JP2016190342A - 塗膜転写具 - Google Patents

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智之 石黒
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公孝 熊谷
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修 吉井
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Abstract

【課題】回転力(トルク)の変動を抑制し、安定した塗膜転写を行うことができ、かつ、設計の自由度の向上が図れる塗膜転写具を提供すること。
【解決手段】ケース10内に、転写テープを巻装する供給リール21と、供給リールから繰り出された転写テープのテープ基材を巻き取る巻取リール22と、供給リールと巻取リールをそれぞれ支持して回転する供給側ギアと巻取側ギアとを具備する繰出・巻取機構と、転写テープの塗膜を被転写面に転写する転写ヘッド40と、供給リールと供給側ギアとの間に介在されるリテーナ50を具備し、リテーナは、一端側が供給リール又は巻取リールを軸支し、他端側が供給側ギア又は巻取側ギアに突設された回動軸31aに外接する筒状本体51と、該筒状本体の他端側端部に等間隔に開口する複数のスリット52によって弾性変形可能に形成されて回動軸に弾接する複数の保持片53と、を具備する。
【選択図】 図4

Description

この発明は塗膜転写具に関するもので、更に詳細には、テープ基材に担持された例えば粘着剤や顔料を含む不透明の修正塗料剤等の塗膜を被転写面に転写可能にする塗膜転写具に関するものである。
従来、転写テープから塗膜を被転写面(修正面)に転写(修正)する転写具として、例えば、ケース(容器)内に、テープ基材の片面に塗膜を有する転写テープを巻装する供給リールと、供給リールから繰り出された転写テープのテープ基材を巻き取る巻取リールと、供給リール及び巻取リールをそれぞれ支持して回転すると共に、互いに噛合するギアからなる繰出・巻取機構と、転写テープが供給リールから繰り出され巻取リールに巻き取られる間で転写テープの塗膜を被転写面に転写する転写ヘッドと、を具備する塗膜転写具が知られている。
この種の繰出・巻取機構を備える塗膜転写具においては、操出側から巻取側に使用したテープを巻き取るための回転力(トルク)を、供給側ギアと巻取側ギアを介して伝達する構造となっている。
そのため、使用しているうちに操出側の供給リール径が小さくなると共に、巻取側の巻取リール径が大きくなることから、テープ操出から初期の回転力(トルク)を伝えると、巻取側では充分な回転を得られず、本来巻き取られるはずのテープが弛んでしまう。反対に、操出最後の供給リール径を基に初期の回転力(トルク)を伝えると、巻取量が多すぎてテープの巻き締まりが生じて最悪の場合、テープが切断する懸念がある。
そのため、上記問題を解決する手段として、一定の滑り機構(トルク調整機構)を設けて、適正なトルクになるよう制御する必要があった。
従来の滑り機構(トルク調整機構)を備える塗膜転写具として、供給リールを軸支するスリップ部材(リテーナ)は、供給リールの内側に挿入される軸部と、該軸部の端部に形成されたアーム部とを具備し、アーム部は、略円板形状のアーム基部の外周面に弾性を有する複数(3個)のアームを有し、この複数のアームを、ケースに設けられた円形溝内に挿入して円形溝の当接壁に当接する構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、別の滑り機構(トルク調整機構)を備える転写具として、供給リールギアと供給リールを一体的に連結する連結部材(リテーナ)は、軸部の端部に円形板部を具備し、円形板部の外周の2箇所に二つの弾性変形可能な結合片を形成し、上記結合片を供給リールギアの上面に形成された円形の嵌合溝内に挿入して内周面に圧接する構造が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−161861号公報(特許請求の範囲、図4) 特開2014−14970号公報(段落0048、図2A,図3A)
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載のものにおいては、いずれもリテーナ(滑り部材、連結部材)の端部に形成された円形板部の外周面に設けられた複数の弾性変形可能なアーム又は連結片の先端部が、ケースあるいは供給側ギアに設けられた円形溝内に挿入されて円形溝の内壁面の2箇所あるいは3箇所に圧接される構造である。
したがって、特許文献1及び特許文献2に記載のものにおいては、リテーナとケースあるいは供給リールギアとの接触部分は分散された2箇所又は3箇所であって接触面積が少ないため、寸法精度が要求され、寸法精度によっては、充分な安定した回転力(トルク)が得られず、1回転の中での回転力(トルク)の変動が生じ安定した塗膜転写が行えない懸念があった。
また、使用時間や使用数量によってリテーナに設けられたアーム又は連結片等の部品の変形が原因で回転力(トルク)が低下していく他、変動も大きくなるという懸念があった。
更に、特許文献1及び特許文献2に記載のものにおいては、リテーナに設けられたアーム又は連結片とケースあるいは供給リールギアに設けられた円形溝とを位置合わせする必要があるため、加工が面倒な上、設計の自由度が低下するなどの懸念があった。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、回転力(トルク)の変動を抑制し、安定した塗膜転写を行うことができ、かつ、設計の自由度の向上が図れる塗膜転写具を提供する。
上記課題を解決するために、この発明は、ケース内に、テープ基材の片面に塗膜を有する転写テープを巻装する供給リールと、上記供給リールから繰り出された転写テープのテープ基材を巻き取る巻取リールと、上記供給リールと巻取リールをそれぞれ支持して回転する供給側ギアと巻取側ギアとを具備する繰出・巻取機構と、上記転写テープが上記供給リールから繰り出され上記巻取リールに巻き取られる間で転写テープの塗膜を被転写面に転写する転写ヘッドと、を具備する塗膜転写具であって、上記供給リールと上記供給側ギアとの間、又は、上記巻取リールと上記巻取側ギアとの間に介在されるリテーナを具備し、上記リテーナは、一端側が上記供給リール又は上記巻取リールを軸支し、他端側が上記供給側ギア又は上記巻取側ギアに突設された回動軸に外接する筒状本体と、該筒状本体の他端側端部に等間隔に開口する複数のスリットによって弾性変形可能に形成されて上記回動軸に弾接する複数の保持片と、を具備することを特徴とする(請求項1)。
このように構成することにより、筒状本体の端部に開口するスリットによって形成される複数の弾性変形可能な保持片が供給側ギア又は巻取側ギアに突設された回動軸に外接するので、リテーナと供給側ギア又は巻取側ギアの接触部を安定させることができると共に、1回転の中での回転力(トルク)の変動を抑制することができる。また、リテーナと供給側ギア又は巻取側ギアの接触部の摩耗を低減することができ、使用時間や使用数量に起因する変形を抑制することができる。
この発明において、上記スリットの基端部が凹円弧状に形成されているのが好ましい(請求項2)。
このように構成することにより、保持片の弾性変形を容易にすることができると共に、弾性変形による保持片の基端部にかかる負荷を低減できる。
また、この発明において、上記スリット及び保持片は上記筒状本体の等間隔の3箇所に設けられているのがよい(請求項3)。
このように構成することにより、少ないスリットの数によって供給側ギア又は上記巻取側ギアの回動軸とリテーナの接触を安定させることができる。
この発明において、上記筒状本体の外周面に等間隔をおいて上記供給リール又は上記巻取リールの筒状軸の内周面に摺接する複数の突条部を突設し、上記スリットを上記突条部と同一線上に設けるのが好ましい(請求項4)。ここで、摺接とは、突条部が供給リール又は巻取リールの筒状軸の内周面に摺動可能に挿入されて、筒状軸の内周面に接触し、摩擦により一体に回転する状態を意味する。これにより、リテーナと供給リール又は巻取リールは着脱可能に連結され、リテーナと供給リール又は巻取リールが一体に回転する。
このように構成することにより、筒状本体の外周面に等間隔をおいて突設される複数の突条部を供給リール又は巻取リールの筒状軸の内周面に摺接して組み付けた状態で、供給リール又は巻取リールを軸支することができる。また、スリットを突条部と同一線上に設けることで、スリットを設けた部分を突条部によって補強することができる。
また、この発明において、上記筒状本体の外周面に等間隔をおいて上記供給リール又は上記巻取リールの筒状軸の内周面に摺接する複数の突条部を突設した場合、上記突条部を上記筒状本体の外周面の等間隔の偶数箇所に突設し、上記スリットを隣接する上記突条部の一方と同一線上に設ける方が好ましい(請求項5)。
このように構成することにより、スリットによって形成される保持片の外側面の中央部に突条部が設けられるので、スリットを比較的長めに設けた場合においても、保持片の弾性変形に対して強度が図れる。
加えて、この発明において、上記筒状本体の一端側における上記突条部の外周面が筒状本体の先端に向かって狭小テーパ状に形成されているのが好ましい(請求項6)。
このように構成することにより、リテーナの一端側を容易に供給リール又は巻取リールの筒状軸の内周面に摺接して組み付けることができる。
この発明の塗膜転写具によれば、上記のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
(1)請求項1〜3に記載の発明によれば、筒状本体の端部に開口するスリットによって形成される複数の弾性変形可能な保持片を供給側ギアに突設された回動軸に外接することで、リテーナと供給側ギア又は巻取側ギアの接触部を安定させることができると共に、1回転の中での回転力(トルク)の変動を抑制することができるので、回転力(トルク)の変動を抑制し、安定した塗膜転写を行うことができ、かつ、設計の自由度の向上が図れる。
また、リテーナと供給側ギア又は巻取側ギアの接触部の摩耗を低減することができ、使用時間や使用数量に起因する変形を抑制することができるので、耐久性及び寿命の増大が図れる。
また、スリットの基端部を凹円弧状に形成することにより、保持片の弾性変形を容易にすることができると共に、弾性変形による保持片の基端部の負荷を低減でき、耐久性及び寿命の増大が図れる。
(2)請求項4に記載の発明によれば、筒状本体の外周面に等間隔をおいて突設される複数の突条部を供給リール又は巻取リールの筒状軸の内周面に摺接して組み付けた状態で、供給リール又は巻取リールを軸支することができる。また、スリットを突条部と同一線上に設けることで、スリットを設けた部分を突条部によって補強することができる。したがって、上記(1)に加えて更に組立を容易にすることができると共に、リテーナの強度の向上が図れ、耐久性及び寿命の増大が図れる。
(3)請求項5に記載の発明によれば、スリットによって形成される保持片の外側面の中央部に突条部が設けられるので、スリットを比較的長めに設けた場合においても、保持片の弾性変形に対して強度が図れる。したがって、上記(1),(2)に加えて、更にリテーナの強度の向上が図れ、耐久性及び寿命の増大が図れる。
(4)請求項6に記載の発明によれば、筒状本体の一端側における突条部の外周面を筒状本体の先端に向かって狭小テーパ状に形成することで、リテーナの一端側を容易に供給リール又は巻取リールの筒状軸の内周面に摺接して組み付けることができる。したがって、上記(2),(3)に加えて更に組立を容易にすることができる。
この発明に係る塗膜転写具を示す斜視図である。 上記塗膜転写具の側面図である。 上記塗膜転写具の使用状態を示す概略断面図(a)及び(a)のI部拡大図(b)である。 上記塗膜転写具の分解斜視図である。 この発明におけるケースを構成するベースを示す斜視図である。 この発明におけるケースを構成するカバーを示す斜視図である。 ベースを取り外した状態を示す斜視図である。 カバーを取り外した状態を示す斜視図である。 図2のII−II線に沿う拡大断面図(a)及び図2のIII−III線に沿う拡大断面図(b)である。 図2のIV−IV線に沿う拡大断面図である。 この発明におけるリテーナを示す斜視図である。 上記リテーナの正面図(a)、背面図(b)、平面図(c)及び底面図(d)である。 図10(c)のV−V線に沿う拡大断面図(a)及び図10(c)のVI−VI線に沿う拡大断面図(b)及び(b)のVII部拡大断面図(c)である。 この発明における内カバーを示す斜視図である。 トルク測定状態を示す概略側面図である。 スリット長さを変えた状態のトルク値とスリット長さの関係を示すグラフである。 この発明におけるリテーナの寸法を示す平面図(a)、正面図(b)及び(a)のVIII−VIII線に沿う断面図(c)である。 比較例のリテーナの寸法を示す平面図(a)及び断面図(b)である。 比較例のリテーナが圧接される供給側ギアの寸法を示す平面図(a)及び断面図(b)である。 この発明におけるリテーナの実施例と比較例のトルク変動を示すグラフである。
以下に、この発明の実施形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、この発明に係る塗膜転写具を粘着転写具に適用した場合について説明する。
この発明に係る塗膜転写具は、図1ないし図5に示すように、ケース10内に、テープ基材2の片面に塗膜である粘着剤3を担持する転写テープ1を巻装する供給リール21と、供給リール21から繰り出された転写テープ1のテープ基材2を巻き取る巻取リール22と、供給リール21及び巻取リール22をそれぞれ支持して回転すると共に、互いに噛合する供給側ギア31と巻取側ギア32とからなる繰出・巻取機構30と、転写テープ1が供給リール21から繰り出され巻取リール22に巻き取られる間で内側のテープ基材側から転写テープ1を被転写面4に押圧する押圧ローラ41を有する転写ヘッド40と、供給リール21と供給側ギア31との間に介在されるリテーナ50を具備している。
上記ケース10は、互いに着脱可能に嵌合するベース11とカバー12とで構成されている。この場合、カバー12の両側に突設された一対の係止爪12aがベース11に設けられた係止受け部11aにいわゆるスナップ係合してベース11とカバー12が着脱可能に嵌合するようになっている。なお、ベース11とカバー12の嵌合は着脱可能であれば、必ずしもこのような構造とする必要はない。
これらベース11とカバー12は、例えば透明性の合成樹脂製材料にて形成されており、使用者の手の人差し指と親指との間に包み込まれやすいように流線形を有する側壁14を有し、ベース11とカバー12の一端の側壁14が切り欠かれた開口部15に転写ヘッド40が配設されている。転写ヘッド40のケース10から露呈する部分はケース10に揺動可能に装着されるキャップ16によって閉塞されるようになっている。
ベース11には、繰出・巻取機構30を構成する供給側ギア31と巻取側ギア32をそれぞれ回転可能に支持する円筒状の支持軸17a,17bが突設されており、開口部15側に位置する支持軸17aには供給側ギア31が時計方向に回転可能に装着されている。また、開口部15と反対の他端部側に位置する支持軸17bには、供給側ギア31と噛合して反時計方向に回転する巻取側ギア32が装着されている。この場合、巻取側ギア32の歯数は供給側ギア31の歯数より十分少なくなっており、供給側ギア31に対して巻取側ギア32が多く回転し得るようになっている。なお、ベース11の開口部15側には、転写ヘッド40を支持する内カバー13を装着する支持軸17cが突設されており、開口部15側の下側端部には、キャップ16を開閉可能に支持する枢着部18が設けられている(図4及び図5A参照)。
なお、カバー12には、供給リール21と巻取リール22をそれぞれ回転可能に支持する支持軸19a,19bが突設され、開口部15側には、転写ヘッド40を開閉可能に支持する角筒状の支持軸17dが突設されている(図5B参照)。
供給側ギア31には回動軸31aが突設されており、回動軸31aには、供給リール21を軸支するリテーナ50が外接された状態で取り付けられている。この場合、供給リール21は、図4及び図7に示すように、底部に貫通孔25aを有すると共に底部側の外周の3箇所に係止受け溝25bを有する有底筒状部25cと、有底筒状部25cの開口端に鍔部25dを有する第1のテープコア25と、一端側に鍔部26aを有する筒状部26bと、筒状部26bの他端側の周方向の3箇所に開口する開口溝部26cの底部から開口端側に向かって延在して係止受け溝25bに係止する3つの係止爪部26dとを有する第2のテープコア26と、第1のテープコア25の有底筒状部25cと第2のテープコア26の筒状部26bを遊嵌する筒状の第3のテープコア27とで構成されている。このように構成される供給リール21の第3のテープコア27に、ロール状の連写テープが装着される。なお、有底筒状部25cによって供給リール21の筒状軸が形成されている。
供給リール21と供給側ギア31との間に介在されるリテーナ50は、例えばポリアセタール(POM)等の合成樹脂製部材にて形成されている。このリテーナ50は、図4,図7,図9及び図10に示すように、一端側が供給リール21を軸支し、他端側が供給側ギア31に突設された回動軸31aに外接する筒状本体51と、該筒状本体51の他端側端部に等間隔に開口する複数(例えば3つ)のスリット52によって弾性変形可能に形成されて回動軸31aに弾接する複数(例えば3つ)の保持片53と、で構成されている。
なお、保持片53は、図11(c)に示すように、スリット52の基端側内周面53aと、基端側内周面53aから勾配θによって拡径方向に延在するスリット52の先端側内周面53bとを有している。この場合、基端側内周面53aの内径は供給側ギア31の回動軸31aの外径より若干小径に形成され、先端側内周面53bの内径は供給側ギア31の回動軸31aの外径より若干大径に形成されている。
上記のように形成されるリテーナ50は、供給側ギア31の回動軸31aに外接されると共に、保持片53が弾性可能に弾接されることで、供給リール21のトルク調整が行われる。
また、筒状本体51の外周面には、等間隔をおいて供給リール21の筒状軸すなわち有底筒状部25cの内周面に摺接する複数(例えば6つ)の突条部54が突設されている。この場合、筒状本体51の一端側は、先端に向かって狭小テーパ状に形成されており、筒状本体51の一端側における突条部54の外周面が筒状本体51の先端に向かって狭小テーパ状に形成されている。なお、筒状本体51の一端側は、必ずしも先端に向かって狭小テーパ状に形成される必要はなく。少なくとも突条部54の外周面が筒状本体51の先端に向かって狭小テーパ状に形成されていればよい。
また、筒状本体51の他端側端部に等間隔に開口する3つのスリット52は、6つの突条部54の隣接する一方の等間隔の位置の3つの突条部54と同一線上に設けられている。このように、スリット52を突条部54と同一線上に設けることにより、スリット52を設けることによって起因するリテーナ50の強度の低下を抑制することができ、リテーナの強度の向上が図れる。
また、スリット52の基端部は凹円弧状に形成されている。このように、スリット52の基端部を凹円弧状に形成することにより、保持片53の弾性変形を容易にすることができると共に、弾性変形による保持片53の基端部にかかる負荷を低減することができる。
また、スリット52によって形成される保持片53の外側面の中央部に突条部54が設けられることにより、スリット52を比較的長めに設けた場合においても保持片53の強度を図ることができる。
一方、巻取側ギア32には回動軸32aが突設されており、回動軸32aに巻取リール22が装着されている。この場合、回動軸32aの外周の等間隔の複数箇所(例えば6箇所)には、回動軸32aの軸方向に沿って互いに平行な突条部32bが突設されており、これら突条部32bが巻取リール22の筒状軸22a内に摺動可能に嵌合されている。なお、突条部32bの先端部は、先端に向かって狭小テーパ状に形成されており、巻取リール22の筒状軸22a内への挿入が容易に行えるようになっている。
なお、巻取リール22の巻取側ギア32と反対側の端部には、カバー12に突設された支持軸19bに回転可能に支持されるスプールフック22bが装着されている。また、巻取リール22のカバー側端部の鍔部22cには、巻取リール22の回転中心と同心円上の等間隔位置に複数の小孔22dが穿設されている。この小孔22dは、巻取リール22に巻き取られる転写テープ1のテープ基材2が弛んだ場合に、カバー12に設けられた窓孔12bから挿入されるピン(図示せず)を小孔22dに差し込んで巻き締めを行うために利用される。
上記転写ヘッド40は、図1〜図4,図6A及び図6Bに示すように、自由端部に押圧ローラ41を回転可能に支持する二叉状のヘッド部40aと、先端部に連結するヘッド部40aを転写テープ1の移動方向に揺動可能に支持する弾性変形可能なスイングアーム42と、を具備している。転写ヘッド40は、非使用時にはスイングアーム42によって転写テープ1が送られる方向とは逆の方向に弾性力を付勢されている。
この場合、スイングアーム42の基端部には角筒部44が設けられており、角筒部44は、ベース11の開口部側に突設された支持軸17cに支持される内カバー13に突設された角筒状支持軸13aと、カバー12の開口部側に突設された角筒状支持軸17dに支持されている。また、ヘッド部40aの先端部間には、押圧ローラ41を回転自在に支持する軸ピン45が架設されている。
上記内カバー13は、図12に示すように、角筒状支持軸13aが中央部に位置する略ベルクランク状に形成されており、両腕部13c、13dには第1及び第2のガイドローラ23,24をそれぞれ回転自在に支持するガイド軸13e,13fが突設されている。この場合、角筒状支持軸13aの一辺(使用時の上部側の辺)には、先端側が開口する一対のスリット13gを介して係止片13hが設けられており、係止片13hの先端上部には楔状の爪部13iが突設されている。このように形成される係止片13hは、転写ヘッド40を支持した状態において、転写ヘッド40の角筒部44の上部辺(転写ヘッド40と反対の面)に設けられた長手方向に沿う矩形状切欠き(図示せず)に位置して爪部13iが矩形状切欠きの一端部に係止する。なお、カバー12の開口部側に突設された角筒状支持軸17dにも同様に係止片13hが形成されており、転写ヘッド40を支持した状態において、爪部13iが矩形状切欠きのもう一方の端部に係止するようになっている。
上記第1及び第2のガイドローラ23,24は、内カバー13に突設されたガイド軸13e,13と、カバー12に突設されたガイド軸19e,19fによって回転自在に支持されている。なお、第1及び第2のガイドローラ23,24は、中央部が隆起した鼓形に形成されている。この場合、第1のガイドローラ23は、供給リール21から繰り出されて転写ヘッド40の押圧ローラ41に掛け渡される転写テープ1の内側に接触可能になっている。また、第2のガイドローラ24は、押圧ローラ41から巻取リール22に巻き取られる転写テープ1のテープ基材2の内側に接触可能になっている。このように配設される第1,第2のガイドローラ23,24によって使用時の転写テープ1の弛みを防止することができる。
次に、上記のように構成される塗膜転写具を使用する場合は、まず、供給リール21、巻取リール22、転写ヘッド40及び第1,第2のガイドローラ23,24を支持する内カバー13をカバー12の内側にセットする。この状態で、供給リール21と巻取リール22は、カバー12に突設された支持軸19a,19bの基端部に放射状に設けられた押さえリブ19c、19dに回転可能に係合する。次に、カバー12に取り付けられた内カバー13をベース11の内側に収容して、供給リール21と巻取リール22を、ベース11に取り付けられた供給側ギア31の回動軸31aに予め取り付けられたリテーナ50と巻取側ギア32の回動軸32aに回転方向が規制された状態に装着する。この際、リテーナ50の筒状本体51の外周面に突設される複数の突条部54の外周面が筒状本体51の先端に向かって狭小テーパ状に形成されているので、リテーナ50を供給リール21の筒状軸(有底筒状部25c)内に容易に摺接することができる。また、巻取側ギア32の回動軸32aの外周に突設される突条部54の先端部は、先端に向かって狭小テーパ状に形成されているので、回動軸32aを巻取リール22の筒状軸22a内に容易に挿入することができる。この状態で、カバー12の係止爪12aをベース11の係止受け部11aに係合させて、ベース11とカバー12を結合する。
使用者はケース10を手で持ち、被転写面4の始点に押圧ローラ41を押し当てて転写テープ1の粘着剤3を被転写面4に接触させ、図3の右方向に引く。すると、スイングアーム42は弾性力に抗して時計方向に回動(移動)する一方、転写テープ1は供給リール21から繰り出されて粘着剤3(塗膜)が被転写面4に転写される。
所定の範囲に渡って粘着剤3(塗膜)を転写した後、転写具を手前に振り払うように持ち上げると、粘着剤3(塗膜)は終点で切れる。この際、スイングアーム42の弾性力によってスイングアーム42は元の位置復帰すなわち転写テープ1の送り方向と逆方向に回動(移動)する。
上記のように構成される実施形態の塗膜転写具によれば、筒状本体51の端部に等間隔に開口する3つのスリット52によって形成される3つの弾性変形可能な保持片53が供給側ギア31に突設された回動軸31aに外接するので、リテーナ50と供給側ギア31の接触部を安定させることができると共に、1回転の中での回転力(トルク)の変動を抑制することができる。また、リテーナ50と供給側ギア31の接触部の摩耗を低減することができ、使用時間や使用数量に起因する変形を抑制することができる。したがって、実施形態の塗膜転写具によれば、安定した塗布転写を行うことができ、かつ、設計の自由度の向上が図れる。
また、スリット52の基端部を凹円弧状に形成することにより、保持片53の弾性変形を容易にすることができると共に、弾性変形による保持片53の基端部にかかる負荷を低減することができ、耐久性及び寿命の増大を図ることができる。
また、筒状本体51の外周面に等間隔をおいて突設される複数の突条部54を供給リール21の筒状軸の内周面に摺接して組み付けた状態で、供給リール21を軸支することができる。また、スリット52を突条部54と同一線上に設けることで、スリット52を設けた部分を突条部54によって補強することができる。
更に、この発明において、上記筒状本体51の外周面に等間隔をおいて供給リール21の筒状軸(有底筒状部25c)の内周面に摺接する複数の突条部54を偶数個設け、スリット52を隣接する突条部54の一方と同一線上に設けることにより、スリット52によって形成される保持片53の外側面の中央部に突条部54が設けられるので、スリット52を比較的長めに設けた場合においても、保持片53の弾性変形に対して強度が図れる。
なお、上記実施形態では、リテーナ50を供給リール21と供給側ギア31との間に介在させる場合について説明したが、これに代えて、リテーナ50を巻取リール22と巻取側ギア32との間に介在させてもよい。すなわち、リテーナ50の一端を巻取リール22の筒状軸22aに摺接して軸支し、筒状本体51及び保持片53を巻取側ギア32に突設される回動軸32aに外接及び弾接してもよい。このように構成することにより、上述した効果と同様の効果が得られる。
また、上記実施形態では、繰出・巻取機構30が、供給側ギア31と巻取側ギア32とを噛合させた構造について説明したが、供給側ギア31と巻取側ギア32との間に中間ギアを介在させて繰出・巻取機構30を構成してもよい。
また、上記実施形態では、供給側ギア31の回動軸31aに予め取り付けられたリテーナ50を供給リール21の筒状軸(有底筒状部25c)内に着脱可能に摺接する場合、すなわち転写テープカートリッジ交換タイプの塗膜転写具について説明したが、この発明は必ずしも転写テープカートリッジ交換タイプに限定されるものではない。例えば、リテーナ50を供給リール21又は巻取リールと一体に形成すると共に、リテーナ50の筒状本体51及び保持片53を供給側ギア31又は巻取側ギア32の回動軸31a,32aに外接及び弾接した状態で使用する場合、すなわち使い捨てタイプの塗膜転写具にも適用できる。
また、上記実施形態では、この発明に係る塗膜転写具を粘着転写具に適用した場合について説明したが、粘着剤に代えて修正塗料剤の塗膜を担持した転写テープを用いた塗膜転写具にも適用できる。
次に、この発明におけるリテーナ50のトルク変動を調べるための実験について説明する。なお、以下に示す実施例1,2,3は一例であって、この発明は、これに限定されるものではない。
まず、図15に示すリテーナの実施例のサンプルを表1に示す3種類(実施例1,実施例2,実施例3)を用意し、以下に示すトルク測定方法によってトルク値[mN・m]とスリット長さ[mm]の関係を調べる。
Figure 2016190342
<リテーナの共通寸法>(図15参照)
長さ(L)=17.6mm、外径(突条部)(Da)=φ10.5mm、
外径(筒状本体)(Db)=φ9.79mm、内径(大)(Dc1)=φ7.30mm、
内径(小)(Dc2)=φ7.22mm、{供給側ギアの回動軸の外径=φ7.26mm}、
突条部幅(B)=3.0〜3.1mm、スリット幅(S)=3.096〜3.182mm
<トルク測定方法>
図13に示すように、トルク測定機70{高機能デジタルトルクメーターTNX-0.5(日本電産シンポ株式会社製)}の台座に立設する複数(4本)の保持部71によってサンプル60(リテーナ及び供給側ギア)を固定すると共に、サンプル60(実施例1,2,3及び供給側ギア)をモータ90のチャック80で把持して状態にセットする。サンプル60(実施例1,2,3及び供給側ギア)をセットした状態で、モータ90を時計回りに5rpm又は25rpmにて設定してトルク値を測定したところ、図14に示すような結果が得られた。
上記実験の結果、スリット長さを変えることによって、トルク値を最適な状態に調整できることが判った。
次に、この発明におけるリテーナ(実施例1)と比較例(2本腕リテーナ、3本腕リテーナ)についてトルク値の変動を調べる実験について説明する。
<比較例1(2本腕リテーナ)の寸法>(図16A,図16B参照)
外径(Dd)=φ29.6±0.05mm、腕部先端の半径(R)=2.35mm、
供給側ギアの外径(De)=φ35.2mm、
供給側ギアの円形溝の内径(Df)=φ28.2±0.03mm、
供給側ギアの円形溝部の外径(Dg)=φ29.7mm
<比較例2(3本腕リテーナ)の寸法>
腕が3本以外は比較例1と同寸法。
<測定方法>
図13に示すように、トルク測定機70{高機能デジタルトルクメーターTNX-0.5(日本電産シンポ株式会社製)}の台座に立設する複数(4本)の保持部71によってサンプル60(実施例1,比較例1,2及び供給側ギア)を固定すると共に、サンプル60(実施例1,比較例1,2及び供給側ギア)をモータ90のチャック80で把持して状態にセットする。サンプル60(実施例1,比較例1,2及び供給側ギア)をセットした状態で、モータ90を時計回りに5rpmにて設定してトルク値を測定した。この際、各サンプル60(実施例1,比較例1,2及び供給側ギア)を5rpmで30秒間回転させ、その範囲において10回/秒にて測定データを記録したところ、図17及び表2に示すような結果が得られた。なお、各トルクの平均値は、測定値が不安定な測定開始時と測定開始終了時を除いた全測定値の算術平均である。
Figure 2016190342
上記測定結果より、比較例1(2本腕リテーナ)においては、トルクの標準偏差が0.78[mN・m]であり、比較例2(3本腕リテーナ)においては、トルクの標準偏差が1.07[mN・m]であった。これに対して、実施例1(本発明におけるリテーナ)においては、トルクの標準偏差が0.29[mN・m]であり、比較例1,2のものよりトルク変動が少ないことが判った。なお、実施例1に対してスリット長さが異なる実施例2,3においても、比較例1,2に対してトルク変動が少ないことが推測される。
1 転写テープ
10 ケース
21 供給リール
25c 有底筒状部(筒状軸)
22 巻取リール
30 繰出・巻取機構
31 供給側ギア
31a 回動軸
32 巻取側ギア
40 転写ヘッド
50 リテーナ
51 筒状本体
52 スリット
53 保持片
54 突条部

Claims (6)

  1. ケース内に、テープ基材の片面に塗膜を有する転写テープを巻装する供給リールと、上記供給リールから繰り出された転写テープのテープ基材を巻き取る巻取リールと、上記供給リールと巻取リールをそれぞれ支持して回転する供給側ギアと巻取側ギアとを具備する繰出・巻取機構と、上記転写テープが上記供給リールから繰り出され上記巻取リールに巻き取られる間で転写テープの塗膜を被転写面に転写する転写ヘッドと、を具備する塗膜転写具であって、
    上記供給リールと上記供給側ギアとの間、又は、上記巻取リールと上記巻取側ギアとの間に介在されるリテーナを具備し、
    上記リテーナは、一端側が上記供給リール又は上記巻取リールを軸支し、他端側が上記供給側ギア又は上記巻取側ギアに突設された回動軸に外接する筒状本体と、該筒状本体の他端側端部に等間隔に開口する複数のスリットによって弾性変形可能に形成されて上記回動軸に弾接する複数の保持片と、を具備することを特徴とする塗膜転写具。
  2. 請求項1に記載の塗膜転写具において、
    上記スリットの基端部が凹円弧状に形成されている、ことを特徴とする塗膜転写具。
  3. 請求項1又は2に記載の塗膜転写具において、
    上記スリット及び保持片が上記筒状本体の3箇所に設けられている、ことを特徴とする塗膜転写具。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の塗膜転写具において、
    上記筒状本体の外周面に等間隔をおいて上記供給リール又は上記巻取リールの筒状軸の内周面に摺接する複数の突条部を突設し、上記スリットを上記突条部と同一線上に設けてなる、ことを特徴とする塗膜転写具。
  5. 請求項4に記載の塗膜転写具において、
    上記突条部を上記筒状本体の外周面の等間隔の偶数箇所に突設し、上記スリットを隣接する上記突条部の一方と同一線上に設けてなる、ことを特徴とする塗膜転写具。
  6. 請求項4又は5に記載の塗膜転写具において、
    上記筒状本体の一端側における上記突条部の外周面が筒状本体の先端に向かって狭小テーパ状に形成されている、ことを特徴とする塗膜転写具。
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