JP2018194766A - 光学補正を有するカメラ本体及びレンズ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】交換可能なズームレンズを有するカメラ本体及び撮影装置において、ズーム、フォーカシング等の可動群の偏芯によって生じる画質の劣化を低減するカメラ本体及び撮影装置を提供すること。【解決手段】撮像素子を光軸に対してチルトする制御手段を備え、レンズ内に記憶されたレンズ固有の光学補正情報を有するカメラ装置において、その光学補正情報を元に撮影素子がレンズの片ボケ量、向き(アジマス)を補正することが可能な構成とした。【選択図】図3
Description
本発明は、カメラ本体との間で通信を行うレンズ装置に関する。
近年、デジタルカメラやビデオカメラ等の光学機器には、高画素の撮像素子が用いられている。このような高画素の撮像素子を備える光学機器に用いられる撮影光学系には収差が良好に補正され、画面全体にわたって高い光学性能を有することが要求されている。
交換可能なズームレンズにおいて、ズーム、フォーカシング等の可動群の偏芯によって、片ボケの変動が大きくなる傾向があり、画角や撮影距離により周辺画質が劣化する。
従来より、撮像装置において、撮像手段に用いられる撮像素子を調整して、良好な画像を得る手段、及びその処理方法が種々報告されている。
特許文献1では、CCD等の固体撮像素子やあるいは撮像管を用いたカラーテレビカメラ等の撮像装置において、焦点検出手段あるいは記憶手段からの信号(合焦情報)を利用して自動的に最良の結像位置に駆動することにより、良好なる結像性能を得ることができることを特徴としている。
特許文献2では、フランジバック寸法の長い一眼レフカメラにフランジバック寸法の短い距離計連動カメラ用の交換レンズを装着した際に、メインミラー、サブミラーを退避させ、撮像素子移動機構を使用しての撮像素子出力による焦点調節、撮像素子出力による測光、更にはAF撮影をも可能とすることを特徴としている。
特許文献3では、撮影装置においては、レンズの位置と撮影センサーの位置と被写体の位置とが特定の関係にある場合に、レンズの位置を調整することによって被写体のフォーカスを調整して、良好な画像を撮影することができることを特徴としている。
ところが、撮像素子を駆動して調整する場合、撮像素子の倒れが問題となることがある。撮像素子の倒れがある状態で調整した場合、レンズ装置でいう片ボケの状態となり、撮影画像の周辺画質が劣化する。これら撮影素子の倒れと交換可能なズームレンズ等のレンズ装置の片ボケ量、向き(アジマス)が異なると周辺画質の劣化がさらに大きくなる。
上述の特許文献1〜3は、光軸方向に対して調整されている為、レンズ装置の片ボケ量、向き(アジマス)に対しては、有効ではない。例えば、上述の特許文献1の場合、複数の撮像手段を駆動する為、撮像手段の倒れ方向、大きさが異なると、周辺画質の劣化を招く問題が発生する。特許文献2、3も同様に、撮像素子移動機構の倒れ方向、大きさによって周辺画質の劣化を招く問題が発生する。
これを改善する方法として、レンズ調整機構を組み込んだり、レンズ枚数を増やして、レンズ装置の敏感度を低減させることが知られているが、可動群であるが故にレンズ機構が複雑化、または大型化する等の弊害が発生する場合があった。
そこで、本発明の目的は、交換可能なズームレンズを有するカメラ本体及び撮影装置において、ズーム、フォーカシング等の可動群の偏芯によって生じる画質の劣化を低減するカメラ本体及び撮影装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明に係る光学機器及びそのシステムは、撮像素子を光軸に対してチルトする制御手段を備えたカメラ装置と、レンズの結像性能を変化させるパラメータを検出する検出手段を備えたレンズ装置からなり、前記レンズ装置からパラメータに応じた撮像素子の倒れ情報を前記カメラ装置に伝達し、その倒れ情報に基づき、撮像素子を光軸に対してチルトすることが可能なカメラ装置からなる光学機器、及びそのシステムから成ることを特徴としている。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明する。
本発明によれば、レンズ装置の偏芯や撮像素子の倒れによる画像の劣化が少ないカメラ本体及びレンズ装置を提供することができる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
まず、図1を参照して、本実施例におけるカメラ(カメラ本体)および交換レンズ(レンズ装置)の動作について説明する。
本実施例のレンズ装置は、動画および静止画の撮影が可能なカメラ本体に着脱可能なレンズ装置である。図1は、本実施例におけるカメラ本体と交換レンズの内部ブロック図であり、交換レンズ1およびカメラ本体2の構成を模式的に示し、また、その内部の制御系を示している。
交換レンズ1(レンズ装置)は、交換式オートフォーカスレンズであり、フォーカスユニット3、モータ4、移動量検出ユニット5、絶対位置検出ユニット6、不揮発性ROM7、レンズマイコン8、接点ユニット9、および、フォーカスレンズ10を備える。
フォーカスユニット3は、フォーカスレンズ10を光軸OAの方向(光軸方向)に移動可能に保持し、被写体にピントを合わせるための保持機構である。モータ4は、フォーカスユニット3を駆動させるアクチュエータである。
本実施例のモータ4は電磁式モータであるが、これに限定されるものではなく、超音波式やボイスコイル式等のモータも適用可能である。移動量検出ユニット5は、モータ4の回転量および回転速度を検出する検出手段である。移動量検出ユニット5は、円周上に同一ピッチで形成された切り欠きを有し、モータ4の回転と同期して回転する円板を備えている。移動量検出ユニット5は、この円板にLEDから投光された光がフォトインタラプタ素子(受光素子)に到達するか遮光されるかに応じた信号変化を検出する。フォーカスユニット3の移動量はモータ4の回転量と比例するため、移動量検出ユニット5はフォーカスユニット3の移動量を計測することができる。
絶対位置検出ユニット6は、フォーカスユニット3の絶対位置を検出する検出手段である。絶対位置検出ユニット6は、フォーカスユニット3に連動して移動する複数の金属のブラシと、固定された金属パターンとの導通による信号変化を検出し、この信号変化に基づいてフォーカスユニット3の現在位置を特定する。
ROM7は、書き換え可能な不揮発性メモリ(記憶手段)である。不揮発性ROM7に記憶されるデータは、主に交換レンズ1特有の光学的な特性を示す情報で、カメラはこの情報を交換レンズ1から取得し、更にこの情報を元に撮影素子の倒れ補正を行っている。本発明では不揮発性ROM7に記憶されている情報を光学補正情報として説明する。この光学補正情報には複数種類の情報で構成されていて、主なものとして、交換レンズの片ボケ量、向き(アジマス)情報等がある。不揮発性ROM7に記憶されるデータは、レンズの結像性能を変化させるパラメータによって変化するレンズの片ボケ向き(アジマス)及び大きさである。具体的にはフォーカスユニットのレンズ位置による情報である。これらはズーム配置による情報も含み、ズーム配置及びフォーカスユニット位置との2次元情報としてデータを記憶しておくことが好ましい。
光学補正情報は、前述したように、結像性能が変化させるパラメータに応じて2次元データが必要になるため、そのデータ量は極めて莫大なものとなる。そのため、光学補正情報は、所望の光学性能を得られる範囲で、必要最低限に間引いて保持し、その間の撮影パラメータにおいては、近接するデータから補間生成する方法を取っている。
さらに防振レンズユニットがある場合は、防振レンズユニットの偏芯状態の情報も含み、3次元情報としてデータを記憶しておくことが好ましい。
本実施例ではこれらに関して詳しく説明しているが、これらの情報に限定される物では無い。
レンズマイコン8は、交換レンズ1の内部の各構成要素を制御するレンズ制御手段(制御手段)である。レンズマイコン8は、交換レンズ1とカメラ本体2との間で通信を行うための通信回路(通信手段)、リセット例外処理、A/D、タイマー、入出力ポート、内蔵ROM、および、内蔵RAM等の機能を有する。通信回路は、カメラ本体2との間で、撮影モード(動画撮影モード、静止画撮影モード)に応じた制御情報を含む通信方式で通信を行う。
レンズマイコン8は、通信回路を介して得られた制御情報を用いてレンズや絞りなどの光学素子の駆動制御を行う。接点ユニット9は、交換レンズ1とカメラ本体2との間で通信を行うための複数の金属接点を備え、レンズマイコン8とカメラマイコン12とを電気的に接続する接続手段である。
複数の金属接点は、カメラ本体2側に設置された複数の金属突起と、交換レンズ1側に設置された複数の金属片とにより構成される。複数の金属突起と複数の金属片はそれぞれ、機械的に接触させることで電気的に短絡されている。複数の金属接点は、カメラ本体2から交換レンズ1に対して電源を供給する機能も有する。
カメラ本体2(撮像装置本体)は、測距ユニット11、カメラマイコン12、および、CCDセンサ13を備える。測距ユニット11は、被写体までの距離に対するフォーカスユニット3の現在位置のフィルム面でのズレ量を測距する測定手段である。
一般に、オートフォーカスカメラでは、複数のラインCCDを用いたピントのズレ方式が採用される。この場合、被写体のコントラスト(明暗)の違いを読み取ることで、予め距離の離れた他のラインCCDと比較し、コントラストの状態が同じとなるCCDライン上の位置のズレを検出する。すなわち、ピントが合っている状態(合焦状態)では、CCDライン上の同じ位置にコントラストが合うことになる。ただし、本実施例は測距方式に限定されるものではなく、例えば、赤外発光(ILED)体を用いて三角測距を行う測距方式を採用してもよい。また、オートフォーカスに関する説明は、本実施例の主旨とは無関係であるためこれ以上の説明は省略する。
カメラマイコン12は、カメラ本体2の内部の各構成要素を制御するカメラ制御手段である。カメラマイコン12は、レンズマイコン8との間で通信を行うための通信コントローラ、A/D、電流検出器、タイマー、レンズへの電源供給スイッチ、入出力ポート、ROM、および、RAM等の機能を有する。
CCDセンサ13は、被写体像からの反射光を電気信号に変換する撮像素子である。カメラ装置とはこの撮像素子を使って撮影することになるが、撮影された画像は装着された交換レンズ1の固有の光学特性(収差)によって、実際に目で見た被写体と異なる画像が撮影される場合がある。これは交換レンズ1の偏芯によってCCDセンサに投影された画像が、片ボケするためである。
カメラには前述したレンズに記憶された光学補正情報を使って、実際の被写体に近い画像を作り出すことを目的として撮影された画像を補正するための画像補正処理回路(不図示)が搭載されている。
次に、交換レンズ1とカメラ本体2との間で行われる通信シーケンスについて説明する。まず初めに、接点ユニット9を介したレンズマイコン8とカメラマイコン12との通信回路(通信手段)について説明する。
図2は、レンズマイコン8とカメラマイコン12との通信回路を示す概略図である。
一般に、交換レンズ1とカメラ本体2との通信では、レンズマイコン8およびカメラマイコン12に設定されたシリアル通信機能によって各種データを交換する。
図2に示されるように、レンズマイコン8は、入力端子Lin、出力端子Lout、および、同期クロック入力端子Lclkを備える。入力端子Linは、カメラマイコン12からの出力データを受信する端子である。出力端子Loutは、カメラマイコン12へ出力データを送信する端子である。同期クロック入力端子Lclkは、入力端子Linおよび出力端子Loutにおける各データ通信において、各信号変化を検出するための同期信号用入力端子である。
同様に、カメラマイコン12は、入力端子Cin、出力端子Cout、同期クロック出力端子Cclkを備える。入力端子Cinは、レンズマイコン8からの出力データを受信する端子である。出力端子Coutは、レンズマイコン8へ出力データを送信する端子である。
同期クロック出力端子Cclkは、入力端子Cinおよび出力端子Coutの各データ通信において、各信号変化を検出するための同期信号用出力端子である。このような通信方式は、一般的に、クロック同期式シリアル通信と呼ばれる。
カメラマイコン12は、同期クロック出力端子Cclkから8周期分のクロック信号を出力し、レンズマイコン8はこの信号を同期クロック入力信号Lclkとして受信する。このように、互いにこのクロック信号に同期させて1回の通信で1バイト(8bit)単位の情報がやり取りされる。具体的な通信方法の例として、カメラ本体2に交換レンズ1が装着されると、カメラマイコン12は不図示のスイッチで交換レンズ1が装着されたことを検知したら、所定の1バイト通信情報をレンズマイコン8に接点ユニット9を介して送信する。
この1バイトの通信はレンズマイコン8と通信が確立しているかを確認するための通信情報であるため、予め決定された値であれば何でも良い。カメラマイコン12から通信の確立情報を受信したレンズマイコン8は次のカメラマイコン12からの通信でレンズからカメラに対する通信確立情報を送信する。この1バイトの通信情報には主に命令を示す命令コマンド通信と、単なる情報のやりとりを行っている情報通信の2つがある。カメラマイコン12からの命令コマンド通信(以下コマンド通信と記す)に従ってレンズマイコン8はコマンド通信に沿った情報を次の通信でカメラに送信するシーケンスとなっている。以上が通信シーケンスの説明である。
ここで、具体的な撮影素子の倒れ補正方法について、説明する。撮像素子は図3に示すように、α回転、β回転の2軸に対して駆動できるユニットに取り付けれ、交換レンズ1(レンズ装置)の交換レンズの片ボケ量、向き(アジマス)に応じた倒れ補正が可能である。これらの撮像素子の駆動ユニットは実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
次に、図4を使って本発明の趣旨となるカメラの光学補正情報の取得シーケンスについて説明する。
図4は、本実施例におけるカメラマイコン12の通信処理(カメラ通信処理)を示すフローチャートである。
撮影時に交換レンズ1(レンズ装置)は、絶対位置検出ユニット6において、フォーカスユニット3の現在位置を特定する。不揮発性ROM7に記憶されるデータは、フォーカスユニット3の現在位置を特定する情報から得られ、レンズマイコン8で演算されて、カメラ本体2はこの情報を交換レンズ1から取得する。この情報を元にCCDセンサ13の倒れ補正を行っている。
不揮発性ROM7に記憶されるデータは、フォーカスユニット3の現在位置を特定する情報から得られ、カメラ本体2はこの情報を交換レンズ1から取得する。この情報を元にカメラマイコン12で演算されて、CCDセンサ13の倒れ補正を行っても良い。
絶対位置検出ユニット6において、特定される情報はレンズのズーム配置の情報も含まれる。また防振レンズユニットがある場合は、防振レンズユニットの偏芯状態の情報も含まれる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明はレンズ交換式カメラやビデオなどの映像機器に応用可能である。
1 交換レンズ、2 カメラ本体、8 レンズマイコン、
12 カメラマイコン
12 カメラマイコン
Claims (6)
- 撮像素子を光軸に対してチルトする制御手段を備えたカメラ装置と、レンズの結像性能を変化させるパラメータを検出する検出手段を備えたレンズ装置からなり、前記レンズ装置からパラメータに応じた撮像素子の倒れ情報を前記カメラ装置に伝達し、その倒れ情報に基づき、撮像素子を光軸に対してチルトすることが可能なカメラ装置からなる光学機器、及びそのシステム。
- 撮像素子を光軸に対してチルトする制御手段を備えたカメラ装置と、レンズ固有の光学補正情報を記憶する手段と、レンズの結像性能を変化させる1つ以上のパラメータの組み合わせに応じた光学補正情報を具備し、前記パラメータを検出する検出手段を備えたレンズ装置からなり、前記レンズ装置からパラメータに応じた撮像素子の倒れ情報を前記カメラ装置に伝達し、その倒れ情報に基づき、撮像素子を光軸に対してチルトすることが可能なカメラ装置からなる光学機器、及びそのシステム。
- 前記レンズ装置は、レンズの結像性能を変化させる1つ以上のパラメータの組み合わせに応じた光学補正情報を係数にして具備し、撮影時にレンズ内で演算することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカメラ装置からなる光学機器、及びそのシステム。
- 前記レンズ装置は、レンズの結像性能を変化させる1つ以上のパラメータの組み合わせに応じた光学補正情報を係数にして具備し、撮影時にカメラ内で演算することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカメラ装置からなる光学機器、及びそのシステム。
- 前記レンズ装置は、レンズの結像性能を変化させる1つ以上のパラメータの組み合わせに応じた複数種類の光学補正情報を具備し、選択手段により選択可能であることを特徴とする請求項1又は請求項4に記載のカメラ装置からなる光学機器、及びそのシステム。
- 撮像素子の倒れは、合焦操作時にフォーカスレンズと同時に移動することを特徴とする請求項1又は請求項5に記載のカメラ装置からなる光学機器、及びそのシステム。
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