JP2016190798A - アレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬 - Google Patents

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Jun Shimoyama
潤 下山
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Abstract

【課題】シクレソニドと同程度の抗アレルギー作用を有しつつ、局所性副作用のリスクがシクレソニドよりも低い、ステロイド性のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬を提供することである。
【解決手段】デスイソブチリルシクレソニドとグルコースとが結合した化合物を用いることで、シクレソニドと同程度の抗アレルギー作用を有しつつ、局所性副作用のリスクがシクレソニドよりも低い、ステロイド性のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬に関するものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、シクレソニドと同程度の抗アレルギー作用を有しつつ、局所性副作用のリスクがシクレソニドよりも低い、ステロイド性のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬に関する。さらに詳しくは、デスイソブチリルシクレソニドとグルコースとが結合した化合物を用いることで、シクレソニドと同程度の抗アレルギー作用を有しつつ、局所性副作用のリスクがシクレソニドよりも低い、ステロイド性のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬に関するものである。
アレルギー性鼻炎は、くしゃみ、鼻汁、鼻閉を主症状とした疾患で、現在、日本人の約20%が罹患しているといわれており、その治療薬について長年研究がなされている。
アレルギー性鼻炎の治療薬としては、抗ヒスタミン薬、ステロイド薬および抗ロイコトリエン薬がよく用いられている。その中でも、ステロイド薬は、アレルギー性鼻炎の3つの主症状全てに有効であることから汎用されており、特に、シクレソニドがアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬として近年着目されている(特許文献1)。
シクレソニドは、それ自体グルココルチステロイド受容体に対する親和性が低いが、標的部位において活性代謝物であるデスイソブチリルシクレソニドに変換されることで親和性が100倍高くなり、十分な抗アレルギー作用を示すことが知られている。
この変換は、シクレソニドのC21位におけるエステル結合が標的部位で発現しているエステラーゼによって分解されることで起こる。そのため、シクレソニドを局所投与した場合、標的部位で活性化されて、効率的に抗アレルギー作用を示すことが期待できる。
また、シクレソニドおよびその活性代謝物であるデスイソブチリルシクレソニドは、肝臓で速やかに代謝されて不活性化する性質を有するため、他のステロイド薬と比較して全身性副作用のリスクが低い利点がある。
しかしながら、シクレソニドを活性代謝物に変換するエステラーゼは、全身に分布する免疫系細胞に幅広く発現しているため、標的部位以外の部位でもシクレソニドを活性化する課題がある。そのため、局所点鼻薬としてシクレソニドを投与した場合、過剰分のシクレソニドが鼻腔を通じて口腔、食道および肺などに到達し、当該局所で活性化される結果、口腔内カンジダ症などの局所性副作用を起こすリスクが高くなる。
そこで、シクレソニドと同程度の抗アレルギー作用を有しつつ、局所性副作用のリスクがシクレソニドよりも低い、ステロイド性のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬が望まれていた。
特許第4264211号公報
本発明の目的は、上述の状況を鑑みてなされたもので、シクレソニドと同程度の抗アレルギー作用を有しつつ、局所性副作用のリスクがシクレソニドよりも低い、ステロイド性のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬を提供することである。
本発明者らは、上述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、デスイソブチリルシクレソニドとグルコースとが結合した化合物を用いることで、シクレソニドと同程度の抗アレルギー作用を有しつつ、局所性副作用のリスクがシクレソニドよりも低い、ステロイド性のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬を得ることができることを見出し、この知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(3)に示すものである。
(1)シクレソニドと同程度の抗アレルギー作用を有しつつ、局所性副作用のリスクがシクレソニドよりも低い、ステロイド性のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬であって、デスイソブチリルシクレソニドの21位の炭素に結合する水酸基と、グルコースの1位の炭素に結合する水酸基と、が縮合した構造をもち、リンパ球幼若化試験において、IC50が、シクレソニドの場合の10倍以上であり、さらに、アレルギー性鼻炎に対する薬効の評価において、漏出した色素量が、生理食塩水のみの場合の80%以下であり、かつ、シクレソニドの場合の±20%以内であることを特徴とするアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬。
(2)前記グルコースの2位、3位、4位および6位の炭素に結合する水酸基のうち、少なくとも一つがアセチル基に置換されていることを特徴とする(1)に記載のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬。
(3)(1)または(2)に記載のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬を0.01〜100mM含有することを特徴とするアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻剤。
以上述べたように、本発明は、シクレソニドと同程度の抗アレルギー作用を有しつつ、局所性副作用のリスクがシクレソニドよりも低い、ステロイド性のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬を提供することができる。
以下、本発明のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬を詳細に説明する。なお、本明細書に記載の例示は、本発明を特に限定するものではない。
本発明の「色素」とは、ダイレクトブルーをいう。
本発明の「抗アレルギー作用」とは、アレルギー性鼻炎に対する薬効の評価において、鼻腔から漏出した色素量を意味する。すなわち、生理食塩水のみを投与した際に鼻腔から漏出した色素量の80%以下の場合「抗アレルギー作用を有した」とし、80%を超える場合「抗アレルギー作用を有さなかった」とした。
本発明の「シクレソニドと同程度の抗アレルギー作用」とは、アレルギー性鼻炎に対する薬効の評価において、鼻腔から漏出した色素量が、シクレソニドを鼻腔に投与した際の色素量と同程度であることを意味する。すなわち、抗アレルギー作用を有し、かつ、シクレソニドを投与した際に鼻腔から漏出した色素量の±20%以内の場合「シクレソニドと同程度の抗アレルギー作用を有した」とし、抗アレルギー作用を有さない場合、または、±20%の範囲を超えた場合「シクレソニドと同程度の抗アレルギー作用を有さなかった」とした。
本発明の「IC50」とは、リンパ球幼若化試験において、各点鼻薬が細胞増殖を50%阻害する際の濃度をいう。
本発明の「局所性副作用のリスクがシクレソニドよりも低い」とは、リンパ球幼若化試験において、シクレソニドと比較した際の、細胞の増殖抑制の起こりにくさを意味する。すなわち、各点鼻薬の増殖抑制曲線から求めたIC50が、シクレソニドの10倍以上の場合「局所性副作用のリスクがシクレソニドよりも低かった」とし、10倍未満の場合「局所性副作用のリスクがシクレソニドと同程度以上だった」とした。
本発明のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬に用いるステロイド性の化合物は、シクレソニド(16α,17−[(1R)−Cyclohexylemethylidenedioxy]−11β,21−dihydroxypregna−1,4−diene−3,20−dione 21−(2−methylpropionate))の活性代謝物であるデスイソブチリルシクレソニド(16α,17−[(1R)−Cyclohexylemethylidenedioxy]−11β,21−dihydroxypregna−1,4−diene−3,20−dione)の21位の炭素に結合する水酸基と、グルコースの1位の炭素に結合する水酸基と、が縮合し共有結合を形成した構造をもつ化合物である。デスイソブチリルシクレソニドとグルコースの結合は、α結合またはβ結合のいずれでもよい。
グルコースは、デスイソブチリルシクレソニドと共有結合を形成していない水酸基の少なくとも1つを、アシル基に置換することができる。
アシル基としては、たとえば、アセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基、ベンゾイル基およびトルイル基などを挙げることができるが、好ましくはアセチル基である。
本発明のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬の製造に際しては、従来公知の常法または今後新しく提供される方法で製造することができる。たとえば、次のような方法で製造することができる。
グルコースの水酸基にアセチル基やトルイル基などのアシル基を付加した後、このアノメリック位を臭素やフッ素などのハロゲンで置換し、炭酸銀、銀トリフレートおよび過塩素酸銀などのルイス酸の存在下で、デスイソブチリルシクレソニドと反応させることで、製造することができる。
本発明のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬を含有する医薬品の剤形としては、本発明の効果を損なわなければ特に限定されないが、たとえば、点鼻剤が挙げられる。この点鼻剤は、適切な容器などに充填することで、鼻内に噴霧できるものでもよい。
点鼻剤は、たとえば、アレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬と溶媒を混合し、均一・均質になるまで撹拌することで製造することができる。
アレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬は、点鼻剤の全量に対して、0.01mM未満であると抗アレルギー作用が得られず、また、100mMを超えると局所性副作用のリスクが高くなるため、0.01〜100mMであることが好ましく、より好ましくは、0.1〜10mMである。
点鼻剤の製造に用いる溶媒としては、たとえば、精製水、滅菌水、天然水、常水、注射剤などの水、エタノール、無水エタノール、各種変性エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノールなどの低級アルコールなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
点鼻剤には、上記必須成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で医薬品を製造するにあたって許容される各種成分、すなわち、界面活性剤、増粘剤、油性成分、等張化剤、pH調整剤、緩衝剤、キレート剤、香料・清涼化剤、酸化防止剤、防腐剤、吸収促進剤および懸濁化剤などを配合することができる。
界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリプロピレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン重合体などの非イオン性界面活性剤、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルスルホベタイン、イミダゾリンなどの両性界面活性剤、飽和高級脂肪酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの陰イオン性界面活性剤などが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
増粘剤としては、たとえば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルメロース、クロスカルメロース、メチルセルロースなどのセルロース類、部分α化澱粉などの加工澱粉、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、クロスポピドン、ポリエチレングリコール、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸およびこの塩、アラビアゴム、グアーガム、ローカストビーンガム、プルラン、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
油性成分としては、たとえば、パルミトオレイルアルコール、オレイルアルコール、エイコソニルアルコール、エライジルアルコール、リノレイルアルコールなどの不飽和脂肪族アルコール類、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、ウンデシレン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、リンデル酸、ラウロレイン酸、ツズ酸、ペテロセリン酸、バセニン酸、ゴンドイン酸などの不飽和脂肪酸類、グリセリンモノオレイン酸エステル、グリセリンジオレイン酸エステル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイルなどの不飽和脂肪酸エステル類、オクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチルなどの飽和脂肪酸エステル類、オレイルアルコール、エライジルアルコール、流動パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどの炭化水素類、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサンなどのシリコン油類、ミツロウなどのロウ類、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類、コレステロールなどのステロール類、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの金属石鹸類、アボガド油、パーム油、牛脂、ホホバ油などが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
等張化剤としては、たとえば、ソルビトール、グルコース、マンニトールなどの糖類、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどの多価アルコール、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの無機塩などが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
pH調整剤としては、たとえば、酢酸、ギ酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、リン酸、塩酸、硝酸、硫酸およびこれらの塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アルギニン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、モノメタノールアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、アンモニア水、炭酸グアニジン、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
緩衝剤としては、たとえば、ホウ酸およびこの塩、リン酸塩、酢酸塩、アミノ酸塩などが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
キレート剤としては、たとえば、エデト酸、シュウ酸、クエン酸、ピロリン酸、ヘキサメタリン酸、グルコン酸およびこれらの塩などが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
香料・清涼化剤としては、たとえば、ハッカ油、ハッカハク油、ケイヒ油、チョウジ油、ウイキョウ油、ヒマシ油、テレピン油、ユーカリ油、オレンジ油、ラベンダー油、レモン油、ローズ油、レモングラス油、ダイウイキョウ油、チミアン油、ヘノポジ油、ヤマジン油、トウカ油、ベルガモット油、シトロネラ油、樟脳油、ローズマリー、セージなどの香料、l−メントール、カンフル、チモール、N−エチル−p−メンタン−カルボキシアミド、p−メンタン−3,8−ジオール、l−イソプレゴール、l−メンチルグリセリルエーテルなどの清涼化剤が挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤としては、たとえば、アスコルビン酸、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアヤレチン酸、トコフェロール、酢酸トコフェロールなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
防腐剤としては、たとえば、チモール、イソプロピルメチルフェノール、安息香酸およびこの塩、安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
吸収促進剤としては、たとえば、ジイソプロピルアジペート、レシチン、スクワラン、スクワレン、l−メントール、ポリエチレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルスルホキシド、ハッカ油、ユーカリ油、d−リモネン、dl−リモネンなどが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
懸濁化剤としては、たとえば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマーなどの合成高分子化合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリプロピレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン重合体などの非イオン性界面活性剤、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルスルホベタイン、イミダゾリンなどの両性界面活性剤、飽和高級脂肪酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などの陰イオン性界面活性剤などが挙げられ、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
これらの成分の配合量は、通常、鼻の生理状態(鼻汁と等張)に近似させることが望ましく、たとえば、140〜1140mOsm/kgが好ましく、より好ましくは200〜870mOsm/kg、さらに好ましくは280〜310mOsm/kgに調整して用いられる。
本発明のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬を含有する医薬品は、点鼻に通常使用されるpH範囲内に調整して用いるのが粘膜刺激性の観点から有利であり、通常pH5〜7に調整して用いるのが好ましい。
本発明のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬を含有する医薬品は、点鼻に通常使用される粘度の範囲内に調整して用いるのが鼻腔内に点鼻した際の使用感の点で有利であり、たとえば、100〜800cStが好ましく、より好ましくは200〜600cStに調整して用いられる。
以下に実施例によりさらに詳細に本発明を説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
(実施例1)
デスイソブチリルシクレソニドの21位の炭素に結合する水酸基と、2位、3位、4位および6位の炭素に結合する水酸基をアセチル基に置換したグルコースの1位の炭素に結合する水酸基と、が縮合した構造をもつアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬1を用いて、試験例1に従いリンパ球幼若化試験を実施した結果、IC50が300nMとなり、局所性副作用のリスクがシクレソニドよりも低かった。次に、試験例2に従いアレルギー性鼻炎に対する薬効を評価した結果、漏出した色素量が9.2μg/mLとなり、シクレソニドと同程度の抗アレルギー作用を有した。結果を表1に示す。
Figure 2016190798
(試験例1)
リンパ球幼若化試験
前述の実施例1のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬、後述する実施例2のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬、比較例1および2の点鼻薬を使用して、次に示す方法でリンパ球幼若化試験を行った。
マウスの脾臓からリンパ球を分離し、各ウェルの細胞数が均一となるように96ウェルプレートに播種した。各ウェルに最終濃度が2μg/mLのコンカナバリンAと、最終濃度が0.01〜10000nMの各点鼻薬とを加え、48時間培養した。
その後、各ウェルにMTT試薬を加え4時間培養し、さらに10%ドデシル硫酸ナトリウムを含有する0.01Mの塩酸を加え16時間培養した。
培養後、プレートリーダーで吸光度を測定し、コンカナバリンAのみを加えた群に対する細胞の増殖抑制率を算出した。各点鼻薬の増殖抑制曲線から、IC50を求めた。
(試験例2)
アレルギー性鼻炎に対する薬効の評価
前述の実施例1のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬、後述する比較例1および3の点鼻薬を使用して、次に示す方法でアレルギー性鼻炎に対する薬効の評価を行った。
オブアルブミンで感作したラットの血清(以下「抗血清」という)を、正常ラットに尾静脈投与し、受動感作モデルラットを作製した。
抗血清投与の24時間後にペントバルビタールを腹腔内投与し、麻酔をかけた。各点鼻薬を、その最終濃度が1.5mMとなるように、生理食塩水に懸濁し、その0.01mLをラットの鼻腔内に投与した。なお、比較例3は、生理食塩水のみを投与した。
次に、ラットの頸部を正中切開し、気管カニューレを挿入して呼吸を維持させた。気管部から鼻腔に向けてチューブを挿入し、そのチューブを通じて生理食塩水を灌流した。その後、4%色素溶液を尾静脈投与し、灌流する液を2%オブアルブミン含有の生理食塩水に交換した。10分間の灌流後、再び灌流する液を生理食塩水に交換し、鼻腔から流出する液を回収した。回収した液の吸光度をプレートリーダーで測定し、漏出した色素量を算出した。
(実施例2)
デスイソブチリルシクレソニドの21位の炭素に結合する水酸基と、グルコースの1位の炭素に結合する水酸基と、が縮合した構造をもつアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬2を用いて、試験例1に従いリンパ球幼若化試験を実施した結果、IC50が200nMとなり、局所性副作用のリスクがシクレソニドよりも低かった。結果を表1に示した。
(比較例1)
デスイソブチリルシクレソニドの21位の炭素に結合する水酸基と、2−メチルプロピオン酸の1位の炭素に結合する水酸基(カルボキシル基)と、が縮合した構造をもつ点鼻薬1(シクレソニド)を用いて、試験例1に従いリンパ球幼若化試験を実施した結果、IC50が2nMとなり、局所性副作用のリスクがシクレソニドと同程度以上だった。次に、試験例2に従いアレルギー性鼻炎に対する薬効を評価した結果、漏出した色素量が7.9μg/mLとなり、抗アレルギー作用を有した。結果を表1に示した。
(比較例2)
デスイソブチリルシクレソニド(点鼻薬2)を用いて、試験例1に従いリンパ球幼若化試験を実施した結果、IC50が1nMとなり、局所性副作用のリスクがシクレソニドと同程度以上だった。結果を表1に示した。
(比較例3)
生理食塩水を用いて、試験例2に従いアレルギー性鼻炎に対する薬効を評価した結果、漏出した色素量が12.0μg/mLとなり、抗アレルギー作用を有さなかった。結果を表1に示した。
本発明は、デスイソブチリルシクレソニドとグルコースとが結合した化合物を用いることで、シクレソニドと同程度の抗アレルギー作用を有しつつ、局所性副作用のリスクがシクレソニドよりも低い、ステロイド性のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬に関するものであり、産業上十分に利用可能である。

Claims (3)

  1. シクレソニドと同程度の抗アレルギー作用を有しつつ、局所性副作用のリスクがシクレソニドよりも低い、ステロイド性のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬であって、
    デスイソブチリルシクレソニドの21位の炭素に結合する水酸基と、グルコースの1位の炭素に結合する水酸基と、が縮合した構造をもち、
    リンパ球幼若化試験においてIC50がシクレソニドの場合の10倍以上であり、さらに、アレルギー性鼻炎に対する薬効の評価において漏出した色素量が、生理食塩水のみの場合の80%以下であり、かつ、シクレソニドの場合の±20%以内であることを特徴とするアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬。
  2. 前記グルコースの2位、3位、4位および6位の炭素に結合する水酸基のうち、少なくとも一つがアセチル基に置換されていることを特徴とする請求項1に記載のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬。
  3. 請求項1または2に記載のアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻薬を0.01〜100mM含有することを特徴とするアレルギー性鼻炎治療用局所点鼻剤。

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