JP2016193949A - シェーグレン症候群に伴うドライアイの治療剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、シェーグレン症候群に伴うドライアイの治療に有用な医薬組成物を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、オザグレル又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、シェーグレン症候群に伴うドライアイの治療用医薬組成物に関する。本発明の医薬組成物は、一般的なドライアイ治療薬(例えば、人工涙液等)の点眼を行った後も残存する傾向が強い、シェーグレン症候群に伴うドライアイの角膜及び結膜上皮障害の治療において、特に優れた治療効果を発揮する。【選択図】図4
Description
本発明は、シェーグレン症候群に伴うドライアイの治療に有用な医薬組成物に関する。
さらに詳しくは、本発明は、オザグレル又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、シェーグレン症候群に伴うドライアイの治療に有用な医薬組成物に関する。
近年、空調の普及、VDT(visual display terminals)作業者の増加等により、ドライアイの患者数は急増している。そのため、ドライアイの治療の重要性が高まっている(非特許文献1)。
ドライアイを伴う原因不明の自己免疫疾患として、シェーグレン症候群が知られている。シェーグレン症候群は涙腺・唾液腺などに高度なリンパ球浸潤を伴うため、シェーグレン症候群に伴うドライアイは、他のドライアイに比べて重篤なことが多い(非特許文献2)。近年、トロンボキサン(TX)合成酵素により合成されるTXA2のTXA受容体(TP)を介した、末梢のリンパ臓器における免疫制御が注目されている。すなわち、産生されたTXA2がTPに作用することにより、in vivoにおける免疫反応を抑制していることが示唆されている(非特許文献3)。
上述のように、シェーグレン症候群に伴うドライアイ患者の角膜及び結膜上皮障害は、重篤であることが知られている。このような上皮障害は、一般的なドライアイ治療薬(例えば、人工涙液等)の点眼や涙点プラグなどの眼表面の涙液量を増加させる治療を行った後も残存する傾向が強い。そのため、シェーグレン症候群に伴うドライアイの治療には、より強力なステロイド点眼薬や免疫抑制剤が使われている。しかしながら、眼圧上昇や易感染性などの副作用のため、ステロイド点眼薬の長期間の使用には注意を要する。また、免疫抑制剤であるシクロスポリンは、米国で唯一のドライアイ処方薬であるが、ドライアイ治療薬として認可されていない国もある。そのため、シェーグレン症候群に伴うドライアイ患者のような重篤なドライアイ患者の角膜及び結膜上皮障害等の治療においても、有用で安全性に懸念のない新しい作用機序のドライアイ治療薬が求められている。
トロンボキサン合成酵素阻害剤であるオザグレルは、気管支喘息の治療、並びにクモ膜下出血術後の脳血管攣縮及びこれに伴う脳虚血症状の改善に有用であることが知られている。また、オザグレルが角膜疾患における角膜上皮治癒効果を有し、ドライアイのような角膜疾患の治療剤として有用であることも知られている(特許文献1)。しかしながら、前記文献には、オザグレルがシェーグレン症候群に伴うドライアイの治療において、特に優れた治療効果を発揮することは、記載も示唆もされていない。
島崎潤ら、「あたらしい眼科」、2007年、第24巻、第2号、p.181-184
松本幸裕、「治療」、2002年、第84巻、第3号、p.37-41
成宮周ら、「Inflammation and Regeneration」、2004年、第24巻、第1号、p.35-42
本発明は、シェーグレン症候群に伴うドライアイの治療に有用な医薬組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、オザグレルが意外にもシェーグレン症候群に伴うドライアイの治療において、特に優れた治療効果を発揮することを見出した。
すなわち、本発明は、下記の〔1〕〜〔4〕等に関する。
〔1〕オザグレル又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、シェーグレン症候群に伴うドライアイの治療用医薬組成物。
〔2〕オザグレルナトリウムを有効成分として含有する、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔3〕有効成分として1 %(w/v)の濃度のオザグレルナトリウムを含有する、前記〔2〕に記載の医薬組成物であって、1日1〜6回点眼されるように用いられることを特徴とする医薬組成物。
〔4〕1日4回点眼されるように用いられることを特徴とする、前記〔3〕に記載の医薬組成物。
〔1〕オザグレル又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、シェーグレン症候群に伴うドライアイの治療用医薬組成物。
〔2〕オザグレルナトリウムを有効成分として含有する、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔3〕有効成分として1 %(w/v)の濃度のオザグレルナトリウムを含有する、前記〔2〕に記載の医薬組成物であって、1日1〜6回点眼されるように用いられることを特徴とする医薬組成物。
〔4〕1日4回点眼されるように用いられることを特徴とする、前記〔3〕に記載の医薬組成物。
また、一つの実施態様として、本発明は「オザグレル又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、シェーグレン症候群に伴うドライアイにおける眼自覚症状の改善用の医薬組成物」に関する。
また、一つの実施態様として、本発明は「オザグレル又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、シェーグレン症候群に伴うドライアイにおける結膜上皮障害の治療用の医薬組成物」に関する。
本発明の医薬組成物は、シェーグレン症候群に伴うドライアイ患者の角膜及び結膜上皮障害を改善する。したがって、本発明の医薬組成物は、シェーグレン症候群に伴うドライアイの治療薬として有用である。
以下、本発明の実施の形態についてより詳細に説明する。
本発明において、各用語は、特に断らない限り、以下の意味を有する。
本発明において、「ドライアイ」は、眼不快感や視機能異常等を伴う、涙液及び角結膜上皮の慢性疾患である。その診断や治療効果の評価には、例えば、非特許文献1に記載の定義及び診断基準、NEI(National Eye Institute)の定義(Lempら、「CLAO J」、1995年、第21巻、p.221-232参照)等を用いることもできる。
本発明において、「シェーグレン症候群に伴うドライアイ」とは、ドライアイのうち、シェーグレン症候群に伴うドライアイをいい、原発性シェーグレン症候群に伴うドライアイ、及び続発性シェーグレン症候群に伴うドライアイのいずれも含む。前記シェーグレン症候群に伴うドライアイは、一般的に涙液分泌減少型ドライアイに分類される。
本発明において、オザグレルの薬理学的に許容される塩としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸などの鉱酸との酸付加塩、ギ酸、酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、プロピオン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、炭酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、安息香酸、セバシン酸、パモ酸等の有機酸との酸付加塩等、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の無機塩基との塩、N−メチル−D−グルカミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、モルホリン、ピロリジン、アルギニン、リジン、コリン等の有機塩基との塩を挙げることができる。好ましくは、オザグレルのナトリウム塩(オザグレルナトリウム、以下、「化合物1(Compound 1)」と略称する場合がある)が挙げられる。
本発明のオザグレル又はその薬理学的に許容される塩には、薬理学的に許容される溶媒(例えば、水、エタノール等)との溶媒和物も含まれる。
本発明のオザグレル又はその薬理学的に許容される塩は、公知の方法で製造することができる。例えば、本発明のオザグレルは、特開昭55−00313号公報に記載の方法又はそれに準じた方法で製造することもできる。
本発明の医薬組成物は、例えば、点眼剤(点眼液、眼軟膏等)、注射剤、経口剤等の種々の形態で投与することもできる。
本発明の医薬組成物は、常法により、オザグレル又はその薬理学的に許容される塩、並びに少なくとも1つの医薬品添加剤を用いて調整することができる。添加剤としては、例えば、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、安定化剤、pH調整剤、溶解補助剤、界面活性剤等が挙げられる。
本発明の医薬組成物における有効成分の含有量は、患者の体重、年齢、性別、疾患の程度等に応じて定めればよい。例えば点眼剤の場合、有効成分の含有量は、0.25 %(w/v)〜2 %(w/v)であり、好ましくは、0.5%(w/v)、1%(w/v)、1.5%(w/v)又は2%(w/v)の濃度であってもよく、1%(w/v)がより好ましい。なお、「w/v」は、重量/容量を表す。
本発明の有効成分の投与方法は、患者の体重、年齢、性別、疾患の程度等に応じて適宜定めればよい。例えば点眼投与の場合、成人における点眼方法は、0.25 %(w/v)〜2 %(w/v)の濃度の点眼剤を片目あたり1回1滴、1日1〜6回投与であり、好ましくは、1日2回、4回又は6回投与である。より好ましくは、点眼方法は1%(w/v)の点眼剤を片目あたり1回1滴、1日4回投与である。なお、投与間隔は、適宜定めることができ、通常、3〜4時間である。
以下に、本発明を実施例にもとづいてさらに詳細に説明するが、本発明はその内容に限定されるものではない。
〔実施例1〕
MRL/lprマウス(シェーグレン症候群モデルマウス)における改善作用
1.試験方法
シェーグレン症候群のモデル動物として知られている生後18週齢のMRL/lprマウス(Jabs DA、Prendergast RA. Murine models of Sjogren's syndrome. Adv Exp Med Biol. 1994、350、p.623-30)に、1 %(w/v)のオザグレルナトリウム点眼液又はcontrolとしてクエン酸緩衝液を1日4回(3時間間隔)で14日間、両眼に5 μLずつ点眼投与した(各群13〜14例)。また、ICRマウスを正常群(Normal)(15例)とし、正常群にクエン酸緩衝液を同様に点眼投与した。最終点眼投与の翌日に、ペントバルビタール麻酔下にて1 %リサミングリーン溶液を両眼に1 μLずつ点眼後、角膜及び結膜の障害の程度をスコア化した。角膜障害スコアは、角膜全体に点状染色が認められる場合を4点、角膜全体に対して1/2以上3/4未満の場合を3点、1/4以上1/2未満の場合を2点、1/4未満の場合を1点及び染色が認められない場合を0点とし、左右角膜のスコアの合計をその個体の角膜上皮障害のスコアとした。また、結膜障害スコアに関しては、上眼球結膜及び下眼球結膜のそれぞれにおいて、角膜と同様な基準でスコア化し、左右結膜の上眼球結膜及び下眼球結膜のスコアの合計をその個体の結膜上皮障害スコアとした。なお、上記スコア化は盲検化して行った。
2.結果
1 %(w/v)のオザグレルナトリウム点眼液を点眼投与したシェーグレン症候群モデルマウスにおいて、角膜及び結膜上皮障害の改善が認められた(図1)。
MRL/lprマウス(シェーグレン症候群モデルマウス)における改善作用
1.試験方法
シェーグレン症候群のモデル動物として知られている生後18週齢のMRL/lprマウス(Jabs DA、Prendergast RA. Murine models of Sjogren's syndrome. Adv Exp Med Biol. 1994、350、p.623-30)に、1 %(w/v)のオザグレルナトリウム点眼液又はcontrolとしてクエン酸緩衝液を1日4回(3時間間隔)で14日間、両眼に5 μLずつ点眼投与した(各群13〜14例)。また、ICRマウスを正常群(Normal)(15例)とし、正常群にクエン酸緩衝液を同様に点眼投与した。最終点眼投与の翌日に、ペントバルビタール麻酔下にて1 %リサミングリーン溶液を両眼に1 μLずつ点眼後、角膜及び結膜の障害の程度をスコア化した。角膜障害スコアは、角膜全体に点状染色が認められる場合を4点、角膜全体に対して1/2以上3/4未満の場合を3点、1/4以上1/2未満の場合を2点、1/4未満の場合を1点及び染色が認められない場合を0点とし、左右角膜のスコアの合計をその個体の角膜上皮障害のスコアとした。また、結膜障害スコアに関しては、上眼球結膜及び下眼球結膜のそれぞれにおいて、角膜と同様な基準でスコア化し、左右結膜の上眼球結膜及び下眼球結膜のスコアの合計をその個体の結膜上皮障害スコアとした。なお、上記スコア化は盲検化して行った。
2.結果
1 %(w/v)のオザグレルナトリウム点眼液を点眼投与したシェーグレン症候群モデルマウスにおいて、角膜及び結膜上皮障害の改善が認められた(図1)。
〔実施例2〕
シェーグレン症候群に伴うドライアイ患者における改善作用
1.試験方法
シェーグレン症候群に伴うドライアイ患者65例に、プラセボ(21例)、又は1 %(w/v)(22例)若しくは0.5%(w/v)(22例)の濃度のオザグレルナトリウム点眼液を両眼に1回1滴、1日4回、8週間、反復投与した。
なお、本試験結果は、ドライアイ患者を対象として実施した試験において、厚生労働省研究班によるシェーグレン症候群改訂診断基準(1999年)の条件を参考にシェーグレン症候群に伴うドライアイ患者を抽出し解析したものである。
2.評価項目
リサミングリーン結膜染色度合計スコア(6領域の障害の程度をそれぞれ0〜3点でスコア化)、フルオレセイン角膜染色度合計スコア(5領域の障害の程度をそれぞれ0〜3点でスコア化)、涙液層破壊時間(BUT)、シルマーテストI法、及び眼自覚症状等を評価した。なお、「眼自覚症状」は、前回来院直後から今回来院時までに認められた自覚症状(乾燥感、眼精疲労、異物感、羞明感、眼痛、霧視、そう痒感)の程度をそれぞれ5段階の基準で評価した。
また、シェーグレン症候群に伴うドライアイの角結膜上皮障害及び眼自覚症状に対する総合的な治療効果を判断するため、レスポンダー解析を行った。なお、レスポンダーの定義は、リサミングリーン結膜染色度合計スコア、フルオレセイン角膜染色度合計スコア及び眼自覚症状がいずれも3点以上改善した症例をレスポンダー(Responder)とし、それ以外をNon-responderとした。
3.結果
1 %(w/v)のオザグレルナトリウム点眼液を投与したシェーグレン症候群に伴うドライアイ患者において、角膜上皮障害及び結膜上皮障害の有意な改善が認められた(図2及び図3)。1 %(w/v)のオザグレルナトリウム投与群の眼関連副作用の発現率は低く、安全性が高い薬剤であることも確認された。
また、レスポンダー解析の結果、最終評価時における1 %(w/v)のオザグレルナトリウム投与群のレスポンダー率(45.5%)は、プラセボ投与群のレスポンダー率(4.8%)を統計学的に上回った(Fisher's exact test、p=0.003)(図4)。
シェーグレン症候群に伴うドライアイ患者における改善作用
1.試験方法
シェーグレン症候群に伴うドライアイ患者65例に、プラセボ(21例)、又は1 %(w/v)(22例)若しくは0.5%(w/v)(22例)の濃度のオザグレルナトリウム点眼液を両眼に1回1滴、1日4回、8週間、反復投与した。
なお、本試験結果は、ドライアイ患者を対象として実施した試験において、厚生労働省研究班によるシェーグレン症候群改訂診断基準(1999年)の条件を参考にシェーグレン症候群に伴うドライアイ患者を抽出し解析したものである。
2.評価項目
リサミングリーン結膜染色度合計スコア(6領域の障害の程度をそれぞれ0〜3点でスコア化)、フルオレセイン角膜染色度合計スコア(5領域の障害の程度をそれぞれ0〜3点でスコア化)、涙液層破壊時間(BUT)、シルマーテストI法、及び眼自覚症状等を評価した。なお、「眼自覚症状」は、前回来院直後から今回来院時までに認められた自覚症状(乾燥感、眼精疲労、異物感、羞明感、眼痛、霧視、そう痒感)の程度をそれぞれ5段階の基準で評価した。
また、シェーグレン症候群に伴うドライアイの角結膜上皮障害及び眼自覚症状に対する総合的な治療効果を判断するため、レスポンダー解析を行った。なお、レスポンダーの定義は、リサミングリーン結膜染色度合計スコア、フルオレセイン角膜染色度合計スコア及び眼自覚症状がいずれも3点以上改善した症例をレスポンダー(Responder)とし、それ以外をNon-responderとした。
3.結果
1 %(w/v)のオザグレルナトリウム点眼液を投与したシェーグレン症候群に伴うドライアイ患者において、角膜上皮障害及び結膜上皮障害の有意な改善が認められた(図2及び図3)。1 %(w/v)のオザグレルナトリウム投与群の眼関連副作用の発現率は低く、安全性が高い薬剤であることも確認された。
また、レスポンダー解析の結果、最終評価時における1 %(w/v)のオザグレルナトリウム投与群のレスポンダー率(45.5%)は、プラセボ投与群のレスポンダー率(4.8%)を統計学的に上回った(Fisher's exact test、p=0.003)(図4)。
実施例1及び2の結果から、本発明の医薬組成物は、シェーグレン症候群に伴うドライアイのような重篤なドライアイにおける角膜若しくは結膜上皮障害、及び眼自覚症状の治療(改善)において、特に優れた治療効果(改善効果)を発揮することが示された。
〔実施例3〕
シェーグレン症候群に伴うドライアイの治療における用法・用量検討
1.解析方法
ドライアイの患者を対象とした下記臨床試験A及びBの結果において、実施例2と同様の基準によりシェーグレン症候群に伴うドライアイの患者を抽出した。それらのシェーグレン症候群に伴うドライアイの患者における、プラセボ(10例)、又は1 %(w/v)(7例)若しくは2%(w/v)(13例)の濃度のオザグレルナトリウム点眼液の効果を解析した。
2.試験内容
臨床試験A:
ドライアイ患者を対象に、プラセボ、又は0.5 %(w/v)、1 %(w/v)若しくは2%(w/v)の濃度のオザグレルナトリウム点眼液を両眼に1回1滴、1日4回、4週間、反復投与した。
臨床試験B:
ドライアイ患者を対象に、プラセボ、又は1 %(w/v)若しくは2%(w/v)の濃度のオザグレルナトリウム点眼液を両眼に1回1滴、1日4回、6週間、反復投与した。
評価項目は、いずれの試験においてもリサミングリーン結膜染色度合計スコア、フルオレセイン角膜染色度合計スコア、眼自覚症状(頻度)、眼自覚症状(重症度)等である。なお、「眼自覚症状(頻度)」は、来院前1 週間の自覚症状(乾燥感、眼精疲労、異物感、羞明感、眼痛、霧視、そう痒感)の頻度をそれぞれ5段階の基準で評価し、「眼自覚症状(重症度)」は、来院前1 週間の自覚症状(乾燥感、眼精疲労、異物感、羞明感、眼痛、霧視、そう痒感)の程度をそれぞれ5段階の基準で評価した。
3.解析結果
1 %(w/v)及び2%(w/v)のオザグレルナトリウム点眼液を投与したシェーグレン症候群に伴うドライアイ患者の4週時評価の解析において、角膜上皮障害及び結膜上皮障害の改善傾向が認められた。また、いずれの投与群においても眼自覚症状の改善傾向が認められ、4週時評価の解析において、2%投与群に比べ1%投与群において高い眼自覚症状の改善傾向が認められた(表1)。
シェーグレン症候群に伴うドライアイの治療における用法・用量検討
1.解析方法
ドライアイの患者を対象とした下記臨床試験A及びBの結果において、実施例2と同様の基準によりシェーグレン症候群に伴うドライアイの患者を抽出した。それらのシェーグレン症候群に伴うドライアイの患者における、プラセボ(10例)、又は1 %(w/v)(7例)若しくは2%(w/v)(13例)の濃度のオザグレルナトリウム点眼液の効果を解析した。
2.試験内容
臨床試験A:
ドライアイ患者を対象に、プラセボ、又は0.5 %(w/v)、1 %(w/v)若しくは2%(w/v)の濃度のオザグレルナトリウム点眼液を両眼に1回1滴、1日4回、4週間、反復投与した。
臨床試験B:
ドライアイ患者を対象に、プラセボ、又は1 %(w/v)若しくは2%(w/v)の濃度のオザグレルナトリウム点眼液を両眼に1回1滴、1日4回、6週間、反復投与した。
評価項目は、いずれの試験においてもリサミングリーン結膜染色度合計スコア、フルオレセイン角膜染色度合計スコア、眼自覚症状(頻度)、眼自覚症状(重症度)等である。なお、「眼自覚症状(頻度)」は、来院前1 週間の自覚症状(乾燥感、眼精疲労、異物感、羞明感、眼痛、霧視、そう痒感)の頻度をそれぞれ5段階の基準で評価し、「眼自覚症状(重症度)」は、来院前1 週間の自覚症状(乾燥感、眼精疲労、異物感、羞明感、眼痛、霧視、そう痒感)の程度をそれぞれ5段階の基準で評価した。
3.解析結果
1 %(w/v)及び2%(w/v)のオザグレルナトリウム点眼液を投与したシェーグレン症候群に伴うドライアイ患者の4週時評価の解析において、角膜上皮障害及び結膜上皮障害の改善傾向が認められた。また、いずれの投与群においても眼自覚症状の改善傾向が認められ、4週時評価の解析において、2%投与群に比べ1%投与群において高い眼自覚症状の改善傾向が認められた(表1)。
実施例2及び3の結果から、本発明の医薬組成物は、有効成分として1 %(w/v)の濃度のオザグレルナトリウムが1日4回点眼されるように用いられる場合において、特に優れたシェーグレン症候群に伴うドライアイの治療効果を発揮することが示唆された。
本発明の医薬組成物は、シェーグレン症候群に伴うドライアイの治療用医薬組成物として極めて有用である。
Claims (4)
- オザグレル又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、シェーグレン症候群に伴うドライアイの治療用医薬組成物。
- オザグレルナトリウムを有効成分として含有する、請求項1に記載の医薬組成物。
- 有効成分として1 %(w/v)の濃度のオザグレルナトリウムを含有する、請求項2に記載の医薬組成物であって、1日1〜6回点眼されるように用いられることを特徴とする医薬組成物。
- 1日4回点眼されるように用いられることを特徴とする、請求項3に記載の医薬組成物。
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