JP2016194820A - 保険データ提供装置、保険データ提供方法、および保険データ提供プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】データベースで管理される人の健康に関する情報を、保険の分野に有効に活用することができる保険データ提供装置、保険データ提供方法及び保険データ提供プログラムを提供する。【解決手段】収集部10(通信インターフェース)は、人の健康に関する健康情報と、健康情報を提供した人による、健康情報に基づく情報が保険の提供者に開示されることの合意を示す合意情報とを収集する。データ管理部20は、収集部10により収集された健康情報と合意情報とを互いに対応付けて記憶部70に記憶させる。処理部30は、データ管理部20により記憶部70に記憶された健康情報に対して処理を行い、健康情報に対応付けられた合意情報の示す範囲内で、保険の提供者に提供される提供データを生成する。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、保険データ提供装置、保険データ提供方法、および保険データ提供プログラムに関する。
近年、健康志向の高まりに伴い、レセプトデータや健診データ等を情報源として、人の健康状態をデータベースで管理する技術が注目されている。また、医療保険や生命保険等に代表される保険の加入に際し、加入者への便宜を図るための技術について研究が進められている。しかしながら、従来の技術では、データベースで管理される人の健康に関する情報を、保険の分野に有効に活用することができない場合があった。
本発明が解決しようとする課題は、データベースで管理される人の健康に関する情報を、保険の分野に有効に活用することができる保険データ提供装置、保険データ提供方法、および保険データ提供プログラムを提供することである。
実施形態の保険データ提供装置は、収集部と、データ管理部と、処理部とを持つ。収集部は、人の健康に関する健康情報と、前記健康情報を提供した人による、前記健康情報に基づく情報が保険の提供者に開示されることの合意を示す合意情報とを収集する。データ管理部は、前記収集部により収集された健康情報と合意情報とを互いに対応付けて記憶部に記憶させる。処理部は、前記データ管理部により前記記憶部に記憶された健康情報に対して処理を行い、前記健康情報に対応付けられた前記合意情報の示す範囲内で、前記保険の提供者に提供される提供データを生成する。
以下、実施形態の保険データ提供装置、保険データ提供方法、および保険データ提供プログラムを、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る保険データ提供装置1の構成および使用環境を示す図である。保険データ提供装置1は、WAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)等のネットワークNWを介して、利用者端末100、薬局端末110、医院端末120、病院端末130等の情報収集用機器、並びに保険会社端末200と接続されている。保険データ提供装置1は、情報収集用機器から収集した情報(健康情報)をデータベースに登録して管理し、保険会社端末200を保持する保険の提供者に提供される提供データを生成する装置である。保険の提供者とは、例えば、医療保険や生命保険等を提供する保険会社である。また、保険の提供者は、公的な組合や特定の独立行政法人等を含んでもよい。
図1は、第1の実施形態に係る保険データ提供装置1の構成および使用環境を示す図である。保険データ提供装置1は、WAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)等のネットワークNWを介して、利用者端末100、薬局端末110、医院端末120、病院端末130等の情報収集用機器、並びに保険会社端末200と接続されている。保険データ提供装置1は、情報収集用機器から収集した情報(健康情報)をデータベースに登録して管理し、保険会社端末200を保持する保険の提供者に提供される提供データを生成する装置である。保険の提供者とは、例えば、医療保険や生命保険等を提供する保険会社である。また、保険の提供者は、公的な組合や特定の独立行政法人等を含んでもよい。
[各種機器について]
保険データ提供装置1の構成に先立って、各種の情報収集用機器、並びに保険会社端末200について説明する。利用者端末100は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の端末装置である。利用者端末100は、Bluetooth(登録商標)やUSBケーブル等を介して活動量計102またはバイタルセンサ104と通信する。
保険データ提供装置1の構成に先立って、各種の情報収集用機器、並びに保険会社端末200について説明する。利用者端末100は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の端末装置である。利用者端末100は、Bluetooth(登録商標)やUSBケーブル等を介して活動量計102またはバイタルセンサ104と通信する。
活動量計102は、例えば、人の手首に装着されるリストバンド型活動量計である。図2は、実施形態の活動量計102の外観構成図である。活動量計102は、リストバンド部102Aに本体部(不図示)が装着された状態で、人の手首に装着されて使用される。本体部は、ボタン102Bおよび表示部102Cが設けられる他、三軸式加速度センサや利用者端末100と通信するための通信装置、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、各種記憶装置等を内蔵する。また、本体部の表示部102Cと反対の側には、充電用端子が設けられる。表示部102Cは、リストバンド部102Aに形成された孔部を介して外部に表面が露出することで、表示内容が視認可能となっている。また、ボタン102Bは、リストバンド部102Aの側壁部102Aaによって覆われた状態で使用され、リストバンド部102Aの側壁部102Aaごとプッシュ操作される。
活動量計102は、ボタン102Bに対する操作によって、利用者端末100と通信可能なモード(ペアリングモード)に設定される。活動量計102の動作モードは、表示部102Cの表示態様を変更することで認識可能となっている。活動量計102は、利用者端末100に専用アプリがインストールされることで、利用者端末100と共に、人の種々の活動を計測することができる。例えば、利用者端末100の専用アプリは、活動量計102の三軸式加速度センサの検出値に基づいて、活動量計102が装着された人の歩数、移動距離、消費カロリー、または睡眠時間を計測する。なお、このような計測機能は、活動量計102の側が備えてもよい。また、活動量計102は、本体部に対するタップ操作によって、食事をした時刻、入浴した時刻等を記録することができる。
バイタルセンサ104は、例えば、人体(胸部等)に導電性ゲルパッドで貼り付けられ、人の心電位、脈波、三軸方向の加速度、皮膚温度を同時に連続計測可能なウェアラブル生体情報センサである。図3は、実施形態のバイタルセンサ104の外観構成図である。図3の左図は、バイタルセンサ104の表側の面を示し、図3の右図は、バイタルセンサ104の裏側(人体に貼り付けられる側)の面を示している。バイタルセンサ104の裏側には、心電位センサ104Aおよび104Bと、皮膚温度センサ104Cと、脈波センサ104Dとが設けられている。また、バイタルセンサ104は、三軸式加速度センサや利用者端末100と通信するための通信装置、CPU等のプロセッサ、各種記憶装置等を内蔵する。バイタルセンサ104は、上記各センサによって検出されたバイタル情報に基づいて、心拍間隔、脈波間隔、体動量、姿勢等を算出する。バイタルセンサ104の検出結果、および算出結果は、例えば、バイタルセンサ104において予め用意されたAPIに対するコマンドを利用者端末100から送信することで、利用者端末100に返信される。利用者端末100にインストールされた専用アプリは、バイタルセンサ104から取得した情報に基づいて各種表示画像を生成し、表示部に表示させる。
利用者端末100は、活動量計102またはバイタルセンサ104から取得した各種生体情報(健康情報)を、それらの情報が保険提供者に提供されることの合意情報と共に、ネットワークNWを介して保険データ提供装置1に送信する。なお、各種生体情報と合意情報は、例えば人の識別情報が付与されることにより、互いの対応関係を認識可能であれば、別々に保険データ提供装置1に送信されてもよい。薬局端末110、医院端末120、および病院端末130の場合も同様である。合意情報の内容および収集手法については後述する。また、利用者端末100は、活動量計102やバイタルセンサ104に代えて(または、加えて)体組成計や血圧計から健康情報を取得してもよい。
薬局端末110は、薬局に設置される専用端末、或いは汎用のパーソナルコンピュータ等である。また、薬局検査装置112は、薬局端末110が設置された薬局内に設置される検査装置であり、例えば、血液検査装置や呼気検査装置を含む。血液検査装置は、人から採取された血液の成分を分析し、血糖値、HcA1c、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ−GTP等の検査結果を出力する。呼気検査装置は、検査薬を飲んだ人の呼気成分を分析し、ピロリ菌に感染しているか否かを検査した結果を出力する。
薬局端末110は、例えば、キーボードやマウス等の入力デバイスを備え、薬局検査装置112による検査結果が、薬剤師等によって手動で薬局端末110に入力される。なお、これに代えて、薬局検査装置112の検査結果がLAN等を介して自動的に薬局端末110にインポートされるようにしてもよい。また、薬局端末110には、人に処方された薬の履歴である投薬歴が、手動または自動で入力される。薬局端末110は、例えばブラウザ機能によって特定のウェブサイトにアクセスし、フォームデータを送信することで、各種情報(健康情報)を、合意情報と共に保険データ提供装置1に送信する。また、薬局端末110は、診療報酬の明細書であるレセプトデータを、ネットワークNWを介して保険データ提供装置1に送信してもよい。
医院端末120は、歯科医や眼科医等の医院に設置される専用端末、或いは汎用のパーソナルコンピュータ等である。また、医院検査装置122は、医院端末120が設置された医院内に設置される装置であり、例えば、医院で実施される健康診断のために用いられる装置、唾液から歯周病を検査する装置、DNA検査装置等である。医院端末120には、例えば、電子カルテシステムが導入され、過去に医院や病院で診療された結果(検査結果、投薬歴等)が閲覧可能となっている。医院端末120は、電子カルテシステムに入力された情報(健康情報)を所定のフォーマットに変換し、ネットワークNWを介して合意情報と共に保険データ提供装置1に送信する。また、医院端末120は、診療報酬の明細書であるレセプトデータや、医院で実施した健康診断のデータ(健診データ)の健康情報を、ネットワークNWを介して合意情報と共に保険データ提供装置1に送信してもよい。
病院端末130は、病院に設置される専用端末、或いは汎用のパーソナルコンピュータ等である。また、病院装置132は、病院端末130が設置された医院内に設置される装置であり、例えば、病院で実施される健康診断のために用いられる装置、CT(Computed Tomography;コンピュータ断層撮影)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging;核磁気共鳴画像法)装置、PET(Positron Emission Tomography;ポジトロン断層法)装置、重粒子線治療装置等である。病院端末130は、病院装置132により取得された人体画像等の情報(健康情報)を、ネットワークNWを介して合意情報と共に保険データ提供装置1に送信する。また、病院端末130は、各種検査結果や投薬歴、診療報酬の明細書であるレセプトデータ、病院で実施した健康診断のデータ(健診データ)等の健康情報を、ネットワークNWを介して保険データ提供装置1に送信する。
保険会社端末200は、保険の提供者によって使用される専用端末、或いは汎用のパーソナルコンピュータ等である。
[保険データ提供装置]
以下、保険データ提供装置1の構成および機能について説明する。保険データ提供装置1は、例えば、通信インターフェース10と、データ管理部20と、処理部30と、報酬管理部40と、記憶部70とを備える。処理部30は、キー情報毎疾病リスク導出部32と、疾病リスク関係性導出部34と、対象者毎疾病リスク導出部36とを備える。データ管理部20、処理部30の各機能部、および報酬管理部40は、例えば、CPU等のプロセッサが、記憶部70に格納されたプログラム71を実行することで機能するソフトウェア機能部である。すなわち、保険データ提供装置1は、汎用のコンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることでも実現することが可能である。この場合、保険データ提供装置1は、プログラム71をコンピュータ装置にあらかじめインストールすることで実現されてもよいし、CD−ROMなどの記憶媒体に記憶して、あるいはネットワークを介して上記のプログラムを配布して、このプログラムをコンピュータ装置に適宜インストールすることで実現されてもよい。なお、上記機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。
以下、保険データ提供装置1の構成および機能について説明する。保険データ提供装置1は、例えば、通信インターフェース10と、データ管理部20と、処理部30と、報酬管理部40と、記憶部70とを備える。処理部30は、キー情報毎疾病リスク導出部32と、疾病リスク関係性導出部34と、対象者毎疾病リスク導出部36とを備える。データ管理部20、処理部30の各機能部、および報酬管理部40は、例えば、CPU等のプロセッサが、記憶部70に格納されたプログラム71を実行することで機能するソフトウェア機能部である。すなわち、保険データ提供装置1は、汎用のコンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることでも実現することが可能である。この場合、保険データ提供装置1は、プログラム71をコンピュータ装置にあらかじめインストールすることで実現されてもよいし、CD−ROMなどの記憶媒体に記憶して、あるいはネットワークを介して上記のプログラムを配布して、このプログラムをコンピュータ装置に適宜インストールすることで実現されてもよい。なお、上記機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。
記憶部70は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により実現される。記憶部70には、前述したプログラム71の他、健康情報データベース72、クレンジング対応情報73、合意情報データベース74、情報収集元データベース75等の情報が格納される。なお、記憶部70のうち一部または全部は、NAS(Network Attached Storage)装置等を利用した、保険データ提供装置1から見た外部装置により実現されてもよい。
通信インターフェース10は、ネットワークNWに接続するためのハードウェア(例えばネットワークカード)を含む。通信インターフェース10は、「収集部」の一例である。通信インターフェース10によって、利用者端末100、薬局端末110、医院端末120、および病院端末130から、上記説明した健康情報および合意情報が収集される。なお、健康情報または合意情報は、保険データ提供装置1が備える入力部(不図示)を用いて手動で入力されてもよい。
[データ管理]
データ管理部20は、通信インターフェース10により収集された健康情報に対して、クレンジング処理および突合処理を行って、健康情報データベース72を構築する。また、データ管理部20は、合意情報データベース74、および情報収集元データベース75を構築する。
データ管理部20は、通信インターフェース10により収集された健康情報に対して、クレンジング処理および突合処理を行って、健康情報データベース72を構築する。また、データ管理部20は、合意情報データベース74、および情報収集元データベース75を構築する。
図4は、健康情報データベース72として格納される情報の一例を示す図である。図示するように、健康情報データベース72は、例えば、基本情報、生活因子、環境因子、遺伝因子、および医療データに大別される項目が、対象者の識別情報である対象者IDに対応付けられた情報である。以下、健康情報が取得された取得元の人のことを「対象者」と称する。また、一人の対象者の対象者IDに対応付けられた項目群を、「レコード」と称する。健康情報データベース72の各項目のうち遺伝因子を除く項目は、収集された日時、あるいは検査日時等に対応付けられた時系列データとなっている。
基本情報は、例えば、対象者の年齢、性別、身長、体重等の項目を含む。生活因子は、例えば、対象者の労働時間、睡眠時間、飲酒の有無または量、喫煙の有無または量、運動の頻度または量、単位時間(例えば1日)あたりの消費カロリー等の項目を含む。環境因子は、例えば、空気の質、水の質、気候、日射量等の自然環境因子と、熱や冷気等の職場環境因子と、対人環境等の人的因子とを含む。職場環境因子の項目「熱」とは、例えば製鉄所等の高温環境で就労しているか否かを示す項目である。また、職場環境因子の項目「冷気」とは、例えば冷凍食品の保管所等の冷温環境で就労しているか否かを示す項目である。対人環境とは、例えば家族や友人に対して特にストレスを感じているか否かを示す項目である。基本情報、生活因子、および環境因子の各項目は、例えば、医院端末120または病院端末130から収集される健診データ(問診表)から取得される。
遺伝因子は、例えば、特定の疾病に関連性の強い各種DNA情報や、家族の病歴等の項目を含む。医療データは、例えば、疾病歴、健診歴、投薬歴、手術歴、予防接種歴、血液検査結果、唾液検査結果、呼気検査結果、血圧、視力等の項目を含む。
健康情報データベース72の元となる情報は、まず、記憶部70のバッファ領域に格納される。そして、データ管理部20の処理によって、対象者IDに各項目が対応付けられた健康情報データベース72の形式に整えられる。以下、これについて説明する。図5は、データ管理部20により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、所定の周期で(例えば1日1回程度)実行される。
まず、データ管理部20は、記憶部70のバッファ領域に格納されている健康情報を、対象者順にソートする(ステップS100)。次に、データ管理部20は、対象者順に並べられた健康情報から、対象者を一人選択し(ステップS102)、選択した対象者が、健康情報データベース72に登録されていない、新たな対象者であるか否かを判定する(ステップS104)。選択した対象者が新たな対象者である場合、データ管理部20は、その対象者に対象者IDを付与し、健康情報データベース72に新たなレコードを追加する(ステップS106)。
次に、データ管理部20は、ステップS102で選択した対象者についての健康情報を、種類別にソートする(ステップS108)。健康情報の「種類」とは、例えば、「○○医院から収集した健診データ」、「××薬局から収集した血液検査結果」、といったように、健康情報の収集元とデータの種類とに基づいて特定される種類である。
次に、データ管理部20は、ステップS102で選択した対象者についての健康情報から一つの種類の健康情報を選択する(ステップS110)。そして、データ管理部20は、クレンジング対応情報73からステップS110で選択した健康情報の種類に対応する情報を取得し(ステップS112)、取得した情報に基づいて、健康情報から健康情報データベース72の項目に情報を転記する(ステップS114)。これによって、個別のフォーマットで収集される健康情報における必要な項目が、健康情報データベース72に転記されると共に、不要な項目が破棄されることになる(データクレンジング処理)。
図6は、クレンジング対応情報73として格納される情報の一例を示す図である。図示するように、クレンジング対応情報73は、健康情報の収集元とデータの種類とに基づいて特定される健康情報の種類ごとに、健康情報における項目の位置と、健康情報データベース72における項目の位置とを対応付けた情報である。
次に、データ管理部20は、現在選択されている対象人に関して、全ての健康情報の種類について処理を完了したか否かを判定する(ステップS116)。全ての健康情報の種類について処理を完了していない場合、データ管理部20は、ステップS110に戻り、健康情報の次の種類を一つ選択し、以降の処理を行う。
係る処理によって、現在選択されている対象人に関して、異なる種類の健康情報からの情報が足し合され、健康情報データベース72のレコードが形成される(突合処理)。データクレンジング処理と、突合処理とによって、様々なフォーマットで収集される健康情報を、統計処理に適した統一フォーマットの健康情報データベース72として管理することができる。
図7は、データクレンジング処理および突合処理の内容を模式的に示す図である。図示するように、データクレンジング処理によって、健康情報における必要な項目が健康情報データベース72に転記されると共に、不要な項目が破棄され、突合処理によって、同一の対象人に関する、異なる種類の健康情報からの情報が足し合わされる。
図5の説明に戻る。ステップS116において、全ての健康情報の種類について処理を完了したと判定した場合、データ管理部20は、全ての対象者について処理を完了したか否かを判定する(ステップS118)。全ての対象者について処理を完了していない場合、データ管理部20は、ステップS102に戻り、次の対象者を一人選択し、以降の処理を行う。全ての対象者について処理を完了した場合、データ管理部20は、本フローチャートの処理を終了する。
ここで、合意情報の内容および収集手法について説明する。図8は、合意情報データベース74として格納される情報の一例を示す図である。図示するように、合意情報データベース74は、例えば、保険の提供者に対する、健康情報に基づく情報の開示について、匿名でなら合意する旨を示す匿名開示合意情報と、非匿名であっても合意する旨を示す非匿名開示合意情報とが、対象者の識別情報である対象者IDに対応付けられた情報である。対象者IDは、健康情報データベース72と共通する識別情報である。従って、合意情報データベース74の各項目は、健康情報データベース72の各項目と互いに対応付けられている。
非匿名開示合意情報は、更に、例えば第1段階の開示(例えば、基本情報、生活因子、環境因子、遺伝因子に基づく開示)と、第2段階の開示(医療データも含めた全ての健康情報に基づく開示)とを含む複数段階の開示のうち、どの段階まで合意するかを示す情報を含んでもよい。
図8の例では、対象者ID=000001で示される対象者は、匿名開示に合意し、更に、非匿名開示のうち第1段階の開示まで合意しているが、非匿名開示のうち第2段階の開示までは合意していない。また、対象者ID=000002で示される対象者は、匿名開示に合意しているが、非匿名開示には合意していない。なお、図8では非匿名開示合意情報が2段階に分けて扱われるものとしたが、非匿名開示合意情報は、3段階以上に分けて扱われてもよいし、1段階の情報であってもよい。非匿名開示合意情報は、非匿名の提供データを生成するか否かの基準として用いられる。
合意情報は、例えば、利用者端末100、薬局端末110、医院端末120、病院端末130等の情報収集用機器に対して入力され、通信インターフェース10によって収集される。これらの情報収集用機器は、例えば、保険データ提供装置1によって提供され、合意情報を入力するためのウェブページを表示し、入力内容に基づくフォームデータを保険データ提供装置1に送信する。図9は、情報収集用機器に表示される合意情報入力画面の一例を示す図である。図示するように、合意情報入力画面には、種々のフォーム入力欄やGUI(Graphical User Interface)スイッチが設けられる。各種情報収集用機器の操作者は、対象者の氏名を氏名入力欄A1に入力すると共に、匿名のデータ提供に合意する旨を示すチェックボックスA2、非匿名のデータ提供(医療データを含まず)に合意する旨を示すチェックボックスA3、非匿名のデータ提供(医療データを含む)に合意する旨を示すチェックボックスA4のうち一部または全部にチェック操作を行った上で、確定/送信ボタンA5を操作することで、入力内容を保険データ提供装置1に送信する。なお、操作者が対象者でない場合(例えば操作者が医療従事者である場合)、操作者は、対象者から取得したIC(Informed Consent)に基づいて上記操作を行う。また、ICの内容を示すPDF等のファイルまたは実際の紙が保険データ提供装置1の運用者に送信または郵送され、保険データ提供装置1のオペレータが上記と同等の入力操作を行うようにしてもよい。
[匿名の提供データ生成]
キー情報毎疾病リスク導出部32は、健康情報データベース72に格納された情報のうち、匿名のデータ提供に合意した対象者に関する情報に基づいて、匿名状態での提供データを生成する。キー情報毎疾病リスク導出部32は、例えば、疾病毎に、キー情報に依存した疾病リスクrtであって、疾病に罹る可能性を示す疾病リスクrtを算出する。疾病リスクrtとは、単に疾病に罹る確率を示すものであってもよいし、同じ年齢層の人に対する疾病に罹る確率の倍率を示すものであってもよい。
キー情報毎疾病リスク導出部32は、健康情報データベース72に格納された情報のうち、匿名のデータ提供に合意した対象者に関する情報に基づいて、匿名状態での提供データを生成する。キー情報毎疾病リスク導出部32は、例えば、疾病毎に、キー情報に依存した疾病リスクrtであって、疾病に罹る可能性を示す疾病リスクrtを算出する。疾病リスクrtとは、単に疾病に罹る確率を示すものであってもよいし、同じ年齢層の人に対する疾病に罹る確率の倍率を示すものであってもよい。
図10は、キー情報毎疾病リスク導出部32による処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、キー情報毎疾病リスク導出部32は、キー情報の集合を決定する(ステップS200)。キー情報は、例えば、基本情報や生活因子、遺伝因子等の各項目から選択される。また、キー情報の集合は、例えば、保険の提供者から指定されたキー情報の集合である。これに代えて、キー情報の集合は、キー情報毎疾病リスク導出部32により自動的に決定されてもよい。
次に、キー情報毎疾病リスク導出部32は、キー情報の集合から、1または複数のキー情報を、既にこのフローチャートの1回の処理の中で選択したものと重複しないように選択する(ステップS202)。そして、キー情報毎疾病リスク導出部32は、ステップS204で選択したキー情報に依存する疾病リスクrtを導出する(ステップS204)。
図11は、キー情報に依存する疾病リスクrtを導出する処理を説明するための図である。キー情報毎疾病リスク導出部32は、例えば、キー情報「喫煙」に依存する疾病リスクを導出する場合、「喫煙」の項目が異なり、その他の項目はほぼ同じレコードの組を健康情報データベース72から抽出する。「ほぼ同じ」とは、項目の内容ごとに定められる許容範囲内であることを意味する。キー情報毎疾病リスク導出部32は、そして、健康情報データベース72における医療データから、対象とする疾病に罹ったか否かを各組について判定し、1年後、2年後、…、n年後までのそれぞれについて、喫煙者が非喫煙者に比して疾病に罹る可能性が何倍であるかを求め、疾病リスクrtとする。キー情報毎疾病リスク導出部32は、このような処理を、対象とする疾病毎に行う。ステップS202で複数のキー情報が選択された場合、キー情報毎疾病リスク導出部32は、当該複数のキー情報が異なり、その他の項目がほぼ同じレコードの組を健康情報データベース72から抽出し、上記と同様の処理を行う。
次に、キー情報毎疾病リスク導出部32は、全ての組み合わせのキー情報を選択済か否かを判定する(ステップS206)。全ての組み合わせのキー情報を選択済でない場合は、ステップS202に戻り、キー情報を選択する。全ての組み合わせのキー情報を選択済である場合、キー情報毎疾病リスク導出部32は、処理結果(提供データ)を保険会社端末200等に出力し(ステップS208)、本フローチャートの処理を終了する。図12は、キー情報毎疾病リスク導出部32による処理結果の一例を示す図である。キー情報毎疾病リスク導出部32による処理結果としての疾病リスクrtの比較対象は、例えば、キー情報の全てに該当しない(或いはキー情報の全てが標準的な内容である)レコードから得た平均値である。
保険データ提供装置1が上記のような匿名の提供データを生成することで、保険の提供者は、様々な因子に基づいて疾病リスクrtがどのように変化するのかを知ることができる。また、保険データ提供装置1が複数のキー情報に依存する疾病リスクrtを求めることで、保険の提供者は、複数の因子による相乗効果を把握することができる。
[非匿名の提供データ生成]
一方、疾病リスク関係性導出部34および対象者毎疾病リスク導出部36は、非匿名開示合意情報(第1段階)が得られた特定の対象者について、以下のような処理を行う。
一方、疾病リスク関係性導出部34および対象者毎疾病リスク導出部36は、非匿名開示合意情報(第1段階)が得られた特定の対象者について、以下のような処理を行う。
疾病リスク関係性導出部34は、時系列で収集される健康情報と、現在から将来に亘る疾病リスクとの関係性を導出する。疾病リスク関係性導出部34は、例えば、式(1)で表される疾病リスク関係性導出式を構築する。式中、bは基本情報であり、xitは生活因子の過去から現在までの時系列データであり、yjは遺伝因子であり、zktは環境因子の過去から現在までの時系列データである。また、導出される疾病リスクRtは、現在から将来に亘る疾病リスクの時系列データである。なお、「式」とは便宜的な表現であり、疾病リスク関係性導出部34は、Rtを導出するためのマップやテーブルデータ、プログラム等を構築してもよい。また、疾病リスク関係性導出部34による処理は、非匿名開示合意情報が得られていない対象者の健康情報を反映させてもよい。
Rt=f{b,xit,yj,zkt} …(1)
疾病リスクRtとしては、例えば、現在から将来に亘る死亡率が算出される。また、これに代えて、疾病に罹る可能性、生存率、死亡数、生存率、平均余命、平均寿命、寿命中位数その他の指標が、疾病リスクRtとして算出されてもよい。
疾病リスク関係性導出部34は、例えば、疾病リスク関係性導出式に与えられるパラメータが類似する健康情報を、クラスタ分析等によってグループ化する。そして、疾病リスク関係性導出部34は、例えば、グループ内における疾病リスクの時系列変化パターンについて平均を求めることにより、パラメータの変化と疾病リスクの時系列変化パターンとの対応関係を学習し、疾病リスク関係性導出式を構築する。図13は、疾病リスク関係性導出式を構築する処理の内容を模式的に示す図である。疾病リスク関係性導出部34は、基本情報bが共通または類似する対象者群について、生活因子の時系列データxitと、遺伝因子yjと、環境因子の時系列データzktと、疾病リスクRtの時系列変化パターンとの関係を統計的に学習する。この学習結果に基づいて、例えば、時点T1よりも前のパラメータ変化と、時点T1よりも後の疾病リスクRtの変化とを対応付けることができる。すなわち、疾病リスク関係性導出部34は、統計的に導出した疾病リスクRtの時系列変化パターンのうち所定時点以降のパターンを、将来の予測値とする。疾病リスク関係性導出部34は、このような関係を網羅的に求めることで、上記の疾病リスク関係性導出式を構築する。
対象者毎疾病リスク導出部36は、例えば、保険の提供者からの照会、或いは対象者からの依頼に応じ、非匿名開示合意情報(第1段階)が得られた特定の対象者について、式(1)に基づいて現在から将来に亘る疾病リスクRtを求める。そして、対象者毎疾病リスク導出部36は、疾病リスクRtを非匿名の提供データとして、通信インターフェース10を介して保険会社端末200等に送信する。なお、非匿名の提供データは、対象者からの要求に応じて生成され、保険会社端末200等に送信されてもよい。
図14は、疾病リスク関係性導出部34および対象者毎疾病リスク導出部36により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。まず、保険データ提供装置1は、各種の情報収集用機器から健康データおよび合意情報を収集する(ステップS300)。そして、保険データ提供装置1は、疾病リスク関係性導出式を構築しておく(ステップS302)。
その後、対象者が保険の申し込みを行うと(ステップS304)、保険会社端末200から照会の依頼がなされる(ステップS306)。保険データ提供装置1は、非匿名開示合意情報が得られた対象者であるか否かを判定し、非匿名開示合意情報が得られた対象者である場合には、疾病リスク関係性導出式に基づいて疾病リスクRtを導出し(ステップS308)、提供データとして保険会社端末200等に送信する(ステップS310)。
また、疾病リスク関係性導出部34および対象者毎疾病リスク導出部36は、非匿名開示合意情報(第2段階)が得られた特定の対象者について、以下のような処理を行う。
疾病リスク関係性導出部34は、疾病リスク関係性導出部34は、例えば、式(2)で表される疾病リスク関係性導出式を構築する。式中、mltは医療情報の時系列データであり、その他の項は式(1)と同じである。疾病リスク関係性導出式の構築手法に関しては、上記と同様であるため、説明を省略する。
Rt=f{b,xit,yj,zkt,mlt} …(2)
対象者毎疾病リスク導出部36は、例えば、保険の提供者からの照会、或いは対象者からの依頼に応じ、非匿名開示合意情報(第2段階)が得られた特定の対象者について、式(2)に基づいて、現在から将来に亘る疾病リスクRtを求める。そして、対象者毎疾病リスク導出部36は、疾病リスクRtを非匿名の提供データとして、通信インターフェース10を介して保険会社端末200等に送信する。
保険データ提供装置1が上記のような非匿名の提供データを生成することで、保険の提供者は、対象者の状態に応じてカスタマイズされた保険を提供することが可能となる。また、対象者の側においても、不要な保険料の支払いを節約できる可能性が生じる。すなわち、保険の提供者と加入者の双方にとって利益をもたらすことが可能となる。
また、保険データ提供装置1において、匿名の提供データ、および非匿名の提供データは、それぞれ合意情報の範囲内で生成される。これによって、保険データ提供装置1は、個人情報を保護すると共に、保険の提供者に対して有益な情報を提供することができる。すなわち、保険データ提供装置1は、個人情報の保護と利便性とを両立させることができる。
[報酬管理]
報酬管理部40は、利用者端末100、薬局端末110、医院端末120、病院端末130等の情報収集用機器から健康データを収集したことに応じて、情報収集元への報酬の支払いを管理する。報酬管理部40は、情報収集元データベース75を用いて、上記支払いの管理を行う。図15は、情報収集元データベース75として格納される情報の一例を示す図である。図示するように、情報収集元データベース75では、情報収集元毎に、提供したデータの種別、件数、報酬算出額、IPアドレス等のアドレス情報、および支払口座等の情報が格納されている。報酬管理部40は、例えば、式(3)に基づいて情報収集元に対する報酬を算出する。式中、iはデータ種別であり、αiはデータ種別毎に定められる1件あたりの報酬であり、niはデータ種別iの件数である。なお、情報収集元に支払われる報酬の出所は、保険の提供者であってもよいし、保険データ提供装置1の運用者であってもよい。
報酬管理部40は、利用者端末100、薬局端末110、医院端末120、病院端末130等の情報収集用機器から健康データを収集したことに応じて、情報収集元への報酬の支払いを管理する。報酬管理部40は、情報収集元データベース75を用いて、上記支払いの管理を行う。図15は、情報収集元データベース75として格納される情報の一例を示す図である。図示するように、情報収集元データベース75では、情報収集元毎に、提供したデータの種別、件数、報酬算出額、IPアドレス等のアドレス情報、および支払口座等の情報が格納されている。報酬管理部40は、例えば、式(3)に基づいて情報収集元に対する報酬を算出する。式中、iはデータ種別であり、αiはデータ種別毎に定められる1件あたりの報酬であり、niはデータ種別iの件数である。なお、情報収集元に支払われる報酬の出所は、保険の提供者であってもよいし、保険データ提供装置1の運用者であってもよい。
(報酬)=Σi{αi×ni} …(3)
報酬管理部40は、情報収集元データベース75に基づいて、情報収集元への支払いを、図示しない支払サーバに依頼する。情報収集元に対して報酬を支払うことで、保険の提供者、および加入者に加えて、医療従事者に対しても利益をもたらすことができる。この結果、健康情報データベース72の内容を充実させることができ、より精度の高い提供データを生成することができる。
以上説明した第1の実施形態に係る保険データ提供装置1によれば、データベースで管理される人の健康に関する情報を、保険の分野に有効に活用することができる。
また、第1の実施形態に係る保険データ提供装置1によれば、データクレンジング処理と、突合処理とによって、様々なフォーマットで収集される健康情報を、統計処理に適した統一フォーマットの健康情報データベース72として管理することができる。
また、第1の実施形態に係る保険データ提供装置1によれば、また、匿名の提供データ、および非匿名の提供データは、それぞれ合意情報の範囲内で生成されるため、個人情報の保護と利便性とを両立させることができる。
また、第1の実施形態に係る保険データ提供装置1によれば、上記のような匿名の提供データを生成することで、保険の提供者は、様々な因子に基づいて疾病リスクがどのように変化するのかを知ることができる。また、保険データ提供装置1が複数のキー情報に依存する疾病リスクを求めることで、保険の提供者は、複数の因子による相乗効果を把握することができる。
また、第1の実施形態に係る保険データ提供装置1によれば、保険データ提供装置1が上記のような非匿名の提供データを生成することで、保険の提供者は、対象者の将来の疾病リスクRtを正確に知ることができる。この結果、保険の提供者は、対象者の状態に応じてカスタマイズされた保険を提供することが可能となる。また、対象者の側においても、不要な保険料の支払いを節約できる可能性が生じる。すなわち、保険データ提供装置1によれば、保険の提供者と加入者の双方にとって利益をもたらすことが可能となる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について説明する。図16は、第2の実施形態に係る保険データ提供装置2の構成を示す図である。第2実施形態に係る保険データ提供装置2は、第1実施形態の保険データ提供装置が有する構成要素に加えて、行動変容推奨部50を更に備える。その他の構成要素については第1の実施形態と同様であるため、同じ符号を付して機能についての説明を省略する。
以下、第2の実施形態について説明する。図16は、第2の実施形態に係る保険データ提供装置2の構成を示す図である。第2実施形態に係る保険データ提供装置2は、第1実施形態の保険データ提供装置が有する構成要素に加えて、行動変容推奨部50を更に備える。その他の構成要素については第1の実施形態と同様であるため、同じ符号を付して機能についての説明を省略する。
行動変容推奨部50は、対象者毎疾病リスク導出部36により疾病リスクRtが求められたときに、その疾病リスクが例えば同年代の他の対象者に比して所定程度以上高い場合に、直ちに保険の提供者に報告せず、その原因となった健康情報の項目を探索する。そして、原因となった項目についての改善を促す推奨情報を生成し、通信インターフェース10を介して対象者の利用者端末100等に出力する。これによって、対象者が過剰な保険料を支払うことを抑制することができる。また、保険の提供者にとっても、疾病リスクRtの高い人が保険に加入するのを抑制することで、保険金の支払いを抑制することができる。
行動変容推奨部50は、例えば、キー情報毎疾病リスク導出部32による処理結果を参照して、健康情報の項目が疾病リスクに与える影響度を数値化しておく。また、行動変容推奨部50は、例えば、基本情報でグループ分けした対象者群のそれぞれに対して、対象者毎疾病リスク導出部36による処理結果を参照して、標準的な疾病リスクRtを求める。行動変容推奨部50は、健康情報の項目が疾病リスクに与える影響度と、標準的な疾病リスクRtとに基づいて、照会があった対象者の疾病リスクRtを押し上げる要因となった項目を抽出し、その項目についての行動変容を促す推奨情報を生成する。
以上説明した第2の実施形態に係る保険データ提供装置2によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏するのに加え、対象者の行動変容を促すことで対象者が過剰な保険料を支払うことを抑制することができる。また、保険の提供者にとっても、疾病リスクRtの高い人が保険に加入するのを抑制することで、保険金の支払いを抑制することができる。
なお、上記各実施形態では、合意情報を収集すると共に記憶部70に記憶させ、健康情報に対応付けられた合意情報の示す範囲内で、保険の提供者に提供される提供データを生成するものとしたが、匿名の提供データに関しては、合意情報を得ることなく生成し、保険の提供者に提供(開示)するようにしてもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、人の健康に関する健康情報と、健康情報を提供した人による、健康情報が保険の提供者に開示されることの合意を示す合意情報とを収集する収集部(10等)と、収集部により収集された健康情報と合意情報とを互いに対応付けて記憶部(70)に記憶させるデータ管理部(20)と、データ管理部により記憶部に記憶された健康情報に対して処理を行い、健康情報に対応付けられた合意情報の示す範囲内で、保険の提供者に提供される提供データを生成する処理部(30)とを持つことにより、データベースで管理される人の健康に関する情報を、保険の分野に有効に活用することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…保険データ提供装置、10…通信インターフェース、20…データ管理部、30…処理部、32…キー情報毎疾病リスク導出部、34…疾病リスク関係性導出部、36…対象者毎疾病リスク導出部、40…報酬管理部、50…行動変容推奨部、70…記憶部、71…プログラム、72…健康情報データベース、73…クレンジング対応情報、74…合意情報データベース、75…情報収集元データベース、100…利用者端末、102…活動量計、104…バイタルセンサ、110…薬局端末、120…医院端末、130…病院端末、200…保険会社端末
Claims (12)
- 人の健康に関する健康情報と、前記健康情報を提供した人による、前記健康情報に基づく情報が保険の提供者に開示されることの合意を示す合意情報とを収集する収集部と、
前記収集部により収集された健康情報と合意情報とを互いに対応付けて記憶部に記憶させるデータ管理部と、
前記データ管理部により前記記憶部に記憶された健康情報に対して処理を行い、前記健康情報に対応付けられた前記合意情報の示す範囲内で、前記保険の提供者に提供される提供データを生成する処理部と、
を備える保険データ提供装置。 - 前記データ管理部は、前記収集部により収集される健康情報の収集元ごとに特定される健康情報の種類と、前記記憶部に記憶させる情報の形式との対応関係を示す対応情報を参照することで、前記収集部により個別のフォーマットで収集される健康情報における不要な項目を破棄すると共に、異なる種類の健康情報からの情報を人について足し合わせて前記記憶部に記憶させる、
請求項1記載の保険データ提供装置。 - 前記合意情報は、前記健康情報を提供した人が、前記健康情報に基づく情報の段階的な開示の程度について、どの段階の開示まで合意するかを示す段階的合意情報を含み、
前記処理部は、前記段階的合意情報の内容に応じた提供データを生成する、
請求項1または2記載の保険データ提供装置。 - 前記段階的合意情報は、
前記健康情報を提供した人が、前記健康情報に基づく情報が匿名状態で前記保険の提供者に開示されることを合意することを示す匿名開示合意情報と、
前記健康情報を提供した人が、前記健康情報に基づく情報が非匿名状態で前記保険の提供者に開示されることを合意する非匿名開示合意情報と、
を少なくとも含む、
請求項3記載の保険データ提供装置。 - 前記非匿名開示合意情報は、更に、前記健康情報を提供した人が、非匿名状態で前記保険の提供者に段階的に開示される情報のうち、どの段階的の開示まで合意するかを示す情報を含む、
請求項4記載の保険データ提供装置。 - 前記処理部は、前記匿名開示合意情報が得られた人に関する前記健康情報を統計処理することで、前記健康情報に含まれる1以上の項目に依存する疾病リスクを導出し、前記導出した疾病リスクに基づいて、匿名状態の前記提供データを生成する、
請求項4または5記載の保険データ提供装置。 - 前記健康情報は、年齢、性別、身長、および体重のうち少なくとも一つを含む基本情報と、労働時間、睡眠時間、飲酒の有無または量、喫煙の有無または量、運動の頻度または量、および単位時間あたりの消費カロリーのうち少なくとも一つを含む生活因子の時系列データと、人の生活環境を示す環境因子の時系列データと、人の遺伝的要素を示す遺伝因子の情報とを含み、
前記処理部は、前記収集部により収集された健康情報に基づいて、生活因子の時系列データ、環境因子の時系列データ、および遺伝因子の情報のうち少なくとも一部と、疾病リスクの時系列変化パターンとの関係を統計的に導出しておき、前記導出した関係と、前記非匿名開示合意情報が得られた対象者について前記収集部により収集された情報とに基づいて、前記対象者の疾病リスクを非匿名の前記提供データとして生成する、
請求項4から6のうちいずれか1項記載の保険データ提供装置。 - 前記処理部は、前記統計的に導出した疾病リスクの時系列変化パターンのうち所定時点以降のパターンを将来の予測値とすることで、前記対象者の将来の疾病リスクを前記提供データとして生成する、
請求項7記載の保険データ提供装置。 - 前記処理部によって生成された非匿名の前記提供データの内容に基づいて、前記対象者に対して行動変容を促す情報を出力する行動変容推奨部を更に備える、
請求項7または8記載の保険データ提供装置。 - 前記健康情報の収集元に支払われる報酬を、前記健康情報の種別と、前記種別あたりの件数とに基づいて決定する報酬管理部を更に備える、
請求項1から9のうちいずれか1項記載の保険データ提供装置。 - コンピュータが、
人の健康に関する健康情報と、前記健康情報を提供した人による、前記健康情報に基づく情報が保険の提供者に開示されることの合意を示す合意情報とを収集し、
前記収集された健康情報と合意情報とを互いに対応付けて記憶部に記憶させ、
前記記憶部に記憶された健康情報に対して処理を行い、前記健康情報に対応付けられた前記合意情報の示す範囲内で、前記保険の提供者に提供される提供データを生成する、
保険データ提供方法。 - コンピュータに、
収集部によって収取された、人の健康に関する健康情報と、前記健康情報を提供した人による、前記健康情報に基づく情報が保険の提供者に開示されることの合意を示す合意情報とを互いに対応付けて記憶部に記憶させる処理と、
前記記憶部に記憶された健康情報に対して処理を行い、前記健康情報に対応付けられた前記合意情報の示す範囲内で、前記保険の提供者に提供される提供データを生成する処理と、
を実行させるための保険データ提供プログラム。
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-
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