(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(特徴部032IWに関する説明)
次に、特徴部032IWについて説明する。なお、本例では、画像表示装置5の表示画面において、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数を特定可能に表示する合算保留記憶表示部が設けられているものとする。また、本例では、第1始動入賞口への始動入賞や第2始動入賞口への始動入賞が発生した場合に、その入賞順を記憶しておき(後述する保留特定領域を参照)、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに入賞した順に、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを実行するものとする。
また、本例では、確変大当りとなると、例えば、15ラウンドの大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技の終了後に確変状態に制御される(なお、確変状態とともに時短状態(高ベース状態)に制御されてもよい)。そして、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される。また、通常大当り(非確変大当り)となると、例えば、15ラウンドの大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技の終了後に時短状態(高ベース状態)に制御される。そして、所定回数(例えば、100回)の変動表示を終了するか、次の大当りが発生するまで時短状態が維持される。
また、本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)は、変動パターン設定処理(ステップS111)において、変動時間のみが設定された変動パターン(言い換えれば、本例では、変動パターンには、リーチ演出の有無や種類は設定されていない)を決定して変動パターンコマンドを送信し、演出制御用CPU120側で、受信した変動パターンコマンドにもとづいて、飾り図柄の変動表示中にリーチ演出を実行するか否かを決定する。
なお、擬似連や滑り演出などリーチ演出以外の演出については、変動パターンにおいて設定されているように構成してもよい。
(始動入賞判定処理)
図8−1は、図5に示した特別図柄プロセス処理における始動入賞判定処理(ステップS101)を示すフローチャートである。始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、第1始動口スイッチ22Aがオン状態であるか否かを確認する(ステップ032IWS1201)。第1始動口スイッチ22Aがオン状態でなければ、ステップ032IWS1221に移行する。第1始動口スイッチ22Aがオン状態であれば、CPU103は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップ032IWS1202)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップ032IWS1221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU103は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップ032IWS1203)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップ032IWS1204)。また、CPU103は、第1始動入賞口および第2始動入賞口への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップ032IWS1205)。
本例では、第1始動口スイッチ22Aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ22Bがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU103は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ22Aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ22Bがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。なお、保留特定領域は、RAM102に形成されている。
次いで、CPU103は、乱数回路104やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップ032IWS1206)。なお、ステップ032IWS1206の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターン設定処理(ステップS111)において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。本例では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM102に形成されている。
次いで、CPU103は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップ032IWS1207)。そして、CPU103は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ032IWS1208)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ032IWS1209)。また、CPU103は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ032IWS1210)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ032IWS1211)。
なお、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドは、入賞時判定(先読み判定)の判定結果を指定する演出コマンドである。このうち、図柄指定コマンドは、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンドである。また、変動カテゴリコマンドは、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンドである。
次いで、CPU103は、第2始動口スイッチ22Bがオン状態であるか否かを確認する(ステップ032IWS1221)。第2始動口スイッチ22Bがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ22Bがオン状態であれば、CPU103は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップ032IWS1222)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU103は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップ032IWS1223)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップ032IWS1224)。また、CPU103は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップ032IWS1225)。
次いで、CPU103は、乱数回路104やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップ032IWS1226)。なお、ステップ032IWS1226の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターン設定処理(ステップS111)において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU103は、入賞時演出処理を実行する(ステップステップ032IWS1227)。そして、CPU103は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ032IWS1228)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ032IWS1229)。また、CPU103は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ032IWS1230)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ032IWS1231)。
(コマンド解析処理)
図8−2および図8−3は、コマンド解析処理(ステップS75)の具体例を示すフローチャートである。主基板11から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップ032IWS601)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップ032IWS602)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップ032IWS603)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンド(飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ032IWS604)、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドを、RAM122に形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップ032IWS605)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップ032IWS606)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンド(大当りとするか否かや、小当りとするか否か、大当り種別を指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ032IWS607)、演出制御用CPU120は、受信した表示結果指定コマンドを、RAM122に形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップ032IWS608)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンド(飾り図柄の停止図柄を確定表示することを指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ032IWS609)、演出制御用CPU120は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップ032IWS610)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ032IWS611)、演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップ032IWS612)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド)であれば(ステップ032IWS613)、演出制御用CPU120は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップ032IWS614)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(ステップ032IWS615)、演出制御用CPU120は、受信した図柄指定コマンドを、RAM122に形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップ032IWS616)。
始動入賞時コマンド格納領域には、合算保留記憶数の最大値(この例では8)に対応した領域(格納領域1〜8)が確保されている。本例では、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば(ステップ032IWS617)、演出制御用CPU120は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAM122に形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップ032IWS618)。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップ032IWS619)、演出制御用CPU120は、受信した第1始動入賞指定コマンドを、RAM122に形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップ032IWS620)。また、演出制御用CPU120は、合算保留記憶表示部において保留表示を1増加し、合算保留記憶表示部における合算保留記憶数表示を更新する(ステップ032IWS621)。
受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップ032IWS622)、演出制御用CPU120は、受信した第2始動入賞指定コマンドを、RAM122に形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップ032IWS623)。また、演出制御用CPU120は、合算保留記憶表示部において保留表示を1増加し、合算保留記憶表示部における合算保留記憶数表示を更新する(ステップ032IWS624)。
なお、合算保留記憶表示部において、第1保留記憶にもとづく保留表示であるか第2保留記憶にもとづく保留表示であるかを特定可能に表示するように構成してもよい。例えば、ステップ032IWS621では、白色の保留表示を1増加させることにより、第1保留記憶にもとづく保留表示が1増加したことを特定可能に表示し、ステップ032IWS624では、青色の保留表示を1増加させることにより、第2保留記憶にもとづく保留表示が1増加したことを特定可能に表示するようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップ032IWS625)、演出制御用CPU120は、受信した合算保留記憶数指定コマンドを、RAM122に形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび始動入賞指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップ032IWS626)。また、演出制御用CPU120は、RAM122に形成されている合算保留記憶数保存領域に、合算保留記憶数指定コマンドで指定される合算保留記憶数を格納する(ステップ032IWS627)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップ032IWS628)、演出制御用CPU120は、合算保留記憶表示部における1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部における合算保留記憶数表示を更新する(ステップ032IWS629)。また、演出制御用CPU120は、RAM122に形成されている合算保留記憶数保存領域に格納されている合算保留記憶数の値を1減算する(ステップ032IWS630)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドを格納したり、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットしたりする(ステップ032IWS631)。そして、ステップ032IWS601に移行する。
(可変表示開始設定処理)
図8−4は、図7に示された演出制御プロセス処理における可変表示開始設定処理(ステップS171)を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップ032IWS8001)。次いで、演出制御用CPU120は、ステップ032IWS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップ032IWS8002)。すなわち、演出制御用CPU120によってステップ032IWS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(飾り図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU120は、ステップ032IWS8002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。
なお、演出制御用CPU120は、決定した飾り図柄の停止図柄を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップ032IWS8002において、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
ステップ032IWS8002では、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを指定するものであれば、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った飾り図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが通常大当り(非確変大当り)を指定するものであれば、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った飾り図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りや小当りを指定するものであれば、演出制御用CPU120は、停止図柄として「135」などの飾り図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。また、画像表示装置5に導出表示される3図柄の組合せが飾り図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、飾り図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、飾り図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する飾り図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、飾り図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、確変大当りとなることを想起させるような図柄(本例では、奇数図柄)を確変図柄といい、通常大当りとなることを想起させるような図柄(本例では、偶数図柄)を非確変図柄という。
次いで、演出制御用CPU120は、確変先読みゾーン演出を開始するための確変先読みゾーン演出開始処理を実行する(ステップ032IWS8003)。「確変先読みゾーン演出」は、確変状態中において、入賞時判定結果(先読み判定結果)にもとづいて1回または複数回の変動表示にわたって実行される演出であり、その演出期間内に大当りが発生すれば必ず確変大当りとなる(言い換えれば、通常大当りとなる場合はない)演出である。従って、本例では、確変先読みゾーン演出が実行されている期間は、通常大当りとなって確変状態が終了する場合はなく、遊技者に確変状態が継続することに対する安心感を与えることができる。
次いで、演出制御用CPU120は、リーチ演出を設定するリーチ演出設定処理を実行する(ステップ032IWS8004)。
次いで、演出制御用CPU120は、変動パターンおよびリーチ演出を実行する場合にはそのリーチ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップ032IWS8005)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップ032IWS8006)。
プロセステーブルとは、演出制御用CPU120が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU120は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って画像表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、画像表示装置5の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU120は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。なお、プロセステーブルは、ROM121に格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての遊技効果ランプ9および演出用部品としてのスピーカ8L,8R)の制御を実行する(ステップ032IWS8007)。例えば、画像表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプ制御基板14に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、本例では、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップ032IWS8008)。次いで、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域(格納領域1)に格納されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンド)を削除し、始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(ステップ032IWS8009)。
そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を可変表示中演出処理(ステップS172)に対応した値にする(ステップ032IWS8010)。
(確変先読みゾーン演出開始処理)
図8−5は、確変先読みゾーン演出開始処理(ステップ032IWS8003)を示すフローチャートである。確変先読みゾーン演出開始処理では、演出制御用CPU120は、まず、確変先読みゾーン演出の実行中であることを示す確変先読みゾーン演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ032IWS301)。確変先読みゾーン演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に確変先読みゾーン演出の実行中であれば)、そのまま確変先読みゾーン演出開始処理を終了する。
確変先読みゾーン演出実行中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、確変先読みゾーン演出の終了後1回目の変動表示であることを示す確変先読みゾーン演出終了後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ032IWS302)。確変先読みゾーン演出終了後フラグがセットされていれば、そのまま確変先読みゾーン演出開始処理を終了する。
本例では、ステップ032IWS032の処理が実行されることによって、確変先読みゾーン演出を終了した後、少なくとも1回目の変動表示では再び確変先読みゾーン演出を開始しないようにし、確変先読みゾーン演出を終了してから次の確変先読みゾーン演出を開始するまでマージンとして少なくとも1回の変動表示を設けるように構成している。
なお、本例で示した態様にかぎらず、例えば、確変先読みゾーン演出を終了してから次の確変先読みゾーン演出を開始するまでマージンとして複数回(例えば、2回や5回)の変動表示を設けるように構成してもよい。
確変先読みゾーン演出終了後フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、確変状態中であるか否かを確認する(ステップ032IWS303)。なお、確変状態中であるか否かは、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100によって送信される遊技状態を指定する状態指定コマンドや、遊技状態を特定可能な背景指定コマンドを確認することにより判定できる。確変状態中でなければ、そのまま確変先読みゾーン演出開始処理を終了する。
確変状態中であれば、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている全ての図柄指定コマンドを抽出する(ステップ032IWS304)。そして、演出制御用CPU120は、抽出した図柄指定コマンドで示される入賞時判定結果の中に通常大当りとなるものがあるか否か(すなわち、通常大当りとなる保留記憶があるか否か)を確認する(ステップ032IWS305)。通常大当りとなる保留記憶がある場合には、そのまま確変先読みゾーン演出開始処理を終了する。従って、本例では、通常大当りとなる保留記憶がある場合には確変先読みゾーン演出が実行される場合はなく、確変先読みゾーン演出の実行中に大当りが発生すれば必ず確変大当りとなる。
なお、本例では、通常大当りとなる保留記憶がある場合には一律に確変先読みゾーン演出を開始しない場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、通常大当りとなる保留記憶がある場合であっても、その通常大当りとなる1つ前の変動表示までは確変先読みゾーン演出を実行可能に構成してもよい。例えば、4つ目の保留記憶が通常大当りとなる保留記憶である場合に、3つ目の保留記憶にもとづく変動表示を終了するまでは確変先読みゾーン演出を実行可能に構成してもよい。
通常大当りとなる保留記憶がなければ、演出制御用CPU120は、抽出した図柄指定コマンドで示される入賞時判定結果の中に確変大当りとなるものがあるか否か(すなわち、確変大当りとなる保留記憶があるか否か)を確認する(ステップ032IWS306)。
確変大当りとなる保留記憶がある場合には、演出制御用CPU120は、確変先読みゾーン演出を実行するか否かを決定するためのテーブルとして、確変大当り用の確変先読みゾーン演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、確変先読みゾーン演出を実行するか否かを決定する(ステップ032IWS307)。そして、確変先読みゾーン演出を実行することに決定した場合には(ステップ032IWS308のY)、ステップ032IWS312に移行する。
確変大当りとなる保留記憶もない場合(すなわち、はずれとなる保留記憶しかない場合)には、演出制御用CPU120は、確変先読みゾーン演出を実行するか否かを決定するためのテーブルとして、はずれ用の確変先読みゾーン演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、確変先読みゾーン演出を実行するか否かを決定する(ステップ032IWS309)。そして、確変先読みゾーン演出(いわゆるガセの確変先読みゾーン演出)を実行することに決定した場合には(ステップ032IWS310のY)、演出制御用CPU120は、確変先読みゾーン演出の最大の実行回数(最大で何変動にわたって確変先読みゾーン演出を実行するかを示す数)をカウントするための変動回数カウンタに5をセットする(ステップ032IWS311)。そして、ステップ032IWS312に移行する。
図8−6は、確変先読みゾーン演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図8−6(A)は、ステップ032IWS307で用いられる確変大当り用の確変先読みゾーン演出決定テーブルの具体例を示している。また、図8−6(B)は、ステップ032IWS309で用いられるはずれ用の確変先読みゾーン演出決定テーブルの具体例を示している。本例では、図8−6(A)に示すように、確変大当りとなる保留記憶がある場合には、40%の確率で確変先読みゾーン演出を実行することに決定される。また、図8−6(B)に示すように、はずれとなる保留記憶しかない場合であっても、5%の確率で確変先読みゾーン演出(ガセの確変先読みゾーン演出)を実行することに決定される。
ステップ032IWS312では、演出制御用CPU120は、画像表示装置5における背景画像を、確変先読みゾーン演出に応じた背景画像(例えば、黄色の表示色の背景画像)に変更し、確変先読みゾーン演出を開始する制御を行う(ステップ032IWS312)。そして、演出制御用CPU120は、確変先読みゾーン演出実行中フラグをセットする(ステップ032IWS313)。
なお、本例では、確変大当りとなる保留記憶がありステップ032IWS307で確変先読みゾーン演出を実行すると決定したことにもとづいて確変先読みゾーン演出を開始した場合には、その後、確変大当りとなる変動表示を終了するときや確変大当りとなる1つ前の変動表示を終了するときに確変先読みゾーン演出を終了することになる(後述する確変先読みゾーン演出終了処理のステップ032IWS503,S506,S514参照)。一方、はずれとなる保留記憶しかなくステップ032IWS309で確変先読みゾーン演出を実行すると決定したことにもとづいて確変先読みゾーン演出(いわゆるガセの確変先読みゾーン演出)を開始した場合には、その後、最大でも5回の変動表示を終了し変動回数カウンタの値が0となったときに確変先読みゾーン演出を終了することになる(後述する確変先読みゾーン演出終了処理のステップ032IWS512,S514参照)。
なお、本例では、確変大当りとなる保留記憶がある場合には、変動回数カウンタをセットしない場合を示しているが、例えば、合算保留記憶数の最大数よりも多い値(本例では、8以上の値)を変動回数カウンタにセットして、実質的に確変大当りが発生するまで確変先読みゾーン演出が継続されるように構成してもよい。
また、本例では、ガセの確変先読みゾーン演出を実行する場合に、一律に最大で5回の変動表示を終了したときに確変先読みゾーン演出を終了する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、最大で4回や7回の変動表示を終了したときに確変先読みゾーン演出を終了するように構成してもよいし、抽選処理により確変先読みゾーン演出を終了するか否かを決定して、抽選処理に当選したときに確変先読みゾーン演出を終了するように構成してもよい。
また、本例では、飾り図柄の変動表示を開始するときに、可変表示開始設定処理(ステップS171)で確変先読みゾーン演出開始処理(ステップ032IWS8003)を実行して、確変先読みゾーン演出を開始可能に構成する場合を示しているが、そのような処理態様にかぎられない。例えば、演出制御プロセス処理(ステップS76)の先読予告設定処理(ステップS161)において、図8−5と同様の処理を行い、確変先読みゾーン演出を開始可能に構成してもよい。また、この場合、例えば、飾り図柄の変動表示の途中であっても確変先読みゾーン演出を開始可能に構成してもよい。
また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)側で、入賞時判定処理(ステップ032IWS1207,S1227)において、図8−5と同様の処理を行って確変先読みゾーン演出の開始を決定し、その旨を示すコマンドを送信し、演出制御用CPU120側で、確変先読みゾーン演出の開始を指定するコマンドを受信したことにもとづいて、確変先読みゾーン演出を開始するように構成してもよい。
(リーチ演出設定処理)
図8−7は、リーチ演出設定処理(ステップ032IWS8004)を示すフローチャートである。リーチ演出設定処理では、演出制御用CPU120は、まず、今回開始する変動表示が確変大当りとなるものであるか否かを確認する(ステップ032IWS401)。なお、確変大当りとなる変動表示であるか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドを確認することにより判定できる。確変大当りとなる変動表示であれば、演出制御用CPU120は、確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出を実行することに決定する(ステップ032IWS402)。
なお、本例では、確変大当りとなる変動表示であれば、必ず確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、非確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出を開始し、途中で非確変図柄から確変図柄にランクアップする態様でリーチ演出を実行する場合があるように構成してもよい。
また、例えば、非確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出を実行して、一旦非確変図柄の大当り図柄を仮停止表示し、その後、再抽選演出を実行して確変図柄の大当り図柄を確定表示させる場合があるように構成してもよい。
確変大当りとなる変動表示でなければ、演出制御用CPU120は、今回開始する変動表示が通常大当りとなるものであるか否かを確認する(ステップ032IWS403)。なお、通常大当りとなる変動表示であるか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドを確認することにより判定できる。通常大当りとなる変動表示であれば、演出制御用CPU120は、非確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出を実行することに決定する(ステップ032IWS404)。
通常大当りとなる変動表示でもなければ(すなわち、はずれとなる変動表示であれば)、演出制御用CPU120は、確変先読みゾーン演出終了後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ032IWS405)。確変先読みゾーン演出終了後フラグがセットされていれば(すなわち、確変先読みゾーン演出の終了後1回目の変動表示であれば)、演出制御用CPU120は、確変先読みゾーン演出終了後フラグをリセットする(ステップ032IWS406)。また、演出制御用CPU120は、リーチ演出を決定するためのテーブルとして、確変先読みゾーン演出終了後用のリーチ演出決定テーブルを選択する(ステップ032IWS407)。
確変先読みゾーン演出終了後フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、変動回数カウンタの値が1となっているか否かを確認する(ステップ032IWS408)。変動回数カウンタの値が1となっていれば(すなわち、ガセの確変先読みゾーン演出実行中の最後の変動表示であれば)、演出制御用CPU120は、リーチ演出を決定するためのテーブルとして、最終変動用のリーチ演出決定テーブルを選択する(ステップ032IWS409)。
一方、変動回数カウンタの値が1でもなければ、演出制御用CPU120は、リーチ演出を決定するためのテーブルとして、通常用のリーチ演出決定テーブルを選択する(ステップ032IWS410)。
次いで、演出制御用CPU120は、ステップ032IWS407,S409,S410で選択したリーチ演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、リーチ演出の有無およびリーチ図柄を決定する(ステップ032IWS411)。
図8−8は、リーチ演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図8−8(A)は、ステップ032IWS407で選択される確変先読みゾーン演出終了後用のリーチ演出決定テーブルの具体例を示している。また、図8−8(B)は、ステップ032IWS409で選択される最終変動用のリーチ演出決定テーブルの具体例を示している。また、図8−8(C)は、ステップ032IWS410で選択される通常用のリーチ演出決定テーブルの具体例を示している。
本例では、図8−8(A)に示すように、確変先読みゾーン演出終了後用のリーチ演出決定テーブルでは(すなわち、確変先読みゾーン演出の終了後1回目の変動表示を実行する場合には)、図8−8(C)に示す通常用のリーチ演出決定テーブルと比較して、リーチ演出の実行確率が60%(非確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出の50%と確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出の10%との合計)と高くなっているとともに、確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出よりも非確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出の実行確率が50%と高くなっている。従って、本例では、確変先読みゾーン演出の終了後1回目の変動表示では、非確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出が実行されやすい。
また、本例では、図8−8(B)に示すように、最終変動用のリーチ演出決定テーブルでは(すなわち、ガセの確変先読みゾーン演出実行中の最後の変動表示では)、図8−8(C)に示す通常用のリーチ演出決定テーブルと比較して、リーチ演出の実行確率40%(非確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出の10%と確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出の30%との合計)と高くなっているとともに、非確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出よりも確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出の実行確率が30%と高くなっている。従って、本例では、ガセの確変先読みゾーン演出実行中の最後の変動表示では、確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出が実行されやすい。
なお、本例では、ステップ032IWS405〜S407の処理が実行されることによって、確変先読みゾーン演出終了後の1変動目におけるリーチ演出の実行確率や非確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出の実行確率を高める場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、確変先読みゾーン演出終了後、複数変動にわたってリーチ演出の実行確率や非確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出の実行確率を高めるように構成してもよい。この場合、例えば、確変先読みゾーン演出終了後、10回の変動表示を終了するまで、ステップ032IWS407を実行して図8−8(A)に示す確変先読みゾーン演出終了後用のリーチ演出決定テーブルが選択されるように構成してもよい。
また、ステップ032IWS402,S404,S411でリーチ演出が決定されると、可変表示開始設定処理のステップ032IWS8005において、決定したリーチ図柄のリーチ演出を含むプロセステーブルが選択され、選択されたプロセステーブルに従ってステップ032IWS8007および可変表示中演出処理(ステップS172)が実行されることによって、飾り図柄の変動表示中にリーチ演出が実行される。
(特図当り待ち処理)
図8−9は、図7に示された演出制御プロセス処理における特図当り待ち処理(ステップS173)を示すフローチャートである。特図当り待ち処理において、まず、演出制御用CPU120は、飾り図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ032IWS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップ032IWS8306に移行する。この特徴部032IWでは、飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップ032IWS8305で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、大当り中演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したが大当り中演出をまだ実行していない段階であるので、ステップ032IWS8302の飾り図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップ032IWS8306に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU120は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップ032IWS8302)。
次いで、演出制御用CPU120は、確変先読みゾーン演出を終了するための確変先読みゾーン演出終了処理を実行する(ステップ032IWS8303)。
次いで、ステップ032IWS8302の処理で大当り図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップ032IWS8304のN)、演出制御用CPU120は、ステップ032IWS8312に移行する。
ステップ032IWS8302の処理で大当り図柄を停止表示した場合には(ステップ032IWS8304のY)、演出制御用CPU120は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップ032IWS8305)、いずれかの大当り開始指定コマンドを受信したか否か(例えば、いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か)を確認する(ステップ032IWS8306)。いずれかの大当り開始指定コマンドを受信していれば、演出制御用CPU120は、停止図柄表示フラグをリセットする(ステップ032IWS8307)。なお、この場合、演出制御用CPU120は、セットされていた大当り開始指定コマンド受信フラグもリセットする。
次いで、演出制御用CPU120は、大当り中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップ032IWS8308)。そして、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップ032IWS8309)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての遊技効果ランプ9、および演出用部品としてのスピーカ8L,8R)の制御を実行する(ステップ032IWS8310)。
そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を、大当り中演出処理に応じた値に更新し(ステップ032IWS8311)、特図当り待ち処理を終了する。
大当りとしないことに決定されている場合には(ステップ032IWS8304のN)、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を、可変表示開始待ち処理に応じた値に更新し(ステップ032IWS8312)、特図当り待ち処理を終了する。
(確変先読みゾーン演出終了処理)
図8−10は、確変先読みゾーン演出終了処理(ステップ032IWS8303)を示すフローチャートである。確変先読みゾーン演出終了処理では、演出制御用CPU120は、まず、確変先読みゾーン演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ032IWS501)。確変先読みゾーン演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、確変先読みゾーン演出の実行中であれば)、演出制御用CPU120は、セットされていれば、変動回数カウンタの値を1減算する(ステップ032IWS502)。
次いで、演出制御用CPU120は、今回終了する変動表示で確変大当り図柄を確定表示させたか否かを確認する(ステップ032IWS503)。なお、確変大当り図柄を確定表示させたか否か(確変大当りとなる変動表示であったか否か)は、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドを確認することにより判定できる。確変大当り図柄を確定表示させた場合であれば、ステップ032IWS514に移行する。
確変大当り図柄を確定表示させた場合でなければ、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている全ての図柄指定コマンドを抽出する(ステップ032IWS504)。そして、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されていた1つ目の図柄指定コマンドで示される入賞時判定結果が通常大当りとなるものであるか否か(すなわち、次の保留記憶が通常大当りとなるものであるか否か)を確認する(ステップ032IWS505)。次の保留記憶が通常大当りとなるものであれば、ステップ032IWS514に移行する。
なお、本例では、ステップ032IWS504で全ての図柄指定コマンドを抽出する場合を示しているが、ステップ032IWS505,S506,S509で確認するのは次の保留記憶および2つ目の保留記憶のみであるので、1つ目および2つ目に格納されている図柄指定コマンドを抽出するようにしてもよい。
なお、例えば、保留記憶が4個未満であり且つ全ての保留記憶がはずれとなるものである場合に、確変先読みゾーン演出開始処理のステップ032IWS309でガセの確変先読みゾーン演出を実行することに決定されると、その後に通常大当りとなる保留記憶が記憶され、5回の変動表示を終了する前に、その通常大当りとなる保留記憶が消化される状況となる場合がありうることになり、ステップ032IWS505でYと判定される場合がありうる。
次の保留記憶が通常大当りとなるものでなければ、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されていた1つ目の図柄指定コマンドで示される入賞時判定結果が確変大当りとなるものであるか否か(すなわち、次の保留記憶が確変大当りとなるものであるか否か)を確認する(ステップ032IWS506)。次の保留記憶が確変大当りとなるものであれば、演出制御用CPU120は、確変先読みゾーン演出を終了するか否かを決定するためのテーブルとして、確変大当り用の確変先読みゾーン演出終了決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、確変先読みゾーン演出を終了するか否かを決定する(ステップ032IWS507)。そして、確変先読みゾーン演出を終了することに決定した場合には(ステップ032IWS508のY)、ステップ032IWS514に移行する。
次の保留記憶が確変大当りとなるものでなければ、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されていた2つ目の図柄指定コマンドで示される入賞時判定結果が通常大当りとなるものであるか否か(すなわち、2つ目の保留記憶が通常大当りとなるものであるか否か)を確認する(ステップ032IWS509)。2つ目の保留記憶が通常大当りとなるものであれば、演出制御用CPU120は、確変先読みゾーン演出を終了するか否かを決定するためのテーブルとして、通常大当り用の確変先読みゾーン演出終了決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、確変先読みゾーン演出を終了するか否かを決定する(ステップ032IWS510)。そして、確変先読みゾーン演出を終了することに決定した場合には(ステップ032IWS511のY)、ステップ032IWS514に移行する。
なお、例えば、保留記憶が3個未満であり且つ全ての保留記憶がはずれとなるものである場合に、確変先読みゾーン演出開始処理のステップ032IWS309でガセの確変先読みゾーン演出を実行することに決定されると、その後に通常大当りとなる保留記憶が記憶され、5回の変動表示を終了する前に、2回以上の変動表示を残してその通常大当りとなる保留記憶が消化される状況となる場合がありうることになり、ステップ032IWS509でYと判定される場合がありうる。
2つ目の保留記憶が通常大当りとなるものでもなかった場合(ステップ032IWS509のN)、または確変先読みゾーン演出の終了を決定しなかった場合(ステップ032IWS511のN)には、演出制御用CPU120は、変動回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップ032IWS512)。変動回数カウンタの値が0となっていれば、演出制御用CPU120は、確変先読みゾーン演出終了後フラグをセットし(ステップ032IWS513)、ステップ032IWS514に移行する。
なお、ステップ032IWS512では、ステップ032IWS504で抽出した図柄指定コマンドにもとづいて、確変大当りとなる保留記憶があるか否かを判定し、確変大当りとなる保留記憶がない場合(すなわち、ガセの確変先読みゾーン演出の実行中であると判定した場合)に、変動回数カウンタの値を確認して確変先読みゾーン演出を終了するか否かを判定するようにすることが望ましい。
図8−11は、確変先読みゾーン演出終了決定テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図8−11(A)は、ステップ032IWS507で用いられる確変大当り用の確変先読みゾーン演出終了決定テーブルの具体例を示している。また、図8−11(B)は、ステップ032IWS510で用いられる通常大当り用の確変先読みゾーン演出終了決定テーブルの具体例を示している。本例では、図8−11(A)に示すように、次の保留記憶が確変大当りとなるものである場合であっても、5%の確率で確変先読みゾーン演出を終了することに決定される。また、図8−11(B)に示すように、2つ目の保留記憶が通常大当りとなるものである場合には、30%の確率で確変先読みゾーン演出を終了することに決定される。
ステップ032IWS514では、演出制御用CPU120は、画像表示装置5における背景画像を、確変先読みゾーン演出に応じた背景画像(例えば、黄色の表示色の背景画像)から通常の背景画像(例えば、青色の表示色の背景画像)に変更し、確変先読みゾーン演出を終了する制御を行う(ステップ032IWS514)。そして、演出制御用CPU120は、確変先読みゾーン演出実行中フラグをリセットする(ステップ032IWS515)。また、演出制御用CPU120は、セットされていれば、変動回数カウンタをリセットする(ステップ032IWS516)。
以上の処理が実行されることによって、本例では、確変先読みゾーン演出の実行中に、確変大当りが発生した場合や、次の保留記憶が通常大当りや確変大当りとなるものである場合、2つ目の保留記憶が通常大当りとなるものである場合、5回の変動表示を終了した場合に、確変先読みゾーン演出を終了する場合がある。
(確変先読みゾーン演出の演出態様)
次に、確変先読みゾーン演出の演出態様について説明する。図8−12および図8−13は、確変先読みゾーン演出の演出態様の具体例を説明するための説明図である。なお、図8−12および図8−13において、(A)(B)(C)の順に表示画面が遷移する。
まず、図8−12を用いて、確変大当りとなる保留記憶があることにもとづいて確変先読みゾーン演出を実行する場合の演出態様について説明する。確変先読みゾーン演出の実行中でない通常時には、図8−12(A)に示すように、画像表示装置5において通常の背景画像(例えば、青色の表示色の背景画像)が表示され、左中右の飾り図柄の変動表示が実行される。また、図8−12(A)に示すように、画像表示装置5の表示画面の下方には、合算保留記憶表示部032IW001が設けられ、現在の合算保留記憶数に応じた保留表示が表示される。図8−12(A)では、合算保留記憶表示部032IW001において5つの保留表示が表示されている例が示されている。
次いで、図8−12(B)に示すように、保留記憶を1つ消化して、次の飾り図柄の変動表示が開始されたものとする。この場合、変動表示を開始するときに、現在記憶されている保留記憶の中に確変大当りとなる保留記憶があることにもとづいて、確変先読みゾーン演出の実行が決定されたものとする(ステップ032IWS307,S308参照)。なお、図8−12(B)に示す例では、4番目に記憶されている保留記憶が確変大当りとなる保留記憶であったものとする。そして、確変先読みゾーン演出の実行が決定されたことにもとづいて、図8−12(B)に示すように、画像表示装置5において確変先読みゾーン演出に応じた背景画像(例えば、黄色の表示色の背景画像)に変更され、確変先読みゾーン演出が開始される(ステップ032IWS312参照)。
その後、保留記憶を順番に消化していき複数回の変動表示にわたって確変先読みゾーン演出が継続して実行される。そして、確変大当りとなる保留記憶が消化され、その保留記憶に対する飾り図柄の変動表示において、図8−12(C)に示すように、確変図柄(本例では、図柄「7」)の大当り図柄が確定表示される。そして、確変大当り図柄が確定表示されたことにもとづいて(ステップ032IWS503のY参照)、画像表示装置5において通常の背景画像(例えば、青色の表示色の背景画像)に変更され、確変先読みゾーン演出が終了される(ステップ032IWS514参照)。
次に、図8−13を用いて、はずれとなる保留記憶しかない場合にガセの確変先読みゾーン演出を実行する場合の演出態様について説明する。確変先読みゾーン演出の実行中でない通常時には、図8−13(A)に示すように、画像表示装置5において通常の背景画像(例えば、青色の表示色の背景画像)が表示され、左中右の飾り図柄の変動表示が実行される。また、図8−13(A)に示すように、画像表示装置5の表示画面の下方には、合算保留記憶表示部032IW001が設けられ、現在の合算保留記憶数に応じた保留表示が表示される。図8−13(A)では、合算保留記憶表示部032IW001において5つの保留表示が表示されている例が示されている。
次いで、図8−13(B)に示すように、保留記憶を1つ消化して、次の飾り図柄の変動表示が開始されたものとする。この場合、変動表示を開始するときに、現在記憶されている保留記憶の中にはずれとなる保留記憶しかないことにもとづいて、確変先読みゾーン演出の実行が決定されたものとする(ステップ032IWS309〜S311参照)。そして、確変先読みゾーン演出の実行が決定されたことにもとづいて、図8−13(B)に示すように、画像表示装置5において確変先読みゾーン演出に応じた背景画像(例えば、黄色の表示色の背景画像)に変更され、確変先読みゾーン演出が開始される(ステップ032IWS312参照)。
その後、保留記憶を順番に消化していき複数回の変動表示にわたって確変先読みゾーン演出が継続して実行される。また、図8−13(B)に示す確変先読みゾーン演出を開始した段階では4つの保留記憶が記憶されている状態であったが、その後、新たな始動入賞が発生し、はずれとなる保留記憶が2つ増加したものとする。そして、確変先読みゾーン演出を開始してから5つ目の変動表示を終了すると、図8−13(C)に示すように、変動回数カウンタの値が0となったことにもとづいて(ステップ032IWS512のY参照)、画像表示装置5において通常の背景画像(例えば、青色の表示色の背景画像)に変更され、確変先読みゾーン演出が終了される(ステップ032IWS514参照)。なお、この場合、確変先読みゾーン演出終了後フラグもセットされる(ステップ032IWS513参照)。
次いで、確変先読みゾーン演出を終了した後の1回目の飾り図柄の変動表示を開始するときに、確変先読みゾーン演出終了後フラグがセットされていることにもとづいて(ステップ032IWS405のY参照)、高い確率で非確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出を実行することに決定される(ステップ032IWS407,S411および図8−8(A)参照)。そして、図8−13(D)に示すように、確変先読みゾーン演出を終了した後の1回目の飾り図柄の変動表示において、高い確率で非確変図柄(本例では、図柄「6」)をリーチ図柄としたリーチ演出が実行される。
(確変先読みゾーン演出の実行パターン)
次に、確変先読みゾーン演出の実行パターンについて説明する。図8−14〜図8−16は、確変先読みゾーン演出の実行パターンを説明するための説明図である。図8−14(1)は、確変大当りとなる保留記憶があることにもとづいて確変先読みゾーン演出を実行する場合の実行パターンを示している。図8−14(1)に示すように、確変大当りとなる保留記憶があることにもとづいて確変先読みゾーン演出を開始した場合には、少なくともその確変大当りとなる変動表示を終了すると、確変先読みゾーン演出を終了する(ステップ032IWS503のY、ステップ032IWS514、および図8−12参照)。
また、図8−14(2)は、はずれとなる保留記憶しかない場合にガセの確変先読みゾーン演出を実行する場合の実行パターンを示している。図8−14(2)に示すように、ガセの確変先読みゾーン演出を開始した場合には、最大で5回の変動表示を終了すると、確変先読みゾーン演出を終了する(ステップ032IWS512のY、ステップ032IWS514参照)。
また、確変先読みゾーン演出の実行中に、次の保留記憶が通常大当りとなる保留記憶である場合にも確変先読みゾーン演出を終了する場合がある。図8−14(3)に示す実行パターンでは、はずれとなる保留記憶しかないことにもとづいて確変先読みゾーン演出を開始したのであるが、その後、新たに通常大当りとなる保留記憶が記憶され、次の保留記憶が通常大当りとなる保留記憶となったことにもとづいて、確変先読みゾーン演出を終了する場合が示されている(ステップ032IWS505のY、ステップ032IWS514参照)。なお、図8−14(3)では、確変先読みゾーン演出実行中の5回目の変動表示の次の保留記憶が通常大当りとなる保留記憶である場合を示しているが、例えば、確変先読みゾーン演出実行中の3回目や4回目の変動表示の次の保留記憶が通常大当りとなる保留記憶である場合には、その3回目や4回目の変動表示を終了したときに確変先読みゾーン演出が終了することになる。
また、確変先読みゾーン演出の実行中に、次の保留記憶が確変大当りとなる保留記憶である場合にも低い確率で確変先読みゾーン演出を終了する場合がある。図8−14(4)に示す実行パターンでは、次の保留記憶が確変大当りとなる保留記憶なのであるが、確変先読みゾーン演出が継続されずに、確変先読みゾーン演出を終了する場合が示されている(ステップ032IWS506〜S507、ステップ032IWS508のY、ステップ032IWS514、および図8−11(A)参照)。なお、図8−14(3)では、確変先読みゾーン演出実行中の5回目の変動表示の次の保留記憶が確変大当りとなる保留記憶である場合を示しているが、例えば、確変先読みゾーン演出実行中の3回目や4回目の変動表示の次の保留記憶が確変大当りとなる保留記憶である場合であっても、低い確率でその3回目や4回目の変動表示を終了したときに確変先読みゾーン演出が終了する場合がある。
また、ガセの確変先読みゾーン演出を終了した後の1回目の飾り図柄の変動表示では、高い確率でリーチ演出が実行される。図8−15(5)に示す実行パターンでは、ガセの確変先読みゾーン演出を終了した後の1回目の飾り図柄の変動表示において、通常よりも高い確率でリーチ演出が実行されるとともに、高い確率で非確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出が実行される(ステップ032IWS405〜407,S411、図8−8(A)、および図8−13参照)。
なお、本例では、ガセの確変先読みゾーン演出を終了した後の1回目の飾り図柄の変動表示においてリーチ演出の実行確率や非確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出の実行確率を高くする場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、図8−15(5)に示す実行パターンにおいて、ガセの確変先読みゾーン演出を終了した後の1回目の飾り図柄の変動表示であっても、通常と同じ確率でリーチ演出を実行するように構成してもよい。
また、確変先読みゾーン演出の実行中に、2つ目の保留記憶が通常大当りとなる保留記憶である場合にも確変先読みゾーン演出を終了する場合がある。図8−15(6)に示す実行パターンでは、はずれとなる保留記憶しかないことにもとづいて確変先読みゾーン演出を開始したのであるが、その後、新たに通常大当りとなる保留記憶が記憶され、2つ目の保留記憶が通常大当りとなる保留記憶となったことにもとづいて、確変先読みゾーン演出を終了する場合が示されている(ステップ032IWS509〜S510、ステップ032IWS511のY、ステップ032IWS514参照)。従って、図8−15(6)に示す実行パターンでは、確変先読みゾーン演出を終了した後に直ちに通常大当りとなるのではなく、はずれとなる変動表示を1回挟んでから通常大当りとなって確変状態が終了することになる。
なお、本例では、図8−15(6)に示すように、確変先読みゾーン演出を終了した後に、はずれとなる変動表示を1回挟んでから通常大当りとなって確変状態が終了する場合があるように制御する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、さらに、はずれとなる変動表示を2回または3回挟んでから通常大当りとなって確変状態が終了する場合があるように構成してもよい。
また、次の保留記憶が通常大当りとなる保留記憶であることにもとづいて確変先読みゾーン演出を終了する場合には、その確変先読みゾーン演出実行中の最終変動において高い割合でリーチ演出が実行される場合がある。図8−15(7)に示す実行パターンでは、次の保留記憶が通常大当りとなる保留記憶であることにもとづいて確変先読みゾーン演出を終了するとともに、その確変先読みゾーン演出実行中の最終変動が5変動目である場合には、通常よりも高い確率でリーチ演出が実行されるとともに、高い確率で確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出が実行される(ステップ032IWS408〜409,S411、および図8−8(B)参照)。
また、次の保留記憶が確変大当りとなる保留記憶であることにもとづいて確変先読みゾーン演出を終了する場合には、その確変先読みゾーン演出実行中の最終変動において高い割合でリーチ演出が実行される場合がある。図8−15(8)に示す実行パターンでは、次の保留記憶が確変大当りとなる保留記憶であることにもとづいて確変先読みゾーン演出を終了するとともに、その確変先読みゾーン演出実行中の最終変動が5変動目である場合には、通常よりも高い確率でリーチ演出が実行されるとともに、高い確率で確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出が実行される(ステップ032IWS408〜409,S411、および図8−8(B)参照)。
なお、次の保留記憶が確変大当りとなる保留記憶であることにもとづいて確変先読みゾーン演出を終了する場合、3変動目や4変動目で確変先読みゾーン演出を終了する場合であっても、その最終変動において高い確率でリーチ演出を実行するように構成してもよい。図8−16(9)に示す変形例の実行パターンでは、確変先読みゾーン演出実行中の4変動目において、次の保留記憶が確変大当りとなる保留記憶であることにもとづいて確変先読みゾーン演出を終了するとともに、その4変動目の変動表示において高い確率でリーチ演出(特に、確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出)を実行する場合が示されている。
また、次の保留記憶が通常大当りとなる保留記憶であることにもとづいて確変先読みゾーン演出を終了する場合に、3変動目や4変動目で確変先読みゾーン演出を終了する場合であっても、図8−16(9)に示す変形例の実行パターンと同様に、その最終変動において高い確率でリーチ演出を実行するように構成してもよい。
なお、本特徴部032IWにおいても、次の保留記憶が確変大当りや通常大当りとなる保留記憶であることにもとづいて3変動目や4変動目で確変先読みゾーン演出を終了する場合であっても、低い確率でリーチ演出が実行される場合があるので(ステップ032IWS410、図8−8(C)参照)、低い割合ではあるが、図8−16(9)の実行パターンにより確変先読みゾーン演出が実行される場合がある。
また、図8−14〜図8−16に示した確変先読みゾーン演出の実行パターンにかぎらず、様々な実行パターンがあるように構成してもよい。例えば、確変先読みゾーン演出を一旦終了した後に再び確変先読みゾーン演出が開始される実行パターンもあるように構成してもよい。この場合、例えば、確変先読みゾーン演出を一旦終了した後に、はずれ変動において非確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出を実行して確変状態が終了するかもしれないとの危機感を煽った直後に、再び確変先読みゾーン演出が開始されて安心感を与えるような実行パターンを設けてもよい。
以上に説明したように、本特徴部032IWによれば、所定条件の成立(例えば、大当り図柄の導出表示)に基づいて有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能であり、有利状態とは異なる第1特別状態(例えば、時短状態)と第1特別状態よりも遊技者にとって有利な第2特別状態(例えば、確変状態)とに制御可能である。また、第2特別状態において、有利状態に制御されると有利状態制御後に第2特別状態に制御されることを予告する予告演出(例えば、図8−12(B),(C)および図8−13(B),(C)に示す確変先読みゾーン演出)を実行する。また、第1特別状態に制御されることを示唆する示唆演出(例えば、図8−13(D)に示す非確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出)を実行し、予告演出が終了した後は示唆演出を高い割合で実行する(図8−13参照)。そのため、予告演出後の演出効果を高めることができる。
具体的には、確変先読みゾーン演出の実行中の期間であれば、通常大当りとなることはなく確変状態が終了するおそれがないという安心感を与えることができるのであるが、逆に確変先読みゾーン演出を終了してしまうと、通常大当りとなって確変状態が終了することを遊技者に連想させ、遊技者は失望感を感じる。そこで、本例では、確変先読みゾーン演出を終了した後のはずれ変動において直ちに非確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出を実行することによって、確変状態が終了するかもしれないとの危機感を煽ることができ、安心感から危機感への移行という演出状況の変化を実現することができる。また、非確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出を実行して一旦遊技者を失望させた後、リーチはずれとなって確変状態が継続するので、さらに危機感から安心感への移行という演出状況の変化を実現することができ、演出効果を高めることができる。
また、本特徴部032IWによれば、予告演出が終了した後、示唆演出として所定条件が成立することを示唆する演出(例えば、図8−13(D)に示す非確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出)を実行する。そのため、所定条件が成立することを示唆する演出によって演出効果を高めることができる。
特に、本例では、確変先読みゾーン演出を終了した後、はずれ変動において非確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出を実行するので、はずれとなる非確変図柄をリーチ図柄としたリーチ演出の演出態様によって演出効果を高めることができる。
また、本特徴部032IWによれば、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103))と、遊技制御手段からの情報(例えば、演出制御コマンド)に基づいて演出を制御する演出制御手段(例えば、演出制御用CPU120)とを備える。また、遊技制御手段は、可変表示パターン(例えば、変動パターン)を特定可能な可変表示パターン情報(例えば、変動パターンコマンド)を出力する。そして、演出制御手段は、可変表示パターン情報で特定される1の可変表示パターンに対して、可変表示の態様をリーチ態様とするか否かを決定する(例えば、リーチ演出設定処理(ステップ032IWS8004)参照)。そのため、好適に演出を実行することができる。
また、本特徴部032IWによれば、予告演出が終了した後に第2特別状態に制御可能である(例えば、図8−14(4)に示す確変先読みゾーン演出の実行パターン参照)。そのため、予告演出が終了した後に対する遊技者の期待感を維持することができる。例えば、確変先読みゾーン演出を終了した場合であっても、必ずしも確変状態が終了するとはかぎらず、確変大当りとなって確変状態が継続する場合があるので、確変先読みゾーン演出を終了したことに対する失望感を軽減することができる。
また、本特徴部032IWによれば、予告演出を終了した後に第1特別状態に制御される場合、該予告演出を終了した後所定期間を経過してから第1特別状態に制御されるように該予告演出を終了する(例えば、図8−15(6)に示す確変先読みゾーン演出の実行パターン参照)。そのため、予告演出が終了した後に第1特別状態に制御される場合の失望感を軽減することができる。例えば、確変先読みゾーン演出を終了した後に直ちに通常大当りとなって確変状態が終了するとはかぎらず、はずれ変動の変動表示が実行される場合もあるので、確変先読みゾーン演出を終了したことに対する失望感を軽減することができる。
また、本特徴部032IWによれば、可変表示(例えば、飾り図柄の変動表示)を実行する。また、有利状態に制御されない可変表示において予告演出が終了される場合であっても、該可変表示の態様をリーチ態様とすることが可能である(例えば、図8−15(7),(8)に示す確変先読みゾーン演出の実行パターン参照)。そのため、演出効果を高めることができる。例えば、ガセの確変先読みゾーン演出を実行する場合であっても期待感を与えることができるので、演出効果を高めることができる。
なお、本例では、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに入賞した順に、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを実行する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行する遊技機において、本特徴部032IWで示した構成を適用してもよい。この場合、例えば、確変状態中に時短状態にも制御されるのであれば、確変状態中は殆ど第2特別図柄の変動表示が実行されるのであるから、複数回の第2特別図柄の変動表示にわたって、本特徴部032IWで示した確変先読みゾーン演出を実行するように構成してもよい。
また、本例では、画像表示装置5の背景画像を変化させることによって確変先読みゾーン演出を実行する場合を示したが、確変先読みゾーン演出の演出態様は、そのような態様にかぎられない。例えば、複数の変動表示にわたって所定のキャラクタ画像を表示したり、複数の変動表示にわたって演出用役物を動作させたりすることによって、確変先読みゾーン演出を実行してもよく、様々な態様が考えられる。
なお、本特徴部032IWで示した構成は、確変状態が継続するか否かを示唆する確変先読みゾーン演出を実行する場合にかぎらず、様々なゾーン演出を実行する場合に適用可能である。例えば、演出モードが変化するか否かを示唆するゾーン演出を実行可能に構成し、本特徴部032IWで示した構成を適用するように構成してもよい。
また、本特徴部032IWで示した構成をスロット機に適用することも可能である。スロット機に適用する場合、例えば、第1特別状態としてRT(リプレイタイム)に制御し、第2特別状態としてAT(アシストタイム)やART(アシストリプレイタイム)に制御するように構成し、先読みゾーン演出の実行中に役に当選すれば必ずATやARTになるように構成してもよい。