JP2016194608A - 液晶素子、及びそれを用いた画像投射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液晶素子の応答速度が遅いため、液晶素子を用いた画像投射装置は、動画ボケを解消するのが困難であった。【解決手段】 第1色光に対応する第1液晶素子と、前記第1色光よりも波長が短い第2色光に対応する第2液晶素子と、光源からの光で前記第1、2液晶素子を照明する照明光学系と、前記第1、2液晶素子からの画像光を投射する投射光学系と、を備える画像投射装置であって、前記第1液晶素子は、対向する一対の第1基板と、前記一対の第1基板の間に配置された第1液晶層と、を有しており、前記第1色光の波長をλ1とするとき、前記第1液晶層が前記第1色光に対して与える光路長の差は、前記第1色光の波長λ1の半分よりも小さい、ことを特徴とする画像投射装置。【選択図】 図1
Description
本発明は、入射光を変調して射出する液晶素子、及びそれを用いた画像投射装置に関する発明である。
従来、画像投射装置の画像表示素子として液晶素子を用いたプロジェクタが多く存在する。このようなプロジェクタは、光源からの光を照明光学系と色分解合成系を介して、液晶素子を照明し、この液晶素子で変調された光を投射レンズによってスクリーンに投影している。
近年、このような液晶素子を用いた場合に、液晶素子の応答速度の遅さによる動画のぼけが問題となってきている。この問題に対しては、下記の特許文献1、2では、液晶素子の駆動周波数を高めることにより、動画ぼけを改善しようとしている。
例えば、特許文献1では、液晶層の厚みが2μm以下、液晶の屈折率異方性Δnが0.11以上、画素サイズが10μm以下で液晶のプレチルト角が1°〜5°の反射型液晶表示が提示されている。
特許文献2では、液晶層の厚みが0.7〜1.5μm以下、液晶の屈折率異方性Δnが0.1〜0.8、粘度が15cps以下、誘電率異方性が2.5〜10の液晶パネルが提示されている。
上述の特許文献に開示された従来技術は、動画ぼけを改善するために、液晶表示素子の応答速度を上げる、という手段を採っている。このため、上述の従来技術は、液晶素子単体における応答速度の向上を志向した発明である。
そこで、本願発明においては、画像投射装置として表示する画像の高品質化を考慮した上での、応答速度が向上した液晶素子、画像投射装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の液晶素子は、対向する一対の基板と、前記一対の基板の間に配置された液晶層と、を備える液晶素子であって、前記液晶素子に入射する入射光の波長をλ1とするとき、前記液晶層が前記入射光に対して与える光路長の差は、前記入射光の波長λ1の半分よりも小さい、ことを特徴としている。
また、本発明の画像投射装置は、第1色光に対応する第1液晶素子と、前記第1色光よりも波長が短い第2色光に対応する第2液晶素子と、光源からの光で前記第1、2液晶素子を照明する照明光学系と、前記第1、2液晶素子からの画像光を投射する投射光学系と、を備える画像投射装置であって、前記第1液晶素子は、対向する一対の第1基板と、前記一対の第1基板の間に配置された第1液晶層と、を有しており、前記第1色光の波長をλ1とするとき、前記第1液晶層が前記第1色光に対して与える光路長の差は、前記第1色光の波長λ1の半分よりも小さい、ことを特徴としている。
本発明によれば、画像投射装置が投射する画像の動画ボケを低減することが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施例である液晶表示素子(液晶素子)を説明する。ここで、図2は反射型液晶表示素子50を示す構成図である。反射型液晶表示素子50はガラス基板52とSi基板53(対向する一対の基板)の間に液晶層51を封入し作製されている。ガラス基板52には透明電極54が配置されている(透過型の場合は一対の基板の両方ともが透明な基板となる)。Si基板53には反射型液晶表示素子50を駆動させるための半導体回路が構成されており、表面に反射電極55が配置されている。ガラス基板52とSi基板53には液晶層51に接する面側に液晶分子を並べるための配向膜56がそれぞれ配置されている。透明電極54はITO電極であり、反射電極55はAl等を主成分とする電極である。また、配向膜56は液晶分子を垂直方向に配向させる膜であり、無機配向膜をSiO2を斜方蒸着することや、ポリイミド膜などにラビング処理を行うことで形成している。そして、液晶層51の液晶材料は負の誘電率異方性を有する液晶材料を用いた。
この反射型液晶表示素子50における液晶層51の厚みをd(μm)とする。液晶層51の厚みは図示しないスペーサーによって制御されている。
液晶材料の屈折率異方性をΔnとする。屈折率異方性とは液晶分子の長軸方向の屈折率neと単軸方向の屈折率noとの差で与えられる。この屈折率の値は波長分散特性を有し、各々の波長に対して固有の値を有する。
ここで、反射型液晶表示素子50の駆動原理について説明する。
反射型液晶表示素子50は、1フレーム(例えば60Hz)を複数フィールドに分割し、フィールド毎に正負の電圧を反転させた駆動電圧をSi基板53に構成された半導体回路を通して反射電極55に印加することにより駆動する。垂直配向した負の誘電率異方性を有する液晶材料51は、駆動電圧が0Vの時には基板面に対してほぼ垂直に液晶分子が配向している。そして、駆動電圧を印加していくに従い、基板面に対して水平方向に液晶分子が傾いていく。液晶分子が傾くに従い、液晶層51を透過する光の偏光方向を変調することにより、反射型液晶表示素子50の反射率を変化させ階調表示することが可能となる。図に駆動電圧と反射型液晶表示素子50の反射率の関係を示す。反射率は、液晶表示素子に入射した光の光量に対する、液晶層を出射した光のうち検光素子(偏光板、或いは偏光分離素子(PBS))を介した光の光量の割合であって、以下のように表すことができる。
Sin^2(2πΔneffd/λ) (1)式
Sin^2(2πΔneffd/λ) (1)式
ここで、Δneffは駆動電圧を印加し、液晶分子が傾いた時の長軸方向の実効的な屈折率neと短軸方向の実効的な屈折率noの差である。垂直配向している液晶(VA液晶)においては、駆動電圧を大きくするに従って、Δneffは大きくなる。そして、液晶分子が基板と平行になるまでΔneffは大きくなり続ける。ツイストネマティック液晶(TN液晶)においては、駆動電圧を大きくするに従って、Δneffは小さくなる。
またλは反射型液晶表示素子50に入射される光の波長である。
反射型液晶表示素子であるため、入射された光は液晶層51を2回透過することになるため、Δndの値に2を乗算している。
図3に示した通り駆動電圧が大きくなるにしたがいΔneffが大きくなり、反射率が増加していく。そして、Δneffd/λが1/4になった時に反射率が最大となり、それよりもΔneffが大きくなると、反射率は低下していく。ここで反射率が最大となる駆動電圧をVmaxとする。
また、図4に反射型液晶表示素子50の応答速度を示す。応答速度はある階調から別の階調に表示を切り替えたときの各々の階調に対して10%から90%に変化する際の時間を定義したものである。
ここで、反射型液晶表示素子50の液晶層51の厚みd(μm)、液晶材料の屈折率異方性Δn、入射光の波長λを変化させたときの反射率最大となる駆動電圧Vmaxと応答速度を図5に示す。
図5に示した通り、液晶層51の厚みdを薄くすると応答速度が速くなることがわかる。一方、反射率最大となる駆動電圧Vmaxも大きくなっていることがわかる。
これは、液晶層51の厚みを薄くすると式のdの値が小さくなる。そのため、Δnの値を大きくするため、より液晶分子の傾き角を大きく、すなわち駆動電圧を大きくする必要があるためである。
また、図5からわかるように、液晶材料の屈折率異方性Δnが大きくなると、反射率最大となる駆動電圧Vmaxが小さくなる。
また、入射光の波長λが短くなると、反射率最大となる駆動電圧Vmaxが小さくなる。
反射型液晶表示素子50に用いられているSi基板53の半導体回路は高耐圧プロセスを用いても駆動電圧の最大値を10V以下にすることが好ましく、7V以下にすることがより好ましい。さらに、反射型液晶表示素子50の駆動周波数を高めるためには5V以下にすることがより好ましい。
一方、現在の液晶表示装置(画像投射装置)において、液晶表示素子の応答速度を速めることが求められている。これは、ひとつの理由として動画視認性向上のため、液晶表示素子の駆動周波数を高める手法がとられているためであり、一般的にはフレーム周波数(例えば60Hz)の4倍以上(例えば240Hz)で駆動することが求められている。また、3D表示に対応するためにも、フレーム周波数の4倍で駆動することが求められてきている。もうひとつの理由としてフィールドシーケンシャル駆動に対応するために、液晶表示素子の駆動周波数を高めることが求められている。フィールドシーケンシャルとは1フレーム(例えば60Hz)の画像に対して、たとえばRGBそれぞれの色に応じた画像を1/3以上の期間(例えば180Hz)で順に表示し、時間的に重ね合わせることでフルカラーを表示する方法である。このフィールドシーケンシャルにおいてより好ましくはフレーム周波数の6倍(例えば360Hz)以上の駆動周波数で液晶表示素子を駆動することが求められている。
したがって、反射率を100%表示しつつ、応答速度を速めていくためには液晶層51の厚みdを薄くし、液晶材料の屈折率異方性Δnを大きくすることが求められる。具体的には、液晶材料(液晶層の材料)の屈折率異方性Δnが0.1以上であることが望ましい。
しかしながら、液晶材料の屈折率異方性Δnを大きくしていくと、耐光性に問題が出てくることが知られている。これは、屈折率異方性を大きくすると可視領域の光に対する吸収が生じてきやすくなるためである。
上記の理由により、液晶表示素子における液晶層の厚みdと液晶材料の屈折率異方性Δnとの関係を適切に選ぶ必要がある。
また、入射光に応じて液晶表示素子の材料や厚みを変更することも考えられるが、この方法はコストの面からいって負担が大きくなる。
そこで、本発明では液晶表示装置1の明るさを下げることなく、応答速度を高めることができる反射型液晶表示素子50の条件を見出した。
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施例である液晶表示装置1を説明する。ここで、図6は、液晶表示装置1を示す構成図である。
液晶表示装置(画像投射装置)1は、各色に対応する液晶表示素子(反射型或いは透過型)によって変調された画像光を合成してスクリーン200に表示する(投射する)機能を有する。液晶表示装置1は、本実施例では、反射型液晶表示素子50を搭載した投射型液晶表示装置である。液晶表示装置1は、LED(光源)10と、照明光学系20と、投射レンズ光学系(投射光学系)40と、液晶表示素子(液晶素子)50と、記憶部60と、制御部70を有する。
LED10は、青色帯域(青色の波長帯域)、緑色帯域(緑色の波長帯域)、赤色帯域(赤色の波長帯域)の光を時間順に発光する。図7にLED10の発光スペクトル(波長とその波長における光量との関係)を示す。ここでは、青色帯域の光(青色用の液晶素子に入射する光)を実線で、緑色帯域の光(緑色用の液晶素子に入射する光)を破線で、赤色帯域の光(赤色用の液晶素子に入射する光)を一点鎖線で示している。それぞれの波長帯域の光量は、青色が最も多く、次いで赤色、最も少ないのが緑色となっている。つまり、比視感度が最も高い緑色光よりも、緑色光よりも波長が長く比視感度が低い赤色光の方が、光量が多くなっている。また、青色帯域の光(最も波長が短い波長帯域の光)のピーク波長は470nm、出力は3W。緑色帯域の光(青色帯域よりも波長が長く、赤色帯域よりも波長が短い波長帯域の光、最も比視感度が高い波長帯域の光)のピーク波長は530nm、出力は3W。赤色帯域の光(最も波長が長い波長帯域の光、最も光量が多い波長帯域の光)のピーク波長は640nm、出力は1.5Wである。また、これらのピーク波長は、光源の発光スペクトルにおけるピーク波長であることが望ましいが、各々の色光に対応する液晶表示素子に入射する色光の波長帯域内でのピーク波長であっても構わない。
照明光学系20は、LED10からの光を反射型液晶表示素子50に伝達する機能を有する。照明光学系20は、フライアイレンズ22、23と偏光変換素子24を有する。偏光変換素子24は、無偏光光を所定の偏光光に変換する機能を有する。偏光ビームスプリッター33は、P偏光光を透過し、S偏光光を反射する。1/4波長板35は、位相差を与える機能を有する。1/4波長板35は、偏光ビームスプリッター33と反射型液晶表示素子50との間に配置される。投射レンズ光学系40は、照明光学系20、偏光ビームスプリッター33を介し、反射型液晶表示素子50にて変調された光を投射する。記憶部60は図示しない外部入力機器からの映像信号を任意のガンマテーブルを用いて駆動電圧に変更する。そして、制御部70にて反射型液晶表示素子50に駆動電圧を印加する、映像表示を行う。
LED10は図に示したように青色帯域、緑色帯域、赤色帯域の光を180Hzで順に発光している。
ここでは、液晶表示装置1において、反射型液晶表示素子50の構成を変化させたときの性能について説明する。
一般的に、LED10の発光効率は緑色帯域が低いことが知られている。したがって、この3帯域の光を合成すると、合成された色は白ではなく、マゼンタになってしまう。したがって、LED10の出力、照明光学系20または、投射レンズ光学系40における透過率、または反射型液晶表示素子50の反射率をコントロールすることで、3帯域の光を合成した時に白を表示できるようにする必要がある。具体的には、上記手段によって青色帯域の投射光量を58%下げ、赤色帯域の投射光量を19%下げる必要があり、そうすることによってD65光源と同等の白を表示することが可能となる。白の色に関しては、D65光源の色に限定することなく、白に近い色であればよく、その場合はそれぞれの帯域の光量の下げ幅を異ならせればよい。このように白に近い色を表現するためには、一般的には、LED10の光量や、照明光学系20の透過率によって、液晶表示素子に入射する各色光の光量をコントロールすることで、3帯域の光が合成された結果としての白の色味を調整する。つまり、反射型液晶表示素子50の反射率(反射型液晶素子で変調され、検光された結果としての反射率)をコントロールする条件で液晶表示装置1を使用する可能性は低い。但し、上記の一般的な方法は、白色を出す(色バランスを取る)点では有効ではあるが、反射型液晶表示素子50の応答速度を向上させる、という点には何ら寄与しない。
本実施例では、LED10の出射光を合成した光が白色ではなく、青色帯域と赤色帯域の光が照射された際の反射型液晶表示素子50の反射率は100%になる必要がないことに基づいている。そして反射型液晶表示素子50の液晶層の厚みを薄くすることで、必要な反射率を確保しつつm反射型液晶表示素子50の応答速度をより高めることができることを見出した。
式に示したように、反射型液晶表示素子50の反射率は入射光の波長によっても異なり、波長が長いほど同じ駆動電圧を印加した時の反射率は低くなる。しかし、液晶表示装置1において、LED10の赤色帯域の光量が多いため、赤色帯域における反射率が100%でなくとも、液晶表示装置1として使用する場合には問題がない。そこで、赤色用の液晶表示素子に入射するRED帯域(赤色帯域)の光のピーク波長λ1(nm)に対して、液晶表示素子における反射率(反射型液晶素子で変調され、検光された結果としての反射率)が100%未満となる条件を設定する。つまり、液晶表示素子の液晶層の厚みdと液晶材料の屈折率異方性Δnとの関係が
Δnd<0.25×λl
を満足するように構成することで液晶表示装置1の明るさを下げることなく、応答速度を高めることができる。
Δnd<0.25×λl
を満足するように構成することで液晶表示装置1の明るさを下げることなく、応答速度を高めることができる。
より好ましく(応答速度を高める点においてより好ましい条件として)は、反射率90%未満となる条件に相当する
Δnd<0.2×λl
を満足するように構成すると尚好ましい。
Δnd<0.2×λl
を満足するように構成すると尚好ましい。
本構成における液晶表示装置1において、フィールドシーケンシャル方式を用いるため、反射型液晶表示素子50は360Hzで駆動する必要がある。従って、応答速度は最低でも3ms以下が必要であり、より好ましくは2ms以下であることが必要である。
図1に記載の通り、液晶層51の厚みを1.25μmで液晶材料の屈折率異方性が0.012であれば、駆動電圧が7Vでも液晶表示装置1の明るさを下げることなく応答速度2msを達成することができることが確認された。
本実施例では液晶層51の厚みを1.25μmで液晶材料の屈折率異方性が0.012の反射型液晶表示素子について説明したが、本発明の効果はこれに限定するものではなく、Δnd<0.25×λlであればよい。
ただし、応答速度を高速化するためには、液晶層51の厚みが2μm以下であることが好ましく、1.5μm以下であることがより好ましい。
本実施例はアナログ駆動反射型液晶表示素子に関して説明したが、本発明の効果はデジタル駆動でも同様の効果が得られる。
本実施例は、光源としてLEDに関して説明したが、本発明の効果はLaser等の個体光源としても同様の効果が得られる。また、本実施例においても後述する実施例においても、光源としてのLED或いはLaserは白色光を発する1つのユニットとして構成しても構わないし、それぞれの赤、緑、青色光を発する別々のLED、Laser(光源ユニット)を用いても良い。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。
本実施例の液晶表示装置1の構成を図8に示す。液晶表示装置1は、画像をスクリーン200に表示する機能を有する。液晶表示装置1は、本実施例では、3つの反射型液晶表示素子50を搭載した投射型液晶表示装置である。液晶表示装置1は、LED10と、照明光学系20と、色分解合成系30と、投射レンズ光学系40と、反射型液晶表示素子50と、記憶部60と、制御部70を有する。
LED10は、青色帯域、緑色帯域、赤色帯域の光を時間順に発光する。図7にLED10の発光スペクトルを示す。青色帯域の光のピーク波長は470nm、出力は3W。緑色帯域の光のピーク波長は530nm、出力は3W。赤色帯域の光のピーク波長は640nm、出力は1.5Wである。
照明光学系20は、LED10からの光を液晶表示素子50に伝達する機能を有する。照明光学系20は、フライアイレンズ22、23と偏光変換素子24を有する。偏光変換素子24は、無偏光光を所定の偏光光に変換する機能を有する。色分解合成系30は、ダイクロイックミラー31と偏光ビームスプリッター33と色選択性位相差板36を有す。ダイクロイックミラー31は、青色帯域と赤色帯域の光を反射し、緑色帯域の光を透過する。色選択性位相差板36は、特定の光の偏光方向を90度変換する機能を有する。色選択性位相差板36は、青色帯域の光の偏光方向を90度変換し、赤色帯域の光の偏光方向は変換しない。偏光ビームスプリッター33は、P偏光光を透過し、S偏光光を反射する。1/4波長板35は、位相差を与える機能を有する。1/4波長板35は、偏光ビームスプリッター33と反射型液晶表示素子50との間に配置される。反射型液晶表示素子50は青色帯域の光が入射される青色用反射型液晶表示素子50Bと、緑色帯域の光が入射される緑色用反射型液晶表示素子50Gと、赤色帯域の光が入射される赤色用反射型液晶表示素子50Rとを有す。
投射レンズ光学系40は、照明光学系20、色分解合成系30、偏光ビームスプリッター33を介し、反射型液晶表示素子50にて変調された光を投射する。記憶部60は図示しない外部入力機器からの映像信号を任意のガンマテーブルを用いて駆動電圧に変更する。そして、制御部70にて反射型液晶表示素子50に駆動電圧を印加する、映像表示を行う。
ここでは、液晶表示装置1において、反射型液晶表示素子50の構成を変化させたときの性能について説明する。
LED10の発光光を色分解合成系(色分割素子)30にて青色帯域、緑色帯域、赤色帯域に分割する。一般的にLED10の発光効率は緑色帯域が低いことが知られている。したがって、このままこの3帯域の光を合成すると、合成された色は白ではなく、マゼンタになってしまう。したがって、合成された色光が白(或いは白に近い色)になるように、LED10の出力、照明光学系20、色分解合成系30または、投射レンズ光学系40における透過率、または3つの反射型液晶表示素子の反射率を制御する必要がある。具体的には、上記手段によって青色帯域の投射光量を58%下げ、赤色帯域の投射光量を19%下げる。そうすることによってD65光源と同等の白を表示することが可能となる。白の色に関しては、D65光源の色に限定することなく、白に近い色であればよく、その場合はそれぞれの帯域の光量の下げ幅を異ならせればよい。
一般的には、LED10の光量や、照明光学系20、色分解合成系30の透過率によって、液晶表示素子に入射される光量をコントロールすることで、3帯域の光を合成し白の色を調整する。
本実施例では、LED10の出射光を合成した光の中に青色帯域と赤色帯域の光が多いことに基づいている。つまり、青色光用、赤色光用の反射型液晶表示素子50B、50Rの反射率を100%未満とすることによって、緑色光とのバランスが取れる(色バランスが取れる)ことになる。但し、緑色光用の反射型液晶表示素子50Gの反射率は100%であることが望ましい。そこで、赤色帯域については反射率が100%未満になるように3つの反射型液晶表示素子の液晶層の厚みを薄くして液晶表示素子の応答速度をより高めつつ、緑色帯域については反射率が100%となるようにしている。このような構成を採ることにより、液晶表示素子の高速化と、良好な色バランスとを両立した液晶表示装置(画像投射装置)を達成することができる。
したがって、赤色帯域の光のピーク波長λ1(nm)に対して、赤色光(第1色光)用の反射型液晶表示素子(第1液晶素子)の液晶層の厚みdと液晶材料の屈折率異方性Δnとの関係は反射率が100%未満となるように、
Δn・d<λ1/4
を満足するようにする。このような構成とすることによって、液晶表示装置の明るさを下げることなく、応答速度を高めることができる。より好ましくは、反射率が約90%未満となる条件、すなわち
Δn・d<λ1/5
を満足するように構成することで、さらに応答速度を高めることができる。
Δn・d<λ1/4
を満足するようにする。このような構成とすることによって、液晶表示装置の明るさを下げることなく、応答速度を高めることができる。より好ましくは、反射率が約90%未満となる条件、すなわち
Δn・d<λ1/5
を満足するように構成することで、さらに応答速度を高めることができる。
ここまでは、赤色帯域の光について述べて来たが、緑色帯域の光については、赤色帯域の光とは逆のことが言える。つまり、緑色帯域の光(比視感度が最も高い光、或いは赤色帯域の光よりも波長が短い波長帯域の光)のピーク波長λ2(nm)に関しては、液晶表示素子の液晶層の厚みdと液晶材料の屈折率異方性Δnについて
Δn・d≧λ2/4
を満足させることが望ましい。つまり、緑色光(第2色光)用の液晶素子(第2液晶素子)において、液晶素子の(緑色帯域の光量がピークとなる波長の光に対する)反射率が100%を満足する条件である。この場合は、青色光(第3色光)用の液晶素子(第3液晶素子)の反射率も勿論100%となる。また、その他、緑色光用、或いは青色光用の液晶素子については、後述する第3の実施例に記載している条件と適宜組み合わせても構わない。
Δn・d≧λ2/4
を満足させることが望ましい。つまり、緑色光(第2色光)用の液晶素子(第2液晶素子)において、液晶素子の(緑色帯域の光量がピークとなる波長の光に対する)反射率が100%を満足する条件である。この場合は、青色光(第3色光)用の液晶素子(第3液晶素子)の反射率も勿論100%となる。また、その他、緑色光用、或いは青色光用の液晶素子については、後述する第3の実施例に記載している条件と適宜組み合わせても構わない。
図1に記載の通り、液晶層51の厚みを1.25μmで液晶材料の屈折率異方性が0.012であれば、駆動電圧が7Vでも液晶表示装置1の明るさを下げることなく応答速度2msを達成することができることが確認された。
従って、液晶表示素子50B、50G、50Rをフレーム周波数の4倍である240Hzでの駆動が可能となり、動画視認性の向上ならびに、3D表示にも適用することができる液晶表示装置が実現可能となる。
本実施例では液晶層51の厚みを1.25μmで液晶材料の屈折率異方性が0.012の反射型液晶表示素子について説明したが、本発明の効果はこれに限定するものではなく、Δnd<0.25×λlであればよい。
ただし、応答速度を高速化するためには、液晶層51の厚みが2μm以下であることが好ましく、1.5μm以下であることがより好ましい。
本実施例はアナログ駆動反射型液晶表示素子に関して説明したが、本発明の効果はデジタル駆動でも同様の効果が得られる。
本実施例は、光源としてLEDに関して説明したが、本発明の効果はLaser等の個体光源としても同様の効果が得られる。
次に、本発明の第3の実施例について説明する。
本実施例の液晶表示装置1の構成図を図9に示す。液晶表示装置1は、画像をスクリーン200に表示する機能を有する。液晶表示装置1は、本実施例では、3つの反射型液晶表示素子50を搭載した投射型液晶表示装置である。液晶表示装置1は、ランプ11と、照明光学系20と、色分解合成系30と、投射レンズ光学系40と、反射型液晶表示素子50と、記憶部60と、制御部70を有する。
ランプ11は、白色に近い光を発光しており、照明光学系20が持つ色分割素子によってこの白色光を分割することによって、赤色光、緑色光、青色光を生成し、各色光に対応する液晶表示素子を照明している。図10にランプ11の発光スペクトルを示す。ここでは、青色帯域の光(青色用の液晶素子に入射する光)を実線で、緑色帯域の光(緑色用の液晶素子に入射する光)を破線で、赤色帯域の光(赤色用の液晶素子に入射する光)を一点鎖線で示している。
照明光学系20は、LED10からの光を液晶表示素子50に伝達する機能を有する。照明光学系20は、フライアイレンズ22、23と偏光変換素子24を有する。偏光変換素子24は、無偏光光を所定の偏光光に変換する機能を有する。色分解合成系30は、ダイクロイックミラー31と偏光ビームスプリッター33と色選択性位相差板36を有す。ダイクロイックミラー31は、青色帯域と赤色帯域の光を反射し、緑色帯域の光を透過する。色選択性位相差板36は、特定の光の偏光方向を90度変換する機能を有する。色選択性位相差板36は、青色帯域の光の偏光方向を90度変換し、赤色帯域の光の偏光方向は変換しない。偏光ビームスプリッター33は、P偏光光を透過し、S偏光光を反射する。1/4波長板35は、位相差を与える機能を有する。1/4波長板35は、偏光ビームスプリッター33と反射型液晶表示素子50との間に配置される。反射型液晶表示素子50は青色帯域の光が入射される青色用反射型液晶表示素子50Bと、緑色帯域の光が入射される緑色用反射型液晶表示素子50Gと、赤色帯域の光が入射される赤色用反射型液晶表示素子50Rとを有す。
投射レンズ光学系40は、照明光学系20、色分解合成系30、偏光ビームスプリッター33を介し、反射型液晶表示素子50にて変調された光を投射する。記憶部60は図示しない外部入力機器からの映像信号を任意のガンマテーブルを用いて駆動電圧に変更する。そして、制御部70にて反射型液晶表示素子50に駆動電圧を印加する、映像表示を行う。
図10に本実施例の液晶表示装置1における反射型液晶表示素子50B、50G、50Rに入射される光のスペクトルを示す。青色用反射型液晶表示素子50Bに入射される光のピーク波長は440nmで光量は2.9W。緑色用反射型液晶表示素子50Gに入射される光のピーク波長は570nmで光量は3.7W。赤色用反射型液晶表示素子50Rに入射される光のピーク波長は600nmで光量は1.8Wである。
ここでは、液晶表示装置1において、反射型液晶表示素子50の構成を変化させたときの性能について説明する。
ランプ11の発光光を色分解合成系30にて青色帯域、緑色帯域、赤色帯域に分割する。その際に、出力は青色帯域の光が低いことが知られている。したがって、この出力のままこの3帯域の光を合成すると白ではなく、黄色に近い色になってしまう。したがって、ランプ11の出力、照明光学系20、色分解合成系30または、投射レンズ光学系40における透過率、または3つの反射型液晶表示素子の反射率を制御することで、3帯域の光を合成した時に白を表示できるようにする必要がある。具体的には、上記手段によって緑色帯域の投射光量を44%下げ、赤色帯域の投射光量を26%下げる。そうすることによってD65光源と同等の白を表示することが可能となる。白の色に関しては、D65光源の色に限定することなく、白に近い色であればよく、その場合は投射光量の下げ幅を異ならせばよい。
一般的には、上記のように反射型液晶表示素子の反射率をコントロールするのではなく、照明光学系20、色分解合成系30の透過率によって、液晶表示素子に入射される光量をコントロールすることで、3帯域の光を合成し白の色を調整する。しかし、この方法では反射型液晶表示素子50B、50G、50Rの応答速度を速めることができなくなってしまう。
本実施例では、ランプ11の出射光を合成した光が白色ではなく、緑色帯域と赤色帯域の光が照射された際の反射型液晶表示素子50G、50Rの反射率は100%になる必要がないことに基づいている。液晶表示素子によって入射光(のP偏光光とS偏光光と)に与える光路長差が、入射光の波長(の光量がピークとなる波長)の半分未満になる(半分よりも小さくする)ことを許容可能な構成であることに基づいている。言い換えると、液晶表示素子が入射光(の互いに直交する偏光方向を持つ直線偏光光)に対して与えることができる最大の光路長差が、入射光の波長(各パネルに対応する各色領域内において光量がピークとなる波長)の半分未満である。また、ここで入射光に対して与える光路長差とは、入射光(各色光領域内の光量がピークとなる波長の光)のうち偏光方向が互いに直交する2つの直線偏光光に対して与えられる光路長差のことである。このように、入射光に与えることができる光路長差(位相差)が少なくなる代わりに、反射型液晶表示素子50B、50G、50Rの液晶層の厚みを薄くすることで、反射型液晶表示素子の応答速度をより高めることができる。逆に言えば、液晶表示素子の応答速度を高めることが出来る一方で、赤色光を若干損失するものの、液晶表示装置が表示する画像にはほぼ影響が無いままで、液晶素子の応答速度を向上させることができる、という効果が得られる。この際、緑色光用及び青色光用の液晶表示素子が、緑色光(比視感度が最も高い色光)、青色光(赤色光よりも波長が短い色光)に与える光路長差は、それぞれの入射光の波長の半分以上であることが望ましい。詳細は後述する。
ここで、液晶層が入射光に対して与える光路長差とは、入射光のうちS偏光光とP偏光光、つまり互いに直交する偏光方向を持つ2つの直線偏光光に対して与えられる光路長差(両者の直線偏光光にとっての光路長の差)のことである。また、波長(第1、2、3色光の波長)は、各々の波長領域の中で最も輝度が高い波長、或いは最も短い波長のいずれかを指している。また、上述の光路長差(位相差)が入射光の波長の半分未満しか与えられない色光は、最も比視感度が高い色光(通常は緑色光)よりも波長が長い色光(通常は赤色光)であることが望ましい。もしくは、上述の光路長差(位相差)が入射光の波長の半分未満しか与えられない色光は、複数の色光の中で最も波長が長い色光であることが望ましい。
したがって、赤色帯域の光のピーク波長λ1(nm)に対して、赤色光(第1色光)用の反射型液晶表示素子(第1液晶素子)の液晶層の厚みdと液晶材料の屈折率異方性Δnとの関係は反射率が100%未満となるように、
Δn・d<λ1/4
を満足するようにする。このような構成とすることによって、液晶表示装置の明るさを下げることなく、応答速度を高めることができる。より好ましくは、反射率が約90%未満となる条件、すなわち
Δn・d<λ1/5
を満足するように構成することで、さらに応答速度を高めることができる。
Δn・d<λ1/4
を満足するようにする。このような構成とすることによって、液晶表示装置の明るさを下げることなく、応答速度を高めることができる。より好ましくは、反射率が約90%未満となる条件、すなわち
Δn・d<λ1/5
を満足するように構成することで、さらに応答速度を高めることができる。
ここまでは、赤色帯域の光について述べて来たが、緑色帯域の光については、赤色帯域の光とは逆のことが言える。つまり、緑色帯域の光(比視感度が最も高い光)のピーク波長λ2(nm)に関しては、液晶表示素子の液晶層の厚みdと液晶材料の屈折率異方性Δnについて
Δn・d≧λ2/4
を満足させることが望ましい。つまり、緑色光(第2色光)用の液晶素子(第2液晶素子)の反射率100%を満足する条件である。この場合は、青色光(第3色光)用の液晶素子(第3液晶素子)の反射率も勿論100%となる。
Δn・d≧λ2/4
を満足させることが望ましい。つまり、緑色光(第2色光)用の液晶素子(第2液晶素子)の反射率100%を満足する条件である。この場合は、青色光(第3色光)用の液晶素子(第3液晶素子)の反射率も勿論100%となる。
但し、緑色帯域の光よりも別の色光(例えば青色帯域の光)の光量が少ない場合は、青色帯域の光の波長λ3が
Δn・d≧λ3/4
を満足し、緑色帯域の光は、
Δn・d<λ2/4
を満足させる方が望ましい。
Δn・d≧λ3/4
を満足し、緑色帯域の光は、
Δn・d<λ2/4
を満足させる方が望ましい。
また、液晶表示素子が透過型の場合には、赤色帯域の光のピーク波長λ1(nm)に対して、赤色光(第1色光)用の液晶表示素子(第1液晶素子)の液晶層の厚みdと液晶材料の屈折率異方性Δnとの関係がΔn・d<λ1/2を満足するようにする。より好ましくは、Δn・d<2・λ1/5とすることで、さらに応答速度を高めることができる。
また、緑色光用の透過型液晶表示素子については、
Δn・d≧λ2/2
を満足させることが望ましい。
Δn・d≧λ2/2
を満足させることが望ましい。
また、緑色帯域の光よりも別の色光(例えば青色帯域の光)の光量が少ない場合は、青色光用の透過型液晶表示素子は、
Δn・d≧λ3/2
を満足し、緑色光用の透過型液晶表示素子は、
Δn・d<λ2/2
を満足する方が望ましい。
Δn・d≧λ3/2
を満足し、緑色光用の透過型液晶表示素子は、
Δn・d<λ2/2
を満足する方が望ましい。
尚、ここで言う、赤色帯域の光、緑色帯域の光、青色帯域の光は、液晶表示装置が持つ照明光学系の中に設けられた色分割素子を介してそれぞれの色光に対応する液晶素子に入射する光のことである。つまり、赤色用の液晶素子に対して、赤色とは異なる色の光(可視領域内)が入ってきた場合であっても、それはこの実施例においては赤色帯域の光と称する。但し、赤色用の液晶素子に対しては赤色光のみ、緑色用の液晶素子に対しては緑色光のみ、青色用の液晶素子に対しては青色光のみが入射する状態が望ましいことは言うまでもない。
図1に記載の通り、液晶層51の厚みを1.25μmで液晶材料の屈折率異方性が0.012であれば、駆動電圧が7Vでも液晶表示装置1の明るさを下げることなく応答速度2msを達成することができることが確認された。
従って、液晶表示素子50B、50G、50Rをフレーム周波数の4倍である240Hzでの駆動が可能となり、動画視認性の向上ならびに、3D表示にも適用することができる液晶表示装置が実現可能となる。
本実施例では液晶層51の厚みを1.25μmで液晶材料の屈折率異方性が0.012の反射型液晶表示素子について説明したが、本発明の効果はこれに限定するものではなく、Δnd<0.25×λlであればよい。
ただし、応答速度を高速化するためには、液晶層51の厚みが2μm以下であることが好ましく、1.5μm以下であることがより好ましい。
本実施例はアナログ駆動反射型液晶表示素子に関して説明したが、本発明の効果はデジタル駆動でも同様の効果が得られる。
上述の本実施例によれば、色バランス(特に赤色光と緑色光とのバランス)を取って、好ましい白色を表示可能であり、且つ動画ボケを低減することが可能な液晶素子、及びそれを用いた画像投射装置を提供することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、その要旨の範囲内で様々な変形及び変更が可能である。
1 液晶表示装置
20 照明光学系
30 色分解合成光学系
40 投射レンズ光学系
50G 緑色帯域用液晶表示素子
50R 赤色帯域用液晶表示素子
50B 青色帯域用液晶表示素子
20 照明光学系
30 色分解合成光学系
40 投射レンズ光学系
50G 緑色帯域用液晶表示素子
50R 赤色帯域用液晶表示素子
50B 青色帯域用液晶表示素子
Claims (15)
- 対向する一対の基板と、
前記一対の基板の間に配置された液晶層と、
を備える液晶素子であって、
前記液晶素子に入射する入射光の波長をλ1とするとき、前記液晶層が前記入射光に対して与える光路長の差は、前記入射光の波長λ1の半分よりも小さい、
ことを特徴とする液晶素子。 - 前記一対の基板のうち一方の基板が反射型の基板であって、
前記液晶層の屈折率異方性をΔn、厚さをdとするとき、
Δn・d<λ1/4
を満足することを特徴とする請求項1に記載の液晶素子。 - 更に、
Δn・d<λ1/5
を満足することを特徴とする請求項2に記載の液晶素子。 - 前記液晶層の厚みが2μm以下で、前記液晶層の材料の屈折率異方性Δnが0.1以上であることを特徴とする請求項2又は3に記載の液晶表示装置。
- 前記一対の基板が共に透明な基板であって、
前記液晶層の屈折率異方性をΔn、厚さをdとするとき、
Δn・d<λ1/2
を満足することを特徴とする請求項1に記載の液晶素子。 - 更に、
Δn・d<2・λ1/5
を満足することを特徴とする請求項5に記載の液晶素子。 - 前記入射光の波長は、前記入射光の波長帯域の中で最も光量が多い波長のことである、ことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項に記載の液晶素子。
- 第1色光に対応する第1液晶素子と、
前記第1色光よりも波長が短い第2色光に対応する第2液晶素子と、
光源からの光で前記第1、2液晶素子を照明する照明光学系と、
前記第1、2液晶素子からの画像光を投射する投射光学系と、
を備える画像投射装置であって、
前記第1液晶素子は、
対向する一対の第1基板と、
前記一対の第1基板の間に配置された第1液晶層と、
を有しており、
前記第1色光の波長をλ1とするとき、前記第1液晶層が前記第1色光に対して与える光路長の差は、前記第1色光の波長λ1の半分よりも小さい、
ことを特徴とする画像投射装置。 - 前記第2液晶素子は、
対向する一対の第2基板と、
前記一対の第2基板の間に配置された第2液晶層と、
を有しており、
前記第2色光の波長をλ2とするとき、前記第2液晶層が前記第2色光に対して与える光路長の差は、前記第2色光の波長λ2の半分以上である、
ことを特徴とする請求項8に記載の画像投射装置。 - 前記第1色光の前記波長λ1は、前記第1色光のピーク波長であり、
前記第2色光の前記波長λ2は、前記第2色光のピーク波長である、
ことを特徴とする請求項9に記載の画像投射装置。 - 前記第1液晶素子が有する第1液晶層と前記第2液晶素子が有する第2液晶層とは、互いに同じ厚さである、ことを特徴とする請求項8乃至10いずれか1項に記載の画像投射装置。
- 前記照明光学系は、前記光源からの光を、前記第1色光と前記第2色光に分割する色分割素子を有しており、
該色分割素子は、同じ光源から出射した光を分割して前記第1色光と前記第2色光を生成している、
ことを特徴とする請求項8乃至11いずれか1項に記載の画像投射装置。 - 前記照明光学系は、
前記第1液晶素子を第1光源からの光で照明し、
前記第2液晶素子を前記第1光源とは異なる第2光源からの光で照明する、
ように構成されていることを特徴とする請求項8乃至12いずれか1項に記載の画像投射装置。 - 前記第2色光よりも波長が短い第3色光に対応する第3液晶素子を備えている、
ことを特徴とする請求項8乃至13いずれか1項に記載の画像投射装置。 - 前記第3液晶素子は、
対向する一対の第3基板と、
前記一対の第3基板の間に配置された第3液晶層と、
を有しており、
前記第3色光の波長をλ3とするとき、前記第3液晶層が前記第3色光に対して与える光路長の差は、前記第3色光の波長λ3の半分以上である、
ことを特徴とする請求項14に記載の画像投射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015074501A JP2016194608A (ja) | 2015-03-31 | 2015-03-31 | 液晶素子、及びそれを用いた画像投射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016194608A true JP2016194608A (ja) | 2016-11-17 |
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ID=57323627
Family Applications (1)
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JP2015074501A Pending JP2016194608A (ja) | 2015-03-31 | 2015-03-31 | 液晶素子、及びそれを用いた画像投射装置 |
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