの全コストの上昇を抑えることができる。
8.以上のことから、低コストで性能が高く、信頼性が向上する長寿命の脱塩システムSを得られる。
<<実施形態2>>
図2に、本発明の実施形態2に係る脱塩システムの構成の模式図を示す。
実施形態2の脱塩システム2Sは、実施形態1の脱塩システムSにおいて、低圧配管109aの途中に中間タンク112を設けたものである。
その他の構成は、実施形態1と同様であるから、同一の符号を付して示し、詳細な説明は省略する。
実施形態2の脱塩システム2Sによれば、低圧配管109aの途中に中間タンク112を設けたので、システム立ち上げ時(初期時)に中間タンク112内に被処理液またはその他の液体を入れて、システム立ち上げ時の流量調整を容易にすることができる。その後、中間タンク112は流出量と流入量をほぼ同量にして、水位を一定に保つとよい。
また、システム立ち上げ後は、図2の二点鎖線に示す配管109a1に切り替え、図1と同様な運転に切り替えることもできる。
さらに、中間タンク112内の濃縮水101nに薬注を行う薬注部110B1を設け、溶けにくい薬は、中間タンク112内で溶かす構成としてもよい。
ところで、前段ROユニット101では、薬注部110Aでの薬注により、pHが7より大きいアルカリ側で運転することでボロン(B:ホウ素)の除去率を高めて処理水の水質を向上する。
例えば、海水にはボロンが含まれており、ボロンの除去率が低い場合は、飲料水基準に抵触することがある。この場合、再度のボロンの除去が必要になる。そこで、薬注部110Aでの薬注により、前段ROユニット101をアルカリ側にすることで、ボロンをとり易くする。
そして、後段ROユニット102のための薬注部110Bから酸を注入してアルカリを中和またはpHが7より小さい酸性側にする。これにより、スケーリングの発生リスクの高い後段ROユニット102でのアルカリ運転によりスケールの発生を防止できる。なお、後段ROユニット102がアルカリ運転であると、被処理液w0に含まれるカルシウムがCaCl2、CaCO等となってスケールが発生し、後段ROユニット102の膜が閉塞する。
そこで、薬注部110Bからの薬注で、後段ROユニット102を酸性にすることで、スケールの発生を防止する。
<<実施形態3>>
図3に、本発明の実施形態3に係る脱塩システムの構成の模式図を示す。
実施形態3の脱塩システム3Sは、実施形態1の脱塩システムSにおいて、薬注のためにエネルギ回収装置108に向かう濃縮水101nを、濃縮水101nの一部としたものである。
その他の構成は、実施形態1と同様であるから実施形態1と同様な構成要素には同一の符号を付して示し、詳細な説明は省略する。
前段RO膜ユニット101の濃縮水101nの全量を、薬液のためにエネルギ回収装置108で低圧化する必要はない。
そこで、脱塩システム3Sでは、図3に示すように、高圧配管107aを第1高圧配管107a1と第2高圧配管107a2とに分岐する。
そして、高圧配管107aを通る濃縮水101nの一部である第2高圧配管107a2を通る濃縮水101nをエネルギ回収装置108に送り、低圧配管109aで薬注部110Bによる薬注を行う。
濃縮水101nの一部を低圧化して、薬注することでエネルギ回収装置108の小型化を図ることができる。この場合、エネルギ回収装置108で失われた若干の圧力を補うためにブースターポンプ113を高圧配管107bに設けるとよい。
<<実施形態4>>
図4に、本発明の実施形態4に係る脱塩システムの構成の模式図を示す。
実施形態4の脱塩システム4Sは、実施形態1の脱塩システムSの具体例を示したものである。
脱塩システム4Sは、前段ROユニット101と後段ROユニット102とで膜の材質を変えている。
前段ROユニット101に用いられているRO膜エレメント101aは、三酢酸セルロース製の中空糸膜である。三酢酸セルロース製の中空糸膜は、塩素系の酸化剤に耐性がある。そのため、前段ROユニット101の前段に設けられる薬注部110Aで、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)や塩素系酸化剤などの塩素剤115が注入され、前段ROユニット101の有機ファウリング、バイオファウリングの抑制または防止が行われる。有機ファウリングは主に高分子有機物のファウリングである。バイオファウリングは、膜への微生物の繁茂によるバイオフィルムによる目詰まりである。
塩素系酸化剤としては、亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)、塩素酸(HClO3)、過塩素酸(HClO4)、二酸化塩素(ClO2)、さらし粉(Ca(ClO)2)等がある。塩素系酸化剤として、その他のものを用いてもよい。
一方、後段ROユニット102に用いられているRO膜エレメント102aはポリアミド製のスパイラル膜であり、酸化剤によって劣化する性質をもつ。
そのため、前段の薬注部110Aで注入された塩素剤115を中和するために,前段ROユニット101と後段ROユニット102の間の薬注部110BでSBS(NaHSO3:亜硫酸水素ナトリウム)、SMBS(Na2S2O5:ピロ亜硫酸ナトリウム)などの還元剤117を注入するようにしてもよい。
SBSは、下記の化学反応により次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を還元する。
NaHSO3+NaClO −> NaCl + NaHSO
SMBSは、下記の化学反応により次亜塩素酸ナトリウムを還元する。
Na2S2O5+NaClO −> NaCl + Na2SO+SO
これにより、有機物による膜の汚れ(有機物ファウリング)や微生物による膜の汚れ(バイオファウリング)が生じやすい前段の前段ROユニット101を、これらの汚れに対する防止効果の高い次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)に耐性がある三酢酸セルロース製の中空糸膜を適用して塩素系薬剤を注入することで膜の汚染を防止しできる。かつ、システム全体の運転動力に大きな影響のある高圧ポンプ104の圧力を決める後段ROユニット102には、膜の透過抵抗が中空糸膜よりも小さく、システム全体の運転圧力を低くできるポリアミド製のスパイラル膜を使用することが可能となる。
なお、ポリアミド製のスパイラル膜は、圧力が低くてもろ過できる、安価である等の理由から広く用いられている。
そのため、実施形態4の構成により、前段ROユニット101でファウリング除去に効果がある三酢酸セルロース製の中空糸膜を用い、後段ROユニット102でスケール除去が安価に低圧でできるポリアミド製のスパイラル膜を用いることができる。
従って、運転圧力が低く安価な汎用性がある脱塩システム4Sを得られる。
なお、前段の薬注部110Aで、下記の電解法によって次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を発生させることで前段ROユニット101の膜表面に酸化剤を供給する構成としてもよい。
塩(NaCl)を溶かした水に電気を流すと、次のように、塩素と水素と水酸化ナトリウムが得られる。
2NaCl +2HO −> Cl+H+2NaOH
そして、下記のように、塩素と水酸化ナトリウムとを反応させると、次亜塩素酸ナトリウムが得られる。
2NaOH + Cl −> NaClO + NaCl + HO
電解法によって次亜塩素酸ナトリウムを供給することで、簡易に次亜塩素酸ナトリウムを、前段の薬注部110Aで供給することができる。
<その他の実施形態>>
1.前記実施形態では、後段ROユニット102への薬注を薬注部110Bで行う場合を説明したが、バイパス配管107p(図2参照)と不図示の切換え弁とを設け、薬注を行わない場合には、切換え弁でバイパス配管107pに切り換えて、薬注部110Bをバイパスさせる構成としてもよい。なお、本構成は、前段ROユニット101への薬注を行う薬注部110Aに適用してもよい。また、説明した脱塩システムS、2S、3S、4Sに適用できる。これにより、必要な時のみ、薬注を行うので脱塩システムS、2S、3S、4Sの運転効率を上げることができる。
2.薬注を行わない場合、エネルギ回収装置108をエネルギ回収しないように調整してそのまま高圧配管107bに流す構成としてもよい。
3.前記実施形態では、膜ユニットが2段の場合を説明したが、3段以上の膜ユニットでも本発明は適用できる。各ROユニット間に、図1または図2に示す前段ROユニット101と後段ROユニット102との間に設けたエネルギ回収装置108、薬注手段110、循環ポンプ等を設ける。これにより、各ROユニットの運転/性能保持に適した薬注を行うことができる。
4.前記実施形態では、膜ユニットが2段の場合の前段ROユニット101、後段ROユニット102を説明したが、3段以上の膜ユニットにおいて、複数の前段側を前段として複数の後段側を後段として本発明を適用してもよい。
5.以上で説明した構成を適宜選択して組み合わせて構成してもよい。
6.以上、本発明の様々な実施形態を述べたが、その説明は典型的であることを意図したものである。そして、本発明の範囲内でより多くの形態と実施が可能であることは、勿論である。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲内で様々な修正と変更が行える。
101 前段ROユニット(前段のROユニット、ROユニット)
101a RO膜エレメント(逆浸透膜)
102 後段ROユニット(後段のROユニット、ROユニット)
102a RO膜エレメント(逆浸透膜)
108 エネルギ回収装置
110B 薬注手段
107p バイパス配管(バイパス)
S、2S、3S、4S 脱塩システム

Claims (11)

  1. 逆浸透膜を用いる前段ROユニットと、
    逆浸透膜を用いる後段ROユニットと、
    前記前段ROユニットから供給される高圧の濃縮水のエネルギを回収するエネルギ回収装置と、
    前記エネルギ回収装置で前記エネルギが回収されて低圧となった前記濃縮水に薬注を施す薬注手段とを備え、
    前記薬注が施された前記濃縮水を前記エネルギ回収装置で回収された前記前段ROユニットから供給される高圧の濃縮水のエネルギを用いて前記後段のROユニットに供給する
    ことを特徴とする逆浸透を用いる脱塩システム。
  2. 請求項1に記載の逆浸透を用いる脱塩システムにおいて、
    前記前段ROユニットと前記後段ROユニットとは、それぞれ単数または複数であり、
    前記エネルギ回収装置と前記薬注手段とは、前記各ROユニットとの間にそれぞれ、または少なくとも1箇所は設けられ、
    それぞれの前記薬注手段で前記薬注が施された前記濃縮水を、前記低圧とした前記エネルギ回収装置で回収された上流側の前記ROユニットから供給される高圧の濃縮水のエネルギを用いて下流側の前記ROユニットに供給する
    ことを特徴とする逆浸透を用いる脱塩システム。
  3. 請求項1に記載の逆浸透を用いる脱塩システムにおいて、
    前記前段のROユニットは、アルカリ側で運転され、
    前記後段のROユニットは、酸側で運転される
    ことを特徴とする逆浸透を用いる脱塩システム。
  4. 請求項1に記載の逆浸透を用いる脱塩システムにおいて、
    前記前段のROユニットは、三酢酸セルロース素材の膜が用いられ、
    前記後段のROユニットは、ポリアミド素材の膜が用いられる
    ことを特徴とする逆浸透を用いる脱塩システム。
  5. 請求項1に記載の逆浸透を用いる脱塩システムにおいて、
    前記前段のROユニットの前で酸化剤を注入して、当該前段のROユニットの膜表面に酸化剤を供給し、
    前記前段のROユニットと前記後段のROユニットとの間に還元剤を注入して、前記酸化剤を中和して前記後段のROユニットに前記酸化剤が供給されないようにする
    ことを特徴とする逆浸透を用いる脱塩システム。
  6. 請求項1に記載の逆浸透を用いる脱塩システムにおいて、
    前記前段のROユニットの前で次亜塩素酸ナトリウム、または、塩素系の酸化剤を注入して、当該前段のROユニットの膜表面に次亜塩素酸ナトリウム、または、塩素系の酸化剤を供給し、
    前記前段のROユニットと前記後段のROユニットとの間に還元剤を注入して、前記次亜塩素酸ナトリウム、または、前記酸化剤を中和して前記後段のROユニットには前記次亜塩素酸ナトリウム、または前記酸化剤が供給されないようにする
    ことを特徴とする逆浸透膜を用いる脱塩システム。
  7. 請求項1に記載の逆浸透を用いる脱塩システムにおいて、
    前記前段のROユニットの前で電解法によって発生させる次亜塩素酸ナトリウムを注入して、当該前段のROユニットの膜表面に次亜塩素酸ナトリウムを供給し、
    前記前段のROユニットと前記後段のROユニットとの間に還元剤を注入して、前記次亜塩素酸ナトリウムを中和して前記後段のROユニットに前記次亜塩素酸ナトリウムが供給されないようにする
    ことを特徴とする逆浸透を用いる脱塩システム。
  8. 請求項1に記載の逆浸透を用いる脱塩システムにおいて、
    前記薬注手段での薬注を行わない場合、前記前段のROユニットから供給される前記高圧の濃縮水を、そのまま前記エネルギ回収装置を通過させるかまたは前記エネルギ回収装置をバイパスさせて、前記後段のROユニットに供給する
    ことを特徴とする逆浸透を用いる脱塩システム。
  9. 前段の逆浸透を用いるROユニットから供給される高圧の濃縮水を、後段の逆浸透を用いるROユニットに供給する前にその一部または全部をエネルギ回収装置に導き、
    前記エネルギ回収装置で前記高圧の濃縮水のエネルギを回収し、
    前記エネルギが回収され低圧となった前記濃縮水に薬注を施し、
    前記薬注を施した前記濃縮水を前記エネルギ回収装置に導き、
    前記薬注を施した濃縮水を、前記エネルギ回収装置で前記前段のROユニットから供給される高圧の濃縮水により昇圧して前記後段のROユニットに供給する
    ことを特徴とする逆浸透を用いる脱塩システムの運転方法。
  10. 請求項9に記載の逆浸透を用いる脱塩システムの運転方法において、
    前記前段のROユニットは、アルカリ側で運転され、
    前記後段のROユニットは、酸側で運転される
    ことを特徴とする逆浸透を用いる脱塩システムの運転方法。
  11. 請求項9に記載の逆浸透を用いる脱塩システムの運転方法において、
    前記前段のROユニットの前で酸化剤を注入して、当該前段のROユニットの膜表面に酸化剤を供給し、
    前記前段のROユニットと前記後段のROユニットとの間に還元剤を注入して、前記酸化剤を中和し、
    前記後段のROユニットに前記酸化剤が供給されないようにする
    ことを特徴とする逆浸透膜を用いる脱塩システムの運転方法。
JP2015085350A 2015-04-17 2015-04-17 逆浸透を用いる脱塩システムおよびその運転方法 Pending JP2016203065A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015085350A JP2016203065A (ja) 2015-04-17 2015-04-17 逆浸透を用いる脱塩システムおよびその運転方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015085350A JP2016203065A (ja) 2015-04-17 2015-04-17 逆浸透を用いる脱塩システムおよびその運転方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016203065A true JP2016203065A (ja) 2016-12-08

Family

ID=57488384

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015085350A Pending JP2016203065A (ja) 2015-04-17 2015-04-17 逆浸透を用いる脱塩システムおよびその運転方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016203065A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106731853A (zh) * 2017-01-18 2017-05-31 苏州膜海分离技术有限公司 一种超滤反渗透双膜法能量回收系统
WO2018096929A1 (ja) * 2016-11-25 2018-05-31 野村マイクロ・サイエンス株式会社 超純水製造方法及び超純水製造システム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018096929A1 (ja) * 2016-11-25 2018-05-31 野村マイクロ・サイエンス株式会社 超純水製造方法及び超純水製造システム
CN106731853A (zh) * 2017-01-18 2017-05-31 苏州膜海分离技术有限公司 一种超滤反渗透双膜法能量回收系统
CN106731853B (zh) * 2017-01-18 2019-09-06 苏州膜海分离技术有限公司 一种超滤反渗透双膜法能量回收系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2613657T3 (es) Aparato multi-etapa de desalinización de agua de mar y método de control del funcionamiento de un aparato multi-etapa de desalinización de agua de mar
JP4996067B2 (ja) 逆浸透膜を使用した水処理装置及びその使用方法
JP5099045B2 (ja) 逆浸透膜分離方法
JP5691522B2 (ja) 造水システムおよびその運転方法
TWI393678B (zh) Desalination system
Lee et al. A pilot study on pressure retarded osmosis operation and effective cleaning strategies
KR101184652B1 (ko) 삼투막 및 나노필터를 이용한 정삼투 담수화 장치 및 방법
JP4923427B2 (ja) 膜分離方法および膜分離装置
JP2010201312A (ja) 膜分離方法
JP2005279540A (ja) 淡水化装置
JP2008100220A (ja) 造水方法
JP6505504B2 (ja) 逆浸透膜を用いた脱塩システムおよびその運転方法
JP2016203065A (ja) 逆浸透を用いる脱塩システムおよびその運転方法
JP2005185985A (ja) 水の製造方法および製造装置
JP5024158B2 (ja) 膜ろ過方法
JP4304573B2 (ja) 逆浸透膜による高濃度溶液の処理方法
US20220177340A1 (en) Pure-water production device and pure-water production method
JP3963304B2 (ja) 逆浸透分離方法
WO2011108589A1 (ja) 多孔質膜モジュールの洗浄方法および造水装置
JP2001047045A (ja) 逆浸透膜方式淡水化装置
JP2003126854A (ja) 一次純水製造装置
JP2004082020A (ja) 中空糸膜モジュールの運転方法
JP2005095812A (ja) 水の浄水化装置および水の浄化方法
JPH09155344A (ja) かん水脱塩装置およびかん水脱塩方法
JP2004097911A (ja) 逆浸透膜による高濃度溶液の処理方法