JP2016191356A - 二軸回転ポンプ及びその調整方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロータ31、32を備える二つの回転軸35、36がベアリング15A、15B、25A、25Bによって軸受けされ、該ベアリングが、一方の軸受側壁部11と、他方の軸受側壁部21とに配され、二つのロータを反対に回転させる一対の歯車39、39を備え、前記ベアリングが軸方向に遊びを有し、一方の軸受側壁部11と他方の軸受側壁部21の少なくともどちらかに配される前記ベアリングに関し、該ベアリングの外輪の外側端面15dに当接して固定するベアリング押え16A、16B、26A、26Bと、取付用軸穴の縁部12、22との間に挿入され、ロータ31、32の端面とシリンダの内端面30a、30bとの間のクリアランスを調整するライナー50を具備する。
【選択図】図1
Description
このアンギュラベアリング60A、60Bの場合、軸方向であるスラスト方向に遊びがなく、固定されるため、ポンプの運転によってロータ31、32が加熱・膨張された場合は、アンギュラ軸受とは反対の方向へ膨張したロータ31、32がせり出すことになる。このため、一方の軸受側壁部11の側にあるロータの端面31a、32aとシリンダの内端面30aとのクリアランス(一端側のサイドクリアランス)に比べ、予め、他方の軸受側壁部21の側にあるロータの端面31b、32bとシリンダの内端面30bとのクリアランス(他端側のサイドクリアランス)が大きく設定されることになる。
例えば、一端側のサイドクリアランスと、他端側のサイドクリアランスとの比が、1対5程度となるように設定されることになり、他端側のサイドクリアランスが大きいことから、シリンダ30内で圧縮又は減圧された気体が洩れやすくなり、ポンプ性能を低下させることになる。
そこで本発明の目的は、ロータの端面とシリンダの内端面との間のクリアランスを適切に調整できることでポンプ性能を向上できる二軸回転ポンプ及びその調整方法を提供することにある。
本発明に係る二軸回転ポンプの一形態によれば、二つのロータ同士が微小なクリアランスを保って非接触に反対方向に同一速度で回転されると共に、前記二つのロータがシリンダの内周面と内端面にも微小なクリアランスを保って非接触で回転されるように、前記ロータを備える二つの回転軸がベアリングによって軸受けされ、該ベアリングが、前記ロータの一方端側に設けられた一方の軸受側壁部と、前記ロータの他方端側に設けられた他方の軸受側壁部とに配され、前記一方の軸受側壁部又は前記他方の軸受側壁部のどちらかの外側に片持ちに延長された前記二つの回転軸の部位に配されて噛合する一対の歯車を備える二軸回転ポンプにおいて、前記ベアリングが、該ベアリングの外輪と内輪の位置関係について軸方向に遊びを有するものによって構成され、前記一方の軸受側壁部と前記他方の軸受側壁部の少なくともどちらかに配される前記ベアリングの取り付けに関し、該ベアリングの外輪の外側端面に当接して該ベアリングを取付用軸穴に固定するベアリング押えと、前記取付用軸穴の縁部との間に挿入され、前記ロータの端面と前記シリンダの内端面との間のクリアランスを調整するライナーを具備する。
この二軸回転ポンプは、例えば排気側を空気圧機器に接続することでコンプレッサー又はブロアとして利用でき、吸気側を空気圧機器に接続することで真空ポンプとして利用できる。また、空気に限定されず、他の気体について吸排気する回転ポンプ装置としても利用できる。
なお、本形態例のベアリング押え16A、16B、26A、26Bは、ライナー50を挟んだ状態に取付用軸穴の縁部12、22へ、ボルト18によって固定されている。さらに詳細には、ベアリング押え16A、16B、26A、26Bの内径側の部分がベアリングの外輪15c、25cの外側端面15d、25dに当接し、ベアリング押え16A、16B、26A、26Bの外径側の部分がライナー50を挟んで取付用軸穴の縁部12、22に固定されるように、ベアリング押え16A、16B、26A、26Bが、平坦帯状のリング形状に形成されている。
また、一方の軸受側壁部11の取付用軸穴の縁部12は、ベアリングホルダー12A、12Bの回転軸35、36が挿通されてベアリング15A、15Bが内嵌される取付用軸穴12aを形作る縁部によって構成され、他方の軸受側壁部21の取付用軸穴の縁部22は、回転軸35、36が挿通されてベアリング25A、25Bが内嵌される取付用軸穴22aを形作る縁部によって構成されている。
また、ロータ31、32の両端側についてライナー50を用いて調整することで、クリアランスを、バランス良く、より適切に設定することができ、シリンダ30内で圧縮又は減圧された気体の洩れ量をより低減するように密閉性を高め、ポンプ性能をより向上できる。すなわち、ポンプの流量を増加させることや、到達真空度を高めることができる。また、ベアリング押え16A、16B、26A、26Bでスラスト方向の熱膨張を一定量について抑制することができ、ロータの端面31a、31b、32a、32bのシリンダの内端面30a、30bへの接触を防止でき、使用真空度の範囲を拡大できる。
本形態例の他方の軸受側壁部21は、その外側に二つの回転軸35、36に配された一対の歯車39、39が噛合しているため、閉じたリング状のライナー50を用いることはできないが、切り込み入りのライナー50Aであれば、ねじるように湾曲などさせることによって、適切に挿入することができ、容易にクリアランスの調整を行うことができる。
本形態例では、図1及び図2に示すように、動力が入力される側の軸受側壁部である一方の軸受側壁部11が、各回転軸35、36の一端側を受ける各ベアリング15A、15Bが固定された二つのベアリングホルダー12A、12Bと、軸受側壁部の基体部分11aとに分割されて構成され、二つのベアリングホルダー12A、12Bが軸受側壁部の基体部分11aに対して二つの回転軸35、36に直交する平面内で位置調整可能な取付構造によって固定されている。
他方のハウジング部20は、他方の軸受側壁部21、側周壁部23及びシリンダの他方の端壁部24が一体的に成型されて構成されており、これらの壁部によって囲まれた部分が、吸排気路用のスペース27になっている。
一方のハウジング部10は、他方のハウジング部20に、締結用のボルト28によって固定されている。
シリンダの内端面30bは、組立の際にロータの端面31b、32bを当接させて回転軸35、36の芯出しをするための基準面として用いられている。
さらに、図1及び図3に示すように、41はオイルの振り切り構造であり、他方の軸受側壁部21に設けられた取付用軸穴22aの段部に、皿バネ42が介在した状態でその皿バネ42の外側に配されている。そして、このオイルの振り切り構造41、41の外側にベアリング25A、25Bが取付用軸穴22aに内嵌した状態に配されている。
43はオイルシールであり、オイルバス式のギヤボックス40によって形成されたギヤ室45からオイルが外部に洩れないようにシールしている。
また、35aは回転軸の入力軸部であり、カップリングを介して電動モータ(図示せず)などの駆動源側の回転シャフトに連結できるように延出されている。
他方のハウジング部20に設けられた一対の軸穴に、ロータ31、32が圧入されると共にスリーブ37、37が挿入された回転軸35、36の他端側を挿通する。次に、オイルシール43、皿バネ42、オイルの振り切り構造41の順で、回転軸35、36に外嵌め状態で他方のハウジング部20の他方の軸受側壁部21にセットする。そして、その回転軸35、36の他端側に、ベアリング25A、25Bが圧入される。さらに、駆動ロータ(ロータ31)と従動ロータ(ロータ32)とのクリアランスを調整後、回転軸35、36に歯車39、39を取り付けて、ロータ31、32の回転角度を合わせる。なお、シリンダの内端面30bにロータの端面31b、32bを当接させることで規定される回転軸35、36の軸芯を基準とし、組み立てがなされる。
このように回転軸35、36を回転させることによって、両回転軸35、36がスムースに回転できる状態に、ベアリング15A、15Bが自動的に位置調整され、芯出し作業が自動的になされる。
すなわち、二つのロータ31、32の回転方向に係る回転角度を合せるようにその二つのロータ31、32同士のクリアランスの調整を行って組み立てた後に、ライナー50を用いて、二つの回転軸35、36の軸方向に係るクリアランスであるロータの端面31a、31b、32a、32bとシリンダの内端面30a、30bとの間のクリアランスを調整する。
そして、このサイドクリアランスの調整と共に、ベアリング押え16A、16B、26A、26Bを固定することで、スラスト方向の移動を制限することができる。
なお、ロータ31、32の一つの端側のみでサイドクリアランスの調整ができる場合は、両端側についての調整を要しないのは勿論である。
すなわち、そのロータ31、32の両端側のサイドクリアランス調整と、ベアリング押え16A、16B、26A、26Bの作用で、スラスト方向の熱膨張によるロータの端面31a、31b、32a、32bとシリンダの内端面30a、30bとの接触を抑えることができ、ポンプロックやオイル漏れを防止できると共に、従来よりも高真空度での運転が可能になる。
11 一方の軸受側壁部
11a 軸受側壁部の基体部分
12 取付用軸穴の縁部
12a 取付用軸穴
12A ベアリングホルダー
12B ベアリングホルダー
13 側周壁部
14 シリンダの一方の端壁部
15A ベアリング
15B ベアリング
15c 外輪
15d 外輪の外側端面
15e 内輪
16A ベアリング押え
16B ベアリング押え
17 吸排気路用のスペース
18 ボルト
20 他方のハウジング部
21 他方の軸受側壁部
22 取付用軸穴の縁部
22a 取付用軸穴
23 側周壁部
24 シリンダの他方の端壁部
25A ベアリング
25B ベアリング
25c 外輪
25d 外輪の外側端面
25e 内輪
26A ベアリング押え
26B ベアリング押え
27 吸排気路用のスペース
28 締結用のボルト
29 締結用のボルト
30 シリンダ
30a シリンダの内端面
30b シリンダの内端面
30c シリンダの内周面
31 ロータ
31a ロータの端面
31b ロータの端面
31c ロータの周側面
32 ロータ
32a ロータの端面
32b ロータの端面
32c ロータの周側面
35 回転軸
35a 入力軸部
36 回転軸
37 スリーブ
39 歯車
40 ギヤボックス
41 オイルの振り切り構造
42 皿バネ
43 オイルシール
45 ギヤ室
50 ライナー
50A 切り込み入りのライナー
51 切り込み部
52 ボルト挿通用孔
60A アンギュラベアリング
60B アンギュラベアリング
Claims (6)
- 二つのロータ同士が微小なクリアランスを保って非接触に反対方向に同一速度で回転されると共に、前記二つのロータがシリンダの内周面と内端面にも微小なクリアランスを保って非接触で回転されるように、前記ロータを備える二つの回転軸がベアリングによって軸受けされ、該ベアリングが、前記ロータの一方端側に設けられた一方の軸受側壁部と、前記ロータの他方端側に設けられた他方の軸受側壁部とに配され、前記一方の軸受側壁部又は前記他方の軸受側壁部のどちらかの外側に片持ちに延長された前記二つの回転軸の部位に配されて噛合する一対の歯車を備える二軸回転ポンプにおいて、
前記ベアリングが、該ベアリングの外輪と内輪の位置関係について軸方向に遊びを有するものによって構成され、
前記一方の軸受側壁部と前記他方の軸受側壁部の少なくともどちらかに配される前記ベアリングの取り付けに関し、該ベアリングの外輪の外側端面に当接して該ベアリングを取付用軸穴に固定するベアリング押えと、前記取付用軸穴の縁部との間に挿入され、前記ロータの端面と前記シリンダの内端面との間のクリアランスを調整するライナーを具備することを特徴とする二軸回転ポンプ。 - 前記ライナーが、前記一方の軸受側壁部と前記他方の軸受側壁部の両方において、前記ベアリング押えと、前記取付用軸穴の縁部との間に挿入され、前記ロータの端面と前記シリンダの内端面との間のクリアランスが調整されていることを特徴とする請求項1記載の二軸回転ポンプ。
- 少なくとも、前記一対の歯車を備えるように前記二つの回転軸が延長された側の前記一方の軸受側壁部又は前記他方の軸受側壁部のどちらかの前記ベアリングの取り付けに用いられる前記ライナーが、閉じたリング状とならないように切り込み入りのライナーであることを特徴とする請求項1又は2記載の二軸回転ポンプ。
- 二つの円の一部を重ね合わせた断面形状のポンプ室を形成する前記シリンダと、該シリンダ内に配され、相互に非接触状態で噛合って吸入した気体を圧縮できるように鉤形の爪部が形成された前記二つのロータとを備えるクローポンプであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二軸回転ポンプ。
- 二つのロータ同士が微小なクリアランスを保って非接触に反対方向に同一速度で回転されると共に、前記二つのロータがシリンダの内周面と内端面にも微小なクリアランスを保って非接触で回転されるように、前記ロータを備える二つの回転軸がベアリングによって軸受けされ、該ベアリングが、前記ロータの一方端側に設けられた一方の軸受側壁部と、前記ロータの他方端側に設けられた他方の軸受側壁部とに配され、前記一方の軸受側壁部又は前記他方の軸受側壁部のどちらかの外側に片持ちに延長された前記二つの回転軸の部位に配されて噛合する一対の歯車を備え、前記ベアリングが、該ベアリングの外輪と内輪の位置関係について軸方向に遊びを有するものによって構成され、前記一方の軸受側壁部と前記他方の軸受側壁部の少なくともどちらかに配される前記ベアリングの取り付けに関し、該ベアリングの外輪の外側端面に当接して該ベアリングを取付用軸穴に固定するベアリング押えと、前記取付用軸穴の縁部との間に挿入され、前記ロータの端面と前記シリンダの内端面との間のクリアランスを調整するライナーを具備する二軸回転ポンプについて、
前記二つのロータの回転方向に係る回転角度を合せるように該二つのロータ同士のクリアランスの調整を行って組み立てた後に、前記ライナーを用いて、前記二つの回転軸の軸方向に係るクリアランスである前記ロータの端面と前記シリンダの内端面との間のクリアランスを調整することを特徴とする二軸回転ポンプの調整方法。 - 前記ライナーを、前記一方の軸受側壁部と前記他方の軸受側壁部の両方において、前記ベアリング押えと、前記取付用軸穴の縁部との間に挿入することで、前記ロータの端面と前記シリンダの端面の内端面との間のクリアランスを調整することを特徴とする請求項5記載の二軸回転ポンプの調整方法。
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JP2011038476A (ja) * | 2009-08-11 | 2011-02-24 | Orion Machinery Co Ltd | クローポンプの排気構造及び排気方法 |
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