JP2016200152A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】シールリングホルダ及びこれに接する部材の摩耗を低減させる。【解決手段】スクロール圧縮機は、可動スクロール(5)の背面の内周側の第1背圧空間(23)と上記可動スクロール(5)の背面の外周側の第2背圧空間(24)との間をシールするリング状のシールリング(37)と、上記シールリング(37)を保持するリング状のシールリングホルダ(93)と、駆動軸(7)を支持するハウジング(3)とを有する。上記第1背圧空間(23)は、圧縮機構(14)から圧縮された流体が吐出される下部空間(17)と連通する。上記第2背圧空間(24)の圧力は、上記圧縮機構(14)に吸入される流体の圧力より高く上記圧縮機構(14)から吐出される流体の圧力以下である、中間圧である。上記シールリングホルダ(93)は、上記ハウジング(3)に固定されている。【選択図】図5

Description

本発明は、固定スクロール及び可動スクロールを有するスクロール圧縮機に関する。
スクロール圧縮機は、典型的には、固定スクロール及び可動スクロール含む圧縮機構を有する。可動スクロールは、可動スクロールの背面の背圧空間の圧力によって固定スクロールに押し付けられる。背圧空間は、シールリングによって分離されており、内周側は高圧(吐出圧力)の空間、外周側は比較的低圧の空間となっている。この外周側の空間が吸入圧力程度の低圧である場合には、駆動軸を保持するハウジングの上面にリング溝を設け、そこにシールリングを収容することができる。
外周側の空間を、より高圧の中間圧にする場合もあり、この場合には可動スクロールに対して高圧を作用させる面積が少なくて済むので、直径がより小さいシールリングが採用され得る。また、スクロール圧縮機の小型化への要請から、直径が小さいシールリングが採用される場合もある。可動スクロールに係合する偏心部が動く空間を考慮する必要があるので、シールリングの直径が小さい場合には、ハウジングの上面にリング溝を設けることが困難であったり、不可能であることがある。そこで、シールリングホルダによってシールリングを支える構造を採用するようにした例が、特許文献1に記載されている。
特許4951572号公報
しかし、特許文献1に記載された構造では、運転中に、可動スクロールの動きに従ってシールリングホルダが回転してしまうことがあり、シールリングホルダや、シールリングホルダに上向きの力を与える板ばねが磨耗するという問題がある。
本発明は、シールリングホルダ及びこれに接する部材の摩耗を低減させることを目的とする。
第1の発明は、固定スクロール(4)及び可動スクロール(5)を有する圧縮機構(14)と、上記可動スクロール(5)に係合する駆動軸(7)と、上記圧縮機構(14)及び上記駆動軸(7)を収容するケーシング(10)とを有し、上記圧縮機構(14)が流体を圧縮して
上記ケーシング(10)内に吐出するように構成されているスクロール圧縮機であって、上記可動スクロール(5)の背面の内周側の第1背圧空間(23)と上記可動スクロール(5)の背面の外周側の第2背圧空間(24)との間をシールするリング状のシールリング(37)と、上記シールリング(37)を保持するリング状のシールリングホルダ(93)と、上記駆動軸(7)を支持するハウジング(3)とを有する。上記第1背圧空間(23)は、上記圧縮機構(14)から圧縮された流体が吐出される下部空間(17)と連通する。上記第2背圧空間(24)の圧力は、上記圧縮機構(14)に吸入される流体の圧力より高く上記圧縮機構(14)から吐出される流体の圧力以下である、中間圧である。上記シールリングホルダ(93)は、上記ハウジング(3)に固定されている。
第1の発明のスクロール圧縮機においては、シールリング(37)が可動スクロール(5
)の背面の第1背圧空間(23)と第2背圧空間(24)との間をシールし、シールリング(37)を保持するシールリングホルダ(93)がハウジング(3)に固定されている。このた
め、スクロール圧縮機の運転時に、可動スクロール(5)が駆動軸(7)の軸心を中心に公転しても、シールリングホルダ(93)は回転しない。したがって、シールリングホルダ及びこれに接する部材の摩耗を低減させることができる。
第2の発明では、上記第1の発明において、上記シールリングホルダ(93)は、上記ハウジング(3)の内周面(3S)、又は上記ハウジング(3)の上記内周面(3S)に対向する、上記ハウジング(3)の面(3T)に、密接して固定されている。
第2の発明によると、ハウジング(3)の内周面(3S)、又はこの内周面(3S)に対向
する、ハウジング(3)の面(3T)に密接して固定されているので、シールリングホルダ
(93)は、ハウジング(3)に容易に固定され得る。
第3の発明では、上記第2の発明において、上記シールリングホルダ(93)は、上記シールリング(37)の底面を保持する保持部(93B)と、上記保持部(93B)の内周側で上記シールリング(37)の側面を保持する立ち上がり部(93A)とを有する。
第3の発明によると、シールリングホルダ(93)は、保持部(93B)と、保持部(93B)の内周側の立ち上がり部(93A)とを有するので、シールリングホルダ(93)とハウジン
グ(3)の内周面(3S)とでシールリング(37)を保持することができる。
第4の発明では、上記第3の発明において、上記シールリングホルダ(93)は、上記保持部(93B)の外周側で上記立ち上がり部(93A)とは反対の向きに延びるように形成されたスカート部(93C)を更に有し、上記スカート部(93C)の外周面(93T)が、上記ハウ
ジング(3)の上記内周面(3S)に密接している。
第4の発明によると、シールリングホルダ(93)がスカート部(93C)を有しており、
シールリングホルダ(93)は、スカート部(93C)によって、ハウジング(3)の内周面(3S)に固定される。
第5の発明では、上記第3の発明において、上記シールリングホルダ(93)は、上記保持部(93B)の外周側で上記立ち上がり部とは反対の向きに延びるように形成されたスカ
ート部(93C)を更に有し、上記スカート部(93C)の内周面(93S)が、上記ハウジング
(3)の上記内周面(3S)に対向する、上記ハウジング(3)の上記面(3T)に密接している。
第5の発明によると、シールリングホルダ(93)がスカート部(93C)を有しており、
シールリングホルダ(93)は、スカート部(93C)によって、ハウジング(3)の内周面(3S)に対向する、上記ハウジング(3)の面(3T)に固定される。
第6の発明では、上記第3の発明において、上記保持部(93B)の外周面(93T)が、上記ハウジング(3)の上記内周面(3S)に密接している。
第6の発明によると、シールリングホルダ(93)は、保持部(93B)によって、ハウジ
ング(3)の内周面(3S)に固定される。
第7の発明では、上記第2の発明において、上記シールリングホルダ(93)は、上記可動スクロール(5)側の面にリング溝(93G)を有し、上記シールリング(37)は、上記リング溝(93G)に収容されており、上記シールリングホルダ(93)の外周面(93T)が、上
記ハウジング(3)の上記内周面(3S)に密接している。
第7の発明によると、シールリングホルダ(93)はリング溝(93G)を有しており、シ
ールリングホルダ(93)のみでシールリング(37)を保持することができる。シールリングホルダ(93)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に固定される。
第1〜第7の発明によれば、シールリングホルダの回転を防止することができ、シールリングホルダ及びこれに接する部材の摩耗を低減させることができる。したがって、スクロール圧縮機の信頼性の向上を図ることができる。
本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図である。 図1のスクロール圧縮機の圧縮機構を拡大図示した断面図である。 図2のシールリングホルダの例を示す平面図である。 図3のシールリングホルダのA−A断面を示す断面図である。 図2のハウジングと、これに取り付けられた図3のシールリングホルダの例を示す縦断面図である。 図2のハウジングの変形例と、これに取り付けられた図3のシールリングホルダの例を示す縦断面図である。 図2のシールリングホルダの他の例を示す平面図である。 図7のシールリングホルダのA−A断面を示す断面図である。 図2のハウジングの他の変形例と、これに取り付けられた図7のシールリングホルダの例を示す縦断面図である。 図2のシールリングホルダの更に他の例を示す平面図である。 図10のシールリングホルダのA−A断面を示す断面図である。 図2のハウジングの更に他の変形例と、これに取り付けられた図10のシールリングホルダの例を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図面において同じ参照番号で示された構成要素は、同一の又は類似の構成要素である。
図1は、本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図である。図2は、図1のスクロール圧縮機の圧縮機構を拡大図示した断面図である。図1のスクロール圧縮機(1
)は、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路に接続され、流体である冷媒を圧縮する。このスクロール圧縮機(1)は、例えば空気調和装置や冷凍装置に用いられる。
−スクロール圧縮機の全体構成−
スクロール圧縮機(1)は、冷媒を吸入して圧縮する圧縮機構(14)と、圧縮機構(14
)を収容する縦長の中空円筒状に形成されたケーシング(10)とを備えた全密閉型圧縮機である。
ケーシング(10)は、ケーシング本体(11)と、上壁部(12)と、底壁部(13)とによって構成された圧力容器である。ケーシング本体(11)は、上下方向に延びる軸線を有する円筒状の胴部である。上壁部(12)は、上方に突出した凸面を有する椀状に形成され、ケーシング本体(11)の上端部に気密状に溶接される。底壁部(13)は、下方に突出した凸面を有する椀状に形成され、ケーシング本体(11)の下端部に気密状に溶接される。
ケーシング(10)の内部には、圧縮機構(14)と、圧縮機構(14)を駆動する電動機(
6)と、駆動軸(7)とが収容されている。電動機(6)は、圧縮機構(14)の下方に配置
される。圧縮機構(14)と電動機(6)とは、ケーシング(10)内を上下方向に延びるよ
うに配置される駆動軸(7)によって連結されている。
ケーシング(10)の底部には、潤滑油が貯留された油溜まり部(15)が形成されている。ケーシング(10)の上壁部(12)には、冷媒回路の冷媒を圧縮機構(14)へ導入するための吸入管(18)が設けられている。また、ケーシング本体(11)には、ケーシング(10)内の冷媒をケーシング(10)外に導出するための吐出管(19)が設けられている。
駆動軸(7)は、主軸部(71)と、偏心部(72)と、カウンタウェイト部(73)とを有
している。偏心部(72)は、比較的短い軸状に形成され、主軸部(71)の上端に突設されている。偏心部(72)の軸心は、主軸部(71)の軸心に対して、所定の距離だけ偏心している。カウンタウェイト部(73)は、後述する可動スクロール(5)や偏心部(72)等と
動的バランスを取るために、主軸部(71)に設けられている。駆動軸(7)の内部には、
その上端から下端まで延びる給油路(74)が形成されている。駆動軸(7)の下端部は、
油溜まり部(15)に浸漬されている。
電動機(6)は、固定子(61)と回転子(62)とを有している。固定子(61)は、焼嵌
め等によってケーシング本体(11)に固定されている。回転子(62)は、固定子(61)の内側に配置され、駆動軸(7)の主軸部(71)に固定されている。この回転子(62)は、
主軸部(71)と実質的に同軸に配置されている。
ケーシング(10)内の下部には、下部軸受部材(21)が設けられている。下部軸受部材(21)は、ケーシング本体(11)の下端付近に固定されている。下部軸受部材(21)の中央部には貫通孔が形成され、この貫通孔に駆動軸(7)が挿通されている。下部軸受部材
(21)は、駆動軸(7)の下端部を回転自在に支持する。
−圧縮機構の構成−
圧縮機構(14)は、ハウジング(3)と、固定スクロール(4)と、可動スクロール(5
)と、シールリング(37)と、シールリングホルダ(93)とを有している。ハウジング(3)は、ケーシング本体(11)に固定されている。固定スクロール(4)は、ハウジング(3)の上面に配置されている。可動スクロール(5)は、固定スクロール(4)とハウジン
グ(3)との間に配置されている。ハウジング(3)は、中央が凹陥した皿状に形成されている。このハウジング(3)は、外周側の環状部(31)と、内周側の凹部(32)とを有し
ている。
図1及び図2に示すように、ハウジング(3)は、ケーシング本体(11)の上端縁に圧
入固定されている。具体的には、ハウジング(3)の環状部(31)の外周面は、ケーシン
グ本体(11)の内周面と全周に亘って密着している。ハウジング(3)は、ケーシング(10)の内部空間を、上部空間(16)と下部空間(17)に仕切っている。上部空間(16)は
、圧縮機構(14)側の第1空間である。下部空間(17)は、電動機(6)が収納された第
2空間である。
ハウジング(3)には、凹部(32)の底部から下端に貫通する貫通孔(33)が形成され
ている。貫通孔(33)には、軸受メタル(20)が挿入されている。この軸受メタル(20)には、駆動軸(7)が挿通されている。そして、ハウジング(3)は、駆動軸(7)の上端
部を回転自在に支持する上部軸受を構成している。
固定スクロール(4)は、固定側鏡板部(41)と、固定側ラップ(42)と、外周壁部(43)とを有している。固定側ラップ(42)は、インボリュート曲線を描く渦巻き壁状に形
成され、固定側鏡板部(41)の前面(図2における下面)から突出している。外周壁部(43)は、固定側ラップ(42)の外周側を囲むように形成され、固定側鏡板部(41)の前面から突出している。固定側ラップ(42)の先端面と外周壁部(43)の先端面とは略面一になっている。また、固定スクロール(4)は、ハウジング(3)に固定されている。
可動スクロール(5)は、可動側鏡板部(51)と、可動側ラップ(52)と、ボス部(53
)とを有している。可動側鏡板部(51)は、概ね円形の平板状に形成されている。可動側ラップ(52)は、インボリュート曲線を描く渦巻き壁状に形成され、可動側鏡板部(51)の前面(図2における上面)から突出している。ボス部(53)は、円筒状に形成され、可動側鏡板部(51)の背面(57)の中央部に配置されている。
可動スクロール(5)の可動側ラップ(52)は、固定スクロール(4)の固定側ラップ(42)と噛み合わされている。そして、圧縮機構(14)では、固定スクロール(4)の固定
側鏡板部(41)及び固定側ラップ(42)と、可動スクロール(5)の可動側鏡板部(51)
及び可動側ラップ(52)とに囲まれた圧縮室(50)が形成される。
固定スクロール(4)の外周壁部(43)の突端面(図2における下面)は、外周壁部(43)の内周縁に沿った部分が、可動スクロール(5)の可動側鏡板部(51)と摺接する固定側摺接面(84)となっている。また、可動スクロール(5)の可動側鏡板部(51)の前面
(図2における上面)では、可動側ラップ(52)の周囲を囲む部分が、固定スクロール(4)の固定側摺接面(84)と摺接する可動側摺接面(85)となっている。
固定スクロール(4)の外周壁部(43)には、吸入ポート(25)が形成されている。吸
入ポート(25)には、吸入管(18)の下流端が接続されている。吸入管(18)は、ケーシング(10)の上壁部(12)を貫通し、ケーシング(10)の外部へ伸びている。また、固定スクロール(4)の固定側鏡板部(41)の中央には、固定側鏡板部(41)を貫通する吐出
口(44)が形成されている。
固定側鏡板部(41)の背面(図2における上面)の中央には、高圧チャンバ(45)が形成されている。高圧チャンバ(45)には、吐出口(44)が開口している。この高圧チャンバ(45)は、高圧空間を構成している。
固定スクロール(4)には、高圧チャンバ(45)に連通する第1流通路(46)が形成さ
れている。第1流通路(46)は、高圧チャンバ(45)から固定側鏡板部(41)の背面において径方向外方に延び、固定側鏡板部(41)の外周部において外周壁部(43)内を延び、外周壁部(43)の突端面(図2における下面)に開口している。固定側鏡板部(41)の背面には、高圧チャンバ(45)及び第1流通路(46)を塞ぐカバー部材(47)が取り付けられている。このカバー部材(47)によって、高圧チャンバ(45)及び第1流通路(46)が上部空間(16)から気密に隔離され、高圧チャンバ(45)及び第1流通路(46)に吐出された冷媒ガスが上部空間(16)に漏洩しないようになっている。
図1及び図2に示すように、固定スクロール(4)から可動スクロール(5)に亘って連通路(80)が形成されている。連通路(80)は、固定スクロール(4)に形成された1次
側通路(81)と、可動スクロール(5)に形成された2次側通路(82)とを有している。
1次側通路(81)は、固定スクロール(4)の外周壁部(43)の下面(固定側摺接面(84
))に形成された凹部によって構成され、1次側通路(81)の下面は、可動スクロール(5)の鏡板(51)の外周部の上面(可動側摺接面(85))によって閉鎖されている。1次
側通路(81)は、外周壁部(43)の内周端から外周端に向かって延びている。1次側通路(81)の一端は、外周壁部(43)の内周面に開口し、可動スクロール(5)のラップ(52
)が固定スクロール(4)の外周壁部(43)に接して形成された中間圧状態の圧縮室(50
)に連通している。
一方、2次側通路(82)は、可動スクロール(5)の鏡板(51)を前面から背面に亘っ
て上下に貫通するように形成されている。可動スクロール(5)の背面側の背圧空間(22
)は、第1背圧空間(23)と、第2背圧空間(24)とを有している。2次側通路(82)の下端は、第2背圧空間(24)に常時連通している。2次側通路(82)の上端は、鏡板(51)の前面に開口し、可動スクロール(5)の公転に伴い、円軌跡を描いて移動し、2次側
通路(82)が1次側通路(81)に間欠的に連通するように構成されている。
したがって、本実施形態では、可動スクロール(5)が公転すると、1次側通路(81)
と2次側通路(82)とが間欠的に連通する。第2背圧空間(24)と上部空間(16)とは、ハウジング(3)と固定スクロール(4)との間の間隙を介して連通しているので、圧縮途中の冷媒ガスの圧力変動を、第2背圧空間(24)と上部空間(16)とを含む大容量の空間で吸収することになる。その結果、可動スクロール(5)に作用する背圧の変動を抑制す
ることができ、可動スクロール(5)に付与する押付力を安定させることができる。
ハウジング(3)の環状部(31)には、固定スクロール(4)がボルトによって固定されている。取付部(34)のうちの1つには、第2流通路(39)が環状部(31)を貫通するように形成されている。この第2流通路(39)は、固定スクロール(4)がハウジング(3)に取り付けられたときに、固定スクロール(4)の第1流通路(46)と連通する位置に形
成されている。圧縮室(50)から高圧チャンバ(45)へ吐出された冷媒ガスは、第1流通路(46)と第2流通路(39)を順に通り、ケーシング(10)の下部空間(17)へ吐出される。
環状部(31)の内周側には、中央の凹部(32)を囲むように環状に形成された内周壁部(35)が形成されている。この内周壁部(35)は、取付部(34)よりは低く、且つ、環状部(31)のそれ以外の部分よりは高く形成されている。
内周壁部(35)の内周面には、リング状のシールリングホルダ(93)が固定されている。シールリングホルダ(93)とハウジング(3)の内周面とが、リング状のシールリング
(37)を保持している。
図3は、図2のシールリングホルダ(93)の例を示す平面図である。図4は、図3のシールリングホルダ(93)のA−A断面を示す断面図である。シールリングホルダ(93)は、図3のように平面視においてリング状に形成されている。シールリングホルダ(93)は、立ち上がり部(93A)と、保持部(93B)と、スカート部(93C)とを有する。保持部(93B)は、シールリング(37)の底面を保持する。立ち上がり部(93A)は、保持部(93B)の内周側で、図4の上方に延びるように形成され、シールリング(37)の側面を保持する。スカート部(93C)は、保持部(93B)の外周側で、立ち上がり部(93A)とは反対の向
き(図4の下方)に延びるように形成されている。
図5は、図2のハウジング(3)と、これに取り付けられた図3のシールリングホルダ
(93)の例を示す縦断面図である。ハウジング(3)の内周壁部(35)の内周側には、ス
テップ(3J)が形成されている。このステップ(3J)において、シールリングホルダ(93)のスカート部(93C)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に密接して固定されている。ここで、スカート部(93C)の外周面(93T)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に密接
している。スカート部(93C)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に接するように例えば中間ばめされている。スカート部(93C)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に接するように軽圧入されていてもよい。
シールリングホルダ(93)の保持部(93B)にはリング状のウェーブワッシャ(94)が
置かれ、ウェーブワッシャ(94)の上にはシールリング(37)が置かれる。ウェーブワッシャ(94)は、板ばねとしての機能を有するワッシャであり、例えば円周方向又は半径方向に波形の形状を有している。シールリング(37)には、ウェーブワッシャ(94)によって可動側鏡板部(51)の背面(57)に向かう力が与えられる。シールリング(37)は、可動スクロール(5)の可動側鏡板部(51)の背面(57)に当接し、ハウジング(3)と可動側鏡板部(51)との間の隙間をシールする。すなわち、シールリング(37)は、可動スクロール(5)の背面(57)の内周側の第1背圧空間(23)と可動スクロール(5)の背面(57)の外周側の第2背圧空間(24)との間をシールする。
第1背圧空間(23)は、軸受メタル(20)と駆動軸(7)との隙間を介して、ケーシン
グ(10)の下部空間(17)と連通している。また、ハウジング(3)には、第1背圧空間
(23)の底部に開口する排油通路が形成されている。この排油通路は、第1背圧空間(23)を下部空間(17)と連通させ、第1背圧空間(23)内の潤滑油を下部空間(17)へ排出する。
第1背圧空間(23)には、駆動軸(7)の偏心部(72)と可動スクロール(5)のボス部(53)とが位置している。可動スクロール(5)のボス部(53)には、偏心部(72)が回
転可能に挿入されている。偏心部(72)の上端には、給油路(74)が開口している。つまり、ボス部(53)内には該給油路(74)から高圧の潤滑油が供給され、ボス部(53)と偏心部(72)の摺動面は潤滑油により潤滑されている。また、偏心部(72)の上端面と可動側鏡板部(51)の背面(57)との間に形成されたボス内空間(58)は、高圧空間を構成している。
第2背圧空間(24)は、可動側鏡板部(51)の外周面(56)と背面(57)に臨む空間であって、中間圧空間を構成している。第2背圧空間(24)は、ハウジング(3)と固定ス
クロール(4)との間の間隙を介して上部空間(16)と連通している。したがって、第2
背圧空間(24)の圧力は、中間圧である。中間圧は、圧縮機構(14)に吸入される流体(冷媒)の圧力より高く、かつ、圧縮機構(14)から吐出される流体(冷媒)の圧力以下である。
固定スクロール(4)が取り付けられるハウジング(3)の取付部(34)は、環状部(31)において上方に突出している。このため、これら取付部(34)以外の部分では、固定スクロール(4)とハウジング(3)の環状部(31)との間に間隙が形成される。そして、この間隙を介して、第2背圧空間(24)と上部空間(16)が互いに連通する。
第2背圧空間(24)には、オルダム継手(55)が設けられている。オルダム継手(55)は、可動スクロール(5)の可動側鏡板部(51)の背面(57)に形成されたキー溝(54)
と、ハウジング(3)の環状部(31)に形成されたキー溝とに係合し、可動スクロール(5)の自転を規制する。
−スクロール圧縮機の運転動作−
スクロール圧縮機(1)の運転動作について説明する。電動機(6)を作動させると、圧縮機構(14)の可動スクロール(5)が、これに係合する駆動軸(7)によって駆動される。可動スクロール(5)は、オルダム継手(55)によって自転を防止されつつ、駆動軸(7)の軸心を中心に公転する。可動スクロール(5)が公転すると、吸入管(18)から流入
した低圧ガス冷媒が圧縮機構(14)の圧縮室(50)へ吸入されて圧縮される。
圧縮が完了した冷媒(即ち、高圧ガス冷媒)は、固定スクロール(4)の吐出口(44)
から高圧チャンバ(45)へ吐出される。高圧チャンバ(45)へ流入した高圧の冷媒ガスは
、固定スクロール(4)の第1流通路(46)と、ハウジング(3)の第2流通路(39)とを順に通り、ケーシング(10)の下部空間(17)へ流出する。そして、下部空間(17)へ流出した冷媒ガスは、吐出管(19)を通ってケーシング(10)の外部へ吐出される。
−効果−
本実施形態のスクロール圧縮機(1)では、シールリングホルダ(93)がハウジング(3)に固定されている。このため、可動スクロール(5)が公転しても、シールリングホル
ダ(93)は回転しない。したがって、シールリングホルダ(93)とハウジング(3)との
間の摩擦によってシールリングホルダ(93)が摩耗するのを防止することができる。また、ウェーブワッシャ(94)の回転が少なくなるので、シールリングホルダ(93)とウェーブワッシャ(94)との間の摩擦によって生じる両者の摩耗を減少させることができる。このように、中間圧を採用したスクロール圧縮機(1)のように、シールリング(37)の直
径が比較的小さいスクロール圧縮機(1)において、シールリングホルダ(93)及びウェ
ーブワッシャ(94)の摩耗を少なくすることができる。
−変形例1−
図6は、図2のハウジング(3)の変形例と、これに取り付けられた図3のシールリン
グホルダ(93)の例を示す縦断面図である。図2のハウジング(3)の内周壁部(35)の
内周側には、ステップ(3J)が形成されている。図6のハウジング(3)では、このステ
ップ(3J)における内周面(3S)を延長するように、リング溝(3G)が形成されている。リング溝(3G)の内周側の壁(3W)の高さは内周壁部(35)の上端面より低くなっている。壁(3W)の外周面(3T)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に対向している。
シールリングホルダ(93)のスカート部(93C)は、壁(3W)の外周面(3T)に密接し
て固定されている。ここで、スカート部(93C)の内周面(93S)は、壁(3W)の外周面(3T)に密接している。スカート部(93C)は、壁(3W)の外周面(3T))に接するように
例えば中間ばめされている。スカート部(93C)は、壁(3W)の外周面(3T)に接するよ
うに軽圧入されていてもよい。
シールリングホルダ(93)の保持部(93B)にはウェーブワッシャ(94)が置かれ、ウ
ェーブワッシャ(94)の上にはシールリング(37)が置かれる。その他の点は、図5の場合とほぼ同様である。
変形例1のスクロール圧縮機(1)では、リング溝(3G)が形成され、スカート部(93C)の内周面(93S)は、リング溝(3G)の内周側の壁(3W)の外周面(3T)に密接して固
定されている。このため、可動スクロール(5)が公転しても、シールリングホルダ(93
)は回転しない。
−変形例2−
図7は、図2のシールリングホルダ(93)の他の例を示す平面図である。図8は、図7のシールリングホルダ(93)のA−A断面を示す断面図である。シールリングホルダ(93)は、図7のように平面視においてリング状に形成されている。シールリングホルダ(93)は、立ち上がり部(93A)と、保持部(93B)とを有する。保持部(93B)は、シールリ
ング(37)の底面を保持する。立ち上がり部(93A)は、保持部(93B)の内周側で、図8の上方に延びるように形成され、シールリング(37)の側面を保持する。
図9は、図2のハウジング(3)の他の変形例と、これに取り付けられた図7のシール
リングホルダ(93)の例を示す縦断面図である。ハウジング(3)の内周壁部(35)の内
周側には、2段のステップ(3J, 3K)が形成されている。そのうちの下段のステップ(3J)において、シールリングホルダ(93)の保持部(93B)は、ハウジング(3)の内周面(
3S)に密接して固定されている。ここで、保持部(93B)の外周面(93T)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に密接している。保持部(93B)は、ハウジング(3)の内周面(3S
)に接するように例えば中間ばめされている。保持部(93B)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に接するように圧入されていてもよい。
前述の2段のステップ(3J, 3K)のうちの上段のステップ(3K)の上面は、保持部(93B)の上面とほぼ面一になっている。これらの面にはウェーブワッシャ(94)が置かれ、
ウェーブワッシャ(94)の上にはシールリング(37)が置かれる。その他の点は、図5の場合とほぼ同様である。
この変形例においても、シールリングホルダ(93)がハウジング(3)に固定されてい
る。このため、前述の例と同様に、可動スクロール(5)が公転しても、シールリングホ
ルダ(93)は回転しない。また、ハウジング(3)が2段のステップ(3J, 3K)を有して
いるので、下段のステップ(3J)にシールリングホルダ(93)を挿入する際に、上段のステップ(3K)における内周面(シールリング(37)の側面が接する面)にはシールリングホルダ(93)による傷がつかない。このため、シールリング(37)の摩耗を抑えることができる。
なお、図3のシールリングホルダ(93)を、図9におけるシールリングホルダ(93)として用いてもよい。
−変形例3−
図10は、図2のシールリングホルダ(93)の更に他の例を示す平面図である。図11は、図10のシールリングホルダ(93)のA−A断面を示す断面図である。シールリングホルダ(93)は、図10のように平面視においてリング状に形成されている。シールリングホルダ(93)は、図11における上面(可動スクロール(5)側の面)にリング溝(93G)を有する。シールリング(37)は、このリング溝(93G)に収容される。
図12は、図2のハウジング(3)の更に他の変形例と、これに取り付けられた図10
のシールリングホルダ(93)の例を示す縦断面図である。ハウジング(3)の内周壁部(35)の内周側には、ステップ(3J)が形成されている。このステップ(3J)において、シ
ールリングホルダ(93)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に密接して固定されている
。ここで、シールリングホルダ(93)の外周面(93T)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に密接している。シールリングホルダ(93)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に接
するように例えば中間ばめされている。シールリングホルダ(93)は、ハウジング(3)
の内周面(3S)に接するように圧入されていてもよい。
シールリングホルダ(93)のリング溝(93G)にはウェーブワッシャ(94)が置かれ、
ウェーブワッシャ(94)の上にはシールリング(37)が置かれる。その他の点は、図5の場合とほぼ同様である。
この変形例においても、シールリングホルダ(93)がハウジング(3)に固定されてい
る。このため、前述の例と同様に、可動スクロール(5)が公転しても、シールリングホ
ルダ(93)は回転しない。
なお、以上の各例において、シールリングホルダ(93)は、ハウジング(3)にピンや
ボルトで固定されてもよい。この場合、シールリングホルダ(93)は、ハウジング(3)
の内周面(3S)、又はハウジング(3)の、内周面(3S)に対向する面(3T)に、密接し
ていてもよい。
本発明の多くの特徴及び優位性は、記載された説明から明らかであり、よって添付の特許請求の範囲によって、本発明のそのような特徴及び優位性の全てをカバーすることが意図される。更に、多くの変更及び改変が当業者には容易に可能であるので、本発明は、図示され記載されたものと全く同じ構成及び動作に限定されるべきではない。したがって、全ての適切な改変物及び等価物は本発明の範囲に入るものとされる。
以上説明したように、本発明は、固定スクロール及び可動スクロールを有するスクロール圧縮機等について有用である。
3 ハウジング
4 固定スクロール
5 可動スクロール
7 駆動軸
10 ケーシング
14 圧縮機構
23 第1背圧空間
24 第2背圧空間
37 シールリング
93 シールリングホルダ
93A 立ち上がり部
93B 保持部
93C スカート部
93G リング溝
本発明は、固定スクロール及び可動スクロールを有するスクロール圧縮機に関する。
スクロール圧縮機は、典型的には、固定スクロール及び可動スクロール含む圧縮機構を有する。可動スクロールは、可動スクロールの背面の背圧空間の圧力によって固定スクロールに押し付けられる。背圧空間は、シールリングによって分離されており、内周側は高圧(吐出圧力)の空間、外周側は比較的低圧の空間となっている。この外周側の空間が吸入圧力程度の低圧である場合には、駆動軸を保持するハウジングの上面にリング溝を設け、そこにシールリングを収容することができる。
外周側の空間を、より高圧の中間圧にする場合もあり、この場合には可動スクロールに対して高圧を作用させる面積が少なくて済むので、直径がより小さいシールリングが採用され得る。また、スクロール圧縮機の小型化への要請から、直径が小さいシールリングが採用される場合もある。可動スクロールに係合する偏心部が動く空間を考慮する必要があるので、シールリングの直径が小さい場合には、ハウジングの上面にリング溝を設けることが困難であったり、不可能であることがある。そこで、シールリングホルダによってシールリングを支える構造を採用するようにした例が、特許文献1に記載されている。
特許4951572号公報
しかし、特許文献1に記載された構造では、運転中に、可動スクロールの動きに従ってシールリングホルダが回転してしまうことがあり、シールリングホルダや、シールリングホルダに上向きの力を与える板ばねが磨耗するという問題がある。
本発明は、シールリングホルダ及びこれに接する部材の摩耗を低減させることを目的とする。
第1の発明は、固定スクロール(4)及び可動スクロール(5)を有する圧縮機構(14)と、上記可動スクロール(5)に係合する駆動軸(7)と、上記圧縮機構(14)及び上記駆動軸(7)を収容するケーシング(10)とを有し、上記圧縮機構(14)が流体を圧縮して上記ケーシング(10)内に吐出するように構成されているスクロール圧縮機であって、上記可動スクロール(5)の背面の内周側の第1背圧空間(23)と上記可動スクロール(5)の背面の外周側の第2背圧空間(24)との間をシールするリング状のシールリング(37)と、上記シールリング(37)を保持するリング状のシールリングホルダ(93)と、上記駆動軸(7)を支持するハウジング(3)とを有する。上記第1背圧空間(23)は、上記圧縮機構(14)から圧縮された流体が吐出される下部空間(17)と連通する。上記第2背圧空間(24)の圧力は、上記圧縮機構(14)に吸入される流体の圧力より高く上記圧縮機構(14)から吐出される流体の圧力以下である、中間圧である。上記シールリングホルダ(93)は、上記ハウジング(3)に固定されている。上記シールリングホルダ(93)は、上記シールリング(37)の底面を保持する保持部(93B)と、上記保持部(93B)の内周側で上記シールリング(37)の側面を保持する立ち上がり部(93A)と、上記保持部(93B)の外周側で上記立ち上がり部(93A)とは反対の向きに延びるように形成されたスカート部(93C)とを有する。
第1の発明のスクロール圧縮機においては、シールリング(37)が可動スクロール(5)の背面の第1背圧空間(23)と第2背圧空間(24)との間をシールし、シールリング(37)を保持するシールリングホルダ(93)がハウジング(3)に固定されている。このため、スクロール圧縮機の運転時に、可動スクロール(5)が駆動軸(7)の軸心を中心に公転しても、シールリングホルダ(93)は回転しない。したがって、シールリングホルダ及びこれに接する部材の摩耗を低減させることができる。
第2の発明では、上記第1の発明において、上記シールリングホルダ(93)は、上記ハウジング(3)にボルトで固定されている。
以上の発明によれば、シールリングホルダの回転を防止することができ、シールリングホルダ及びこれに接する部材の摩耗を低減させることができる。したがって、スクロール圧縮機の信頼性の向上を図ることができる。
本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図である。 図1のスクロール圧縮機の圧縮機構を拡大図示した断面図である。 図2のシールリングホルダの例を示す平面図である。 図3のシールリングホルダのA−A断面を示す断面図である。 図2のハウジングと、これに取り付けられた図3のシールリングホルダの例を示す縦断面図である。 図2のハウジングの変形例と、これに取り付けられた図3のシールリングホルダの例を示す縦断面図である。 図2のシールリングホルダの他の例を示す平面図である。 図7のシールリングホルダのA−A断面を示す断面図である。 図2のハウジングの他の変形例と、これに取り付けられた図7のシールリングホルダの例を示す縦断面図である。 図2のシールリングホルダの更に他の例を示す平面図である。 図10のシールリングホルダのA−A断面を示す断面図である。 図2のハウジングの更に他の変形例と、これに取り付けられた図10のシールリングホルダの例を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図面において同じ参照番号で示された構成要素は、同一の又は類似の構成要素である。
図1は、本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図である。図2は、図1のスクロール圧縮機の圧縮機構を拡大図示した断面図である。図1のスクロール圧縮機(1)は、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路に接続され、流体である冷媒を圧縮する。このスクロール圧縮機(1)は、例えば空気調和装置や冷凍装置に用いられる。
−スクロール圧縮機の全体構成−
スクロール圧縮機(1)は、冷媒を吸入して圧縮する圧縮機構(14)と、圧縮機構(14)を収容する縦長の中空円筒状に形成されたケーシング(10)とを備えた全密閉型圧縮機である。
ケーシング(10)は、ケーシング本体(11)と、上壁部(12)と、底壁部(13)とによって構成された圧力容器である。ケーシング本体(11)は、上下方向に延びる軸線を有する円筒状の胴部である。上壁部(12)は、上方に突出した凸面を有する椀状に形成され、ケーシング本体(11)の上端部に気密状に溶接される。底壁部(13)は、下方に突出した凸面を有する椀状に形成され、ケーシング本体(11)の下端部に気密状に溶接される。
ケーシング(10)の内部には、圧縮機構(14)と、圧縮機構(14)を駆動する電動機(6)と、駆動軸(7)とが収容されている。電動機(6)は、圧縮機構(14)の下方に配置される。圧縮機構(14)と電動機(6)とは、ケーシング(10)内を上下方向に延びるように配置される駆動軸(7)によって連結されている。
ケーシング(10)の底部には、潤滑油が貯留された油溜まり部(15)が形成されている。ケーシング(10)の上壁部(12)には、冷媒回路の冷媒を圧縮機構(14)へ導入するための吸入管(18)が設けられている。また、ケーシング本体(11)には、ケーシング(10)内の冷媒をケーシング(10)外に導出するための吐出管(19)が設けられている。
駆動軸(7)は、主軸部(71)と、偏心部(72)と、カウンタウェイト部(73)とを有している。偏心部(72)は、比較的短い軸状に形成され、主軸部(71)の上端に突設されている。偏心部(72)の軸心は、主軸部(71)の軸心に対して、所定の距離だけ偏心している。カウンタウェイト部(73)は、後述する可動スクロール(5)や偏心部(72)等と動的バランスを取るために、主軸部(71)に設けられている。駆動軸(7)の内部には、その上端から下端まで延びる給油路(74)が形成されている。駆動軸(7)の下端部は、油溜まり部(15)に浸漬されている。
電動機(6)は、固定子(61)と回転子(62)とを有している。固定子(61)は、焼嵌め等によってケーシング本体(11)に固定されている。回転子(62)は、固定子(61)の内側に配置され、駆動軸(7)の主軸部(71)に固定されている。この回転子(62)は、主軸部(71)と実質的に同軸に配置されている。
ケーシング(10)内の下部には、下部軸受部材(21)が設けられている。下部軸受部材(21)は、ケーシング本体(11)の下端付近に固定されている。下部軸受部材(21)の中央部には貫通孔が形成され、この貫通孔に駆動軸(7)が挿通されている。下部軸受部材(21)は、駆動軸(7)の下端部を回転自在に支持する。
−圧縮機構の構成−
圧縮機構(14)は、ハウジング(3)と、固定スクロール(4)と、可動スクロール(5)と、シールリング(37)と、シールリングホルダ(93)とを有している。ハウジング(3)は、ケーシング本体(11)に固定されている。固定スクロール(4)は、ハウジング(3)の上面に配置されている。可動スクロール(5)は、固定スクロール(4)とハウジング(3)との間に配置されている。ハウジング(3)は、中央が凹陥した皿状に形成されている。このハウジング(3)は、外周側の環状部(31)と、内周側の凹部(32)とを有している。
図1及び図2に示すように、ハウジング(3)は、ケーシング本体(11)の上端縁に圧入固定されている。具体的には、ハウジング(3)の環状部(31)の外周面は、ケーシング本体(11)の内周面と全周に亘って密着している。ハウジング(3)は、ケーシング(10)の内部空間を、上部空間(16)と下部空間(17)に仕切っている。上部空間(16)は、圧縮機構(14)側の第1空間である。下部空間(17)は、電動機(6)が収納された第2空間である。
ハウジング(3)には、凹部(32)の底部から下端に貫通する貫通孔(33)が形成されている。貫通孔(33)には、軸受メタル(20)が挿入されている。この軸受メタル(20)には、駆動軸(7)が挿通されている。そして、ハウジング(3)は、駆動軸(7)の上端部を回転自在に支持する上部軸受を構成している。
固定スクロール(4)は、固定側鏡板部(41)と、固定側ラップ(42)と、外周壁部(43)とを有している。固定側ラップ(42)は、インボリュート曲線を描く渦巻き壁状に形成され、固定側鏡板部(41)の前面(図2における下面)から突出している。外周壁部(43)は、固定側ラップ(42)の外周側を囲むように形成され、固定側鏡板部(41)の前面から突出している。固定側ラップ(42)の先端面と外周壁部(43)の先端面とは略面一になっている。また、固定スクロール(4)は、ハウジング(3)に固定されている。
可動スクロール(5)は、可動側鏡板部(51)と、可動側ラップ(52)と、ボス部(53)とを有している。可動側鏡板部(51)は、概ね円形の平板状に形成されている。可動側ラップ(52)は、インボリュート曲線を描く渦巻き壁状に形成され、可動側鏡板部(51)の前面(図2における上面)から突出している。ボス部(53)は、円筒状に形成され、可動側鏡板部(51)の背面(57)の中央部に配置されている。
可動スクロール(5)の可動側ラップ(52)は、固定スクロール(4)の固定側ラップ(42)と噛み合わされている。そして、圧縮機構(14)では、固定スクロール(4)の固定側鏡板部(41)及び固定側ラップ(42)と、可動スクロール(5)の可動側鏡板部(51)及び可動側ラップ(52)とに囲まれた圧縮室(50)が形成される。
固定スクロール(4)の外周壁部(43)の突端面(図2における下面)は、外周壁部(43)の内周縁に沿った部分が、可動スクロール(5)の可動側鏡板部(51)と摺接する固定側摺接面(84)となっている。また、可動スクロール(5)の可動側鏡板部(51)の前面(図2における上面)では、可動側ラップ(52)の周囲を囲む部分が、固定スクロール(4)の固定側摺接面(84)と摺接する可動側摺接面(85)となっている。
固定スクロール(4)の外周壁部(43)には、吸入ポート(25)が形成されている。吸入ポート(25)には、吸入管(18)の下流端が接続されている。吸入管(18)は、ケーシング(10)の上壁部(12)を貫通し、ケーシング(10)の外部へ伸びている。また、固定スクロール(4)の固定側鏡板部(41)の中央には、固定側鏡板部(41)を貫通する吐出口(44)が形成されている。
固定側鏡板部(41)の背面(図2における上面)の中央には、高圧チャンバ(45)が形成されている。高圧チャンバ(45)には、吐出口(44)が開口している。この高圧チャンバ(45)は、高圧空間を構成している。
固定スクロール(4)には、高圧チャンバ(45)に連通する第1流通路(46)が形成されている。第1流通路(46)は、高圧チャンバ(45)から固定側鏡板部(41)の背面において径方向外方に延び、固定側鏡板部(41)の外周部において外周壁部(43)内を延び、外周壁部(43)の突端面(図2における下面)に開口している。固定側鏡板部(41)の背面には、高圧チャンバ(45)及び第1流通路(46)を塞ぐカバー部材(47)が取り付けられている。このカバー部材(47)によって、高圧チャンバ(45)及び第1流通路(46)が上部空間(16)から気密に隔離され、高圧チャンバ(45)及び第1流通路(46)に吐出された冷媒ガスが上部空間(16)に漏洩しないようになっている。
図1及び図2に示すように、固定スクロール(4)から可動スクロール(5)に亘って連通路(80)が形成されている。連通路(80)は、固定スクロール(4)に形成された1次側通路(81)と、可動スクロール(5)に形成された2次側通路(82)とを有している。1次側通路(81)は、固定スクロール(4)の外周壁部(43)の下面(固定側摺接面(84))に形成された凹部によって構成され、1次側通路(81)の下面は、可動スクロール(5)の鏡板(51)の外周部の上面(可動側摺接面(85))によって閉鎖されている。1次側通路(81)は、外周壁部(43)の内周端から外周端に向かって延びている。1次側通路(81)の一端は、外周壁部(43)の内周面に開口し、可動スクロール(5)のラップ(52)が固定スクロール(4)の外周壁部(43)に接して形成された中間圧状態の圧縮室(50)に連通している。
一方、2次側通路(82)は、可動スクロール(5)の鏡板(51)を前面から背面に亘って上下に貫通するように形成されている。可動スクロール(5)の背面側の背圧空間(22)は、第1背圧空間(23)と、第2背圧空間(24)とを有している。2次側通路(82)の下端は、第2背圧空間(24)に常時連通している。2次側通路(82)の上端は、鏡板(51)の前面に開口し、可動スクロール(5)の公転に伴い、円軌跡を描いて移動し、2次側通路(82)が1次側通路(81)に間欠的に連通するように構成されている。
したがって、本実施形態では、可動スクロール(5)が公転すると、1次側通路(81)と2次側通路(82)とが間欠的に連通する。第2背圧空間(24)と上部空間(16)とは、ハウジング(3)と固定スクロール(4)との間の間隙を介して連通しているので、圧縮途中の冷媒ガスの圧力変動を、第2背圧空間(24)と上部空間(16)とを含む大容量の空間で吸収することになる。その結果、可動スクロール(5)に作用する背圧の変動を抑制することができ、可動スクロール(5)に付与する押付力を安定させることができる。
ハウジング(3)の環状部(31)には、固定スクロール(4)がボルトによって固定されている。取付部(34)のうちの1つには、第2流通路(39)が環状部(31)を貫通するように形成されている。この第2流通路(39)は、固定スクロール(4)がハウジング(3)に取り付けられたときに、固定スクロール(4)の第1流通路(46)と連通する位置に形成されている。圧縮室(50)から高圧チャンバ(45)へ吐出された冷媒ガスは、第1流通路(46)と第2流通路(39)を順に通り、ケーシング(10)の下部空間(17)へ吐出される。
環状部(31)の内周側には、中央の凹部(32)を囲むように環状に形成された内周壁部(35)が形成されている。この内周壁部(35)は、取付部(34)よりは低く、且つ、環状部(31)のそれ以外の部分よりは高く形成されている。
内周壁部(35)の内周面には、リング状のシールリングホルダ(93)が固定されている。シールリングホルダ(93)とハウジング(3)の内周面とが、リング状のシールリング(37)を保持している。
図3は、図2のシールリングホルダ(93)の例を示す平面図である。図4は、図3のシールリングホルダ(93)のA−A断面を示す断面図である。シールリングホルダ(93)は、図3のように平面視においてリング状に形成されている。シールリングホルダ(93)は、立ち上がり部(93A)と、保持部(93B)と、スカート部(93C)とを有する。保持部(93B)は、シールリング(37)の底面を保持する。立ち上がり部(93A)は、保持部(93B)の内周側で、図4の上方に延びるように形成され、シールリング(37)の側面を保持する。スカート部(93C)は、保持部(93B)の外周側で、立ち上がり部(93A)とは反対の向き(図4の下方)に延びるように形成されている。
図5は、図2のハウジング(3)と、これに取り付けられた図3のシールリングホルダ(93)の例を示す縦断面図である。ハウジング(3)の内周壁部(35)の内周側には、ステップ(3J)が形成されている。このステップ(3J)において、シールリングホルダ(93)のスカート部(93C)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に密接して固定されている。ここで、スカート部(93C)の外周面(93T)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に密接している。スカート部(93C)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に接するように例えば中間ばめされている。スカート部(93C)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に接するように軽圧入されていてもよい。
シールリングホルダ(93)の保持部(93B)にはリング状のウェーブワッシャ(94)が置かれ、ウェーブワッシャ(94)の上にはシールリング(37)が置かれる。ウェーブワッシャ(94)は、板ばねとしての機能を有するワッシャであり、例えば円周方向又は半径方向に波形の形状を有している。シールリング(37)には、ウェーブワッシャ(94)によって可動側鏡板部(51)の背面(57)に向かう力が与えられる。シールリング(37)は、可動スクロール(5)の可動側鏡板部(51)の背面(57)に当接し、ハウジング(3)と可動側鏡板部(51)との間の隙間をシールする。すなわち、シールリング(37)は、可動スクロール(5)の背面(57)の内周側の第1背圧空間(23)と可動スクロール(5)の背面(57)の外周側の第2背圧空間(24)との間をシールする。
第1背圧空間(23)は、軸受メタル(20)と駆動軸(7)との隙間を介して、ケーシング(10)の下部空間(17)と連通している。また、ハウジング(3)には、第1背圧空間(23)の底部に開口する排油通路が形成されている。この排油通路は、第1背圧空間(23)を下部空間(17)と連通させ、第1背圧空間(23)内の潤滑油を下部空間(17)へ排出する。
第1背圧空間(23)には、駆動軸(7)の偏心部(72)と可動スクロール(5)のボス部(53)とが位置している。可動スクロール(5)のボス部(53)には、偏心部(72)が回転可能に挿入されている。偏心部(72)の上端には、給油路(74)が開口している。つまり、ボス部(53)内には該給油路(74)から高圧の潤滑油が供給され、ボス部(53)と偏心部(72)の摺動面は潤滑油により潤滑されている。また、偏心部(72)の上端面と可動側鏡板部(51)の背面(57)との間に形成されたボス内空間(58)は、高圧空間を構成している。
第2背圧空間(24)は、可動側鏡板部(51)の外周面(56)と背面(57)に臨む空間であって、中間圧空間を構成している。第2背圧空間(24)は、ハウジング(3)と固定ス
クロール(4)との間の間隙を介して上部空間(16)と連通している。したがって、第2背圧空間(24)の圧力は、中間圧である。中間圧は、圧縮機構(14)に吸入される流体(冷媒)の圧力より高く、かつ、圧縮機構(14)から吐出される流体(冷媒)の圧力以下である。
固定スクロール(4)が取り付けられるハウジング(3)の取付部(34)は、環状部(31)において上方に突出している。このため、これら取付部(34)以外の部分では、固定スクロール(4)とハウジング(3)の環状部(31)との間に間隙が形成される。そして、この間隙を介して、第2背圧空間(24)と上部空間(16)が互いに連通する。
第2背圧空間(24)には、オルダム継手(55)が設けられている。オルダム継手(55)は、可動スクロール(5)の可動側鏡板部(51)の背面(57)に形成されたキー溝(54)と、ハウジング(3)の環状部(31)に形成されたキー溝とに係合し、可動スクロール(5)の自転を規制する。
−スクロール圧縮機の運転動作−
スクロール圧縮機(1)の運転動作について説明する。電動機(6)を作動させると、圧縮機構(14)の可動スクロール(5)が、これに係合する駆動軸(7)によって駆動される。可動スクロール(5)は、オルダム継手(55)によって自転を防止されつつ、駆動軸(7)の軸心を中心に公転する。可動スクロール(5)が公転すると、吸入管(18)から流入した低圧ガス冷媒が圧縮機構(14)の圧縮室(50)へ吸入されて圧縮される。
圧縮が完了した冷媒(即ち、高圧ガス冷媒)は、固定スクロール(4)の吐出口(44)から高圧チャンバ(45)へ吐出される。高圧チャンバ(45)へ流入した高圧の冷媒ガスは、固定スクロール(4)の第1流通路(46)と、ハウジング(3)の第2流通路(39)とを順に通り、ケーシング(10)の下部空間(17)へ流出する。そして、下部空間(17)へ流出した冷媒ガスは、吐出管(19)を通ってケーシング(10)の外部へ吐出される。
−効果−
本実施形態のスクロール圧縮機(1)では、シールリングホルダ(93)がハウジング(3)に固定されている。このため、可動スクロール(5)が公転しても、シールリングホルダ(93)は回転しない。したがって、シールリングホルダ(93)とハウジング(3)との間の摩擦によってシールリングホルダ(93)が摩耗するのを防止することができる。また、ウェーブワッシャ(94)の回転が少なくなるので、シールリングホルダ(93)とウェーブワッシャ(94)との間の摩擦によって生じる両者の摩耗を減少させることができる。このように、中間圧を採用したスクロール圧縮機(1)のように、シールリング(37)の直径が比較的小さいスクロール圧縮機(1)において、シールリングホルダ(93)及びウェーブワッシャ(94)の摩耗を少なくすることができる。
−変形例1−
図6は、図2のハウジング(3)の変形例と、これに取り付けられた図3のシールリングホルダ(93)の例を示す縦断面図である。図2のハウジング(3)の内周壁部(35)の内周側には、ステップ(3J)が形成されている。図6のハウジング(3)では、このステップ(3J)における内周面(3S)を延長するように、リング溝(3G)が形成されている。リング溝(3G)の内周側の壁(3W)の高さは内周壁部(35)の上端面より低くなっている。壁(3W)の外周面(3T)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に対向している。
シールリングホルダ(93)のスカート部(93C)は、壁(3W)の外周面(3T)に密接して固定されている。ここで、スカート部(93C)の内周面(93S)は、壁(3W)の外周面(3T)に密接している。スカート部(93C)は、壁(3W)の外周面(3T))に接するように例えば中間ばめされている。スカート部(93C)は、壁(3W)の外周面(3T)に接するように軽圧入されていてもよい。
シールリングホルダ(93)の保持部(93B)にはウェーブワッシャ(94)が置かれ、ウェーブワッシャ(94)の上にはシールリング(37)が置かれる。その他の点は、図5の場合とほぼ同様である。
変形例1のスクロール圧縮機(1)では、リング溝(3G)が形成され、スカート部(93C)の内周面(93S)は、リング溝(3G)の内周側の壁(3W)の外周面(3T)に密接して固定されている。このため、可動スクロール(5)が公転しても、シールリングホルダ(93)は回転しない。
−変形例2−
図7は、図2のシールリングホルダ(93)の他の例を示す平面図である。図8は、図7のシールリングホルダ(93)のA−A断面を示す断面図である。シールリングホルダ(93)は、図7のように平面視においてリング状に形成されている。シールリングホルダ(93)は、立ち上がり部(93A)と、保持部(93B)とを有する。保持部(93B)は、シールリング(37)の底面を保持する。立ち上がり部(93A)は、保持部(93B)の内周側で、図8の上方に延びるように形成され、シールリング(37)の側面を保持する。
図9は、図2のハウジング(3)の他の変形例と、これに取り付けられた図7のシールリングホルダ(93)の例を示す縦断面図である。ハウジング(3)の内周壁部(35)の内周側には、2段のステップ(3J, 3K)が形成されている。そのうちの下段のステップ(3J)において、シールリングホルダ(93)の保持部(93B)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に密接して固定されている。ここで、保持部(93B)の外周面(93T)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に密接している。保持部(93B)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に接するように例えば中間ばめされている。保持部(93B)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に接するように圧入されていてもよい。
前述の2段のステップ(3J, 3K)のうちの上段のステップ(3K)の上面は、保持部(93B)の上面とほぼ面一になっている。これらの面にはウェーブワッシャ(94)が置かれ、ウェーブワッシャ(94)の上にはシールリング(37)が置かれる。その他の点は、図5の場合とほぼ同様である。
この変形例においても、シールリングホルダ(93)がハウジング(3)に固定されている。このため、前述の例と同様に、可動スクロール(5)が公転しても、シールリングホルダ(93)は回転しない。また、ハウジング(3)が2段のステップ(3J, 3K)を有しているので、下段のステップ(3J)にシールリングホルダ(93)を挿入する際に、上段のステップ(3K)における内周面(シールリング(37)の側面が接する面)にはシールリングホルダ(93)による傷がつかない。このため、シールリング(37)の摩耗を抑えることができる。
なお、図3のシールリングホルダ(93)を、図9におけるシールリングホルダ(93)として用いてもよい。
−変形例3−
図10は、図2のシールリングホルダ(93)の更に他の例を示す平面図である。図11は、図10のシールリングホルダ(93)のA−A断面を示す断面図である。シールリングホルダ(93)は、図10のように平面視においてリング状に形成されている。シールリングホルダ(93)は、図11における上面(可動スクロール(5)側の面)にリング溝(93G)を有する。シールリング(37)は、このリング溝(93G)に収容される。
図12は、図2のハウジング(3)の更に他の変形例と、これに取り付けられた図10のシールリングホルダ(93)の例を示す縦断面図である。ハウジング(3)の内周壁部(35)の内周側には、ステップ(3J)が形成されている。このステップ(3J)において、シールリングホルダ(93)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に密接して固定されている。ここで、シールリングホルダ(93)の外周面(93T)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に密接している。シールリングホルダ(93)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に接するように例えば中間ばめされている。シールリングホルダ(93)は、ハウジング(3)の内周面(3S)に接するように圧入されていてもよい。
シールリングホルダ(93)のリング溝(93G)にはウェーブワッシャ(94)が置かれ、ウェーブワッシャ(94)の上にはシールリング(37)が置かれる。その他の点は、図5の場合とほぼ同様である。
この変形例においても、シールリングホルダ(93)がハウジング(3)に固定されている。このため、前述の例と同様に、可動スクロール(5)が公転しても、シールリングホルダ(93)は回転しない。
なお、以上の各例において、シールリングホルダ(93)は、ハウジング(3)にピンやボルトで固定されてもよい。この場合、シールリングホルダ(93)は、ハウジング(3)の内周面(3S)、又はハウジング(3)の、内周面(3S)に対向する面(3T)に、密接していてもよい。
本発明の多くの特徴及び優位性は、記載された説明から明らかであり、よって添付の特許請求の範囲によって、本発明のそのような特徴及び優位性の全てをカバーすることが意図される。更に、多くの変更及び改変が当業者には容易に可能であるので、本発明は、図示され記載されたものと全く同じ構成及び動作に限定されるべきではない。したがって、全ての適切な改変物及び等価物は本発明の範囲に入るものとされる。
以上説明したように、本発明は、固定スクロール及び可動スクロールを有するスクロール圧縮機等について有用である。
3 ハウジング
4 固定スクロール
5 可動スクロール
7 駆動軸
10 ケーシング
14 圧縮機構
23 第1背圧空間
24 第2背圧空間
37 シールリング
93 シールリングホルダ
93A 立ち上がり部
93B 保持部
93C スカート部
93G リング溝

Claims (7)

  1. 固定スクロール(4)及び可動スクロール(5)を有する圧縮機構(14)と、上記可動スクロール(5)に係合する駆動軸(7)と、上記圧縮機構(14)及び上記駆動軸(7)を収
    容するケーシング(10)とを有し、上記圧縮機構(14)が流体を圧縮して上記ケーシング(10)内に吐出するように構成されているスクロール圧縮機であって、
    上記可動スクロール(5)の背面の内周側の第1背圧空間(23)と上記可動スクロール
    (5)の背面の外周側の第2背圧空間(24)との間をシールするリング状のシールリング
    (37)と、
    上記シールリング(37)を保持するリング状のシールリングホルダ(93)と、
    上記駆動軸(7)を支持するハウジング(3)とを備え、
    上記第1背圧空間(23)は、上記圧縮機構(14)から圧縮された流体が吐出される下部空間(17)と連通し、
    上記第2背圧空間(24)の圧力は、上記圧縮機構(14)に吸入される流体の圧力より高く上記圧縮機構(14)から吐出される流体の圧力以下である、中間圧であり、
    上記シールリングホルダ(93)は、上記ハウジング(3)に固定されている
    ことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記シールリングホルダ(93)は、上記ハウジング(3)の内周面(3S)、又は上記ハ
    ウジング(3)の上記内周面(3S)に対向する、上記ハウジング(3)の面(3T)に、密接して固定されている
    ことを特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 請求項2において、
    上記シールリングホルダ(93)は、
    上記シールリング(37)の底面を保持する保持部(93B)と、
    上記保持部(93B)の内周側で上記シールリング(37)の側面を保持する立ち上がり部
    (93A)とを有する
    ことを特徴とするスクロール圧縮機。
  4. 請求項3において、
    上記シールリングホルダ(93)は、上記保持部(93B)の外周側で上記立ち上がり部(93A)とは反対の向きに延びるように形成されたスカート部(93C)を更に有し、
    上記スカート部(93C)の外周面(93T)が、上記ハウジング(3)の上記内周面(3S)
    に密接している
    ことを特徴とするスクロール圧縮機。
  5. 請求項3において、
    上記シールリングホルダ(93)は、上記保持部(93B)の外周側で上記立ち上がり部と
    は反対の向きに延びるように形成されたスカート部(93C)を更に有し、
    上記スカート部(93C)の内周面(93S)が、上記ハウジング(3)の上記内周面(3S)
    に対向する、上記ハウジング(3)の上記面(3T)に密接している
    ことを特徴とするスクロール圧縮機。
  6. 請求項3において、
    上記保持部(93B)の外周面(93T)が、上記ハウジング(3)の上記内周面(3S)に密
    接している
    ことを特徴とするスクロール圧縮機。
  7. 請求項2において、
    上記シールリングホルダ(93)は、上記可動スクロール(5)側の面にリング溝(93G)を有し、
    上記シールリング(37)は、上記リング溝(93G)に収容されており、
    上記シールリングホルダ(93)の外周面(93T)が、上記ハウジング(3)の上記内周面(3S)に密接している
    ことを特徴とするスクロール圧縮機。
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