JP2016202942A - パンツタイプ使い捨ておむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】脚周りの縁部のフィット性に優れるものでありながら、外装体の伸長工程を必要とせずに製造可能とする。【解決手段】上記課題は、背側外装体12Bにおける幅方向中央部の股間側の縁部に内装体200が接合されて内装体接合部12Zが形成されるとともに、この内装体接合部12Zよりもウエスト側の前後方向長さが股間側に伸長可能とされており、背側外装体12Bに対して、内装体200における内装体接合部12Zよりウエスト側の部分が股間側に移動可能とされている、ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつにより解決される。【選択図】図1

Description

本発明は、パンツタイプ使い捨ておむつに関するものである。
パンツタイプ使い捨ておむつの一形態として、腹側外装体の両側部と、背側外装体の両側部とが接合されて筒状に形成された外装体と、腹側外装体内面の幅方向中央部から背側外装体内面の幅方向中央部までにわたり設けられた、排泄物を吸収する内装体とを備え、腹側外装体と背側外装体とが股間側で連続せずに離間しているものが知られている(例えば特許文献1〜4参照)。このような外装二分割タイプのものは、脚を通すための脚開口部を打ち抜かなくて済む、又は打ち抜くとしても小面積で済むといった利点がある。すなわち、切離し片(以下、トリムともいう)は廃棄処分されるため、その資材の無駄(以下、トリムロスともいう)を抑えることができるという利点を有している。
しかしながら、外装2分割タイプにおいて、トリムロスを完全に無くそうとした場合、脚開口部の縁を鼠蹊部や臀部の周囲に沿った形状とすることができない。よって、脚周りへのフィット性を考慮する場合、外装2分割タイプであってもトリムロスを無くすことはできなかった。
この問題点を解決するものとして、外装体を股間側に伸長可能に構成し、製造時に外装体の幅方向中央部をその両側に対して股間側に伸長(拡幅)することにより、外装体における内装体より側方に位置する脚開口部の縁が側縁部に向かって斜め上向きとなり、脚開口部の縁が装着者の臀部の周囲や鼠蹊部に沿う形状となるものが提案されている(特許文献3,4参照)。
ただし、これら先行技術では、製造に際して外装体の伸長工程が必要となる、という問題点が残されていた。
特表2007−511326号公報 特開2005−279077号公報 特開2010−162277号公報 特開2014−4492号公報
そこで、本発明の主たる課題は、脚周りの縁部のフィット性に優れるものでありながら、外装体の伸長工程を必要とせずに製造可能である、外装二分割タイプのパンツタイプ使い捨ておむつを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
腹側外装体及び背側外装体を有し、前記腹側外装体の側縁部と前記背側外装体の側縁部とが幅方向両側で接合されてウエスト開口部が形成された、外装体と、
前記腹側外装体の幅方向中央領域から前記背側外装体の幅方向中央領域にかけて、装着者の股間を通るように延在された内装体と、を備えたパンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記腹側外装体及び背側外装体の少なくとも一方側の外装体は、幅方向中央部の股間側の縁部が前記内装体と接合されて内装体接合部が形成されるとともに、この内装体接合部よりもウエスト側の前後方向長さが股間側に伸長可能とされており、
前記少なくとも一方側の外装体に対して、前記内装体における前記内装体接合部よりウエスト側の部分が股間側に移動可能とされている、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明では、内装体を外装体に対して相対的に股間側に移動させつつ、外装体の内装体接合部よりもウエスト側の前後方向長さを股間側に伸長させると、外装体における内装体より側方に位置する脚開口部の縁が側縁部に向かって斜め上向きとなり、脚開口部の縁が装着者の臀部の周囲や鼠蹊部に沿う形状となる。このような変形は、製品使用時に手で行う他、おむつをウエストまで引き上げて装着するのに伴って自然に行わしめたり、製造後におむつに加わる力(例えばフィット性を向上させるために弾性伸縮部材を内蔵する場合はその収縮力や、内装体に加わる重力)によって行わしめることができる。よって、少なくとも装着状態では、脚周りの縁部のフィット性に優れるものとなる。また、外装体の伸長工程を必要とせずに製造可能となる。
<請求項2記載の発明>
前記少なくとも一方側の外装体における股間側の部分が前後方向に一回又はジグザグに複数回折り返され、その両側縁部が折り返し状態で固定された非展開部とされ、これら非展開部間が非固定の展開部とされて折り返し部分が形成されるとともに、
この折り返し部分における最も先端側の折り目より先端側の部分に、前記内装体が接合されて前記内装体接合部が形成されており、
前記折り返し部分は、その幅方向全体が折り返された状態で幅方向に沿って伸長状態で固定され且つ装着時に斜め方向となる細長状の斜め弾性伸縮部材が設けられており、
前記折り返し部分の展開により、前記内装体接合部よりもウエスト側の前後方向長さが股間側に伸長可能とされている、
請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
外装体の伸長構造がこのような折り返し部分により構成されていると、装着時に外装体における内装体より側方に位置する脚開口部の縁が側縁部に向かって斜め上向きとなるのはもちろん、その縁に沿って斜め弾性伸縮部材の収縮力が作用するため、脚開口部の縁が装着者の臀部の周囲や鼠蹊部に沿って緩みなく良好にフィットするようになる。
<請求項3記載の発明>
前記少なくとも一方側の外装体における前記内装体接合部よりもウエスト側に、幅方向中央の一方側から他方側にかけて幅方向に延びるスリット又は細長状開口からなる離間部が設けられ、
この離間部の股間側に、幅方向に沿って伸長状態で固定され且つ装着時に斜め方向となる細長状の斜め弾性伸縮部材が設けられており、
この離間部の股間側の部分がウエスト側の部分に対して股間側に離間する変形により、 前記内装体接合部よりもウエスト側の前後方向長さが股間側に伸長可能とされている、
請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
外装体の伸長構造がこのような離間部により構成されていると、装着時に外装体における内装体より側方に位置する脚開口部の縁が側縁部に向かって斜め上向きとなるのはもちろん、その縁に沿って斜め弾性伸縮部材の収縮力が作用するため、脚開口部の縁が装着者の臀部の周囲や鼠蹊部に沿って緩みなく良好にフィットするようになる。また、スリット等を設けるだけの非常に簡素な構造であり、資材コストの増加が無く、製造も容易である。
<請求項4記載の発明>
前記少なくとも一方側の外装体が、少なくとも前後方向に伸長性を有するものとされることにより、前記内装体接合部よりもウエスト側の前後方向長さが股間側に伸長可能とされている、
請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
外装体の伸長構造がこのように外装体自体の伸長性により実現されていると、装着時に外装体における内装体より側方に位置する脚開口部の縁が側縁部に向かって斜め上向きとなり、脚開口部の縁が装着者の臀部の周囲や鼠蹊部に沿って良好にフィットするようになる。また、シート材の変更だけで実現可能である。
<請求項5記載の発明>
前記内装体は、前記少なくとも一方側の外装体側においては、前記少なくとも一方側の外装体の股間側縁部までしか延在されていない、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように内装体接合部よりウエスト側の移動部分を短くすることにより、移動部分の曲がりや捲れ等、意図しない変形を防止することができる。特に、内装体の背側外装体側の長さが短い構造は、幼児用トイレトレーニングパンツや男性用失禁パンツ等のように、背側の吸収性能があまり要求されない製品に好適である。
<請求項6記載の発明>
前記内装体は、前記少なくとも一方側の外装体における前記内装体接合部よりもウエスト側に延在された移動部分を有しており、
前記少なくとも一方側の外装体における前記内装体接合部よりウエスト側に、前記内装体上を幅方向に横切って延在し、前記内装体の移動部分の幅方向両側に位置する部分が固定されるとともに、前記内装体の移動部分上を通る部分が非固定とされた押えベルトを備えている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このような押えベルトを備えることにより、内装体の移動部分を不必要に又は過度に動かないよう押えつけることができ、それによって、移動部分の曲がりや捲れ等、意図しない変形を防止することができる。
<請求項7記載の発明>
前記内装体は、前記少なくとも一方側の外装体における前記内装体接合部よりもウエスト側に延在された移動部分を有しており、
前記少なくとも一方側の外装体における前記内装体接合部よりウエスト側に、前記内装体のウエスト側端部を幅方向に横切って延在し、前記内装体の移動部分の幅方向両側に位置する部分が固定されるとともに、前記内装体のウエスト側端部が連結された連結ベルトを備えている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このような連結ベルトを備えると、内装体の移動部分の移動を連結ベルトの緩みや撓みにより許容される範囲内に制限することにより、不必要に又は過度に動かないようにすることができ、それによって、移動部分の曲がりや捲れ等、意図しない変形を防止することができる。
<請求項8記載の発明>
前記内装体は、前記少なくとも一方側の外装体における前記内装体接合部よりもウエスト側に延在された移動部分を有しており、
前記少なくとも一方側の外装体のウエスト縁部の内面から突出するウエストフラップが設けられるとともに、前記内装体の移動部分は前記ウエストフラップまで延在されるとともに前記ウエストフラップに連結されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように内装体の移動部分の端部を外装体のウエスト縁部の内面から突出するウエストフラップに連結すると、内装体の移動部分の移動を外装体の自由縁部の撓みにより許容される範囲内に制限することにより、不必要に又は過度に動かないようにすることができ、それによって、移動部分の曲がりや捲れ等、意図しない変形を防止することができる。
<請求項9記載の発明>
前記内装体は、前記少なくとも一方側の外装体における前記内装体接合部よりもウエスト側に延在された移動部分を有しており、
前記少なくとも一方側の外装体における前記移動部分と重なる部位に、股間方向へのズレ止め作用が他の方向へのズレ止め作用よりも弱いズレ止めが設けられている、請求項1〜〜4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このようなズレ止めを備えることにより、外装体の伸長を可能としながらも、内装体の移動部分を不必要に又は過度に動かないよう押えつけることができ、それによって、移動部分の曲がりや捲れ等、意図しない変形を防止することができる。
以上のとおり、本発明によれば、脚周りの縁部のフィット性に優れるものでありながら、外装体の伸長工程を必要とせずに製造可能となる、等の利点がもたらされる。
パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の3−3断面図である。 図1の4−4断面図である。 図1の5−5断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの要部のみを寸法とともに示す、断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態の正面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態の背面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態(股間側伸長状態)の正面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態(股間側伸長状態)の背面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつのサンプルの写真である。 各種形態における、図7の6−6線位置及び7−7線位置の断面の概略図である。 各種形態における、図7の6−6線位置及び7−7線位置の断面の概略図である。 各種形態における、図7の6−6線位置及び7−7線位置の断面の概略図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの製造フローを示す平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの製造フローを示す平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態の正面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態の背面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態(股間側伸長状態)の正面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態(股間側伸長状態)の背面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの製造フローを示す平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの製造フローを示す平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態の正面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態の背面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態(股間側伸長状態)の正面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態(股間側伸長状態)の背面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの製造フローを示す平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態(股間側伸長状態)の背面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図34の5−5断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態(股間側伸長状態)の背面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図37の8−8断面図である。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。
<パンツタイプ使い捨ておむつの第1の形態>
図1〜図10(a)は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつは、腹側外装体12Fの幅方向両側縁と背側外装体12Bの幅方向両側縁とが、縦方向に沿ってヒートシールや超音波溶着等により接合されて筒状の外装体12F,12Bが形成されるとともに、外装体12F,12Bにおける腹側外装体12Fの幅方向中央部内面に内装体200の前端部がホットメルト接着剤等により連結されるとともに、背側外装体12Bの幅方向中央部内面に内装体200の後端部がホットメルト接着剤等により連結されている。符号12Aは腹側外装体12Fと背側外装体12Bとの接合部(サイドシール部)を示している。また、符号Yは展開状態におけるおむつの全長(前身頃Fのウエスト開口部の縁から後身頃Bのウエスト開口部の縁までの縦方向長さ)を示しており、符号Xは展開状態におけるおむつの全幅を示している。
内装体200は、尿等の排泄物等を吸収保持する部分であり、外装体12F,12Bは着用者の身体に対して内装体200を支えるための部分である。なお、図中の点模様部分は各構成部材を接合するホットメルト接着剤を示しているが、対象部材の溶着により接合を行う溶着手段を用いることもできる。ホットメルト接着剤は、ベタ、ビード、カーテン、サミット若しくはスパイラル等のパターンで塗布する他、弾性伸縮部材の固定部分はこれに代えて又はこれとともにコームガンやシュアラップ塗布などの弾性伸縮部材の外周面への塗布を採用することもできる。
外装体12F,12Bの上部開口は、装着者の胴を通すウエスト開口部となり、内装体200の幅方向両側において外装体12F,12Bの下縁および内装体200の側縁によりそれぞれ囲まれる部分が脚を通す脚開口部となる。外装体12F,12Bの各溶着部12Aを剥がして展開した状態では、図1及び図2に示すように前後方向中間が括れた形状をなす。内装体200は、背側から股間部を通り腹側までを覆うように延在するものであり、排泄物を受け止めて液分を吸収し保持する部分であり、外装体12F,12Bは内装体200を装着者に対して支持する部分である。
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となるトップシート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、トップシート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させ、逆戻りを防止するために、トップシート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立する立体ギャザー60を示している。
(トップシート)
トップシート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
立体ギャザー60を設ける場合、トップシート30の両側部は、液不透過性シート11と立体ギャザー60との間を通して、吸収要素50の裏側まで回りこませ、液の浸透を防止するために、液不透過性シート11及び立体ギャザー60に対してホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。
(中間シート)
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、トップシート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材や、スパンレース、スパンボンド、SMS、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.2〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。このほかにも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
液不透過性シート11は、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側を回りこませて吸収要素50のトップシート30側面の両側部まで延在させるのが好ましい。この延在部の幅は、左右それぞれ5〜20mm程度が適当である。
また、液不透過性シート11の内側、特に吸収体56側面に、液分の吸収により色が変化する排泄インジケータを設けることができる。
(立体ギャザー)
立体ギャザー60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態の立体ギャザー60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
より詳細には、立体ギャザー60は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のギャザーシート62を幅方向に折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状弾性伸縮部材63を長手方向に沿って伸長状態で、幅方向に間隔をあけて複数本固定してなるものである。立体ギャザー60のうち先端部と反対側に位置する基端部(幅方向においてシート折り返し部分と反対側の端部)は内装体200の側縁部の裏面に固定された取付部分65とされ、この取付部分65以外の部分は取付部分65から突出する突出部分66(折り返し部分側の部分)とされている。また、突出部分66は、幅方向中央側に向かう付け根側部分と、この付け根側部分の先端から幅方向外側に折り返された先端側部分とからなる。この形態は面接触タイプの立体ギャザーであるが、幅方向外側に折り返されない線接触タイプの立体ギャザー(図示略)も採用することができる。そして、突出部分66のうち前後方向両端部が倒伏状態でトップシート30の側部表面に対してホットメルト接着剤やヒートシールにより固定された前後固定部67とされる一方で、これらの間に位置する前後方向中間部は非固定の自由部分とされ、この自由部分に前後方向に沿う細長状弾性部材63が伸長状態で固定されている。
ギャザーシート62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。細長状弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは470〜1240dtexが好ましく、620〜940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。また、図示のように、二つに折り重ねたギャザーシート62の間に防水フィルム64を介在させることもできる。
立体ギャザー60の自由部分に設けられる細長状弾性伸縮部材63の本数は2〜6本が好ましく、3〜5本がより好ましい。配置間隔60dは3〜10mmが適当である。このように構成すると、細長状弾性伸縮部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。先端側だけでなく付け根側にも細長状弾性伸縮部材63を配置しても良い。
立体ギャザー60の取付部分65の固定対象は、内装体200におけるトップシート30、液不透過性シート11、吸収要素50等適宜の部材とすることができる。
かくして構成された立体ギャザー60では、細長状弾性伸縮部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、突出部分66のうち前後方向両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分とされているため、自由部分のみが図3に示すように身体側に起立する。特に、取付部分65が内装体200の裏面側に位置していると、股間部及びその近傍において立体ギャザー60が幅方向外側に開くように起立するため、立体ギャザー60が脚周りに面で当接するようになり、フィット性が向上するようになる。
立体ギャザー60の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、例えば図6に示すように、立体ギャザー60の起立高さ(展開状態における突出部分66の幅方向長さ)W6は15〜60mm、特に20〜40mmであるのが好ましい。また、立体ギャザー60をトップシート30表面と平行になるように、平坦に折り畳んだ状態において最も内側に位置する折り目間の離間距離W3は60〜190mm、特に70〜140mmであるのが好ましい。
なお、図示形態と異なり、内装体200の左右各側において立体ギャザー60を二重に(二列)設けることもできる。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図1に示すように、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部とを有する形状を成していると、吸収体56自体と立体ギャザー60の、脚周りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体56の寸法は適宜定めることができるが、前後方向及び幅方向において、内装体の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。なお、符号56Xは吸収体56の幅を示している。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下のものが望ましく、また、180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量(JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」)が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度(JIS K7224−1996高吸水性樹脂の吸水速度試験方法)が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。たとえば、液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、且つその前後縁部を吸収体56の前後から食み出させ、この食み出し部分を表裏方向に潰してホットメルト接着剤等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(股間部カバーシート)
内装体200における液不透過性シートの裏面には、内装体200の露出部分の一部(例えば腹側外装体12Fと背側外装体12Bとの間に露出する部分の前後方向全体にわたるが、内装体200の前後端まで延びず、また幅方向両側縁も内装体200の両側縁までは達しない程度)又は全体を覆うように、股間部カバーシート12Mを貼り付けることもできる。股間部カバーシート12Mとしては、後述する外装体12F,12Bに用いられるものと同様の素材を用いることができる。
(外装体)
外装体12F,12Bは、サイドシール部12Aを有する縦方向範囲(ウエスト開口部から脚開口部の上端に至る縦方向範囲)として定まる胴周り部Tと、脚開口部を形成する部分の前後方向範囲(腹側外装体12Fのサイドシール部12Aを有する縦方向領域と背側外装体12Bのサイドシール部12Aを有する縦方向領域との間)として定まる中間部Lとを有する。胴周り部Tは、概念的にウエスト開口部の縁部を形成する「ウエスト縁部」Wと、これよりも下側の部分である「ウエスト下部」Uとに分けることができる。これらの縦方向の長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト縁部Wは15〜40mm、ウエスト下部Uは65〜120mmとすることができる。一方、中間部Lは省略することもでき、また腹側外装体12F及び背側外装体12Bの両方に設けることもできるが、図示形態では背側外装体12Bにのみ中間部Lを設け、臀部をカバーする形態を採用している。中間部Lの脚側の縁Leを脚周りに沿うように曲線状に形成すると、脚周りに対するフィット性が良好となる。
外装体12F,12Bは、腹側外装体12F及び背側外装体12Bからなり、腹側外装体12F及び背側外装体12Bは脚側で連続しておらず、離間されている。この離間距離L8は150〜250mm程度とすることができる。
外装体12、13は、図3〜図5に示されるように、外装体12,13を構成するシート材12S,12Hをからなる内側層及び外側層をホットメルト接着剤等の接着剤により貼り合わせて形成されており、図示形態では、背側外装体12Bは一枚のシート材12Sをウエスト側で折り返して内側層及び外側層が形成され、腹側外装体12Fは内側に位置する内側シート材12Hはウエスト開口部の縁までしか延在していないが、外側シート材12Sは内側シート材12Hのウエスト側の縁を回り込んでその内側に折り返されており、この折り返し部分12Wが内装体200のウエスト側端部上までを被覆するように延在されている。もちろん、腹側外装体12Fを背側外装体12Bと同様に一枚のシート材12Sを折り返して形成しても良く、反対に背側外装体12Bを腹側外装体12Fと同様に外側シート材12S及び内側シート材12Hを貼り合わせて形成しても良く、腹側外装体12Fのシート構造と背側外装体12Bのシート構造とを反対にしても良い。
シート材12S,12Hとしては、シート状のものであれば特に限定無く使用できるが、不織布であるのが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、その目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。
腹側外装体12F及び背側外装体12Bには、図2及び図5にも示されるように、シート材12S,12Hからなる内側層及び外側層間に、胴周りに対するフィット性を高めるための糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材15〜19が所定の伸長率で設けられている。
細長状弾性伸縮部材15〜19としては、合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。外装体12F,12Bの両シート材12S,12Hの貼り合せや、その間に挟まれる細長状弾性伸縮部材15〜19の固定には種々の塗布方法によるホットメルト接着またはヒートシールや超音波接着を用いることができる。
細長状弾性伸縮部材15〜19を用いる場合、同じ弾性伸縮部材を一様に設けることもできるが、外装体12F,12Bの位置に応じて太さや間隔等を異ならしめることが好ましい。このため図示形態では、ウエスト縁部Wには、幅方向全体にわたり連続するように、複数のウエスト縁部弾性伸縮部材17が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。ウエスト縁部弾性伸縮部材17のうち、ウエスト下部Uに隣接する領域に配設される1本または複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部より側方に、幅方向に連続するように設けてもよい。このウエスト縁部弾性伸縮部材17としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、4〜12mmの間隔で3〜22本程度、それぞれ伸長率150〜400%、特に220〜320%程度で固定するのが好ましい。また、ウエスト縁部弾性伸縮部材17は、その全てが同じ太さと伸長率にする必要はなく、例えばウエスト縁部Wの上部と下部で弾性伸縮部材の太さと伸長率が異なるようにしてもよい。
また、ウエスト下部Uには、内装体200の上側および内装体200と重なる幅方向中央部より側方に、幅方向に連続する細長状弾性伸縮部材からなるウエスト下部弾性伸縮部材15,18が複数本、上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。
ウエスト下部弾性伸縮部材15,18としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、1〜15mm、特に3〜8mmの間隔で5〜30本程度、それぞれ伸長率200〜350%、特に240〜300%程度で固定するのが好ましい。
(伸長構造)
特徴的には、背側外装体12Bは、幅方向中央部の股間側の縁部が内装体200と接合されて内装体接合部12Zが形成されるとともに、この内装体接合部12Zよりもウエスト側の前後方向長さが股間側に伸長可能とされており、背側外装体12Bに対して内装体200の内装体接合部12Zよりウエスト側の部分が股間側に移動可能とされている。
内装体接合部12Zよりもウエスト側の前後方向長さが股間側に伸長可能となる構造(外装体の伸長構造)は、特に限定されないが、第1の形態では、図12(a)にも示すように、背側外装体12Bにおける股間側の部分が前後方向に一回又はジグザグに複数回折り返され、その両側縁部が折り返し状態でホットメルト接着剤等により固定された非展開部12kとされ、これら非展開部12k、12k間が非固定の展開部とされて折り返し部分12Wが形成されており、この折り返し部分12Wにおける最も先端側の折り目より先端側の部分に、内装体200がホットメルト接着剤等により接合されて内装体接合部12Zが形成されており、折り返し部分12Wの展開により、内装体接合部12Zよりもウエスト側の前後方向長さが股間側に伸長可能とされている。また、第1の形態では、折り返し部分12Wには、その幅方向全体が折り返された状態で幅方向に沿って伸長状態で固定され且つ装着時に斜め方向となる細長状の斜め弾性伸縮部材19が設けられている。この斜め弾性伸縮部材19は、内装体200と重なる幅方向中央部より側方に設けられており、折り返し部分12Wの非展開状態では幅方向に沿うようになる。さらに図示形態では、中間部Lにおける上側部分には、内装体200と重なる幅方向中央部より側方に、幅方向に連続する細長状弾性伸縮部材からなる中間部弾性伸縮部材16が複数本、上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。
本第1の形態では、図7及び図8に示す非伸長状態から図9及び図10に示すように、及び図12(a)二点鎖線で示すように、内装体200を背側外装体12Bに対して相対的に股間側に移動させつつ、折り返し部分12Wを幅方向中央側ほど股間側へ展開させて、背側外装体12Bの内装体接合部12Zよりもウエスト側の前後方向長さを股間側に伸長させると、背側外装体12Bにおける内装体200より側方に位置する脚開口部の縁Leが側縁部に向かって斜め上向きとなり、脚開口部の縁Leが装着者の臀部の周囲に沿う形状となる。このような変形は、製品使用時に手で行う他、おむつをウエストまで引き上げて装着するのに伴って自然に行わしめたり、製造後におむつに加わる力(例えばフィット性を向上させるために弾性伸縮部材を内蔵する場合はその収縮力や、内装体200に加わる重力)によって行わしめることができる。よって、少なくとも装着状態では、脚周りの縁部のフィット性に優れるものとなる。また、第1の形態では、装着時に背側外装体12Bにおける内装体200より側方に位置する脚開口部の縁Leが側縁部に向かって斜め上向きとなるのはもちろん、その縁に沿って斜め弾性伸縮部材19の収縮力が作用するため、脚開口部の縁Leが装着者の臀部の周囲や鼠蹊部に沿って緩みなく良好にフィットするようになる。この斜め弾性伸縮部材19は省略することもできる。
図9(a)は、図1〜図8及び図12(a)示す形態において内装体200を股間側に移動した状態で背側外装体12Bに固定したサンプル品をダミー人形に装着した状態の写真であり、図9(b)は折り返し及び展開構造並びに斜め弾性伸縮部材19を有しない外装二分割構造の市販品をダミー人形に装着した状態の写真である。これらの対比からも分かるように、本発明に係るサンプルは、市販品と比べて、背側外装体12Bにおける脚開口部の縁Leが臀部の膨らみに対して良好にフィットし、臀部を良好にカバーできるものである。
折り返し部分12Wは、図12(a)に示すように背側外装体12Bにのみ設ける他、図12(b)、図13及び図14に示すように、腹側外装体12F及び背側外装体12Bの両方に設けることも、また、図示しないが、腹側外装体12Fにのみ設けることもできる。
折り返し部分12Wの折り返し方向は、図12、図13、図14(b)に示す形態のように、おむつの内側とする他、図14(a)に示すようにおむつの外側とすることもできる。前者のように、おむつの内側に折り返し部分12Wが形成されていると、折り返し部分12Wが展開されていく部分は肌から浮き難く、肌にしっかりとフィットするようになる。特に、折り返し部分12Wを背側外装体12Bに形成した場合は、折り返し部分12Wが展開されていく部分は臀部の丸みを覆うような立体的な形状となる。一方、後者のように、おむつの外側に折り返し部分12Wが形成されていると、折り返し部分12Wが展開されていく部分は肌に対して弱い力で優しくフィットするようになる。
折り返し部分12Wの折り返し回数は適宜定めることができるが、図12、図13(b)〜図14に示すように、折り返し部分12Wを背側外装体12Bに設ける場合、折り返し回数を偶数とすると、折り返し部分12Wが展開されていく部分が広くなるため、臀部をより広く覆うことができる。この効果は、特に折り返し部分12Wの折り返し方向がおむつ内側である場合に顕著となる。
また、図12(b)、図13(a)及び図14に示すように、折り返し部分12Wを腹側外装体12Fに設ける場合、折り返し回数を奇数とすると、脚開口部の縁Leが体の表面の谷間に向かって体の丸みに対して巻き込むように入り込んでいくため、鼠蹊部に対するフィット性が良好となる。この効果は、特に折り返し部分12Wの折り返し方向がおむつ内側である場合に顕著となる。
図12(b)〜図14(a)に示す形態のように、サイドシール部12Aは折り返し部分12Wを含めて形成することもできるが、サイドシール部12Aを溶着により形成する場合、サイドシール部12Aにおけるシートの重なり枚数が局所的に多くなると接合強度にバラツキを生じ、生産性が低下するおそれがある。よって、折り返し部分12Wは、図12(a)、図14(b)及び図14に示すように、折り返し部分12Wを有する脚開口部側領域にはサイドシール部12Aを形成しないことが好ましい。これにより、サイドシール部12Aの接合が安定化し、生産性の低下を防止できるようになる。
なお、図12〜図14中の点線はサイドシール部12Aの下端を示しており、例えば、図12(a)に示す形態の背側外装体12Bでは、胴周り部T及び中間部Lが本発明の側縁部対応領域に、及び中間部Lが本発明の側縁部対応領域の下側部分(脚側部分)にそれぞれ相当しており、図12(b)に示す形態の腹側外装体12Fでは、胴周り部Tが本発明の側縁部対応領域に、及び胴周り部Tの下側部分(脚側部分)が本発明の側縁部対応領域の下側部分にそれぞれ相当しており、図13(a)に示す形態の背側外装体12Bでは、胴周り部T及び中間部Lが側縁部対応領域に、及び胴周り部Tの下端部及び中間部Lが側縁部対応領域の下側部分にそれぞれ相当している。また、図12〜図14中の点模様部分はホットメルト接着剤を示している。
他方、前述のように、本発明では折り返し及び展開構造により、脚開口部の縁Leが側縁部に向かって斜め上向きとなるものであるから、敢えて脚周りに沿うように脚開口部の縁Leを切断せずに、つまり、折り返し部分12Wを展開した状態では腹側外装体12F及び背側外装体12Bの形状が長方形となるように構成しても脚周りに沿うようになり、しかもこの場合、後述する製造方法からも分かるように、外装体12F,12Bの製造におけるトリムロスを完全に無くすことが可能となる。
中間部弾性伸縮部材16及び斜め弾性伸縮部材19としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜40mm、特に5〜20mmの間隔で2〜10本程度、それぞれ伸長率150〜300%、特に180〜260%で固定するのが好ましい。
なお、図示のように、ウエスト下部弾性伸縮部材15,18、中間部弾性伸縮部材16及び斜め弾性伸縮部材19が、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けられていると、内装体200が幅方向に必要以上に収縮することがなく、モコモコと見た目が悪かったり吸収性が低下したりすることがない。この形態には、幅方向両側にのみ弾性伸縮部材が存在する形態の他、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで弾性伸縮部材が存在しているが、内装体200と重なる幅方向中央部では弾性伸縮部材が細かく切断され、収縮力が作用せず(実質的には、弾性伸縮部材を設けないことに等しい)に、その幅方向両側のみが収縮力作用部分として構成されている形態も含まれる。もちろん、ウエスト下部弾性伸縮部材15,18、中間部弾性伸縮部材16及び斜め弾性伸縮部材19の配設形態は上記例に限るものではなく、ウエスト下部Uの幅方向全体にわたり伸縮力が作用するように、ウエスト下部弾性伸縮部材15,18、中間部弾性伸縮部材16及び斜め弾性伸縮部材19の一部または全部を、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで設けることもできる。
内装体200における内装体接合部12Zよりもウエスト側の部分を移動部分とするために、第1の形態では、図5に示すように、内装体200における内装体接合部12Zよりもウエスト側の部分全体が背側外装体12Bを含め他の部材に固定されていない。よって、図示形態のように、内装体200がウエスト縁部W側まで延びていると、内装体200における内装体接合部12Zよりもウエスト側の部分が不必要に又は過度に動いて装着感の悪化や漏れにつながるおそれがある。そこで、第1の形態では、図1及び図4に示すように、背側外装体12Bにおける内装体接合部12Zよりウエスト側に、内装体200上を幅方向に横切って延在し、内装体200の移動部分の幅方向両側に位置する部分がホットメルト接着剤等により背側外装体12Bに固定されるとともに、内装体200の移動部分上を通る部分が非固定とされた押えベルト70を備えている。押えベルト70の背側外装体12Bに対する固定部分は符号71により示されている。このような押えベルト70を備えることにより、内装体200の移動部分を不必要に又は過度に動かないよう押えつけることができ、それによって、移動部分の曲がりや捲れ等、意図しない変形を防止することができる。
押えベルト70は、不織布等からなる非伸縮シート等の素材で形成しても良いが、幅方向に伸縮可能であると、内装体200の移動部分を前後方向には移動可能としつつ幅方向には移動しない又は捲れないように押さえることができる。このため、図示形態の押えベルト70は、不織布等からなる二枚のシート材72,73を貼り合わせる(二つ折りやC折りにより二層構造としても良い)とともに、層間に細長状弾性伸縮部材74を幅方向に沿って伸長状態で固定したものを採用しているが、ゴムシートや伸縮不織布等の素材自体が弾性伸縮するものを用いることもできる。
図12等に示すように、腹側外装シート及び背側外装シートの両方を股間側に伸長可能な構造とする場合には、押えベルト70を腹側外装シート及び背側外装シートの両方に設けることができる。
<第1の形態の製造方法例>
図16及び図17は、第1の形態のパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法の一例を示している。この製造ラインは、おむつ幅方向がMD方向(マシンディレクション、ライン流れ方向)となる横流れ形態となっており、ここで腹側外装体12Fとなる腹側伸縮帯12f及び背側外装体12Bとなる背側伸縮帯12bが形成されるとともに、別のラインで製造された内装体200が腹側伸縮帯12f及び背側伸縮帯12bに取り付けられる。なお、説明を判り易くするために、製造過程で連続している部材についても、製造後の部材と同じ符号を用いている。
より詳細に説明すると、この製造ラインは、弾性部材取付工程301、弾性部材切断工程302、センタースリット工程303、折り返し工程304、内装体取付工程305、押えベルト取付工程306、折り畳み工程307、及び側部接合工程308、切り離し工程309を有しており、このうち特に折り返し工程304が従来と比べて特徴的な工程となっている。
すなわち、弾性部材取付工程301では、所定幅の帯状のシート材12Hをその連続方向に沿って搬送しつつ、このシート材12HにおけるCD方向に間隔を空けてほぼ全体にわたり、糸ゴム等の細長状弾性部材15〜19をMD方向に伸張した状態で固定するとともに、その上面に更に所定幅の帯状のシート材12Sをその連続方向に沿って供給し貼り合わせ、伸縮帯を形成する。図示例では、二枚のシート材12S,12Hを貼り合わせて弾性伸縮部材15〜19を挟持する形態を想定しているが、一枚のシート材を二つ折り又はC折りして弾性伸縮部材を挟持することもできる。
次いで、形成した伸縮帯に対して、必要に応じて弾性部材切断工程302を行い、MD方向に所定の間隔を空けて、後に内装体200と重なる部分CTに位置する弾性伸縮部材15,16,18,19をヒートエンボス等の切断装置により切断し、当該部分CTにおいて弾性伸縮部材15,16,18,19の伸縮力が作用しない状態とする。
次に、外装体12F,12B切断分割工程303において、スリッターにより、伸縮体におけるCD方向中間の所定部位SLをMD方向に沿って切断し、腹側伸縮帯12f及び背側伸縮帯12bに分割し、腹側伸縮帯12f及び背側伸縮帯12bの間隔を所定距離まで拡大する。このスリット後において、必要に応じて腹側伸縮帯12f及び背側伸縮帯12bの少なくとも一方のCD方向中央側端縁(脚開口部の縁Leとなる部分)を曲線状に切り落とすこともできるが、トリムロスを完全になくす場合にはこのような切除は行わない。それでも後述するように脚開口部の縁Leを斜め方向に沿う形状にすることができる。また、図示例では腹側伸縮帯12f及び背側伸縮帯12bを一体的な伸縮帯として形成した後、切断分割工程303で別々に分割しているが、腹側伸縮帯12f及び背側伸縮帯12bを別々のシート材を用いて形成することで、切断分割工程304を省略することも可能であり、その際にも二枚のシート材を貼り合わせて弾性伸縮部材を挟持する他、一枚のシート材を二つ折り又はC折りして弾性伸縮部材を挟持することもできる。
次いで、折り返し工程304では、腹側伸縮帯12f及び背側伸縮帯12bをCD方向に間隔を空けて平行に移送しつつ、背側伸縮帯12bにおける腹側伸縮帯12f側の縁側部分を、CD方向に一回又はジグザグに複数回折り返して固定して折り返し部分12Wを形成する。折り返し部分12Wの固定部12kは、ホットメルト接着剤やヒートシール等の適宜の接合手段により形成することができる。図示しないが、本発明の折り返し部分12Wを腹側にも設ける場合には、腹側伸縮帯12fにおける背側伸縮帯12b側の縁側部分も同様に、CD方向に一回又はジグザグに複数回折り返して固定して折り返し部分を形成する。
しかる後、内装体取付工程305では、予め別ラインで製造しておいた内装体200をMD方向に所定の間隔を空けて供給し、内装体200の前側の部分を腹側伸縮帯12fに接合するとともに、内装体200の後側の部分は背側伸縮帯12bにおける腹側伸縮体側の縁部にのみ接合して内装体接合部12Zを形成して、内装組み付け体を形成する。これらの接合及び固定はホットメルト接着剤やヒートシール等の適宜手段により行うことができる。
次いで、押えベルト取付工程306では、別途形成した連続帯状の押えベルト70がMD方向に沿って内装体200上を横切るように供給され、MD方向に間欠的に内装体200間の部位で背側外装体12Bに固定する。この固定部分71はホットメルト接着剤やヒートシール等の適宜手段により形成することができる。押えベルト取付工程306は省略することができる。
そして、折り畳み工程307において、腹側伸縮帯12fにおける内装体200の取り付け面と、背側伸縮帯12bにおける内装体200の取り付け面とが重なるように、内装組み付け体がCD方向中央で折り畳まれた後、側部接合工程308において、個々のおむつの両側部となる部分において腹側伸縮帯12f及び背側伸縮帯12bが接合されてサイドシール部12Aが形成され、切り離し工程309において、腹側伸縮帯12f及び背側伸縮帯12bを個々のおむつの境界において切断されて、個々のおむつDPが得られる。側部接合工程308及び切り離し工程309は同時的に行うことができる。
このような製造方法によれば、背側外装体12Bの伸長工程無くして、前述の第1の形態と同様の使い捨ておむつDPを製造することができる。また、揺動装置を用いなくても、少なくとも装着状態では斜め方向となる斜め弾性伸縮部材19を設けることができる。しかも、脚開口部の切断は要しないものであり、外装体12F,12Bの製造におけるトリムロスが完全に無いものとなる。
<パンツタイプ使い捨ておむつの第2の形態>
第2の形態は、第1の形態における折り返し部分12Wによる伸長構造に代えて、特許文献3記載の伸長構造を応用したものである。すなわち、図18〜図22に示すように、腹側外装体12F及び背側外装体12Bにおける内装体接合部12Zよりもウエスト側に、幅方向中央の一方側から他方側にかけて幅方向に延びるスリット又は細長状開口からなる離間部80が設けられており、図19に示す状態から図20に示すように、この離間部80よりも股間側の部分がウエスト側の部分に対して股間側に離間する変形により、内装体接合部12Zよりもウエスト側の前後方向長さが股間側に伸長可能とされているものである。また、離間部80の股間側には、幅方向に沿って伸長状態で固定され且つ装着時に斜め方向となる細長状の斜め弾性伸縮部材19が設けられている。離間部80は内装体200の幅よりも広い方が好ましいが、狭くても良い。
外装体12F,12Bの伸長構造がこのような離間部80により構成されていると、装着時に外装体12F,12Bにおける内装体200より側方に位置する脚開口部の縁Leが側縁部に向かって斜め上向きとなるのはもちろん、その縁に沿って斜め弾性伸縮部材19の収縮力が作用するため、脚開口部の縁Leが装着者の臀部の周囲や鼠蹊部に沿って緩みなく良好にフィットするようになる。また、スリット等を設けるだけの非常に簡素な構造であり、資材コストの増加が無く、製造も容易である。
第2の形態は、内装体200の内装体接合部12Zよりウエスト側の部分が股間側に移動可能とされている点以外は、基本的に特許文献3記載のものと同様であり、離間部80についての寸法、形状、変形例等の詳細は特許文献3記載の離間部と同様であるため、敢えて説明を省略する。また、第2の形態では、後述の第4の形態の内装体移動防止構造を採用しており、内装体200の長さが短くなっているが、第3の形態においても、内装体200の長さを第1の形態と同様とすることができる。
<第2の形態の製造方法>
図23及び図24は、第2の形態のパンツタイプ使い捨ておむつの製造フローを示しており、前述の第1の形態の製造方法における折り返し工程304に代えて、スリッター装置等によりMD方向に間欠的に離間部80を形成する離間部形成工程310を有し、内装体取付工程305において、腹側外装体12F及び背側外装体12Bに対して離間部80よりもCD方向中央側に内装体200を接合して内装体接合部12Zを形成する点で異なるものである。その他は、第1の製造方法と同様であるため、敢えて説明を省略する。
<パンツタイプ使い捨ておむつの第3の形態>
第3の形態は、第1の形態における折り返し部分12Wによる伸長構造に代えて、特許文献4記載の伸長構造を応用したものである。すなわち、図25〜図30に示すように、背側及び腹側外装体12Fが、少なくとも前後方向に伸長性を有するものとされることにより、内装体接合部12Zよりもウエスト側の前後方向長さが股間側に伸長可能とされているものである。
外装体12F,12Bの伸長構造がこのような伸長性素材により構成されていると、装着時に外装体12F,12Bにおける内装体200より側方に位置する脚開口部の縁Leが側縁部に向かって斜め上向きとなるのはもちろん、脚開口部の縁Leが装着者の臀部の周囲や鼠蹊部に沿って良好にフィットするようになる。また、シート材12S,12Hの変更だけで実現可能である。さらに、外装体12F,12Bが前後方向に弾性伸縮性を有する構造であると、斜め方向の脚開口部の縁Leに沿って収縮力が作用するため、脚開口部の縁Leが装着者の臀部の周囲や鼠蹊部に沿って緩みなくフィットするようになる。
なお、第3の形態の伸長構造は、第1の形態や第2の形態と組み合わせて採用することもできる。
第3の形態は、内装体200の内装体接合部12Zよりウエスト側の部分が股間側に移動可能とされている点以外は、基本的に特許文献4記載のものと同様であり、素材や変形例等の詳細は特許文献4記載のものと同様であるため、敢えて説明を省略する。また、第3の形態では、後述の第4の形態の内装体移動防止構造を採用しており、内装体200の長さが短くなっているが、第3の形態においても、内装体200の長さを第1の形態と同様とすることができる。
<第3の形態の製造方法>
図23及び図31は、第3の形態のパンツタイプ使い捨ておむつの製造フローを示しており、前述の第1の形態における折り返し工程304を省略し、弾性部材取付工程301において帯状のシート材12H,12Sとして、少なくともCD方向の伸長性を有する素材を供給する点、及び内装体取付工程305において、腹側外装体12FのCD方向中央側の縁部から背側外装体12BのCD方向中央側の縁部までの短い内装体を接合して内装体接合部12Zを形成する点で異なるものである。その他は、第1の製造方法と同様であるため、敢えて説明を省略する。シート材12H,12Sとして伸長性を有する素材を供給するのに代えて、ネット状の弾性伸縮部材を供給し、MD方向及びCD方向に伸長した状態でシート材12H,12S間に挟持させることもできる。
<パンツタイプ使い捨ておむつの第4の形態>
第1の形態では、内装体200の移動部分を押えベルト70により押える構成としたが、これに代えて、第2の形態の背側や第3の形態の背側及び腹側の両方のように、伸長構造を有する外装体12F,12B側では内装体200を外装体12F,12Bの股間側縁部までしか延在させない形態も提案される。このように、内装体接合部12Z以外の移動部分を短くすることによっても、移動部分の曲がりや捲れ等、意図しない変形を防止することができる。特に、内装体200の背側外装体12B側の長さが短い構造は、幼児用トイレトレーニングパンツや男性用失禁パンツ等のように、背側の吸収性能があまり要求されない製品に好適である。
<パンツタイプ使い捨ておむつの第5の形態>
第1の形態では、内装体200の移動部分を押えベルト70により押える構成としたが、これに代えて、図32に示すように、押えベルト70と同様の構造の連結ベルト90を内装体200のウエスト側端部を幅方向に横切って延在させ、その内装体200の移動部分の幅方向両側に位置する部分(好ましくは両端部)を背側外装体12Bにホットメルト接着剤等により固定するとともに、内装体200の移動部分のウエスト側端部をこの連結ベルト90にホットメルト接着剤等により連結する形態も提案される。連結ベルト90の背側外装体12Bに対する固定部分は符号91により、また内装体200に対する固定部分は符号95により示されている。また符号95は弾性伸縮部材を示している。図示形態の連結ベルト90は、内装体200上を通して設けているが、内装体200の移動部分と外装体12F,12Bとの間を通すようにしても良い。
このような連結ベルト90を備えると、装着状態では図33に示すように、内装体200の移動部分の股間側への移動に伴い連結ベルト90が下方に撓むが、幅方向の移動は連結ベルト90の緩みや撓みにより許容される範囲内で略中央に制限されるため、内装体200の移動部分が不必要に又は過度に動かないようにすることができ、それによって、内装体200の移動部分の曲がりや捲れ等、意図しない変形を防止することができる。
なお、第5の形態の連結ベルト90は、第1の形態等の押えベルト70と組み合わせて採用することもできる。また、図示形態は第1の形態の伸縮構造への応用を想定しているが、第2の形態や第3の形態の伸縮構造への応用も可能である。
<パンツタイプ使い捨ておむつの第6の形態>
第1の形態では、内装体200の移動部分を押えベルト70により押える構成としたが、これに代えて、図34及び図35に示すように、背側外装体12Bのウエスト縁部Wの内面から突出するウエストフラップ100を形成するとともに、内装体200の移動部分をこのウエストフラップ100まで延在させてこのウエストフラップ100にホットメルト接着剤等により連結する形態も提案される。ウエストフラップ100の内装体200に対する固定部分は符号101により示されている。ウエストフラップ100は、図示形態では、背側外装体12Bを構成する外側シート材12Sをウエスト縁部Wにおいておむつ内側に折り返し、この折り返した部分を非固定とすることにより形成しているが、専用のシート材12S,12Hを貼り付けて形成することもできる。
このように内装体200の移動部分の端部を背側外装体12Bのウエスト縁部Wの内面から突出するウエストフラップ100に連結すると、装着状態では図36に示すように、内装体200の移動部分の股間側への移動に伴い背側外装体12Bが内側に捲れつつウエストフラップ100が下方に撓むが、幅方向の移動はウエストフラップ100の緩みや撓みにより許容される範囲内で略中央に制限されるため、内装体200の移動部分が不必要に又は過度に動かないようにすることができ、それによって、内装体200の移動部分の曲がりや捲れ等、意図しない変形を防止することができる。さらに、腹側外装体12Fが伸長可能とされている場合は、内装体200の移動部分の股間側への移動に伴いウエストフラップ100の腹側部分の幅方向中央が内側に捲れつつ下方に撓んだ形状が、特に乳幼児の張り出した腹部の下側に沿うカーブを成すため、特に腹側の着用感がすっきりしたものとなる。
なお、第6の形態は、第1の形態等の押えベルト70や第5の形態の連結ベルト90と組み合わせて採用することもできる。また、図示形態は第1の形態の伸縮構造への応用を想定しているが、第2の形態や第3の形態の伸縮構造への応用も可能である。
<パンツタイプ使い捨ておむつの第7の形態>
第1の形態では、内装体200の移動部分を押えベルト70により押える構成としたが、これに代えて又はこれととともに、図37及び図38に示すように、股間側に伸長可能な背側外装体12Bにおける移動部分と重なる部位に、股間方向へのズレ止め作用が他の方向へのズレ止め作用よりも弱いズレ止め110が設けられている形態も提案される。
このようなズレ止め110としては、例えば、ピンが股間部側に傾いたメカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(雄材)を用いることができる。このようなズレ止め110を備えることにより、背側外装体12Bの伸長を可能としながらも、内装体200の移動部分を不必要に又は過度に動かないよう押えつけることができ、それによって、内装体200の移動部分の曲がりや捲れ等、意図しない変形を防止することができる。
なお、第7の形態は、第1の形態等の押えベルト70や第5の形態の連結ベルト90、第6の形態の自由縁部と組み合わせて採用することもできる。また、図示形態は第1の形態の伸縮構造への応用を想定しているが、第2の形態や第3の形態の伸縮構造への応用も可能である。
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後(縦)方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向」とはおむつの装着状態、すなわちおむつの前身頃両側部と後身頃量側部を重ね合わせるようにおむつを股間部で2つに折った際に胴周り方向と直交する方向、換言すればウエスト開口部側と股間部側とを結ぶ方向を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿(尿素:20wt%、食塩:8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.3wt%、酸化マグネシウム七水和物:0.8wt%、純水:70.01wt%)49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter−MAX ME−500)でゲル強度を測定する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、20倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:10gf/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
本発明は、パンツタイプ使い捨ておむつにおいて利用可能なものである。
L…中間部、Le…脚開口部の縁、T…胴周り部、U…ウエスト下部、W…ウエスト縁部、11…液不透過性シート、12A…サイドシール部、12B…背側外装体、12F,12B…外装体、12F…腹側外装体、12H…内側シート材、12M…股間部カバーシート、12S,12H…シート材、12S…外側シート材、12W…折り返し部分、12Z…内装体接合部、12b…背側伸縮帯、12c…CD方向中間の部分、12d…離間部分、12e…縁部シート材、12f…腹側伸縮帯、12w…重なり部分、15〜19…細長状弾性伸縮部材、16…中間部弾性伸縮部材、17…ウエスト縁部弾性伸縮部材、19…斜め弾性伸縮部材、30…トップシート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…立体ギャザー、62…ギャザーシート、70…押えベルト、80…離間部、90…連結ベルト、100…ウエストフラップ、110…ズレ止め、200…内装体、301…弾性部材取付工程、302…弾性部材切断工程、303…センタースリット工程、304…折り返し工程、305…内装体取付工程、306…押えベルト取付工程、307…折り畳み工程、308…側部接合工程、309…切り離し工程、310…離間部形成工程。
本発明は、パンツタイプ使い捨ておむつに関するものである。
パンツタイプ使い捨ておむつの一形態として、腹側外装体の両側部と、背側外装体の両側部とが接合されて筒状に形成された外装体と、腹側外装体内面の幅方向中央部から背側外装体内面の幅方向中央部までにわたり設けられた、排泄物を吸収する内装体とを備え、腹側外装体と背側外装体とが股間側で連続せずに離間しているものが知られている(例えば特許文献1〜4参照)。このような外装二分割タイプのものは、脚を通すための脚開口部を打ち抜かなくて済む、又は打ち抜くとしても小面積で済むといった利点がある。すなわち、切離し片(以下、トリムともいう)は廃棄処分されるため、その資材の無駄(以下、トリムロスともいう)を抑えることができるという利点を有している。
しかしながら、外装2分割タイプにおいて、トリムロスを完全に無くそうとした場合、脚開口部の縁を鼠蹊部や臀部の周囲に沿った形状とすることができない。よって、脚周りへのフィット性を考慮する場合、外装2分割タイプであってもトリムロスを無くすことはできなかった。
この問題点を解決するものとして、外装体を股間側に伸長可能に構成し、製造時に外装体の幅方向中央部をその両側に対して股間側に伸長(拡幅)することにより、外装体における内装体より側方に位置する脚開口部の縁が側縁部に向かって斜め上向きとなり、脚開口部の縁が装着者の臀部の周囲や鼠蹊部に沿う形状となるものが提案されている(特許文献3,4参照)。
ただし、これら先行技術では、製造に際して外装体の伸長工程が必要となる、という問題点が残されていた。
特表2007−511326号公報 特開2005−279077号公報 特開2010−162277号公報 特開2014−4492号公報
そこで、本発明の主たる課題は、脚周りの縁部のフィット性に優れるものでありながら、外装体の伸長工程を必要とせずに製造可能である、外装二分割タイプのパンツタイプ使い捨ておむつを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
腹側外装体及び背側外装体を別々に有し、前記腹側外装体の側縁部と前記背側外装体の側縁部とが幅方向両側で接合された部分であるサイドシール部と、ウエスト開口部とを備えた、外装体と、
前記腹側外装体の幅方向中央領域から前記背側外装体の幅方向中央領域にかけて、装着者の股間を通るように延在された内装体と、を備えたパンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記腹側外装体及び背側外装体の少なくとも一方側の外装体は、幅方向中央部の股間側の縁部が前記内装体と接合され内装体接合部を有しており、
前記少なくとも一方側の外装体における股間側の端部が前後方向に一回又はジグザグに複数回折り返された折り返し部分となっており、その両側縁部が折り返し状態で固定された非展開部とされ、これら非展開部間が非固定の展開部とされており、
この折り返し部分における最も先端側の折り目より先端側の部分に、前記内装体が接合された前記内装体接合部を有しており、
前記折り返し部分の展開により、前記内装体接合部よりもウエスト側の前後方向長さが股間側に伸長可能とされており、
前記少なくとも一方側の外装体に対して、前記内装体における前記内装体接合部よりウエスト側の部分が股間側に移動可能とされており
前記少なくとも一方側の外装体は、前記内装体接合部よりもウエスト側の前後方向長さを股間側に伸長させていない状態では、幅方向が長手方向となる長方形をなし、かつ前記内装体接合部よりもウエスト側の前後方向長さを股間側に伸長させると、前記内装体より側方に位置する脚開口部の縁が側縁部に向かって斜め上向きとなる、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明では、内装体を外装体に対して相対的に股間側に移動させつつ、外装体の内装体接合部よりもウエスト側の前後方向長さを股間側に伸長させると、外装体における内装体より側方に位置する脚開口部の縁が側縁部に向かって斜め上向きとなり、脚開口部の縁が装着者の臀部の周囲や鼠蹊部に沿う形状となる。このような変形は、製品使用時に手で行う他、おむつをウエストまで引き上げて装着するのに伴って自然に行わしめたり、製造後におむつに加わる力(例えばフィット性を向上させるために弾性伸縮部材を内蔵する場合はその収縮力や、内装体に加わる重力)によって行わしめることができる。よって、少なくとも装着状態では、脚周りの縁部のフィット性に優れるものとなる。また、外装体の伸長工程を必要とせずに製造可能となる。
<請求項2記載の発明>
前記折り返し部分は、その幅方向全体が折り返された状態で幅方向に沿って伸長状態で固定され且つ装着時に斜め方向となる細長状の斜め弾性伸縮部材が設けられている、
請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
外装体の伸長構造がこのような折り返し部分により構成されていると、装着時に外装体における内装体より側方に位置する脚開口部の縁が側縁部に向かって斜め上向きとなるのはもちろん、その縁に沿って斜め弾性伸縮部材の収縮力が作用するため、脚開口部の縁が装着者の臀部の周囲や鼠蹊部に沿って緩みなく良好にフィットするようになる。
<請求項3記載の発明>
前記折り返し部分を有する脚開口部側領域には前記サイドシール部が形成されていない、請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
<請求項4記載の発明>
前記背側外装体は、前記サイドシール部の下端よりも股間側に延び出た中間部を有し、かつ前記腹側外装体は、前記サイドシール部の下端よりも股間側に延び出た中間部を有しておらず、前記背側外装体の前記中間部にのみ前記折り返し部分が設けられている、請求項3記載パンツタイプ使い捨ておむつ。
<請求項5記載の発明>
前記内装体は、前記少なくとも一方側の外装体側においては、前記少なくとも一方側の外装体の股間側縁部までしか延在されていない、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように内装体接合部よりウエスト側の移動部分を短くすることにより、移動部分の曲がりや捲れ等、意図しない変形を防止することができる。特に、内装体の背側外装体側の長さが短い構造は、幼児用トイレトレーニングパンツや男性用失禁パンツ等のように、背側の吸収性能があまり要求されない製品に好適である。
以上のとおり、本発明によれば、脚周りの縁部のフィット性に優れるものでありながら、外装体の伸長工程を必要とせずに製造可能となる、等の利点がもたらされる。
パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の3−3断面図である。 図1の4−4断面図である。 図1の5−5断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの要部のみを寸法とともに示す、断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態の正面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態の背面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態(股間側伸長状態)の正面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態(股間側伸長状態)の背面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつのサンプルの写真である。 各種形態における、図7の6−6線位置及び7−7線位置の断面の概略図である。 各種形態における、図7の6−6線位置及び7−7線位置の断面の概略図である。 各種形態における、図7の6−6線位置及び7−7線位置の断面の概略図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの製造フローを示す平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの製造フローを示す平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態の正面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態の背面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態(股間側伸長状態)の正面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態(股間側伸長状態)の背面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの製造フローを示す平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの製造フローを示す平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態の正面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態の背面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態(股間側伸長状態)の正面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態(股間側伸長状態)の背面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの製造フローを示す平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態(股間側伸長状態)の背面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図34の5−5断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの展開状態(股間側伸長状態)の背面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図37の8−8断面図である。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。
<パンツタイプ使い捨ておむつの第1の形態>
図1〜図10(a)は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつは、腹側外装体12Fの幅方向両側縁と背側外装体12Bの幅方向両側縁とが、縦方向に沿ってヒートシールや超音波溶着等により接合されて筒状の外装体12F,12Bが形成されるとともに、外装体12F,12Bにおける腹側外装体12Fの幅方向中央部内面に内装体200の前端部がホットメルト接着剤等により連結されるとともに、背側外装体12Bの幅方向中央部内面に内装体200の後端部がホットメルト接着剤等により連結されている。符号12Aは腹側外装体12Fと背側外装体12Bとの接合部(サイドシール部)を示している。また、符号Yは展開状態におけるおむつの全長(前身頃Fのウエスト開口部の縁から後身頃Bのウエスト開口部の縁までの縦方向長さ)を示しており、符号Xは展開状態におけるおむつの全幅を示している。
内装体200は、尿等の排泄物等を吸収保持する部分であり、外装体12F,12Bは着用者の身体に対して内装体200を支えるための部分である。なお、図中の点模様部分は各構成部材を接合するホットメルト接着剤を示しているが、対象部材の溶着により接合を行う溶着手段を用いることもできる。ホットメルト接着剤は、ベタ、ビード、カーテン、サミット若しくはスパイラル等のパターンで塗布する他、弾性伸縮部材の固定部分はこれに代えて又はこれとともにコームガンやシュアラップ塗布などの弾性伸縮部材の外周面への塗布を採用することもできる。
外装体12F,12Bの上部開口は、装着者の胴を通すウエスト開口部となり、内装体200の幅方向両側において外装体12F,12Bの下縁および内装体200の側縁によりそれぞれ囲まれる部分が脚を通す脚開口部となる。外装体12F,12Bの各溶着部12Aを剥がして展開した状態では、図1及び図2に示すように前後方向中間が括れた形状をなす。内装体200は、背側から股間部を通り腹側までを覆うように延在するものであり、排泄物を受け止めて液分を吸収し保持する部分であり、外装体12F,12Bは内装体200を装着者に対して支持する部分である。
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となるトップシート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、トップシート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させ、逆戻りを防止するために、トップシート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立する立体ギャザー60を示している。
(トップシート)
トップシート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
立体ギャザー60を設ける場合、トップシート30の両側部は、液不透過性シート11と立体ギャザー60との間を通して、吸収要素50の裏側まで回りこませ、液の浸透を防止するために、液不透過性シート11及び立体ギャザー60に対してホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。
(中間シート)
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、トップシート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材や、スパンレース、スパンボンド、SMS、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.2〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。このほかにも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
液不透過性シート11は、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側を回りこませて吸収要素50のトップシート30側面の両側部まで延在させるのが好ましい。この延在部の幅は、左右それぞれ5〜20mm程度が適当である。
また、液不透過性シート11の内側、特に吸収体56側面に、液分の吸収により色が変化する排泄インジケータを設けることができる。
(立体ギャザー)
立体ギャザー60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態の立体ギャザー60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
より詳細には、立体ギャザー60は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のギャザーシート62を幅方向に折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状弾性伸縮部材63を長手方向に沿って伸長状態で、幅方向に間隔をあけて複数本固定してなるものである。立体ギャザー60のうち先端部と反対側に位置する基端部(幅方向においてシート折り返し部分と反対側の端部)は内装体200の側縁部の裏面に固定された取付部分65とされ、この取付部分65以外の部分は取付部分65から突出する突出部分66(折り返し部分側の部分)とされている。また、突出部分66は、幅方向中央側に向かう付け根側部分と、この付け根側部分の先端から幅方向外側に折り返された先端側部分とからなる。この形態は面接触タイプの立体ギャザーであるが、幅方向外側に折り返されない線接触タイプの立体ギャザー(図示略)も採用することができる。そして、突出部分66のうち前後方向両端部が倒伏状態でトップシート30の側部表面に対してホットメルト接着剤やヒートシールにより固定された前後固定部67とされる一方で、これらの間に位置する前後方向中間部は非固定の自由部分とされ、この自由部分に前後方向に沿う細長状弾性部材63が伸長状態で固定されている。
ギャザーシート62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。細長状弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは470〜1240dtexが好ましく、620〜940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。また、図示のように、二つに折り重ねたギャザーシート62の間に防水フィルム64を介在させることもできる。
立体ギャザー60の自由部分に設けられる細長状弾性伸縮部材63の本数は2〜6本が好ましく、3〜5本がより好ましい。配置間隔60dは3〜10mmが適当である。このように構成すると、細長状弾性伸縮部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。先端側だけでなく付け根側にも細長状弾性伸縮部材63を配置しても良い。
立体ギャザー60の取付部分65の固定対象は、内装体200におけるトップシート30、液不透過性シート11、吸収要素50等適宜の部材とすることができる。
かくして構成された立体ギャザー60では、細長状弾性伸縮部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、突出部分66のうち前後方向両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分とされているため、自由部分のみが図3に示すように身体側に起立する。特に、取付部分65が内装体200の裏面側に位置していると、股間部及びその近傍において立体ギャザー60が幅方向外側に開くように起立するため、立体ギャザー60が脚周りに面で当接するようになり、フィット性が向上するようになる。
立体ギャザー60の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、例えば図6に示すように、立体ギャザー60の起立高さ(展開状態における突出部分66の幅方向長さ)W6は15〜60mm、特に20〜40mmであるのが好ましい。また、立体ギャザー60をトップシート30表面と平行になるように、平坦に折り畳んだ状態において最も内側に位置する折り目間の離間距離W3は60〜190mm、特に70〜140mmであるのが好ましい。
なお、図示形態と異なり、内装体200の左右各側において立体ギャザー60を二重に(二列)設けることもできる。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図1に示すように、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部とを有する形状を成していると、吸収体56自体と立体ギャザー60の、脚周りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体56の寸法は適宜定めることができるが、前後方向及び幅方向において、内装体の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。なお、符号56Xは吸収体56の幅を示している。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下のものが望ましく、また、180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量(JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」)が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度(JIS K7224−1996高吸水性樹脂の吸水速度試験方法)が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。たとえば、液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、且つその前後縁部を吸収体56の前後から食み出させ、この食み出し部分を表裏方向に潰してホットメルト接着剤等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(股間部カバーシート)
内装体200における液不透過性シートの裏面には、内装体200の露出部分の一部(例えば腹側外装体12Fと背側外装体12Bとの間に露出する部分の前後方向全体にわたるが、内装体200の前後端まで延びず、また幅方向両側縁も内装体200の両側縁までは達しない程度)又は全体を覆うように、股間部カバーシート12Mを貼り付けることもできる。股間部カバーシート12Mとしては、後述する外装体12F,12Bに用いられるものと同様の素材を用いることができる。
(外装体)
外装体12F,12Bは、サイドシール部12Aを有する縦方向範囲(ウエスト開口部から脚開口部の上端に至る縦方向範囲)として定まる胴周り部Tと、脚開口部を形成する部分の前後方向範囲(腹側外装体12Fのサイドシール部12Aを有する縦方向領域と背側外装体12Bのサイドシール部12Aを有する縦方向領域との間)として定まる中間部Lとを有する。胴周り部Tは、概念的にウエスト開口部の縁部を形成する「ウエスト縁部」Wと、これよりも下側の部分である「ウエスト下部」Uとに分けることができる。これらの縦方向の長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト縁部Wは15〜40mm、ウエスト下部Uは65〜120mmとすることができる。一方、中間部Lは省略することもでき、また腹側外装体12F及び背側外装体12Bの両方に設けることもできるが、図示形態では背側外装体12Bにのみ中間部Lを設け、臀部をカバーする形態を採用している。中間部Lの脚側の縁Leを脚周りに沿うように曲線状に形成すると、脚周りに対するフィット性が良好となる。
外装体12F,12Bは、腹側外装体12F及び背側外装体12Bからなり、腹側外装体12F及び背側外装体12Bは脚側で連続しておらず、離間されている。この離間距離L8は150〜250mm程度とすることができる。
外装体12、13は、図3〜図5に示されるように、外装体12,13を構成するシート材12S,12Hをからなる内側層及び外側層をホットメルト接着剤等の接着剤により貼り合わせて形成されており、図示形態では、背側外装体12Bは一枚のシート材12Sをウエスト側で折り返して内側層及び外側層が形成され、腹側外装体12Fは内側に位置する内側シート材12Hはウエスト開口部の縁までしか延在していないが、外側シート材12Sは内側シート材12Hのウエスト側の縁を回り込んでその内側に折り返されており、この折り返し部分12Wが内装体200のウエスト側端部上までを被覆するように延在されている。もちろん、腹側外装体12Fを背側外装体12Bと同様に一枚のシート材12Sを折り返して形成しても良く、反対に背側外装体12Bを腹側外装体12Fと同様に外側シート材12S及び内側シート材12Hを貼り合わせて形成しても良く、腹側外装体12Fのシート構造と背側外装体12Bのシート構造とを反対にしても良い。
シート材12S,12Hとしては、シート状のものであれば特に限定無く使用できるが、不織布であるのが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、その目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。
腹側外装体12F及び背側外装体12Bには、図2及び図5にも示されるように、シート材12S,12Hからなる内側層及び外側層間に、胴周りに対するフィット性を高めるための糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材15〜19が所定の伸長率で設けられている。
細長状弾性伸縮部材15〜19としては、合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。外装体12F,12Bの両シート材12S,12Hの貼り合せや、その間に挟まれる細長状弾性伸縮部材15〜19の固定には種々の塗布方法によるホットメルト接着またはヒートシールや超音波接着を用いることができる。
細長状弾性伸縮部材15〜19を用いる場合、同じ弾性伸縮部材を一様に設けることもできるが、外装体12F,12Bの位置に応じて太さや間隔等を異ならしめることが好ましい。このため図示形態では、ウエスト縁部Wには、幅方向全体にわたり連続するように、複数のウエスト縁部弾性伸縮部材17が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。ウエスト縁部弾性伸縮部材17のうち、ウエスト下部Uに隣接する領域に配設される1本または複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部より側方に、幅方向に連続するように設けてもよい。このウエスト縁部弾性伸縮部材17としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、4〜12mmの間隔で3〜22本程度、それぞれ伸長率150〜400%、特に220〜320%程度で固定するのが好ましい。また、ウエスト縁部弾性伸縮部材17は、その全てが同じ太さと伸長率にする必要はなく、例えばウエスト縁部Wの上部と下部で弾性伸縮部材の太さと伸長率が異なるようにしてもよい。
また、ウエスト下部Uには、内装体200の上側および内装体200と重なる幅方向中央部より側方に、幅方向に連続する細長状弾性伸縮部材からなるウエスト下部弾性伸縮部材15,18が複数本、上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。
ウエスト下部弾性伸縮部材15,18としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、1〜15mm、特に3〜8mmの間隔で5〜30本程度、それぞれ伸長率200〜350%、特に240〜300%程度で固定するのが好ましい。
(伸長構造)
特徴的には、背側外装体12Bは、幅方向中央部の股間側の縁部が内装体200と接合されて内装体接合部12Zが形成されるとともに、この内装体接合部12Zよりもウエスト側の前後方向長さが股間側に伸長可能とされており、背側外装体12Bに対して内装体200の内装体接合部12Zよりウエスト側の部分が股間側に移動可能とされている。
内装体接合部12Zよりもウエスト側の前後方向長さが股間側に伸長可能となる構造(外装体の伸長構造)は、特に限定されないが、第1の形態では、図12(a)にも示すように、背側外装体12Bにおける股間側の部分が前後方向に一回又はジグザグに複数回折り返され、その両側縁部が折り返し状態でホットメルト接着剤等により固定された非展開部12kとされ、これら非展開部12k、12k間が非固定の展開部とされて折り返し部分12Wが形成されており、この折り返し部分12Wにおける最も先端側の折り目より先端側の部分に、内装体200がホットメルト接着剤等により接合されて内装体接合部12Zが形成されており、折り返し部分12Wの展開により、内装体接合部12Zよりもウエスト側の前後方向長さが股間側に伸長可能とされている。また、第1の形態では、折り返し部分12Wには、その幅方向全体が折り返された状態で幅方向に沿って伸長状態で固定され且つ装着時に斜め方向となる細長状の斜め弾性伸縮部材19が設けられている。この斜め弾性伸縮部材19は、内装体200と重なる幅方向中央部より側方に設けられており、折り返し部分12Wの非展開状態では幅方向に沿うようになる。さらに図示形態では、中間部Lにおける上側部分には、内装体200と重なる幅方向中央部より側方に、幅方向に連続する細長状弾性伸縮部材からなる中間部弾性伸縮部材16が複数本、上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。
本第1の形態では、図7及び図8に示す非伸長状態から図9及び図10に示すように、及び図12(a)二点鎖線で示すように、内装体200を背側外装体12Bに対して相対的に股間側に移動させつつ、折り返し部分12Wを幅方向中央側ほど股間側へ展開させて、背側外装体12Bの内装体接合部12Zよりもウエスト側の前後方向長さを股間側に伸長させると、背側外装体12Bにおける内装体200より側方に位置する脚開口部の縁Leが側縁部に向かって斜め上向きとなり、脚開口部の縁Leが装着者の臀部の周囲に沿う形状となる。このような変形は、製品使用時に手で行う他、おむつをウエストまで引き上げて装着するのに伴って自然に行わしめたり、製造後におむつに加わる力(例えばフィット性を向上させるために弾性伸縮部材を内蔵する場合はその収縮力や、内装体200に加わる重力)によって行わしめることができる。よって、少なくとも装着状態では、脚周りの縁部のフィット性に優れるものとなる。また、第1の形態では、装着時に背側外装体12Bにおける内装体200より側方に位置する脚開口部の縁Leが側縁部に向かって斜め上向きとなるのはもちろん、その縁に沿って斜め弾性伸縮部材19の収縮力が作用するため、脚開口部の縁Leが装着者の臀部の周囲や鼠蹊部に沿って緩みなく良好にフィットするようになる。この斜め弾性伸縮部材19は省略することもできる。
図9(a)は、図1〜図8及び図12(a)示す形態において内装体200を股間側に移動した状態で背側外装体12Bに固定したサンプル品をダミー人形に装着した状態の写真であり、図9(b)は折り返し及び展開構造並びに斜め弾性伸縮部材19を有しない外装二分割構造の市販品をダミー人形に装着した状態の写真である。これらの対比からも分かるように、本発明に係るサンプルは、市販品と比べて、背側外装体12Bにおける脚開口部の縁Leが臀部の膨らみに対して良好にフィットし、臀部を良好にカバーできるものである。
折り返し部分12Wは、図12(a)に示すように背側外装体12Bにのみ設ける他、図12(b)、図13及び図14に示すように、腹側外装体12F及び背側外装体12Bの両方に設けることも、また、図示しないが、腹側外装体12Fにのみ設けることもできる。
折り返し部分12Wの折り返し方向は、図12、図13、図14(b)に示す形態のように、おむつの内側とする他、図14(a)に示すようにおむつの外側とすることもできる。前者のように、おむつの内側に折り返し部分12Wが形成されていると、折り返し部分12Wが展開されていく部分は肌から浮き難く、肌にしっかりとフィットするようになる。特に、折り返し部分12Wを背側外装体12Bに形成した場合は、折り返し部分12Wが展開されていく部分は臀部の丸みを覆うような立体的な形状となる。一方、後者のように、おむつの外側に折り返し部分12Wが形成されていると、折り返し部分12Wが展開されていく部分は肌に対して弱い力で優しくフィットするようになる。
折り返し部分12Wの折り返し回数は適宜定めることができるが、図12、図13(b)〜図14に示すように、折り返し部分12Wを背側外装体12Bに設ける場合、折り返し回数を偶数とすると、折り返し部分12Wが展開されていく部分が広くなるため、臀部をより広く覆うことができる。この効果は、特に折り返し部分12Wの折り返し方向がおむつ内側である場合に顕著となる。
また、図12(b)、図13(a)及び図14に示すように、折り返し部分12Wを腹側外装体12Fに設ける場合、折り返し回数を奇数とすると、脚開口部の縁Leが体の表面の谷間に向かって体の丸みに対して巻き込むように入り込んでいくため、鼠蹊部に対するフィット性が良好となる。この効果は、特に折り返し部分12Wの折り返し方向がおむつ内側である場合に顕著となる。
図12(b)〜図14(a)に示す形態のように、サイドシール部12Aは折り返し部分12Wを含めて形成することもできるが、サイドシール部12Aを溶着により形成する場合、サイドシール部12Aにおけるシートの重なり枚数が局所的に多くなると接合強度にバラツキを生じ、生産性が低下するおそれがある。よって、折り返し部分12Wは、図12(a)、図14(b)及び図14に示すように、折り返し部分12Wを有する脚開口部側領域にはサイドシール部12Aを形成しないことが好ましい。これにより、サイドシール部12Aの接合が安定化し、生産性の低下を防止できるようになる。
なお、図12〜図14中の点線はサイドシール部12Aの下端を示しており、例えば、図12(a)に示す形態の背側外装体12Bでは、胴周り部T及び中間部Lが本発明の側縁部対応領域に、及び中間部Lが本発明の側縁部対応領域の下側部分(脚側部分)にそれぞれ相当しており、図12(b)に示す形態の腹側外装体12Fでは、胴周り部Tが本発明の側縁部対応領域に、及び胴周り部Tの下側部分(脚側部分)が本発明の側縁部対応領域の下側部分にそれぞれ相当しており、図13(a)に示す形態の背側外装体12Bでは、胴周り部T及び中間部Lが側縁部対応領域に、及び胴周り部Tの下端部及び中間部Lが側縁部対応領域の下側部分にそれぞれ相当している。また、図12〜図14中の点模様部分はホットメルト接着剤を示している。
他方、前述のように、本発明では折り返し及び展開構造により、脚開口部の縁Leが側縁部に向かって斜め上向きとなるものであるから、敢えて脚周りに沿うように脚開口部の縁Leを切断せずに、つまり、折り返し部分12Wを展開した状態では腹側外装体12F及び背側外装体12Bの形状が長方形となるように構成しても脚周りに沿うようになり、しかもこの場合、後述する製造方法からも分かるように、外装体12F,12Bの製造におけるトリムロスを完全に無くすことが可能となる。
中間部弾性伸縮部材16及び斜め弾性伸縮部材19としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜40mm、特に5〜20mmの間隔で2〜10本程度、それぞれ伸長率150〜300%、特に180〜260%で固定するのが好ましい。
なお、図示のように、ウエスト下部弾性伸縮部材15,18、中間部弾性伸縮部材16及び斜め弾性伸縮部材19が、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けられていると、内装体200が幅方向に必要以上に収縮することがなく、モコモコと見た目が悪かったり吸収性が低下したりすることがない。この形態には、幅方向両側にのみ弾性伸縮部材が存在する形態の他、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで弾性伸縮部材が存在しているが、内装体200と重なる幅方向中央部では弾性伸縮部材が細かく切断され、収縮力が作用せず(実質的には、弾性伸縮部材を設けないことに等しい)に、その幅方向両側のみが収縮力作用部分として構成されている形態も含まれる。もちろん、ウエスト下部弾性伸縮部材15,18、中間部弾性伸縮部材16及び斜め弾性伸縮部材19の配設形態は上記例に限るものではなく、ウエスト下部Uの幅方向全体にわたり伸縮力が作用するように、ウエスト下部弾性伸縮部材15,18、中間部弾性伸縮部材16及び斜め弾性伸縮部材19の一部または全部を、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで設けることもできる。
内装体200における内装体接合部12Zよりもウエスト側の部分を移動部分とするために、第1の形態では、図5に示すように、内装体200における内装体接合部12Zよりもウエスト側の部分全体が背側外装体12Bを含め他の部材に固定されていない。よって、図示形態のように、内装体200がウエスト縁部W側まで延びていると、内装体200における内装体接合部12Zよりもウエスト側の部分が不必要に又は過度に動いて装着感の悪化や漏れにつながるおそれがある。そこで、第1の形態では、図1及び図4に示すように、背側外装体12Bにおける内装体接合部12Zよりウエスト側に、内装体200上を幅方向に横切って延在し、内装体200の移動部分の幅方向両側に位置する部分がホットメルト接着剤等により背側外装体12Bに固定されるとともに、内装体200の移動部分上を通る部分が非固定とされた押えベルト70を備えている。押えベルト70の背側外装体12Bに対する固定部分は符号71により示されている。このような押えベルト70を備えることにより、内装体200の移動部分を不必要に又は過度に動かないよう押えつけることができ、それによって、移動部分の曲がりや捲れ等、意図しない変形を防止することができる。
押えベルト70は、不織布等からなる非伸縮シート等の素材で形成しても良いが、幅方向に伸縮可能であると、内装体200の移動部分を前後方向には移動可能としつつ幅方向には移動しない又は捲れないように押さえることができる。このため、図示形態の押えベルト70は、不織布等からなる二枚のシート材72,73を貼り合わせる(二つ折りやC折りにより二層構造としても良い)とともに、層間に細長状弾性伸縮部材74を幅方向に沿って伸長状態で固定したものを採用しているが、ゴムシートや伸縮不織布等の素材自体が弾性伸縮するものを用いることもできる。
図12等に示すように、腹側外装シート及び背側外装シートの両方を股間側に伸長可能な構造とする場合には、押えベルト70を腹側外装シート及び背側外装シートの両方に設けることができる。
<第1の形態の製造方法例>
図16及び図17は、第1の形態のパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法の一例を示している。この製造ラインは、おむつ幅方向がMD方向(マシンディレクション、ライン流れ方向)となる横流れ形態となっており、ここで腹側外装体12Fとなる腹側伸縮帯12f及び背側外装体12Bとなる背側伸縮帯12bが形成されるとともに、別のラインで製造された内装体200が腹側伸縮帯12f及び背側伸縮帯12bに取り付けられる。なお、説明を判り易くするために、製造過程で連続している部材についても、製造後の部材と同じ符号を用いている。
より詳細に説明すると、この製造ラインは、弾性部材取付工程301、弾性部材切断工程302、センタースリット工程303、折り返し工程304、内装体取付工程305、押えベルト取付工程306、折り畳み工程307、及び側部接合工程308、切り離し工程309を有しており、このうち特に折り返し工程304が従来と比べて特徴的な工程となっている。
すなわち、弾性部材取付工程301では、所定幅の帯状のシート材12Hをその連続方向に沿って搬送しつつ、このシート材12HにおけるCD方向に間隔を空けてほぼ全体にわたり、糸ゴム等の細長状弾性部材15〜19をMD方向に伸張した状態で固定するとともに、その上面に更に所定幅の帯状のシート材12Sをその連続方向に沿って供給し貼り合わせ、伸縮帯を形成する。図示例では、二枚のシート材12S,12Hを貼り合わせて弾性伸縮部材15〜19を挟持する形態を想定しているが、一枚のシート材を二つ折り又はC折りして弾性伸縮部材を挟持することもできる。
次いで、形成した伸縮帯に対して、必要に応じて弾性部材切断工程302を行い、MD方向に所定の間隔を空けて、後に内装体200と重なる部分CTに位置する弾性伸縮部材15,16,18,19をヒートエンボス等の切断装置により切断し、当該部分CTにおいて弾性伸縮部材15,16,18,19の伸縮力が作用しない状態とする。
次に、外装体12F,12B切断分割工程303において、スリッターにより、伸縮体におけるCD方向中間の所定部位SLをMD方向に沿って切断し、腹側伸縮帯12f及び背側伸縮帯12bに分割し、腹側伸縮帯12f及び背側伸縮帯12bの間隔を所定距離まで拡大する。このスリット後において、必要に応じて腹側伸縮帯12f及び背側伸縮帯12bの少なくとも一方のCD方向中央側端縁(脚開口部の縁Leとなる部分)を曲線状に切り落とすこともできるが、トリムロスを完全になくす場合にはこのような切除は行わない。それでも後述するように脚開口部の縁Leを斜め方向に沿う形状にすることができる。また、図示例では腹側伸縮帯12f及び背側伸縮帯12bを一体的な伸縮帯として形成した後、切断分割工程303で別々に分割しているが、腹側伸縮帯12f及び背側伸縮帯12bを別々のシート材を用いて形成することで、切断分割工程304を省略することも可能であり、その際にも二枚のシート材を貼り合わせて弾性伸縮部材を挟持する他、一枚のシート材を二つ折り又はC折りして弾性伸縮部材を挟持することもできる。
次いで、折り返し工程304では、腹側伸縮帯12f及び背側伸縮帯12bをCD方向に間隔を空けて平行に移送しつつ、背側伸縮帯12bにおける腹側伸縮帯12f側の縁側部分を、CD方向に一回又はジグザグに複数回折り返して固定して折り返し部分12Wを形成する。折り返し部分12Wの固定部12kは、ホットメルト接着剤やヒートシール等の適宜の接合手段により形成することができる。図示しないが、本発明の折り返し部分12Wを腹側にも設ける場合には、腹側伸縮帯12fにおける背側伸縮帯12b側の縁側部分も同様に、CD方向に一回又はジグザグに複数回折り返して固定して折り返し部分を形成する。
しかる後、内装体取付工程305では、予め別ラインで製造しておいた内装体200をMD方向に所定の間隔を空けて供給し、内装体200の前側の部分を腹側伸縮帯12fに接合するとともに、内装体200の後側の部分は背側伸縮帯12bにおける腹側伸縮体側の縁部にのみ接合して内装体接合部12Zを形成して、内装組み付け体を形成する。これらの接合及び固定はホットメルト接着剤やヒートシール等の適宜手段により行うことができる。
次いで、押えベルト取付工程306では、別途形成した連続帯状の押えベルト70がMD方向に沿って内装体200上を横切るように供給され、MD方向に間欠的に内装体200間の部位で背側外装体12Bに固定する。この固定部分71はホットメルト接着剤やヒートシール等の適宜手段により形成することができる。押えベルト取付工程306は省略することができる。
そして、折り畳み工程307において、腹側伸縮帯12fにおける内装体200の取り付け面と、背側伸縮帯12bにおける内装体200の取り付け面とが重なるように、内装組み付け体がCD方向中央で折り畳まれた後、側部接合工程308において、個々のおむつの両側部となる部分において腹側伸縮帯12f及び背側伸縮帯12bが接合されてサイドシール部12Aが形成され、切り離し工程309において、腹側伸縮帯12f及び背側伸縮帯12bを個々のおむつの境界において切断されて、個々のおむつDPが得られる。側部接合工程308及び切り離し工程309は同時的に行うことができる。
このような製造方法によれば、背側外装体12Bの伸長工程無くして、前述の第1の形態と同様の使い捨ておむつDPを製造することができる。また、揺動装置を用いなくても、少なくとも装着状態では斜め方向となる斜め弾性伸縮部材19を設けることができる。しかも、脚開口部の切断は要しないものであり、外装体12F,12Bの製造におけるトリムロスが完全に無いものとなる。
<パンツタイプ使い捨ておむつの第2の形態>
第2の形態は、第1の形態における折り返し部分12Wによる伸長構造に代えて、特許文献3記載の伸長構造を応用したものである。すなわち、図18〜図22に示すように、腹側外装体12F及び背側外装体12Bにおける内装体接合部12Zよりもウエスト側に、幅方向中央の一方側から他方側にかけて幅方向に延びるスリット又は細長状開口からなる離間部80が設けられており、図19に示す状態から図20に示すように、この離間部80よりも股間側の部分がウエスト側の部分に対して股間側に離間する変形により、内装体接合部12Zよりもウエスト側の前後方向長さが股間側に伸長可能とされているものである。また、離間部80の股間側には、幅方向に沿って伸長状態で固定され且つ装着時に斜め方向となる細長状の斜め弾性伸縮部材19が設けられている。離間部80は内装体200の幅よりも広い方が好ましいが、狭くても良い。
外装体12F,12Bの伸長構造がこのような離間部80により構成されていると、装着時に外装体12F,12Bにおける内装体200より側方に位置する脚開口部の縁Leが側縁部に向かって斜め上向きとなるのはもちろん、その縁に沿って斜め弾性伸縮部材19の収縮力が作用するため、脚開口部の縁Leが装着者の臀部の周囲や鼠蹊部に沿って緩みなく良好にフィットするようになる。また、スリット等を設けるだけの非常に簡素な構造であり、資材コストの増加が無く、製造も容易である。
第2の形態は、内装体200の内装体接合部12Zよりウエスト側の部分が股間側に移動可能とされている点以外は、基本的に特許文献3記載のものと同様であり、離間部80についての寸法、形状、変形例等の詳細は特許文献3記載の離間部と同様であるため、敢えて説明を省略する。また、第2の形態では、後述の第4の形態の内装体移動防止構造を採用しており、内装体200の長さが短くなっているが、第3の形態においても、内装体200の長さを第1の形態と同様とすることができる。
<第2の形態の製造方法>
図23及び図24は、第2の形態のパンツタイプ使い捨ておむつの製造フローを示しており、前述の第1の形態の製造方法における折り返し工程304に代えて、スリッター装置等によりMD方向に間欠的に離間部80を形成する離間部形成工程310を有し、内装体取付工程305において、腹側外装体12F及び背側外装体12Bに対して離間部80よりもCD方向中央側に内装体200を接合して内装体接合部12Zを形成する点で異なるものである。その他は、第1の製造方法と同様であるため、敢えて説明を省略する。
<パンツタイプ使い捨ておむつの第3の形態>
第3の形態は、第1の形態における折り返し部分12Wによる伸長構造に代えて、特許文献4記載の伸長構造を応用したものである。すなわち、図25〜図30に示すように、背側及び腹側外装体12Fが、少なくとも前後方向に伸長性を有するものとされることにより、内装体接合部12Zよりもウエスト側の前後方向長さが股間側に伸長可能とされているものである。
外装体12F,12Bの伸長構造がこのような伸長性素材により構成されていると、装着時に外装体12F,12Bにおける内装体200より側方に位置する脚開口部の縁Leが側縁部に向かって斜め上向きとなるのはもちろん、脚開口部の縁Leが装着者の臀部の周囲や鼠蹊部に沿って良好にフィットするようになる。また、シート材12S,12Hの変更だけで実現可能である。さらに、外装体12F,12Bが前後方向に弾性伸縮性を有する構造であると、斜め方向の脚開口部の縁Leに沿って収縮力が作用するため、脚開口部の縁Leが装着者の臀部の周囲や鼠蹊部に沿って緩みなくフィットするようになる。
なお、第3の形態の伸長構造は、第1の形態や第2の形態と組み合わせて採用することもできる。
第3の形態は、内装体200の内装体接合部12Zよりウエスト側の部分が股間側に移動可能とされている点以外は、基本的に特許文献4記載のものと同様であり、素材や変形例等の詳細は特許文献4記載のものと同様であるため、敢えて説明を省略する。また、第3の形態では、後述の第4の形態の内装体移動防止構造を採用しており、内装体200の長さが短くなっているが、第3の形態においても、内装体200の長さを第1の形態と同様とすることができる。
<第3の形態の製造方法>
図23及び図31は、第3の形態のパンツタイプ使い捨ておむつの製造フローを示しており、前述の第1の形態における折り返し工程304を省略し、弾性部材取付工程301において帯状のシート材12H,12Sとして、少なくともCD方向の伸長性を有する素材を供給する点、及び内装体取付工程305において、腹側外装体12FのCD方向中央側の縁部から背側外装体12BのCD方向中央側の縁部までの短い内装体を接合して内装体接合部12Zを形成する点で異なるものである。その他は、第1の製造方法と同様であるため、敢えて説明を省略する。シート材12H,12Sとして伸長性を有する素材を供給するのに代えて、ネット状の弾性伸縮部材を供給し、MD方向及びCD方向に伸長した状態でシート材12H,12S間に挟持させることもできる。
<パンツタイプ使い捨ておむつの第4の形態>
第1の形態では、内装体200の移動部分を押えベルト70により押える構成としたが、これに代えて、第2の形態の背側や第3の形態の背側及び腹側の両方のように、伸長構造を有する外装体12F,12B側では内装体200を外装体12F,12Bの股間側縁部までしか延在させない形態も提案される。このように、内装体接合部12Z以外の移動部分を短くすることによっても、移動部分の曲がりや捲れ等、意図しない変形を防止することができる。特に、内装体200の背側外装体12B側の長さが短い構造は、幼児用トイレトレーニングパンツや男性用失禁パンツ等のように、背側の吸収性能があまり要求されない製品に好適である。
<パンツタイプ使い捨ておむつの第5の形態>
第1の形態では、内装体200の移動部分を押えベルト70により押える構成としたが、これに代えて、図32に示すように、押えベルト70と同様の構造の連結ベルト90を内装体200のウエスト側端部を幅方向に横切って延在させ、その内装体200の移動部分の幅方向両側に位置する部分(好ましくは両端部)を背側外装体12Bにホットメルト接着剤等により固定するとともに、内装体200の移動部分のウエスト側端部をこの連結ベルト90にホットメルト接着剤等により連結する形態も提案される。連結ベルト90の背側外装体12Bに対する固定部分は符号91により、また内装体200に対する固定部分は符号95により示されている。また符号95は弾性伸縮部材を示している。図示形態の連結ベルト90は、内装体200上を通して設けているが、内装体200の移動部分と外装体12F,12Bとの間を通すようにしても良い。
このような連結ベルト90を備えると、装着状態では図33に示すように、内装体200の移動部分の股間側への移動に伴い連結ベルト90が下方に撓むが、幅方向の移動は連結ベルト90の緩みや撓みにより許容される範囲内で略中央に制限されるため、内装体200の移動部分が不必要に又は過度に動かないようにすることができ、それによって、内装体200の移動部分の曲がりや捲れ等、意図しない変形を防止することができる。
なお、第5の形態の連結ベルト90は、第1の形態等の押えベルト70と組み合わせて採用することもできる。また、図示形態は第1の形態の伸縮構造への応用を想定しているが、第2の形態や第3の形態の伸縮構造への応用も可能である。
<パンツタイプ使い捨ておむつの第6の形態>
第1の形態では、内装体200の移動部分を押えベルト70により押える構成としたが、これに代えて、図34及び図35に示すように、背側外装体12Bのウエスト縁部Wの内面から突出するウエストフラップ100を形成するとともに、内装体200の移動部分をこのウエストフラップ100まで延在させてこのウエストフラップ100にホットメルト接着剤等により連結する形態も提案される。ウエストフラップ100の内装体200に対する固定部分は符号101により示されている。ウエストフラップ100は、図示形態では、背側外装体12Bを構成する外側シート材12Sをウエスト縁部Wにおいておむつ内側に折り返し、この折り返した部分を非固定とすることにより形成しているが、専用のシート材12S,12Hを貼り付けて形成することもできる。
このように内装体200の移動部分の端部を背側外装体12Bのウエスト縁部Wの内面から突出するウエストフラップ100に連結すると、装着状態では図36に示すように、内装体200の移動部分の股間側への移動に伴い背側外装体12Bが内側に捲れつつウエストフラップ100が下方に撓むが、幅方向の移動はウエストフラップ100の緩みや撓みにより許容される範囲内で略中央に制限されるため、内装体200の移動部分が不必要に又は過度に動かないようにすることができ、それによって、内装体200の移動部分の曲がりや捲れ等、意図しない変形を防止することができる。さらに、腹側外装体12Fが伸長可能とされている場合は、内装体200の移動部分の股間側への移動に伴いウエストフラップ100の腹側部分の幅方向中央が内側に捲れつつ下方に撓んだ形状が、特に乳幼児の張り出した腹部の下側に沿うカーブを成すため、特に腹側の着用感がすっきりしたものとなる。
なお、第6の形態は、第1の形態等の押えベルト70や第5の形態の連結ベルト90と組み合わせて採用することもできる。また、図示形態は第1の形態の伸縮構造への応用を想定しているが、第2の形態や第3の形態の伸縮構造への応用も可能である。
<パンツタイプ使い捨ておむつの第7の形態>
第1の形態では、内装体200の移動部分を押えベルト70により押える構成としたが、これに代えて又はこれととともに、図37及び図38に示すように、股間側に伸長可能な背側外装体12Bにおける移動部分と重なる部位に、股間方向へのズレ止め作用が他の方向へのズレ止め作用よりも弱いズレ止め110が設けられている形態も提案される。
このようなズレ止め110としては、例えば、ピンが股間部側に傾いたメカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(雄材)を用いることができる。このようなズレ止め110を備えることにより、背側外装体12Bの伸長を可能としながらも、内装体200の移動部分を不必要に又は過度に動かないよう押えつけることができ、それによって、内装体200の移動部分の曲がりや捲れ等、意図しない変形を防止することができる。
なお、第7の形態は、第1の形態等の押えベルト70や第5の形態の連結ベルト90、第6の形態の自由縁部と組み合わせて採用することもできる。また、図示形態は第1の形態の伸縮構造への応用を想定しているが、第2の形態や第3の形態の伸縮構造への応用も可能である。
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後(縦)方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向」とはおむつの装着状態、すなわちおむつの前身頃両側部と後身頃量側部を重ね合わせるようにおむつを股間部で2つに折った際に胴周り方向と直交する方向、換言すればウエスト開口部側と股間部側とを結ぶ方向を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、20倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:10gf/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
本発明は、パンツタイプ使い捨ておむつにおいて利用可能なものである。
L…中間部、Le…脚開口部の縁、T…胴周り部、U…ウエスト下部、W…ウエスト縁部、11…液不透過性シート、12A…サイドシール部、12B…背側外装体、12F,12B…外装体、12F…腹側外装体、12H…内側シート材、12M…股間部カバーシート、12S,12H…シート材、12S…外側シート材、12W…折り返し部分、12Z…内装体接合部、12b…背側伸縮帯、12c…CD方向中間の部分、12d…離間部分、12e…縁部シート材、12f…腹側伸縮帯、12w…重なり部分、15〜19…細長状弾性伸縮部材、16…中間部弾性伸縮部材、17…ウエスト縁部弾性伸縮部材、19…斜め弾性伸縮部材、30…トップシート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…立体ギャザー、62…ギャザーシート、70…押えベルト、80…離間部、90…連結ベルト、100…ウエストフラップ、110…ズレ止め、200…内装体、301…弾性部材取付工程、302…弾性部材切断工程、303…センタースリット工程、304…折り返し工程、305…内装体取付工程、306…押えベルト取付工程、307…折り畳み工程、308…側部接合工程、309…切り離し工程、310…離間部形成工程。

Claims (9)

  1. 腹側外装体及び背側外装体を有し、前記腹側外装体の側縁部と前記背側外装体の側縁部とが幅方向両側で接合されてウエスト開口部が形成された、外装体と、
    前記腹側外装体の幅方向中央領域から前記背側外装体の幅方向中央領域にかけて、装着者の股間を通るように延在された内装体と、を備えたパンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
    前記腹側外装体及び背側外装体の少なくとも一方側の外装体は、幅方向中央部の股間側の縁部が前記内装体と接合されて内装体接合部が形成されるとともに、この内装体接合部よりもウエスト側の前後方向長さが股間側に伸長可能とされており、
    前記少なくとも一方側の外装体に対して、前記内装体における前記内装体接合部よりウエスト側の部分が股間側に移動可能とされている、
    ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
  2. 前記少なくとも一方側の外装体における股間側の部分が前後方向に一回又はジグザグに複数回折り返され、その両側縁部が折り返し状態で固定された非展開部とされ、これら非展開部間が非固定の展開部とされて折り返し部分が形成されるとともに、
    この折り返し部分における最も先端側の折り目より先端側の部分に、前記内装体が接合されて前記内装体接合部が形成されており、
    前記折り返し部分は、その幅方向全体が折り返された状態で幅方向に沿って伸長状態で固定され且つ装着時に斜め方向となる細長状の斜め弾性伸縮部材が設けられており、
    前記折り返し部分の展開により、前記内装体接合部よりもウエスト側の前後方向長さが股間側に伸長可能とされている、
    請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  3. 前記少なくとも一方側の外装体における前記内装体接合部よりもウエスト側に、幅方向中央の一方側から他方側にかけて幅方向に延びるスリット又は細長状開口からなる離間部が設けられ、
    この離間部の股間側に、幅方向に沿って伸長状態で固定され且つ装着時に斜め方向となる細長状の斜め弾性伸縮部材が設けられており、
    この離間部の股間側の部分がウエスト側の部分に対して股間側に離間する変形により、 前記内装体接合部よりもウエスト側の前後方向長さが股間側に伸長可能とされている、
    請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  4. 前記少なくとも一方側の外装体が、少なくとも前後方向に伸長性を有するものとされることにより、前記内装体接合部よりもウエスト側の前後方向長さが股間側に伸長可能とされている、
    請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  5. 前記内装体は、前記少なくとも一方側の外装体側においては、前記少なくとも一方側の外装体の股間側縁部までしか延在されていない、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  6. 前記内装体は、前記少なくとも一方側の外装体における前記内装体接合部よりもウエスト側に延在された移動部分を有しており、
    前記少なくとも一方側の外装体における前記内装体接合部よりウエスト側に、前記内装体上を幅方向に横切って延在し、前記内装体の移動部分の幅方向両側に位置する部分が固定されるとともに、前記内装体の移動部分上を通る部分が非固定とされた押えベルトを備えている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  7. 前記内装体は、前記少なくとも一方側の外装体における前記内装体接合部よりもウエスト側に延在された移動部分を有しており、
    前記少なくとも一方側の外装体における前記内装体接合部よりウエスト側に、前記内装体のウエスト側端部を幅方向に横切って延在し、前記内装体の移動部分の幅方向両側に位置する部分が固定されるとともに、前記内装体のウエスト側端部が連結された連結ベルトを備えている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  8. 前記内装体は、前記少なくとも一方側の外装体における前記内装体接合部よりもウエスト側に延在された移動部分を有しており、
    前記少なくとも一方側の外装体のウエスト縁部の内面から突出するウエストフラップが設けられるとともに、前記内装体の移動部分は前記ウエストフラップまで延在されるとともに前記ウエストフラップに連結されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  9. 前記内装体は、前記少なくとも一方側の外装体における前記内装体接合部よりもウエスト側に延在された移動部分を有しており、
    前記少なくとも一方側の外装体における前記移動部分と重なる部位に、股間方向へのズレ止め作用が他の方向へのズレ止め作用よりも弱いズレ止めが設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
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