JP2016191964A - タッチパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】各種電子機器の液晶表示画面の上面に配されて、使用者の指などで画面操作がなされるタッチパネルに関し、視認者が偏光サングラス等をかけた状態であっても、液晶表示画面の視認が良好なものになるタッチパネルを提供することを目的とする。
【解決手段】第一検出シート1と第二検出シート2が積重して構成された本体部3の上面に、光学補償シート4が積重して構成されたタッチパネル10において、光学補償シート4は1800nm以上3000nm未満のリタデーション値を有し、タッチパネル10が液晶パネル20の表示画面21に搭載された状態で、光学補償シート4の遅相軸と表示画面21から出射される直線偏光21Aとのなす角が略45度となるように構成されるものとした。
【選択図】図2
【解決手段】第一検出シート1と第二検出シート2が積重して構成された本体部3の上面に、光学補償シート4が積重して構成されたタッチパネル10において、光学補償シート4は1800nm以上3000nm未満のリタデーション値を有し、タッチパネル10が液晶パネル20の表示画面21に搭載された状態で、光学補償シート4の遅相軸と表示画面21から出射される直線偏光21Aとのなす角が略45度となるように構成されるものとした。
【選択図】図2
Description
本発明は、携帯情報機器、カーナビゲーション、カメラ等の液晶画面上に用いられるタッチパネルに関するものである。
近年、各種電子機器の液晶表示画面の上面にタッチパネルを配し、使用者の指などで所定の画面操作がなされる電子機器が広く使用されている。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
しかしながら、上記従来のタッチパネルが搭載された液晶表示画面においては、視認者が偏光サングラス等をかけていた場合に、液晶表示画面の表示が暗くなり、場合によっては見えなくなることがあった。
これは、液晶表示画面から出射される光が直線偏光であり、当該直線偏光の偏光方向と偏光サングラスの吸収軸が一致する角度(0度)に近づくことで、偏光サングラスを透過する光量が小さくなることによるものである。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、簡便な構造でありながら、視認者が偏光サングラス等をかけた状態であっても、液晶表示画面の視認が良好なものになるタッチパネルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、バックライトに発光ダイオードが用いられた液晶パネルの表示画面上に配されるタッチパネルであって、タッチパネルは、所定の入力操作を検出する本体部上に、光学補償シートが配されて構成されて、光学補償シートは、1800nm以上3000nm未満のリタデーションを有し、光学補償シートの遅相軸と上記液晶パネルから出射される偏光とのなす角が略45度となるようにして使用されることを特徴とするタッチパネルとしたものである。
これであれば、液晶パネルから出射される直線偏光が、光学補償シートによって解消されるという作用を有する。
本発明によれば、視認者が偏光サングラス等をかけた状態であっても、液晶表示画面の視認が良好なものにできるタッチパネルを実現できるという有利な効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図2を用いて説明する。
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態によるタッチパネルの断面図、図2は同タッチパネルを液晶パネルに搭載したときの構成を説明する分解斜視図である。なお、構成を分かりやすくするために、これらの図面に示すタッチパネル10は、厚さ方向の寸法を拡大して図示している。
図1は本発明の実施の形態によるタッチパネルの断面図、図2は同タッチパネルを液晶パネルに搭載したときの構成を説明する分解斜視図である。なお、構成を分かりやすくするために、これらの図面に示すタッチパネル10は、厚さ方向の寸法を拡大して図示している。
同図に示すように、本実施の形態のタッチパネル10は、上面視長方形で、第一検出シート1と第二検出シート2が積重して構成された本体部3の上面に、光学補償シート4が積重して構成されている。そして、タッチパネル10は、液晶パネル20の表示画面21上に貼り合わせられて使用される。
第一検出シート1と第二検出シート2は、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネートなどの光透過性を有した絶縁樹脂製のフィルム状の基材の上面に、図示しない酸化チタンインジウム錫(ITO)からなる透明電極がそれぞれ所定のパターンで形成されている。なお、透明電極はそれぞれ図示しない所定の電子回路に接続されている。
そして、第一検出シート1と第二検出シート2が積重して、本体部3を構成している。
この本体部3によって、タッチパネル10はタッチ操作が可能なものになっている。
その動作について簡単に説明すると、液晶パネル20の表示画面21に表示される所定のメニュー画面を使用者がタッチパネル10を介して指などで触れて操作すると、その操作位置に対応する位置に形成された第一検出シート1と第二検出シート2の透明電極の電気容量がそれぞれ変化する。そして、この電気容量の変化を電子回路がそれぞれ検出して、使用者が操作した画面位置の特定などがなされて、所定のタッチ操作がなされる。
本実施の形態における本体部3は、第一検出シート1で第一方向(例えばX方向)の位置を検出し、第二検出シート2で第二方向(例えばY方向)の位置を検出するものであり、これら2枚の検出シートを用いて平面位置(X方向の位置とY方向の位置)を検出する2層構造の本体部としている。
光学補償シート4は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの高分子材料を光配向性を有するようにシート状に形成したものであり、本体部3上面に貼り合わせられている。そして、光学補償シート4は、所定の方向の遅相軸4Aを有すると共に、所定のリタデーション値を有している。
ここに、液晶パネル20の表示画面21から出射される光は、直線偏光21Aであり、その偏光方向は表示画面21の長手方向に平行なものに設定されている。
そして、光学補償シート4の遅相軸4Aは、液晶パネル20の直線偏光21Aの偏光方向に対して略45度となる向きに設定されている。
これにより、液晶パネル20の表示画面21から出射される直線偏光21Aは、光学補償シート4を透過するときに複屈折して、直線偏光が解消される。
なお、第一検出シート1と第二検出シート2は、複屈折特性が低いもの、もしくは複屈折特性が無いものを基材とすることが好ましいが、延伸PETフィルムのように複屈折特性を有するものを基材とした場合は、図2に示すように、第一検出シート1の遅相軸1Aと、第二検出シート2の遅相軸2Aを、液晶パネル20の直線偏光21Aの偏光方向に対して略平行となる向きに設定すればよい。もしくは、略直角となる向きに構成すればよい。
このような構成にすることで、表示画面21から出射される直線偏光21Aは、第一検出シート1を透過するときに、遅相軸1A成分と遅相軸1Aに対応する速相軸成分に分解されることがないため、直線偏光が解消されることなく、直線偏光21Aと同じ偏光方向のまま第一検出シート1を透過することができる。
同様に、第一検出シート1を透過した直線偏光は、第二検出シート2を透過するときも、遅相軸2A成分と遅相軸2Aに対応する速相軸成分に分解されることなく、第二検出シート2を透過することができる。
したがって、表示画面21から出射される直線偏光21Aは、直線偏光が解消されることなく、直線偏光21Aの偏光方向のまま、第一検出シート1と第二検出シート2を透過することができる。
そして、第一検出シート1と第二検出シート2を透過した直線偏光(直線偏光21Aと同じ偏光方向)は、光学補償シート4を透過するときに複屈折して、直線偏光が解消される。
したがって、タッチパネル10を搭載した液晶パネル20であれば、視認者が偏光サングラス等をかけた状態であっても、表示画面21が過度に暗くなるなどの現象が抑制されたものに実現できる。
以下に、視認者が偏光サングラス等をかけた状態における、タッチパネル10の光学補償シート4のリタデーション値と、表示画面21の視認性との関係を検討した内容を説明する。
なお、今回の検討には、白色発光ダイオードをバックライトとした液晶パネル20を用い、表示画面21の表示は白色表示状態で評価した。そして、白色表示状態の表示画面21上に第一検出シート1と第二検出シート2と光学補償シート4を順番に積載してタッチパネル10を構成し、タッチパネル10を透過した光を偏光板を介して観察した。
なお、偏光板の吸収軸は、表示画面21から出射される直線偏光21Aの偏光方向と平行に設定した。つまり、タッチパネル10が配されていない状態では、表示画面21から出射される光は全て偏光板で遮られる構成となっている。
タッチパネル10は、平面寸法が16cm×9cmのものを用いた。
第一検出シート1及び第二検出シート2は、材厚が125μm±0.5μmの延伸PETフィルムを基材として、基材上面にITOが所定のパターンで形成されているものを用いた。
なお、延伸PETフィルムは複屈折特性を有した材料であり、第一検出シート1のリタデーション値は1785μm、第二検出シート2のリタデーション値は1816μmであった。
そして、第一検出シート1の遅相軸1Aと第二検出シート2の遅相軸2Aは、それぞれ液晶パネル20の直線偏光21Aの偏光方向と平行に設定した。
このような構成とすることで、上述したように、液晶パネルから出射される直線偏光21Aは、直線偏光が解消されることなく第一検出シート1と第二検出シート2を透過することができる。
つまり、直線偏光21Aに対して、第一検出シート1と第二検出シート2の複屈折特性を無視することができるため、検出シートの基材の材料選定において、複屈折特性が低いもの、もしくは複屈折特性が無いものなどを選定する必要が無く、材料の選択自由度を広くすることができる。さらには、量産時における第一検出シート1と第二検出シート2のリタデーション値のバラツキに対しても、その影響度合いを低減できる。
光学補償シート4は、厚みが100μm±0.5μmの延伸PETフィルム製で、リタデーション値の異なる試料1〜12を用意した。なお、以上に述べたリタデーション値の測定には、ホトニックラティス社製のモデルWPA−1000を用いた。
ここに、光学補償シート4は、シート状に形成された状態で所定のリタデーション値を有するものであればよく、材料は適宜設定すればよいが、延伸PETフィルムのように、高分子材料を所定の配向性を有するようにフィルム状に延伸したもので構成すれば、安価であり、かつ、延伸条件などで簡便に所定のリタデーション値を実現できるため好ましい。
さらに、延伸PETフィルムは、プレスなどによる打ち抜き加工性や、シート状態においての曲げ特性も優れているため、タッチパネル10を構成する材料として好ましい。
検討では、第一検出シート1及び第二検出シート2は固定し、光学補償シート4の試料1〜12のみを入れ替えてタッチパネル10を構成した。そして、タッチパネル10を透過した光を偏光板を介して観察し、画面の視認性を目視評価した。
評価者は10名として、「視認性が良好で使用可能である」と判断した人数に応じて、10名全員の場合は「◎」、8〜9名の場合は「○」、5〜7名の場合は「△」、0〜4名の場合は「×」とする4段階で評価した。評価結果を(表1)に示す。
(表1)に示されるように、光学補償シート4に試料1、2、4、6を用いたタッチパネル10は、評価者10名全員が「視認性が良好で使用可能である」と判断し、判定は「◎」であり、当該タッチパネル10は良品であると判断した。
さらに、光学補償シート4に試料3、5、7、8を用いたタッチパネル10は、画面の中央から端部にかけて僅かな虹状の色ムラが観測されたが実用上問題ない範囲であり、評価者の9名が「視認性が良好で使用可能である」と判断し、判定は「○」であった。なお、試料3、5、7、8のものは、実使用上においても良品とすることができるものであった。
これに対し、試料9を用いたタッチパネル10は、画面の中央から端部にかけてやや明確な虹状の色ムラが観測され、判定は「△」であり、実使用上においても良品とすることができないものであった。
試料10、11、12を用いたタッチパネル10は、画面の中央から端部にかけて明確な虹状の色ムラが観測され、判定は「×」であり、実使用上においても耐え難いものであった。
以上に示すように、試料1〜8を用いたタッチパネル10は、いずれも判定が「◎」または「○」であり、実使用上においても良品と判断できるタッチパネル10を得ることができた。
したがって、光学補償シート4のリタデーション値が、試料1〜8のリタデーション値の範囲(1783nm以上3056nm以下)よりも内側となる1800nm以上3000nm未満の範囲のものであれば、実使用上においても良品と判断できるタッチパネル10を得ることができる。
なお、試料1、2、4、6を用いたタッチパネル10は判定が「◎」であり、より視認性の良好なものが得られた。したがって、光学補償シート4のリタデーション値を、試料1、2、4、6のリタデーション値近傍の値とすれば、より視認性の良好なものとなるタッチパネル10を構成でき好ましい。
なお、タッチパネル10は、試料8と試料9との間にかけて、判定が「○」から「△」に変遷した。そして、判定が「△」のものを実使用上においても良品とすることができないものとしたが、当該タッチパネル10の視認性の変化は、光学補償シート4のリタデーション値の変化に応じて連続的に、良好なものから徐々に劣化方向に変化していくものと考えられる。
したがって、タッチパネル10の視認性において、良品と判断できるものと、判断できないものとのリタデーション値の境界線は、試料8と試料9との間のリタデーション値であると考えられる。
以上のように、本実施の形態のものであれば、液晶パネル20の表示画面21から照射される直線偏光21Aが光学補償シート4によって解消されて、視認者が偏光サングラス等をかけた状態であっても、液晶表示画面の視認が良好なものにできるタッチパネルを実現することができる。
なお、以上には、タッチ操作を検出する本体部3を第一検出シート1と第二検出シート2を積重させて構成されたものとしたが、その構成に限定はなく、例えば1枚の基材に所定の透明電極を形成して、1枚の検出シートのみで第一方向(例えばX方向)の位置と、第二方向(例えばY方向)の位置が検出可能な1層構造の本体部に構成したものや、3枚以上の検出シートを組み合わせて構成したものなどにしてもよく、検出シートの枚数や厚さ、基材に形成される透明電極のパターンなどは適宜設定すればよい。
そして、それら検出シートの材料においても、上述したように複屈折特性が無い材料を選定すれば、検出シートの遅相軸などを考慮することなく設計でき好ましいが、複屈折特性を有した材料を選定してもよく、その場合は、検出シートの遅相軸を、液晶パネル20の直線偏光21Aの偏光方向に対して略平行または、略直角となる向きに構成すればよい。また、検出シートのリタデーション値においても限定はなく適宜設定されればよい。
また、タッチパネルへの入力操作を検出する本体部の検出方式においても、上述したような静電容量の変化を検出する方式のものだけではなく、抵抗体シートを重ねて構成された本体部を押圧操作して所定の位置検出などがなされる、所謂抵抗膜方式のものとしてもよく限定されない。
本発明によるタッチパネルは、液晶表示画面から出射される直線偏光が、光学補償シートによって解消されて、視認者が偏光サングラス等をかけた状態であっても、液晶表示画面の視認が良好なものにできるタッチパネルを実現でき、各種電子機器の操作部用等に有用である。
1 第一検出シート
1A、2A、4A 遅相軸
2 第二検出シート
3 本体部
4 光学補償シート
10 タッチパネル
20 液晶パネル
21 表示画面
21A 直線偏光
1A、2A、4A 遅相軸
2 第二検出シート
3 本体部
4 光学補償シート
10 タッチパネル
20 液晶パネル
21 表示画面
21A 直線偏光
Claims (3)
- バックライトに発光ダイオードが用いられた液晶パネルの表示画面上に配されるタッチパネルであって、上記タッチパネルは、所定の入力操作を検出する本体部上に、光学補償シートが配されて構成されて、上記光学補償シートは、1800nm以上3000nm未満のリタデーション値を有し、上記光学補償シートの遅相軸と上記液晶パネルから出射される直線偏光とのなす角が略45度となるようにして使用されることを特徴とするタッチパネル。
- 本体部の遅相軸と、上記液晶パネルから出射される直線偏光とのなす角が、略平行または略直角となるようにして使用されることを特徴とする、請求項1記載のタッチパネル。
- 本体部は、第一方向の位置を検出する第一検出シートと、第二方向の位置を検出する第二検出シートで構成され、上記第一検出シートの遅相軸と第二検出シートの遅相軸とのなす角が、略平行または略直角となる、請求項2記載のタッチパネル。
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2014
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