JP2016197648A - 電気二重層キャパシタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 内部ガスの発生によるケース膨れを抑制し、長期安定性の優れた電気二重層キャパシタを提供する。
【解決手段】 電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料を含む分極性電極層1a、2aを有する正極1及び負極2を有し、正極1の分極性電極層1aと、負極2の分極性電極層2aと、の間に、プロトンを捕捉するリチウム化合物が介在する。正極1の分極性電極層1aと負極2の分極性電極層2aとの間に配置されたセパレータ3を更に有し、セパレータ3が、リチウム化合物を含む。
【選択図】図1
【解決手段】 電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料を含む分極性電極層1a、2aを有する正極1及び負極2を有し、正極1の分極性電極層1aと、負極2の分極性電極層2aと、の間に、プロトンを捕捉するリチウム化合物が介在する。正極1の分極性電極層1aと負極2の分極性電極層2aとの間に配置されたセパレータ3を更に有し、セパレータ3が、リチウム化合物を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、負極および正極に電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料を用いた電気二重層キャパシタに関するものである。
従来、電気二重層キャパシタにおいては、分極性電極材料の電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料として、例えば、活性炭が負極および正極に用いられている。これらの負極と正極を、例えばセルロース系のセパレータを介して対向させて、電気二重層キャパシタ素子が形成される。このキャパシタ素子に電解液を含浸して、電気二重層キャパシタが構成される。
しかしながら、このような電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料を用いた電気二重層キャパシタでは、長期安定性の面で問題があった。すなわち、内部ガスの発生によるケースが膨れてしまうおそれがあった。そのため、内部ガスの発生によるケース膨れを抑制した、長期安定性の優れた電気二重層キャパシタの開発が望まれていた。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものである。その目的は、内部ガスの発生によるケース膨れを抑制し、長期安定性の優れた電気二重層キャパシタを提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく、種々検討を重ねた結果、電気二重層キャパシタの駆動中に発生するプロトンに起因して、電気二重層キャパシタの長期安定性が低くなることを発見した。そして、発生したプロトンを捕捉することで長期安定性が良好になるとの知見を得、この知見に基づき本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の電気二重層キャパシタは、電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料を含む分極性電極層を有する正極及び負極を有し、前記正極の分極性電極層と、前記負極の分極性電極層と、の間に、プロトンを捕捉するリチウム化合物が介在すること、を特徴とする。
前記正極の分極性電極層と前記負極の分極性電極層との間に配置されたセパレータを更に有し、
前記セパレータが、前記リチウム化合物を含んでいても良い。
前記セパレータが、前記リチウム化合物を含んでいても良い。
前記リチウム化合物は、前記正極の分極性電極層の近傍に配置されていても良い。前記リチウム化合物が、容量が10mAh/g以下であっても良い。
前記リチウム化合物が、Li2TiO3であっても良い。前記Li2TiO3の比表面積が、100m2/g以下であっても良い。
前記正極の分極性電極層に含まれる電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料に対するリチウム化合物の単位面積当たりの重量比が、1:0.1〜1:1であっても良い。
本発明によれば、内部ガスの発生によるケース膨れを抑制し、長期安定性の優れた電気二重層キャパシタを提供することができる。
[1.構成]
以下、本発明を実施するための形態について、図1を参照しつつ説明する。図1は、電気二重層キャパシタの構成の一例を示す説明図である。本実施形態の電気二重層キャパシタは、正極1と、負極2と、セパレータ3と、リチウム化合物層4と、を有する。正極1と、負極2とは分極性電極であり、不図示の電解液中において、セパレータ3およびリチウム化合物層4を介して対向するように配置され、電気二重層キャパシタを形成する。
以下、本発明を実施するための形態について、図1を参照しつつ説明する。図1は、電気二重層キャパシタの構成の一例を示す説明図である。本実施形態の電気二重層キャパシタは、正極1と、負極2と、セパレータ3と、リチウム化合物層4と、を有する。正極1と、負極2とは分極性電極であり、不図示の電解液中において、セパレータ3およびリチウム化合物層4を介して対向するように配置され、電気二重層キャパシタを形成する。
(分極性電極)
分極性電極である正極1は、電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料を含む分極性電極層1aと、分極性電極層1aを支持する集電体1bを有する電極である。正極1は、例えばシート状の分極性電極層1aを、集電体1bに接合することにより形成される。また、分極性電極である負極2は、電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料を含む分極性電極層2aと、分極性電極層2aを支持する集電体2bを有する電極である。負極2は、例えばシート状の分極性電極層2aを、集電体2bに接合することにより形成される。
分極性電極である正極1は、電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料を含む分極性電極層1aと、分極性電極層1aを支持する集電体1bを有する電極である。正極1は、例えばシート状の分極性電極層1aを、集電体1bに接合することにより形成される。また、分極性電極である負極2は、電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料を含む分極性電極層2aと、分極性電極層2aを支持する集電体2bを有する電極である。負極2は、例えばシート状の分極性電極層2aを、集電体2bに接合することにより形成される。
分極性電極層1a,2aは、例えば、電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料と導電剤との混合物にバインダーを混合し、混練した後シート状に成形して形成することができる。電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料と導電剤粉末とバインダーの混合液をドクターブレード法等によって集電体1b,2b上に塗工し、乾燥することにより分極性電極層1a,2aを形成しても良い。分極性電極層1a,2aは、得られた分散物を所定形状に成形し、集電体1b,2b上に圧着して形成することもできる。
電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料おいて、多孔質構造を持つ炭素材料としては、やしがら等の天然植物組織、フェノール等の合成樹脂、石炭、コークス、ピッチ等の化石燃料由来のものを原料とする活性炭、ケッチェンブラック(以下、KB)、アセチレンブラック、チャネルブラックなどのカーボンブラック、カーボンナノホーン、無定形炭素、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化ケッチェンブラック、メソポーラス炭素などを挙げることができる。また、これらの炭素材料は、賦活処理や開口処理などの多孔質化処理して使用するのが好ましい。また、繊維状構造を有する炭素材料としては、カーボンナノチューブ(以下、CNT)、カーボンナノファイバ(以下、CNF)などの繊維状炭素を挙げることができる。なお、この繊維状炭素は、繊維状炭素の先端や壁面に穴をあける開口処理や賦活処理を行っても良い。
分極性電極層1a、2aにおいては、この電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料として、多孔質構造を有する炭素材料や、繊維状構造を有する炭素材料を、単体で用いても良く、また混合して用いても良い。
(集電体)
正極1および負極2の集電体1b,2bとしては、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、チタン、鋼、カーボン等の導電材料を使用することができる。特に、アルミニウムおよび銅を用いることが好ましい。高い熱伝導性と電子伝導性とを有しているからである。集電体の形状は、膜状、箔状、板状、網状、エキスパンドメタル状、円筒状等の任意の形状を採用することができる。
正極1および負極2の集電体1b,2bとしては、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、チタン、鋼、カーボン等の導電材料を使用することができる。特に、アルミニウムおよび銅を用いることが好ましい。高い熱伝導性と電子伝導性とを有しているからである。集電体の形状は、膜状、箔状、板状、網状、エキスパンドメタル状、円筒状等の任意の形状を採用することができる。
(バインダー)
上記正極1および負極2で用いられるバインダーとしては、例えばフッ素系ゴム,ジエン系ゴム,スチレン系ゴム等のゴム類、ポリテトラフルオロエチレン,ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素ポリマー、カルボキシメチルセルロース,ニトロセルロース等のセルロース、その他、ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂,アクリル樹脂、ニトリル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。これらのバインダーは、単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。
上記正極1および負極2で用いられるバインダーとしては、例えばフッ素系ゴム,ジエン系ゴム,スチレン系ゴム等のゴム類、ポリテトラフルオロエチレン,ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素ポリマー、カルボキシメチルセルロース,ニトロセルロース等のセルロース、その他、ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂,アクリル樹脂、ニトリル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。これらのバインダーは、単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。
(導電剤)
上記正極1および負極2で用いられる導電剤としては、ケッチェンブラック,アセチレンブラック,チャネルブラック等のカーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、無定形炭素、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化ケッチェンブラック、メソポーラス炭素等の導電性カーボン粉末を使用することができる。また、気相法炭素繊維を使用することもできる。これらのカーボン粉末は、単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。
上記正極1および負極2で用いられる導電剤としては、ケッチェンブラック,アセチレンブラック,チャネルブラック等のカーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、無定形炭素、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化ケッチェンブラック、メソポーラス炭素等の導電性カーボン粉末を使用することができる。また、気相法炭素繊維を使用することもできる。これらのカーボン粉末は、単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。
(リチウム化合物の配置構成)
本実施形態の電気二重層キャパシタでは、正極1の分極性電極層1aと、負極2の分極性電極層2aと、の間に、プロトンを捕捉するリチウム化合物が介在する。本実施形態では、正極1と負極2がセパレータ3およびリチウム化合物層4を介して対向して配置される。以下では、セパレータ3上に、リチウム化合物を含むリチウム化合物層4が設けられている例を説明する。
本実施形態の電気二重層キャパシタでは、正極1の分極性電極層1aと、負極2の分極性電極層2aと、の間に、プロトンを捕捉するリチウム化合物が介在する。本実施形態では、正極1と負極2がセパレータ3およびリチウム化合物層4を介して対向して配置される。以下では、セパレータ3上に、リチウム化合物を含むリチウム化合物層4が設けられている例を説明する。
ただし、リチウム化合物は、リチウム化合物層4としてセパレータ3上に形成すると、正極1の分極性電極層1aと負極2の分極性電極層2aとの間にリチウム化合物を確実に介在させることができて好ましいが、これに限らない。すなわち、リチウム化合物は、セパレータ3に混合しても良く、正極1の分極性電極層1a上に塗工されていても良い。また、負極2の分極性電極層2a上に塗工されていても良い。リチウム化合物を電解液中に分散させる構成とすることもできる。すなわち、正極1の分極性電極層1aと、負極2の分極性電極層2aと、の間に、リチウム化合物が介在していればよい。リチウム化合物が、分極性電極層1aと分極性電極層2aとの間に介在する態様には、分極性電極層1aまたは分極性電極層2aの内部にリチウム化合物が含まれている場合も含まれる。例えば、分極性電極層1aまたは分極性電極層2aを形成する際に電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料とリチウム化合物を混合することができる。
(セパレータ)
基材となるセパレータ3としては、クラフト,マニラ麻,エスパルト,ヘンプ,レーヨン等のセルロースおよびこれらの混合紙、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,それらの誘導体などのポリエステル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ビニロン系樹脂、脂肪族ポリアミド,半芳香族ポリアミド,全芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、トリメチルペンテン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アクリル樹脂等があげられ、これらの樹脂を単独で又は混合して用いることができる。水酸基を有さない樹脂系のセパレータを用いた場合、キャパシタ内に発生するプロトンを抑制できると考えられるため好ましい。
基材となるセパレータ3としては、クラフト,マニラ麻,エスパルト,ヘンプ,レーヨン等のセルロースおよびこれらの混合紙、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,それらの誘導体などのポリエステル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ビニロン系樹脂、脂肪族ポリアミド,半芳香族ポリアミド,全芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、トリメチルペンテン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アクリル樹脂等があげられ、これらの樹脂を単独で又は混合して用いることができる。水酸基を有さない樹脂系のセパレータを用いた場合、キャパシタ内に発生するプロトンを抑制できると考えられるため好ましい。
(リチウム化合物層)
リチウム化合物層4は、リチウム化合物、溶媒、およびバインダー等と混合して作成したスラリーを、コーターを用いてセパレータ3に塗工し、乾燥により溶媒を除去することにより形成できる。リチウム化合物層4は、セパレータ3のどちらの面に形成しても良いが、より正極1の分極性電極層1aの近傍に形成することが好ましい。具体的には、正極1と負極2がセパレータ3を介して配置された際に、正極1と対向する面に形成すると良い。なお、リチウム化合物層4は、セパレータ3の一方の面のみではなく、両面に形成しても良い。
リチウム化合物層4は、リチウム化合物、溶媒、およびバインダー等と混合して作成したスラリーを、コーターを用いてセパレータ3に塗工し、乾燥により溶媒を除去することにより形成できる。リチウム化合物層4は、セパレータ3のどちらの面に形成しても良いが、より正極1の分極性電極層1aの近傍に形成することが好ましい。具体的には、正極1と負極2がセパレータ3を介して配置された際に、正極1と対向する面に形成すると良い。なお、リチウム化合物層4は、セパレータ3の一方の面のみではなく、両面に形成しても良い。
リチウム化合物としては、Li2TiO3、Li4Ti5O12、LiNiO2、LiSiO3、LiAlO2、LiFeO2、LiNbO3、Li2ZrO3、Li2WO4、LiTaO3、Li3PO4等を用いることができる。特に、水素ガス発生をより抑制するためには、チタン酸リチウム(Li2TiO3、Li4Ti5O12)を好適に用いることができる。
リチウム化合物は、容量が10mAh/g以下の絶縁材料であることが好ましい。リチウム化合物の容量が10mAh/gを超える場合、漏れ電流が上昇する等の影響が現れるからである。特には、Li2TiO3を用いることが好ましい。また、Li2TiO3の比表面積は、100m2/g以下であることが好ましい。
リチウム化合物の比表面積は、100m2/g以下であると、水素ガスの発生を抑制することができるため好ましい。より好ましくは、比表面積を50m2/g以下とした場合、水素ガス発生量の抑制が良好となる。リチウム化合物の比表面積の大きさは、リチウム化合物の粒径により調整することができる。例えば、リチウム化合物の粒子を小さくすれば、比表面積は大きくなる。ただし、粒子を小さくしすぎた場合、リチウム化合物がプロトンを捕捉する以上に、リチウム化合物の粒子間に付着する水の量が増えていくため、好適な水素ガスの抑制効果を得ることができない。従って、リチウム化合物の比表面積は、100m2/g以下、特には、50m2/g以下とすることが好ましい。
リチウム化合物は、正極1の分極性電極層1aに含まれる電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料に対するリチウム化合物の単位面積当たりの重量比が、1:0.1〜1:1であることが好ましい。リチウム化合物の塗工量がこの範囲内であると、水素ガスが好適に抑制され、外装ケース膨れが防止できる。リチウム化合物の重量比が大きいほど水素ガスの発生が抑制されやすくなるが、1を超える重量比ではキャパシタセルの体積当たりの容量は減少する。また、重量比が0.1未満となると、水素ガスの発生を抑制しにくくなる。従って好適な重量比としては、1:0.1〜1:1となる。塗工するリチウム化合物の量と得られる水素ガス抑制効果の両方を考慮すると1:0.1〜1:0.5が好適である。なお、塗工量は、例えばリチウム化合物を塗工する厚みによって調整できる。
リチウム化合物と混合する溶媒としては、水やN-メチル-2-ピロリドン等を用いることができる。また、バインダーとしては、例えばフッ素系ゴム,ジエン系ゴム,スチレン系ゴム等のゴム類、ポリテトラフルオロエチレン,ポリフッ化ビニリデンなどの含フッ素ポリマー、カルボキシメチルセルロース,ニトロセルロースなどのセルロース、その他、ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂,アクリル樹脂、ニトリル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。これらのバインダーは、単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。
(電解液)
電解液に用いる電解質としては、カチオンとして、テトラエチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、メチルエチルピロリジニウム、スピロビピロリジニウム等の四級アンモニウム塩や1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム等の四級アミジニウム塩を挙げることができる。アニオンとしては、BF4 ‐、PF6 ‐、ClO4 ‐、AsF6 ‐、SbF6 ‐、AlCl4 ‐、またはRfSO3 ‐、(RfSO2)2N‐、RfCO2 ‐(Rfは炭素数1〜8のフルオロアルキル基)等を挙げることができる。
電解液に用いる電解質としては、カチオンとして、テトラエチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、メチルエチルピロリジニウム、スピロビピロリジニウム等の四級アンモニウム塩や1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム等の四級アミジニウム塩を挙げることができる。アニオンとしては、BF4 ‐、PF6 ‐、ClO4 ‐、AsF6 ‐、SbF6 ‐、AlCl4 ‐、またはRfSO3 ‐、(RfSO2)2N‐、RfCO2 ‐(Rfは炭素数1〜8のフルオロアルキル基)等を挙げることができる。
電解液に用いる溶媒としては、以下に挙げるものが用いられる。なお、これらの溶媒はそれぞれ単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。例えば、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、リン酸エステル、環状エーテル、鎖状エーテル、ラクトン化合物、鎖状エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン化合物等を挙げることができる。環状炭酸エステルとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−(トリフルオロメチル)−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが挙げられ、好ましくは、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートである。
鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルn−プロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、n−ブチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルn−プロピルカーボネート、エチルイソプロピルカーボネート、n−ブチルエチルカーボネート、ジn−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジn−ブチルカーボネート、フルオロエチルメチルカーボネート、ジフルオロエチルメチルカーボネート、トリフルオロエチルメチルカーボネートなどが挙げられ、好ましくは、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートである。
リン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチルなどが挙げられる。環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。鎖状エーテルとしては、ジメトキシエタンなどが挙げられる。ラクトン化合物としては、γ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。鎖状エステルとしては、メチルプロピオネート、メチルアセテート、エチルアセテート、メチルホルメートなどが挙げられる。ニトリル化合物としては、アセトニトリルなどが挙げられる。アミド化合物としては、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。スルホン化合物としては、スルホラン、メチルスルホラン、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、イソプロピルスルホンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[2.作用効果]
(プロトンの発生について)
まず、本発明の作用効果を説明する前に、従来の電気二重層キャパシタにおいて長期安定性が低くなる原因について、本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、知り得た知見を以下に説明する。本発明者等は、電気二重層キャパシタの駆動中において、電解液中にプロトンが発生していることを発見した。そして、このプロトンに起因して長期安定性が低くなっていることを導き出した。
(プロトンの発生について)
まず、本発明の作用効果を説明する前に、従来の電気二重層キャパシタにおいて長期安定性が低くなる原因について、本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、知り得た知見を以下に説明する。本発明者等は、電気二重層キャパシタの駆動中において、電解液中にプロトンが発生していることを発見した。そして、このプロトンに起因して長期安定性が低くなっていることを導き出した。
プロトン発生は、以下の3つの現象により生じていることが推測される。
図2に示す通り、正極1側において、分極性電極層1aに含まれる、例えば活性炭の炭素Cが活性炭の中に入っている水H2Oの存在下で酸化される。その反応式を下記に示す。
(化1)
C+H2O → C-OH+H++e−
活性炭の表面にOH基がつき、残った水素イオンH+が電解液中に放出されていると考えられる。
図2に示す通り、正極1側において、分極性電極層1aに含まれる、例えば活性炭の炭素Cが活性炭の中に入っている水H2Oの存在下で酸化される。その反応式を下記に示す。
(化1)
C+H2O → C-OH+H++e−
活性炭の表面にOH基がつき、残った水素イオンH+が電解液中に放出されていると考えられる。
活性炭の中に入っている水H2Oが酸化される反応式としては次も考えられる。
(化2)
2H2O → 4H++O2+4e−
活性炭の中に含まれる水H2Oの酸化分解によって水素イオンH+が、電解液中に放出されていると考えられる。
(化2)
2H2O → 4H++O2+4e−
活性炭の中に含まれる水H2Oの酸化分解によって水素イオンH+が、電解液中に放出されていると考えられる。
また、電解液中には、BF4 −がアニオンとして含まれているが、下記の反応式に示す通り、このBF4 −が加水分解されていると考えられる。
(化3)
BF4 −+H2O→BF3(OH)+HF
この加水分解により残った水素イオンH+が、電解液中に放出されていると考えられる。
(化3)
BF4 −+H2O→BF3(OH)+HF
この加水分解により残った水素イオンH+が、電解液中に放出されていると考えられる。
以上のようにして電解液中に放出された水素イオンH+に起因して、水素ガスが発生している。
発生した水素ガスにより、従来の電気二重層キャパシタでは、水素イオンH+による酸性条件下で、水素イオンH+の電気化学的還元反応により、負極側で水素(H2)ガスが発生する。また、水素イオンH+による酸性条件下で、例えばプロピレンカーボネート等の溶媒が加水分解することで、ガスが発生する。この水素ガスが例えば電極中に貯まるなどして、ガスだまりが形成されることにより、外装ケースの膨れが生じる。
以上、本発明者等が導き出した通り、従来の電気二重層キャパシタではプロトンに起因する酸性条件下において、ケース膨れや内部抵抗の増加が生じていた。すなわち、プロトンに起因して電気二重層キャパシタの長期安定性が低くなっていた。
一方本発明では、以下の様な作用効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料を含む分極性電極層1a、2aを有する正極1及び負極2を有し、正極1の分極性電極層1aと、負極2の分極性電極層2aと、の間に、プロトンを捕捉するリチウム化合物が介在する。まず、リチウム化合物は、水素イオンH+の捕捉作用を有している。例えばLi2TiO3を用いてリチウム化合物層4を形成した場合、Li2TiO3は、水素イオンH+と下記の反応式に示すように反応する。
(化4)
Li2TiO3+2H+ → TiO2・H2O(H2TiO3)+2Li+
この反応により、電解液中に発生したプロトンが捕捉される。
(1)本実施形態では、電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料を含む分極性電極層1a、2aを有する正極1及び負極2を有し、正極1の分極性電極層1aと、負極2の分極性電極層2aと、の間に、プロトンを捕捉するリチウム化合物が介在する。まず、リチウム化合物は、水素イオンH+の捕捉作用を有している。例えばLi2TiO3を用いてリチウム化合物層4を形成した場合、Li2TiO3は、水素イオンH+と下記の反応式に示すように反応する。
(化4)
Li2TiO3+2H+ → TiO2・H2O(H2TiO3)+2Li+
この反応により、電解液中に発生したプロトンが捕捉される。
以上のようにプロトンがリチウム化合物により捕捉される本願発明では、水素イオンH+による酸性化が抑制される。これにより、水素ガスの発生および内部抵抗の増加等を防止することができ、長期安定性の優れた電気二重層キャパシタを提供することができる。
(2)正極1の分極性電極層1aと負極2の分極性電極層2aとの間に配置されたセパレータ3を更に有し、セパレータ3が、リチウム化合物を含む。セパレータ3にリチウム化合物を含ませることにより、より製造が容易かつ、確実に分極性電極層1aおよび2aの間にリチウム化合物を介在させることが可能となる。
(3)リチウム化合物は、正極1の分極性電極層1aの近傍に配置されている。上述の通り、電解液中にプロトンが放出される理由としては、上記炭素材料の酸化要因とアニオン要因とが考えられる。ここで、リチウム化合物を、分極性電極層1aの近傍に配置した場合には、例えば、活性炭由来のプロトンを効率良く捕捉することができる。従って、さらに長期安定性の優れた電気二重層キャパシタを提供することができる。
(4)リチウム化合物が、容量が10mAh/g以下である。従って、正極1、負極2間に容量成分が介在されることがない。そのため、漏れ電流の上昇を防ぐことが可能となる。
(5)リチウム化合物が、Li2TiO3である。Li2TiO3は、容量成分を有さず、漏れ電流の上昇を防ぐことができる。また、水素ガスの発生をより確実に抑制することができる。
(6)Li2TiO3の比表面積が、100m2/g以下である。よって、水素ガスの発生をより確実に抑制することができる。
(7)正極1の分極性電極層1aに含まれる電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料に対するリチウム化合物の単位面積当たりの重量比が、1:0.1〜1:1である。よって、水素ガスが好適に抑制され、外装ケース膨れが防止できる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(1)リチウム化合物の種類と水素ガスの発生量の関係
リチウム化合物の種類と水素ガスの発生量の関係について、具体的に検討するために、以下のようにしてキャパシタセルを作製した。アルミニウム集電体上に、炭素材料として活性炭とカーボンナノチューブを用い、シート状に抄紙成型した分極性電極層を接合し、正極および負極を作製した。
(1)リチウム化合物の種類と水素ガスの発生量の関係
リチウム化合物の種類と水素ガスの発生量の関係について、具体的に検討するために、以下のようにしてキャパシタセルを作製した。アルミニウム集電体上に、炭素材料として活性炭とカーボンナノチューブを用い、シート状に抄紙成型した分極性電極層を接合し、正極および負極を作製した。
以上のようにして作製した正極と負極を、レーヨン製のセパレータを介して対向させ、スルホラン(SL)溶媒1Lに、電解質としてTEMABF4を1.4モル添加した(1.4M TEMABF4/SL)電解液を用いラミネート封止して、電気二重層キャパシタセルを作製した。セパレータの表面には、それぞれ異なるリチウム化合物(Li2TiO3、Li4Ti5O12、LiNiO2)を塗工したものを複数作製し、このリチウム化合物の層を、正極と対向するように配置してそれぞれ実施例1〜3とした。また、比較例1として、リチウム化合物が塗工されていないセパレータを作製した。
このようにして作製した、実施例1〜11および比較例1のセルについて、3.3V、60度で負荷試験を行い、1000時間が経過した時点での水素ガス発生量を表1に示す。
以上より、リチウム化合物がセパレータに塗工された実施例1〜3では、リチウム化合物が塗工されていない比較例1と比較して、水素ガスの発生が抑制されていることがわかる。特に、チタン酸リチウム(Li2TiO3、Li4Ti5O12)を用いた場合に、水素ガスの発生が良好に抑制されている。実施例1は、10mAh/gを超える容量を有しているため、正極、負極間に容量成分が介在されることになり、漏れ電流の上昇等の懸念がある。漏れ電流等の他の影響を考慮すると、容量が10mAh/g以下であり、絶縁性が高い、実施例2および3のリチウム化合物が好ましいと言える。
(2)リチウム化合物の比表面積と水素ガスの発生量について
リチウム化合物の比表面積と水素ガスの発生量の関係について、具体的に検討するために、以下のようにしてキャパシタセルを作製した。正極、負極、セパレータについては、上記(1)と同様に作製した。正極にて用いた炭素材料の量は、3.57mg/cm2であった。これに対し、レーヨン製のセパレータの一面に、塗工量1.15mg/cm2のLi2TiO3を異なる比表面積(4、12、50、100mg2/g)にて塗工してリチウム化合物層を形成した。このリチウム化合物層を正極側に対向するようにセパレータを配置したものを複数作製し、実施例4〜7とした。また、比較例2として、Li2TiO3が塗工されていないセパレータを作製した。
リチウム化合物の比表面積と水素ガスの発生量の関係について、具体的に検討するために、以下のようにしてキャパシタセルを作製した。正極、負極、セパレータについては、上記(1)と同様に作製した。正極にて用いた炭素材料の量は、3.57mg/cm2であった。これに対し、レーヨン製のセパレータの一面に、塗工量1.15mg/cm2のLi2TiO3を異なる比表面積(4、12、50、100mg2/g)にて塗工してリチウム化合物層を形成した。このリチウム化合物層を正極側に対向するようにセパレータを配置したものを複数作製し、実施例4〜7とした。また、比較例2として、Li2TiO3が塗工されていないセパレータを作製した。
以上のようにして作製した正極と負極を、前記セパレータを介して対向させ、スルホラン(SL)溶媒1Lに、電解質としてTEMABF4を1.4モル添加した(1.4M TEMABF4/SL)電解液を用いラミネート封止して、電気二重層キャパシタセルを作製した。
このようにして作製した、実施例4〜7および比較例2のセルについて、3.3V、60度で負荷試験を行い、1000時間が経過した時点での水素ガス発生量を図3に示す。図3より、高温条件下において、Li2TiO3がセパレータに塗工された実施例4〜7では、いずれの比表面積においても、Li2TiO3が塗工されていない比較例2と比較して、水素ガスの発生が抑制されていることがわかった。より具体的には、実施例7と比較例2の比較から、リチウム化合物の比表面積は、100m2/g以下であると、水素ガス発生量を抑制することができことが分かった。また、実施例4〜7の比較から、比表面積を50m2/g以下とした場合、水素ガス発生量の抑制が良好となることが分かった。
(3)リチウム化合物の塗工量と水素ガスの発生量について
リチウム化合物の塗工量と水素ガスの発生量について、具体的に検討するために、以下のようにしてキャパシタセルを作製した。正極および負極については、上記(1)と同様に作製した。正極にて用いた炭素材料の量は、3.57mg/cm2であった。ここで、レーヨン製のセパレータの一面に、比表面積が12m2/gのLi2TiO3を異なる塗工量(0.57、1.15、2.3、3.45mg/cm2)で塗工しリチウム化合物層を形成した。このリチウム化合物層を正極側に対向するようにセパレータを配置したものを複数作製し、実施例8〜11とした。また、比較例3として、Li2TiO3が塗工されていないセパレータを作製した。
リチウム化合物の塗工量と水素ガスの発生量について、具体的に検討するために、以下のようにしてキャパシタセルを作製した。正極および負極については、上記(1)と同様に作製した。正極にて用いた炭素材料の量は、3.57mg/cm2であった。ここで、レーヨン製のセパレータの一面に、比表面積が12m2/gのLi2TiO3を異なる塗工量(0.57、1.15、2.3、3.45mg/cm2)で塗工しリチウム化合物層を形成した。このリチウム化合物層を正極側に対向するようにセパレータを配置したものを複数作製し、実施例8〜11とした。また、比較例3として、Li2TiO3が塗工されていないセパレータを作製した。
以上のようにして作製した正極と負極を、前記セパレータを介して対向させ、スルホラン(SL)溶媒1Lに、電解質としてTEMABF4を1.4モル添加した(1.4M TEMABF4/SL)電解液を用いラミネート封止して、キャパシタセルを作製した。ラミネートセルの厚みは2mmであった。
このようにして作製した、実施例8〜11および比較例3のセルについて、3.3V、60度で負荷試験を行い、1000時間が経過した時点での水素ガス発生量を測定した。また、ケースの膨れについても計測した。「ケース膨れ」の列において、丸は良好、三角は膨れ小(+1mm未満)。バツは膨れ大(+2mm超え)を示す。その結果を、表2に示す。なお、表2においては、リチウム化合物をDLTとして表記する。
以上より、リチウム化合物がセパレータに塗工された実施例8〜11では、いずれの塗工量においても、リチウム化合物が塗工されていない比較例3と比較して、水素ガスの発生が抑制されることがわかった。ケース膨れについても、リチウム化合物を含まない比較例では、大きな膨れが生じているが、リチウム化合物を含む実施例8〜11では、いずれの塗工量においても、大きなケース膨れは生じていない。実施例の電気二重層キャパシタでは、水素ガスの発生が抑制されているため、ケース膨れが抑制されることがわかった。特に、炭素材料の量に対するリチウム化合物の単位面積当たりの重量比が1:0.97である実施例11が、最も良好なガス発生抑制特性を有し、ケース膨れも生じていない。
1 正極
1a 分極性電極層
1b 集電体
2 負極
2a 分極性電極層
2b 集電体
3 セパレータ
4 リチウム化合物層
1a 分極性電極層
1b 集電体
2 負極
2a 分極性電極層
2b 集電体
3 セパレータ
4 リチウム化合物層
Claims (7)
- 電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料を含む分極性電極層を有する正極及び負極を有し、
前記正極の分極性電極層と、前記負極の分極性電極層と、の間に、プロトンを捕捉するリチウム化合物が介在すること、を特徴とする電気二重層キャパシタ。 - 前記正極の分極性電極層と前記負極の分極性電極層との間に配置されたセパレータを更に有し、
前記セパレータが、前記リチウム化合物を含むことを特徴とする請求項1記載の電気二重層キャパシタ。 - 前記リチウム化合物は、前記正極の分極性電極層の近傍に配置されていること、を特徴とする請求項1または2記載の電気二重層キャパシタ。
- 前記リチウム化合物が、容量が10mAh/g以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項記載の電気二重層キャパシタ。
- 前記リチウム化合物が、Li2TiO3であることを特徴とする請求項1〜4いずれか一項記載の電気二重層キャパシタ。
- 前記Li2TiO3の比表面積が、100m2/g以下であることを特徴とする請求項5記載の電気二重層キャパシタ。
- 前記正極の分極性電極層に含まれる電気二重層容量を持つ多孔質構造又は繊維状構造を有する炭素材料に対するリチウム化合物の単位面積当たりの重量比が、1:0.1〜1:1であることを特徴とする請求項1〜6いずれか一項記載の電気二重層キャパシタ。
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2015
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