JP2016200019A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気通路にプラズマアクチュエータが設けられた火花点火式の内燃機関において、失火を抑制しつつ、該プラズマアクチュエータで燃焼室への気体の流れを強化する。
【解決手段】本発明の一態様の内燃機関は、吸気ポートに設けられた第1群のプラズマアクチュエータL1、R1および第2群のプラズマアクチュエータと、該第1群のプラズマアクチュエータL1、R1と該第2群のプラズマアクチュエータとの各作動を制御する制御装置40とを備える。該第1群のプラズマアクチュエータは該第2群のプラズマアクチュエータよりも前記点火プラグ寄りに配置されている。制御装置は、所定運転領域において、吸気通路から前記燃焼室への気体の流れを強化するように該第2群のプラズマアクチュエータを作動させ、かつ、該燃焼室への気体の流れを抑制するように該第1群のプラズマアクチュエータを作動させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関に係り、特に、吸気通路にプラズマアクチュエータを設けた火花点火式の内燃機関に関する。
特許文献1は、気体が流通する内燃機関の吸気通路内にプラズマアクチュエータを設けることを開示する。プラズマアクチュエータは、吸気通路内に露出した表面電極と、この表面電極に対して誘電体を挟んで吸気通路の外部に配置される裏面電極とを有し、吸気通路の気体の流れを加速または増速させるように、これら2つの電極間に交流電圧が印加される。特許文献1は、このプラズマアクチュエータが、スワール流の強化や、タンブル流の強化に適用された具体例を開示する。
特開2012−180799号公報
特許文献1に記載のように、プラズマアクチュエータはスワール流の強化や、タンブル流の強化に用いられることができる。しかし、特許文献1は燃焼室でのそのような流れの強化に向けられているが、燃焼室での燃焼に関して問題点を有する。
点火プラグを備える内燃機関では、単に燃焼室での流れが強化されると、点火プラグでの点火がその流れにより悪影響を受けることが懸念される。例えば、燃焼室での気体の流れが強すぎ、点火プラグの周囲に強い気流の乱れが生じると、混合気(または燃料)への点火が好適に行われず、失火することが懸念される。
そこで、本発明の一の目的は、吸気通路にプラズマアクチュエータが設けられた火花点火式の内燃機関において、失火を抑制しつつ、該プラズマアクチュエータで燃焼室への気体の流れを強化することにある。
本発明の一態様によれば、
点火プラグが設けられた内燃機関において、
吸気ポートに設けられた第1群のプラズマアクチュエータおよび第2群のプラズマアクチュエータと、
該第1群のプラズマアクチュエータと該第2群のプラズマアクチュエータとの各作動を制御する制御装置と
を備え、
該第1群のプラズマアクチュエータは該第2群のプラズマアクチュエータよりも前記点火プラグ寄りに配置されていて、
前記制御装置は、所定運転領域において、前記吸気ポートから前記燃焼室への気体の流れを強化するように該第2群のプラズマアクチュエータを作動させ、かつ、該燃焼室への気体の流れを抑制するように該第1群のプラズマアクチュエータを作動させる、
内燃機関
が提供される。
本発明の上記一態様によれば、所定運転領域において、第2群のプラズマアクチュエータが吸気ポートから燃焼室への吸気の流れを強化するように作動され、そのとき、該第2群のプラズマアクチュエータよりも点火プラグ寄りに配置されている第1群のプラズマアクチュエータが燃焼室への気体の流れを抑制するように作動される。したがって、第2群のプラズマアクチュエータの作動により燃焼室への気体の流れが強化されるが、第1群のプラズマアクチュエータの作動により点火プラグ周囲の気体の流れが緩和される。よって、本発明の上記一態様によれば、所定運転領域において、燃焼室への気体の流れを強化しつつ、点火プラグによる点火を好適に生じさせることができるという、優れた効果が発揮される。
本発明の第1実施形態に係る内燃機関の概念図である。 吸排気ポートと点火プラグとの関係を示し、第1実施形態におけるプラズマアクチュエータの作用効果を説明するための図である。 吸気ポートに設けられたプラズマアクチュエータの配置を示す模式図である。 プラズマアクチュエータの構成を示す概念図である。 第1実施形態におけるプラズマアクチュエータの制御用の運転領域マップである。 第1実施形態におけるプラズマアクチュエータの作動を、吸入空気流量に対して示す図であり、(a)は左側吸気ポートのプラズマアクチュエータに関する図であり、(b)は右側吸気ポートのプラズマアクチュエータに関する図である。 第1実施形態の、プラズマアクチュエータの制御フローチャートである。 第2実施形態における、プラズマアクチュエータの作動によるタンブル流を示す模式図である。 第2実施形態におけるプラズマアクチュエータの作動を、吸入空気流量に対して示す図であり、(a)は左側吸気ポートのプラズマアクチュエータに関する図であり、(b)は右側吸気ポートのプラズマアクチュエータに関する図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
まず、本発明の第1実施形態について説明する。第1実施形態の内燃機関1の概念図を図1に示す。本第1実施形態のエンジン(内燃機関)10は、筒内噴射形式の火花点火式内燃機関である。図1は、1つの気筒(シリンダ)12の燃焼室14周りに関する概念図である。なお、本発明は、筒内噴射形式の内燃機関に適用されることに限定されず、吸気通路に燃料を噴射する形式の内燃機関に適用されてもよく、また、気筒数、気筒配列を問わない。
エンジン10において、吸気口から吸入された空気(吸気)は、エアクリーナを介して吸気通路16に導入される。吸気通路16は、主として、吸気管、サージタンク、吸気マニホルド18、およびシリンダヘッド19に形成された吸気ポート20により区画形成されている。空気は、吸気管の途中に設けられたスロットルバルブの開度によりその流量が調整されつつ、サージタンクに流入し、各気筒12に対応して分岐形成された吸気マニホルド18に分流し、さらに吸気ポート20に流入し、吸気バルブ22を介して燃焼室14に流入する。スロットルバルブの開度は、運転者によって操作されるアクセルペダルの踏み込み量に対応するように、スロットルアクチュエータによって調整される。このように、スロットルバルブは、その開閉動作を電子的に制御できる吸気絞り弁である。
燃焼室14に燃料を直接噴射可能に、燃料噴射弁24が配設されている。燃料噴射弁24により噴射された燃料は、イグニッションコイル26への制御により作動される点火プラグ28が上部中央に配設された燃焼室14で空気と混合する。
各気筒12の燃焼室14で、混合気は点火プラグ28により点火される。その点火により生じた火炎が混合気の全体に次第に伝播し、混合気は燃焼する。燃焼により生じたガスすなわち排気ガスは、排気バルブ30を介して、排気通路32に排出される。シリンダヘッド19に形成された排気ポート34、排気マニホルド35と共に排気通路32を区画形成する排気管の途中に配設された触媒コンバータを通過することで、排気ガスは浄化されて、大気中に排出される。
エンジン10では、各気筒に対して2つの吸気ポート20および2つの排気ポート34が設けられている。図2に、これら吸気ポート20および排気ポート34の配置を示す。2つの吸気ポート20は、点火プラグ28を挟んで左右の位置に配置されている。以下では、2つの吸気ポート20のうち、図2において右側の吸気ポート(以下、右側吸気ポートと称し得る)に符号「20R」を付し、図2において左側の吸気ポート(以下、左側吸気ポートと称し得る)に符号「20L」を付す。
燃料噴射制御、点火制御等を行うために、エンジン10には電子制御ユニット(ECU;Electronic Control Unit)40が備えられている。ECU40は、演算処理装置(例えばCPU)と、種々のプログラムやデータを記録する記憶装置(例えばROM、RAM)と、入力インターフェイス回路と、出力インターフェイス回路とを備える。入力インターフェイス回路には、エンジン10の回転速度(回転数)を検出するためのエンジン回転速度センサ44や、エンジン10の負荷を検出するためのエンジン負荷センサ46などが電気配線を介して接続されている。エンジン回転速度センサとして44は、連接棒を介してピストン50が連結されているクランクシャフトのクランク回転信号を検出するためのクランクポジションセンサを用いることができる。エンジン負荷センサとしては、スロットルバルブよりも下流側の吸気圧を検出するための吸気圧センサ、スロットルバルブの開度を検出するためのスロットルポジションセンサおよびはアクセルペダルの踏み込み量すなわちアクセル開度を検出するためのアクセルポジションセンサの少なくとも1つを用いることができる。なお、図示しないが、入力インターフェイス回路には、エンジン10の冷却水の温度(冷却水温)を検出するための水温センサ、触媒コンバータの上流側の空燃比センサも接続されている。そして、ECU40の出力インターフェイス回路は、燃料噴射弁24、イグナイタを内蔵したイグニッションコイル26、そして、スロットルアクチュエータなどに接続されていて、上記各種センサ等からの出力信号に基づいて得られたデータに基づき、ECU40はそれらを制御する。なお、後述するように、ECU40は電源装置70にも接続されていて、該電源装置70の作動をも制御する(よって、ECU40は後述するプラズマアクチュエータ60の作動を制御する)。したがって、ECU40は、プラズマアクチュエータの作動を制御する制御装置でもある。
上記構成を有するエンジン10は、さらに、吸気通路16から燃焼室への気体(吸気)の流れを制御するために、プラズマアクチュエータ60を備える。プラズマアクチュエータ60は、吸気ポート20R、20Lに設けられている。図3に、図1におけるプラズマアクチュエータ60の配置箇所(図1のIII−III線および図2の破線DL)での、吸気通路16における気体の流れ方向に対して略直角な面での断面模式図を示す。なお、図3では、点火プラグ28とそれら吸気ポート20R、20Lとの位置関係が模式的に示されている。
図3に模式的に示されるように、吸気ポート20R、20Lの各々に4つのプラズマアクチュエータ60が設けられている。図3では、各吸気ポートに対する、複数のプラズマアクチュエータ60の相対的な位置関係が模式的に示されている。以下の説明から理解できるように、プラズマアクチュエータ60はそれぞれ吸気ポートの内周面に一体的に設けられている。右側吸気ポート20Rの4つのプラズマアクチュエータ60に符号「R1」〜「R4」を付し、左側吸気ポート20Lの4つのプラズマアクチュエータ60に符号「L1」〜「L4」を付す。図3において、右側吸気ポート20Rに関して最も点火プラグ28寄りに配置されたプラズマアクチュエータR1から、時計回りに、プラズマアクチュエータR2、プラズマアクチュエータR3、プラズマアクチュエータR4が配置されている。また、図3において、左側吸気ポート20Lに関して最も点火プラグ28寄りに配置されたプラズマアクチュエータL1から、反時計回りに、プラズマアクチュエータL2、プラズマアクチュエータL3、プラズマアクチュエータL4が配置されている。
これらプラズマアクチュエータ60に電気的エネルギを供給する電源装置70が設けられている。この電源装置70もECU40に電気的に接続され、ECU40は、電源装置70を制御することにより、電源装置70からプラズマアクチュエータ60に供給される電気的エネルギの大きさを変化させることができる。
ここで、このプラズマアクチュエータ60について説明する。なおプラズマアクチュエータ自体は公知であるので、ここではその作動原理等、基本的事項の説明は省略する。
図4に示すように、プラズマアクチュエータ60は、表面電極61および裏面電極62からなる一対の電極と、これら一対の電極の間に配置された誘電体63とを含む電極ユニット64を複数有して構成される。ここでは、裏面電極62として第1の裏面電極62Aと第2の裏面電極62Bとの2種類が設けられ、電極ユニット64として第1の電極ユニット64Aと第2の電極ユニット64Bとの2種類が設けられているが、ここでは便宜上、第1の裏面電極62Aおよび第1の電極ユニット64Aのみに着目して説明を進める。表面電極61は、第1の電極ユニット64Aおよび第2の電極ユニット64Bに共通の表面電極をなす。
第1の電極ユニット64Aにおいて、第1の裏面電極62Aは表面電極61に対し図示されるようなA方向(図中右側に向かう方向)にオフセットされ、両電極の対向側エッジ61E,62AE間にA方向の隙間gAが形成されている。そしてこのような第1の電極ユニット64Aが、A方向に所定ピッチPで等間隔に複数列設されている。
いま仮に、第1の電極ユニット64Aの表面電極61と第1の裏面電極62Aとの間に電気的エネルギ、具体的には高圧交流電圧を印加したとする。すると、表面電極61の対向側エッジ61E付近で且つ誘電体63の表面63A付近にプラズマが発生し、このプラズマに起因して、表面電極61側から第1の裏面電極62A側に向かうA方向に空気を流す駆動力(ブローイング力)が発生し、誘電体63の表面63A上にFAで示されるようなA方向の気流が発生する。この気流FAは、誘電体63の表面63Aから極近い(1〜2mm程度)領域内で発生する。
この説明で分かるように、プラズマアクチュエータ60は、その表面部、具体的には表面電極61と誘電体63の表面63Aとが、主流FMが流れる吸気ポート内に露出するように設置される。他方、プラズマアクチュエータ60の裏面部は気流を発生させる必要が無く、むしろ構造物への付着面をなすので、第1の裏面電極62Aを電気的に絶縁するため、第1の裏面電極62Aは誘電体63の裏面63B上に形成された絶縁層65内に埋設されている。なお誘電体63が、樹脂系やセラミック系の絶縁性材料で形成されているため、第1の裏面電極62Aを誘電体63の中に埋設してもよい。もちろん、プラズマアクチュエータ60を付着させる構造物が絶縁性材料からなる場合は第1の裏面電極62Aの絶縁を考慮しなくてもよく、例えば絶縁層65を省略してもよい。
各第1の電極ユニット64Aが上述のような気流FAを発生させることから、プラズマアクチュエータ60は全体として、誘電体63の表面63A上に広範囲に亘るA方向の気流を発生させることができる。
図4に示すように、表面電極61と第2の裏面電極62Bとを含む第2の電極ユニット64Bは、第1の電極ユニット64Aとは逆の構成がなされており、誘電体63の表面63A上にFBで示されるような、A方向と逆向きのB方向の気流を発生させる。すなわち、第2の裏面電極62Bは表面電極61に対しB方向(図中左側に向かう方向)にオフセットされ、両電極の対向側エッジ間にB方向の隙間gBが形成されている。この隙間gBの大きさは前記隙間gAの大きさと等しい。そしてこのような第2の電極ユニット64Bが、B方向に所定ピッチPで等間隔に複数列設されている。第1の電極ユニット64Aと第2の電極ユニット64Bとは、表面電極61の幅wの中心に対し対称の構成とされ、プラズマアクチュエータ60は、A方向の気流FAとB方向の気流FBとのいずれか一方を選択的に発生させることができる。なお、本実施形態では、気流FAは、吸気ポート20から燃焼室14への方向の気体の流れであり、気流FBは、燃焼室14から吸気ポート20への方向の気体の流れである。
電源装置70は、交流電圧を供給する電源71と、電源71からの交流電圧を第1の電極ユニット64Aに供給する状態、第2の電極ユニット64Bに供給する状態、およびいずれにも供給しない状態をそれぞれ切り替える切替スイッチ72とを備える。ここで、単一のプラズマアクチュエータにおいて、全ての表面電極61は、互いに接続されると共に、電源71に接続されている。単一のプラズマアクチュエータにおいて、全ての第1の電極ユニット64Aの第1の裏面電極62Aは、互いに接続されると共に、切替スイッチ72の第1の端子72Aに接続されている。単一のプラズマアクチュエータにおいて、全ての第2の電極ユニット64Bの第2の裏面電極62Bは、互いに接続されると共に、切替スイッチ72の第2の端子72Bに接続されている。
また電源装置70は、ECU40からの指令信号に基づき電源71から供給される電圧の大きさを変化させる制御部(図示せず)を備える。交流電圧は、例えば1〜10kV程度の電圧を有し、1〜10kHz程度の周波数を有する高圧交流電圧である。なお交流電圧の代わりに直流パルス電圧を供給してもよい。電源71から供給される電圧値を変化させることにより、すなわちプラズマアクチュエータ60に印加する電圧の大きさを変化させることにより、プラズマアクチュエータ60が発生する駆動力の大きさを変化させることができる。より高い値の電圧を印加するほど、プラズマアクチュエータ60が発生する駆動力は大きくなる。なお駆動力を変化させるため、電圧の大きさに加えもしくはその代わりに、電圧の周波数を変化させることも考えられるが、ここでは便宜上電圧の大きさのみを変化させるものとする。
また電源装置70の制御部は、ECU40からの指令信号に基づき切替スイッチ72の切り替えを行い、プラズマアクチュエータ60が発生する駆動力の方向(つまり気流FAを発生させるのか気流FBを発生させるのか)も切り替える。
プラズマアクチュエータ60の厚さTは非常に薄く、数μm〜数百μmのオーダーである。従って図中の電極等は誇張して描かれている。プラズマアクチュエータ60は、表面電極61などの電極が、吸気通路の気体の流れ方向に対して略直角に延びるように、吸気ポート20の内周面に設けられている。これにより、上で述べたように、ECU40がプラズマアクチュエータ60の作動を制御することで、吸気ポート20から燃焼室14への方向の気体の流れである第1気流FAを吸気ポート内面において生じさせることができ、燃焼室14から吸気ポート20への方向の気体の流れである第2気流FBを吸気ポート内面において生じさせることができる。
さて、このプラズマアクチュエータ60は、燃焼室への気体の流れをアシストするように作動させられる。以下、エンジン10の運転状態に応じた、プラズマアクチュエータ60の制御について説明する。
図5に、エンジン回転速度とエンジン負荷(トルク)とにより表す運転領域マップを示す。このマップにおいて第1運転領域Iは必要とされる吸入空気量が低〜中流量である領域である。第1運転領域Iでは、ECU40は、プラズマアクチュエータ60を作動させることで、燃焼室にスワール流(図2の矢印FS参照)を生じさせる。これにより、混合気の乱れを誘発し、燃焼速度を向上させて、燃焼状態を安定化することができる。
スワール流を生じさせるために、左側吸気ポート20Lの外側(右側吸気ポート20Rから離れた側)の2つのプラズマアクチュエータL2、L3は燃焼室への流れを強化するように作動させられる(つまり気流FAを生じさせる)。そして、このとき、右側吸気ポート20Rの外側(左側吸気ポート20Lから離れた側)の2つのプラズマアクチュエータR2、R3は燃焼室14への流れを抑制するように作動させられる(つまり気流FBを生じさせる)。これにより、図2に矢印FSで示すような旋回流つまりスワール流を生じさせることができる。
図5の第2運転領域IIは、吸入空気量が中流量で中負荷の領域である。この領域では特に流量を稼ぐ必要はなく、また通常燃焼も安定している。よって、この第2運転領域IIでは、プラズマアクチュエータ60を作動させない。これにより、プラズマアクチュエータ60による消費電力を低減することができる。
図5の第3運転領域IIIは、本発明の所定運転領域に相当し、吸入空気量が高流量で高負荷の領域である。そのため、プラズマアクチュエータ60の作動により流量を稼ぐ必要がある。同時に、燃焼速度を向上させるため、スワール流に相当する流れの発生も望まれる。そこで、第1運転領域Iと同様に、左側吸気ポート20Lの外側の2つのプラズマアクチュエータL2、L3は燃焼室への流れを強化するように作動させられる(図2の矢印FA1参照)。このとき、右側吸気ポート20Rの外側の2つのプラズマアクチュエータR2、R3を燃焼室14への流れを抑制するように作動させるが(図2の矢印FB1参照)、第1運転領域Iのときに印加される電圧の大きさよりも、印加する電圧の大きさは概ね小さくされる。一方、プラズマアクチュエータL2,L3の作動に伴い、点火プラグ28付近の気体の速度も増す。この結果、点火プラグ28による混合気への点火が適切に生じるかが懸念され、失火の危険性が高まる。そこで、本第3運転領域IIIでは、燃焼室への気体の流れの強化に伴い、点火プラグ28周囲の気体の流れを緩和するように(その流速を低下させるように)、プラズマアクチュエータ60を作動させる。具体的には、ECU40は、点火プラグ28寄りの2つのプラズマアクチュエータR1、L1を、燃焼室14とは反対側への気流(気流B)を生じさせて燃焼室14への気体の流れを抑制するように作動させる(図2の矢印FB2、FB3参照)。図2では、このようにプラズマアクチュエータL1〜L3、R1〜R3を作動させたときの、吸気ポート出口での気体の流れの強さが流線(矢印)で示されている。なお、第3運転領域IIIでは、プラズマアクチュエータR2、R3を作動させなくてもよい。
このプラズマアクチュエータ60の作動について、図6に基づいてさらに説明する。図6(a)は左側吸気ポート20Lに設けられた4つのプラズマアクチュエータの作動を示す図であり、図6(b)は右側吸気ポート20Rに設けられた4つのプラズマアクチュエータの作動を示す図である。図6(a)、(b)では、横軸は空気流量(吸入空気量)であり、図中右側に行くほど吸入空気量が大きくなる。図6では、吸入空気量が多くなるにしたがって、第1運転領域Iから順に、第2運転領域IIを経て、第3運転領域IIIに移る。また、図6(a)、(b)の各縦軸はプラズマアクチュエータの駆動の強さを示し、電源装置70からプラズマアクチュエータへの印加電圧の大きさに相当し、「0」を基準に上側は燃焼室側への気流FAの強化の程度を示し、「0」を基準に下側は燃焼室から吸気通路側への気流FBの強化の程度を示す。図6中の符号、例えば「L1」付きの線は、プラズマアクチュエータL1の作動を示す。
第1運転領域Iでは、上で述べたようにプラズマアクチュエータL2、L3が気流FAを生じさせるように作動され、プラズマアクチュエータR2、R3が気流FBを生じさせるように作動させられ、その他のプラズマアクチュエータは作動されない。しかし、それらの駆動の強さは、必要な吸入空気量の増加に伴い大きくなるが、途中で反転し、吸入空気量の増加に伴い小さくなる。そして、第1運転領域Iと第2運転領域IIとの境界部でそれらの駆動の強さはゼロになる。第2運転領域IIではいずれのプラズマアクチュエータも作動されない。
第3運転領域IIIでは、上で述べたようにプラズマアクチュエータL2、L3が気流FAを生じさせるように作動される。より正確には、第2運転領域IIと第3運転領域IIIとの境界部から吸入空気量が大きくなるにつれて、プラズマアクチュエータL2、L3の駆動の程度が増し、これにより吸入空気量の増大を図ることができる。これにより、スワール流相当の気流を燃焼室において生じさせることが可能になる。さらに、スワール流相当の気流の発生をアシストするように、このとき、プラズマアクチュエータR2、R3は(第1運転領域Iでの気流FBに比べて総じて弱い)気流FBを生じさせるように作動させられるが、作動されなくてもよい。そして、吸入空気量が所定量を超えたときから、点火プラグ28寄りの2つのプラズマアクチュエータR1、L1が燃焼室とは反対側への気流FBを生じさせるように作動させられ、その駆動の程度は吸入空気量の増大に伴い高められる。これにより、点火プラグ28での点火をよりしっかりと確保することができる。なお、点火プラグ28寄りの2つのプラズマアクチュエータR1、L1が本発明の第1群のプラズマアクチュエータに相当し、プラズマアクチュエータL2、L3が本発明の第2群のプラズマアクチュエータに相当する。
なお、第3運転領域では、点火プラグ28寄りの2つのプラズマアクチュエータR1、L1以外の、全てのプラズマアクチュエータL2〜L4、R2〜R4が気流FAを生じさせるように作動させられてもよい。この場合、必要とされる吸入空気量の増大に伴い、プラズマアクチュエータL2〜L4、R2〜R4の駆動の程度が増すとよい。この場合にも、点火を確保するように、点火プラグ28寄りの2つのプラズマアクチュエータR1、L1は気流FBを生じさせるように作動させられるとよい。この場合、第2群のプラズマアクチュエータは、気流FAを発生させように作動されるプラズマアクチュエータL2〜L4、R2〜R4である。
ここで、ECU40による、上記プラズマアクチュエータ60(L1〜L4、R1〜R4)の作動の制御について図7のフローチャートに基づいてさらに説明する。なお、図7のフローチャートは一例に過ぎない。本発明は、上記運転領域に即したプラズマアクチュエータ60の上記作動を具現化する種々の制御を含む。
エンジン始動後、ECU40は、エンジン回転速度センサ44の出力およびエンジン負荷センサ46の出力に基づいて、エンジン運転状態がどの運転領域に属するのかを判定する。ステップS701では、エンジン運転状態が上記第1運転領域に属するのか否かが判定される。この判定は、エンジン回転速度センサ44の出力およびエンジン負荷センサ46の出力に基づいて、予め設定されている図5に示したようなマップ化されたデータを検索したり、または同様に予め設定されている演算式にしたがって演算を行ったりすることにより、実行される。ステップS701でエンジン運転状態が上記第1運転領域に属するとして肯定判定されたときには、ステップS703で第1モードが設定される。これにより、既に述べたように、第1運転領域Iのプラズマアクチュエータ60の制御が実行される。なお、初期状態では、何らモードは設定されていないが、例えば第1モードが設定されていてもよい。
ステップS701で否定判定されると、ステップS705で、エンジン運転状態が上記第2運転領域に属するのか否かが判定される。この判定は、ステップS701で既に説明したように行われるので、ここでのさらなる説明は省略される。ステップS705でエンジン運転状態が上記第2運転領域に属するとして肯定判定されたときには、ステップS707で第2モードが設定される。これにより、既に述べたように、第2運転領域IIのプラズマアクチュエータ60の制御が実行される。
ステップS705で否定判定されると、ステップS709で第3モードが設定される。これにより、既に述べたように、第3運転領域IIIのプラズマアクチュエータ60の制御が実行される。
なお、第1モードまたは第3モードが設定されているとき、ECU40は、エンジン回転速度センサ44の出力およびエンジン負荷センサ46の出力に基づいて検出される運転状態に応じて、予め設定されている図5に示したようなマップ化されたデータを検索したり、または同様に予め設定されている演算式にしたがって演算を行ったりすることにより、作動させるプラズマアクチュエータの駆動の強さを制御する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下では、第2実施形態における上記第1実施形態との相違点のみ、説明する。
本第2実施形態では、第1運転領域Iにおいて、混合気の燃焼を改善するように、スワール流に代えて、タンブル流を生じさせるように、プラズマアクチュエータ60を作動させる。そして、第3運転領域では、タンブル流相当の気流を生じさせるように、プラズマアクチュエータ60を作動させる。
具体的には、第1運転領域Iにおいては、吸気ポート20R、20Lの(シリンダブロックに対して)シリンダヘッド19側のプラズマアクチュエータR1、R2、L1、L2を燃焼室側への気流FAを生じさせるように作動させる。このとき、(シリンダヘッドに対して)シリンダブロック側のプラズマアクチュエータR3、R4、L3、L4を燃焼室側から吸気通路側への気流FBを生じさせるように作動させる。これにより、図8に模式的に示すように、燃焼室14にタンブル流(図8の矢印FT参照)を生じさせることができる。ただし、図8では、2つの吸気ポートのうち、左側吸気ポート20Lのみが表されていると仮定して符号を付すと共に、プラズマアクチュエータL1、L2の作動により発生する気流の向きが矢印FA1で示され、プラズマアクチュエータL3、L4の作動により発生する気流の向きが矢印FB1で示されている。
第3運転領域IIIでは、シリンダヘッド19側のプラズマアクチュエータR2、L2が気流FAを生じさせるように作動される。これにより吸入空気量の増大を図ることができる。そして、ここでは、プラズマアクチュエータR3、R4、L3、L4は作動されないが、タンブル流相当の気流の発生をアシストするように、(第1運転領域Iでのそれらにおける気流FBに比べて総じて弱い)燃焼室側から吸気通路側への気流FBを生じさせるように作動されてもよい。そして、点火プラグ28による点火を確保するように、点火プラグ28寄りの2つのプラズマアクチュエータR1、L1が燃焼室とは反対側への気流FBを生じさせるように作動させられる。第2実施形態では、点火プラグ28寄りの2つのプラズマアクチュエータR1、L1が本発明の第1群のプラズマアクチュエータに相当し、プラズマアクチュエータR2、L2が本発明の第2群のプラズマアクチュエータに相当する。
本第2実施形態における、吸入空気量に対するプラズマアクチュエータの作動について図9に示す。図9は、第1実施形態の図6に相当する。
なお、第2実施形態において、第3運転領域IIIでは、点火プラグ28寄りの2つのプラズマアクチュエータR1、L1以外の、全てのプラズマアクチュエータL2〜L4、R2〜R4が気流FAを生じさせるように作動させられてもよい。
上の2つの実施形態では、各気筒に4つのプラズマアクチュエータ60を設けたが、各気筒におけるプラズマアクチュエータ60の数はこれに限定されない。例えば、上記第1実施形態の場合、2つのプラズマアクチュエータL2、L3は、1つのプラズマアクチュエータとされてもよく、2つのプラズマアクチュエータR2、R3は、1つのプラズマアクチュエータとされてもよい。また、上記第1および第2実施形態の変形例のように、点火プラグ28寄りの2つのプラズマアクチュエータR1、L1以外の、全てのプラズマアクチュエータL2〜L4、R2〜R4を同時に同様の方向の気流を生じさせるように作動させる実施形態では、プラズマアクチュエータL2〜L4は1つのプラズマアクチュエータとされてもよく、プラズマアクチュエータR2〜R4は1つのプラズマアクチュエータとされてもよい。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限られない。特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。したがって本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
10 エンジン(内燃機関)
16 吸気通路
20 吸気ポート
20R 右側吸気ポート
20L 左側吸気ポート
40 ECU(制御装置)
60 プラズマアクチュエータ
70 電源装置

Claims (1)

  1. 点火プラグが設けられた内燃機関において、
    吸気ポートに設けられた第1群のプラズマアクチュエータおよび第2群のプラズマアクチュエータと、
    該第1群のプラズマアクチュエータと該第2群のプラズマアクチュエータとの各作動を制御する制御装置と
    を備え、
    該第1群のプラズマアクチュエータは該第2群のプラズマアクチュエータよりも前記点火プラグ寄りに配置されていて、
    前記制御装置は、所定運転領域において、前記吸気ポートから前記燃焼室への気体の流れを強化するように該第2群のプラズマアクチュエータを作動させ、かつ、該燃焼室への気体の流れを抑制するように該第1群のプラズマアクチュエータを作動させる、
    内燃機関。
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