JP2015130552A - 撮像装置および交換レンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】使い勝手の良さと速写性を損なうことなく画像補正処理を可能とする。
【解決手段】交換レンズ1は、該交換レンズの固有情報であって変更可能なパラメータの値に応じた光学補正情報を記憶している。撮像装置2は、光学補正情報を受信して記憶する受信情報記憶手段15を有し、撮像により得られた画像に対して、記憶された光学補正情報から取得される撮像時のパラメータの値に対応する光学補正情報を用いて画像補正処理を行う。光学補正情報の受信中に撮像指示を受けた場合に、該撮像指示に応じて該受信を中断して撮像を行うとともに、該受信の中断までに受信情報記憶手段に記憶された光学補正情報を用いて受信中断時の撮像により得られた画像に対する画像補正処理が可能か否かの判定を行い、可能であるときは、光学補正情報の受信の完了前に画像補正処理を行う。
【選択図】図1
【解決手段】交換レンズ1は、該交換レンズの固有情報であって変更可能なパラメータの値に応じた光学補正情報を記憶している。撮像装置2は、光学補正情報を受信して記憶する受信情報記憶手段15を有し、撮像により得られた画像に対して、記憶された光学補正情報から取得される撮像時のパラメータの値に対応する光学補正情報を用いて画像補正処理を行う。光学補正情報の受信中に撮像指示を受けた場合に、該撮像指示に応じて該受信を中断して撮像を行うとともに、該受信の中断までに受信情報記憶手段に記憶された光学補正情報を用いて受信中断時の撮像により得られた画像に対する画像補正処理が可能か否かの判定を行い、可能であるときは、光学補正情報の受信の完了前に画像補正処理を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、撮影画像に対して画像回復処理を行う機能を有する撮像装置と交換レンズとを含む撮像システムに関する。
上記のような撮像システムにおいて、交換レンズの光学的な収差の成分を含んだ撮影画像をその光学系に固有の補正情報を用いて画像処理により補正して良好な画像を得る画像処理技術が種々提案されている。
特許文献1には、撮影画像の歪曲収差成分を画像処理によって補正するために用いられる第1補正情報を記憶した交換レンズを含む撮像システムが開示されている。交換レンズは、撮像装置との初期通信時に第1補正情報を撮像装置に送信する。そして、撮像装置は、撮像を行うごとに第1補正情報に対する内挿演算または外挿演算により得た第2補正情報に基づいて画像の歪曲収差成分を補正する。これにより、交換レンズ内に記憶させる補正情報を少なくしつつ撮像装置における歪曲収差成分の補正を可能としている。
また、特許文献2には、撮影画像の歪曲収差や倍率色収差を画像処理により補正するための補正情報を記憶した交換レンズを含む撮像システムが開示されている。交換レンズは、撮像装置にて撮像が行われるごとにレンズ状態に応じた補正情報を最適なタイミングで撮像装置に送信する。
また、歪曲収差や倍率色収差等の画像の変位として現れる収差だけでなく、球面収差やコマ収差等の光学的な画像の劣化を回復する画像回復処理が種々提案されている。
特許文献3には、光学系の結像状態を変える複数のパラメータの組み合わせごとに画像回復フィルタを作成し、撮影画像に対してその画像回復フィルタを用いて画像回復処理を行う撮像装置が開示されている。
レンズ交換式の撮像システムにおいて、交換レンズに特有の光学補正データに基づいて画像処理による補正を行う場合、その光学補正データは、交換レンズが持つことが好ましい。撮像装置がそのような光学補正データを記憶しても、該撮像装置が開発された以降に開発された交換レンズについてはその交換レンズの光学補正データを新たにダウンロードして撮像装置に格納するといったユーザによる面倒な作業が必要となるためである。
ところが、交換レンズが光学補正データを記憶する場合は、その光学補正データを交換レンズから撮像装置に通信する必要がある。この場合、特許文献3にて開示された画像回復フィルタのような莫大なデータ量を持つ情報を送信するためには、長い通信時間を要し、撮像装置における速写性が損なわれる。撮像を行うごとに画像回復フィルタを送信すれば通信するデータ量をその撮像における撮像条件に対応する画像回復フィルタ分に限定することはできる。しかし、やはり1つ1つの画像回復フィルタのデータ量が大きいため、秒間数コマを求められる連写時に速写性が著しく低下するおそれがある。
本発明は、レンズ交換式撮像システムとしてユーザによる使い勝手の良さと速写性を損なうことなく撮影画像に対する画像補正処理を可能とした撮像装置および交換レンズを提供する。
本発明の一側面としての撮像装置は、交換レンズが取り外し可能に装着され、該交換レンズとの通信が可能な撮像装置である。交換レンズは、該交換レンズに固有の情報であって、該交換レンズにおいて変更可能なパラメータの値に応じた光学補正情報を記憶している。該撮像装置は、交換レンズから光学補正情報を受信して記憶する受信情報記憶手段と、撮像により得られた画像に対して、受信情報記憶手段に記憶された光学補正情報から取得される撮像時のパラメータの値に対応する光学補正情報を用いて画像補正処理を行う画像処理手段と、該撮像装置を制御する制御手段とを有する。交換レンズからの光学補正情報の受信中に撮像指示を受けた場合に、制御手段は、該撮像指示に応じて該受信を中断して撮像を行うとともに、該受信の中断までに受信情報記憶手段に記憶された光学補正情報を用いて受信中断時の撮像により得られた画像に対する画像補正処理が可能か否かの判定を行い、可能であるときは、光学補正情報の受信が完了する前に画像補正手段に画像補正処理を行わせることを特徴とする。
なお、上記撮像装置に取り外し可能に装着される交換レンズであって、該交換レンズに固有の情報であって、該交換レンズにおいて変更可能なパラメータの値に応じた光学補正情報を記憶する補正情報記憶手段を有し、撮像装置からの要求に応じて光学補正情報を該撮像装置に送信する交換レンズも、本発明の他の一側面を構成する。
また、本発明の他の一側面としての制御プログラムは、交換レンズが取り外し可能に装着され、該交換レンズとの通信が可能な撮像装置を動作させるコンピュータプログラムである。前記交換レンズは、該交換レンズに固有の情報であって、該交換レンズにおいて変更可能なパラメータの値に応じた光学補正情報を記憶している。制御プログラムは、撮像装置に、交換レンズから光学補正情報を受信して記憶させ、撮像により得られた画像に対して、光学補正情報から取得される撮像時のパラメータの値に対応する光学補正情報を用いて画像補正処理を行わせ、交換レンズからの光学補正情報の受信中に撮像指示を受けた場合に該撮像指示に応じて該受信を中断して撮像を行わせ、受信の中断までに記憶された光学補正情報を用いて受信中断時の撮像により得られた画像に対する画像補正処理が可能か否かの判定を行わせ、画像補正処理が可能であるときは、光学補正情報の受信が完了する前に画像補正処理を行わせることを特徴とする。
本発明によれば、交換レンズに記憶された光学補正情報を用いて画像補正処理を行う撮像装置において、交換レンズからの光学補正情報の受信中でも撮像を行うことができ、しかも光学補正情報の受信が完了していなくても、可能であれば画像補正処理を行う。したがって、ユーザによる使い勝手の良さと速写性を損なうことなく、可能な限り画像補正処理された良好な撮影画像が得られる撮像装置を実現することができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例である撮像装置(以下、カメラという)および交換レンズにより構成されるカメラシステム(撮像システム)の構成について説明する。交換レンズ1は、静止画および動画撮影が可能なカメラ2に対して取り外し可能に装着される。
交換レンズ1は、フォーカスユニット3、モータ4、移動量検出ユニット5、絶対位置検出ユニット6、不揮発性ROM7、レンズマイクロコンピュータ(以下、レンズマイコンという)8、接点ユニット9およびフォーカスレンズ10を備えている。
フォーカスユニット3は、フォーカスレンズ10を光軸OAが延びる方向(以下、光軸方向という)に移動可能に保持する。フォーカスレンズ10を光軸方向に移動させることで被写体に対するフォーカシングを行うことができる。モータ4は、フォーカスユニット3を駆動してフォーカスレンズ10を光軸方向に移動させるアクチュエータである。モータ4としては、ステッピングモータ、振動型(超音波)モータおよびボイスコイル式等の各種モータを使用することができる。
移動量検出ユニット5は、モータ4の回転量、すなわちフォーカスレンズ10の移動量を検出する。移動量検出ユニット5は、例えば、周方向に同一ピッチで形成されたスリットを有してモータ4の回転に伴い回転するスリット板と、スリットを通して投受光を行うフォトインタラプタとにより構成されている。ただし、モータ4の回転量またはフォーカスレンズ10の移動量を検出できれば、他の検出方法を用いてもよい。
絶対位置検出ユニット6は、フォーカスユニット3の絶対位置を検出する。絶対位置検出ユニット6は、例えば、フォーカスユニット3とともに移動する複数の導電性接片と固定された導電パターンとの導通による信号変化を検出し、この信号変化に基づいてフォーカスユニット3の絶対位置を検出する。
不揮発性ROM(補正情報記憶手段)7は、書き換え可能な不揮発性メモリである。ROM7には、交換レンズ1をカメラに識別させるためのレンズ識別情報(レンズID)や以下に示すこの交換レンズ1に固有の光学補正情報等が記憶されている。光学補正情報は、この交換レンズ1に固有の光学特性に応じた撮影画像の補正に使用される情報であり、画像回復フィルタの情報、歪曲収差の情報、周辺光量の情報、倍率色収差の情報等を含む。
後述するカメラマイクロコンピュータ(以下、カメラマイコンという)12は、これらの情報を交換レンズ1から取得し、交換レンズ1の識別や撮影画像に対する画像補正処理を行う。
レンズマイコン(レンズ制御手段)8は、交換レンズ1の内部の各動作を制御する。また、レンズマイコン8は、カメラマイコン12との間で通信を行うための通信回路(通信手段)、リセット例外処理、A/D、タイマー、入出力ポート、内蔵ROMおよび内蔵RAM等の回路および機能を有する。通信回路は、カメラマイコン12との間で、撮像モード(動画撮像モード、静止画撮像モード等)に応じた制御情報を含む通信方式で通信を行う。さらに、レンズマイコン8は、通信回路を介してカメラマイコン12から得られた制御情報を用いて、フォーカスレンズ10や不図示のズームレンズ、絞り等を含む撮像光学系の制御を行う。
接点ユニット9は、交換レンズ1をカメラ2に対してメカニカルに結合させるマウントに設けられ、上記通信を行うための複数の通信接点や、カメラ2から交換レンズ1に対して電源供給を受けるための電気接点を含む。
カメラ2は、焦点検出ユニット11と、カメラマイコン12、撮像素子13および受信情報メモリ(受信情報記憶手段)15を備えている。焦点検出ユニット11は、位相差検出方式やコントラスト検出方式によって撮像光学系の被写体に対する焦点状態を検出する。カメラマイコン12は、焦点検出ユニット11から得た焦点状態の検出結果に基づいて、レンズマイコン8に対してフォーカスレンズ10の駆動命令を送り、フォーカシングを行わせる。
カメラマイコン(カメラ制御手段)12は、カメラ2内の各動作を制御するとともに、レンズマイコン8を通じて交換レンズ1内の各動作も制御する。カメラマイコン12は、レンズマイコン8との間で通信を行うための通信コントローラ、A/D、電流検出器、タイマー、入出力ポート、ROMおよびRAM等の回路および機能を有する。
撮像素子13は、撮像光学系により形成された被写体像を光電変換して電気信号に変換するCDDセンサやCMOSセンサ等の光電変換素子である。カメラマイコン12は、撮像素子13からの電気信号(アナログ信号)をA/Dによりデジタル信号に変換し、該デジタル信号に対して所定の画像処理を行うことで撮影画像を生成する。さらに、カメラマイコン12は、生成した撮影画像に対して後述する画像回復処理や座標変換処理等の画像補正処理を行う。このようにカメラマイコン12は、画像処理部(画像処理手段)としても機能する。
受信情報メモリ15は、カメラマイコン12がレンズマイコン8から受信する光学補正情報を記憶するために設けられている。
画像回復処理前の撮影画像には、交換レンズ1の固有の光学特性として含まれる各種収差に対応する成分(収差成分)が含まれる。収差成分には、球面収差、コマ収差、像面湾曲および非点収差等の劣化成分が含まれ、本実施例のカメラ2(カメラマイコン12)は、これら劣化成分を補正するために画像回復処理を行う。この画像回復処理については後述する。また、収差成分には、歪曲収差や倍率色収差も含まれ、カメラ2は、これらの収差成分を補正するために座標変換処理(幾何変換処理)を行う。
次に、レンズマイコン8とカメラマイコン12との間で行われる通信シーケンスについて、図2を用いて説明する。レンズマイコン8とカメラマイコン12は、シリアル通信機能によって各種情報やデータを送受信する。レンズマイコン8は、入力端子Lin、出力端子Loutおよび同期クロック入力端子Lclkを備えている。入力端子Linは、カメラマイコン12からの出力データを受信する端子である。出力端子Loutは、カメラマイコン12に出力データを送信する端子である。同期クロック入力端子Lclkは、入力端子Linおよび出力端子Loutにおける各データ通信において、各信号変化を検出するための同期信号用入力端子である。
同様に、カメラマイコン12は、入力端子Cin、出力端子Cout、同期クロック出力端子Cclkを備えている。入力端子Cinは、レンズマイコン8からの出力データを受信する端子である。出力端子Coutは、レンズマイコン8に出力データを送信する端子である。
同期クロック出力端子Cclkは、入力端子Cinおよび出力端子Coutの各データ通信において、各信号変化を検出するための同期信号用出力端子である。このような通信方式は、一般に、クロック同期式シリアル通信と呼ばれる。
カメラマイコン12は、同期クロック出力端子Cclkから8周期分のクロック信号を出力し、レンズマイコン8はこの信号を同期クロック入力信号Lclkとして受信する。
このように、互いにこのクロック信号に同期させて1回の通信で1バイト(8bit)単位の情報がやり取りされる。
具体的な通信方法の例として、カメラ2に交換レンズ1が装着されると、カメラマイコン12は、カメラ2のマウントに設けられた不図示のレンズ装着検知スイッチにより交換レンズ1が装着されたことを検知する。この検知に応じて、カメラマイコン12は、所定の1バイト通信情報をレンズマイコン8に接点ユニット9を介して送信する。この1バイトの通信はレンズマイコン8と通信が確立しているかを確認するための通信情報であるため、予め決定された値であればどのような値でもよい。
カメラマイコン12から通信の確立情報を受信したレンズマイコン8は、次のカメラマイコン12からの通信において、カメラマイコン12に対して1バイトの通信確立情報を送信する。この1バイトの通信確立情報には、主に命令を示す命令コマンド通信と単なる情報のやり取りを行う情報通信の2つがある。
レンズマイコン8は、カメラマイコン12からの命令コマンド通信(以下、コマンド通信という)で受けたコマンドに沿った情報を、次の通信でカメラマイコン12に送信する。
次に、カメラマイコン12が行う画像回復処理について説明する。図3(A)には、画像回復処理に用いられる画像回復フィルタを模式的に示している。2次元フィルタとしての画像回復フィルタのタップ数は、撮像光学系の収差特性や要求される回復精度に応じて決められる。図3(A)では、例として11×11タップの2次元フィルタを示している。各タップが画像の各画素に対応しており、画像回復処理ではこの画像回復フィルタの各タップの値(係数値)が入力画像(撮影画像)の各画素に対してコンボリューション(畳み込み積分、積和)される。
コンボリューションでは、ある目標画素の信号値を改善するために、その目標画素と画像回復フィルタの中心と一致させる。そして、入力画像と画像回復フィルタの対応画素ごとに入力画像の信号値と画像回復フィルタの係数値との積をとり、その総和を目標画素の信号値として置き換える。このような画像回復処理を受けた後の画像を、回復画像という。
図3(A)は各タップ内の係数値を省略しているが、この画像回復フィルタの1つの断面を図3(B)に示す。画像回復フィルタの各タップが持つ係数値の分布が、収差によって空間的に広がった信号値を理想的には元の1点に戻す役割を果たす。
このような画像回復フィルタは、設計値または計測値としての撮像光学系の光学伝達関数(Optical Transfer Function:OTF)の逆関数に基づいて得た関数を逆フーリエ変換して得ることができる。画像回復処理では、ノイズの影響を考慮してウィナーフィルタ(Wiener filter)を用いたり、その他、適宜選択されたフィルタ作成方法により作成された画像回復フィルタを用いたりすることができる。
なお、画像回復フィルタは、撮像光学系のOTFのみならず、撮像素子を通した撮影画像の生成に至るまでの劣化要因を考慮して生成することもできる。例えば、複屈折光学ローパスフィルタのようにOTFの周波数特性に対して高周波成分を抑制するもの、撮像素子の画素開口の形状や開口率のように周波数特性に影響するもの、光源の分光特性や波長フィルタの分光特性等のOTFを劣化させるものを考慮してもよい。
また、撮影画像は一般には複数の色成分を有するが、このようなカラー画像に対して画像回復処理を行う場合は、それら色成分のそれぞれについて画像回復フィルタを用意することで、色収差も良好に補正された回復画像を得ることができる。例えば、撮影画像がRGB形式のカラー画像である場合は、R、G、Bの色成分ごとに画像回復フィルタを作成すればよい。
図3(A)に示した画像回復フィルタは、縦横のタップ数が同じであるが、必ずしも同じである必要はなく、適宜変更することができる。具体的には、画像回復フィルタに100以上のタップを設けた2次元フィルタとすることで、球面収差、コマ収差、軸上色収差、軸外色フレア等の結像位置から大きく広がる収差に対しても、より精度よく回復することができる。また、コマ収差、軸外色フレア、サジタルフレア、像面湾曲、非点収差等の非対称収差についても精度良く回復することができる。
画像回復処理を行う入力画像は、その劣化過程が線形である方が劣化前の元画像に回復するための逆過程を高精度に処理できる。このため、入力画像に対しては非線形処理が行われていないことが好ましい。このため、画像回復処理は、モザイク画像(RAW画像)に対して行うことが好ましい。ただし、デモザイク画像でも、色補間処理による劣化過程が線形であれば、画像回復フィルタの生成において、この劣化関数を考慮することでより高精度な回復処理を行うことができる。また、回復の要求精度が低い場合や画像処理が行われた画像しか入手できない場合には、デモザイク画像に対して回復処理を行ってもよい。
次に、倍率色収差や歪曲収差の補正方法について説明する。歪曲収差は、周辺像高において近軸倍率からのずれが発生し、光軸から放射方向に部分的に引き伸ばされたり縮小されたりする現象である。著しい歪曲が生じると、直線被写体が曲がったり被写体形状が変形したりしてしまう。また、倍率色収差は、前述した歪曲現象が、色ごとに発生量が異なることにより発生する現象である。これにより、光軸から放射方向において被写体のエッジ部から色滲みが発生し、解像感が損なわれる。
歪曲収差や倍率色収差の補正は、図4に示すように、横軸を光軸から放射方向の位置とし、縦軸を輝度としたとき、変位量の単一情報のみを補正量として与え、理想の位置に戻す処理(座標変換処理)により行う。このため、歪曲収差や倍率色収差の補正に用いる情報量は、前述した画像回復フィルタに比べて少ない。
図5のフローチャートには、本実施例のカメラシステムにおける画像回復処理および倍率色収差/歪曲収差の補正処理の流れを示している。この処理は、カメラマイコン12およびレンズマイコン8が、コンピュータプログラムとしての制御プログラムに従って実行する。
ステップ100にて通信処理ルーチンに入ると、カメラマイコン12は、ステップ101にて、交換レンズ1がカメラ2に装着されているか否かを確認する。この確認は、先に説明したレンズ装着検知スイッチからの出力に基づいて行う。交換レンズ1の装着が確認されなければ、カメラマイコン12はステップ102に移行して、通信処理を終了する。
交換レンズ1の装着が確認された場合は、カメラマイコン12は、ステップ103において、上述した光学補正情報をレンズマイコン8からすでに取得済みであるか否かを判定する。取得済みである場合はステップ112に進み、通信処理を終了し、撮影待機状態に移行する。
その後、カメラマイコン12は、ステップ113でユーザ指示に応じて撮像が実行されると、ステップ114にてその撮像時におけるレンズパラメータの値をレンズマイコン8から取得(受信)する。そして、ステップ115にて、カメラマイコン12は、既に受信している光学補正情報から撮像時のレンズパラメータの値に対応する補正データ(画像回復フィルタや歪曲収差/倍率色収差用の補正データ)を補間演算により作成(取得)する。続いて、ステップ116において、カメラマイコン12は、該補正データを用いて画像補正処理を行う。その後、カメラマイコン12は、ステップ112戻り、撮像待機状態に入る。
一方、ステップ103において光学補正情報を未取得であった場合には、カメラマイコン12は、ステップ104に進み、レンズマイコン8に光学補正情報の送信要求を送る。レンズマイコン8は、該送信要求に応じて光学補正情報の送信を開始する。これによ、カメラマイコン12も、光学補正情報の受信および受信情報メモリ15への書き込み(記憶)を開始する。このステップ104における光学補正情報の受信中は、カメラマイコン12は撮像待機状態にある。このため、カメラマイコン12は、光学補正情報の受信中にステップ105にてユーザによる撮像指示の割り込みがあった場合は、光学補正情報の受信が完了していなくても、受信を中断して割り込み撮像(受信中断撮像)を行う。これにより、カメラ2に求められる速写性を確保することができる。
ステップ105の割り込み撮像を行うことなく光学補正情報の受信が終了すると、カメラマイコン12は、ステップ112に進んでレンズマイコン8との通信を終了し、撮像待機状態に移行する。一方、ステップ105の割込み撮像を行った場合は、カメラマイコン12は、ステップ106に進む。
ステップ106では、カメラマイコン12は、レンズマイコン8から撮像時のレンズパラメータの値を受信する。
そして、ステップ107では、カメラマイコン12は、現時点での画像補正処理の可否判定(以下、補正可否判定ともいう)を行う。ここで、ステップ104でのレンズマイコン8からの受信開始から割り込み撮像(受信中断時)までに受信して受信情報メモリ15に記憶した光学補正情報を、受信済み光学補正情報という。カメラマイコン12は、撮像時のレンズパラメータの値と受信済み光学補正情報とから、現時点で画像補正処理に必要な光学補正情報が受信済み光学補正情報に含まれているか否かを判定する。補正可否判定のより詳しい内容については、後述する。
ステップ107の補正可否判定において画像補正処理に必要な光学補正情報のすべてが受信済み光学補正情報に含まれていない場合は、カメラマイコン12は、ステップ110に進み、画像補正処理を行わないことを決定する。一方、補正可否判定において画像補正処理に必要な光学補正情報のすべてが受信済み光学補正情報に含まれている場合は、ステップ108に進む。
ステップ108では、カメラマイコン12は、画像補正処理に必要な光学補正情報から撮像時のレンズパラメータの値に対応する補正データ(画像回復フィルタや歪曲収差/倍率色収差用の補正データ)を補間演算により作成(取得)する。そして、ステップ109において、カメラマイコン12は、該補正データを用いて画像補正処理を行う。
その後、カメラマイコン12は、ステップ111において、レンズマイコン8からの光学補正情報の受信を再開する。そして、ステップS105に戻る。
次に、図6を用いて、ステップ107でカメラマイコン12が行う補正可否判定について、画像回復フィルタの情報と歪曲収差/倍率色収差の情報とに分けて説明する。
撮像光学系の結像状態(収差状態)、つまりはOTFは、焦点距離(ズーム状態)、物体距離、F値等、撮像光学系(交換レンズ)において変更可能な複数のレンズパラメータ(光学パラメータともいう)の値の組み合わせにより変化する。つまり、各レンズパラメータの値を変化させると結像状態も変化する。しかも、結像状態は、像高ごとに異なる。このため、本来であれば、これらレンズパラメータの値の全ての組み合わせのそれぞれ対応する像高ごとの画像回復フィルタが必要になる。しかし、これら全ての組み合わせに対して、かつ像高ごとに二次元マップ情報としての画像回復フィルタを記憶すると、データ量が莫大になる。
このため、画像回復フィルタは、離散的な複数のレンズパラメータ値に対して作成・記憶され、それ以外のレンズパラメータ値に対しては、それに隣接する複数のレンズパラメータ値の画像回復フィルタからの補間演算により生成することが望ましい。離散的な複数のレンズパラメータ値の離散の度合い(ピッチ)は、要求される画像回復精度に応じて適宜設定すればよい。
図6(a)は、ズーム状態、物体距離およびF値という3つのレンズパラメータのそれぞれの離散的な値に対して作成・記憶された画像回復フィルタ群のデータの例を示している。図中の黒点が交換レンズ1に記憶されている各画像回復フィルタに対応する3つのレンズパラメータの値を表している。このように画像回復フィルタのデータが記憶されている離散的なレンズパラメータ値やそのピッチ等は光学補正情報としての画像回復フィルタ群の構成を表す情報であり、光学補正情報(画像回復フィルタ群)の構成情報という。構成情報は、離散的に記憶された画像回復フィルタのデータからそれらの間のデータを補間演算するのに必要な情報である。
黒点以外のレンズパラメータ値での画像回復フィルタを用いる場合には、該パラメータ値に隣接する黒点での画像回復フィルタのデータからの補間演算によって画像回復フィルタを作成する。このため、画像回復フィルタについて、ステップ107の補正可否判定では、そのような補間演算が可能か否かを判定する。可能と判定できるのは、撮像時のレンズパラメータ値に近い黒点での画像回復フィルタのデータが受信済みである場合である。仮に、そのような隣接する黒点での画像回復フィルタではない画像回復フィルタを用いた補間によって生成した画像回復フィルタを用いて画像回復処理を行っても、画像回復精度が低く、補正不足が生じたり補正過剰によって偽色やリンギングが発生したりして好ましくない。このような補正可否判定は、上記構成情報を用いれば容易に行うことができる。
一方、歪曲収差や倍率色収差の補正にも、画像回復フィルタと同様に、ズーム状態、物体距離およびF値というレンズパラメータの各値において像高ごとの補正データが必要である。しかし、補正データとしては、前述したように光軸からの放射方向への変位量を表す1次元量のデータであるため、画像回復フィルタと比較すると、データ量は小さい。
図6(b)には、上記3つのレンズパラメータのそれぞれの離散的な値に対して記憶された歪曲収差または倍率色収差の収差量(つまりは補正量)群の例を示している。この図でも、黒点が交換レンズ1に記憶されている各収差量に対応する3つのレンズパラメータの値を表している。画像回復フィルタと同様に、これら収差量のデータが記憶されている離散的なレンズパラメータ値やそのピッチ等は光学補正情報としての収差量群の構成を表す情報であり、光学補正情報(収差量群)の構成情報という。この構成情報は、離散的に記憶された収差量のデータからそれらの間のデータを補間演算するのに必要な情報である。
歪曲収差や倍率色収差は、焦点距離や物体距離に対して多くの場合に単調増減するため、各レンズパラメータについて2つの値の補正データがあれば、その間のレンズパラメータ値については補間によってある程度高精度に補正データを生成することができる。すなわち、画像回復フィルタに比べて補間生成による誤差が小さく、各レンズパラメータの両端の値の補正データを用いた補間であっても、その間の補正データである程度良好な補正効果を得ることができる。このため、歪曲収差や倍率色収差の補正についてステップ107の補正可否判定で可能と判定できるのは、以下の場合である。各レンズパラメータについて最低2つの値の収差量が受信済みであり、かつ補間演算により収差量を生成するレンズパラメータの値がそれら2つの値に内挿される値である場合(つまり補間演算が可能である場合)である。すなわち、歪曲収差や倍率色収差の補正可能範囲は、各レンズパラメータにおいて、受信済み光学補正情報のうち両端にある2つの値に囲まれた範囲となる。このような補正可否判定は、上記構成情報を用いれば容易に行うことができる。
以上説明したように、本実施例のカメラ2は、交換レンズ1からの光学補正情報の受信中でも撮像を行い、しかも光学補正情報の受信が完了していなくても、可能であれば画像補正処理を行う。したがって、ユーザによる使い勝手の良さと速写性を損なうことなく、可能な限り画像補正処理がなされた良好な撮影画像が得られるカメラ2およびカメラシステムを実現することができる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
速写性に優れ、良好な画像回復処理を行えるレンズ交換式撮像システムを提供できる。
1 交換レンズ
2 カメラ
8 レンズマイコン
12 カメラマイコン
2 カメラ
8 レンズマイコン
12 カメラマイコン
Claims (5)
- 交換レンズが取り外し可能に装着され、該交換レンズとの通信が可能な撮像装置であって、
前記交換レンズは、該交換レンズに固有の情報であって、該交換レンズにおいて変更可能なパラメータの値に応じた光学補正情報を記憶しており、
前記撮像装置は、
前記交換レンズから前記光学補正情報を受信して記憶する受信情報記憶手段と、
撮像により得られた画像に対して、前記受信情報記憶手段に記憶された前記光学補正情報から取得される前記撮像時の前記パラメータの値に対応する光学補正情報を用いて画像補正処理を行う画像処理手段と、
該撮像装置を制御する制御手段とを有し、
前記交換レンズからの前記光学補正情報の受信中に撮像指示を受けた場合に、
前記制御手段は、該撮像指示に応じて該受信を中断して撮像を行うとともに、前記受信の中断までに前記受信情報記憶手段に記憶された前記光学補正情報を用いて前記受信中断時の撮像により得られた画像に対する前記画像補正処理が可能か否かの判定を行い、可能であるときは、前記光学補正情報の受信が完了する前に前記画像補正手段に前記画像補正処理を行わせることを特徴とする撮像装置。 - 前記制御手段は、前記交換レンズから、該交換レンズに前記光学補正情報が記憶されている前記パラメータの複数の値を含む前記光学補正情報の構成情報を受信し、
該構成情報を用いて前記判定を行うことを特徴する請求項1に記載の撮像装置。 - 前記画像処理手段は、前記撮像時の前記パラメータの値に対応する前記光学補正情報を、前記受信情報記憶手段に記憶された前記光学補正情報を用いた補間演算により取得し、
前記制御手段は、前記判定において、該補間演算が可能か否かを判定することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。 - 交換レンズが取り外し可能に装着され、該交換レンズとの通信が可能な撮像装置を動作させるコンピュータプログラムとしての制御プログラムであって、
前記交換レンズは、該交換レンズに固有の情報であって、該交換レンズにおいて変更可能なパラメータの値に応じた光学補正情報を記憶しており、
該制御プログラムは、前記撮像装置に、
前記交換レンズから前記光学補正情報を受信して記憶させ、
撮像により得られた画像に対して、前記光学補正情報から取得される前記撮像時の前記パラメータの値に対応する光学補正情報を用いて画像補正処理を行わせ、
前記交換レンズからの前記光学補正情報の受信中に撮像指示を受けた場合に、該撮像指示に応じて該受信を中断して撮像を行わせ、
前記受信の中断までに記憶された前記光学補正情報を用いて前記受信中断時の撮像により得られた画像に対する前記画像補正処理が可能か否かの判定を行わせ、
前記画像補正処理が可能であるときは、前記光学補正情報の受信が完了する前に前記画像補正処理を行わせることを特徴とする撮像装置の制御プログラム。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の撮像装置に取り外し可能に装着される交換レンズであって、
該交換レンズに固有の情報であって、該交換レンズにおいて変更可能なパラメータの値に応じた光学補正情報を記憶する補正情報記憶手段を有し、
前記撮像装置からの要求に応じて前記光学補正情報を該撮像装置に送信することを特徴とする交換レンズ。
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