JP2016194550A - ステージ装置および顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱膨張により生じた部材の伸縮による歪の発生を抑制し、高精度な位置管理が可能なステージ装置を提供すること。【解決手段】第1の方向および第1の方向に対して交差する第2の方向に広がりを有する板状のステージ板と、ステージ板とは異なる線膨張係数の板状部材と、を有するステージ装置は、ステージ板上で板状部材を保持する第1保持部と、第2の方向の剛性より第1の方向の剛性が低い保持構造により板状部材を保持し、線膨張係数の相違に基づいてステージ板と板状部材との間に生じた第1の方向の変形を保持構造の弾性変形により吸収する第2保持部と、第1の方向の剛性より第2の方向の剛性が低い保持構造により板状部材を保持し、線膨張係数の相違に基づいてステージ板と板状部材との間に生じた第2の方向の変形を保持構造の弾性変形により吸収する第3保持部と、を備える。【選択図】 図4A

Description

本発明は、スライドを載置して移動するステージ装置、およびステージ装置を搭載した顕微鏡に関する。
近年、光学顕微鏡は、病理学的診断の為に、組織切片の病変部の微細な観察を実現する手段として病理医によって利用されている。顕微鏡検査の際には、観察対象が載せられたスライドガラスを顕微鏡用のステージに載置し、その観察部位が対物レンズの直下(観察視野)にくるようにステージを移動させる。顕微鏡観察にあたっては、適宜測定部位を微小寸法ずつ精密に移動させる必要が生じる。このような要求から、顕微鏡用のステージ装置は、二次元方向に任意に移動できるようにXYステージで構成され、顕微鏡に装着されたXYステージにおいて高精度な位置管理の実現が求める。
特許文献1、2には、XYステージの位置決め要素技術に関し、リニアエンコーダなどに用いられるスケールを、測定を行う一方向において高精度に保持するための技術が開示されている。
特開2013−64731号公報 特開2013−7718号公報
しかしながら、異なる線膨張係数を有する複数の部材が一体に固定されたXYステージの構成において、温度変化が生じると熱膨張により複数の部材間でわずかな伸縮(熱ドリフト)が発生する。各部材の熱伸縮の差によって部材の固定部には応力が発生し、結果としてXYステージを構成する部材にX方向およびY方向の歪が生じ得る。XYステージの位置管理用のガラススケールが歪の影響を受けると、XYステージにおいて高精度な位置管理の実現が困難になり得る。
特許文献1、2には、測定を行う一方向において、ガラススケールを高精度に保持する構成については記載されているが、熱膨張により生じた伸縮(熱ドリフト)の影響を抑制する構成については考慮されていない。すなわち、特許文献1、2では、熱膨張により生じた部材の伸縮による歪の発生を抑制する構成については考慮されていない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、熱膨張により生じた部材の伸縮による歪の発生を抑制し、高精度な位置管理が可能なステージ装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の一つの態様によるステージ装置は、第1の方向および前記第1の方向に対して交差する第2の方向に広がりを有する板状のステージ板と、前記ステージ板とは異なる線膨張係数の板状部材と、を有するステージ装置であって、
ステージ板上で前記板状部材を保持する第1保持手段と、
前記第2の方向の剛性より前記第1の方向の剛性が低い保持構造により前記板状部材を保持し、前記線膨張係数の相違に基づいて前記ステージ板と前記板状部材との間に生じた第1の方向の変形を前記保持構造の弾性変形により吸収する第2保持手段と、
前記第1の方向の剛性より前記第2の方向の剛性が低い保持構造により前記板状部材を保持し、前記線膨張係数の相違に基づいて前記ステージ板と前記板状部材との間に生じた第2の方向の変形を前記保持構造の弾性変形により吸収する第3保持手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、熱膨張により生じた部材の伸縮による歪の発生を抑制し、高精度な位置管理が可能になる。
実施形態による顕微鏡システムの構成を示す図。 実施形態によるステージ装置の構成を示す図。 実施形態によるXステージの概略構成を示す図。 実施形態のXステージの上面透視図。 第1保持部の詳細断面図。 第2保持部の詳細断面図。 第3保持部の詳細断面図。 第4保持部の詳細断面図。 実施形態のXステージ板の構成を示す図。 第2保持部の周辺部および第3保持部の周辺部を示す図。 第2保持部の変形状態を例示する図。 実施形態の保持部の周辺部の構成を例示する図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
[位置管理顕微鏡システムの構成]
図1は本実施形態による位置管理顕微鏡システム(以下、顕微鏡システム10)の基本構成を示す図である。顕微鏡システム10は、顕微鏡本体101、ステージ装置200、カメラ装着用のアダプタ部300、デジタルカメラ400、制御ユニット500を備える。制御ユニット500は、コントローラ501とディスプレイ502を有する。
顕微鏡本体101を構成する鏡基121は、顕微鏡の各種構造物を取り付けるための堅牢な本体フレームである。接眼鏡基122は鏡基121に固定され、接眼鏡筒123(本例では双眼)を接続する。光源ボックス124は、透過観察用の光源(たとえば、ハロゲンランプまたはLEDなど)を収納し、鏡基121に取り付けられる。Z摘み125は、基台130をZ軸方向(上下方向:鉛直方向)へ移動させるための摘みである。
基台130には、位置管理機能を提供するステージ装置200が載置される。基台130は、Z摘み125の回転に応じて基台130をZ方向に移動する基台移動機構131により鏡基121に装着されている。126は対物レンズユニットであり、光学倍率に応じた複数種類のユニットが存在する。リボルバ127は、複数種類の対物レンズユニット126を取り付けられる構造を有し、リボルバ127を回転させることにより、所望の対物レンズユニットを顕微鏡による観察のために選択することが出来る。
ステージ装置200は、スライドガラス20を載置し、X方向とY方向を含むXY面上で移動するXYステージを有する。ステージ装置200を構成するXステージ板3(図2)の上面には、XY方向の高精度スケールを具備したXYスケール板2が保持されている。ステージ装置200を構成するXステージ板3の詳細については後述する。ステージ装置200は、たとえばUSBインタフェースケーブル112によりコントローラ501(制御装置)と接続され、コントローラ501からの移動指示に応じてステージ位置をXY方向に移動し、そのステージ位置をコントローラ501に通知する。また、X摘み201、Y摘み202により手動操作によりステージ位置を移動することができる。アダプタ部300は、接眼鏡基122に鏡基マウント128を介してデジタルカメラ400を装着するための装着部として機能する、カメラ装着用のアダプタである。
デジタルカメラ400は、アダプタ部300及び鏡基マウント128により、接眼鏡基122と所定の位置関係を保って、着脱可能に顕微鏡本体101に取り付けられる。デジタルカメラ400は、顕微鏡本体101により得られる顕微鏡画像を撮像する。デジタルカメラ400は、エビデンス記録を目的とするもので、例えば、USBインタフェースケーブル111を介してコントローラ501に接続され、コントローラ501からの指示により顕微鏡下の観察像を撮影する。撮影された観察像は、コントローラ501の制御下でディスプレイ502(表示部)に表示される。デジタルカメラ400の撮像機能は、イメージセンサの出力をリアルタイムでモニタに表示するライブビューを行うためのライブ画像撮像機能と、静止画撮像機能を含む。ライブ画像撮像機能は静止画撮像機能よりも低解像度である。また、ライブ画像撮像機能および静止画撮像機能は、撮影された画像(動画、静止画)を所定のインタフェース(本実施形態ではUSBインタフェース)を介して外部装置へ送信することが可能となっている。
[ステージ装置200の構成]
ステージ装置200の構成を図2の参照により説明する。図2において、ステージ装置200のXYステージは、平面内の第1の方向(例えば、X方向)と、第1の方向に対して面内方向において交差する第2の方向(例えば、Y方向)に移動可能に構成されている。第1の方向(X方向)および第2の方向(Y方向)に交差する第3の方向(Z方向)は、顕微鏡光軸に対応する。ステージ装置200は、第1の方向および第1の方向に対して交差する第2の方向に広がりを有する板状のXステージ板3(ステージ板)と、Xステージ板3(ステージ板)とは異なる線膨張係数のXYスケール板2(板状部材)と、を有する。
以下の説明では、第1の方向の移動機構をXステージ210とよび、第1の方向に対して面内方向において交差する第2の方向の移動機構をYステージ220とよぶ。図2に示すように、Xステージ210はYステージ220上に配置されており、Xステージ210はYステージ220上に構成されたリニアガイドなどの不図示の摺動機構により矢印X方向に移動可能に構成されている。
また、Yステージ220は、ステージ装置200のベース部材として機能する基台130上に配置されている。Yステージ220は基台130上に構成されたリニアガイドなどの不図示の摺動機構により矢印Y方向に移動可能に構成されている。
ステージ装置200のXYステージは、Xステージ210およびYステージ220により構成される二次元の移動機構として機能する。本実施形態では、Yステージ220上にXステージ210が配置された構成を例示的に説明しているが、本発明の趣旨はこの例に限定されるものではなく、この逆の配置順でXYステージを構成してもよい。
[Xステージ210の構成]
次に、Xステージ210の構成を具体的に説明する。図3に示すように、Xステージ210は、Xステージ210の本体を構成するXステージ板3を有する。Xステージ板3上にXYガラススケール2sと一体に構成されたXYスケール板2が載置される。XYガラススケール2sは、例えば、XYスケール板2の上面に接着されて一体として形成されている。XYスケール板2がXステージ210のXステージ板3上に配置されることにより、XYスケール板2を介してXYガラススケール2sがXステージ210のXステージ板3上に配置される。XYスケール板2上にはスライドガラス20が載せられ、所定位置に保持される。
XYガラススケール2sには、X方向移動時の位置管理に使われるX方向の位置情報を計測するためのX方向スケール8(目盛)、及び、Y方向移動時の位置管理に使われるY方向の位置情報を計測するためのY方向スケール7(目盛)が高精度に形成されている。また、XYガラススケール2sには、X方向の位置情報を計測するためのX方向スケールとY方向の位置情報を計測するためのY方向スケールとが交差するように形成されたXYクロスハッチ6が高精度に形成されている。XYクロスハッチ6は、X方向およびY方向の軸合せの基準として使用される。SはXYクロスハッチ6の基準位置である。
顕微鏡本体101を構成する鏡基121には、X方向スケール8を読み取るX方向センサ、およびY方向スケール7を読み取るY方向センサが、XYガラススケール2sの上方に配置されている。X方向センサおよびY方向センサの検出結果はコントローラ501(制御装置)に送信され、コントローラ501(制御装置)の位置制御の下、ステージ装置200の位置が制御される。
尚、図3に示す構成例では、Xステージ板3の上面側にXYガラススケール2sが支持される構成を例示的に示しているが、実施形態の構成はこの例に限定されない。例えば、XYガラススケール2sが、XYスケール板2を介して、Xステージ板3の下面側に支持されるようにステージ装置200を構成することも可能である。この場合、X方向センサおよびY方向センサは、例えば、XYガラススケール2sの下方の位置で鏡基121に配置される。
スライドガラス20がXYスケール板2上に保持されることで、X方向センサおよびY方向センサは、スライドガラス20とXYクロスハッチ6の基準位置Sとの相対位置の情報を取得することが可能になる。コントローラ501(制御装置)は、基準位置Sの情報と、取得した相対位置の情報とに基づいて、スライドガラス20内における被観察物21にステージ装置200を位置決めする位置制御を行うことが可能である。ステージ装置200の位置制御により、病理診断における形態診断や機能診断、デジタルカメラによるエビデンス画像の撮影において、観察位置(スライドガラス20内における被観察物21の位置)を容易に再現することができる。
XYガラススケール2s上におけるXYクロスハッチ6、X方向スケール8、およびY方向スケール7における各パターンの作製には、半導体露光装置などのナノ技術が用いられる。たとえば、石英ガラスのガラス基板上に、Y軸方向のラインの集合よりなるX方向スケール8、X軸方向のラインの集合よりなるY方向スケール7を、例えば、5nm〜10nmの精度でナノ技術により一体的に作製する。なお、XYクロスハッチ6、X方向スケール8、およびY方向スケール7を露光装置で描画することにより作製することも可能である。低コスト化を実現するにナノインプリントを用いることも可能である。
(ステージを構成する部材の熱変形の影響)
物体の長さは温度上昇と元の長さに比例した量で伸び縮みする、すなわち、ΔL= αLΔt(ΔL:伸び、L :長さ、ΔT :温度上昇)という関係にあり、温度の上昇に対応して長さが変化する割合を線膨張率(線膨張係数)という。線膨張係数αは、単位長さあたりにおける、温度による長さの変化率として定義される。物体の長さをL、温度をt とすると、線膨張係数αは以下の(1)式で定義される。温度が変化する前の元の物体の長さをL、温度がtだけ変化したとの物体の長さをLとすると、Lは以下の(2)式で表すことができる。
α=(1/L)・(dL/dt) ・・・(1)
L=L(1+αΔt) ・・・(2)
式(2)より、物体の長さLは、元の温度における物体の長さLと線膨張係数αに比例する。温度変化による物体の長さの変化を少なくするには、例えば、線膨張係数(α)を小さくすること、あるいは、物体の長さを短くすることが有効である。
ステージ装置200において、Xステージ板3は、移動部の軽量化を図るとともに、ステージ装置の剛性を確保するため、例えば、アルミニウム合金で構成される。アルミニウム合金の線膨張係数α1は24×10−6/℃である。また、後に説明する押圧受け材18もXステージ板3と同様に、例えば、アルミニウム合金で構成される。押圧受け材18を、Xステージ板3と同様の線膨張係数を有する部材で構成することにより、温度変化による相対的な変形(伸縮長差)による応力がXYスケール板2に作用することを抑制し、XYスケール板2に生じる歪を抑制することができる。
また、XYガラススケール2sの材質は、高精度位置管理を実現する基準とすべく、線膨張係数が極めて小さい材質であるガラス、例えば、石英ガラスで構成されている。XYスケール板2は、XYガラススケール2sと同様に高精度位置管理を実現する基準とすべく、線膨張係数が極めて小さい材質である、低膨張合金により構成されている。石英ガラスと低膨張合金の両者は同等の線膨張係数α2を有しており、約0.5×10−6/℃である。
XYスケール板2上に固定されるスライドガラス20の材質はガラスであり、XYガラススケール2sやXYスケール板2とほぼ同等の線膨張係数である。XYガラススケール2s、XYスケール板2、およびスライドガラス20は、それぞれ同等の線膨張係数であり、また、これらの線膨張係数はXステージ板3の線膨張係数に比べて小さい。このため、XYガラススケール2s、XYスケール板2、およびスライドガラス20において、温度変化による相対的な変形(伸縮長差)の影響は小さい。
一方、Xステージ板3の線膨張係数(α1=24×10−6/℃)と、XYガラススケール2sおよびXYスケール板2の線膨張係数(α2=約0.5×10−6/℃)とは相違し、両線膨張係数の差分に応じて温度変化による相対的な変形(伸縮長差)が発生する。両線膨張係数の差分に応じて温度変化による相対的な変形(伸縮長差)の影響については、以下のXYスケール板2をXステージ板3に保持するための構成により低減する。
(XYスケール板2を保持するための構成)
次に、XYスケール板2をXステージ板3に保持(固定)するための構成を説明する。図3に示すようにXステージ板3の上面には、XYスケール板2を配置するための凹部形状を有する段差部25が形成されている。凹部形状の深さは、XYスケール板2の高さ(厚さ)と略同一に構成されている。XYスケール板2がXステージ板3の段差部25に配置された状態で、XYスケール板2の上面と、Xステージ板3の上面とが略同一の高さとなる。
段差部25の段差面にはXYスケール板2を保持するための複数の保持部(第1保持部3a1〜第4保持部3a4)が形成されている。第1保持部3a1の基準面および、第2保持部3a2〜第4保持部3a4の保持面は、例えば、円形の断面形状を有しており、第1保持部3a1〜第4保持部3a4の高さは段差部25の段差面に比べて高くなるように形成されている。XYスケール板2を段差部25の段差面上に直接載置する場合に比べて、第1保持部3a1〜第4保持部3a4でXYスケール板2を保持することにより、XYスケール板2とXステージ板3とが接触する部分の接触長を短くすることができる。このような構成することで、温度変化による物体の長さの変化を低減することが可能になる。
また、温度変化による物体の長さの変化を低減することにより、熱伸縮の差による応力をXYスケール板2に発生させることなく、高精度にXYスケール板2をXステージ板3に保持(固定)することが可能になる。このようなXYスケール板2の保持構造により、XYガラススケール2sに対する光軸方向(Z方向)における焦点位置を高精度に保持することが可能になる。
第1保持部3a1〜第3保持部3a3の保持面には、接続部材4b、4c、4d(雄ねじ部)と接続可能な雌ねじ部が形成されている。接続部材4b、4c、4d(雄ねじ部)と第1保持部3a1〜第3保持部3a3の雌ねじ部との締結により、XYスケール板2はXステージ板3上にガタ無く一体的に保持(固定)される。
第4保持部3a4の保持面には、XYスケール板2の一端に設けられた押圧部材5を保持するための開口部13が形成されている。押圧受け材18は、押圧部材5を覆うように配置され、押圧受け材18は、接続部材9(雄ねじ部)によりXステージ板3に固定される。押圧受け材18は、XYスケール板2におけるZ方向(鉛直方向)の移動(浮き上がり)を拘束する。また、XYスケール板2は、押圧受け材18および第4保持部3a4の保持面の間で、XY平面内において移動可能に支持されている。第1保持部3a1〜第4保持部3a4の断面構造については、図4B〜図4Eを参照して後に詳細に説明する。
図4Aは、ステージ装置200を構成するXステージ210を上面から見た図である。XYスケール板2は、Xステージ板3に対して、接続部材4b、接続部材4c、接続部材4dにより保持(固定)されている。XYスケール板2は、押圧受け材18および押圧部材5の付勢力によりXステージ板3に押し付けられる。また、XYスケール板2は、押圧受け材18および第4保持部3a4の間で、XY平面内において移動可能に支持されている。
4つの保持部(3a1〜3a4)のうち、基準位置Sに最も近い位置に配置されている第1保持部3a1の保持面(基準面)の中心位置を、XYスケール板2上におけるXY軸の原点とする(図中G)。第1保持部3a1における保持面の中心位置は、第1の方向および第2の方向の基準位置であり、XY軸の原点Gと接続部材4bの中心は一致している。接続部材4bは、XY軸の原点Gにおいて、XYスケール板2とXステージ板3とを固定する。
第2保持部3a2の保持面の中心は、原点Gを通るX軸(第1の方向軸)上に配置されている。第3保持部3a3の保持面の中心は原点Gを通り、X軸(第1の方向軸)と交差する方向のY軸(第2の方向軸)上に配置されている。そして、第4保持部3a4の保持面の中心は原点Gに対して対角線上の近傍位置に配置されている。
(第1保持部の構造)
図4Bは、図4Aのbb断面における第1保持部3a1の断面構造を示す図である。第1保持部3a1は、ステージ板上でXYスケール板2(板状部材)を保持する。第1保持部3a1では、接続部材4bによりXYスケール板2がXステージ板3に保持(固定)される。
XYガラススケール2sはXYスケール板2上に配置されている。XYスケール板2には、接続部材4bを挿入するための穴部2bが形成されている。また、XYスケール板2を保持する第1保持部3a1の保持面にはXステージ板座グリ穴3bが形成されている。接続部材4bは、穴部2bおよびXステージ板座グリ穴3bと、ガタなく勘合可能に構成されている。これにより、接続部材4bを精度よく原点Gに位置合わせすることができる。接続部材4bは第1保持部3a1の雌ねじ部と締結して、XYスケール板2とXステージ板3とを原点Gにおいて一体的に固定する。
(第2保持部の構造)
図4Cは、図4Aのcc断面における第2保持部3a2の断面構造を示す図である。第2保持部は、第2の方向の剛性より第1の方向の剛性が低い保持構造によりXYスケール板2(板状部材)を保持し、線膨張係数の相違に基づいてXステージ板3とXYスケール板2(板状部材)との間に生じた第1の方向の変形を第2保持部の周辺部に構成された保持構造の弾性変形により吸収する。第2保持部3a2では、接続部材4cによりXYスケール板2がXステージ板3に保持(固定)される。接続部材4cは、第2保持部3a2の雌ねじ部と締結して、XYスケール板2とXステージ板3とを一体的に固定する。図4Cに示すように、第2保持部3a2の周辺部には、複数の穴部(穴部31、32)が形成されている。
図5は、Xステージ板3の構造を示す図である。図5に示すように、第2保持部3a2の周辺部には複数の穴部(穴部31〜34)が形成されている。X軸(第1の方向軸)軸上に、穴部31、32が形成されている。穴部31、32は、第2保持部3a2の位置を中心として、左右対称の位置に形成されている。また、第2保持部3a2の周辺部には、穴部33、34がY軸(第2の方向軸)方向に形成されている。穴部33、34は、第2保持部3a2の位置を中心として、上下対称の位置に形成されている。
図6(a)は第2保持部3a2の周辺部の拡大図である。穴部31と穴部33との間に形成された弾性保持構造35は、バネ構造として機能して、Xステージ板3と第2保持部3a2とを接続する。また、穴部32と穴部33との間に形成された弾性保持構造36は、バネ構造として機能して、Xステージ板3と第2保持部3a2とを接続する。
穴部31と穴部34との間に形成された弾性保持構造37は、バネ構造として機能して、Xステージ板3と第2保持部3a2とを接続する。そして、穴部32と穴部34との間に形成された弾性保持構造38は、バネ構造として機能して、Xステージ板3と第2保持部3a2とを接続する。
すなわち、第2保持部3a2は、周辺部に形成された4つの弾性保持構造35〜38(バネ構造)により、Xステージ板3に接続され、支持される。
穴部は、Xステージ板3の剛性を低下させる剛性低減部として機能する。また、4つの弾性保持構造35〜38(バネ構造)は、剛性の低下により発生した変形をバネ構造の弾性変形により吸収する。
Xステージ板3の第2保持部3a2の周辺部において穴部31、32を形成することで、周辺部の剛性は低下して、局所的に変形しやすくなる。例えば、穴部31、32が形成されることにより、Xステージ板3における第2保持部3a2の周辺部は、穴部が形成されていない第1保持部3a1の周辺部に比べて変形しやすくなる。
第2保持部3a2の周辺部において、X軸方向の穴部31、32の開口幅は、Y軸方向の穴部33、34の開口幅より大きく、第2保持部3a2の周辺部のX軸成分の剛性は、Y軸成分の剛性より小さくなっている。穴部を形成することにより、Xステージ板3の各方向(X軸方向およびY軸方向およびZ軸方向)に応じて、異なる剛性(剛性異方性)を与えることができる。
図5に示すXステージ板3の構成において、接続部材4cによりXYスケール板2がXステージ板3に固定される第2保持部の周辺部の構造は、X軸方向に形成された穴部31〜34および4つの弾性保持構造35〜38(バネ構造)により、X軸方向へ弾性変形し易いバネ構造になっている。
例えば、Xステージ板3とXYスケール板2とに熱ドリフトが発生した場合に、第2保持部3a2の周辺部の構造は、Xステージ板3とXYスケール板2との差分の変形(伸縮長差)を4つの弾性保持構造35〜38(バネ構造)で低減(吸収)することができる。
Xステージ板3とXYスケール板2との位置関係は、接続部材4cにより固定された状態で維持されるが、熱変形をバネ構造で吸収することにより、応力の発生を抑制し、応力により生じ得るXYスケール板2の歪の発生を抑制することが可能になる。
(第3保持部の構造)
図4Dは、図4Aのdd断面における第3保持部3a3の断面構造を示す図である。第3保持部は、第1の方向(X方向)の剛性より第2の方向(Y方向)の剛性が低い保持構造によりXYスケール板2(板状部材)を保持し、線膨張係数の相違に基づいてXステージ板3とXYスケール板2(板状部材)との間に生じた第2の方向(Y方向)の変形を第3保持部の周辺部に構成された保持構造の弾性変形により吸収する。第3保持部3a3では、接続部材4dによりXYスケール板2がXステージ板3に保持(固定)される。接続部材4dは、第3保持部3a3の雌ねじ部と締結して、XYスケール板2とXステージ板3とを一体的に固定する。図4Dに示すように、第3保持部3a3の周辺部には、複数の穴部(穴部41、42)が形成されている。
図5に示すように、第3保持部3a3の周辺部には複数の穴部(穴部41〜44)が形成されている。X軸(第1の方向軸)方向に、穴部43、44が形成されている。穴部43、44は、第3保持部3a3の位置を中心として、左右対称の位置に形成されている。また、第3保持部3a3の周辺部には、穴部41、42がY軸(第2の方向軸)軸上に形成されている。穴部41、42は、第3保持部3a3の位置を中心として、上下対称の位置に形成されている。
図6(b)は第3保持部3a3の周辺部の拡大図である。穴部41と穴部43との間に形成された弾性保持構造45は、バネ構造として機能して、Xステージ板3と第3保持部3a3とを接続する。また、穴部42と穴部43との間に形成された弾性保持構造47は、バネ構造として機能して、Xステージ板3と第3保持部3a3とを接続する。
穴部41と穴部44との間に形成された弾性保持構造46は、バネ構造として機能して、Xステージ板3と第3保持部3a3とを接続する。そして、穴部42と穴部44との間に形成された弾性保持構造48は、バネ構造として機能して、Xステージ板3と第3保持部3a3とを接続する。
すなわち、第3保持部3a3は、周辺部に形成された4つの弾性保持構造45〜48(バネ構造)により、Xステージ板3に接続され、支持される。
穴部は、Xステージ板3の剛性を低下させる剛性低減部として機能する。また、4つの弾性保持構造45〜48(バネ構造)は、剛性の低下により発生した変形をバネ構造の弾性変形により吸収する。
Xステージ板3において穴部を形成することで、穴部周辺部の剛性は低下して、局所的に変形しやすくなる。例えば、穴部が形成されることにより、Xステージ板3における第3保持部3a3の周辺部は、穴部が形成されていない第1保持部3a1の周辺部に比べて変形しやすくなる。
第3保持部3a3の周辺部において、Y軸方向の穴部41、42の開口幅は、X軸方向の穴部43、44の開口幅より大きく、第3保持部3a3の周辺部のY軸成分の剛性は、X軸成分の剛性より小さくなっている。穴部を形成することにより、Xステージ板3の各方向(X軸方向およびY軸方向およびZ軸方向)に応じて、異なる剛性(剛性異方性)を与えることができる。
図5に示すXステージ板3の構成において、接続部材4dによりXYスケール板2がXステージ板3に固定される第3保持部の周辺部の構造は、Y軸方向に形成された穴部41〜44および4つの弾性保持構造45〜48(バネ構造)により、Y軸方向へ弾性変形し易いバネ構造になっている。
例えば、Xステージ板3とXYスケール板2とに熱ドリフトが発生した場合に、第3保持部3a3の周辺部の構造は、Xステージ板3とXYスケール板2との差分の変形(伸縮長差)を4つの弾性保持構造45〜48(バネ構造)で低減(吸収)することができる。
Xステージ板3とXYスケール板2との位置関係は、接続部材4dにより固定された状態で維持されるが、熱変形をバネ構造で吸収することにより、応力の発生を抑制し、応力により生じ得るXYスケール板2の歪の発生を抑制することが可能になる。
(第4保持部の構造)
図4Eは、図4Aのee断面を示しており、第4保持部3a4の断面構造を示す図である。第4保持部3a4で保持されるXYスケール板2(板状部材)の端部において、第1の方向(X方向)および第2の方向(Y方向)に交差する第3の方向(Z方向)に付勢力を発生させる押圧部材5(付勢部)が設けられている。図4Eに示すように押圧部材5は、例えば、ボールプランジャとして構成することが可能である。押圧部材5は、Xステージ板3の上面に対して、鉛直方向に付勢力を発生させる弾性部材5b(圧縮ばね)と、弾性部材5bを保持するハウジング5cと、球形状の部材5a(ボール部材)とを有する。弾性部材5b(圧縮ばね)の一端(下端)はハウジング5cと固定されており、弾性部材5b(圧縮ばね)の他端(上端)に球形状の部材5a(ボール部材)が接続されている。
XYスケール板2には、ハウジング5cを固定するためのハウジング固定部14が形成されている。ハウジング固定部14の内周面には、例えば、雌ねじ部が形成されており、ハウジング5cの外周面には、例えば、雄ねじ部が形成されている。雄ねじ部および雌ねじ部の係合により、押圧部材5をXYスケール板2に固定することができる。押圧受け材18がXステージ板3に固定された状態で、弾性部材5b(圧縮ばね)により付勢された部材5a(ボール部材)は押圧受け材18の下面凹部18aを押圧する。押圧受け材18は、付勢力に基づいて、XYスケール板2(板状部材)を第3の方向(Z−方向)に押下して、Xステージ板3に対するXYスケール板2(板状部材)の第3の方向の変形を拘束する。押圧により押圧部材5が受ける反力はXYスケール板2に伝わり、第4保持部3a4の保持面にXYスケール板2は押し付けられる。弾性部材5bの付勢力を用いて、XYスケール板2のZ方向(鉛直方向)の移動(浮き上がり)は拘束される。
第4保持部3a4の保持面の上にXYスケール板2は載置されており機械的に拘束されていないため、XYスケール板2およびXステージ板3は、相対的にXY方向に移動することが可能である。第4保持部3a4の保持面に形成されている開口部13とハウジング固定部14との間には隙間が設けられており、XYスケール板2およびXステージ板3におけるXY方向の相対的な移動が許容される。XYスケール板2およびXステージ板3のXY方向の移動は、部材5a(ボール部材)と押圧受け材18との点接触による転がり抵抗と、XYスケール板2と第4保持部3a4の保持面との摩擦抵抗を受けるが、これらの抵抗成分は、十分小さく無視できるものである。
図4Eに示す例では、押圧部材5の構成として、ボールプランジャを使用しているが、板ばね構造や、磁石吸引力利用する構成で付勢力を与えて、XYスケール板2をXステージ板3の第4保持部3a4の保持面に対して押しつけることも可能である。尚、第4保持部3a4は補助的に機能するもので、例えば、ステージのサイズが小型でありXYスケール板2の浮きや、ばたつきが無視できる構成では、第4保持部3a4を用いずに、先に説明した第1保持部3a1〜第3保持部3a3によりXYスケール板2をXステージ板3に保持(固定)することも可能である。
(保持部の変形状態の例示)
図7は、第2保持部3a2の周辺部の変形状態を例示的に示す図である。熱ドリフトにより、Xステージ板3とXYスケール板2との間の相対的な変形(伸縮長差ΔL:熱伸縮の差)が発生した状態を例示している。
図7において、破線で示した4c’の位置は、本実施形態が適用されない場合に、Xステージ板3とXYスケール板2との間の伸縮長差ΔLにより変形した接続部材の位置を示している。
第2保持部3a2の周辺部に形成された、穴部31〜34は第2保持部3a2の周辺部のX方向(第1の方向)の剛性を低減させ、Xステージ板3の面内において第2保持部3a2をX方向(第1の方向)に変形しやすくする。そして、第2保持部3a2の周辺部に形成された、4つの弾性保持構造35〜38(バネ構造)は、XYスケール板2とXステージ板3との間で生じた伸縮長差ΔLを吸収する。
図7において、実線で示した4cの位置は、本実施形態による接続部材の位置を示している。温度変化によりXYスケール板2とXステージ板3との間で発生し得る伸縮長差ΔLは4つの弾性保持構造35〜38(バネ構造)により吸収され、XYスケール板2において接続部材4cが挿入されている穴位置にならい、破線で示した4c’の位置は紙面の右側にΔL分だけ戻される。
第2保持部3a2の周辺部は、ΔL分だけ紙面の右側に変形するため、第2保持部3a2の周辺部の左側に形成されている穴部31の開口幅は拡大する。例えば、穴部の初期開口幅をH0、変形後の穴部31の開口幅をH1とすると、変形後の穴部31の開口幅H1はH1=H0+ΔLとなる。一方、第2保持部3a2の周辺部の右側に形成されている穴部32の開口幅は縮小する。例えば、変形後の穴部32の開口幅をH2とすると、変形後の穴部32の開口幅H2はH2=H0−ΔLとなる。
ΔLの変形を発生させるための4つの弾性保持構造35〜38(バネ構造)のバネ力F(弾性力)は、穴部31〜34が第2保持部3a2を中心として左右および上下において対称に形成されているため、X軸に対し対称に作用する。バネ力F(弾性力)の作用により接続部材4cは常にX軸上を変形する。4つの弾性保持構造35〜38(バネ構造)のバネ力F(弾性力)は、X軸に対し対称に作用するため、XYスケール板2をXY原点Gまわりに回転させる回転力を発生させない。
図7は第2保持部3a2を例示的に示しているが、第3保持部3a3においても同様である。第3保持部3a3では、4つの弾性保持構造45〜48(バネ構造)のバネ力(弾性力)は、穴部41〜44が第3保持部3a3を中心として上下および左右において対称に形成されているため、Y軸に対し対称に作用する。バネ力(弾性力)の作用により接続部材4dは常にY軸上を変形する。4つの弾性保持構造45〜48(バネ構造)のバネ力(弾性力)はY軸に対し対称に作用するため、XYスケール板2をXY原点Gまわりに回転させる回転力を発生させない。
XYガラススケール2sの線膨張係数と、XYスケール板2の線膨張係数とは、同等であるため、温度変化による相対的な変形(伸縮長差)の影響は、XYスケール板2とXステージ板3との伸縮長差(ΔL)に比べて、十分に小さく無視できる。また、XY原点GまわりにXYスケール板2を回転させる回転力(モーメント)はXYスケール板2に作用しないため、XYスケール板2およびXYガラススケール2sが回転移動して、X方向スケール8、及び、Y方向スケール7の位置が変動することはない。このため、X方向スケール8、及び、Y方向スケール7によるセンサの読み取り精度が保障される。
弾性保持構造35〜38(バネ構造)において、穴部31と穴部33との間の幅をbとする。他の穴部間の幅、例えば、穴部32と穴部33の間、穴部31と穴部34の間、穴部32と穴部34の間も同様にbとする。Xステージ板3の板厚をhとする。Xステージ板3の板厚hと、穴部間の幅bとの関係は、h>>bとなる。弾性保持構造35〜38(バネ構造)における断面二次モーメントIは、I=bh/12となる。
弾性保持構造35〜38(バネ構造)により、X方向(第1の方向)の剛性は低減される。一方、Z方向(第3の方向)の剛性(曲げ剛性EI:EはXステージ板3の弾性係数、Iは断面二次モーメント)は、弾性保持構造35〜38(バネ構造)の影響を受けず、X方向(第1の方向)に比べて高い剛性が維持される。すなわち、Z方向(第3の方向)の剛性はX方向(第1の方向)の剛性よりも大きくなり、Xステージ板3におけるZ方向の変形は抑制される。すなわち、Z軸方向におけるXYガラススケール2sの平面精度も保障される。
(バネ構造の構成例)
図6では、第2保持部3a2の周辺部に形成された4つの弾性保持構造35〜38(バネ構造)と、第3保持部3a3の周辺部に形成された4つの弾性保持構造45〜48(バネ構造)について説明した。
バネ構造の構成例は、図6で説明した構成に限定されるものではなく、例えば、一方向に弾性変形し易く、Xステージ板3と一体に形成されたバネ機能を実現する図8に示す構成でもよい。
図8は、第2保持部3a2の周辺部に形成されたバネ構造の構成例を例示する図である。図8に示すように、第2保持部3a2の周辺部には複数の穴部(穴部71、72)が形成されている。X軸(第1の方向軸)軸上に、穴部71、72が形成されている。穴部71、72は、第2保持部3a2の位置を中心として、左右対称の位置に形成されている。
穴部71と穴部72との間に形成された弾性保持構造73は、バネ構造として機能して、Xステージ板3と第2保持部3a2とを接続する。また、弾性保持構造74は、バネ構造として機能して、Xステージ板3と第2保持部3a2とを接続する。図8に示す構成において、第2保持部3a2は、周辺部に形成された2つの弾性保持構造73、74(バネ構造)により、Xステージ板3に接続され、支持される。
穴部71、72は、Xステージ板3の剛性を低下させる剛性低減部として機能する。また、2つの弾性保持構造73、74(バネ構造)は、剛性の低下により発生した変形をバネ構造の弾性変形により吸収する。
Xステージ板3の第2保持部3a2の周辺部において穴部71、72を形成することで、周辺部の剛性は低下して、局所的に変形しやすくなる。例えば、穴部71、72が形成されることにより、Xステージ板3における第2保持部3a2の周辺部は、穴部が形成されていない第1保持部3a1の周辺部に比べて変形しやすくなる。
第2保持部3a2の周辺部において、Y軸方向には、弾性保持構造73、74が形成されているため、Y軸方向の剛性はX軸方向の剛性に比べて大きい。X軸方向には、弾性保持構造73、74に対応する構成が設けられていないため、X軸方向の剛性はY軸方向の剛性に比べて小さい。図8の構成においても、Z方向(第3の方向)の剛性は、弾性保持構造73、74(バネ構造)の影響を受けず、X方向(第1の方向)に比べて高い剛性が維持される。すなわち、Z方向の剛性はX方向の剛性よりも大きくなり、Xステージ板3におけるZ方向の変形は抑制される。すなわち、Z軸方向におけるXYガラススケール2sの平面精度も保障される。
穴部71、72を形成することにより、Xステージ板3の各方向(X軸方向およびY軸方向およびZ軸方向)に応じて、異なる剛性(剛性異方性)を与えることができる。図8に示す穴部71、72を、例えば、第3保持部3a3の位置を中心として、紙面上下方向に対称となるように配置すれば、第3保持部3a3の周辺部に同様のバネ構造を設けることが可能である。
先に説明した構成は、Xステージ板3の第2保持部3a2の周辺部および第3保持部3a3の周辺部に、Xステージ板3と一体のバネ構造を設ける構成を説明したが、これらの一体のばね構造をXYスケール板2側に設けても同様の効果を得ることが可能である。
本実施形態によれば、熱膨張により生じた部材の伸縮による歪の発生を抑制し、高精度な位置管理が可能になる。
熱ドリフトの原因として、光学顕微鏡の周囲環境の温度変化や人体の体温またはモータや駆動軸の発熱によるものがある。顕微鏡ステージに熱ドリフトが生じても、保持部の周辺部のバネ構造が変形を吸収する。これにより、保持部で保持されたXYスケール板に生じる歪の発生を抑制することが可能になる。
本実施形態のステージ装置は、熱変形の影響を受けず、XYスケール板をXY基準面に対して安定して保持することがでる。これにより、顕微鏡接眼レンズのXY基準面と垂直に交差する光軸(Z方向)の焦点位置を安定させることが可能になり、焦点のずれによる画像ぼけを防止することができる。
X軸上に配置されている第2保持部においてX軸方向に弾性変形し易いバネ構造を設け、Y軸上に配置されている第3保持部においてY軸方向に弾性変形し易いバネ構造を設けることで、熱ドリフトによる熱膨張差が発生しても各支持部の応力を抑制することができる。
これによりXYスケール自体の歪を抑えることができる。また、XYスケールに設けられた位置決めの基準となる目盛に歪を発生させることなく、ステージの移動方向とXYスケール(目盛)の平行度を維持できるので、ステージ装置において、高精度な位置決めが可能になる。また、対物レンズとコンデンサレンズの限られた空間に、コンパクトで、測定精度が安定したXYスケールの保持構造を有するステージ装置を位置管理顕微鏡システムに配置することが可能になる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
2:XYスケール板、2s:XYガラススケール、3:Xステージ板、
3a1:第1保持部、3a2:第2保持部、3a3:第3保持部、
3a4:第4保持部、5:押圧部材、8:押圧受け材

Claims (17)

  1. 第1の方向および前記第1の方向に対して交差する第2の方向に広がりを有する板状のステージ板と、前記ステージ板とは異なる線膨張係数の板状部材と、を有するステージ装置であって、
    ステージ板上で前記板状部材を保持する第1保持手段と、
    前記第2の方向の剛性より前記第1の方向の剛性が低い保持構造により前記板状部材を保持し、前記線膨張係数の相違に基づいて前記ステージ板と前記板状部材との間に生じた第1の方向の変形を前記保持構造の弾性変形により吸収する第2保持手段と、
    前記第1の方向の剛性より前記第2の方向の剛性が低い保持構造により前記板状部材を保持し、前記線膨張係数の相違に基づいて前記ステージ板と前記板状部材との間に生じた第2の方向の変形を前記保持構造の弾性変形により吸収する第3保持手段と、
    を備えることを特徴とするステージ装置。
  2. 前記第1保持手段は、
    前記第1の方向および前記第2の方向および、前記第1の方向および前記第2の方向に交差する第3の方向において、前記ステージ板に対する前記板状部材の移動を拘束する
    ことを特徴とする請求項1に記載のステージ装置。
  3. 前記第1保持手段における保持面の中心位置は、前記第1の方向および前記第2の方向の基準位置であり、
    前記第2保持手段は、前記基準位置を通る第1の方向の軸上に配置されており、
    前記第3保持手段は、前記基準位置を通る第2の方向の軸上に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のステージ装置。
  4. 前記第2保持手段の前記保持構造は、前記第2保持手段の位置を中心として、第1の方向の軸上の対称の位置に形成された複数の穴部を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のステージ装置。
  5. 前記第2保持手段の前記保持構造は、前記第2保持手段の位置を中心として、第2の方向の対称の位置に形成された複数の穴部を更に有し、
    前記第1の方向に形成された前記複数の穴部の開口幅は、前記第2の方向に形成された前記複数の穴部の開口幅より大きく構成されている
    ことを特徴とする請求項4に記載のステージ装置。
  6. 前記第2保持手段の前記保持構造は、前記複数の穴部の間に構成されることを特徴とする請求項4または5に記載のステージ装置。
  7. 前記第3保持手段の前記保持構造は、前記第3保持手段の位置を中心として、第2の方向の軸上の対称の位置に形成された複数の穴部を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のステージ装置。
  8. 前記第3保持手段の前記保持構造は、前記第3保持手段の位置を中心として、第1の方向の対称の位置に形成された複数の穴部を更に有し、
    前記第2の方向に形成された前記複数の穴部の開口幅は、前記第1の方向に形成された前記複数の穴部の開口幅より大きく構成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載のステージ装置。
  9. 前記第3保持手段の前記保持構造は、前記複数の穴部の間に構成されることを特徴とする請求項7または8に記載のステージ装置。
  10. 前記ステージ板上で前記板状部材を保持し、前記線膨張係数の相違に基づいて前記ステージ板と前記板状部材との間に生じた相対的な変形を前記第1の方向および前記第2の方向において許容する第4保持手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のステージ装置。
  11. 前記板状部材は、
    前記第4保持手段で保持される端部において、前記第1の方向および前記第2の方向に交差する第3の方向に付勢力を発生させる付勢手段を備える
    ことを特徴とする請求項10に記載のステージ装置。
  12. 前記第4保持手段は、
    前記付勢力に基づいて、前記板状部材を前記第3の方向に押下して、前記ステージ板に対する前記板状部材の前記第3の方向の変形を拘束する押圧受け部材を備える
    ことを特徴とする請求項11に記載のステージ装置。
  13. 前記付勢手段は、前記板状部材の端部に保持された圧縮ばねと、前記圧縮ばねに接続されたボール部材により構成されていることを特徴とする請求項11または12に記載のステージ装置。
  14. 前記第2保持手段および前記第3保持手段は、前記板状部材に構成されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のステージ装置。
  15. 前記第2保持手段および前記第3保持手段は、前記ステージ板に構成されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のステージ装置。
  16. 第1の方向および前記第1の方向に対して交差する第2の方向に広がりを有する板状のステージ板と、前記ステージ板とは異なる線膨張係数の板状部材と、を有するステージ装置であって、
    前記第2の方向の剛性より前記第1の方向の剛性が低い保持構造により前記板状部材を保持し、前記線膨張係数の相違に基づいて前記ステージ板と前記板状部材との間に生じた第1の方向の変形を前記保持構造の弾性変形により吸収する保持手段と、
    前記第1の方向の剛性より前記第2の方向の剛性が低い保持構造により前記板状部材を保持し、前記線膨張係数の相違に基づいて前記ステージ板と前記板状部材との間に生じた第2の方向の変形を前記保持構造の弾性変形により吸収する保持手段と、
    を備えることを特徴とするステージ装置。
  17. 請求項1乃至16のいずれか1項に記載のステージ装置を有することを特徴とする顕微鏡。
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