JP2016200771A - 光学フィルターおよび光学フィルターを用いた装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の態様例を以下に示す。
波長650nm以上の領域に光線阻止帯域Za、光線透過帯域Zb、光線阻止帯域Zcを有し、それぞれの帯域の中心波長はZa<Zb<Zcであり、
波長800nmにおける、光学フィルターの垂直方向から測定した場合の透過率が20%以下であり、光学フィルターの垂直方向に対して30°の方向から測定した場合の透過率が50%以下である、光学フィルター。
[4] 前記Zbのうち、光学フィルターの垂直方向から測定した場合に透過率が50%となる、最も短波長側の波長の値(Xa)が810〜900nmである、[1]〜[3]のいずれかに記載の光学フィルター。
[8] 前記化合物(S)が、下記式(S1)で表される化合物である、[7]に記載の光学フィルター。
R1〜R8はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、スルホ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、リン酸基、−NRgRh基、−SO2Ri基、−OSO2Ri基または下記La〜Lhのいずれかを表し、RgおよびRhはそれぞれ独立に、水素原子、−C(O)Ri基または下記La〜Leのいずれかを表し、Riは下記La〜Leのいずれかを表し、
(La)炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基
(Lb)炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基
(Lc)炭素数3〜14の脂環式炭化水素基
(Ld)炭素数6〜14の芳香族炭化水素基
(Le)炭素数3〜14の複素環基
(Lf)炭素数1〜12のアルコキシ基
(Lg)置換基Lを有してもよい炭素数1〜12のアシル基、
(Lh)置換基Lを有してもよい炭素数1〜12のアルコキシカルボニル基
置換基Lは、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基、炭素数3〜14の脂環式炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基および炭素数3〜14の複素環基からなる群より選ばれる少なくとも1種である。]
[13] [1]〜[12]のいずれかに記載の光学フィルターを具備する固体撮像装置。
[14] [1]〜[12]のいずれかに記載の光学フィルターを具備するカメラモジュール。
本発明の光学フィルターは、可視光線と一部の近赤外線を選択的に透過させるフィルターであって、波長650nm以上の領域に光線阻止帯域Za、光線透過帯域Zb、光線阻止帯域Zcを有し、それぞれの帯域の中心波長はZa<Zb<Zcであり、波長800nmにおける、光学フィルターの垂直方向から測定した場合の透過率が20%以下であり、光学フィルターの垂直方向に対して30°の方向から測定した場合の透過率が50%以下である、光学フィルターである。このような、本発明の光学フィルターは、可視光線と一部(所望領域)の近赤外線の透過率特性に優れ、さらに、入射角依存の少ない、特に近赤外選択透過帯域の短波長側で入射角依存の少ない光学フィルターである。
一方で、本発明の光学フィルターによれば、波長700〜800nmの透過率を低く抑えることができ、該フィルターに入射する角度が変化しても、波長800nmにおける透過率が低いため、様々な角度から光が入射する可能性がある用途であって、ノイズの低減が要求される用途に、特に好適に使用することができる。
このような透過特性を有するフィルターは、可視域と目的とする近赤外域において高い光線透過特性を達成でき、カメラ機能と近赤外センシング機能とを良好なレベルで両立することができる。
本発明の光学フィルターの厚みは、例えば、260μm以下、好ましくは210μm以下、より好ましくは160μm以下、さらに好ましくは120μm以下、特に好ましくは90μm以下であり、下限は特に制限されないが、例えば、20μmであることが望ましい。
本発明の光学フィルターの構造は特に制限されないが、薄型化可能であり、前記光学特性を有する光学フィルターを容易に得ることができる等の点から、下記化合物(S)を含む透明樹脂層を有する基材(i)を含有することが好ましく、該基材(i)と誘電体多層膜とを有することが好ましい。また、本発明の光学フィルターには、所望の用途、要求特性等に応じて、その他の機能膜が含まれていてもよい。
前記基材(i)は、単層であっても多層であってもよく、少なくとも下記化合物(S)を1種以上含有する透明樹脂層を有すればよい。基材(i)が単層の場合は、例えば、化合物(S)を含む透明樹脂製基板(ii)からなる基材を挙げることができ、この透明樹脂製基板(ii)が前記透明樹脂層となる。多層の場合は、例えば、ガラス支持体やベースとなる樹脂製支持体などの支持体または透明樹脂製基板(ii)上に化合物(S)を含有する硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの透明樹脂層が積層された基材や、化合物(S)を含む透明樹脂製基板(ii)上に硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの樹脂層が積層された基材を挙げることができる。製造コストや光学特性調整の容易性、さらに、樹脂製支持体や透明樹脂製基板(ii)の傷消し効果を達成できることや基材(i)の耐傷つき性向上等の点から、化合物(S)を含有する透明樹脂製基板(ii)上に硬化性樹脂からなるオーバーコート層などの樹脂層が積層された基材が特に好ましい。
以下、化合物(S)および透明樹脂を含有する層を「透明樹脂層」ともいい、それ以外の樹脂層を単に「樹脂層」ともいう。
波長750nm以上の領域における前記基材(i)の垂直方向から測定した透過率が50%未満から50%以上となる最も短い波長(Xf)は、好ましくは770〜900nm、さらに好ましくは775〜890nm、特に好ましくは780〜880nmである。
基材(i)の(Tb)および(Xf)の光学特性がこのような範囲にあれば、近赤外線選択透過帯域付近の不要な近赤外線を選択的に効率よくカットすることができ、センシング用近赤外線S/N比を向上できるとともに、基材(i)上に誘電体多層膜を製膜した際、近赤外線選択透過帯域の短波長側の光学特性の入射角依存性を低減することができる。
波長600nm以上の領域における前記基材(i)の垂直方向から測定した透過率が50%超から50%以下となる最も短い波長(Xc)は、好ましくは610〜705nm、さらに好ましくは620〜680nm、特に好ましくは630〜660nmである。
基材(i)の(Ta)および(Xc)の光学特性がこのような範囲にあれば、不要な近赤外線を選択的に効率よくカットすることができるとともに、基材(i)上に誘電体多層膜を製膜した際、可視域〜近赤外波付近の光学特性の入射角依存性を低減することができる。
基材(i)の厚みが前記範囲にあると、該基材(i)を用いた光学フィルターを薄型化および軽量化することができ、固体撮像装置等の様々な用途に好適に用いることができる。特に、前記透明樹脂製基板(ii)からなる基材(i)をカメラモジュール等のレンズユニットに用いた場合には、レンズユニットの低背化、軽量化を実現することができるため好ましい。
化合物(S)は、波長750〜850nmに吸収極大を有する化合物であり、好ましくは下記式(S1)で表されるスクアリリウム系化合物である。このような化合物(S)を用いることにより、得られる基材(i)は、吸収極大付近でのシャープな吸収と高い可視光透過率を同時に達成することができる。さらに、一般的な有機色素を光学フィルターに用いた場合、通常、蛍光が発生する場合が多いが、出願人が鋭意検討した結果、化合物(S)を用いることで、生じ得る蛍光強度を著しく低く抑えることができることを見出した。そのため、化合物(S)を含む基材(i)を有する本発明の光学フィルターを、近赤外センシング機能を有するカメラモジュールに使用した際、色素蛍光によるセンシング機能の誤作動を防止することができる。
R1〜R8はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、スルホ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、リン酸基、−NRgRh基、−SO2Ri基、−OSO2Ri基または下記La〜Lhのいずれかを表し、RgおよびRhはそれぞれ独立に、水素原子、−C(O)Ri基または下記La〜Leのいずれかを表し、Riは下記La〜Leのいずれかを表す。
(La)炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基
(Lb)炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基
(Lc)炭素数3〜14の脂環式炭化水素基
(Ld)炭素数6〜14の芳香族炭化水素基
(Le)炭素数3〜14の複素環基
(Lf)炭素数1〜12のアルコキシ基
(Lg)置換基Lを有してもよい炭素数1〜12のアシル基、
(Lh)置換基Lを有してもよい炭素数1〜12のアルコキシカルボニル基
置換基Lは、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基、炭素数3〜14の脂環式炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基および炭素数3〜14の複素環基からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
なお、本発明において、化合物の吸収極大波長は、例えば、該化合物を、その良溶媒に溶解させることで得られる溶液の透過率を測定(光路長1cm)した時の吸収が最大となる波長として観察される。
前記基材(i)に用いる化合物(S)としては、1種単独でもよいし、2種以上でもよい。
前記基材(i)は、化合物(S)に加え、さらに、波長600nm以上750nm未満に吸収極大を有する化合物(A)を含有してもよい。
化合物(A)と化合物(S)とは、同一の層に含まれていることがより好ましく、このような場合、これらの化合物が別々の層に含まれる場合よりも化合物(A)と化合物(S)との含有量比率を制御することがより容易となる。
スクアリリウム系化合物は、優れた可視光透過性、急峻な吸収特性および高いモル吸光係数を有するが、光線吸収時に散乱光の原因となる蛍光を発生させる場合がある。そのような場合、スクアリリウム系化合物とその他の化合物(A)とを組み合わせて使用することにより、散乱光が少なくより良好なカメラ画質を得ることができる。
前記基材(i)には、さらに、化合物(S)および化合物(A)に該当しない、その他の色素(X)が含まれていてもよい。
その他の色素(X)としては、吸収極大波長が600nm未満もしくは850nm超のものであれば特に制限されないが、例えば、スクアリリウム系化合物、フタロシアニン系化合物、シアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クロコニウム系化合物、ポルフィリン系化合物および金属ジチオラート系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。化合物(S)の吸収特性や目的とする近赤外透過波長によっては、化合物(S)とその他の色素(X)とを併用することで、可視域に加え近赤外透過帯域の長波長側においても入射角依存性を低減することができ、良好な赤外センシング性能を達成することができる。
透明樹脂製基板(ii)および該基板(ii)、樹脂製支持体またはガラス支持体などに積層する(透明)樹脂層は、透明樹脂を用いて形成することができる。
前記基材(i)に用いる透明樹脂としては、1種単独でもよいし、2種以上でもよい。
Tgは、具体的には、下記実施例に記載の方法で測定することができる。
MwおよびMnは、具体的には、下記実施例に記載の方法で測定することができる。
環状(ポリ)オレフィン系樹脂としては、下記式(X0)で表される単量体および下記式(Y0)で表される単量体からなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体から得られる樹脂、および当該樹脂を水素添加することで得られる樹脂が好ましい。
(i')水素原子
(ii')ハロゲン原子
(iii')トリアルキルシリル基
(iv')酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはケイ素原子を含む連結基を有する、
置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基
(v')置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基
(vi')極性基(但し、(iv')を除く。)
(vii')Rx1とRx2またはRx3とRx4とが、相互に結合して形成されたアルキリデン基
(但し、前記結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立に前記(i')〜(vi')より選ばれる原子または基を表す。)
(viii')Rx1とRx2またはRx3とRx4とが、相互に結合して形成された単環もしくは多環の炭化水素環または複素環(但し、前記結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立に前記(i')〜(vi')より選ばれる原子または基を表す。)
(ix')Rx2とRx3とが、相互に結合して形成された単環の炭化水素環または複素環(但し、前記結合に関与しないRx1とRx4は、それぞれ独立に前記(i')〜(vi')より選ばれる原子または基を表す。)
芳香族ポリエーテル系樹脂は、下記式(1)で表される構造単位および下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を有することが好ましい。
ポリイミド系樹脂としては、特に制限されず、繰り返し単位にイミド結合を含む高分子化合物であればよく、例えば、特開2006−199945号公報や特開2008−163107号公報に記載されている方法で合成することができる。
フルオレンポリカーボネート系樹脂としては、特に制限されず、フルオレン部位を含むポリカーボネート樹脂であればよく、例えば、特開2008−163194号公報に記載され〉
フルオレンポリエステル系樹脂としては、特に制限されず、フルオレン部位を含むポリエステル樹脂であればよく、例えば、特開2010−285505号公報や特開2011−197450号公報に記載されている方法で合成することができる。
フッ素化芳香族ポリマー系樹脂としては、特に制限されないが、フッ素原子を少なくとも1つ有する芳香族環と、エーテル結合、ケトン結合、スルホン結合、アミド結合、イミド結合およびエステル結合からなる群より選ばれる少なくとも1つの結合を含む繰り返し単位とを含有するポリマーであることが好ましく、例えば特開2008−181121号公報に記載されている方法で合成することができる。
アクリル系紫外線硬化型樹脂としては、特に制限されないが、分子内に一つ以上のアクリル基もしくはメタクリル基を有する化合物と、紫外線によって分解して活性ラジカルを発生させる化合物を含有する樹脂組成物から合成される樹脂を挙げることができる。アクリル系紫外線硬化型樹脂は、前記基材(i)として、ガラス支持体上やベースとなる樹脂製支持体上に化合物(S)および硬化性樹脂を含む透明樹脂層が積層された基材や、化合物(S)を含有する透明樹脂製基板(ii)上に硬化性樹脂等からなるオーバーコート層などの樹脂層が積層された基材を用いる場合、該硬化性樹脂として特に好適に使用することができる。
透明樹脂の市販品としては、以下の市販品等を挙げることができる。環状(ポリ)オレフィン系樹脂の市販品としては、JSR(株)製アートン、日本ゼオン(株)製ゼオノア、三井化学(株)製APEL、ポリプラスチックス(株)製TOPASなどを挙げることができる。ポリエーテルサルホン系樹脂の市販品としては、住友化学(株)製スミカエクセルPESなどを挙げることができる。ポリイミド系樹脂の市販品としては、三菱ガス化学(株)製ネオプリムLなどを挙げることができる。ポリカーボネート系樹脂の市販品としては、帝人(株)製ピュアエースなどを挙げることができる。フルオレンポリカーボネート系樹脂の市販品としては、三菱ガス化学(株)製ユピゼータEP−5000などを挙げることができる。フルオレンポリエステル系樹脂の市販品としては、大阪ガスケミカル(株)製OKP4HTなどを挙げることができる。アクリル系樹脂の市販品としては、(株)日本触媒製アクリビュアなどを挙げることができる。シルセスキオキサン系紫外線硬化型樹脂の市販品としては、新日鐵化学(株)製シルプラスなどを挙げることができる。
前記基材(i)は、本発明の効果を損なわない範囲において、さらに酸化防止剤、近紫外線吸収剤、蛍光消光剤および金属錯体系化合物等のその他の成分を含有してもよい。また、後述するキャスト成形により基材(i)を製造する場合には、レベリング剤や消泡剤を添加することで基材(i)の製造を容易にすることができる。これらその他成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
前記基材(i)が、化合物(S)を含有する透明樹脂製基板(ii)を含む基材である場合、該透明樹脂製基板(ii)は、例えば、溶融成形またはキャスト成形により形成することができる。
前記溶融成形としては、具体的には、樹脂と必要により化合物(S)等とを溶融混練りして得られたペレットを溶融成形する方法;樹脂と必要により化合物(S)とを含有する樹脂組成物を溶融成形する方法;または、樹脂および溶剤と、必要により化合物(S)とを含む樹脂組成物から溶剤を除去して得られたペレットを溶融成形する方法などが挙げられる。溶融成形方法としては、射出成形、溶融押出成形またはブロー成形などを挙げることができる。
前記キャスト成形としては、樹脂および溶剤と、必要により化合物(S)とを含む樹脂組成物を適当な支持体の上にキャスティングして溶剤を除去する方法;または、光硬化性樹脂および/または熱硬化性樹脂と、必要により化合物(S)とを含む硬化性組成物を適当な支持体の上にキャスティングして溶媒を除去した後、紫外線照射や加熱などの適切な手法により硬化させる方法などにより製造することもできる。
前記基材(i)が、化合物(S)を含有する透明樹脂製基板(ii)からなる基材である場合には、該基材(i)は、キャスト成形後、支持体から塗膜を剥離することにより得ることができ、また、前記基材(i)が、ガラス支持体やベースとなる樹脂製支持体等の支持体または透明樹脂製基板(ii)上に(透明)樹脂層が積層された基材である場合には、該基材(i)は、キャスト成形後、塗膜を剥離しないことで得ることができる。
前記誘電体多層膜は、不要な近赤外線を反射によりカットするとともに必要となる近赤外線を透過させる能力を有する膜であることが好ましい。本発明では、誘電体多層膜は基材(i)の片面に設けてもよいし、両面に設けてもよい。片面に設ける場合、製造コストや製造容易性に優れ、両面に設ける場合、高い強度を有し、反りの生じにくい光学フィルターを得ることができる。
本発明の光学フィルターは、本発明の効果を損なわない範囲において、基材(i)と誘電体多層膜との間、基材(i)の誘電体多層膜が設けられた面と反対側の面、または誘電体多層膜の基材(i)が設けられた面と反対側の面に、基材(i)や誘電体多層膜の表面硬度の向上、耐薬品性の向上、帯電防止および傷消しなどの目的で、反射防止膜、ハードコート膜や帯電防止膜などの機能膜を適宜設けることができる。
また、前記コーティング剤などを含む硬化性組成物をバーコーター等で基材(i)または誘電体多層膜上に塗布した後、紫外線照射等により硬化することによっても製造することができる。
これら溶剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
本発明の光学フィルターは、視野角が広く、可視光と一部の近赤外線を選択的に透過させることができる。したがって、カメラ機能と近赤外センシング機能を併せ持つCCDやCMOSイメージセンサーなどの固体撮像素子の視感度補正用として有用である。特に、デジタルスチルカメラ、スマートフォン用カメラ、携帯電話用カメラ、デジタルビデオカメラ、ウェアラブルデバイス用カメラ、PCカメラ、監視カメラ、自動車用カメラ、暗視カメラなどのカメラモジュールを含む装置、モーションキャプチャー、レーザー距離計、バーチャル試着、ナンバープレート認識装置、テレビ、カーナビゲーション、携帯情報端末、ビデオゲーム機、携帯ゲーム機、指紋認証システム、デジタルミュージックプレーヤー等に有用である。
本発明の固体撮像装置は、本発明の光学フィルターを具備する。ここで、固体撮像装置とは、カメラ機能と近赤外センシング機能を併せ持つCCDやCMOSイメージセンサー等といった固体撮像素子を備えたイメージセンサーであり、具体的にはデジタルスチルカメラ、スマートフォン用カメラ、携帯電話用カメラ、ウェアラブルデバイス用カメラ、デジタルビデオカメラなどのカメラモジュールを含む装置等の用途に用いることができる。例えば、本発明のカメラモジュールは、本発明の光学フィルターを具備し、例えば、さらにレンズ部やセンサー部等を具備する。
樹脂合成例で得られた樹脂の分子量は、各樹脂の溶剤への溶解性等を考慮し、下記の(a)または(b)の方法にて測定を行った。
(c)ポリイミド樹脂溶液の一部を無水メタノールに投入してポリイミド樹脂を析出させ、ろ過して未反応単量体を分離した。80℃で12時間真空乾燥して得られたポリイミド0.1gをN−メチル−2−ピロリドン20mLに溶解し、得られた希薄高分子溶液を用いて、キャノン−フェンスケ粘度計を使用して30℃における対数粘度(μ)を下記式により求めた。
μ={ln(ts/t0)}/C
t0:溶媒の流下時間
ts:希薄高分子溶液の流下時間
C:0.5g/dL
樹脂合成例で得られた樹脂のTgは、エスアイアイ・ナノテクノロジーズ(株)製の示差走査熱量計(DSC6200)を用いて、昇温速度:毎分20℃、窒素気流下で測定した。
基材の(Ta)、(Xc)、(Tb)および(Xf)、ならびに、光学フィルターの各波長領域における透過率、(Xa)、(Xb)、(Xd)、(Xe)および(Xa')は、(株)日立ハイテクノロジーズ製の分光光度計(U−4100)を用いて測定した。なお、前記(Ta)、(Xc)、(Tb)または(Xf)と同様にして、比較例で用いた基材についても、その光学特性を測定した。
下記実施例で用いた化合物(S)および化合物(A)は、一般的に知られている方法で合成することができ、例えば、特許第3094037号公報、特許第3703869号公報、特開昭60−228448号公報、特開平1−146846号公報、特開平1−228960号公報、特許第4081149号公報、特開昭63−124054号公報、「フタロシアニン −化学と機能―」(アイピーシー、1997年)、特開2007−169315号公報、特開2009−108267号公報、特開2010−241873号公報、特許第3699464号公報、特許第4740631号公報などに記載されている方法を参照して合成することができる。
下記式(a)で表される8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン100部、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部およびトルエン(開環重合反応用溶媒)300部を、窒素置換した反応容器に仕込み、得られた溶液を80℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、重合触媒として、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(濃度0.6mol/リットル)0.2部と、メタノール変性の六塩化タングステンのトルエン溶液(濃度0.025mol/リットル)0.9部とを添加し、80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合させて開環重合体溶液を得た。この重合における重合転化率は97%であった。
3Lの4つ口フラスコに2,6−ジフルオロベンゾニトリル35.12g(0.253mol)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン87.60g(0.250mol)、炭酸カリウム41.46g(0.300mol)、N,N−ジメチルアセトアミド(以下「DMAc」ともいう。)443gおよびトルエン111gを添加した。続いて、4つ口フラスコに温度計、撹拌機、窒素導入管付き三方コック、ディーンスターク管および冷却管を取り付けた。次いで、フラスコ内を窒素置換した後、得られた溶液を140℃で3時間反応させ、生成する水をディーンスターク管から随時取り除いた。水の生成が認められなくなったところで、徐々に温度を160℃まで上昇させ、そのままの温度で6時間反応させた。室温(25℃)まで冷却後、生成した塩をろ紙で除去し、ろ液をメタノールに投じて再沈殿させ、ろ別によりろ物(残渣)を単離した。得られたろ物を60℃で一晩真空乾燥し、白色粉末(以下「樹脂B」ともいう。)を得た(収率95%)。得られた樹脂Bは、数平均分子量(Mn)が75,000、重量平均分子量(Mw)が188,000であり、ガラス転移温度(Tg)が285℃であった。
温度計、撹拌器、窒素導入管、側管付き滴下ロート、ディーンスターク管および冷却管を備えた500mLの5つ口フラスコに、窒素気流下、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン27.66g(0.08モル)および4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル7.38g(0.02モル)を入れて、γ−ブチロラクトン68.65gおよびDMAc17.16gに溶解させた。得られた溶液を、氷水バスを用いて5℃に冷却し、同温に保ちながら1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物22.62g(0.1モル)およびイミド化触媒としてトリエチルアミン0.50g(0.005モル)を一括添加した。添加終了後、180℃に昇温し、随時留出液を留去させながら6時間還流させた。6時間の還流後、内温が100℃になるまで空冷し、DMAc143.6gを加えて希釈し、攪拌しながら冷却することで、固形分濃度20重量%のポリイミド樹脂溶液264.16gを得た。このポリイミド樹脂溶液の一部を1Lのメタノール中に注ぎ入れてポリイミドを沈殿させた。濾別したポリイミドをメタノールで洗浄した後、100℃の真空乾燥機中で24時間乾燥させて白色粉末(以下「樹脂C」ともいう。)を得た。
実施例1では、透明樹脂製基板からなる基材を有する光学フィルターを以下の手順および条件で作成した。
容器に、樹脂合成例1で得られた樹脂A 100部、化合物(S)として前記表1に記載の化合物(s−5)(ジクロロメタン中での吸収極大波長770nm)0.03部および塩化メチレンを加えて樹脂濃度が20重量%の溶液を調製した。得られた溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥させた後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの透明樹脂製基板からなる基材を得た。この基材の分光透過率を測定し、(Ta)、(Tb)、(Xc)および(Xf)を求めた。結果を図3および表7に示す。
誘電体多層膜(I)は、蒸着温度100℃でシリカ(SiO2)層とチタニア(TiO2)層とが交互に積層されてなる(合計24層)。誘電体多層膜(II)は、蒸着温度100℃でシリカ(SiO2)層とチタニア(TiO2)層とが交互に積層されてなる(合計18層)。誘電体多層膜(I)および(II)のいずれにおいても、シリカ層およびチタニア層は、基材側からチタニア層、シリカ層、チタニア層、・・・シリカ層、チタニア層、シリカ層の順で交互に積層されており、光学フィルターの最外層をシリカ層とした。
各層の厚さと層数については、可視域の反射防止効果と近赤外域の選択的な透過・反射性能を達成できるよう基材屈折率の波長依存特性や、使用した化合物(S)の吸収特性に合わせて光学薄膜設計ソフト(Essential Macleod、Thin Film Center社製)を用いて最適化を行った。最適化を行う際、本実施例においてはソフトへの入力パラメーター(Target値)を下記表2の通りとした。
実施例1において、化合物(s−5)0.03部の代わりに前記表1に記載の化合物(s−11)(ジクロロメタン中での吸収極大波長776nm)0.03部を用いたこと、ならびに、化合物(A)として、下記式(a−1)で表される化合物(a−1)(ジクロロメタン中での吸収極大波長698nm)0.03部および下記式(a−2)で表される化合物(a−2)(ジクロロメタン中での吸収極大波長733nm)0.03部を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順および条件で化合物(S)および化合物(A)を含む透明樹脂製基板からなる基材を得た。この基材の分光透過率を測定し、(Ta)、(Tb)、(Xc)および(Xf)を求めた。結果を図5および表7に示す。
実施例3では、両面に樹脂層を有する透明樹脂製基板からなる基材を有する光学フィルターを以下の手順および条件で作成した。
実施例1において、化合物(s−5)0.03部の代わりに前記表1に記載の化合物(s−23)(ジクロロメタン中での吸収極大波長784nm)0.03部を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順および条件で化合物(S)を含む透明樹脂製基板を得た。
実施例3において、化合物(s−23)0.03部の代わりに前記表1に記載の化合物(s−5)0.01部および前記表1に記載の化合物(s−21)(ジクロロメタン中での吸収極大波長782nm)0.02部を用いたこと以外は、実施例3と同様の手順および条件で化合物(S)を含む透明樹脂製基板の両面に樹脂層を有する基材を得た。この基材の分光透過率を測定し、(Ta)、(Tb)、(Xc)および(Xf)を求めた。結果を表7に示す。
実施例3において、化合物(s−23)0.03部の代わりに、前記表1に記載の化合物(s−11)0.04部を用いたこと、ならびに、化合物(A)として、下記式(a−3)で表される化合物(a−3)(ジクロロメタン中での吸収極大波長703nm)0.02部および下記式(a−4)で表される化合物(a−4)(ジクロロメタン中での吸収極大波長736nm)0.06部を用いたこと以外は、実施例3と同様の手順および条件で化合物(S)を含む透明樹脂製基板の両面に樹脂層を有する基材を得た。この基材の分光透過率を測定し、(Ta)、(Tb)、(Xc)および(Xf)を求めた。結果を表7に示す。
実施例6では、両面に化合物(S)を含む透明樹脂層を有する樹脂製基板からなる基材を有する光学フィルターを以下の手順および条件で作成した。
容器に、樹脂合成例1で得られた樹脂Aおよび塩化メチレンを加えて樹脂濃度が20重量%の溶液を調製し、得られた溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂製基板を作成した。
実施例7では、片面に化合物(S)を含む透明樹脂層を有する透明ガラス基板からなる基材を有する光学フィルターを以下の手順および条件で作成した。
縦60mm、横60mmの大きさにカットした透明ガラス基板「OA−10G(厚み200μm)」(日本電気硝子(株)製)上に下記組成の樹脂組成物(3)をスピンコーターで塗布し、ホットプレート上80℃で2分間加熱し、溶剤を揮発除去することで、塗膜を形成した。この際、乾燥後の厚みが2μmとなるように、スピンコーターの塗布条件を調整した。次に、コンベア式露光機を用いて露光(露光量500mJ/cm2,200mW)を行い、前記塗膜を硬化させ、化合物(S)を含む透明樹脂層を有する透明ガラス基板からなる基材を得た。この基材の分光透過率を測定し、(Ta)、(Tb)、(Xc)および(Xf)を求めた。結果を表7に示す。
実施例1において、化合物(S)を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして基材を作成した。続いて、実施例1と同様に、得られた基材の片面にシリカ(SiO2)層とチタニア(TiO2)層とが交互に積層されてなる(合計24層)誘電体多層膜(XV)を形成し、さらに基材のもう一方の面にシリカ(SiO2)層とチタニア(TiO2)層とが交互に積層されてなる(合計18層)誘電体多層膜(XVI)を形成し、厚さ約0.106mmの光学フィルターを得た。誘電体多層膜の設計は、基材屈折率の波長依存性等を考慮した上で、実施例1と同様の設計パラメーターを用いて行った。この光学フィルターの分光透過率を測定し、各波長領域における光学特性を評価した。結果を図7および表7に示す。
基材として、縦60mm、横60mmの大きさにカットした近赤外線吸収ガラス基板「BS−6(厚み210μm)」(松浪硝子工業(株)製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、基材の片面にシリカ(SiO2)層とチタニア(TiO2)層とが交互に積層されてなる(合計24層)誘電体多層膜(XVII)を形成し、さらに基材のもう一方の面にシリカ(SiO2)層とチタニア(TiO2)層とが交互に積層されてなる(合計18層)誘電体多層膜(XVIII)を形成し、厚さ約0.216mmの光学フィルターを得た。誘電体多層膜の設計は、基材屈折率の波長依存性等を考慮した上で、下記表6のような設計パラメーターを用いて行った。この光学フィルターの分光透過率を測定し、各波長領域における光学特性を評価した。結果を図8および表7に示す。
実施例1において、化合物(S)の代わりに前記化合物(a−2)0.03部および前記化合物(a−3)0.03部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして基材を作成した。
基材として、縦60mm、横60mmの大きさにカットした透明ガラス基板「OA−10G(厚み200μm)」(日本電気硝子(株)製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、基材の片面にシリカ(SiO2)層とチタニア(TiO2)層とが交互に積層されてなる(合計24層)誘電体多層膜(XXI)を形成し、さらに基材のもう一方の面にシリカ(SiO2)層とチタニア(TiO2)層とが交互に積層されてなる(合計20層)誘電体多層膜(XXII)を形成し、厚さ約0.206mmの光学フィルターを得た。誘電体多層膜の設計は、基材屈折率の波長依存性等を考慮した上で、実施例1と同様の設計パラメーターを用いて行った。この光学フィルターの分光透過率を測定し、各波長領域における光学特性を評価した。結果を表7に示す。
樹脂、溶媒、樹脂製基板の乾燥条件、化合物(S)および化合物(A)を表7に示すように変更したこと以外は、実施例5と同様にして、基材および光学フィルターを作成した。得られた基材および光学フィルターの光学特性を表7に示す。
形態(1):化合物(S)を含む透明樹脂製基板
形態(2):化合物(S)を含む透明樹脂製基板の両面に樹脂層を有する
形態(3):樹脂製基板の両面に化合物(S)を含む透明樹脂層を有する
形態(4):ガラス基板の片方の面に化合物(S)を含む透明樹脂層を有する
形態(5):化合物(S)を含まない樹脂製基板(比較例)
形態(6):近赤外線吸収ガラス基板(比較例)
形態(7):ガラス基板(比較例)
樹脂A:環状オレフィン系樹脂(樹脂合成例1)
樹脂B:芳香族ポリエーテル系樹脂(樹脂合成例2)
樹脂C:ポリイミド系樹脂(樹脂合成例3)
樹脂D:環状オレフィン系樹脂「ゼオノア 1420R」(日本ゼオン(株)製)
ガラス基板(1): 縦60mm、横60mmの大きさにカットした透明ガラス基板「OA−10G(厚み200μm)」(日本電気硝子(株)製)
ガラス基板(2): 縦60mm、横60mmの大きさにカットした近赤外線吸収ガラス基板「BS−6(厚み210μm)」(松浪硝子工業(株)製)
化合物(s−5):前記表1に記載の化合物(s−5)(ジクロロメタン中での吸収極大波長770nm)
化合物(s−11):前記表1に記載の化合物(s−11)(ジクロロメタン中での吸収極大波長776nm)
化合物(s−21):前記表1に記載の化合物(s−21)(ジクロロメタン中での吸収極大波長782nm)
化合物(s−23):前記表1に記載の化合物(s−23)(ジクロロメタン中での吸収極大波長784nm)
化合物(a−1):前記化合物(a−1)(ジクロロメタン中での吸収極大波長698nm)
化合物(a−2):前記化合物(a−2)(ジクロロメタン中での吸収極大波長733nm)
化合物(a−3):前記化合物(a−3)(ジクロロメタン中での吸収極大波長703nm)
化合物(a−4):前記化合物(a−4)(ジクロロメタン中での吸収極大波長736nm)
溶媒(1):塩化メチレン
溶媒(2):N,N−ジメチルアセトアミド
溶媒(3):シクロヘキサン/キシレン(重量比:7/3)
表7における、実施例および比較例の(透明)樹脂製基板の乾燥条件は以下の通りである。なお、減圧乾燥前に、塗膜をガラス板から剥離した。
条件(1):20℃/8hr→減圧下 100℃/8hr
条件(2):60℃/8hr→80℃/8hr→減圧下 140℃/8hr
条件(3):60℃/8hr→80℃/8hr→減圧下 100℃/24hr
表7の実施例における、樹脂層を形成する樹脂組成物は、以下の通りである。
樹脂組成物(1)(TSC:30%):トリシクロデカンジメタノールアクリレート 60重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 40重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 5重量部、メチルエチルケトン(溶剤)
樹脂組成物(2)(TSC:25%):トリシクロデカンジメタノールアクリレート 100重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 4重量部、化合物(s−5) 0.75重量部、化合物(a−2)0.75重量部、化合物(a−3) 0.75重量部、メチルエチルケトン(溶剤)
樹脂組成物(3)(TSC:35%):トリシクロデカンジメタノールアクリレート 20重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 80重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 4重量部、化合物(s−5) 1.5重量部、化合物(a−2) 1.5重量部、化合物(a−3) 1.5重量部、メチルエチルケトン(溶剤)
2:分光光度計
3:光
Claims (14)
- 可視光線と一部の近赤外線を選択的に透過させる光学フィルターであって、
波長650nm以上の領域に光線阻止帯域Za、光線透過帯域Zb、光線阻止帯域Zcを有し、それぞれの帯域の中心波長はZa<Zb<Zcであり、
波長800nmにおける、光学フィルターの垂直方向から測定した場合の透過率が20%以下であり、光学フィルターの垂直方向に対して30°の方向から測定した場合の透過率が50%以下である、光学フィルター。 - 波長700〜800nmの領域において、光学フィルターの垂直方向から測定した場合の透過率の平均値が5%以下であり、光学フィルターの垂直方向に対して30°の方向から測定した場合の透過率の平均値が10%以下である、請求項1に記載の光学フィルター。
- 前記Zbのうち、光学フィルターの垂直方向から測定した場合に透過率が50%となる、最も短波長側の波長の値(Xa)と最も長波長側の波長の値(Xb)との差Xb−Xaが5〜150nmであり、Y=(Xa+Xb)/2で表されるYの値が820〜950nmである、請求項1または2に記載の光学フィルター。
- 前記Zbのうち、光学フィルターの垂直方向から測定した場合に透過率が50%となる、最も短波長側の波長の値(Xa)が810〜900nmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルター。
- 前記ZaおよびZcにおける光学フィルターの垂直方向から測定した場合の最小透過率がそれぞれ4%以下であり、前記Zbにおける光学フィルターの垂直方向から測定した場合の最大透過率が55%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルター。
- 波長Y−10nm〜Y+10nmの領域における、光学フィルターの垂直方向から測定した平均透過率が60%以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルター。
- 前記光学フィルターが、基材(i)を有し、該基材(i)が波長750〜850nmに吸収極大を有する化合物(S)を含む透明樹脂層を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルター。
- 前記化合物(S)が、下記式(S1)で表される化合物である、請求項7に記載の光学フィルター。
R1〜R8はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、スルホ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、リン酸基、−NRgRh基、−SO2Ri基、−OSO2Ri基または下記La〜Lhのいずれかを表し、RgおよびRhはそれぞれ独立に、水素原子、−C(O)Ri基または下記La〜Leのいずれかを表し、Riは下記La〜Leのいずれかを表し、
(La)炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基
(Lb)炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基
(Lc)炭素数3〜14の脂環式炭化水素基
(Ld)炭素数6〜14の芳香族炭化水素基
(Le)炭素数3〜14の複素環基
(Lf)炭素数1〜12のアルコキシ基
(Lg)置換基Lを有してもよい炭素数1〜12のアシル基、
(Lh)置換基Lを有してもよい炭素数1〜12のアルコキシカルボニル基
置換基Lは、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜12のハロゲン置換アルキル基、炭素数3〜14の脂環式炭化水素基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基および炭素数3〜14の複素環基からなる群より選ばれる少なくとも1種である。] - 前記透明樹脂層が、前記化合物(S)の他に波長600nm以上750nm未満に吸収極大を有する化合物(A)を含む、請求項7または8に記載の光学フィルター。
- 前記透明樹脂層が、環状(ポリ)オレフィン系樹脂、芳香族ポリエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フルオレンポリカーボネート系樹脂、フルオレンポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリパラフェニレン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、フッ素化芳香族ポリマー系樹脂、(変性)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アリルエステル系硬化型樹脂、シルセスキオキサン系紫外線硬化型樹脂、アクリル系紫外線硬化型樹脂およびビニル系紫外線硬化型樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載の光学フィルター。
- 前記基材(i)の少なくとも一方の面に誘電体多層膜を有する、請求項7〜10のいずれか1項に記載の光学フィルター。
- 固体撮像装置用である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の光学フィルター。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の光学フィルターを具備する固体撮像装置。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の光学フィルターを具備するカメラモジュール。
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