以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を、図1を参照して説明する。
<構成>
図1には、第1実施形態に係る経路探索システム700Aの構成がブロック図にて示されている。図1に示されるように、経路探索システム700Aは、無線通信装置710Aと、サーバ装置720Aと備えている。第1実施形態では、無線通信装置710Aは、移動体MV0内に配置されている。また、サーバ装置720Aは、例えば、所定の建屋内の固定的な位置に配置されている。そして、サーバ装置720Aと無線通信装置710Aとは、ネットワークを介して、通信可能となっている。
なお、移動体MV0には、無線LANステーション機器4101,…を配置できるようになっている。また、移動体MV0には、位置検出部420が配置され、無線通信装置710Aに接続されている。さらに、移動体MV0には、入力部及び提示部(いずれも不図示)が配置され、無線通信装置710Aに接続されている。
ここで、位置検出部420は、移動体MV0の現在位置を検出する。こうして検出された現在位置の情報は、無線通信装置710Aへ送られる。
また、サーバ装置720Aは、無線通信装置710Aと同様に構成された他の無線通信装置とも通信可能となっているが、図1においては、無線通信装置710Aのみが代表的に示されている。
《無線通信装置710Aの構成》
上記の無線通信装置710Aの構成について、説明する。
無線通信装置710Aは、図1に示されるように、無線LAN通信部711と、信号検出部713と、制御部714Aとを備えている。また、無線通信装置710Aは、端末送信部715Aと、端末受信部716Aとを備えている。
上記の無線LAN通信部711は、無線LANアクセスポイントの機能を有し、アンテナ712を介して無線通信を行う。この無線LAN通信部711は、制御部714Aにより指定された通信利用チャンネルを利用して無線通信を行う。かかる無線通信は、移動体MV0内に位置する無線LANステーション機器4101,…との間における無線通信となっている。ここで、無線LAN通信部711が無線通信を行う無線LANステーション機器としては、例えば、スマートフォン、携帯ゲーム機等の携帯情報端末装置が挙げられる。
なお、無線LAN通信部711は、アンテナ712で受けた電波に対応する無線信号を2分割する。そして、無線LAN通信部711は、分割信号の一方を、無線LANアクセスポイントの機能を実行するために利用する。また、無線LAN通信部711は、分割信号の他方を、信号検出部713へ送る。
上記の信号検出部713は、無線LAN通信部711から送られた分割信号を受ける。そして、信号検出部713は、当該分割信号を解析し、無線LAN通信部711による無線通信についての利用よりも、優先的に無線通信チャンネルの周波数帯を利用可能な利用優先機器が発信する所定パワー以上の信号の有無を検出する。信号検出部713による検出結果は、制御部714Aへ送られる。
上記の制御部714Aは、位置検出部420から送られた移動体MV0の現在位置の情報を受ける。また、制御部714Aは、信号検出部713から送られた検出結果を受ける。引き続き、制御部714Aは、信号検出部713から送られた検出結果に基づいて利用優先機器が発信する信号の検出の有無についての情報を生成する。そして、制御部714Aは、当該情報を移動体MV0の現在位置(すなわち、検出位置。以下「検出位置」ともいう)の情報とともに、端末送信部715Aへ送る。
ここで、利用優先機器が発信する信号の検出の有無についての情報には、検出の有無に加えて、当該有無を確認したチャンネル周波数帯(以下、「確認チャンネル周波数帯」とも記す)の情報が含まれている。
また、制御部714Aは、入力部から、目的地が指定された探索指示を受ける。当該探索指示を受けると、制御部714Aは、移動体MV0の現在位置の情報及び目的位置の情報を含む経路探索指令を生成して、端末送信部715Aへ送る。
また、制御部714Aは、端末受信部716Aから送られた経路情報を受ける。ここで、経路情報には、走行経路情報及び通信利用チャンネル情報が含まれている。そして、制御部714Aは、経路情報に含まれる通信利用チャンネル情報を参照して、無線LAN通信部711に対して通信利用チャンネルを指定する。また、制御部714Aは、経路情報に含まれる走行経路情報を、提示部へ送る。
また、制御部714Aは、DFS機能の制御を行う。このDFS機能には、無線LANステーション機器4101,…との無線通信を開始する前に利用優先機器が発信する信号の確認を行う運用前モニタリング(Channel Availability Check:CAS)、及び、無線LANステーション機器4101,…との無線通信中に利用優先機器が発信する信号の確認を行う運用中モニタリング(In-Service Monitoring:ISM)等がある。
制御部714Aによる制御処理の詳細については、後述する。
上記の端末送信部715Aは、制御部714Aから送られた利用優先機器が発信する信号の検出の有無についての情報及び検出位置の情報を受ける。そして、端末送信部715Aは、当該情報を、ネットワークを介して、サーバ装置720Aへ送信する。
また、端末送信部715Aは、制御部714Aから送られた経路探索指令を受ける。そして、端末送信部715Aは、当該経路探索指令を、ネットワークを介して、サーバ装置720Aへ送信する。
上記の端末受信部716Aは、サーバ装置720Aから、ネットワークを介して、経路情報を受信する。そして、端末受信部716Aは、当該経路情報を制御部714Aへ送る。
《サーバ装置720Aの構成》
上記のサーバ装置720Aの構成について、説明する。
サーバ装置720Aは、図1に示されるように、サーバ受信部721Aと、記憶部722と、取得部723と、生成部724とを備えている。また、サーバ装置720Aは、探索部725Aと、サーバ送信部726Aとを備えている。
上記のサーバ受信部721Aは、無線通信装置710Aを含む複数の無線通信装置から、ネットワークを介して、利用優先機器が発信する信号の検出の有無についての情報(以下、「利用優先機器信号情報」とも記す)を、移動体の現在位置(検出位置)の情報とともに受信する。そして、サーバ受信部721Aは、当該情報を取得部723へ送る。また、サーバ受信部721Aは、無線通信装置710Aから、ネットワークを介して、移動体MV0の現在位置及び目的位置が指定された経路探索指令を受ける。そして、サーバ受信部721Aは、当該経路探索指令を探索部725Aへ送る。
上記の記憶部722は、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置を備えて構成されている。記憶部722には、サーバ装置720Aで利用される様々な情報データが記憶されている。こうした情報データには、干渉チャンネル情報及び地図情報が含まれている。この記憶部722には、生成部724及び探索部725Aがアクセス可能となっている。
干渉チャンネル情報は、複数の地理領域のそれぞれにおける複数のチャンネル周波数帯ごとの利用優先機器が発信する信号の検出に関する情報となっている。この干渉チャンネル情報には、当該複数の地理領域のそれぞれに関する個別干渉チャンネル情報が含まれている。かかる個別干渉チャンネル情報は、チャンネル周波数帯ごとに、利用優先機器が発信する信号の有無についての確認済かを示す「確認済情報」を含んでいる。そして、確認済情報が「確認済」である場合には、個別干渉チャンネル情報には、利用優先機器が発信する信号の検出の有無を示す「検出有無情報」が含まれている。また、確認済情報が「未確認」である場合には、個別干渉チャンネル情報には、利用優先機器が発信する信号の検出の有無についての推定結果を示す「検出有無推定情報」が含まれることがある。
また、個別干渉チャンネル情報には、チャンネル周波数帯ごとに、無線通信の利用に関する優先度が付されるようになっている。ここで、過去から現在に渡って、検出有無情報又は検出有無推定情報が「無」である場合には、最上位の優先度が付される。また、検出有無情報又は検出有無推定情報が過去に「有」であったが、現在では「無」である場合には、最上位よりも低い優先度が付される。また、現在において、検出有無情報又は検出有無推定情報が「有」である場合には、最下位の優先度が付される。この干渉チャンネル情報は、生成部724が生成し、記憶部722内に記憶する。なお、第1実施形態では、最上位の優先度の「高」、最上位よりも低い優先度を「中」最下位の優先度を「低」とする。
地図情報には、ノード(交差点等)位置情報、ノード間を結ぶ道路リンク情報、並びに、各道路リンクの走行時間情報及び走行距離情報等が含まれている。
上記の取得部723は、サーバ受信部721Aから送られた利用優先機器信号情報及び検出位置の情報を受ける。こうして取得された利用優先機器信号情報及び検出位置の情報は、生成部724へ送られる。
上記の生成部724は、取得部723から送られた利用優先機器信号情報及び検出位置の情報を受ける。当該情報を受けると、生成部724は、干渉チャンネル情報を生成する。
かかる干渉チャンネル情報の生成に際して、生成部724は、検出位置が属している領域を特定する。引き続き、生成部724は、記憶部722の干渉チャンネル情報にアクセスして、当該領域に対応する個別干渉チャンネル情報を読み取る。そして、生成部724は、当該個別干渉チャンネル情報の内容を、利用優先機器信号情報の内容に反映することにより、干渉チャンネル情報を生成する。生成部724による干渉チャンネル情報の生成処理の詳細については、後述する。
上記の探索部725Aは、サーバ受信部721Aから送られた経路探索指令を受ける。当該経路探索指令を受けると、探索部725Aは、記憶部722内の干渉チャンネル情報及び地図情報を参照して、移動体MV0の現在位置から目的位置(目的地)までの経路を探索する。かかる経路探索に際して、探索部725Aは、無線通信に利用するチャンネル周波数帯の切り替えの回数を抑制する目的位置までの走行経路を探索する。そして、探索部725Aは、探索された走行経路の情報及び当該走行経路で無線通信に利用する通信利用チャンネルの情報を含んだ経路情報を生成し、サーバ送信部726Aへ送る。探索部725Aによる経路探索処理の詳細については、後述する。
上記のサーバ送信部726Aは、探索部725Aから送られた経路情報を受ける。そして、サーバ送信部726Aは、当該経路情報を、ネットワークを介して、無線通信装置710Aへ送信する。
<動作>
以上のようにして構成された経路探索システム700Aの動作について、説明する。
《無線通信装置710Aの動作》
無線通信装置710Aの動作について、説明する。
前提として、位置検出部420は動作を開始しており、検出された移動体MV0の現在位置の情報を、逐次、無線通信装置710Aへ送っているものとする。また、当初においては、無線LAN通信部711は、無線LANステーション機器4101,…との間で通信を行っていないものとする。
こうした状態で、利用者が目的地を指定した経路探索指定を入力部に入力すると、当該経路探索指定に対応した探索指示を制御部714Aが受ける。こうして探索指示を受けると、制御部714Aは、移動体MV0の現在位置及び目的位置を指定した経路探索指令を生成し、端末送信部715Aへ送る。そして、端末送信部715Aが、当該経路探索指令を、ネットワークを介して、サーバ装置720Aへ送信する。
この後、端末受信部716Aが、サーバ装置720Aから送信された経路情報を受信すると、当該経路情報を制御部714Aへ送る。経路情報を受けると、制御部714Aは、経路情報に含まれる走行経路情報を、提示部へ送る。この結果、提示部に、移動体MV0の現在位置から目的位置までの走行経路が提示される。
また、制御部714Aは、経路情報に含まれる通信利用チャンネル情報を参照して、通信利用チャンネルを指定した通信前指令を無線LAN通信部711へ送る。引き続き、制御部714Aは、信号検出部713による検出結果を取得し、通信利用チャンネルの周波数帯に優先利用機器が発信した信号が有るか否かの第1干渉判定である運用前モニタリングを行う。ここで、信号検出部713による検出結果には、指定された通信利用チャンネルの周波数帯での、利用優先機器が発信する所定パワー以上の信号の有無が示されている。
そして、制御部714Aは、運用前モニタリングにより優先利用機器が発信した信号が無いと判定した場合には、通信開始指令を無線LAN通信部711へ送る。この結果、無線LAN通信部711は、指定された通信利用チャンネルを利用した無線通信を開始する。引き続き、制御部714Aは、優先利用機器が発信した信号が無い旨の利用優先機器信号情報を生成し、当該利用優先機器信号情報を移動体MV0の現在位置の情報とともに、端末送信部715Aへ送る。そして、端末送信部715Aが、当該情報を、ネットワークを介して、サーバ装置720Aへ送信する。
なお、制御部714Aは、運用前モニタリングにより優先利用機器が発信した信号が有ると判定した場合には、直ちに、通信停止指令を無線LAN通信部711へ送るようになっている。そして、制御部714Aは、優先利用機器が発信した信号が有る旨の利用優先機器信号情報を生成し、当該利用優先機器信号情報を移動体MV0の現在位置の情報とともに、端末送信部715Aへ送る。また、運用前モニタリングにより優先利用機器が発信した信号が有ると判定した場合には、制御部714Aは、移動体MV0の現在位置及び目的位置を指定した経路探索指令を生成する。そして、制御部714Aは、端末送信部715A及びネットワークを介して、当該指令をサーバ装置720Aに送信する。
無線LAN通信部711が無線通信を開始すると、制御部714Aは、移動体MV0の移動中において、信号検出部713による検出結果に基づいて、通信利用チャンネルの周波数帯に優先利用機器が発信した信号が有るか否かの第2干渉判定である運用中モニタリングを行う。そして、制御部714Aは、運用中モニタリングにより優先利用機器が発信した信号が無いと判定した場合には、定期的に、優先利用機器が発信した信号が無い旨の利用優先機器信号情報を生成し、当該利用優先機器信号情報を移動体MV0の現在位置の情報とともに、端末送信部715Aへ送る。端末送信部715Aは、制御部714Aから送られた当該情報を受けると、ネットワークを介して、サーバ装置720Aに送信する。
なお、制御部714Aは、運用中モニタリングにより優先利用機器が発信した信号が有ると判定した場合には、直ちに、通信停止指令を無線LAN通信部711へ送るようになっている。そして、制御部714Aは、優先利用機器が発信した信号が有る旨の利用優先機器信号情報を生成し、当該利用優先機器信号情報を移動体MV0の現在位置の情報とともに、端末送信部715Aへ送る。また、運用中モニタリングにより優先利用機器が発信した信号が有ると判定した場合には、制御部714Aは、移動体MV0の現在位置及び目的位置を指定した経路探索指令を生成する。そして、制御部714Aは、端末送信部715A及びネットワークを介して、当該情報をサーバ装置720Aに送信する。
《サーバ装置720Aの動作》
サーバ装置720Aの動作について、説明する。
(干渉チャンネル情報の生成処理)
サーバ装置720Aによる干渉チャンネル情報の生成処理について、説明する。
ネットワークを介して、サーバ受信部721Aが、無線通信装置710Aを含む、複数の移動体のそれぞれに配置された無線通信装置のいずれかから、利用優先機器信号情報を検出位置とともに受信すると、当該情報を取得部723へ送る。そして、取得部723が、サーバ受信部721Aから送られた当該情報を、生成部724へ送る。
生成部724は、利用優先機器信号情報及び検出位置の情報を受けると、まず、検出位置が属している領域を特定する。引き続き、生成部724は、記憶部722の干渉チャンネル情報を参照して、当該領域に対応する個別干渉チャンネル情報を読み取る。次いで、生成部724は、読み取った個別干渉チャンネル情報における確認チャンネル周波数帯の確認済情報が「未確認」であるか否かを判定する。そして、生成部724は、個別干渉チャンネル情報における確認チャンネル周波数帯の確認済情報が「未確認」である場合には、確認済情報を「確認済」にする。次に、生成部724は、利用優先機器信号情報に基づいて、検出有無情報を「無」又は「有」のいずれかにする。そして、生成部724は、検出有無情報を「無」にした場合には、優先度を「高」に設定する。また、生成部724は、検出有無情報を「有」にした場合には、優先度を「低」に設定する。
一方、個別干渉チャンネル情報における確認チャンネル周波数帯の確認済情報が「確認済」である場合には、生成部724は、利用優先機器信号情報に基づいて、検出有無情報を「無」又は「有」のいずれかに更新する。そして、生成部724は、検出有無情報を「有」から「無」に更新した場合には、優先度を「中」に設定する。また、生成部724は、検出有無情報を「無」から「有」に更新した場合には、優先度を「低」に設定する。なお、生成部724は、検出有無情報の内容に変化がない場合には、優先度を変化させない。
また、生成部724は、確認済情報が「未確認」となっている領域については、同一チャンネル周波数帯の確認済情報が「確認済」となっている領域の検出有無情報に基づいて、検出の「有」又は「無」を推定するとともに、優先度の「高」、「中」又は「低」を推定する。
以後、無線通信装置710Aを含む、複数の移動体のそれぞれに配置された無線通信装置のいずれかから、利用優先機器信号情報及び検出位置の情報を受けるごとに、生成部724は、上述した干渉チャンネル情報の生成及び更新処理を行う。
(経路探索処理)
サーバ装置720Aによる経路探索処理について、説明する。
無線通信装置710Aから送信された経路探索指令を、ネットワークを介してサーバ受信部721Aが受信すると、当該経路探索指令を探索部725Aへ送る。探索部725Aは、経路探索指令を受けると、まず、記憶部722内の地図情報を参照して、移動体MV0の現在位置から目的位置までの道路リンク候補を組み合せた複数の走行経路候補を抽出する。
引き続き、探索部725Aは、記憶部722内の干渉チャンネル情報を参照して、同一のチャンネル周波数帯で、優先度が「高」に設定されている領域のみを通る走行経路候補が存在するか否かの第1優先経路判定を行う。そして、第1優先経路判定の結果が肯定的であった場合には、探索部725Aは、第1優先経路判定の結果が肯定的である走行経路候補のうちから、走行距離が最短となる走行経路候補を、推奨走行経路として探索する。
一方、第1優先経路判定の結果が否定的であった場合には、探索部725Aは、干渉チャンネル情報を参照して、同一のチャンネル周波数帯で、優先度が「高」又は「中」に設定されている領域のみを通る走行経路候補が存在するか否かの第2優先経路判定を行う。そして、第2優先経路判定の結果が肯定的であった場合には、探索部725Aは、第2優先経路判定の結果が肯定的である走行経路候補のうちから、走行距離が最短となる走行経路候補を、推奨走行経路として探索する。
なお、第1実施形態では、第2優先経路判定の結果が否定的であった場合には、探索部725Aは、無線通信チャンネルの切り替え回数が最小となる走行経路候補を、推奨走行経路として探索するようになっている。
こうして推奨走行経路が探索されると、探索部725Aは、推奨走行経路を走行経路とする走行経路の情報及び当該走行経路で無線通信に利用する通信利用チャンネルの情報を含む経路情報を生成して、サーバ送信部726Aへ送る。そして、サーバ送信部726Aが、当該経路情報を、ネットワークを介して、無線通信装置710Aに送信する。
以上説明したように、第1実施形態では、サーバ装置720Aの取得部723が、無線通信装置710Aを含む、複数の移動体のそれぞれに配置された無線通信装置のいずれかから、利用優先機器信号情報及び検出位置の情報を取得し、当該情報を生成部724へ送る。生成部724は、当該情報を受けると、検出位置が属している領域を特定する。そして、生成部724は、記憶部722の干渉チャンネル情報にアクセスし、特定された領域に対応する個別干渉チャンネル情報における確認チャンネル周波数帯の確認済情報及び検出有無情報の内容を、利用優先機器信号情報の内容に反映するとともに、無線通信の利用に関する優先度を付与して、干渉チャンネル情報を生成する。また、生成部724は、干渉チャンネル情報の生成に際して、確認済情報が「未確認」となっている領域については、同一チャンネル周波数帯の確認済情報が「確認済」となっている領域の検出有無情報に基づいて、検出の「有」又は「無」を推定するとともに、優先度の「高」、「中」又は「低」を推定する。
こうした干渉チャンネル情報が生成されている状態で、利用者が目的地を指定した経路探索指定を入力部に入力すると、無線通信装置710Aが、経路探索指令を生成し、サーバ装置720Aに送信する。そして、サーバ装置720Aの探索部725Aが、経路探索指令を受ける。探索部725Aは、経路探索指令を受けると、地図情報を参照して、移動体MV0の現在位置から目的位置までの道路リンク候補を組み合せた複数の走行経路候補を抽出する。
引き続き、探索部725Aは、干渉チャンネル情報を参照して、同一のチャンネル周波数帯で、優先度が「高」に設定されている領域のみを通る走行経路候補が存在するか否かの第1優先経路判定を行う。そして、当該判定の結果が肯定的であった場合には、探索部725Aは、第1優先経路判定の結果が肯定的である走行経路候補のうちから、走行距離が最短となる走行経路候補を、推奨走行経路として探索する。
一方、第1優先経路判定の結果が否定的であった場合には、探索部725Aは、同一のチャンネル周波数帯で、優先度が「高」又は「中」に設定されている領域のみを通る走行経路候補が存在するか否かの第2優先経路判定を行う。そして、当該判定の結果が肯定的であった場合には、探索部725Aは、第2優先経路判定の結果が肯定的である走行経路候補のうちから、優先度が「中」に設定されている領域をより少なく走行する走行経路候補を、推奨走行経路として探索する。なお、優先度が「中」に設定されている領域をより少なく走行する走行経路候補が複数ある場合には、当該複数の経路のうちから、走行距離が最短となる走行経路候補を、推奨走行経路として探索する。
こうして推奨走行経路が探索されると、探索部725Aは、推奨走行経路を走行経路とする走行経路情報及び当該走行経路で無線通信に利用する通信利用チャンネルの情報を含んだ経路情報を生成して、無線通信装置710Aに送信する。経路情報を受信した無線通信装置710Aでは、制御部714Aが、経路情報に含まれる通信利用チャンネル情報を参照して、無線LAN通信部711に対して通信利用チャンネルを指定する。また、制御部714Aは、経路情報に含まれる走行経路情報を、提示部へ送る。
したがって、第1実施形態によれば、移動体とともに移動する無線通信装置が、当該移動体に配置された無線LANアクセスポイント機器を介して通信を行う際に、DFS機能動作による無線通信チャンネルの切り替えを抑制することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を、図2を参照して説明する。
<構成>
図2には、第2実施形態に係る経路探索システム700Bの構成がブロック図にて示されている。図2に示されるように、経路探索システム700Bは、上述した第1実施形態の経路探索システム700Aと比べて、無線通信装置710Aに代えて無線通信装置710Bを備えている点、及び、サーバ装置720Aに代えてサーバ装置720Bを備えている点が異なっている。
第2実施形態では、無線通信装置710Bは、上述した第1実施形態の無線通信装置710Aの場合と同様に、移動体MV0内に配置されている。また、サーバ装置720Bは、上述した第1実施形態のサーバ装置720Aの場合と同様に、建屋内の固定的な位置に配置されている。そして、サーバ装置720Bと無線通信装置710Bとは、ネットワークを介して、通信可能となっている。
なお、移動体MV0には、第1実施形態の場合と同様に、無線LANステーション機器4101,…を配置できるようになっている。また、移動体MV0には、第1実施形態の場合と同様に、位置検出部420が配置され、無線通信装置710Bに接続されている。さらに、移動体MV0には、入力部及び提示部(いずれも不図示)が配置され、無線通信装置710Bに接続されている。
また、サーバ装置720Bは、無線通信装置710Bと同様に構成された他の無線通信装置とも通信可能となっているが、図2においては、無線通信装置710Bのみが代表的に示されている。
《無線通信装置710Bの構成》
上記の無線通信装置710Bの構成について、説明する。
無線通信装置710Bは、図2に示されるように、上述した第1実施形態の無線通信装置710Aと比べて、制御部714Aに代えて制御部714Bを備えている点、端末送信部715Aに代えて端末送信部715Bを備えている点、端末受信部716Aに代えて端末受信部716Bを備えている点、並びに、地図情報記憶部718及び探索部725Bを更に備えている点が異なっている。以下、この相違点に主に着目して説明する。
上記の制御部714Bは、入力部から、目的地が指定された探索指示を受けると、移動体MV0の現在位置の情報及び目的位置の情報を含む経路探索指令を生成する。そして、制御部714Bは、当該経路探索指令を探索部725Bへ送る。また、制御部714Bは、経路探索指令を探索部725Bへ送る際に、経路探索における移動体MV0の現在位置の情報及び目的位置の情報を指定した干渉情報取得指令を生成し、端末送信部715Bへ送る。
また、制御部714Bは、探索部725Bから送られた経路情報を受ける。そして、制御部714Bは、経路情報に含まれる通信利用チャンネル情報を参照して、無線LAN通信部711に対して通信利用チャンネルを指定する。また、制御部714Bは、経路情報に含まれる走行経路情報を、提示部へ送る。
また、制御部714Bは、上述した制御部714Aと同様にして、位置検出部420から送られた移動体MV0の現在位置の情報、及び、信号検出部713から送られた検出結果を受ける。そして、制御部714Bは、信号検出部713から送られた検出結果に基づいて利用優先機器信号情報を生成し、当該利用優先機器信号情報を移動体MV0の現在位置の情報とともに、端末送信部715Bへ送る。
また、制御部714Bは、上述した制御部714Aと同様にして、DFS機能の制御を行う。
上記の端末送信部715Bは、上述した端末送信部715Aと同様にして、制御部714Bから送られた利用優先機器信号情報及び検出位置の情報を受ける。そして、端末送信部715Bは、当該情報を、ネットワークを介して、サーバ装置720Bへ送信する。
また、端末送信部715Bは、制御部714Bから送られた干渉情報取得指令を受ける。そして、端末送信部715Bは、当該干渉情報取得指令を、ネットワークを介して、サーバ装置720Bへ送信する。
上記の端末受信部716Bは、サーバ装置720Bから、ネットワークを介して、干渉チャンネル情報を受信する。そして、端末受信部716Bは、当該干渉チャンネル情報を探索部725Bへ送る。
上記の地図情報記憶部718は、不揮発性の記憶素子を備えて構成されている。地図情報記憶部718には、地図情報が記憶されている。この地図情報には、ノード(交差点等)位置情報、ノード間を結ぶ道路リンク情報、並びに、各道路リンクの走行時間情報及び走行距離情報等が含まれている。
上記の探索部725Bは、制御部714Bから送られた経路探索指令を受ける。また、探索部725Bは、端末受信部716Bから送られた干渉チャンネル情報を受ける。こうして経路探索指令及び干渉チャンネル情報を受けると、探索部725Bは、地図情報記憶部718内の地図情報を参照して、上述した探索部725Aと同様にして、無線通信に利用するチャンネル周波数帯の切り替えの回数を抑制する目的位置までの走行経路を探索する。そして、探索部725Bは、探索された走行経路の情報及び当該走行経路で無線通信に利用する通信利用チャンネルの情報を含んだ経路情報を生成し、制御部714Bへ送る。
《サーバ装置720Bの構成》
上記のサーバ装置720Bの構成について、説明する。
サーバ装置720Bは、図2に示されるように、上述した第1実施形態のサーバ装置720Aと比べて、サーバ受信部721Aに代えてサーバ受信部721Bを備えている点、サーバ送信部726Aに代えてサーバ送信部726Bを備えている点、干渉情報取得部729を更に備えている点、及び、探索部725Aを備えていない点が異なっている。以下、この相違点に主に着目して説明する。
上記のサーバ受信部721Bは、上述したサーバ受信部721Aと同様にして、複数の無線通信装置から、ネットワークを介して、利用優先機器信号情報を検出位置の情報とともに受信する。そして、サーバ受信部721Bは、当該情報を取得部723へ送る。
また、サーバ受信部721Bは、無線通信装置710Bから、ネットワークを介して、干渉情報取得指令を受ける。そして、サーバ受信部721Bは、当該干渉情報取得指令を干渉情報取得部729へ送る。
上記の干渉情報取得部729は、サーバ受信部721Bから送られた干渉情報取得指令を受ける。当該干渉情報取得指令を受けると、干渉情報取得部729は、記憶部722にアクセスして、移動体MV0の現在位置から目的位置までの経路を含む拡大地域の干渉チャンネル情報を取得する。そして、干渉情報取得部729は、取得した干渉チャンネル情報をサーバ送信部726Bへ送る。
ここで、干渉情報取得部729が取得する拡大地域の干渉チャンネル情報としては、例えば、移動体MV0の現在位置及び目的位置が埼玉県である場合には、埼玉県全域の干渉チャンネル情報とすることができる。
上記のサーバ送信部726Bは、干渉情報取得部729から送られた干渉チャンネル情報を受ける。そして、サーバ送信部726Bは、当該干渉チャンネル情報を、ネットワークを介して、無線通信装置710Bへ送る。
<動作>
以上のようにして構成された経路探索システム700Bの動作について、説明する。
《無線通信装置710Bの動作》
無線通信装置710Bの動作について、説明する。
前提として、位置検出部420は動作を開始しており、検出された移動体MV0の現在位置の情報を、逐次、無線通信装置710Bへ送っているものとする。また、当初においては、無線LAN通信部711は、無線LANステーション機器4101,…との間で通信を行っていないものとする。
こうした状態で、利用者が目的地を指定した経路探索指定を入力部に入力すると、当該経路探索指定に対応した探索指示を制御部714Bが受ける。こうして経路探索指示を受けると、制御部714Bは、移動体MV0の現在位置及び目的位置を指定した経路探索指令を生成し、探索部725Bへ送る。また、制御部714Bは、経路探索における移動体MV0の現在位置の情報及び目的位置の情報を指定した干渉情報取得指令を生成し、端末送信部715Bへ送る。そして、端末送信部715Bが、当該干渉情報取得指令を、ネットワークを介して、サーバ装置720Bへ送信する。
この後、端末受信部716Bが、サーバ装置720Bから送信された干渉チャンネル情報を受信すると、当該干渉チャンネル情報を探索部725Bへ送る。経路探索指令及び干渉チャンネル情報を受けた探索部725Bは、地図情報記憶部718内の地図情報を参照して、上述した第1実施形態の場合と同様にして、無線通信に利用するチャンネル周波数帯の切り替えの回数を抑制する目的位置までの走行経路を探索する。そして、探索部725Bは、探索された走行経路の情報及び当該走行経路で無線通信に利用する通信利用チャンネルの情報を含む経路情報を生成して、制御部714Bへ送る。
こうして探索部725Bから送られた経路情報を受けると、制御部714Bは、経路情報に含まれる走行経路情報を、提示部へ送る。この結果、提示部に、移動体MV0の現在位置から目的位置までの走行経路が提示される。また、制御部714Bは、経路情報に含まれる通信利用チャンネル情報を参照して、通信利用チャンネルを指定した通信前指令を無線LAN通信部711へ送る。そして、制御部714Bは、運用前モニタリングを実行する。以後の無線通信装置710Bの動作は、第1実施形態の場合と同様である。
《サーバ装置720Bの動作》
サーバ装置720Bの動作について、説明する。
(干渉チャンネル情報の生成処理)
サーバ装置720Bによる干渉チャンネル情報の生成処理は、サーバ装置720Aの場合と全く同様に行われる。
以上説明したように、第2実施形態では、第1実施形態の場合と同様にして、サーバ装置720Bが、無線通信装置710Bを含む、複数の移動体のそれぞれに配置された無線通信装置のいずれかから、利用優先機器信号情報及び検出位置の情報を取得し、当該情報を生成部724へ送る。生成部724が、当該情報を受けると、第1実施形態の場合と同様にして、干渉チャンネル情報を生成する。
こうした干渉チャンネル情報が生成されている状態で、利用者が目的地を指定した経路探索指定を入力部に入力すると、無線通信装置710Bの制御部714Bが、経路探索指令を生成し、探索部725Bへ送る。また、制御部714Bは、干渉情報取得指令を生成して、サーバ装置720Bに送信する。そして、サーバ装置720Bの干渉情報取得部729が、干渉情報取得指令を受ける。干渉情報取得部729は、干渉情報取得指令を受けると、記憶部722にアクセスして、干渉チャンネル情報を取得する。そして、干渉情報取得部729は、取得した干渉チャンネル情報を、無線通信装置710Bの探索部725Bに送信する。
探索部725Bは、経路探索指令及び干渉チャンネル情報を受けると、地図情報を参照して、移動体MV0の現在位置から目的位置までの道路リンク候補を組み合せた複数の走行経路候補を抽出する。
引き続き、探索部725Bは、干渉チャンネル情報を参照して、同一のチャンネル周波数帯で、優先度が「高」に設定されている領域のみを通る走行経路候補が存在するか否かの第1優先経路判定を行う。そして、当該判定の結果が肯定的であった場合には、探索部725Bは、第1優先経路判定の結果が肯定的である走行経路候補のうちから、走行距離が最短となる走行経路候補を、推奨走行経路として探索する。
一方、第1優先経路判定の結果が否定的であった場合には、探索部725Bは、同一のチャンネル周波数帯で、優先度が「高」又は「中」に設定されている領域のみを通る走行経路候補が存在するか否かの第2優先経路判定を行う。そして、当該判定の結果が肯定的であった場合には、探索部725Bは、第2優先経路判定の結果が肯定的である走行経路候補のうちから、優先度が「中」に設定されている領域をより少なく走行する走行経路候補を、推奨走行経路として探索する。なお、優先度が「中」に設定されている領域をより少なく走行する走行経路候補が複数ある場合には、当該複数の経路のうちから、走行距離が最短となる走行経路候補を、推奨走行経路として探索する。
こうして推奨走行経路が探索されると、探索部725Bは、推奨走行経路を走行経路とする走行経路情報及び当該走行経路で無線通信に利用する通信利用チャンネルの情報を含んだ経路情報を生成して、制御部714Bへ送る。経路情報を受けた制御部714Bは、経路情報に含まれる通信利用チャンネル情報を参照して、無線LAN通信部711に対して通信利用チャンネルを指定する。また、制御部714Bは、経路情報に含まれる走行経路情報を、提示部へ送る。
したがって、第2実施形態によれば、上述した第1実施形態の場合と同様に、移動体とともに移動する無線通信装置が、当該移動体に配置された無線LANアクセスポイント機器を介して通信を行う際に、DFS機能動作による無線通信チャンネルの切り替えを抑制することができる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記の第1及び第2実施形態では、探索部は、第1優先経路判定又は第2優先経路判定の結果が肯定的である走行経路候補が複数存在する場合に、走行距離が最短となる目的地までの経路を推奨走行経路として探索したが、走行時間が最短となる経路を推奨走行経路として探索するようにしてもよい。
また、上記の第1及び第2実施形態では、利用優先機器の種類を特に想定しなかったが、利用優先機器の種類に応じて必要となる処理を更に行うようにしてもよい。
なお、上記の第1実施形態における無線通信装置710Aの制御部714A、並びに、サーバ装置720Aの取得部723、生成部724及び探索部725Aを、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)等を備えた演算手段としてのコンピュータとして構成し、予め用意されたプログラムを当該コンピュータで実行することにより、これらの要素の処理の一部又は全部を実行するようにしてもよい。このプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体からロードされて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
また、上記の第2実施形態における無線通信装置710Bの制御部714B及び探索部725B、並びに、サーバ装置720Bの取得部723、生成部724及び干渉情報取得部729を、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)等を備えた演算手段としてのコンピュータとして構成し、予め用意されたプログラムを当該コンピュータで実行することにより、これらの要素の処理の一部又は全部を実行するようにしてもよい。このプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体からロードされて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
以下、本発明の実施例を、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[構成]
図3には、一実施例に係る経路探索システム100の概略的な構成がブロック図にて示されている。この経路探索システム100は、上述した第1実施形態の経路探索システム700A(図1参照)の一態様となっている。
図3に示されるように、経路探索システム100は、無線通信装置200と、サーバ装置300とを備えている。ここで、無線通信装置200は、上述した第1実施形態の無線通信装置710Aの一態様となっており、サーバ装置300は、上述した第1実施形態のサーバ装置720Aの一態様となっている。
本実施例では、無線通信装置200は、車両CR0内に配置されている。この車両CR0には、無線通信装置200に接続される経路案内装置450が配置されている。また、サーバ装置300は、例えば、所定の建屋内の固定的な位置に配置されている。そして、サーバ装置300と無線通信装置200とは、ネットワークを介して、通信可能となっている。
また、サーバ装置300は、車両CR1,…のそれぞれに配置され、無線通信装置200と同様に構成された他の無線通信装置とも通信可能となっている。
ここで、経路案内装置450は、GPS(Global Positioning System)受信ユニット、入力ユニット、表示ユニット、音出力ユニット、処理ユニット等(いずれも不図示)を備えて構成されている。経路案内装置450は、GPS測位法等により、車両CR0の現在位置を検出する。そして、経路案内装置450は、検出された現在位置の情報を、無線通信装置200へ送る。すなわち、経路案内装置450は、上述した第1実施形態における位置検出部420の機能を果たすようになっている。
また、経路案内装置450は、利用者による目的地を指定した経路探索指定の入力を受け付ける。こうして経路探索指定の入力を受け付けると、経路案内装置450は、目的地を指定した探索指示を、無線通信装置200へ送る。さらに、経路案内装置450は、無線通信装置200から送られた走行経路情報を受ける。当該走行経路情報を受けると、経路案内装置450は、画像や音声を利用して、利用者に走行経路を案内する。
<無線通信装置200の構成>
上記の無線通信装置200の構成について、説明する。
図4には、無線通信装置200の概略的な構成がブロック図にて示されている。図4に示されるように、無線通信装置200は、アンテナ211を有する無線LAN通信ユニット210と、信号検出ユニット230とを備えている。また、無線通信装置200は、制御ユニット240と、広域ネットワーク通信ユニット250とを備えている。
上記の無線LAN通信ユニット210は、上述した第1実施形態の無線LAN通信部711と同様に構成され、無線LAN通信部711と同様に動作する。この無線LAN通信ユニット210は、制御ユニット240により指定された通信利用チャンネルを利用して、車両CR0内に配置された無線LANステーション機器4101,…と無線通信を行う。
上記の信号検出ユニット230は、利用優先機器が気象レーダである場合における上述した第1実施形態の信号検出部713の機能を果たす。すなわち、信号検出ユニット230は、無線LAN通信ユニット210から送られた分割信号を受ける。そして、信号検出ユニット230は、当該分割信号を解析し、気象レーダが発信する所定パワー以上のレーダ波の存在を検出する。信号検出ユニット230による検出結果は、制御ユニット240へ送られる。
上記の制御ユニット240は、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成され、無線通信装置200の全体を統括制御する。この制御ユニット240が様々なプログラムを実行することにより、無線通信装置200としての各種機能が実現されるようになっている。こうした機能の中には、上述した第1実施形態における制御部714Aの機能も含まれている。
制御ユニット240は、経路案内装置450から送られた車両CR0の現在位置の情報を受ける。また、制御ユニット240は、信号検出ユニット230から送られた検出結果を受ける。引き続き、制御ユニット240は、当該検出結果に基づいて気象レーダが発信するレーダ波の検出の有無についての情報(以下、「レーダ波情報」とも記す)を生成する。そして、制御ユニット240は、広域ネットワーク通信ユニット250を利用し、レーダ波情報及び車両CR0の現在位置の情報を、端末送信データとして、ネットワークを介してサーバ装置300へ送信する。
ここで、レーダ波情報には、検出の有無に加えて、当該有無を確認したチャンネル(以下、「確認チャンネル」とも記す)の情報が含まれている。
また、制御ユニット240は、経路案内装置450から送られた探索指示を受けると、車両CR0の現在位置の情報及び目的位置の情報を含んだ経路探索指令を生成する。そして、制御ユニット240は、広域ネットワーク通信ユニット250を利用し、当該経路探索指令を、端末送信データとして、ネットワークを介してサーバ装置300へ送信する。
また、制御ユニット240は、サーバ装置300から送信され、ネットワークを介して広域ネットワーク通信ユニット250が受信した経路情報(サーバ送信データ)を受ける。そして、制御ユニット240は、経路情報に含まれる通信利用チャンネル情報を参照して、無線LAN通信ユニット210に対して通信利用チャンネルを指定する等の制御を行う。また、制御ユニット240は、経路情報に含まれる走行経路情報を、経路案内装置450へ送る。
この制御ユニット240が実行するプログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該記録媒体からロードされて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
制御ユニット240が実行する処理の詳細については、後述する。
上記の広域ネットワーク通信ユニット250は、制御ユニット240から送られた端末送信データを受ける。そして、広域ネットワーク通信ユニット250は、当該端末送信データを、ネットワークを介してサーバ装置300へ送信する。
また、広域ネットワーク通信ユニット250は、サーバ装置300からネットワークを介して送信されたサーバ送信データを受信する。そして、広域ネットワーク通信ユニット250は、当該サーバ送信データを制御ユニット240へ送る。ここで、広域ネットワーク通信ユニット250は、上述した第1実施形態における端末送信部715A及び端末受信部716Aの機能を果たすようになっている。
<サーバ装置300の構成>
上記のサーバ装置300の構成について、説明する。
図5には、サーバ装置300の概略的な構成がブロック図にて示されている。図5に示されるように、サーバ装置300は、処理ユニット310と、外部通信ユニット330と、記憶ユニット350とを備えている。
上記の処理ユニット310は、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成され、サーバ装置300の全体を統括制御する。この処理ユニット310が様々なプログラムを実行することにより、サーバ装置300としての各種機能が実現されるようになっている。こうした機能の中には、上述した第1実施形態における取得部723、生成部724及び探索部725Aの機能も含まれている。
処理ユニット310は、無線通信装置200から送信され、ネットワークを介して外部通信ユニット330が受信した経路探索指令(端末送信データ)を受ける。経路探索指令を受けると、処理ユニット310は、無線通信に利用するチャンネル周波数帯の切り替えの回数を抑制する目的位置までの走行経路を探索する。
次いで、処理ユニット310は、探索された走行経路の情報及び当該走行経路で無線通信に利用する通信利用チャンネルの情報を含む経路情報を生成する。そして、処理ユニット310は、外部通信ユニット330を利用し、当該経路情報を、サーバ送信データとして、ネットワークを介して無線通信装置200へ送信する。
この処理ユニット310が実行するプログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該記録媒体からロードされて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
処理ユニット310が実行する処理の詳細については、後述する。
上記の外部通信ユニット330は、無線通信装置200からネットワークを介して送信された端末送信データを受信する。そして、外部通信ユニット330は、当該端末送信データを処理ユニット310へ送る。
また、外部通信ユニット330は、処理ユニット310から送られたサーバ送信データを受ける。そして、外部通信ユニット330は、当該サーバ送信データを、ネットワークを介して無線通信装置200へ送信する。ここで、外部通信ユニット330は、上述した第1実施形態におけるサーバ受信部721A及びサーバ送信部726Aの機能を果たすようになっている。
上記の記憶ユニット350は、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置を備えて構成され、サーバ装置300において利用される様々な情報データが記憶される。こうした情報データには、干渉チャンネル情報ICI、地図情報MPI等が含まれている。記憶ユニット350には、処理ユニット310がアクセスできるようになっている。ここで、記憶ユニット350は、上述した記憶部722の機能を果たすようになっている。
上記の地図情報MPIには、ノード位置情報、ノード間を結ぶ道路リンク情報、並びに、各道路リンクの走行時間情報及び走行距離情報等が含まれている。
《干渉チャンネル情報ICIの内容》
上記の干渉チャンネル情報ICIの内容の説明に先立って、本実施例で採用する領域分割について説明する。本実施例では、地図領域が、図6に示されるような複数の領域(j,k)(j=…,jp,…;k=…,kq,…)に仮想的に分割されていることを想定している。ここで、複数の領域(j,k)のそれぞれは、同様の面積を有する矩形状の領域となっている。
なお、複数の領域(j,k)のそれぞれの大きさは、気象レーダ波の到達範囲等を考慮して、予め定められる。例えば、領域の大きさを1km四方とすることができる。
干渉チャンネル情報ICIには、図7に示されるように、領域(j,k)ごとの個別干渉チャンネル情報(j,k)が含まれている。この個別干渉チャンネル情報(j,k)には、チャンネルごとの個別チャンネル情報#m(m=1,…,M)が含まれている。そして、個別チャンネル情報#mには、確認済フラグCFLGと、検出有無フラグDFLGとが含まれている。
確認済フラグCFLGは、「0」又は「1」に設定される。また、検出有無フラグDFLGは、「0,0」、「1,0」又は「1,1」に設定される。
ここで、確認済フラグCFLGは、対応する無線通信チャンネルの周波数帯において、気象レーダが発信するレーダ波の有無についての確認が行われたか否かを示す。確認済フラグCFLGが「0」の場合には、当該確認が一度も行われていないことが示され、確認済フラグCFLGが「1」の場合には、当該確認が一度でも行われたことが示されている。
また、検出有無フラグDFLGは、確認済フラグCFLGが「1」の場合には、対応する無線通信チャンネルの周波数帯での気象レーダが発信するレーダ波の検出の有無を示し、確認済フラグが「0」の場合には、対応する無線通信チャンネルの周波数帯での気象レーダが発信するレーダ波の検出の有無についての推定結果を示す。そして、検出有無フラグDFLGが「0,0」の場合には、過去から現在に渡って、レーダ波の検出又は検出推定が「無」であることが示され、検出有無フラグDFLGが「1,0」の場合には、過去にレーダ波の検出又は検出推定が「有」であったが、現在ではレーダ波の検出又は検出推定が「無」であることが示されている。また、検出有無フラグDFLGが「1,1」の場合には、現在においてレーダ波の検出又は検出推定が「有」であることが示されている。
本実施例では、無線通信に利用するチャンネル周波数帯の切り替えの回数を抑制する目的位置までの走行経路を探索に際して、検出有無フラグDFLG「0,0」の領域については優先度を「高」に設定し、検出有無フラグDFLG「1,0」の領域については優先度を「中」に設定し、検出有無フラグDFLG「1,1」の領域については優先度を「高」に設定するようになっている。
[動作]
以上のようにして構成された経路探索システム100の動作について、無線通信装置200の動作と、サーバ装置300の動作とに分けて説明する。
<無線通信装置200の動作>
無線通信装置200の動作について、制御ユニット240が実行する処理に主に着目して説明する。
前提として、経路案内装置450は動作を開始しており、検出された車両CR0の現在位置の情報を、逐次、無線通信装置200へ送っているものとする。また、当初においては、無線LAN通信ユニット210は、無線LANステーション機器4101,…との間で通信を行っていないものとする。
こうした状態のもとで、図8に示されるように、まず、ステップS11において、制御ユニット240が、経路案内装置450から送られた探索指示を受けたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS11:N)には、ステップS11の処理が繰り返される。
ステップS11の処理の繰り返し中に、制御ユニット240が、経路案内装置450から送られた探索指示を受けて、ステップS11における判定の結果が肯定的になると(ステップS11:Y)、処理はステップS12へ進む。ステップS12では、制御ユニット240が、車両CR0の現在位置及び目的位置を指定した経路探索指令を生成する。そして、制御ユニット240は、広域ネットワーク通信ユニット250を利用し、当該経路探索指令を、ネットワークを介してサーバ装置300へ送信する。
引き続き、ステップS13において、制御ユニット240が、サーバ装置300から送信された経路情報を受信したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS13:N)には、ステップS13の処理が繰り返される。
経路情報を受信し、ステップS13における判定の結果が肯定的になると(ステップS13:Y)、処理はステップS14へ進む。ステップS14では、制御ユニット240が、経路情報に含まれる通信利用チャンネル情報を参照して、通信利用チャンネルを指定した通信前指令を無線LAN通信ユニット210へ送る。そして、制御ユニット240は、信号検出ユニット230による検出結果を取得し、運用前モニタリングとして、通信利用チャンネルの周波数帯に気象レーダが発信したレーダ波が有るか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS14:Y)には、処理は、後述するステップS18へ進む。
ステップS14における判定の結果が否定的であった場合(ステップS14:N)には、処理はステップS15へ進む。ステップS15では、制御ユニット240が、通信開始指令を無線LAN通信ユニット210へ送る。この結果、無線LAN通信ユニット210は、指定された通信利用チャンネルを利用した無線通信を開始する。また、制御ユニット240は、経路情報に含まれる走行経路情報を、経路案内装置450へ送る。この結果、経路案内装置450において、車両CR0の現在位置から目的位置までの走行経路が提示される。
次いで、ステップS16において、制御ユニット240が、通信利用チャンネルの周波数帯に気象レーダが発信したレーダ波が無い旨のレーダ波情報を生成する。そして、制御ユニット240は、広域ネットワーク通信ユニット250を利用し、当該レーダ波情報及び車両CR0の現在位置の情報を、ネットワークを介してサーバ装置300へ送信する。
引き続き、ステップS17において、制御ユニット240が、信号検出ユニット230による検出結果を逐次、取得し、運用中モニタリングとして、通信利用チャンネルの周波数帯に気象レーダが発信したレーダ波が有るか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS17:Y)には、処理はステップS18へ進む。
ステップS18では、制御ユニット240が、通信停止指令を無線LAN通信ユニット210へ送る。次いで、ステップS19において、制御ユニット240が、通信利用チャンネルの周波数帯に気象レーダが発信したレーダ波が有る旨のレーダ波情報を生成する。そして、制御ユニット240は、広域ネットワーク通信ユニット250を利用し、当該レーダ波情報及び車両CR0の現在位置の情報を、ネットワークを介してサーバ装置300へ送信する。この後、処理はステップS12へ戻る。
上述したステップS17における判定の結果が否定的であった場合(ステップS17:N)には、処理はステップS20へ進む。ステップS20では、制御ユニット240が、車両CR0の現在位置の情報を参照して、目的地に到達したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS20:N)には、処理はステップS17へ戻る。
本実施例では、ステップS17,S20の処理の繰り返し中に、制御ユニット240は、定期的に、通信利用チャンネルの周波数帯に気象レーダが発信したレーダ波が無い旨のレーダ波情報を生成する。そして、制御ユニット240は、広域ネットワーク通信ユニット250を利用し、当該レーダ波情報及び車両CR0の現在位置の情報を、ネットワークを介してサーバ装置300へ送信するようになっている。そして、ステップS20における判定の結果が肯定的になると(ステップS20:Y)、無線通信装置200によるレーダ波情報の送信処理が終了する。
<サーバ装置300の動作>
サーバ装置300の動作について、処理ユニット310による干渉チャンネル情報ICIの生成処理、及び、経路探索処理に主に着目して説明する。
《干渉チャンネル情報ICIの生成処理》
処理ユニット310による干渉チャンネル情報ICIの生成処理について、説明する。
干渉チャンネル情報ICIの生成処理については、図9に示されるように、まず、ステップS21において、処理ユニット310が、複数の車両のそれぞれに配置された無線通信装置のいずれかから、レーダ波情報及び当該レーダ波情報についての検出位置の情報を受信したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS21:N)には、ステップS21の処理が繰り返される。
ステップS21の処理の繰り返し中に、処理ユニット310が、レーダ波情報及び検出位置の情報を受けて、ステップS21における判定の結果が肯定的になると(ステップS21:Y)、処理はステップS22へ進む。ステップS22では、処理ユニット310が、検出位置が属している領域を特定する。
引き続き、ステップS23において、処理ユニット310が、特定された領域に対応する個別干渉チャンネル情報を、記憶ユニット350の干渉チャンネル情報ICIから読み取る。そして、処理ユニット310は、読み取った個別干渉チャンネル情報(以下、「特定個別干渉チャンネル情報」とも記す)における確認チャンネルに対応する個別チャンネル情報の確認済フラグCFLGが「0」であるか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS23:Y)には、処理はステップS24へ進む。ステップS24では、処理ユニット310が、当該確認済フラグCFLGを「1」に設定する。この後、処理はステップS25へ進む。
ステップS25では、処理ユニット310が、「第1種検出有無フラグDFLGの設定処理」を行う。かかるステップS25の処理の詳細については、後述する。そして、ステップS25の処理が終了すると、後述する処理はステップS27へ進む。
ステップS23における判定の結果が否定的であった場合(ステップS23:N)には、処理はステップS26へ進む。ステップS26では、処理ユニット310が、「第2種検出有無フラグDFLGの設定処理」を行う。かかるステップS26の処理の詳細については、後述する。そして、ステップS26の処理が終了すると、ステップS27へ進む。
ステップS27では、処理ユニット310が、ステップS22において特定された領域に隣接する領域(以下、「隣接領域」とも記す)について、個別干渉チャンネル情報における確認チャンネルの確認済フラグCFLGが「0」に設定されている領域があるか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS27:N)には、処理はステップS21へ戻る。
ステップS27における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS27:Y)には、処理はステップS28へ進む。ステップS28では、処理ユニット310が、確認済フラグCFLGが「0」に設定されている個別チャンネル情報における検出有無フラグDFLGの推定処理を行う。ステップS28の処理が終了すると、処理はステップS21へ戻る。この検出有無フラグDFLGの推定処理については、後述する。
(ステップS25における第1種検出有無フラグDFLGの設定処理)
上述したステップS25における「第1種検出有無フラグDFLGの設定処理」について説明する。
この「第1種検出有無フラグDFLGの設定処理」は、図10に示されるように、まず、ステップS31において、処理ユニット310が、レーダ波情報に基づいて、確認チャンネルの周波数帯に気象レーダが発信したレーダ波が有るか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS31:N)には、処理はステップS32へ進む。ステップS32では、処理ユニット310が、特定個別干渉チャンネル情報における確認チャンネルに対応する個別チャンネル情報の検出有無フラグDFLGを「0,0」に設定する。ステップS32の処理が終了すると、ステップS25の処理が終了する。そして、処理は上述した図9のステップS27へ進む。
ステップS31における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS33:Y)には、処理はステップS33へ進む。ステップS33では、処理ユニット310が、特定個別干渉チャンネル情報における確認チャンネルに対応する個別チャンネル情報の検出有無フラグDFLGを「1,1」に設定する。ステップS33の処理が終了すると、ステップS25の処理が終了する。そして、処理は上述した図9のステップS27へ進む。
(ステップS26における第2種検出有無フラグDFLGの設定処理)
上述したステップS26における「第2種検出有無フラグDFLGの設定処理」について説明する。
この「第2種検出有無フラグDFLGの設定処理」は、図11に示されるように、まず、ステップS41において、処理ユニット310が、レーダ波情報に基づいて、確認チャンネルの周波数帯に気象レーダが発信したレーダ波が有るか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS41:N)には、処理はステップS42へ進む。
ステップS42では、処理ユニット310が、特定個別干渉チャンネル情報における確認チャンネルに対応する個別チャンネル情報の検出有無フラグDFLGが「0,0」に設定されているか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS42:Y)には、処理はステップS43へ進む。ステップS43では、処理ユニット310が、当該検出有無フラグDFLGを「0,0」に再設定する。ステップS43の処理が終了すると、ステップS26の処理が終了する。そして、処理は上述した図9のステップS27へ進む。
ステップS42における判定の結果が否定的であった場合(ステップS42:N)には、処理はステップS44へ進む。ステップS44では、処理ユニット310が、当該検出有無フラグDFLGを「1,0」に設定する。ステップS44の処理が終了すると、ステップS26の処理が終了する。そして、処理は上述した図9のステップS27へ進む。
上述したステップS41における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS41:Y)には、処理はステップS45へ進む。ステップS45では、処理ユニット310が、特定個別干渉チャンネル情報における確認チャンネルに対応する個別チャンネル情報の検出有無フラグDFLGを「1,1」に設定する。ステップS45の処理が終了すると、ステップS26の処理が終了する。そして、処理は上述した図9のステップS27へ進む。
(ステップS27,28における検出有無フラグDFLGの推定処理)
上述したステップS27,28における「検出有無フラグDFLGの推定処理」について説明する。
図12には、検出有無フラグの推定処理が行われた、確認チャンネルにおける確認済フラグ及び検出有無フラグの設定例が示されている。なお、図12では、確認済フラグを「CF」と記すとともに、検出有無フラグを「DF」と記している。
この例で、ステップS22において特定された領域が図12に示される領域(j6,k2)であったときには、確認済フラグCFが「0」に設定されている隣接領域として、領域(j7,k3)及び領域(j5,k2)が存在する。この結果、ステップS27における判定の結果が肯定的となり、ステップS28における検出有無フラグの推定処理が行われる。
かかる検出有無フラグの推定処理では、例えば、領域(j7,k3)については、当該領域(j7,k3)を囲み、かつ、確認済フラグCFが「1」に設定されている領域の検出有無フラグDFを参照する。この場合には、領域(j6,k2)に加えて、領域(j6,k3)、領域(j6,k4)、領域(j7,k2)、領域(j7,k4)、領域(j8,k3)の検出有無フラグDFを参照する。こられの参照する領域の検出有無フラグDFは、全て「0,0」に設定されている。このため、領域(j7,k3)についての検出有無フラグDFは、処理ユニット310により「0,0」に推定される。
また、例えば、領域(j5,k2)については、当該領域(j5,k2)を囲み、かつ、確認済フラグCFが「1」に設定されている領域の検出有無フラグDFを参照する。この場合には、領域(j6,k2)に加えて、領域(j4,k1)、領域(j5,k1)、領域(j5,k3)、領域(j6,k1)、領域(j6,k3)の検出有無フラグを参照する。こられの参照する領域のうち、検出有無フラグDFが「0,0」に設定されている領域が2つであり、検出有無フラグDFが「1,1」に設定されている領域が4つである。このため、処理ユニット310は、領域(j5,k2)の検出有無フラグDFが「1,1」である可能性が高いと判断し、領域(j5,k2)の検出有無フラグDFを「1,1」に設定する。
《経路探索処理》
処理ユニット310による経路探索処理について、説明する。
経路探索処理については、図13に示されるように、まず、ステップS51において、処理ユニット310が、無線通信装置200から送信された経路探索指令を、受信したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS51:N)には、ステップS51の処理が繰り返される。
ステップS51の処理の繰り返し中に、処理ユニット310が、経路探索指令を受けて、ステップS51における判定の結果が肯定的になると(ステップS51:Y)、処理はステップS52へ進む。ステップS52では、処理ユニット310が、記憶ユニット350内の地図情報MPIを参照して、車両CR0の現在位置から目的位置までの道路リンク候補を組み合せた複数の走行経路候補を抽出する。
引き続き、ステップS53において、処理ユニット310が、記憶ユニット350内の干渉チャンネル情報ICIを参照して、同一のチャンネルで、検出有無フラグDFLGが「0,0」に設定されている領域のみを通る走行経路候補が存在するか否かの判定を行う。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS53:Y)には、処理はステップS54へ進む。
ステップS54では、処理ユニット310が、ステップS53における判定の結果が肯定的となった走行経路候補のうちから、検出有無フラグDFLGが「1,1」に設定されている領域をより少なく走行する走行経路候補を、推奨走行経路として探索する。なお、検出有無フラグDFLGが「1,1」に設定されている領域をより少なく走行する走行経路候補が複数ある場合には、当該複数の経路のうちから、走行距離が最短となる走行経路候補を、推奨走行経路に決定する。この後、処理は後述するステップS58へ進む。
一方、ステップS53における判定の結果が否定的であった場合(ステップS53:N)には、処理はステップS55へ進む。ステップS55では、処理ユニット310が、記憶ユニット350内の干渉チャンネル情報ICIを参照して、同一のチャンネルで、検出有無フラグDFLGが「0,0」又は「1,0」に設定されている領域のみを通る走行経路候補が存在するか否かの判定を行う。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS55:Y)には、処理はステップS56へ進む。
ステップS56では、処理ユニット310が、ステップS55における判定の結果が肯定的となった走行経路候補のうちから、走行距離が最短となる走行経路候補を、推奨走行経路に決定する。この後、処理は後述するステップS58へ進む。
ステップS55における判定の結果が否定的であった場合(ステップS55:N)には、処理はステップS57へ進む。ステップS57では、本実施例では、処理ユニット310が、無線通信チャンネルの切り替え回数が最小となる走行経路候補を、走行経路に決定する。この後、処理はステップS58へ進む。
ステップS58では、処理ユニット310が、ステップS54,S56又はS58において決定された走行経路の情報及び当該走行経路で無線通信に利用する通信利用チャンネルの情報を含んだ経路情報を生成する。そして、処理ユニット310は、外部通信ユニット330を利用し、当該経路情報を、ネットワークを介して無線通信装置200へ送信する。以後、ステップS51〜S58の処理が繰り返される。
以上説明したように、本実施例では、サーバ装置300の処理ユニット310が、無線通信装置200を含む、複数の車両のそれぞれに配置された無線通信装置のいずれかから、レーダ波情報及び当該レーダ波情報についての検出位置の情報を受信すると、検出位置が属している領域を特定する。そして、処理ユニット310は、記憶ユニット350の干渉チャンネル情報ICIにアクセスし、特定された領域に対応する個別干渉チャンネル情報における確認チャンネルの確認済フラグCFLG及び検出有無フラグDFLGの設定を、レーダ波情報の内容に反映する。また、処理ユニット310は、干渉チャンネル情報ICIの生成に際して、確認済フラグCFLGが「0」に設定されている領域については、同一チャンネル周波数帯の確認済フラグCFLGが「1」となっている領域の検出有無フラグDFLGに基づいて、検出有無フラグDFLGを設定する。
こうした干渉チャンネル情報ICIが生成されている状態で、利用者が目的地を指定した経路探索指定を入力ユニットに入力すると、無線通信装置200が、経路探索指令を生成し、サーバ装置300に送信する。そして、サーバ装置300の処理ユニット310が、経路探索指令を受信すると、地図情報MPIを参照して、車両CR0の現在位置から目的位置までの道路リンク候補を組み合せた複数の走行経路候補を抽出する。
引き続き、処理ユニット310は、干渉チャンネル情報ICIを参照して、同一のチャンネルで、検出有無フラグDFLGが「0,0」(優先度「高」)に設定されている領域のみを通る走行経路候補が存在するか否かの第1の経路判定を行う。そして、当該第1の経路判定の結果が肯定的であった場合には、処理ユニット310は、第1の経路判定の結果が肯定的である走行経路候補のうちから、走行距離が最短となる走行経路候補を、推奨走行経路に決定する。
一方、第1の経路判定の結果が否定的であった場合には、処理ユニット310は、同一のチャンネルで、検出有無フラグDFLGが「0,0」(優先度「高」)又は「1,0」(優先度「中」)に設定されている領域のみを通る走行経路候補が存在するか否かの第2の経路判定を行う。そして、当該第2の経路判定の結果が肯定的であった場合には、処理ユニット310は、第2の経路判定の結果が肯定的である走行経路候補のうちから、走行距離が最短となる走行経路候補を、推奨走行経路に決定する。
こうして推奨走行経路が決定されると、処理ユニット310は、推奨走行経路を走行経路とする走行経路情報及び当該走行経路で無線通信に利用する通信利用チャンネルの情報を含んだ経路情報を生成して、無線通信装置200に送信する。経路情報を受信した無線通信装置200では、制御ユニット240が、経路情報に含まれる通信利用チャンネル情報を参照して、無線LAN通信ユニット210に対して通信利用チャンネルを指定する。また、制御ユニット240は、経路情報に含まれる走行経路情報を、経路案内装置450へ送る。
したがって、本実施例によれば、車両とともに移動する無線通信装置が、当該車両に配置された無線LANアクセスポイント機器を介して通信を行う際に、DFS機能動作による無線通信チャンネルの切り替えを抑制することができる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記の実施例では、無線通信に利用するチャンネル周波数帯の切り替えの回数を抑制する目的位置までの走行経路の探索をサーバ装置が行うようにしたが、上述した第2実施形態のように、車両に配置される無線通信装置が、無線通信に利用するチャンネル周波数帯の切り替えの回数を抑制する目的位置までの走行経路の探索するようにしてもよい。
また、上記の実施例では、サーバ装置の処理ユニットは、第1の経路判定又は第2の経路判定の結果が肯定的である走行経路候補が複数存在する場合に、走行距離が最短となる目的地までの経路を推奨走行経路に決定したが、走行時間が最短となる経路を推奨走行経路に決定するようにしてもよい。
また、上記の実施例では、第2の経路判定の結果が否定的であった場合には、無線通信チャンネルの切り替え回数が最小となる走行経路候補を走行経路に決定するようにしたが、当該処理を省略するようにしてもよい。
また、上記の実施例では、処理ユニットは、複数の車両のそれぞれに配置された無線通信装置のいずれかから送信された、レーダ波情報及び当該レーダ波情報についての検出位置の情報に基づいて、干渉チャンネル情報を生成した。これに対して、当該情報に加えて、気象レーダの発信地や観測範囲から干渉チャンネル及び干渉領域が想定される情報を更に取り込んで、当該情報を、予め干渉チャンネル情報に反映しておくようにしてもよい。
また、上記の実施例では、確認済フラグが「0」に設定されている検出有無フラグの推定処理を、確認済フラグが「0」となっている領域の囲む局所領域の検出有無フラグを参照して行った。これに対して、確認済フラグが「0」となっている領域の囲む拡大した領域の検出有無フラグを参照して、総合的に検出有無フラグを推定する等、他の手法を用いて行ってもよい。
また、上記の実施例では、無線通信に利用するチャンネル周波数帯の切り替えの回数を抑制する目的位置までの走行経路の探索に際して、まず、同一チャンネルで検出有無フラグが「0,0」(優先度「高」)に設定されている領域のみを通る走行経路候補が存在するか否かの第1の経路判定を行い、当該判定の結果が否定的であった場合に、同一チャンネルで検出有無フラグDFLGが「0,0」(優先度「高」)又は「1,0」(優先度「中」)に設定されている領域のみを通る走行経路候補が存在するか否かの第2の経路判定を行うようにした。
これに対して、任意の固定したチャンネルで、検出有無フラグが「0,0」に設定されている領域のみを通る走行経路候補が存在するか否かの経路判定を行い、当該経路判定の結果が否定的であった場合に、当該任意の固定したチャンネルで、検出有無フラグDFLGが「0,0」又は「1,0」に設定されている領域のみを通る走行経路候補が存在するか否かの経路判定を行うようにしてもよい。そして、この経路判定の結果が否定的であった場合には、チャンネルを変更して、上述した2つの判定処理を順次繰り返して行うようにしてもよい。
また、上記の実施例では、利用優先機器が気象レーダである場合に本発明を適用したが、利用優先機器が気象レーダではない場合にも本発明を適用することができる。
また、上記の実施例においては、車両に配置される無線通信装置に本発明を適用したが、車両以外の他の移動体に配置される無線通信装置にも本発明を適用することもできる。