JP2016193559A - 3次元造形装置、3次元造形方法および3次元造形物 - Google Patents
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Abstract
【課題】底部材、および当該底部材と上部材とに連結された側方部材の反りを抑制することができる3次元造形装置、3次元造形方法および3次元造形物を提供する。
【解決手段】3次元造形装置により造形される3次元造形物1は、上面部1a、底面部1bおよび側面部1c、1d、1e、1fを備えた本体部2と、上面部1a、底面部1bおよび側面部1c、1d、1e、1fにより形成された内部空間2aに設けられ、側面部1c、1d、1e、1fに非接触である1または複数のサポート部3とを備えている。サポート部3は、柱状に形成され、上面部1aに連結された上端3aと底面部1bに連結された下端3bとを有している。
【選択図】図3
【解決手段】3次元造形装置により造形される3次元造形物1は、上面部1a、底面部1bおよび側面部1c、1d、1e、1fを備えた本体部2と、上面部1a、底面部1bおよび側面部1c、1d、1e、1fにより形成された内部空間2aに設けられ、側面部1c、1d、1e、1fに非接触である1または複数のサポート部3とを備えている。サポート部3は、柱状に形成され、上面部1aに連結された上端3aと底面部1bに連結された下端3bとを有している。
【選択図】図3
Description
本発明は、3次元造形装置、3次元造形方法および3次元造形物に関する。
従来から、所定の断面形状の樹脂材料を硬化させた樹脂層を順次積層することによって3次元造形物を造形する3次元造形装置が知られている。
3次元造形装置による造形方式には、熱溶解積層方式、インクジェット方式、光造形、粉末石膏造形および粉末焼結造形などがある。家庭用プリンタなどで主流となっている熱溶解積層方式は、熱可塑性樹脂を溶かし、溶解した樹脂材料をノズルの先端から押し出して層を形成する。形成された第1層の上に、同じ方法で第2層を形成する。このような層形成を繰り返して、所望の立体形状を有する3次元造形物を製造する(例えば、特許文献1参照)。
上記のような3次元造形装置を用いて、内部空間を有する3次元造形物を造形することがある。この3次元造形物が例えば内部空間を有する立方体形状である場合、当該3次元造形物は、上面部、底面部および4つの側面部により構成される。上面部を支えるために、サポート部が併せて形成される。図10に示すように、上記4つの側面部が側面部20、側面部20に対向する側面部21、側面部20に垂直な側面部22、および側面部22に対向する側面部23により構成される場合、サポート部24は、側面部20から側面部21に架け渡されて板状に形成される。サポート部24は、上記側面部と共に樹脂材料で形成される。
しかしながら、上記従来の3次元造形物においては、サポート部が側面部に連結されているため、側面部およびサポート部の硬化時に当該サポート部の収縮によって側面部が引っ張られる。その結果、3次元造形物の側面部に反りが生じていた。また、側面部に連結された底面部にも反りが生じていた。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、底部材、および当該底部材と上部材とに連結された側方部材の反りを抑制することができる3次元造形装置、3次元造形方法および3次元造形物を提供することである。
本発明に係る3次元造形装置は、樹脂材料を硬化させた樹脂層が順次積層されてなる3次元造形物を製造する3次元造形装置であって、テーブルと、テーブルに樹脂材料を吐出するノズルと、ノズルをテーブルに対して3次元移動させる移動機構と、底部材、底部材の上方に位置する上部材、および底部材と上部材とに連結され、底部材および上部材と共に内部空間を形成する側方部材を備えた本体部と、内部空間に柱状に形成され、上部材に連結された上端と底部材に連結された下端とを有し、かつ側方部材に非接触である1または複数のサポート部と、を備えた3次元造形物を造形するためのテーブルに対するノズルの移動経路を示すパスデータを作成するパスデータ作成部と、パスデータ作成部により作成されたパスデータを用いて、ノズルによる樹脂材料の吐出およびノズルの移動を制御する制御部と、を備えている。
本発明に係る3次元造形装置においては、側方部材に非接触であるサポート部を形成することができる。このようなサポート部によれば、当該サポート部の硬化時にサポート部の収縮により側方部材がサポート部に引っ張られることがないので、前記側方部材の引っ張りに伴って底部材も側方部材に引っ張られることがない。したがって、底部材および側方部材の反りを抑制することができる。また、上部材がサポート部に支えられているので、上部材を安定して形成することができる。なお、上記内部空間は、上部材、底部材および側方部材により閉じられていてもよいし、一部が開放されていてもよい。
本発明に係る3次元造形方法は、テーブルと、テーブルに樹脂材料を吐出するノズルと、ノズルをテーブルに対して3次元移動させる移動機構とを備えた3次元造形装置により、樹脂材料を硬化させた樹脂層が順次積層されてなる3次元造形物を製造する3次元造形方法であって、底部材、底部材の上方に位置する上部材、および底部材と上部材とに連結され、底部材および上部材と共に内部空間を形成する側方部材を備えた本体部と、内部空間に柱状に形成され、上部材に連結された上端と底部材に連結された下端とを有し、かつ側方部材に非接触である1または複数のサポート部と、を備えた3次元造形物を造形するためのテーブルに対するノズルの移動経路を示すパスデータを作成し、作成されたパスデータを用いて、ノズルによる樹脂材料の吐出およびノズルの移動を制御する。
本発明に係る3次元造形方法においては、側方部材に非接触であるサポート部を形成することができる。このようなサポート部によれば、当該サポート部の硬化時にサポート部の収縮により側方部材がサポート部に引っ張られることがないので、前記側方部材の引っ張りに伴って底部材も側方部材に引っ張られることがない。したがって、底部材および側方部材の反りを抑制することができる。また、上部材がサポート部に支えられているので、上部材を安定して形成することができる。
本発明に係る3次元造形物は、樹脂材料を硬化させた樹脂層が順次積層されてなる3次元造形物であって、底部材、底部材の上方に位置する上部材、および底部材と上部材とに連結され、底部材および上部材と共に内部空間を形成する側方部材を備えた本体部と、内部空間に柱状に形成され、上部材に連結された上端と底部材に連結された下端とを有し、かつ側方部材に非接触である1または複数のサポート部と、を備えている。
本発明に係る3次元造形物においては、サポート部は側方部材に接触していない。これによって、サポート部の硬化時に当該サポート部の収縮によって、側方部材がサポート部に引っ張られることがないので、前記側方部材の引っ張りに伴って底部材も側方部材に引っ張られることがない。したがって、底部材および側方部材の反りを抑制することができる。また、上部材がサポート部に支えられているので、上部材の撓みも抑制される。
本発明の好ましい一態様によれば、底部材は平板状に形成された底面部からなり、上部材は平板状に形成された上面部からなり、側方部材は平板状に形成された側面部からなる。
上記態様によれば、平板状に形成された底面部、上面部および側面部により構成された3次元造形物において前述の効果が得られる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、サポート部は、円柱形状に形成されている。
上記態様によれば、角柱形状のサポート部のように角部がないため、応力集中が起き難い。このため、サポート部が破断し難くなる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、サポート部は、角柱形状に形成されている。
上記態様によれば、同じ断面積の円柱形状のサポート部に比べて、断面2次モーメントが大きくなるので曲げ強度が増す。
本発明の好ましい他の一態様によれば、複数のサポート部は、一定ピッチで設けられている。
上記態様によれば、上面部における単位面積当たりのサポート部の数が同じになるので、上面部の反りを均等に抑制することができる。
本発明の好ましい他の一態様によれば、側面部は、第1側面部、第1側面部に垂直な第2側面部、第1側面部に対向する第3側面部、および第2側面部に対向する第4側面部を含み、本体部は、底面部、上面部および第1〜第4側面部により立方体形状または直方体形状に形成され、第1側面部と第3側面部とに亘って形成され、上面部に少なくとも一部が接触した線状の第1橋渡しと、第2側面部と第4側面部とに亘って形成され、第1橋渡しに接触するとともに上面部に少なくとも一部が接触した線状の第2橋渡しと、をさらに備えている。
上記態様によれば、上面部の造形の際に第1橋渡しおよび第2橋渡しによって、硬化前の上面部の樹脂が垂れるのを防止することができる。
本発明によれば、底部材および側方部材の反りを抑制することができる3次元造形装置、3次元造形方法および3次元造形物を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。最初に、本実施形態の3次元造形物1を製造する3次元造形装置50について説明する。図1に示すように、相互に直交する軸を、X軸、Y軸およびZ軸とし、3次元造形装置50はX軸とY軸とで構成される平面に置かれるものとする。以下、左方および右方とは、図1の3次元造形装置50を見た場合の左方および右方である。また、図1の3次元造形装置50を見た場合に、3次元造形装置50に近付く方を後方、遠ざかる方を前方とする。同図中の左方をLとし、右方をRとし、前方をFとし、後方をReとし、上方をUとし、下方をDとする。但し、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、本実施形態に係る3次元造形装置50の設置態様を何ら限定するものではない。
図1に示すように、3次元造形装置50は筐体51を備えている。この筐体51は、左壁51a、右壁51b、底面部材51c、後方部材51dおよび天面部材51eにより構成されている。左壁51aは、底面部材51cの左端において上方に延びている。右壁51bは、底面部材51cの右端において上方に延びている。後方部材51dは、底面部材51cの後端において上方に延びている。後方部材51dは、左壁51aおよび右壁51bに接触している。天面部材51eは、左壁51aの上端部、右壁51bの上端部および後方部材51dの上端部に接触している。
筐体51の内方には、吐出ヘッド52およびテーブル53が配設されている。吐出ヘッド52は、熱溶解された樹脂材料Mを吐出する。テーブル53の上面53aにおいて吐出された樹脂材料Mにより3次元造形物1が造形される。なお、樹脂材料Mは吐出されたのち冷えて硬化する。
吐出ヘッド52は、ノズル54、移動部材55、移動部材57および保持部材58を備えている。移動部材55および移動部材57を含む移動機構62によって、ノズル54を左右方向および上下方向に移動させることができる。ノズル54は、円形断面を有する先端部54aを備えている。ノズル54の先端部54aから樹脂材料Mがテーブル53の上面53aに向けて吐出される。移動部材55は、右方から見た側面視においてコの字形状に形成されている。移動部材55は、上部材55bおよび下部材55cを備えている。これらの上部材55bと下部材55cとの間に溝部55aが形成されている。
移動部材55の上部材55bと下部材55cとに一対のガイドレール56が接続されている。ガイドレール56の上端は上部材55bの下面に接続され、ガイドレール56の下端は下部材55cの上面に接続されている。移動部材57は、ガイドレール56に上下方向に移動自在に設けられている。移動部材57の前面に保持部材58が固定されている。この保持部材58によりノズル54が保持されている。移動部材57がガイドレール56に沿って上下方向に移動すると、保持部材58を介してノズル54も上下方向に移動する。
保持部材58には、回転可能な一対のローラー58aが左右に並んで設けられている。左方のローラー58aと右方のローラー58aとに、フィラメント状の樹脂材料Mが挟持されている。この樹脂材料Mの一端は、ノズル54の内方に収容されている。ローラー58aの回転により樹脂材料Mがノズル54の内方に送られる。樹脂材料Mの他端は、カートリッジ60に収容されている。カートリッジ60は交換可能である。ノズル54では、樹脂材料Mが熱溶解されて、熱溶解された樹脂材料Mが当該ノズル54の先端部54aから吐出される。
筐体51の内方において、軸状の一対のガイドレール59が設けられている。この一対のガイドレール59の左端は左壁51aに接続されており、ガイドレール59の右端は右壁51bに接続されている。移動部材55の上部材55bは上方のガイドレール59に移動自在に支持されている。移動部材55の下部材55cは下方のガイドレール59に移動自在に支持されている。これによって、移動部材55は左右方向に移動自在に構成されている。これにより、ノズル54も左右方向に移動可能となっている。
筐体51の底面部材51cには、テーブル53を前後方向にスライドさせるスライド機構61が設けられている。スライド機構61は、テーブル53がスライド自在に設けられた図示しないガイドレールとテーブル53を移動させる図示しないモータを備えている。このようなスライド機構61により、テーブル53が前後方向に移動するので、ノズル54はテーブル53に対して相対的に前後方向に移動できるようになっている。以上説明した構成によって、ノズル54は、テーブル53に対して上下方向、左右方向および前後方向に絶対的または相対的に移動可能となっている。なお、移動部材55および移動部材57はモータなどにより移動させる。
3次元造形装置50は、パスデータ作成部63、制御部64および記憶装置65を備えている。パスデータ作成部63は、制御部64が記憶装置65に記憶されているパスデータ作成プログラムを実行することにより機能的に実現されるものである。パスデータ作成部63は、3次元造形物を造形するためのテーブル53に対するノズル54の移動経路、換言すれば樹脂材料Mの搬送経路を示すパスデータを作成する。
制御部64は、公知のパーソナルコンピュータや汎用コンピュータなどに設けられるCPU(中央演算処理装置)により実現可能である。制御部64は、パスデータ作成部63により作成されたパスデータを用いて、3次元造形物の造形の際にノズル54の移動および樹脂材料Mの吐出を制御する。
記憶装置65は、リードオンリメモリ(ROM)やランダムアクセスメモリ(RAM)などから構成されている。記憶装置65は、3次元造形物のパスデータの作成を実行するためのプログラム並びにこれらの処理に用いる各種データを予め記憶している。
次に、本実施形態の3次元造形物1について説明する。図2に示すように、本実施形態の3次元造形物1の外観は、例えば立方体形状または直方体形状などである。3次元造形物1の寸法は、例えば縦30mm、横30mm、高さ30mmである。3次元造形物1は、上面部1a、底面部1b、第1側面部1c、第2側面部1d、第3側面部1e、および第4側面部1fよりなる立方体形状の本体部2を備えている。第2側面部1dは、第1側面部に垂直である。第3側面部1eは、第1側面部1cに対向している。第4側面部1fは、第2側面部1dに対向している。上面部1aは、底面部1bの上方に当該底面部1bに対向して配置されている。側面部1c、1d、1e、1fは、上面部1aと底面部1bとに連結され、上面部1aおよび底面部1bと共に内部空間2a(図3(a)参照)を形成している。内部空間2aは、上面部1a、底面部1bおよび側面部1c、1d、1e、1fにより閉じられていてもよいし、一部が開放されていてもよい。
図3(a)に図2の3次元造形物1を水平面HSで切断した場合の断面図を示し、図3(b)に図2の3次元造形物1を垂直面VSで切断した場合の断面図を示す。図3(a)に示すように、本体部2の内部空間2aには複数のサポート部3が設けられている。複数のサポート部3は、例えば5行×5列のようにマトリクス状に配置されている。各々のサポート部3は、それぞれ一定ピッチPで設けられている。言い換えれば、互いに隣り合うサポート部3とサポート部3との間隔はほぼ等しい。各サポート部3は例えば5mmピッチで形成することができる。本実施形態において、サポート部3は側面部1c、1d、1e、1fに非接触である。
サポート部3は、例えば角柱形状に形成されている。サポート部3の横断面形状は、例えば菱形である。図3(b)に示すように、サポート部3は、上端3aと下端3bとを備えている。サポート部3の上端3aは、上面部1aに連結されている。上面部1aが複数のサポート部3に支持されていることにより、上面部1aの撓みが抑制されている。一方、サポート部3の下端3bは、底面部3bに連結されている。サポート部3の造形は、後述の側面部1c、1d、1e、1fの造形の際に行うことができる。以上のような構成を有する3次元造形物1のパスデータが上述のパスデータ作成部63により作成される。
次に、3次元造形物1の造形方法について説明する。造形を行う際には上述の3次元造形装置50を用いる。造形条件としては、例えば樹脂材料Mのフィラメント径を1.75mm、ノズル54の先端部54aの径を0.4mm、フィラメント搬送速度を120mm/min、積層ピッチを0.4mmとする。また、樹脂材料Mとして、例えばPLA(polylactic acid)樹脂またはABS(acrylonitrile butadiene styrene copolymer)樹脂を採用することができる。
3次元造形物1の底面部1bは例えば2層で形成される。底面部1bの1層目を造形するには、樹脂材料Mを吐出させた状態のノズル54を、図4(a)に示すように、渦巻き状のルート10を辿らせて一周させる。続いて、ノズル54から樹脂を吐出させながら、当該ノズル54を一周目のルート10の内方において渦巻き状のルート11を辿らせて一周させる。次に、ノズル54から樹脂を吐出させながら、当該ノズル54を二周目のルート11の内方において、後方向、右方向、前方向および右方向の順にルート12を辿らせる。このようなルート12に沿ったノズル54の移動を、二周目のルート11の内方において左側から右側まで繰り返す。そして、ノズル54を後方向に移動させて二周目のルート11の内方の右後ろの終点P1に位置させる。このような方法によって、底面部1bの1層目を形成することができる。なお、上記のようにノズル54の後方向の移動によって形成されたパスと前方向の移動によって形成されたパスとは、例えば0.5mmピッチで配置されている。
次に、底面部1bの2層目を造形するには、1層目の終点P1に位置するノズル54を、樹脂材料Mの吐出を止めた状態で、例えば0.4mm上昇させて2層目の始点P2に位置させる。そして、樹脂材料Mを吐出させた状態でノズル54を左方向へ移動させる。その後、樹脂材料Mを吐出させた状態でノズル54を、後の造形時のルートである1周目のルート14の内方において、図4(b)に示すように、前方向、右方向、前方向および左方向の順にルート13を辿らせる。このようなルート13に沿ったノズル54の移動を、前記ルート14の内方において後ろ側から前側まで繰り返す。次に、樹脂材料Mを吐出させた状態でノズル54を、1周目の渦巻き状のルート14を辿らせる。続いて、樹脂材料Mを吐出させた状態でノズル54を、2周目の渦巻き状のルート15を辿らせて一周させる。このような方法によって、底面部1bの2層目を形成することができる。なお、上記のようにノズル54の右方向の移動によって形成されたパスと左方向の移動によって形成されたパスとは、例えば0.5mmピッチで配置されている。なお、上面部1aについては、底面部1bの上記造形方法と同様にして形成するため、説明を省略する。
次に、3次元造形物1の側面部1c、1d、1e、1fの造形方法について説明する。図5(a)に示すように、樹脂材料Mを吐出させた状態でノズル54を、始点P3から渦巻き状のルート16を辿らせて一周させる。続いて、樹脂材料Mを吐出させた状態でノズル54を、一周目のルート16の内方において渦巻き状のルート17を辿らせ一周させて終点P4に位置させる。これによって、側面部1c、1d、1e、1fの層を形成することができる。なお、側面部1c、1d、1e、1fの層を形成した後、ノズル54による吐出は一旦止められる。
次に、図5(b)に示すように、終点P4に位置付けられたノズル54を、ルート17の内方において後方向に向かう道筋18a、右方向に向かう道筋18b、前方向に向かう道筋18c、および右方向に向かう道筋18dの順で構成されるルート18を辿らせる。このようなルート18に沿ったノズル54の移動を再度行った後、ノズル54を後方向に向かうルート19に沿って移動させる。ここで、道筋18aには、サポート部3の層を一定ピッチで形成するポイントである形成点PSが設定されている。形成点PSでは、ノズル54により樹脂材料Mを吐出させてサポート部3の層が形成される。例えば断面菱形のサポート部3の層を形成する場合には、形成点PSでは樹脂材料Mを吐出させた状態でノズル54を菱形を描くように移動させる。また、断面円形のサポート部3の層を形成する場合には、形成点PSでは例えばノズル54を停止させた状態で樹脂材料Mを吐出させることができる。形成後は、樹脂材料Mの吐出を停止し道筋18aに沿って次の形成点PSまでノズル54を移動させて同様にサポート部3の層を形成する。なお、ルート18の道筋18cおよびルート19においても上記と同様にサポート部3の層が形成される。以上のように、側面部1c、1d、1e、1fの層を形成した後、続けてサポート部3の層を形成し、同様な方法により層を積み重ねることによって、側面部1c、1d、1e、1fおよびサポート部3を形成することができる。
上面部1aの造形を行う直前に、上面部1aに接触し当該上面部1aの樹脂が垂れるのを防止するための橋渡しを形成する。橋渡しはサポート部3(図3参照)の上端と接触させて形成する。橋渡しとしては、以下のように前後方向の橋渡しおよび左右方向の橋渡しを形成する。なお、橋渡しを形成する際のフィラメント搬送速度は例えば60mm/minとする。このように、通常吐出時と比べ、ノズル54の移動速度は変えずに、樹脂材料Mのフィラメント搬送速度を変更する。
図6(a),(b)は側面部1c、1d、1e、1fの上端を示している。図6(b)に示すように、側面部1c、1d、1e、1fの上端において前後方向の橋渡し26を形成する。詳細には、図6(a)に示すように、樹脂材料Mを吐出させた状態のノズル54を側面部1eの左部から側面部1cに向けて直線移動させる。次に、吐出を停止させたノズル54を側面部1cに沿って右方に移動させる。続いて、樹脂材料Mを吐出させた状態のノズル54を側面部1cから側面部1eに向けて直線移動させる。次に、吐出を停止させたノズル54を側面部1eに沿って右方に移動させる。図6(a)には、以上のようなノズル54のルートを25で示している。このように、ルート25に沿ったノズル54の移動を所定回数繰り返すことにより、側面部1cと側面部1eとを連結する複数の橋渡し26が形成される。隣り合う橋渡し26の間隔は、例えば5mmである。
次に、図7(b)に示すように、側面部1c、1d、1e、1fの上端において左右方向の橋渡し28を橋渡し26の上に当該橋渡し26に接触させて形成する。詳細には、図7(a)に示すように、樹脂材料Mを吐出させた状態のノズル54を側面部1fの前部から側面部1dに向けて直線移動させる。次に、吐出を停止させたノズル54を側面部1dに沿って後方に移動させる。続いて、樹脂材料Mを吐出させた状態のノズル54を側面部1dから側面部1fに向けて直線移動させる。次に、吐出を停止させたノズル54を側面部1fに沿って後方に移動させる。図7(a)には、以上のようなノズル54のルートを27で示している。このように、ルート27に沿ったノズル54の移動を所定回数繰り返すことにより、側面部1dと側面部1fとを連結する複数の橋渡し28が形成される。隣り合う橋渡し28の間隔は、例えば1mmである。
本実施形態によれば、側面部1c,1d,1e,1fに非接触であるサポート部3を形成することができる。このようなサポート部3によれば、当該サポート部3の硬化時にサポート部3の収縮により側面部1c,1d,1e,1fがサポート部3に引っ張られることがないので、前記側面部の引っ張りに伴って底面部1bも前記側面部に引っ張られることがない。したがって、底面部1bおよび側面部1c,1d,1e,1fの反りを抑制することができる。また、上面部1aがサポート部3に支えられているので、上面部1aを安定して形成することができる。
本実施形態によれば、サポート部3を円柱形状に形成することにより、角柱形状のサポート部のように角部がないため、応力集中が起き難い。このため、サポート部3が破断し難くなる。
本実施形態によれば、サポート部3を角柱形状に形成することにより、同じ断面積の円柱形状のサポート部に比べて、断面2次モーメントが大きくなるので曲げ強度が増す。
本実施形態によれば、複数のサポート部3は、一定ピッチで設けられている。それにより、上面部1aにおける単位面積当たりのサポート部3の数が同じになるので、上面部1aの反りを均等に抑制することができる。
本実施形態によれば、上面部1aの造形の際に橋渡し26,28によって、硬化前の上面部1aの樹脂が垂れるのを防止することができる。
なお、上記実施形態では、3次元造形物1の形状を中空の立方体として説明を行ったが、これに限定されるものではない。内部空間を有するものであれば、3次元造形物1の形状を例えば直方体や円柱などとしてもよい。また、上部材、底部材、および当該上部材と底部材とに連結された側方部材を有し、3次元造形物の内部空間においてサポート部により上部材を支持し得る3次元造形物であれば、当該3次元造形物の立体形状は特に限定されるものではない。
上記実施形態では、本体部2の内部空間2aに25本のサポート部3をマトリクス状に配置したが、これに限定されるものではない。図8に示すように、例えば4本のサポート部3をマトリクス状に配置してもよい。また、複数でなくても、単数のサポート部3を配置してもよい。さらに、マトリクス状に限らず、3次元造形物1の立体形状に応じて、サポート部3を不規則に配置してもよい。
上記実施形態では、角柱形状のサポート部3を採用することとしたが、これに限定されるものではない。柱形状に形成されているものであれば、図9に示すような円柱形状のサポート部30を配置してもよい。
上記実施形態では、ノズル54をXYZ座標系を用いて3次元的に移動させることとしたが、これに限定されるものではない。ノズル54を3次元的に移動させることができれば、例えば極座標系などを用いてもよい。
ここに用いられた用語及び表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではない。ここに示されかつ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、本発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものである。この開示は本発明の原理の実施形態を提供するものと見なされるべきである。それらの実施形態は、本発明をここに記載しかつ/又は図示した好ましい実施形態に限定することを意図するものではないという了解のもとで、実施形態がここに記載されている。ここに記載した実施形態に限定されるものではない。本発明は、この開示に基づいて当業者によって認識され得る、均等な要素、修正、削除、組み合わせ、改良及び/又は変更を含むあらゆる実施形態をも包含する。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態に限定されるべきではない。
1 3次元造形物
1a 上面部
1b 底面部
1c,1d,1e,1f 側面部(第1〜第4側面部)
2 本体部
2a 内部空間
3,30 サポート部
3a サポート部の上端
3b サポート部の下端
26 前後方向の橋渡し(第1橋渡し)
28 左右方向の橋渡し(第2橋渡し)
P ピッチ
1a 上面部
1b 底面部
1c,1d,1e,1f 側面部(第1〜第4側面部)
2 本体部
2a 内部空間
3,30 サポート部
3a サポート部の上端
3b サポート部の下端
26 前後方向の橋渡し(第1橋渡し)
28 左右方向の橋渡し(第2橋渡し)
P ピッチ
Claims (8)
- 樹脂材料を硬化させた樹脂層が順次積層されてなる3次元造形物を製造する3次元造形装置であって、
テーブルと、
前記テーブルに樹脂材料を吐出するノズルと、
前記ノズルを前記テーブルに対して3次元移動させる移動機構と、
底部材、前記底部材の上方に位置する上部材、および前記底部材と前記上部材とに連結され、前記底部材および前記上部材と共に内部空間を形成する側方部材を備えた本体部と、前記内部空間に柱状に形成され、前記上部材に連結された上端と前記底部材に連結された下端とを有し、かつ前記側方部材に非接触である1または複数のサポート部と、を備えた3次元造形物を造形するための前記テーブルに対する前記ノズルの移動経路を示すパスデータを作成するパスデータ作成部と、
前記パスデータ作成部により作成された前記パスデータを用いて、前記ノズルによる前記樹脂材料の吐出および前記ノズルの移動を制御する制御部と、を備えた、3次元造形装置。 - テーブルと、前記テーブルに樹脂材料を吐出するノズルと、前記ノズルを前記テーブルに対して3次元移動させる移動機構とを備えた3次元造形装置により、樹脂材料を硬化させた樹脂層が順次積層されてなる3次元造形物を製造する3次元造形方法であって、
底部材、前記底部材の上方に位置する上部材、および前記底部材と前記上部材とに連結され、前記底部材および前記上部材と共に内部空間を形成する側方部材を備えた本体部と、前記内部空間に柱状に形成され、前記上部材に連結された上端と前記底部材に連結された下端とを有し、かつ前記側方部材に非接触である1または複数のサポート部と、を備えた3次元造形物を造形するための前記テーブルに対する前記ノズルの移動経路を示すパスデータを作成し、
前記作成された前記パスデータを用いて、前記ノズルによる前記樹脂材料の吐出および前記ノズルの移動を制御する、3次元造形方法。 - 樹脂材料を硬化させた樹脂層が順次積層されてなる3次元造形物であって、
底部材、前記底部材の上方に位置する上部材、および前記底部材と前記上部材とに連結され、前記底部材および前記上部材と共に内部空間を形成する側方部材を備えた本体部と、
前記内部空間に柱状に形成され、前記上部材に連結された上端と前記底部材に連結された下端とを有し、かつ前記側方部材に非接触である1または複数のサポート部と、を備えた、3次元造形物。 - 前記底部材は平板状に形成された底面部からなり、前記上部材は平板状に形成された上面部からなり、前記側方部材は平板状に形成された側面部からなる、請求項3に記載の3次元造形物。
- 前記サポート部は、円柱形状に形成されている、請求項3または4に記載の3次元造形物。
- 前記サポート部は、角柱形状に形成されている、請求項3または4に記載の3次元造形物。
- 前記複数のサポート部は、一定ピッチで設けられた、請求項3〜6のいずれか1項に記載の3次元造形物。
- 前記側面部は、第1側面部、前記第1側面部に垂直な第2側面部、前記第1側面部に対向する第3側面部、および前記第2側面部に対向する第4側面部を含み、
前記本体部は、前記底面部、前記上面部および前記第1〜第4側面部により立方体形状または直方体形状に形成され、
前記第1側面部と前記第3側面部とに亘って形成され、前記上面部に少なくとも一部が接触した線状の第1橋渡しと、
前記第2側面部と前記第4側面部とに亘って形成され、前記第1橋渡しに接触するとともに前記上面部に少なくとも一部が接触した線状の第2橋渡しと、をさらに備えた、請求項4〜7のいずれか1項に記載の3次元造形物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015074729A JP2016193559A (ja) | 2015-04-01 | 2015-04-01 | 3次元造形装置、3次元造形方法および3次元造形物 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015074729A JP2016193559A (ja) | 2015-04-01 | 2015-04-01 | 3次元造形装置、3次元造形方法および3次元造形物 |
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JP2016193559A true JP2016193559A (ja) | 2016-11-17 |
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ID=57322600
Family Applications (1)
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JP2015074729A Pending JP2016193559A (ja) | 2015-04-01 | 2015-04-01 | 3次元造形装置、3次元造形方法および3次元造形物 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016193559A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2019142054A (ja) * | 2018-02-19 | 2019-08-29 | 株式会社リコー | 情報処理装置、造形システムおよびプログラム |
JP2019142119A (ja) * | 2018-02-21 | 2019-08-29 | セイコーエプソン株式会社 | 三次元造形物の製造方法および造形装置 |
KR20210094812A (ko) * | 2020-01-22 | 2021-07-30 | 한국과학기술연구원 | 4d 프린팅 구조체 |
JP7484006B1 (ja) | 2023-12-13 | 2024-05-15 | 前澤化成工業株式会社 | 造形物製造方法 |
-
2015
- 2015-04-01 JP JP2015074729A patent/JP2016193559A/ja active Pending
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