JP2016192619A - 光学補正を有する光学機器及びそのシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】画像回復フィルタ等の大容量な光学情報を有するレンズ装置からの通信を要する場合でも、速写性を失わないカメラ本体及びレンズ装置を提供すること。
【解決手段】レンズ装置からカメラ装置への通信中であっても撮影可能であり、かつ必要なデータがそろっていれば、画像補正が可能であることを特徴とする構成とした。
【選択図】図5
【解決手段】レンズ装置からカメラ装置への通信中であっても撮影可能であり、かつ必要なデータがそろっていれば、画像補正が可能であることを特徴とする構成とした。
【選択図】図5
Description
本発明は、カメラ本体との間で通信を行うレンズ装置に関する。
従来より、撮像装置において、光学的な結像劣化をその光学系固有の補正情報を用いて補正し、良好な画像を得る手段、及びその処理方法が種々報告されている。
特許文献1は、撮影された画像の歪曲収差を電気的に補正するための第1の補正情報をレンズに記憶させ、カメラとの初期通信時に、前記第1の補正情報をカメラに予め送信し、撮影の都度、内挿演算あるいは外挿演算による第2補正情報を生成する演算部をカメラに具備したことを特徴としている。これによってレンズ内に記憶させる情報を少なくさせる技術が開示されている。
特許文献2には、撮影された画像の歪曲収差や倍率色収差を電気的に補正するための補正情報をレンズに記憶させ、撮影の都度、撮影パラメータに応じた補正情報を、最適なタイミングでレンズからカメラに送信する方法が開示されている。
また、近年、歪曲や倍率色収差等の画像の変位を表す収差だけでなく、球面収差やコマ収差等の光学的画像劣化を回復する画像回復処理が種々報告されている。
特許文献3では、光学系の結像状態を変える複数のパラメータの組み合わせ毎に、画像回復フィルタを作成し、それにより撮影画像を回復する手段を開示している。
交換レンズ式の撮像装置において、レンズ特有の光学補正データに基づき画像補正をする際、その光学補正データは、レンズが持つことが好ましい。
仮に撮像装置がデータを持った場合、例えばそれ以降に開発された交換レンズについては光学補正データをどちらも持っていないことになるため、光学補正データを新たにダウンロードする等の作業が必要になってしまうためである。
ところが、交換レンズが光学補正データを持つ場合、レンズからカメラへの通信を行う必要があり、特許文献3に記す画像回復フィルタのような莫大なデータ量を持つ情報の場合、その通信時間により、撮像装置における速写性が損なわれる問題が生じる。
例えば、上述の特許文献1に開示された従来技術と同じ演算方法を、画像回復フィルタにおいて実施した場合、データ容量が大き過ぎてレンズ装置からカメラ装置への初期通信時間が著しく長くなってしまい、電源ON後の速写性が失われる問題が発生する。
特許文献2のように、撮影の都度回復フィルタを送信すると、通信するデータ量は、その撮影条件に限定できるため大きく軽減できるが、1つ1つのデータ量が大きいため、秒間数コマを求められる連写は勿論、連続撮影時の速写性が著しく落ちる問題が発生する。
そこで、本発明の目的は、画像回復フィルタ等の大容量な光学情報を有するレンズ装置からカメラ装置への通信を要する画像補正手段であっても、速写性を失わずに実施可能なカメラ本体及びレンズ装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の光学機器及びそのシステムは、
レンズ固有の光学補正情報を記憶する手段と、撮影光学系の像高に応じた光学補正情報を具備したレンズ装置と、
前記レンズ装置を装着することで撮影可能であり、
前記光学補正情報をレンズ装置から取得して記憶する手段と
撮影した画像情報を、記憶した光学補正情報で画像補正する補正手段を有し、
レンズ装置からの光学情報送信が途中であっても撮影が可能であり、
画像補正に必要な情報が取得されているかを判断する手段を有し、
必要な情報が転送されていれば、光学情報送信が全て完了していない場合でも、受信済み情報を基に撮影画像の補正が可能なカメラ装置から成る
ことを特徴とする。
レンズ固有の光学補正情報を記憶する手段と、撮影光学系の像高に応じた光学補正情報を具備したレンズ装置と、
前記レンズ装置を装着することで撮影可能であり、
前記光学補正情報をレンズ装置から取得して記憶する手段と
撮影した画像情報を、記憶した光学補正情報で画像補正する補正手段を有し、
レンズ装置からの光学情報送信が途中であっても撮影が可能であり、
画像補正に必要な情報が取得されているかを判断する手段を有し、
必要な情報が転送されていれば、光学情報送信が全て完了していない場合でも、受信済み情報を基に撮影画像の補正が可能なカメラ装置から成る
ことを特徴とする。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明する。
本発明によれば、レンズ内に記憶されたレンズ固有の光学補正情報を使うことで撮影された画像を補正する機能を有したカメラ装置において、光学補正情報の情報量が多い場合でも速写性を損なうことなく、かつ画像の劣化も少ない光学機器を提供することができる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
まず、図1を参照して、本実施例におけるカメラ(カメラ本体)および交換レンズ(レンズ装置)の動作について説明する。本実施例のレンズ装置は、動画および静止画の撮影が可能なカメラ本体に着脱可能なレンズ装置である。図1は本実施例におけるカメラ本体と交換レンズの内部ブロック図であり、交換レンズ1およびカメラ本体2の構成を模式的に示し、また、その内部の制御系を示している。
交換レンズ1(レンズ装置)は、交換式オートフォーカスレンズであり、フォーカスユニット3、モータ4、移動量検出ユニット5、絶対位置検出ユニット6、不揮発性ROM7、レンズマイコン8、接点ユニット9、および、フォーカスレンズ10を備える。
フォーカスユニット3は、フォーカスレンズ10を光軸OAの方向(光軸方向)に移動可能に保持し、被写体にピントを合わせるための保持機構である。
モータ4は、フォーカスユニット3を駆動させるアクチュエータである。本実施例のモータ4は電磁式モータであるが、これに限定されるものではなく、超音波式やボイスコイル式等のモータも適用可能である。
移動量検出ユニット5は、モータ4の回転量および回転速度を検出する検出手段である。移動量検出ユニット5は、円周上に同一ピッチで形成された切り欠きを有し、モータ4の回転と同期して回転する円板を備えている。移動量検出ユニット5は、この円板にLEDから投光された光がフォトインタラプタ素子(受光素子)に到達するか遮光されるかに応じた信号変化を検出する。フォーカスユニット3の移動量はモータ4の回転量と比例するため、移動量検出ユニット5はフォーカスユニット3の移動量を計測することができる。
絶対位置検出ユニット6は、フォーカスユニット3の絶対位置を検出する検出手段である。絶対位置検出ユニット6は、フォーカスユニット3に連動して移動する複数の金属のブラシと、固定された金属パターンとの導通による信号変化を検出し、この信号変化に基づいてフォーカスユニット3の現在位置を特定する。
ROM7は、書き換え可能な不揮発性メモリ(記憶手段)である。不揮発性ROM7に記憶されるデータは、主に交換レンズ1特有の光学的な特性を示す情報で、カメラはこの情報を交換レンズ1から取得し、更にこの情報を元に撮影された画像の補正を行っている。
本発明では不揮発性ROM7に記憶されている情報を光学補正情報として説明する。この光学補正情報には複数種類の情報で構成されていて、主なものとして、画像回復フィルタ情報、歪曲収差情報、周辺光量情報、倍率色情報等がある。本実施例ではこれらに関して詳しく説明しているが、これらの情報に限定される物では無い。
レンズマイコン8は、交換レンズ1の内部の各構成要素を制御するレンズ制御手段(制御手段)である。レンズマイコン8は、交換レンズ1とカメラ本体2との間で通信を行うための通信回路(通信手段)、リセット例外処理、A/D、タイマー、入出力ポート、内蔵ROM、および、内蔵RAM等の機能を有する。通信回路は、カメラ本体2との間で、撮影モード(動画撮影モード、静止画撮影モード)に応じた制御情報を含む通信方式で通信を行う。レンズマイコン8は、通信回路を介して得られた制御情報を用いてレンズや絞りなどの光学素子の駆動制御を行う。
接点ユニット9は、交換レンズ1とカメラ本体2との間で通信を行うための複数の金属接点を備え、レンズマイコン8とカメラマイコン12とを電気的に接続する接続手段である。複数の金属接点は、カメラ本体2側に設置された複数の金属突起と、交換レンズ1側に設置された複数の金属片とにより構成される。複数の金属突起と複数の金属片はそれぞれ、機械的に接触させることで電気的に短絡されている。複数の金属接点は、カメラ本体2から交換レンズ1に対して電源を供給する機能も有する。
カメラ本体2(撮像装置本体)は、測距ユニット11、カメラマイコン12、および、CCDセンサ13を備える。測距ユニット11は、被写体までの距離に対するフォーカスユニット3の現在位置のフィルム面でのズレ量を測距する測定手段である。一般に、オートフォーカスカメラでは、複数のラインCCDを用いたピントのズレ方式が採用される。この場合、被写体のコントラスト(明暗)の違いを読み取ることで、予め距離の離れた他のラインCCDと比較し、コントラストの状態が同じとなるCCDライン上の位置のズレを検出する。すなわち、ピントが合っている状態(合焦状態)では、CCDライン上の同じ位置にコントラストが合うことになる。ただし、本実施例は測距方式に限定されるものではなく、例えば、赤外発光(ILED)体を用いて三角測距を行う測距方式を採用してもよい。また、オートフォーカスに関する説明は、本実施例の主旨とは無関係であるためこれ以上の説明は省略する。
カメラマイコン12は、カメラ本体2の内部の各構成要素を制御するカメラ制御手段である。カメラマイコン12は、レンズマイコン8との間で通信を行うための通信コントローラ、A/D、電流検出器、タイマー、レンズへの電源供給スイッチ、入出力ポート、ROM、および、RAM等の機能を有する。
CCDセンサ13は、被写体像からの反射光を電気信号に変換する撮像素子である。カメラ装置とはこの撮像素子を使って撮影することになるが、撮影された画像は装着された交換レンズ1の固有の光学特性(収差)によって、実際に目で見た被写体と異なる画像が撮影される場合がある。これは交換レンズ1の収差によってCCDセンサに投影された画像が、歪められたり、滲んだり、色分離したりするためである。カメラには前述したレンズに記憶された光学補正情報を使って、実際の被写体に近い画像を作り出すことを目的として撮影された画像を補正するための画像補正処理回路(不図示)が搭載されている。
次に、交換レンズ1とカメラ本体2との間で行われる通信シーケンスについて説明する。まず初めに、接点ユニット9を介したレンズマイコン8とカメラマイコン12との通信回路(通信手段)について説明する。図2はレンズマイコン8とカメラマイコン12との通信回路を示す概略図である。
一般に、交換レンズ1とカメラ本体2との通信では、レンズマイコン8およびカメラマイコン12に設定されたシリアル通信機能によって各種データを交換する。図2に示されるように、レンズマイコン8は、入力端子Lin、出力端子Lout、および、同期クロック入力端子Lclkを備える。入力端子Linは、カメラマイコン12からの出力データを受信する端子である。出力端子Loutは、カメラマイコン12へ出力データを送信する端子である。同期クロック入力端子Lclkは、入力端子Linおよび出力端子Loutにおける各データ通信において、各信号変化を検出するための同期信号用入力端子である。
同様に、カメラマイコン12は、入力端子Cin、出力端子Cout、同期クロック出力端子Cclkを備える。入力端子Cinは、レンズマイコン8からの出力データを受信する端子である。出力端子Coutは、レンズマイコン8へ出力データを送信する端子である。同期クロック出力端子Cclkは、入力端子Cinおよび出力端子Coutの各データ通信において、各信号変化を検出するための同期信号用出力端子である。このような通信方式は、一般的に、クロック同期式シリアル通信と呼ばれる。カメラマイコン12は、同期クロック出力端子Cclkから8周期分のクロック信号を出力し、レンズマイコン8はこの信号を同期クロック入力信号Lclkとして受信する。
このように、互いにこのクロック信号に同期させて1回の通信で1バイト(8bit)単位の情報がやり取りされる。具体的な通信方法の例として、カメラ本体2に交換レンズ1が装着されると、カメラマイコン12は不図示のスイッチで交換レンズ1が装着されたことを検知したら、所定の1バイト通信情報をレンズマイコン8に接点ユニット9を介して送信する。この1バイトの通信はレンズマイコン8と通信が確立しているかを確認するための通信情報であるため、予め決定された値であれば何でも良い。
カメラマイコン12から通信の確立情報を受信したレンズマイコン8は次のカメラマイコン12からの通信でレンズからカメラに対する通信確立情報を送信する。この1バイトの通信情報には主に命令を示す命令コマンド通信と、単なる情報のやりとりを行っている情報通信の2つがある。カメラマイコン12からの命令コマンド通信(以下コマンド通信と記す)に従ってレンズマイコン8はコマンド通信に沿った情報を次の通信でカメラに送信するシーケンスとなっている。
以上が通信シーケンスの説明である。
ここで、具体的な画像回復の処理方法について、説明する。画像回復処理に用いられる画像回復フィルタを説明するために、画像回復フィルタの模式図を図3(A)に示す。
画像回復フィルタは撮像系の収差特性や要求される回復精度に応じてタップ数を決めることができ、図3(A)では例として11×11タップの2次元のフィルタとしている。フィルタの各タップが画像の各画素に対応しており、画像回復処理の工程でこの画像回復フィルタが入力画像の画素に対してコンボリューション処理(畳み込み積分、積和)される。コンボリューション処理とはある画素の信号値を改善するために、その画素を画像回復フィルタの中心と一致させ、画像と画像回復フィルタの対応画素ごとに画像の信号値とフィルタの係数値の積をとることである。そして、その総和を中心画素の信号値として置き換える処理として一般的に知られている。
画像回復フィルタは撮像系の収差特性や要求される回復精度に応じてタップ数を決めることができ、図3(A)では例として11×11タップの2次元のフィルタとしている。フィルタの各タップが画像の各画素に対応しており、画像回復処理の工程でこの画像回復フィルタが入力画像の画素に対してコンボリューション処理(畳み込み積分、積和)される。コンボリューション処理とはある画素の信号値を改善するために、その画素を画像回復フィルタの中心と一致させ、画像と画像回復フィルタの対応画素ごとに画像の信号値とフィルタの係数値の積をとることである。そして、その総和を中心画素の信号値として置き換える処理として一般的に知られている。
図3(A)は各タップ内の値を省略しているが、この画像回復フィルタの1断面を図3(B)に示す。画像回復フィルタの各タップのもつ値(係数値)の分布が、収差によって空間的に広がった信号値を理想的には元の1点に戻す役割を果たしている。この画像回復フィルタは、撮像系の光学伝達関数(OTF)を計算若しくは計測し、その逆関数に基づいた関数を逆フーリエ変換して得ることができる。画像回復処理では、ノイズの影響を考慮する必要があるため、ウィナーフィルタや、関連する種々の画像回復フィルタの作成方法を選択して、回復処理に適した画像回復フィルタを用いることができる。
尚、画像回復フィルタは撮像光学系のOTFのみならず、撮像の過程でOTFを劣化させる要因を考慮して生成ことができる。撮像の過程でOTFを劣化させるものとして、例えば、複屈折を有する光学ローパスフィルタがあり、OTFの周波数特性に対して高周波成分を抑制するものである。また、撮像素子の画素開口の形状や開口率も周波数特性に影響しているし、光源の分光特性や各種波長フィルタの分光特性などもOTFを劣化させる要因として挙げることができる。これらの要因考慮した広義の光学伝達関数(OTF)に基づいて、画像回復フィルタを作成することが望ましい。
被写体面に撮像素子を密着させて撮像を行うスキャナ(読み取り装置)やX線撮像装置など、レンズのような撮像光学系を持たない装置の場合、OTFは撮像システムの伝達関数に相当する。撮像光学系を持たない装置であっても、画像のサンプリングなどにより出力画像は少なからず劣化し、この劣化特性が撮像システム伝達関数にあたる。したがって、撮像光学系を持たずとも、システムの伝達関数に基づいて画像回復フィルタを生成すれば、回復画像を生成することができる。
以下、撮像光学系、あるいは撮像光学系を持たないがOTFを取得可能なシステムを両方含めて撮像系と記す。また、複数の色成分を有する画像に対して画像回復処理を行う場合は、複数の色成分それぞれについて画像回復フィルタを用意することで、より良質な画像を得ることができる。例えば、入力画像がRGB形式のカラー画像である場合は、R、G、Bの各色成分に対応した3つの画像回復フィルタを作成すれば良い。こうすることで、撮像系による色収差を良好に補正することができる。
尚、図3(A)に示したように、画像回復フィルタの縦横のタップ数は縦横同じ数である必要はなく、任意に変更することができる。具体的には、画像回復フィルタを100以上に分割した2次元フィルタとすることで、撮像系による球面収差、コマ収差、軸上色収差、軸外色フレア等の結像位置から大きく広がる収差に対してもより精度よく回復することができる。また、コマ収差、軸外色フレア、サジタルフレア、像面湾曲、非点収差等の非対称収差についても精度良く回復することができる。さらに、画像回復処理を行う画像の劣化過程が線形である方が劣化前の元画像に回復するための逆過程を高精度に処理できるため、入力画像は諸々の適応的な非線形処理が行われていないことが好ましい。したがって、画像回復処理はモザイク画像(RAW画像)に対して行うことが好ましい。ただし、デモザイク画像でも、色補間処理による劣化過程が線形であれば、画像回復フィルタの生成において、この劣化関数を考慮することでより高精度な回復処理を行うことができる。また、回復の要求精度が低い場合や諸々の画像処理が行われた画像しか入手できない場合には、デモザイク画像に対して回復処理を行っても構わない。
次に、倍率色収差や歪曲の処理方法について説明する。歪曲収差は、周辺像高において、近軸倍率からのずれが発生し、光軸から放射方向に、部分的に引き伸ばされたり縮小されたりする現象である。著しい歪曲が生じると、直線被写体が曲がったり、被写体形状が変形したりしてしまう。倍率色収差は、前述した歪曲現象が、色ごとに発生量が異なる現象である。それにより、光軸から放射方向に、被写体エッジ部から色滲みが発生し、解像感を損ねてしまう。倍率色収差や歪曲の補正については、図4に記すように、横軸を光軸から放射方向の位置、縦軸を輝度とした時、変位量の単一情報のみを補正量として与え、理想の位置に戻す処理となる。そのため、前述した画像回復フィルタに比べ、その情報量は少ない。
次に、図5を使って本発明の趣旨となるカメラの光学補正情報の取得シーケンスについて説明する。図5は本実施例におけるカメラマイコン12の通信処理(カメラ通信処理)を示すフローチャートである。
まず初めにカメラマイコン12は、通信処理ルーチン(ステップ100)に移行すると、レンズが装着されているかを判断する。
ステップ101でレンズ以外であればステップ102に移行し、通信処理を終了する。
レンズかどうかは前述した通信確立情報で判断する。
レンズかどうかは前述した通信確立情報で判断する。
ステップ101でレンズであった場合は、光学補正情報をすでに取得済みであるかをステップ103で判断する。取得している場合はステップ112で通信終了となり、撮影待機に移行する。
ステップ103で、光学補正情報を未取得の場合、ステップ104で固体情報取得後、ステップ105の光学情報通信に移行する。ステップ105のデータ通信中は、仮撮影待機状態であり、ステップ106の割込み撮影実行が可能である。それにより、カメラに求められる速写性を確保している。ステップ106の割込み撮影実行処理が行われなかった場合は、ステップ112で通信終了となり、撮影待機状態に移行する。ステップ106の割込み撮影実行処理が行われた場合、割込み撮影実効処理までにステップ105で取得した受信済みデータを参照し、現時点で画像補正に必要なデータが揃っている像高領域を判定するステップ107に入る。
ステップ107で、画像補正可能な像高領域がない場合、補正を行わず(ステップ110)、画像補正可能な像高領域がある場合、ステップ108で補正データを作成し、ステップ109で画像補正を実施する。
その後、ステップ105の割込み撮影が行われた地点に戻り、光学情報通信を再開するべく(ステップ111)。
ステップ112の撮影待機状態から、ステップ113の撮影処理がされた場合、ステップ114で補正データを作成し、ステップ115の画像補正を行い、再びステップ112の撮影待機状態に戻る。
次に、交換レンズ1とカメラ本体2との間で行われる光学補正情報に関して、説明する。図6はレンズの個体情報に応じてどの像高から光学情報取得を開始するかを模式的に表した図である。一般的に撮影光学系は像面上、撮影レンズ光軸中心から周辺に向かって光学特性が変化する。即ち、光軸を中心とした同心円上の像高の光学補正データは同一のデータとなる。また、レンズの特性によって必要な光学補正量が光軸中心から周辺へ向かって大きくなる場合や周辺から光軸中心に向かって大きくなる場合がある。
図6(a)は光軸中心から光学補正データの取得を開始する場合を模式的に表した図である。これは球面収差や軸上色収差が大きいレンズの場合に好適である。ステップ104で個体情報を取得し、該情報によりステップ105で像面上最終辺像高から光学補正データの取得を開始する。ステップ106で割込み撮影実行処理が入ると光学補正データ取得を中止する。図6(a)では光学補正データの取得が完了した像高領域を図中灰色で示しており白色は光学補正データが未取得の像高領域を示している。ステップ107で画像補正が可能か否かを判断し画像補正が可能な場合は、ステップ108の補正データ作成を行う。また、補正データ作成に於いては像高領域の境界線で補正画像が不自然にならないように像高方向に光学補正情報の補間処理を行うのが良い。
図6(b)は像面上最終辺像高から光学補正データの取得を開始する場合を模式的に表した図である。これは周辺光量が少ない場合や倍率色収差、サジタルフレア、像面湾曲、歪曲等の収差が大きい場合に好適である。ステップ104で個体情報を取得し、該情報によりステップ105で像面上最終辺像高から光学補正データの取得を開始する。ステップ106で割込み撮影実行処理が入ると光学補正データ取得を中止する。図6(b)では光学補正データの取得が完了した像高領域を図中灰色で示しており白色は光学補正データが未取得の像高領域を示している。ステップ107で画像補正が可能か否かを判断し画像補正が可能な場合は、ステップ108の補正データ作成を行う。また、補正データ作成に於いては像高領域の境界線で補正画像が不自然にならないように像高方向に光学補正情報の補間処理を行うのが良い。
上述の通り光学特性が撮影光学系光軸中心に回転対称な場合について説明してきたが、回転対称でない場合にも適用可能である。また、光学情報の取得開始像高を像面中心から開始した場合と像面最終辺から開始した場合について説明してきたが、光学補正情報の特性によって適宜光学補正情報の取得順位を変更することは可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明はレンズ交換式カメラやビデオなどの映像機器に応用可能である。
1 交換レンズ、2 カメラ本体、8 レンズマイコン、12 カメラマイコン
Claims (5)
- レンズ固有の光学補正情報を記憶する手段と、撮影光学系の像高に応じた光学補正情報を具備したレンズ装置と、
前記レンズ装置を装着することで撮影可能であり、
前記光学補正情報をレンズ装置から取得して記憶する手段と
撮影した画像情報を、記憶した光学補正情報で画像補正する補正手段を有し、
レンズ装置からの光学情報送信が途中であっても撮影が可能であり、
画像補正に必要な情報が取得されているかを判断する手段を有し、
必要な情報が転送されていれば、光学情報送信が全て完了していない場合でも、受信済み情報を基に撮影画像の補正が可能なカメラ装置から成ることを特徴とする光学機器、及びそのシステム。 - レンズ固有の光学補正情報を記憶する手段と、撮影光学系の像高に応じた光学補正情報を具備するレンズ装置を装着することで撮影可能であり、
前記光学補正情報をレンズ装置から取得して、記憶する手段と
撮影した画像情報を、記憶した光学補正情報で画像補正する補正手段を有し、
レンズ装置からの光学情報送信が途中であっても撮影が可能であり、
画像補正に必要な情報が取得されているかを判断する手段を有し、
必要な情報が転送されていれば、光学情報送信が全て完了していない場合でも、受信済み情報を基に撮影画像の補正が可能であることを特徴とするカメラ装置。 - カメラと通信するための通信手段と、
個体情報を記憶する個体情報記憶手段と、
光学補正情報を記憶する光学補正情報記憶手段と、
前記通信手段によってカメラから前記個体情報及び前記光学情報の送信要求を受けた時に、カメラからの指示に従ってカメラに前記光学補正情報を送信することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレンズ装置。 - 前記個体情報には、送信される光学補正情報の像高優先順位が定義されていることを特徴とする請求項3に記載のレンズ装置
- 前記像高優先順位は、個体情報記憶手段により決定されることを特徴とする請求項4に記載のレンズ装置。
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