JP2016192554A - p型酸化物、p型酸化物製造用組成物、p型酸化物の製造方法、半導体素子、表示素子、画像表示装置、及びシステム - Google Patents

p型酸化物、p型酸化物製造用組成物、p型酸化物の製造方法、半導体素子、表示素子、画像表示装置、及びシステム Download PDF

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由希子 安部
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有希 中村
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真二 松本
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雄司 曽根
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美樹子 ▲高▼田
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遼一 早乙女
Ryoichi Saotome
遼一 早乙女
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Abstract

【課題】優れた特性、即ち、十分な導電性が得られ、比較的低温の実用的な条件で製造することができ、組成比の調整によって導電性を制御することが可能な特性を有する新規なp型酸化物などの提供。
【解決手段】組成式xAO・yCuO(xとyはモル比率を表し、0≦x<100、かつx+y=100である。)で表されるアモルファス酸化物からなり、前記Aが、Mg、Ca、Sr、及びBaから選択される少なくともいずれかを含むp型酸化物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、p型酸化物、p型酸化物製造用組成物、p型酸化物の製造方法、半導体素子、表示素子、画像表示装置、及びシステムに係り、更に詳しくは、p型導電性を示すp型酸化物、該p型酸化物を製造するためのp型酸化物製造用組成物、前記p型酸化物の製造方法、前記p型酸化物からなる活性層を有する半導体素子、該半導体素子を有する表示素子、及び該表示素子を用いた画像表示装置、並びに該画像表示装置を備えるシステムに関する。
アモルファス状態でa−Si以上の移動度を示すInGaZnO(a−IGZO)薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)の発表をきっかけとして、世界中で酸化物半導体の実用化へ向けた研究開発が精力的に進められている。しかしながら、これら酸化物半導体材料の殆どは、電子をキャリアとするn型酸化物半導体である。
n型酸化物半導体に匹敵するp型酸化物半導体が利用可能になれば、これらを組み合わせてp−n接合を形成することにより、ダイオード、光センサ、太陽電池、LED、バイポーラトランジスタなどを実現できる。酸化物半導体は、ワイドギャップ化が可能であるため、これらのデバイスを透明にすることも可能になる。
また、アクティブマトリックス型有機ELディスプレイでは、図7に示すような2T1C回路を基本の駆動回路としている。この場合、駆動トランジスタ(電界効果型トランジスタ20)がn型であると所謂ソースフォロワー接続になる。そのため、有機EL素子特性の経時変化(特に電圧上昇)により前記駆動トランジスタの動作点が異なるゲート電圧の動作点へと移動してしまい、ディスプレイの半減寿命を短くしてしまうという問題がある。この問題のため、高移動度のa−IGZO TFTをバックプレーンとしたAM−OLED(アクティブ・マトリクス型有機ELディスプレイ)は未だ実用化されておらず、専らp型のLTPS−TFT(低温ポリシリコン薄膜トランジスタ)が採用されている。したがって、ここでも高性能のp型酸化物半導体が切望されている。
一価の銅酸化物であるCuO結晶は、1950年代にはp型伝導性を示すことが知られている(例えば、非特許文献1参照)。この結晶は、O−Cu−Oのダンベル構造を基本としており、Cuの3d軌道と酸素の2p軌道の混成軌道によって価電子帯頂上が構成される。酸素過剰型のノンストイキオメトリによりホールが前述の価電子帯に導入され、p型伝導が発現される。
このダンベル構造を基本ユニットとして持つ結晶には、CuMO(M=Al、Ga、In)で表されるデラフォサイト型結晶とSrCu型結晶がある。これらの酸化物がp型の導電性を示すためには、高い結晶性を有する必要があり、実際にp型伝導の報告があるのは、CuAlO、CuInO、及びSrCuだけである(例えば、非特許文献2〜4参照)。
p型伝導を発現するのが困難な理由の一つは、Cuの価数と酸素量の制御が困難なためである。結晶性の良いCuを含む酸化物の単相膜を形成しようとしても、多くの場合CuO、SrCuO、SrCuなどのCu2+を含む結晶相が混ざった膜となってしまう。このような膜では、良好なp型導電性を得ることができず、特性の制御が困難である。したがって、これらのp型酸化物材料を半導体素子の活性層などに用いる場合、キャリア濃度やキャリア移動度などの特性を最適化できないことを意味する。
その他には、1価のCu又はAgを含むデラフォサイト系酸化物が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この提案の技術では、500℃以上と高い温度での熱処理が必要であり、実用には向かない。
また、結晶性のSrCuのp型導電性薄膜が提案されている(特許文献2参照)。この提案の技術では、薄膜形成温度は、300℃と比較的低温であるが、導電率は最も良いもので4.8×10−2Scm−1と十分な導電性が得られておらず、その制御も不十分である。
即ち、これらの提案の技術では、実用的な方法で製造できず、かつ適切に制御された十分な導電性が得られるp型酸化物材料が得られないという問題がある。
また、1価のCu又はAgを含むデラフォサイト結晶のp型酸化物材料を活性層に用いたTFTが提案されている(特許文献3参照)。
しかし、この提案の技術では、活性層の材料特性や形成方法、トランジスタの特性などの十分な情報が開示されていない。
また、CuO結晶を活性層とするTFTが提案されている(非特許文献5及び6参照)。しかし、これらの提案の技術では、活性層の特性を十分制御できないために、TFTの電界効果移動度やオンオフ比は実用に適したレベルに達していない。
即ち、これらの提案の技術では、p型酸化物材料のキャリア濃度などの特性を制御することが難しく、デバイスに用いる場合に好ましい特性を実現できないといった問題がある。
結局のところ、p型酸化物に関しては実用的で有用な材料が未だ発見されていない。
したがって、n型酸化物に匹敵する特性を持つp型酸化物、該p型酸化物を製造するためのp型酸化物製造用組成物、前記p型酸化物の製造方法、前記p型酸化物を活性層に用いた半導体素子、該半導体素子を有する表示素子、該表示素子を用いた画像表示装置、及び該画像表示装置を備えるシステムの提供が求められているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れた特性、即ち、十分な導電性が得られ、比較的低温の実用的な条件で製造することができ、組成比の調整によって導電性を制御することが可能な特性を有する新規なp型酸化物、該p型酸化物を製造するためのp型酸化物製造用組成物、前記p型酸化物の製造方法、前記p型酸化物を活性層に用いた半導体素子、該半導体素子を有する表示素子、該表示素子を用いた画像表示装置、及び該画像表示装置を備えるシステムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 組成式xAO・yCuO(xとyはモル比率を表し、0≦x<100、かつx+y=100である。)で表されるアモルファス酸化物からなり、
前記Aが、Mg、Ca、Sr、及びBaから選択される少なくともいずれかを含むことを特徴とするp型酸化物である。
<2> 前記<1>に記載のp型酸化物の製造に用いるp型酸化物製造用組成物であって、
少なくとも、溶媒と、Cu含有化合物と、Mg、Ca、Sr、及びBaの少なくともいずれかを有する化合物とを含有することを特徴とするp型酸化物製造用組成物である。
<3> 前記<1>に記載のp型酸化物の製造方法であって、
支持体上に組成物を塗布する塗布工程と、
前記塗布工程の後に熱処理を行う熱処理工程とを含み、
前記組成物が、少なくとも、溶媒と、Cu含有化合物と、Mg、Ca、Sr、及びBaの少なくともいずれかを有する化合物とを含有することを特徴とするp型酸化物の製造方法である。
<4> 活性層を有し、
該活性層が、前記<1>に記載のp型酸化物を含有することを特徴とする半導体素子である。
<5> 第一の電極と、
第二の電極と、
前記第一の電極と前記第二の電極の間に形成された活性層とを有するダイオードである前記<4>に記載の半導体素子である。
<6> ゲート電圧を印加するためのゲート電極と、
電流を取り出すためのソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極との間に形成された活性層と、
前記ゲート電極と前記活性層との間に形成されたゲート絶縁層とを有する電界効果型トランジスタである前記<4>に記載の半導体素子である。
<7> 駆動信号に応じて光出力が制御される光制御素子と、
前記<4>に記載の半導体素子を有し、かつ前記光制御素子を駆動する駆動回路と、を有することを特徴とする表示素子である。
<8> 光制御素子が、有機エレクトロルミネッセンス素子、及びエレクトロクロミック素子のいずれかを有する前記<7>に記載の表示素子である。
<9> 光制御素子が、液晶素子、電気泳動素子、及びエレクトロウェッティング素子のいずれかを有する前記<7>に記載の表示素子である。
<10> 画像データに応じた画像を表示する画像表示装置であって、
マトリックス状に配置された複数の前記<7>に記載の表示素子と、
前記複数の表示素子における各電界効果型トランジスタにゲート電圧と信号電圧とを個別に印加するための複数の配線と、
前記画像データに応じて、前記各電界効果型トランジスタの前記ゲート電圧と前記信号電圧とを前記複数の配線を介して個別に制御する表示制御装置とを有することを特徴とする画像表示装置である。
<11> 前記<10>に記載の画像表示装置と、
表示する画像情報に基づいて画像データを作成し、該画像データを前記画像表示装置に出力する画像データ作成装置とを有することを特徴とするシステムである。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、優れた特性、即ち、十分な導電性が得られ、比較的低温の実用的な条件で製造することができ、組成比の調整によって導電性を制御することが可能な特性を有する新規なp型酸化物、該p型酸化物を製造するためのp型酸化物製造用組成物、前記p型酸化物の製造方法、前記p型酸化物を活性層に用いた半導体素子、該半導体素子を有する表示素子、該表示素子を用いた画像表示装置、及び該画像表示装置を備えるシステムを提供することができる。
図1は、ダイオードの一例を示す概略構成図である。 図2は、トップコンタクト・ボトムゲート型の電界効果型トランジスタの一例を示す概略構成図である。 図3は、ボトムコンタクト・ボトムゲート型の電界効果型トランジスタの一例を示す概略構成図である。 図4は、トップコンタクト・トップゲート型の電界効果型トランジスタの一例を示す概略構成図である。 図5は、ボトムコンタクト・トップゲート型の電界効果型トランジスタの一例を示す概略構成図である。 図6は、画像表示装置を説明するための図である。 図7は、本発明の表示素子の一例を説明するための図である。 図8は、表示素子における有機EL素子と電界効果型トランジスタの位置関係の一例を示す概略構成図である。 図9は、表示素子における有機EL素子と電界効果型トランジスタの位置関係の他の一例を示す概略構成図である。 図10は、有機EL素子の一例を示す概略構成図である。 図11は、表示制御装置を説明するための図である。 図12は、液晶ディスプレイを説明するための図である。 図13は、図12における表示素子を説明するための図である。 図14は、実施例1のp型酸化物のX線回折測定結果である。 図15は、実施例3のp型酸化物のX線回折測定結果である。 図16は、実施例7のp型酸化物のX線回折測定結果である。 図17は、実施例9のp型酸化物のX線回折測定結果である。 図18は、実施例12のp型酸化物のX線回折測定結果である。 図19は、実施例14のp型酸化物のX線回折測定結果である。 図20は、実施例15のp型酸化物のX線回折測定結果である。 図21は、実施例18のp型酸化物のX線回折測定結果である。 図22は、実施例24のp型酸化物のX線回折測定結果である。 図23は、実施例27のp型酸化物のX線回折測定結果である。 図24は、実施例30のp型酸化物のX線回折測定結果である。 図25は、実施例32のp型酸化物のX線回折測定結果である。 図26は、実施例35のp型酸化物のX線回折測定結果である。 図27は、実施例38のp型酸化物のX線回折測定結果である。 図28は、実施例40のp型酸化物のX線回折測定結果である。 図29は、実施例43のp型酸化物のX線回折測定結果である。 図30は、実施例45のp型酸化物のX線回折測定結果である。 図31は、実施例1〜11のp型酸化物(xMgO・yCuO)の体積抵抗率を示す図である。 図32は、実施例12〜22のp型酸化物(xCaO・yCuO)の体積抵抗率を示す図である。 図33は、実施例23〜34のp型酸化物(xSrO・yCuO)の体積抵抗率を示す図である。 図34は、実施例35〜44のp型酸化物(xBaO・yCuO)の体積抵抗率を示す図である。 図35は、実施例50で作製したダイオードのI−V特性を示す図である。 図36は、実施例52で作製した電界効果型トランジスタのチャネル部の顕微鏡写真である。
(p型酸化物、p型酸化物製造用組成物、及びp型酸化物の製造方法)
<p型酸化物>
本発明のp型酸化物は、組成式xAO・yCuO(xとyはモル比率を表し、0≦x<100、かつx+y=100である。)で表されるアモルファス酸化物からなり、前記Aが、Mg、Ca、Sr、及びBaから選択される少なくともいずれかを含む。
前記p型酸化物は、アモルファスでありながら、ホールをキャリアとするp型の導電性が得られる。また、アモルファスであるため組成の比率(x、y)を連続的に調整することによって、酸化物の導電性を幅広く制御できるため、目的に応じた好ましい特性のp型酸化物を得ることができる。
従来、Cuの3d軌道とOの2p軌道の混成軌道からなる価電子帯を利用した1価の銅(又は銀)酸化物では、電子軌道の異方性が強いため、p型伝導を発現するためには結晶であることが必須であると信じられていた。この点は重金属の等方的なs軌道からなる伝導帯を利用するn型酸化物半導体とは全く状況が異なる。しかしながら、発明者らは前記Cu酸化物がアモルファス状態であってもp型伝導を示すことを見いだした。前記組成領域で結晶相はSrCuとBaCuしか報告されておらず、これら結晶の伝導特性を制御することは困難である。
即ち、本発明のp型酸化物は、結晶性のCuを含むp型酸化物とは異なり、組成に柔軟性がある。特に、CuのカウンターカチオンであるA(Mg、Ca、Sr、Ba)の種類と量を自由に選択できるので、d−p混成バンドの状態密度と導電特性を幅広く制御できることが大きな利点である。また、従来のCuを含むp型酸化物が結晶性であるのに対して、本発明のp型酸化物はアモルファスであるため、結晶性のムラに起因する特性のばらつきが発生せず、均一な膜が得られる利点がある。
なお、前記p型酸化物は、組成式xAO・yCuO(xとyはモル比率を表し、0≦x<100、かつx+y=100である。)で表されるアモルファス酸化物からなるが、半導体特性にほとんど影響しないわずかな量の結晶の微粒子が存在していてもよい。そのような、わずかな量の結晶が存在しているp型酸化物も本発明の前記p型酸化物に含まれる。ここで、わずかな量とは、例えば、結晶微粒子のパーコレーションが発生しない程度であり、約15体積%以下を指す。
前記Aは、Mg、Ca、Sr、及びBaから選択される少なくともいずれかを含む。即ち、前記Aは、Mg、Ca、Sr、及びBaのいずれか1種であってよいし、これら2種〜4種を混ぜたものであってもよい。
前記p型酸化物は、前記Aに、Rb、Csなどによるドーピングが施されていてもよい。
前記p型酸化物の電気特性は、前記Aの種類及びCuとの比率(即ち、x、yの値)に依存する。本発明の酸化物膜は、種々の半導体素子に用いることができるが、一般的に、半導体素子の種類や特性に応じて、その素子中の半導体に求められる特性(抵抗率)は変わってくる。従って、前記Aの種類及びCuとの比率(即ち、x、yの値)は目的に応じて適宜選択すればよい。ただし、酸化物膜の体積抵抗率が10Ωcmを超えると電極に接続した際にオーミック接触が得られにくくなり、実用上好ましくないことがある。体積抵抗率を10Ωcm以下とするため、前記組成式xAO・yCuOがxMgO・yCuOの場合は、xを80未満とすることが好ましい。また、前記組成式xAO・yCuOがxCaO・yCuOの場合は、xを85未満とすることが好ましい。また、前記組成式xAO・yCuOがxSrO・yCuOの場合は、xを85未満とすることが好ましい。また、前記組成式xAO・yCuOがxBaO・yCuOの場合は、xを75未満とすることが好ましい。
前記p型酸化物の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、膜状、バルク(粒子状)などが挙げられる。
前記p型酸化物は、pn接合ダイオード、PINフォトダイオード、電界効果型トランジスタ、発光素子、光電変換素子などの半導体素子のp型活性層として有用である。
前記p型酸化物の製造方法としては、後述の本発明のp型酸化物製造用組成物を用いた本発明のp型酸化物の製造方法が好ましい。
その他の前記p型酸化物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタ法、パルスレーザーデポジッション(PLD)法、CVD法、ALD法などが挙げられる。
<p型酸化物製造用組成物>
本発明のp型酸化物製造用組成物は、少なくとも、溶媒と、Cu含有化合物と、Mg、Ca、Sr、及びBaの少なくともいずれかを有する化合物とを含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記p型酸化物製造用組成物は、本発明の前記p型酸化物の製造に用いる組成物である。
−溶媒−
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、2−エチルヘキサン酸、アセチルアセトン、エチレングリコール、2−メトキシエタノールなどが挙げられる。
また、前記p型酸化物製造用組成物に所望の物性(例えば、粘弾性、誘電率など)を付与するために、ジエチレングリコール、ジメチルホルムアミドなどの溶媒を用いてもよい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記p型酸化物製造用組成物における前記溶媒の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−Cu含有化合物−
前記p型酸化物中でCuの原子価は1価であるが、前記Cu含有化合物中のCuの原子価は1価に限定されない。前記Cu含有化合物としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ネオデカン酸銅(II)等の有機カルボン酸銅;フタロシアニン銅(II)、銅(I)フェニルアセチリド等の有機銅錯体;銅(II)ジエトキシド等の銅アルコキシド;硝酸銅(II)、酢酸銅(I)等の無機銅塩などが挙げられる。
これらの中でも、無極性溶媒で前記p型酸化物製造用組成物を製造する場合には、溶解性の観点から、有機カルボン酸銅が好ましく、ネオデカン酸銅(II)がより好ましい。また、極性溶媒で前記p型酸化物製造用組成物を製造する場合には、溶解性の観点から無機銅塩が好ましく、硝酸銅(II)がより好ましい。
前記p型酸化物製造用組成物における前記Cu含有化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−Mg、Ca、Sr、及びBaの少なくともいずれかを有する化合物−
前記Mg、Ca、Sr、及びBaの少なくともいずれかを有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Mg、Ca、Sr、及びBaの少なくともいずれかを有する有機カルボン酸塩、有機金属錯体、金属アルコキシド、無機塩などが挙げられる。
これらの中で、無極性溶媒で前記p型酸化物用製造物を製造する場合には、溶解性の観点から、有機カルボン酸塩が好ましく、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸カルシウム、2−エチルヘキサン酸ストロンチウム、2−エチルヘキサン酸バリウムがより好ましい。また、極性溶媒で前記p型酸化物製造用組成物を製造する場合には、溶解性の観点から無機塩が好ましく、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウムがより好ましい。
本発明のp型酸化物製造用組成物は、良好なp型導電性を持つ前記p型酸化物の製造に用いる原料溶液として好適である。前記p型酸化物中でCuの原子価は1価であるが、前記p型酸化物製造用組成物は、これに含まれる前記Cu含有化合物中のCuの原子価は1価に限定されず、好ましくは2価であることに特徴がある。即ち、前記Cu含有化合物中のCuの原子価が2価の場合には、前記p型酸化物製造用組成物中ではCuの原子価は2価であるので、Cu1原子に対し酸素1原子であるが、これを用いて形成される前記p型酸化物(xAO・yCuO)ではCuが1価であるので、Cu2原子に対し酸素1原子となる。即ち、前記p型酸化物を製造するにあたり、前記p型酸化物製造用組成物は、CuとOの関係において、酸素過剰の状態であることになる。このような前記p型酸化物製造用組成物を用いることにより、形成される前記p型酸化物中の酸素量を高め、酸素欠陥によるキャリア補償を抑制することができる。そのため、ホール濃度を高めて良好なp型導電性の前記p型酸化物が得られる。
また、本発明のp型酸化物製造用組成物は、金属元素の組成と溶媒の混合比を幅広く調整できるため、後述するp型酸化物の製造方法や使用目的に応じてそれらを適切に調整できる。
<p型酸化物の製造方法>
本発明のp型酸化物の製造方法は、塗布工程と、熱処理工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
−塗布工程−
前記塗布工程としては、支持体上に組成物を塗布する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記組成物は、本発明の前記p型酸化物製造用組成物である。
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス基板などが挙げられる。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート、インクジェットプリント、スリットコート、ノズルプリント、グラビア印刷、マイクロコンタクトプリントなどの既存の方法を利用することが出来る。これらの中で、広い面積に均一な厚みの膜を簡便に作製する場合にはスピンコートが好ましい。また、インクジェットプリントやマイクロコンタクトプリント等の適切な印刷方法・条件を使用すれば、所望の形状に印刷することができ、後工程でパターンニングする必要はない。
−熱処理工程−
前記熱処理工程としては、前記塗布工程の後に熱処理を行う工程であって、前記組成物中の溶媒の乾燥、前記Cu含有化合物の分解、前記Mg、Ca、Sr、及びBaの少なくともいずれかを有する化合物の分解、並びに前記p型酸化物を生成することができる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記熱処理工程では、前記溶媒の乾燥(以下、「乾燥処理」と称する。)と、前記Cu含有化合物の分解、前記Mg、Ca、Sr、及びBaの少なくともいずれかを有する化合物の分解、並びに前記p型酸化物の生成(以下、「分解及び生成処理」と称する。)とを、異なる温度で行うことが好ましい。即ち、前記溶媒の乾燥を行った後に、昇温して前記Cu含有化合物の分解、前記Mg、Ca、Sr、及びBaの少なくともいずれかを有する化合物の分解、並びに前記p型酸化物の生成を行うことが好ましい。
前記乾燥処理の温度としては、特に制限はなく、含有する溶媒に応じて適宜選択することができ、例えば、80℃〜180℃が挙げられる。前記乾燥においては、低温化のために減圧オーブン等を使用することも有効である。
前記乾燥処理の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、10分間〜1時間が挙げられる。
前記分解及び生成処理の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、200℃〜400℃が挙げられる。
前記分解及び生成処理の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1時間〜5時間が挙げられる。
なお、前記熱処理工程では、同時進行的に前記過程を実施してもよいし、複数の工程に分割してもよい。
前記熱処理工程の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記支持体に加熱を行う方法などが挙げられる。
前記熱処理工程における雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、酸素雰囲気が好ましい。前記酸素雰囲気で熱処理を行うことにより、分解生成物を速やかに系外に排出し、また得られるp型酸化物の酸素欠陥を低減することができる。
前記熱処理工程の際には、波長400nm以下の紫外光を前記乾燥処理後の前記組成物に照射することが前記分解及び生成処理の反応を促進する上で有効である。波長400nm以下の紫外光を照射することにより、前記組成物中に含有される有機物などの化学結合を切断し、有機物を分解するため、効率的に前記p型酸化物を製造することができる。
前記波長400nm以下の紫外光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エキシマランプを用いた波長222nmの紫外光などが挙げられる。
また、前記紫外光の照射に代えて、又は併用して、オゾンを付与することも好ましい。前記オゾンを前記乾燥処理後の前記組成物に付与することにより、酸化物の生成が促進される。
本発明のp型酸化物の製造方法では、塗布プロセスにより前記p型酸化物を製造するため、真空プロセスに比べて簡易、大量、かつ低コストで前記p型酸化物を製造することができる。
また、本発明のp型酸化物の製造方法では、良好なp型導電性を持つ前記p型酸化物を得ることができる。本発明のp型酸化物の製造方法では、それに用いる前記組成物に、原子価が2価のCuを含有する前記Cu含有化合物を用いることが好ましい。即ち、この場合、前記組成物中ではCuの原子価は2価であるので、Cu1原子に対し酸素1原子であるが、これを用いて形成される前記p型酸化物ではCuが1価であるので、Cu2原子に対し酸素1原子となる。即ち、前記p型酸化物を製造するにあたり、前記組成物は、CuとOの関係において、酸素過剰の状態であることになる。このような前記組成物を用いることにより、形成される前記p型酸化物中の酸素量を高め、酸素欠陥によって電子が生成されるのを抑制することができる。そのため、ホール濃度を高めて良好なp型導電性の前記p型酸化物が得られる。
(半導体素子)
本発明の半導体素子は、活性層を少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
<活性層>
前記活性層としては、本発明の前記p型酸化物を含有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前述のように、本発明の前記p型酸化物は、組成を調整することによって目的に応じた特性を実現できるため、前記半導体素子の活性層に用いるのに適している。即ち、特性を最適化した前記p型酸化物を前記活性層に含有させることで、前記半導体素子の特性を向上させることができる。
前記活性層の構造、形状、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記半導体素子としては、例えば、ダイオード、電界効果型トランジスタ、発光素子、光電変換素子などが挙げられる。
<ダイオード>
前記ダイオードとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第一の電極と、第二の電極と、前記第一の電極と前記第二の電極の間に形成された活性層とを有するダイオードなどが挙げられる。このようなダイオードとしては、例えば、pn接合ダイオード、PINフォトダイオードなどが挙げられる。
n型酸化物半導体の中には、可視光に対して高い透過率を有する材料が多く知られており、本発明の前記p型酸化物もワイドギャップで可視光を透過することから、これらを用いると透明なダイオードを構成できる。
−pn接合ダイオード−
前記pn接合ダイオードは、活性層を少なくとも有し、更に必要に応じて、アノード(陽極)、カソード(陰極)などのその他の部材を有する。
−−活性層−−
前記活性層は、p型半導体層と、n型半導体層とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記p型半導体層と前記n型半導体層とは、接している。
−−−p型半導体層−−−
前記p型半導体層としては、本発明の前記p型酸化物を含有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記活性層として機能するために必要なキャリア濃度とキャリア移動度が得られるよう、前記p型酸化物の組成や形成条件が選択されていることが好ましい。
前記p型半導体層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50nm〜2,000nmが好ましい。
−−−n型半導体層−−−
前記n型半導体層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、n型透明酸化物半導体が好ましい。
前記n型透明酸化物半導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ZnO、IGZO(In−Ga−Zn−O)などが挙げられる。
前記n型透明酸化物半導体を用いた場合には、本発明の前記p型酸化物もワイドギャップで可視光を透過する性質があるため、前記活性層を透明にできる。
前記n型半導体層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタ法、パルスレーザーデポジッション(PLD)法、CVD法、ALD法等の真空プロセス、ディップコーティング、インクジェットプリント、ナノインプリント等の印刷法などが挙げられる。
前記n型半導体層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50nm〜2,000nmが好ましい。
前記p型半導体層と前記n型半導体層の両方が結晶性の材料である場合、これらを積層した際に格子のミスマッチから良好な結晶が得られず、結果として良い特性の半導体素子が実現できないといった不具合が発生しやすい。これを回避するには格子が整合する材料を選択する必要があるため、用いることができる材料が限られてしまう。
一方、本発明の前記p型酸化物を前記p型半導体層に用いれば、前記n型半導体層が結晶性であっても前述の不具合が生じず、良好なpn接合の界面が形成できる。即ち、本発明の前記p型酸化物を用いることで、前記ダイオードにおいて、n型半導体材料の選択の幅が広がると共に、良好な素子特性が実現できる。
−−アノード(陽極)−−
前記アノードは、前記p型半導体層に接している。
前記アノードの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Mo、Al、Au、Ag、Cu等の金属乃至これらの合金、ITO、ATO等の透明導電性酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリアニリン(PANI)等の有機導電体などが挙げられる。
前記アノードの形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記アノードは、前記p型半導体層に接して設けられるが、これらの間ではオーミック接触が形成されていることが好ましい。
前記アノードの形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(i)スパッタ法、ディップコーティング法等による成膜後、フォトリソグラフィーによってパターニングする方法、(ii)インクジェットプリント、ナノインプリント、グラビア等の印刷プロセスによって、所望の形状を直接成膜する方法などが挙げられる。
−−カソード(陰極)−−
前記カソードの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記アノードの説明において記載した材質と同じ材質などが挙げられる。
前記カソードの形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記カソードは、前記n型半導体層に接して設けられるが、これらの間ではオーミック接触が形成されていることが好ましい。
前記カソードの形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記アノードの説明において記載した形成方法と同じ方法などが挙げられる。
−−pn接合ダイオードの製造方法−−
図1に示す前記pn接合ダイオードの製造方法の一例を説明する。
まず、基材1上にカソード2を形成する。
前記基材の形状、構造、及び大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記基材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス基材、プラスチック基材などが挙げられる。
前記ガラス基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無アルカリガラス、シリカガラスなどが挙げられる。
前記プラスチック基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などが挙げられる。
なお、前記基材は、表面の清浄化及び密着性向上の点で、酸素プラズマ、UVオゾン、UV照射洗浄等の前処理が行われることが好ましい。
続いて、カソード2上にn型半導体層3を形成する。
続いて、n型半導体層3上に、p型半導体層4を形成する。
続いて、p型半導体層4上に、アノード5を形成する。
以上により、pn接合ダイオード6が製造される。
<電界効果型トランジスタ>
前記電界効果型トランジスタは、ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、活性層と、ゲート絶縁層とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
−ゲート電極−
前記ゲート電極としては、ゲート電圧を印加するための電極であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ゲート電極の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Mo、Al、Au、Ag、Cu等の金属乃至これらの合金、ITO、ATO等の透明導電性酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリアニリン(PANI)等の有機導電体などが挙げられる。
前記ゲート電極の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(i)スパッタ法、ディップコーティング法等による成膜後、フォトリソグラフィーによってパターニングする方法、(ii)インクジェットプリント、ナノインプリント、グラビア等の印刷プロセスによって、所望の形状を直接成膜する方法などが挙げられる。
前記ゲート電極の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20nm〜1μmが好ましく、50nm〜300nmがより好ましい。
−ソース電極、及びドレイン電極−
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極としては、前記電界効果型トランジスタから電流を取り出すための電極であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ゲート電極の説明において記載した材質と同じ材質などが挙げられる。
前記活性層と前記ソース電極、及び前記活性層と前記ドレイン電極の間の接触抵抗が大きいとトランジスタの特性劣化につながる。これを避けるために、接触抵抗が小さくなるような材質を前記ソース電極及び前記ドレイン電極として選択することが好ましい。具体的には、前記活性層に含有される本発明の前記p型酸化物よりも仕事関数が大きい材質を選択することが好ましい。
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ゲート電極の説明において記載した形成方法と同じ方法などが挙げられる。
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20nm〜1μmが好ましく、50nm〜300nmがより好ましい。
−活性層−
前記活性層は、本発明の前記p型酸化物を含有する。
前記活性層は、前記ソース電極及び前記ドレイン電極との間に形成されている。ここで、「間」とは、前記活性層が前記ソース電極及び前記ドレイン電極と共に、前記電界効果型トランジスタを機能させるような位置であり、そのような位置であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記活性層として機能するために必要なキャリア濃度とキャリア移動度が得られるよう、前記p型酸化物の組成や形成条件が選択されていることが好ましい。
前記活性層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm〜1μmが好ましく、10nm〜300nmがより好ましい。
−ゲート絶縁層−
前記ゲート絶縁層としては、前記ゲート電極と前記活性層との間に形成された絶縁層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ゲート絶縁層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、SiO、SiNx等の既に広く量産に利用されている材料や、La、HfO等の高誘電率材料、ポリイミド(PI)やフッ素系樹脂等の有機材料などが挙げられる。
前記ゲート絶縁層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタ、化学気相蒸着(CVD)、原子層蒸着(ALD)等の真空成膜法、スピンコート、ダイコート、インクジェットプリント等の印刷法などが挙げられる。
前記ゲート絶縁層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50nm〜3μmが好ましく、100nm〜1μmがより好ましい。
前記電界効果型トランジスタの構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トップコンタクト・ボトムゲート型(図2)、ボトムコンタクト・ボトムゲート型(図3)、トップコンタクト・トップゲート型(図4)、ボトムコンタクト・トップゲート型(図5)などが挙げられる。
なお、図2〜図5中、21は基材、22は活性層、23はソース電極、24はドレイン電極、25はゲート絶縁層、26はゲート電極を表す。
前記電界効果型トランジスタは、後述する表示素子に好適に使用できるが、これに限られるものではなく、例えば、ICカード、IDタグなどにも使用することができる。
前記電界効果型トランジスタは、活性層に本発明のp型酸化物を用いているので、組成を調整することで好ましい特性の活性層が実現されており、トランジスタ特性が良好なものとなる。また、活性層がアモルファスであるため均一性が高く、個々のトランジスタの特性ばらつきが低減される。
−電界効果型トランジスタの製造方法−
前記電界効果型トランジスタの製造方法の一例を説明する。
まず、基材上にゲート電極を形成する。
前記基材の形状、構造、及び大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記基材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス基材、プラスチック基材などが挙げられる。
前記ガラス基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無アルカリガラス、シリカガラスなどが挙げられる。
前記プラスチック基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などが挙げられる。
なお、前記基材は、表面の清浄化及び密着性向上の点で、酸素プラズマ、UVオゾン、UV照射洗浄等の前処理が行われることが好ましい。
続いて、前記ゲート電極上に前記ゲート絶縁層を形成する。
続いて、チャネル領域であって前記ゲート絶縁層上に、前記p型酸化物を含有する活性層を形成する。
続いて、前記ゲート絶縁層上に、前記活性層を跨ぐようにソース電極及びドレイン電極を離間して形成する。
以上により、電界効果型トランジスタが製造される。この製造方法では、例えば、図2に示すようなトップコンタクト・ボトムゲート型の電界効果型トランジスタが製造される。
本発明の半導体素子は、本発明の前記p型酸化物を活性層に含有している。前記p型酸化物は、組成を調整することによって目的に応じた特性(導電性)を実現できる。そのため、特性を最適化した前記p型酸化物を活性層とすることで、前記半導体素子の特性を向上させることができる。
本発明の半導体素子としての電界効果型トランジスタは、良好な特性のTFTが実現できる。また、活性層がアモルファスであるため均一性が高く、個々のトランジスタの特性ばらつきが低減できる。
(表示素子)
本発明の表示素子は、少なくとも、光制御素子と、前記光制御素子を駆動する駆動回路とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
<光制御素子>
前記光制御素子としては、駆動信号に応じて光出力を制御する素子である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、エレクトロクロミック(EC)素子、液晶素子、電気泳動素子、エレクトロウェッティング素子などが挙げられる。
<駆動回路>
前記駆動回路としては、本発明の前記半導体素子を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の前記表示素子は、前記半導体素子(例えば、前記電界効果型トランジス)を有しているため、素子間のばらつきが小さい。また、表示素子に経時変化が起きても駆動トランジスタを一定のゲート電圧で動作させることができるため、素子の長寿命化につながる。
(画像表示装置)
本発明の画像表示装置は、少なくとも、複数の表示素子と、複数の配線と、表示制御装置とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
<表示素子>
前記表示素子としては、マトリックス状に配置された本発明の前記表示素子である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<配線>
前記配線は、前記表示素子における各電界効果型トランジスタにゲート電圧と画像データ信号とを個別に印加可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<表示制御装置>
前記表示制御装置としては、画像データに応じて、前記各電界効果型トランジスタの前記ゲート電圧と前記信号電圧とを複数の前記配線を介して個別に制御可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の画像表示装置は、本発明の前記表示素子を有しているため、長寿命で安定して動作する。
本発明の画像表示装置は、携帯電話、携帯型音楽再生装置、携帯型動画再生装置、電子BOOK、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯情報機器、スチルカメラやビデオカメラ等の撮像機器における表示手段に用いることができる。また、車、航空機、電車、船舶等の移動体システムにおける各種情報の表示手段にも用いることができる。更に、計測装置、分析装置、医療機器、広告媒体における各種情報の表示手段を用いることができる。
(システム)
本発明のシステムは、少なくとも、本発明の前記画像表示装置と、画像データ作成装置とを有する。
前記画像データ作成装置は、表示する画像情報に基づいて画像データを作成し、該画像データを前記画像表示装置に出力する。
本発明のシステムは、本発明の前記画像表示装置を備えているため、画像情報を高精細に表示することが可能となる。
次に、本発明の画像表示装置について説明する。
本発明の画像表示装置としては、例えば、特開2010−074148号公報の段落〔0059〕〜〔0060〕、図2、及び図3に記載の構成などを採ることができる。
以下、本発明の実施態様の一例を、図を用いて説明する。
図6は、表示素子がマトリックス上に配置されたディスプレイを表す図である。図6に示されるように、ディスプレイは、X軸方向に沿って等間隔に配置されているn本の走査線(X0、X1、X2、X3、・・・、Xn−2、Xn−1)と、Y軸方向に沿って等間隔に配置されているm本のデータ線(Y0、Y1、Y2、Y3、・・・、Ym−1)、Y軸方向に沿って等間隔に配置されているm本の電流供給線(Y0i、Y1i、Y2i、Y3i、・・・・・、Ym−1i)とを有する。
よって、走査線とデータ線とによって、表示素子302を特定することができる。
図7は、本発明の表示素子の一例を示す概略構成図である。
前記表示素子は、一例として図7に示されるように、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子350と、該有機EL素子350を発光させるためのドライブ回路320とを有している。即ち、ディスプレイ310は、いわゆるアクティブマトリックス方式の有機ELディスプレイである。また、ディスプレイ310は、カラー対応の32インチ型のディスプレイである。なお、大きさは、これに限定されるものではない。
図7におけるドライブ回路320について説明する。
ドライブ回路320は、2つの電界効果型トランジスタ10及び20と、キャパシタ30を有する。
電界効果型トランジスタ10は、スイッチ素子として動作する。電界効果型トランジスタ10のゲート電極Gは、所定の走査線に接続され、電界効果型トランジスタ10のソース電極Sは、所定のデータ線に接続されている。また、電界効果型トランジスタ10のドレイン電極Dは、キャパシタ30の一方の端子に接続されている。
電界効果型トランジスタ20は、有機EL素子350に電流を供給する。電界効果型トランジスタ20のゲート電極Gは、電界効果型トランジスタ10のドレイン電極Dと接続されている。そして、電界効果型トランジスタ20のドレイン電極Dは、有機EL素子350の陽極に接続され、電界効果型トランジスタ20のソース電極Sは、所定の電流供給線に接続されている。
キャパシタ30は、電界効果型トランジスタ10の状態、即ちデータを記憶する。キャパシタ30の他方の端子は、所定の電流供給線に接続されている。
そこで、電界効果型トランジスタ10が「オン」状態になると、信号線Y2を介して画像データがキャパシタ30に記憶され、電界効果型トランジスタ10が「オフ」状態になった後も、電界効果型トランジスタ20を画像データに対応した「オン」状態に保持することによって、有機EL素子350は駆動される。
図8には、表示素子302における有機EL素子350とドライブ回路としての電界効果型トランジスタ20との位置関係の一例が示されている。ここでは、電界効果型トランジスタ20の横に有機EL素子350が配置されている。なお、電界効果型トランジスタ及びキャパシタ(図示せず)も同一基材上に形成されている。
図8には図示されていないが、活性層22の上部に保護膜を設けることも好適である。前記保護膜の材料としては、SiO、SiNx、Al、フッ素系ポリマーなどが適宜利用できる。
また、例えば、図9に示されるように、電界効果型トランジスタ20の上に有機EL素子350が配置されてもよい。この場合には、ゲート電極26に透明性が要求されるので、ゲート電極26には、ITO、In、SnO、ZnO、Gaが添加されたZnO、Alが添加されたZnO、Sbが添加されたSnOなどの導電性を有する透明な酸化物が用いられる。なお、符号360は層間絶縁膜(平坦化膜)である。この絶縁膜にはポリイミドやアクリル系の樹脂等を利用できる。
図10は、有機EL素子の一例を示す概略構成図である。
図10において、有機EL素子350は、陰極312と、陽極314と、有機EL薄膜層340とを有する。
陰極312の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)−銀(Ag)合金、アルミニウム(Al)−リチウム(Li)合金、ITO(Indium Tin Oxide)などが挙げられる。なお、マグネシウム(Mg)−銀(Ag)合金は、充分厚ければ高反射率電極となり、極薄膜(20nm程度未満)では半透明電極となる。図では陽極側から光を取りだしているが、陰極を透明、または半透明電極とすることによって陰極側から光を取り出すことができる。
陽極314の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、銀(Ag)−ネオジウム(Nd)合金などが挙げられる。なお、銀合金を用いた場合は、高反射率電極となり、陰極側から光を取り出す場合に好適である。
有機EL薄膜層340は、電子輸送層342と、発光層344と、正孔輸送層346とを有する。電子輸送層342は、陰極312に接続され、正孔輸送層346は、陽極314に接続されている。陽極314と陰極312との間に所定の電圧を印加すると、発光層344が発光する。
ここで、電子輸送層342と発光層344が1つの層を形成してもよく、また、電子輸送層342と陰極312との間に電子注入層が設けられてもよく、更に、正孔輸送層346と陽極314との間に正孔注入層が設けられてもよい。
また、基材側から光を取り出すいわゆる「ボトムエミッション」の場合について説明したが、基材と反対側から光を取り出す「トップエミッション」であってもよい。
図11は、本発明の画像表示装置の他の一例を示す概略構成図である。
図11において、画像表示装置は、表示素子302と、配線(走査線、データ線、電流供給線)と、表示制御装置400とを有する。
表示制御装置400は、画像データ処理回路402と、と、データ線駆動回路406とを有する。
画像データ処理回路402は、映像出力回路の出力信号に基づいて、ディスプレイにおける複数の表示素子302の輝度を判断する。
走査線駆動回路404は、画像データ処理回路402の指示に応じてn本の走査線に個別に電圧を印加する。
データ線駆動回路406は、画像データ処理回路402の指示に応じてm本のデータ線に個別に電圧を印加する。
また、上記実施形態では、光制御素子が有機EL素子の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、光制御素子がエレクトロクロミック素子であってもよい。この場合は、上記ディスプレイは、エレクトロクロミックディスプレイとなる。
また、前記光制御素子が液晶素子であってもよく、この場合ディスプレイは、液晶ディスプレイとなり、図12に示されるように、表示素子302’に対する電流供給線は不要となる。また、図13に示されるように、ドライブ回路320’は、電界効果型トランジスタ10及び20と同様の1つの電界効果型トランジスタ40により構成することができる。電界効果型トランジスタ40において、ゲート電極Gが所定の走査線に接続され、ソース電極Sが所定のデータ線に接続されている。また、ドレイン電極Dが、キャパシタ361及び液晶素子370の画素電極に接続されている。
また、前記光制御素子は、電気泳動素子、無機EL素子、及びエレクトロウェッティング素子のいずれかであってもよい。
以上、本発明のシステムがテレビジョン装置である場合について説明したが、これに限定されるものではなく、画像及び情報を表示する装置として画像表示装置を備えていればよい。例えば、コンピュータ(パソコンを含む)と画像表示装置とが接続されたコンピュータシステムであってもよい。
本発明のシステムは、本発明の画像表示装置を有しているため、長寿命で安定して動作する。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜11)
<xMgO・yCuO酸化物半導体(アモルファス)の作製>
2−エチルヘキサン酸マグネシウム3.0質量%トルエン溶液と、ネオデカン酸銅8.28質量%トルエン溶液を混合後、トルエンで希釈し、xMgO・yCuO酸化物半導体用インクを得た。2−エチルヘキサン酸マグネシウム3.0質量%トルエン溶液と、ネオデカン酸銅8.28質量%トルエン溶液の比率は、溶液中のMgとCuのモル比率がx:2yになるよう調整した。
次に、ガラス基板上にxMgO・yCuO酸化物半導体用インクをスピンコートした。120℃で1時間乾燥後、酸素気流中でエキシマランプ(波長222nm)を照射しながら250℃で3時間焼成し、xMgO・yCuO膜を形成した。
インク作製に用いた2−エチルヘキサン酸マグネシウム3.0質量%トルエン溶液と、ネオデカン酸銅8.28質量%トルエン溶液の調合量、並びに得られたxMgO・yCuO酸化物半導体のx及びyの値と厚みを表1に示す。
なお、表中、Eは、「10のべき乗」を表す。例えば、「1.0E−05」は、「0.00001」を表し、「1.0E+02」は、「100」を表す。
(実施例12〜22)
<xCaO・yCuO酸化物半導体(アモルファス)の作製>
2−エチルヘキサン酸カルシウム5.0質量%ミネラルスピリット溶液と、ネオデカン酸銅8.28質量%トルエン溶液を混合後、トルエンで希釈し、xCaO・yCuO酸化物半導体用インクを得た。2−エチルヘキサン酸カルシウム5.0質量%ミネラルスピリット溶液と、ネオデカン酸銅8.28質量%トルエン溶液の比率は、溶液中のCaとCuのモル比率がx:2yになるよう調整した。
次に、ガラス基板上にxCaO・yCuO酸化物半導体用インクをスピンコートした。120℃で1時間乾燥後、酸素気流中でエキシマランプ(波長222nm)を照射しながら250℃で3時間焼成し、xCaO・yCuO膜を形成した。
インク作製に用いた2−エチルヘキサン酸カルシウム5.0質量%ミネラルスピリット溶液と、ネオデカン酸銅8.28質量%トルエン溶液の調合量、並びに得られたxCaO・yCuO酸化物半導体のx及びyの値と厚みを表2に示す。
なお、表中、Eは、「10のべき乗」を表す。例えば、「1.0E−05」は、「0.00001」を表し、「1.0E+02」は、「100」を表す。
(実施例23〜34)
<xSrO・yCuO酸化物半導体(アモルファス)の作製>
2−エチルヘキサン酸ストロンチウム2.0質量%トルエン溶液と、ネオデカン酸銅8.28質量%トルエン溶液を混合後、トルエンで希釈し、xSrO・yCuO酸化物半導体用インクを得た。2−エチルヘキサン酸ストロンチウム2.0質量%トルエン溶液と、ネオデカン酸銅8.28質量%トルエン溶液の比率は、溶液中のSrとCuのモル比率がx:2yになるよう調整した。
次に、ガラス基板上にxSrO・yCuO酸化物半導体用インクをスピンコートした。120℃で1時間乾燥後、酸素気流中でエキシマランプ(波長222nm)を照射しながら250℃で3時間焼成し、xSrO・yCuO膜を形成した。
インク作製に用いた2−エチルヘキサン酸ストロンチウム2.0質量%トルエン溶液と、ネオデカン酸銅8.28質量%トルエン溶液の調合量、並びに得られたxSrO・yCuO酸化物半導体のx及びyの値と厚みを表3に示す。
なお、表中、Eは、「10のべき乗」を表す。例えば、「1.0E−05」は、「0.00001」を表し、「1.0E+02」は、「100」を表す。
(実施例35〜44)
<xBaO・yCuO酸化物半導体(アモルファス)の作製>
2−エチルヘキサン酸バリウム8.0質量%トルエン溶液と、ネオデカン酸銅8.28質量%トルエン溶液を混合後、トルエンで希釈し、xBaO・yCuO酸化物半導体用インクを得た。2−エチルヘキサン酸バリウム8.0質量%トルエン溶液と、ネオデカン酸銅8.28質量%トルエン溶液の比率は、溶液中のBaとCuのモル比率がx:2yになるよう調整した。
次に、ガラス基板上にxBaO・yCuO酸化物半導体用インクをスピンコートした。120℃で1時間乾燥後、酸素気流中でエキシマランプ(波長222nm)を照射しながら250℃で3時間焼成し、xBaO・yCuO膜を形成した。
インク作製に用いた2−エチルヘキサン酸バリウム8.0質量%トルエン溶液と、ネオデカン酸銅8.28質量%トルエン溶液の調合量、並びに得られたxBaO・yCuO酸化物半導体のx及びyの値と厚みを表4に示す。
なお、表中、Eは、「10のべき乗」を表す。例えば、「1.0E−05」は、「0.00001」を表し、「1.0E+02」は、「100」を表す。
(実施例45)
<CuO酸化物半導体(アモルファス)の作製>
ネオデカン酸銅8.28質量%トルエン溶液をトルエンで希釈し、CuO酸化物半導体用インクを得た。
次に、ガラス基板上にCuO酸化物半導体用インクをスピンコートした。120℃で1時間乾燥後、酸素気流中でエキシマランプ(波長222nm)を照射しながら250℃で3時間焼成し、CuO膜を形成した。得られたCuO酸化物半導体の厚みを表5に示す。
なお、表中、Eは、「10のべき乗」を表す。例えば、「1.0E−05」は、「0.00001」を表し、「1.0E+02」は、「100」を表す。
(実施例46〜49)
<xAO・yCuO酸化物半導体(アモルファス)の作製>
(A=Mg、Ca、Sr、Baから選択される2種類以上の元素)
2−エチルヘキサン酸マグネシウム3.0質量%トルエン溶液と、2−エチルヘキサン酸カルシウム5.0質量%ミネラルスピリット溶液と、2−エチルヘキサン酸ストロンチウム2.0質量%トルエン溶液と、2−エチルヘキサン酸バリウム8.0質量%トルエン溶液と、ネオデカン酸銅8.28質量%トルエン溶液を表6に示した調合量で混合した後、トルエンで希釈し、xAO・yCuO酸化物半導体用インクを得た。
次に、ガラス基板上にxAO・yCuO酸化物半導体用インクをスピンコートした。120℃で1時間乾燥後、酸素気流中でエキシマランプ(波長222nm)を照射しながら250℃で3時間焼成し、xAO・yCuO膜を形成した。ここで作製したxAO・yCuO膜では、AがMg、Ca、Sr、Baから選択される2種類以上の元素で構成される。Mg、Ca、Sr、Baの合計のモル数とCuのモル数の比から算出したxとy、及び、Mg、Ca、Sr、Baのそれぞれの比率から算出したAを構成する各元素の割合を表7に示す。また、得られたxAO・yCuO酸化物半導体の厚みを表7に示す。
なお、表中、Eは、「10のべき乗」を表す。例えば、「1.0E−05」は、「0.00001」を表し、「1.0E+02」は、「100」を表す
なお、表中、Eは、「10のべき乗」を表す。例えば、「1.0E−05」は、「0.00001」を表し、「1.0E+02」は、「100」を表す。
(比較例1)
<Sr−Cu酸化物(結晶)の作製>
SrCuの焼結体ターゲット(サイズ:直径4インチ)を用い、RFマグネトロンスパッタリング法で、ガラス基板上に100nmの厚みの酸化物膜を形成した。スパッタガスとしてアルゴンガスと酸素ガスを用いた。RFマグネトロンスパッタリングは、全圧1.1Pa、酸素濃度80%、RFパワー100Wの条件で行った。成膜中はヒーター加熱により基板温度を300℃に保ち、成膜後は2℃/1分間の割合で室温まで徐冷した。
(比較例2)
<Sr−Cu酸化物(結晶)の作製>
比較例1と同様にしてガラス基板上に100nmの厚みの酸化物膜を形成した後、窒素雰囲気中で500℃、1時間の加熱を行った。
(評価)
<X線回折>
実施例について、X線回折測定(Philips社製、X‘PertPro)を行った。図14〜図30に、実施例1、3、7、9、12、14、15、18、24、27、30、32、35、38、40、43、45、のサンプルに対して行ったX線回折測定の結果を示す。
図14〜図30では回折ピークが見られず、これらの酸化物膜がアモルファス状態であることが確認された。それ以外の実施例に対して行った測定においても同様に回折ピークは見られず、実施例全てのサンプルがアモルファス状態であることがわかった。
比較例1のサンプルに対して行ったX線回折測定の結果では複数の回折ピークが観測され、その角度(2θ)から比較例1の酸化物はSrCu結晶であることがわかった。
比較例2のサンプルに対して行ったX線回折測定の結果では、金属のCuに対応する角度に回折ピークが存在し、加熱処理による還元で金属Cuが生成されたことがわかった。
<厚み>
反射分光膜厚計(大塚電子株式会社製、FE−3000)を用い、波長約300nm〜700nmの反射スペクトルを解析して厚みを求めた。
<体積抵抗率>
実施例で作製した酸化物膜に対し、体積抵抗率の測定を行った。結果を表1〜表5、表7及び図31〜34に示す。1×10Ωcm以下の抵抗率のサンプルに対しては、三菱化学株式会社製低抵抗率計ロレスタ−GPを用いて測定した。それより抵抗が高いサンプルに対しては、酸化物膜上にAuのライン状電極を1対形成し、電極間のI−V特性を測定した結果から抵抗率を求めた。
表1〜表5、表7及び図31〜34に示す通り、全実施例において、導電性が確認された。また、体積抵抗率はxを増やすと増加する傾向があり、約1Ωcmから1011Ωcmまでの極めて広い範囲で変化した。
本発明のp型酸化物の膜は種々の半導体素子に用いることができるが、一般的に、半導体素子の種類や特性に応じて、その素子中の半導体に求められる特性(抵抗率)は変わってくる。したがって、xの値は目的に応じて適宜選択すればよい。ただし、酸化物膜の体積抵抗率が10Ωcmを超えると電極に接続した際にオーミック接触が得られにくくなり、実用上好ましくない。体積抵抗率を10Ωcm以下とするため、xMgO・yCuOの場合はxを80未満とすることが好ましい。また、xCaO・yCuOの場合はxを85未満とすることが好ましい。また、xSrO・yCuOの場合はxを85未満とすることが好ましい。また、xBaO・yCuOの場合はxを75未満とすることが好ましい。
比較例1及び比較例2のサンプルに対しても、実施例と同様に、酸化物膜上にAuのライン状電極を1対形成し、電極間のI−V特性を測定した。比較例1のSrCu結晶では、I−V特性が線形の特性を示さず、体積抵抗率は1012Ωcm以上であることがわかった。この結果は、SrCu結晶中のCuが2価の状態であるために、p型の導電性が発現していないことを示している。比較例2のサンプルの体積抵抗率は3×10Ωcmであり、加熱処理により抵抗が下がっていることがわかった。しかしこれは、金属Cuが生成されたことによる。即ち、結晶性のSr−Cu酸化物においては、p型の導電性を制御することができていない。
(実施例50)
<pn接合ダイオードの作製>
−基材の準備−
基材として無アルカリガラス基板(板厚0.7mm)を用いた。該ガラス基板を、中性洗剤、純水、及びイソプロピルアルコールを用いて超音波洗浄した。この基材を乾燥後、さらにUV−オゾン処理を90℃で10分間行った。
−カソード電極の形成−
ガラス基板上に、メタルマスクを介してAlを100nm蒸着し、カソード電極を形成した。
−n型半導体層の形成−
カソード電極上に、メタルマスクを介して、Mg−In系酸化物膜を高周波スパッタ法により形成した。ターゲットとしては、InMgOの組成を有する多結晶焼結体(サイズ:直径4インチ)を用いた。スパッタチャンバー内の到達真空度は2×10−5Paとした。スパッタ時に流すアルゴンガスと酸素ガスの流量を調整し、全圧を1.0Pa、酸素分圧を6.0×10−2Paとした。スパッタ中に基板の温度制御は特に行わなかった。スパッタパワーを150W、スパッタ時間を15分間とし、厚み160nmのMg−In系酸化物膜を形成した。
−p型半導体層の形成−
実施例5と同様にして、41MgO・59CuO膜をn型半導体層上に形成した。厚みは109nmであった。
−アノード電極の形成−
p型半導体層上に、メタルマスクを介してAuを100nm蒸着し、アノード電極を形成した。
以上の工程により、pn接合ダイオードを得た。
<評価>
実施例50で得られたダイオードのI−V特性を測定した。結果を図35に示す。典型的な整流性が得られている。すなわち、本発明のp型酸化物を活性層に用いて、pn接合ダイオードが実現できていることが示された。
(実施例51)
<電界効果型トランジスタの作製>
−基材の準備(ゲート電極、ゲート絶縁層)−
基材として熱酸化膜(厚み200nm)付きSi基板を用いた。該Si基板を、中性洗剤、純水、及びイソプロピルアルコールを用いて超音波洗浄した。この基材を乾燥後、さらにUV−オゾン処理を90℃で10分間行った。なお、前記熱酸化膜がゲート絶縁層であり、前記Si基板がゲート電極である。
−活性層の形成−
実施例1で作製した9MgO・91CuO酸化物半導体用インクを前記基板上にスピンコートした。120℃で1時間乾燥後、酸素気流中でエキシマランプ(波長222nm)を照射しながら250℃で3時間焼成し、平均厚み71nmの9MgO・91CuO膜を形成した。
この後、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、現像により、形成される活性層のパターンと同様のレジストパターンを形成し、更に、ウェットエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域の9MgO・91CuO膜を除去し、この後、レジストパターンも除去することにより活性層を形成した。
−ソース電極及びドレイン電極の形成−
前記活性層上に、メタルマスクを介してCrを1nm、引き続きAuを100nm蒸着し、ソース電極及びドレイン電極を形成した。チャネル長は50μm、チャネル幅は0.4mmとした。
最後に、酸素気流中で300℃、1時間のアニールを行い、電界効果型トランジスタを作製した。
<評価>
実施例51で作製した電界効果型トランジスタのトランスファー特性(Vds=−20V)を測定したところ、ノーマリーオフの良好なp型特性を示した。
(比較例3)
<電界効果型トランジスタの作製>
実施例51において、活性層の形成を以下の方法で行った以外は、実施例51と同様にして、電界効果型トランジスタを作製した。
−活性層の形成−
比較例1と同様にして平均厚み65nmの結晶性のSrCu膜を形成した。
この後、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、現像により、形成される活性層のパターンと同様のレジストパターンを形成し、更に、ウェットエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のSrCu膜を除去し、この後、レジストパターンも除去することにより活性層を形成した。
<評価>
比較例3の電界効果型トランジスタのトランスファー特性(Vds=−20V)を測定しようとしたところ、活性層の抵抗が高過ぎるためにソース・ドレイン間を電流が流れず、トランジスタ特性を示さなかった。
(実施例52)
<電界効果型トランジスタの作製>
−基材の準備(ゲート電極、ゲート絶縁層)−
基材として熱酸化膜(厚み200nm)付きSi基板を用いた。該Si基板を、中性洗剤、純水、及びイソプロピルアルコールを用いて超音波洗浄した。この基材を乾燥後、さらにUV−オゾン処理を90℃で10分間行った。なお、前記熱酸化膜がゲート絶縁層であり、前記Si基板がゲート電極である。
−ソース電極及びドレイン電極の形成−
前記熱酸化膜付きSi基板上に、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)をスピンコートし、乾燥処理を行い、基板表面を疎水化処理した。続いて、リフトオフ用の下層レジストをスピンコートと乾燥処理によって成膜し、更にその上に感光性のフォトレジストをスピンコートと乾燥処理によって形成した。フォトマスクを介した露光と現像処理によってレジストをパターニングした後、電極材料となるPtをDCスパッタ法により成膜した。ターゲットにはPt(サイズ:直径4インチ)を用いた。スパッタチャンバー内の到達真空度は1×10−3Paとした。スパッタ時にはアルゴンガスを流し、圧力を0.35Paとした。スパッタ中に基板の温度制御は特に行わなかった。スパッタパワーをDC200W、スパッタ時間を6分15秒とし、厚み50nmのPt膜を形成した。
続いて、Pt膜が形成された前記基板をN−メチルピロリドンに浸漬して不要な部分のPtをレジストごと剥離し、所望の形状のPtソース電極とPtドレイン電極を得た。
−インクジェット用半導体インクの調整−
硝酸銅三水和物2.42g(10mmolに相当)を2−メトキシエタノール10mLに溶かし、銅原料溶液を作製した。また、硝酸マグネシウム六水和物2.56g(10mmolに相当)を2−メトキシエタノール10mLに溶かし、マグネシウム原料溶液を得た。
エチレングリコール24mL、2−メトキシエタノール12mL、前記銅原料溶液10mL、及び前記マグネシウム原料溶液2mLを混合、攪拌し、これをインクジェット用半導体インクとした。インク中のCuとMgのモル比は5:1であり、このインクは29MgO・71CuOという組成の半導体用インク(29MgO・71CuO半導体インク)である。
−活性層の形成−
インクジェット装置を用い、前記ソース・ドレイン電極が形成された基板上の所望の位置に前記29MgO・71CuO半導体インクを塗布した。120℃で1時間乾燥後、エキシマランプ(波長222nm)を照射しながら250℃で3時間焼成し、厚み44nmの29MgO・71CuO膜を形成した。
最後に、300℃、1時間のアニールを行い、電界効果型トランジスタを作製した。
この電界効果型トランジスタのチャネル部の顕微鏡写真を図36に示す。ソース電極23とドレイン電極24の間隔がチャネル長であり、チャネル長は50μmである。チャネル幅は、縦のライン状に塗布した活性層22の幅で規定され、この写真の電界効果型トランジスタの場合は36μmであった。
<評価>
まず、得られた29MgO・71CuO半導体膜の抵抗率を評価するため、ゲート電極には電圧を印加せず、ソース電極に20Vの電圧を印加し、ドレイン電極をアースにつないだ状態で、ソース・ドレイン電極間を流れる電流値を測定した。結果は2.85μAであった。この値から、29MgO・71CuO半導体膜の体積抵抗率を算出すると、22.2Ωcmとなった。一方、実施例3の29MgO・71CuO半導体膜の体積抵抗率は31.1Ωcmであった。実施例3と実施例52ではインクの原料である溶媒とCu含有化合物とMg含有化合物が異なり、またインクの塗布方法も異なっているが、最終的に得られた29MgO・71CuO半導体膜の抵抗率は同程度であることが確認できた。
次に、実施例52で作製した電界効果型トランジスタのトランスファー特性(Vds=−20V)を測定したところ、ノーマリーオフの良好なp型特性を示した。実施例51では、スピンコートによって9MgO・91CuO半導体膜を形成した後ウェットエッチングによって所望の形状に加工していたが、実施例52ではインクジェット法によって所望の位置にのみ29MgO・71CuO半導体膜を形成しているため、後工程でパターニングする必要がなく、より簡易な方法で電界効果型トランジスタが実現できた。
本発明のp型酸化物は、優れた特性、即ち、十分な導電性が得られ、比較的低温の実用的な条件で製造することができ、組成比の調整によって導電性を制御することが可能な特性を有することから、ダイオード、電界効果型トランジスタなどの半導体素子の活性層に好適に用いることができる。
1 基材
2 カソード
3 n型半導体層
4 p型半導体層
5 アノード
6 pn接合ダイオード
10 電界効果型トランジスタ
20 電界効果型トランジスタ
21 基材
22 活性層
23 ソース電極
24 ドレイン電極
25 ゲート絶縁層
26 ゲート電極
30 キャパシタ
40 電界効果型トランジスタ
302、302’ 表示素子
310 ディスプレイ
312 陰極
314 陽極
320、320’ ドライブ回路
340 有機EL薄膜層
342 電子輸送層
344 発光層
346 正孔輸送層
350 有機EL素子
360 層間絶縁膜
361 キャパシタ
370 液晶素子
400 表示制御装置
402 画像データ処理回路
404 走査線駆動回路
406 データ線駆動回路
特開平11−278834号公報 特開2000−150861号公報 特開2005−183984号公報
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Claims (11)

  1. 組成式xAO・yCuO(xとyはモル比率を表し、0≦x<100、かつx+y=100である。)で表されるアモルファス酸化物からなり、
    前記Aが、Mg、Ca、Sr、及びBaから選択される少なくともいずれかを含むことを特徴とするp型酸化物。
  2. 請求項1に記載のp型酸化物の製造に用いるp型酸化物製造用組成物であって、
    少なくとも、溶媒と、Cu含有化合物と、Mg、Ca、Sr、及びBaの少なくともいずれかを有する化合物とを含有することを特徴とするp型酸化物製造用組成物。
  3. 請求項1に記載のp型酸化物の製造方法であって、
    支持体上に組成物を塗布する塗布工程と、
    前記塗布工程の後に熱処理を行う熱処理工程とを含み、
    前記組成物が、少なくとも、溶媒と、Cu含有化合物と、Mg、Ca、Sr、及びBaの少なくともいずれかを有する化合物とを含有することを特徴とするp型酸化物の製造方法。
  4. 活性層を有し、
    該活性層が、請求項1に記載のp型酸化物を含有することを特徴とする半導体素子。
  5. 第一の電極と、
    第二の電極と、
    前記第一の電極と前記第二の電極の間に形成された活性層とを有するダイオードである請求項4に記載の半導体素子。
  6. ゲート電圧を印加するためのゲート電極と、
    電流を取り出すためのソース電極及びドレイン電極と、
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極との間に形成された活性層と、
    前記ゲート電極と前記活性層との間に形成されたゲート絶縁層とを有する電界効果型トランジスタである請求項4に記載の半導体素子。
  7. 駆動信号に応じて光出力が制御される光制御素子と、
    請求項4に記載の半導体素子を有し、かつ前記光制御素子を駆動する駆動回路と、を有することを特徴とする表示素子。
  8. 光制御素子が、有機エレクトロルミネッセンス素子、及びエレクトロクロミック素子のいずれかを有する請求項7に記載の表示素子。
  9. 光制御素子が、液晶素子、電気泳動素子、及びエレクトロウェッティング素子のいずれかを有する請求項7に記載の表示素子。
  10. 画像データに応じた画像を表示する画像表示装置であって、
    マトリックス状に配置された複数の請求項7に記載の表示素子と、
    前記複数の表示素子における各電界効果型トランジスタにゲート電圧と信号電圧とを個別に印加するための複数の配線と、
    前記画像データに応じて、前記各電界効果型トランジスタの前記ゲート電圧と前記信号電圧とを前記複数の配線を介して個別に制御する表示制御装置とを有することを特徴とする画像表示装置。
  11. 請求項10に記載の画像表示装置と、
    表示する画像情報に基づいて画像データを作成し、該画像データを前記画像表示装置に出力する画像データ作成装置とを有することを特徴とするシステム。
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