以下に図面を参照して、遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(ぱちんこ遊技機の基本構成)
図1は、ぱちんこ遊技機の一例を示す図である。図1に示すぱちんこ遊技機100は、旧第1種に属するぱちんこ遊技機(いわゆる「デジパチ」)および旧第2種に属するぱちんこ遊技機(いわゆる「ハネモノ」)の複合機(いわゆる「1種2種混合タイプ」)である。図1に示すように、ぱちんこ遊技機100は、遊技盤101を有する。遊技盤101の下部位置には、発射部116が配置されている。
発射部116の駆動によって発射された遊技球は、レール102に沿って上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。遊技領域103には、複数の釘が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。また、遊技領域103において遊技球の落下途中となる位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や各種入賞口(始動口や大入賞口など)が配置されている。なお、ぱちんこ遊技機100の前面には透明のガラス扉が設けられているため、遊技球は、遊技盤101に沿って落下する。
遊技盤101のほぼ中央部分には、メイン液晶104が配置されている。また、メイン液晶104の両横には、それぞれサブ液晶114が配置されている。メイン液晶104およびサブ液晶114は、液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)である。
サブ液晶114は、不図示の移動機構により、メイン液晶104の前面に進出して、退避することが可能である。図1に示す例では、サブ液晶114はメイン液晶104の前面から退避した位置にある。サブ液晶114は、所定の演出時に、メイン液晶104の前面に移動し、所定の画像を表示する。
メイン液晶104の下方には、第1始動口105および第2始動口106が配置されている。第1始動口105および第2始動口106は、図柄ゲームを開始させるための入賞口である。
第2始動口106の開口領域には、普通電動役物107が設けられている。普通電動役物107は、開状態と閉状態とをとり得る。普通電動役物107は、開状態において第2始動口106への入賞を可能にし、また、閉状態において第2始動口106への入賞を規制する。
普通電動役物107の開状態および閉状態の切替えは、普通電動役物107が備えるソレノイドによって行われる。本実施の形態において、普通電動役物107は、盤面から遊技者側(手前側)に引き出された状態の開状態と、盤面側(奥側)に収納された状態の閉状態と、をとる、いわゆるベロと呼ばれるものである。なお、普通電動役物107は、ベロに限らず、左右に開放するいわゆる電動チューリップとすることもできる。普通電動役物107は、普通図柄判定の判定結果に基づいて開放する。普通図柄判定の判定は、メイン液晶104の右側に配置されたゲート108を遊技球が通過することによって行われる。
また、メイン液晶104の右下には上大入賞口109aが配置されている。上大入賞口109aの下方には、下大入賞口109bが配置されている。各大入賞口109a,109b(以下、適宜「大入賞口109」と称する)は、図柄ゲームによって当選した大当たりや小当たりの種類に応じた開放態様で開放する。大入賞口109に遊技球が入賞すると、所定個数(例えば15個)の賞球が払い出される。
メイン液晶104の下方には普通入賞口110が配置されている。普通入賞口110に遊技球が入賞すると、所定個数(例えば10個)の賞球が払い出される。遊技領域103の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
遊技盤101の左下部分には、特別図柄や普通図柄などの遊技情報を遊技者に明示する情報表示部112が設けられている。情報表示部112は、例えば、第1特別図柄や第2特別図柄を表示する。第1特別図柄は、遊技球が第1始動口105へ入賞することにより行われる図柄ゲーム中であることや、図柄ゲームの結果(特別遊技判定の判定結果)を表すものである。第2特別図柄は、遊技球が第2始動口106へ入賞することにより行われる図柄ゲーム中であることや、図柄ゲームの結果を表すものである。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材113が設けられている。枠部材113は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有する。また、枠部材113は、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有する。
枠部材113において、遊技領域103の上側にはスピーカが組み込まれている。また、枠部材113において遊技領域103の上側部分には、演出ライト部(枠ランプ)115が設けられている。
枠部材113の下部位置には、発射部116が配置されている。発射部116は、操作ハンドル116aと、発射指示部材116bと、を有する。操作ハンドル116aには、遊技者が発射指示部材116bを直接操作していることを検出するセンサが設けられている。発射指示部材116bは、駆動して遊技球を発射させる。遊技者が操作ハンドル116aを操作すると、発射指示部材116bは、操作された回転量に応じて駆動して、遊技球を発射させる。
枠部材113において、遊技領域103の下側部分には、演出ボタン118および十字キー119が設けられている。演出ボタン118および十字キー119は、遊技者からの操作を受け付ける。
また、枠部材113において、遊技領域103の下側部分には、不図示の打球供給皿が設けられている。打球供給皿は、遊技球を収容するとともに、順次遊技球を発射部116へ送り出す。
また、遊技盤101上には、所定の演出時に動作する可動役物130(いわゆるギミック)が設けられている。可動役物130は、例えばベル(鐘)の形状を有し、所定の演出時に、不図示の移動機構によってベルが図中の左右に揺動する。
(ぱちんこ遊技機の基本動作)
次に、本実施の形態のぱちんこ遊技機100の基本動作の一例について説明する。ぱちんこ遊技機100は、遊技球が第1始動口105または第2始動口106へ入賞すると、図柄ゲームを開始する。具体的には、ぱちんこ遊技機100は、遊技球が第1始動口105または第2始動口106へ入賞すると、当たり乱数や変動パターン乱数などの判定情報を取得し、取得した判定情報を用いて、特別遊技判定や変動パターン判定などの各種判定を行う。
例えば、遊技球が第1始動口105へ入賞すると、ぱちんこ遊技機100は、各種判定を行って、第1特別図柄表示部112a(図2参照)に第1特別図柄を変動表示させる。そして、変動表示の開始から、変動パターンによって表される所定期間が経過すると、ぱちんこ遊技機100は、第1特別図柄表示部112aに特別遊技判定の判定結果を示す図柄を停止表示させる。
また、遊技球が第2始動口106へ入賞すると、ぱちんこ遊技機100は、各種判定を行って、第2特別図柄表示部112b(図2参照)に第2特別図柄を変動表示させる。そして、変動表示の開始から、変動パターンによって表される所定期間が経過すると、ぱちんこ遊技機100は、第2特別図柄表示部112bに特別遊技判定の判定結果を示す図柄を停止表示させる。
ぱちんこ遊技機100は、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)を変動表示させると、それに同期させて、メイン液晶104上に3つの装飾図柄(例えば数字図柄や文字図柄)を変動表示させる。そして、ぱちんこ遊技機100は、特別図柄の停止表示に同期させて、装飾図柄を停止表示させる。例えば、ぱちんこ遊技機100は、特別遊技を示す特別図柄を停止表示させる場合には、特別遊技を示す組み合わせで装飾図柄を停止表示させる。特別遊技は、大当たりまたは小当たりである。
例えば、大当たりを示す装飾図柄の組み合わせは、関連性のある装飾図柄の組み合わせであり、具体的には、「7・7・7」などの同じ装飾図柄の組み合わせや、「松・竹・梅」といった観念的に関係のある装飾図柄の組み合わせである。また、小当たりを示す組み合わせは、関連性のある装飾図柄の組み合わせであり、例えば、「1・2・3」などの連続する特定の装飾図柄の組み合わせである。大当たりや小当たりを示す組み合わせで装飾図柄を停止表示させるときには、ぱちんこ遊技機100は、装飾図柄の停止表示に至るまでにリーチ演出などの遊技者に大当たりとなることを期待させる演出を行う。
リーチ演出は、例えば、複数の装飾図柄(第1装飾図柄、第2装飾図柄および第3装飾図柄)のうちの一部(例えば2つ)を同一または関連性のある図柄で停止表示させて(テンパイ状態とさせて)、残りの一部(例えば1つ)を、通常よりも長時間の変動表示とさせる特殊な演出である。特別遊技の場合、ぱちんこ遊技機100は、リーチ演出において、変動表示中の1つを停止表示中の2つと関連性のある装飾図柄で停止表示させる。
また、特別遊技判定の結果がハズレである場合には、ぱちんこ遊技機100は、通常のハズレ変動(以下「通常ハズレ変動」という。)、または、ハズレとなるリーチ演出を行う。通常ハズレ変動では、例えば、第1装飾図柄の次に停止表示させる第2装飾図柄を、第1装飾図柄とは関連性のない図柄で停止表示させ、つまり、リーチ演出に発展することのない図柄で停止表示させる。
また、ハズレとなるリーチ演出(リーチハズレ)の場合、ぱちんこ遊技機100は、テンパイ状態の2つの装飾図柄とは関連性のない装飾図柄で残りの1つを停止表示させる。なお、リーチハズレを含むハズレの変動表示において停止表示した装飾図柄の出目(当たり以外の出目)をハズレ目という。
このように、ぱちんこ遊技機100は、第1始動口105または第2始動口106へ遊技球が入賞することにより、特別遊技判定を行って、当該判定結果に基づいて図柄を変動表示させる一連の図柄ゲームを行う。
また、特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口105または第2始動口106へ入賞すると、ぱちんこ遊技機100は、所定数を上限に、特別遊技判定を受ける権利(図柄ゲームの権利)を示す保留情報を記憶する。なお、保留情報は、第1始動口105または第2始動口106への遊技球の入賞時に取得した各種乱数を示す判定情報と、判定情報に対して特別遊技判定や変動パターン判定などの事前判定を行った事前判定結果と、を含む。所定数とは、第1始動口105および第2始動口106のそれぞれについて、例えば「4」である。ぱちんこ遊技機100は、例えば、通常ハズレ変動では、保留情報の数(以下「保留数」という)に応じた変動時間、特別図柄を変動表示させる。
通常ハズレ変動における変動時間は、例えば、変動開始時における保留数が「1」以下の場合13秒、保留数が「2」の場合8秒、保留数が「3」以上の場合3秒、である。ぱちんこ遊技機100は、通常のハズレ変動では、ハズレ目で装飾図柄を停止表示する。ぱちんこ遊技機100は、ハズレを示す装飾図柄を停止表示させると、所定時間の図柄確定時間の経過後に、次の図柄ゲームを行う。すなわち、ぱちんこ遊技機100は、次の保留情報による特別遊技判定を行って、再び装飾図柄を変動表示および停止表示させる。
特別遊技判定において特別遊技であると判定した場合、ぱちんこ遊技機100は、図柄ゲームにおいて、特別遊技を示す組み合わせで装飾図柄を停止表示させて、特別遊技状態に移行させる。特別遊技状態は、大当たり遊技状態および小当たり遊技状態のいずれかの遊技状態である。大当たり遊技状態においては、ぱちんこ遊技機100は、所定のラウンド数(例えば15ラウンド)、上大入賞口109aを開放させる。例えば、1ラウンドは、上大入賞口109aへの所定個数(例えば10球)の入球があるまでの期間、または所定時間(例えば、例えば29.5秒)が経過するまでの期間である。
遊技球が開放中の上大入賞口109aへ入賞すると、ぱちんこ遊技機100は、所定個数の賞球を払い出す。大当たり遊技状態では、例えば、遊技領域103のうちの右側の領域に遊技球が打ち出される、いわゆる右打ちによって遊技が行われ、右側領域に配置された上大入賞口109aに入賞させて遊技が行われる。このため、大当たり遊技状態では、遊技者に出玉を獲得させることができる。
また、小当たり遊技状態においては、ぱちんこ遊技機100は、所定のラウンド数(例えば1ラウンド)、下大入賞口109bを所定時間(例えば2.0秒×2回)開放させる。小当たり遊技状態では、右打ちによって遊技が行われる。下大入賞口109bには、ストッパ141と、特定領域であるVゾーン142が設けられている。ストッパ141は、下大入賞口109bの開放のタイミングに応じた所定のタイミングで、盤面から遊技者側(手前側)に引き出された進出状態をとり、その後、盤面側(奥側)に収納された退避状態をとる。
Vゾーン142は、電源投入後、常時一定の動作で、盤面から遊技者側(手前側)に引き出された通過可能状態と、盤面側(奥側)に収納された通過不可能状態と、をとる。小当たりにおいて、遊技球が下大入賞口109bへ入賞した際に、ストッパ141が進出状態にあると、遊技球はストッパ141に保持され、一方で、ストッパ141が退避状態にあると、遊技球は保持されずに落下して、下大入賞口109b内の不図示の回収口に回収される。
遊技球がストッパ141に保持されると、その後、ストッパ141が収納状態をとることにより、遊技球はストッパ141から落下する。遊技球が落下した際に、Vゾーン142が通過可能状態にあり、遊技球がVゾーン142を通過するV入賞となると、所定のラウンド数の大当たり遊技状態に移行する。以下において、適宜、V入賞による大当たりを「小当たり経由の大当たり」といい、小当たり経由ではない大当たりを「直撃大当たり」という。また、ストッパ141から落下した遊技球がVゾーン142を通過しない場合は、下大入賞口109b内の不図示の回収口に回収される。
ぱちんこ遊技機100は、大当たり遊技状態および小当たり遊技状態では、図柄ゲームを行わない。ぱちんこ遊技機100は、大当たり遊技状態およびV入賞せずに小当たり遊技状態を終了すると、再び、図柄ゲームを行うことが可能な状態へ復帰する。大当たり遊技状態の終了後は、直撃大当たりの場合には大当たり図柄、および小当たり経由の大当たりの場合には小当たり図柄、のいずれかの図柄に応じて、通常遊技状態または時短遊技状態となる。
(ぱちんこ遊技機の遊技状態)
ぱちんこ遊技機100は、大当たり遊技状態および小当たり遊技状態を除く遊技状態では、通常遊技状態および時短遊技状態のいずれかの遊技状態で遊技を制御する。時短遊技状態は、普通電動役物107のサポート機能が付加され、通常遊技状態に比べて始動入賞しやすい遊技状態である。遊技サポート機能は、普通電動役物107の開放頻度を増加させる機能であり、具体的には、普通図柄の変動時間の短縮化、普通図柄当たりの当選確率の向上、普通電動役物107の開放時間の長時間化、といった機能である。
本実施の形態において、時短遊技状態では、遊技領域103のうち、右側領域に遊技球が打ち出される右打ちによって遊技が行われ、主に第2始動口106への入賞によって遊技が進行される。また、通常遊技状態では、遊技領域103のうち、左側領域に遊技球が打ち出される左打ちによって遊技が行われ、主に第1始動口105への入賞によって遊技が進行される。
第1始動口105への入賞では、第1始動口105用の特別遊技判定テーブルを用いた特別遊技判定が行われる。第1始動口105用の特別遊技判定テーブルを用いた特別遊技判定において、大当たりの当選確率および小当たりの当選確率は、例えば、ともに1/300である。
一方、第2始動口106への入賞では、第2始動口106用の特別遊技判定テーブルを用いた特別遊技判定が行われる。第2始動口106用の特別遊技判定テーブルを用いた特別遊技判定において、大当たりの当選確率は1/300であり、小当たりの当選確率は200/300である。このため、時短遊技状態では、通常遊技状態に比べて高確率で小当たりに当選する。本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100は、時短遊技状態において小当たり経由の大当たりを行いやすくして、遊技者に出玉を獲得させることができる。
ぱちんこ遊技機100は、大当たり遊技状態を終了させた後に、例えば、大当たり図柄および小当たり図柄に応じて、時短遊技状態に遷移させる。ぱちんこ遊技機100は、時短遊技状態において、所定回数(例えば100回)の図柄ゲーム(特別遊技判定)を行うと、通常遊技状態に遷移させる。
また、ぱちんこ遊技機100は、各遊技状態に対応させて演出モードによる演出を行う。ぱちんこ遊技機100は、例えば、通常遊技状態においては通常遊技状態であることを示す通常モードによる演出を行い、時短遊技状態においては時短遊技状態であることを示す時短モードによる演出を行う。
(ぱちんこ遊技機の制御部の内部構成)
図2は、ぱちんこ遊技機の制御部の内部構成を示す図である。図2に示すように、ぱちんこ遊技機100の制御部200は、遊技の進行を制御する主制御部201と、演出内容を制御する演出制御部202と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部203と、を有する。以下にそれぞれの制御部の構成について詳細に説明する。
(1.主制御部)
主制御部201は、CPU(Central Processing Unit)211と、ROM(Read Only Memory)212と、RAM(Random Access Memory)213と、不図示の入出力インターフェース(I/O)と、を有する。
主制御部201は、CPU211がRAM213をワークエリアとして使用しながら、ROM212に記憶された各種プログラムを実行することによって、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行を制御するように機能する。例えば、主制御部201は、特別遊技判定や、普通図柄判定や、遊技状態の設定、などを行い、遊技の進行を制御する。主制御部201は、主制御基板によって実現される。
CPU211は、予めROM212に記憶された各種プログラムに基づいて、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行する。ROM212には、特図保留記憶プログラム、特別遊技判定プログラム、事前判定プログラム、特図変動パターン選択プログラム、特図変動表示プログラム、普図保留記憶プログラム、普図当たり判定プログラム、普図変動パターン選択プログラム、普図変動表示プログラム、大入賞口制御プログラム、遊技状態設定プログラム、普通電動役物開放プログラム、異常検出プログラム、異常制御プログラムなどが記憶されている。
特図保留記憶プログラムは、第1始動口SW(スイッチ)221によって遊技球が検出されると、当該検出時に取得した大当たり乱数や変動パターン乱数などの各種乱数(判定情報)を含む第1保留情報をRAM213に記憶させる。また、特図保留記憶プログラムは、第2始動口SW222によって遊技球が検出されると、当該検出時に取得した各種乱数(判定情報)を含む第2保留情報をRAM213に記憶させる。
特別遊技判定プログラムは、第1保留情報および第2保留情報に対する特別遊技の判定を行わせる。特図変動パターン選択プログラムは、特別遊技判定結果に応じて、特別図柄の変動開始から変動停止までの変動態様(変動時間)を示した変動パターンを選択させる。特図変動パターン選択プログラムは、特別遊技判定の結果がハズレの場合、保留数に応じて変動パターンを選択させる。特図変動表示プログラムは、特図変動パターン選択プログラムが実行されることによって選択された変動パターンを用いて特別図柄を変動表示および停止表示させる。
事前判定プログラムは、特別遊技判定プログラムによる特別遊技判定の判定タイミングよりも前のタイミングで、例えば、第1始動口SW221または第2始動口SW222によって遊技球が検出されたタイミングで、当該検出時に取得した各種判定情報を用いて、特別遊技判定や特別図柄の変動パターン判定を行わせる。事前判定プログラムによる判定結果は、各種判定情報とともに保留情報としてRAM213に記憶される。
普図保留記憶プログラムは、ゲートSW223によって遊技球が検出されると、当該検出時に取得した各種判定情報を、普通図柄判定を受ける権利を示す普図保留情報としてRAM213に記憶させる。普図当たり判定プログラムは、普通図柄判定を受ける権利を示す普図保留情報に基づいて、普図当たりの判定を行わせる。普図変動パターン選択プログラムは、普通図柄判定結果に応じて、普通図柄の変動開始から変動停止までの変動態様(変動時間)を示した変動パターンを選択させる。普図変動表示プログラムは、普図変動パターン選択プログラムが実行されることによって選択された変動パターンを用いて普通図柄を変動表示および停止表示させる。
大入賞口制御プログラムは、当選した大当たりおよび小当たりに応じて、上大入賞口109aおよび下大入賞口109bのいずれかを開放させる。遊技状態設定プログラムは、例えば、大当たりの種類(大当たり図柄)に応じて、大当たり終了後の遊技状態を、時短状態に設定させ、所定の変動回数が経過した際に通常遊技状態に設定させる。普通電動役物開放プログラムは、普通図柄当たり時に、当たりの内容に応じた開放態様で、普通電動役物107を開放させる。異常検出プログラムは、各種センサの検出結果に基づいて、異常(不正遊技)の有無を検出するプログラムである。異常制御プログラムは、異常が検出された場合に、特別図柄の停止図柄に基づいて遊技を中断させたり異常を報知したりするプログラムである。
また、主制御部201には、遊技球を検出する各種SW(スイッチ)、上大入賞口109aや下大入賞口109bなどの電動役物を開閉動作させるためのソレノイド、異常を検出する各種センサ、第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部112c、保留表示部112d、右打ち表示部112e、などが接続される。
第1特別図柄表示部112aは、第1特別図柄を変動表示し、所定時間経過後に停止表示する。第2特別図柄表示部112bは、第2特別図柄を変動表示し、所定時間経過後に停止表示する。普通図柄表示部112cは、普通図柄を変動表示し、所定時間経過後に停止表示する。
保留表示部112dは、RAM213に保留情報が記憶されると保留情報を1加算して表示し、特別図柄の変動表示が開始されると保留情報を1減算して表示する。第1保留情報、第2保留情報、および普図保留情報は、それぞれについて、例えば「4」を上限に記憶される。右打ち表示部112eは、右打ちによって遊技が進行される遊技状態(大当たり遊技状態や確変遊技状態)において、遊技者に右打ちを報知するために点灯する。
各種SWには、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW221と、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW222と、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW223と、上大入賞口109aへ入賞した遊技球を検出する上大入賞口SW224aと、下大入賞口109bへ入賞した遊技球を検出する下大入賞口SW224bと、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW225と、Vゾーン142へ入賞した遊技球を検出するVゾーンSW226と、がある。
各種SW(221〜226)は、主制御部201に接続されており、それぞれ検出結果が主制御部201へ入力される。各種SW(221〜226)としては、近接スイッチなどが用いられる。なお、普通入賞口SW225は、普通入賞口110の配置位置別に複数個設けてもよい。
各種センサ(227〜229)は、それぞれ検出結果が主制御部201へ入力される。振動センサ227は、ぱちんこ遊技機100に加えられた振動を検出する。磁気センサ228は、ぱちんこ遊技機100周辺の磁場の大きさや方向を検出する。電波センサ229は、ぱちんこ遊技機100周辺の電波を検出する。
また、上述したソレノイドとしては、普通電動役物107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド231と、上大入賞口109aを開閉動作させる上大入賞口ソレノイド232と、下大入賞口109bを開閉動作させる下大入賞口ソレノイド233と、ストッパ141を開閉動作させるストッパソレノイド234と、Vゾーン142を開閉動作させるVゾーンソレノイド235と、がある。主制御部201は、各ソレノイド(231〜235)の駆動を制御する。
さらに、主制御部201は、演出統括部202aおよび賞球制御部203に接続され、それぞれに対して各種コマンドを出力する。例えば、主制御部201は、演出制御部202に対しては変動開始コマンド、変動停止コマンド、保留コマンド、などのコマンドを出力する。また、主制御部201は、賞球制御部203に対しては賞球コマンドを出力する。賞球コマンドには、払い出させる賞球の個数を示す情報などが含まれている。
(2.演出制御部)
演出制御部202は、演出統括部202aと、画像・音声制御部202bと、ランプ制御部202cと、を有する。演出制御部202は、ぱちんこ遊技機100の演出内容を制御する。演出統括部202aは、主制御部201から受信した各種コマンドに基づいて演出制御部202全体を統括する。
画像・音声制御部202bは、演出統括部202aからの指示内容を示す演出コマンドに基づいて、画像および音声の制御を行う。また、ランプ制御部202cは、演出統括部202aからの指示内容を示す演出コマンドに基づいて、遊技盤101および枠部材113などに設けられたランプの点灯を制御する。
(2−1.演出統括部)
まず、演出統括部202aの構成について説明する。演出統括部202aは、CPU241と、ROM242と、RAM243と、RTC(Real Time Clock)244と、不図示の入出力インターフェース(I/O)と、を有する。
CPU241は、予めROM242に記憶された各種プログラムに基づき、演出内容を決定する処理を実行する。ROM242には、CPU241が上述した処理を実行するために必要となる各種プログラムが記憶されている。RAM243は、CPU241のワークエリアとして機能する。CPU241が各種プログラムを実行することにより、所定のタイミングで各種の演出コマンドが画像・音声制御部202bおよびランプ制御部202cに対して出力される。
演出統括部202aは、CPU241がRAM243をワークエリアとして使用しながら、ROM242に記憶された、大当たり演出選択プログラム、小当たり演出選択プログラム、変動演出選択プログラム、予告演出選択プログラム、保留表示プログラム、などの演出制御プログラムを実行することによって、演出制御部202全体を統括するように機能する。
大当たり演出選択プログラムは、大当たり中の演出内容を選択させる。小当たり演出選択プログラムは、小当たり中の演出内容を選択させる。変動演出選択プログラムは、特別図柄の変動パターンに対応させて、装飾図柄を用いたリーチ演出などの変動演出の内容を選択させる。予告演出選択プログラムは、特別図柄の変動パターンに基づいて、予告演出を選択させる。予告演出は、例えば、ボタン演出、会話演出、ステップアップ演出、カットイン演出、キャラクタ演出、可動役物演出などである。ボタン演出は、遊技者からの演出ボタン118の操作により関連する後続の演出を行う演出である。会話演出、ステップアップ演出およびカットイン演出は、段階的に発展する演出であり、高段階に発展したときほど、大当たりに対する期待度が高くなる演出である。
キャラクタ演出は、例えば、キャラクタの出現や出現したキャラクタの色によって大当たりに対する期待度が異なる演出である。可動役物演出は、可動役物130を動作させる演出である。例えば、複数の可動役物130を備えた構成の場合、動作した可動役物130の種類数が多いときほど、大当たりの期待度が高くなり、また、特定の可動役物130が動作したときには、大当たりの期待度が高くなる演出である。
保留表示プログラムは、主制御部201による判定情報の事前判定結果を用いて、通常の保留表示である通常保留表示、または通常保留表示に比べて大当たりに対する期待度が高い特殊保留表示の表示形態で保留情報を表示させる。
RTC244は、実時間を計時出力する。RTC244は、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されているときもバックアップ電源(不図示)により計時動作を継続する。また、演出統括部202aには、演出ボタン118が接続されており、遊技者から演出ボタン118が操作された旨を示す信号が入力される。また、演出統括部202aには、十字キー119が接続されており、遊技者によって選択されたキーに対応する信号が入力される。
(2−2.画像・音声制御部)
次に、画像・音声制御部202bの構成について説明する。画像・音声制御部202bは、CPU251と、ROM252と、RAM253と、不図示の入出力インターフェース(I/O)と、を有する。
CPU251は、画像や音声の生成および出力処理を実行する。ROM252には、画像や音声の生成および出力処理のためのプログラム、各種画像データ、各種音声データ、などが記憶されている。各種画像データは、例えば、背景画像、装飾図柄画像、キャラクタ画像、予告画像、保留画像、異常報知画像などである。RAM253は、CPU251のワークエリアとして機能し、メイン液晶104に表示する画像データやスピーカ254から出力させる音声データが一時的に格納される。
すなわち、画像・音声制御部202bは、CPU251がRAM253をワークエリアとして使用しながら、ROM252に記憶された各種プログラムを実行することによって、演出統括部202aからの指示に基づいて画像および音声の制御を行うように機能する。
例えば、CPU251は、演出統括部202aから指示された指示内容に基づいて、背景画像表示処理、装飾図柄画像表示処理、キャラクタ画像表示処理、ボタン画像表示処理、保留画像表示処理、など各種画像処理と、各種画像に応じた音声を出力する音声処理と、を実行する。画像処理および音声処理を実行する際に、CPU251は、所定の画像データおよび音声データをROM252から読み出してRAM253に書き込む。
ここで、装飾図柄画像には、例えば「0」〜「9」といった複数種類の数字図柄を示す画像や、関連性のある文字図柄を示す画像がある。保留画像は、保留情報が記憶されていることを示すとともに、保留情報の期待度に応じて異なる表示形態を有する。なお、保留情報は、メイン液晶104による表示によって表すものに限らず、例えば、ランプ制御部202cの制御によるランプによる点灯によって表すものでもよい。異常報知画像は、遊技の中断を示す画像や、異常を報知する画像である。
RAM253に書き込まれた背景画像や装飾図柄画像などの画像データは、画像・音声制御部202bに接続されたメイン液晶104やサブ液晶114に対して出力され、メイン液晶104の表示画面上において重畳表示される。例えば、装飾図柄画像は、背景画像よりも手前に見えるように表示される。なお、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合などには、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することにより、図柄画像を優先して表示する。
また、RAM253に書き込まれた音声データは、画像・音声制御部202bに接続されたスピーカ254に対して出力され、音声データに基づく音声がスピーカ254から出力される。
(2−3.ランプ制御部)
次に、ランプ制御部202cの構成について説明する。ランプ制御部202cは、CPU261と、ROM262と、RAM263と、不図示の入出力インターフェース(I/O)と、を有する。CPU261は、ランプを点灯させる処理などを実行する。ROM262には、各種プログラム、ランプ点灯に用いる制御データなどが記憶されている。RAM263は、CPU261のワークエリアとして機能する。
ランプ制御部202cは、演出ライト部115と、盤ランプ264と、可動役物130と、に接続され、点灯制御するデータや動作制御するデータを出力する。これにより、ランプ制御部202cは、遊技盤101および枠部材113などに設けられたランプの点灯を制御したり、可動役物130の動作を制御したりする。
本実施の形態において、演出制御部202は、演出統括部202aと、画像・音声制御部202bと、ランプ制御部202cと、を用いて、それぞれ異なる基板によって実現されるものとしたが、これらは同じプリント基板上に組み込まれるものとしてもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であっても、それぞれの機能は独立しているものとする。
(3.賞球制御部)
次に、賞球制御部203の構成について説明する。賞球制御部203は、CPU281と、ROM282と、RAM283と、不図示の入出力インターフェース(I/O)と、を有する。CPU281は、払い出す賞球を制御する賞球制御処理を実行する。ROM282には、賞球制御処理を行うためのプログラムなどが記憶されている。RAM283は、CPU281のワークエリアとして機能する。
また、賞球制御部203は、払出部(払出駆動モータ)291と、発射部116と、定位置検出SW293と、払出球検出SW294と、球有り検出SW295と、満タン検出SW296と、扉開放SW297と、に接続される。
賞球制御部203は、払出部291に対して入賞時の賞球数を払い出す制御を行う。払出部291は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータを有する。具体的には、賞球制御部203は、払出部291に対して各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、上大入賞口109a、下大入賞口109b、普通入賞口110)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御を行う。
また、賞球制御部203は、発射部116に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部116は、遊技者による遊技操作を検出するセンサや、遊技球を発射させるソレノイドなどを有する。賞球制御部203は、発射部116のセンサにより遊技操作が検出されると、検出された遊技操作に対応してソレノイドを駆動させて遊技球を所定間隔で発射することにより、遊技球を遊技盤101の遊技領域103に送り出す。
また、賞球制御部203には、払い出す遊技球の状態を検出する各種の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部には、定位置検出SW293、払出球検出SW294、球有り検出SW295、満タン検出SW296、などがある。扉開放SW297は、前面の扉の開放の有無を検出する。賞球制御部203は、例えば賞球制御基板によって、その機能を実現する。
また、主制御部201には、盤用外部情報端子基板298が接続されており、主制御部201が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部203には、枠用外部情報端子基板299が接続されており、賞球制御部203が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
(ぱちんこ遊技機の機能的構成の一例)
図3は、ぱちんこ遊技機の機能的構成の一例を示す図である。図3に示すように、ぱちんこ遊技機100は、特別遊技判定部301と、図柄表示制御部302と、特別遊技実行部303と、異常検出部304と、制御部305と、を有する。
特別遊技判定部301は、所定条件の成立により特別遊技を行うか否かを判定する。所定条件の成立は、例えば始動入賞である。始動入賞は、例えば、遊技球が第1始動口105や第2始動口106に入球することであるが、遊技球のゲート108の通過としてもよい。特別遊技は、例えば、遊技者が利益を得る遊技(大当たり)や、大当たりの前段階の遊技(小当たり)である。大当たりは、例えば、出玉のある大当たりであるが、出玉のない大当たりを含めてもよい。また、大当たりには、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態に移行する時短付き大当たりと、大当たり遊技の終了後に通常遊技状態に移行する時短なし大当たりと、がある。
小当たりは、下大入賞口109bを所定時間、所定回数、開放させる遊技であり、この開放中に下大入賞口109b内に入賞した遊技球がさらにVゾーン142を通過(V入賞)することによって、大当たりに移行させることができる遊技である。なお、小当たり時にV入賞しない場合、小当たり終了後には、図柄ゲームを実行可能な状態に戻る。
図柄表示制御部302は、所定の図柄表示部に図柄を変動表示させて、特別遊技判定部301による特別遊技の判定結果を示す図柄を停止表示させる。所定の図柄表示部は、例えば、特別図柄を表示させる第1特別図柄表示部112aおよび第2特別図柄表示部112bや、装飾図柄を表示させるメイン液晶104である。図柄を変動表示させる時間は、不図示の変動パターン選択部によって選択された変動パターンが示す変動時間である。
特別遊技実行部303は、図柄表示制御部302によって停止表示された図柄が特別遊技を示す図柄である場合に、特別遊技を実行する。具体的には、特別遊技実行部303は、図柄表示制御部302によって停止表示された図柄が大当たりを示す図柄である場合に大当たり遊技を実行し、図柄表示制御部302によって停止表示された図柄が小当たりを示す図柄である場合に小当たり遊技を実行する。特別遊技実行部303は、例えば、上大入賞口109aおよび下大入賞口109bのいずれかを所定の開放パターンで開放させて、特別遊技を実行する。
異常検出部304は、不正遊技に関する異常を検出する。異常検出部304は、振動センサ227、磁気センサ228、電波センサ229および扉開放SW297のいずれかの検出結果に基づいて、不正遊技に関する異常を検出する。具体的には、異常検出部304は、振動センサ227、磁気センサ228および電波センサ229のいずれかによって検出される値が、それぞれセンサ227〜229毎に定められる所定値以上となった場合や、扉開放SW297が扉の開放を示す状態(扉開放SW297がON状態)となった場合に、不正遊技に関する異常を検出する。
例えば、振動センサ227の検出値が所定値以上になった場合、遊技者がぱちんこ遊技機100を叩く不正行為を行ったことが推認される。また、磁気センサ228の検出値が所定値以上になった場合、遊技者が磁石を用いる不正行為を行ったことが推認される。また、電波センサ229の検出値が所定値以上になった場合、遊技者が不正電波を発信させる不正行為を行ったことが推認される。さらに、扉開放SW297がONになった場合、遊技者が扉を開放させる不正行為を行ったことが推認される。このため、異常検出部304によって不正遊技に関する異常が検出された場合、遊技者がぱちんこ遊技機100を叩いたりするといった各種不正行為を行ったものと見なすことができる。
制御部305は、異常検出部304によって異常が検出された際に、所定の制御を行う。所定の制御は、例えば、遊技者による遊技の実行が不可能な中断制御や、中断制御とはしない遊技の継続制御や、異常を報知する報知制御や、異常を報知しない非報知制御、などの各種制御である。
遊技の中断制御は、遊技を行うことができない状態に制御することであり、例えば、遊技球を発射することができない状態に制御することである。例えば、制御部305は、発射部116による遊技球の発射を停止させる制御を行ってもよいし、ぱちんこ遊技機100の電源をOFFにする制御を行ってもよい。また、制御部305は、中断制御として、異常検出部304によって異常が検出された際の状態で液晶表示を動かなくしたり、発射部116による発射を無効にしたりする、いわゆるフリーズ状態とする制御を行ってもよい。
また、遊技の中断制御は、遊技球を発射することができる状態としつつ、遊技を行うことができない状態に制御することも可能である。例えば、制御部305は、遊技球が第1始動口105やゲート108へ入球したとしても図柄の変動や賞球を行うことなく、すなわち、各種入賞口等への入球を無効にする制御を行えばよい。具体的には、制御部305は、各種SW221〜226の検出自体を行わせないこととしたり、各種SW221〜226の検出結果を無効にしたり、図柄の変動を行わないこととしたり、賞球を行わないこととしたり、すればよい。
また、遊技の継続制御は、遊技を行うことが可能な状態に制御することである。例えば、制御部305は、発射部116による遊技球の発射を継続させることである。
報知制御は、例えば、メイン液晶104、演出ライト部115、スピーカ254などを用いて、異常が検出されたことを報知させる制御を行うことである。例えば、報知制御は、メイン液晶104に異常を示す画像を表示させる制御や、異常報知を示す特殊な発光態様で演出ライト部115を点灯させる制御や、スピーカ254に異常を示す音声を出力させる制御などである。
また、非報知制御は、異常を報知しない状態に制御することであり、例えば、それまでの状態を保持することである。
ここで、制御部305は、報知制御および継続制御と、報知制御および非報知制御と、を組み合わせて制御を行うことも可能である。例えば、制御部305は、異常検出部304によって異常が検出された際に、遊技の中断制御を行う場合、遊技が中断していることを報知する報知制御も同時に行うことができる。本実施の形態において、中断制御と報知制御とを行う状態を中断報知状態という。ただし、制御部305は、遊技の中断制御を行う場合に、非報知制御を行ってもよい。例えば、制御部305が、中断制御として、ぱちんこ遊技機100の電源をOFFにする場合には、遊技者は中断していることを覚知できるため、非報知制御としてもよい。
また、制御部305は、異常検出部304によって異常が検出された際に、遊技の継続制御を行う場合(中断制御を行わない場合)、報知制御を行う。本実施の形態において、継続制御と報知制御とを行う状態を継続報知状態という。
また、制御部305は、継続制御において、異常が検出されたことを報知しない非報知制御とすることも可能である。ただし、不正遊技に関する異常が検出されているため、不正行為を防止するという観点から、何らかの報知を行うことが望ましい。
中断制御や報知制御を解除するための条件(解除条件)は、所定時間の経過としてもよいし、店員により所定の操作部(解除ボタン)が操作されることとしてもよい。また、解除条件は、電源のON/OFFの切替え操作が行われることとしてもよい。電源のON/OFFの切替え操作には、例えば、RAM213に記憶されている内容を消去するための操作(ラムクリアボタンの操作)を解除条件に含めてもよい。
制御部305は、図柄表示制御部302によって停止表示された図柄に基づいて、所定の制御を行う。例えば、制御部305は、異常検出部304によって異常が検出された際に、特別遊技を示す図柄が停止表示されている場合に所定の制御を行う。
具体的には、例えば、制御部305は、異常検出部304によって異常が検出された際に、遊技者にとっての利益度合いが高い特別遊技を示す図柄が停止表示されている場合には、中断制御を行う。利益度合いが高い特別遊技は、例えば、大当たりとしてもよいし、時短遊技状態に移行させる大当たり(時短付き大当たり)または時短付き大当たりに移行可能な小当たりとしてもよいし、出玉の多い大当たりまたは出玉の多い大当たりに移行可能な小当たりとしてもよい。
この場合、制御部305は、例えば、報知制御を行ってもよく、つまり、中断報知状態とする制御を行ってもよい。遊技者にとっての利益度合いが高い特別遊技において異常が検出された場合、遊技者が意図的に特別遊技を発生させたものと見なすことができ、不正遊技放置しておくと遊技店の被害が甚大になるおそれがある。そこで、制御部305は、中断制御を行うとともに、報知制御を行う、中断報知状態とする制御を行えばよい。
一方で、制御部305は、異常検出部304によって異常が検出された際に、例えば、遊技者にとっての利益度合いが低い特別遊技を示す図柄が停止表示されている場合には、継続制御を行う。利益度合いが低い特別遊技は、例えば、小当たりとしてもよいし、時短遊技状態に移行させない大当たり(時短なし大当たり)または時短なし大当たりに移行可能な小当たりとしてもよいし、出玉なし大当たりまたは出玉なし大当たりに移行可能な小当たりとしてもよい。つまり、遊技者にとって利益度合いが低い当たりの場合、言い換えれば、遊技店にとって被害が小さい場合や遊技者にとって不利益となる場合、制御部305は、異常を検出する前と同様の状態(継続制御)を保持する。
この場合、制御部305は、例えば、非報知制御としてもよい。また、制御部305は、継続状態としつつ、遊技者に積極的に異常を報知せずに、例えば演出ライト部115のみによる報知を行う継続報知状態とする制御を行ってもよい。このような継続報知状態とすることにより、遊技を妨げることなく、特定の者(店員)に異常が発生したことを通知することができる。
このように、本実施の形態では、異常が検出された際における停止図柄に応じて、遊技の中断や継続のほか、異常の報知や非報知などの各種制御を行うことができるため、不要な中断や不要な報知を抑制し、遊技の状況(停止図柄)に応じた最適な制御を行うことができる。
ここで、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100は、通常遊技状態および時短遊技状態のいずれかで遊技を制御する。具体的には、制御部305は、通常遊技状態および時短遊技状態のいずれかの遊技状態で遊技を制御する不図示の遊技状態制御部を有する。特別遊技実行部303は、小当たり経由の大当たりのうち、図柄表示制御部302によって停止表示された図柄に応じて、時短なし大当たり(通常大当たり)および時短付き大当たりのいずれかを実行する。
制御部305の遊技状態制御部は、特別遊技実行部303によって時短なし大当たりが実行された後には通常遊技状態で遊技を制御し、時短付き大当たりが実行された後には時短遊技状態で遊技を制御する。制御部305は、異常検出部304によって異常状態が検出された際に、図柄表示制御部302によって停止表示された小当たりを示す図柄が、時短付き大当たりに移行可能な図柄(遊技者にとっての利益度合いが高い特別遊技を示す図柄)である場合には、所定の制御として中断制御を行う。この場合において、制御部305は、例えば、報知制御を行う中断報知状態の制御を行う。
ここで、異常を検出した場合に電源をOFFにさせるタイプの遊技機においては、遊技球がストッパ141によって保持された場合に、特別遊技の判定結果に応じて遊技者が遊技台を叩くことにより、電源をOFFにさせて、ストッパ141による遊技球の保持を解除させたり、ストッパ141に保持されている遊技球を意図的に落下させたりすることで、V入賞を回避させるという不正行為が可能であった。
例えば、このような不正行為は、時短遊技状態において、時短なし大当たりに移行可能な小当たり(時短なし小当たり)中に遊技球がストッパ141によって保持された場合に行われる。すなわち、ストッパ141によって保持された遊技球がV入賞したとすると、大当たりの実行後に時短遊技状態が終了してしまうため、このV入賞を回避させるために不正行為が行われる。
このため、本実施の形態では、制御部305は、異常検出部304によって異常が検出された際に、図柄表示制御部302によって停止表示された小当たりを示す図柄が、時短なし大当たりに移行可能な図柄(遊技者にとっての利益度合いが低い特別遊技を示す図柄)である場合に、所定の制御として継続制御を行う。この場合、制御部305は、例えば、報知制御を行うことにより継続報知状態とする制御を行う。このため、小当たり時に、意図的にV入賞させないようにする不正行為を抑制することができる。
上述した、特別遊技判定部301、図柄表示制御部302、特別遊技実行部303、異常検出部304および制御部305は、主制御部201のCPU211によって実現される。すなわち、CPU211がROM212に記憶されている各種プログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。
(本実施の形態の制御処理の一例)
図4は、本実施の形態の制御処理の一例を示すフローチャートである。図4において、ぱちんこ遊技機100(主制御部201)は、異常を検出したか否かを判定する(ステップS401)。異常の検出は、振動センサ227、磁気センサ228、電波センサ229および扉開放SW297のいずれかの検出結果に基づいて判断される。異常を検出しない場合(ステップS401:No)、ぱちんこ遊技機100は、制御処理を終了する。
異常を検出した場合(ステップS401:Yes)、ぱちんこ遊技機100は、特定の図柄を停止表示しているか否かを判定する(ステップS402)。特定の図柄は、例えば、遊技者にとっての利益度合いが低い特別遊技を示す図柄であり、具体的には、時短なし大当たりに移行可能な小当たり図柄(時短なし小当たり図柄)である。
特定の図柄を停止表示していない場合(ステップS402:No)、ぱちんこ遊技機100は、例えば発射部116による遊技球の発射を停止させる中断制御と遊技の中断を報知する報知制御とを行う中断報知処理を実行し(ステップS403)、制御処理を終了する。ステップS402において、特定の図柄を停止表示している場合(ステップS402:Yes)、ぱちんこ遊技機100は、現在の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを判定する(ステップS404)。
現在の遊技状態が時短遊技状態ではない場合(ステップS404:No)、すなわち、通常遊技状態の場合、ぱちんこ遊技機100は、ステップS403へ移行する。現在の遊技状態が時短遊技状態である場合(ステップS404:Yes)、ぱちんこ遊技機100は、例えば発射部116による遊技球の発射を継続させる継続制御と異常が検出された旨を報知する報知制御とを行う継続報知処理を実行し(ステップS405)、制御処理を終了する。
上述したフローチャートでは、異常が検出された際における停止図柄に応じて、遊技を中断させる中断制御を行うか、遊技を継続させる継続制御を行うことができるため、不要な中断を抑制し、遊技の状況(停止図柄)に応じた最適な制御を行うことができる。具体的には、異常が検出された場合であっても、特定の図柄を停止表示している場合には、遊技を継続させる継続制御を行うこととしたため、V入賞を回避させる不正遊技を行わせないようにすることができる。このため、適正に大当たりを発生させることができ、不正行為を抑制させることができる。
(ぱちんこ遊技機が行う基本処理)
次に、ぱちんこ遊技機100が上述した動作を実現するために行う基本処理の内容について説明する。
(1.主制御部が行う基本処理)
まず、ぱちんこ遊技機100の主制御部201が行う基本処理について説明する。なお、以下に説明する主制御部201の各処理は、主制御部201のCPU211がROM212に記憶されたプログラムを実行することにより行う。
(メイン処理)
図5は、主制御部が行うメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、主制御部201に電源が投入されると開始され、主制御部201の起動中に継続的に実行される処理である。メイン処理において、主制御部201(CPU211)は、1000msec待機し(ステップS501)、RAM213へのアクセスを許可する(ステップS502)。次に、主制御部201は、RAMクリアスイッチがONであるか否かを判定する(ステップS503)。
RAMクリアスイッチがONである場合(ステップS503:Yes)、主制御部201は、RAM213に蓄積されている各種情報(例えば遊技状態を示す情報)を所定の初期状態とするためのRAMクリアを行う(ステップS504)。そして、主制御部201は、クリア時の作業領域を設定し(ステップS505)、周辺部の初期設定を行い(ステップS506)、ステップS510へ移行する。周辺部とは、演出制御部202や賞球制御部203のことである。周辺部の初期設定は、それぞれの制御部に対して初期設定の実行を指示する初期設定コマンドを送信することにより行われる。
ステップS503において、RAMクリアスイッチがOFFである場合(ステップS503:No)、主制御部201は、電源遮断時にバックアップを行うことによりONに設定されるバックアップフラグがONであるか否かを判定する(ステップS507)。バックアップフラグがOFFである場合(ステップS507:No)、主制御部201は、ステップS504へ移行する。バックアップフラグがONである場合(ステップS507:Yes)、主制御部201は、チェックサムが正常であるか否かを判定する(ステップS508)。
チェックサムが正常ではない場合(ステップS508:No)、主制御部201は、ステップS504へ移行する。チェックサムが正常である場合(ステップS508:Yes)、主制御部201は、復旧時における作業領域の設定を行ったり、バックアップフラグをOFFにしたりする、復旧処理を実行する(ステップS509)。
次に、主制御部201は、内蔵されているカウンタ(例えばRTC)の周期(例えば4ms)を設定する(ステップS510)。ここで設定された周期を用いて、タイマ割込処理(図7参照)が実行される。そして、主制御部201は、電源遮断の有無を監視したり電源遮断時にバックアップを行ったりする電源遮断監視処理を実行する(ステップS511)。
次に、主制御部201は、異常制御処理(図6参照)を実行する(ステップS512)。異常制御処理は、振動センサ227、磁気センサ228、電波センサ229および扉開放SW297のいずれかの検出結果に基づいて判定される異常時に行われる処理である。
そして、主制御部201は、変動パターン乱数を更新し(ステップS513)、タイマ割込処理の割込禁止設定を行う(ステップS514)。次に、主制御部201は、初期値乱数を更新し(ステップS515)、タイマ割込処理の割込許可設定を行って(ステップS516)、ステップS511へ移行する。以降、ステップS511からステップS516の処理を繰り返し実行する。
(異常制御処理)
図6は、主制御部が行う異常制御処理を示すフローチャートである。異常制御処理は、メイン処理(図5のステップS512参照)に含まれる処理内容である。異常制御処理において、主制御部201は、異常を示す異常フラグがONであるか否かを判定する(ステップS601)。異常フラグは、振動センサ227、磁気センサ228および電波センサ229のいずれかの検出結果が閾値以上である場合や、扉開放SW297がONの場合に、ONに設定されるフラグである(図8および図9参照)。
異常フラグがOFFである場合(ステップS601:No)、主制御部201は、ステップS609へ移行する。異常フラグがONである場合(ステップS601:Yes)、主制御部201は、後述する中断報知処理や継続報知処理を完了したことを示す報知完了フラグがONであるか否かを判定する(ステップS602)。
報知完了フラグがONである場合(ステップS602:Yes)、すなわち、中断報知処理や継続報知処理を完了している場合、ステップS609へ移行する。報知完了フラグがOFFである場合(ステップS602:No)、すなわち、中断報知処理や継続報知処理を完了していない場合、主制御部201は、時短遊技状態における時短なし小当たり遊技中を示す特定期間フラグ(図17参照)がONであるか否かを判定する(ステップS603)。
特定期間フラグがOFFである場合(ステップS603:No)、主制御部201は、中断報知状態とすることを示す中断報知コマンドをRAM213に設定し(ステップS604)、中断報知状態とする中断報知処理を行って(ステップS605)、ステップS608へ移行する。
なお、特定期間フラグがOFFであるとは、時短遊技状態における時短なし小当たり遊技中以外の期間を全て含み、例えば、通常遊技状態における遊技中や、時短遊技状態における時短付き小当たり遊技中を含む。本フローチャートでは、時短遊技状態における時短なし小当たり遊技中以外の期間(例えば、時短遊技状態における時短付き小当たり遊技中)に異常フラグが検出された場合には、遊技の中断および異常の報知が行われる。
特定期間フラグがONである場合(ステップS603:Yes)、主制御部201は、継続報知状態とすることを示す継続報知コマンドをRAM213に設定し(ステップS606)、継続報知状態とする継続報知処理を行う(ステップS607)。本フローチャートでは、時短遊技状態における時短なし小当たり遊技中に異常が検出された場合には、遊技が継続されて異常の報知のみが行われる。
次に、主制御部201は、報知完了フラグをONにする(ステップS608)。そして、主制御部201は、中断報知状態中であるか否かを判定する(ステップS609)。中断報知状態中である場合(ステップS609:Yes)、主制御部201は、ステップS611へ移行する。中断報知状態中ではない場合(ステップS609:No)、主制御部201は、継続報知状態中であるか否かを判定する(ステップS610)。
継続報知状態中ではない場合(ステップS610:No)、主制御部201は、異常制御処理を終了する。継続報知状態中である場合(ステップS610:Yes)、主制御部201は、例えば、店員が解除ボタンを操作することによる、所定の解除操作があるか否かを判定する(ステップS611)。
所定の解除操作がない場合(ステップS611:No)、主制御部201は、異常制御処理を終了する。所定の解除操作がある場合(ステップS611:Yes)、主制御部201は、中断報知状態または継続報知状態を解除することを示す解除コマンドをRAM213に設定する(ステップS612)。次に、主制御部201は、異常フラグをOFFにし(ステップS613)、報知完了フラグをOFFにする(ステップS614)。そして、主制御部201は、中断報知状態または継続報知状態を解除し(ステップS614)、異常制御処理を終了する。
(タイマ割込処理)
図7は、主制御部が行うタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、図5のステップS510のカウンタ周期設定において設定された周期にて、メイン処理に割り込み実行される。図7において主制御部201(CPU211)は、主制御部201が行う各種判定に用いる乱数の更新を行う乱数更新処理を実行する(ステップS701)。乱数更新処理では、当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数、などの更新が行われる。
そして、主制御部201は、振動センサ227、磁気センサ228および電波センサ229による異常検出処理(図8参照)を実行する(ステップS702)。次に、主制御部201は、ぱちんこ遊技機100の前面の扉の開放を示す扉開放コマンドを賞球制御部203から受信した際のコマンド受信処理を実行する(ステップS703)。
そして、主制御部201は、各種スイッチにより検出を行うスイッチ処理を実行する(ステップS704)。このスイッチ処理において、主制御部201は、始動口(第1始動口105、第2始動口106)への遊技球の入賞を検出する始動口スイッチ処理(図10参照)、ゲート108への遊技球の通過を検出するゲートスイッチ処理(不図示)を行う。また、Vゾーン142への遊技球の通過を検出するVゾーンスイッチ処理(図20参照)を行う。
また、スイッチ処理には、上大入賞口109aへの遊技球の入賞を検出する上大入賞口スイッチ処理(不図示)または下大入賞口109bへの遊技球の入賞を検出する下大入賞口スイッチ処理(不図示)、普通入賞口110への遊技球の入賞を検出する普通入賞口スイッチ処理(不図示)などもある。主制御部201は、スイッチ処理において、各種スイッチによる検出結果を示すコマンドを演出統括部202aへ出力するためにRAM213に設定する。
次に、主制御部201は、特別図柄および普通図柄に関する図柄処理を実行する(ステップS705)。図柄処理には、特別図柄に関する特別図柄処理(図11参照)や、普通図柄に関する普通図柄処理(不図示)がある。主制御部201は、図柄処理において、各種判定結果を示すコマンドを演出統括部202aへ出力するためにRAM213に設定する。
次に、主制御部201は、各種電動役物の動作制御に関する電動役物処理を実行する(ステップS706)。電動役物処理には、普通電動役物107の動作を制御する不図示の普通電動役物処理(不図示)や、上大入賞口109aまたは下大入賞口109bの動作を制御する大入賞口処理(図18参照)などがある。主制御部201は、電動役物処理において、動作対象となる電動役物の動作タイミングを示すコマンドを演出統括部202aへ出力するためにRAM213に設定する。
そして、主制御部201は、賞球に関する賞球処理を実行する(ステップS707)。賞球処理において、主制御部201は、第1始動口105、第2始動口106、上大入賞口109a、下大入賞口109b、普通入賞口110、などへの遊技球の入賞により、所定個数の賞球の払い出しを指示するための賞球コマンドを賞球制御部203へ出力するためにRAM213に設定する。
そして、主制御部201は、ステップS701〜S707の各処理においてRAM213に設定したコマンドを演出統括部202aなどに対して出力する出力処理を実行し(ステップS708)、タイマ割込処理を終了する。タイマ割込処理を終了すると、主制御部201はメイン処理へ戻る。
(異常検出処理)
図8は、主制御部が行う異常検出処理を示すフローチャートである。異常検出処理は、タイマ割込処理(図7のステップS702参照)に含まれる処理内容である。
異常検出処理において、主制御部201は、振動センサ227が所定値を検出したか否かを判定する(ステップS801)。この所定値は、遊技球の各種入賞口への入賞や通過領域への通過に影響を及ぼす程度の振動が作用した際の値であり、例えば、遊技者がぱちんこ遊技機100を叩く不正遊技を行うことによって検出される。振動センサ227が所定値を検出しない場合(ステップS801:No)、主制御部201は、ステップS804へ移行する。
振動センサ227が所定値を検出した場合(ステップS801:Yes)、主制御部201は、異常が生じた旨を示す異常フラグをONにする(ステップS802)。そして、主制御部201は、異常が生じた旨を示す異常コマンドをRAM213に設定する(ステップS803)。
次に、主制御部201は、磁気センサ228が所定値を検出したか否かを判定する(ステップS804)。この所定値は、遊技球の各種入賞口への入賞や通過領域への通過に影響を及ぼす磁力が作用した際の値であり、例えば、遊技者がぱちんこ遊技機100に磁石を近付ける不正遊技を行うことによって検出される。磁気センサ228が所定値を検出しない場合(ステップS804:No)、主制御部201は、ステップS807へ移行する。
磁気センサ228が所定値を検出した場合(ステップS804:Yes)、主制御部201は、異常が生じた旨を示す異常フラグをONにする(ステップS805)。そして、主制御部201は、異常が生じた旨を示す異常コマンドをRAM213に設定する(ステップS806)。
次に、主制御部201は、電波センサ229が所定値を検出したか否かを判定する(ステップS807)。この所定値は、ぱちんこ遊技機100に誤動作を及ぼす電波や電磁波が入力された際の値であり、例えば、遊技者が電波発射機等を用いてぱちんこ遊技機100に電波や電磁波を出力させる不正遊技を行うことによって検出される。電波センサ229が所定値を検出しない場合(ステップS807:No)、主制御部201は、異常検出処理を終了する。
電波センサ229が所定値を検出した場合(ステップS807:Yes)、主制御部201は、異常が生じた旨を示す異常フラグをONにする(ステップS808)。そして、主制御部201は、異常が生じた旨を示す異常コマンドをRAM213に設定し(ステップS809)、異常検出処理を終了する。
(コマンド受信処理)
図9は、主制御部が行うコマンド受信処理を示すフローチャートである。コマンド受信処理は、タイマ割込処理(図7のステップS703参照)に含まれる処理内容である。
コマンド受信処理において、主制御部201は、ぱちんこ遊技機100の前面の扉が開放していることを示す扉開放コマンド(図25参照)を賞球制御部203から受信したか否かを判定する(ステップS901)。扉開放コマンドを受信しない場合(ステップS901:No)、主制御部201は、コマンド受信処理を終了する。扉開放コマンドを受信した場合(ステップS901:Yes)、主制御部201は、異常が生じた旨を示す異常フラグをONにし(ステップS902)、コマンド受信処理を終了する。
(始動口スイッチ処理)
図10は、主制御部が行う始動口スイッチ処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ処理は、スイッチ処理(図7のステップS704参照)に含まれる処理内容である。始動口スイッチ処理において、主制御部201は、第1始動口SW(スイッチ)221がONであるか否かを判定する(ステップS1001)。第1始動口SW221がOFFである場合(ステップS1001:No)、主制御部201は、ステップS1007へ移行する。
第1始動口SW221がONである場合(ステップS1001:Yes)、主制御部201は、第1始動口105に入賞した遊技球の保留情報数を示す第1保留数U1が4未満であるか(U1<4)否かを判定する(ステップS1002)。第1保留数U1が4未満ではない場合(ステップS1002:No)、すなわち、第1保留数U1が4以上である場合、主制御部201は、ステップS1007へ移行する。
第1保留数U1が4未満である場合(ステップS1002:Yes)、主制御部201は、第1保留数U1に「1」を加算し(ステップS1003)、各乱数カウンタのカウント値(乱数値)を含む保留情報を取得して、RAM213の保留情報記憶領域に記憶する(ステップS1004)。
次に、主制御部201は、記憶した保留情報に基づき、特別遊技判定や変動パターン判定を事前に行う事前判定処理を実行する(ステップS1005)。そして、主制御部201は、事前判定結果を含む保留情報を示す保留コマンドをRAM213に設定する(ステップS1006)。次に、主制御部201は、第2始動口SW222がONであるか否かを判定する(ステップS1007)。第2始動口SW222がOFFである場合(ステップS1007:No)、主制御部201は、始動口スイッチ処理を終了する。
第2始動口SW222がONである場合(ステップS1007:Yes)、主制御部201は、第2始動口106に入賞した遊技球の保留情報数を示す第2保留数U2が4未満であるか(U2<4)否かを判定する(ステップS1008)。第2保留数U2が4未満ではない場合(ステップS1008:No)、すなわち、第2保留数U2が4以上である場合、主制御部201は、始動口スイッチ処理を終了する。
第2保留数U2が4未満である場合(ステップS1008:Yes)、主制御部201は、第2保留数U2に「1」を加算し(ステップS1009)、各乱数カウンタのカウント値(乱数値)を含む保留情報を取得して、RAM213の保留情報記憶領域に記憶する(ステップS1010)。
なお、主制御部201は、第2始動口106への入賞により取得された保留情報については、第1始動口105への入賞により取得された保留情報よりも変動順の優先順位が高くなるように記憶させる。
次に、主制御部201は、記憶した保留情報に基づき、特別遊技判定や変動パターン判定を事前に行う事前判定処理を実行するとともに(ステップS1011)、事前判定結果を含む保留情報を示す保留コマンドをRAM213に設定し(ステップS1012)、始動口スイッチ処理を終了する。
(特別図柄処理)
図11は、主制御部が行う特別図柄処理を示すフローチャートである。特別図柄処理は、図柄処理(図7のステップS705参照)に含まれる処理内容である。特別図柄処理において、主制御部201は、特別遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1101)。特別遊技は、大当たりおよび小当たりのいずれかである。特別遊技フラグは、現在の遊技状態が、大当たり遊技状態および小当たり遊技状態のいずれかであることを示すフラグである。
特別遊技フラグがONである場合(ステップS1101:Yes)、主制御部201は、特別図柄を変動表示させずに、特別図柄処理を終了する。特別遊技フラグがOFFである場合(ステップS1101:No)、主制御部201は、特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する(ステップS1102)。特別図柄が変動表示中である場合(ステップS1102:Yes)、主制御部201は、ステップS1111へ移行する。
特別図柄が変動表示中ではない場合(ステップS1102:No)、主制御部201は、第2始動口106への入賞による第2保留数U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS1103)。第2保留数U2が「0」の場合(ステップS1103:No)、主制御部201は、第1始動口105への入賞による第1保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS1104)。
第1保留数U1が「0」の場合(ステップS1104:No)、主制御部201は、特別図柄処理を終了する。第1保留数U1が「1」以上である場合(ステップS1104:Yes)、主制御部201は、第1保留数U1から「1」を減算し(ステップS1105)、ステップS1107へ移行する。
ステップS1103において、第2保留数U2が「1」以上である場合(ステップS1103:Yes)、主制御部201は、第2保留数U2から「1」を減算し(ステップS1106)、当たり図柄判定を含む特別遊技判定処理(図12参照)を実行する(ステップS1107)。
ここで、第2始動口106への入賞による保留情報の特別遊技判定では、第1始動口105への入賞による保留情報の特別遊技判定よりも、遊技者にとって利益度の高い特別遊技(例えば15R時短付き大当たり)に当選しやすい。このため、ステップS1103〜S1106に示したように、第2始動口106への入賞による保留情報の変動表示を、第1始動口105への入賞による保留情報の変動表示よりも優先して行うこととしている。
次に、主制御部201は、特別遊技判定処理の判定結果を参照し、特別図柄の変動パターンの判定を行う変動パターン判定処理(図15参照)を実行する(ステップS1108)。特別遊技判定処理および変動パターン判定処理における各判定結果は、各処理においてRAM213の判定結果記憶領域に記憶される。
次に、主制御部201は、判定された変動パターンに基づいて、第1特別図柄表示部112aおよび第2特別図柄表示部112bのいずれかにおいて特別図柄の変動表示を開始する(ステップS1109)。ステップS1109において、主制御部201は、第2始動口106への入賞による特別遊技判定に基づいて特別図柄を変動表示させる場合は、第2特別図柄表示部112bの第2特別図柄を変動表示させる。また、ステップS1109において、主制御部201は、第1始動口105への入賞による特別遊技判定に基づいて特別図柄を変動表示させる場合は、第1特別図柄表示部112aの第1特別図柄を変動表示させる。
次に、演出統括部202aに装飾図柄の変動表示を開始させるために、主制御部201は、変動開始コマンドをRAM213に設定する(ステップS1110)。ステップS1110で設定される変動開始コマンドには、例えば、ステップS1107の特別遊技判定処理の判定結果やステップS1108の変動パターン判定処理の判定結果などが含まれる。また、ステップS1110で設定された変動開始コマンドは、図7のステップS708に示した出力処理の実行時に、演出制御部202に対して出力される。
次に、主制御部201は、特別図柄の変動表示の開始から変動時間(変動パターンが示す変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS1111)。変動表示の開始から変動時間が経過していない場合(ステップS1111:No)、主制御部201は、特別図柄処理を終了する。
変動表示の開始から変動時間が経過した場合(ステップS1111:Yes)、主制御部201は、第1特別図柄表示部112aまたは第2特別図柄表示部112bのいずれかにおいて変動表示中の特別図柄を停止させ(ステップS1112)、変動停止コマンドをRAM213に設定する(ステップS1113)。ステップS1113で設定された変動停止コマンドは、図7のステップS708に示した出力処理の実行時に、演出制御部202に対して出力される。次に、主制御部201は、特別図柄の停止中に行う停止中処理(図17参照)を実行して(ステップS1114)、特別図柄処理を終了する。
(特別遊技判定処理)
図12は、主制御部が行う特別遊技判定処理を示すフローチャートである。特別遊技判定処理は、特別図柄処理(図11のステップS1107参照)に含まれる処理内容である。特別遊技判定処理において、主制御部201は、第1始動口105に入賞した遊技球の保留情報数を示す第1保留数U1に対する判定であるか否かを判定する(ステップS1201)。
第1保留数U1に対する判定である場合(ステップS1201:Yes)、主制御部201は、第1始動口当たり判定テーブル(図13−1参照)を選択し(ステップS1202)、第1始動口図柄判定テーブル(図14−1参照)を選択する(ステップS1203)。
一方、第1保留数U1に対する判定ではない場合(ステップS1201:No)、すなわち、第2保留数U2に対する判定である場合、主制御部201は、第2始動口当たり判定テーブル(図13−2参照)を選択し(ステップS1204)、第2始動口図柄判定テーブル(図14−2参照)を選択する(ステップS1205)。
そして、主制御部201は、ステップS1202およびステップS1204のいずれかにおいて選択した当たり判定テーブルを用いて、判定対象となる保留情報(優先順位が最も高く設定された保留情報)の当たり乱数が当たり判定テーブル内の当たりに対応する判定値と一致するかを判定する、当たり乱数判定を行う(ステップS1206)。
そして、当たり乱数判定の結果、主制御部201は、大当たりであるか否かを判定する(ステップS1207)。大当たりである場合(ステップS1207:Yes)、主制御部201は、ステップS1203およびステップS1205のいずれかにおいて選択した図柄判定テーブルを用いて、図柄乱数が大当たり図柄判定テーブル内のどの判定値と対応するかを判定する、大当たり図柄乱数判定を行う(ステップS1208)。そして、大当たり図柄乱数判定の判定結果を示す大当たり図柄をRAM213の判定結果記憶領域に設定し(ステップS1209)、特別遊技判定処理を終了する。
ステップS1207において、大当たりではない場合(ステップS1207:No)、主制御部201は、小当たりであるか否かを判定する(ステップS1210)。小当たりである場合(ステップS1210:Yes)、主制御部201は、小当たり図柄判定テーブル(図14−3参照)を用いて、図柄乱数が小当たり図柄判定テーブル内のどの判定値と対応するかを判定する、小当たり図柄乱数判定を行う(ステップS1211)。なお、本フローチャートにおいては、第1保留数U1に対する判定と第2保留数U2に対する判定とで、同一の小当たり図柄判定テーブルを用いることとするが、異なる図柄判定テーブルを用いることとしてもよい。
そして、小当たり図柄乱数判定の判定結果を示す小当たり図柄をRAM213の判定結果記憶領域に設定し(ステップS1212)、特別遊技判定処理を終了する。ステップS1210において、小当たりではない場合(ステップS1210:No)、主制御部201は、ハズレ図柄をRAM213の判定結果記憶領域に設定し(ステップS1213)、特別遊技判定処理を終了する。
(当たり判定テーブルの一例)
ここで、図13−1および図13−2を用いて、ROM212に記憶されている当たり判定テーブルの一例について説明する。図13−1は、第1始動口当たり判定テーブルの一例を示す図である。図13−2は、第2始動口当たり判定テーブルの一例を示す図である。
第1始動口105に入賞した遊技球の保留情報数を示す第1保留数U1に対する当たり判定では、第1始動口当たり判定テーブルAt1が用いられる。第2始動口106に入賞した遊技球の保留情報数を示す第2保留数U2に対する当たり判定では、第2始動口当たり判定テーブルAt2が用いられる。通常遊技状態においては、主に第1始動口105への入賞により遊技が行われるため、主に第1始動口当たり判定テーブルAt1が用いられる。一方、時短遊技状態においては、主に第2始動口106への入賞により遊技が行われるため、主に第2始動口当たり判定テーブルAt2が用いられる。
始動入賞時に取得される当たり乱数のとり得る範囲は「0〜299」までのいずれかの数値である。第1始動口当たり判定テーブルAt1および第2始動口当たり判定テーブルAt2は、当たり乱数のとり得る範囲「0〜299」のうち、大当たりと判定するための判定値と、小当たりと判定するための判定値とが対応付けられている。
第1始動口当たり判定テーブルAt1では、大当たりに対して判定値「3(1個)」を割り当てており、また、小当たりに対して判定値「7(1個)」を割り当てている。このため、第1始動口当たり判定テーブルAt1を用いて特別遊技判定を行った場合、大当たりの当選確率(大当たり確率)および小当たりの当選確率(小当たり確率)は、ともに1/300である。
第2始動口当たり判定テーブルAt2では、大当たりに対して判定値「3(1個)」を割り当てており、また、小当たりに対して判定値「100〜299(200個)」を割り当てている。このため、第2始動口当たり判定テーブルAt2を用いて特別遊技判定を行った場合、大当たりの当選確率(大当たり確率)は1/300であり、小当たりの当選確率(小当たり確率)は200/300である。
このように、第2始動口当たり判定テーブルAt2は、第1始動口当たり判定テーブルAt1に比べて、小当たりに当選しやすくなっている。このため、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100では、主に第2始動口当たり判定テーブルAt2を用いて当たり判定が行われる時短遊技状態においては、小当たり経由の大当たりによって、遊技者に出玉を得させることが可能になっている。
なお、図13−1および図13−2では、乱数のとり得る範囲は、説明の便宜上「0〜299」としたが、実際には、例えば0〜数万といった範囲をとる。また、大当たりを示す判定値および小当たりを示す判定値についても、それぞれ、所定の割合となるように、当たり乱数のとり得る範囲に応じた値をとる。
なお、本実施の形態では、大当たり判定と小当たり判定とを同じ当たり判定テーブルAt1(または当たり判定テーブルAt2)を用いて行うこととしているが、それぞれ異なるテーブルを用いて行ってもよい。具体的には、大当たり判定では大当たり判定用の専用テーブルを用い、小当たり判定では小当たり判定用の専用テーブルを用いることとしてもよい。この場合、当たり乱数についても、大当たり乱数と小当たり乱数とを別々に取得することとすればよい。
(図柄判定テーブルの一例)
次に、図14−1、図14−2および図14−3を用いて、ROM212に記憶されている図柄判定テーブルについて説明する。図14−1は、第1始動口図柄判定テーブルの一例を示す図である。図14−2は、第2始動口図柄判定テーブルの一例を示す図である。図14−3は、小当たり図柄判定テーブルの一例を示す図である。
図14−1、図14−2および図14−3に示すように、第1始動口図柄判定テーブルZt1、第2始動口図柄判定テーブルZt2および小当たり図柄判定テーブルZt3は、各当たり図柄に対して、所定の判定値が対応付けられている。第1始動口図柄判定テーブルZt1は、第1始動口105への入賞に基づく図柄判定に用いられる。第2始動口図柄判定テーブルZt2は、第2始動口106への入賞に基づく図柄判定に用いられる。小当たり図柄判定テーブルZt3は、第1始動口105および第2始動口106のいずれかの入賞に基づく図柄判定に用いられる。
第1始動口図柄判定テーブルZt1、第2始動口図柄判定テーブルZt2および小当たり図柄判定テーブルZt3に示す「当たり図柄」は、停止表示させる特別図柄の種類(当たり種別)を示す。この当たり種別は、当たり図柄が示す当たりの内容であり、上大入賞口109aおよび下大入賞口109bのいずれかを開放させるラウンド数と、出玉の有無とを示す。
第1始動口図柄判定テーブルZt1において、「8R時短」(=8R時短付き大当たり)は、例えば、上大入賞口109aを8R分、開放させる大当たり遊技を行った後に、例えば100回の時短遊技状態に移行させる遊技である。「8R通常」(=8R時短なし大当たり)は、例えば、上大入賞口109aを8R分、開放させる大当たり遊技を行った後に、通常遊技状態に移行させる遊技である。第2始動口図柄判定テーブルZt2において、「15R時短」(=15R時短付き大当たり)は、例えば、上大入賞口109aを15R分、開放させる大当たり遊技を行った後に、例えば100回の時短遊技状態に移行させる遊技である。
小当たり図柄判定テーブルZt3において、「16R時短」(=16R時短付き小当たり)は、例えば、下大入賞口109bを1R分、開放させる小当たり遊技を行い、この小当たり遊技において遊技球がVゾーン142を通過すると、上大入賞口109aを15R分、開放させる大当たり遊技を行い、大当たり終了後に、例えば100回の時短遊技状態に移行させる遊技である。
「16R通常」(=16R時短なし小当たり)は、下大入賞口109bを1R分、開放させる小当たりを行い、この小当たり時に遊技球がVゾーン142を通過すると、上大入賞口109aを15R分、開放させる大当たり遊技を行い、大当たり終了後に、通常遊技状態に移行させる遊技である。「16R時短」および「16R通常」において、小当たり時に遊技球がVゾーン142を通過しない場合には図柄ゲームを行う状態に戻り、つまり、1R目の下大入賞口109bを開放させる遊技で終了し、2R目以降の大当たりは行われない。
図14−1に示す第1始動口図柄判定テーブルZt1において、8R時短付き大当たりには、始動入賞時に取得可能な図柄乱数の範囲「0〜199」のうち「0〜99(100個)」の判定値が割り当てられている。すなわち、大当たりのうち、8R時短付き大当たりに当選する割合は、50%(=100/200)である。また、第1始動口図柄判定テーブルZt1において、8R時短なし大当たりには、判定値「100〜199(100個)」が割り当てられている。すなわち、大当たりのうち、8R時短なし大当たりに当選する割合は、50%(=100/200)である。
図14−2に示す第2始動口図柄判定テーブルZt2において、15R時短付き大当たりには、判定値「0〜199(200個)」が割り当てられている。すなわち、大当たり時に15R時短付き大当たりに当選する割合は、100%(=200/200)である。
図14−3に示す小当たり図柄判定テーブルZt3において、16R時短付き小当たりには、判定値「0〜139(140個)」が割り当てられている。すなわち、小当たりのうち、16R時短付き小当たりに当選する割合は、70%(=140/200)である。また、小当たり図柄判定テーブルZt3において、16R時短なし小当たりには、判定値「140〜199(60個)」が割り当てられている。すなわち、小当たりのうち、16R時短なし小当たりに当選する割合は、30%(=60/200)である。
時短遊技状態においては、主に第2始動口当たり判定テーブルAt2を用いて当たり判定が行われ、高確率(200/300)で小当たりに当選するため、小当たり図柄判定テーブルZt3が用いられる頻度は高い。時短遊技状態において時短付き大当たりに当選する、いわゆる時短継続率は、16R時短付き小当たりに当選する割合が示す70%である。
なお、本実施の形態においては、図柄乱数のとり得る範囲は、説明の便宜上、「0〜199」としたが、これは一例に過ぎず、実際には、例えば0〜数万の範囲をとり、各判定値についても、所定の割合となるように、図柄乱数のとり得る範囲に応じた値をとる。
(変動パターン判定処理)
図15は、主制御部が行う変動パターン判定処理を示すフローチャートである。変動パターン判定処理は、特別図柄処理(図11のステップS1108参照)に含まれる処理内容である。変動パターン判定処理において、主制御部201は、特別遊技判定処理(図12参照)における特別遊技の判定結果が大当たりであるか否かを判定する(ステップS1501)。
大当たりではない場合(ステップS1501:No)、主制御部201は、小当たりであるか否かを判定する(ステップS1502)。小当たりではない場合(ステップS1502:No)、主制御部201は、時短遊技状態を示す時短遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1503)。時短遊技フラグがOFFである場合(ステップS1503:No)、主制御部201は、通常時ハズレ変動パターンテーブル(図中「通常時ハズレテーブル」と記載)(図16−1参照)を選択し(ステップS1504)、ステップS1509に移行する。
時短遊技フラグがONである場合(ステップS1503:Yes)、主制御部201は、時短時ハズレ変動パターンテーブル(図中「時短時ハズレテーブル」と記載)(図16−2参照)を選択し(ステップS1505)、ステップS1509に移行する。
ステップS1501において、大当たりである場合(ステップS1501:Yes)、主制御部201は、当たり変動パターンテーブル(図中「当たりテーブル」と記載)(図16−3参照)を選択し(ステップS1506)、ステップS1509に移行する。ステップS1502において、小当たりである場合(ステップS1502:Yes)、主制御部201は、時短遊技状態を示す時短遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1507)。時短遊技フラグがOFFである場合(ステップS1507:No)、主制御部201は、ステップS1506へ移行する。
時短遊技フラグがONである場合(ステップS1507:Yes)、主制御部201は、時短時小当たり変動パターンテーブル(図中「時短時小当たりテーブル」と記載)(図16−4参照)を選択する(ステップS1508)。
そして、主制御部201は、選択した変動パターンテーブルを用いて、今回の判定対象の判定情報が示す変動パターン乱数が、どの判定値に対応するのかを判定する、変動パターン判定を行う(ステップS1509)。そして、主制御部201は、変動パターン判定の判定結果をRAM213の判定結果記憶領域に設定し(ステップS1510)、変動パターン判定処理を終了する。
(変動パターンテーブルの一例)
次に、図16−1〜図16−4を用いて、変動パターンテーブルの一例について説明する。
図16−1は、通常遊技状態におけるハズレ時に用いられる通常時ハズレ変動パターンテーブルの一例を示す図である。図16−2は、時短遊技状態におけるハズレ時に用いられる時短時ハズレ変動パターンテーブルの一例を示す図である。図16−3は、当たり時に用いられる当たり変動パターンテーブルの一例を示す図である。図16−4は、時短遊技状態における小当たり当選時に用いられる時短時小当たり変動パターンテーブルの一例を示す図である。
図16−1〜図16−4に示すように、各変動パターンテーブルHt1,Ht2,Ht3,Ht4には、それぞれ、複数の変動パターンが所定の割合で選択されるように、変動パターンと判定値とが対応付けられている。
変動パターンHpは、特別図柄の変動態様を定義したものであり、例えば、特別図柄を変動させる期間(以下「変動時間」という)を定義している。なお、図16−1〜図16−4では、説明の便宜上、各変動パターンには、それぞれ変動パターンに対応する演出内容を括弧書きで記している。
変動パターンには、変動パターンHp11,Hp12,Hp13,Hp14,Hp2,Hp3,Hp4,Hp5,Hp61,Hp62がある。各変動パターンHpは、「0〜99」の範囲のうち、それぞれ判定値が対応付けられている。
図16−1に示す通常時ハズレ変動パターンテーブルHt1においては、変動パターンHp11(13秒),Hp12(8秒),Hp13(3秒)は、いずれも、ノーマルハズレの演出が行われる変動パターンであり、「0〜99」の範囲の判定値のうち、始動入賞時に取得された判定値が「0〜84(85個)」の場合に選択される。変動パターンHp11,Hp12,Hp13は、保留情報の数に応じて選択される。
変動パターンHp11,Hp12,Hp13のうち、保留数が「1以下」の場合は変動パターンHp11が選択され、保留数が「2」の場合は変動パターンHp12が選択され、保留数が「3以上」の場合は変動パターンHp13が選択される。このような構成とすることにより、保留数が多く記憶されている場合に、迅速な遊技を可能にし、特別遊技判定を多く行うことを可能にしている。
また、変動パターンHp2,Hp3,Hp4,Hp5,Hp61,Hp62は、特定の演出が行われる変動パターンである。変動パターンHp2は、ノーマルリーチが行われる変動パターンである。変動パターンHp3は、低信頼度リーチが行われる変動パターンである。変動パターンHp4は、中信頼度リーチが行われる変動パターンである。変動パターンHp5は、高信頼度リーチが行われる変動パターンである。変動パターンHp61,Hp62は、時短遊技状態における小当たり当選時に用いられる変動パターンであり、通常遊技状態においては選択されない変動パターンである。
また、図16−2に示す時短時ハズレ変動パターンテーブルHt2においては、変動パターンHp11,Hp14,Hp2,Hp3,Hp4,Hp5のうちのいずれか1つが選択される。変動パターンHp11,Hp14は、ノーマルハズレ演出を行うための変動パターンである。変動パターンHp11,Hp14は、第2始動口106への入賞による第2保留数に応じていずれか一方が選択される。具体的には、ノーマルハズレの変動においては、変動パターンHp11,Hp14のうち、第2保留数が2以上である場合には変動時間が1秒の変動パターンHp14が選択され、それ以外の場合には変動時間が13秒の変動パターンHp11が選択される。
時短時ハズレ変動パターンテーブルHt2では、ノーマルハズレの選択される割合が「94/100」であり、通常時ハズレ変動パターンテーブルHt1(図16−1参照)の「85/100」に比べて高い。時短遊技状態では、普通電動役物107のサポート機能が付加されるため、第2保留数が往々にして2以上となる。このため、リーチ演出を行いにくくして、さらに変動時間を短くすることにより、時短遊技状態においては迅速な遊技を可能にし、すなわち、多くの特別遊技判定を行うことを可能にしている。また、通常遊技状態におけるリーチ演出に比べて時短遊技状態におけるリーチ演出を信頼度の高い演出とすることができ、時短遊技状態においてリーチ演出が行われた場合に遊技者を高揚させることができる。
一方で、第2始動口106への入賞による第2保留数が1以下の場合には、第1始動口105への入賞による第1保留数にかかわらず、変動時間が13秒の変動パターンHp11が選択されるようになっている。ここで、第2保留数が0になり、第1保留数が1以上記憶されている場合には、第1保留情報による遊技者にとって利益度合いの低い当たり図柄判定が行われる。
このような遊技者にとって利益度合いの低い当たり図柄判定を行いにくくするために、第2保留数が1以下の場合には、変動パターンHp11による13秒の変動を行うことにより、第2始動口106へ入賞させるための時間を稼ぐようにしている。なお、第2始動口106へ入賞させるための時間を稼ぐという観点からすると、第2保留数が1以下のノーマルハズレ変動においては、13秒よりも長い変動時間を用いてもよい。
また、図16−3に示す当たり変動パターンテーブルHt3においては、変動パターンHp2,Hp3,Hp4,Hp5のうちのいずれか1つが選択される。当たり変動パターンテーブルHt3では、高信頼度リーチ演出が行われる変動パターンHp5が最も高い割合(50/100)で選択されるようになっている。
また、図16−4に示す時短時小当たり変動パターンテーブルHt4は、変動パターンHp61,Hp62に対して、所定の判定値が対応付けられている。変動パターンHp61の変動時間は、3秒である。変動パターンHp62の変動時間は、3.5秒である。このように、小当たり当選時に複数の変動パターンのうちのいずれかをとる構成としているのは、例えば、小当たりに当選しやすい時短遊技状態において、小当たり時における下大入賞口109bの開放タイミングに合わせて打ち出すといった変則的な打ち出しを抑制させるためである。なお、小当たり時に下大入賞口109bの開放タイミングを異ならせるという観点からすると、下大入賞口109bを開放させる前のオープニング時間を複数用意しておき、この複数の中からいずれかを選択することとしてもよい。
なお、変動パターンテーブルHt1,Ht2,Ht3,Ht4においては、変動パターンHpの数は、一例を示しているに過ぎず、実際には、例えば数百種類といった数の変動パターンHpが記憶されている。
(停止中処理)
図17は、主制御部が行う停止中処理を示すフローチャートである。停止中処理は、特別図柄処理(図11のステップS1114参照)に含まれる処理内容である。
停止中処理において、主制御部201は、時短遊技状態を示す時短遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1701)。時短遊技フラグがONではない場合(ステップS1701:No)、主制御部201は、ステップS1706へ移行する。
時短遊技フラグがONである場合(ステップS1701:Yes)、主制御部201は、時短遊技状態の残余回数を示す時短遊技カウンタJから「1」を減算する(ステップS1702)。なお、時短遊技カウンタJは、時短遊技状態における遊技の残余回数を示しており、時短付き大当たりの終了後に100回に設定される値である。次に、主制御部201は、時短遊技カウンタJが「0」であるか否かを判定する(ステップS1703)。
ステップS1703において、時短遊技カウンタJが「0」ではない場合(ステップS1703:No)、主制御部201は、ステップS1706へ移行する。時短遊技カウンタJが「0」である場合(ステップS1703:Yes)、つまり、大当たり終了後、100変動が経過した場合、主制御部201は、時短遊技フラグをOFFにする(ステップS1704)。そして、主制御部201は、右打ち表示部112eを消灯させるための右打ち報知終了処理を実行する(ステップS1705)。
そして、主制御部201は、停止した特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する(ステップS1706)。停止した特別図柄が大当たり図柄ではない場合(ステップS1706:No)、主制御部201は、停止した特別図柄が小当たり図柄であるか否かを判定する(ステップS1707)。停止した特別図柄が小当たり図柄ではない場合(ステップS1707:No)、すなわち、停止した特別図柄がハズレ図柄である場合、主制御部201は、停止中処理を終了する。停止した特別図柄が小当たり図柄である場合(ステップS1707:Yes)、主制御部201は、停止した特別図柄が時短なし小当たり図柄であるか否かを判定する(ステップS1708)。
停止した特別図柄が時短なし大当たりに移行可能な小当たりを示す図柄(時短なし小当たり図柄)ではない場合(ステップS1708:No)、主制御部201は、ステップS1711へ移行する。停止した特別図柄が時短なし小当たり図柄である場合(ステップS1708:Yes)、主制御部201は、時短遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1709)。時短遊技フラグがOFFである場合(ステップS1709:No)、主制御部201は、ステップS1711へ移行する。
時短遊技フラグがONである場合(ステップS1709:Yes)、主制御部201は、時短遊技状態における時短なし小当たり遊技中を示す特定期間フラグをONにする(ステップS1710)。そして、主制御部201は、小当たり遊技中を示す小当たりフラグをONにし(ステップS1711)、小当たりオープニングコマンドをRAM213に設定する(ステップS1712)。
次に、主制御部201は、小当たりオープニングを開始し(ステップS1713)、右打ち報知を促す右打ち表示部112eを点灯させるための右打ち報知開始処理を実行し(ステップS1714)、停止中処理を終了する。
ステップS1706において、停止した特別図柄が大当たり図柄である場合(ステップS1706:Yes)、主制御部201は、時短遊技カウンタJを「0」にし(ステップS1715)、時短遊技フラグをOFFにする(ステップS1716)。次に、主制御部201は、大当たり遊技中を示す大当たりフラグをONにし(ステップS1717)、大当たりオープニングコマンドをRAM213に設定する(ステップS1718)。そして、主制御部201は、大当たりのオープニングを開始し(ステップS1719)、ステップS1714へ移行する。
(大入賞口処理)
次に、図18を用いて、上大入賞口109aおよび下大入賞口109bのいずれかを動作させるための大入賞口処理について説明する。大入賞口処理は、電動役物処理(図7のステップS706参照)に含まれる処理内容である。
図18は、主制御部が行う大入賞口処理を示すフローチャートである。大入賞口処理において、主制御部201は、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(ステップS1801)。大当たりフラグがOFFである場合(ステップS1801:No)、すなわち、大当たり遊技中ではない場合、主制御部201は、小当たりフラグがONであるか否かを判定する(ステップS1802)。
小当たりフラグがOFFである場合(ステップS1802:No)、主制御部201は、大入賞口処理を終了する。小当たりフラグがONである場合(ステップS1802:Yes)、主制御部201は、下大入賞口109bを動作させるための下大入賞口処理(図19−1および図19−2参照)を実行し(ステップS1803)、大入賞口処理を終了する。
大当たりフラグがONである場合(ステップS1801:Yes)、主制御部201は、上大入賞口109aを動作させるための上大入賞口処理(図21−1および図21−2参照)を実行し(ステップS1804)、処理を終了する。
(下大入賞口処理)
図19−1は、主制御部が行う下大入賞口処理を示すフローチャート(その1)である。図19−2は、主制御部が行う下大入賞口処理を示すフローチャート(その2)である。下大入賞口処理は、大入賞口処理(図18のステップS1803参照)に含まれる処理内容である。
下大入賞口処理において、主制御部201は、下大入賞口109bの開放中および開放終了後の所定期間を含むV有効期間中であるか否かを判定する(ステップS1901)。V有効期間は、Vゾーン142への遊技球の通過を有効にする期間であり、遊技球がVゾーン142を通過することによって大当たりに移行させることが可能な期間である。言い換えれば、V有効期間を除く期間に遊技球がVゾーン142を通過したとしても、大当たりに移行することはない。
下大入賞口109bの開放終了後のV有効期間中である場合(ステップS1901:Yes)、主制御部201は、ステップS1911へ移行する。下大入賞口109bの開放終了後のV有効期間中ではない場合(ステップS1901:No)、主制御部201は、小当たりオープニング中であるか否かを判定する(ステップS1902)。なお、小当たりオープニングは、下大入賞口109bを開放させる前の所定の期間である。
小当たりオープニング中である場合(ステップS1902:Yes)、主制御部201は、ステップS1907へ移行する。小当たりオープニング中ではない場合(ステップS1902:No)、主制御部201は、下大入賞口109bの開放中であるか否かを判定する(ステップS1903)。下大入賞口109bの開放中である場合(ステップS1903:Yes)、主制御部201は、ステップS1909へ移行する。
下大入賞口109bの開放中ではない場合(ステップS1903:No)、主制御部201は、特別遊技判定処理(図12参照)において設定された特別図柄に基づいて、下大入賞口109bおよび上大入賞口109aを開放させる際の動作パターンを設定する(ステップS1904)。
動作パターンの設定では、主制御部201は、ラウンド数/開放パターン設定テーブル(図23参照)を用いて、下大入賞口109bおよび上大入賞口109aを開放させる開放パターンやラウンド数を設定する。例えば、主制御部201は、動作パターンの設定において、16R小当たりの場合、ラウンド数を16Rに設定し、1ラウンド目は下大入賞口109bの開放パターンを2秒×2回とし、2ラウンド目から16ラウンド目までは上大入賞口109aの開放時間を1ラウンドあたり29.5秒とした動作パターンを設定する。
そして、主制御部201は、下大入賞口109bの開放中および開放終了後の所定期間を含むV有効期間を設定する(ステップS1905)。次に、主制御部201は、ラウンド数Rに「1」を加算する(ステップS1906)。そして、主制御部201は、下大入賞口109bのオープニング期間が経過したか否かを判定する(ステップS1907)。下大入賞口109bのオープニング期間が経過していない場合(ステップS1907:No)、主制御部201は、下大入賞口処理を終了する。
下大入賞口109bのオープニング期間が経過した場合(ステップS1907:Yes)、主制御部201は、下大入賞口109bの開放を開始する(ステップS1908)。この後、下大入賞口109bの開放期間が経過したか否かを判定する(ステップS1909)。下大入賞口109bの開放期間が経過していない場合(ステップS1909:No)、下大入賞口処理を終了する。下大入賞口109bの開放期間が経過した場合(ステップS1909:Yes)、主制御部201は、下大入賞口109bの開放を終了し(ステップS1910)、下大入賞口109bのV有効期間が終了したか否かを判定する(ステップS1911)。
下大入賞口109bのV有効期間が終了していない場合(ステップS1911:No)、主制御部201は、処理を終了する。下大入賞口109bのV有効期間が終了した場合(ステップS1911:Yes)、主制御部201は、小当たり時に遊技球がVゾーン142を通過したことを示すVフラグがONであるか否かを判定する(ステップS1912)。
VフラグがONである場合(ステップS1912:Yes)、主制御部201は、時短遊技フラグをOFFにし(ステップS1913)、大当たり遊技中を示す大当たりフラグをONにする(ステップS1914)。
そして、主制御部201は、大当たりオープニングコマンドをセットする(ステップS1915)。次に、主制御部201は、大当たりのオープニングを開始し(ステップS1916)、VフラグをOFFにする(ステップS1917)。大当たりオープニングは、上大入賞口109aを開放させる前の所定の期間である。そして、主制御部201は、小当たりフラグをOFFにし(ステップS1918)、時短遊技状態における時短なし小当たり遊技中を示す特定期間フラグをOFFにし(ステップS1919)、下大入賞口処理を終了する。
ステップS1912において、VフラグがOFFである場合(ステップS1912:No)、主制御部201は、小当たりエンディングコマンドをセットする(ステップS1920)。小当たりエンディングは、下大入賞口109bを閉口させた後の所定の期間である。そして、主制御部201は、小当たりエンディングを開始する(ステップS1921)。そして、主制御部201は、ラウンド数Rを「0」にし(ステップS1922)、ステップS1918に移行する。
(Vゾーンスイッチ処理)
図20は、主制御部が行うVゾーンスイッチ処理を示すフローチャートである。Vゾーンスイッチ処理は、スイッチ処理(図7のステップS704参照)に含まれる処理内容である。Vゾーンスイッチ処理において、主制御部201は、VゾーンSW226がONであるか否かを判定する(ステップS2001)。VゾーンSW226がOFFの場合(ステップS2001:No)、主制御部201は、Vゾーンスイッチ処理を終了する。
VゾーンSW226がONの場合(ステップS2001:Yes)、主制御部201は、下大入賞口109bの開放中および開放終了後の所定期間を含むV有効期間中であるか否かを判定する(ステップS2002)。V有効期間中ではない場合(ステップS2002:No)、主制御部201は、Vゾーンスイッチ処理を終了する。V有効期間中である場合(ステップS2002:Yes)、主制御部201は、V入賞した旨を示すVフラグをONにする(ステップS2003)。そして、主制御部201は、V入賞時の演出を行うためのV入賞コマンドをセットし(ステップS2004)、処理を終了する。
(上大入賞口処理)
図21−1は、主制御部が行う上大入賞口処理を示すフローチャート(その1)である。図21−2は、主制御部が行う上大入賞口処理を示すフローチャート(その2)である。上大入賞口処理は、大入賞口処理(図18のステップS1804参照)に含まれる処理内容である。
上大入賞口処理において、主制御部201は、大当たり遊技中を示す大当たりフラグがONであるか否かを判定する(ステップS2101)。大当たりフラグがOFFである場合(ステップS2101:No)、主制御部201は、上大入賞口処理を終了する。大当たりフラグがONである場合(ステップS2101:Yes)、主制御部201は、大当たりオープニング中であるか否かを判定する(ステップS2102)。大当たりオープニングは、上大入賞口109aを開放する前の所定の期間である。
大当たりオープニング中である場合(ステップS2102:Yes)、主制御部201は、上大入賞口109aのオープニング期間が経過したか否かを判定する(ステップS2103)。上大入賞口109aのオープニング期間が経過していない場合(ステップS2103:No)、主制御部201は、上大入賞口処理を終了する。
上大入賞口109aのオープニング期間が経過した場合(ステップS2103:Yes)、主制御部201は、小当たり経由の大当たりであるか否かを判定する(ステップS2104)。小当たり経由の大当たりである場合(ステップS2104:Yes)、主制御部201は、下大入賞口処理において既に動作パターンの設定を完了しているため(図19−1のステップS1904参照)、ステップS2106へ移行する。
小当たり経由の大当たりではない場合(ステップS2104:No)、主制御部201は、上大入賞口109aの動作パターンの設定を行う(ステップS2105)。ステップS2105における動作パターンの設定では、主制御部201は、ラウンド数/開放パターン設定テーブル(図23参照)を用いて、上大入賞口109aを開放させるラウンド数と上大入賞口109aの動作パターンを設定する。例えば、主制御部201は、動作パターンの設定において、15R大当たりの場合、1ラウンド目から15ラウンド目まで上大入賞口109aの開放時間を1ラウンドあたり29.5秒とした動作パターンを設定する。
次に、主制御部201は、各ラウンドにおける上大入賞口109aへの入賞カウント値Cを「0」に設定する(ステップS2106)。そして、主制御部201は、ラウンド数Rに「1」加算し(ステップS2107)、演出統括部202aに次のラウンドの演出を開始させるためのラウンド進行コマンドをRAM213に設定する(ステップS2108)。さらに、主制御部201は、上大入賞口ソレノイド232を制御して、上大入賞口109aを開放させ(ステップS2109)、ステップS2112に移行する。
ステップS2102において、大当たりオープニング中ではない場合(ステップS2102:No)、主制御部201は、大当たりエンディング中であるか否かを判定する(ステップS2110)。大当たりエンディング中とは、上大入賞口109aの動作終了後の所定の演出用の期間である。大当たりエンディング中である場合(ステップS2110:Yes)、主制御部201は、ステップS2119に移行する。大当たりエンディング中ではない場合(ステップS2110:No)、主制御部201は、上大入賞口109aが開放中であるか否かを判定する(ステップS2111)。上大入賞口109aが開放中ではない場合(ステップS2111:No)、主制御部201は、ステップS2106に移行する。
上大入賞口109aが開放中である場合(ステップS2111:Yes)、主制御部201は、上大入賞口109aの開放期間が経過したか否かを判定する(ステップS2112)。上大入賞口109aの開放期間の経過とは、上大入賞口109aの開放開始から所定期間(29.5秒)が経過することである。ステップS2112において、上大入賞口109aの開放期間が経過した場合(ステップS2112:Yes)、主制御部201は、ステップS2114へ移行する。
上大入賞口109aの開放期間が経過していない場合(ステップS2112:No)、主制御部201は、上大入賞口109aへの遊技球の入賞カウント値Cが規定数(例えば「10」)であるか否かを判定する(ステップS2113)。入賞カウント値Cが規定数ではない場合(ステップS2113:No)、主制御部201は、上大入賞口処理を終了する。入賞カウント値Cが規定数である場合(ステップS2113:Yes)、主制御部201は、上大入賞口109aを閉口させる(ステップS2114)。
そして、主制御部201は、現在のラウンドRが最大ラウンドRmaxとなったか否かを判定する(ステップS2115)。現在のラウンドRが最大ラウンドRmaxではない場合(ステップS2115:No)、主制御部201は、上大入賞口処理を終了する。現在のラウンドRが最大ラウンドRmaxである場合(ステップS2115:Yes)、主制御部201は、大当たりエンディングコマンドをRAM213に設定する(ステップS2116)。大当たりエンディングは、上大入賞口109aを閉口させた後の所定の期間である。
大当たりエンディングコマンドは、演出統括部202aに大当たりエンディング演出を行わせるためのコマンドである。そして、主制御部201は、大当たりエンディングを開始する(ステップS2117)。そして、主制御部201は、ラウンド数Rを「0」に設定し(ステップS2118)、エンディング期間が経過したか否かを判定する(ステップS2119)。
エンディング期間が経過していない場合(ステップS2119:No)、主制御部201は、上大入賞口処理を終了する。エンディング期間が経過した場合(ステップS2119:Yes)、主制御部201は、遊技状態設定処理(図22参照)を実行する(ステップS2120)。次に、主制御部201は、大当たりフラグをOFFにし(ステップS2121)、右打ち表示部112eを消灯させるための右打ち報知終了処理を行い(ステップS2122)、上大入賞口処理を終了する。
(遊技状態設定処理)
図22は、主制御部が行う遊技状態設定処理を示すフローチャートである。遊技状態設定処理は、上大入賞口処理(図21−2のステップS2120参照)に含まれる処理内容である。
遊技状態設定処理において、主制御部201は、時短付き大当たりであるか否かを判定する(ステップS2201)。時短付き大当たりではない場合(ステップS2201:No)、主制御部201は、遊技状態設定処理を終了する。時短付き大当たりである場合(ステップS2201:Yes)、主制御部201は、時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグをONに設定する(ステップS2202)。
そして、主制御部201は、時短遊技カウンタJを「100」に設定する(ステップS2203)。次に、主制御部201は、右打ち表示部112eを点灯させるための右打ち報知開始処理を実行し(ステップS2204)、遊技状態設定処理を終了する。
(ラウンド数/開放パターン設定テーブルの一例)
図23は、ラウンド数/開放パターン設定テーブルの一例を示す図である。図23において、ラウンド数/開放パターン設定テーブルStは、当たり図柄と、継続ラウンド数と、大入賞口と、1R中の開放パターンと、を含む。
当たり図柄は、16R小当たり、8R大当たり、15R大当たりのいずれかであり、それぞれ時短付きであるか否かを問わない。継続ラウンド数は、小当たりおよび大当たりのいずれかを実行する際に、上大入賞口109aおよび下大入賞口109bのいずれかを開放させるラウンド数を示している。1R中の開放パターンは、小当たりおよび大当たりのいずれかを実行する際の各ラウンドの開放パターンを示している。
具体的に説明すると、例えば、16R小当たり図柄の場合、1ラウンド目には下大入賞口109bを「2.0秒×2回」の開放パターンで開放させる小当たり遊技を行い、この下大入賞口109bの開放時に、遊技球がVゾーン142を通過すると、2ラウンド目から16ラウンド目までの各ラウンドでは上大入賞口109aを「29.5秒×1回」の開放パターンで開放させる大当たり遊技に移行する。なお、下大入賞口109bの開放時に遊技球がVゾーン142を通過しなければ、上大入賞口109aの開放(大当たり遊技)は行われない。
また、8R大当たりの場合、1ラウンド目から8ラウンド目までの各ラウンドにおいて上大入賞口109aを「29.5秒×1回」の開放パターンで開放させる大当たり遊技を行う。15R大当たりの場合、1ラウンド目から15ラウンド目までの各ラウンドにおいて上大入賞口109aを「29.5秒×1回」の開放パターンで開放させる大当たり遊技を行う。
(2.賞球制御部が行う処理)
次に、賞球制御部203が行う処理について説明する。以下に示す賞球制御部203が行う各処理は、例えば、賞球制御部203のCPU281がROM282に記憶されているプログラムを実行することによって行われるものである。
(賞球タイマ割込処理)
図24は、賞球制御部が行う賞球タイマ割込処理を示すフローチャートである。この賞球タイマ割込処理は、起動中、所定期間(例えば4ms)毎に賞球制御部203が行うメイン賞球制御処理に割り込み動作する処理である。
賞球タイマ割込処理において、賞球制御部203(CPU281)は、主制御部201からコマンドを受信した際に行うコマンド受信処理を実行する(ステップS2401)。コマンド受信処理では、例えば、主制御部201からの賞球コマンドに基づいて賞球数をRAM283に設定する。次に、賞球制御部203は、スイッチ処理を実行する(ステップS2402)。スイッチ処理には、扉開放SW297による扉開放SW処理(図25参照)などがある。
そして、賞球制御部203は、上述した処理によりRAM283に設定された賞球数を出力したり、RAM283に設定されたコマンドを主制御部201に対して出力したりする出力処理を実行し(ステップS2403)、賞球タイマ割込処理を終了する。なお、賞球制御部203は、賞球タイマ割込処理を終了すると、メイン賞球制御処理へ戻る。
(扉開放SW処理)
図25は、賞球制御部が行う扉開放SW処理を示すフローチャートである。扉開放SW処理は、賞球制御部203のスイッチ処理(図24のステップS2402参照)に含まれる処理内容である。扉開放SW処理において、賞球制御部203は、扉開放SW297がONであるか否かを判定する(ステップS2501)。なお、扉開放SW297がONの場合とは、遊技盤101前面の開閉扉が開放している異常状態を示し、扉開放SW297がOFFの場合とは、遊技盤101前面の開閉扉が閉鎖している正常状態を示す。
扉開放SW297がOFFである場合(ステップS2501:No)、賞球制御部203は、扉開放SW処理を終了する。扉開放SW297がONである場合(ステップS2501:Yes)、賞球制御部203は、主制御部201に送信するための扉開放コマンドをRAM283に設定し(ステップS2502)、扉開放SW処理を終了する。
(3.演出統括部が行う処理)
次に、演出制御部202の演出統括部202aが行う処理について説明する。以下に示す演出統括部202aが行う各処理は、例えば、演出統括部202aのCPU241がROM242に記憶されているプログラムを実行することによって行われるものである。
(演出タイマ割込処理)
図26は、演出統括部が行う演出タイマ割込処理を示すフローチャートである。演出統括部202aは、起動中継続的に所定のメイン演出処理(不図示)を行っており、このメイン演出処理に対して、図26に示す演出タイマ割込処理を、所定の周期(例えば4ms)で割り込み実行する。
演出タイマ割込処理において、演出統括部202aは、演出ボタン118や十字キー119が遊技者から操作を受け付けた際に、受け付けた旨のコマンドを設定する、操作受付処理を行う(ステップS2601)。そして、演出統括部202aは、コマンド受信処理(図27−1および図27−2参照)を行う(ステップS2602)。
次に、演出統括部202aは、変動演出中に行う変動演出中処理を行う(ステップS2603)。そして、演出統括部202aは、コマンド送信処理を行って(ステップS2604)、演出タイマ割込処理を終了する。コマンド送信処理では、コマンド受信処理、操作受付処理、変動演出中処理などにおいてRAM243の各記憶領域に設定されるコマンドを、画像・音声制御部202bやランプ制御部202cに対して送信する処理を行う。演出統括部202aは、演出タイマ割込処理を終了すると、メイン演出処理に戻る。
(コマンド受信処理)
図27−1は、演出統括部が行うコマンド受信処理を示すフローチャート(その1)である。図27−2は、演出統括部が行うコマンド受信処理を示すフローチャート(その2)である。コマンド受信処理は、演出タイマ割込処理(図26のステップS2602参照)に含まれる処理内容である。
コマンド受信処理において、演出統括部202aは、主制御部201から、遊技者による遊技の実行が不可能な中断制御および中断した旨を報知する報知制御を行う中断報知状態であることを示す中断報知コマンド(図6参照)を受信したか否かを判定する(ステップS2701)。中断報知コマンドを受信していない場合(ステップS2701:No)、演出統括部202aは、ステップS2703へ移行する。
中断報知コマンドを受信した場合(ステップS2701:Yes)、演出統括部202aは、中断報知演出を選択する(ステップS2702)。中断報知演出は、例えば、中断制御を行っている旨を、メイン液晶104に画像表示したり、スピーカ254から音声出力したりする演出である(図28−1参照)。
そして、演出統括部202aは、主制御部201から、遊技を継続する継続制御および異常を報知する報知制御を行う継続報知状態であることを示す継続報知コマンド(図6参照)を受信したか否かを判定する(ステップS2703)。継続報知コマンドを受信していない場合(ステップS2703:No)、演出統括部202aは、ステップS2705へ移行する。
継続報知コマンドを受信した場合(ステップS2703:Yes)、演出統括部202aは、継続報知演出を選択する(ステップS2704)。継続報知演出は、例えば、異常を検出した旨を、メイン液晶104に画像表示したり、スピーカ254から音声出力したりする演出である(図28−2参照)。
そして、演出統括部202aは、主制御部201から、中断報知状態および継続報知状態を解除することを示す解除コマンド(図6参照)を受信したか否かを判定する(ステップS2705)。解除コマンドを受信していない場合(ステップS2705:No)、演出統括部202aは、ステップS2707へ移行する。解除コマンドを受信した場合(ステップS2705:Yes)、演出統括部202aは、中断報知演出および継続報知演出を解除する解除処理を行う(ステップS2706)。
次に、主制御部201から保留コマンド(図10参照)を受信したか否かを判定する(ステップS2707)。保留コマンドを受信していない場合(ステップS2707:No)、演出統括部202aは、ステップS2710へ移行する。保留コマンドを受信した場合(ステップS2707:Yes)、演出統括部202aは、RAM243に記憶する保留情報を更新する(ステップS2708)。そして、演出統括部202aは、保留演出を行うための保留演出処理を行う(ステップS2709)。
そして、演出統括部202aは、主制御部201から変動開始コマンド(図11参照)を受信したか否かを判定する(ステップS2710)。変動開始コマンドを受信していない場合(ステップS2710:No)、演出統括部202aは、ステップS2712へ移行する。変動開始コマンドを受信した場合(ステップS2710:Yes)、演出統括部202aは、実行する演出の演出内容を決定する演出決定処理(図29参照)を行う(ステップS2711)。
次に、演出統括部202aは、主制御部201から変動停止コマンド(図11参照)を受信したか否かを判定する(ステップS2712)。変動停止コマンドを受信していない場合(ステップS2712:No)、演出統括部202aは、ステップS2714へ移行する。変動停止コマンドを受信した場合(ステップS2712:Yes)、演出統括部202aは、実行中の演出を終了させたり、演出モードを設定したりする演出終了処理(図31参照)を行う(ステップS2713)。
そして、演出統括部202aは、主制御部201から、小当たりのオープニングを示す小当たりオープニングコマンド(図17参照)を受信したか否かを判定する(ステップS2714)。小当たりオープニングコマンドを受信していない場合(ステップS2714:No)、演出統括部202aは、ステップS2716へ移行する。小当たりオープニングコマンドを受信した場合(ステップS2714:Yes)、演出統括部202aは、小当たり演出を選択する小当たり演出選択処理を行う(ステップS2715)。
そして、演出統括部202aは、主制御部201から、下大入賞口109bの開放により遊技球がVゾーン142を通過したことを示すV入賞コマンド(図20参照)を受信したか否かを判定する(ステップS2716)。V入賞コマンドを受信していない場合(ステップS2716:No)、ステップS2718へ移行する。V入賞コマンドを受信した場合(ステップS2716:Yes)、演出統括部202aは、V入賞を示すV入賞演出を選択するV入賞演出選択処理を行う(ステップS2717)。
次に、演出統括部202aは、主制御部201から、小当たりのエンディングを示す小当たりエンディングコマンド(図19−2参照)を受信したか否かを判定する(ステップS2718)。小当たりエンディングコマンドを受信していない場合(ステップS2718:No)、演出統括部202aは、ステップS2720へ移行する。小当たりエンディングコマンドを受信した場合(ステップS2718:Yes)、演出統括部202aは、小当たりエンディング演出を選択する小当たりエンディング演出選択処理を行う(ステップS2719)。
次に、演出統括部202aは、主制御部201から、大当たりのオープニングを示す大当たりオープニングコマンド(図17参照)を受信したか否かを判定する(ステップS2720)。大当たりオープニングコマンドを受信していない場合(ステップS2720:No)、演出統括部202aは、ステップS2722へ移行する。
大当たりオープニングコマンドを受信した場合(ステップS2720:Yes)、演出統括部202aは、大当たり演出を選択する大当たり演出選択処理を行う(ステップS2721)。
そして、演出統括部202aは、主制御部201から、大当たりのエンディングを示す大当たりエンディングコマンド(図21−2参照)を受信したか否かを判定する(ステップS2722)。大当たりエンディングコマンドを受信していない場合(ステップS2722:No)、演出統括部202aは、コマンド受信処理を終了する。
大当たりエンディングコマンドを受信した場合(ステップS2722:Yes)、演出統括部202aは、大当たりエンディング演出を選択する大当たりエンディング演出選択処理を行い(ステップS2723)、コマンド受信処理を終了する。
(中断報知演出の一例)
図28−1は、中断報知演出の一例を示す説明図である。図28−1において、中断報知演出2810は、メイン液晶104に中断報知状態であることを示す表示を行った演出である。中断報知演出2810は、異常を検出した際に、停止表示されている図柄が小当たり図柄(時短遊技中における時短なし小当たり図柄)ではない場合に行われる演出である。
なお、本実施の形態では、中断報知演出2810により中断報知状態であることを示唆するが、これに限らず、中断報知演出2810を行わないこととしてもよい。例えば、遊技を中断させるために電源をOFFにした場合にはメイン液晶104の電源もOFFになるため、この場合には、中断報知演出2810を行わない。なお、この場合、中断制御を行っている表示を行わなくても、メイン液晶104の電源がOFFになっていることから、遊技者は中断状態であることを覚知できる。
中断制御は、不図示の解除ボタンを店員が操作することによって解除される。これにより、店員による遊技者の監視も同時に行うことができるため、不正遊技に対する抑止力を向上させることができる。また、中断制御は、所定時間の経過により解除されることとしてもよく、このような構成とした場合でも、遊技者に遊技を中断させるというペナルティを課すことができるとともに、中断報知演出2810によって不正が検出されたことを遊技者に通知することができるため、不正行為を抑制することができる。
本実施の形態では、異常が検出された際に停止表示されている図柄が時短なし小当たり図柄ではない場合に、中断制御を行って遊技を行わせないこととする。このため、不正遊技を抑えることができ、不正遊技による遊技店の被害を抑えることができる。
(継続報知演出の一例)
図28−2は、継続報知演出の一例を示す説明図である。図28−2において、メイン液晶104には、装飾図柄Szが時短なし小当たりを示す組み合わせ(例えば、「1・2・3」)で停止表示した小当たり演出とともに、継続報知状態であることを示す継続報知演出2820が行われている。継続報知演出2820は、異常を検出した際に、停止表示されている図柄が時短なし小当たり図柄の場合に行われる演出である。なお、異常を検出した際に、停止表示されている図柄が時短なし小当たり図柄の場合に、継続報知演出2820を行わずに、異常検出前と同様の演出(小当たり演出や装飾図柄Szによる変動演出のみ)を継続して行ってもよい。
この継続報知演出2820は、不図示の解除ボタンを店員が操作することによって解除される。これにより、店員による遊技者の監視も同時に行うことができるため、不正遊技に対する抑止力を向上させることができる。また、継続報知演出2820は、所定時間の経過により解除されることとしてもよく、このような構成とした場合でも、継続報知演出2820が行われることによって不正が検出されたことを遊技者に通知することができるため、不正行為を抑制することができる。
本実施の形態では、異常が検出された際に停止表示されている図柄が時短なし小当たり図柄の場合に、中断制御を行わずに継続制御を行って遊技を継続させることとする。このため、例えば遊技店にとって被害が小さい場合(ほとんどない場合)、異常を検出する前と変わらずに遊技を継続させることができる。これにより、中断に伴う稼働時間の低下を抑えることができる。
(演出決定処理)
図29は、演出統括部が行う演出決定処理を示すフローチャートである。演出決定処理は、コマンド受信処理(図27−1のステップS2711参照)に含まれる処理内容である。演出決定処理において、演出統括部202aは、コマンド受信処理において受信された変動開始コマンド(図11参照)を解析し(ステップS2901)、特別遊技判定の判定結果、変動パターン判定の判定結果、遊技状態を示す情報などを取得する。
そして、演出統括部202aは、保留数を「1」減算する(ステップS2902)。次に、演出統括部202aは、演出モードテーブル(図32参照)を用いて、現在の演出モードを示すモードフラグを参照する(ステップS2903)。そして、演出統括部202aは、変動演出パターンテーブル(図30参照)を用いて、変動演出の内容を示す変動演出パターンの選択を行う変動演出パターン選択処理を実行する(ステップS2904)。
そして、演出統括部202aは、不図示の予告演出選択テーブルを用いて、ステップアップ演出やカットイン演出等の予告演出の選択を行う予告演出選択処理を行う(ステップS2905)。そして、演出統括部202aは、画像・音声制御部202bやランプ制御部202cに対して、各種選択した演出を指示するための変動演出開始コマンドをRAM243に設定し(ステップS2906)、演出決定処理を終了する。
(変動演出パターンテーブルの一例)
図30は、変動演出パターンテーブルの一例を示す図である。図30に示すように、変動演出パターンテーブルEtには、変動パターンと変動演出パターンとが、例えば1対1の関係で対応付けられている。低期待度の変動パターンHp11〜Hp14には、それぞれ対応する番号の変動演出パターンEp11〜Ep14が対応付けられている。
例えば、変動演出パターンEp11〜Ep14は、それぞれノーマルハズレ演出を行うための変動演出パターンである。また、変動パターンHp2には、リーチ演出Aを行うための変動演出パターンEp2が対応付けられている。また、変動パターンHp3,Hp4,Hp5についても、同様に、対応する変動演出パターンが対応付けられている。また、変動パターンHp61,Hp62には、時短中における小当たり変動演出を行うための変動演出パターンEp61,Ep62が対応付けられている。
当たりの判定結果がハズレの場合、変動演出パターンEp2,Ep3,Ep4,Ep5のいずれかの変動演出においては、ぱちんこ遊技機100は、リーチ演出を行って、装飾図柄をハズレ目で停止表示させてハズレを確定させる演出を実行する。また、大当たりや小当たりの場合、変動演出パターンEp2,Ep3,Ep4,Ep5のいずれかの変動演出においては、ぱちんこ遊技機100は、例えばリーチ演出を行って、装飾図柄をゾロ目や関連性のある出目で停止表示させて当たりを確定させる演出を実行する。
なお、変動演出パターンテーブルEtは、変動パターンに対して変動演出パターンを1対1の関係で対応付けたものとしているが、1対複数の関係で対応付けたものとしてもよい。この場合、1の変動パターンに対して選択可能な複数の変動演出パターンのそれぞれに判定値を割り当てておき、演出統括部202aは、変動演出パターンを判定するための乱数を取得して、当該乱数と判定値との一致判定を行うことにより、複数の変動演出パターンの中から一の変動演出パターンを選択すればよい。
(演出終了処理)
図31は、演出統括部が行う演出終了処理を示すフローチャートである。演出終了処理は、コマンド受信処理(図27−1のステップS2713参照)に含まれる処理内容である。図31において、演出統括部202aは、変動停止コマンドの解析を行う(ステップS3101)。そして、演出統括部202aは、現在のモードフラグを示すモードフラグを参照する(ステップS3102)。次に、演出統括部202aは、大当たり(直撃大当たり)であるか否かを判定する(ステップS3103)。
大当たりではない場合(ステップS3103:No)、演出統括部202aは、現在のモードが通常モードを示す「0」であるか否かを判定する(ステップS3104)。モードフラグが「0」である場合(ステップS3104:Yes)、ステップS3109に移行する。モードフラグが「0」ではない場合(ステップS3104:No)、つまり、モードフラグが時短モードを示す「1」である場合、演出統括部202aは、時短モードの残余回数を示すモード演出残余回数Mから「1」を減じる(ステップS3105)。
そして、演出統括部202aは、モード演出残余回数Mが「0」であるか否かを判定する(ステップS3106)。モード演出残余回数Mが「0」ではない場合(ステップS3106:No)、演出統括部202aは、ステップS3109に移行する。モード演出残余回数Mが「0」である場合(ステップS3106:Yes)、演出統括部202aは、モードフラグを、通常モードを示す「0」に設定する(ステップS3107)。
ステップS3103において、大当たりである場合(ステップS3103:Yes)、演出統括部202aは、現在のモードフラグを大当たりの種別に応じたモードフラグに変更するモードフラグ変更処理を行う(ステップS3108)。なお、小当たり経由の大当たりの場合、演出統括部202aは、例えば大当たりエンディング時や大当たり終了直後の変動開始時に、ステップS3108と同様のモードフラグ変更処理を行う。
そして、演出統括部202aは、変動演出終了コマンドをRAM243に設定し(ステップS3109)、演出終了処理を終了する。
(演出モードテーブルの一例)
図32は、演出モードテーブルの一例を示す図である。図32において、演出モードテーブルMtは、特別図柄に対応させて、モードと、モードに対応するモードフラグと、モード毎の変動回数と、が対応付けられている。
特別図柄は、停止した特別図柄が示す当たりの内容を示しており、時短付き図柄(時短付き大当たり図柄または時短付き小当たり図柄)か、それ以外の図柄(ハズレまたは時短なし図柄)を示している。モードは、演出モードを示しており、通常モードか時短モードかを示す。モードフラグは、演出モードに対応するフラグであり、「0」または「1」によって表される。変動回数は、各モードの上限の変動回数を示しており、具体的には、モード演出開始時におけるモード演出残余回数である。
具体例を挙げて説明すると、特別図柄が時短付き図柄以外の場合、モードフラグが「0」の通常モードとなる。変動回数は、設定されない。なお、時短モード中に、ハズレ図柄が停止したとしても、100変動が経過するまでは、時短モードが継続して行われる。特別図柄が時短付き図柄の場合、モードフラグが「1」の時短モードとなる。時短モードの場合、変動回数は「100」に設定される。このため、時短付き図柄の停止後、100変動が経過するまでは、時短モードが行われる。
以上説明したように、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100は、異常が検出された際の停止図柄に応じて、遊技の中断や継続のほか、異常の報知や非報知などの各種制御を行うことができるため、不要な中断や不要な報知を抑制し、遊技の状況(停止図柄)に応じた最適な制御を行うことができる。例えば、異常が検出された場合でも、遊技者にとっての利益度合いが低い特別遊技を示す図柄を停止表示している場合には、遊技を継続させたり、異常の報知を行わないこととしたりすることができる。
また、例えば、本実施の形態では、不正遊技に関する異常を検出した際に停止図柄に関係なく一律に遊技を中断させることとはしないため、遊技を中断させる期間を短くしたり、中断の回数を減らしたりすることができる。このため、遊技の中断に伴う稼働時間の低下を抑えることができ、また、中断からの復帰に店員による解除操作を要する場合には解除操作に伴う作業負荷を軽減させることができる。
また、本実施の形態では、不正遊技に関する異常を検出した際に停止図柄に関係なく一律に異常を報知させることとはしないため、異常の報知によって遊技演出が妨げられる期間を短くしたり、遊技演出が妨げられる回数を減らしたりすることができ、不要な報知を抑制することができる。このため、異常の報知からの復帰に店員による解除操作を要する場合には解除操作に伴う作業負荷を軽減させることができる。
また、本実施の形態において、ぱちんこ遊技機100は、1種2種混合タイプであり、遊技球がストッパ141によって保持された場合に、特別遊技の判定結果に応じて遊技台を叩くといった不正が行われたとしても、時短なし小当たり図柄(遊技者にとっての利益度合いが低い特別遊技を示す図柄)の停止表示中には、電源をOFFにせずに、遊技を継続させることした。このため、ストッパ141による遊技球の保持を解除させないようにすることができ、適正に大当たりを(時短遊技状態を終了させる大当たり)発生させることができる。このため、小当たり時に、意図的にV入賞させないようにする不正行為を抑制することができる。
(実施の形態の変形例)
次に、実施の形態の変形例について説明する。変形例では、異常が検出された際における停止図柄(例えば、時短なし小当たり図柄であるか否か)に応じて、中断制御を異なるタイミングで行う場合について説明する。具体的には、上述した実施の形態では、時短なし小当たり遊技中(時短なし小当たり図柄の停止中)に異常を検出した場合に、継続制御および報知制御を行う継続報知状態としたが、変形例では、継続報知状態とするだけではなく、継続報知状態としてから所定時間経過後に中断制御する(中断報知状態とする)場合について説明する。
なお、変形例では、上述した実施の形態と同様に、時短なし小当たり遊技を除く遊技中に異常を検出した場合には即時に遊技を中断させ、また、時短なし小当たり遊技中であるか否かにかかわらず異常検出時には即時に異常の報知を行うこととする。以下において、上述した実施の形態で説明した箇所については同様の符号を付し、説明を省略する。
(変形例にかかる異常制御処理)
図33は、変形例にかかる異常制御処理を示すフローチャートである。変形例にかかる異常制御処理は、メイン処理(図5のステップS512参照)に含まれる処理内容である。変形例にかかる異常制御処理において、主制御部201は、ステップS601〜ステップS607に示すように、時短遊技状態における時短なし小当たり遊技中に異常を検出した場合、遊技を継続させる継続制御と異常を報知する報知制御とを行う継続報知処理を行う。
ステップS607の後、主制御部201は、遊技を中断させるまでの所定時間の計測中を示す計測フラグをONにする(ステップS3301)。そして、主制御部201は、時間の計測を開始し(ステップS3302)、ステップS608において、中断報知処理や継続報知処理を完了したことを示す報知完了フラグをONにする。
また、主制御部201は、ステップS602において、報知完了フラグがONの場合(ステップS602:Yes)、計測フラグがONであるか否かを判定する(ステップS3303)。計測フラグがOFFである場合(ステップS3303:No)、すなわち、主制御部201は、異常検出時における状態(図柄)が時短なし小当たり遊技中ではないことにより、中断報知処理が行われた場合、ステップS609へ移行する。
ステップS3303において、計測フラグがONである場合(ステップS3303:No)、主制御部201は、継続報知状態としてから遊技を中断させるまでの所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS3304)。所定時間は、少なくともV入賞することが可能な期間であればよく、例えば、少なくとも小当たり遊技の終了後のV有効期間が経過するまでの時間である。
所定時間が経過していない場合(ステップS3304:No)、主制御部201は、ステップS609へ移行する。所定時間が経過した場合(ステップS3304:Yes)、主制御部201は、計測フラグをOFFにし(ステップS3305)、遊技を中断させるために、ステップS604以降の処理を行う。このため、時短遊技状態における時短なし小当たり遊技中に異常を検出した場合の遊技の中断は、V入賞した場合にはV入賞による大当たり遊技の移行後に行われ、また、V入賞しなかった場合には図柄ゲームが行われる状態に戻った後に行われる。
なお、変形例では、異常が検出された際における停止図柄(時短なし小当たり図柄であるか否か)に応じて、中断制御を異なるタイミングで行う場合について説明したが、異常が検出された際における停止図柄は、時短なし小当たり図柄に限らず、例えば時短付き小当たり図柄としてもよい。
また、変形例において、異常が検出された際における停止図柄に応じて、報知制御を異なるタイミングで行うことも可能である。具体的には、上述したフローチャートでは、報知制御については、時短なし小当たり遊技中であるか否かにかかわらず、異常検出時には即時に行われるが、これに限らず、例えば、時短なし小当たり遊技中であるか否かによって異なるタイミングで行うことも可能である。例えば、時短なし小当たり遊技中に異常を検出した場合に、即時に報知制御を行わずに、所定時間経過後に報知制御を行うこととしてもよい。これにより、異常が検出された場合に、所定期間が経過するまではそれまでと変わりなく遊技を実行させ、所定期間の経過後に異常を報知することができる。
上述した変形例によれば、時短なし小当たり図柄(遊技者にとっての利益度合いが低い特別遊技を示す図柄)の停止表示中において異常が検出された場合、V入賞させた後に(時短遊技状態を終了させる大当たりを発生させた後に)、遊技を中断させることができる。このため、意図的にV入賞させないようにする不正を実行できないようにすることができるとともに、V入賞させることが可能な所定期間の経過後に遊技を中断させることができる。
また、中断の解除には例えば店員の操作等が必要になるため、中断した遊技台を遊技する遊技者を店員が監視することができ、また、店員の監視により遊技者が不正を行いにくくなるため、不正行為の抑止効果を高めることができる。このため、意図的にV入賞させないようにするという不正行為を抑制することができる。