JP2016198075A - シトシンヌクレオシドアナログの酵素産生 - Google Patents

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Abstract

【課題】シトシンヌクレオシドアナログ、その中間体、又はプロドラッグを従来の複数工程の合成を短くし、全収率を高め、副反応と副産物含有量を減らし、したがって、生成物の純度及び品質を改善することによって、抗癌性および/または抗ウイルス性の生成物として有用なヌクレオシドアナログの改善された代替的な合成方法の提供。【解決手段】ヌクレオシドホスホリラーゼ酵素、とりわけ、ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ(PyNPs)、またはプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNPs)とPyNPsの混合物を使用するシトシンヌクレオシドアナログを合成する方法。【選択図】なし

Description

本発明は、シトシンヌクレオシドアナログ(NA)の産生、とりわけ、薬学的に関連する抗ウイルス薬や抗癌薬として活性なシトシンNA、その中間物、またはプロドラッグの工業生産の新しい酵素プロセスに関する。
ヌクレオシドアナログ(NA)は天然のヌクレオシドと構造的に関連する合成化合物である。こうした構造に関して、ヌクレオシドは3つの重要な要素によって構成されている:(i)ヒドロキシメチル基、(ii)複素環の窒素塩基部分、および(iii)いくつかの例でヒドロキシメチル基と塩基を正確な方位に示すスペーサとして機能するように思われているフラノース環。
NAは様々に修飾された炭水化物および/またはアグリコンフラグメントを示すことから、大きな構造的多様性を特徴とする。
NAは、抗ウイルス剤や抗癌剤として広く使用されている。これらの分子は、自然発生するヌクレオシドの修飾を可能にするために、複素環塩基および/またはペントース部分上での保護−脱保護反応を含む時間を浪費する複数工程のプロセスを必要とすることが多い様々な化学的方法によって従来は合成されてきた(非特許文献1)。この時間のかかる複数工程のプロセスでは、収率が低くコストがかさむことが多い。実際に、化学的方法では通常、立体正確性と位置正確性の正確な生成物を得ることは困難であり、不純物として副産物が生成される(非特許文献2、非特許文献3)。さらに、化学的方法は、高価で環境に有害な化学試薬や有機溶媒の使用を含んでいる。
ヌクレオシドの酵素的合成は、複素環塩基および糖の縮合を触媒する酵素の使用を含んでおり、それによりグリコシド結合を形成する。一般論として、ヌクレオシドアナログは、2つの異なる種類の酵素:ヌクレオシドホスホリラーゼ(NPまたはNP)とN−2’−デオキシリボシルランスフェラーゼ(NDTまたはNDT)を使用する塩基交換(トランスグリコシル化(transglycosilation)反応)によって調製することができる。NPは、ペントフラノースドナーと核酸塩基受容体についての基質特異性に従って、ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ(E.C.2.4.2.1)、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(E.C.2.4.2.2)、ウリジンヌクレオシドホスホリラーゼ(E.C.2.4.2.3)、およびチミジンヌクレオシドホスホリラーゼ(E.C.2.4.2.4)を含む。しかしながら、シトシンおよびそのヌクレオシド(シチジン、2’−デオキシシチジン)または修飾されたシトシンアナログまたは誘導体およびその対応するヌクレオシドは、これらのNP酵素の基質ではない(非特許文献4)。
逆に、N−2’−デオキシリボシルトランスフェラーゼ(E.C.2.4.2.6.)は、2−デオキシリボフラノースリン酸塩の中間物を形成することなく、ヌクレオシドと受容体塩基との間でデオキシリボフラノシル部分の直接転移を触媒する。NDT基質特異性は、修飾されたプリンに関する広範な耐性や、2−デオキシリボフラノースおよび2,3−ジデオキシリボフラノースの残基の受容体としてのシトシンの優れた基質活性よりも、2−デオキシリボフラノース部分に対する厳密な特異性を含んでいる(非特許文献4)。Fresco−Taboadaら(非特許文献5)は、シトシンがあらゆる場合で2’−デオキシリボフラノース部分の最良の受容体であることを開示している。
したがって、NPまたはNDTの選択は、受容体塩基およびドナーヌクレオシドの構造に依存する。NPおよびNDTは互いに補完し合い、天然のヌクレオシドとその修飾されたアナログの生体触媒による生成を可能にし、そのほとんどが多くの抗癌薬や抗ウイルス薬の産生に役立つ。
しかしながら、NPまたはNDTのいずれによってもシトシンリボヌクレオシドの産生は可能ではない。というのも、シトシンはNP向けの受容体塩基ではなく、同時に、リボフラノースヌクレオシドドナーはNDT向けの基質ではないからである。したがって、上記の言及された基質の特異性のためだけではなく、生体触媒調製中に通常存在するシトシンおよびシチジンデアミナーゼ、またはシトシンおよびシチジンデアセチラーゼなどの特定の酵素が基質または最終生成物を分解して、工業目的には非生産的な方法を提供することから、シトシンヌクレオシドアナログの産生は依然として難題である。
Arakiら(特許文献1、特許文献2)は、シトシンに反応するヌクレオシドホスホリラーゼ、または前記酵素活性を有する細菌を使用して、ペントース−1−リン酸塩およびシトシンまたはその誘導体からシトシンヌクレオシド化合物を作る方法を開示した。特に、発明者らは、ピリジン塩基の代わりに基質としてブリン塩基を含む反応をそれ自体で触媒する、エシェリキア属に属する細菌からのプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)が、シトシンとペントース−1−リン酸塩からシトシンヌクレオシドの産生を触媒することができることを発見した。しかしながら、開示された酵素活性を有する細菌の存在下でのペントース−1−リン酸塩によるシトシンまたはその誘導体の反応は、ほとんどシトシンまたはその誘導体の脱アミノ化した生成物のみを生成することが分かり、したがって、所望のシトシンヌクレオシド化合物の効率的な蓄積には失敗した。脱アミノ化したシトシン副産物の産生を最小限に抑えるために、言及された特許は、有機溶媒に酵素調製物を接触させて、有効な時間にわたって60ーC乃至90ーCの温度で酵素調製物を加熱することによって、基質または最終生成物を分解するデアミナーゼ活性を特異的に減少させるための方法を開示した。
Arakiら(特許文献3)は、大腸菌などの微生物に由来するプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)として知られている酵素(シトシンヌクレオシド・ホスホリラーゼ活性も有している酵素)を用いるピリミジン塩基誘導体を使用して、ピリミジンヌクレオシド化合物と新しいピリミジンヌクレオシド化合物を生成する方法を開示した。著者らは、微生物の細菌細胞または処理された酵素を加熱するか、あるいは適切な有機溶媒に接触させて置くことによって、特定の脱アセチル非活性化を克服する。
同じ著者らは、シトシンデアミナーゼ遺伝子とシチジンデアミナーゼ遺伝子の両方を欠いた微生物を作製することによって(特許文献4)、または亜鉛塩によって(特許文献5)、複雑なデアミナーゼ非活性化処置を施すことなく上で言及した化合物を製作するいくつかの方法を開示した。
非特許文献6は、多くのタイプのヌクレオシドの合成を開示した。しかしながら、その開示はシトシンまたはアラビノシドのヌクレオシドを作製することに失敗し、したがって、この特定のタイプのヌクレオシドの合成にNPを使用することからはほど遠いものである。
非特許文献7は、基質としてのシチジンについては、GtPyNP(Geobacillus thermoglucosidasiusからのNP)の加リン酸分解活性は何も測定されず、TtPyNP(サーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilusからのMP)のごく貧弱な活性しか測定されず(vide supra, p.84)、シチジンは、PNPとApMTAP(5’−Methylthioadenosine phosphorylase from Aeropyrum pernix,vide supra, p.116)によって基質としてかすかに認められるだけであった。
したがって、シトシンヌクレオシドアナログの生体触媒合成は困難なままであり、工業規模でのこの応用は、上に説明したように、生体触媒調製中に存在する競争的な酵素による生成物の分解によって限定される。
抗ウイルス剤または抗癌剤として作用するいくつかの非天然ヌクレオシドが核酸塩基部分としてシトシンを含んでいるため、前記の欠点を克服し、新しいタイプのシトシンヌクレオシドアナログの合成を改善する新規かつ有効な工業用の酵素プロセスの開発を探ることは興味深い。
シトシンNA化学構造を有する周知の抗癌剤であるカペシタビンは、このNAの複数の工程の化学合成に関して先行技術で記載された複数のプロセスに従って以前作成されていた(特許文献6、特許文献7)。
上記のプロセスには、特定の欠点:使用される有毒な溶媒または試薬、大規模な生産に適していないクロマトグラフィー精製工程の必要性、グリコシドサブユニット上のヒドロキシル基の保護および脱保護段階を含む複数工程の複雑なプロセス、およびカペシタビン合成の低〜中程度の全収率がある。保護と脱保護の配列はこれらのすべてのプロセスで2つの余計な工程を加え、全収率を低下させ、商業生産の視点から見てプロセスにかかる時間とコストを増加させる。
特許文献8において、カペシタビンを調製するための1工程のプロセスが開示されている。該プロセスは、あらかじめ形成されたヌクレオシド5−フルオロ−5’−デオキシシチジンのヒドロキシル基の従来の保護を必要としないペンチルオキシカルボニル化(pentyloxycarbonylation)試薬との5−フルオロ−5’−デオキシシチジンの反応に基づいている。反応は有機溶媒中で起こり、化学触媒(HClガスとしての塩基または腐食性鉱酸など)、高温(最大で110°Cまでの溶剤の還流)、および長い反応時間(通常9〜10時間)を使用し、中程度の収率(50〜67%)のカペシタビンをもたらす。
発明者らは、カペシタビンが高温で熱不安定性に陥り、中性のpHで10時間、90°Cで生成物を加熱した後、生成物の40%以内が失われることを実証した。したがって、特許文献8に記載されたプロセスは最終生成物の重要な損失に見舞われる。
これに反して、本発明の酵素プロセスは、溶剤として水を用いてより穏やかな条件下で行われ、70%以上の収集率をもたらす。
Kananら(特許文献9)は、有機溶媒の存在下で触媒として(CALB)Novozyme 435(Candida antarticaからのリパーゼアクリル樹脂)を用いるプロセスを開示している。こうしたプロセスは、カペシタビンを供給するために少なくとも4つの工程を必要とする。
ゆえに、癌の処置で先行技術に関連付けられる上記の不都合な点やカペシタビンの重要性に従って、複数の工程を含まず、比較的安い試薬を使用し、高収率で高純度のヌクレオシドアナログ生成物をもたらす、この有効な主成分(Active Principle Ingredient)(API)の調製のための改善されたプロセスを進行する大きな必要性がある。
同じことがシタラビン合成で生じる。シタラビンは、カペシタビンとしてシトシンNA化学構造を共有するもう1つの周知の抗癌剤である。Merckの名で初期の特許(1964年の特許文献10、または、非特許文献8という名で)があり、これらは、前述の活性化合物の化学合成について記載しており、カペシタビンに関して記述された同じ欠点が等しく言及されているかもしれない。
驚いたことに、先に引用した生体触媒合成の欠点を回避することができ、シトシンNAを70%以上の変換および95%以上のアノマー純度で得ることができることが分かった。それは、ヌクレオシドホスホリラーゼ(NP)、つまり、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)、またはピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ(PyNP)のいずれか、あるいは、ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ(PyNP)とプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)の酵素の混合物の使用に基づいて、適切な酵素方法を適用することによって可能である。言及された酵素は、驚くことに、適切な化学修飾されたシトシンを認識することができ、脱アミノ化または脱アセチル化の不純物の任意の証拠なく、ドナーヌクレオシドアナログ上でトランスグリコシル化反応を行うことができる。発明者らは、同じ生体触媒反応であるがヌクレオシド受容体として非修飾シトシンを用いる反応では期待された最終生成物がもたらされないことを実証した。本明細書上、本発明のプロセスで使用される好ましい酵素は、ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼである。本発明の別の好ましい実施形態は、とりわけ、開始化合物として、プリンヌクレオシド、あるいはその誘導体またはアナログが使用される際の、ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ(PyNP)とプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)の酵素の混合物の使用である。
一例として、シトシンNAとしてカペシタビンまたはシタラビンの産生に適用される本発明のプロセスは、こうしたNAの化学合成に関して、および、以下のようなCALB Novozyme 435を用いる酵素的合成に関して、先行技術で使用されるプロセスを上回る複数の利点を有する。
(i)工程の減少数
(ii)高い変換率および収率
(iii)砂糖中のヒドロキシル基の保護/脱保護戦略はまったく必要とされない
(iv)穏やかな反応条件:環境に優しい技術(水または水性媒体、中性のpH)
(v)酵素の工程中の有機溶媒の回避
(vi)非常に優れた選択性:立体選択性−エナンチオ選択性、ケモ位置選択性
(vii)副反応なし:不純物プロファイル(副産物含有量の減少)
(viii)全体的な廃棄物生成の減少
(ix)プロセスの生産性
(x)生成の全体的なコストの低下
さらに、先行技術で使用される化学プロセスを上回る本発明の生体触媒プロセスの別のさらなる利点がある。とりわけ、ピリジン、ジクロロメタン(DCM)、アセトニトリル(ACN)、メタノール、テトラヒドロフラン(THF)として、ArasakiらやKamiyaらの化学プロセスで、あるいはKannanら(ピリジン、ジクロロメタン(DCM)など)の酵素プロセスで使用される有機溶媒の発明のプロセスにおける不在が関連している。
とりわけ、塩化第2スズなどの金属触媒、シリル化(sylilating)剤などの有毒な試薬の発明のプロセスでの不在が関連している。こうしたプロセスの有機溶媒や試薬はすべて、環境に廃棄物を放出する前に、除去または破壊されなければならない。本発明の手順に関して先行技術に記載されるプロセスのさらに不便な点は、先行技術に記載されているプロセスが本発明のより単純な酵素のプロセスに対して保護および脱保護工程を含む複数工程の手順を含んでいる限り、その複雑さにある。
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PyNPまたはPyNP/PNPの酵素を用いる本明細書に記載される本発明のプロセスは、以下のように概説される:
出願人たちは、驚くことに、適切なN修飾されたシトシンまたはN修飾されたシトシン誘導体が、高い変換率(70%以上)でシトシンヌクレオシドアナログの調製/産生を可能にし、ヌクレオシドホスホリラーゼ(細菌または古細菌からの天然の、組み換えの、または変異したタンパク質のいずれか)を用いることによって、とりわけ、ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ(細菌または古細菌からの天然の、組み換えの、または変異したタンパク質のいずれか)を用いることによって、先に引用した先行技術で報告される脱アミノ化または脱アセチル化といった副作用を完全に回避することを実証した。
この位置での、またはシトシンの化学的なバックボーン中の他の位置での化学修飾/置換/保護がヌクレオシドホスホリラーゼに対する基質特異性を修飾することができたという事実を指すいかなる証拠も先行技術では発見されていない。本明細書上、N修飾されたシトシン/シトシン誘導体はそれぞれ、N置換されたシトシン/シトシン誘導体、またはN保護されたシトシン/シトシン誘導体の同義語である。
本特許明細書上、シトシンまたはシトシン誘導体、ヌクレオシド、中間物、塩基、または核酸塩基との用語はすべてシトシンのバックボーンに由来する化合物として理解されなければならない。とりわけ、本発明のためのシトシンまたはシトシン誘導体として、式IIによって表される。
本発明の目的である適切な化学修飾は、副作用に関連する不安定性さに係る問題を完全に回避する、ヌクレオシドアナログ合成のより便利で効率的で容易なプロセスを提供する。特に好ましいN修飾は、カルバメート(−NHCOO−)の形態でアミノ基の修飾を含んでおり、とりわけ、カルバメートは1〜40の炭素原子のアルキル鎖、1〜40の炭素原子のアルケニル鎖、または1〜40の炭素原子のアルキニル鎖(鎖はそれぞれの場合で直鎖であり、分枝鎖であり、または他の官能基によって置換される)、アリール、および/または複素環に結合される。アミドまたは関連するアシル誘導体(−NHCO−)の形態のアミノ基のN修飾により、特にアミド基が4〜40の炭素原子のアルキル鎖、1〜40の炭素原子のアルケニル鎖、または1〜40の炭素原子のアルキニル鎖(鎖はそれぞれの場合で直鎖であり、分枝鎖であり、または他の官能基によって置換される)、アリール、および/または複素環に結合されるとき、同様にトランスグリコシル化反応が可能となる。驚くことに、長いアルキル鎖は、(1乃至3の炭素原子からの)短いアルキル鎖よりも好ましい。なぜなら、行われる実験にしたがって、脱アセチル化の副作用が、US2005/0074857が教示する内容とは異なり、短いアルキル鎖で観察されるからである。本発明によれば、1つの炭素原子のアルキル基を有するアシル基は、脱アセチル化を防がない。
正確に言えば、化学修飾は、本記載にしたがって、N(シトシン複素環内の位置4での窒素原子)でシトシンのバックボーンへと導入される。とりわけ、シトシン骨格内で操作された化学修飾は、式IIのRおよび/またはR部分によって表される化学修飾であり、
ここで、
はO、CH、S、NHであり、
は水素、随意に置換されたC4−40アルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、随意に置換されたアルキル、アルケニル、またはアルキニルの鎖によってNと結合した随意に置換されたアリール、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってNと結合した随意に置換された複素環、COR、CONR、CO、C(S)OR、CN、SR、SO、SO、CN、P(O)アリール、P(O)複素環、P(S)アリール、P(S)複素環、P(O)Oであり、
は水素、随意に置換されたC4−40アルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、随意に置換されたアルキル、アルケニル、またはアルキニルの鎖によってNと結合した随意に置換されたアリール、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってNと結合した随意に置換された複素環、COR、CONR、CO、C(S)OR、CN、SR、SO;SO、CN、P(O)アリール、P(O)複素環、P(S)アリール、P(S)複素環、P(O)Oであり;RおよびRは互いから独立したものであり、
ただし、少なくとも1つのRまたはRが水素とは異なることを前提とし、
は水素、OH、NH、SH、ハロゲン(好ましくはFまたはI);随意に置換されたアルキル鎖;随意に置換されたアルケニル鎖;随意に置換されたアルキニル鎖、トリハロアルキル(trihaloalkyl)、OR、NR、CN、COR、CONR、CO、C(S)OR、OCONR、OCO、OC(S)OR、NHCONR、NHCO、NHC(S)OR、SONR、随意に置換されたアルキル、アルケニル、またはアルキニルの鎖によってYに結合した随意に置換されたアリール、随意に置換されたアルキル、アルケニル、またはアルキニルの鎖によってYに結合された随意に置換された複素環、および、独立して、以下から選択されたR、R、R、R、またはRの随意に置換された複素環または随意に置換されたアリールであり、
Yが炭素または硫黄の原子であることを前提とし、あるいは、Yが窒素原子であることを前提としてRが欠けており、
ここで、
XはO、S、N−RB2、Seであり、RB1はH、OH、NH、直鎖または分枝鎖のC1−10アルキル、F、Cl、Br、I、X−RB2、−C≡C−RB2、COB2であり、RB2はH、OH、NH、直鎖または分枝鎖C1−5アルキル、フェニルであり、
は水素、OH、NH、SH、ハロゲン(好ましくはFまたはI)、随意に置換されたアルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、トリハロアルキル、OR、NR、CN、COR、CONR、CO、C(S)OR、OCONR、OCO、OC(S)OR、NHCONR、NHCO、NHC(S)OR、SONR;CH複素環、CN;および、独立して、以下から選択されたR、R、R、またはRの随意に置換された複素環または随意に置換されたアリールであり、
ここで、
XはO、S、N−RB2、Seであり、RB1はH、OH、NH、SH、直鎖または分枝鎖のC1−10アルキル、F、Cl、Br、I、X−RB2、−C≡C−RB2、COB2であり、RB2はH、OH、NH、直鎖または分枝鎖C1−5アルキル、フェニルであり、
とRは互いに無関係に、水素、随意に置換されたアルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、複素環、または随意に置換されたアリールであり、
は水素、随意に置換されたアルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、随意に置換されたアリール、随意に置換された複素環であり、
YはC、N、Sである。
出願人によって実行され、本記載で示される比較例によって、Nで適切な修飾を含まないシトシン誘導体は、ヌクレオシドホスホリラーゼ(天然、組み換え型、または変異の酵素)を用いた、とりわけ、ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼを用いたトランスグリコシル化反応を受けず、したがって、所望のヌクレオシド最終生成物を提供しない。さらに、保護されていないシトシン(塩基または対応するヌクレオシドのいずれか)は、何人かの著者が、有機溶媒を加熱または使用し(特許文献1と特許文献3)、亜鉛塩を加え(特許文献5)、またはシトシンデアミナーゼ遺伝子およびシチジンデアミナーゼ遺伝子の両方を同時に欠いた微生物を用いるなどの洗練された方法を用いる(特許文献4)といった従来の方法で非活性化しようとしている副作用(脱アミノ化または脱アセチル化など)を受けた。先行技術に開示された上記の技術的解決法はすべて、対応する合成プロセスの全収率を劇的に低下させた。本発明は、本明細書に記載の合成プロセスの全収率を減少させた副作用に関する上記の技術的問題を完全にかつ決定的に解決するためのヌクレオシドアナログの合成方法を提供する。
得られた最終生成物のN位置を修飾する/置換する/保護するために使用される官能基は、とりわけ、生成されるそれぞれの最終生成物の化学構造にしたがって、随意に取り除かれてもよい(最終生成物の脱保護)。しかしながら、カペシタビン分子のような特定の場合には、修飾が最終生成物(またはAPI)中のアミノ基に付いたままであるため、修飾された/置換された/保護されたシトシンN基を脱保護する必要はない。カペシタビン自体については、本発明の酵素の方法は、従来の化学的生産工程が使用される場合にかかる時間を、かなりの程度短くする。
ゆえに、本発明は、従来の複数工程の合成を短くし、全収率を高め、副反応と副産物含有量を減らし、したがって、生成物の純度および品質を改善することによって、抗癌性および/または抗ウイルス性の生成物として有用なヌクレオシドアナログの改善された代替的な合成方法を提供する。
本記載上、以下の用語はさらに以下のように定義される。
「ヌクレオシド」との用語は、複素環塩基が糖に共有結合したすべての化合物を指し、ヌクレオシドの糖に対する特に好ましい結合は、複素環塩基中の炭素原子またはヘテロ原子(典型的には窒素)に対する、糖の炭素原子のC1’−(グリコシド)結合を含んでいる。したがって、本文脈では、「ヌクレオシド」の用語は、複素環塩基のグリコシドを意味する。同様に、「ヌクレオチド」との用語は、リン酸基が糖に結合したヌクレオシドを指す。
「ヌクレオシド」との用語は、自然発生しないヌクレオシド、自然発生するヌクレオシ、および他のヌクレオシドアナログを含むように広く使用されてもよい。ヌクレオシドの実例となる例は、デオキシリボース部分を含むデオキシリボヌクレオシドとリボース部分も含むリボヌクレオシドである。こうしたヌクレオシドの塩基に関して、これは、任意の修飾された変異体または任意の起こり得る不自然な塩基と同様に、自然発生する塩基、例えば、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシルのいずれかであってもよいことが理解されよう。
本明細書で使用されるような「ヌクレオシドアナログ(nucleoside analogue)」、「ヌクレオシドアナログ(nucleoside analog)」、「NA」「NAs」との用語は、糖が好ましくはリボフラノースまたはアラビノフラノースではなく、および/または、複素環塩基が自然発生する塩基(例えば、A、G、C、T、Iなど)でない、すべてのヌクレオシドを指す。
本明細書でさらに使用されているように、「糖」との用語はすべての炭水化物およびその誘導体を指し、特に企図される誘導体は、糖に欠失、置換、または、追加、あるいは糖の化学基または原子を含んでいる。例えば、特に企図される欠失は、2’−デオキシ、3’−デオキシ、5’−デオキシ、および/または2’,3’−ジデオキシ−糖を含んでいる。特に企図される置換は、環酸素の硫黄またはメチレンとの置換、またはヒドロキシル基のハロゲン、アジド、アミノ基、シアノ基、スルフヒドリル基−、またはメチル基との置換を含み、特に企図される追加は、メチレンホスホネート基を含んでいる。さらに企図される糖は、糖アナログ(すなわち、自然発生しない糖)、特に炭素環系をさらに含む。本明細書で使用されるような「炭素環系」との用語は、複数の炭素原子が環を形成する任意の分子を指し、特に企図される炭素環系では、環は3、4、5、または6つの炭素原子から形成される。
用語「化学酵素的(chemo−enzymatic)な合成」は、化学的および生体触媒的工程の組み合わせを介した化合物の合成方法を指す。本発明の特定の目的のために、本発明の好ましい実施形態のうちの1つにおいて、反応段階の順序は以下のとおりでなければならない:1)シトシン塩基の化学修飾、2)NP酵素を使用する生体触媒によるトランスグリコシル化、3)最終生成物におけるシトシン−Nの随意のさらなる脱保護。
「酵素的合成」との用語は、適切な酵素(NP)によって行われる、生体触媒工程のみを含むプロセスによる化合物の合成の方法を指す。したがって、本明細書に記載の合成プロセスの他の好ましい実施形態は、すでに調製された、または市場で市販されている、一般的な式IIによって表される先に言及されたもののようなシトシン誘導体、とりわけ、本発明に従って、シトシン複素環のN位置でRおよび/またはRを示すようなシトシン誘導体から出発する完全な生体触媒プロセスであり、ゆえに、前述のシトシンバックボーンの化学修飾の工程1を省いている。
「複素環」または「複素環塩基」または「塩基」または、「核酸塩基」との用語は、本明細書では交換可能に用いられ、複数の原子が複数の共有結合によって環を形成している任意の化合物を指し、ここで、環は炭素原子以外の少なくとも1つの原子を含んでいる。特に企図されている複素環塩基は、非炭素原子(例えば、イミダゾール、ピロール、トリアゾール、ジヒドロピリミジン)として窒素、酸素、および硫黄からそれぞれが独立して選択される少なくとも1〜4つのヘテロ原子を含有する5および6員環を含んでいる。さらに企図される複素環は、別の環または複素環に融合(すなわち共有結合)されてもよく、したがって、本明細書で使用されるように「融合複素環」または「融合複素環塩基」と称される。とりわけ企図される融合複素環は、6員環に融合された5員環(例えば、プリン、ピロロ[2,3−d]ピリミジン)、および別の6員またはそれ以上の環に融合された6員環(例えば、ピリド[4,5−d]ピリミジン、ベンゾジアゼピン)を含んでいる。これらのおよびさらに好ましい複素環塩基の例が以下に与えられる。またさらに企図される複素環塩基は芳香族であることもあれば、あるいは1つ以上の二重または三重結合を含むこともある。さらに、企図される複素環塩基と融合複素環は、1つ以上の位置でさらに置換されることもある。環の任意の1つは、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシル、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、アミノ、モノ−またはジC1−6アルキルアミノ、アジド、メルカプト、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルコキシ、およびC3−7シクロアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択された1つ、2つ、または3つの置換基で随意に置換される。
「核酸塩基」との用語は自然発生しない核酸塩基と同様に自然発生する核酸塩基も包含する。「自然発生しない」と以前は考えられてきた様々な核酸塩基がその後自然で見つかっていることは当業者には明らかなはずである。したがって、「核酸塩基」は、既知のプリンおよびピリミジン複素環だけでなく、複素環のアナログ(N−置換された複素環など)やその互変異性体も含んでいる。核酸塩基の典型的な例は、アデニン、グアニン、チミン、シトシン、ウラシル、プリン、キサンチン、2−クロロアデニン(chloroadenine)、2−フルオロアデニン(fluoroadenine)、ペンチル(5−フルオロ−2−オキソ−1,2,ジヒドロピリミジン(dihydropyrimidin)−4−イル)カルバメート、シトシン、N−アルキルカルバメート、シトシンN−アルキルエステル、5−アザシトシン、5−ブロモビニルウラシル(bromovinyluracil)、5−フルオロウラシル、6−メトキシ−9H−プリン−2−アミン、および(R)−3,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[4,5−d][1,3]ジアゼピン−8−オール(ol)である。
用語「核酸塩基」は、こうした例だけでなく、そのアナログや互変異性体や位置異性体をすべて包含する。本明細書のために、こうした「核酸塩基」を本明細書にもある他の複素環塩基と区別するために、「核酸塩基」との用語は、式IIによって表されるシトシン塩基を主として指す。しかしながら、「塩基」との用語は、本明細書のために、式IIIによって表されるヌクレオシド中に存在する塩基を主に指す。
「互変異性体」または「互変異性型」との用語は、低エネルギー障壁によって相互転換できる、異なるエネルギーの構造異性体を指す。例えば、陽子互変異性体(プロトトロピック(prototropic)互変異性体としても知られている)は、ケト−エノールおよびイミン−エナミン異性化などのプロトンの移動による相互転換を含む。原子価互変異性体は結合電子のいくつかの再編成による相互転換を含んでいる。
「位置異性体」との用語は、その原子が異なる結合順序で結合した同じ分子式の分子を指すという意味では、構造異性体(structural isomerまたはconstitutional isomer)を指す。
「変換」との用語は、生成物、すなわち、予想される最終生成物、副産物、あるいは分解生成物にさえ転換される出発物質の割合である。
「収率」との用語は、出発分子の数当たりの生成物の合成された分子の数である。複数工程の合成では、収率はすべての単一工程の収率の増殖によって計算することができる。
「アノマー純度」との用語は、混合物中に存在する化合物のすべてのアノマーの合計量で割ったその化合物の特定のアノマーの量に100%を掛けたものである。
「シトシン修飾/置換/保護」との用語は、シトシンの元々のバックボーン上の少なくとも1つの位置(位置1の窒素以外)が、ラジカルR、R、R、R、R、Xおよび/またはYとして記載されるような官能基によって置換される任意のヌクレオシドアナログを指し、こうした基の各々の1つは他のものから独立している。
「位置Nで修飾された/置換された/保護されたシトシン」との用語は、位置4のアミノ基の少なくとも1つのプロトンがラジカルRおよび/またはRと記載されるような官能基(こうした置換基のそれぞれ1つは互いに独立している)によって置換されたシトシンバックボーンを含む塩基を指し、前述の置換基の少なくとも1つが水素とは異なるということを証明している。
「中間物(intermediate)」または「中間物(intermediates)」との用語は、適切な追加の化学反応によってヌクレオシドの構造の医薬品有効成分(active pharmaceutical ingredient)(API)に転換されることもある任意のヌクレオシドアナログタイプの化合物を指す。したがって、中間物はAPI前駆体と見なされることもある分子である。本明細書上、Nで修飾されたシトシンまたはシトシン誘導体または中間物に適用される際の「前駆体」との用語は、式IIの化合物によって意味され、Nに結合する部分はRまたはRによって表されるモノ以外の化学基である。
本文脈全体で使用されるような「プロドラッグ」との用語は、エステル、アミド、カルバメート、およびリン酸塩などの薬理学的に許容可能な誘導体を意味し、したがって、結果として生じる誘導体の生体内の生体内変換生成物は式(I)の化合物で定義されるような活性な薬物である。プロドラッグについて一般に記載したGoodman and Gilmanによる文献 (The Pharmacological Basis of Therapeutics, 8th ed, McGraw−Hill, Int. Ed. 1992, ’’Biotransformation of Drugs’’, p 13−15)は本明細書に組み込まれる。プロドラッグは好ましくは、水溶解度に非常に優れ、バイオアベイラビリティを増加させ、生体内で活性な阻害剤に容易に代謝される。本発明の化合物のプロドラッグは、修飾がルーチン処置によりまたは生体内で親化合物に開裂されるような方法で、化合物中の官能基の修飾することによって調製されてもよい。
好ましいプロドラッグは、生体内で加水分解性であり、かつ、ヒドロキシまたはアミノ基を有する式Iの化合物に由来する、薬学的に許容可能なエステル、アミド、およびカルバメートである。生体内の加水分解性のエステル、アミド、およびカルバメートは、ヒトまたは動物の体内で加水分解され、親の酸またはアルコールを生成する、エステル、アミド、またはカルバメートの基である。アミノ基に適切な薬学的に許容可能なエステル、アミド、およびカルバメートは、C1−6アルコキシメチルエステル、例えば、メトキシメチル、C1−6アルカノイルオキシメチル(alkanoyloxymethyl)エステル、例えば、ピバロイルオキシメチル(pivaloyloxymethyl)、フタリジルエステル、C3−8シクロアルコキシカルボニルオキシC1−6アルキルエステル、例えば、l−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル;1,3−ジオキソレン(dioxolen)−2−オニルメチル(onylmethyl)エステル、例えば、5−メチル−l,3−ジオキソレン−2−オニルメチル;およびC1−6アルコキシカルボニルオキシエチルエステル、例えば、1−メトキシカルボニル−オキシエチルを含み、これらは本発明の化合物中の任意のカルボキシ基で形成されてもよい。
ヒドロキシ基を含む式(I)の化合物の生体内の加水分解性エステルは、親ヒドロキシ基を与えるためにエステル分解の生体内の加水分解の結果として、リン酸エステルやα−アシルオキシアルキルエーテルなどの無機エステル、および関連化合物を含んでいる。α−アシルオキシアルキルエーテルの例としては、アセトキシメトキシ、および2,2−ジメチルプロピオニルオキシ−メトキシが挙げられる。ヒドロキシのための基を形成する生体内の加水分解性エステルの選択は、アルカノイル、ベンゾイル、フェニルアセチル、ならびに置換されたベンゾイルおよびフェニルアセチル、アルコキシカルボニル(炭酸アルキルエステルを提供するため)、ジアルキルカルバモイルおよびN−(ジアルキルアミノエチル)−N−アルキルカルバモイル(カルバメートを提供するため)、ジアルキルアミノアセチル、およびとカルボキシアセチルを含む。ベンゾイル上の置換基の例としては、環窒素原子からメチレン基を介してベンゾイル環の3−または4−の位置に結合したモルホリノやピペラジノが挙げられる。
治療用途のために、式(I)の化合物の塩は対イオンが薬学的に許容可能な塩である。しかしながら、薬学的に許容可能ではない酸や塩基の塩も、例えば、薬学的に許容可能な化合物の調製または精製において利用法を見つけられることもある。すべての塩は、薬学的に許容可能であろうとなかろうと、本発明の範囲内に含まれる。
上記のような薬学的に許容可能な酸付加塩および塩基付加塩は、式(I)の化合物が形成することができる、治療上活性な無毒の酸付加塩および塩基付加塩の形態を含むよう意図している。薬学的に許容可能な酸付加塩は、こうした適切な酸で塩形態を処理することによって都合よく得ることができる。適切な酸は、例えば、ハロゲン化水素酸(例えば、塩化水素または臭化水素酸)、硫酸、硝酸、リン酸、および類似の酸といった無機酸;あるいは、例えば、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(すなわち、エタン二酸)、マロン酸、コハク酸(すなわち、ブタンニ酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸(すなわちヒドロキシブタンニ酸)、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモン酸、および類似の酸といった有機酸を含む。
反対に、前記の塩形態は、適切な塩基を用いる処理によって遊離塩基形態へと変換させることができる。
酸性のプロトンを含む式(I)の化合物も、適切な有機塩基と無機塩基を用いる処理によって、無毒な金属またはアミン付加塩形態に変換されることもある。適切な塩基塩形態は、例えば、アンモニウム塩、アルカリおよび土類アルカリ金属塩、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩など、有機塩基を含む塩、例えば、ベンザチン、N−メチル−D−グルカミン、ヒドラバミン(hydrabamine)の塩、およびアミノ酸を含む塩、例えば、アルギニン、リジンなどを含む。
上記に使用されるような付加塩との用語は、式(I)の化合物とその塩が形成することができる溶媒和物をさらに含む。こうした溶媒和物は例えば水化物、アルコラート、およびその他同種のものである。
本明細書で先に使用されるような「第四級アミン」との用語は、式(I)の化合物が、式(I)の化合物の塩基性窒素と適切な四級化剤、例えば、随意に置換されたハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリール、またはハロゲン化アリールアルキル(例えばヨウ化メチル、ベンジルヨージド)との間の反応によって形成することができる第四級アンモニウム塩を定義する。優れた脱離基を含む他の反応物、例えば、アルキルトリフルオロメタンスルホン酸塩(trifluoromethanesulfonates)、アルキルメタンスルホン酸塩(methanesulfonates)、およびアルキルp−トルエンスルホン酸塩などが使用されてもよい。第四級アミンは正電荷の窒素を有する。薬学的に許容可能な対イオンは、クロロ、ブロモ、ヨード、トリフルオロ酢酸、および酢酸を含んでいる。最適な対イオンはイオン交換樹脂を用いて導入することができる。
本化合物のN−オキシド形態は、1つまたは複数の窒素原子がいわゆるN−オキシドに酸化した、式(I)の化合物を含むように意図される。
式(I)の化合物は、金属結合、キレート化、があるかもしれないことは認識される、複雑な形成特性を有することもあり、したがって、金属複合物または金属キレートとして存在することもある。式(I)の化合物のそのようなメタレート化した誘導体は、本発明の範囲内に含まれるように意図されている。
式(I)の化合物のいくつかは互変異性型で存在することもある。
上記の式に明確には示されていないが、こうした形態は、本発明の範囲内に含まれるように意図されている。
本明細書で使用されるように「アルキル」との用語は、すべての炭素炭素結合が単結合である、直鎖、分枝鎖、または環状の炭化水素を指す。
「アルケニル」および「置換されていないアルケニル」との用語は本明細書で交換可能に使用され、少なくとも1つの炭素炭素二重結合を含む直鎖、分枝鎖、または、環状のアルキルを指す。
さらに、本明細書で使用されるような「アルキニル」との用語は、少なくとも1つの炭素炭素三重結合を含む直鎖、分枝鎖、または、環状のアルキルまたはアルケニルを指す。
本明細書で使用されるような「アリール」との用語は、任意の芳香族の環状アルケニルまたはアルキニルを指し、基または基の一部としてフェニルまたはナフタレニルであり、それぞれ随意に、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシル、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、アミノ、モノ−またはジC1−6アルキルアミノ、アジド、メルカプト、ポリハロC1−6アルキル、およびポリハロC1−6アルコキシから選択された1つ、2つ、または3つの置換基で置換される。アリールがアルキル、アルケニル、またはアルキニルに共有結合される場合、「アルカリル」との用語が採用される。
本明細書で使用されるような用語「置換される(substituted)」は、官能基による原子または化学基(例えば、H、NH、またはOH)の置換を指し、特に企図される官能基は、求核基(例えば−NH、−OH、−SH、−NCなど)を含み、求電子基(例えば、C(O)OR、C(X)OHなど)、極性基(例えば、−OH)、非極性基(例えば、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニルなど)、イオン基(例えば−NH )およびハロゲン(例えば、−F、−Cl)、ならびにこれらのすべての化学的に合理的な組み合わせを含む。ゆえに、「官能基」との用語や「置換基」との用語は本明細書では交換可能に使用され、求核基(例えば、−NH、−OH、−SH、−NC、−CNなど)、求電子基(例えば、C(O)OR、C(X)OH、C(ハロゲン)ORなど)、極性基(例えば−OH)、非極性基(例えば、アリール、アルキル、アルケニル、アルキニルなど)、イオン基(例えば−NH )、およびハロゲンを指す。
本記載上、「ヌクレオシドホスホリラーゼ」または「NP」または「NPs」との用語は、ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ酵素、またはPyNPsおよびPNP(プリンヌクレオシドホスホリラーゼ酵素)のPyNP(PyNPs)酵素または混合物を含む。こうした酵素は、自然発生する微生物、中温菌、好熱菌、超好熱菌、または好極限性細菌のいずれかから得られることもある。本記載上、生物またはNP酵素(中温菌または中温性)は、40−55°Cの最適温度範囲を含む18−60°Cまでの温度で、機能するまたはNP活性を実行することができるものである。生物またはNP酵素(好熱菌または好熱性)は、60°C以上、最大で80°Cまでの温度で、機能するまたはNP活性を実行することができるものである。生物またはNP酵素(超好熱菌または超好熱性)は、80−95°Cの最適温度範囲を含む80°C以上、最大で100°Cまでの温度で、機能するまたはNP活性を実行することができるものである。加えて、本発明で使用される酵素は、遺伝的組み換え技術によって得られ、それぞれのコード化核酸配列を実行する対応ベクターで形質転換した宿主細胞中で発現されるクローン化酵素であってもよい。
本発明に従ってNP酵素をコード化する核酸分子は好ましくは以下から選択される:SEQ ID No.1、2、5、7、9、または11、あるいは
a)SEQ ID No.1、2、5、7、9、または11の補体であるヌクレオチド配列、あるいは、
b)SEQ ID No.1、2、5、7、9、または11で変性したヌクレオチド配列、あるいは、
c)SEQ ID No.1、2、5、7、9、または11に、SEQ ID No.1、2、5、7、9、または11の補体に、あるいはSEQ ID No.1、2、5、7、9、または11に由来するハイブリダイゼーションプローブに、あるいは、これらの補体の組み合わせに、高ストリンジェンシー条件下でハイブリッド形成するヌクレオチド配列、あるいは、
d)SEQ ID No.1、2、5、7、9、または11と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列、あるいは、
e)SEQ ID No.1、2、5、7、9、または11と少なくとも59%の配列同一性を有するヌクレオチド配列、あるいは、
f)SEQ ID No:3、4、6、8、10、または12から選択されるアミノ酸配列をコード化するヌクレオチド配列。
本発明の意味でのストリンジェンシーハイブリダイゼーションの条件は、Sambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989), 1.1011.104に記載されるものとして定義される。これに従って、ストリンジェントな条件下でのハイブリダイゼーションは、陽性のハイブリダイゼーションシグナルは、55°Cで、好ましくは62°Cで、最も好ましくは68°Cで1xSSC緩衝液と0.1%SDSで1時間洗浄した後に、とりわけ、55°Cで、好ましくは62°Cで、最も好ましくは68°Cで0.2xSSC緩衝液と0.1%SDSで1時間洗浄した後に依然として観察される。
さらに、本記載の意味において、本発明はヌクレオチドまたはアミノ酸の配列も包含しており、これは、ヌクレオチドまたはアミノ酸の値について、SEQ ID NO.1またはSEQ ID NO.2(ヌクレオチド)またはSEQ ID NO.3またはSEQ ID NO.4(アミノ酸)で示されたヌクレオチドまたはアミノ酸の配列に対して、それぞれ少なくとも59%、特に好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%の同一性を有している。同一性のパーセント以下の方程式によって決められる:
I=(n/L)x100
ここで、Iは、同一性の百分率であり、Lは塩基性配列の長さであり、nは塩基性配列に対するある配列のヌクレオチドまたはアミノ酸の差の数である。
本発明のまた別の主題は、発現制御配列と動作可能に結合した、上に定義されるような核酸分子の少なくとも1つのコピーを含む組み換えベクターである。ベクターは任意の原核生物または真核生物のベクターであってもよい。原核生物のベクターの例は、バクテリオファージ(例えば、バクテリオファージλ)などの染色体ベクター、およびプラスミドなどの染色体外ベクターである(例えば、Sambrook et al., supra, Chapter 1−4を参照)。ベクターは真核生物のベクター、例えば、酵母ベクターまたはより高度な細胞に適したベクター、あるいはプラスミドベクター、ウイルスベクター、または植物ベクターであってもよい。適切な真核生物のベクターは、例えば、Sambrook et al., supra, Chapter 16に記載されている。本発明は、上に記載されているような核酸または組み換えベクターで形質転換した組み換え型の細胞にも関する。細胞は任意の細胞、例えば、原核細胞または真核細胞であってもよい。原核細胞、とりわけ大腸菌細胞が特に好ましい。
本記載上、本発明は変異体、SEQ ID NO:1乃至のSEQ ID NO:12の変異体または相同分子種を包含している。
明細書全体にわたって使用されるような「変異体」との用語は、それぞれ核酸のヌクレオチド配列または1つ以上のヌクレオチドまたはアミノ酸によって変化したタンパク質またはポリペプチドの核酸配列またはアミノ酸配列を意味することが理解されよう。変異体は「保存的な」変化を有することもあり、ここで、置換されたヌクレオチドまたはアミノ酸は、置き換えられたヌクレオチドまたはアミノ酸に類似する構造または化学的性質を有している。変異体は1つ以上のヌクレオチドまたはアミノ酸の「非保存的な」変化または欠失および/または挿入も有することがある。この用語は、特定の核酸またはタンパク質またはポリペプチド向けのヌクレオチドまたはアミノ酸の任意の挿入/欠失をその範囲内に含んでいる。「機能的な変異体」は、参照ヌクレオチド配列またはタンパク質またはポリペプチドの機能的能力を保持する変異体を意味することが理解されよう。
本明細書で使用されるような「補体」または「相補的な」との用語は、DNAやRNAなどの20の二本鎖の核酸のそれぞれの鎖が、その間の塩基対が2つまたは3つの水素結合によって非共有的に結合されているという点で、他のものに対して相補的であるということを意味することもある。DNAについては、アデニン(A)塩基はチミン(T)塩基を補完し、その逆もまた然りであり、グアニン(G)塩基はシトシン(C)塩基を補完し、その逆もまた然りである。RNAでは、アデニン(A)塩基がチミン(T)塩基の代わりにウラシル(U)塩基を補完するということを除けば、同じである。DNAとRNAで見られる塩基のそれぞれについて1つの25相補的塩基(25 complementary base)しか存在しないため、任意の一本鎖の相補鎖を再度コンストラクトすることができる。
明細書全体で使用されるような用語「相同分子種」は、異なる種で見られる相同染色体またはmiRNA配列として理解されよう。
「組み換えDNA分子」は、本明細書下では、分子の生物学的処置を受けたDNA分子として理解される。ゆえに、「組み換えDNA」との用語は、通常は一緒に生じないDNA配列を組み合わせることによって作成される、自然には存在しないDNAの形態である。「組み換えDNA分子」は、いったん宿主細胞に導入されると、宿主細胞により複製される。本明細書の「組み換えタンパク質または酵素」は、「組み換えDNA分子」を採用する方法によって作成されたタンパク質または酵素を意味し、したがって、本記載上、組み換え型の酵素または組み換えタイプの酵素はとの用語は、組み換えDNAに由来するタンパク質または酵素として理解されるはずである。
本明細書上、変異酵素とは、自然発生した、または、遺伝子操作を含むヒトの操作によって引き起こされた、少なくとも1つの変異を示す任意の酵素を意味する。
これに反して、天然、自然、または自然発生の酵素は、すべてが同意後としてとらえられる本明細書の目的のために、その以前のアミノ酸配列を保護する酵素を意味し、変異なしで、主に自然に広まっていることが分かる。
本発明の酵素の機能部分は、全酵素配列のそのすべての生体触媒特性を発揮する能力を維持する、元の酵素の又はそれをコード化するDNA断片の任意の配列フラグメントを意味する。
用語、シトシンヌクレオシドアナログは、本明細書の目的のために、シトシンのヌクレオシドアナログまたはシトシン誘導体のヌクレオシドアナログのいずれかを意味する。同じように、用語、シトシン塩基は、本明細書に制約されるものとして、塩基シトシンまたはその誘導体を意味する。同様に、用語、修飾されたシトシン塩基は、本明細書で使用されるように、式IIによって表わされる化合物を包含し、ここでシトシン塩基の骨格は、位置4、5または6で置換される。
本記載は、医薬品有効成分(API)、その中間物またはプロドラッグ、例えば、これらのAPIまたはその中間物、以下の式Iのヌクレオシドアナログ(NA)として特に有用な、シトシンヌクレオシドアナログを産生するための酵素プロセスを開示し:
式中、
は、O、CH、S、NHであり;
は、Zとは無関係に、O、C(RS2S5)、S(RS2S5)、S(RS2)、S(RS5)、好ましくは、基SOまたはSO;N(RS2S5)、N(RS2)、N(RS5)であり;
S1は、
から選択される、水素、OH、そのエーテルまたはエステルであり、nは0または1であり、Aは酸素または窒素であり、および各Mは、独立して、水素、随意に置換されたアルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってPに随意に結合した随意に置換されたアリール、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってPに随意に結合した随意に置換された複素環、または限定されないが、ナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはアルキルアンモニウムなどの薬学的に許容可能な対イオンであり;
S2は、水素、OHまたはそのエーテルまたはエステルの残基、ハロゲン、好ましくは、F、CN、NH、SH、C≡CH、Nであり;
S3は、2’−デオキシリボヌクレオシドまたはアラビノヌクレオシドに由来するNAの場合において、水素であり、あるいは、NAがリボヌクレオシドに由来するときに、OH、NH、ハロゲン、好ましくは、F、OCHから選択され;
S4は、水素、OHまたはそのエーテルまたはエステルの残基、NH、ハロゲン、好ましくは、F、CNであり;
但し、RS1およびRS4の両方は、OH残基のエーテルまたはエステルであったときに異なることを前提とし;
S5は、Zが酸素とは異なるときに、水素、OHまたはそのエーテルまたはエステルの残基、NHまたはハロゲン、好ましくは、Fであり;
は、O、CH、S、NHであり;
は、水素、随意に置換されたアルキル鎖、好ましくはC4−40アルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってNに結合した随意に置換されたアリール、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってNに結合した随意に置換された複素環、COR、CONR、CO、C(S)OR、CN、SR、SO、SO、CN、P(O)アリール、P(O)複素環、P(S)アリール、P(S)複素環、P(O)Oであり;
は、水素、随意に置換されたアルキル鎖、好ましくはC4−40アルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってNに結合した随意に置換されたアリール、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってNに結合した随意に置換された複素環、COR、CONR、CO、C(S)OR、CN、SR、SO、SO、CN、P(O)アリール、P(O)複素環、P(S)アリール、P(S)複素環、P(O)Oであり;RおよびRは、互いに独立しており;但し、少なくとも1つのRまたはRが、水素とは異なることを前提とし;
は、水素、OH、NH、SH、ハロゲン(好ましくはFまたはI);随意に置換されたアルキル鎖;随意に置換されたアルケニル鎖;随意に置換されたアルキニル鎖、トリハロアルキル、OR、NR、CN、COR、CONR、CO、C(S)OR、OCONR、OCO、OC(S)OR、NHCONR、NHCO、NHC(S)OR、SONR、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってYに結合した随意に置換されたアリール、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってYに結合した随意に置換された複素環、および独立して、
から選択される、R、R、R、RまたはRの任意の随意に置換された複素環または随意に置換されたアリールであり、
但し、Yが炭素または硫黄の原子であることを前提とし、あるいはYが窒素原子であることを前提に、Rは欠けており;
式中、
Xは、O、S、N−RB2、Seであり;RB1は、H、OH、NH、SH、直鎖または分枝鎖のC1−10アルキル、F、Cl、Br、I、X−RB2、−C≡C−RB2、COB2であり;RB2は、H、OH、NH、直鎖または分枝鎖のC1−5アルキル、フェニルであり;
は、水素、OH、NH、SH、ハロゲン(好ましくはFまたはI)、随意に置換されたアルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、トリハロアルキル、OR、NR、CN、COR、CONR、CO、C(S)OR、OCONR、OCO、OC(S)OR、NHCONR、NHCO、NHC(S)OR、SONR;CH−複素環、CN;
および独立して、
から選択される、R、R、R、RまたはRの任意の随意に置換された複素環または随意に置換されたアリールであり、
式中、
Xは、O、S、N−RB2、Seであり;RB1は、H、OH、NH、SH、直鎖または分枝鎖のC1−10アルキル、F、Cl、Br、I、X−RB2、−C≡C−RB2、COB2であり;RB2は、H、OH、NH、直鎖または分枝鎖のC1−5アルキル、フェニルであり;
およびRは、互いに無関係に、水素、随意に置換されたアルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、複素環、または随意に置換されたアリールであり;
は、水素、随意に置換されたアルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、随意に置換されたアリール、随意に置換された複素環であり;
Yは、C、N、Sであり;
ここで、シトシンヌクレオシドアナログを産生するプロセスは、本発明のプロセスの化学酵素的に好ましい実施形態が利用されたときに、以下の工程を含む:
(i)式IIの中間化合物中の置換基RおよびRとして記載される適切な置換基を組み込むために、シトシン塩基をシトシン誘導体中のN位置でアミノ基を修飾するための適切な試薬と化学反応させる工程であって、以下の式IIの中間化合物が、従来の精製方法によって本工程の終わりに随意に精製され;
代替的に、本発明のプロセスが、市場で入手可能な又は前に合成された、式IIによって表わされる出発生成物(修飾されたシトシン塩基)から直接始めることができる、工程:
(ii)上記の修飾されたシトシン塩基を適切なヌクレオシドアナログの出発物質と反応させる工程であって、その反応が、適切な反応水性媒体中で、および適切な反応条件下で、ヌクレオシドホスホリラーゼ酵素(NP)、好ましくはピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ酵素(PyNP)を、式IIのシトシン誘導体および以下の式IIIのヌクレオシドアナログを含む出発物質の混合物に加えることを含み:
式中、
は、O、CH、S、NHであり;
は、Zとは無関係に、O、C(RS2S5)、S(RS2S5)、S(RS2)、S(RS5)、好ましくは、基SOまたはSO;N(RS2S5)、N(RS2)、N(RS5)であり;
S1は、
から選択される、水素、OH、そのエーテルまたはエステルであり;
nは0または1であり、Aは酸素または窒素であり、および各Mは、独立して、水素、随意に置換されたアルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってPに随意に結合した随意に置換されたアリール、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってPに随意に結合した随意に置換された複素環、または限定されないが、ナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはアルキルアンモニウムなどの薬学的に許容可能な対イオンであり;
S2は、水素、OHまたはそのエーテルまたはエステルの残基、ハロゲン、好ましくは、F、CN、NH、SH、C≡CH、Nであり;
S3は、2’−デオキシリボヌクレオシドまたはアラビノヌクレオシドに由来するNAの場合において、水素であり、あるいは、NAがリボヌクレオシドに由来するときに、OH、NH、ハロゲン(好ましくはF)、OCHから選択され;
S4は、水素、OHまたはそのエーテルまたはエステルの残基、NH、ハロゲン、好ましくは、F、CNであり;
但し、RS1およびRS4の両方は、OH残基のエーテルまたはエステルであったときに異なることを前提とし;
S5は、Zが酸素とは異なるときに、水素、OHまたはそのエーテルまたはエステルの残基、NHまたはハロゲン、好ましくはFであり;
は、O、CH、S、NHであり;
は、水素、随意に置換されたアルキル鎖、好ましくはC4−40アルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってNに結合した随意に置換されたアリール、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってNに結合した随意に置換された複素環、COR、CONR、CO、C(S)OR、CN、SR、SO、SO、CN、P(O)アリール、P(O)複素環、P(S)アリール、P(S)複素環、P(O)Oであり;
は、水素、随意に置換されたアルキル鎖、好ましくはC4−40アルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってNに結合した随意に置換されたアリール、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってNに結合した随意に置換された複素環、COR、CONR、CO、C(S)OR、CN、SR、SO、SO、CN、P(O)アリール、P(O)複素環、P(S)アリール、P(S)複素環、P(O)Oであり;RおよびRは、互いに独立しており;但し、少なくとも1つのRまたはRが、水素とは異なることを前提とし;
は、水素、OH、NH、SH、ハロゲン(好ましくはFまたはI);随意に置換されたアルキル鎖;随意に置換されたアルケニル鎖;随意に置換されたアルキニル鎖、トリハロアルキル、OR、NR、CN、COR、CONR、CO、C(S)OR、OCONR、OCO、OC(S)OR、NHCONR、NHCO、NHC(S)OR、SONR、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってYに結合した随意に置換されたアリール、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってYに結合した随意に置換された複素環、および独立して、
から選択される、R、R、RまたはRの任意の随意に置換された複素環または随意に置換されたアリールであり、
但し、Yが炭素または硫黄の原子であることを前提とし、あるいはYが窒素原子であることを前提に、Rは欠けており;
式中、
Xは、O、S、N−RB2、Seであり;RB1は、H、OH、NH、SH、直鎖または分枝鎖のC1−10アルキル、F、Cl、Br、I、X−RB2、−C≡C−RB2、COB2であり;RB2は、H、OH、NH、直鎖または分枝鎖のC1−5アルキル、フェニルであり;
は、水素、OH、NH、SH、ハロゲン(好ましくはFまたはI)、随意に置換されたアルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、トリハロアルキル、OR、NR、CN、COR、CONR、CO、C(S)OR、OCONR、OCO、OC(S)OR、NHCONR、NHCO、NHC(S)OR、SONR;CH−複素環、CN;
および独立して、
から選択される、R、R、RまたはRの任意の随意に置換された複素環または随意に置換されたアリールであり、
式中、
Xは、O、S、N−RB2、Seであり;RB1は、H、OH、NH、SH、直鎖または分枝鎖のC1−10アルキル、F、Cl、Br、I、X−RB2、−C≡C−RB2、COB2であり;RB2は、H、OH、NH、直鎖または分枝鎖のC1−5アルキル、フェニルであり;
およびRは、互いに無関係に、水素、随意に置換されたアルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、複素環、または随意に置換されたアリールであり;
は、水素、随意に置換されたアルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、随意に置換されたアリール、随意に置換された複素環であり;
Yは、C、N、Sである、工程;
(iii)従来の精製方法によってさらに精製された、式Iのシトシンヌクレオシドアナログで遊離した一級アミノNを回収するために、シトシンヌクレオシドアナログにおけるN位置でアミノ基を随意に脱保護する工程。
好ましくは、出発物質の式IIIにおいて塩基を構成する複素環は、ウラシル、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ヒポキサンチン、キサンチン、チオウラシル、チオグアニン、9−H−プリン−2−アミン、7−メチルグアニン、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5,6−ジヒドロウラシル、5−メチルシトシンおよび5−ヒドロキシメチルシトシン、並びにそれらの任意の置換された誘導体から選択される。
さらに、式IIの対応する核酸塩基を得るために修飾される遊離したシトシンまたはシトシン誘導体は、好ましくは以下から選択される:
さらに、式Iのヌクレオシドアナログにおけるシトシン核酸塩基は、好ましくは以下から選択される:
本明細書に記載されるプロセスによって、産生されるAPI、その中間物またはプロドラッグは、以下から選択される:カペシタビン、デシタビン(アザ−dCydまたはDAC)、5−アザシチジン(アザ−Cyd)、シタラビン(アラ−C)、エノシタビン(BH−AC)、ゲムシタビン(dFdC)、ザルシタビン(ddC)、イバシタビン、サパシタビン(Sapacitabine)、2’−C−シアン−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノ−ペントフラノシルシトシン(CNDAC)、ガロシタビン、バロプリシタビン(Valopricitabine)(NM283)、2’−デオキシ−4’−チオシチジン、チアラビン(T−araC)、2’−デオキシ−4’−チオ−5−アザシチジンまたはアプリシタビン(Apricitarabine)(ATC)。
より好ましくは、産生されるAPI、その中間物またはプロドラッグは、カペシタビン、デシタビン(アザ−dCydまたはDAC)、5−アザシチジン(アザ−Cyd)、シタラビン(アラ−C)から選択され、さらにより好ましくは、記載されたプロセスは、特にカペシタビンまたはシタラビンの工業生産に向けられている。
さらに、本明細書に記載されるプロセスを実施する1つのより好ましい実施形態では、産生されるAPI、その中間物またはプロドラッグは、カペシタビンである(模式図2)。
カペシタビンの酵素的または化学酵素的な合成のいずれかの生体触媒工程(酵素の工程)を、好ましくは20−120℃の範囲の温度で実行した。
さらに、本明細書に記載されるプロセスを実施する1つのより好ましい実施形態では、産生されるAPI、その中間物またはプロドラッグは、シタラビンである(模式図3)。
本記載の生体触媒プロセスを行う目的のために、出願人は、NP酵素または単離されたNP酵素を含有している生物、好ましくは、両方の場合において、PyNP酵素または酵素のPyNP/PNP混合物を選択し、ここで、それらを含有している酵素または微生物のいずれかは、それらが、40−55℃の最適温度範囲を有する、18℃から60℃までの範囲の温度で、作用することができる且つヌクレオシドトランスフェラーゼ活性を実行することができるという意味で、中温菌または中温性であった。生物またはNP酵素、特にPyNP酵素、好熱菌、または好熱性は、60℃から80℃までの範囲の温度で、作用することができるか、またはヌクレオシドトランスフェラーゼ活性を実行することができる。生物またはNP酵素、特にPyNP酵素、超好熱菌、または超好熱性は、80−95℃の最適温度範囲を有する、80℃から100℃までの温度で、作用することができる且つヌクレオシドトランスフェラーゼ活性を実行することができる。
本発明のプロセスに使用されるNP(PyNP)酵素は、中温性の生物、一例として、細菌、特に大腸菌、または中温性、好熱性、または超好熱性の古細菌、特にサーモプロテイ綱(Thermoprotei class)から選択される、およびより具体的には、WO2011/076894に開示される属および種から選択される、微生物から単離され得る。さらにより好ましいヌクレオシドホスホリラーゼは、本発明に従って、スルホロブス・ソルファタリカス(Sulfolobus solfataricus)およびアエロパイラム・ペルニクス(Aeropyrum pernix)からのものである。
本発明のさらに別の実施形態は、SEQ ID NO:1またはSEQ ID NO:2から選択される、核酸配列またはそのフラグメントによってコード化されたアミノ酸配列を含む、組み換えNP酵素の開示されるプロセスでの使用に関する。DNA配列の両方は、古細菌、より具体的には、ヌクレオシドホスホリラーゼ酵素に対する相同配列を有している古細菌から単離される。
本記載の全体にわたって記載されるように、本発明のプロセスを実施するための好ましい実施形態は、塩基転移のワンステップ−ワンポット反応(one step−one pot reaction)を実施するための、中温性、好熱性、または超好熱性のNP酵素の生体触媒、即ち、プリンNP(PNP)、またはピリミジンNP(PyNP)のいずれか、あるいはその混合物としての使用に基づいている。好ましくは、好熱性または超好熱性のNP酵素は、60℃から100℃までの範囲の温度で、より具体的には、本明細書に記載される適切な反応条件で、核酸塩基転移のワンステップ−ワンポット反応を実行することができるNP酵素活性をコード化する、遺伝子配列またはそのフラグメントを含む、組み換えのタイプである。
本記載の目的のために、本発明の生体触媒プロセスに使用される好ましい酵素、それをクローン化する方法、それをコード化する核酸配列を保持するベクター、前述のベクターで形質転換された宿主細胞のすべては、本発明の発明者のうちの数人の名の下で、WO2011/076894に開示される(その特許出願の全体の明細書が、引用によって本明細書に完全に包含される)。
本発明のプロセスの異なる実施形態を実行するための適切な条件は、以下を含む:
a)20℃−120℃の範囲の温度
b)1−1000時間の範囲の反応時間
c)1−1000mMの範囲の出発物質の濃度
d)1:5から5:1までの範囲の化学量論的なヌクレオシドの出発物質:核酸塩基
e)0.001−100mg/mlの範囲のNP酵素の量
f)反応媒体に加えられた(随意に有機溶媒中に溶解された)核酸塩基
g)随意に40%までの適切な有機溶媒も含有している水性反応媒体(好ましくは20%、およびより好ましくは5%まで)。
随意に、有機溶媒は、反応媒体に加えられ得るか、または事前に核酸塩基を溶解するために使用され得る。極性の非プロトン性溶媒が好ましく、これは好ましくは、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)またはジメチルスルホキシド(DMSO)から選択される。
本発明によるプロセスはまた、沈澱、ろ過、濃縮または結晶化から選択される標準的な操作手段によって産生されたNAの単離及び/又は精製の工程を含む。
好熱性のNP酵素は、核酸塩基の転移反応を時間および全収率の点でより効率的にする、より高い温度で作用することができる。
本発明のプロセスは、本発明の実施形態、カペシタビンの産生(模式図2)として具体的に開示され、ここで、出発物質として使用されるリボヌクレオシドは、5’−デオキシウリジン、5’−デオキシ−5−メチルウリジンまたは5’−クロロ−5’−デオキシウリジンから選択される5’−デオキシリボフラノシルヌクレオシドであり;PyNP酵素によって変換される出発物質として使用される核酸塩基は、ペンチル(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)カルバメートであり、PyNPは、細菌から単離された、自然発生の中温性、好熱性、または超好熱性の酵素である。
本発明のプロセスの代替的な1つの実施形態は、産生されるAPIがカペシタビン(模式図2)であり、出発物質として使用されるリボヌクレオシドが、5’−デオキシウリジン、5’−デオキシ−5−メチルウリジンまたは5’−クロロ−5’−デオキシウリジンであり、PyNP酵素によって変換される出発物質としても使用される核酸塩基が、ペンチル(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)カルバメートであり、PyNPが、組み換えの中温性、好熱性、または超好熱性の酵素であり、そのクローン化されたDNAが細菌から単離された、実施形態である。
本発明のプロセスのさらなる実施形態は、産生されるAPIがカペシタビン(模式図2)であり、出発物質として使用されるリボヌクレオシドが、5’−デオキシウリジン、5’−デオキシ−5−メチルウリジンまたは5’−クロロ−5’−デオキシウリジンであり、PyNP酵素によって変換される出発物質としても使用される核酸塩基が、ペンチル(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)カルバメートであり、PyNPが、古細菌から単離された、自然発生の中温性、好熱性、または超好熱性の酵素である、実施形態である。
本発明のプロセスのさらに別の実施形態は、産生されるAPIがカペシタビン(模式図2)であり、出発物質として使用されるリボヌクレオシドが、5’−デオキシウリジン、5’−デオキシ−5−メチルウリジンまたは5’−クロロ−5’−デオキシウリジンであり、PyNP酵素によって変換される出発物質としても使用される核酸塩基が、ペンチル(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)カルバメートであり、PyNPが、古細菌から単離された、組み換えの中温性、好熱性、または超好熱性の酵素である、実施形態である。
本発明のプロセスはまた、産生されるAPIがシタラビン(模式図3)であり、出発物質として使用されるリボヌクレオシドがアラビノフラノシルウラシルまたはアラビノヌクレオシドであり、PyNP酵素によって変換される出発物質としても使用される核酸塩基が、N−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)ペンタンアミドであり、PyNPが、細菌から単離された、自然発生の中温性、好熱性、または超好熱性の酵素である、実施形態によって表わされる。
本発明のプロセスの実施形態の別の一実施形態は、産生されるAPIがシタラビン(模式図3)であり、出発物質として使用されるリボヌクレオシドがアラビノフラノシルウラシルまたはアラビノヌクレオシドであり、PyNP酵素によって変換される出発物質としても使用される核酸塩基が、N−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)ペンタンアミドであり、PyNPが、組み換えの中温性、好熱性、または超好熱性の酵素であり、そのクローン化されたDNAが細菌から単離された、実施形態である。
本発明のプロセスの更なる実施形態は、産生されるAPIがシタラビン(模式図3)であり、出発物質として使用されるリボヌクレオシドがアラビノフラノシルウラシルまたはアラビノヌクレオシドであり、PyNP酵素によって変換される出発物質としても使用される核酸塩基が、N−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)ペンタンアミドであり、PyNPが、自然発生の中温性、好熱性、または超好熱性の酵素であり、そのクローン化されたDNAが古細菌から単離された、実施形態である。
本発明のプロセスの別の実施形態は、産生されるAPIがシタラビン(模式図3)であり、出発物質として使用されるリボヌクレオシドがアラビノフラノシルウラシルまたはアラビノヌクレオシドであり、PyNP酵素によって変換される出発物質としても使用される核酸塩基が、N−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)ペンタンアミドであり、PyNPが、組み換えの中温性、好熱性、または超好熱性の酵素であり、そのクローン化されたDNAが古細菌から単離された、実施形態である。
同じ発明概念の部分を形成して、本記載はまた、上に記載されるような本発明のプロセスのいずれかでの使用のための、組み換えヌクレオシドホスホリラーゼ酵素(PNPまたはPyNPのいずれか)を開示する。天然または組み換えのNP酵素は、中温性の生物、より好ましくは細菌および古細菌から;または好熱性の生物、より好ましくは細菌および古細菌から;あるいは超好熱性の生物、より好ましくは細菌および古細菌から単離され得、およびより具体的にはスルホロブス・ソルファタリカスおよびアエロパイラム・ペルニクスから単離され得る。
また、単一の発明に関連する概念を統合する同じ方針で、本記載はまた、API、その中間物またはプロドラッグの産生における中温性、好熱性、または超好熱性のヌクレオシドホスホリラーゼ(NP o PyNP)、例えば、抗癌または抗ウイルスの薬剤として有用な、それらのAPI、中間物またはプロドラッグ、シトシンヌクレオシドアナログ(NA)の使用を開示している。より好ましくは、前に言及された使用は、以前に詳述された、API、その中間物またはプロドラッグとしてのNAの産生プロセスおよびその変形によって達成される。特に、その前に言及された使用に関連して、組み換えの好熱性のヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP、PyNPまたはその混合物)は、API、例えば、抗癌または抗ウイルスの薬剤として特に有用な、APIまたはその中間物、ヌクレオシドアナログ(NA)の産生に好ましい。
そのような使用によって産生されたAPI、その中間物またはプロドラッグの中で、以下が見られ得る:
カペシタビン、デシタビン(アザ−dCydまたはDAC)、5−アザシチジン(アザ−Cyd)、シタラビン(アラ−C)、エノシタビン(BH−AC)、ゲムシタビン(dFdC)、ザルシタビン(ddC)、イバシタビン、サパシタビン、2’−C−シアン−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノ−ペントフラノシルシトシン(CNDAC)、ガロシタビン、バロプリシタビン(NM283)、2’−デオキシ−4’−チオシチジン、チアラビン(T−araC)、2’−デオキシ−4’−チオ−5−アザシチジンまたはアプリシタビン(ATC)。
より好ましくは、本明細書に開示される酵素の使用によって産生されたAPI、その中間物またはプロドラッグは、カペシタビン、デシタビン(アザ−dCydまたはDAC)、5−アザシチジン(アザ−Cyd)、シタラビン(アラ−C)から選択され、さらにより好ましくは、記載されたプロセスは、カペシタビンまたはシタラビン、およびそれぞれの中間物またはプロドラッグの工業生産に特に向けられている。また、本発明には、適切な宿主内でヌクレオシドホスホリラーゼの発現または過剰発現を配向する1つ以上の制御配列に操作可能に結合されたヌクレオシドホスホリラーゼ酵素活性(NP)をコード化する配列を含む、組み換え発現ベクターが包含される。本発明による好ましい組み換え発現ベクターは、好熱性および超好熱性の古細菌、好ましくはクレンアーキオータ(Crenarchaeote)、およびより好ましくはサーモプロテイ綱、例えば、サーモフィルム・ペンデンス(Thermofilum pendens)(株Hrk5)からの推定タンパク質に対する、A1RW90(A1RW90THEPD);スルホロブス・ソルファタリカスからの推定タンパク質に対する、Q97Y30(Q97Y30SULSO);スタフィロサームス・マリヌス(Staphylothermus marinus)(株ATCC 43588/DSM 3639/FI)からの推定タンパク質に対する、A3DME1(A3DME1 STAMF);アエロパイラム・ペルニクスからの推定タンパク質に対する、Q9YA34(Q9YA34AERPE);ハイパーサーマス・ブチリカス(Hyperthermus butylicus)(株DSM 5456/JCM 9403)からの推定タンパク質に対する、A2BJ06(A2BJ06HYPBU);およびアシジロバス・サッカロボラン(Acidilobus saccharovorans)(株DSM 16705/VKM B−2471/345)からの推定タンパク質に対する、D9PZN7(D9PZN7ACIS3)、に存在するNP酵素活性をコード化する任意の保持する(carrying)、および発現または過剰発現する遺伝子である。
本発明による好ましい組み換え発現ベクターは、SEQ ID NO:1、2、5、7、9または11、または以下から選択される核酸配列を保持および発現またか過剰発現する:
a)SEQ ID NO:1、2、5、7、9または11の補体であるヌクレオチド配列;または
b)SEQ ID NO:1、2、5、7、9または11により変性しているヌクレオチド配列;または
c)SEQ ID NO:1、2、5、7、9または11に対して;SEQ ID NO:1、2、5、7、9または11の補体に対して;またはSEQ ID NO:1、2、5、7、9または11に由来するハイブリダイゼーションプローブに対して;あるいはそれらの補体に対して、高いストリンジェンシーの条件下でハイブリッド形成するヌクレオチド配列;または
d)SEQ ID NO:1、2、5、7、9または11との少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列;または
e)SEQ ID NO:1、2、5、7、9または11との少なくとも59%の配列同一性を有するヌクレオチド配列;あるいは
f)SEQ ID NO:3、4、6、8、10または12から選択されるアミノ酸配列をコード化するヌクレオチド配列。
本発明はまた、組み換えNPの産生または医薬品有効成分(API)、その中間物またはプロドラッグの産生のいずれかのための、前に言及した組み換え発現ベクターの使用を包含し、これらのAPIまたはその中間物は、抗癌または抗ウイルスの薬剤として特に有用なヌクレオシドアナログ(NA)である。特に、前述の使用によって産生されたAPI、その中間物またはプロドラッグは、以下から選択される:カペシタビン、デシタビン(アザ−dCydまたはDAC)、5−アザシチジン(アザ−Cyd)、シタラビン(アラ−C)、エノシタビン(BH−AC)、ゲムシタビン(dFdC)、ザルシタビン(ddC)、イバシタビン、サパシタビン、2’−C−シアン−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノ−ペントフラノシルシトシン(CNDAC)、ガロシタビン、バロプリシタビン(NM283)、2’−デオキシ−4’−チオシチジン、チアラビン(T−araC)、2’−デオキシ−4’−チオ−5−アザシチジンおよびアプリシタビン(ATC)。
より具体的には、産生されるAPI、その中間物またはプロドラッグは、カペシタビン、デシタビン(アザ−dCydまたはDAC)、5−アザシチジン(アザ−Cyd)、シタラビン(アラ−C)から選択され:さらにより好ましくは、本明細書に記載される発現ベクターは、カペシタビンまたはシタラビン、その中間物またはプロドラッグの工業生産に特に適している。より好ましくは、API、その中間物またはプロドラッグの産生のための前に言及した使用は、前にも詳述された、産生プロセスおよびその変形によって達成される。
本発明はまた、前に記載された、特に前記宿主細胞が大腸菌であるときの、組み換え発現ベクターを含む宿主細胞を包含する。同じ発明の単一の関連する概念の一部として含まれる、前に記載されたような組み換え発現ベクターを含む宿主細胞の使用も、組み換えNP(o PyNP)の産生のために熟慮される。同様に、医薬品有効成分(API)、その中間物またはプロドラッグの産生のための、前に記載されたような組み換え発現ベクターを含む宿主細胞の使用も、本発明の一部である(それらのAPIまたはその中間物は、抗癌または抗ウイルスの薬剤として有用なシトシンヌクレオシドアナログ(NA)である)。それは特に、前に記載されたような組み換え発現ベクターを含む宿主細胞が、以下から選択されるAPI、その中間物またはプロドラッグの産生のために使用される場合に当てはまる:カペシタビン、デシタビン(アザ−dCydまたはDAC)、5−アザシチジン(アザ−Cyd)、シタラビン(アラ−C)、エノシタビン(BH−AC)、ゲムシタビン(dFdC)、ザルシタビン(ddC)、イバシタビン、サパシタビン、2’−C−シアン−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノ−ペントフラノシルシトシン(CNDAC)、ガロシタビン、バロプリシタビン(NM283)、2’−デオキシ−4’−チオシチジン、チアラビン(T−araC)、2’−デオキシ−4’−チオ−5−アザシチジンおよびアプリシタビン(ATC)。
より好ましくは、前に記載された、組み換え発現ベクターによって形質転換された、本発明の宿主細胞を使用して産生された、API、その中間物またはプロドラッグは、カペシタビン、デシタビン(アザ−dCydまたはDAC)、5−アザシチジン(アザ−Cyd)、シタラビン(アラ−C)から選択され:さらにより好ましくは、本明細書に記載される形質転換された宿主細胞は、カペシタビンまたはシタラビン、その中間物またはプロドラッグの工業生産に特に適している。
より好ましくは、前に言及された使用は、以前に詳述された、API、その中間物またはプロドラッグとしてのNAの産生プロセスおよびその変形によって達成される。
比較例1:修飾されていない5−フルオロシトシンおよびデオキシウリジンから出発する5−フルオロ−5’−デオキシシチジンの合成
pH7での30mMの水性リン酸緩衝液および10%のDMSO中の2.5mMの5−フルオロシトシンおよび8.0mMの5’−デオキシウリジンの溶液を、30分間60℃で加熱した。その後、PyNP(5.4U/μmolbase)を加え、反応物を、同じ条件下で4時間60℃で撹拌した。その後、粗反応物を10KDaの膜に通してろ過し、一部を希釈して、HPLCによって分析した。予想される生成物5−フルオロ−5’−デオキシシチジンは、UV−DAD(紫外線−ダイオードのアレイ検出)によって検出されなかった。
比較例2:修飾されていない5−フルオロシトシンおよびクロロ−5’−デオキシウリジンから出発する5−フルオロ−5’−デオキシシチジンの合成
pH7での30mMの水性リン酸緩衝液および10%のDMSO中の2.5mMの5−フルオロシトシンおよび8.6mMの5−クロロ−5’−デオキシウリジンの溶液を、30分間60℃で加熱した。その後、PyNP(5.4U/μmolbase)を加え、反応物を、同じ条件下で4時間60℃で撹拌した。その後、粗反応物を10KDaの膜に通してろ過し、一部を希釈して、HPLCによって分析した。予想される生成物5−フルオロ−5’−デオキシシチジンは、UV−DADによって検出されなかった。
比較例3:修飾されていないシトシンおよびアラビノフラノシルウラシルから出発するシタラビンの合成
pH7での30mMの水性リン酸緩衝液および10%のDMSO中の3.0mMのシトシンおよび10mMの9−(b−D−アラビノフラノシル)ウラシルの溶液を、30分間60℃で加熱した。その後、PyNP(4.4U/μmolbase)を加え、反応物を、同じ条件下で4時間60℃で撹拌した。その後、粗反応物を10KDaの膜に通してろ過し、一部を希釈して、HPLCによって分析した。予想される生成物1−(b−D−アラビノフラノシル)シトシン(シタラビン)は、UV−DADによって検出されなかったが、脱アミノ化を介するシトシン分解からのウラシルが得られた。
比較例4:修飾されていないシトシンおよびアラビノフラノシルシトシンから出発するシタラビンの合成
pH7での30mMの水性リン酸緩衝液および10%のDMSO中の3.0mMのシトシンおよび7.6mMの9−(b−D−アラビノフラノシル)アデニンの溶液を、30分間60℃で加熱した。その後、PyNP(4.4U/μmolbase)を加え、反応物を、同じ条件下で4時間60℃で撹拌した。その後、粗反応物を10KDaの膜に通してろ過し、一部を希釈して、HPLCによって分析した。予想される生成物1−(b−D−アラビノフラノシル)シトシン(シタラビン)は、UV−DADによって検出されなかったが、アデニンの脱アミノ化からのヒポキサンチンおよび基質の脱アミノ化からの9−(b−D−アラビノフラノシル)ヒポキサンチンが得られた。
比較例5:修飾されていないシトシンおよびアラビノフラノシルヒポキサンチンから出発するシタラビンの合成
pH7での30mMの水性リン酸緩衝液および10%のDMSO中の3.0mMのシトシンおよび7.5mMの9−(b−D−アラビノフラノシル)ヒポキサンチンの溶液を、30分間60℃で加熱した。その後、PyNP(4.4U/μmolbase)を加え、反応物を、同じ条件下で4時間60℃で撹拌した。その後、粗反応物を10KDaの膜に通してろ過し、一部を希釈して、HPLCによって分析した。予想される生成物1−(b−D−アラビノフラノシル)シトシン(シタラビン)は、UV−DADによって検出されなかった。
比較例6:修飾されていないシトシンおよびアラビノフラノシルグアニンから出発するシタラビンの合成
pH7での30mMの水性リン酸緩衝液および10%のDMSO中の3.0mMのシトシンおよび8.6mMの9−(b−D−アラビノフラノシル)グアニンの溶液を、30分間60℃で加熱した。その後、PyNP(4.4U/μmolbase)を加え、反応物を、同じ条件下で4時間60℃で撹拌した。その後、粗反応物を10KDaの膜に通してろ過し、一部を希釈して、HPLCによって分析した。予想される生成物1−(b−D−アラビノフラノシル)シトシン(シタラビン)は検出されなかった。
実施例7:ペンチル(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)カルバメートの合成
不活性雰囲気下で、ペンチルクロロホルマート(5g、1.0等量(equiv))を、無水のピリジン中の5−フルオロシトシン(1.0等量)の撹拌した溶液に加え、反応物を60℃に加熱した。2時間後、これ以上の変化は観察されず、反応物を室温で冷却することによってクエンチした。その後、粗反応物をAcOEtおよびHCl 1Nを使用して抽出し、有機相をNaSOによって乾燥し、溶媒を蒸発させた。得た白色固形物を、移動相としてSiOおよびAcOEtを使用してクロマトグラフィーで精製し、所望の生成物(88%)を得た。
実施例8:N−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)−アセトアミドの合成
不活性雰囲気下で、トリエチルアミン(18.1μL、0.13mmol)および塩化アセチル(9.2μL、0.13mmol)を、25時間室温で、無水のDMF中のシトシン(10.0mg、0、09mmol)の撹拌した溶液に加えた。その後、溶媒を蒸発させ、得た帯黄色の固形物を、水で洗浄し、ろ過し、真空内で乾燥して、55%収率の予想される生成物にした。
実施例9:ペンチル(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)カルバメートの合成
不活性雰囲気下で、ペンチルクロロホルマート(0.8mmol、1.0等量)を、無水のピリジン中のシトシン(0.8mmol、1.0等量)の撹拌した溶液に滴下で加え、反応物を60℃に加熱した。2時間後、これ以上の変化は観察されず、反応物を室温で冷却することによってクエンチした。その後、粗反応物をAcOEtおよびHCl 1Nを使用して抽出し、有機相をNaSOによって乾燥し、溶媒を蒸発させた。得た白色固形物を、移動相としてSiOおよびAcOEtを使用してクロマトグラフィーで精製し、所望の生成物を得た。
実施例10:ウリジンから出発するN4−ペンチルオキシカルボニル−5’−デオキシ−5−フルオロシチジン(カペシタビン)の合成
pH7での30mMの水性リン酸緩衝液および10%のDMSO中の2.7mMのペンチル(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)カルバメートおよび8.0mMの5’−デオキシウリジンの溶液を、30分間60℃で加熱した。その後、PyNP(5.0U/μmolbase)を加え、反応物を、同じ条件下で4時間60℃で撹拌した。その後、粗反応物を10KDaの膜に通してろ過し、一部を希釈して、HPLCによって分析した。参照の実施例(Reference Example)1と比較して、予期された生成物N−ペンチルオキシカルボニル−5’−デオキシ−5−フルオロシチジン(カペシタビン)は、68%の収率で検出され、ここで最終生成物は形成または検出されなかった。
実施例11:デオキシウリジンから出発するN4−ペンチルオキシカルボニル−5’−デオキシ−5−フルオロシチジン(カペシタビン)の合成。
pH7での30mMの水性リン酸緩衝液および10%のDMSO中の2.5mMのペンチル(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)カルバメートおよび8.6mMの5’−デオキシウリジンの溶液を、30分間60℃で加熱した。その後、PyNP(5.4U/μmolbase)を加え、反応物を、同じ条件下で4時間60℃で撹拌した。その後、粗反応物を10KDaの膜に通してろ過し、一部を希釈して、HPLCによって分析した。参照の実施例2と比較して、予期された生成物N−ペンチルオキシカルボニル−5’−デオキシ−5−フルオロシチジン(カペシタビン)は、77%の収率で検出され、ここで最終生成物は形成または検出されなかった。
実施例12:アラビノフラノシルウラシルから出発する9−(b−D−アラビノフラノシル)ウラシル(シタラビン)の合成
pH7での30mMの水性リン酸緩衝液および10%のDMSO中の2.5mMのペンチル(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)カルバメートおよび8.6mMの9−(b−D−アラビノフラノシル)ウラシルの溶液を、30分間60℃で加熱した。その後、PyNP(5.4U/μmolbase)を加え、反応物を、同じ条件下で4時間60℃で撹拌した。その後、粗反応物を10KDaの膜に通してろ過し、一部を希釈して、HPLCによって分析した。予想された生成物N−ペンチルオキシカルボニルシチジンが検出された。
位置は、随意に、9−(b−D−アラビノフラノシル)ウラシル(シタラビン)を提供するために脱保護され得る。
実施例13:アラビノフラノシルアデニンから出発する9−(b−D−アラビノフラノシル)ウラシル(シタラビン)の合成
pH7での30mMの水性リン酸緩衝液および10%のDMSO中の2.5mMのペンチル(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)カルバメートおよび8.6mMの9−(b−D−アラビノフラノシル)アデニンの溶液を、30分間60℃で加熱した。その後、PyNP(5.4U/μmolbase)を加え、反応物を、同じ条件下で4時間60℃で撹拌した。その後、粗反応物を10KDaの膜に通してろ過し、一部を希釈して、HPLCによって分析した予想された生成物N−ペンチルオキシカルボニルシチジンが検出された。
位置は、9−(b−D−アラビノフラノシル)ウラシル(シタラビン)を与えるために脱保護され得る。

Claims (14)

  1. 式Iのシトシンヌクレオシドアナログ、その中間物、またはプロドラッグを、化学酵素的または酵素的な合成によって産生するためのプロセスであって、
    式中、
    は、O、CH、S、NHであり、
    は、Zとは無関係に、O、C(RS2S5)、S(RS2S5)、S(RS2)、S(RS5)、好ましくは、基SOまたはSO;N(RS2S5)、N(RS2)、N(RS5)であり、
    S1は、
    から選択される、水素、OH、そのエーテルまたはエステルであり、
    nは0または1であり、Aは酸素または窒素であり、およびそれぞれのMは、独立して、水素、随意に置換されたアルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってPに随意に結合した随意に置換されたアリール、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってPに随意に結合した随意に置換された複素環、または限定されないが、ナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはアルキルアンモニウムなどの薬学的に許容可能な対イオンであり、
    S2は、水素、OHまたはそのエーテルまたはエステルの残基、ハロゲン、F、CN、NH、SH、C≡CH、Nであり、
    S3は、2’−デオキシリボヌクレオシドまたはアラビノヌクレオシドに由来するNAの場合において、水素であり、あるいは、NAがリボヌクレオシドに由来するときに、OH、NH、ハロゲン、F、OCHから選択され、
    S4は、水素、OHまたはそのエーテルまたはエステルの残基、NH、ハロゲン、F、CNであり、但し、RS1およびRS4の両方は、OH残基のエーテルまたはエステルであったときに異なることを前提とし、
    S5は、Zが酸素とは異なるときに、水素、OHまたはそのエーテルまたはエステルの残基、NHまたはハロゲンであり、
    は、O、CH、S、NHであり、
    は、水素、随意に置換されたC4−40アルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってNに結合した随意に置換されたアリール、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってNに結合した随意に置換された複素環、COR、CONR、CO、C(S)OR、CN、SR、SO、SO、CN、P(O)アリール、P(O)複素環、P(S)アリール、P(S)複素環、P(O)Oであり、
    は、水素、随意に置換されたC4−40アルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってNに結合した随意に置換されたアリール、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってNに結合した随意に置換された複素環、COR、CONR、CO、C(S)OR、CN、SR、SO、SO、CN、P(O)アリール、P(O)複素環、P(S)アリール、P(S)複素環、P(O)Oであり;RおよびRは、互いに独立しており;但し、少なくとも1つのRまたはRが、水素とは異なることを前提とし、
    は、水素、OH、NH、SH、ハロゲン;随意に置換されたアルキル鎖;随意に置換されたアルケニル鎖;随意に置換されたアルキニル鎖、トリハロアルキル、OR、NR、CN、COR、CONR、CO、C(S)OR、OCONR、OCO、OC(S)OR、NHCONR、NHCO、NHC(S)OR、SONR、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってYに結合した随意に置換されたアリール、随意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニルの鎖によってYに結合した随意に置換された複素環、および独立して、
    から選択される、R、R、RまたはRの任意の随意に置換された複素環または随意に置換されたアリールであり、
    但し、Yが炭素または硫黄の原子であることを前提とし、あるいはYが窒素原子であることを前提に、Rは欠けており、
    式中、
    Xは、O、S、N−RB2、Seであり;RB1は、H、OH、NH、SH、直鎖または分枝鎖のC1−10アルキル、F、Cl、Br、I、X−RB2、−C≡C−RB2、COB2であり;RB2は、H、OH、NH、直鎖または分枝鎖のC1−5アルキル、フェニルであり、
    は、水素、OH、NH、SH、ハロゲン、随意に置換されたアルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、トリハロアルキル、OR、NR、CN、COR、CONR、CO、C(S)OR、OCONR、OCO、OC(S)OR、NHCONR、NHCO、NHC(S)OR、SONR;CH−複素環、CN;
    および独立して、
    から選択される、R、R、RまたはRの任意の随意に置換された複素環または随意に置換されたアリールであり、
    式中、
    Xは、O、S、N−RB2、Seであり;RB1は、H、OH、NH、SH、直鎖または分枝鎖のC1−10アルキル、F、Cl、Br、I、X−RB2、−C≡C−RB2、COB2であり;RB2は、H、OH、NH、直鎖または分枝鎖のC1−5アルキル、フェニルであり、
    およびRは、互いに無関係に、水素、随意に置換されたアルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、複素環、または随意に置換されたアリールであり、
    は、水素、随意に置換されたアルキル鎖、随意に置換されたアルケニル鎖、随意に置換されたアルキニル鎖、随意に置換されたアリール、随意に置換された複素環であり、
    Yは、C、N、Sであり、
    ここで、シトシンヌクレオシドアナログを産生するプロセスは、
    (i)置換基RおよびRとして記載される適切な置換基を組み込むために、Y、R、R、R、R、およびRが上で定義される通りである式IIのシトシン核酸塩基の前駆体を、N位置のアミノ基を修飾するための適切な試薬と化学反応させる工程であって、形成される修飾されたシトシン核酸塩基が従来の精製方法によって随意に精製されるか、あるいは、代替的に、該プロセスが式IIの核酸塩基によって表わされる出発生成物から直接始まる、工程:
    (ii)式IIの前記修飾されたシトシン核酸塩基を、式IIIの適切なヌクレオシドアナログ基質と生体触媒によって反応させる工程であって、
    式中、
    、Z、RS1、RS2、RS3、RS4、RS5は上の通りに定義され、塩基はウラシル、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ヒポキサンチン、キサンチン、チオウラシル、チオグアニン、9−H−プリン−2−アミン、7−メチルグアニン、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5,6−ジヒドロウラシル、5−メチルシトシンおよび5−ヒドロキシメチルシトシン、プテリドン、ならびに、これらの任意の置換された誘導体から選択され、
    工程ii)で行われる反応は、適切な反応水性媒体中で、および適切な反応条件下で、ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ酵素、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ酵素、又はその組み合わせのいずれかであるヌクレオシドホスホリラーゼ酵素を、式IIのシトシン核酸塩基および式IIIのヌクレオシドアナログを含む出発物質の混合物に加えることを含む、工程、
    (iii)従来の精製方法によってさらに精製された、式Iのシトシンヌクレオシドアナログで遊離した一級アミノNを回収するために、シトシンヌクレオシドアナログにおけるN位置でアミノ基を随意に脱保護する工程、
    を含む、プロセス。
  2. ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ酵素によって変換される式IIのシトシン核酸塩基は以下から選択される、請求項1に記載のプロセス。
  3. ヌクレオシドアナログ、その中間物、またはプロドラッグは、カペシタビン、デシタビン、5−アザシチジン、シタラビン、エノシタビン、ゲムシタビン、ザルシタビン、イバシタビン、サパシタビン、2’−C−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノ−ペントフラノシルシトシン、ガロシタビン、バロプリシタビン、2’−デオキシ−4’−チオシチジン、チアラビン、2’−デオキシ−4’−チオ−5−アザシチジン、およびアプリシタビンから選択される、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. 天然のヌクレオシドホスホリラーゼおよびその突然変異または変異の源、あるいは、組み換えヌクレオシドホスホリラーゼの源は、中温性、好熱性、または超好熱性の生物である、請求項1乃至3のいずれかに記載のプロセス。
  5. 天然のヌクレオシドホスホリラーゼおよびその突然変異または変異の源、あるいは、組み換えヌクレオシドホスホリラーゼの源は、古細菌または細菌から選択される、請求項1乃至4のいずれかに記載のプロセス。
  6. ヌクレオシドホスホリラーゼ酵素は、スルホロブス・ソルファタリカスおよびアエロパイラム・ペルニクスから選択された古細菌から単離される、請求項5に記載のプロセス。
  7. ヌクレオシドホスホリラーゼ酵素またはその機能的な部分は、
    SEQ ID No.1、2、5、7、9、または11、あるいは
    a)SEQ ID No.1、2、5、7、9、または11の補体であるヌクレオチド配列、あるいは、
    b)SEQ ID No.1、2、5、7、9、または11で変性したヌクレオチド配列、あるいは、
    c)SEQ ID No.1、2、5、7、9、または11に、SEQ ID No.1、2、5、7、9、または11の補体に、あるいはSEQ ID No.1、2、5、7、9、または11に由来するハイブリダイゼーションプローブに、あるいは、これらの補体に、高ストリンジェンシー条件下でハイブリッド形成するヌクレオチド配列、あるいは、
    d)SEQ ID No.1、2、5、7、9、または11と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列、あるいは、
    e)SEQ ID No.1、2、5、7、9、または11と少なくとも59%の配列同一性を有するヌクレオチド配列、あるいは、
    f)SEQ ID No:3、4、6、8、10、または12から選択されるアミノ酸配列をコード化するヌクレオチド配列、
    から選択されるヌクレオチド配列によってコード化される、請求項1に記載のプロセス。
  8. 産生されるヌクレオシドアナログはカペシタビンであり、出発物質として用いられるリボヌクレオシドは、5’−デオキシウリジン、5’−デオキシ−5−メチルウリジン、または5’−デオキシ−5−クロロウリジンから選択され、ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ酵素によって変換される出発物質としても用いられる核酸塩基は、ペンチル(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)カルバメートである、請求項3に記載のプロセス。
  9. 産生されるヌクレオシドアナログはシタラビンであり、出発物質として用いられるリボヌクレオシドは、9−(b−D−アラビノフラノシル)ウラシルであり、ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ酵素によって変換される出発物質としても用いられる核酸塩基は、N−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)ペンタンアミドである、請求項3に記載のプロセス。
  10. 天然および突然変異または変異の、あるいは、組み換え酵素の、中温性、好熱性、または超好熱性のヌクレオシドホスホリラーゼ酵素またはその機能的な部分;あるいは、適切な宿主内でヌクレオシドホスホリラーゼの発現または過剰発現を配向する1つ以上の制御配列に動作可能に結合した、天然または組み換えの、中温性、好熱性、または超好熱性のヌクレオシドホスホリラーゼまたはその機能的な部分をコード化する配列を含む組み換え発現ベクター;あるいは、抗癌薬または抗ウイルス薬として有用なシトシンヌクレオシドアナログ、その中間物、またはプロドラッグの産生において、微生物または微生物を含む宿主細胞の使用。
  11. 中温性、好熱性、または超好熱性のヌクレオシドホスホリラーゼ酵素またはその機能的部分は、
    SEQ ID No.1、2、5、7、9、または11、あるいは
    a)SEQ ID No.1、2、5、7、9、または11の補体であるヌクレオチド配列、あるいは、
    b)SEQ ID No.1、2、5、7、9、または11で変性したヌクレオチド配列、あるいは、
    c)SEQ ID No.1、2、5、7、9、または11に、SEQ ID No.1、2、5、7、9、または11の補体に、あるいはSEQ ID No.1、2、5、7、9、または11に由来するハイブリダイゼーションプローブに、あるいは、これらの補体に、高ストリンジェンシー条件下でハイブリッド形成するヌクレオチド配列、あるいは、
    d)SEQ ID No.1、2、5、7、9、または11と少なくとも80%の配列同一性を有するヌクレオチド配列、あるいは、
    e)SEQ ID No.1、2、5、7、9、または11と少なくとも59%の配列同一性を有するヌクレオチド配列、あるいは、
    f)SEQ ID No:3、4、6、8、10、または12から選択されるアミノ酸配列をコード化するヌクレオチド配列、
    から選択される、請求項10に記載の使用。
  12. シトシンヌクレオシドアナログ、その中間物、またはプロドラッグは、カペシタビン、デシタビン、5−アザシチジン、シタラビン、エノシタビン、ゲムシタビン、ザルシタビン、イバシタビン、サパシタビン、2’−C−シアノ−2’−デオキシ−1−β−D−アラビノ−ペントフラノシルシトシン、ガロシタビン、バロプリシタビン、2’−デオキシ−4’−チオシチジン、チアラビン、2’−デオキシ−4’−チオ−5−アザシチジン、およびアプリシタビンから選択される、請求項10または11に記載の使用。
  13. 産生されるシトシンヌクレオシドアナログ、その中間物、またはプロドラッグはカペシタビンである、請求項12に記載の使用。
  14. 産生されるシトシンヌクレオシドアナログ、その中間物、またはプロドラッグはシタラビンである、請求項12に記載の使用。
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