JP2016192920A - 動物の四肢固定具及び動物の四肢の固定方法 - Google Patents

動物の四肢固定具及び動物の四肢の固定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】容易にマウスやラットなどの動物にセット可能な四肢固定具と固定方法を提供する。【解決手段】動物の四肢固定具は、動物30の前肢又は後肢31の関節部33に引っ掛けるためのループ部4を備える紐状体2と、この紐状体2を、ループ部4に関節部33を引っ掛けた状態で、関節部33の近傍の肢部34、35を含めて挿入するための挿入開口10を一端に有する中空状の本体部1と、紐状体2を本体部1に固定するための固定部3とを備えている。【選択図】図5

Description

本発明は、動物の四肢の一部であって、例えば、後肢の関節部及びその近傍の肢部を拘束して固定する四肢固定具と動物の四肢の固定方法に関する。
各種実験に使用されるマウスやラット等の小動物を固定するための器具は、各種開発されている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、多くの固定器具はマウス等のからだ全体を固定するための器具であり、マウスの手足部分のみを固定するための部材は、殆ど存在しないのが現状である。例えば、骨格筋の萎縮変化を調べるために、ラットの後肢の膝関節と足関節を固定することが行われている。このような固定には、従来ではギプスが利用されてきた(例えば非特許文献1)。
しかしながら、ギプスをマウスやラットに固定する方法は非常に手間が掛かるという問題があった。特に、マウスは小型で手足が細いため、適度な押圧力に調整することが非常に難しく、強く押圧すると血行が悪くなり、一方で弱すぎると抜け落ちてしまう。
実開昭61−24017号公報 特許5210035号公報
鈴木英樹,辻本尚弥「ラットの後肢骨格筋における固定とサスペンションの影響」愛知教育大学研究報告,59(芸術・保健体育・家政・技術科学・創作編),pp.43〜46(2010年3月)
本発明は、従来のこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明の目的の一は、容易にマウスやラットなどの動物にセット可能とした動物の四肢固定具及び動物の四肢の固定方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記目的を達成するため、本発明に係る動物の四肢固定具によれば、動物30の前肢又は後肢31の関節部33に引っ掛けるためのループ部4を備える紐状体2と、この紐状体2を、ループ部4に関節部33を引っ掛けた状態で、関節部33の近傍の肢部34、35を含めて挿入するための挿入開口10を一端に有する中空状の本体部1と、紐状体2を本体部1に固定するための固定部3とを備えている。
本明細書において、紐状体とは、糸状ないし紐状のものから帯状のものまでを含む広い意味で使用する。
上記構成により、ギプスのような複雑な作業を経ることなく、動物の前肢又は後肢の関節部を紐状体に引っ掛けて、この紐状態を介して関節部の両側の肢部を本体部に挿入して、簡単かつ容易に、しかも確実に動物の四肢を固定できる。また、固定具を簡単な構造とすることで、安価に多量生産しながら、動物を傷つけることなく四肢を固定できる。
本発明の動物の四肢固定具は、固定部3が、本体部1に開口された一以上の開口部5を含み、開口部5に紐状体2を通して結ぶことで紐状体2を本体部1の定位置に固定することができる。
開口部5は、紐状体2を通す内径の円形状に形成することができる。また、開口部5は、紐状体2を通すスリット状に形成することができる。
本発明の動物の四肢固定具は、固定部3が、本体部1に形成された一以上の挿通部15を含み、挿通部15に紐状体2を通して結ぶことで紐状体2を本体部1の定位置に固定することができる。
本発明の動物の四肢固定具は、本体部1の挿入開口10の開口縁から開口部5または挿通部15までの深さ(H)を、本体部1の全長(L)の50〜100%とすることができる。
本発明の動物の四肢固定具は、本体部1が透光性を有することができる。
上記構成により、固定した動物の手足首を外部から視認し易くなり、むくみや損傷の発生を確認でき、ギプスのように確認できない従来のタイプに対して優位性を発揮できる。
本発明の動物の四肢固定具は、本体部1を円筒状に形成することができる。
上記構成により、本体部を円筒状とすることで、外力に対して強い構造にできる。また、円筒の本体部は、内面を湾曲面にできるので、本体部に挿入される動物の肢部を保護しながら固定できる。
本発明の動物の四肢固定具は、紐状体2を、糸状ないし紐状に形成することができる。また、本発明の動物の四肢固定具は、紐状体2を、帯状に形成することができる。
本発明の動物の四肢固定具は、紐状体2が固定された本体部1の外側を被覆する外装部8を備えることができる。
上記構成により、本体部から外部に露出する紐状体を外装部で被覆して保護できる。とくに、実験中において、本体部から外部に露出する紐状体が動物にかじられて破損するのを有効に防止できる。
本発明の動物の四肢固定具は、外装部8を、ギプス12、カバー部20、26、筒体25のいずれかとすることができる。
本発明の動物の四肢固定具は、外装部8が固定部3を兼用することができる。
上記構成により、外装部で本体部を保護しながら、紐状体を強固に固定できる。
本発明の動物の四肢固定具は、マウス、ラット、モルモット又はウサギの後肢を固定することができる。
本発明の動物の四肢の固定方法は、動物30の四肢の一部を拘束して固定する方法であって、動物30の前肢又は後肢31の関節部33を、紐状体2のループ部4に引っ掛ける工程と、ループ部4に関節部33を引っ掛けた状態で、紐状体2を、関節部33の両側の肢部34、35を含めて中空状の本体部1の一端に設けた挿入開口10から本体部1の内部に挿入する工程と、紐状体2を本体部1に固定する工程とを含んでいる。
上記方法により、ギプスのような複雑な作業を経ることなく、動物の前肢又は後肢の関節部を紐状体に引っ掛けて、この紐状態を介して関節部の両側の肢部を本体部に挿入して、紐状体を固定部に固定することで、簡単かつ容易に動物の四肢の一部を拘束して固定できる。
さらに、本発明の動物の四肢の固定方法は、紐状体2を糸状ないし紐状として、動物の関節部33をループ部4に引っ掛けた状態で中空状の本体部1に挿入し固定し、所定期間経過後、紐状体2を布状のものに交換し、布状の紐状体2でもって動物の関節部33を引っ掛けた状態で中空状の本体部1に固定することができる。
これにより、動物の抵抗力の強い当初は糸状ないし紐状の紐状体を用いて強固に関節部や肢部を固定する一方で、固定状態が継続して筋力が低下した状態では、布状の紐状体に交換することで関節部や肢部への血行を妨げないようにし、壊死などのリスクを低減できる。
本発明の実施形態1に係る動物の四肢固定具を示す斜視図である。 図1の動物の四肢固定具から引き出した紐状体をマウスの後肢に掛けようとする様子を示す斜視図である。 図2の紐状体をマウスの後肢に掛けた状態を示す斜視図である。 図3の紐状体を本体部に引き込み後肢を挿入した状態を示す斜視図である。 図4の紐状体を結んだ状態を示す斜視図である。 図5の本体部にギプスを固定した状態を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る動物の四肢固定具を示す斜視図である。 本発明の実施形態3に係る動物の四肢固定具を示す斜視図である。 本発明の実施形態4に係る動物の四肢固定具を示す斜視図である。 図9の動物の四肢固定具にマウスの後肢を挿入した状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態5に係る動物の四肢固定具を示す斜視図である。 図11の動物の四肢固定具の水平断面図である。 本発明の実施形態6に係る動物の四肢固定具を示す水平断面図である。 本発明の実施形態7に係る動物の四肢固定具を示す水平断面図である。 図14の動物の四肢固定具を示す斜視図である。 本発明の実施形態8に係る動物の四肢固定具を示す水平断面図である。 本発明の実施形態9に係る動物の四肢固定具を示す水平断面図である。 本発明の実施形態10に係る動物の四肢固定具を示す水平断面図である。 本発明の実施形態11に係る動物の四肢固定具を示す水平断面図である。 本発明の実施形態12に係る動物の四肢固定具を示す斜視図である。 図20の本体部にカバー部を装着する状態を示す分解断面図である。 図20の動物の四肢固定具を示す水平断面図である。 本発明の実施形態13に係る動物の四肢固定具を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態14に係る動物の四肢固定具を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態15に係る動物の四肢固定具を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態16に係る動物の四肢固定具を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための動物の四肢固定具及び動物の四肢の固定方法を例示するものであって、本発明は動物の四肢固定具及び動物の四肢の固定方法を以下の構成と方法に特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
本発明の動物の四肢固定具は、マウス、ラット、モルモット、及びウサギ等の動物の四肢を固定するための固定具であって、動物の前肢や後肢の一部を拘束する状態で固定して、特定の動物実験等に使用する。以下、本発明の四肢固定具を使用する対象となる動物としてマウスを例にあげて詳述する。さらに、以下に示す実施形態では、マウスの後肢を拘束して固定する使用例を示す。とくに、以下の実施形態では、マウスの後肢であって、下腿部(膝から踵までの部位)と足部(踵からつま先までの部位)の間に位置する関節部を固定して、その近傍に位置する肢部を拘束して固定する実施例を詳述する。ただ、本発明の動物の四肢固定具は、使用対象となる動物をマウスに限定せず、マウス以外の動物にも使用できる。さらに、本発明の四肢固定具は、拘束して固定する動物の四肢を後肢には特定せず、また、固定する部位も下腿部(膝から踵までの部位)と足部(踵からつま先までの部位)には特定しない。本発明の動物の四肢固定具は、動物の前肢を拘束して固定することも、下腿部と足部以外の肢部を拘束して固定することもできる。
(四肢固定具)
図1〜図6に示す動物の四肢固定具は、使用対象となる動物30の後肢31の関節部33に引っ掛けるためのループ部4を備える紐状体2と、この紐状体2を、ループ部4に関節部33を引っ掛けた状態で、関節部33の近傍の肢部34、35を含めて挿入するための挿入開口10を一端に有する中空状の本体部1と、紐状体2を本体部1に固定するための固定部3とを備えている。
(紐状体2)
紐状体2は、図1〜図6に示すように、動物30の後肢31の関節部33に連結されて、動物30の後肢31を本体部1の定位置に固定する。図に示す紐状体2は、糸状ないし紐状の線材であって、例えば、天然繊維や化学繊維を撚り集めて糸状ないし紐状に成形したものが使用できる。紐状体2には、好ましくは、たこ糸のような糸状のもの、あるいは、たこ糸を撚り集めて紐状にしたものが使用できる。たこ糸からなる紐状体2は、一般に使用されているものが使用でき、安価に入手できる。紐状体2には、たこ糸以外の線材、例えば、手芸用の毛糸や紐材、荷造り用のプラスチック製の紐材等も使用できる。以上のように、天然繊維や化学繊維を撚り集めて糸状ないし紐状に成形した線材は、全体の強度を強くしながら、自由に変形できる特徴がある。ただ、紐状体は、必ずしも複数の繊維材を撚り集めたものには特定せず、1本の線材、例えば、釣り用のテグスや金属線とすることもできる。とくに、金属線からなる紐状体2は、動物30にかじられて損傷を受ける弊害を低減できる。
ここで、動物30の四肢を固定する糸状ないし紐状の紐状体2は、太すぎると扱いにくく、また、動物30の四肢に対して圧迫を与えて血流を悪くする虞がある。これに対して、細くすると、強度が低下する。細くして強度を上げるために、強度を強くすると、動物30の四肢に食い込む状態となって動物30の四肢を傷つけるおそれがある。したがって、紐状体2にはこれ等のことを考慮して最適な太さと固さのものが使用される。
ただ、紐状体2は、必ずしも糸状ないし紐状の線材には限定せず、綿布等の布地や不織布等を帯状に裁断したものも使用できる(例えば、図26参照)。この構造の紐状体2は、動物30の四肢との接触面積を広くできるので、動物30の肢部34、35に対する圧迫を低減させて、動物30へのダメージを小さくできる。このような紐状体2として、ガーゼを細長い帯状に裁断したものが適している。ガーゼは、柔らかくて目が粗い綿布であるため、動物30の四肢の表面を傷つけることなく固定できるからである。ただ、布地を帯状に裁断した紐状体2には、ガーゼ以外の綿布や、綿布以外の布地を使用することもできる。
(ループ部4)
以上の紐状体2は、図1〜図3に示すように、動物30の後肢31の関節部33に引っ掛けるためのループ部4を備えている。ループ部4は、動物30の四肢の折曲部分である関節部33に引っ掛ける部分であって、関節部33の内側に引っ掛け可能な形状としている。図に示す紐状体2は、中間部分で折り返してU曲しており、このU曲部をループ部4として動物30の関節部33に引っ掛けできるようにしている。すなわち、ループ部4は、完全に環状に閉じた状態とする必要はなく、少なくとも関節部33の内側に挿入して係止できる半円状とすることで引っ掛けできる。このように、紐状体2の中間部を折り返してループ部4とする紐状体2は、詳細には後述するが、一端から引くことで本体部1から簡単に引き抜くことができる。このため、紐状体2を途中で交換する際には、作業を楽にできる。ただ、ループ部4は、環状とすることもできる。環状であるループ部4は、紐状体2の中間部や端部を結束して形成することができる(例えば、図16参照)。環状のループ部4は、拘束する後肢31を挿入できる内形に形成される。
さらに、ループ部4は、必ずしも紐状体2の一部で形成する必要はなく、別部材として紐状体2に連結することもできる。例えば、紐状体2は、環状のリング部材をループ部4として紐状体2に連結することができる(例えば、図18参照)。別部材からなる環状のループ部4は、金属やプラスチックを環状に形成したもの、あるいは、糸状ないし紐状の線材をリング状に結束したもの、あるいは、ゴムリング等が使用できる。これらのループ部4は、動物30の後肢31を挿入できる内形であって、動物30の後肢31を挿入して関節部33を引っ掛けた状態で本体部1に挿入できる外形とする。環状に形成されたループ部4は、紐状体2を挿通して紐状体2の中間部に配置され、あるいは、紐状体2の中間部や端部に結束して連結される。
(本体部1)
本体部1は、図1〜図6に示すように、中空状であって、一端には、紐状体2を介して動物30の肢部34、35を挿入するための挿入開口10を開口して設けている。本体部1は、例えば、両端が開口された筒状とし、あるいは有底の筒状とすることができる。筒状の本体部1は、筒部の断面形状を円形とすることができる。この本体部1は、内面を湾曲面にできるので、本体部1の内部に挿入される動物30の肢部34、35を保護しながら固定できる。ただ、本体部1は、筒部の断面形状を楕円形状や長円形状とすることも、多角形状とすることもできる。両端が開口された筒状の本体部1は、一方の開口端を動物30の肢部34、35の挿入開口10として、他方の開口端側を紐状体2を引き出す側の引き出し開口13として、引き出し開口13側の端部に紐状体2を固定することができる。この構造の本体部1は、引き出し開口13側の端部を固定端部11として紐状体2を固定することにより、本体部1に挿入された動物30の肢部34、35を定位置に固定できる。
本体部1は、プラスチック製、金属製、あるいはガラス製とすることができる。プラスチック製の本体部1は、簡単かつ安価に製造できると共に、軽量にして動物30の負担を小さくできる。また、簡単に加工できる特徴もある。さらに、プラスチック製の本体部1は、透光性を有する構造とすることができる。この本体部1は、固定した動物30の肢部34、35を外部から視認し易くして、経過観察できる特徴がある。さらに、プラスチック製の本体部1は、樹脂材料に動物30が嫌う成分を添加することで動物30に噛まれて破損するのを有効に防止できる。四肢固定具をマウスやラット等に使用する場合には、鋭い歯によって本体部1がかじられることがあるが、樹脂成分に動物30が嫌う成分を含有させることで動物30がかじるのを抑制して、これ等が破損されるのを有効に防止できる。
金属製やガラス製の本体部1は、長期間にわたって破損することなく使用できる。とくに、使用対象となる動物30にかじられることがあっても変形したり破損するのを有効に防止しながら安心して使用できる特徴がある。
以上の本体部1は、図2〜図4に示すように、動物30の後肢31の関節部33に引っ掛けられた紐状体2を介して、後肢31の一部を屈曲状態で挿入開口10から本体部1の内部に挿入する。中空状の本体部1は、挿入された動物30の肢部34、35であって、屈曲された後肢31の周囲を被覆することで肢部34、35の自由を奪って拘束する。したがって、本体部1は、関節部33で屈曲された姿勢の後肢31を挿入できる内径(D)と全長(L)を有する(図1参照)。具体的には、本体部1は、後肢31の下腿部(膝から踵までの部位)と足部(踵からつま先までの部位)を一度に包み込める太さを内径(D)の目安とする。また、全長(L)は、下腿部(膝から踵までの部位)あるいは足底(踵からつま先まで)の長さを目安として設計する。さらに、本体部1の内径(D)と全長(L)は、被実験体となる動物30の種類や大きさによって最適な大きさに設計される。たとえば、マウスの後肢31を拘束して固定する四肢固定具においては、本体部1の内径(D)を、7〜20mm、好ましくは8〜15mm、さらに好ましくは9〜12mmとすることができ、本体部1の全長(L)を12〜30mm、好ましくは15〜25mmとすることができる。また、ラット用の四肢固定具では、本体部1の内径(D)を15〜50mm、好ましくは20〜40mmとし、全長(L)を20〜80mm、好ましくは30〜40mmとすることができる。さらにまた、ウサギ用の四肢固定具では、本体部1の内径(D)を20〜70mm、好ましくは30〜50mmとし、全長(L)を50〜120mm、好ましくは80〜90mmとすることができる。
(固定部3)
固定部3は、紐状体2を本体部1に固定して、本体部1の内部に挿入された動物30の肢部34、35を定位置に保持する。固定部3は、動物30の肢部34、35を本体部1の定位置に配置した状態で、紐状体2を本体部1の定位置に固定する全ての構造が採用できる。このような固定部3として、図5または図6に示すように、本体部1に開口された一以上の開口部5と、開口部5に挿通された紐状体2を結んで形成された結束部6とすることができる。この四肢固定具は、本体部1に設けた開口部5に紐状体2の両端部を挿通する(図1参照)と共に、紐状体2の両端部を本体部1から引き出して、引っ張る(図3参照)ことで動物30の関節部33を本体部1の定位置まで移動させて、関節部33の近傍の肢部34、35を定位置に配置(図4参照)し、この状態で引き出された紐状体2の両端部を結束する(図5参照)ことで紐状体2を本体部1の定位置に固定する。
さらに、固定部3は、本体部1に形成された一以上の挿通部15と、この挿通部15に挿通された紐状体2を結んで形成された結束部6とすることもできる(図11ないし図15参照)。このような挿通部15は、本体部1の側面や端面に、直接あるいは別部材を介して形成することができる。この四肢固定具は、本体部1に設けた挿通部15に紐状体2の両端部を挿通すると共に、紐状体2の両端部を本体部1から引き出して結束することで紐状体2を本体部1の定位置に固定する。
以上のように、紐状体2の両端部を結束して本体部1に固定する構造は、紐状体2を連結するための別部材を必要とせず、すなわち部品点数を増やすことなく、簡単かつ安価な構造で、紐状体2の両端部を連結して、本体部2から外れないように固定することができる。また、紐状体2の両端部を結束して連結する構造は、結束位置や結束強さを微調整できるので、使用する動物30の大きさや状態を観察しながら、最適な状態で結束して固定できる特徴がある。ただ、紐状体2の両端部は、結束以外の方法で連結することもできる。紐状体2の両端部は、連結具(図示せず)を介して連結することもできる。例えば、紐状体2の両端部を筒状のスリーブに挿通すると共に、このスリーブを圧着して潰すことで紐状体2の両端部をスリーブで固定して連結することもできる。
ここで、本体部1に形成される開口部5や挿通部15の位置は、使用対象となる動物30の関節部33を固定する位置を特定し、これにより、本体部1の内部に固定される肢部34、35の固定位置が特定される。固定部3の位置は、関節部33で屈曲された姿勢の後肢31を本体部1に挿入して関節部33の近傍の肢部34、35(例えば下腿部と足部)を本体部1で被覆できる位置とする。とくに、肢部35が後肢31の足部(踵からつま先までの部位)である場合は、この足部を完全に被覆して、つま先が挿入開口10から突出しない位置とする。固定部3となる開口部5や挿通部15の位置は、挿入開口10の開口縁からの深さ(H)で特定される。開口縁からの深さ(H)は、本体部1の全長(L)の50〜100%、好ましくは、60〜100%の位置とする。言い換えると、開口縁からの深さ(H)は、本体部1に挿入されて固定される動物30の肢部34、35を本体部1で理想的に被覆できるように特定され、この開口縁からの深さ(H)を実現できるように、本体部1の全長(L)が特定される。
図1に示すように、本体部1を筒状として、その側面に開口部5を設けて固定部3を構成する場合は、開口縁からの深さ(H)を、好ましくは、本体部1の全長(L)の50〜90%、好ましくは、60〜80%とする。ここで、マウスの後肢31を拘束して固定する四肢固定具であって、内径(D)を10mmとし、全長(L)を20mmとする本体部1においては、開口縁からの深さ(H)を10〜18mm、好ましくは、12〜16mmとすることができる。
紐状体2は、本体部1の外周面に沿って配置して結束することができ、あるいは、図6に示すように。本体部1の端面側で結束することができる。ここで、四肢固定具をマウスやラット等に使用する場合は、前述のように、紐状体2の結束部6がかじられて噛み切られるおそれがあるので、好ましくは、結束部6は、本体部1の外側には露出しない構造とする。
(外装部8)
さらに、結束部6を本体部1の外部に配置する構造であっても、本体部1の外部を外装部8でカバーすることで、結束部6を保護して、この部分が動物30にかじられて破損するのを有効に防止できる。このような外装部8として、ギプス12で被覆(図6参照)することができ、あるいは、本体部1の一部ないし全体を被覆するカバー部20で構成(例えば、図20〜図24参照)することができる。本体部1の外部を外装部8でカバーする構造は、紐状体2の露出部分を外装部8で被覆して、この露出部が動物30にかじられるのを有効に防止できる。
(実施形態1)
図1〜図6に示す動物30の四肢固定具は、本体部1を円筒状のプラスチックの筒体とし、紐状体2を所定の太さの糸状としている。円筒状の筒体である本体部1は、一端を挿入開口10とし、他端部を固定端部11として紐状体2を固定するための固定部3を構成する開口部5を設けている。図に示す本体部1は、固定端部11の対向する側面に一対の貫通孔5aを開口して開口部5としている。これ等の貫通孔5aは、紐状体2を通す内径の円形状に開口している。図に示す本体部1は、固定端部11の両側面に1個ずつ計2個の貫通孔5aを開口して開口部5としている。
紐状体2は、本体部1の内部に配設されており、図1に示すように、平面視において、略U字状に中間をU曲する姿勢で配置されている。紐状体2は、挿入開口10側において中間部がU曲されてループ部4を形成しており、このループ部4を本体部1の挿入開口10から外側に突出させる状態で配置している。さらに、紐状体2は、その両端部が本体部1の固定端部11に設けた開口部5である貫通孔5aに挿通されて本体部1に連結されている。開口部5に挿通される紐状体2の両端部は、図5に示すように、本体部1の外部において結束して本体部1から抜けないようにしている。図に示す紐状体2は、本体部1の開口部5に挿通された両端部を本体部1の外部で結束して、この結束部6を固定部3としている。この構造は、紐状体2の結束状態を変更することで紐状体2で固定された動物30の関節部33の拘束状態を調整できる特徴がある。ただ、紐状体2の両端は、図示しないが、各々の先端部に開口部5を通過できない大きさの抜止部を設けて固定することもできる。
図5に示すように、本体部1の外側で紐状体2の先端部を結束する構造は。結束部6及び紐状体2の端部が本体部1の外側に表出するので、動物30にかじられて破損するおそれがある。そこで、図6に示すように、本体部1及びその外側で結束された結束部6を、外装部8で被覆することにより、紐状体2の露出部分を保護している。図6に示す外装部8は、石膏と基材シートからなるギプス12としている。この構造は、本体部1の外周面や紐状体2の端部及び結束部6をギプス12で被覆するので、この部分が動物30にかじられて破損することがない。
(実施形態2)
さらに、図7に示す四肢固定具は、円筒状の本体部1の固定端部11の対向する側面に2個ずつの貫通孔5aを開口して開口部5としている。図7に示す貫通孔5aは、図1と同様に、紐状体2を挿通できる内径の円形孔としている。図7に示す本体部1は、固定端部11の対向面に設けた2個の貫通孔5aを図において上下に並べて設けている。この四肢固定具は、図7の鎖線で示すように、紐状体2の端部を一方の貫通孔5aに挿入して、本体部1の内部から外部に向かって引き出すと共に、貫通孔5aから引き出された端部を、この貫通孔5aに近接するもう一方の貫通孔5aに挿入して、本体部1の外部から内部に向かって挿通している。さらに、固定端部11の内面側において、紐状体2の端部同士を結束して結束部6を設けている。この構造は、紐状体2の結束部6を本体部1の内部に配置できるので、この部分が動物30にかじられるのを有効に防止できる。本体部1の外周面において開口部5から表出する紐状体2の露出部は、外装部8で被覆して保護できる。この露出部は、例えば、金属テープや瞬間接着剤等の外装体で簡単に被覆して保護できる。なお、図7では、固定部3の構造をわかりやすくするために、動物及び拘束される後肢を省略している。
(実施形態3)
さらに、図8に示す本体部1は、前述の図7に示す本体部1と同様に、円筒状の本体部1の固定端部11において、対向する側面に各々2個ずつの貫通孔5aを開口して開口部5としているが、図8に示す本体部1は、2個の貫通孔5aからなる開口部5を、図において前後に並べて、すなわち、筒体の軸方向に並べて設けている。この四肢固定具も、図示しないが、紐状体2の端部を一方の貫通孔5a(挿入開口10側)に挿入して、本体部1の内部から外部に向かって引き出すと共に、貫通孔5a(挿入開口10側)から引き出された端部を、この貫通孔5a(挿入開口10側)に近接するもう一方の貫通孔5a(引き出し開口13側)に挿入して、本体部1の外部から内部に向かって挿通する。さらに、固定端部11の対向する内面側において、紐状体2の端部同士を結束して結束部6を設けることができる。この構造も、紐状体2の結束部6を本体部1の内部に配置できるので、この部分が動物30にかじられるのを有効に防止できる。また、この本体部1も、外周面において開口部5から表出する紐状体2の露出部を、外装部で被覆して保護できる。
(実施形態4)
さらに、図9と図10に示す四肢固定具は、円筒状の本体部1の固定端部11に形成する開口部5をスリット状としている。図に示す本体部1は、固定端部11において、本体部1の軸方向と垂直な面内であって、筒状の外周面に沿って円弧状のスリット孔5bを開口して開口部5としている。この開口部5は、例えば、円筒状の本体部1の外周面を横断面方向(半径方向)に削って開口をすることができる。この本体部1は、図9に示すように、開口部5を広いスリット孔5bとするので、紐状体2の両端部を容易に挿通できる特徴がある。スリット孔5bに挿通された紐状体2は、図10に示すように、両端部が本体部1の外側に引き出されて、動物30の肢部34、35を本体部1の定位置に配置すると共に、この状態で紐状体2の両端部を結束して本体部1に固定する。この四肢固定具も、図示しないが、本体部1の外周面において、スリット孔5bから表出する紐状体2の露出部を外装部で被覆して保護できる。
(実施形態5)
さらに、図11と図12に示す四肢固定具は、本体部1を金属製の筒体としている。金属製の筒体である本体部1は、例えば、アルミニウムや銅からなる金属パイプを所定の長さにカットして製造できる。さらに、図に示す本体部1は、筒体の内部に挿通される紐状体2の両端を固定するために、固定端部11の対向面に貫通孔5aとなる開口部5を開口すると共に、各々貫通孔5aにはリング14を挿通している。リング14は、図11に示すように、貫通孔5aから引き出し開口13の開口端までの固定端部11を囲む状態で連結されている。この四肢固定具は、本体部1の挿入開口10側に紐状体2のループ部4を配置すると共に、本体部1に固定された各リング14に、紐状体2の端部を各々挿通して、引き出し開口13から外部に引き出している。この四肢固定具は、リング14に挿通して外部に引き出された紐状体2の両端部を結束して紐状体2を本体部1に固定する。この四肢固定具は、本体部1に開口した開口部5と、開口部5に連結されたリング14と、このリング14に挿通された紐状体2の結束部6とで固定部3を構成している。この構造の四肢固定具は、紐状体2の結束部6を本体部1の内部に配置できるので、この部分が動物30にかじられるのを有効に防止できる。また、リング14を金属製とすることで、この部分が動物30にかじられて破損するのを防止できる。ただ、リングは、プラスチック製や紐体で構成することもできる。この場合は、リングを外装部で被覆して保護できる。
(実施形態6)
さらに、図13に示す四肢固定具は、金属製の筒体を外周面から内部に向かってプレス加工して、内面側に突出する挿通部15を形成している。この本体部1は、固定端部11の対向面において、軸方向に延長して所定の幅で側面を切断しながら内側に突出させることで、本体部1の内部に突出するリング状の挿通部15を形成している。図示しないが、本体部は、固定端部の対向面において、軸方向と垂直な面内において、外周方向に延長して所定の幅で側面を切断しながら内側に突出させて、本体部の内部に突出するリング状の挿通部を形成することもできる。
この四肢固定具は、本体部1の内側に形成された各挿通部15に、紐状体2の端部を各々挿通した状態で、引き出し開口13から外部に引き出している。この四肢固定具は、本体部1の外部に引き出された紐状体2の両端部を結束して紐状体2を本体部1に固定する。すなわち、この四肢固定具は、本体部1に形成した挿通部15と、この挿通部15に挿通された紐状体2の結束部6とで固定部3を構成している。この構造の四肢固定具も、紐状体2の結束部6を本体部1の内部に配置できるので、この部分が動物30にかじられるのを有効に防止できる。また、挿通部15を本体部1の内部に形成するので、挿通部15に挿通される紐状体2が本体部1の外部に突出するのを防止でき、紐状体2が動物30にかじられて破損するのを防止できる。
(実施形態7)
さらに、図14と図15に示す四肢固定具は、金属製の筒体の固定端部11に開口部5を設けて、紐状体2の挿通部15を設けている。図に示す開口部5は、筒体である本体部1の軸方向に伸びる長円形とすると共に、長円形の長手方向の中間に区画支柱16を設けて、長円形の開口部5を2つの挿通部15に区画している。この本体部は、固定端部11に設けた開口部5に挿通する紐状体2を、区画支柱16を跨ぐ状態で2つの挿通部15に挿通できるので、紐状体2の外部への露出を最小限にしながら、紐状体2を本体部1に固定できる。この四肢固定具は、紐状体2の露出を小さくできるので、外装部で簡単に被覆して保護できる。
(実施形態8)
さらに、図16に示す四肢固定具は、本体部1を有底の筒体としている。この本体部1は、挿入開口10と反対側の端面を閉塞プレート17で閉塞して、全体を容器状としている。図に示す本体部1は、閉塞プレート7に一対の貫通孔5aを開口して開口部5としている。これ等の貫通孔5aは、紐状体2を通す内径に開口している。この本体部1は、閉塞プレート17に設けた開口部5に紐状体2の両端部を挿通し、紐状体2の両端部を本体部1から外部に引き出して、ループ部4を挿入開口10側の定位置に配置する。さらに、図16に示す紐状体2は、中間部を環状に結束してループ部4を設けている。環状のループ部4は、動物30の後肢31を挿入できる大きさに形成している。
この四肢固定具は、紐状体2の中間に設けた環状のループ部4に動物30の後肢21を挿入し、関節部33にループ部4を引っ掛けた状態で紐状体2の端部を外側に引っ張って動物30の関節部33を本体部1の内部の奥まで移動させる。この四肢固定具は、例えば、紐状体2の中間に設けた環状のループ部4の結束部分4Aが閉塞プレート17に当接するまで紐状体2の両端部を外側に引っ張ることで、動物30の関節部33を本体部1の定位置に配置することができる。閉塞プレート17の外側において、引き出された紐状体2の端部を結束して紐状体2を本体部1に固定することができる。この四肢固定具は、閉塞プレート17の外側に形成される紐状体2の結束部(図示せず)を外装部で被覆して紐状体2の露出部を保護できる。
(実施形態9)
さらに、図17に示す四肢固定具は、筒体である本体部1の固定端部11の内部において閉塞プレート17を形成して本体部1の引き出し開口13側の内部を閉塞している。本体部1は、閉塞プレート7に一対の貫通孔5aを開口して開口部5としている。これ等の貫通孔5aは、紐状体2を通す内径に開口している。この本体部1は、閉塞プレート17に設けた開口部5に紐状体2の両端部を挿通し、紐状体2の両端部を本体部1から外部に引き出して、ループ部4を挿入開口10側の定位置に配置している。この紐状体2は、閉塞プレート17の外側に引き出された端部を結束して本体部1に固定される。この四肢固定具は、閉塞プレート17の外側で結束される紐状体2の結束部(図示せず)が筒状の固定端部11の内部に配置されるので、この部分が固定端部11で保護されて動物30にかじられるのを有効に防止できる。
(実施形態10)
さらに、図18に示す四肢固定具は、図16に示す有底で筒状の本体部1の閉塞プレート17の外側に筒体25である外装部8を固定する構造としている。この筒体25は、接着または溶着して、あるいは嵌合構造で本体部1に固定される。この四肢固定具は、閉塞プレート17の外側に形成される紐状体2の結束部(図示せず)を筒体25で被覆して保護できるので、この部分が動物30にかじられるのを有効に防止できる。
さらに、図18に示す四肢固定具は、ループ部4として、紐状体2と別部材からなる環状のリング部材19を紐状体2に連結している。図に示すリング部材19は、プラスチックを楕円形の環状に形成したものとしている。ただ、リング部材19は、金属製のリングとすることも、糸状ないし紐状の線材をリング状に連結したものとすることも、あるいは、輪ゴム等のゴムリングとすることもできる。これらのリング部材19は、動物30の後肢31を挿入できる構造であって、動物30の後肢31を挿入して関節部33を引っ掛けた状態で本体部1に挿入できる形状とする。
図18に示すループ部4は、リング部材19に紐状体2を挿通して、リング部材19を紐状体2の中間部に配置している。このループ部4は、紐状体2に沿ってリング部材19を自由に移動できる。このため、紐状体2の端部を本体部1に固定する状態で、ループ部4を本体部1の内部で最適な位置に配置できる。ただ、環状のリング部材19は、結束等により、紐状体2に固定することもできる。リング部材19を紐状体2に固定する構造は、リング部19を紐状体2の中間部に固定することも、紐状体の一端に固定することもできる。リング部を紐状体の一端に固定する構造は、図示しないが、他端部を外部に引き出すことで動物の後肢を本体部の定位置に配置できる。この構造は、紐状体の他端部のみを本体部に固定して動物の肢部を定位置に固定できる。したがって、本体部には1個の開口部を設けて紐状体を本体部から引き出すことができる。本体部から引き出された紐状体の端部には、例えば、クリップ等の固定具を固定して、紐状体が抜けないように固定することができる。
(実施形態11)
さらに、図19に示す四肢固定具は、筒体である本体部1の引き出し開口13をカバー部26で閉塞する構造としている。図に示すカバー部26は、底板27の外周に沿う周壁28を有する形状で、底板27を本体部1の引き出し開口13に嵌着させて、引き出し開口13を閉塞している。カバー部26は、接着または溶着して、あるいは係止構造で本体部1の引き出し開口13に固定される。カバー部26は、閉塞プレート7に一対の貫通孔を開口して開口部29としている。開口部29は、紐状体2を通す内径に開口している。このカバー部26は、底板27に設けた開口部29に紐状体2の両端部を挿通し、紐状体2の両端部をカバー部26の内側に引き出した後、ループ部4を筒状の本体部1に挿通して挿入開口10側から突出させた状態として、本体部1の引き出し開口13に固定することができる。このため、紐状体2の両端を、簡単に貫通孔29に挿通できる。さらに、この四肢固定具は、閉塞プレート17の外側に形成される紐状体2の結束部(図示せず)をカバー部26の周壁28で被覆して保護できるので、この部分が動物30にかじられるのを有効に防止できる。以上のカバー部26は、紐状体2の結束部を保護する外装部8として機能すると共に、紐状体2を本体部1に固定する固定部3の一部としても機能する。したがって、この外装部8は固定部3に兼用される。
(実施形態12)
さらに、図20〜図22は、図1に示す四肢固定具において、本体部1の外側に配置される紐状体2の結束部6を外装部8で被覆する構造を示している。図20〜図22に示す四肢固定具は、筒状の本体部1の引き出し開口13を外側から閉塞するカバー部26を備えている。このカバー部20は、底板21の外周に沿う周壁22を備えており、この周壁22の内側に本体部1の固定端部11を挿入して本体部1から露出する紐状体2を被覆する構造としている。カバー部20は、本体部1の固定端部11を挿入できる内形に形成されている。カバー部20は、好ましくは、本体部1の固定端部11に嵌着できる構造とすることで、本体部1に対して簡単に連結できる。ただ、カバー部20は、接着して本体部1に固定することも、外装テープ等で被覆して本体部1に固定することもできる。この四肢固定具は、本体部1の外側に配置される紐状体2や結束部6をカバー部20で被覆するので、この部分が動物30にかじられるのを確実に防止できる。
(実施形態13)
さらに、図23に示す四肢固定具は、本体部1の固定端部11に対して、カバー部20をさらに連結しやすくした構造を示している。図23に示すカバー部20は、周壁22に複数のスリット23を設けて、スリット23の間に弾性片24を設けている。すなわち、図のカバー部20は、周壁22の開口端から底板21に向かって軸方向に延びる複数列のスリット23を所定の間隔で設けて、これ等のスリット23の間に、半径方向に弾性変形可能な弾性片24を形成している。このカバー部20は、本体部1の固定端部11に連結する際に、弾性片24を弾性変形させながら無理なく挿入して連結できる。図に示すカバー部20は、周壁22の対向する部位に一対の弾性片24を設けている。これ等の弾性片24は、図23に示すように、本体部1の外側に露出する紐状体2と対向する姿勢で本体部1に連結することで、弾性片24を紐状体2の表面に沿って弾性変形させながら連結できる。さらに、このカバー部20は、本体部1に連結された状態では、これ等の弾性片24が本体部1を弾性的に押圧することで、カバー部20の抜け止めを防止部材としても機能する。さらに、図に示す本体部1は、カバー部20を挿入しやすくするために、挿入開口10から引き出し開口13に向かって、外形を次第に小さくする先細り形状としている。この構造により、本体部1は、引き出し開口13側の端部を無理なくカバー部20に挿入して連結できる。
(実施形態14)
さらに、図24に示す四肢固定具は、本体部1の固定端部11に連結する、カバー部20の形状を平面視コ字状としている。図24に示すカバー部20は、本体部1の引き出し開口13の直径方向に延びる帯状の底板21の両端に、本体部1の外周面に沿う一対の弾性片24を一体的に連結して設けている。このカバー部20も、本体部1の固定端部11に連結する際に、弾性片24を弾性変形させながら無理なく連結できる。このカバー部20は、図に示すように、一対の弾性片24を本体部1の外側に露出する紐状体2と対向する姿勢で本体部1に連結させることで、本体部1の外周面に露出する紐状体2を弾性片24で被覆できる。このカバー部20も、本体部1に連結された状態では、これ等の弾性片24が本体部1を弾性的に押圧することで、カバー部20の抜け止めを防止部材として機能する。
(実施形態15)
さらに、図25に示す四肢固定具は、本体部1を角筒状としている。図に示す本体部1は、横断面形状を六角形とする角筒状としている。図に示す本体部1は、一端に挿入開口10を開口すると共に、他端部の固定端部11には、紐状体2を挿通するための貫通孔5aである開口部5を開口している。図に示す本体部1は、六角形の対向する側面に一対の貫通孔5aを開口して開口部5としている。
(実施形態16)
さらに、図26示す四肢固定具は、紐状体2を帯状としている。この紐状体2は、綿布等の布地、例えばガーゼを帯状に裁断したものである。この構造の紐状体2は、動物30の四肢との接触面積を広くできるので、動物30の肢部34、35に対する圧迫を低減させて、動物30へのダメージを小さくできる。
以上の四肢固定具は、以下のようにして動物30の肢部34、35を拘束しながら固定する。
(1)図2に示すように、本体部1の挿入開口10から突出する紐状体2のループ部4を、動物30の後肢31の関節部33に引っ掛ける。
(2)図3の矢印で示すように、紐状体2の両端部を引っ張って、後肢31の関節部33を本体部1の内部に挿入させる。
(3)図4に示すように、関節部33を本体部1の定位置にまで移動させて、関節部33及びその近傍の肢部34、35を本体部1の内部の定位置に配置する。この状態で、動物の後肢31は、関節部33を折曲部として屈曲された姿勢で、その全体が本体部1に被覆される。
(4)本体部1から引き出された紐状体2の両端部を結束して紐状体2を本体部1に固定する。紐状体2は、図5に示すように、本体部1の外周面で結束され、あるいは、図7に示すように、本体部の内部で結束され、あるいは又、図6、図20、及び図22〜図24に示すように、本体部1の引き出し開口13で結束される。
この状態で、動物30の後肢31は、本体部1の内部の定位置に拘束された状態で固定される。
(5)さらに、紐状体2の一部や結束部6が本体部1から露出する場合は、図6、図18、図20〜図24に示すように、本体部1の外側を外装部8で被覆する。
さらに、四肢固定具は、実験の途中で紐状体2を交換することもできる。強度の高い丈夫な紐状体2は、動物30の関節部33や肢部34、35を確実に固定できるが、一方で動物30にダメージを与えることがある。このため、実験開始からある程度時間が経過して動物30の動きが抑制されてくると、動物30に対してダメージの小さい紐状体2に交換することで動物30への負担を小さくできる。例えば、実験開始当初は、被実験体である動物30の抵抗力が強いため、強度の高い糸状ないし紐状の紐状体2を使用することで関節部33を確実に固定し、所定の期間が経過して動物30の抵抗力が低下した状態では、柔らかい素材の紐状体2、例えば、図26に示すように、ガーゼ等の綿布を帯状に裁断した紐状体2のような布状の紐状体2に交換することで、拘束部分への負担を低減させて動物30が弱るのを有効に防止できる。
本発明の動物の四肢固定具及び四肢の固定方法は、マウス、ラット、モルモット、ウサギ等の動物の前肢や後肢の一部を拘束しながら固定して実施される各種実験に好適に採用できる。
1…本体部
2…紐状体
3…固定部
4…ループ部
4A…結束部分
5…開口部
5a…貫通孔
5b…スリット孔
6…結束部
8…外装部
10…挿入開口
11…固定端部
12…ギプス
13…引き出し開口
14…リング
15…挿通部
16…区画支柱
17…閉塞プレート
19…リング部材
20…カバー部
21…底板
22…周壁
23…スリット
24…弾性片
25…筒体
26…カバー部
27…底板
28…周壁
29…開口部
30…動物
31…後肢
33…関節部
34…肢部
35…肢部

Claims (16)

  1. 動物の前肢又は後肢の関節部に引っ掛けるためのループ部を備える紐状体と、
    前記紐状体を、前記ループ部に関節部を引っ掛けた状態で、関節部の近傍の肢部を含めて挿入するための挿入開口を一端に有する中空状の本体部と、
    前記紐状体を前記本体部に固定するための固定部と
    を備える動物の四肢固定具。
  2. 請求項1に記載の動物の四肢固定具であって、
    前記固定部が、前記本体部に開口された一以上の開口部を含み、前記開口部に前記紐状体を通して結ぶことで前記紐状体を前記本体部の定位置に固定してなる動物の四肢固定具。
  3. 請求項2に記載の動物の四肢固定具であって、
    前記開口部が、前記紐状体を通す内径の円形状に形成されてなる動物の四肢固定具。
  4. 請求項2に記載の動物の四肢固定具であって、
    前記開口部が、前記紐状体を通すスリット状に形成されてなる動物の四肢固定具。
  5. 請求項1に記載の動物の四肢固定具であって、
    前記固定部が、前記本体部に形成された一以上の挿通部を含み、前記挿通部に前記紐状体を通して結ぶことで前記紐状体を前記本体部の定位置に固定してなる動物の四肢固定具。
  6. 請求項2から5のいずれか一に記載の動物の四肢固定具であって、
    前記本体部の前記挿入開口の開口縁から前記開口部または前記挿通部までの深さ(H)が前記本体部の全長(L)の50〜100%である動物の四肢固定具。
  7. 請求項1から6のいずれか一に記載の動物の四肢固定具であって、
    前記本体部が、透光性を有する動物の四肢固定具
  8. 請求項1から7のいずれか一に記載の動物の四肢固定具であって、
    前記本体部が円筒状に形成されてなる動物の四肢固定具。
  9. 請求項1から8のいずれか一に記載の動物の四肢固定具であって、
    前記紐状体が、糸状ないし紐状に形成されてなる動物の四肢固定具。
  10. 請求項1から8のいずれか一に記載の動物の四肢固定具であって、
    前記紐状体が、帯状に形成されてなる動物の四肢固定具。
  11. 請求項1から10のいずれか一に記載の動物の四肢固定具であって、さらに、
    前記紐状体が固定された前記本体部の外側を被覆する外装部を備える動物の四肢固定具。
  12. 請求項11に記載の動物の四肢固定具であって、
    前記外装部がギプス、外装キャップ、外装筒のいずれかである動物の四肢固定具。
  13. 請求項11又は12に記載の動物の四肢固定具であって、
    前記外装部が前記固定部を兼用している動物の四肢固定具。
  14. 請求項1から13のいずれか一に記載の動物の四肢固定具であって、
    マウス、ラット、モルモット、又はウサギの後肢を固定するための動物の四肢固定具。
  15. 動物の四肢の一部を拘束して固定する方法であって、
    動物の前肢又は後肢の関節部を、紐状体のループ部に引っ掛ける工程と、
    前記ループ部に関節部を引っ掛けた状態で、前記紐状体を、関節部の両側の肢部を含めて中空状の本体部の一端に設けた挿入開口から前記本体部の内部に挿入する工程と、
    前記紐状体を前記本体部に固定する工程と
    を含む動物の四肢の固定方法。
  16. 請求項15に記載の動物の四肢の固定方法であって、
    前記紐状体を糸状ないし紐状として、動物の関節部をループ部に引っ掛けた状態で中空状の本体部に挿入し固定し、所定期間経過後、
    前記紐状体を布状のものに交換し、該布状の紐状体でもって動物の関節部を引っ掛けた状態で中空状の本体部に固定する動物の四肢の固定方法。
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