本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠3とで構成される。遊技枠3は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤2を除く)とを含む構造体である。
遊技枠3の下部表面には打球供給皿(上皿)がある。打球供給皿の下部には、打球供給皿に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。また、遊技枠3の背面には、遊技盤2が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤2は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤2の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域が形成されている。
余剰球受皿を形成する部材には、例えば余剰球受皿の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aの下部における余剰球受皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。
遊技領域の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置5は、演出図柄の変動表示を行う変動表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリア5L,5C,5Rがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア5L,5C,5Rがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置5の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置5は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120によって制御される。演出制御用CPU120が、第1特別図柄表示装置4Aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置5で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示装置4Bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置5で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤2における演出表示装置5の右側には、識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示装置器(第1変動表示手段)4Aが設けられている。本実施例では、第1特別図柄表示装置4Aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示装置4Aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤2における演出表示装置5の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示装置(第2変動表示手段)4Bが設けられている。第2特別図柄表示装置4Bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示装置4Bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
本実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bとを特別図柄表示装置と総称することがある。なお、本実施例では、2つの特別図柄表示装置4A,4Bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示装置を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口または第2始動入賞口に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置5の下方には、第1始動入賞口を有する入賞装置6Aが設けられている。第1始動入賞口に入賞した遊技球は、遊技盤2の背面に導かれ、第1始動口スイッチ22Aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)を有する入賞装置6Aの下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口を有する可変入賞球装置6Bが設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)に入賞した遊技球は、遊技盤2の背面に導かれ、第2始動口スイッチ22Bによって検出される。可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81によって開状態とされる。可変入賞球装置6Bが開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置6Bが開状態になっている状態では、第1始動入賞口よりも、第2始動入賞口に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置6Bが閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口に入賞しない。なお、可変入賞球装置6Bが閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口と第2始動入賞口とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。なお、本実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置6Bが設けられているが、第1始動入賞口および第2始動入賞口のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
可変入賞球装置6Bが開放状態に制御されているときには可変入賞球装置6Bに向かう遊技球は第2始動入賞口に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口は演出表示装置5の直下に設けられているが、演出表示装置5の下端と第1始動入賞口との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口に導きづらくして、第2始動入賞口の入賞率の方を第1始動入賞口の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示装置4Aの上部には、第1始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1保留表示部25Aが設けられている。第1保留表示部25Aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示装置4Aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。例えば、後述するタイマ割込処理の表示制御処理(S22)において表示制御を行う処理が実行されることによって実現される。また、第2特別図柄表示装置4Bの下部にも、第2始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2保留表示部25Bが設けられており、有効始動入賞がある毎に点灯表示器の数を1増やし、第2特別図柄表示装置4Bでの変動表示が開始される毎に点灯表示器の数を1減らす。第1保留記憶数および第2保留記憶数の表示は、例えば、後述するタイマ割込処理の表示制御処理(S22)において表示制御を行う処理が実行されることによって実現される。
また、演出表示装置5の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部5Dが設けられている。本実施例では、合算保留記憶表示部5Dにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とに対応する保留表示が第1始動入賞口および第2始動入賞口への入賞順に並べて表示される。なお、合算保留記憶表示部5Dにおいて、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示されるようにしてもよい(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示されるようにしてもよい)。また、合算保留記憶表示部5Dに代えて、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるように構成してもよい。
また、演出表示装置5の表示画面における合算保留記憶表示部5Dの左方には、実行中の変動表示に対応する保留表示を消費保留表示(以下ではアクティブ表示などともいう)として表示する消費保留アクティブ表示エリア5Fの表示領域が設けられている。
演出表示装置5は、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置5における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置5における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示装置4Aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示装置4Bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置5において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は開閉板を備え、第1特別図柄表示装置4Aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示装置4Bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド82によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤2における演出表示装置5の左側には、普通図柄表示装置20が設けられている。普通図柄表示装置20は、例えば、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様の7セグメント表示やドットマトリクスのLED等から構成され、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報を変動表示する。
遊技球がゲート41を通過しゲートスイッチ21で検出されると、普通図柄表示装置20の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示装置20における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置6Bが所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置6Bの状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示装置20の近傍には、ゲート41を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通保留表示部25Cが設けられている。ゲート41への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ21によって遊技球が検出される毎に、普通保留表示部25Cは点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示装置20の変動表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示装置20における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置6Bの開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示装置4A,4Bや演出表示装置5における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、本実施例では、時短状態(特別図柄の変動表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置6Bの開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
なお、可変入賞球装置6Bが開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示装置20における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示装置20における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置6Bが所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示装置20における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置6Bが開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置6Bの開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置6Bの開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示装置20における普通図柄の変動時間(変動表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置6Bが開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤2の遊技領域の周囲には、遊技中に点滅表示される遊技効果ランプ9が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口がある。また、遊技領域の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ8R,8Lが設けられている。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドルを操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域に入り、その後、遊技領域を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口に入り第1始動口スイッチ22Aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示装置4Aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置5において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口に入り第2始動口スイッチ22Bで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示装置4Bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置5において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)11における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、演出制御基板12等も示されている。主基板11には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)100が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM101、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM102、プログラムに従って制御動作を行うCPU103およびI/Oポート105を含む。本実施例では、ROM101およびRAM102は遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU103のほかRAM102が内蔵されていればよく、ROM101は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート105は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ100には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路104が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてCPU103がROM101に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(またはCPU103)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路104は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路104は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路104が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。これにより、乱数回路104が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、第1始動口スイッチ22Aまたは第2始動口スイッチ22Bへの始動入賞が生じたときに乱数回路104から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM102は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給できなくなるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、本実施例では、RAM102の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ100のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ100等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ100等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ100等は動作停止状態になる。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ100の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23及びアウト球スイッチ24からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ100に与えるスイッチ回路110も主基板11に搭載されている。また、可変入賞球装置6Bを開閉するソレノイド81、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7を開閉するソレノイド82を遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って駆動するソレノイド回路111も主基板11に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板11に搭載されている。
本実施例では、演出制御基板12に搭載されている演出制御手段(演出制御用CPU120で構成される。)が、中継基板15を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置5との表示制御を行う。
演出制御基板12は、演出制御用CPU120およびRAM122を搭載している。なお、RAM122は外付けであってもよい。演出制御基板12において、演出制御用CPU120は、内蔵または外付けのROM121に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板15を介して入力される主基板11からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドにもとづいて、表示制御部123に演出表示装置5の表示制御を行わせる。
また、演出制御用CPU120が備えるRAM122は、その一部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。
本実施例では、演出制御用CPU120と共動して演出表示装置5の表示制御を行う表示制御部123が演出制御基板12に搭載されている。演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置5に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU120は、キャラクタROMから読み出したデータを表示制御部123に出力する。表示制御部123は、演出制御用CPU120から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
中継基板15から入力される演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板12において、まず、図示しない入力ドライバに入力する。中継基板15には、主基板11から入力された信号を演出制御基板12に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板12から中継基板15への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路が搭載されている。
さらに、演出制御用CPU120は、図示しない出力ポートを介してランプ制御基板14に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU120は、出力ポートを介して音声制御基板13に対して音番号データを出力する。
ランプ制御基板14において、LEDを駆動する信号は、図示しないLEDドライバに入力される。LEDドライバは、遊技盤側に設けられている遊技効果ランプ9に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプ制御基板14に搭載される。
音声制御基板13において、音番号データは、入力ドライバを介して図示しない音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ8R,8Lに出力する。音声合成用ICに接続された音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されている。
次に、遊技機の動作について説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図10に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU103は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、スイッチ回路110を介して、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22Bおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU103は、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20、第1保留表示部25A、第2保留表示部25B、普通保留表示部25Cの表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bおよび普通図柄表示装置20については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S23)。CPU103は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU103は、特別図柄プロセス処理を行う(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU103は、普通図柄表示装置20の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU103は、演出制御用CPU120に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU103は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(S29)。
また、CPU103は、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22Bおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22Bおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置(図示せず)を駆動する。
本実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU103は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S32)。CPU103は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU103は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S33)。CPU103は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を切り替える。また、CPU103は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示装置20における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、本実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、本実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bおよび演出表示装置5にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bおよび演出表示装置5にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
本実施例では、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア5L,5C,5Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置5において、演出図柄の変動表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の変動表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置5における表示演出を「小当り」の変動表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(本実施例では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(本実施例では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、本実施例では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図3は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図3に示すように、本実施例では、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様がリーチ状態を伴わない場合に対応した変動パターンとして、短縮非リーチはずれおよび非リーチはずれが用意されている。また、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様がリーチ状態を伴う場合に対応した変動パターンとして、ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれおよび擬似連3スーパーはずれが用意されている。なお、図3に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連1ノーマルはずれを用いる場合には、再変動が1回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連2スーパーはずれを用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連3スーパーはずれを用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の変動表示を再度実行することである。また、図3に示す変動パターンのうち、短縮非リーチはずれは、非リーチはずれに対応して設けられた、非リーチはずれよりも変動時間が短い短縮用の変動パターンである。
また、図3に示すように、本実施例では、特別図柄の変動表示結果が通常大当りまたは確変大当りになる場合に対応した変動パターンとして、ノーマル当り、擬似連1当り、スーパー当り、擬似連2スーパー当りおよび擬似連3スーパー当りが用意されている。また、図3に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連1ノーマル当りを用いる場合には、再変動が1回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連2スーパー当りを用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連3スーパー当りを用いる場合には、再変動が3回行われる。
また、図3に示すように、本実施例では、特別図柄の変動表示結果が突然確変大当りまたは小当りになる場合に対応した変動パターンとして、特殊当りが用意されている。
なお、本実施例では、図3に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連(3回)ありのスーパーリーチの場合には変動時間が40秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチの場合には変動時間が25秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々のテーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
また、本実施例では、遊技状態が通常状態である場合と時短状態である場合とで、変動時間が異なるように構成されているが(図3に示す例では、時短状態である場合には、他の変動パターンに比べて変動時間が短い「短縮非リーチはずれ」が選択される割合が、図6に示すように、高くなるように判定値が設定されている)、これに限らず、通常状態(または時短状態)であっても、合算保留記憶数、第1保留記憶数、および2保留記憶数のうちのいずれかに応じて、変動時間が異なる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が異なる)ように構成してもよい。保留記憶数に応じて異なる変動パターン判定テーブルを用いるように構成するときには、例えば、表示結果がはずれであって、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルは、合算保留記憶数が0〜2である場合に用いられる変動パターン判定テーブルと比較して、リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ)となる割合が少なくなるように判定値が割り当てられる。また、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルは、他の変動パターンに比べて変動時間が短い「短縮非リーチはずれ」が選択される割合が高くなるように判定値が設定される。このことによって、合算保留記憶数が多くなるに従って平均的な変動時間を短くすることができ、変動表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。
また、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルと、合算保留記憶数が0〜2である場合に用いられる変動パターン判定テーブルとには、特定の演出(例えばスーパーリーチ)を伴う変動パターン(またはそのような変動パターンの集合)に対して、共通の判定値(例えば、950〜997など)が割り当てられる。そのため、合算保留記憶数にかかわらず(つまり用いる変動パターン判定テーブルが異なっても)、始動入賞時において、抽出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)の値さえ確認すれば、特定の演出(例えばスーパーリーチ)を伴うか否かをあらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した変動表示よりも以前に、特定の演出(例えばスーパーリーチ)を伴うことを報知することができ(例えば、その旨を示す演出制御コマンドを演出制御用CPU120に送信し、演出制御コマンドを受信した演出制御用CPU120において先読み演出等の演出を実行することによって実現される)、遊技に対する興趣を向上させることができる。
図4は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(3)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(4)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、本実施例では、変動パターンは、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、変動パターン判定テーブルに含まれるいずれかの変動パターンに決定する。
図10に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図5(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図5(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図5(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図5(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図5(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU103は、所定の時期に、乱数回路104のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図5(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図5(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図5(D),(E)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図5(D)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図5(E)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、本実施例では、図5(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して10個の判定値が割り当てられている(40分の10の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して3個の判定値が割り当てられている(40分の3の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、本実施例では、第1始動入賞口に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。なお、テーブルに設定される判定値は、個数が異なるとともに重複して割り当てられないようになっている。
なお、本実施例では、図5(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態として2ラウンドの突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態として15ラウンドの大当り(確変大当りまたは通常大当り)と決定する場合を説明するが、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、本実施例で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
尚、本実施例では、大当り図柄が導出表示されることで移行する大当り遊技状態を特定遊技状態とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特定遊技状態としては、小当り図柄が導出表示されることで移行する小当り遊技状態、大当り遊技終了後に移行する確変状態や時短状態等であってもよい。
本実施例では、図5(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(本実施例では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するS170,S171参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するS134参照)。
また、「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されず、時短状態にのみ移行される大当りである(後述するS167参照)。そして、時短状態に移行した後、特別図柄および演出図柄の変動表示の実行を所定回数(例えば、100回)終了するまで時短状態が維持される(後述するS142〜S145参照)。なお、本実施例では、時短状態に移行した後、所定回数の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する(後述するS134参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「確変大当り」や「通常大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(本実施例では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。そして、本実施例では、その2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(本実施例では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するS170,S171参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するS134参照)。
なお、前述したように、本実施例では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される(後述するS147〜S151参照)。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU103は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図6は、ROM101に記憶されている変動パターン判定テーブルを示す説明図である。変動パターン判定テーブルは、大当り種別や遊技状態などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。CPU103は、抽出したランダム3の(1〜997)の値が変動パターンごとに割り当てられたデータ(判定値)と一致した場合に、変動パターンを、一致した変動パターンの判定値に対応するパターンに決定する。なお、図6に示す例では、変動パターンごとに割り当てられる判定値の割合が示されている。例えば、通常遊技状態において変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図6の「はずれ」フィールド)においては、ランダム3の値(1〜997)に対応する判定値のうちの50%が、変動パターン「非リーチはずれ」に設定されている。つまり、図6に示す例では、変動パターン判定テーブルに設定された各値は、変動表示結果が「はずれ」、「はずれ(時短時)」、「通常大当り/確変大当り」または「突然確変大当り/小当り時」である場合に、対応付けられた変動パターンに決定される割合を示している。図6では、時短状態においては変動時間が短い変動パターンが選択されやすくなる。また、擬似連演出は、擬似連回数が多い方が、変動表示結果が大当りとなる期待度が高い。また、ノーマルリーチを伴う変動パターンよりもスーパーリーチを伴う変動パターンの方が、変動表示結果が大当りとなる期待度が高い。
図7および図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図7および図8に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用CPU120は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置5において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用CPU120は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターン指定コマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。本実施例では、後述する入賞時判定処理(図×参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞時にいずれの変動パターンとなるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定結果コマンドのEXTデータに判定結果としての変動パターンを指定する値を設定し、演出制御用CPU120に対して送信するための制御(送信設定)を行う。
図9は、入賞時判定結果指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図9に示すように、本実施例では、始動入賞時にいずれの変動パターンになると判定したとかに応じて、EXTデータに値が設定され、入賞時判定結果指定コマンドが送信される。例えば、第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞時に変動パターンが「短縮非リーチはずれ」となると判定した場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。また、例えば、第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞時に変動パターンが「特殊当り」となると判定した場合には、EXTデータに「13(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120は、主基板11に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ100から上述した演出制御コマンドを受信すると、図7および図8に示された内容に応じて演出表示装置5の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声制御基板13に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞があり第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する。
図7および図8に示す例では、変動パターン指定コマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)と第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行う演出表示装置5などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御用CPU120に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図11は、主基板11に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU103は、先ず、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。始動口スイッチ通過処理では、始動入賞口への入賞に応じて、保留記憶数および合算保留記憶数を1増やし、乱数回路104やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値(ランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3))を抽出して保留記憶バッファに格納した後、当該始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターンを始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時判定処理を実行し、第1また第2保留記憶数指定コマンドと、入賞時判定処理の判定結果に応じた入賞時判定結果指定コマンドの送信設定を行う。そして、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ22Aまたは第2始動口スイッチ22Bがオンしていなければ、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かおよび大当り種別を決定する(図5参照)。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにクリアされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する(図6参照)。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用CPU120に、表示結果指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用CPU120に、図柄確定指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置5において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド82を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用CPU120に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド82を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用CPU120に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
なお、本実施例では、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置6Bが設けられた第2始動入賞口に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。演出制御基板12に搭載されている演出制御手段としての演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行い、タイマ割込フラグの監視を行うループ処理に移行する。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし、演出制御処理を実行する。演出制御処理において、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグのセットやデータを格納する処理等を行い、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する演出制御プロセス処理を行い、大当り図柄決定用乱数などの各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する。
演出制御コマンドを解析・格納するための処理において、受信した演出制御コマンドがいずれかの入賞時判定結果指定コマンドであった場合には、図12に示すように、S664においてYESと判定されて、受信した入賞時判定結果指定コマンドに応じた入賞時判定結果を入賞時判定結果記憶バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた領域に保存し(S665)、先読み演出決定処理を行う。一方、受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S683)。
本実施例では、合算保留記憶数は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数と、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数とを合算することで求められる。第1保留記憶数は、第1保留記憶数指定コマンドを受信した後に更新され、第2保留記憶数は、第2保留記憶数指定コマンドを受信した後に更新されるため、合算保留記憶数も同じタイミングで更新される。また、入賞時判定結果指定コマンドは、始動口スイッチ通過処理において、第1保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信され、第2保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信される。そのため、演出制御用CPU120は、合算保留記憶数を更新した後に、入賞時判定結果指定コマンドを受信する。なお、演出制御用CPU120は、S665の処理で、例えば、入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータを入賞時判定結果バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた保存領域にセットする。入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)で、入賞時判定結果が特定されるからである(図9参照)。また、入賞時判定結果バッファにセットされたデータは、後述する演出図柄変動開始処理において、先にセットされたものから順に削除される。
図12(A)及び図12(B)は、入賞時判定結果を保存する領域(入賞時判定結果記憶バッファ及びアクティブ表示記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図12(A)に示すように、本実施例では、入賞時判定結果記憶バッファにおいて合算保留記憶数の各保留表示(保留記憶)に対応付けられた8個の保存領域が確保されている。また、図12(B)に示すように、アクティブ表示記憶バッファにおいて消費保留表示に対応付けられた1個の保存領域が確保されている。各保存領域には、入賞時判定結果と、先読み演出の対象保留記憶であることを示す先読み対象フラグと、保留表示または消費保留表示の表示態様を示す表示態様フラグと、がそれぞれ記憶可能となっている。
入賞時判定結果記憶バッファ及びアクティブ表示記憶バッファにおいて、先読み対象フラグに「0」がセットされている場合は、当該保留記憶が先読み演出の対象でないことを示し、「1」がセットされている場合は、当該保留記憶が先読み演出の対象であること示す。また、表示態様フラグは、「0」がセットされている場合は、当該保留記憶に対応する保留表示が通常態様(本実施例では円形)で表示されていることを示し、「1」がセットされている場合は、当該保留記憶に対応する保留表示が第1特別態様(本実施例では三角形)で表示されていることを示し、「2」がセットされている場合は、当該保留記憶に対応する保留表示が第2特別態様(本実施例では四角形)で表示されていることを示し、「3」がセットされている場合は、当該保留記憶に対応する保留表示が第3特別態様(本実施例では星形)で表示されていることを示し、「4」がセットされている場合は、当該保留記憶に対応する保留表示が第4特別態様(本実施例ではハート形)で表示されていることを示す。保留表示の態様のうち第1特別態様〜第4特別態様は、入賞時判定結果が大当りであるときの方がはずれであるときよりも高い割合で表示されるため、大当りになることを示唆する態様である。
なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、いずれの入賞時判定結果であるかを区別するために、第1始動入賞口への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第1入賞時判定結果記憶バッファと、第2始動入賞口への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第2入賞時判定結果記憶バッファとを用意するようにしてもよい。この場合には、第1入賞時判定結果記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されていればよく、また、第2入賞時判定結果記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されていればよい。また、この場合には、第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファには、受信した入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータが記憶される。なお、入賞時判定結果記憶バッファ(第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファ)は、RAM122に形成されればよい。
また、受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S683)。そして、S611に移行する。
次に、先読み演出について説明する。先読み演出とは、演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行され、演出の対象となる変動表示が大当りとなることや特定の変動(例えば、リーチ演出を含むなど)となることを予告する予告演出のことである。本実施例では、先読み演出として、合算保留記憶表示部5Dにおいて、予告対象となる変動表示(保留記憶)に対応する保留表示が、通常の表示態様(以下、通常態様)とは異なる表示態様(第1特別態様、第2特別態様、第3特別態様、第4特別態様のいずれか)で表示される演出が行われる。
図13は、先読み演出決定処理を示すフローチャートである。先読み演出決定処理において、演出制御用CPU120は、先ず、入賞時判定結果記憶バッファまたはアクティブ表示記憶バッファに先読み対象フラグがセットされているか否か、つまり、既に先読み演出が実行されている、あるいは、実行予定であるか否かを判定する(S67101)。尚、先読み対象フラグは、後述するS67105aにおいてセットされる。入賞時判定結果記憶バッファまたはアクティブ表示記憶バッファに先読み対象フラグがセットされていれば、演出制御用CPU120は、S67115に移行し、入賞時判定結果記憶バッファとアクティブ表示記憶バッファとに先読み対象フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する過去の入賞時判定結果(今回受信した入賞時判定結果指定コマンドに示される入賞時判定結果を除く)を全て抽出する(S67102)。
次いで、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する最新の入賞時判定結果(今回受信した入賞時判定結果指定コマンドに示される入賞時判定結果)を抽出するとともに、乱数回路124から先読み演出実行判定用乱数を抽出し、該抽出した判定値及び先読み演出実行決定用乱数にもとづいて、先読み演出を実行するか否かを決定する(S67104)。尚、本実施例において演出制御用CPU120が取り得る演出実行判定用乱数としては、1〜100までの100個の数値が設定されている。
本実施例では、演出制御用CPU120は、図14(A)に示す先読み演出実行判定テーブルを用いて、先読み演出を実行するか否かを決定する。図14(A)は、先読み演出実行判定テーブルを示す説明図である。先読み演出実行判定テーブルには、入賞時判定結果ごとに決定事項(「先読み演出実行」または「先読み演出非実行」)に対応する判定値が割り当てられているが、図14(A)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値数が示されている。演出制御用CPU120は、例えば、先読み演出を実行するか否かを決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項(「先読み演出実行」または「先読み演出非実行」)に決定する。なお、本実施例では、図14(A)に示す先読み演出実行判定テーブルの他に示すテーブルについても、実際には判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために割り当てられた判定値数が示されている。
S67104では、演出制御用CPU120は、抽出した最新の入賞時判定結果にもとづいて、図14(A)に示す先読み演出実行判定テーブルにおいて入賞時判定結果ごとに定められた割合で、先読み演出を実行するか否かを決定する。例えば、入賞時判定結果で「短縮非リーチはずれ」であることが示されているときには、「先読み演出実行」に0個、「先読み演出非実行」に100個の判定値が割り当てられているため、演出制御用CPU120は、100%の割合で先読み演出を実行しないと決定する。また、例えば、入賞時判定結果で「擬似連3スーパー当り」であることが示されているときには、「先読み演出実行」に99個、「先読み演出非実行」に1個の判定値が割り当てられているため、演出制御用CPU120は、99%の割合で先読み演出を実行すると決定する。
図14(A)に示す先読み演出実行判定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)に比べて、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)の方が、先読み演出が実行される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。また、図14(A)に示す先読み演出実行判定テーブルにおいて特徴的なことは、同じ表示結果であっても、期待度が高いリーチ演出が行われる方が(例えばノーマルリーチよりもスーパーリーチが行われる方が)、先読み演出が実行される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、先読み演出が実行されたときには、先読み演出が実行されないときに比べて、先読み演出対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることや、大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われる割合を高くすることができる。したがって、先読み演出が実行されることに対して遊技者に期待感を持たせることができる。
なお、図14(A)に示す例では、入賞時判定結果で「非リーチはずれ」である場合にも1%の割合で先読み演出を実行すると決定されるが、「非リーチ」(「短縮非リーチはずれ」または「非リーチはずれ」)の場合には、先読み演出を実行すると決定されないようにしてもよい。また、図14(A)に示す例では、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに先読み演出を実行するか否かを決定するための判定値(割合)が設定されているが、例えば、表示結果ごと(例えば、「はずれ」、「通常大当り」もしくは「確変大当り」または「突然確変大当り」もしくは「小当り」)に先読み演出を実行するか否かを決定するための判定値(割合)が設定されていてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、先読み演出を実行すると決定した場合には(S67105のY)、S67105aに移行する。一方、先読み演出を実行しないと決定した場合には(S67105のN)、演出制御用CPU120は、S67115に移行する。
S67105aでは、演出制御用CPU120は、先読み演出の対象となる保留表示を特定するための先読み対象フラグを、入賞時判定結果記憶バッファにおける最新の入賞時判定結果と同一の保存領域にセットする(S67105a)。
先読み対象フラグがセットされると、S67101の処理によって、先読み演出を重ねて実行しないように制御される。すなわち、本実施例では、いずれかの保留表示において先読み演出の実行が決定されている場合には、新たに先読み演出を実行しないように制御される。
次いで、演出制御用CPU120は、乱数回路124から最終表示態様判定用乱数を抽出し、先読み演出において、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示を、合算保留記憶表示部5Dにおいて最終的にどの表示態様で表示するかを決定し、該決定した表示態様(最終表示態様)をRAM122の所定領域に記憶する(S67106)。尚、本実施例において演出制御用CPU120が取り得る最終表示態様判定用乱数としては、1〜100までの100個の数値が設定されている。本実施例では、保留表示の表示態様として、通常態様の他に、第1特別態様〜第4特別態様が設けられている。以下、第1特別態様〜第4特別態様を特別態様と総称することがある。
図14(B)は、最終表示態様判定テーブルを示す説明図である。S67106において、演出制御用CPU120は、図14(B)に示す最終表示態様判定テーブルを用いて、合算保留記憶表示部5Dにおいて最終的にどの表示態様で表示するか(以下、最終表示態様ともいう)を決定する。具体的には、抽出した最新の入賞時判定結果及び最終表示態様判定用乱数にもとづいて、最終表示態様判定テーブルにおいて入賞時判定結果(変動表示の表示結果)ごとに定められた割合で、最終表示態様を決定する。例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「はずれ」であることが示されている場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)には、第1特別態様に40個、第2特別態様に30個、第3特別態様に20個、第4特別態様に10個の判定値がそれぞれ設定されているので、演出制御用CPU120は、40%の割合で最終表示態様を第1特別状態に決定し、30%の割合で最終表示態様を第2特別状態に決定し、20%の割合で最終表示態様を第3特別状態に決定し、10%の割合で最終表示態様を第4特別状態に決定する。また、例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)、および、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「突然確変大当り」または「小大当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果13指定に相当)にも同様に、図14(B)に示す割合で最終表示態様が決定される。
図14(B)に示す最終表示態様判定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)は、先読み演出を実行する場合の最終表示態様が第1特別態様、第2特別態様、第3特別態様、第4特別態様の順に決定され易くなっている一方で、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)は、先読み演出を実行する場合の最終表示態様が第4特別態様、第3特別態様、第2特別態様、第1特別態様の順に決定され易くなっている。このような特徴を備えていることによって、保留表示の最終表示態様が第4特別態様にて表示された場合は先読み演出対象の変動表示において大当りが発生する割合が最も高くなり、保留表示の最終表示態様が第3特別態様にて表示された場合、保留表示の最終表示態様が第2特別態様にて表示された場合、保留表示の最終表示態様が第1特別態様にて表示された場合、の順で先読み演出対象の変動表示において大当りが発生する割合が低くなっていく。したがって、第1特別態様よりも第2特別態様、第2特別態様よりも第3特別態様、第3特別態様よりも第4特別態様にて保留表示が表示された方が大当りとなる期待度を高くすることができ、先読み演出が実行されたときに、保留表示がどの表示態様で表示されるかについて遊技者を着目させることができる。
なお、図14(B)に示す例では、入賞時判定結果で示される表示結果ごと(「はずれ」、「通常大当り」もしくは「確変大当り」または「突然確変大当り」もしくは「小当り」)に最終表示態様を決定するための判定値(割合)が設定されているが、例えば、図14(A)の先読み演出実行判定テーブルと同様に、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに最終表示態様を決定するための判定値(割合)が設定されていてもよい。そのようにすることで、保留表示が第2特別態様で表示されたときに、先読み演出対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることの他に、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も高くすることができる。
また、本実施例では、先読み演出実行時の最終表示態様として第1特別態様〜第4特別態様の4種類の表示態様が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、先読み演出実行時の最終表示態様としては、5種類以上の表示態様や、3種類以下の表示態様を設け、それぞれ期待度が異なる(表示結果に応じて選択される割合が異なる)ようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、乱数回路124から変化タイミング判定用乱数を抽出し、先読み演出対象の変動表示(保留記憶)に対応する保留表示の表示態様を変化させる変化タイミング(本例では、保留表示のシフト回数)を決定し、決定した変化タイミング(シフト回数)を、変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタにセットする(S67108)。尚、本実施例において演出制御用CPU120が取り得る変化タイミング判定用乱数としては、1〜100までの100個の数値が設定されている。本実施例では、先読み演出対象の変動表示(保留記憶)に対応する保留表示の表示態様が変化するタイミングは、決定したシフト回数分シフトした直後に実行される変動表示中である。したがって、変化タイミング(シフト回数)を決定することによって、先読み演出対象の変動表示に対応する保留表示に対して何回目のシフトが行われた変動表示中に表示態様を変化させるかが決定される。例えば、変化タイミング(シフト回数)を2と決定すると、先読み演出対象の変動表示に対応する保留表示に対して2回目のシフトが行われた直後の変動表示中に、その保留表示の表示態様を変化させる。
図15は、変化タイミング判定テーブルを示す説明図である。S67108において、演出制御用CPU120は、変化タイミング判定テーブルと合計保留記憶数及び抽出した変化タイミング判定用乱数にもとづいて、先読み演出対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を決定する。具体的には、演出制御用CPU120は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)である場合(すなわち、入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果13指定の場合)に、図15(A)に示す当り時先読み演出変化タイミング判定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU120は、図15(A)に示す当り時先読み演出変化タイミング判定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、先読み演出対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
なお、図15に示す例において、変化タイミング(シフト回数)が0であるということは、始動入賞のタイミングで保留表示が第1特別態様〜第4特別態様のいずれかで表示されることである。始動入賞のタイミングで第1特別態様〜第4特別態様のいずれかで保留表示を表示させる場合には、例えば、新たな保留表示を最初から第1特別態様〜第4特別態様のいずれかで表示することによって実現してもよいし、新たな保留表示を一旦通常態様で表示し、直後に第1特別態様〜第4特別態様のいずれかに変化させて表示することによって実現してもよい。
また、演出制御用CPU120は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」である場合(すなわち、入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定の場合)に、図15(B)に示すはずれ時先読み演出変化タイミング判定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU120は、図16(B)に示すはずれ時先読み演出変化タイミング判定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、先読み演出対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
例えば、当り時先読み演出変化タイミング判定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、変化タイミングの0に20個、変化タイミングの1に30個、変化タイミングの2に50個の判定値がそれぞれ設定されているので、演出制御用CPU120は、20%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)と決定し、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、50%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。また、はずれ時先読み演出変化タイミング判定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、変化タイミングの0に50個、変化タイミングの1に30個、変化タイミングの2に20個の判定値がそれぞれ設定されているので、演出制御用CPU120は、50%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)と決定し、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、20%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。
図15に示す先読み演出変化タイミング判定テーブルにおいて特徴的なことは、変動表示の表示結果が「はずれ」である場合に比べて、変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)である場合の方が、シフト回数が多い変化タイミングに決定する割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、先読み演出が行われるときには、保留表示がより多いシフト回数で通常態様から特別態様に変化した方が、先読み演出対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができ、さらに始動入賞時(シフト回数0)に保留表示が特別態様で表示されない方が、より当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、保留表示の表示態様が始動入賞時から変化しない場合であっても、更に保留表示がシフトしていくことで保留表示の表示態様が後述する1回変化や2回変化するかもしれないと遊技者に思わせることができるので、遊技者に保留表示が変化するタイミングに関心を持たせることができ、遊技興趣を高めることができる。
尚、本実施例では、シフト回数が多い変動表示にて保留表示の表示態様が通常態様から特別態様に変化する方が、シフト回数が少ない変動表示にて保留表示の表示態様が通常態様から特別態様に変化する場合と比較して先読み演出対象の変動表示において当りが発生する割合が高い形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、シフト回数が少ない変動表示にて保留表示の表示態様が通常態様から特別態様に変化する方が、シフト回数が多い変動表示にて保留表示の表示態様が通常態様から特別態様に変化する場合と比較して先読み演出対象の変動表示において当りが発生する割合が高いようにしてもよい。
変化タイミング(シフト回数)を決定すると、演出制御用CPU120は、S67108で決定した変化タイミングが始動入賞時であるか否かを確認する(S67113)。具体的には、シフト回数カウンタの値が0であるか否かを確認する。そして、変化タイミングが始動入賞時であれば(S67113のY)、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファにおける最新の入賞時判定結果と同一の記憶領域に、表示態様フラグとして保留表示をS67107で決定した最終表示態様に応じた値、例えば、第1特別態様で表示することを示す「1」、第2特別態様で表示することを示す「2」、第3特別態様で表示することを示す「3」、第4特別態様で表示することを示す「4」のいずれかをセットして先読み演出決定処理を終了する(S67113a)。尚、S67113aの実行後は、演出制御用CPU120が後述する保留表示更新処理を実行することで、保留表示の表示態様が表示態様フラグに応じた表示態様に更新される。
また、S67113において変化タイミングが入賞時でなければ(S67113のN)、演出制御用CPU120は、S67106において決定した最終表示態様は第1特別態様であるか否かを判定する(S67114a)。S67106において決定した最終表示態様が第1特別態様でない場合(S67114a;N)、すなわち、第2特別態様、第3特別態様、第4特別態様のいずれかである場合は、演出制御用CPU120は、乱数回路124から表示態様変化回数判定用乱数を抽出し、変化タイミング(シフト回数カウンタの値が0となった直後の変動表示中)における先読み演出の対象保留表示の表示態様変化回数を決定し、該決定した表示態様変化回数をRAM122の所定領域に記憶する(S67114b)。尚、本実施例において演出制御用CPU120が取り得る表示態様変化回数判定用乱数としては、1〜100までの100個の数値が設定されている。
図16(A)は、変化タイミング時表示態様変化回数判定テーブルを示す説明図である。S67114bにおいて、演出制御用CPU120は、図16(A)に示す変化タイミング時表示態様変化回数判定テーブルを用いて変化タイミングにおける先読み演出の対象保留表示の表示態様変化回数を決定する。具体的には、抽出した最新の入賞時判定結果及び表示態様変化回数判定用乱数にもとづいて、変化タイミング時表示態様変化回数判定テーブルにおいて入賞時判定結果(変動表示の表示結果)ごとに定められた割合で、表示態様変化回数を決定する。例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「はずれ」であることが示されている場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)には、表示態様変化回数1回に80個、表示態様変化回数2回に20個の判定値がそれぞれ設定されているため、演出制御用CPU120は、80%の割合で表示態様変化回数を1回に決定し、20%の割合で表示態様変化回数を2回に決定する。また、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「突然確変大当り」または「小当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果13指定に相当)にも、図16(A)に示される割合で表示態様変化回数が決定される。このような特徴を備えることによって、保留表示の表示態様が1の変動表示中に2回変化する場合は、保留表示の表示態様が1の変動表示中に1回変化する場合と比較して先読み演出対象の変動表示において大当りが発生する割合が高くなるようになっている。このため、本実施例では、保留表示の表示態様の変化時には、保留表示の表示態様の変化回数に対して遊技者を着目させることができる。
次いで、演出制御用CPU120は、S67114bにおいて変化タイミングにおける先読み演出の対象保留表示の表示態様変化回数を2回に決定したか否かを判定する(S67114c)。先読み演出の対象保留表示の表示態様変化回数を2回に決定したか否かは、RAM122の所定領域に記憶されている表示態様変化回数を参照すればよい。S67114bにおいて変化タイミングにおける先読み演出の対象保留表示の表示態様変化回数を2回に決定した場合は(S67114c;Y)S67114dに移行し、S67114bにおいて変化タイミングにおける先読み演出の対象保留表示の表示態様変化回数を1回に決定した場合は(S67114c;N)、更にS67106において決定した最終表示態様が第4特別態様であるか否かを判定する(S67114f)。S67106において決定した最終表示態様が第4特別態様である場合は(S67114f;Y)、表示態様変化回数を2回に再決定してS67114dに移行し(S67114g)、S67106において決定した最終表示態様が第4特別態様でない場合は(S67114f;N)、S67114hに移行する。尚、S67114bにおいて表示態様変化回数を1回に決定し、S67106において決定した最終表示態様が第4特別態様である場合に表示態様変化回数を2回に再決定するのは、後述する示唆演出がパターン21〜23(1回目の示唆演出の実行時に保留表示の表示態様が変化し、2回目の示唆演出の実行時には保留表示の表示態様が変化しないパターン)のいずれかで実行される場合に、1回目の示唆演出の実行時に保留表示の表示態様が本実施例において最も大当りとなる割合が高い第4特別態様に変化したにも拘らず、2回目の示唆演出の実行時に更に第4特別態様にて表示されている保留表示の表示態様が更に変化する場合があるということを示唆してしまうことを防ぐためである。なお、1回目の示唆演出の実行時に第4特別態様に変化させるようにしてもよい。この場合、2回目の示唆演出を実行しないようにしてもよく、2回目の示唆演出を実行するものの保留表示の表示態様が変化しないようにしてもよい。また、最終表示態様が第4特別態様で、かつ、表示態様変化回数が2回に決定されたときにだけ変化可能な第5特別態様を設けて、1回目の示唆演出の実行時に第4特別態様に変化させた後、2回目の示唆演出の実行時に第5特別態様に変化させるようにしてもよい。
そして、S67114dにおいて、演出制御用CPU120は、乱数回路124から経由先表示態様判定用乱数を抽出し、先読み演出の対象保留表示の表示態様が1回目の変化時に変化する経由先表示態様を決定し、該決定した経由先表示態様をRAM122の所定領域に記憶する(S67114d)。尚、本実施例において演出制御用CPU120が取り得る経由先表示態様判定用乱数としては、1〜100までの100個の数値が設定されている。
図16(B)は、経由先表示態様判定テーブルを示す説明図である。S67114dにおいて演出制御用CPU120は、図16(B)に示す経由先表示態様判定テーブルを用いて、先読み演出の対象保留表示の表示態様が1回目の変化時に変化する経由先表示態様を決定する。具体的には、S67106において決定した最終表示態様と、抽出した経由先表示態様判定用乱数にもとづいて、経由先表示態様判定テーブルにおいて最終保留表示態様ごとに定められた割合で、経由先表示態様を決定する。例えば、最終表示態様が第2特別態様である場合には、第1特別態様に100個の判定値が設定されているため、演出制御用CPU120は、100%の割合で経由先表示態様を第1特別態様に決定する。また、例えば、最終表示態様が第3特別態様である場合、最終表示態様が第4特別態様である場合にも、図16(B)に示される割合で経由先表示態様を第1〜第4特別態様のうちから決定する。これにより、本実施例では、最終表示態様が第3特別態様である場合は、経由先表示態様として第1特別態様が第2特別態様よりも決定され易くなっており、最終表示態様が第4特別態様である場合は、経由先表示態様として第1特別態様が最も決定され易く、第3特別態様が最も決定され難くなっている。
このような特徴を備えていることによって、遊技者は、保留表示の表示態様が第1特別態様や第2特別態様等の先読み演出対象の変動表示において大当りとなる割合が低い表示態様に変化したとしても、更に2回目の変化が実行されることによって保留表示の表示態様が先読み演出対象の変動表示において大当りとなる割合が高い第3特別態様や第4特別態様に変化することに対して期待することができるようになっている。
尚、本実施例では、最終表示態様が第3特別態様である場合は、経由先表示態様として第1特別態様が第2特別態様よりも決定され易くなっており、最終表示態様が第4特別態様である場合は、経由先表示態様として第1特別態様が最も決定され易く、第3特別態様が最も決定され難くなっている形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、最終表示態様が第3特別態様である場合は、経由先表示態様として第2特別態様が第1特別態様よりも決定され易く、最終表示態様が第4特別態様である場合は、経由先表示態様として第3特別態様が最も決定され易く、第1特別態様が最も決定され難くなっていてもよい。このようにすることで、保留表示の表示態様が経由先表示態様として第3特別態様等の先読み演出対象の変動表示において大当りとなる割合が高い表示態様に変化した場合は、保留表示の表示態様が更に先読み演出対象の変動表示において大当りとなる割合が高い表示態様(例えば、第4特別態様)に変化し易くなるので、保留表示の表示態様の変化に対して遊技者を注目させることができる。
次いで、演出制御用CPU120は、乱数回路124から示唆演出パターン判定用乱数を抽出し、先読み演出対象の変動表示における保留表示の表示態様の1回目変化時と2回目変化時の示唆演出パターンを決定し、該決定した示唆演出パターンをRAM122の所定領域に記憶する(S67114e)。尚、本実施例において演出制御用CPU120が取り得る示唆演出パターン判定用乱数としては、1〜100までの100個の数値が設定されている。
図16(C)は、S67114bにおいて表示態様変化回数を2回と決定した場合に用いる変化タイミング時示唆演出パターン判定テーブルを示す説明図である。S67114eにおいて、演出制御用CPU120は、図16(C)に示す変化タイミング時示唆演出パターン判定テーブルを用いて、示唆演出パターンを決定する。具体的には、抽出した経由先表示態様判定用乱数にもとづいて、変化タイミング示唆演出パターン判定テーブルにおいて定められた割合で示唆演出パターンを決定する。例えば、パターン11には10個、パターン12には30個、パターン13には50個、パターン14には10個の判定値がそれぞれに設定されているため、演出制御用CPU120は、10%の割合で示唆演出パターンをパターン11に決定し、30%の割合で示唆演出パターンをパターン12に決定し、50%の割合で示唆演出パターンをパターン13に決定し、10%の割合で示唆演出パターンをパターン14に決定する。
尚、これら示唆演出のパターン11〜14のうちパターン11は、予告演出対象の保留表示の表示態様が1回目に変化する際に、演出表示装置5の表示領域の右側から黒い矢(第1演出態様)が飛来して、該黒い矢が予告演出態様の保留表示に刺さる表示制御が実行され、予告演出対象の保留表示の表示態様が2回目に変化する際に、演出表示装置5の表示領域の右側から黒い矢(第1演出態様)が飛来して、該黒い矢が予告演出態様の保留表示に刺さる表示制御が実行されるパターンである。また、パターン12は、予告演出対象の保留表示の表示態様が1回目に変化する際に、演出表示装置5の表示領域の右側から白い矢(第2演出態様)が飛来して、該白い矢が予告演出態様の保留表示に刺さる表示制御が実行され、予告演出対象の保留表示の表示態様が2回目に変化する際に、演出表示装置5の表示領域の右側から黒い矢(第1演出態様)が飛来して、該黒い矢が予告演出態様の保留表示に刺さる表示制御が実行されるパターンである。また、パターン13は、予告演出対象の保留表示の表示態様が1回目に変化する際に、演出表示装置5の表示領域の右側から黒い矢(第1演出態様)が飛来して、該黒い矢が予告演出態様の保留表示に刺さる表示制御が実行され、予告演出対象の保留表示の表示態様が2回目に変化する際に、演出表示装置5の表示領域の右側から白い矢(第2演出態様)が飛来して、該白い矢が予告演出態様の保留表示に刺さる表示制御が実行されるパターンである。また、パターン14は、予告演出対象の保留表示の表示態様が1回目に変化する際に、演出表示装置5の表示領域の右側から白い矢(第2演出態様)が飛来して、該黒い矢が予告演出態様の保留表示に刺さる表示制御が実行され、予告演出対象の保留表示の表示態様が2回目に変化する際に、演出表示装置5の表示領域の右側から白い矢(第2演出態様)が飛来して、該白い矢が予告演出態様の保留表示に刺さる表示制御が実行されるパターンである。
尚、本実施例におけるパターン11〜パターン14では、演出表示装置5の表示領域の右側から1回目に飛来する矢が変動表示が開始してから3秒後に先読み対象の保留表示に刺さる(作用する)とともに、演出表示装置5の表示領域の右側から2回目に飛来する矢が変動表示が開始してから6秒後に先読み対象の保留表示に刺さる(作用する)表示制御が行われる。つまり、本実施例における先読み対象保留表示の表示態様を2回変化させると決定している場合は、変動開始から3秒後と6秒後に先読み対象の保留表示の表示態様を変化させるようになっている。
一方、表示態様変化回数を1回と決定した場合、S67114hにおいて、演出制御用CPU120は、乱数回路124から示唆演出パターン判定用乱数を抽出し、先読み演出対象の変動表示における保留表示の表示態様の示唆演出パターンを決定し、該決定した示唆演出パターンをRAM122の所定領域に記憶する(S67114h)。
図16(D)は、S67114bにおいて表示態様変化回数を1回と決定した場合に用いる変化タイミング時示唆演出パターン判定テーブルを示す説明図である。S67114hにおいて、演出制御用CPU120は、図16(D)に示す変化タイミング時示唆演出パターン判定テーブルを用いて、示唆演出パターンを決定する。具体的には、抽出した経由先表示態様判定用乱数にもとづいて、変化タイミング示唆演出パターン判定テーブルにおいて定められた割合で示唆演出パターンを決定する。例えば、パターン21には30個、パターン22には60個、パターン23には10個の判定値がそれぞれに設定されているため、演出制御用CPU120は、30%の割合で示唆演出パターンをパターン21に決定し、60%の割合で示唆演出パターンをパターン22に決定し、10%の割合で示唆演出パターンをパターン13に決定する。
尚、これら示唆演出のパターン21〜23のうちパターン21は、予告演出対象の保留表示の表示態様が変化する際に、演出表示装置5の表示領域の右側から黒い矢(第1演出態様)が飛来して、該黒い矢が予告演出態様の保留表示に刺さる表示制御が実行され、予告演出対象の保留表示の表示態様が変化した後に、演出表示装置5の表示領域の右側から黒い矢(第1演出態様)が飛来して、該黒い矢が予告演出態様の保留表示に刺さらずに通過する表示制御が実行されるパターンである。また、パターン22は、予告演出対象の保留表示の表示態様が変化する際に、演出表示装置5の表示領域の右側から白い矢(第2演出態様)が飛来して、該白い矢が予告演出態様の保留表示に刺さる表示制御が実行され、予告演出対象の保留表示の表示態様が変化した後に、演出表示装置5の表示領域の右側から黒い矢(第1演出態様)が飛来して、該黒い矢が予告演出態様の保留表示に刺さらずに通過する表示制御が実行されるパターンである。また、パターン23は、予告演出対象の保留表示の表示態様が変化する際に、演出表示装置5の表示領域の右側から黒い矢(第1演出態様)が飛来して、該黒い矢が予告演出態様の保留表示に刺さる表示制御が実行され、予告演出対象の保留表示の表示態様が変化した後に、演出表示装置5の表示領域の右側から白い矢(第2演出態様)が飛来して、該白い矢が予告演出態様の保留表示に刺さらずに通過する表示制御が実行されるパターンである。
尚、本実施例におけるパターン21〜パターン23では、演出表示装置5の表示領域の右側から1回目に飛来する矢が変動表示が開始してから3秒後に先読み対象の保留表示に刺さる(作用する)表示制御が行われる。つまり、本実施例における先読み対象保留表示の表示態様を1回変化させると決定している場合は、変動開始から3秒後に先読み対象の保留表示の表示態様を変化させるようになっている。
つまり、本実施例においては、先読み演出対象の保留表示の表示態様が変化する際に、示唆演出が第1演出態様にて実行された後に更に示唆演出が第1演出態様にて実行される場合は、最も保留表示の表示態様が2回変化する割合が低くなるように判定値が設定されており、示唆演出が第2演出態様にて実行された後に更に示唆演出が第1演出態様にて実行される場合、示唆演出が第1演出態様にて実行された後に更に示唆演出が第2演出態様にて実行される場合の順で保留表示の表示態様が2回変化する割合が高くなるように判定値が設定されている。特に、先読み演出対象の保留表示の表示態様が1回のみ変化する場合は、示唆演出が第2演出態様にて実行された後に更に示唆演出が第2演出態様にて実行されることがない。つまり、本実施例において示唆演出が2回とも第2演出態様にて実行される場合は、先読み演出対象の保留表示の表示態様が必ず2回変化するようになっている。
S67114eまたはS67114hにおいては、示唆演出パターンとして、飛来する矢が保留表示に刺さった場合に変化する変化先の特別態様の種類についても決定される。図17は、変化先の特別態様を示唆する変化先示唆態様を説明するための図である。本実施例では、飛来する矢の後端の態様によって変化先の特別態様を示唆する。変化先示唆態様としては、示唆演出後の表示態様に応じて定められており、第1特別態様〜第4特別態様各々に対応して、図12(B)で示した表示態様が定められている。たとえば、示唆演出後の表示態様が第2特別態様となるときには、変化先示唆態様として第2特別態様に対応する画像が矢の後端に表示される。示唆演出後の表示態様とは、示唆演出後に最終表示態様へ変化させる場合にはS67106で決定される最終表示態様が該当し、示唆演出後に経由先表示態様へ変化させる場合にはS67114dで決定される経由先表示態様が該当する。これにより、矢の後端の表示態様(変化先示唆態様)に基づいて、矢が保留表示に刺さった場合に変化する特別態様の種類を示唆することができる。S67114eまたはS67114hでは、変化先示唆態様を含む示唆演出パターンを決定して記憶する。
S67114eまたはS67114hの実行後、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファにおける最新の入賞時判定結果と同一の記憶領域に、表示態様フラグとして保留表示を通常態様で表示することを示す「0」をセットして先読み演出決定処理を終了する(S67115)。尚、S67115の実行後は、演出制御用CPU120が後述する保留表示更新処理を実行することで、保留表示の表示態様が通常態様に更新される。
以上のように、本実施例では、入賞時判定結果指定コマンドを受信すると、先読み演出決定処理において、新たな保留表示を通常態様、第1特別態様、第2特別態様、第3特別態様、第4特別態様のいずれかで表示する処理が行われる。
なお、本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、(1)第1特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行うように構成することと、(2)第2特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行うように構成することと、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を対象として先読み演出を行うように構成することとの3種類の構成が考えられる。
第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加えた場合には、第1保留記憶数の上限値(本例では4)に応じて、シフト回数カウンタには0〜3のいずれかがセットされる。ただし、上記(1)の構成で、第1特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行しても、第2始動入賞口への入賞が発生すると、第2特別図柄の変動表示が割り込んで(入賞順ではなく優先して)実行されるため、例えば、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、シフトタイミングであっても、後述する演出図柄変動開始処理のS1802でシフト回数カウンタの値を減算しないように構成することが望ましい。また、上記(3)の構成で、第1特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行した場合も同様に、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、後述する演出図柄変動開始処理のS1802でシフト回数カウンタの値を減算しないように構成することが望ましい。
また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(2)の構成を加えた場合には、第2保留記憶数の上限値(本例では4)に応じて、シフト回数カウンタには最大4がセットされる。この場合には、上記(1)の構成とは異なり、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動表示が行われるときでも、シフトタイミングになればシフト回数カウンタの値を減算する。また、上記(3)の構成で、第2特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行した場合も同様に、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動表示が行われるときでも、シフトタイミングになればシフト回数カウンタの値を減算する。
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、高ベース中には、第1特別図柄の変動表示を対象として先読み演出を行わないように構成してもよい。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、大当り遊技中の第1始動入賞口への入賞にもとづく先読み演出を行わないように構成してもよい。このような構成は、例えば、高ベース中や大当り遊技中には、遊技制御用マイクロコンピュータ100において、第1始動入賞口への入賞が発生しても、S1217の入賞時判定処理を実行しないようにしたり、演出制御用CPU120において受信した入賞時判定結果指定コマンドを破棄したり、先読み演出を実行することに決定されても、実行しないように制御することで実現することができる。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に上記(3)の構成を加える場合に、高ベース中または大当り遊技中には、第1始動入賞口への入賞にもとづく先読み演出を行わないが、第2始動入賞口への入賞にもとづく先読み演出は行うようにしてもよい。このような構成は、例えば、高ベース中や大当り遊技中には、遊技制御用マイクロコンピュータ100において、第1始動入賞口への入賞が発生しても、S1217の入賞時判定処理を実行しないようにしたり、演出制御用CPU120において受信した第1始動入賞口への入賞にもとづく入賞時判定結果指定コマンドを破棄したり、先読み演出を実行することに決定されても、実行しないように制御することで実現することができる。
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加える場合には、第2始動入賞口への入賞にもとづく保留記憶が存在している状態で、第1始動入賞口への入賞が発生したときには、その第1始動入賞口への入賞にもとづく保留記憶を対象とした先読み演出を実行しないようにしてもよい。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加える場合には、第1始動入賞口への入賞にもとづく保留記憶を対象とした先読み演出の実行を決定している状態で、第2始動入賞口への入賞が発生したときには、すでに決定していた先読み演出の実行をキャンセルするようにしてもよい。
なお、本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、第1特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行う構成(上記(1))、または第2特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行う構成(上記(2))を加えるようにしてもよい。また、本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、例えば、高ベース中または大当り遊技中には、第1始動入賞口への入賞にもとづく先読み演出を行わないようにしてもよい。
図18は、演出制御用CPU120が実行するメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、消費保留表示更新処理(S797)を実行する。消費保留表示更新処理では、演出制御用CPU120は、アクティブ表示記憶バッファに記憶されている表示態様フラグの値を特定し、消費保留アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様を該表示態様フラグの値に応じた表示態様に更新する。
なお、アクティブ表示記憶バッファに記憶されている表示態様フラグなどのフラグは、図19で後述するように、次の変動表示を開始するための処理が実行されるまで削除されない。しかし、消費保留アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示自体は、当該消費保留表示に基づく変動表示の表示結果が停止されて当該変動表示が終了したときに消費保留表示更新処理により消去される。このため、変動表示が終了しているにもかかわらず、次の保留表示が存在せずに次の変動表示が開始されないことにより、終了した変動表示に対応する消費保留表示がいつまでも継続して表示されるような不自然な表示が行われてしまうことを防止できる。また、アクティブ表示記憶バッファに記憶されている表示態様フラグは、当該変動表示が終了したときにアクティブ表示記憶バッファに記憶されている表示態様フラグなどのフラグを削除するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU120は、保留表示更新処理(S798)を実行する。保留表示更新処理では、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファに記憶されている保留記憶数を特定し、該特定した保留記憶数が現在の合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示数と一致しているか否かを判定する。そして、特定した保留記憶数が現在の合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示数と一致していなければ、特定した保留記憶数にもとづいて合算保留記憶表示部5Dにおける保留表示を更新する。更に、本実施例の保留表示更新処理では、入賞時判定結果記憶バッファに記憶されている各表示態様フラグの値を特定し、合算保留記憶表示部5Dに表示されている各保留表示の表示態様を、各表示態様フラグの値に応じた表示態様に更新する。
次いで、演出制御用CPU120は、保留数更新処理(S799)を実行する。保留数更新処理では、演出制御用CPU120は、S798において特定した保留記憶数と、演出表示装置5の左上部に表示されている保留記憶数(保留合計数)とが一致しているか否かを判定する。そして、特定した保留記憶数と演出表示装置5の左上部に表示されている保留記憶数とが一致していなければ、特定した保留記憶数にもとづいて演出表示装置5の左上部に表示されている保留記憶数を更新する。本実施例では、表示態様フラグの値が同じであれば、保留表示中であるか消費保留表示中であるかにかかわらず、保留表示が同じ表示態様で表示される例について説明する。つまり、実行中の変動表示に対応する消費保留表示の表示態様を、保留表示の表示態様と同一態様とする形態を例示する。しかし、これに限らず、消費保留表示の表示態様としては、保留表示の表示態様と大きさや形状、配色等のすくなくともいずれか1の要素が異なる表示態様としてもよい。表示態様フラグの値が同じであっても保留表示中の表示態様と、消費保留表示中の表示態様とが異なるように定められているものであってもよい。この場合、表示態様フラグの各値に対応する保留表示の表示態様と消費保留表示の表示態様とは、1対1の関係となるように定められていることが好ましい。具体的には、表示態様フラグ0〜4各々に対応して、保留表示の表示態様と消費保留表示の表示態様とが1種類ずつ定められているものであることが好ましい。
S797〜S799の実行後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S809のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置5の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)、小当り表示処理(S807)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S806)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S806):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行うとともに、セットされていれば、先読み演出制限フラグをクリアする処理を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(S807):変動時間の終了後、演出表示装置5に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(S808)に対応した値に更新する。
小当り遊技中処理(S808):小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5における小当りに応じた表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(S809)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(S809):演出表示装置5において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図19及び図20は、図18に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、アクティブ表示記憶バッファに記憶されている入賞時判定結果、先読み対象フラグ、表示態様フラグ等を削除する(S1800a)。そして、入賞時判定結果記憶バッファのNo.1のエントリ(記憶領域)の内容(入賞時判定結果、先読み対象フラグ、表示態様フラグ)をアクティブ表示記憶バッファにシフトし、他の入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする(S1800b)。尚、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、演出制御用CPU120は、第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第1入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の内容をアクティブ表示記憶バッファにシフトし、第1入賞時判定結果記憶バッファの他の内容をシフトする。また、第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第2入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の内容をアクティブ表示記憶バッファにシフトし、第2入賞時判定結果記憶バッファの他の内容をシフトする。尚、S1800bにおいて内容がシフトされたアクティブ表示記憶バッファの内容にもとづく消費保留表示と、入賞時判定結果記憶バッファにもとづく保留表示とは、次に演出制御プロセス処理の消費保留表示更新処理及び保留表示更新処理が実行されることで表示されるようになっている。
次いで、演出制御用CPU120は、変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタの値が0より大きいか否かを確認する(S1801)。シフト回数カウンタの値が0より大きいということは、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示のうちのいずれかについて、表示態様を変化させる先読み演出を実行することが決定されていることを示している。したがって、S1801では、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されているか否かが確認されている。
シフト回数カウンタの値が0より大きくない場合(S1801のN)、すなわち、シフト回数カウンタの値が0であって、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されていない場合にはS1804に移行する。
一方、シフト回数カウンタの値が0より大きい場合(S1801のY)、すなわち、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されている場合には、演出制御用CPU120は、演出用合算保留記憶数カウンタの値を1減算する(S1802)。次いで、演出制御用CPU120は、シフト回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(S1803)。S1802でシフト回数カウンタの値を1減算した結果、シフト回数カウンタの値が0になったということは、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示のうちのいずれかの表示態様を変化させる先読み演出を実行するタイミングであること(先読み演出を実行する変動表示を開始すること)を示している。したがって、S1803では、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングであるか否かが確認されている。
S1803において、シフト回数カウンタの値が0ではない場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングではない場合には、演出制御用CPU120はS1804に移行する。一方、シフト回数カウンタの値が0である場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングである場合には、演出制御用CPU120はS1809に移行する。
S1804では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S1804)。
次いで、演出制御用CPU120は、S1804で読み出した変動パターン指定コマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S1805)。すなわち、演出制御用CPU120によってS1805の処理が実行されることによって、変動表示パターン決定手段が決定した変動表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の変動表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、演出制御用CPU120は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
演出表示装置5における演出図柄の停止図柄の一例を以下に説明する。本例では、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りまたは小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が「1」「2」「3」や「4」「5」「6」等の階段状に並んだチャンス目図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。なお、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りや小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドや表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU120は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。また、演出表示装置5に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄判定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU120は、S1800bにおいて内容をシフトした入賞時判定結果記憶バッファに先読み対象フラグがセットされている保存領域が有るか否かを判定する(S1806a)。S1800bにおいて内容をシフトした入賞時判定結果記憶バッファに先読み対象フラグがセットされている保存領域が無い場合は(S1806a;N)、S1806bに移行し、S1800bにおいて内容をシフトした入賞時判定結果記憶バッファに先読み対象フラグがセットされている保存領域が有る場合は(S1806a;Y)、シフト回数カウンタの値が0より大きいか否かを判定する(S1806c)。シフト回数カウンタの値が0より大きい場合は(S1806c;Y)、S1821に移行し、シフト回数カウンタの値が0より大きくない場合は(S1806c;N)、S1806gに移行する。
S1806bにおいて、演出制御用CPU120は、S1800bにおいて内容をシフトしたアクティブ表示記憶バッファに先読み対象フラグがセットされているか否かを判定する(S1806b)。S1800bにおいて内容をシフトしたアクティブ表示記憶バッファに先読み対象フラグがセットされている場合は(S1806b;Y)、S1806gに移行し、S1800bにおいて内容をシフトしたアクティブ表示記憶バッファに先読み対象フラグがセットされていない場合は(S1806b;N)、S1806dに移行する。
S1806dにおいて、演出制御用CPU120は、S1804において読み出した変動パターン指定コマンドが示す変動パターンがスーパーリーチの変動パターンであるか否か、つまり、開始する変動表示の変動パターンがスーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する(S1806d)。S1804において読み出した変動パターン指定コマンドが示す変動パターンがスーパーリーチの変動パターンでない場合は(S1806d;N)、S1806gに移行し、S1804において読み出した変動パターン指定コマンドが示す変動パターンがスーパーリーチの変動パターンである場合(S1806d;Y)、つまり、変動パターンがスーパーリーチにも拘らず先読み演出決定処理のS67104において先読み演出を実行しないことに決定されており、且つ合算保留記憶表示部5Dにおいて特別態様にて表示されている保留表示が存在していない場合、演出制御用CPU120は、乱数回路124から表示態様再抽選判定用乱数を抽出し、消費保留表示の表示態様を再抽選テーブルを用いて再抽選(再決定)する(S1806e)。尚、本実施例において演出制御用CPU120が取り得る表示態様再抽選判定用乱数としては、1〜100までの100個の数値が設定されている。
尚、本実施例では、特別態様にて表示されている保留表示が存在しないことを条件に消費保留表示の表示態様を再抽選して決定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別態様にて表示されている保留表示が存在しているか否かに拘らず消費保留表示の表示態様を再抽選して決定するようにしてもよい。また、本実施例では、消費保留表示が先読み対象でないこと、つまり、消費保留表示の表示態様が通常態様であることを条件に消費保留表示の表示態様を再抽選して決定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、消費保留表示が先読み対象である場合、つまり、消費保留表示の表示態様が特別態様であっても消費保留表示の表示態様を再抽選して決定するようにしてもよい。この場合は、消費保留表示の表示態様をより大当りとなる期待度が高い特別態様に変化させるか否かを再抽選して決定してもよいし、消費保留表示の表示態様をより大当りとなる期待度が低い特別態様に変化させるか否かを再抽選して決定してもよい。また、このように、特別態様にて表示されている保留表示が存在しているか否かに拘らず消費保留表示の表示態様を再抽選して決定する場合や消費保留表示が先読み対象である場合に消費保留表示の表示態様を再抽選して決定する場合は、変動表示を実行する毎に消費保留表示の表示態様を再抽選して決定するようにしてもよい。
図22は、再抽選テーブルを示す説明図である。S1806eにおいて、演出制御用CPU120は、図22に示す再抽選テーブルを用いて、消費保留アクティブ表示エリア5Fに表示される消費保留表示の表示態様を再抽選する。具体的には、アクティブ表示記憶バッファに記憶されている入賞時判定結果及び抽出した表示態様再抽選判定用乱数にもとづいて、再抽選テーブルにおいて入賞時判定結果ごとに定められた割合で、消費保留表示の表示態様を再抽選する。例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「はずれ」であることが示されている場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)には、変化なしに30個、第1特別態様に35個、第2特別態様に20個、第3特別態様に10個、第4特別態様に5個の判定値がそれぞれ設定されているので、演出制御用CPU120は、30%の割合で消費保留表示の表示態様を変化なし、すなわち、通常態様に決定し、35%の割合で消費保留表示の表示態様を第1特別態様に決定し、20%の割合で消費保留表示の表示態様を第2特別態様に決定し、10%の割合で消費保留表示の表示態様を第3特別態様に決定し、5%の割合で消費保留表示の表示態様を第4特別態様に決定する。
また、例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)には、変化なしに5個、第1特別態様に10個、第2特別態様に20個、第3特別態様に30個、第4特別態様に35個の判定値がそれぞれ設定されているので、演出制御用CPU120は、5%の割合で消費保留表示の表示態様を変化なし、すなわち、通常態様に決定し、10%の割合で消費保留表示の表示態様を第1特別態様に決定し、20%の割合で消費保留表示の表示態様を第2特別態様に決定し、30%の割合で消費保留表示の表示態様を第3特別態様に決定し、35%の割合で消費保留表示の表示態様を第4特別態様に決定する。
つまり、本実施例において消費保留表示の表示態様を再抽選(再決定する場合は)、入賞時判定結果が「はずれ」となる場合よりも入賞時判定結果が「通常大当りや「確変大当り」となる場合の方が高い割合で消費保留表示の表示態様を特別態様に再決定するようになっている。また、消費保留表示の表示態様を特別態様に再決定する場合は、入賞時判定結果が「はずれ」であるときは、第1特別態様に最も高い割合で決定されるようになっており、第2特別態様は第1特別態様よりも低い割合で決定されるようになっており、第3特別態様に第2特別態様よりも低い割合で決定されるようになっており、第4特別態様に最も低い割合で決定されるようになっている。逆に、入賞時判定結果が「通常大当り」や「確変大当り」であるときは、第4特別態様に最も高い割合で決定されるようになっており、第3特別態様は第4特別態様よりも低い割合で決定されるようになっており、第2特別態様に第3特別態様よりも低い割合で決定されるようになっており、第1特別態様に最も低い割合で決定されるようになっている。
このため、消費保留表示の表示態様が特別態様に変化する場合は、消費保留表示の表示態様が第4特別態様に変化する場合が最も変動表示結果が「通常大当り」や「確変大当り」となる割合が高く、次いで、消費保留表示の表示態様が第3特別態様に変化する場合、消費保留表示の表示態様が第2特別態様に変化する場合、消費保留表示の表示態様が第1特別態様に変化する場合順で変動表示結果が「通常大当り」や「確変大当り」となる割合が低くなっていくようになっている。尚、消費保留表示の表示態様が通常態様から変化しない場合は、変動表示結果が「通常大当り」や「確変大当り」となる割合が最も低くなっている。したがって、第1特別態様よりも第2特別態様、第2特別態様よりも第3特別態様、第3特別態様よりも第4特別態様に消費保留表示の表示態様が変化する方が大当りとなる期待度を高くすることができ、先読み演出が実行されていない状態であっても消費保留表示の表示態様が変化することについて遊技者を注目させることができる。
そして、S1806eの実行後、演出制御用CPU120は、アクティブ表示記憶バッファにおける表示態様フラグをS1806eにおいて決定し表示態様に応じた値にセットしてS1806gに移行する(S1806f)。尚、消費保留表示の表示態様を変化させる場合には、決定された表示態様を示唆する変化先示唆態様を含む示唆演出を実行した後において決定した表示態様に変化させるように、表示態様フラグの値を変動表示中の所定タイミング変化させてもよい。消費保留表示の表示態様は、演出制御用CPU120がS797の処理(消費保留表示更新処理)を実行することで更新される。
S1806gにおいて、演出制御用CPU120は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択してS1812に移行する(S1806g)。
尚、プロセステーブルとは、演出制御用CPU120が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU120は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様や、合算保留記憶表示部5Dにおける先読み演出の態様を含む保留表示の表示態様を示すデータ、消費保留アクティブ表示エリア5Fにおける消費保留表示の表示態様を示すデータ、示唆演出の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置5の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU120は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータ(例えば、先読み演出が実行されないときに用いられるプロセステーブルの表示制御実行データに記載された先読み演出の態様を示すデータ)には、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
これらのプロセステーブルは、演出制御基板12におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
S1809において、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S1809)。そして、S1809で読み出した変動パターン指定コマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて、S1805と同様に演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定し(S1810)、S1809において読み出した変動パターン指定コマンドが示す変動パターンが短縮非リーチまたは特殊当りの変動パターンであるか否か、つまり、示唆演出を実行する十分な期間を有する変動パターンであるか否かを判定する(S1811a)。S1809において読み出した変動パターン指定コマンドが示す変動パターンが短縮非リーチまたは特殊当りの変動パターンである場合は(S1811a;Y)、保留表示の表示態様の変化時の示唆演出を非実行に再決定(示唆演出の実行をキャンセル)し、該示唆演出を非実行に再決定したことをRAM122の所定領域に記憶してS1811cに移行する(S1811b)。本実施例では、S1811aにおいてYESと判定されたときには示唆演出が実行されないが、これに限らず、短縮非リーチまたは特殊当りの変動パターンであるときにも示唆演出を実行するようにしてもよい。この場合、たとえば、パチンコ遊技機1において行われ得る最短の変動時間よりも短い時間で演出が完了する最短示唆演出を設け、短縮非リーチまたは特殊当りの変動パターンであるときには、最短示唆演出を実行するようにしてもよい。
S1809において読み出した変動パターン指定コマンドが示す変動パターンが短縮非リーチまたは特殊当りの変動パターンでない場合は(S1811a;N)、S1811dに移行して、示唆演出対象とは異なる保留表示に対して当該示唆演出と同時に示唆演出と同様の偽示唆演出を実行するための偽示唆演出関連処理を実行した後に、S1811cへ移行する。偽示唆演出関連処理については後述する。S1811cにおいて、演出制御用CPU120は、示唆演出の実行の有無、示唆演出パターン、偽示唆演出の実行の有無、偽示唆演出パターン、及び変動パターンに応じたプロセステーブルを選択してS1812に移行する(S1811c)。
また、S1821において、演出制御用CPU120は、S1804において読み出した変動パターン指定コマンドが示す変動パターンが短縮非リーチまたは特殊当りの変動パターンであるか否か、つまり、示唆演出を実行する十分な期間を有する変動パターンであるか否かを判定する(S1821)。S1804において読み出した変動パターン指定コマンドが示す変動パターンが短縮非リーチまたは特殊当りの変動パターンである場合は(S1821;Y)、S1826に移行し、S1804において読み出した変動パターン指定コマンドが示す変動パターンが短縮非リーチまたは特殊当りの変動パターンではない場合は(S1821;N)、演出制御用CPU120は、乱数回路124から示唆演出実行判定用乱数を抽出し、先読み対象フラグがセットされている保留記憶の入賞時判定結果にもとづいて、保留表示の表示態様が変化しない変動表示において示唆演出を実行するか否かを決定する(S1822)。尚、本実施例において演出制御用CPU120が取り得る示唆演出実行判定用乱数としては、1〜100までの100個の数値が設定されている。
図21(A)は、非変化タイミング示唆演出実行判定テーブルを示す説明図である。S1822において、演出制御用CPU120は、図21(A)に示す非変化タイミング示唆演出実行決定判定テーブルを用いて、保留表示の表示態様が変化しない変動表示(非変化タイミング)において示唆演出を実行するか否かを決定する。具体的には、先読み対象フラグがセットされている保留記憶の入賞時判定結果及び抽出した示唆演出実行判定用乱数にもとづいて、非変化タイミング示唆演出実行決定判定テーブルにおいて入賞時判定結果ごとに定められた割合で、示唆演出を実行するか否かを決定する。例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「はずれ」であることが示されている場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)には、示唆演出の実行に20個、示唆演出の非実行に80個の判定値がそれぞれ設定されているので、演出制御用CPU120は、20%の割合で示唆演出の実行を決定し、80%の割合で示唆演出の非実行を決定する。また、例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)には、示唆演出の実行に80個、示唆演出の非実行に20個の判定値がそれぞれ設定されているので、演出制御用CPU120は、80%の割合で示唆演出の実行を決定し、20%の割合で示唆演出の非実行を決定する。また、例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「突然確変大当り」または「小当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果13指定に相当)には、示唆演出の実行に50個、示唆演出の非実行に50個の判定値がそれぞれ設定されているので、演出制御用CPU120は、50%の割合で示唆演出の実行を決定し、50%の割合で示唆演出の非実行を決定する。
このような特徴を備えることによって、先読み対象フラグがセットされている保留記憶の入賞時判定結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合は、先読み対象フラグがセットされている保留記憶の入賞時判定結果が「はずれ」である場合と比較して示唆演出を実行する割合が高くなるようになっている。このため、本実施例では、保留表示の表示態様が変化しない変動表示であっても、示唆演出が実行されるか否かによって先読み演出対象の変動表示において大当りが発生することを示唆可能となっている。このため、本実施例では、保留表示の表示態様が変化しない変動表示であっても、示唆演出が実行されるか否かに対して遊技者を着目させることができる。
S1822の実行後、演出制御用CPU120は、S1822において示唆演出の実行を決定したか否かを判定する(S1823)。S1822において示唆演出の非実行を決定した場合は(S1823;N)、S1826に移行し、S1822において示唆演出の実行を決定した場合は(S1823;Y)、演出制御用CPU120は、乱数回路124から示唆演出パターン判定用乱数を抽出し、保留表示の表示態様が変化しない変動表示(非変化タイミング)における示唆演出パターンを決定する(S1824)。尚、本実施例において演出制御用CPU120が取り得る示唆演出パターン判定用乱数としては、1〜100までの100個の数値が設定されている。
図21(B)は、S1824において保留表示の表示態様が変化しない変動表示(非変化タイミング)における示唆演出パターンを決定する場合に用いる非変化タイミング示唆演出パターン判定テーブルを示す説明図である。S1824において、演出制御用CPU120は、図21(B)に示す非変化タイミング示唆演出パターン判定テーブルを用いて、示唆演出パターンを決定する。具体的には、抽出した示唆演出パターン判定用乱数にもとづいて、非変化タイミング示唆演出パターン判定テーブルにおいて定められた割合で示唆演出パターンを決定する。例えば、パターン31には90個、パターン32には10個の判定値がそれぞれに設定されているため、演出制御用CPU120は、90%の割合で示唆演出パターンをパターン31に決定し、10%の割合で示唆演出パターンをパターン32に決定する。
尚、これら非変化タイミングにおける示唆演出の演出パターン31,32のうちパターン31は、演出表示装置5の表示領域の右側から黒い矢(第1演出態様)が飛来して、該黒い矢が予告演出態様の保留表示に刺さらずに通過する表示制御が実行されるパターンである。また、パターン32は、演出表示装置5の表示領域の右側から白い矢(第2演出態様)が飛来して、該白い矢が予告演出態様の保留表示に刺さらずに通過する表示制御が実行されるパターンである。
つまり、本実施例においては、保留表示の表示態様が変化する変動表示において示唆演出を実行する際に1回目の示唆演出が第1演出態様にて実行される割合(図16(C)及び図16(D)に示すパターン11、パターン13、パターン21、パターン23)と比較して、保留表示の表示態様が変化しない変動表示において示唆演出を実行する際に示唆演出が第1演出態様にて実行される割合(図21(B)に示すパターン31)は高く設定されている。このため、本実施例では、示唆演出の演出態様が第1演出態様である場合よりも第2演出態様である場合の方が保留表示の表示態様が高い割合で変化するので、遊技者を示唆演出の演出態様に注目させることができる。
尚、本実施例では、非変化タイミングにおける示唆演出の演出パターンを決定する場合は、常に90%の割合で示唆演出パターンをパターン31に決定し、10%の割合で示唆演出パターンをパターン32に決定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら示唆演出パターンをパターン31とパターン32とから決定する場合は、先読み対象の保留記憶の入賞時判定結果が「大当り」であるか「はずれ」であるかに応じて異なる割合で示唆演出パターンを決定するようにしてもよい。特に、先読み対象の保留記憶の入賞時判定結果が「大当り」である場合は、先読み対象の保留記憶の入賞時判定結果が「はずれ」である場合よりも高い割合で示唆演出パターンをパターン32に決定することで、先読み対象の変動表示結果が「大当り」となることに対する期待感を遊技者に与えることができるようにしてもよい。
また、本実施例では、非変化タイミングにおける示唆演出の演出パターンを決定する場合は、常に90%の割合で示唆演出パターンをパターン31に決定し、10%の割合で示唆演出パターンをパターン32に決定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら示唆演出パターンをパターン31とパターン32とから決定する場合は、先読み対象の保留記憶の保留表示の表示態様が2回変化するか否かに応じて異なる割合で示唆演出パターンを決定するようにしてもよい。特に、先読み対象の保留記憶の保留表示の表示態様が2回変化する場合は、先読み対象の保留記憶の保留表示の表示態様が1回変化する場合よりも高い割合で示唆演出パターンをパターン32に決定することで、先読み対象の保留記憶の保留表示の表示態様が2回変化することに対する期待感を遊技者に与えることができるようにしてもよい。
S1824の実行後、演出制御用CPU120は、示唆演出パターンと変動パターンに応じたプロセステーブルを選択してS1812に移行する(S1825)。また、S1826において、演出制御用CPU120は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択してS1812に移行する(S1806g)。
次いで、S1812において、演出制御用CPU120は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S1812)。
また、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8R,8L)の制御を実行する(S1813)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプ制御基板14に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8R,8Lからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
尚、本実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S1814)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を終了する(S1815)。
図23は、偽示唆演出関連処理を示すフローチャートである。偽示唆演出関連処理において、演出制御用CPU120は、まず、S1900において、先読み対象フラグがセットされている保留表示以外に、他の保留表示が存在するか否かが判定される。つまり、先読み対象フラグがセットされている保留表示を含めて、保留表示が2つ以上存在するか否かが判定される。
他の保留表示が存在しないと判定されたときには、偽示唆演出関連処理を終了する。一方、他の保留表示が存在すると判定されたときには、S1901において偽示唆演出を実行するか否かを決定する偽示唆演出実行抽選を行なう。偽示唆演出実行抽選においては、先読み対象フラグがセットされている保留表示が大当りであるか否かに応じて実行確率が異なるように定められている。たとえば、偽示唆演出を実行すると決定する割合は、先読み対象フラグがセットされている保留表示が大当りであるときの方が、はずれであるときよりも高くなるように定められている。
S1902においては、偽示唆演出実行抽選において偽示唆演出を実行すると決定されたか否かが判定される。偽示唆演出を実行しないと決定されたときには、そのまま偽示唆演出関連処理を終了する。一方、偽示唆演出を実行すると決定されたときには、S1903において偽示唆演出の対象とする保留表示を他の保留表示から決定する。
偽示唆演出の対象とする保留表示は、他の保留表示のうちから乱数抽選などにより、保留表示数や先読み対象フラグがセットされている保留表示が大当りであるか否かなどに応じて異なる割合で決定される。以下に偽示唆演出の対象とする保留表示の決定方法の一例を示すが、これに限るものではない。
まず、偽示唆演出の対象とする保留表示を、先読み対象フラグがセットされている保留表示よりも以前に記憶された保留表示(以下、前保留表示ともいう)にするか、以後に記憶された保留表示(以下、後保留表示ともいう)にするかを決定する。この場合において、先読み対象フラグがセットされている保留表示が大当りであるときには、後保留表示に決定する割合よりも高い割合で前保留表示に決定し、先読み対象フラグがセットされている保留表示がはずれであるときには、前保留表示に決定する割合よりも高い割合で後保留表示に決定するようにしてもよい。これにより、複数の保留表示に対して示唆演出と偽示唆演出とが実行された場合において、先の保留表示に基づく変動表示においてはずれとなったときでも、後の保留表示に基づく変動表示において大当りとなることに対する期待感を持続させやすくすることができる。
次に、前保留表示あるいは後保留表示の数に応じて、偽示唆演出の対象とする保留表示を決定する。前保留表示あるいは後保留表示の数毎に、偽示唆演出の対象とする保留表示を前保留表示あるいは後保留表示のうちのいずれの保留表示にするかを決定するためのテーブルが設けられている。たとえば、前保留表示に決定された場合であって、前保留表示が2個の場合には、最先に記憶された保留表示が80%で選択され、当該保留表示の次の保留表示が20%で選択されるように振分率が定められているテーブルを参照し、偽示唆演出の対象とする保留表示が前保留表示から決定される。
本実施の形態では、偽示唆演出の対象とする保留表示は、ひとつの保留表示に限らず、2つ以上の保留表示に決定されるものであってもよい。また、偽示唆演出の対象とする保留表示を決定するに際しては、偽示唆演出の対象として決定され得る保留表示の変動パターンの種類などを考慮して決定されるようにしてもよい。この場合、たとえば、同じ種類の変動パターンとなる保留表示が2つ存在する場合には、抽選で決定された一方の保留表示を偽示唆演出の対象としてもよく、2つの保留表示を偽示唆演出の対象としてもよい。
なお、偽示唆演出の対象とする保留表示は、その都度決定されるものに限らず、予め定められているものであってもよい。たとえば、示唆演出対象の保留表示よりも一つ前(先に記憶)の保留表示や、二つ前の保留表示、一つ後(後に記憶)の保留表示、二つ後の保留表示、最新の保留表示など、予め一の保留表示に定められているものであってもよい。
また、偽示唆演出を2回実行する場合には、1回目と2回目とで偽示唆演出の対象となる保留表示を異ならせてもよい。たとえば、先読み対象が大当りであるか否かに応じて偽示唆演出の対象を同じ保留表示にするか、異なる保留表示にするかを決定するようにしてもよい。より具体的には、先読み対象が大当りであるときには、偽示唆演出の対象が同じ保留表示に決定されやすくしてもよく、逆に偽示唆演出の対象が異なる保留表示に決定されやすくしてもよい。
S1904においては、偽示唆演出の対象となる保留表示について、当該偽示唆演出実行後の表示態様を決定する。偽示唆演出実行後の表示態様を決定するときには、図24に示すテーブルを参照する。図24は、偽示唆演出後の表示態様を決定するための偽示唆演出後表示態様判定テーブルを示す説明図である。偽示唆演出後の表示態様としては、変化なし、第1特別態様〜第4特別態様が定められている。先読み対象の入賞時判定結果が大当りであるときには、5%で「変化なし」に、10%で「第1特別態様」に、20%で「第2特別態様」に、30%で「第3特別態様」に、35%で「第4特別態様」に決定される。先読み対象の入賞判定結果がはずれであるときにも、同様に、図24に示す割合にしたがって、いずれかに決定される。図24に示す割合にしたがって表示態様が決定されるため、偽示唆演出であるものの、たとえば、いずれかの特別態様に変化したときの方が変化しなかったときよりも、先読み対象の保留表示に基づき大当りとなることに対する期待感を抱かせることができる。また、特別態様に変化した場合においても第3特別態様や第4特別態様に変化したときの方が第1特別態様や第2特別態様に変化したときよりも先読み対象の保留表示に基づき大当りとなることに対する期待感を抱かせることができる。
偽示唆演出実行後の表示態様は、先読み対象の入賞時判定結果に応じて異なる割合にしたがって決定される例について説明したが、これに限らず、先読み対象の保留表示の最終表示態様や経由先表示態様に基づき決定するようにしてもよい。たとえば、先読み対象の入賞時判定結果が大当りであるときには、偽示唆演出実行後の表示態様として、先読み対象の保留表示の最終表示態様や経由先表示態様と異なる態様よりも同じ態様に決定されやすくしてもよい。これにより、示唆演出と偽示唆演出とにより変化した表示態様が同じであるか否かに応じて、大当りに対する期待感を異ならせることができる。
S1905においては、偽示唆演出対象の保留表示の表示態様が変化するか否かが判定される。変化しないと判定されたときには、S1910において非変化時の偽示唆演出パターンを決定し、偽示唆演出関連処理を終了する。S1910において非変化時の偽示唆演出パターンは、図20のS1824と同様の処理により決定される。なお、図21(A)を参照する際の入賞時判定結果は、先読み対象の保留表示の入賞時判定結果に置き替えて決定される。このため、偽示唆演出の演出態様が第1演出態様である場合よりも第2演出態様である場合の方が保留表示の表示態様が高い割合で変化するので、遊技者を偽示唆演出の演出態様に注目させることができる。
一方、偽示唆演出対象の保留表示の表示態様が変化すると判定されたときには、S1903において決定した最終表示態様が第1特別態様であるか否かを判定する(S1906)。S1906において決定した最終表示態様が第1特別態様でない場合(S67114a;N)、すなわち、第2特別態様、第3特別態様、第4特別態様のいずれかである場合は、図13のS67114bにおいて決定した先読み対象となる保留表示の表示態様の変化回数が2回であるか否かが判定される(S1907)。なお、偽示唆演出を実行する場合における保留表示の変化回数は、示唆演出とは別個に、新たに決定するようにしてもよい。
2回である場合には、S1908に移行し、演出制御用CPU120は、乱数回路124から経由先表示態様判定用乱数を抽出し、先読み演出の対象保留表示の表示態様が1回目の変化時に変化する経由先表示態様を決定し、該決定した経由先表示態様をRAM122の所定領域に記憶する。ここでは、図13のS67114dと同様の処理が行われる。
S1909においては、演出制御用CPU120は、乱数回路124から示唆演出パターン判定用乱数を抽出し、先読み演出対象の変動表示における保留表示の表示態様の1回目変化時と2回目変化時の変化先示唆態様を含む偽示唆演出パターンを決定し、該決定した偽示唆演出パターンをRAM122の所定領域に記憶する。ここでは、図13のS67114eと同様の処理が行われる。
一方、S1906において変化後表示態様は第1特別態様であると判定されたときや、S1907において先読み対象の保留表示の変化回数が2回でないと判定されたときには、S1911へ移行し、演出制御用CPU120は、乱数回路124から示唆演出パターン判定用乱数を抽出し、偽示唆演出対象の変動表示における保留表示の表示態様(変化先示唆態様を含む)の偽示唆演出パターンを決定し、該決定した偽示唆演出パターンをRAM122の所定領域に記憶する。
図25は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S1841)、変動時間タイマの値を1減算する(S1842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S1843;Y)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S1844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(S1845)。尚、プロセスタイマがタイムアウトしていない場合は(S1843;N)、S1849に移行する。
S1845の実行後、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファに先読み対象フラグがセットされている保留記憶があるか否かを判定する(S1846a)。入賞時判定結果記憶バッファに先読み対象フラグがセットされている保留記憶が無い場合は、S1849に移行し、入賞時判定結果記憶バッファに先読み対象フラグがセットされている保留記憶が有る場合は、演出制御用CPU120は、シフト回数カウンタの値が0であるか否か、つまり、先読み対象フラグがセットされている保留記憶の保留表示の表示態様を変化させる変動表示の実行中であるか否かを判定する(S1846b)。シフト回数カウンタの値が0でない場合は、S1849に移行し、シフト回数カウンタの値が0である場合は、先読み対象フラグがセットされている保留記憶の保留表示の表示態様の1回目の変化タイミングであるか否かを判定する(S1846c)。
先読み対象フラグがセットされている保留記憶の保留表示の表示態様の1回目の変化タイミングである場合は(S1846c;Y)、更にRAM122の所定領域に記憶されている表示態様変化回数を参照し、表示態様変化回数は2回であるか否かを判定する(S1846d)。表示態様変化回数が1回である場合は(S1846d;N)、演出制御用CPU120は、入賞時判定記憶バッファにおいて先読み対象フラグがセットされている保留記憶および偽示唆演出対象の保留記憶の表示態様フラグに最終表示態様に応じた値をセットしてS1849に移行する(S1846e)。また、表示態様変化回数が2回である場合は(S1846d;Y)、演出制御用CPU120は、入賞時判定記憶バッファにおいて先読み対象フラグがセットされている保留記憶および偽示唆演出対象の保留記憶の表示態様フラグに経由先表示態様に応じた値をセットしてS1849に移行する(S1846f)。
また、S1846cにおいて、1回目の表示態様変化タイミングでない場合は(S1846c;N)、演出制御用CPU120は、先読み対象フラグがセットされている保留記憶の保留表示の表示態様の2回目の変化タイミングであるか否かを判定する(S1847)。先読み対象フラグがセットされている保留記憶の保留表示の表示態様の2回目の変化タイミングである場合は(S1847;Y)、演出制御用CPU120は、入賞時判定記憶バッファにおいて先読み対象フラグがセットされている保留記憶および偽示唆演出対象の保留記憶の表示態様フラグに最終表示態様に応じた値をセットしてS1849に移行し(S1848)、先読み対象フラグがセットされている保留記憶の保留表示の表示態様の2回目の変化タイミングでない場合は(S1847;N)、S1848を経由せずにS1849に移行する。
尚、S1846e、S1846fまたはS1848の実行後、先読み予告対象の保留表示の表示態様および偽示唆演出対象の保留表示の表示態様は、演出制御用CPU120が保留表示更新処理を実行することにより更新される。
次いで、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S1849)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S1851)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S1850)、S1851に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
なお、本実施例では、入賞時判定結果指定コマンドを受信したことにもとづいて先読み演出を行うか否かを含む決定処理を、先読み演出決定処理において実行しているが、それらの処理を演出図柄変動中処理において実行するようにしてもよい。例えば、演出図柄変動中処理において、入賞時判定結果記憶バッファを監視する処理を含めることで先読み演出を行うか否かを含む決定処理を実行するこができる。
次に、先読み演出の具体例について図26〜図31にもとづいて説明する。図26(A)に示されるように、演出表示装置5において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部5Dに2つの保留表示が通常態様(本例では円形)で表示されているとともに、演出表示装置5の左上部に表示されている保留合計数の表示が『2』であるときに始動入賞が行われると、先読み演出の態様(演出パターン、最終表示態様、経由先表示態様、変化タイミング)および示唆演出の態様が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示される。更に、演出表示装置5の左上部に表示されている保留合計数の表示が『3』に更新される。尚、図26に示す例では、最終表示態様を第1特別態様〜第4特別態様のいずれかに決定し、変化タイミングを0(始動入賞時)に決定する。
この場合、予告対象となる変動表示(保留記憶)に対応する保留表示は、図26(B)〜図26(E)に示すように、始動入賞のタイミングで、3つ目の保留表示が第1特別態様〜第4特別態様のいずれかで表示される。
また、図27に示す例では、最終表示態様を第1特別態様〜第4特別態様のいずれかに決定し、変化タイミングを1(シフト回数1)に決定する場合を示す。図27(A)及び図27(B)では、図26(A)及び図26(B)と同様に演出表示装置5において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部5Dに2つの保留表示が通常態様(本例では円形)で表示されているとともに、演出表示装置5の左上部に表示されている保留合計数の表示が『2』であるときに始動入賞が行われると、先読み演出の態様(演出パターン、最終表示態様、経由先表示態様、変化タイミング)および示唆演出の態様が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示される。更に、演出表示装置5の左上部に表示されている保留合計数の表示が『3』に更新される。
そして、図27(C)に示すように、演出図柄がはずれを示す組合せで停止して変動表示が終了すると、合算保留記憶表示部5Dの1つ目の保留表示が消費保留アクティブ表示エリア5Fにシフトするとともに、合算保留記憶表示部5Dの2つ目以降の保留表示が合算保留記憶表示部5D内でシフトされ、次の変動表示が開始される。
尚、該変動表示の開始時に示唆演出が第1演出態様(パターン31)にて実行が決定されている場合は、図27(D)及び図27(E)に示すように、演出表示装置5において第1演出態様であって第2特別態様を示唆する変化先示唆態様で示唆演出の表示制御が開始される。尚、該変動表示は、先読み対象の保留表示の表示態様が変化する変動表示ではないので、第1演出態様として飛来する黒い矢は先読み対象の保留表示に刺さることなく通過する。
また、該変動表示の開始時に示唆演出が第2演出態様(パターン32)にて実行が決定されている場合は、図27(F)及び図27(G)に示すように、演出表示装置5において第2演出態様であって第1特別態様を示唆する変化先示唆態様で示唆演出の表示制御が開始される。尚、該変動表示は、先読み対象の保留表示の表示態様が変化する変動表示ではないので、第2演出態様として飛来する白い矢は先読み対象の保留表示に刺さることなく通過する。
また、図28に示す例では、示唆演出と偽示唆演出とが同時に実行された場合を示す。示唆演出のパターンは、図13のS67114e、hなどで決定され、偽示唆演出のパターンは、示唆演出と同じように、図23のS1909〜S1911などで決定される。図28(B)では、第1演出態様であって第1特別態様を示唆する変化先示唆態様で偽示唆演出が実行されるとともに、第1演出態様であって第4特別態様を示唆する変化先示唆態様で示唆演出が実行された場合を例示している。
図28(C)は、偽示唆演出および示唆演出ともに保留表示に刺さって、対応する保留表示の表示態様が各々、第1特別態様および第4特別態様に変化した状態を示している。図28(D)は、偽示唆演出としての矢が保留表示に刺さって対応する保留表示の表示態様が第1特別態様に変化した一方、示唆演出としての矢が保留表示に刺さらずに対応する保留表示の表示態様が変化しなかった状態を示している。
図28(E)は、偽示唆演出としての矢が保留表示に刺さらずに対応する保留表示の表示態様が変化しなかった一方で、示唆演出としての矢が保留表示に刺さって対応する保留表示の表示態様が第4特別態様に変化した状態を示している。図28(F)は、偽示唆演出および示唆演出ともに保留表示に刺さらずに、対応する保留表示の表示態様が変化しなかった状態を示している。
図28(G)では、第1演出態様であって第4特別態様を示唆する変化先示唆態様で偽示唆演出が実行されるとともに、第1演出態様であって第4特別態様を示唆する変化先示唆態様で示唆演出が実行された場合を例示している。また、図28(H)〜(K)は、各々、偽示唆演出および示唆演出ともに対象の保留表示に刺さって表示態様が変化した場合、偽示唆演出および示唆演出のうち一方のみが保留表示に刺さって表示態様が変化した場合、偽示唆演出および示唆演出ともに対象の保留表示に刺さらず表示態様が変化しなかった場合を例示している。
本実施例では、「第1示唆演出としての示唆演出を実行するとともに、第2示唆演出としての偽示唆演出を実行する」例として、図28(B)や(G)に示されるように、示唆演出と偽示唆演出とが同時に開始されて同時に終了する例、つまり実行タイミングが完全一致する例について説明したが、これに限らず、あるタイミングにおいて両演出が重複して実行されるものであってもよく、また、一方の演出を実行するタイミングに近いタイミングで他方の演出を実行するものであれば両演出が重複して実行されるタイミングが存在しないものであってもよい。
たとえば、「第1示唆演出としての示唆演出を実行するとともに、第2示唆演出としての偽示唆演出を実行する」とは、両演出の開始タイミングを異ならせるものや、両演出の終了タイミングを異ならせるもの、あるタイミングにおいて両演出を重複して実行されるように両演出の開始タイミングおよび終了タイミング各々を異ならせるものなどであってもよい。また、「第1示唆演出としての示唆演出を実行するとともに、第2示唆演出としての偽示唆演出を実行する」とは、一方の演出を終了させた直後に他方の演出を開始させて終了させるものや、一方の演出を終了させてから所定時間(0.5秒)経過後に他方の演出を開始させて終了させるものなどであってもよい。また、先読み対象が大当りであるか否かに応じて異なる割合で示唆演出と偽示唆演出とを同時に開始させるか、異なるタイミングで開始・終了させるか、両演出を重複して実行するか重複させないように実行するかを決定するようにしてもよい。
また、図28(C)や(H)に示されるように、示唆演出と偽示唆演出とにより複数の保留表示の表示態様を同時に変化させる例について説明したが、これに限らず、いずれか一方を先に変化させて、他方を遅れて変化させるものであってもよく、先読み対象が大当りであるか否かに応じて異なる割合で示唆演出と偽示唆演出とによる表示態様を同時に変化させるか、あるいは異なるタイミングで変化させるかを決定するようにしてもよい。
次に、図29では、変化回数が2回に決定された場合の示唆演出を例示する。図29(A)に示すように、演出図柄がはずれを示す組合せで停止して変動表示が終了すると、再び合算保留記憶表示部5Dの1つ目の保留表示が消費保留アクティブ表示エリア5Fにシフトするとともに、合算保留記憶表示部5Dの2つ目以降の保留表示が合算保留記憶表示部5D内でシフトされ、先読み対象の保留表示の表示態様が変化する変動表示が開始される。
先読み対象の保留表示の表示態様が変化する変動表示が開始されると、演出表示装置5において始動入賞時に決定したパターンにて示唆演出が開始される。尚、図29(B)に示す例では、示唆演出のパターンはパターン11、パターン13、パターン21、パターン23のいずれかである。また、変化先示唆態様としては、1回目が第1特別態様であり、2回目が第4特別態様である。
尚、該変動表示は先読み対象の保留表示の表示態様が変化する変動表示であるので、図29(B)及び図29(C)に示すように、1回目の示唆演出として演出表示装置5の表示領域の右側から飛来した矢であって先端が黒で後端が第1特別態様である矢が先読み対象の保留表示に刺さることで、該先読み対象の保留表示の表示態様が特別態様(図29(C)に示す例では第1特別態様)に変化する。
そして、示唆演出のパターンがパターン11に決定されている場合は、図29(D)及び図29(E)に示すように、先読み対象の保留表示の表示態様が変化してから所定時間経過後(本実施例では先読み対象の保留表示の表示態様が変化してから2秒後)、2回目の示唆演出として演出表示装置5の表示領域の右側から飛来した矢であって先端が黒で後端が第4特別態様である矢が先読み対象の保留表示に刺さることで、該先読み対象の保留表示の表示態様が更に変化(図29(E)に示す例では第4特別態様に変化)する。一方で、示唆演出の演出パターンがパターン21に決定されている場合は、図29(D)及び図29(F)に示すように、2回目の示唆演出として演出表示装置5の表示領域の右側から飛来した矢であって先端が黒で後端が第4特別態様である矢が先読み対象の保留表示に刺さること無く通過する。
同様に、示唆演出のパターンがパターン13に決定されている場合は、図29(G)及び図29(H)に示すように、先読み対象の保留表示の表示態様が変化してから所定時間経過後(本実施例では先読み対象の保留表示の表示態様が変化してから2秒後)、2回目の示唆演出として演出表示装置5の表示領域の右側から飛来した矢であって先端が白で後端が第4特別態様である矢が先読み対象の保留表示に刺さることで、該先読み対象の保留表示の表示態様が更に変化(図29(H)に示す例では第4特別態様に変化)する。一方で、示唆演出の演出パターンがパターン23に決定されている場合は、図29(G)及び図29(I)に示すように、2回目の示唆演出として演出表示装置5の表示領域の右側から飛来した矢であって先端が白で後端が第4特別態様である矢が先読み対象の保留表示に刺さること無く通過する。
尚、示唆演出のパターンとしてパターン14が決定されている場合は、図27(E)または図27(G)の後、図30(A)に示すように、演出図柄がはずれを示す組合せで停止して変動表示が終了すると、再び合算保留記憶表示部5Dの1つ目の保留表示が消費保留アクティブ表示エリア5Fにシフトするとともに、合算保留記憶表示部5Dの2つ目以降の保留表示が合算保留記憶表示部5D内でシフトされ、先読み対象の保留表示の表示態様が変化する変動表示が開始される。
そして、先読み対象の保留表示の表示態様が変化する変動表示が開始されると、図30(B)及び図30(C)に示すように、演出表示装置5において1回目の示唆演出として演出表示装置5の表示領域の右側から飛来した矢であって先端が白で後端が第1特別態様である矢が先読み対象の保留表示に刺さることで、該先読み対象の保留表示の表示態様が変化(図30(C)に示す例では第1特別態様に変化)する。更に、図30(D)及び図30(E)に示すように、先読み対象の保留表示の表示態様が変化してから所定時間経過後(本実施例では先読み対象の保留表示の表示態様が変化してから2秒後)、2回目の示唆演出として演出表示装置5の表示領域の右側から飛来した矢であって先端が白で後端が第4特別態様である矢が先読み対象の保留表示に刺さることで、該先読み対象の保留表示の表示態様が更に変化(図30(E)に示す例では第4特別態様に変化)する。尚、1回目の示唆演出と2回目の示唆演出において白い矢が飛来するパターンには、2回目の示唆演出実行時に白い矢が先読み対象の保留表示に刺さらずに通過するパターンが存在しない。つまり、1回目の示唆演出と2回目の示唆演出において白い矢が飛来するパターン14は、必ず先読み対象の保留表示の表示態様が2回に亘って変化するパターンである。
図31は、消費保留表示の表示態様を再抽選にて再決定する説明図である。図31(A)及び図31(B)では、図27(A)及び図27(B)と同様に、演出表示装置5において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部5Dに2つの保留表示が通常態様(本例では円形)で表示されているとともに、演出表示装置5の左上部に表示されている保留合計数の表示が『2』であるときに始動入賞が行われると、先読み演出の態様(演出パターン、最終表示態様、経由先表示態様、変化タイミング)および示唆演出の態様が決定される。このとき、図31(B)に示す例では、入賞時判定結果はスーパーリーチ(スーパーリーチはずれorスーパーリーチ当り)であり、先読み演出を非実行に決定する。
このような場合は、図31(C)及び図31(D)に示すように、3回の変動表示が終了した後、入賞時判定結果がスーパーリーチ(スーパーリーチはずれorスーパーリーチ当り)と判定された保留記憶にもとづく保留表示が合算保留記憶表示部5Dから消費保留アクティブ表示エリア5Fにシフトされると、消費保留表示の表示態様をいずれの特別態様に変化させるかを再抽選する。そして、該再抽選において消費保留表示の表示態様をいずれかの特別態様に変化させると決定した場合は、消費保留表示の表示態様が該再抽選において決定した特別態様(図31(D)に示す例では第4特別態様)に変化する。
次に、前述した実施例により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施例では、図28(B)〜(F)などで示したように、飛来する矢が保留表示に刺さった場合に変化する特別態様の種類を示唆可能であって、異なる特別態様を示唆する示唆演出を並行して実行可能である。このため、変化先の表示態様として異なる特別態様を示唆でき、保留表示の表示態様が変化することに対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前述した実施例では、図28(G)〜(K)などで示したように、変化先の表示態様として同じ特別態様を示唆する示唆演出を並行して実行可能である。このため、示唆演出のバリエーションを豊富にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 前述した実施例では、複数の保留表示に対して示唆演出などが実行された後に、図28(C)および(H)などで示したように複数の保留表示の表示態様が特別態様に変化する場合と、図28(D)(E)(I)(J)などで示したように一の保留表示の表示態様のみが特別態様に変化する場合とが生じ得る。このため、示唆演出および偽示唆演出が実行された場合に、保留表示の表示態様がいくつ変化するかに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 前述した実施例では、図14(A)に示されるように大当りとなるとき(大当りとなる入賞時判定結果が存在するとき)の方がはずれとなるとき(大当りとなる入賞時判定結果が存在しないとき)よりも示唆演出が実行されて特別態様に変化する割合が高く、かつ、図23および図24に示されるように大当りとなるときの方がはずれとなるときよりも偽示唆演出が実行されて特別態様に変化する割合が高い。このため、示唆演出により特別態様に変化するとともに偽示唆演出によっても特別態様に変化した後において大当りとなる割合は、示唆演出あるいは偽示唆演出のいずれか一方のみにより特別態様に変化した後において大当りとなる割合よりも高い。その結果、示唆演出と偽示唆演出とが実行されたときに、複数の保留表示の表示態様が特別態様に変化するかに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 1の変動中に保留表示の表示態様が一度変化したとしても、該変動中に更に保留表示の表示態様が変化する場合があるので、保留表示の表示態様が複数回変化することに対して遊技者の期待感を維持することができるとともに、作用演出の演出態様の組合せに応じて保留表示の表示態様が複数回変化する割合が異なるので、作用演出の演出態様の組合せにも遊技者を注目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、再抽選テーブルにおける決定結果にもとづいた適切な表示態様にて変動表示対応表示を表示することができる。また、変動表示の開始時や変動表示の終了時を除く変動表示中に保留表示の表示態様が複数回変化する場合があるので、変動表示中の保留表示に遊技者を注目させることができる。また、遊技者を保留表示が複数回変化する変動表示回数に注目させることができるので、遊技興趣を向上させることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
[示唆演出および偽示唆演出の対象]
前述した実施例では、保留表示を対象として示唆演出や偽示唆演出を実行する例について説明したが、これに替えてあるいは加えて、消費保留表示を対象として実行するようにしてもよい。たとえば、保留表示に対して示唆演出を実行しつつ消費保留表示に対して偽示唆演出を実行するようにしてもよく、また、消費保留表示に対して示唆演出を実行しつつ保留表示に対して偽示唆演出を実行するようにしてもよい。この場合、消費保留表示と保留表示との双方に対して示唆演出および偽示唆演出が実行されて大当りとなる割合の方が、保留表示のみに対して示唆演出および偽示唆演出が実行されて大当りとなる割合よりも高くなるように、示唆演出および偽示唆演出のパターンおよび対象を決定するようにしてもよい。
より具体的には、図15で示したテーブルでは、先読み対象の保留が消費保留表示となったときに変化する変化タイミング(シフト回数)が選択されない例について説明したが、これに限らず、消費保留表示となったときに変化する変化タイミング(シフト回数)についても選択されるようにして、消費保留表示に対して示唆演出を実行するようにしてもよい。また、図23のS1903では、偽示唆演出の対象が保留表示から決定される例について説明したが、これに限らず、偽示唆演出の対象に消費保留表示を含めて消費保留表示を対象に偽示唆演出が実行され得るようにしてもよい。これにより、示唆演出および偽示唆演出の対象が保留表示であるものに加えて、示唆演出の対象が保留表示で偽示唆演出の対象が消費保留表示となる場合や、示唆演出の対象が消費保留表示で偽示唆演出の対象が保留表示となる場合を生じさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[示唆演出および偽示唆演出の実行タイミング]
前述した実施例では、示唆演出と偽示唆演出とが同時に開始されて、同時に終了する例について説明したが、示唆演出と偽示唆演出とが同時に実行されているタイミングが存在するものであればこれに限らず、いずれか一方が先に開始された後に他方が遅れて開始されるものであってもよく、いずれか一方が先に終了した後に他方が終了するものであってもよい。また、複数の保留表示に対して示唆演出および偽示唆演出が実行されて表示態様が特別態様に変化する場合において、同時に変化する例について説明したが、これに限らず、示唆演出および偽示唆演出毎(保留表示毎)に異なるタイミングで変化するようにしてもよい。
[示唆演出および偽示唆演出による保留表示の表示態様変化と有利度との関係]
前述した実施例では、示唆演出により特別態様に変化するとともに偽示唆演出によっても特別態様に変化したときに大当りとなる割合(大当りとなる入賞時判定結果が存在する割合)は、示唆演出あるいは偽示唆演出のいずれか一方のみにより特別態様に変化した後において大当りとなる割合よりも高くなる例について説明したが、これに限らず、示唆演出あるいは偽示唆演出のいずれか一方のみにより特別態様に変化した後において大当りとなる割合の方が、示唆演出により特別態様に変化するとともに偽示唆演出によっても特別態様に変化したときに大当りとなる割合よりも高くなるようにしてもよい。
[変化先示唆態様]
前述した実施例の示唆演出および偽示唆演出における変化先示唆態様として、矢が保留表示に刺さった場合に実際に変化する特別態様そのものを表示する例について説明したが、特別態様の種類を特定可能な態様であればこれに限るものではない。
また、前述した実施例の示唆演出および偽示唆演出における変化先示唆態様としては、矢が保留表示に刺さった場合に実際に変化する特別態様を100%の確率で報知する例について説明した。つまり、矢が保留表示に刺さった場合には、必ず、変化先示唆態様により示唆される特別態様に変化する例について説明した。しかし、変化先示唆態様により示唆される特別態様と、矢が保留表示に刺さった場合に実際に変化する特別態様とは完全に一致するものでなくてもよく、たとえば、矢が保留表示に刺さった場合に、変化先示唆態様により示唆される特別態様以外の特別態様に変化するよりも高い割合で、変化先示唆態様により示唆される特別態様に変化するように、変化先示唆態様を決定するようにしてもよい。より具体的には、矢が保留表示に刺さった場合に、80%の割合で変化先示唆態様により示唆される特別態様に変化し、20%の割合で変化先示唆態様により示唆される特別態様とは異なる特別態様に変化するようにしてもよい。なお、異なる特別態様に変化する場合には、変化先示唆態様により示唆される特別態様よりも有利度合い(大当りとなる割合)が高い特別態様に高い割合で変化するようにしてもよく、逆に、変化先示唆態様により示唆される特別態様よりも有利度合い(大当りとなる割合)が低い特別態様に高い割合で変化するようにしてもよい。これにより、意外性を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、示唆演出か偽示唆演出かに応じて、変化先示唆態様を実際に変化する特別態様に決定する割合を異ならせるようにしてもよい。たとえば、示唆演出における変化先示唆態様の方が、偽示唆演出における変化先示唆態様よりも、高い割合で実際に変化する特別態様に決定するようにしてもよい。これにより、変化先示唆態様と実際に変化した特別態様との組合せから、示唆演出であるのか偽示唆演出であるのかを推測することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、前述した実施例における変化先示唆態様は、保留表示に作用する示唆演出と一体となり、示唆演出に含まれる態様である例について説明した。しかし、変化先示唆態様は、変化先の特別態様を示唆する態様であればよく、たとえば、示唆演出とは別個に実行される演出であってもよい。たとえば、保留表示に対して矢が放たれる示唆演出を実行する前に、複数種類のキャラクタのいずれかが矢を運ぶ演出を実行し、当該キャラクタの種類により変化先の特別態様を示唆するものであってもよい。
[複数の示唆演出の実行契機]
前述した実施例では、図19、図20、図23、および、図24などで示したように、示唆演出を実行するときに、偽示唆演出を実行するか否かを決定して、偽示唆演出の対象となる保留表示を決定する例について説明した。しかし、複数の示唆演出を実行する契機は、これに限るものではない。たとえば、示唆演出を実行するときに、当該示唆演出の対象となる保留表示以外の保留表示として特定の変動表示(たとえばスーパーリーチ)となるものが存在するときに、示唆演出を実行するとともに、当該保留表示に対して偽示唆演出を実行するようにしてもよい。また、先読み対象フラグがセットされているときでも、図13のS67102以降の処理(ただし、S67108〜S67113aの処理を除く。S67106からはS67114aへ移行させる。)を実行することにより複数の保留表示に対して先読み対象フラグをセット可能とし、先にセットされていた先読み対象フラグに応じて示唆演出を実行するときにおいて、他の先読み対象フラグがセットされているときに、当該他の先読み対象フラグに応じても示唆演出を実行するようにしてもよい。また、始動入賞時には、特定の変動表示(たとえばスーパーリーチ)となるか否かを判定して当該判定結果を特定可能な情報を記憶しておき、変動表示が開始されるときに、保留表示毎に記憶されている判定結果に基づいて、保留表示毎に示唆演出を実行するか否かを決定してもよい。
つまり、先読み演出である示唆演出とともに実行される偽示唆演出(ここでは、第2の示唆演出ともいう)について、前述した実施例では、第2の示唆演出の示唆対象となる保留表示の入賞時判定結果にかかわらず実行する例について説明したが、示唆演出と同様に、保留表示の入賞時判定結果に基づいて先読み演出として第2の示唆演出を実行するようにしてもよい。すなわち、先読み演出を複数実行するようにしてもよい。
また、前述した実施例では、先読み対象フラグがセットされている保留表示であって、特別態様に変化する示唆演出が実行されるときに偽示唆演出が実行される例について説明したが、これに限らず、特別態様に変化しない示唆演出が実行されるときにも偽示唆演出が実行され得るようにしてもよい。たとえば、図20のS1824において非変化時の示唆演出パターンが決定されるときにS1811dで示した偽示唆演出関連処理と同様の処理を実行して、非変化時の示唆演出が実行されるとともに偽示唆演出が実行され得るようにしてもよい。また、先読み対象フラグがセットされないときにおいても、所定の保留表示に対して示唆演出を実行可能とし、さらに、当該示唆演出を実行するときにS1811dで示した偽示唆演出関連処理と同様の処理を実行して、示唆演出が実行されるとともに偽示唆演出が実行され得るようにしてもよい。
[偽示唆演出関連の決定方法]
前述した実施例では、図23のS1904や図24で示したように、偽示唆演出後の表示態様は、先読み対象の入賞時判定結果に基づき決定される例について説明したが、決定された表示態様が先読み対象であって示唆演出後の表示態様よりも期待度(たとえば、大当りとなることに対する期待度)が高い表示態様に決定されないかあるいは決定され難くなるようにしてもよい。たとえば、示唆演出後の表示態様が第2特別態様であるときには、偽示唆演出後の表示態様として第2特別態様よりも期待度が高い第3特別態様や第4特別態様に決定されないようにし、特別態様のうち第1特別態様および第2特別態様から決定されるようにしてもよい。
また、前述した実施例では、偽示唆演出パターンを示唆演出パターンと同様に決定する例について説明した。このため、示唆演出パターンよりも偽示唆演出パターンの方が期待度(たとえば、大当りとなることに対する期待度、特別態様に変化することに対する期待度など)が高いパターンに決定され得る。しかし、偽示唆演出パターンは、決定されている示唆演出パターンよりも期待度が高いパターンに決定されないかあるいは決定され難くなるようにしてもよい。たとえば、偽示唆演出パターンは、図13のS67114eおよびS67114hにおいて決定された示唆演出パターンよりも期待度が同じパターンか低いパターンのうちから決定されるようにしてもよい。
また、前述した実施例では、示唆演出(偽示唆演出を含む)のパターンを、保留表示の前後関係を考慮せずに決定する例について説明したが、これに限らず、示唆演出(偽示唆演出を含む)のパターンのうち、先に消化される保留表示を対象とする示唆演出(偽示唆演出を含む)のパターンは、後に消化される保留表示を対象とする示唆演出(偽示唆演出を含む)のパターンよりも期待度(たとえば、大当りとなることに対する期待度など)が高いパターンに決定されないかあるいは決定され難くなるようにしてもよい。これにより、複数の示唆演出が実行された後、先に消化される保留表示に基づく変動表示により大当りに制御されなかった場合でも、その後に消化される保留表示に基づく変動表示により大当りに制御されることに対する期待感を持続させることができる。これとは逆に、示唆演出(偽示唆演出を含む)のパターンのうち、先に消化される保留表示を対象とする示唆演出(偽示唆演出を含む)のパターンは、後に消化される保留表示を対象とする示唆演出(偽示唆演出を含む)のパターンよりも期待度(たとえば、大当りとなることに対する期待度など)が低いパターンに決定されないかあるいは決定され難くなるようにしてもよい。この場合は、先に期待度が高い保留表示に基づく変動表示が行われる可能性が高いため、先延ばしにされてしまうことを極力防止できる。
[示唆演出および偽示唆演出について]
前述した実施例における示唆演出および偽示唆演出において、示唆対象の保留表示を特定可能にするための特定可能演出を実行するようにしてもよい。たとえば、示唆対象の保留表示に的(十字)を表示するようにしてもよい。
[保留表示の表示態様について]
保留表示の表示態様は、図12(B)で示した表示態様に限るものではない。たとえば、示唆演出の対象となる保留表示であったが、第1特別態様〜第4特別態様のいずれにも変化しなかったことを特定可能にする態様(たとえば、特定態様)を設けてもよい。特定態様は、その後において第1特別態様〜第4特別態様のいずれかに変化するときの方が変化しないときよりも高い割合で表示されるため、いずれかの特別態様に変化することを示唆するものであってもよい。
[その他]
また、前記実施例では、先読み対象の保留表示の表示態様を2回変化させると決定した場合は、先読み対象の表示態様の変化タイミングの変動表示において、変動表示開始から3秒後と6秒後に先読み対象の保留表示の表示態様を変化させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例3として、先読み対象の保留表示の表示態様を2回変化させると決定した場合は、先読み対象の表示態様の変化タイミングの変動表示において、変動表示開始からの3以上のタイミングから先読み対象の表示態様を変化させる2のタイミングを決定するようにしてもよい。尚、このように変動表示開始からの3以上のタイミングから先読み対象の表示態様を変化させる2のタイミングを決定する場合は、該先読み対象の保留表示の保留記憶にもとづく変動表示の表示結果が大当りとなるか否かに応じて、3以上のタイミングから2のタイミングを決定する決定割合が異なるようにしてもよい。このようにすることで、遊技者を保留表示が複数回変化するタイミングに注目させることができるので、遊技興趣を向上させることができる。
つまり、上記した場合にあっては、先読み対象の保留表示の表示態様を変化させることが決定した2のタイミングにおいては飛来する矢が先読み対象の保留表示に作用する作用演出が実行されるので、作用演出(示唆演出)の発生タイミングを複数設け、これら作用演出(示唆演出)の発生タイミングに応じて、先読み対象の保留表示が変化する割合が異なるようになるので、これら作用演出(示唆演出)による遊技興趣を向上することもできる。尚、この場合にあっては、作用演出(示唆演出)の発生タイミングに応じて、変化する割合だけが異なるだけではなく、表示態様が2回変化する割合も異なるようにしてもよい。
また、前記実施例では、示唆演出の演出態様としては、演出表示装置5の表示領域の右側から黒い矢が飛来する第1演出態様と、演出表示装置5の表示領域の右側から白い矢が飛来する第2演出態様との2種類を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、示唆演出の演出態様としては3種類以上設けるようにしてもよい。尚、示唆演出の演出態様を3種類以上設ける場合は、これら3種類以上の演出態様の組合せにより、パターン11〜パターン14、パターン21〜パターン23、パターン31、パターン32以外の示唆演出パターンを設けてもよい。
また、前記実施例では、開始された変動表示の変動パターンがスーパーリーチの変動パターンである場合、消費保留表示の表示態様を再抽選により決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、該消費保留表示の表示態様の再抽選は実行しないようにしてもよい。更に、消費保留表示の表示態様の再抽選を実行しない場合は、消費保留表示自体を表示しないようにしてもよい。
また、前記実施例では、先読み対象の保留表示を変動表示中に変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、先読み対象の保留表示の表示態様を変化させる場合は、変動表示の開始時や変動表示の終了時、保留表示のシフト時等に表示態様を変化させるようにしてもよい。尚、先読み対象の保留表示の表示態様を2回変化させると決定している場合は、変動表示の開始時、変動表示の終了時、保留表示のシフト時のいずれか一方にて先読み対象の保留表示の表示態様を1回変化させ、変動表示中に更に先読み対象の保留表示の表示態様を変化させるようにしても良く、また、変動表示の開始時、変動表示の終了時、保留表示のシフト時のいずれか2のタイミングで先読み対象の保留表示の表示態様を変化させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、先読み保留表示の表示態様を1の変動表示中に2回まで変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、先読み保留表示の表示態様を1の変動表示中に3回以上変化させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、先読み演出を実行する場合、1の変動表示中に先読み対象の保留表示の表示態様を最終表示態様に変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、先読み演出を実行する場合は、複数回の変動表示に亘って先読み対象の保留表示の表示態様を最終表示態様に向けて段階的に変化させていくようにしてもよい。尚、このように複数回の変動表示に亘って先読み対象の保留表示の表示態様を最終表示態様に向けて段階的に変化させていく場合は、更に、各変動表示において先読み対象の保留表示の表示態様を2回変化させるか否かを決定可能とし、先読み対象の保留表示の表示態様が2回変化した変動表示回数に応じて先読み対象の保留表示の保留記憶にもとづく変動表示結果が大当りとなる割合が異なるようにしてもよい。つまり、このように、表示態様が2回変化した変動表示回数に応じて先読み対象の保留表示の保留記憶にもとづく変動表示結果が大当りとなる割合を異なるようにすることで、最終表示態様が同一であっても、表示態様が2回変化した変動表示回数によって、先読み対象の保留表示の保留記憶にもとづく変動表示結果が大当りとなる期待度が異なるようにできる。さらには、これら表示態様の2回変化がどのようなタイミングで発生したか、例えば、前記実施例のように、消費保留アクティブ表示エリア5Fに近い位置に表示されているタイミングで発生した方が、変動表示結果が大当りとなる割合が高くなるようにすることで、最終表示態様や2回変化した変動表示回数が同一であっても、これらの2回変化がどのようなタイミングで発生したかによって、先読み対象の保留表示の保留記憶にもとづく変動表示結果が大当りとなる期待度が異なるようにしてもよい。
また、前記実施例では、示唆演出の演出態様としては、演出表示装置5の表示領域の右側から黒い矢(第1演出態様)と白い矢(第2演出態様)とのいずれか一方のみが飛来する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、示唆演出の演出態様としては、演出表示装置5の表示領域の右側から黒い矢と白い矢外両方が飛来する演出態様を設けてもよい。このようにすることで、黒い矢と白い矢のどちらが先読み対象の保留表示に刺さる(作用する)のかに対して遊技者を注目させることができる。
また、前記実施例では、示唆演出の演出態様としては、演出表示装置5の表示領域の右側から黒い矢(第1演出態様)と白い矢(第2演出態様)とのいずれか一方のみが飛来する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、示唆演出の演出態様としては、演出表示装置5の表示領域の右側から黒い矢(第1演出態様)が飛来した後に、更に演出表示装置5の表示領域の右側から白い矢(第2演出態様)が飛来し、該白い矢が黒い矢を追い越して先読み対象の保留表示に刺さる(作用する)演出態様を設けてもよい。このようにすることで、先ず黒い矢が飛来することで先読み対象の保留表示の表示態様が変化し難いと遊技者に認識させた後、白い矢が飛来することで実は先読み対象の保留表示の表示態様が変化し易いと遊技者に再認識させることができるので、遊技興趣を向上させることができる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、本実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは、例えば、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU103の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機1における遊技領域の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方位置から打ち出すようにしてもよい。
また、前記実施例では、大当り遊技において大入賞口の開放を実施することで多くの遊技球を獲得できる大当りのみを発生させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変大当りBを、ラウンド遊技における大入賞口の開放時間を著しく短くして、大入賞口が開放したことを遊技者に認識されないようにして、該確変大当りBの発生により、突然に確変状態となったように見せる突確大当りとしてもよい。尚、これら確変大当りBを突確大当りとする場合には、該確変大当りBの大当り遊技における大入賞口の開放パターンと同一の開放パターンにて大入賞口を開放する小当りを設けるようにして、確変大当りBや小当りの発生後の遊技状態が、高確状態であるのか、或いは低確状態にあるのかが不明な状態(いわゆる潜伏状態)が発生するようにしてもよい。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしてもよいし、始動入賞口を3以上としてもよい。
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしてもよいし、特別図柄を3以上としてもよい。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ変動表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであってもよい。つまり、変動表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であってもよい。
また、前記実施例では、保留表示の表示態様を変化させる変動表示が変動時間の短い短縮非リーチや特殊当りである場合は、示唆演出を非実行に再決定し、保留表示態様の2回変化は実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留表示の表示態様を変化させる変動表示が変動時間の短い短縮非リーチや特殊当りである場合は、保留表示態様の2回変化を1回変化に再決定し、該1回変化において最終表示態様に変化させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、先読み演出決定処理において、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する過去の入賞時判定結果を全て抽出する処理(S67102)を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、該S67102の処理を実行しないようにしてもよい。尚、図13に示すように、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する過去の入賞時判定結果を全て抽出する処理(S67102)を実行する場合にあっては、抽出した過去の入賞時判定結果により、既に、大当りとなる保留記憶や先読み演出が実行されている保留記憶が存在することが特定される場合には、最新の入賞時判定結果に対応する保留記憶(始動入賞)に対して、先読み演出の実行を決定しないようにしてもよいし、大当りとなる保留記憶や先読み演出が実行されている保留記憶が存在しない場合において先読み演出の実行を決定する決定割合(通常割合)よりも低い割合(制限割合)にて、先読み演出の実行を決定するようにしてもよい。
また、前記実施例では、変化タイミングとして決定した1の変動表示中において、同一の保留表示の表示態様を2回変化させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら1の変動表示中における表示態様の2回の変化は、同一の保留表示である必要はなく、異なる保留表示の表示態様を、それぞれ1回ずつ変化させるようにしてもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。