JP2016191250A - アンカーボルト施工治具およびアンカーボルト施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 アンカーボルト施工治具1は、アンカーボルト56が挿通されるアンカーボルト位置決め孔18を有するアンカーボルト位置決め部材2を備える。このアンカーボルト位置決め部材62は、一端がベース部53の一方の側面を形成する一方のベース型枠材61Aの上端に結合され、他端が立上り部54の一方の側面を形成する一方の立上り型枠材62Aの下端に基礎幅方向に相対移動不能に係合する。
【選択図】 図1
Description
この構成であると、アンカーボルト位置決め部材およびベース型枠固定部材で一方のベース型枠材の上端の位置を固定するため、アンカーボルト位置決め部材だけで一方のベース型枠材の上端の位置を固定する場合と比較して、型枠の剛性が高まり、コンクリート打設時に生コンの圧力で一方のベース型枠材の上端が外側に膨らむことをより一層抑制することができる。また、一方の立上り型枠材の上端と他方の立上り型枠材の上端との相対位置関係を適正に保てる。
この構成によると、型枠押え部材により、他方のベース型枠材の上端に対して、他方の立上り型枠材の上端が位置決めされる。他方のベース型枠材が他方の立上り型枠材が固定状態で設置されていれば、他方の立上り型枠材の上端が定位置に固定される。
この構成によると、一方の立上り型枠材の下端に設けられた溝状の下端水平突出部にアンカーボルト位置決め部材の係合片を上から嵌め込むだけで、アンカーボルト位置決め部材の他端を一方の立上り型枠材の下端に基礎幅方向に相対移動不能に係合することができ、型枠の組立作業性が良い。
すなわち、前記アンカーボルト位置決め部材の前記アンカーボルト位置決め孔に前記アンカーボルトを挿通させた状態で、前記アンカーボルト位置決め部材の前記一端を前記一方のベース型枠材の上端に結合し、かつ前記他端を前記一方の立上り型枠材の下端に基礎幅方向に相対移動不能に係合させる過程と、前記一方の立上り型枠材の前記上端水平突出部の下面と前記アンカーボルト位置決め部材の前記他端の上面との間に前記浮上り防止部材を配置する過程と、前記ベース型枠固定部材で、前記一方のベース型枠材の上端と前記一方の立上り型枠材の上端とを連結すると共に、前記一方の立上り型枠材の上端と前記他方の立上り型枠材の上端とを連結する過程と、前記他方のベース型枠材の上端と前記他方の立上り型枠材の下端とを前記型枠押え部材で連結する過程とを含む。
前記ベース型枠固定部材で、前記一方のベース型枠材の上端と前記一方の立上り型枠材の上端とを連結すると共に、前記一方の立上り型枠材の上端と前記他方の立上り型枠材の上端とを連結する過程と、前記他方のベース型枠材の上端と前記他方の立上り型枠材の下端とを前記型枠押え部材で連結する過程とを含むため、前記アンカーボルト施工治具を用い、サポート材を使用せずに前記ベース型枠材を固定し、かつ前記ベース部に埋め込まれるアンカーボルトを正確に位置決めすることができる。
図1はこの発明の一実施形態にかかるアンカーボルト施工治具を用いて行う基礎の施工例を示す断面図である。この基礎は免震建物用のものであって、下部基礎50の上に滑り支承からなる免震支承51を介して上部基礎52が支持される。上部基礎52は、現場打設されるRC造体である。図示の上部基礎52は、ベース部53と、このベース部53の基礎幅方向の一部から立ち上がる立上り部54とからなり、基礎幅方向に沿う鉛直面の断面形状が逆T字形をしている。立上り部54にその上面から突出させて柱固定用のアンカーボルト55が設置されると共に、ベース部53にその上面から突出させて床梁固定用のアンカーボルト56が設置される。
なお、屋内側のベース型枠材61Aは請求項で言う一方のベース型枠材であり、屋外側のベース型枠材61Bは請求項で言う他方のベース型枠材であり、屋内側の立上り型枠材62Aは請求項で言う一方の立上り型枠材であり、屋外側の立上り型枠材62Bは請求項で言う他方の立上り型枠材である。
図5において、縦部21a,22aと横部21b,22bの長手方向の寸法が同じであってもよい。また、第1レール体21の横部21bの方が第2レール体22の横部22bよりも長くてもよい。第1レール体21の横部21bは、その上下端が屋内側の立上り型枠材62Aの上端水平突出部62bAの下面およびアンカーボルト位置決め部材2の突出部14の上面にそれぞれ当接する部位である。なお、図の例では、第2レール体22の横部22bも、使用時において、その上下端が屋内側の立上り型枠材62Aの上端水平突出部62bAの下面およびアンカーボルト位置決め部材2の突出部14の上面にそれぞれ当接するようになっている。
軸体20から第1押出部23aまでの寸法aと軸体20から第2押出部23bまでの寸法bとは、互いに異なっている。この例の場合、寸法aの方が寸法bよりも大きい。図9(B)の状態から、図9(A)または図9(C)のように固定レバー23をいずれか一方側に押し込むことにより、両押出部23a,23bが第2レール体22の横部22bに向けて押し出される。これにより、両レール体21,22の横部21b,22b間の距離が長くなるように第1レール体21および第2レール体22が相対移動する。
また、型枠押え部材5の基礎幅方向の長さが最大となるように屋内側部品35と屋外側部品36を結合する場合に、蝶ナットボルト34が挿通および螺着されるボルト挿通孔39およびねじ孔40が屋外側部品36および屋内側部品35にそれぞれ設けられている。
屋外側部品36の屋外側端は下向きに屈曲した屈曲片36bとなっており、使用時には、前記屈曲片36bが屋外側のベース型枠材61B(図1)の上端の外側面に当接させられる。この屈曲片36bに設けられたボルト挿通孔41に蝶ナットボルト42を挿通し、この蝶ナットボルト42を屋外側のベース型枠材61Bに設けられたねじ孔(図示せず)に螺着することで、型枠押え部材5が屋外側のベース型枠材61Bに固定される。
具体的には、ベース型枠材結合部11の基礎幅方向の位置が揃う2つのボルト挿通孔13にボルトB1を挿通して、ベース型枠材結合部11を屋内側のベース型枠材61Aの上端に結合する。また、図8に示すように、前記係合片15を屋内側の立上り型枠材62Aの溝状の下端水平突出部62aAに上から嵌まり込ませて係合させる。
具体的には、浮上り防止部材3を基礎幅方向の寸法が最小である状態、すなわち図9(B)の状態にし、その浮上り防止部材3の上端を溝状の前記上端水平突出部62bAに嵌め込むと共に、下端をアンカーボルト位置決め部材2の突出部14の上に載せる。この状態で浮上り防止部材3の固定レバー23を上側または下側に回動操作することにより、浮上り防止部材3を図9(A)または図9(C)の状態にして、浮上り防止部材3を基礎幅方向の寸法を大きくする。これにより、図8のように、第1レール体21および第2レール体22の横部21b,22bのそれぞれの上端が溝状の上端水平突出部62bAの屋内側および屋外側の壁面に当接して、浮上り防止部材3が基礎幅方向の移動が拘束された状態で保持される。このとき、第2レール体22の横部22bの屋外側の側面は、屋内側の立上り型枠材62Aの外側面に押し付けられる。
具体的には、ベース型枠・立上り型枠連結部27のボルト挿通孔29にボルトB2を挿通し、このボルトB2を屋内側のベース型枠材61Aの上端に設けられたねじ孔(図示せず)に螺着することで、ベース型枠・立上り型枠連結部27を屋内側のベース型枠材61Aの上端に結合する。
また、立上り型枠間連結部28のボルト挿通孔30,31にボルトB3,B4を挿通し、これらボルトB3,B4を屋内側および屋外側の各立上り型枠材62A,62Bの各上端にそれぞれ設けられたねじ孔(図示せず)に螺着することで、立上り型枠間連結部28を屋内側および屋外側の各立上り型枠材62A,62Bの各上端にそれぞれ結合する。このとき、アンカーボルト位置決め孔32に柱固定用のアンカーボルト55を挿通しておくことで、アンカーボルト55を位置決めする。
また、この実施形態のように、屋内側の立上り型枠材62Aおよび屋内側の立上り型枠材62Bの各上端面に平面形状はしご形の連結プレート70を取り付けてもよい。その場合、連結プレート70の上に立上り型枠間連結部28が重ねられ、前記ボルトB3,B4により、立上り型枠間連結部28および連結プレート70が両立上り型枠材62A,62Bに結合される。
具体的には、型枠押え部材5の屋内側部品35の屋内側端を屋外側の立上り型枠材62Bの下端の外側面に当接させると共に、屋外側部品36の屋外側端の屈曲片36bを屋外側のベース型枠材61Bの上端の外側面に当接させる。そして、屈曲片36bのボルト挿通孔41に蝶ナットボルト42を挿通し、この蝶ナットボルト42を屋外側のベース型枠材61Bに設けられたねじ孔(図示せず)に螺着することで、型枠押え部材5を屋外側のベース型枠材61Bに結合する。型枠押え部材5の基礎幅方向の長さは、屋外側のベース型枠材61Bと屋外側の立上り型枠材62bとの基礎幅方向の間隔に合わせて予め調節しておいてもよく、屈曲片36bを屋外側のベース型枠材61Bの上端に結合してから、屋内側部品35の屋内側端が屋外側の立上り型枠材62Bの下端の外側面に当接するように調節してもよい。
・屋外側のベース型枠材61Bは、上下中間部の外側面に取り付けられた補強用の鋼管66と、上部を支えるサポート材67とにより、コンクリート打設時の生コンの圧力に耐えうる堅固な構成である。
・前記堅固な構成である屋外側のベース型枠材61Bの上端と屋外側の立上り型枠材62Bの下端とを型枠押え部材5で連結することにより、屋外側の立上り型枠材62Bの位置が固定される。
・屋外側の立上り型枠材62Bの上端と屋内側の立上り型枠材62Aの上端とをベース型枠固定部材4の立上り型枠間連結部28で連結することにより、屋内側の立上り型枠材62Aの位置が固定される。
・アンカーボルト位置決め部材2で屋内側のベース型枠材61Aの上端と屋内側の立上り型枠材62Aの上端との間隔を適正に保つと共に、屋内側のベース型枠材61Aの上端と屋内側の立上り型枠材62Aの上端とをベース型枠固定部材4のベース型枠・立上り型枠連結部27で連結することにより、屋内側のベース型枠材61Aの位置が固定される。
また、この実施形態は、免震建物の上部基礎52の型枠60にアンカーボルト施工治具1を使用した例を示すが、この発明のアンカーボルト施工治具1は、他の基礎にも使用することができる。
2…アンカーボルト位置決め部材
3…浮上り防止部材
4…ベース型枠固定部材
5…型枠押え部材
15…係合片
20…軸体
21…第1レール体(一方のレール体)
22…第2レール体(他方のレール体)
23…固定レバー
23a…第1押出部
23b…第2押出部
52…上部基礎
53…ベース部
54…立上り部
55…柱固定用のアンカーボルト
56…床梁固定用のアンカーボルト
61A…屋内側のベース型枠材(一方のベース型枠材)
61B…屋外側のベース型枠材(他方のベース型枠材)
62A…屋内側の立上り型枠材(一方の立上り型枠材)
62aA…下端水平突出部
62bA…上端水平突出部
62B…屋外側の立上り型枠材(他方の立上り型枠材)
Claims (7)
- ベース部と、このベース部の幅方向の一部から立ち上がる立上り部とを有する連続型の基礎をコンクリート打設するときに、前記ベース部の上面から突出して前記ベース部に埋め込まれるアンカーボルトの水平位置を決めるために用いられるアンカーボルト施工治具であって、
前記アンカーボルトが挿通されるアンカーボルト位置決め孔を有するアンカーボルト位置決め部材を備え、このアンカーボルト位置決め部材は、一端が前記ベース部の一方の側面を形成する一方のベース型枠材の上端に結合され、他端が前記立上り部の前記一方の側面を形成する一方の立上り型枠材の下端に基礎幅方向に相対移動不能に係合することを特徴とするアンカーボルト施工治具。 - 請求項1に記載のアンカーボルト施工治具において、前記アンカーボルト位置決め部材の前記他端は前記一方の立上り型枠材の下端に対して浮き上がり可能であり、前記一方の立上り型枠材の上端に設けられた上端水平突出部の下面と前記アンカーボルト位置決め部材の前記他端の上面との間に、前記アンカーボルト位置決め部材の前記他端の浮き上がりを防止する浮上り防止部材を備えるアンカーボルト施工治具。
- 請求項2に記載のアンカーボルト施工治具において、前記一方のベース型枠材の上端と前記一方の立上り型枠材の上端とを連結すると共に、一方の立上り型枠材の上端と他方の立上り型枠材の上端とを連結するベース型枠固定部材を備えるアンカーボルト施工治具。
- 請求項3に記載のアンカーボルト施工治具において、前記基礎の基礎幅方向に沿う鉛直面の断面形状が逆T字形であり、前記ベース部の他方の側面を形成する他方のベース型枠材の上端と、前記立上り部の他方の側面を形成する他方の立上り型枠材の下端とを連結する型枠押え部材とを備えるアンカーボルト施工治具。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のアンカーボルト施工治具において、前記一方の立上り型枠材の下端に基礎長手方向に延びる上方に開口する溝状の下端水平突出部が設けられ、前記アンカーボルト位置決め部材は、前記下端水平突出部に上から嵌まり込んで係合することで、前記一方の立上り型枠材の下端に対する前記アンカーボルト位置決め部材の前記他端の基礎幅方向の移動を拘束する係合片を有するアンカーボルト施工治具。
- 請求項5に記載のアンカーボルト施工治具において、前記一方の立上り型枠材の上端に設けられた基礎長手方向に延びる下方に開口する溝状の上端水平突出部の下面と前記アンカーボルト位置決め部材の前記他端の上面との間に、前記アンカーボルト位置決め部材の前記他端の浮き上がりを防止する浮上り防止部材を備え、
この浮上り防止部材は、前記一方の立上り型枠材の前記上端水平突出部の下面、および前記アンカーボルト位置決め部材の前記他端の上面に上下両端がそれぞれ当接する第1レール体と、前記一方の立上り型枠材の外側面に当接する第2レール体と、これら両レール体のうちの一方のレール体に取り付けられた軸体によって回転可能に支持された固定レバーと、他方のレール体に形成されて前記軸体が移動可能な水平方向に長い長孔とにより構成され、
前記固定レバーの前記軸体の両側部分に、前記他方のレール体に当接してこれを前記一方のレール体から基礎幅方向に押し出すことになる第1押出部および第2押出部が形成され、前記軸体から前記第1押出部までの寸法と前記軸体から前記第2押出部までの寸法とが互いに異なる、
アンカーボルト施工治具。 - ベース部と、このベース部の幅方向の一部から立ち上がる立上り部とを有し、基礎幅方向に沿う鉛直面の断面形状が逆T字形である連続型の基礎をコンクリート打設するときに、前記ベース部の上面から突出して前記ベース部に埋め込まれるアンカーボルトの水平位置を決めるアンカーボルト施工方法であって、
請求項4に記載のアンカーボルト施工治具を用い、
前記アンカーボルト位置決め部材の前記アンカーボルト位置決め孔に前記アンカーボルトを挿通させた状態で、前記アンカーボルト位置決め部材の前記一端を前記一方のベース型枠材の上端に結合し、かつ前記他端を前記一方の立上り型枠材の下端に基礎幅方向に相対移動不能に係合させる過程と、
前記一方の立上り型枠材の前記上端水平突出部の下面と前記アンカーボルト位置決め部材の前記他端の上面との間に前記浮上り防止部材を配置する過程と、
前記ベース型枠固定部材で、前記一方のベース型枠材の上端と前記一方の立上り型枠材の上端とを連結すると共に、前記一方の立上り型枠材の上端と前記他方の立上り型枠材の上端とを連結する過程と、
前記他方のベース型枠材の上端と前記他方の立上り型枠材の下端とを前記型枠押え部材で連結する過程とを含む、
アンカーボルト施工方法。
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