JP2016194422A - 非常時における原子炉内温度測定方法及び溶融状態検出方法並びにこれらの装置 - Google Patents

非常時における原子炉内温度測定方法及び溶融状態検出方法並びにこれらの装置 Download PDF

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Abstract

【課題】原子炉が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となる等の非常時においても原子炉の温度の測定又は溶融状態の検出を確実にできる方法及びその装置を提供する。【解決手段】原子炉に設けた中性子検出器鞘管39内に、回線40に間隔を開けて、相互に融点の異なる複数の金属41a〜41dを、上から融点の低い順に接続した温度感知回線を前記中性子検出器鞘管39の下端から上部まで挿入し、当該原子炉の外側に導出した前記中性子検出器鞘管39の下端から前記温度感知回線を導出させて、TDR計測器43に接続し、前記TDR計測器43からパルス波を発信し、前記金属41a〜41dの溶融によって切断された温度感知回線箇所でパルス波が反射し、当該反射波が戻ってくる時間を測定し、当該時間から切断箇所までの距離を算出し、当該距離にある金属の融点から原子炉内の温度及び溶融状態を検出する。【選択図】 図1

Description

この発明は、沸騰水型原子炉において、外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われるような非常時において、原子炉内の水温乃至温度を測定する方法及び原子炉内の溶融状態を検出する方法並びにこれらの方法に使用する装置に関するものである。
沸騰水型原子炉においては、何らかの原因により外部電源が喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われた状況においては、原子炉施設の安全確保に必要な機器へ直流電源から電力を供給し、原子炉の緊急停止を行うとともに炉心を冷却して、原子力プラントを安全な状態に保つことが出来るように構成されている。
在来の原子力プラントは、プラントの通常運転時においては、図9に示すように、原子炉1で発生した蒸気は、主蒸気管2を介してタービン3に送られる。タービン3で仕事をした排気蒸気は復水器4で凝縮され復水となり、復水管を経て復水ポンプ5により昇圧され、給水加熱器6及び給水ヘッダ7を通って、最終的に原子炉1に戻るサイクルを構成している。なお、前記給水ヘッダ7から原子炉1への配管の途中には、給水逆止弁25及び26が設けられている。
また、外部電源等を喪失した場合には、原子炉は自動停止し、原子炉1とタービン3を離隔する。そして、蒸気逃がし安全弁8にて蒸気圧力を圧力抑制室9に逃がして凝縮させるとともに、蒸気駆動の原子炉隔離時冷却系のタービン10にてポンプ11を作動させ、前記圧力抑制室9又は復水貯蔵タンク12の水を原子炉1に注水している。この状況は10時間以上維持され、事故時には最長で3日間の運転が維持できた実績がある。
また、この原子炉内の温度検出に関しては種々の方法や装置がある。特許文献1のものは、原子炉容器外で超音波の発受信を行う超音波センサを導波管の上部に取着し、この導波管の下部を原子炉容器内の液体(冷却材)中に浸漬し、当該導波管は底部に開口を有し、下部側面に小孔を有しており、当該導波管内に前記超音波センサから超音波を発信すると、液体の温度に依存する音波伝達時間を温度信号処理回路で処理して前記液体(冷却材)の温度を測定するものである。
特開平7−140018号公報
しかしながら前記特許文献1のものは、外部から原子炉容器内に導波管を挿入して、冷却材に浸漬するため、原子炉容器の遮蔽プラグ(蓋体)に穴を開け、導波管の下部を原子炉容器内に挿入し、当該挿入箇所を密閉しなければならず、温度計測装置の組み立てに手間がかかるものである。
また、外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われるような非常時には温度測定ができない恐れがある。また、この様な非常状態が長く続くと、原子炉内の冷却水がなくなり、この状態では特許文献1のものは計測不可能となる。そして冷却水がなくなると、原子炉内の温度は上昇し、ついには炉心内部が溶融してくる。しかしながら、この様な原子炉内の溶融状態を簡単に外部から検出する手段はないのが現状である。
そこで、この発明は、これらの従来技術に鑑み、原子炉が外部電源を喪失し、非常用電源も使用不可能となり、更に、海水冷却機能が失われる等の非常時においても、既存の構成を変えることなく、簡単かつ確実に原子炉内の水温乃至温度を測定する方法及び原子炉内の溶融状態を検出する方法並びにこれらの装置を提供するものである。
請求項1の発明は、電源喪失等の非常時に原子炉内の温度を計測する方法において、原子炉の底部を貫通して、炉心の上端の格子状の支持枠体まで伸びた中性子検出器鞘管内に、上端にK型熱電対を設けた回線から成る熱電対回線を前記中性子検出器鞘管の下端から上部まで挿入し、当該原子炉の外側に導出した前記中性子検出器鞘管の下端から前記熱電対回線を導出させて、原子炉格納容器の外に設けた温度計測器に接続し、前記熱電対回線に生じた起電力の値に応じて前記温度計測器により原子炉内の水温乃至温度を計測する、非常時における原子炉内の温度測定方法とした。
また、請求項2発明は、電源喪失等の非常時に原子炉内の温度を計測する又は溶融状態を検出する方法において、原子炉の底部を貫通して、炉心の上端の格子状の支持枠体まで伸びた中性子検出器鞘管内に、回線に間隔を開けて、相互に融点の異なる複数の金属を、上から融点の低い順に接続した温度感知回線を前記中性子検出器鞘管の下端から上部まで挿入し、当該原子炉の外側に導出した前記中性子検出器鞘管の下端から前記温度感知回線を導出させて、原子炉格納容器の外に設けたTDR計測器に接続し、前記TDR計測器からパルス波を発信し、前記金属の溶融によって切断された回線箇所でパルス波が反射し、当該反射波が戻ってくる時間を測定し、当該時間から回線の切断箇所までの距離を算出し、当該距離に応じた金属の溶融温度から原子炉内の温度又は溶融状態を検出する、非常時における原子炉内の温度測定又は溶融状態検出方法とした。
また、請求項3の発明は、電源喪失等の非常時に原子炉内の温度を計測する又は溶融状態を検出する方法において、原子炉の底部を貫通して、炉心の上端の格子状の支持枠体まで伸びた中性子検出器鞘管内に、回線に間隔を開けて、相互に融点の異なる複数の金属を、上から融点の低い順に接続した温度感知回線を前記中性子検出器鞘管の下端から上部まで挿入し、当該原子炉の外側に導出した前記中性子検出器鞘管の下端から前記温度感知回線を導出させて、原子炉格納容器の外に設けたTDR計測器に接続し、前記TDR計測器からパルス波を発信し、当該波形をTDR計測器のオシロスコープで表示し、前記金属の溶融によって切断された回線箇所で前記波形が変形することにより、当該変形箇所から前記金属を特定し、当該金属の溶融温度から原子炉内の温度又は溶融状態を検出する、非常時における原子炉内の温度測定又は溶融状態検出方法とした。
また、請求項4の発明は、電源喪失等の非常時に原子炉内の溶融状態を検出する方法において、原子炉の底部を貫通して、炉心の上端の格子状の支持枠体まで伸びた中性子検出器鞘管内に、鋼管又はケーブルを前記中性子検出器鞘管の下端から上部まで挿入し、前記原子炉の外部に導出させた前記中性子検出器鞘管の下端から前記鋼管又はケーブルを導出させて、当該鋼管又はケーブル端に接続した同軸線を原子炉格納容器の外に設けたTDR計測器に接続し、前記TDR計測器からパルス波を発信し、前記鋼管又はケーブルの溶融によって電気的に短絡または切断した箇所でパルス波が反射し、当該反射波が戻ってくる時間を測定し、当該時間から鋼管又はケーブルの切断箇所までの距離を算出し、当該距離から原子炉内の溶融状態を検出する、非常時における原子炉内の溶融状態検出方法とした。
また、請求項5の発明は、電源喪失等の非常時に原子炉内の溶融状態を検出する方法において、原子炉の底部を貫通して、炉心の上端の格子状の支持枠体まで伸びた中性子検出器鞘管内に、鋼管又はケーブルを前記中性子検出器鞘管の下端から上部まで挿入し、前記原子炉の外部に導出させた前記中性子検出器鞘管の下端から前記鋼管又はケーブルを導出させて、当該鋼管又はケーブル端に接続した同軸線を原子炉格納容器の外に設けたTDR計測器に接続し、前記TDR計測器からパルス波を発信し、当該波形を前記TDR計測器のオシロスコープで表示し、前記鋼管又はケーブルの溶融によって電気的に短絡または切断した箇所で前記波形が変形することにより当該変形箇所から原子炉内の溶融状態を検出する、非常時における原子炉内の溶融状態検出方法とした。
また、請求項6の発明は、原子炉の底部を貫通して、炉心の上端の格子状の支持枠体まで伸びた中性子検出器鞘管内に、上端にK型熱電対を設けた回線から成る熱電対回線を前記中性子検出器鞘管の下端から上部まで挿入し、当該原子炉の外側に導出した前記中性子検出器鞘管の下端から前記熱電対回線を導出させて、原子炉格納容器の外に設けた温度検出器に接続し、前記熱電対の回線に生じた起電力の値に応じて前記温度検出器により原子炉内の水温乃至温度を計測できる構成とした、非常時における原子炉内の温度測定装置とした。
また、請求項7の発明は、原子炉の底部を貫通して、炉心の上端の格子状の支持枠体まで伸びた中性子検出器鞘管内に、回線に間隔を開けて、相互に融点の異なる複数の金属を、上から融点の低い順に接続した温度感知回線を前記中性子検出器鞘管の下端から上部まで挿入し、当該原子炉の外側に導出した前記中性子検出器鞘管の下端から前記温度感知回線を導出させて、原子炉格納容器の外に設けたTDR計測器に接続し、前記TDR計測器からパルス波を発信し、前記金属の溶融によって切断された温度感知回線箇所でパルス波が反射し、当該反射波が戻ってくる時間を測定し、当該時間から前記温度感知回線の切断箇所までの距離を算出し、当該距離に応じた金属の溶融温度から原子炉内の温度及び溶融状態を検出する、又は前記TDR計測器に設けたオシロスコープに前記パルス波形を表示し、前記温度感知回線の切断箇所で前記波形が変化することにより、当該変形箇所から前記金属を特定し、当該金属の溶融温度から原子炉内の温度及び溶融状態を検出できる構成とした、非常時における原子炉内の温度測定又は溶融状態検出装置とした。
また、請求項8の発明は、原子炉の底部を貫通して、炉心の上端の格子状の支持枠体まで伸びた中性子検出器鞘管内に、鋼管又はケーブルを前記中性子検出器鞘管の下端から上部まで挿入し、前記原子炉の外部に導出させた前記中性子検出器鞘管の下端から前記鋼管又はケーブルを導出させて、当該鋼管又はケーブル端に接続した同軸線を原子炉格納容器の外に設けたTDR計測器に接続し、前記TDR計測器からパルス波を発信し、前記鋼管又はケーブルの溶融によって電気的に短絡または切断した箇所でパルス波が反射し、当該反射波が戻ってくる時間を測定し、当該時間から鋼管又はケーブルの切断箇所までの距離を算出し、当該距離から原子炉内の溶融状態を検出できる、又は前記TDR計測器のオシロスコープで前記パルス波を表示し、前記鋼管又はケーブルの溶融によって切断された箇所で前記波形が変形することにより、当該変形箇所から原子炉内の溶融状態を検出できる構成とした、非常時における原子炉内の溶融状態検出装置とした。
また、請求項9の発明は、請求項6に記載の装置と請求項7に記載の装置及び請求項8に記載の装置のいずれか2つを組み合わせた、非常時における原子炉内の温度測定又は溶融状態検出装置とした。
また、請求項10の発明は、請求項6に記載の装置、請求項7に記載の装置及び請求項8に記載の装置を組み合わせた、非常時における原子炉内の温度測定又は溶融状態検出装置とした。
また、請求項11の発明は、原子炉の底部を貫通して、炉心の上端の格子状の支持枠体まで伸びた中性子検出器鞘管内に、芯線と、当該芯線外周を、絶縁材を介して被う円筒形状の内シースと当該内シースの外周を、絶縁材を介して被う円筒形状の外シースとから成る導体が3重のMIケーブルを、前記中性子検出器鞘管の上部まで延設し、当該MIケーブルの頂部で、芯線と外シースとを電気的に接続し、また、内シースと前記中性子検出器鞘管を電気的に接続し、原子炉の外側に伸びた前記中性子検出器鞘管の下端で前記芯線と内シースに、原子炉格納容器の外に設けたTDR計測器からのプラス、マイナスの各リード線を夫々接続し、前記中性子検出器鞘管の長手方向に沿った外周に間隔をあけて多数の貫通孔を開け、かつ、前記中性子検出器鞘管の前記貫通孔より下方の下端部で、前記MIケーブルの外周と中性子検出器鞘管の内周の間を塞ぐ隔壁を設け、前記TDR計測器からパルス波を流し、原子炉内の前記中性子検出器鞘管内の水面で反射して、前記TDR計測器まで前記パルス波が戻る時間を計測して、当該時間により原子炉内の水位を計測できる構成とした、非常時における原子炉の水位計測装置及び請求項6〜8の装置を具備する、非常時における原子炉内の温度測定装置及び溶融状態検出装置とした。
請求項12の発明は、請求項6の熱電対回線、請求項7の温度感知回線及び請求項8の鋼管又はケーブルを1本又は複数本の中性子検出器鞘管内に挿入し、これらの中性子検出器鞘管及び請求項11に記載の水位計測装置の中性子検出器鞘管を複数本原子炉内に配置した、原子炉内の温度測定装置及び溶融状態検出装置とした。
請求項1及び請求項6の各発明によれば、外部電源を喪失し、かつ非常用電源も使用不可能な状況でも、原子炉内の中性子検出器鞘管内に設けた熱電対により原子炉内の水温又は温度を容易かつ正確に測定することができる。また、上記熱電対回線を挿入する中性子検出器鞘管は、元来原子炉内の中性子検出に用いられるものであるが、原子炉内に多数本設けられており、予備のものがある。この発明では、その予備の中性子検出器鞘管を利用して水温又は温度を測定するもので、特別な部材を用いるものではなく、設計を大幅に変更せずに用意することができる。
また、前記K型熱電対は最高測定温度が1780°Cであるため、原子炉内の冷却水の温度が上昇し、かつ冷却水の水位が低下乃至無くなっても原子炉内の温度を計測することができる。また、前記K型熱電対の温度検出器を原子炉格納容器の外に設置し、そこから前記原子炉まで回線(リード線)で接続すれば、安全な場所で、原子炉の水温又は温度を確認できる。しかも、これらの測定には原子炉設備の電源を用いず、離れた場所から別途電源をとることができ、非常時に適している。
また、請求項2、3及び請求項7の各発明によれば、外部電源を喪失し、かつ非常用電源も使用不可能な状況で、原子炉内の冷却水が無くなり、原子炉内の温度が上昇した場合に、前記温度感知回線に接続した金属の溶融を検出し、当該金属の既知の溶融温度により原子炉内の温度を測定又は溶融状態を検出したり、又は前記金属の溶融による切断箇所でTDR計測器のオシロスコープに表示したパルス波が変形することをとらえて、温度を計測又は溶融状態を検出するため、原子炉内の温度や溶融状態を容易かつ正確に測定又は検出することができる。また、上記温度感知回線を挿入する中性子検出器鞘管は、元来中性子検出に用いられるものであるが、原子炉内に多数本設けられており、予備のものがある。この発明では、その予備の中性子検出器鞘管を利用して水温又は温度を測定するもので、特別な部材を用いるものではなく、設計を大幅に変更せずに用意することができる。
また、前記TDR計測器を原子炉格納容器の外に設置し、そこから前記原子炉まで回線(リード線)で接続すれば、安全な場所で、原子炉の水温又は温度を確認できる。しかも、これらの測定には原子炉設備の電源を用いず、離れた場所から別途電源をとることができ、非常時に適している。
また、請求項4、5及び請求項8の各発明によれば、外部電源を喪失し、かつ非常用電源も使用不可能な状況で、原子炉内の冷却水が無くなり、原子炉内の温度が上昇した場合に、原子炉内の部材が溶融するが、その際、中性子検出器鞘管内に設けた鋼管又はケーブルの溶融を、原子炉格納容器の外に設けたTDR計測器のパルス波の反射時間やオシロスコープに表示されたパルス波の、溶融切断による波形の変形により原子炉内の溶融状態を容易かつ正確に検出することができる。
また、前記TDR計測器を原子炉格納容器の外に設置し、そこから前記原子炉まで回線(リード線)で接続すれば、安全な場所で、原子炉の水温又は温度を確認できる。しかも、これらの測定には原子炉設備の電源を用いず、離れた場所から別途電源をとることができ、非常時に適している。
また、請求項9の発明によれば、2つの原子炉内の温度測定装置及び溶融状態検出装置を有するため、原子炉内の温度測定又は溶融状態検出を2つの装置を用いて行うことができ、より精度を上げることができる。また、請求項10の発明によれば、異なる3つの装置で原子炉内の温度測定と溶融状態の検出とが行え、より的確に原子炉内の状況を把握できる。
また、請求項11の発明によれば、原子炉の非常時において原子炉内の温度及び水位を計測し、かつ原子炉内の冷却水の低下乃至は冷却水がなくなった場合でも、原子炉内の温度、水位及び溶融状態を複合的に検出して、原子炉内の状況が的確に把握でき、当該原子力発電所及び周囲の安全の判断に役立つことができる。
また、請求項12の発明によれば、前記熱電対による原子炉の温度測定装置、原子炉の水位測定装置、融点の異なる金属による温度測定及び溶融状態検出装置、及び溶融状態検出装置のいずれか又は全部を複数設け、原子炉内の横断面上の複数個所で測定又は検出して、3次元的に温度測定又は溶融状態の検出をすることができ、これらの検出又は検出の精度をより上げることができる。
この発明の実施の形態例1の非常時における原子炉の温度測定装置及び溶融状態の検出装置の概略構成図である。 この発明の実施の形態例1の原子炉の温度測定装置及び溶融状態の検出装置の要部の拡大概略構成図であり、(a)図は原子炉の縦断面図、(b)図は炉心の配置横断面図である。 この発明の実施の形態例1の原子炉の温度測定装置及び溶融状態の検出装置の、熱電対による水温又は温度測定装置に用いる中性子検出器鞘管の拡大正面説明図である。 この発明の実施の形態例1の原子炉の温度測定装置及び溶融状態の検出装置の、水位計測装置に用いる中性子検出器鞘管の拡大正面説明図である。 この発明の実施の形態例1の原子炉の温度測定装置及び溶融状態の検出装置の、水位計測装置に用いる中性子検出器鞘管の拡大横断面図である。 この発明の実施の形態例1の原子炉の温度測定装置及び溶融状態の検出装置の、水位計測装置の原理を示す原理図である。 この発明の実施の形態例1の原子炉の温度測定装置及び溶融状態の検出装置の、融点の異なる金属による温度測定及び溶融状態検出装置に用いる中性子検出器鞘管の拡大正面説明図である。 この発明の実施の形態例1の原子炉の温度測定装置及び溶融状態の検出装置の、原子炉の溶融状態を検出する装置に用いる中性子検出器鞘管の拡大正面説明図である。 従来の沸騰型原子炉の概略構成図である。
この発明の実施の形態例1の原子炉の温度測定装置及び溶融状態の検出装置の、熱電対による原子炉の温度測定装置A、原子炉の水位測定装置B、融点の異なる金属による温度測定及び溶融状態検出装置C、溶融状態検出装置D及びこれらの方法を図について説明する。
まず、上記装置A〜Dに共通の構造について説明する。図1及び図2において、原子炉1内の炉心20の上下を支持する格子状の上部炉心格子21と下部炉心格子22内に多数組の燃料集合体48を収納しており、各組の燃料集合体48の間に制御棒49が挿入自在に配置されている。また、これらの各組の燃料集合体48の間に、上部炉心格子21に上端を支持させ、下端部が原子炉1の底部を貫通した中性子検出器鞘管23b等が設けられている。そして当該中性子検出器鞘管23b等は、原子炉1の底部を貫通して原子炉1と一体となった筒状の中性子検出器ハウジング23a等内に挿通され、支持されている。この中性子検出器ハウジング23a及び中性子検出器鞘管23bは、図示は省略したが、小型炉型で17本から大型炉型では52本設けられている。このうち、空の中性子検出鞘管23b等が4本ある。上記装置A〜Dはこれらの予備の中性子検出器鞘管23b等を1本ずつ使用した装置である。
次に、熱電対を用いた原子炉の温度測定装置Aについて説明する。図3に示すように、このうちの1本の中性子検出鞘管23bにMIケーブル28が挿入されている。このMIケーブル28は、芯線28aと、当該芯線28aの外周を、絶縁材を介して被う円筒形状の外シース28bとから成り、当該MIケーブル28の上端でK型熱電対29が、一方を前記芯線28aと他方を前記外シース28bに電気的に接続されて設けられている。
これらのMIケーブル28とK型熱電対29によりにより熱電対回線が形成される。上記K型熱電対29の最大測定温度は1780°Cである。そして、前記中性子検出鞘管23bの下端の前記MIケーブル28の芯線28aと外シース28bとから夫々リード線30a及び30bが導出され、原子炉格納容器外に設置した温度計測器31に接続されている。また、前記中性子検出器鞘管23b及びMIケーブル28はSUS304ステンレス鋼で融点1450°Cまでは形状を保持できる(以下、中性子検出器鞘管及びMIケーブルはこれらと同じ)。
そして、この水温又は温度測定装置の温度計測器31を作動させると前記K型熱電対29により起電力が発生するが、当該起電力の値に応じた温度が計測され、原子炉1内に冷却水があれば水温、冷却水がなければ温度を計測することができる。また、上記中性子検出器鞘管23bに挿入する熱電対回線は、上記MIケーブル28に限定されるものではない。
次に、TDR計測器を用いた原子炉の水位測定装置Bについて説明する。図4及び図5は原子炉の水位計測装置Bに用いる中性子検出器鞘管の拡大正面説明図及び同拡大横断面図、図6は同水位測定装置Bの原理図である。図4に示すように、前記予備の4本の中性子検出器鞘管23b等の内の他の1本の中性子検出鞘管33に3重のMIケーブル34が挿入されている。また、図示は省略したが、この中性子検出器鞘管33は前記中性子検出器ハウジング23aの内の一つに挿通され、支持されている。
この3重のMIケーブル34は、芯線34aと、当該芯線34aの外周を、絶縁材を介して被う円筒形状の内シース34bと、当該内シース34bの外周を、絶縁材を介して被う円筒形状の外シース34cとから成り、これらの前記各芯線34a、内シース34b、外シース34cは電気的導体から成る。そしてこのMIケーブル34は、前記中性子検出鞘管33の下部から挿入されて上部まで伸び、上端で芯線34aと外シース34cとが電気的に接続され、内シース34bと前記中性子検出鞘管33とが電気的に接続されている。
また、前記中性子検出鞘管33の下端から突出した芯線34a、内シース34bは原子炉格納容器24の外に設置されたTDR計測器(タイム・ドメイン・リフレクトメータ)35から導出した同軸線の芯線36a及びシールド36bと夫々電気的に接続されている。
また、前記中性子検出器鞘管33の長手方向に沿った外周には間隔をあけて多数の貫通孔37が設けられている。これらの貫通孔37により、当該中性子検出鞘管33内に原子炉1内の水が入り、原子炉1の水位と同じ水位となっている。また、前記中性子検出器鞘管33の、前記貫通孔37より下方の下端部で、前記MIケーブル34の外周と中性子検出器鞘管33の内周の間を塞ぐ隔壁38が設けられている。
そして、この装置を用いて電源喪失等の非常時に水位を測定する方法について説明する。
前記TDR計測器35からパルス波を流すと、パルス波は同軸線(芯線)36aを経て芯線34aを通り、前記中性子検出器鞘管33の頂部で外シース34cに流れ、中性子検出器鞘管33内の水面で反射し、中性子検出器鞘管33の外壁を通って、頂部で中シース34bに流れ、同軸線(シールド)36bを通って前記TDR計測器35に戻る。当該TDR計測器35では、パルス波を発してからその反射波が戻るまでの時間を測定し、当該時間から距離を算出し、原子炉1内の水位を計測する。
次に、融点(溶融温度)の異なる金属を用いた原子炉の温度測定装置Cを図7に基づいて説明する。前述の予備の中性子検出器鞘管23b等の他の1本の中性子検出器鞘管39内にMIケーブル40が挿入されている。また、図示は省略したが、この中性子検出器鞘管39は前記中性子検出器ハウジング23aの内の一つに挿通され、支持されている。当該MIケーブル40は芯線40aと、当該芯線40aの外周を、絶縁材を介して被う円筒形状の外シース40bとから成る。
そして、当該MIケーブル40の芯線40aに間隔を開けて、融点の異なる金属41a、41b、41c、41dを、上から融点の低い順に配置して接続されている。例えば、金属41aは亜鉛(溶融温度419°C)、金属41bはマグネシウム(溶融温度651°C)、金属41cはストロンチウム(溶融温度757°C)、金属41dは金(溶融温度1053°C)とする。これらにより温度感知回線が形成されている。なお、上記中性子検出器鞘管39に挿入する温度感知回線は、上記MIケーブル40に限定されるものではない。
前記中性子検出器鞘管39の下端の前記MIケーブル40の芯線40aと外シース40bとから夫々同軸線の芯線42a及びシールド42bが導出され、原子炉格納容器24外に設置したTDR計測器43に接続されている。
そして、原子炉1内の冷却水の水位の低下とともに冷却が保たれない状況に陥った場合には、相当な高温状態が想定されており、やがて炉心溶融に至る。そして、前記金属41a〜41dのいずれかが溶融し、当該溶融箇所で芯線40aが切断される。
そこで、前記TDR計測器43からパルス波を発信すると、同軸線(芯線)42aから芯線40aを通り、外シース40b、同軸線(シールド)42bを経てTDR計測器43に帰ってくる温度感知回線が、金属41a〜41dのいずれかで切断され、そこから反射波が戻ってくる。TDR計測器43では当該反射波の戻り時間を計測し、当該戻り時間から距離を計測し、当該距離から金属41a〜41dの内の金属を特定し、当該金属の既知の溶融温度から原子炉1内の温度を計測する。また、この温度によって原子炉内の溶融状態が検出できる。
また、前記TDR計測器43からパルス波を発信し、当該波形をTDR計測器43のオシロスコープ43aで表示する。そして、前記金属41a〜41dのいずれかの溶融によって切断された回線箇所で、図1及び図7に示すように、前記波形が変形することにより、当該変形箇所から前記金属41a〜41dのいずれかを特定し、当該金属41a〜41dの既知の融点(溶融温度)から原子炉1内の温度及び溶融状態を検出することもできる。前記波形の変形は、図1及び図7のオシロスコープ43aで波形が実線、点線を含めて右上に急に上がっていることで分かる。
次に、原子炉内の溶融状態を検出する、検出装置Dを図8に基づいて説明する。前述の予備の中性子検出器鞘管23b等の他の1本の中性子検出器鞘管44内にMIケーブル45が挿入されている。また、図示は省略したが、この中性子検出器鞘管44は前記中性子検出器ハウジング23aの内の一つに挿通され、支持されている。当該MIケーブル45は芯線45aと、当該芯線45aの外周を、絶縁材を介して被う円筒形状の外シース45bとから成る。前記芯線45aと外シース45bとは、MIケーブル45の上端で電気的に接続されている。なお、上記中性子検出器鞘管44に挿入する回線は、上記MIケーブル45に限定されるものではない。
また、前記中性子検出器鞘管44の下端のMIケーブル45の芯線45aと外シース45bとから夫々同軸線の芯線46a及び同軸線のシールド46bが導出され、原子炉格納容器24外に設置したTDR計測器47に接続されている。
そして、原子炉1内の冷却水が無くなり、温度がさらに上昇すると炉心溶融が生じる。当該装置Dでは、TDR計測器47からパルス波を発信すると、同軸線(芯線)46aから芯線45aを通り、外シース45b、同軸線(シールド)46bを経てTDR計測器47に帰ってくる回線が形成されているが、原子炉1内の温度が上記1780°Cを超えると、当該中性子検出器鞘管44が溶け出し、MIケーブル45が溶け出す。すると溶融した箇所からパルス波が反射し、当該反射波がTDR計測器47に戻り、当該戻り時間から、距離を計測し、当該距離から溶融箇所等が分かり、溶融状態を検出することができる。
これはまた、前記TDR計測器47からパルス波を発信し、当該波形を、図1及び図8に示すように、前記TDR計測器47のオシロスコープ47aで表示し、温度の上昇により前記MIケーブル45が溶融することによって電気的に短絡または切断された箇所で前記波形が変形する。これにより当該変形箇所から原子炉内の溶融状態を検出することもできる。前記波形の変形は、図1及び図8のオシロスコープ47aでは波形が点線のように途中で急に降下している部分が溶融で短くなることで分かる。
このように、この発明の原子炉の温度測定装置及び溶融状態の検出装置によれば、原子炉の非常時において、原子炉内の温度及び水位を計測し、かつ原子炉内の冷却水の低下乃至は冷却水がなくなった場合でも、原子炉内の温度及び溶融状態を正確に検出することができる。
なお、上記実施の形態例1では、熱電対による原子炉の温度測定装置A、原子炉の水位測定装置B、融点の異なる金属による温度測定及び溶融状態検出装置C、溶融状態検出装置Dを具備したものとしたが、この発明では、熱電対による原子炉の温度測定装置A、原子炉の水位測定装置B、融点の異なる金属による温度測定及び溶融状態検出装置C、及び溶融状態検出装置Dのいずれか1つ又は複数の装置を具備したものでも良い。
また、前記熱電対による原子炉の温度測定装置A、原子炉の水位測定装置B、融点の異なる金属による温度測定及び溶融状態検出装置C、及び溶融状態検出装置Dにおいて、夫々別の中性子検出器鞘管23b等を用いたが、前記複数の装置A、C、Dの各MIケーブルを1本の中性子検出器鞘管23b等に挿入することもできる。そして前記熱電対による原子炉の温度測定装置A、原子炉の水位測定装置B、融点の異なる金属による温度測定及び溶融状態検出装置C、及び溶融状態検出装置Dのいずれか又は全部を複数設け、原子炉1内の横断面上の複数個所で測定又は検出して、3次元的に温度測定又は溶融状態の検出をすることができ、より精度を上げることができる。
1 原子炉 2 主蒸気管
3 タービン 4 復水器
5 復水ポンプ 6 給水加熱器
7 給水ヘッダ 8 蒸気逃がし安全弁
9 圧力抑制室 10 蒸気タービン
11 ポンプ 12 復水貯蔵タンク
13 計器 14 計装配管
20 炉心 21 上部炉心格子
22 下部炉心格子 23a 中性子検出器ハウジング
23b 中性子検出器鞘管
24 原子炉格納容器 25 給水逆止弁
26 給水逆止弁 28 MIケーブル
28a 芯線 28b 外シース
29 熱電対 30a リード線
30b リード線 31 温度計測器
32 過流逆止弁 33 中性子検出器鞘管
34 3重のMIケーブル 34a 芯線
34b 内シース 34c 外シース
35 TDR計測器 36a 同軸線(芯線)
36b 同軸線(シールド) 37 貫通孔
38 隔壁 39 中性子検出器鞘管
40 MIケーブル 40a 芯線
40b 外シース 41a 亜鉛
41b マグネシウム 41c ストロンチウム
41d 金 42a 同軸線(芯線)
42b 同軸線(シールド) 43 TDR計測器
43a オシロスコープ 44 中性子検出器鞘管
45 MIケーブル 45a 芯線
45b 外シース 46a 同軸線(芯線)
46b 同軸線(シールド) 47 TDR計測器
47a オシロスコープ 48 燃料集合体
49 制御棒

Claims (12)

  1. 電源喪失等の非常時に原子炉内の温度を計測する方法において、
    原子炉の底部を貫通して、炉心の上端の格子状の支持枠体まで伸びた中性子検出器鞘管内に、上端にK型熱電対を設けた回線から成る熱電対回線を前記中性子検出器鞘管の下端から上部まで挿入し、当該原子炉の外側に導出した前記中性子検出器鞘管の下端から前記熱電対回線を導出させて、原子炉格納容器の外に設けた温度計測器に接続し、
    前記熱電対回線に生じた起電力の値に応じて前記温度計測器により原子炉内の水温乃至温度を計測することを特徴とする、非常時における原子炉内の温度測定方法。
  2. 電源喪失等の非常時に原子炉内の温度を計測する又は溶融状態を検出する方法において、
    原子炉の底部を貫通して、炉心の上端の格子状の支持枠体まで伸びた中性子検出器鞘管内に、回線に間隔を開けて、相互に融点の異なる複数の金属を、上から融点の低い順に接続した温度感知回線を前記中性子検出器鞘管の下端から上部まで挿入し、当該原子炉の外側に導出した前記中性子検出器鞘管の下端から前記温度感知回線を導出させて、原子炉格納容器の外に設けたTDR計測器に接続し、
    前記TDR計測器からパルス波を発信し、前記金属の溶融によって切断された回線箇所でパルス波が反射し、当該反射波が戻ってくる時間を測定し、当該時間から回線の切断箇所までの距離を算出し、当該距離に応じた金属の溶融温度から原子炉内の温度又は溶融状態を検出することを特徴とする、非常時における原子炉内の温度測定又は溶融状態検出方法。
  3. 電源喪失等の非常時に原子炉内の温度を計測する又は溶融状態を検出する方法において、
    原子炉の底部を貫通して、炉心の上端の格子状の支持枠体まで伸びた中性子検出器鞘管内に、回線に間隔を開けて、相互に融点の異なる複数の金属を、上から融点の低い順に接続した温度感知回線を前記中性子検出器鞘管の下端から上部まで挿入し、当該原子炉の外側に導出した前記中性子検出器鞘管の下端から前記温度感知回線を導出させて、原子炉格納容器の外に設けたTDR計測器に接続し、
    前記TDR計測器からパルス波を発信し、当該波形をTDR計測器のオシロスコープで表示し、前記金属の溶融によって切断された回線箇所で前記波形が変形することにより、当該変形箇所から前記金属を特定し、当該金属の溶融温度から原子炉内の温度又は溶融状態を検出することを特徴とする、非常時における原子炉内の温度測定又は溶融状態検出方法。
  4. 電源喪失等の非常時に原子炉内の溶融状態を検出する方法において、
    原子炉の底部を貫通して、炉心の上端の格子状の支持枠体まで伸びた中性子検出器鞘管内に、鋼管又はケーブルを前記中性子検出器鞘管の下端から上部まで挿入し、前記原子炉の外部に導出させた前記中性子検出器鞘管の下端から前記鋼管又はケーブルを導出させて、当該鋼管又はケーブル端に接続した同軸線を原子炉格納容器の外に設けたTDR計測器に接続し、
    前記TDR計測器からパルス波を発信し、前記鋼管又はケーブルの溶融によって電気的に短絡または切断された箇所でパルス波が反射し、当該反射波が戻ってくる時間を測定し、当該時間から鋼管又はケーブルの電気的に短絡または切断された箇所までの距離を算出し、当該距離から原子炉内の溶融状態を検出することを特徴とする、非常時における原子炉内の溶融状態検出方法。
  5. 電源喪失等の非常時に原子炉内の溶融状態を検出する方法において、
    原子炉の底部を貫通して、炉心の上端の格子状の支持枠体まで伸びた中性子検出器鞘管内に、鋼管又はケーブルを前記中性子検出器鞘管の下端から上部まで挿入し、前記原子炉の外部に導出させた前記中性子検出器鞘管の下端から前記鋼管又はケーブルを導出させて、当該鋼管又はケーブル端に接続した同軸線を原子炉格納容器の外に設けたTDR計測器に接続し、
    前記TDR計測器からパルス波を発信し、当該波形を前記TDR計測器のオシロスコープで表示し、前記鋼管又はケーブルの溶融によって電気的に短絡または切断された箇所で前記波形が変形することにより当該変形箇所から原子炉内の溶融状態を検出することを特徴とする、非常時における原子炉内の溶融状態検出方法。
  6. 原子炉の底部を貫通して、炉心の上端の格子状の支持枠体まで伸びた中性子検出器鞘管内に、上端にK型熱電対を設けた回線から成る熱電対回線を前記中性子検出器鞘管の下端から上部まで挿入し、当該原子炉の外側に導出した前記中性子検出器鞘管の下端から前記熱電対回線を導出させて、原子炉格納容器の外に設けた温度検出器に接続し、
    前記熱電対の回線に生じた起電力の値に応じて前記温度検出器により原子炉内の水温乃至温度を計測できる構成としたことを特徴とする、非常時における原子炉内の温度測定装置。
  7. 原子炉の底部を貫通して、炉心の上端の格子状の支持枠体まで伸びた中性子検出器鞘管内に、回線に間隔を開けて、相互に融点の異なる複数の金属を、上から融点の低い順に接続した温度感知回線を前記中性子検出器鞘管の下端から上部まで挿入し、当該原子炉の外側に導出した前記中性子検出器鞘管の下端から前記温度感知回線を導出させて、原子炉格納容器の外に設けたTDR計測器に接続し、
    前記TDR計測器からパルス波を発信し、前記金属の溶融によって切断された温度感知回線箇所でパルス波が反射し、当該反射波が戻ってくる時間を測定し、当該時間から前記温度感知回線の切断箇所までの距離を算出し、当該距離に応じた金属の溶融温度から原子炉内の温度及び溶融状態を検出する、
    又は前記TDR計測器に設けたオシロスコープに前記パルス波形を表示し、前記温度感知回線の切断箇所で前記波形が変化することにより、当該変形箇所から前記金属を特定し、当該金属の溶融温度から原子炉内の温度及び溶融状態を検出できる構成としたことを特徴とする、非常時における原子炉内の温度測定又は溶融状態検出装置。
  8. 原子炉の底部を貫通して、炉心の上端の格子状の支持枠体まで伸びた中性子検出器鞘管内に、鋼管又はケーブルを前記中性子検出器鞘管の下端から上部まで挿入し、前記原子炉の外部に導出させた前記中性子検出器鞘管の下端から前記鋼管又はケーブルを導出させて、当該鋼管又はケーブル端に接続した同軸線を原子炉格納容器の外に設けたTDR計測器に接続し、
    前記TDR計測器からパルス波を発信し、前記鋼管又はケーブルの溶融によって電気的に短絡または切断された箇所でパルス波が反射し、当該反射波が戻ってくる時間を測定し、当該時間から鋼管又はケーブルの切断箇所までの距離を算出し、当該距離から原子炉内の溶融状態を検出できる、
    又は前記TDR計測器のオシロスコープで前記パルス波を表示し、前記鋼管又はケーブルの溶融によって電気的に短絡または切断された箇所で前記波形が変形することにより、当該変形箇所から原子炉内の溶融状態を検出できる構成としたことを特徴とする、非常時における原子炉内の溶融状態検出装置。
  9. 前記請求項6に記載の装置と請求項7に記載の装置及び請求項8に記載の装置のいずれか2つの装置を組み合わせたことを特徴とする、非常時における原子炉内の温度測定又は溶融状態検出装置。
  10. 前記請求項6に記載の装置、請求項7に記載の装置及び請求項8に記載の装置を組み合わせたことを特徴とする、非常時における原子炉内の温度測定又は溶融状態検出装置。
  11. 原子炉の底部を貫通して、炉心の上端の格子状の支持枠体まで伸びた中性子検出器鞘管内に、芯線と、当該芯線外周を、絶縁材を介して被う円筒形状の内シースと当該内シースの外周を、絶縁材を介して被う円筒形状の外シースとから成る導体が3重のMIケーブルを、前記中性子検出器鞘管の上部まで延設し、当該MIケーブルの頂部で、芯線と外シースとを電気的に接続し、また、中シースと前記中性子検出器鞘管を電気的に接続し、原子炉の外側に伸びた前記中性子検出器鞘管の下端で前記芯線と中シースに、原子炉格納容器の外に設けたTDR計測器からの各リード線を夫々接続し、前記中性子検出器鞘管の長手方向に沿った外周に間隔をあけて多数の貫通孔を開け、かつ、前記中性子検出器鞘管の前記貫通孔より下方の下端部で、前記MIケーブルの外周と中性子検出器鞘管の内周の間を塞ぐ隔壁を設け、
    前記TDR計測器からパルス波を流し、原子炉内の前記中性子検出器鞘管内の水面で反射して、前記TDR計測器まで前記パルス波が戻る時間を計測して、当該時間により原子炉内の水位を計測できる構成とした、非常時における原子炉の水位計測装置及び請求項6〜8の装置を具備することを特徴とする、非常時における原子炉内の温度測定装置及び溶融状態検出装置。
  12. 請求項6の熱電対回線、請求項7の温度感知回線及び請求項8の鋼管又はケーブルを1本又は複数本の中性子検出器鞘管内に挿入し、これらの中性子検出器鞘管及び請求項11に記載の水位計測装置の中性子検出器鞘管を複数本原子炉内に配置したことを特徴とする、原子炉内の温度測定装置及び溶融状態検出装置。



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