JP2016190636A - 係留チェーンの敷設方法及び敷設設備 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自航能力を有して、複数の係留チェーン3を積載できる自航式起重機船7を自力で施工海域まで航行させた後、定点保持装置15により当該自航式起重機船7を施工海域の所定位置に保持して、係留チェーン3のアンカー4を自航式起重機船7のクレーン8にて吊り上げて、海中に吊り下ろしながら、係留チェーン3を当該自航式起重機船7に備えた専用のウインドラス23にて海中に向かって送り出すようにしている。これにより、作業時間を短縮することで、施工費を抑えることができ、安全面及び品質面において従来よりも良好となる。
【選択図】図3
Description
従来、浮体構造物2を係留するための複数の係留チェーン3を海底に敷設する際には、図6に示すように、まず、多数の係留チェーン3を台船50上に積み込んだ状態で、その台船50を支援船(図示略)により施工海域まで移動させる。その後、その台船50を複数の台船用係留索53により係留する。また、起重機船51を支援船(図示略)により施工海域まで移動させた後、該起重機船51を複数の起重機船用係留索54により係留する。なお、台船50を係留する複数の台船用係留索53を巻き上げたり、送り出したりすると共に、起重機船51を係留する複数の起重機船用係留索54を巻き上げたり、送り出したりすることで、台船50と起重機船51との間の距離を調整するようにしている。なお、台船用係留索53及び起重機船用係留索54は、チェーンやワイヤーロープ等で構成される。
自航能力を有して、前記複数の係留チェーンを積載できる自航式起重機船を自力で施工海域まで航行させた後、定点保持装置により当該自航式起重機船を前記施工海域の所定位置に保持して、前記係留チェーンのアンカーを前記自航式起重機船のクレーンにて吊り上げて、海中に吊り下ろしながら、前記係留チェーンを当該自航式起重機船に備えた専用のウインドラスにて海中に向かって送り出すことを特徴とするものである。
請求項1の発明では、自航能力を有する自航式起重機船上に複数の係留チェーンを積み込み、自航式起重機船を所定の施工海域まで自力で航行させる。続いて、施工海域では、自航式起重機船を定点保持装置により所定位置に位置決めして保持する。すなわち、定点保持装置は、GPS等の測位装置からの情報に基づいて、自航式起重機船を施工海域の所定位置に案内(位置決め)した後、自航式起重機船に備えた複数の推進装置の駆動により、自航式起重機船を前記所定位置に保持させるように制御するシステムである。このように、自航式起重機船は、定点保持装置により施工海域の所定位置に保持されているので、該自航式起重機船を複数の係留索により係留する必要はない。そして、自航式起重機船を施工海域の所定位置に位置決めして保持した後、自航式起重機船に備えたクレーンにて、複数の係留チェーンのうちの一つの係留チェーンのアンカーを吊り上げて、海中に吊り下ろしながら、当該係留チェーンを自航式起重機船に備えたウインドラスにて海中に向かって送り出すことができる。これにより、係留チェーンへのねじれの発生を抑制でき、ひいては係留チェーンの破断を抑制することができる。また、アンカーは、ウインドラスと自航式起重機船のクレーンの吊ワイヤーとの2点吊りで海底に向かって降下するので、アンカーの姿勢を正常に維持、すなわちアンカーの、吊ワイヤー周りの回転を抑制することができる。なお、ウインドラスは、係留チェーンを送り出し、巻き上げるための装置であり、当該自航式起重機船には、浮体構造物の係留チェーン専用のウインドラスが備えられている。
請求項2の発明では、着底したアンカーからクレーンの吊ワイヤーを切り離した後、自航式起重機船をその推進装置により移動させながら、ウインドラスにより係留チェーンを所定長さ送り出すことができる。
請求項3の発明では、アンカーの着底位置及び着底時の姿勢を正常にすることができる。
請求項4の発明では、アンカーの着底位置及び着底時の姿勢が正常であるか否かを確認することができ、敷設作業を効率的に行うことができる。
自航能力を有して、前記複数の係留チェーンを積載できる自航式起重機船と、該自航式起重機船を施工海域の所定位置に移動させて、その位置に保持する定点保持装置と、前記自航式起重機船に備えられ、前記係留チェーンのアンカーを吊り上げるクレーンと、前記自航式起重機船に備えられ、前記係留チェーンを海中に向かって送り出す専用のウインドラスと、を備えることを特徴とするものである。
請求項5の発明では、複数の係留チェーンが積み込まれた自航式起重機船が施工海域まで航行して、その後、自航式起重機船は、定点保持装置により施工海域の所定位置に位置決めされて保持される。そして、自航式起重機船に備えたクレーンにて、各係留チェーンのアンカーを吊り上げて、海中に吊り下ろしながら、当該係留チェーンを自航式起重機船に備えたウインドラスにて海中に向かって送り出すことができる。
しかも、本発明によれば、自航式起重機船はウインドラスを備え、該ウインドラスにより係留チェーンを海中に向かって送り出しているので、従来の、アンカーの自由落下による敷設方法に比して、安全面及び品質面で優位となる。
図1に示すように、オイルプラント等の大型の浮体構造物2は、複数の係留チェーン3により洋上に係留されている。各係留チェーン3の先端にはアンカー4を備えられている。本発明の実施形態に係る係留チェーンの敷設設備1は、浮体構造物2を係留するための複数の係留チェーン3を海底に敷設するためのものである。
まず、自航式起重機船7上に複数の係留チェーン3を積み込み、該自航式起重機船7を施工海域まで自力で航行させる。各係留チェーン3には、連結装置を介してアンカー4が連結されている。
次に、定点保持装置15により自航式起重機船7を施工海域の所定位置に位置決めする。すなわち、自航式起重機船7は、測位装置16からの情報に基づいて、自航式起重機船7に備えた複数の推進装置17の駆動により施工海域の所定位置に移動した後、複数の推進装置17の駆動によりその位置に保持される。
このように、係留チェーン3は、ウインドラス23により海中に送り出され、且つアンカー4がクレーン4の吊ワイヤー9に接続されることで、アンカー4はいわゆる2点吊りで海底に向かって降下するので、アンカー4の姿勢を正常に維持することができる。しかも、ウインドラス23を使用することで、係留チェーン3にねじれ等を発生させることなく、海底に敷設することができる。
次に、アンカー4が所定位置に着底したことを確認後、クレーン8の吊ワイヤー9とアンカー4との間の連結装置による互いの連結を解除する。施工海域の水深が概ね30m以上の場合には、遠隔操作により連結装置の連結解除が成される。一方、施工海域の水深が30mより浅く浅瀬の場合には、通常は、潜水士により手動で連結装置の連結解除が成される。
次に、自航式起重機船7上の複数の係留チェーン3に対して、上述した作業工程が順次繰り返されて、全ての係留チェーン3の敷設が完了する。
Claims (5)
- 浮体構造物を複数の係留チェーンにより洋上に係留するために、前記各係留チェーンを海底に敷設する係留チェーンの敷設方法であって、
自航能力を有して、前記複数の係留チェーンを積載できる自航式起重機船を自力で施工海域まで航行させた後、定点保持装置により当該自航式起重機船を前記施工海域の所定位置に保持して、
前記係留チェーンのアンカーを前記自航式起重機船のクレーンにて吊り上げて、海中に吊り下ろしながら、前記係留チェーンを当該自航式起重機船に備えた専用のウインドラスにて海中に向かって送り出すことを特徴とする係留チェーンの敷設方法。 - 前記アンカーを着底させて、前記アンカーを前記クレーンの吊ワイヤーから切り離した後、前記自航式起重機船を自力で移動させて、その移動に伴って前記係留チェーンを前記ウインドラスにて所定長さ送り出すことを特徴とする請求項1に記載の係留チェーンの敷設方法。
- 前記係留チェーンを前記ウインドラスにて海中に送り出す際、前記アンカーの位置及び姿勢を前記クレーン操作により制御することを特徴とする請求項1または2に記載の係留チェーンの敷設方法。
- 遠隔操作型の無人潜水機に搭載した水中カメラにより、前記アンカーを着底させた後の該アンカーの位置及び姿勢を確認することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の係留チェーンの敷設方法。
- 浮体構造物を複数の係留チェーンにより洋上に係留するために、前記各係留チェーンを海底に敷設する係留チェーンの敷設設備であって、
自航能力を有して、前記複数の係留チェーンを積載できる自航式起重機船と、
該自航式起重機船を施工海域の所定位置に移動させて、その位置に保持する定点保持装置と、
前記自航式起重機船に備えられ、前記係留チェーンのアンカーを吊り上げるクレーンと、
前記自航式起重機船に備えられ、前記係留チェーンを海中に向かって送り出す専用のウインドラスと、
を備えることを特徴とする係留チェーンの敷設設備。
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