以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまでも一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
以下の説明は、タッチ検出機能付き表示装置としてタッチ検出機能付き液晶表示装置を例として述べる。しかしながら、これに限定されず、タッチ検出機能付きOLED表示装置にも適用することが可能である。また、電磁誘導方式としては、先に述べた2種類の方式が存在するが、実施の形態に係わるタッチ検出機能付き液晶表示装置は、ペンに電池を実装しなくてもよい後者の方式を採用している場合を説明する。ペンに電池を実装しなくてもよいため、ペンの小型化および/または形状の自由度を向上することが可能である。
(実施の形態1)
<電磁誘導方式の基本原理>
先ず、電磁誘導方式の基本原理を説明しておく。図1は、タッチ検出機能付き液晶表示装置を有する電子装置とペンとの関係を模式的に示した説明図である。また、図2は、電磁誘導方式の基本原理を模式的に示した説明図である。
図1において、電子装置は、金属カバーに納められた液晶表示装置1と、導光板と、センサ板と、磁性シートとを有している。同図に示した例では、液晶表示装置1と金属カバーとの間に、センサ板が実装されている。このセンサ板には、複数のコイルが設けられている。図1では、センサ板に設けられている複数のコイルのうちの1個のコイルが、センサ板内コイルL2として模式的に示されている。
また、外部近接物体に該当するペンには、コイルと容量素子とが内蔵されている。図1では、容量素子は省略されているが、ペンに内蔵されているコイルが、ペン内コイルL1(以下、単にコイルL1とも称する)として模式的に示されている。ペン内コイルL1とセンサ板内コイルL2(以下、単にコイルL2とも称する)との間は、磁界によって結合(磁界結合)される。
なお、液晶表示装置1は、模式的にその構造を示すために、図1には、液晶表示装置1に含まれるTFTガラス基板、カラーフィルタおよびCFガラス基板が描かれている。TFTガラス基板および図示しないTFTを含んでTFT基板が形成され、CFガラス基板およびカラーフィルタを含んでカラーフィルタ基板が形成される。TFT基板とカラーフィルタ基板との間には図示しない液晶層が挟持されている。また、導光板は、液晶表示装置1とセンサ板との間に挟まれるように、固定部で固定されている。
ペンが、電子装置に近接することにより、ペン内コイルL1が、センサ板内コイルL2に近接することになる。これにより、ペン内コイルL1とセンサ板内コイルL2との間の磁界結合が発生し、ペンが近接したことが検出される。
この検出を、図2を用いて説明する。図2(A)は、コイルL2が磁界を発生している状態を示しており、図2(B)は、コイルL1が磁界を発生している状態を示している。
図2において、コイルL2とペン内容量素子(以下、単に容量素子とも称する)Cとは並列的に接続されており、共振回路を構成している。コイルL1は、1回巻線のコイルが例として示されており、1対の端子を有している。タッチを検出するとき(タッチ検出のとき)、コイルL1の一方の端子PTは、所定時間、送信アンプAP1の出力に接続され、所定時間後に、受信アンプAP2の入力に、所定時間、接続される。また、センサ板内コイルL1の他方の端子は、タッチ検出のとき、接地電圧Vsに接続される。
図2(C)および(D)は、タッチ検出のときの動作を示す波形図である。図2(C)および(D)において、横軸は、時間を示しており、図2(C)は、送信アンプAP1の出力の波形を示しており、図2(D)は、受信アンプAP2の出力の波形を示している。
コイルL2の一方の端子PTが、送信アンプAP1の出力に接続されているとき、送信アンプAP1の入力には、周期的に変化する送信信号INが供給される。これにより、送信アンプAP1は、送信信号INの変化に従って、周期的に変化する駆動信号φ1を、図2(C)に示すように、所定時間(磁界発生期間)TG、コイルL2の一方の端子に供給する。これにより、コイルL2が磁界を発生する。このときの磁力線が、図2(A)ではφGとして示されている。
磁力線φGは、コイルL2の巻線を中心として発生するため、コイルL2の内側の磁界が強くなる。コイルL1が、コイルL2に近接し、例えば図2(A)に示すように、コイルL1の中心軸LOが、コイルL2の内側に存在すると、コイルL1に、コイルL2の磁力線が到達する。すなわち、コイルL1が、コイルL2において発生している磁界内に配置され、コイルL1とコイルL2とが磁界結合されることになる。コイルL2は、駆動信号φ1の変化に従って、周期的に変化する磁界を発生する。そのため、コイルL2とコイルL1間の相互誘導の作用により、コイルL1には、誘起電圧を発生する。容量素子Cは、コイルL1によって発生した誘起電圧によって充電される。
所定時間後に、コイルL2の一方の端子PTは、所定時間(磁界検出期間)TD、受信アンプAP2の入力に接続される。磁界検出期間TDにおいては、先の磁界発生期間TGにおいて容量素子Cが、充電されていれば、容量素子Cに充電された電荷によって、コイルL1が、磁界を発生する。図2(B)には、容量素子Cに充電された電荷によって発生したコイルL1の磁力線が、φDとして示されている。
タッチ検出のとき、すなわち、磁界発生期間TGおよび磁界検出期間TDのとき、ペン内コイルL1が、センサ板内コイルL2に近接していれば、磁界発生期間TGのとき、容量素子Cに充電が行われ、磁界検出期間TDのとき、コイルL1の磁力線φDが、コイルL2に到達する。コイルL1と容量素子Cとにより共振回路が構成されているため、コイルL1の発生する磁界は、共振回路の時定数に従って変化する。コイルL1が発生する磁界が変化することにより、コイルL2に誘起電圧が発生する。この誘起電圧によって、コイルL2の一方の端子PTにおいて、信号が変化する。この信号の変化が、検出信号φ2として、磁界検出期間TDのとき、受信アンプAP2に入力され、増幅され、センサ信号OUTとして受信アンプAP2から出力される。
一方、タッチ検出のとき、ペン内コイルL1が、センサ板内コイルL2に近接していなれば、磁界発生期間TGのとき、容量素子Cは充電されない、または充電される電荷量が少なくなる。その結果、磁界検出期間TDのとき、コイルL1が発生する磁界の磁力線φDは、コイルL2に到達しない。そのため、磁界検出期間TDのとき、コイルL2の一方の端子PTにおける検出信号φ2は変化しない。
図2(C)および(D)には、ペン内コイルL1が、センサ板内コイルL2に近接しているときと、近接していないときの両方の状態が示されている。すなわち、図2(C)および(D)において、左側には、コイルL1がコイルL2に近接していないときの状態が示されており、右側には、コイルL1がコイルL2に近接しているときの状態が示されている。そのため、図2(D)において、左側に示した磁界検出期間TDでは、検出信号φ2は変化しておらず、右側に示した磁界検出期間TDでは、検出信号φ2が変化している。検出信号φ2が変化している場合を、ペン有りと判定し、検出信号φ2が変化していない場合を、ペン無しと判定することにより、ペンによるタッチを検出することができる。
図2では、ペン有りとペン無しの判定を示したが、コイルL1とコイルL2との間の距離に従って、検出信号φ2の値が変化するため、ペンとセンサ板との間の距離あるいはペンの筆圧を判定することも可能である。
なお、コイルL2の端子PTを、送信アンプAP1の出力から受信アンプAP2の入力へ切り替えるときは、センサ内板コイルL2に蓄積されたエネルギーが放電するまでの所定時間だけ、コイルL2の端子PTをフローティング状態にし、所定時間後に端子PTを受信アンプAP2の入力に接続する。
このように、タッチ検出期間において、ペンが、センサ板内コイルL2の近接(接触を含む)に存在していると、磁界検出期間TDのとき、受信アンプAP2の出力信号は変化する。一方、ペンが、センサ板内コイルL2の近接(接触を含む)に存在していないと、磁界検出期間TDのとき、受信アンプAP2の出力信号は変化しない。すなわち、ペンがセンサ板内コイルL2の近接をタッチしているか否かを、受信アンプAP2の出力信号によって、検出することが可能となる。また、センサ板内コイルL2とペン内コイルL1とが近接している場合、その間の距離に従って、ペン内コイルL1からセンサ板内コイルL2へ与えられる磁界エネルギーが変化するため、受信アンプAP2の出力信号の値から、ペンの筆圧も判定することが可能となる。
<液晶表示装置とセンサ板の一体化構造>
本願発明者らは、図1に示したように、液晶表示装置1と、センサ板とを別々に準備した場合、センサ板が高価であるため、電子装置が高価になると考えた。そこで、本発明者らは、センサ板を、液晶表示装置1内の導電層(レイヤ)により形成し、液晶表示装置とセンサ板とを一体化することを考えた。本発明者らが考えた液晶表示装置を、図3を用いて説明する。
図3は、センサ板をセンサ層(レイヤ)として一体化した液晶表示装置1の模式的な断面を示す断面図である。図3は、図1と類似しているので、相違点を主に説明する。図3(A)は、CFガラス基板にセンサ板として機能するセンサレイヤを形成した場合の断面図である。図3(B)は、TFTガラス基板上に、センサレイヤを形成した場合の断面図である。また、図3(C)は、TFTガラス基板の裏面に、センサレイヤを形成した場合の断面図である。図1においては、液晶表示装置1とは別に、センサ板を準備し、導光板と磁性シートとの間に、センサ板を設けるようにしていた。これに対して、図3(A)〜(C)においては、センサ板に相当するセンサレイヤが、液晶表示装置1に設けられるため、価格の上昇を抑制することが可能となる。
図4は、図3(A)〜(C)において形成されるセンサレイヤの構成を示す平面図である。センサレイヤは、行列状に配置された複数のコイルを備えている。すなわち、センサレイヤは、図4において、縦方向に延在し、横方向に並べられた複数のコイルX(0)〜X(p)と、横方向に延在し、縦方向に並べられた複数のコイルY(0)〜Y(p)を備えている。図4には、これらの複数のコイルのうち、コイルX(n−1)〜X(n+1)とコイルY(n−1)〜Y(n+1)が示されている。図4に示した例では、それぞれのコイルは、複数巻線(同図では3回巻線)のコイルとなっている。
各列に配置されているコイルX(0)〜X(p)において、互いに隣接したコイル間では、一部重なりが生じるように、コイルX(0)〜X(p)は形成されている。図4に示したコイルX(n)〜X(n+1)を例にすると、コイルX(n)は、コイルX(n−1)およびX(n+1)と隣接しており、コイルX(n)はコイルX(n−1)およびコイルX(n+1)のそれぞれと一部が重なっている。すなわち、コイルX(n)の巻線の内側に、コイルX(n−1)およびX(n+1)の巻線の一部が配置されるように形成されている。勿論、コイルX(0)〜X(p)は、互いに電気的に接触しないように形成されている。コイルX(0)〜X(p)は、1対の端部を有し、1対の端部のうちの一方の端部Xp1(0)〜Xp1(p)には、タッチ検出期間における磁界発生期間において、周期的に電圧値が変化する駆動信号が供給される。一方、タッチ検出期間における磁界検出期間においては、一方の端部Xp1(0)〜Xp1(p)における電圧の変化が検出される。
また、コイルX(0)〜X(p)の他方の端部Xp2(0)〜Xp2(p)には、タッチ検出期間においては、所定の電圧(例えば、接地電圧Vs)が供給される。タッチ検出期間における磁界検出期間において、コイルX(0)〜X(p)の一方の端部Xp1(0)〜Xp1(p)における電圧が変化しているか否かを検出することにより、図2において述べたように、コイルX(0)〜X(p)のいずれの近傍が、ペンによりタッチされたかを検出することが可能となる。
各行に配置されたコイルY(0)〜Y(p)についても、コイルX(0)〜X(p)と同様である。すなわち、互いに隣接したコイル間では、一部重なりが生じるように、コイルY(0)〜Y(p)は形成されている。勿論、コイルY(0)〜Y(p)は、互いに電気的に接触しないように配置されている。コイルY(0)〜Y(p)の一方の端部Yp1(0)〜Yp1(p)には、タッチ検出期間における磁界発生期間において、周期的に電圧値が変化する駆動信号が供給される。一方、タッチ検出期間における磁界検出期間においては、一方の端部Yp1(0)〜Yp1(p)における電圧の変化が検出される。また、コイルY(0)〜Y(p)の他方の端部Yp2(0)〜Yp2(p)には、タッチ検出期間においては、所定の電圧(例えば、接地電圧Vs)が供給される。これにより、タッチ検出期間における磁界検出期間において、コイルY(0)〜Y(p)の一方の端部Yp1(0)〜Yp1(p)における電圧が変化しているか否かを検出することにより、図2において述べたように、コイルY(0)〜Y(p)のいずれの近傍が、ペンによりタッチされたかを検出することが可能となる。
コイルX(0)〜X(p)とコイルY(0)〜Y(p)は、互いに交差するように配置されている。そのため、コイルX(0)〜X(p)のいずれの近傍が、ペンによりタッチされたかを検出し、コイルY(0)〜Y(p)のいずれの近傍が、ペンによりタッチされたかを検出することにより、ペンによりタッチされた位置の座標を求めることが可能となる。なお、コイルX(0)〜X(p)とコイルY(0)〜Y(p)は、互いに交差するように配置されているが、これらの間は、電気的に接触しないように、コイルX(0)〜X(p)とコイルY(0)〜Y(p)との間には絶縁物が設けられている。
これにより、センサ板を用いなくても、ペンによるタッチを検出可能な液晶表示装置を提供することができる。
液晶表示装置1においては、TFTガラス基板とカラーフィルタとの間に、後で説明する走査線、信号配線および駆動電極が形成される。これらの配線(走査線、信号配線、駆動電極)は、画像の表示の際に用いられるが、タッチ検出を行う際に、これらの配線によりコイルX(0)〜X(p)および/またはコイルY(0)〜Y(p)を形成することにより、センサレイヤを追加することなく、図3(B)に示した構造を達成することが可能となる。これにより、液晶表示装置1の価格の上昇を抑制しながら、タッチ検出機能付きの液晶表示装置1を提供することが可能となる。以下では、図3(B)に示したように、TFTガラス基板の上にセンサレイヤを設ける場合の形態を説明する。
<液晶表示装置の構造>
先ず、液晶表示装置1の構造を説明する。図5は、液晶表示装置1の構成を模式的に示す平面図である。同図において、2は、表示パネル(液晶パネル)を示している。表示パネル2は、同図において、縦方向に延在し、横方向に並列的に配置された複数の信号線SL(0)〜SL(p)と、横方向に延在し、縦方向に並列的に配置された複数の走査線GL(0)〜GL(p)とを備えている。後で説明するが、信号線SL(0)〜SL(p)と走査線GL(0)〜GL(p)との交差部分には、液晶表示素子(画素)が配置されている。画素は、後で説明するが、選択端子と1対の端子とを有している。交差部分に配置された画素の選択端子は、交差部分における走査線に接続され、1対の端子のうちの一方の端子は、交差部分における信号線に接続されている。また画素の他方の端子は、図示しない駆動電極に接続されている。
なお、同図において、信号線SL(0)〜SL(p)は、破線で示され、走査線GL(0)〜GL(p)は、一点鎖線で示されている。また、信号線と走査線は、互いに交差しているが、電気的には分離されている。
本明細書で用いている「平行」とは、互いに一端から他端に亘るまで交わることなく延在することを意味する。そのため、一方の線の一部又は全部が他方の線に対して傾いた状態で設けられていたとしても、これらの線が一端から他端まで交わるものでなければ、本明細書においては、この状態も「平行」であるとする。
図5において、3は、信号線セレクタを示しており、4は、表示制御装置を示しており、5は、ゲートドライバ(走査線駆動回路)を示している。
表示制御装置4は、画像の表示を行うとき、表示されるべき画像信号を、時分割的に、信号線セレクタ3に供給する。図5には、表示制御装置4から信号線セレクタ3へ、画像信号を供給する信号配線として、信号配線Sd(0)〜Sd(n)が示されている。信号配線Sd(0)を例にして述べると、表示制御装置4は、この信号配線Sd(0)に対して、第1タイミングで、特定の信号線に供給されるべき画像信号を供給し、次のタイミング(第2タイミング)で、他の信号線に供給されるべき画像信号を供給する。すなわち、この信号配線Sd(0)を用いて、時分割的に、画像信号を、信号線セレクタ3へ供給する。残りの信号配線Sd(1)〜Sd(n)についても、同様にして、画像信号を、時分割的に、信号線セレクタ3へ供給する。表示制御装置4は、上記した第1タイミングおよび第2タイミングを、選択信号SEL1、SEL2によって、信号線セレクタ3に通知する。
信号線セレクタ3は、表示パネル2の近傍に配置されており、信号線Sd(0)〜SD(n)を介して、時分割的に画像信号を受ける。信号線セレクタ3は、選択信号SEL1、SEL2により通知された第1タイミントと第2タイミングとに基づいて、画像信号を適切な信号線SL(0)〜SL(p)へ供給する。すなわち、信号配線Sd(0)を例にすると、信号線セレクタ3は、選択信号SEL1、SEL2によって、第1タイミングが通知されていた場合、信号配線Sd(0)における画素信号を、上記した特定の信号線へ供給する。一方、選択信号SEL1、SEL2によって、第2タイミングが通知されていた場合、信号配線Sd(0)における画素信号を、上記した他の信号線へ供給する。残りの信号線Sd(1)〜Sd(n)についても同様である。
このようにすることにより、表示制御装置4と信号線セレクタとの間の配線数を低減することが可能である。配線数を低減することにより、配線の幅を太くし、画像信号の遅延を低減することが可能となる。また、表示制御装置4を半導体集積回路装置(以下、半導体装置)によって構成した場合、配線数を低減することにより、表示制御装置4を構成する半導体装置の端子数を低減することが可能となる。
ゲートドライバ5は、画像の表示を行うとき、表示制御装置4からのタイミング信号に従って走査線信号を形成し、走査線(ゲート線)GL(0)〜GL(p)へ供給する。例えば、表示を行うとき、ゲートドライバ5は。走査線GL(0)からGL(p)へ向けて順次ハイレベルとなる走査線信号を形成する。
タッチセンサの駆動電極は画像の表示時は画素の共通電極として動作する。画像の表示において、走査線GL(0)にハイレベルの走査線信号が供給されると、この走査線GL(0)と、信号線SL(0)〜SL(p)のそれぞれとの交差部分の設けられた画素が選択される。選択された画素には、信号線SL(0)〜SL(p)を介して画像信号が供給される。選択された画素は、画素電極に供給された画像信号の電圧と共通電極(駆動電極)の電圧との差に応じた表示を行う。このように、走査線信号を、走査線SL(0)からSL(p)へ向けて順次ハイレベルにすることにより、順次画素が選択され、そのとき信号線SL(0)〜SL(p)を介して供給されている画像信号の電圧と共通電極(駆動電極)との電圧差に応じた表示が行われる。なお、ゲートドライバ5は、2個の走査線が同時にハイレベルとならないように、走査線信号としては、パルス状の信号を出力する。
図5には、示されていないが、表示パネル2には、駆動電極が配置されている。画像の表示を行うとき、共通電極(駆動電極)には所定の電圧(第1電圧)、例えば接地電圧Vsが供給される。共通電極(駆動電極)に供給される電圧は、接地電圧Vsに限定されない。共通電極に供給される電圧は、固定的な電圧ではなく、画像信号の電圧に従って変化する電圧であってもよい。すなわち、上記した第1電圧は、固定電圧でなく、画像信号によって変化する可変電圧であってもよい。
図5において、画素が配置されている領域、すなわち、表示パネル2の領域は、表示と言う観点で見た場合、アクティブな領域(アクティブエリア)あるいは表示領域と見なすことができる。表示パネル2を除いた領域は、表示と言う観点で見た場合、非アクティブな領域(非アクティブ領域)あるいは周辺領域と見なすことができる。また、図5において、2−Uは、表示パネル2の短辺を示しており、2−Dは、辺2−Uに対向する表示パネル2の短辺を示している。同様に、2−Lは、表示パネル2の長辺を示しており、2−Rは、長辺2−Lに対向する表示パネル2の長辺を示している。アクティブエリアは、短辺2−U、2−Dおよび長辺2―L、2−Rによって囲まれた領域であると見なすこともできる。
図6は、アクティブエリアの断面を示す断面図であり、例えば、後で図8を用いて説明するアクティブエリア内の断面A−A’を示す断面図である。後で図8を用いて説明するが、駆動電極は複数に分割されている。すなわち、表示パネル2には、複数の駆動電極TL(0)〜TL(p)を備えている。ここで、それぞれの駆動電極TL(0)〜TL(p)は、複数の信号線に対応している。図5では、信号線を信号線SL(0)〜SL(p)として説明したが、信号線(0)は、駆動電極TL(0)に対応しており、信号線SL(1)は、駆動電極TL(1)に対応している。以下、同様にして、信号線SL(2)〜SL(p)は、駆動電極TL(2)〜TL(p)に対応している。
また、信号線SL(0)〜SL(p)のそれぞれは、複数の信号線を、1つとして纏めて示している。さらに、表示パネル2は、カラー表示を行うため、表示制御装置4から信号線セレクタ3へ供給される画像信号は、3原色に相当するR(赤)、G(緑)、B(青)の画像信号であり、信号線は、3原色に相当する画像信号を対応する画素へ伝達する信号線を含んでいる。尚、画素信号は3原色に限定されるものではなく、R(赤)、G(緑)、B(青)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄)、W(白)のいずれかの色の信号としてもよい。
図6を用いて、アクティブエリアの構造を説明する前に、本明細書で用いている、信号線の表記方法を説明しておく。図6には、2個の駆動電極TL(0)、TL(1)と信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)(1)、SL(1)0(R)、SL(1)0(G)およびSL(1)0(B)が示されている。先ず、信号線SL(0)0(R)および信号線SL(1)0(R)を例にして説明すると、最初の()内の数字は、対応する駆動電極の番号を示しており、次の数字は、対応する駆動電極における画素の番号を示しており、()内の英字は、画素の三原色(R、G、B)を示している。すなわち、信号線SL(0)0(R)は、駆動電極TL(0)に対応した信号線であり、0番目の画素で、三原色の赤に対応した画像信号を伝達する信号線を示している。同様に、信号線SL(1)0(R)は、駆動電極TL(0)の隣に配置されたところの駆動電極TL(1)に対応した信号線であり、0番目の画素で、三原色の赤に対応した画像信号を伝達する信号線を示している。
そのため、図6に示している信号線SL(1)1(R)およびSL(1)1(G)のそれぞれは、駆動電極TL(1)に対応した信号線であり、1番目の画素の三原色の赤および緑に対応した画像信号を伝達する信号線を表していることになる。また、図6において、[]内の数字は、次に説明する配線層を示している。次に、図6を用いて、アクティブエリアの構造を説明する。
図6において、600は、TFTガラス基板を示している。TFTガラス基板600には、第1配線層(金属配線層)601が形成されている。この第1配線層601に形成された配線によって、走査線GL(p)を構成する。第1配線層601の上には、絶縁層602が形成されており、絶縁層602上には、第2配線層(金属配線層)603が形成されている。第2配線層603に形成された配線によって、信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)(1)、SL(1)0(R)、SL(1)0(G)およびSL(1)0(B)が構成されている。同図では、これらの信号線が第2配線層603によって構成されていることを示すために、信号線の符号の後に、第2配線層を示す符号603を[]内に記載している。例えば、信号線SL(0)0(G)は、SL(0)0(G)[603]として示されている。
第2配線層603上には、絶縁層604が形成され、絶縁層604上には、第3配線層(金属配線層)605が形成されている。第3配線層605に形成された配線によって、駆動電極TL(0)、TL(1)と補助電極SMが構成されている。ここで、駆動電極TL(0)、TL(1)は、透明電極(第1電極)である。また、補助電極SM(第2電極)は、駆動電極TL(0)、TL(1)と電気的に接続するように形成されている。補助電極SMは、透明電極よりも抵抗値が小さい。透明電極である駆動電極TL(0)、TL(1)の抵抗値は、比較的高いが、補助電極SMを駆動電極TL(0)、TL(1)と電気的に接続することにより、合成抵抗により駆動電極の抵抗を低減することが可能となっている。ここでも、駆動電極および補助電極の符号に付された[605]は、第3配線層605に形成されていることを示している。
第3配線層605上には、絶縁層606が形成され、絶縁層606の上面には画素電極LDPが形成されている。図6において、CR、CB、CGのそれぞれは、カラーフィルタである。カラーフィルタCR(赤)、CG(緑)、CB(青)と絶縁層606との間には液晶層607が挟まれている。ここで、画素電極LDPは、走査線と信号線との交点に設けられており、各画素電極LDPの上方に、それぞれの画素電極LDPに対応したカラーフィルタCR、CGあるいはCBが設けられている。各カラーフィルタCR、CG、CB間にはブラックマトリクスBMが設けられている。
また、図6では、省略されているが、カラーフィルタCR、CG、CB上には、図3(B)に示したように、CFガラス基板が形成されている。
<画素配列>
次に、表示パネル2の回路構成を説明しておく。図7は、図5に示した表示パネル2の回路構成を示す回路図である。図6において、一点鎖線で示した複数個のSPixのそれぞれは、1個の液晶表示素子(画素)を示している。画素SPixは、表示パネル2において、行列状に配置され、液晶素子配列(画素配列)LCDを構成している。画素配列LCDは、各行に配置され、行方向に延在する複数の走査線GL(0)〜GL(p)と、各列に配置され、列方向に延在する信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)〜SL(p)p(R)、SL(p)p(G)、SL(p)p(B)とを具備している。また、画素配列LCDは、各列に配置され、列方向に延在する駆動電極TL(0)〜TL(p)を有している。図7には、走査線GL(0)〜GL(2)と、信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)〜SL(1)0(R)、SL(1)0(G)、SL(1)0(B)と、駆動電極TL(0)、TL(1)に関する画素配列の部分が示されている。
図7においては、説明を容易にするために、駆動電極TL(0)、TL(1)が、それぞれの列に配置されているように、示されているが、図6において説明したように、複数の信号線に対して1個の駆動電極が配置されているものと理解されたい。勿論、図7に示すように、画素配列LCDのそれぞれの列に駆動電極を配置してもよい。
画素配列LCDの行と列の交点に配置されたそれぞれの画素SPixは、TFTガラス基板300に形成された薄膜トランジスタTrと、薄膜トランジスタTrのソースに一方の端子が接続された液晶素子LCとを具備している。画素配列LCDにおいて、同じ行に配置された複数の画素SPixの薄膜トランジスタTrのゲートは、同じ行に配置されている走査線に接続され、同じ列に配置された複数の画素SPixの薄膜トランジスタTrのドレインは、同じ列に配置された信号線に接続されている。言い換えるならば、複数の画素SPixが、行列状に配置され、各行には、走査線が配置され、走査線には、対応する行に配置された複数の画素SPixが接続されている。また、各列には信号線が配置され、信号線には、対応する列に配置された画素SPixが接続されている。また、同じ列に配置された複数の画素SPixの液晶素子LCの他端は、列に配置された駆動電極に接続されている。
図7に示した例で説明すれば、同図において、最上段の行に配置された複数の液晶表示素子SPixのそれぞれの薄膜トランジスタTrのゲートは、最上段の行に配置された走査線GL(0)に接続されている。また、同図において、最も左側の列に配置された複数の液晶表示素子SPixのそれぞれの薄膜トランジスタTrのドレインは、最も左側の列に配置された信号線SL(0)0(R)に接続されている。また、最も左側に列に配置された複数の液晶表示素子SPixのそれぞれの液晶素子の他端は、図6においては、最も左側に配置された駆動電極TL(0)に接続されている。先にも述べたように、1個の駆動電極が、複数の信号線に対応している。そのため、図7に示した例では、駆動電極TL(0)は、3列に対して共通の駆動電極となっていると見なすことができる。
1個の画素SPixが、先に述べた1個の副画素(サブ画素)に対応する。従って、3個の画素SPixによって、R、G、Bの3原色の副画素が構成される。図7では、同じ行に、連続的に配置された3個の画素SPixによって、1つの画素Pixが形成され、当該画素Pixにてカラーが表現されるものとなる。すなわち、図7において、700Rとして示されている画素SPixが、R(赤)の副画素SPix(R)とされ、700Gとして示されている画素SPixが、G(緑)の副画素SPix(G)とされ、700Bとして示されている画素SPixが、B(青)の副画素SPix(B)とされる。そのために、700Rとして示されている副画素SPix(R)には、カラーフィルタとして赤色のカラーフィルタCRが設けられており、700Gの副画素SPix(G)には、カラーフィルタとして緑色のカラーフィルタCGが設けられており、700Bの副画素SPix(B)には、カラーフィルタとして青色のカラーフィルタCBが設けられている。
また、1つの画素を表す信号のうち、Rに対応する画像信号が、信号線セレクタ3から、信号線SL(0)0(R)に供給され、Gに対応する画像信号が、信号線セレクタ3から、信号線SL(0)0(G)に供給され、Bに対応する画像信号が、信号線セレクタ3から、信号線SL(0)0(B)に供給される。
各画素SPixにおける薄膜トランジスタTrは、特に制限されないが、Nチャンネル型の電界効果型トランジスタ(以下、MOSFETとも称する)である。走査線GL(0)〜GL(p)には、例えばこの順番で順次ハイレベルとなるパルス状の走査線信号が、ゲートドライバ5(図5)から供給される。すなわち、画素配列LCDにおいて、上段の行に配置された走査線GL(0)から下段の行に配置された走査線GL(p)に向かって、走査線の電圧が、順次ハイレベルとなる。これにより、画素配列LCDにおいて、上段の行に配置された画素SPixから下段の行に配置された画素SPixに向かって、画素SPixにおける薄膜トランジスタTrが、順次導通状態となる。
薄膜トランジスタTrが導通状態となることにより、そのとき信号線に供給されている画像信号が、導通状態の薄膜トランジスタを介して、液晶素子LCに供給される。液晶素子LCは、駆動電極TL(0)、TL(1)に供給されている表示用駆動信号の電圧と、供給された画像信号の電圧との間の差電圧に従って、電界が変化し、その液晶素子LCを透過する光の変調が変わる。これにより、走査線GL(0)〜GL(p)に供給する走査線信号に同期して、信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)〜SL(p)p(R)、SL(p)p(G)、SL(p)p(B)に供給した画像信号に応じたカラー画像が、表示パネル2に表示されることになる。
複数の画素SPixのそれぞれは、選択端子と1対の端子とを有していると見なすことができる。この場合、画素SPixを構成する薄膜トランジスタTrのゲートが、画素SPixの選択端子であり、薄膜トランジスタTrのドレインが、1対の端子のうちの一方の端子であり、液晶素子LCの他端が、画素SPixの他方の端子である。
ここで、図5に示した表示パネル2の配置と、図7に示した回路図との対応を述べておくと、次のようになる。
画素配列LCDは、その配列の行と実質的に平行な1対の辺と、その配列の列と実質的に平行な1対の辺とを有している。画素配列LCDの行と平行な1対の辺が、図5に示した表示パネル2の短辺2−U、2−Dに対応した第1辺、第2辺であり、画素LCDの列と平行な1対の辺が、表示パネル2の長辺2−L、2−Rに対応した第3辺、第4辺である。
画素配列LCDにおいて、行と平行な1対の辺のうちの第2辺、すなわち、表示パネル2の一方の短辺2−Dに沿って、図5に示されているように、信号セレクタ3、表示制御装置4が配置されている。画素配列LCDにおいては、この第2辺(液晶パネル2の短辺2−D)において、信号線セレクタ3を介して、表示制御装置4からの画像信号が、信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)〜SL(p)p(R)、SL(p)p(G)、SL(p)p(B)に供給される。
また、画素配列LCDにおいて、列と平行な1対の辺(第3辺、第4辺)のうち第3辺、すなわち、表示パネル2の長辺2−Lに沿って、ゲートドライバ5が配置されている。画素配列LCDにおいては、この第3辺において、走査線GL(0)〜GL(p)にゲートドライバ5からの走査線信号が供給される。図5では、ゲートドライバ5が、表示パネル2の長辺2−Lに沿って配置されていたが、ゲートドライバ5を、2個に分け、長辺2−L(画素配列LCDの第3辺)と長辺2−R(画素配列LCDの第4辺)のそれぞれに沿って配置するようにしてもよい。
1個の画素を構成する副画素の数が、3個の場合を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば上記RGBに加えて白(W)や黄色(Y)、又はRGBの補色(シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y))のいずれか1色又は複数色を加えた副画素で1つの画素としてもよい。
<図面符号の説明>
次に、図8を用いて、実施の形態1に係わる液晶表示装置のレイアウトを説明する。また、後で図12を用いて、実施の形態2に係わる液晶表示装置のレイアウトを説明し、図16を用いて、実施の形態3に係わる液晶表示装置のレイアウトを説明する。さらに、図20を用いて、実施の形態4に係わる液晶表示装置のレイアウトを説明し、図23を用いて、実施の形態5に係わる液晶表示装置のレイアウトを説明し、図29を用いて、実施の形態6に係わる液晶表示装置のレイアウトを説明する。
これらの図は、レイアウトを詳しく説明するために、複雑な図面となる。そのため、図面を見易くするために、これらの図においては、符号の簡略化をしている。ここで、レイアウトを示している図(図8、図12、図16、図20、図23および図29)において用いている簡略化された符号と、本明細書で用いている用語との対応を示しておく。なお、符号に対応する用語は、それぞれの図を説明するときに述べるので、ここでは説明を省略する。
<<図8の符号>>
図8において、TL00〜TL15は、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)を示しており、GL0〜GLpは、走査線GL(0)〜GL(p)を示しており、Xp0〜XP2は、入出力ノードXp1(n−1)、Xp1(n)、Xp1(n−1)を示している。また、a00〜a15は、第1スイッチS1(n−6)〜(n+9)を示しており、b00〜b02は、第2スイッチS2(n−2)〜S2(n+1)を示しており、c00〜c02は、第3スイッチS3(n−1)〜S3(n+1)を示しており、d00〜d15は、第4スイッチS4(n−6)〜S4(n+9)を示している。
さらに、図8において、6110〜6113は、信号配線601−1(n−2)〜601−1(n+1)を示しており、6120〜6123は、信号配線601−2(n−2)〜601−2(n+1)を示しており、6130〜6133は、信号配線601−3(n−2)〜601(n+1)を示している。なお、ここで、信号配線に付された符号601は、図6で説明した第1配線層601における配線であることを示している。
<<図12の符号>>
図12において、SL00〜SL15は、信号線SL(n−6)〜SL(n+9)を示しており、GL0〜GLpは、走査線GL(0)〜GL(p)を示しており、Xp0〜Xp2は、入出力ノードXp1(n−1)〜Xp(n+1)を示している。また、図12において、e00〜e15は、第5スイッチS5(n−6)〜(n+9)を示し、f00〜f15は、第6スイッチS6(n−6)〜S6(n+9)を示している。
また、図12において、6510〜6513は、信号配線605−1(n−2)〜605−1(n+1)を示し、6520〜6523は、信号配線605−2(n−2)〜605−2(n+1)を示し、6530〜6533は、信号配線605−3(n−2)〜605−3(n+1)を示している。ここでも、信号配線に付された符号605は、図6で説明した第3配線層605における配線であることを示している。
<<図16の符号>>
図16において、TL00〜TL15は、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)を示し、SL0〜SLpは、信号線SL(0)〜SL(p)を示し、Yp0〜Yp2は、入出力ノードYp1(n−1)〜Yp1(n+1)を示している。また、g00〜g15は、第7スイッチS7(n−6)〜S7(n+9)を示し、h00は、第8スイッチS8(n)を示し、i00およびi01は、第9スイッチS9(n−1)およびS9(n)を示している。さらに、図16において、j00〜j15は、第10スイッチS10(n−6)〜S10(n+9)を示し、k00およびk01は、第11スイッチS11(n−1)およびS11(n+1)を示し、l00は、第12スイッチS12(n−1)を示している。
また、図16において、6310〜6313は、信号配線603−1(n−2)〜603−1(n+1)を示し、6320〜6323は、信号配線603−2(n−2)〜603−2(n+1)を示し、6330〜6333は、信号配線603−3(n−2)〜603−3(n+1)を示している。ここで、信号配線に付された符号603は、図6で説明した第2配線層603における配線であることを示している。
<<図20の符号>>
図20において、GL00〜GL15は、走査線GL(n−6)〜GL(n+9)を示し、SL0〜SLpは、信号線SL(0)〜SL(p)を示し、Yp0〜Yp2は、入出力ノードYp1(n−1)〜Yp1(n+1)を示している。また、図16において、m00〜m15は、第13スイッチS13(n−6)〜S13(n+9)を示し、n00〜n15は、第14スイッチS14(n−6)〜S14(n+9)を示している。
さらに、図20において、6310〜6313は、信号配線603−1(n−2)〜603−1(n+1)を示し、6320〜6323は、信号配線603−2(n−2)〜603−2(n+1)を示し、6330〜6333は、信号配線603−3(n−2)〜603−3(n+1)を示している。ここでも、信号配線に付された符号603は、第2配線層603における配線であることを示している。
<<図23の符号>>
図23において、GL00〜GL15は、走査線GL(n−6)〜GL(n+9)を示しており、ss00〜ss15は、センス線ss(n−6)〜ss(n+9)を示している。また、Yp0〜Yp2は、入出力ノードYp1(n−1)〜Yp1(n+1)を示している。
さらに、図23において、6310〜6313は、信号配線603−1(n−2)〜603−1(n+1)を示し、6320〜6323は、信号配線603−2(n−2)〜603−2(n+1)を示し、6330〜6333は、信号配線603−3(n−2)〜603−3(n+1)を示している。ここでも、信号配線に付された符号603は、第2配線層603における配線であることを示している。
<<図29の符号>>
図29において、SL00〜SL15は、信号配線SL(n−6)〜SL(n+9)を示し、TL00〜TL15は、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)を示し、Xp0〜Xp2は、入出力ノードXp1(n−1)〜Xp1(n+1)を示し、Yp0〜Yp2は、入出力ノードYp1(n−1)〜Yp1(n+9)を示している。
また、図29において、e00〜e15は、第5スイッチS5(n−6)〜S5(n+9)を示し、f00〜f15は、第6スイッチS6(n−6)〜S6(n+9)を示し、g00〜g15は、第7スイッチS7(n−6)〜S7(n+9)を示し、h00は、第8スイッチS8(n)を示し、i00およびi01は、第9スイッチS9(n−1)およびS9(n)を示している。さらに、図29において、j00〜j15は、第10スイッチS10(n−6)〜S10(n+9)を示し、k00およびk01は、第11スイッチS11(n−1)およびS11(n+1)を示し、l00は、第12スイッチS12(n−1)を示している。
さらに、図29において、6310〜6313は、信号配線603−1(n−2)〜603−1(n+1)を示し、6320〜6323は、信号配線603−2(n−2)〜603−2(n+1)を示し、6330〜6333は、信号配線603−3(n−2)〜603−3(n+1)を示している。また。図29において、6510〜6513は、信号配線605−1(n−2)〜605−1(n+1)を示し、6520〜6523は、信号配線605−2(n−2)〜605−2(n+1)を示し、6530〜6533は、信号配線605−3(n−2)〜605−3(n+1)を示している。ここでも、信号配線に付された符号603は、第2配線層603における配線であることを示し、符号605は、第3配線層605における配線であることを示している。
<表示パネル2のレイアウト>
図8には、表示パネル2(図5)と、その周辺のレイアウトが示されている。同図において、2−R、2−L、2−Uおよび2−Dは、図5に示した辺2−R、2−L、2−Uおよび2−Dに対応している。また、同図は、実際の配置に合わせて描かれている。
この実施の形態1においては、表示パネル2、すなわち画素配列LCD(図7)の外部(周辺領域)に調整部と切換回路とが配置されている。また、駆動電極TLは、複数の駆動電極TL(0)〜TL(p)により構成されており、それぞれの駆動電極TL(0)〜TL(p)は、画素配列LCDの列に配置されている。すなわち、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、信号配線SL(0)〜SL(p)と平行になるように配置されている。また、それぞれの駆動電極には、複数の補助電極SMが設けられており、電気的に接続されている。
図8には、複数の駆動電極TL(0)〜TL(p)のうち、代表として、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)が示されている。これらの駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)のそれぞれには、複数の補助電極SMが設けられているが、図8では、複数の補助電極を1本の補助電極SMとして示している。なお、符号SMは、図面が複雑になるのを避けるために、図8において、最も右側および左側に配置された駆動電極TL(n−6)およびTL(n+9)に設けられた補助電極に対してのみ付されている。
同図に示すように、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)と、それぞれに接続された補助電極SMは、表示パネル2の列方向に延在し、行方向に並列的に配置されている。また、同図には、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)および補助電極SMと交差するように配置された走査線が、走査線GL(0)〜GL(p)として示されている。同図には示されていないが、信号線SL(0)〜SL(p)は、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)および補助電極SMと平行するように配置されている。
実施の形態1においては、タッチ検出動作を行う際に用いられるコイルが、駆動電極TL(0)〜TL(p)によって形成される。コイルを形成するために、調整部によって、複数の駆動電極が電気的に接続される。また、切換回路によって、表示期間とタッチ検出期間とで、駆動電極に供給される信号を切り替える。すなわち、切換回路によって、表示の際には、駆動電極TL(0)〜TL(p)に、表示用の駆動信号(表示用駆動信号)が供給され、タッチ検出動作の際には、コイルに磁界を発生させるための駆動信号(検出用駆動信号)が供給される。また、切換回路は、タッチ検出動作の際、コイルに発生した電圧の変化を伝達する。
この実施の形態1においては、調整部は、表示パネル2(画素配列LCD)の辺2−Dおよび2−Uにそれぞれ沿って配置された第1調整部KAD1と第2調整部KAD2とを備えている。また、切換回路も、表示パネル2(画素配列LCD)の辺2−Dおよび2−Uにそれぞれ沿って配置された第1切換回路DD1と第2切換回路DD2とを備えている。
調整部(第1調整部KAD1および第2調整部KAD2)は、複数の駆動電極および補助電極に接続されている。この調整部(第1調整部KAD1および第2調整部KAD2)によって、タッチ検出期間のときに、複数の駆動電極TL(0)〜TL(p)および補助電極SMにより、複数のコイルが形成され、それぞれのコイルの巻数が所望の巻数になるように調整される。次に、図8に示した駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)および補助電極SMを、代表として、調整部により、所望の巻数のコイルを形成する例を説明する。
ここでは、巻数が2回のコイルを形成する例を説明する。第1調整部KAD1は、表示パネル2の辺2−D側において、駆動電極(n−6)〜TL(n+9)および補助電極SMに接続され、第2調整部KAD2は、表示パネル2の辺2−U側において、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)および補助電極SMに接続されている。具体的に説明すると、第1調整部KAD1は、駆動電極TL(n+1)と駆動電極TL(n+8)との間に接続された信号配線601−1(n)と、駆動電極TL(n−5)と駆動電極TL(n+2)との間に接続された信号配線601−1(n−1)と、駆動電極TL(n+7)に接続された信号配線601−1(n+1)と、駆動電極TL(n−4)に接続された信号配線601−1(n−2)とを備えている。
また、第2調整部KAD2は、駆動電極TL(n)と駆動電極TL(n+8)との間に接続された信号配線601−2(n)と、駆動電極TL(n+1)と駆動電極TL(n+9)との間に接続された信号配線601−3(n)とを備えている。さらに、第2調整部KAD2は、駆動電極TL(n−6)と駆動電極TL(n+2)との間に接続された信号配線601−2(n−1)と、駆動電極TL(n−5)と駆動電極TL(n+3)との間に接続された信号配線601−3(n−1)を備えている。また、第2調整部KAD2は、駆動電極TL(n+6)に接続された信号配線601−2(n+1)、駆動電極(n+7)に接続された信号配線601−3(n+1)、駆動電極TL(n−4)に接続された信号配線601−2(n−2)および駆動電極TL(n−3)に接続された信号配線601−3(n−2)を備えている。
このように、第1調整部KAD1および第2調整部KAD2において、駆動電極TL(n)、TL(n+1)、TL(n+8)およびTL(n+9)間を、信号配線601−1(n)、601−2(n)および601−3(n)で接続することにより、一筆書きのように、これらの駆動電極TL(n)、TL(n+1)、TL(n+8)およびTL(n+9)を直列的に接続することができる。勿論、これらの駆動電極TL(n)、TL(n+1)、TL(n+8)およびTL(n+9)のそれぞれに設けられている補助電極SMも直列的に接続されている。これらの駆動電極および補助電極は、互いに並列に配置されているため、互いに直列接続された複数の駆動電極TL(n)、TL(n+1)、TL(n+8)、TL(n+9)および補助電極SMによって、2回巻線のコイルが形成されることになる。
同様に、第1調整部KAD1および第2調整部KAD2において、駆動電極TL(n−6)、TL(n−5)、TL(n+2)およびTL(n+3)間を、信号配線601−1(n−1)、601−2(n−1)および601−3(n−1)で接続することにより、一筆書きのように、これらの駆動電極TL(n−6)、TL(n−5)、TL(n+2)およびTL(n+3)を直列的に接続することができる。勿論、これらの駆動電極TL(n−6)、TL(n−5)、TL(n+2)およびTL(n+3)のそれぞれに設けられている補助電極SMも直列的に接続されている。これらの駆動電極および補助電極は、互いに並列に配置されているため、互いに直列接続された複数の駆動電極TL(n−6)、TL(n−5)、TL(n+2)、TL(n+3)および補助電極SMによって、2回巻線のコイルが形成されることになる。
同様にして、信号配線601−1(n−2)、601−2(n−2)および601−3(n−2)により、駆動電極TL(n−4)、TL(n−3)および補助電極SMと図示しない駆動電極および補助電極とを直列的に接続することにより、2回巻線のコイルを形成する。また、信号配線601−1(n+1)、601−2(n+1)および601−3(n+1)により、駆動電極TL(n+6)、TL(n+7)および補助電極SMと図示しない駆動電極および補助電極とを直列的に接続することにより、2回巻線のコイルを形成する。
第1切換回路DD1は、表示パネル2の辺2−D側において、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)に接続されている。この第1切換回路DD1は、第1スイッチS1(n−6)〜S1(n+9)と、第2スイッチS2(n−2)〜S2(n)と、第3スイッチS3(n−1)〜S3(n+1)とを備えている。ここで、第1スイッチS1(n−6)〜S1(n+9)は、対応する駆動電極TL(n−1)〜TL(n+9)および補助電極SMと、接地電圧Vsに相当する電圧VCOMDCが供給される電圧配線VL1との間に接続されており、表示期間のとき、オン状態とされ、タッチ検出期間においては、オフ状態にされる。
また、第2スイッチS2(n−2)〜S2(n)は、タッチ検出期間においてコイルを形成する駆動電極および補助電極と、接地電圧Vsが供給される電圧配線VL2との間に接続され、タッチ検出期間においてオン状態とされ、表示期間においてはオフ状態にされる。この場合、第2スイッチS2は、タッチ検出期間において、コイルに接地電圧Vsを供給するように機能するため、コイルを構成する複数の駆動電極(補助電極を含む)のうちの一方の端部となる駆動電極と電圧配線VL2との間に接続される。図8に示した例では、コイルを構成する複数の駆動電極のうち、一方の端部となる駆動電極は、駆動電極TL(n−3)、TL(n+3)およびTL(n+9)であるため、表示パネル2の辺2−D側において、これらの駆動電極TL(n−3)、TL(n+3)およびTL(n+9)と、電圧配線VL2との間に、第2スイッチS2(n−2)〜S2(n)が接続されている。
第3スイッチS3(n−1)〜S3(n+1)は、タッチ検出期間において、コイルを選択するスイッチである。第3スイッチS3(n−1)〜S3(n+1)は、表示期間においては、オフ状態にされる。一方、タッチ検出期間においては、選択的にオン状態とされる。第3スイッチS3(n−1)〜S3(n+1)は、タッチ検出期間においてコイルを形成する駆動電極(補助電極を含む)と、コイルの入出力ノードXp1(n−1)〜Xp1(n+1)との間に接続されている。
すなわち、タッチ検出期間のとき、第3スイッチS3は、コイルを構成する複数の駆動電極(補助電極を含む)のうちの他方の端部となる駆動電極とコイルの入出力ノードとの間に接続される。図8に示した例では、コイルを構成する複数の駆動電極のうち、他方の端部となる駆動電極は、駆動電極TL(n−6)、TL(n)およびTL(n+6)であるため、表示パネル2の辺2−D側において、これらの駆動電極TL(n−6)、TL(n)およびTL(n+6)と、コイルの入出力ノードXp1(n−1)〜Xp1(n+1)との間に、第3スイッチS3(n−1)〜S3(n+1)が接続されている。
第2切換回路DD2は、複数の第4スイッチS4(n−6)〜S4(n+9)を有している。これらの第4スイッチS4(n−6)〜S4(n+9)は、表示パネル2の辺2−U側に沿って配置されており、この辺2−U側において、対応する駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)と電圧配線VL1との間に接続されている。これらの第4スイッチS4(n−6)〜S4(n+9)は、表示期間においてオン状態とされ、タッチ検出期間においてオフ状態とされる。
表示期間において、第1スイッチS1(n−6)〜S1(n+9)および第4スイッチS4(n−6)〜S4(n+9)がオン状態となることにより、電圧配線VL1における電圧VCOMDCが、表示用の駆動信号として、切換回路(第1切換回路DD1および第2切換回路DD2)から、それぞれの駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)へ供給される。
一方、タッチ検出期間においては、第1スイッチS1(n−6)〜S1(n+9)および第4スイッチS4(n−6)〜S4(n+9)がオフ状態となる。これにより、表示用の駆動信号が、切換回路からそれぞれの駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)へ供給されなくなる。また、タッチ検出期間においては、第2スイッチS2(n−1)〜S2(n)がオン状態となるため、コイルを形成する駆動電極のうち、コイルの一方の端部となる駆動電極TL(n−3)、TL(n+3)およびTL(n+9)は、第2スイッチを介して、電圧配線VL2に接続され、コイルに接地電圧Vsが供給される。また、タッチ検出期間においては、第3スイッチS3(n−1)〜S3(n+1)が選択的にオン状態とされる。これにより、コイルを形成する駆動電極のうち、コイルの他方の端部となる駆動電極TL(n−6)、TL(n)またはTL(n+6)が、第3スイッチを介して、コイルの入出力ノードXp1(n+1)〜Xp1(n+1)へ接続されることになる。
タッチ検出期間において、例えば第3スイッチS3(n)をオン状態にしたとき、周期的に電圧が変化する駆動信号をコイルの入出力ノードXp1(n)へ供給する。これにより、駆動電極TL(n)、TL(n+8)、TL(n+1)、TL(n+9)および補助電極SMにより構成されたコイルの一方の端部には、接地電圧Vsが供給され、他方の端部における電圧は、周期的に変化することになる。その結果、第3スイッチS3(n)に接続されたコイルは、図2において述べたのと同様に、周期的に変化する磁界を発生する。磁界を発生した後、第3スイッチS3(n)をオン状態に維持した状態で、コイルの入出力ノードXp1(n)における信号の変化を検出することにより、このコイルの近傍が、ペンによってタッチされているか否かを検出することが可能となる。
第3スイッチS3(n)を例にして述べたが、他の第3スイッチS3(n−1)、S3(n+1)およびコイルについても同じである。
ここでは、タッチ検出期間において、第3スイッチを選択的にオン状態することを述べたが、複数の第3スイッチを同時にオン状態にしてもよい。この場合、複数のコイルに対して、駆動信号が供給されることになる。そのため、タッチ検出期間を短くすることが可能となる。
図8において、破線で示したDDICは、ドライバ用半導体装置を示している。表示制御装置を半導体装置によって構成した場合、表示制御装置を構成する半導体装置が、ドライバ用半導体装置DDICとなる。上記の実施例においては、第1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3および第4スイッチS4は、TFTガラス基板600上の薄膜トランジスタ(以下、TFTとも称する)により形成され、これらのTFTを覆うようにドライバ用半導体装置DDICが実装されている。この場合、第1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3および第4スイッチS4を構成するTFTは、上記したTFTガラス基板600上に形成される。具体的には、この実施の形態において、第1スイッチS1、第2スイッチS2および第3スイッチS3を構成するTFTは、断面構造において、ドライバ用半導体装置DDICとTFTガラス基板600との間に挟まれるように、形成されている。すなわち、第1スイッチS1、第2スイッチS2および第3スイッチS3を構成するTFTを覆うように、ドライバ用半導体装置DDICは形成されている。これにより、TFTガラス基板上の領域を有効に活用することが可能となり。価格の上昇を抑えることが可能となる。なお、図8において、3は、図5で述べた信号線セレクタである。
図9は、図8で説明した駆動電極、補助電極および信号配線により形成されるコイルの構成を示す回路図である。図8に示した例では、タッチ検出期間のとき、2個のコイルCX(n−1)、CX(n)と、2個のコイルCX(n−2)、CX(n+1)の一部が、構成される。ここで、コイルCX(n)は、コイルの入出力ノードXp1(n)と接地電圧Vsとの間に接続された駆動電極TL(n)、TL(n+1)、TL(n+8)、TL(n+9)、補助電極SMおよび信号配線601−1(n)、601−2(n)、601−3(n)により構成されている。また、コイルCX(n−1)は、駆動電極TL(n−6)、TL(n−5)、TL(n+2)、TL(n+3)、補助電極SMおよび信号配線601−1(n−1)、601−2(n−1)、601−3(n−1)により構成されている。
駆動電極と補助電極とは電気的に接続されているため、補助電極と駆動電極とを合わせて明示するために、図9では、補助電極と駆動電極を「補助電極:駆動電極」の表示形式で示している。例えば、駆動電極TL(n)を例にすると、駆動電極TL(n)に接続された補助電極SMと、駆動電極TL(n)とを合わせて、「SM:TL(n)」と表示している。この場合、補助電極SMは、駆動電極TL(n)と平行して延在し、駆動電極TL(n)に接続された複数本の配線により構成されている。駆動電極TL(n)に接続された補助電極SMの数は一例として数十本とされる。他の駆動電極および補助電極についても同様である。
コイルCX(n−2)〜CX(n+1)は、タッチ検出期間において、互いに隣接したコイルとして形成される。この場合、互いに隣接するコイルは、重なっている。すなわち、コイルCX(n−1)の一部とコイルCX(n)とは重なっており、コイルCX(n)とコイルCX(n+1)とは重なっている。言い換えるならば、コイルCX(n)の巻線内に、コイルCX(n−1)の巻線とコイルCX(n+1)の巻線が入り込んでいる。ここで、コイルCX(n)の巻線内に入り込んでいるコイルCX(n−1)の巻線は、駆動電極SM:TL(n+2)とSM:TL(n+3)であり、コイルCX(n)の巻線内に入り込んでいるコイルCX(n+1)の巻線は、駆動電極SM:TL(n+6)とSM:TL(n+7)である。
コイルは、コイルの入出力ノードに電圧を供給したとき、その巻線内(内側)の磁界が強く、巻線の外の磁界は弱い。そのため、互いに隣接するコイル間に隙間を空けると、隙間の部分の磁界が弱くなり、タッチ検出の精度が低下することが考えられる。図8および図9に示すように、互いに隣接するコイルを重なるように配置することにより、磁界の弱い部分が発生するのを防ぐことが可能となり、タッチ検出の精度が低下するのを防ぐことが可能となる。
第1調整部KAD1および第2調整部KAD2に含まれる信号配線は、TFTガラス基板600に形成された第1配線層601において形成された配線により構成されている。すなわち、図8を例にすると、信号配線601−1(n−2)〜601−1(n+1)、602(n−2)〜601−2(n+1)および601−3(n−2)〜601−3(n+1)のそれぞれの配線は、第1配線層601における配線によって構成されている。この場合、これらの信号配線を構成する第1配線層の配線は、画素が形成されている表示パネル2(画素配列LCD)の表示領域の外部(アクティブエリア外)における配線である。
図10は、図8において、アクティブエリア外の第1調整部KAD1の領域B1−B1’およびB2−B2’の断面を示す断面図である。なお、図8において、アクティブエリア内の領域A−A’の断面は、図6において既に説明した。
図10において、[601]は、第1配線層の配線を示しており、[605]は、第3配線層の配線を示している。第1配線層601に形成された配線が、図8に示した信号配線601−1(n)として用いられる。第1調整部KAD1のB1−B1’断面部においては、第3配線層605に形成された駆動電極TL(n+1)と複数の補助電極SMとが、層間配線SMCを介して、第1配線層601の信号配線601−1(n)に電気的に接続されている。また、B2−B2’断面部においては、第3配線層605に形成された駆動電極TL(n+8)と複数の補助電極SMとが、層間配線SMCを介して、第1配線層601の信号配線601−1(n)に電気的に接続されている。第2調整部KAD2においても同様に第3配線層605に形成された駆動電極と複数の補助電極SMとが、層間配線SMCを介して、第1配線層601の信号配線601−1(n)に電気的に接続されている。第1調整部KAD1および第2調整部KAD2は、表示パネル2のアクティブエリア外であるため、特に制限されないが、図11に示した絶縁層606の上には、液晶層607は形成されていなくてもよい。
この実施の形態1においては、コイルを形成するために、駆動電極間を接続する信号配線として、第1配線層601の配線が用いられている。すなわち、走査線GL(0)〜GL(p)と同じ配線層601の配線[601]を、信号配線601−1(n−2)〜601−1(n+1)、602−2(n−2)〜601−2(n+1)および601−3(n−2)〜601−3(n+1)として用いている。また、コイルの巻線として、駆動電極および補助電極を用いている。そのため、配線層を増加させることなく、コイルを形成することが可能となり、価格の上昇を抑制することが可能となる。例えば、走査線GL(0)〜GL(p)を、表示パネル2のアクティブエリアに形成するとき、表示パネル2の表示領域の外側(アクティブエリア外)にも、配線を形成し、アクティブエリアの外側に形成した配線を、上記した信号配線として用いればよい。
また、走査線GL(0)〜GL(p)を形成するとき、アクティブエリアの外側にも、走査線GL(0)〜GL(p)と平行な配線を形成し、表示パネル2の外側に形成した配線を、上記した信号配線として用いてもよい。この場合、駆動電極と接続しない部分を切断すればよい。切断して不要となった配線は残しておいても、除去してもよい。
図11は、図8において、破線の○で囲んだ領域C1を詳しく示した平面図である。図11において、R、G、Bは、三原色の画素を示しており、TL(n+7)〜TL(n+9)は、駆動電極を示している。また、SL(n+6)1(G)〜SL(n+8)0(G)、SL(n+6)1(B)〜SL(n+8)0(B)およびSL(n+7)0(R)〜SL(n+8)0(R)は、信号線を示しており、SMは、補助電極を示している。
図8に示したように、複数の補助電極SMと駆動電極TL(n+8)は、第1スイッチS1(n+8)、第4スイッチS4(n+8)および信号配線601−1(n)、601−2(n)に接続されている。同様に、複数の補助電極SMと駆動電極TL(n+7)、第1スイッチS1(n+7)、第4スイッチS4(n+7)、信号配線601−1(n+1)、601−3(n+1)に接続されている。また、複数の補助電極SMと駆動電極TL(n+9)が、第1スイッチS1(n+9)、第2スイッチS2(n)、第4スイッチS4(n+9)および信号配線601−3(n)に接続されている。
図11では、図面が複雑になるのを避けるために、駆動電極TL(n+8)に接続されている補助電極SMの数は、5本となっているが、数十本の補助電極を駆動電極TL(n+8)に接続することが望ましい。接続する補助電極の数を増やすことにより、タッチ検出のときのコイルの抵抗を低減することが可能であり、発生する磁界を強くすることが可能となる。
実施の形態1においては、コイルの巻数が2になっているため、タッチ検出の際の磁界を強くすることが可能である。巻数は2に限定されず、巻数を多くすることにより、さらに発生する磁界を強くすることが可能である。勿論、巻数は1回としてもよい。
第1調整部KAD1および第2調整部KAD2における接続を変更することにより、コイルの巻数を増やすことが可能である。また、第1調整部KAD1および第2調整部KAD2における接続を変更することにより、任意の駆動電極をコイルの巻線として用いることが可能である。さらに、第1調整部KAD1および第2調整部KAD2における接続を変更することにより、互いに隣接するコイル間での重なる量を変更することが可能である。すなわち、調整部によって、タッチ検出期間に用いられるコイルを調整することが可能となる。
また、コイルの巻数が2以上であるため、ペンから発生する磁界の検出精度も高くなる。
信号配線として、第1配線層601における配線を用いる例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第2配線層における配線を信号配線601−1(n−2)〜601−1(n+1)、602−2(n−2)〜601−2(n+1)および601−3(n−2)〜601−3(n+1)として用いてもよい。この場合には、信号線SL(0)〜SL(p)を形成するときに、信号配線601−1(n−2)〜601−1(n+1)、602−2(n−2)〜601−2(n+1)および601−3(n−2)〜601−3(n+1)として用いる配線も形成する。これにより、価格の上昇を抑制することが可能である。
この実施の形態1において、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、表示期間においては、電圧VCOMDCが第1切換回路DD1および第2切換回路DD2から、表示用の駆動信号として供給され、タッチ検出期間においては、第1切換回路DD1を介して、タッチ検出用の磁界を発生させるための駆動信号が供給される。そのため、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、表示用とタッチ検出の磁界発生用とに用いられる共通駆動電極と見なすことができる。
(実施の形態2)
図12は、実施の形態2に係わる液晶表示装置のレイアウトを示す平面図である。実施の形態1においては、駆動電極TLを複数の駆動電極TL(0)〜TL(p)により構成し、駆動電極TL(0)〜TL(p)を、タッチ検出期間においては、コイルの巻線として用いていた。これに対して、実施の形態2においては、駆動電極の代わりに、信号線SL(0)〜SL(p)が、タッチ検出期間において、コイルの巻線として用いられる。
図8と同様に、図12には、表示パネル2の一部が示されている。すなわち、表示パネル2のうち、信号線SL(n−6)〜SL(n+9)の部分が示されている。表示パネル2の辺2−Dに沿って、信号セレクタ3が配置されている。同図において、複数の端子SPは、表示期間のとき、表示制御装置4から画像信号が供給される端子を示している。図5において説明した信号配線Sd(0)〜Sd(n)が、端子SPに接続され、表示期間においては、時分割的に、画像信号が端子SPに供給される。なお、図面が複雑になるのを避けるために、図12において、符号SPは、最も右側に配置された端子と最も左側に配置された端子にのみ付されている。
信号線セレクタ3は、選択信号SEL1、SEL2に従ってスイッチ制御される複数のスイッチを有しており、端子SPに供給された画像信号を適切な信号線に供給する。信号線セレクタ3におけるスイッチは、表示期間においては、選択的に端子SPと信号線との間を接続するが、タッチ検出期間においては、全ての信号線と端子SPとを実質的に同時に接続する。表示期間とタッチ検出期間とで、信号線と端子SPとの接続が変わることを示すために、信号線セレクタ3に含まれるスイッチとして、図12には、模式的なスイッチSW11(符号SW11は、最も右側と最も左側のみに付している)が示されている。すなわち、図12に示したスイッチSW11は、タッチ検出期間において、信号線SL(0)〜SL(p)と端子SPとを接続することを表すために、描かれている。
また、図5に示した表示制御装置4は、実施の形態1と同様に、ドライブ用半導体装置DDICにより構成されており、第1切換回路および第1調整部を覆うように形成されている。このドライブ用半導体装置DDICは、タッチ検出期間においては、端子SPに接続されている信号配線Sd(0)〜Sd(n)をハイインピーダンス状態にする。
この実施の形態2においても、調整部と切換回路とが設けられており、調整部は、表示パネル2の辺2−Dに沿って配置された第1調整部KAD3と、表示パネル2の辺2−Uに沿って配置された第2調整部KAD4とを備えている。また、切換回路は、表示パネル2の辺2−Dに沿って配置された第1切換回路DD3と、表示パネル2の辺2−Dに沿って配置された第2切換回路DD4とを備えている。
第1調整部KAD3および第2調整部KAD4は、第1調整部KAD1および第2調整部KAD2と同様に、タッチ検出期間において用いられるコイルを調整する部分である。
第1切換回路DD3は、端子SPと第1調整部KAD3との間に接続された第5スイッチS5(n−6)〜S5(n+9)を有する。この第5スイッチS5(n−6)〜S5(n+9)は、タッチ検出期間において同時または選択的にオン状態とされ、表示期間においてはオフ状態にされる。第1調整部KAD3は、タッチ検出期間において、コイルの巻線となる信号線間を接続する信号配線605−1(n−2)〜605−1(n+1)を有している。図12においては、信号線SL(n−6)〜SL(n−3)、SL(n)〜SL(n+3)およびSL(n+6)〜SL(n+9)が、コイルの巻線を形成する信号線として用いられる例が示されている。
第1調整部KAD3は、これらの信号線のうち、信号線SL(n−5)に対応する第5スイッチS5(n−5)と信号線SL(n+2)に対応する第5スイッチS5(n+2)間を接続する信号配線605−1(n−1)と、信号線SL(n+1)に対応する第5スイッチS5(n+1)と信号線SL(n+8)に対応する第5スイッチS5(n+8)間を接続する信号配線605−1(n)とを備えている。また、第1調整部KAD3は、信号線SL(n−4)に対応する第5スイッチS5(n−4)に接続された信号配線605−1(n−2)と、信号線SL(n+7)に対応する第5スイッチS5(n+7)に接続された信号配線605−1(n+1)とを備えている。
コイルを形成する信号線SL(n−6)〜SL(n−3)、SL(n)〜SL(n+3)およびSL(n+6)〜SL(n+9)のうち、信号線SL(n−3)、SL(n+3)およびSL(n+9)にそれぞれ対応する第5スイッチS5(n−3)、S5(n+3)およびS5(n+9)は、第1調整部KAD3において、電圧配線VL2に接続されている。また、コイルを形成する信号線SL(n−6)〜SL(n−3)、SL(n)〜SL(n+3)およびSL(n+6)〜SL(n+9)のうち、信号線SL(n−6)、SL(n)およびSL(n+6)のそれぞれに対応する第5スイッチS5(n−6)、S5(n)およびS5(n+6)は、第1調整部KAD3において、コイルの入出力ノードXp1(n−1)、Xp1(n)およびXp1(n+1)に接続されている。
第2切換回路DD4は、信号線SL(0)〜SL(p)と第2調整部KAD4との間に接続された第6スイッチS6(n−6)〜S6(n+9)を備えている。この第6スイッチS6(n−6)〜S6(n+9)も、タッチ検出期間においてオン状態とされ、表示期間においてはオフ状態にされる。
第2調整部KAD4は、コイルを形成する信号線間を接続する複数の信号配線を備えている。図12の例では、第2調整部KAD4は、信号線SL(n−6)に対応する第6スイッチS6(n−6)と、信号線SL(n+2)に対応する第6スイッチS6(n+2)との間を接続する信号配線605−2(n−1)と、信号線SL(n−5)に対応する第6スイッチS6(n−5)と、信号線SL(n+3)に対応する第6スイッチS6(n+3)との間を接続する信号配線605−3(n−1)を有している。また、第2調整部KAD4は、信号線SL(n)に対応する第6スイッチS6(n)と、信号線SL(n+8)に対応する第6スイッチS6(n+8)との間を接続する信号配線605−2(n)と、信号線SL(n+1)に対応する第6スイッチS6(n+1)と、信号線SL(n+9)に対応する第6スイッチS6(n+9)との間を接続する信号配線605−3(n)を有している。
さらに、第2調整部KAD4は、信号線SL(n−4)に対応する第6スイッチS6(n−4)に接続された信号配線605−2(n−2)と、信号線SL(n−3)に対応する第6スイッチS6(n−3)に接続された信号線605−3(n−2)と、信号線SL(n+6)に対応する第6スイッチS6(n+6)に接続された信号配線605−2(n+1)と、信号線SL(n+7)に対応する第6スイッチS6(n+7)に接続された信号線605−3(n+1)を有している。
表示期間においては、第5スイッチS5(n−6)〜S5(n+9)および第6スイッチS6(n−6)〜S6(n+9)がオフ状態にされる。これにより、第1調整部KAD3および第2調整部KAD4は、信号線SL(n−6)〜SL(n+9)から電気的に分離される。このとき、信号線セレクタ3は、選択信号SEL1、SEL2(図5)に従って、信号線SL(n−6)〜SL(n+9)における適切な信号線を端子SPに接続する。表示期間においては、ドライブ用半導体装置DDIC(表示制御装置4)からの画像信号が端子SPに供給され、信号線セレクタ3を介して、適切な信号線に供給される。走査線GL(0)〜GL(p)が順次ハイレベルとなることによって、表示パネル2に画像信号に従った画像の表示が行われる。
一方、タッチ検出期間においては、信号線セレクタ3は、端子SPと信号線SL(n−6)〜SL(n+9)との間を電気的に接続する。すなわち、同図において模式的に示した全てのスイッチSW11をオン状態にする。また、タッチ検出期間においては、第5スイッチS5(n−6)〜S5(n+9)および第6スイッチS6(n−6)〜S6(n+9)が同時または選択的にオン状態にされる。これにより、第1調整部KAD3および第2調整部KAD4は、信号線SL(n−6)〜SL(n+9)に電気的に接続される。このとき、ドライブ用半導体装置DDIC(表示制御装置4)からの信号線Sd(0)〜Sd(n)はハイインピーダンス状態となっている。
これにより、図13に示すように、信号線SL(n−6)〜SL(n−3)、SL(n)〜SL(n+3)およびSL(n+6)〜SL(n+9)と、第1調整部KAD3および第2調整部KAD4内の信号配線によって、コイルCX(n−1)〜CX(n+1)が、タッチ検出期間において、形成される。例えば、コイルCX(n)を例にして説明すると、次のようになる。すなわち、コイルCX(n)は、第5スイッチS5(n)、S5(n+1)、S5(n+8)、S5(n+9)および第6スイッチS6(n)、S6(n+1)、S6(n+8)、S6(n+9)が同時または選択的にオン状態となることにより、信号線SL(n)、SL(n+8)、SL(n+1)、SL(n+9)および信号配線605−1(n)、605−2(n)、605−3(n)が、コイルの入出力ノードXp1(n)と接地電圧Vsとの間に直列に接続される。ここで、信号線SL(n)、SL(n+8)、SL(n+1)およびSL(n+9)は、互いに並列的に配置されているため、巻線となる。他のコイルCX(n−1)等についても同様である。
この実施の形態2においても、図13に示すように、コイルCX(n−2)〜CX(n+1)間が、互いに重なっている。コイルCX(n)を例にして述べると、隣接するコイルCX(n−1)を構成する信号線SL(n+2)、SL(n+3)と隣接するコイルCX(n+1)を構成する信号線SL(n+6)、SL(n+7)が、コイルCX(n)の内側に配置されている。これにより、実施の形態1と同様に、磁界の弱い部分が発生するのを防ぐことが可能となり、タッチ検出の精度が低下するのを防ぐことが可能となる。
実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、第1調整部KAD3および第2調整部KAD4は、表示パネル2(画素配列LCD)のアクティブエリア外に配置されている。すなわち、第1調整部KAD3および第2調整部KAD4に含まれる信号配線は、表示パネル2のアクティブエリア外に配置された配線により構成されている。図12に示した例で述べると、信号配線605−1(n−2)〜605−1(n+1)、605−2(n−2)〜605−2(n+1)および605−3(n−2)〜605−3(n+1)は、表示パネル2のアクティブエリア外に配置された配線により構成されている。ここでは、信号配線605−1(n)を例にして、表示パネル2のアクティブエリア外に配置された配線を用いた信号配線の構造を説明する。図14は、図12において、B1−B1’の断面およびB2−B2’の断面を示す断面図である。ここで、表示パネル2内の断面の構造は、図6に示した構造と類似しているので、説明は省略する。
図14において、[603]は、第2配線層の配線を示しており、[605]は、第3配線層の配線を示している。信号線SL(0)〜SL(p)は、第2配線層に形成された配線により構成されている。表示パネル2に形成された信号線は、第1切換回路DD3および第2切換回路DD4を介して、第1調整部KAD3および第2調整部KAD4における第2配線層の配線に接続される。図14において、SL(n+1)[603]〜SL(n+3)[603]およびSL(n+8)[603]は、第1調整部KAD3において、信号線SL(n+1)〜SL(n+3)およびSL(n+8)が接続された第2配線層の配線を示している。図12に示した信号配線605−1(n)は、第3配線層605に形成された配線605−1(n)[605]により構成されている。この配線605−1(n)[605]は、層間配線SLCによって、配線SL(n+1)[603]およびSL(n+8)[603]に接続されている。この場合、配線605−1(n)[605]は、補助電極SMに対応する配線と、駆動電極に対応する配線とを含んでいる。なお、第1調整部KAD3および第2調整部KAD4は、表示パネル2のアクティブエリア外であるため、図14に示した絶縁層606の上には、液晶層607は形成されていなくてもよい。
この実施の形態2においては、コイルを形成するために、信号線間を接続する信号配線として、第3配線層605の配線が用いられている。すなわち、駆動電極TLおよび補助電極SMと同じ配線層の配線を、信号配線605−1(n−2)〜605−1(n+1)、605−2(n−2)〜605−2(n+1)および605−3(n−2)〜605−3(n+1)として用いている。また、コイルの巻線として、信号線を用いている。そのため、配線層を増加させることなく、コイルを形成することが可能となり、価格の上昇を抑制することが可能となる。例えば、駆動電極TLおよび補助電極を、表示パネル2のアクティブエリアに形成するとき、表示パネル2の外側(アクティブエリア外)にも、配線を形成し、表示パネル2の外側に形成した配線を、上記した信号配線として用いればよい。
また、駆動電極TLおよび補助電極を形成するとき、表示パネル2のアクティブエリア外にも、駆動電極TLおよび補助電極と平行な配線を形成し、表示パネル2の外側に形成した配線を、上記した信号配線として用いてもよい。この場合には、信号配線と接続しない部分を切断すればよい。切断して不要となった配線は残しておいても、除去してもよい。
図15は、図12において、破線の○で囲んだ領域C1を詳しく示した平面図である。図15において、R、G、Bは、三原色の画素を示しており、TLは、駆動電極を示している。また、SL(n+6)1(G)〜SL(n+8)0(G)、SL(n+6)1(B)〜SL(n+8)0(B)およびSL(n+7)0(R)〜SL(n+8)0(R)は、信号線を示している。
この実施の形態2においては、図12に示した信号線SL(n+8)として、図15に示した信号線SL(n+6)1(G)〜SL(n+8)0(G)、SL(n+6)1(B)〜SL(n+8)0(B)およびSL(n+7)0(R)〜SL(n+8)0(R)のうちの複数の信号線が用いられる。すなわち、信号線によってコイルを形成するとき、複数の信号線が互いに接続され、1本の信号線とされ、コイルの巻線とされる。これにより、実施の形態1と同様に、コイルの抵抗を低減することが可能となる。この場合、例えば数十本の信号線を、互いに電気的に接続して、コイルの巻線として用いることが望ましい。
実施の形態2においても、コイルの巻数が2になっているため、タッチ検出の際の磁界を強くすることが可能である。勿論、巻数は2に限定されない。
第1調整部KAD3および第2調整部KAD4における接続を変更することにより、コイルの巻数を増やすことが可能である。また、第1調整部KAD3および第2調整部KAD4における接続を変更することにより、任意の信号線をコイルの巻線として用いることが可能である。さらに、第1調整部KAD3および第2調整部KAD4における接続を変更することにより、互いに隣接するコイル間での重なる量を変更することが可能である。すなわち、調整部によって、タッチ検出期間に用いられるコイルを調整することが可能となる。
また、コイルの巻数が2以上であるため、ペンから発生する磁界の検出精度も高くなる。
信号配線として、第3配線層605における配線を用いる例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1配線層における配線を信号配線605−1(n−2)〜605−1(n+1)、605−2(n−2)〜605−2(n+1)および605−3(n−2)〜605−3(n+1)として用いてもよい。この場合には、走査線GL(0)〜GL(p)を形成するときに、信号配線605−1(n−2)〜605−1(n+1)、605−2(n−2)〜605−2(n+1)および605−3(n−2)〜605−3(n+1)として用いる配線が形成されることになり、この場合にも価格の上昇を抑制することが可能である。
この実施の形態2において、信号線SL(0)〜SL(p)には、表示期間においては、画像信号が供給され、タッチ検出期間においては、第1切換回路DD3を介して、タッチ検出用の磁界を発生させるための駆動信号が供給される。そのため、信号線SL(0)〜SL(p)は、表示用とタッチ検出の磁界発生用とに用いられる共通信号線と見なすことができる。
実施の形態2においては、タッチ検出期間のとき、信号線SL(0)〜SL(p)は、第1切換回路DD3を介して第1調整部KAD3に接続される。そのため、タッチ検出期間のとき、第1切換回路DD3と第1調整部KAD3とによって、複数の信号線が互いに接続され、コイルを形成すると見なすことができる。このように見なした場合、第1調整部KAD3と第1切換回路DD3とによって、第1調整選択部が構成されていると見なすことができる。同様に、第2切換回路DD4と第2調整部KAD4とによって、第2調整選択部が構成されていると見なすことができる。さらに、液晶表示装置1は、表示パネル2の辺2−Dに沿って配置された第1調整選択部と、表示パネル2の辺2−Uに沿って配置された第2調整選択部とを有する調整選択部を備えていると見なすことができる。
(実施の形態3)
図16は、実施の形態3に係わる液晶表示装置のレイアウトを示す平面図である。実施の形態1においては、信号線SL(0)〜SL(p)と平行するように配置された複数の駆動電極TL(0)〜TL(p)および補助電極SMを、タッチ検出期間において、コイルの巻線として用いていた。これに対して、実施の形態3においては、信号線SL(0)〜SL(p)と交差するように複数の駆動電極TL(0)〜TL(p)および補助電極SMが配置され、これらの駆動電極TL(0)〜TL(p)および補助電極SMが、タッチ検出期間において、コイルの巻線として用いられる。
この実施の形態3において、信号線SL(0)〜SL(p)は、図5に示した表示パネル2(画素配列LCD)の辺2−R、2−Lに平行に配置され、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、表示パネル2の辺2−U、2−Dに平行に配置されている。この場合、信号線セレクタ3および表示制御装置4(ドライブ用半導体装置DDIC)は、図5に示すように、表示パネル2の辺2−Dに沿って配置されている。
図16には、表示パネル2の一部分が示されている。すなわち、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)および補助電極SMに関連する部分が示されている。この実施の形態においても、表示パネル2のアクティブアリア外に、調整部と切換回路とが配置されており、調整部は、表示パネル2の辺2−Rに沿って配置された第1調整部KAD5と、表示パネル2の辺2−Lに沿って配置された第2調整部KAD6とを備えている。また、切換回路も、表示パネル2の辺2−Rに沿って配置された第1切換回路DD5と、表示パネル2の辺2−Lに沿って配置された第2切換回路DD6とを備えている。以下、図16に示した表示パネル2の部分に基づいて、説明する。なお、図面が複雑になるのを避けるために、補助電極の符号SMは、駆動電極TL(n−6)およびTL(n+9)に設けられた補助電極のみに付されている。
図16においても、タッチ検出期間のとき、図8と同様に、駆動電極TL(n−6)〜TL(n−3)、TL(n)〜TL(n+3)、TL(n+6)〜TL(n+9)およびこれらの駆動電極上に形成されている補助電極SMによって、コイルCY(n−2)〜CY(n+1)が構成される。コイルCY(n−2)〜CY(n+1)は、信号線SL(0)〜SL(p)と交差する方向に配置される。すなわち、コイルCY(n−2)〜CY(n+1)のそれぞれは、表示パネル2の横方向(行方向)に延在し、縦方向(列方向)に並列に配置される。また、駆動電極TL(n)、TL(n+1)、TL(n+8)およびTL(n+9)が、コイルCY(n)の巻線として用いられ、駆動電極TL(n−6)、TL(n−5)、TL(n+2)およびTL(n+3)が、コイルCY(n−1)の巻線として用いられる。さらに、駆動電極TL(n−3)およびTL(n−4)は、コイルCY(n−2)の巻線として用いられ、駆動電極TL(n+6)およびTL(n+7)は、コイルCY(n+1)の巻線として用いられている。
特に制限されないが、この実施の形態3においては、コイルの入出力ノードYp1(n−1)〜YP1(n+1)は、第1切換回路DD5と第2切換回路DD6とに交互に設けられている。すなわち、コイルCY(n−1)とコイルCY(n+1)の入出力ノードYp1(n−1)と入出力ノードYp1(n+1)は、第2切換回路DD6に設けられ、コイルCY(n)の入出力ノードYp1(n)は、第1切換回路DD5に設けられている。
第1調整部KAD5は、表示パネル2の辺2−R側において、駆動電極および補助電極と接続された信号配線603−1(n)、603−1(n−2)、603−2(n−1)、603−2(n+1)、603−3(n−1)、603−3(n+1)を備えている。ここで、信号配線603−1(n)は、駆動電極TL(n+1)および補助電極SMと、駆動電極TL(n+8)および補助電極SMを接続している。また、信号配線603−2(n−1)は、駆動電極TL(n−5)および補助電極SMと、駆動電極TL(n+3)および補助電極SMを接続しており、信号配線603−3(n−1)は、駆動電極TL(n−6)および補助電極SMと、駆動電極TL(n+2)および補助電極SMを接続している。さらに、信号配線603−1(n−2)は、駆動電極TL(n−4)および補助電極SMに接続されており、信号配線603−2(n+1)は、駆動電極TL(n+7)および補助電極SMに接続されており、信号配線603−3(n+1)は、駆動電極TL(n+6)および補助電極SMに接続されている。
また、第2調整部KAD6は、表示パネル2の辺2−L側において、駆動電極と接続された信号配線603−1(n−1)、603−2(n)、603−3(n)、603−1(n+1)、603−2(n−2)、603−3(n−2)を備えている。ここで、信号配線603−1(n−1)は、駆動電極TL(n−5)および補助電極SMと、駆動電極TL(n+2)および補助電極SMを接続している。また、信号配線603−2(n)は、駆動電極TL(n)および補助電極SMと、駆動電極TL(n+8)および補助電極SMを接続しており、信号配線603−3(n)は、駆動電極TL(n+1)および補助電極SMと、駆動電極TL(n+9)および補助電極SMを接続している。さらに、信号配線603−3(n−2)は、駆動電極TL(n−3)および補助電極SMに接続されており、信号配線603−2(n−2)は、駆動電極TL(n−4)および補助電極SMに接続されており、信号配線603−1(n+1)は、駆動電極TL(n+7)および補助電極SMに接続されている。
これにより、図17に示すように、コイルCY(n+1)〜CY(n−2)が、駆動電極、補助電極および信号配線により構成される。図17における補助電極と駆動電極の表示形式は、図9と同じである。
第1切換回路DD5は、第7スイッチS7(n−6)〜S7(n+9)、第8スイッチS(n)および第9スイッチS(n)、(n−2)を備えている。第7スイッチS7(n−6)〜S7(n+9)は、表示パネル2の辺2−R側において、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)および補助電極SMと電圧配線VL1との間に接続されており、この第7スイッチは、タッチ検出期間においてオフ状態となり、表示期間において同時または選択的にオン状態となる。第8スイッチS8は、表示パネル2の辺2−R側において、駆動電極TL(n)および補助電極SMと入出力ノードYp1(n)との間に接続されている。また、第9スイッチS9(n)は、表示パネル2の辺2−R側において、駆動電極TL(n+9)および補助電極SMと電圧配線VL2との間に接続され、第9スイッチS9(n−2)は、表示パネル2の辺2−R側において、駆動電極TL(n−3)および補助電極SMと電圧配線VL2との間に接続されている。
第2切換回路DD6は、第1切換回路DD5と同様な構成を有している。すなわち、第2切換回路DD6は、第10スイッチS10(n−6)〜S10(n+9)、第11スイッチS11(n+1)、S11(n−1)および第12スイッチS12(n−1)を備えている。第10スイッチS10(n−6)〜S10(n+9)は、表示パネル2の辺2−L側において、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)および補助電極SMと電圧配線VL1との間に接続されており、この第10スイッチは、タッチ検出期間においてオフ状態となり、表示期間において同時または選択的にオン状態となる。
第11スイッチS11(n−1)は、表示パネル2の辺2−L側において、駆動電極TL(n−6)および補助電極SMと入出力ノードYp1(n−1)との間に接続され、第11スイッチS11(n+1)は、表示パネル2の辺2−L側において、駆動電極TL(n+6)および補助電極SMと入出力ノードYp1(n+1)との間に接続されている。また、第12スイッチS12(n−1)は、表示パネル2の辺2−L側において、駆動電極TL(n+3)および補助電極SMと電圧配線VL2との間に接続されている。
第8スイッチS8(n)および第11スイッチS11(n−1)、S11(n+1)は、表示期間においてオフ状態にされ、タッチ検出期間においては、同時または選択的にオン状態にされる。また、第9スイッチS9(n−2)、S9(n)および第12スイッチS12(n−1)は、表示期間においてはオフ状態にされ、タッチ検出期間においてはオン状態にされる。
表示期間においては、第7スイッチS7(n−6)〜S7(n+9)および第10スイッチS10(n−6)〜S10(n+9)が同時または選択的にオン状態となる。これにより、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)には、表示用の駆動信号として、電圧配線VL1における電圧VCOMDCが供給されることになる。すなわち、第1切換回路DD5および第2切換回路DD6の両方から、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)へ、表示用の駆動信号が供給されることになる。
これに対して、タッチ検出期間においては、第7スイッチS7(n−6)〜S7(n+9)および第10スイッチS10(n−6)〜S10(n+9)がオフ状態となるため、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)は、電圧配線VL1から分離されることになる。このとき、第9スイッチS9(n)、S9(n−2)および第12スイッチS12(n−1)がオン状態となることにより、コイルCY(n)、CY(n−1)およびCY(n−2)の一方の端部は、第9スイッチおよび第12スイッチを介して、図17に示されているように、電圧配線VL2に接続され、接地電圧Vsが供給される。
また、タッチ検出期間において、第8スイッチS8(n)および第11スイッチS11(n−1)〜S11(n+1)をオン状態にすることにより、図17に示すように、コイルCY(n−1)〜CY(n+1)の他方の端部は、入出力ノードYp1(n−1)〜Yp1(n+1)に接続される。図17に示したコイルCY(n)を例にして説明すると、入出力ノードYp1(n)と接地電圧Vsとの間に、駆動電極TL(n)、TL(n+1)、TL(n+8)、TL(n+9)および信号配線603−1(n)、603−2(n)、603−3(n)が直列に接続される。駆動電極TL(n)、TL(n+1)、TL(n+8)、TL(n+9)は、互いに平行に配置されているため、コイルCY(n)が形成されることになる。他のコイルも同様である。
実施の形態3においても、実施の形態1および2と同様に、第1調整部KAD5および第2調整部KAD6は、表示パネル2(画素配列LCD)のアクティブアリア外に配置されている。すなわち、第1調整部KAD5および第2調整部KAD6に含まれる信号配線は、表示パネル2のアクティブエリア外に配置された配線により構成されている。図16に示した例で述べると、信号配線603−1(n−2)〜603−1(n+1)、603−2(n−2)〜603−2(n+1)および603−3(n−2)〜603−3(n+1)は、表示パネル2のアクティブエリア外に配置された配線により構成されている。ここでは、信号配線603−1(n)を例にして、表示パネル2のアクティブエリア外に配置された配線を用いた信号配線の構造を説明する。図18は、図16において、B1−B1’の断面およびB2−B2’の断面を示す断面図である。ここで、表示パネル2内における断面の構造は、図6に示した構造と類似しているので、説明は省略する。
図18において、[603]は、第2配線層603の配線を示しており、[605]は、第3配線層605の配線を示している。駆動電極TL(0)〜TL(p)および補助電極SMは、第3配線層に形成された配線により構成されている。表示パネル2に形成された駆動電極TL(0)〜TL(p)および補助電極SMは、表示パネル2のアクティブエリア外に配置された第1調整部KAD5および第2調整部KAD6まで、延在している。図18には、第1調整部KAD5まで延在している駆動電極TL(n+1)、TL(n+8)およびこれらの駆動電極上に配置された補助電極SMが示されている。図18では、駆動電極TL(n+1)、TL(n+8)および補助電極SMが、第3配線層605の配線により構成されていることを明示するために、TL(n+1)[605]、TL(n+8)およびSM[605]として示されている。
第1調整回路KAD5を例にして説明したが、第2調整部KAD6においても同様に第3配線層605に形成された駆動電極と複数の補助電極SMとが、層間配線SLCを介して、第2配線層603の信号配線、例えば信号配線603−3(n)に電気的に接続されている。
また、第1調整回路KAD5および/または第2調整回路KAD6において、第3配線層605に形成された駆動電極(複数の補助電極SMを含む)間を接続する信号配線は、第2配線層603に形成された信号配線に限定されず、第1配線層601に形成された信号配線を用いてもよい。
この実施の形態3において、第1調整部KAD5および第2調整部KADに含まれている信号配線は、第2配線層の配線により構成されている。すなわち、信号配線603−1(n)は、第2配線層603に形成された配線603−1(n)[603]により構成されている。この配線603−1(n)[603]は、層間配線SLCによって、駆動電極TL(n+1)[605]および補助電極SM[605]と、駆動電極TL(n+8)[605]および補助電極SM[605]に接続されている。なお、第1調整部KAD5および第2調整部KAD6は、表示パネル2のアクティブエリア外であるため、図18に示した絶縁層606の上には、液晶層607は形成されていなくてもよい。
この実施の形態3においては、コイルを形成するために、駆動電極間を接続する信号配線として、第2配線層603の配線が用いられている。すなわち、信号線SL(0)〜SL(p)と同じ配線層の配線を、信号配線603−1(n−2)〜603−1(n+1)、603−2(n−2)〜603−2(n+1)および603−3(n−2)〜603−3(n+1)として用いている。また、コイルの巻線として、駆動電極および補助電極を用いている。そのため、配線層を増加させることなく、コイルを形成することが可能となり、価格の上昇を抑制することが可能となる。
信号線SL(0)〜SL(p)を形成するとき、表示パネル2のアクティブエリア外にも、信号線SL(0)〜SL(p)と平行な配線を形成し、表示パネル2の外側に形成した配線を、上記した信号配線として用いてもよい。この場合には、駆動電極と接続しない部分を切断すればよい。切断して不要となった配線は残しておいても、除去してもよい。
図19は、図16において、破線の○で囲んだ領域C1を詳しく示した平面図である。図19において、R、G、Bは、三原色の画素を示しており、TL(n−1)〜TL(n+1)は、駆動電極を示している。また、SMは、補助電極を示しており、駆動電極と電気的に接続されている。さらに、同図において、GL(n−2)〜GL(n+3)は、走査線を示している。
図19に示されているように、1個の駆動電極TL(n)に対して複数個の補助電極SMが接続されている。例えば、数十本の補助電極SMが、駆動電極TL(n)と平行に延在し、駆動電極TL(n)に接続されている。これにより、駆動電極および補助電極SMによってコイルを形成するとき、コイルの抵抗を低減することが可能となる。
実施の形態3においても、コイルの巻数が2になっているため、タッチ検出の際の磁界を強くすることが可能である。勿論、巻数は2に限定されない。
第1調整部KAD5および第2調整部KAD6における接続を変更することにより、コイルの巻数を増やすことが可能である。また、第1調整部KAD5および第2調整部KAD6における接続を変更することにより、任意の駆動電極をコイルの巻線として用いることが可能である。さらに、第1調整部KAD5および第2調整部KAD6における接続を変更することにより、互いに隣接するコイル間での重なる量を変更することが可能である。すなわち、調整部によって、タッチ検出期間に用いられるコイルを調整することが可能となる。
また、コイルの巻数が2以上であるため、ペンから発生する磁界の検出精度も高くなる。
信号配線として、第2配線層603における配線を用いる例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1配線層601における配線を信号配線として用いてもよいし、第3配線層605における配線を信号配線として用いてもよい。
この実施の形態3においても、駆動電極TL(0)〜TL(p)は、表示用とタッチ検出の磁界発生用とに用いられる共通電極と見なすことができる。
さらに、実施の形態3では、コイルの入出力ノードYp1(n)、Yp1(n+1)、Yp1(n−1)が、表示パネル2の辺2−Rおよび2−Lにおいて、交互に配置されるため、コイルへ供給する駆動信号が、表示パネル2の両辺に分散されることになる。これにより、表示パネル2の辺2−Rおよび2−Lにおける額縁が大きくなるのを防ぐことが可能となる。
(実施の形態4)
図20は、実施の形態4に係わる液晶表示装置のレイアウトを示す平面図である。実施の形態1〜3と異なり、実施の形態4においては、走査線GL(0)〜GL(p)によって、タッチ検出期間のとき、コイルが構成される。
図20には、表示パネル2のうち、走査線GL(n−6)〜GL(n+9)に関係する部分が示されている。以下、図20を用いて、実施の形態4を説明する。
図20において、5−R(n−6)〜5−R(n+9)および5−L(n−6)〜5−L(n+9)は、ゲートドライバ5に含まれる単位ゲートドライバを示している。同図では、図面が複雑になるのを避けるために、同図において、最上段に描いた単位ゲートドライバと最下段に描いた単位ゲートドライバについてのみ、符号5−R(n−6)、5−L(n−6)および5−R(n+9)、5−L(n+9)が付されている。図20においては、ゲートドライバ5(図5)も、表示パネル2のアクティブエリア外に配置されている。すなわち、単位ゲートドライバ5−R(n−6)〜5−R(n+9)は、表示パネル2の辺2−Rに沿って配置されており、単位ゲートドライバ5−L(n−6)〜5−L(n+9)は、表示パネル2−Lに沿って配置されている。
単位ゲートドライバ5−R(n−6)〜5−R(n+9)および5−L(n−6)〜5−L(n+9)は、表示期間においては、順次ハイレベルとなる走査線信号を出力し、対応する走査線GL(n−6)〜GL(n+9)へ供給する。これに対して、単位ゲートドライバ5−R(n−6)〜5−R(n+9)および5−L(n−6)〜5−L(n+9)は、タッチ検出期間のとき、その出力をハイインピーダンス状態にする。
実施の形態4においても、調整部および切換回路が、表示パネル2のアクティブエリア外に配置されている。調整部は、表示パネル2の辺2−Rに沿って配置された第1調整部KAD7と、表示パネル2の辺2−Lに沿って配置された第2調整部KAD8とを備えている。また、切換回路は、辺2−Rに沿って配置された第1切換回路DD7と、辺2−Lに沿って配置された第2切換回路DD8とを備えている。
第1切換回路DD7は、辺2−R側において、走査線GL(n−6)〜GL(n+9)と第1調整部KAD7との間に接続されている。すなわち、第1切換回路DD7は、走査線GL(n−6)〜GL(n+9)と第1調整部DD7との間に接続された第13スイッチS13(n−6)〜S13(n+9)を備えている。単位ゲートドライバ5−R(n−6)〜5−R(n+9)の出力も、辺2―R側において、走査線に接続されているため、第1切換回路DD7は、単位ゲートドライバの出力と第1調整部KAD7との間に接続されていると見なすこともできる。
第2切換回路DD8は、辺2−L側において、走査線GL(n−6)〜GL(n+9)と第2調整部KAD8との間に接続されている。すなわち、第2切換回路DD8は、走査線GL(n−6)〜GL(n+9)と第2調整部DD8との間に接続された第14スイッチS14(n−6)〜S14(n+9)を備えている。単位ゲートドライバ5−L(n−6)〜5−L(n+9)の出力も、辺2―L側において、走査線に接続されているため、第2切換回路DD8は、単位ゲートドライバの出力と第2調整部KAD8との間に接続されていると見なすこともできる。
この実施の形態4においては、走査線GL(n−6)〜GL(n−3)、GL(n)〜GL(n+3)、GL(n+6)〜GL(n+9)によって、コイルCY(n−2)〜CY(n+1)が構成される。この場合、走査線GL(n)、GL(n+1)、GL(n+8)およびGL(n+9)が、コイルCY(n)の巻線として用いられ、走査線GL(n−6)、GL(n−5)、GL(n+2)およびGL(n+3)が、コイルCY(n−1)の巻線として用いられる。また、走査線GL(n−3)およびGL(n−4)は、コイルCY(n−2)の巻線として用いられ、走査線GL(n+6)およびGL(n+7)は、コイルCY(n+1)の巻線として用いられる。
この実施の形態4においても、コイルの入出力ノードYp1(n−1)〜YP1(n+1)は、第1切換回路DD7と第2切換回路DD8とに交互に設けられている。すなわち、コイルCY(n−1)とコイルCY(n+1)の入出力ノードYp1(n−1)と入出力ノードYp1(n+1)は、第2切換回路DD8に設けられ、コイルCY(n)の入出力ノードYp1(n)は、第1切換回路DD7に設けられている。
第1調整部KAD7は、第13スイッチS13(n−6)〜S13(n+9)がオン状態にされたとき、すなわち、タッチ検出期間のとき、走査線と接続される信号配線603−1(n)、603−1(n−2)、603−2(n−1)、603−2(n+1)、603−3(n−1)、603−3(n+1)を備えている。ここで、信号配線603−1(n)は、第13スイッチS13(n+1)、S13(n+8)を介して走査線GL(n+1)と、走査線GL(n+8)との間に接続される。また、信号配線603−2(n−1)は、第13スイッチS13(n−6)、S13(n+3)を介して、走査線GL(n−5)と、走査線GL(n+3)との間に接続され、信号配線603−3(n−1)は、第13スイッチS13(n−6)、S13(n+2)を介して、走査線GL(n−6)と、走査線GL(n+2)との間に接続されている。さらに、信号配線603−1(n−2)は、第13スイッチS13(n−4)を介して走査線GL(n−4)に接続され、信号配線603−2(n+1)は、第13スイッチS13(n+6)を介して走査線GL(n+6)に接続され、信号配線603−3(n+1)は、第13スイッチS13(n+7)を介して走査線GL(n+7)に接続されている。
また、第2調整部KAD8は、第14スイッチS14(n−6)〜S14(n+9)がオン状態とされたとき、走査線と接続される信号配線603−1(n−1)、603−2(n)、603−3(n)、603−1(n+1)、603−2(n−2)、603−3(n−2)を有している。ここで、信号配線603−1(n−1)は、第14スイッチS14(n−5)、S14(n+2)を介して走査線GL(n−5)と、走査線GL(n+2)との間に接続されている。また、信号配線603−2(n)は、第14スイッチS14(n)、S14(n+8)を介して、走査線GL(n)と、走査線GL(n+8)との間に接続され、信号配線603−3(n)は、第14スイッチS14(n+1)、S14(n+9)を介して、走査線GL(n+1)と、走査線GL(n+9)との間に接続されている。さらに、信号配線603−3(n−2)は、第14スイッチS14(n−3)を介して走査線GL(n−3)に接続され、信号配線603−2(n−2)は、第14スイッチS14(n−4)を介して走査線GL(n−4)に接続され、信号配線603−1(n+1)は、第14スイッチS14(n+7)を介して走査線GL(n+7)に接続されている。
これにより、タッチ検出期間においては、第13スイッチおよび第14スイッチがオン状態にされるため、図21に示すように、コイルCY(n+1)〜CY(n−2)が、走査線および信号配線により構成される。コイルCY(n)を例にすると、入出力ノードYp1(n)と接地電圧Vsとの間に、走査線GL(n)、GL(n+1)、GL(n+8)、GL(n+9)および信号配線603−1(n)、603−2(n)、603−3(n)が直列に接続される。走査線GL(n)、GL(n+1)、GL(n+8)、GL(n+9)は、互いに平行に配置されているため、これらの走査線と信号配線により、コイルCY(n)が形成される。他のコイルについても同様である。
実施の形態4において、第1調整部KAD7および第2調整部KAD8に設けられる信号配線は、表示パネル2のアクティブエリア外に配置された第2配線層603の配線により構成される。表示パネル2において、第2配線層603に形成される配線は、信号線SL(0)〜SL(p)として用いられる。そのため、第1調整部KAD7および第2調整部KAD8に設ける信号配線を形成するために、配線層を増加させなくて済む。その結果、実施の形態1〜3と同様に、価格の上昇を抑制することが可能となる。
図22は、図20において、破線の○で囲んだ領域C1を詳しく示した平面図である。図20において、R、G、Bは、三原色の画素を示しており、TLは、駆動電極を示している。
実施の形態4においては、複数の走査線が、タッチ検出期間においては、並列的に接続される。図20および図21では、互いに並列的に接続された複数の走査線を、1本の走査線として示している。すなわち、図20および図21に描かれている走査線GL(0)〜GL(p)のそれぞれは、互いに並列的に接続された複数の走査線を示している。図22には、図20において、走査線GL(n−1)、GL(n)として述べた走査線が、それぞれ3本の走査線によって構成されている場合が示されている。すなわち、表示期間においては、走査線として機能する走査線GL(n−1)S1〜GL(n−1)S3が、タッチ検出期間においては、互いに並列的に接続され、走査線GL(n−1)として用いられる。同様に、表示期間においては、走査線として機能する走査線GL(n)S1〜GL(n)S3が、タッチ検出期間においては、互いに並列的に接続され、走査線GL(n)として用いられる。このようにすることにより、タッチ検出期間において、コイルを形成するときの抵抗を低減することが可能となる。その結果、タッチ検出精度の向上を図ることが可能となる。
図22では、3本の走査線GL(n)S1〜GL(n)S3を並列的に接続することを示したが、数十本の走査線を、互いに並列的に接続することが、望ましい。また、並列的に接続するためには、例えば、走査線GL(n)S1〜GL(n)S3間に、タッチ検出期間においてオン状態となるスイッチを設けることにより達成することができる。
実施の形態4においても、コイルの巻数が2になっているため、タッチ検出の際の磁界を強くすることが可能である。勿論、巻数は2に限定されない。
第1調整部KAD7および第2調整部KAD8における接続を変更することにより、コイルの巻数を増やすことが可能である。また、第1調整部KAD7および第2調整部KAD8における接続を変更することにより、任意の走査線をコイルの巻線として用いることが可能である。さらに、第1調整部KAD7および第2調整部KAD8における接続を変更することにより、互いに隣接するコイル間での重なる量を変更することが可能である。すなわち、調整部によって、タッチ検出期間に用いられるコイルを調整することが可能となる。
また、コイルの巻数が2以上であるため、ペンから発生する磁界の検出精度も高くなる。
信号配線として、第2配線層603における配線を用いる例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1配線層601における配線を信号配線として用いてもよし、第3配線層605における配線を信号配線として用いてもよい。
この実施の形態4においても、走査線GL(0)〜GL(p)は、表示用とタッチ検出の磁界発生用とに用いられる共通走査線と見なすことができる。
さらに、実施の形態4では、コイルの入出力ノードYp1(n)、Yp1(n+1)、Yp1(n−1)が、表示パネル2の辺2−Rおよび2−Lにおいて、交互に配置されるため、コイルへ供給する駆動信号が、表示パネル2の両辺に分散されることになる。これにより、表示パネル2の辺2−Rおよび2−Lにおける額縁が大きくなるのを防ぐことが可能となる。
(実施の形態5)
図23は、実施の形態5に係わる液晶表示装置のレイアウトを示す平面図である。実施の形態5においては、走査線GL(0)〜GL(p)のそれぞれと平行にセンス線ss(0)〜ss(p)が、表示パネル2に設けられる。タッチ検出期間においては、センス線ss(0)〜ss(p)によって、コイルが構成される。
図23には、走査線GL(0)〜GL(p)のうち、走査線GL(n−6)〜GL(n+9)に関係する部分が、描かれている。以下、図23を用いて、実施の形態5を説明する。なお、図23においては、駆動電極は省略されている。
センス線ss(n−6)〜ss(n+9)は、走査線GL(n−6)〜GL(n+9)と同じ配線層の配線により構成されている。平面視的に、センス線ss(n−6)〜ss(n+9)を見た場合、センス線ssは、走査線GL(n−6)〜GL(n+9)の間に挟まるように配置されている。見方を変えると、表示パネル2において、走査線とセンス線は交互に配置されていると見なすこともできる。
この実施の形態5においても、調整部は、表示パネル2のアクティブエリア外に配置されている。すなわち、調整部は、表示パネル2の辺2−Rに沿って配置された第1調整部KAD9と、表示パネル2の辺2−Lに沿って配置された第2調整部KAD10とを備えている。センス線ss(n−6)〜ss(n+9)は、表示パネル2から、アクティブエリア外に配置された第1調整部KAD9および第2調整部KAD10まで延在している。
この実施の形態5において、コイルの入出力ノードYp1(n−1)〜YP1(n+1)は、第1調整部KAD9と第2調整部KAD10とに交互に設けられている。すなわち、コイルCY(n−1)とコイルCY(n+1)の入出力ノードYp1(n−1)と入出力ノードYp1(n+1)は、第2調整部KAD10に設けられ、コイルCY(n)の入出力ノードYp1(n)は、第1調整部KAD10に設けられている。
第1調整部KAD9は、センス線と接続される信号配線603−1(n)、603−1(n−2)、603−2(n−1)、603−2(n+1)、603−3(n−1)、603−3(n+1)を備えている。ここで、信号配線603−1(n)は、センス線ss(n+1)と、センス線ss(n+8)に接続される。また、信号配線603−2(n−1)は、センス線ss(n−5)と、センス線ss(n+3)に接続され、信号配線603−3(n−1)は、センス線ss(n−6)と、センス線ss(n+2)に接続している。さらに、信号配線603−1(n−2)は、センス線ss(n−4)に接続され、信号配線603−2(n+1)は、センス線ss(n+7)に接続され、信号配線603−3(n+1)は、センス線ss(n+6)に接続される。
また、第2調整部KAD10は、センス線と接続される信号配線603−1(n−1)、603−2(n)、603−3(n)、603−1(n+1)、603−2(n−2)、603−3(n−2)を備えている。ここで、信号配線603−1(n−1)は、センス線ss(n−5)と、センス線ss(n+2)に接続される。また、信号配線603−2(n)は、センス線ss(n)と、センス線ss(n+8)に接続され、信号配線603−3(n)は、センス線ss(n+1)と、センス線ss(n+9)に接続される。さらに、信号配線603−3(n−2)は、センス線ss(n−3)に接続され、信号配線603−2(n−2)は、センス線ss(n−4)に接続され、信号配線603−1(n+1)は、センス線ss(n+7)に接続される。
これにより、図24に示すように、コイルCY(n+1)〜CY(n−2)が、センス線および信号配線により構成される。ここでも、コイルCY(n)を例にして説明すると、入出力ノードYp1(n)と接地電圧Vsとの間に、センス線ss(n)、ss(n+1)、ss(n+8)、ss(n+9)および信号配線603−1(n),603−2(n),603−3(n)が直列に接続される。センス線ssは、互いに平行して配置されているため、センス線ssを巻線としたコイルCY(n)が形成される。他のコイルも同様である。
実施の形態5において、センス線ss(n−6)〜ss(n+9)は、走査線GL(n−6)〜GL(n+9)と同じ第1配線層601における配線により構成されている。また、第1調整部KAD9および第2調整部10に設けられる信号配線は、第2配線層603の配線により構成する。
図23において、B1−B1’の断面およびB2−B2’の断面が、図25に示されている。図25において、GL(n+2)[601]、GL(n+8)[601]およびGL(n+9)[601]は、第1配線層に形成された走査線GL(n+2)およびGL(n)を示している。また、ss(n+2)[601]およびss(n+9)[601]は、第1配線層に形成されたセンス線ss(n+2)およびss(n+9)を示しており、表示パネル2から、第1調整部KAD9へ延在している。同図において、603−1(n)[603]は、第2配線層603に形成された配線であって、信号線603−1(n)を示している。この信号配線603−1(n)は、層間配線SLCによって、センス線ss(n+2)[601]とセンス線ss(n+9)[601]に接続されている。
コイルを構成するセンス線ss(0)〜ss(p)は、走査線と同じ第1配線層において形成され、センス線を接続する信号配線は、信号線SL(0)〜SL(p)と同じ第2配線層において形成される。そのため、コイルを形成するための配線層を増加させなくても済み、価格の上昇を抑制することができる。
図26は、図23において、破線の○で囲んだ領域C1を詳しく示した平面図である。図26において、R、G、Bは、三原色の画素を示しており、TLは、駆動電極を示している。また、同図において、GL(n−1)〜GL(n+4)は、走査線を示しており、ss(n)S1〜ss(n)S3およびss(n+1)S1〜ss(n+1)S3は、センス線を示している。
この実施の形態5においては、複数のセンス線を互いに並列的に接続することにより、図23および図24に示した1本のセンス線が構成される。図26においては、センス線ss(n)S1〜ss(n)S3が互いに接続され、図23および図24に示したセンス線ss(n)となる。同様に、センス線ss(n+1)S1〜ss(n+1)S3が互いに接続され、図23および図24に示したセンス線ss(n+1)となる。このように、複数のセンス線ss(n)S1〜ss(n)S3を並列的に接続して、センス線ss(n)とすることにより、タッチ検出の際に、コイルの抵抗を低減することが可能となり、検出精度の向上を図ることが可能となる。図26では、3本のセンス線を並列的に接続するように述べたが、数十本のセンス線を並列的に接続し、図23および図24に示すセンス線とすることが望ましい。
実施の形態5においても、コイルの巻数が2になっているため、タッチ検出の際の磁界を強くすることが可能である。勿論、巻数は2に限定されない。
第1調整部KAD9および第2調整部KAD10における接続を変更することにより、コイルの巻数を増やすことが可能である。また、第1調整部KAD9および第2調整部KAD10における接続を変更することにより、任意のセンス線をコイルの巻線として用いることが可能である。さらに、第1調整部KAD9および第2調整部KAD10における接続を変更することにより、互いに隣接するコイル間での重なる量を変更することが可能である。すなわち、調整部によって、タッチ検出期間に用いられるコイルを調整することが可能となる。
また、コイルの巻数が2以上であるため、ペンから発生する磁界の検出精度も高くなる。
信号配線として、第2配線層603における配線を用いる例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第3配線層605における配線を信号配線として用いてもよい。
この実施の形態5においては、切換回路を設ける必要がないため、小型化を図ることが可能となる。
さらに、実施の形態5では、コイルの入出力ノードYp1(n)、Yp1(n+1)、Yp1(n−1)が、表示パネル2の辺2−Rおよび2−Lにおいて、交互に配置されるため、コイルへ供給する駆動信号が、表示パネル2の両辺に分散されることになる。これにより、表示パネル2の辺2−Rおよび2−Lにおける額縁が大きくなるのを防ぐことが可能となる。
(実施の形態6)
<液晶表示装置1の全体構成>
図27は、実施の形態6に係わるタッチ検出機能付き液晶表示装置1の構成を示すブロック図である。この実施の形態においては、タッチ検出期間のとき、互いに交差するように複数のコイルが、表示パネル2(画素配列LCD)に形成される。すなわち、表示パネル2の横方向(行方向)に沿って延在し、縦方向(列方向)に並列的に配置される複数のコイルCY(0)〜CY(p)と、縦方向に沿って延在し、横方向に並列的に配置される複数のコイルCX(0)〜CX(p)とが、タッチ検出期間のときに形成される。
液晶表示装置1は、表示パネル2、信号線セレクタ3、表示制御装置4、ゲートドライバ5およびタッチ制御装置6を備えている。また、液晶表示装置1は、調整部KAD、切換回路DDおよびタッチ検出期間においてコイルを選択する選択回路SDを備えている。
表示パネル2は、既に述べたように、複数の信号線、複数の駆動電極、複数の走査線および複数の画素を備えている。
表示制御装置4は、制御回路D−CNTと信号線ドライバD−DRVとを備えている。制御回路D−CNTは、外部端子Ttに供給されるタイミング信号と入力端子Tiに供給される画像情報とを受け、入力端子Tiに供給されている画像情報に従った画像信号Snを形成し、信号線ドライバD−DRVへ供給する。信号線ドライバD−DRVは、供給された画像信号Snを、表示期間のとき、時分割的に、信号線セレクタ3へ供給する。また、制御回路D−CNTは、外部端子Ttに供給されるタイミング信号とタッチ制御装置6からのスイッチ制御信号SWとを受け、種々の制御信号を形成する。制御回路D−CNTが形成する制御信号としては、信号線セレクタ3に供給される選択信号SEL1、SEL2、タッチ検出期間と表示期間とを識別する同期信号TSHD、クロック信号CLK、タッチ検出に関する制御信号SE−EN、X−CNT、Y−CNT等がある。
信号線ドライバD−DRVは、表示期間においては、選択信号SEL1、SEL2に従って、時分割的に、画像信号を信号線セレクタ3へ、供給する。信号線セレクタ3は、表示期間のとき、選択信号SEL1、SEL2に従って、供給されている画像信号を、表示パネル2内の適切な信号線へ供給する。ケートドライバ5は、表示期間のとき、制御回路D−CNTからのタイミング信号に従って走査線信号Vs0〜Vspを形成し、表示パネル2内の走査線に供給する。表示期間においては、ハイレベルの走査線信号が供給されている走査線に接続されている画素が、そのとき信号線に供給されている画像信号に従った表示を行うことにより、画像の表示か行われる。
タッチ制御装置6は、センス信号Sx(0)〜Sx(p)およびSy(0)〜Sy(p)を受ける増幅&検出回路AMP&DETと、増幅&検出回路AMP&DETからの検出信号に対して処理を行い、タッチされた位置の座標を抽出する処理回路PRSと、制御回路T−CNTを備えている。制御回路T−CNTは、表示制御装置4から同期信号TSHDおよびクロック信号CLKと受け、タッチ制御装置6が、表示制御装置4に同期して動作するように制御する。すなわち、増幅&検出回路AMP&DETおよび処理回路PRSが、同期信号TSHDがタッチ検出期間を示しているとき、動作するように制御する。また、制御回路T−CNTは、増幅&検出回路AMP&DETからの検出信号を受け、スイッチ制御信号SWを形成し、制御回路D−CNTへ供給する。処理回路PRSは、抽出した座標を、座標情報として、外部端子Toから出力する。
調整部KADは、この実施の形態6においては、調整部KAD3、KAD4、KAD5およびKAD6を有している。また、切換回路DDは、切換回路DD3、DD4、DD5およびDD6を備えている。ここで、調整部KAD3、KAD4および切換回路DD3、DD4は、タッチ検出期間において、コイルCX(0)〜CX(p)を形成する際に用いられ、調整部KAD5、KAD6および切換回路DD5、DD6は、タッチ検出期間において、コイルCY(0)〜CY(p)を形成する際に用いられる。すなわち、制御回路D−CNTからの制御信号SE−ENが、タッチ検出期間を示しているとき、コイルCX(0)〜CX(p)およびCY(0)〜CY(p)が形成される。なお、制御信号SE−ENは、以下、センスイネーブル信号とも称する。
選択回路SDは、この実施の形態6においては、選択回路XSD、YSD1およびYSD2を備えている。選択回路XSDは、制御回路D−CNTからの制御信号X−CNTおよびクロック信号CLKを受け、制御信号X−CNT(以下、選択信号X−CNTとも称する)に従って、コイルCX(0)〜CX(p)からコイルを選択し、クロック信号CLKに従った駆動信号を選択したコイルへ供給する。また、選択回路XSDは、選択したコイルにおける電圧変化を、検出信号Sx(0)〜Sx(p)として出力する。
選択回路YSD1、YSD2は、制御回路D−CNTからの制御信号Y−CNTおよびクロック信号CLKを受け、制御信号Y−CNT(以下、選択信号Y−CNTとも称する)に従って、コイルCY(0)〜CY(p)からコイルを選択し、クロック信号CLKに従った駆動信号を選択したコイルへ供給する。また、選択回路YSD1、YSD2は、選択したコイルにおける電圧変化を、検出信号Sy(0)〜Sy(p)として出力する。選択回路YSD1は、表示パネル2の辺2−Rに沿って配置され、選択回路YSD2は、表示パネル2の辺2−Lに沿って配置されており、選択回路YSD1とYSD2とは、交互に検出信号を出力する。すなわち、選択回路YSD1は、検出信号Sy(n)を出力し、選択回路YSD2は、検出信号Sy(n+1)を出力する。ここで、nは、0〜p−1である。
タッチ検出期間においては、選択回路XSDおよびYSD1、YSD2から、検出信号Sx(0)〜Sx(p)、Sy(0)〜Sy(p)が、タッチ制御装置6へ供給され、ペンによりタッチされた位置の座標が、外部端子Toから座標情報として出力される。
同図に示されているように、表示パネル2の辺2−Uに沿って、調整部KAD4と切換回路DD4が配置され、辺2−Dに沿って、調整部KAD3と切換回路DD3と選択回路XSDが配置されている。また、表示パネル2の辺2−Rに沿って、調整部KAD5と切換回路DD5と選択回路YSD1が配置され、辺2−Lに沿って、調整部KAD6と切換回路DD6と選択回路YSD2が配置されている。
特に制限されないが、この実施の形態6において、破線で示した表示制御装置4は、1個の半導体装置(ドライブ用半導体装置DDIC)により構成され、破線で示したタッチ制御装置6も、1個の半導体装置(タッチ用半導体装置)により構成されている。
なお、制御回路D−CNTは、表示期間のとき、画像信号が、適切な信号線に供給されるように、適切な選択信号SEL1、SEL2を形成するが、タッチ検出期間のときには、全ての信号線が、信号線セレクタ3を介して切換回路DD3に接続されるような選択信号SEL1、SEL2を形成する。また、タッチ検出期間のときには、信号線ドライバD−DRVの出力がハイインピーダンス状態となるように、制御回路D−CNTは、信号線ドライバD−DRVを制御する。
<液晶表示装置のモジュール構成>
図28は、タッチ検出機能付き液晶表示装置1を実装したモジュール500の全体構成を示す模式的な平面図である。模式的ではあるが、図28は、実際の配置に合わせて描かれている。同図において、501は、図3(B)および図6で示したTFTガラス基板における領域を示しており、502は、図3(B)で示したTFTガラス基板とCFガラス基板とを有する領域を示している。モジュール500において、TFTガラス基板は一体となっている。すなわち、領域501と領域502とにおいて、TFTガラス基板は共通であり、領域502には、図3(B)に示したように、TFTガラス基板の上方面に、CFガラス基板等が、さらに形成されている。
図28において、500−Lは、モジュール500の短辺を示しており、500−Dは、モジュール500の辺であって、短辺500−Uと対向する短辺を示している。また、500−Lは、モジュール500の長辺を示しており、500−Rは、モジュールの辺であって、長辺500−Lに対向する長辺を示している。
領域502であって、表示パネル2の辺2−Lとモジュール500の長辺500−Lとの間の領域には、図27で示したゲートドライバ5、調整部KAD6、切換回路DD6、および選択回路YSD2が配置されている。また、表示パネル2の辺2−Rとモジュール500の長辺500−Rとの間の領域には、図27で示した調整部KAD5、切換回路DD5、および選択回路YSD1が配置されている。表示パネル2の辺2−Uとモジュール500の短辺500−Uとの間の領域には、図27で示した調整部KAD4と切換回路DD4が配置されている。
また、表示パネル2の辺2−Dとモジュール500の短辺500−Dとの間の領域には、図27で示した信号線セレクタ3、調整部KAD3、切換回路DD3、選択回路XSDおよびドライブ用半導体装置DDICが配置されている。ここで、調整部KAD3、切換回路DD3および選択回路XSDは、領域501に配置されており、領域501のTFTガラス基板に形成された配線および部品により構成されている。部品としては、スイッチ部品があり、スイッチ部品は例えばMOSFETである。この実施の形態6においては、平面視的に、調整部KAD3、切換回路DD3および選択回路XSDを覆うように、ドライブ用半導体装置DDICが、TFTガラス基板に実装されている。これにより、表示パネル2の下側額縁が大きくなるのを抑制することが可能となる。
また、調整部KAD4〜KAD6、切換回路DD4〜DD6および選択回路XSD1,XSD2を構成する部品も、上記した領域におけるTFTガラス基板上に形成されている。
図27において説明した検出信号Sy(0)〜Sy(p)は、モジュール500の長辺500−L、500−Rと表示パネル2の辺2−L、2−Rとの間に配置された配線(図示せず)を介して、フレキシブルケーブルFB1に伝達される。フレキシブルケーブルFB1には、図27で説明したタッチ用半導体装置6が実装されており、フレキシブルケーブルFB1内の配線を介して、タッチ用半導体装置6に検出信号Sy(0)〜Sy(p)が供給される。また、領域501には、フレキシブルケーブルFB2が接続されており、このフレキシブルケーブルFB2には、コネクタCNが実装されている。このコネクタCNを介して、検出信号Sx(0)〜Sx(p)が、選択回路XSDからタッチ用半導体装置6に供給される。また、コネクタCNを介して、タッチ用半導体装置6とドライブ用半導体装置DDICとの間で信号の送受信が行われる。図28には、送受信される信号の例として、同期信号TSHDが描かれている。なお、図28において、表示パネル2の4辺に示したR、G、Bは、画素を示している。
<表示パネル2、調整部および切換回路の構成>
図29は、図27に示した液晶表示装置1のレイアウトを示す平面図である。図29には、図27に示した調整部KAD3〜KAD6および切換回路DD3〜DD6の構成も示されている。
実施の形態6における表示パネル2は、実施の形態2で説明した表示パネル2の構造と、実施の形態3で説明した表示パネル2の構造とを組み合わせた構造を有している。
すなわち、この実施の形態6において、信号線SL(n−6)〜(n+9)は、図12に示した信号線SL(n−6)〜(n+9)と同じ構造を有しており、駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)および補助電極SMは、図16に示した駆動電極駆動電極TL(n−6)〜TL(n+9)および補助電極SMと同じ構造を有している。また、図29には示していないが、走査線GL(0)〜GL(p)は、図12に示した走査線GL(0)〜GL(p)と同じ構造を有している。
図29に示した調整部KAD3およびKAD4は、図12に示した第1調整部KAD3および第2調整部KAD4と同じ構成を有しており、図29に示した調整部KAD5およびKAD6は、図16に示した第1調整部KAD5および第2調整部KAD6と同じ構成を有している。また、図29に示した切換回路DD3およびDD4は、図12に示した第1切換回路DD3および第2切換回路DD4と同じ構成を有しており、図29に示した切換回路DD5およびDD6は、図16に示した第1切換回路DD5および第2切換回路DD6と同じ構成を有している。
図29におけるB1−B1’およびB2−B2’の断面は、調整部KAD3およびKAD4の構成が、図12に示した第1調整部KAD3および第2調整部KAD4と同じであるため、図14に示した断面B1−B1’およびB2−B2’と同じである。同様に、図29におけるB3−B3’およびB4−B4’の断面は、調整部KAD5およびKAD6の構成が、図16に示した第1調整部KAD5および第2調整部KAD6と同じであるため、図14に示した断面B1−B1’およびB2−B2’と同じである。
実施の形態2において、説明したように、タッチ検出期間のとき、第5スイッチS5(n−6)〜S5(n+9)および第6スイッチS6(n−6)〜S6(n+9)がオン状態にされる。これにより、信号線と調整部KAD3およびKAD4内の信号配線とを用いて、図30に示すようにコイルCX(n−2)〜CX(n+1)が形成される。また、実施の形態3において、説明したように、タッチ検出期間のとき、第8スイッチS8(n)、第9スイッチS9(n−1)、S9(n)、第11スイッチS11(n−1)、S11(n+1)および第12スイッチS12(n−1)をオン状態とすることにより、信号線と調整部KAD5およびKAD6内の信号配線とを用いて、図30に示すようにコイルCY(n−2)〜CY(n+1)が形成される。
<選択回路XSD、YSD1およびYSD2>
図31は、図27に示した表示パネル2、調整部KAD3〜KAD6、切換回路DD3〜DD6および選択回路XSD、YSD1、YSD2の構成を示すブロック図である。図31において、表示パネル2の構成は、図29に示した表示パネル2の構成と同じである。また、調整部KAD3〜KAD6の構成も、図29に示した調整部KAD3〜KAD6と同じである。そのため、図31では、表示パネル2に含まれる信号線、駆動電極および調整部KAD3〜KAD5に含まれる信号配線の符号は、省略している。
切換回路DD3〜DD6の構成も、図29に示した切換回路DD3〜DD6と同じであるため、切換回路DD3〜DD6を構成するスイッチの符号は、説明の都合上必要となるスイッチを除いて、原則、符号を省略している。しかしながら、図31においては、切換回路DD3〜DD6のそれぞれを構成するスイッチを制御する信号が明示されている。以下、切換回路DD3〜DD6のそれぞれを構成するスイッチを制御するスイッチ制御信号を、図12、図16および図29も参照にしながら説明する。
切換回路DD3は、第5スイッチS5(n−6)〜S5(n+9)を有している。この第5スイッチS5(n−6)〜S5(n+9)のうち、コイルの入出力ノードXp1(n−1)〜Xp1(n+1)と信号線との間に接続される第5スイッチS5(n−6)、S5(n)およびS5(n+6)を除いた第5スイッチは、センスイネーブル信号SE−ENがスイッチ制御信号として供給される。
センスイネーブル信号SE−ENは、図27において説明したように、制御回路D−CNTにより形成される。制御回路D−CNTは、表示期間のとき、センスイネーブル信号SE−ENをロウレベルにし、タッチ検出期間のとき、センスイネーブル信号SE−ENをハイレベルにする。また、図27には示していないが、制御回路D−CNTは、センスイネーブル信号SE−ENに対して位相反転した反転イネーブル信号xSE−ENを形成する。位相反転しているため、反転イネーブル信号xSE−ENは、タッチ検出期間のとき、ロウレベルとなり、表示期間のとき、ハイレベルとなる。また、以下の説明では、説明を容易にするために、スイッチは、それに供給されるスイッチ制御信号がハイレベルのとき、オン状態となり、ロウレベルのとき、オフ状態になるものとする。しかしながら、これに限定されるものではない。
一方、切換回路DD3における第5スイッチS5(n−6)、S5(n)およびS5(n+6)には、選択回路XSDからの選択信号X−Out(n−1)、X−Out(n)およびX−Out(n+1)がスイッチ制御信号として供給される。
切換回路DD4は、第6スイッチS6(n−6)〜S6(n+9)を有している。これらの第6スイッチS6(n−6)〜S6(n+9)には、センスイネーブル信号SE−ENがスイッチ制御信号として供給される。
切換回路DD5は、第7スイッチS7(n−6)〜S7(n+9)と、第8スイッチS8(n)と、第9スイッチS9(n−2)、S9(n)とを有している。ここで、第7スイッチS7(n−6)〜S7(n+9)には、センスイネーブル信号SE−ENが、スイッチ制御信号として供給され、第9スイッチS9(n−2)およびS9(n)には、反転イネーブル信号xSE−ENが、スイッチ制御信号として供給される。一方、コイルの入出力ノードYp1(n)と駆動電極(補助電極SMを含む)との間に接続された第8スイッチS8(n)には、選択回路YSD1からの選択信号Y−Out(n)がスイッチ制御信号として供給される。
最後に、切換回路DD6を説明すると、この切換回路DD6は、第10スイッチS10(n−6)〜S10(n+9)と、第11スイッチS11(n−1)、S11(n+1)と、第12スイッチS12(n−1)とを有している。ここで、第10スイッチS10(n−6)〜S10(n+9)には、センスイネーブル信号SE−ENが、スイッチ制御信号として供給され、第12スイッチS12(n−1)には、反転イネーブル信号xSE−ENが、スイッチ制御信号として供給される。一方、コイルの入出力ノードYp1(n−1)、Yp1(n+1)と駆動電極(補助電極SMを含む)との間に接続された第11スイッチS11(n−1)、S11(n+1)には、選択回路YSD2からの選択信号Y−Out(n−1)、Y−Out(n+1)がスイッチ制御信号として供給される。
選択回路XSDは、タッチ検出期間のとき、表示パネル2の横方向(列方向)に並列に配置して形成されるコイルにそれぞれ対応した、入出力ノードXIO(0)〜XIO(p)を有している。また、選択回路XSDは、入出力ノードXIO(0)〜XIO(p)に1対1に対応した選択信号X−Out(0)〜X−Out(p)を出力する。ここで、選択回路XSDの入出力ノードXIO(0)〜XIO(p)は、対応するコイルの入出力ノードXp1(0)〜Xp1(p)に接続されている。
選択回路XSDは、制御回路D−CNTから供給される選択信号X−CNTとクロック信号CLKとに基づいて、選択信号X−Out(0)〜X−Out(p)を形成し、出力する。また、選択回路XSDは、コイルの入出力ノードXp1(0)〜Xp1(p)における電圧を検出信号Sx(0)〜Sx(p)として出力する。すなわち、選択回路XSDは、タッチ検出期間において、選択信号X−CNTがハイレベルへ変化すると、選択信号X−Out(0)からX−Out(p)の順に、選択信号をハイレベルにする。選択回路XSDは、選択信号をハイレベルにしている期間を、第1期間と、第1期間に続く第2期間とに分けて動作する。第1期間を磁界発生期間とし、選択回路XSDは、クロック信号CLKを、入出力ノードXIO(0)〜XIO(p)へ、コイルの駆動信号として供給する。一方、第2期間を磁界検出期間として、選択回路XSDは、入出力ノードXIO(0)〜XIO(p)における電圧を、検出信号Sx(0)〜Sx(p)として出力する。
これにより、タッチ検出期間のとき、選択信号X−Out(0)〜X−Out(p)のうちハイレベルとなっている選択信号が、スイッチ制御信号として供給されている第5スイッチがオン状態となる。オン状態となっている第5スイッチを介してコイルには、磁界発生期間において、電圧が周期的に変化するクロック信号CLKが駆動信号として供給され、磁界が発生する。磁界発生期間に続く、磁界検出期間においては、オン状態となっている第5スイッチを介して、コイルの電圧変化が、選択回路XSDに入出力ノードに伝達され、検出信号として、選択回路XSDから出力される。
図31には、コイルCX(n−1)〜コイルCX(n+1)に対応する部分の選択回路XSDを示しているので、コイルCX(n)を例にして、選択回路XSDの動作を述べると、次のようになる。
選択信号X−CNTがハイレベルになり、前のタッチ検出期間においては、コイルCX(n−1)に対応する選択信号X−Out(n−1)がハイレベルになっていたと仮定する。次に、タッチ検出期間となったとき、選択回路XSDは、選択信号X−Out(n−1)をロウレベルにし、選択信号X−Out(n)をハイレベルにする。これにより、第5スイッチS5(n)がオフ状態からオン状態へ変化する。このとき、選択回路XSDは、入出力ノードXIO(0)〜XIO(p)へクロック信号CLKを供給しているが、選択信号X−Out(n−1)はロウレベルのため、第5スイッチS5(n−1)はオフ状態であり、クロック信号CLKは、駆動信号として、コイルCX(n−1)には供給されない。これに対して、コイルCX(n)には、第5スイッチS5(n)がオン状態であるため、クロック信号CLKが駆動信号として供給される。
これにより、選択信号X−Out(n)が選択状態であるハイレベルの期間のうち、磁界発生期間においては、コイルCX(n)が、クロック信号CLKに同期して変化する磁界を発生する。図2で説明したように、このとき、コイルCX(n)の近傍にペンが存在していれば、磁界エネルギーがペン内の容量素子Cに蓄積される。次の磁界検出期間においては、容量素子Cに蓄積された磁界エネルギーにより、ペン内のコイルが磁界を発生する。ペン内のコイルによって発生した磁界によるエネルギーが、コイルCX(n)に与えられ、コイルCX(n)の電圧が変化する。この電圧の変化が、オン状態の第5スイッチS5(n)を介して、選択回路XSDの入出力ノードXIO(n)に伝達され、選択回路XSDは、検出信号Sx(n)として出力する。
コイルCX(n)を例にして説明したが、他のコイルCX(0)〜CX(n−1)およびCX(n+1)〜CX(p)についても同様である。
なお、上記した選択回路XSDの動作は、タッチ検出期間での動作である。タッチ検出期間であるため、センスイネーブル信号SE−ENはハイレベルとなる。そのため、実施の形態2においても述べたように、切換回路DD4を構成する第6スイッチS6(n−6)〜S6(n+9)は全てオン状態となっている。また、切換回路DD3を構成する第5スイッチのうち、ハイレベルの選択信号X−Outをスイッチ制御信号として受けている第5スイッチを除いた第5スイッチはオフ状態となっている。
選択回路YSD1およびYSD2も、選択回路XSDと同様な構成にされている。すなわち、選択回路YSD1およびYSD2は、タッチ検出期間において、選択信号Y−CNTがハイレベルとなることにより、選択信号Y−Out(0)からY−Out(p)に向けて、選択信号Y−Outを順次ハイレベルにする。これにより、第8スイッチまたは第11スイッチがオン状態となり、磁界発生期間においては、クロック信号CLKが駆動信号として、オン状態となっている第8スイッチまたは第11スイッチを介して、コイルに供給される。また、磁界検出期間においては、オン状態となっている第8スイッチまたは第11スイッチを介して、コイルにおける電圧変化が選択回路YSD1、YSD2に供給され、検出信号Sy(0)〜Sy(p)として出力される。
なお、タッチ検出期間においては、反転イネーブル信号xSE−ENがロウレベルとなるため、切換回路DD5における第7スイッチおよび切換回路DD6における第10スイッチはオフ状態となる。また、切換回路DD5における第9スイッチおよび切換回路DD6における第12スイッチはオン状態となる。これにより、実施の形態3においても述べたように、コイルCY(0)〜CY(p)が形成されている。
この実施の形態6においては、コイルCY(0)〜CY(p)が、選択回路YSD1およびYSD2によって交互に選択される。そのため、選択回路YSD1が、選択信号Y−Out(n)をハイレベルにした後のタッチ検出期間においては、選択回路YSD2は、選択信号Y−Out(n+1)をハイレベルにする。
また、表示期間においては、反転イネーブル信号xSE−ENがハイレベルとなるため、切換回路DD5における第7スイッチおよび切換回路DD6における第10スイッチがオン状態となる。これにより、表示期間においては、表示用の駆動信号が、切換回路DD5およびDD6から駆動電極TL(0)〜TL(p)へ供給されることになる。さらに、表示期間においては、イネーブル信号SE−ENがロウレベルとなり、選択信号X−Outもロウレベルとなることにより、切換回路DD3内の第5スイッチおよび切換回路DD4内の第6スイッチがオフ状態となる。これにより、信号線SL(0)〜SL(p)は、調整部KAD3およびKAD4から電気的に分離され、画像信号Snに従った表示が行われる。
<タッチ検出機能付き液晶表示装置1の全体動作>
図32は、実施の形態6に係わる液晶表示装置1の動作を示す波形図である。図32において、横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示している。図32(A)は、信号線セレクタ3を制御する選択信号SEL1、SEL2の波形を示しており、図32(B)は、センスイネーブル信号SE−ENの波形を示している。図32(E)は、クロック信号CLKの波形を示している。選択回路XSD、YSD1およびYSD2は、選択信号X−Out(0)〜X−Out(p)およびY−Out(0)〜Y−Out(p)を出力するが、図32には、代表として、選択信号X−Out(n−1)と選択信号X−Out(n)の波形が、図32(c)および(D)に示されている。また、図32(F)は、液晶表示装置1におけるフレームの周期を示している。
この実施の形態6においては、図32(F)に示すように、1フレーム期間において、表示期間TTD1、TTD2とタッチ検出期間TTS1、TTS2とが交互に発生するように、ドライブ用半導体装置DDICが制御している。このように、1フレーム期間において、表示期間とタッチ検出期間とを交互に発生させることにより、例えば、1フレーム期間において、表示を行っている期間が長くなることにより、タッチ検出が遅れるのを低減することが可能となる。1フレーム期間において、複数の表示期間TTD1、TTD2と複数のタッチ検出期間TTS1、TTS2とを交互に発生させるには、ドライブ用半導体装置DDICが、センスイネーブル信号SE−ENの電圧を、図32(A)に示すように、ハイレベルとロウレベルへ交互に変化させればよい。これにより、切換回路は、表示用駆動信号とタッチ検出用駆動信号とを、交互に駆動電極に供給するようになり、表示動作とタッチ検出動作とが交互に実行されるようになる。
先ず、表示期間TTD1、TTD2においては、ドライブ用半導体装置DDICによって、センスイネーブル信号SE−ENがロウレベルにされる。また、選択回路XSD、YSD1およびYSD2からの選択信号X−OutおよびY−Outは、例えば図32(C)および(D)に示されているように、ロウレベルとされる。このとき、センスイネーブル信号SE−ENがロウレベルであるため、切換回路DD3およびDD4内の第5スイッチおよび第6スイッチは、オフ状態となる。一方、切換回路DD5およびDD6内の第7スイッチおよび第10スイッチはオン状態となる。
これにより、駆動電極TL(0)〜TL(p)には、表示の際の駆動電圧である電圧VCOMDCが、第7スイッチおよび第10スイッチを介して、駆動信号として供給される。また、第5スイッチおよび第6スイッチがオフ状態であるため、信号線SL(0)〜SL(p)は、調整部KAD3およびKAD4から電気的に分離される。
図32(A)では、1つの選択信号として纏めて示しているが、選択信号SEL1とSEL2は、表示期間においては、相補的に変化する。選択信号SEL1,SEL2が変化することにより、ドライブ用半導体装置DDIC内の信号線ドライバD−DRV(図27)から信号線セレクタ3に供給された画像信号Snは、順次適切な信号線に伝達される。また、表示期間においては、ゲートドライバ3によって走査線が順次ハイレベルとなる。これにより、ハイレベルの走査線に接続された画素においては、駆動電極に供給されている電圧VCOMDCと信号線に伝達されている画像信号Snの電圧との差電圧が印加され、差電圧に従った表示が行われる。
タッチ検出期間TTS1のとき、ドライブ用半導体装置DDICは、選択信号SEL1、SEL2をともにハイレベルにする。これにより、信号線セレクタ3は、信号線SL(0)〜SL(p)の全てを、対応する端子SP(図29)に接続する。また、ドライブ用半導体装置DDICは、センスイネーブル信号SE−ENをハイレベルにする。
これにより、切換回路DD5およびDD6内の第7スイッチおよび第10スイッチはオフ状態となる。また、切換回路DD4内の第6スイッチもオフ状態となる。このとき、図32(C)および(D)に例示するように、選択回路XSDが、選択信号X−Out(n−1)をハイレベルにし、選択信号X−Out(n)をロウレベルにすると、選択信号をスイッチ制御信号として受けている第5スイッチS5(n+6)、S5(n)およびS5(n+5)のうち、ハイレベルの選択信号X−Out(n−1)をスイッチ制御信号として受けている第5スイッチS5(n−6)がオン状態となり、ロウレベルの選択信号X−Out(n)およびX−Out(n+1)を、スイッチ制御信号として受けている残りの第5スイッチS5(n)およびS5(n+6)はオフ状態となる。このとき、選択信号をスイッチ制御信号として受けている第5スイッチS5(n+6)、S5(n)およびS5(n+5)を除く第5スイッチS5(n−5)〜S5(n−1)、S5(n+1)〜S5(n+5)、S5(n+7)〜S5(n+9)はオン状態となる。
第5スイッチS5(n−6)がオン状態となることにより、図32(E)に示したクロック信号CLKが、この第5スイッチS5(n−6)を介して、信号線SL(n−6)に、タッチ検出用の駆動信号として供給される。このとき、図30に示したように、信号線SL(n−6)、SL(n−5)、SL(n+2)およびSL(n+3)によってコイルCX(n−1)が形成されている。そのため、コイルCX(n−1)において、磁界が発生する。選択回路XSDは、選択信号X−Out(n−1)をハイレベルにしている期間のうち、第1期間を磁界発生期間TGとし、第1期間の後の第2期間を磁界検出期間TDとして管理する。選択回路XSDは、磁界発生期間TGの間、クロック信号CLKを入出力ノードXIO(n−1)から出力する。また、選択回路XSDは、磁界検出期間TDにおいては、入出力ノードXIO(n−1)における電圧変化を、検出信号Sx(n−1)として出力する。
タッチ検出期間TTS1のとき、選択信号X−Out(n−1)に対応するコイルCX(n−1)の近傍が、ペンによってタッチされているか否かにより、磁界検出期間TDにおける入出力ノードXIO(n−1)の電圧が異なる。そのため、タッチ用半導体装置6の増幅&検出回路AMP&DET(図27)によって、タッチされているか否かの検出を行うことができる。
選択回路XSDは、タッチ検出期間TTS1のとき、選択信号X−Out(n−1)を除く選択信号(例えば、X−Out(n))をロウレベルにする(図32(D)。これにより、選択信号X−Out(n−1)を除く選択信号をスイッチ制御信号として受けている第5スイッチ(例えば、S5(n))はオフ状態となる。その結果、コイルCX(n−1)を除くコイルCX(0)〜CX(n−2)およびCX(n)〜CX(p)には、クロック信号CLKが、駆動信号として供給されず、これらのコイルにおいては、磁界が発生しない。
タッチ検出期間TTS2においては、選択回路XSDは、選択信号X−Out(n−1)の次の選択信号X−Out(n)をハイレベルへ変化させ、選択信号X−Out(n−1)をロウレベルへ変化させる。これにより、タッチ検出期間TTS1のときと同様に、選択信号X−Out(n)に対応するコイルCX(n)において磁界が発生(磁界発生期間TG)し、磁界検出期間TDにおいて、コイルCX(n)の近傍における磁界が変化しているか否かの検出が、入出力ノードXIO(n)における電圧の変化として行われる。
上記した、表示期間TTD1、TTD2およびタッチ検出期間TTS1、TTS2が交互に繰り返される。タッチ検出期間の繰り返しにおいては、選択回路XSDは、選択信号X−Out(0)からX−Out(p)へ向かって、選択信号を順次ハイレベルにする。これにより、画像の表示とタッチの検出を行うことが可能となる。
選択回路YSD1およびYSD2についても、選択回路XSDと同様な動作を行う。すなわち、図32(C)に示した選択信号X−Out(n−1)が選択信号Y−Out(n−1)に代わり、図32(D)に示した選択信号X−Out(n)が選択信号Y−Out(n)に代わる。コイルCY(0)からコイルCY(p)へ向かって、順次、磁界発生期間TGにおいて磁界が発生し、磁界検出期間TDにおいて磁界の検出が行われる。その結果、コイルCY(0)〜CY(p)の近傍が、ペンによってタッチされているか否かの検出が行われる。
コイルCX(0)〜CX(p)を用いた検出と、コイルCY(0)〜CY(p)を用いた検出は、コイルCX(0)〜CX(p)の検出が終わった後に、コイルCY(0)〜CY(p)の検出を行ってもよいし、コイルCXとコイルCYの検出を交互に行ってもよい。あるいは、コイルCXの検出とコイルCYの検出を同時に行ってもよい。いずれの場合においても、タッチ用半導体装置6は、選択回路XSD、YSD1およびYSD2からの検出信号Sx(0)〜Sx(p)およびSy(0)〜Sy(p)に基づいて、ペンがタッチされた座標を処理回路PRS(図27)によって求め、外部端子Toから座標情報として出力する。
実施の形態6においては、表示期間おいて、画像信号を伝達する信号線SL(0)〜SL(p)が、タッチ検出期間において、コイルを形成する配線として兼用される。また、表示期間においては、表示用の駆動信号を伝達する駆動電極と補助電極が、タッチ検出期間においては、コイルを形成する配線として兼用される。これにより、ペンによってタッチされた位置の座標を求めるのに用いられるコイルを形成するために、配線層を追加する必要がなくなり、価格の上昇を抑制することが可能となる。
また、タッチ検出期間において形成されるコイルは、互いに重なっているため、検出の精度の低下する領域が発生するのを防ぐことが可能となる。さらに、コイルは、複数巻線により構成されるため、検出精度の向上が図れる。
さらに、タッチ検出期間においては、選択回路XSD、YSD1およびYSD2が、順次、コイルを選択する。そのため、選択回路XSD、YSD1およびYSD2への信号配線の数を低減することが可能となり、液晶表示装置1が大きくなるのを防ぐことが可能となる。
(実施の形態7)
図33は、実施の形態7に係わる液晶表示装置1の動作を示す波形図である。実施の形態7に係わる液晶表示装置1の構成は、実施の形態6に係わる液晶表示装置1と同様な構成を有している。実施の形態6と異なるのは、タッチ検出期間における動作である。そのため、ここでは、実施の形態6と異なる動作について説明する。
図33において、横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示している。図33(A)は、信号線セレクタ3を制御する選択信号SEL1、SEL2の波形を示しており、図33(B)は、センスイネーブル信号SE−ENの波形を示している。図33(F)は、クロック信号CLKの波形を示している。図33(A)、(B)および(F)は、図32(A)、(B)および(E)と同じである。
実施の形態7においては、選択回路XSD、YSD1およびYSD2の動作が、実施の形態6と異なっており、磁界発生期間において、複数のコイルが磁界を発生するように動作する。選択回路XSD、YSD1およびYSD2により形成される選択信号X−Out(0)〜X−Out(p)およびY−Out(0)〜Y−Out(p)のうち、図33には、代表として、選択信号X−Out(n−1)〜X−Out(n+1)と選択信号Y−Out(n−1)〜Y−Out(n+1)の波形が、示されている。すなわち、図33(C)には、選択信号X−Out(n−1)、Y−Out(n−1)の波形が示され、図33(D)には、選択信号X−Out(n)、Y−Out(n)の波形が示され、図33(E)には、選択信号X−Out(n+1)、Y−Out(n+1)の波形が示されている。
表示期間TTD1、TTD2における動作は、実施の形態6と同じであり、選択信号SEL1,SEL2、センスイネーブル信号SE−ENおよびクロック信号CLKも、実施の形態6と同じである。そのため、表示期間TTD1、TTD2における動作の説明と、選択信号SEL1、SEL2、センスイネーブル信号SE−ENおよびクロック信号CLKの説明は省略する。
実施の形態7において、選択回路XSD、YSD1およびYSD2は、タッチ検出期間における磁界発生期間TGのとき、選択信号X−Out(0)〜X−Out(p)およびY−Out(0)〜Y−Out(p)をハイレベルにする。磁界発生期間TGに続く磁界検出期間TDにおいて、選択回路XSD、YSD1およびYSD2は、タッチの検出を行う領域に配置されたコイルに対応する選択信号をハイレベルに維持し、残りの選択信号をロウレベルへ変化させる。このようにすることにより、磁界発生期間TGにおいては、信号線SL(0)〜SL(p)のそれぞれに、クロック信号CLKが駆動信号として供給される。また、駆動電極TL(0)〜TL(p)および補助電極SMのそれぞれにも、磁界発生期間TGにおいて、クロック信号CLKが駆動信号として供給されることになる。
信号線SL(0)〜SL(p)は、互いに隣接して配置されているため、信号配線間には、寄生容量が存在する。同様に、駆動電極TL(0)〜TL(p)および補助電極SM間にも寄生容量が存在する。磁界発生期間TGにおいて、互いに隣接する2本の信号線(駆動電極)のうちの一方の信号線(駆動電極)を所定の電圧に固定し、他方の信号線(駆動電極)にクロック信号CLKを駆動信号として供給して、他方の信号線(駆動電極)の電圧を変化させる場合、この2本の信号線(駆動電極)間の寄生容量を充電する必要がある。これに対して、上記したように、磁界発生期間のとき、複数の信号線(駆動電極および補助電極)を、同じクロック信号で駆動することにより、寄生容量の充電を低減することが可能となる。言い換えるならば、信号線(駆動電極および補助電極)に付随する寄生容量を低減することが可能となる。その結果、磁界発生期間TGを短くし、磁界検出期間TDを早いタイミングで開始することが可能となり、検出の高速化を図ることが可能となる。
図33に示した選択信号に基づいて、例を説明する。タッチ検出期間TTS1における磁界発生期間TGのとき、選択回路XSD、YSD1およびYSD2は、選択信号X−Out(n−1)〜X−Out(p)およびY−Out(n−1)〜Y−Out(p)のそれぞれをハイレベルにする。これにより、選択信号X−Out(n−1)〜X−Out(p)およびY−Out(n−1)〜Y−Out(p)に対応したコイルCX(n−1)〜CX(p)およびCY(n−1)〜CY(p)のそれぞれには、クロック信号CLKが駆動信号として供給される。このときは、信号配線、駆動電極および補助電極の寄生容量が低減されるため、駆動信号の変化に伴うコイルの電圧変化を早くすることが可能となる。その結果、磁界発生期間TGを短くすることが可能となる。
次に、磁界検出期間TDにおいて、選択回路XSD、YSD1およびYSD2は、タッチを検出するコイルに対応する選択信号X−Out(n−1)およびY−Out(n−1)を、ハイレベルを維持した状態で、他の選択信号(X−Out(n)、X−Out(n+1)、Y−Out(n)およびY−Out(n+1))をロウレベルへ変化させる。これにより、選択信号X−Out(n−1)およびY−Out(n−1)に対応したコイルCX(n−1)およびCY(n−1)は、選択回路XSDおよびYSD2の入出力ノードに接続された状態が維持される。その結果、選択回路XSDおよびYSD2からコイルCX(n−1)およびCY(n−1)の近傍が、ペンによってタッチされているか否かを示す検出信号が出力されることになる。
この実施の形態7においては、次のタッチ検出期間TTS2における磁界発生期間TGのとき、選択回路XSD、YSD1およびYSD2は、選択信号X−Out(n−1)およびY−Out(n−1)をロウレベルに維持し、選択信号X−Out(n)〜X−Out(p)およびY−Out(n)〜Y−Out(p)のそれぞれをハイレベルにする。その後、磁界検出期間TDのとき、選択回路XSD、YSD1およびYSD2は、タッチを検出するコイルに対応する選択信号X−Out(n)およびY−Out(n)を、ハイレベルを維持した状態で、他の選択信号(X−Out(n+1)、Y−Out(n+1))をロウレベルへ変化させる。これにより、磁界発生期間TGの短縮化を図りながら、コイルCX(n)およびCY(n)の検出信号を出力することが可能となる。
以下、同様にして、表示期間とタッチ検出期間が交互に繰り返される。
実施の形態7によれば、タッチ検出の高速化を図ることが可能となる。また、タッチ検出期間における磁界発生期間TGにおいては、表示パネル2(画素配列LCD)の列方向に並列に配置されたコイルCY(0)〜CY(p)と、行方向に並列に配置されたコイルCX(0)〜CX(p)とが交差している領域においては、コイルCYによって発生している磁界とコイルCXによって発生している磁界とが重畳されることになる。これにより、交差している領域における磁界を強くすることが可能であり、ペンに蓄積される磁界エネルギーを大きくすることが可能である。交差する領域は、求めようとするタッチの位置の座標に対応すると見なすこともできる。
図33では、磁界検出期間TDにおいて磁界の検出を終えたコイルに対しては、次のタッチ検出期間の磁界発生期間TGにおいて、駆動信号を供給しない例を示したが、これに限定されない。すなわち、磁界検出期間TDにおいて、磁界の検出が終えたコイルに対しても、次のタッチ検出期間の磁界発生期間TGにおいて磁界を発生するように、駆動信号を供給するようにしてもよい。
また、図33では、タッチ検出期間の磁界発生期間TGにおいて、コイルCXとコイルCYの両方で磁界を発生させ、磁界検出期間TDにおいて、コイルCXとコイルCYの両方の磁界を検出する例を示したが、どちらか一方でもよい。
(実施の形態8)
図34は、実施の形態8に係わる液晶表示装置の構成を示すブロック図である。実施の形態8は、実施の形態6と類似しているので、ここでは、相違点を主に説明する。実施の形態6に係わる図31のブロック図と図34に示したブロック図とを比較すると、相違する部分は、図31に示した調整部KAD3、KAD4および切換回路DD3、DD4が、調整部KAD9および調整部10に変更されていることである。
実施の形態8においては、実施の形態6における調整部KAD4および切換回路DD3の機能が、調整部KAD9により達成されている。また、実施の形態6における調整部KAD4および切換回路DD4の機能が、調整部KAD10により達成されている。
先ず、調整部KAD9について説明する。調整部KAD9は、切換回路DD3が有していた第5スイッチS5(n−6)〜S5(n+9)のうち、第5スイッチS5(n−6)、S5(n−3)、S5(n)、S5(n+3)、S5(n+6),S5(n+9)を有し、残りの第5スイッチを有していない。また、調整部KAD9は、切換回路DD3が有していた第5スイッチS5(n−5)およびS5(n+2)の代わりに機能する第15スイッチS15(n−1)と、第5スイッチS5(n+1)およびS5(n+8)の代わりに機能する第15スイッチS15(n)と、S5(n+7)の代わりに機能する第15スイッチS15(n+1)を有している。図34においては、第15スイッチS15(n−1)、S15(n)およびS15(n+1)を、第15スイッチo00〜o02として描いている。
また、調整部KAD9は、調整部KAD3が有していた信号配線605−1(n−2)〜605−1(n+1)の信号配線を有している。調整部KAD9において、信号配線60−1(n−1)は、第15スイッチS15(n−1)を介して、タッチ検出期間においては、信号線SL(n−5)と信号線SL(n+2)との間に接続される。また、信号配線605−1(n)は、第15スイッチS15(n)を介して、タッチ検出期間において、信号線SL(n+1)との間に接続される。さらに、信号配線605−1(n−2)は、信号線SL(n−4)に接続され、信号配線605−1(n+1)第15スイッチo02を介して、タッチ検出期間のとき、信号線SL(n+9)に接続される。
第5スイッチS5(n−3)、S5(n+3)およびS5(n+9)、および第15スイッチS15(n−2)、S15(n)およびS15(n+1)には、センスイネーブル信号SE−ENが、スイッチ制御信号として供給される。また、この調整部KAD9における第5スイッチS5(n−6)、S5(n)およびS5(n+6)は、切換回路DD3と同様に、選択回路XSDからの選択信号X−Out(n−1)、X−Out(n)およびX−Out(n+1)によってスイッチ制御される。
調整部KAD10は、第16スイッチS16−1(n−1)〜S16−1(n+1)およびS16−2(n−1)〜S16−2(n+1)と、調整部KAD4が有していた信号配線605−2(n−2)〜605−2(n+1)および605−3(n−2)〜605−3(n+1)とを有している。ここで、第16スイッチS16−1(n−1)は、切換回路DD4が有していた第6スイッチS6(n−6)およびS6(n+2)の代わりに機能し、第16スイッチS16−2(n−1)は、第6スイッチS6(n−5)およびS6(n+3)の代わりに機能する。また、第16スイッチS16−1(n)は、第6スイッチS6(n)およびS6(n+8)の代わりに機能し、第16スイッチS16−2(n)は、第6スイッチS6(n+1)およびS6(n+9)の代わりに機能する。さらに、第16スイッチS16−1(n+1)は、第6スイッチS6(n+6)の代わりに機能し、第16スイッチS16−2(n+1)は、第6スイッチS6(n+7)の代わりに機能する。
図34において、第16スイッチS16−1(n−1)〜S16−1(n+1)は、第16スイッチp00〜p02として描かれ、第16スイッチS16−2(n−1)〜S16−2(n+1)は、第16スイッチg00〜g02として描かれている。これらの第16スイッチには、センスイネーブル信号SE−ENが、スイッチ制御信号として供給される。
タッチ検出期間において、スイッチイネーブル信号SE−ENがハイレベルとなることにより、第15スイッチおよび第16スイッチはオン状態となる。これにより、実施の形態6と同様に、上記した信号配線と信号線とによってコイルCX(n−2)〜コイルCX(n+1)が形成されることになる。
この実施の形態8によれば、スイッチの数を低減することが可能であるため、小型化を図ることが可能である。
(実施の形態9)
図35は、実施の形態9に係わる液晶表示装置の構成を示すブロック図である。この実施の形態9においては、ゲートドライバ5が変更される。表示パネル2、調整部および切換回路の構成については、実施の形態4を除いたいずれの実施形態の構成であってもよい。ここでは、表示パネル2、調整部および切換回路の構成が、実施の形態6の場合を例として説明する。
ゲートドライバ5(走査線駆動回路)は(図5、図27)は、複数の単位ゲートドライバ5(n−6)〜5(n+9)を有している。この実施の形態において、単位ゲートドライバ5(n−6)〜5(n+9)のそれぞれは、3状態が出力可能なドライバ回路により構成されている。これらの単位ゲートドライバ5(n−6)〜5(n+9)のそれぞれは、制御端子CNTに供給される制御信号によって、出力が、ハイインピーダンス状態または入力信号に従った状態となる。例えば、制御端子CNTに供給される制御信号は、ロウレベルのとき、それぞれの単位ゲートドライバ5(n−6)〜5(n+9)の出力は、ハイインピーダンス状態となる。これに対して、制御端子CNTに供給される制御信号がハイレベルのときには、単位ゲートドライバ5(n−6)〜5(n+9)のそれぞれは、それぞれに供給されている入力信号に従って、ハイレベルまたはロウレベルの電圧を出力する。
単位ゲートドライバ5(n−6)〜5(n+9)の制御端子には、制御回路D−CNTから制御信号が供給される。制御回路D−CNTは、タッチ検出期間のとき、ロウレベルの制御信号を制御端子CNTに供給する。これに対して、表示期間のときに、制御回路D−CNTは、ハイレベルの制御信号を、制御端子CNTへ供給する。また、表示期間のとき、制御回路D−CNTは、タイミング信号を、単位ゲートドライバ5(n−6)〜5(n+9)の入力信号として供給する。これにより、表示期間においては、制御回路D−CNTからのタイミング信号に従って、それぞれの単位ゲートドライバ5(n−6)〜5(n+9)は、ハイレベルまたはロウレベルの走査線信号を、対応する走査線GL(n−6)〜GL(n+9)へ出力する。このときのロウレベルの電圧は、画素を構成する薄膜トランジスタが確実にオフするように、低い電圧にされる。
この実施の形態9においては、タッチ検出期間のとき、制御回路D−CNTが、制御端子CNTに供給する制御信号によって、単位ゲートドライバ5(n−6)〜5(n+9)のそれぞれをハイインピーダンス状態にする。
例えば、タッチ検出期間において、ゲートドライバ5から走査線GL(0)〜GL(p)へロウレベルが供給されていると、タッチ検出期間において、駆動電極に駆動信号を供給したとき、駆動信号に従って駆動電極の電圧を変化させるためには、駆動電極と走査線との間に存在する寄生容量を充電する必要がある。そのため、駆動電極の電圧変化が遅くなることが危惧される。
実施の形態9においては、タッチ検出期間において、ゲートドライバの出力がハイインピーダンス状態となるため、走査線GL(n−6)〜GL(n+9)は、フローティング状態となる。そのため、駆動電極における電圧変化の遅延を低減することが可能となる。これにより、検出速度の向上を図ることが可能となる。
(実施の形態10)
図36は、実施の形態10に係わる液晶表示装置1におけるタッチ検出回路の構成を示す回路図である。図36において、CX(0)〜CX(p)は、タッチ検出期間において形成されるコイルを示している。また、SWCTは、スイッチ制御信号SWCによりスイッチ制御される複数のスイッチSW12を有するスイッチ部を示している。ここで、スイッチSW12は、例えば図29に示した第5スイッチS5(n−6)、S5(n)、S5(n+9)に相当し、スイッチ制御信号SWCは、選択信号X−Out(n−1)〜X−Out(n+1)に相当する。
コイルCX(0)〜CX(p)のそれぞれの一方の端部は、タッチ検出期間においては、接地電圧Vsに接続され、他方の端部は、対応するスイッチSW12を介してノードn1に接続されている。ノードn1における検出信号は、ゲイン回路に供給され、ゲイン回路によって増幅される。増幅された検出信号は、ノイズを除去するためにフィルタ回路に供給され、フィルタ回路の出力は、整流回路で整流され、積分回路へ供給される。積分回路の出力は、マイクロコントローラMCUに供給される。
マイクロコントローラMCUは、図示しないが、アナログ/デジタル変換回路、クロック信号発生回路、プログラムを格納した不揮発性メモリ、不揮発性メモリに格納されたプログラムに従って動作する処理ユニットを有している。上記した積分回路からの出力は、マイクロコントローラMCUの端子ADCを介してアナログ/デジタル変換回路に供給され、デジタル信号に変換される。変換により得られたデジタル信号は、処理ユニットによって処理され、コイルCX(0)〜CX(p)のいずれかにペンが近接しているか否かの判定が行われる。
マイクロコントローラMCU内の処理ユニットは、プログラムに従って、制御信号を形成する。この制御信号としては、スイッチ制御信号SWC、イネーブル信号ENおよびリセット信号rstがある。また、マイクロコントローラMCU内のクロック信号発生回路によって、周期的に電圧が変化するクロック信号CLKが発生する。
クロック信号CLKは、バッファ回路BFに供給される。バッファ回路BFは、イネーブル信号ENにより制御される。イネーブル信号CEがハイレベルのとき、クロック信号CLKを抵抗R11を介して、ノードn1へ供給する。一方、イネーブル信号ENがロウレベルのときには、バッファ回路BFの出力はハイインピーダンス状態(Hi−Z)となる。
ゲイン回路は、抵抗R8〜R10と、オペアンプOP4と、直流カット用の容量素子CP3を有している。検出信号は、オペアンプOP4の正相入力(+)に供給され、オペアンプOP4の反転入力(−)は、抵抗R9を介して接地電圧Vsに接続され、また、抵抗R8を介して、オペアンプOP4の出力に接続されている。
フィルタ回路は、抵抗R4〜R7と、容量素子CP2と、オペアンプOP3を有している。オペアンプOP3の正相入力(+)は、抵抗R7を介して接地電圧Vsに接続され、容量素子CP2を介して、ゲイン回路からの出力信号が供給される。また、オペアンプOP3の反転入力(−)は、抵抗R6を介して接地電圧Vsに接続され、さらに抵抗R5を介して、オペアンプの出力に接続されている。さらに、オペアンプOP3の出力は、抵抗R4を介して、フィルタ回路の入力に接続されている。
整流回路は、抵抗R1〜R3と、オペアンプOP2と、ダイオードDとを有している。オペアンプの正相入力(+)は、抵抗R3を介して接地電圧Vsに接続され、オペアンプOP2の反転入力(−)は、抵抗R2を介して、フィルタ回路からの出力が供給され。さらに、整流回路の出力が抵抗R1を介して供給されている。オペアンプOP2の出力はダイオードDを介して出力される。
積分回路は、容量素子CP1と、リセット信号rstをスイッチ制御信号として受けるスイッチSW13と、オペアンプOP1とを有している。オペアンプの正相入力(+)は、接地電圧Vsに接続され、反転入力(−)は、容量素子CP1を介して、積分回路の出力に接続されている。また、積分回路の出力と入力との間にスイッチSW13が接続されている。
図37は、図36に示したタッチ検出回路の動作を示す波形図である。図37において、横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示している。図37(A)は、クロック信号CLKの波形を示し、図37(B)は、スイッチ制御信号SWCの波形を示し、図37(C)は、イネーブル信号ENの波形を示している。また、図37(D)は、リセット信号rstの波形を示しており、図37(E)は、ゲイン回路の出力波形OUT1を示しており、図37(F)は、積分回路の出力OUT2の波形を示している。
図37には、タッチ検出期間の動作が示されており、表示期間の動作は、省略されている。
先ず、時刻t0において、リセット信号rstがロウレベルとなることにより、リセットが解除される。このとき、マイクロコントローラMCUは、イネーブル信号ENをハイレベルにする。これにより、クロック信号CLKは、抵抗R11を介しバッファ回路BFから、ノードn1へ供給される。このとき、マイクロコントローラMCUは、例えば、コイルCX(0)〜CX(p)に対応する全てのスイッチSW12をオン状態にするようなスイッチ制御信号SWCを出力する。これにより、ノードn1に供給されたクロック信号CLKは、駆動信号として、コイルCX(0)〜CX(p)のそれぞれの一方の端部に供給される。
ノードn1に供給されたクロック信号CLKは、ゲイン回路にも供給される。ゲイン回路の出力OUT1は、クロック信号CLKの電圧変化に従って変化するため、図37(E)に示すように。変化する。増幅回路の出力OUT1は、フィルタ回路を介して整流回路に供給され、整流された出力が積分回路に供給される。時刻t0から時刻t1においては、ノードn1の電圧は、周期的に変化しているが、包絡線的には、変化がないため、積分回路の出力は一定の値となる。
時刻t1において、マイクロコントローラMCUは、イネーブル信号ENをロウレベルにする。これにより、ノードn1はハイインピーダンス状態(Hi−Z)となる。また、時刻t1において、例えばコイルCX(n−1)に対応するスイッチSW12をオン状態に維持し、残りのスイッチSW11をオフ状態にするようなスイッチ制御信号SWCを、マイクロコントローラMCUは形成する。これにより、コイルCX(n−1)の他方の端部は、ノードn1に接続された状態が維持され、他のコイルは、ノードn1から分離される。図37の例では、時刻t1から時刻t2の間では、ペンが、コイルCX(n−1)に近接していないため、ペンから、コイルCX(n−1)へ磁界エネルギーが与えられない。そのため、積分回路の出力OUT2は変化しない。
時刻t2に移る前に、マイクロコントローラMCUは、リセット信号rstを、いったんハイレベルにするとともに、スイッチ制御信号SWCを全てロウレベルにする。これにより、リセットを行った後、再び、リセット信号rstをロウレベルにして、リセットを解除する。時刻t2からt3は、時刻t0からt1と同じである。
時刻t3において、マイクロコントローラMCUは、例えばコイルCX(n)に対応するスイッチSW12をオン状態に維持し、残りのコイルに対応するスイッチSW12をオフ状態にするようなスイッチ制御信号SWCを形成する。図37(D)には、コイルCX(n)に対応するスイッチSW12に供給されるスイッチ制御信号SWCが、実線で描かれ、他のスイッチSW12に供給されるスイッチ制御信号SWCが、一点鎖線で描かれている(時刻t3から時刻t4の間)。
また、時刻t3において、マイクロコントローラMCUは、イネーブル信号ENをロウレベルにする。これにより、ノードn1は、ハイインピーダンス状態となる。このとき、コイルCX(n)の近傍にペンが有るため、時刻t2からt3の間で、コイルCX(n)からペン内のコイルおよび容量C(図2)に与えられ、蓄積された磁界エネルギーが、時刻t3からは、ペンからコイルCX(n)に与えられることになる。
その結果、ゲイン回路の出力OUT1は、図37(E)に示すように、振動しながら、減衰する。すなわち、電圧は、包絡線的には、減衰する。ゲイン回路の出力OUT1が、時刻t3から、振動しながら、減衰するため、積分回路の出力OUT2は、徐々に上昇する。マイクロコントローラMCUは、この積分回路の出力OUT2をデジタル信号へ変換することにより、ペンが有ると判定する。このとき、マイクロコントローラMCUは。コイルCX(0)〜CX(p)のうち、スイッチ制御信号SWCをハイレベルにして、選択したコイルの位置を把握することが可能であるため、変換によって得たデジタル信号の値と、把握したコイルの位置から、ペンが有る位置、すなわちタッチした位置と、ペンの筆圧等を判定することができる。
以上の動作を繰り返すことにより、ペンの有無と、筆圧等を判定することができる。コイルCX(0)〜CX(p)を例にして説明したが、コイルCY(0)〜CY(p)についても同様の動作を行う。これにより、ペンの有る場所の座標も求めることが可能となる。
実施の形態10において、ゲイン回路の抵抗R9は、リセット信号rstによりスイッチ制御されるスイッチを介して、接地電圧Vsに接続するようにしてもよい。このようにすることにより、消費電力の低減を図ることが可能となる。また、抵抗R11は、クロック信号CLKが供給されたときの電流を制限するために設けられている。そのため、コイルの抵抗が比較的高い場合には、設けなくてもよい。
実施の形態6においては、各コイルから検出信号を並列的に取得する例で説明したが、実施の形態10で述べたように、複数のコイルに対して共通のノードn1を設けるようにしてもよい。このようにすることにより、コイルとタッチ用半導体装置との間の検出信号線の数を低減することが可能となり、面積の増加を抑制することが可能となる。
駆動電極および補助電極SMは、図6に示すように、第3配線層605の配線により構成される。ペンに対して、この第3配線層よりも下側の配線層(第2配線層、第1配線層)に形成される配線(信号線、走査線)を用いて、タッチ検出用のコイルを形成する場合、駆動電極および補助電極は、複数の駆動電極および補助電極によって構成することが望ましい。
例えば、実施の形態6を例にして説明すると、第2配線層に形成された信号線が、タッチ検出用のコイルを形成するのに用いられる。このとき、駆動電極が1個の電極によって構成されていると、信号線により形成されたコイルによって発生した磁界により、駆動電極に渦電流が発生する。そのため、ペンに到達する磁界が減少する。同様に、ペンで発生した磁界が、信号線で形成したコイルに到達する量も減少する。これに対して、駆動電極を、実施の形態6で述べたように、複数の駆動電極で構成すれば、渦電流の発生する領域を狭くすることが可能となり、駆動電極により、磁界が減少するのを低減するこが可能となる。複数の駆動電極により、駆動電極を構成すると、それぞれの駆動電極の抵抗が上昇するが、実施の形態で述べたように、補助電極を駆動電極に接続させ、補助電極もコイルの配線として用いることにより、コイルを形成したときの駆動電極(補助電極を含む)の抵抗を低減することが可能となり、発生する磁界が減少することを抑制することが可能となる。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例及び修正例に想到し得るものであり、それら変形例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
例えば、前述の各実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
例えば、実施の形態においては、共通電極TL(0)〜TL(p)および信号線SL(0)〜SL(p)は、列方向に延在し、行方向に配置されている場合を説明したが、行方向および列方向は、見る視点により変化する。見る視点を変えて、共通電極TL(0)〜TL(p)および信号線SL(0)〜SL(p)が、行方向に延在し、列方向に配置されている場合も本発明の範囲に含まれるものである。
上記した複数の実施の形態においては、タッチ検出期間において用いられるコイルが、2回巻線のコイルを例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、コイルは、1回巻線のコイルあるいは、3回以上の巻線のコイルであってもよい。また、1回巻線のコイルが、互いに重なる場合を述べると、例えばコイルCX(n)の巻線内に、コイルCX(n−1)およびCX(n+1)のそれぞれの巻線が1個入り込むことになる。コイルを駆動電極により構成する場合を例にすると、コイルCX(n)の巻線内に、コイルCX(n−1)およびCX(n+1)のそれぞれの1個の駆動電極が入り込むことになる。コイルCX(n)を例にして述べたが、コイルCY(n)についても同様である。