JP2016200395A - 時間表現ユニット - Google Patents
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Description
特許文献1には、回転ベゼルの操作状態に応じて表示制御を行う「表示装置、時計、表示装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体」に関する発明が開示されている。この発明では、様々な態様で時間を表示できるとはいえ、発振回路、分周回路、時計用カウンタ等を格納したケース本体の上方側に時間を表示するパネルが設けられている点で、従来の時計と変わるところは無い。
このような問題意識から、特許電子図書館において新規な時計に関する先行文献を検索したが、見当たらなかった。
1個以上任意個数の第1サブユニットと、1個以上任意個数の第2サブユニットとから構成され、
前記の各第1サブユニットは、時間基準を取得する時間基準取得手段と、時間に関する情報を含む指示情報を前記の各第2サブユニットへ送出する指示手段を備え、
前記の各第2サブユニットは、前記第1サブユニットから送出される情報を受け付ける指示受信手段と、時間に関する情報を表現する出力手段を備え、
前記の各第2サブユニットは、少なくとも1個の第1サブユニットからの指示情報が入力可能であることを特徴とする。
このように、時間基準を取得する機能と時間を表現する機能とが別装置によって行われるので、従来の時計よりも多様な時間表示が可能となる。本発明は従来の時計に比べて時間の表示態様が多岐にわたるため、時間の「表示」というよりも時間の「表現」と称するのが適切である。
「指示情報」として現在時刻等の時間に関する情報は必須である。なぜなら、本発明の時間表現ユニットの第1の役割は時計としての機能の提供であるからである。他に、時間に関する情報の出力の仕方やタイミング、第2サブユニットの移動するべき位置(或は、方向と距離)等も指示情報に含まれる。
これにより、第2サブユニットは、外部から種々の情報の入力ができる入力装置として機能することができ、且つ入力された種々の情報に基づき出力ができる出力装置として機能することもできる。
「第1サブユニット以外の外部からの情報」とは、この時間表現ユニットを使用している者が、第2サブユニットを現在位置から他に移動させたり、第2サブユニットのケースに取り付けられているスイッチ類を操作したり、外部からの通信で入力したりすることに意味づけられている情報である。たとえば、第2サブユニットの出力手段が特定の時刻に匂いを発生させる機能を備え且つ匂いの発生のオン/オフを切り替えるスイッチがある場合、匂いの発生を停止させるための手動によるスイッチのオフや外出時にスマートフォン等の携帯端末から停止コマンドを送信することは「外部からの情報」の一例である。
これにより、あるサブユニットは第1サブユニットとなって、他のサブユニットによる時間表示を制御でき、時には第2サブユニットとなって、他のサブユニットの制御のもとで時間表示を行うことができる。そのため、複数あるサブユニットのレイアウトの自由度が高まる。
あるいは、前記出力手段は、ミスト、匂い、音声、振動等を発生させる手段であってもよい。
このように、タイプの異なる出力手段を利用できるので、室内に異なる表示態様の出力手段を備えた第2サブユニットを複数配置すれば、時計を兼ねたインテリア用品等としても利用できる。因みに、このインテリア用品としての利用は、時間を表現し管理する本来の機能に付加された付加的機能の一例である。
2個以上任意個数のサブユニットから構成され、
前記の各サブユニットは、
時間基準を取得する時間基準取得手段と、
他のサブユニットへ情報を送出する指示手段と、
他のサブユニットの前記指示手段からの情報を受け付ける指示受信手段と、
当該時間表現ユニットの外部からの情報を受け付ける外部入力手段と、
前記指示受信手段および前記外部入力手段が受け付けた情報に従った表示を含む動作をする出力手段と
を備えることを特徴とする。
つまり、すべてのサブユニットは各種手段を備えた同等の存在であり、各サブユニットは時間表現の態様に応じて自己が分担する機能を発揮する。
すべてのサブユニットが各種手段を同様に備えていることにより、任意の一つのサブユニットを適宜選択して、他のサブユニットの表示を制御させることが可能である。つまり、利用者の使い方によって同一のサブユニットが時間基準取得部となったり、表示部となったりができるのである。
また、複数のサブユニットが相互に情報を交換しあって、各サブユニットが自分の位置に合致する情報を表示したり自走によって移動したりすることも可能である。下記の第6の実施形態と第7の実施形態は、この具体例にあたる。
本発明の時間表現ユニットの最小限の構成は1個の第1サブユニットと1個の第2サブユニットである。このように最低2個のサブユニットが必要な理由は、本発明の主たる目的が、従来の時計では一体であった時間基準取得部と表示部とを分離する点にあるからである。
図1(1)に示す従来の時計100では、時間基準取得のための脱進機や水晶発振子等が収納されたケース101に表示部102が含まれている。これに対し、本実施形態の時間表現ユニット1は、図1(2)のように、時間基準取得のための装置類(ケース2に格納されている)と表示部3とが別になっている。
第1サブユニットAは、時間基準を取得する時間基準取得手段4と、現在時刻等の時間に関する情報を含む指示情報を第2サブユニットBへ送出する指示手段5を備えている。
第2サブユニットBは、第1サブユニットAからの指示情報を受け付ける指示受信手段6と、第1サブユニットA以外の外部からの情報の入力を可能とする外部入力手段7と、時間に関する情報を表現する出力手段8を備えている。また、第2サブユニットBは自走可能であれば、移動手段9も備えている。
指示手段5は、時間基準取得手段4から出力された計時用基準信号に基づいて現在時刻を取得するとともに、この現在時刻と必要な指示情報とを第2サブユニットBに送出する。指示情報の送出は電波でも赤外線でもどのような手段によってもよい。
ここで、第1サブユニットAと第2サブユニットBは、第1サブユニットAの指示手段5からの指示情報が第2サブユニットBの指示受信手段6によって取得可能であれば、何処に配置されてもよい。なお、第1サブユニットAと第2サブユニットBを同一の室内に配置するとは限らない。例えば、第1サブユニットAをビルの管理人室に設置し、第2サブユニットBを大きな液晶画面で形成し、これをビルの屋上に設置するといった実現方法もある。または、複数のビルにまたがってそれらの屋上や壁面に巨大なサブユニットを設置する方法もある。さらに、相対する2棟のビルのそれぞれが第1サブユニットAと第2サブユニットBを備え、各ビルの第2サブユニットBが他方のビルの壁面に時間情報を表示させてもよい。つまりビル間で時間情報を互いに投影しあうのである。
第2サブユニットBに対して利用者による手動の操作が可能である。第2サブユニットBの外部入力手段7は、配置位置の変更、無線等による信号の受信、外部からの光・音・振動・熱・気圧・湿度を含む刺激が与えられたことにより、ユーザによる動作指示と認識する。そのため、外部入力手段7には、これらを認識するセンサー類等も含まれる。また、外部入力手段7にはスイッチや英数字を入力できるタッチパネル等も適宜含まれる。
指針によって時刻をアナログ表示したり数値等でデジタル表示したりするのは勿論のこと、音や匂い等によって表示してもよい。また、正時等の特定の時間にミストを噴出したり、外部にある紙やカーテン等のシート状のものに文字や図形を投影したりしてもよい。つまり、出力手段8は表示の態様によって、指針であったり、デジタル表示画面であったり、ミスト噴出装置であったり、スピーカであったり、光学的投影器であったりする。あるいは、分針や秒針のかわりとして時間の変化にともない第2サブユニットB自体が場所を移動することで時間を表現する場合は、出力手段8が自走手段9の動作を制御する。このように、第2サブユニットBによって、さまざまな態様の出力手段8を備えうるが、いずれの第2サブユニットBも、指示受信手段6あるいは外部入力手段7によって受け付けられた情報に基づいて、出力手段8が時間表現を行う点で共通する。
この実施形態は、図3に示すように第2サブユニットDが複数個ある。
例えば、第1サブユニットCからの指示情報の届く範囲に5個の第2サブユニットD(D1,D2,D3,D4,D5)が配置されている。これらのサブユニットを何処(天井、壁、床、家具の設置可能面等)にどのように(取付位置、取付方法、取付方向等)置くかは利用者の自由である。例えば、あるサブユニットは柱の天井に近い位置、別のサブユニットは机の上、他のサブユニットは本箱の棚の上といったように3次元空間の任意の位置に配置してもよい。あるいは、フロアやテーブルの上などの2次元平面上の任意の位置や、長いテーブルや棚の上に直線状に配置してもよい。
第1サブユニットCの指示手段5が各第2サブユニットDに現在時刻を送出すると、これを受けて各サブユニットD1〜D5の出力手段8は、それぞれの態様で現在時刻を表示する。
なお、指針を描画する場合、1つの第2サブユニットに時針、分針、秒針がそろっていなくてもよく、いずれか1つ或は2つ有るだけでもよい。
第2サブユニットD2は、英数字でデジタル表示する。
第2サブユニットD3は、音声で時刻を知らせる。
第2サブユニットD4は、近くにあるシート10上に時刻情報を投影表示し、第2サブユニットD5は、光の点で表した時刻情報を床に投影表示する。このとき投影対象はシートや部屋の壁・床・天井のほか、隣接ビルの壁面等何でもよい。なお、第2サブユニットD5は、筒状の筐体の上端近くに等間隔で小孔が設けられ、時刻に応じた個数分の小孔から光を通すものであるが、小孔の形状は円形状でもスリット状でも何でもよい。また、小孔の位置は投影対象を考慮して決めればよい。
また、ミストを噴出して所定の時刻の到来を告げてもよい(図示せず)。例えば、白いミストに時刻を表す数字を投影したり、時刻によってミストの色を変化したりする表現方法がある。これらは癒しの効果も生ずる。
要は、同一の時刻を複数の態様で表現できるということである。ところで、この実施形態であれば、従来の指針を備えたアナログ時計、デジタル時計、匂い時計等を複数配置すれば同様な効果が得られるようにも思う。しかし、複数の時計を配置するのであれば、時計ごとに少しずつ時刻が異なっているかもしれない。しかし、時刻の取得は第1サブユニットCの機能であって、これから複数の第2サブユニットDに通知されるので、複数の第2サブユニットDは同一の時刻を表現できる。
さらに、重度の知的障害者を対象とした福祉の分野でも利用できる。知的障害の程度によっては、「1」や「2」といった数字を見ても、それが順序や量を表わしていると認識できないと言われている。したがって、例えば「8:00」と表示されているのを見ても、それが8時という時刻を表しているとは理解できない。そのため、8時に薬を服用させたいとき、時計が「8:00」を表示した時に薬を飲むように言っても分からせることは困難である。もし、時刻毎に異なる動物の絵が表示される第2サブユニットを用意し、8時になるとウサギの絵が表示されるように設定しておけば、ウサギの絵が表れたときに薬を飲むように仕向けることは可能である。
上記の実施の形態では、1個の第2サブユニットが単独で時刻を表示していた。この実施の形態では、複数の第2サブユニットが連携し、「時」を表示する第2サブユニットと、「分」を表示する第2サブユニットと、「秒」を表示する第2サブユニットが、それぞれ点滅あるいは位置の移動をすることにより、総体として1個の時刻を表示する。
複数の第2サブユニットが総体として現在時刻を表す場合、第3の実施形態では、各第2サブユニットが円周上或は直線上に配置されていた。
しかし、この実施形態では、所定の時刻が到来すると、任意の位置にあった第2サブユニットのそれぞれを所定の位置に移動させて、これらの第2サブユニットが集合して形成した形状によって現在時刻を表示する。
例えば、専用のボードとともに販売し、床やテーブルの上に置いたボードの上に各サブユニットを適宜配置し、正時がくると整列する幼児用の知育玩具として販売してもよい。これを利用して幼児は時間の感覚を養うとともに数字を覚えることになる。
上記の実施形態では、出力手段8は時間に関する情報を可変表示するが、この実施形態では固定表示(例:特定の文字や記号が印刷・刻印等)と可変表示(例:移動)を組み合わせる。
この実施形態では、第2サブユニットJにアワーマーカに相当する数字(1〜12、あるいは1〜24)が1個ずつ刻印されている。図7(1)は、数字7が表面に刻印された第2サブユニットJを示す。
嗅覚を利用する例として、昼食時の午後12時には餃子の匂い、就寝時刻の午後11時にはラベンダーの匂いといったように匂いで時間を表現する方法等が考えられる。
このように、本発明の時間表現ユニットは視覚や聴覚に障害を持つ人にとっての時間管理用の補助手段としての意義も有する。
第1〜第5の実施形態は、本発明の時間表現ユニットを時計として機能させようとするものである。
しかし、時刻を知らせるという時計本来の用途に限らず、時間に関する情報を管理するためのツールとして活用しうる。
この実施形態は、スケジュール管理に活用するものであり、図8に従い説明する。
つまり、スケジュール管理ソフトのアラームに類似した機能である。但し、音声で知らせるのではなく、視覚的に予定の時間になったことを知らせる。
このような活用の仕方は、従来の時計の機能にはなかったものである。
この実施形態は、サブユニットのそれぞれが同等の機能を有し、他のサブユニットを制御する第1サブユニットの役割を果たしたり、他のサブユニットによって制御される第2サブユニットの役割を果たしたりする。
このような活用の仕方を、図9に従い説明する。
従来の世界時計にはない、遊びの要素が加味されている。
上記の実施形態は、本発明の活用法の例示にすぎず、さまざまな変形が考えうる。
例えば、従来の時計のアワーマーカは等間隔に並んでいる。しかし、時刻の確認が必要になるのは、夜勤や勉強をしている場合等をのぞき、通常朝6時頃から夜10時頃である。この時間帯だけをサブユニットを増やして細かく表示してもよい。
本発明の時間表現ユニットは、和時計風に時間を表現することもできる。例えば、サブユニットに組み込んだソフトウェアによって、季節に応じて昼夜の時間を切り替えて変化させるならば時計というよりも和風のインテリア用品となる。サブユニットに切替スイッチ等を設け、定時法と不定時法による時間表現を切替えられるようにしてもよい。本来の和時計は15日ごとに時間の間隔を変えていた。しかし、サブユニットに、毎日の日の出と日の入りの時刻を記憶させておくならば、日の出と日の入りに合わせて昼間と夜間の時間の間隔を毎日変化させることができる。
鉱山や地下室で長時間作業している人たちにとって、地上の様子がわからない。第2サブユニットを作業場の任意の箇所に配置し、各第2サブユニットを明度に配慮して点灯し、或は消灯し、第2サブユニット全体の照明の具合によって朝なのか夕方なのか夜間なのか視覚的に直感できるようにしてもよい。
4:時間基準取得手段
5:指示手段
6:指示受信手段
7:外部入力手段
8:出力手段
A,C,E,G,I,K:第1サブユニット
B,D,F,H,J,L:第2サブユニット
M:サブユニット
Claims (7)
- 1個以上任意個数の第1サブユニットと、1個以上任意個数の第2サブユニットとから構成される時間表現ユニットであって、
前記の各第1サブユニットは、
時間基準を取得する時間基準取得手段と、
時間に関する情報を含む指示情報を前記の各第2サブユニットへ送出する指示手段を備え、
前記の各第2サブユニットは、
前記第1サブユニットから送出される情報を受け付ける指示受信手段と、
時間に関する情報を表現する出力手段を備え、
前記の各第2サブユニットは、少なくとも1個の第1サブユニットから送出される情報を入力可能であることを特徴とする時間表現ユニット。 - 前記の各第2サブユニットは、前記第1サブユニット以外の外部からの情報の入力を可能とする外部入力手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記指示受信手段および前記外部入力手段が受け付けた情報に従った表示を含む動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の時間表現ユニット。 - 一つのサブユニットが、第1サブユニット及び第2サブユニットの両方の機能を持ちうることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の時間表現ユニット。
- 前記出力手段は、第2サブユニットの外部に設けられた投影表示手段に投影する機能を有することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の時間表現ユニット。
- 前記出力手段は、ミスト、匂い、音声または振動のいずれかを発生させる機能を有することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の時間表現ユニット。
- 第2サブユニットが2個以上有る場合、前記指示手段は、各々の第2サブユニットの指示受信手段に指示情報を送出し、これらの第2サブユニットが連携して特定の時間に関する情報を表示させることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の時間表現ユニット。
- 2個以上任意個数のサブユニットから構成される時間表現ユニットであって、
前記の各サブユニットは、
時間基準を取得する時間基準取得手段と、
他のサブユニットへ情報を送出する指示手段と、
他のサブユニットの前記指示手段からの情報を受け付ける指示受信手段と、
当該時間表現ユニットの外部からの情報を受け付ける外部入力手段と、
前記指示受信手段および前記外部入力手段が受け付けた情報に従った表示を含む動作をする出力手段と
を備えることを特徴とする時間表現ユニット。
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