以下に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。図1は普通型コンバインの左側面図、図2は同右側面図、図3は同平面図である。まず、図1〜図3を参照しながら、普通型コンバインの概略構造について説明する。なお、以下の説明では、走行機体1の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。
図1〜図3に示す如く、実施形態における普通型コンバインは、走行部としてのゴムクローラ製の左右一対の走行クローラ2にて支持された走行機体1を備えている。走行機体1の前部には、稲(又は麦又は大豆又はトーモロコシ)等の未刈り穀稈を刈取りながら取込む刈取部3が単動式の昇降用油圧シリンダ4にて昇降調節可能に装着されている。
走行機体1の左側には、刈取部3から供給された刈取穀稈を脱穀処理するための脱穀部9を搭載する。脱穀部9の下部には、揺動選別及び風選別を行うための穀粒選別機構10を配置する。走行機体1の前部右側には、オペレータが搭乗する運転部としての運転台5を搭載する。動力源としてのエンジン7を、運転台5(運転座席42の下方)に配置する。運転台5の後方(走行機体1の右側)には、脱穀部9から穀粒を取出すグレンタンク6と、トラック荷台(またはコンテナなど)に向けてグレンタンク6内の穀粒を排出する穀粒排出コンベヤ8を配置する。穀粒排出コンベヤ8を機外側方に傾倒させて、グレンタンク6内の穀粒を穀粒排出コンベヤ8にて搬出するように構成している。
刈取部3は、脱穀部9前部の扱口9aに連通したフィーダハウス11と、フィーダハウス11の前端に連設された横長バケット状の穀物ヘッダー12とを備えている。穀物ヘッダー12内に掻込みオーガ13(プラットホームオーガ)を回転可能に軸支する。掻込みオーガ13の前部上方にタインバー付き掻込みリール14を配置する。穀物ヘッダー12の前部にバリカン状の刈刃15を配置する。穀物ヘッダー12前部の左右両側に左右の分草体16を突設する。また、フィーダハウス11に供給コンベヤ17を内設する。供給コンベヤ17の送り終端側(扱口9a)に刈取り穀稈投入用ビータ18(フロントロータ)を設ける。なお、フィーダハウス11の下面部と走行機体1の前端部とが昇降用油圧シリンダ4を介して連結され、後述する刈取入力軸89(フィーダハウスコンベヤ軸)を昇降支点として、刈取部3が昇降用油圧シリンダ4にて昇降動する。
上記の構成により、左右の分草体16間の未刈り穀稈の穂先側が掻込みリール14にて掻込まれ、未刈り穀稈の稈元側が刈刃15にて刈取られ、掻込みオーガ13の回転駆動によって、穀物ヘッダー12の左右幅の中央部寄りのフィーダハウス11入口付近に刈取穀稈が集められる。穀物ヘッダー12の刈取穀稈の全量は、供給コンベヤ17によって搬送され、ビータ18によって脱穀部9の扱口9aに投入されるように構成している。なお、穀物ヘッダー12を水平制御支点軸回りに回動させる水平制御用油圧シリンダ(図示省略)を備え、穀物ヘッダー12の左右方向の傾斜を前記水平制御用油圧シリンダにて調節して、穀物ヘッダー12、及び刈刃15、及び掻込みリール14を圃場面に対して水平に支持することも可能である。
また、図1、図3に示す如く、脱穀部9の扱室内に扱胴21を回転可能に設けている。走行機体1の前後方向に延長させた扱胴軸20に扱胴21を軸支する。扱胴21の下方側には、穀粒を漏下させる受網24を張設する。なお、扱胴21前部の外周面には、螺旋状のスクリュー羽根状の取込み羽根25が半径方向外向きに突設されている。
上記の構成により、ビータ18によって扱口9aから投入された刈取穀稈は、扱胴21の回転によって走行機体1の後方に向けて搬送されながら、扱胴21と受網24との間などにて混練されて脱穀される。受網24の網目よりも小さい穀粒等の脱穀物は受網24から漏下する。受網24から漏下しない藁屑等は、扱胴21の搬送作用によって、脱穀部9後部の排塵口23から圃場に排出される。
なお、扱胴21の上方側には、脱穀部9扱室内の脱穀物の搬送速度を調節する複数の送塵弁(図示省略)を回動可能に枢着する。前記送塵弁の角度調整によって、脱穀部9扱室内の脱穀物の搬送速度(滞留時間)を、刈取穀稈の品種や性状に応じて調節できる。一方、脱穀部9の下方に配置された穀粒選別機構10として、グレンパン及びチャフシーブ及びグレンシーブ及びストローラック等を有する比重選別用の揺動選別盤26を備える。
また、穀粒選別機構10として、揺動選別盤26に選別風を供給する唐箕ファン29等を備える。扱胴21にて脱穀されて受網24から漏下した脱穀物は、揺動選別盤26の比重選別作用と唐箕ファン29の風選別作用とにより、穀粒(精粒等の一番物)、穀粒と藁の混合物(枝梗付き穀粒等の二番物)、及び藁屑等に選別されて取出されるように構成する。
揺動選別盤26の下側方には、穀粒選別機構10として、一番コンベヤ機構30及び二番コンベヤ機構31を備える。揺動選別盤26及び唐箕ファン29の選別によって、揺動選別盤26から落下した穀粒(一番物)は、一番コンベヤ機構30及び揚穀コンベヤ32によってグレンタンク6に収集される。穀粒と藁の混合物(二番物)は、二番コンベヤ機構31及び二番還元コンベヤ33等を介して揺動選別盤26の選別始端側に戻され、揺動選別盤26によって再選別される。藁屑等は、走行機体1後部の排塵口23から圃場に排出されるように構成する。
さらに、図1〜図3に示す如く、運転台5には、サイドコラム39と、操縦コラム41と、オペレータが座乗する運転座席42とを配置している。操縦コラム41には、走行機体1の進路を変更する操縦レバー43を取付けている。サイドコラム39には、エンジン5の回転数を調節するアクセルレバー40と、走行機体1の移動速度を切換える主変速レバー44及び副変速レバー45と、刈取部3を駆動または停止操作する刈取クラッチレバー46と、脱穀部9を駆動または停止操作する脱穀クラッチレバー47が配置されている。また、運転台5の上方側にサンバイザー支柱48を介して日除け用の屋根体49を取付けている。
図1、図2、図4に示す如く、走行機体1の下面側に左右のトラックフレーム50を配置している。トラックフレーム50には、走行クローラ2にエンジン7の動力を伝える駆動スプロケット51と、走行クローラ2のテンションを維持するテンションローラ52と、走行クローラ2の接地側を接地状態に保持する複数のトラックローラ53と、走行クローラ2の非接地側を保持する中間ローラ54とを設ける。駆動スプロケット51によって走行クローラ2の前側を支持させ、テンションローラ23によって走行クローラ2の後側を支持させ、トラックローラ53によって走行クローラ2の接地側を支持させ、中間ローラ54によって走行クローラ2の非接地側を支持させるように構成する。
図1〜図4、図9、図12、図19〜図21を参照してコンバインの機体構造を説明する。走行機体1前部の右側上面にエンジン7を搭載し、エンジン7左側の走行機体1前部にミッションケース63を配置する。走行機体1は、前後方向に延設させる同一の四角パイプ形状の左右の前後延設フレーム64a,64bと、左右方向に延設させる同一の四角パイプ形状の前後の左右延設フレーム65a,65bを備える。前後の左右延設フレーム65a,65bの左右両端に左右の前後延設フレーム64a,64bを溶接固定する。左右の前後延設フレーム64の上面に作業部搭載フレーム枠体66を溶接固定する。作業部搭載フレーム枠体66の上面側にコンバインの作業部各部(刈取部3、運転台5、グレンタンク6、エンジン7、脱穀部9)を配置する。作業部搭載フレーム枠体66の前部にミッション支持フレーム67を介してミッションケース63の背面側を連結させる。
図4、図8、図9、図19〜図21に示す如く、左右一対の前部支脚フレーム68a,68bと左右一対の後部支脚フレーム69a,69bとを備える。走行機体1(前後延設フレーム64a,64b、左右延設フレーム65a,65b)に、前部支脚フレーム68a,68bと後部支脚フレーム69a,69bを介して、左右一対のトラックフレーム50を連結させるものであり、左右一対のトラックフレームに左右一対の走行部としての走行クローラ2を支持するように構成している。図4、図9に示す如く、前部支脚フレーム68a,68bは、走行機体1前後方向視で下端側の左右幅寸法が大きくなる末広がり状の左右の前部支脚体71a,71bと、前部支脚体71a,71bの機外側面に沿って延設させる左右の前部補助支脚体72a,72bと、前後延設フレーム64a,64bと前部支脚体71a,71bの後面側に連結する左右の前部補強板体73a,73bを備える。前部支脚体71a,71bと前部補助支脚体72a,72bと前部補強板体73a,73bを介して、走行機体1の左右両側下方に左右のトラックフレーム2の前端側を一体的に連結させる。
図4、図9に示す如く、ミッションケース63から左右機外側方に向けて左右の車軸ケース74を延設させると共に、左右のトラックフレーム2の前端側から前方に向けて左右のケースブラケット体75をそれぞれ突出させ、左右のケースブラケット体75の前端側に左右の車軸ケース74の機外側端部を支持させる。ミッションケース63から延出させた左右の車軸63aを介して、左右の車軸ケース74の機外側端に左右の駆動スプロケット51を配置している。トラックフレーム50の側面とケースブラケット体75の側面に前部支脚体71a,71bの下端側を溶接加工にて一体的に固着すると共に、ケースブラケット体75の平坦な上面に前部補助支脚体72a,72bの下端側を溶接加工にて一体的に面圧着させている。
一方、図4、図9、図19〜図21に示す如く、前後延設フレーム64a,64bの下面側に前部受圧フレーム体77を介して前部支脚体71a,71bの上端側端面の一部と前部補助支脚体72a,72bの上端側端面を溶接加工にて固着すると共に、前の左右延設フレーム65aに前部支脚体71a,71bの上端側を溶接加工にて固着するものであり、前の左右延設フレーム65aの下面側に前の上部補強フレーム体76の左右幅中間部の上面側を溶接加工にて固着し、左右の前部支脚体71a,71b上端側の機内側面に前の上部補強フレーム体76の左右両端側の上面側を溶接加工にて固着している。
図4〜図8、図10〜図14、図19〜図21に示す如く、後部支脚フレーム69a,69bは、走行機体1前後方向視で下端側の左右幅寸法が大きくなる末広がり状の左右の後部支脚体81a,81bと、後部支脚体81a,81bの機外側面に沿って延設させる左右の後部補助支脚体82a,82bと、前後延設フレーム64a,64bと後部支脚体81a,81bの前面側に連結する左右の前側補強板体83a,83bと、前後延設フレーム64a,64bと後部支脚体81a,81bの後面側に連結する左右の後側補強板体84a,84bを備える。後部支脚体81a,81bと後部補助支脚体82a,82bと前側補強板体83a,83bと後側補強板体84a,84bを介して、走行機体1の左右両側下方に左右のトラックフレーム2の後端側を一体的に連結させる。
図4、図13に示す如く、左右のトラックフレーム2の後端部に左右のテンションブラケット体86を立設させ、テンションブラケット体86の機外側面にテンションガイド体87を介して一対のテンション軸体88を前後動可能に配置し、テンション軸体88の後端側にテンションローラ52を回動可能に軸支する一方、テンションガイド体86にテンション調節ボルト89を介してテンション軸体88の前端側を連結し、所定の張力にて走行クローラ2を張設している。図8、図11、図13に示す如く、トラックフレーム50の側面とテンションブラケット体86の側面に後部支脚体81a,81bの下端側を溶接加工にて一体的に固着すると共に、テンションブラケット体86の平坦な上面に後部補助支脚体82a,82bの下端側を溶接加工にて一体的に面圧着させている。
一方、図10、図11、図13、図14、図19〜図21に示す如く、前後延設フレーム64a,64bの下面側に後部受圧フレーム体90を介して後部支脚体81a,81bの上端側端面の一部と後部補助支脚体82a,82bの上端側端面を溶接加工にて固着すると共に、後の左右延設フレーム65bに後部支脚体81a,81bの上端側を溶接加工にて固着するものであり、後の左右延設フレーム65bの下面側に後の上部補強フレーム体91の左右幅中間部の上面側を溶接加工にて固着し、左右の後部支脚体81a,81b上端側の機内側面に後の上部補強フレーム体91の左右両端側の上面側を溶接加工にて固着している。なお、前後延設フレーム64a,64bの機内側面に左右延設フレーム65a,65bの左右側端面のうち上半分の側端面を当接させ、前後延設フレーム64a,64bの下面下方に左右延設フレーム65a,65bの左右側端面のうち下半分の側端面を突設させている。
図4〜図14、図19〜図21から明らかなように、前部支脚体71a,71bと後部支脚体81a,81bは略同一形状の共用部品にて形成する。図4〜図7に示す如く、前部支脚体71a,71bと後部支脚体81a,81bは、プレス加工にて、側面視で断面端面がU形状に形成される。前部支脚体71a,71b(後部支脚体81a,81b)の上端側に、前の左右延設フレーム65a(後の左右延設フレーム65b)の左右側部の下端側(左右側端部のうち下半分の側端部)を嵌挿させる。前の左右延設フレーム65a(後の左右延設フレーム65b)の前後側面に、前部支脚体71a,71b(後部支脚体81a,81b)のU形状上端側を、溶接加工にて固着する。
図8、図9、図19〜図21に示す如く、前の上部補強フレーム体76と、後の上部補強フレーム体91は、略同一形状の共用部品にて形成する。前の上部補強フレーム体76(後の上部補強フレーム体91)の水平な中間部上面が、前の左右延設フレーム65a(後の左右延設フレーム65b)の下面に溶接加工にて固着されている。前の上部補強フレーム体76(後の上部補強フレーム体91)の両端部が機外側方の斜め下方に折曲げられ、前の上部補強フレーム体76(後の上部補強フレーム体91)両端部の折曲げ上面が、前部支脚体71a,71b(後部支脚体81a,81b)のU形状下面に溶接加工にて固着されている。
また、図4〜図14から明らかなように、前部補助支脚体72a,72bと後部補助支脚体82a,82bは略同一形状の共用部品にて形成する。また、図5、図13、図14に示す如く、前後延設フレーム64a,64bと後部支脚体81a,81bの前面側に連結する前側補強板体83a,83bの前後幅寸法よりも、前後延設フレーム64a,64bと後部支脚体81a,81bの後面側に連結する後側補強板体84a,84bの前後幅寸法を大きく形成し、後部支脚体81a,81b前後部における前後延設フレーム64a,64bの耐支持荷重を大きくしたものであり、前後延設フレーム64a,64bを軽量化できるものでありながら、走行機体1の剛性を確保できる。しかも、図19〜図21から明らかなように、前後の左右延設フレーム65a,65bの下方側を大きく開放すると共に、前部補強板体73a,73bと、前側補強板体83a,83bと、後側補強板体84a,84bにて、走行クローラ2の非接地側の機内側面を閉塞して、走行機体1下面と左右走行クローラ2にて囲む空間をトンネル形状に形成する。即ち、左右走行クローラ2底部から機体内側方に向けて排出される排土(圃場の表面耕土、湿田の泥土)が前記トンネル形状の空間から機体後方にスムーズに移動し、前記排土にて走行抵抗が増大するのを防止し、湿田での走破性を向上させている。
上記の構成により、前部支脚体71a,71b(後部支脚体81a,81b)のU形状の上面開口は、前後延設フレーム64a,64b下面の前部受圧フレーム体77(後部受圧フレーム体90)と、前の左右延設フレーム65a(後の左右延設フレーム65b)と、前部補助支脚体72a,72b(後部補助支脚体82a,82b)にて閉塞される。なお、図6に示す如く、後部支脚体81a,81b(前部支脚体71a,71b)内部の結露水などは、後部支脚体81a,81b(前部支脚体71a,71b)の最下端部の排水孔92から滴下されるように構成する。また、図4に示す如く、前部補強板体73a,73bと前側補強板体83a,83bを略同一形状に形成する。
さらに、図4、図9、図10、図11に示す如く、前部支脚体71a,71b(後部支脚体81a,81b)をプレス加工にて形成するための鉄鋼板の板厚寸法よりも、前部補助支脚体72a,72b(後部補助支脚体82a,82b)をプレス加工にて形成するための鉄鋼板の板厚寸法を大きく形成し、前部支脚体71a,71b(後部支脚体81a,81b)と前部補助支脚体72a,72b(後部補助支脚体82a,82b)の走行機体1の前部支持強度(後部支持強度)を容易に確保できるものでありながら、前部支脚体71a,71b(後部支脚体81a,81b)のプレス加工作業性を簡略化して、製造コストを低減できる。
また、前部支脚体71a,71b(後部支脚体81a,81b)の前後幅寸法よりも、前部補助支脚体72a,72b(後部補助支脚体82a,82b)の前後幅寸法を大きく形成する。即ち、前部支脚体71a,71b(後部支脚体81a,81b)の前面よりも前方に、前部補助支脚体72a,72b(後部補助支脚体82a,82b)の前端縁を突出させると共に、前部支脚体71a,71b(後部支脚体81a,81b)の後面よりも後方に、前部補助支脚体72a,72b(後部補助支脚体82a,82b)の後端縁を突出させている。
加えて、縦切断端面が門形状のケースブラケット体75(テンションブラケット体86)の平坦な上面に、縦切断端面がL形状の前部補助支脚体72a,72b(後部補助支脚体82a,82b)の水平な下端面を溶接加工にて一体的に面圧着させている。例えば、前部補助支脚体72a,72b(後部補助支脚体82a,82b)下端側の端面が、ケースブラケット体75(テンションブラケット体86)に溶接された構造に比べ、ケースブラケット体75(テンションブラケット体86)と前部補助支脚体72a,72b(後部補助支脚体82a,82b)の連結強度を容易に向上できる。
また、トラックフレーム50側面とケースブラケット体75(テンションブラケット体86)の側面にだけ前部支脚体71a,71b(後部支脚体81a,81b)の下端側を溶接固定する構造(図9、図10、図11)では、前部支脚体71a,71b(後部支脚体81a,81b)の下端側の一部を、ケースブラケット体75(テンションブラケット体86)の上面側に延設させて溶接固定する構造に比べ、前部支脚体71a,71b(後部支脚体81a,81b)の形状を簡略化して、製造コストを低減できる。
次いで、図4、図8、図9、図12、図15〜図18を参照して、ディーゼルエンジン7の取付け構造を説明する。左右の前後延設フレーム64a,64bに架設された作業部搭載フレーム枠体66の上面のうち、前部支脚体71a,71bと後部支脚体81a,81bの間で右側前部の上面に、左右の前部エンジン支持ブラケット体97a,97bと左右の後部エンジン支持ブラケット体98a,98bを設ける。前部エンジン支持ブラケット体97a,97bと後部エンジン支持ブラケット体98a,98bにエンジン7を防振支持すると共に、脱穀部9の唐箕ファン軸29aに脱穀駆動ベルト34を介してエンジン7の出力を伝達し、ミッションケース63に走行駆動ベルト35を介してエンジン7の出力を伝達するように構成している。
図15〜図18、図24に示す如く、エンジン7の排気音を低減させる消音器111を備えるもので、エンジン7の上部前側にマフラ支持ブラケット112を介して消音器111を設置している。エンジン7の排気マニホールドに過給機116のタービン(図示省略)を介して消音器111の給気口を接続させると共に、消音器111の排気口管113にテールパイプ115の一端側を接続させる。テールパイプ115は、外側排気管114aに内側排気管114bを内挿させて二重管構造に形成している。なお、排気口管113よりも内側排気管114bを大径に形成し、排気口管113と内側排気管114bの接続部で、排気口管113からテールパイプ115に向けて排出される排気ガスに外気が混合されるように構成している。
図1、図3、図15〜図18に示す如く、揚穀コンベヤ32が配置された脱穀部9とグレンタンク6の間で、走行機体1の前後方向にテールパイプ115を延設させ、エンジン7上部の消音器111にテールパイプ115(内側排気管114b)の前端側を連通させると共に、グレンタンク6の上部後方で斜め上方に向けて後向きにテールパイプ115の後端を開口させ、脱穀部9とグレンタンク6の間で、グレンタンク6の上部後方に向けて、テールパイプ115(内側排気管114b)後端からエンジン7の排気ガスを排出させるように構成している。
図17、図18に示す如く、脱穀部9の右側機筐9bに前部支持フレーム体221を締結固定し、前部支持フレーム体121に前部支持ブラケット体122を介してテールパイプ115(外側排気管114a)の前端側を連結支持する。また、機外側方に展開可能なグレンタンク6を穀粒収集位置(機体収納位置)に係止させるタンク支持フレーム体123と、揚穀コンベヤ32を立設支持させる揚穀支持フレーム体124を備える。脱穀部9の右側機筐9b上部の機筐枠体9cにタンク支持フレーム体123と揚穀支持フレーム体124をそれぞれ締結固定する。タンク支持フレーム体123に中間支持ブラケット体125を介してテールパイプ115(外側排気管114a)の前後中間部を連結支持すると共に、揚穀支持フレーム体124に後部支持ブラケット体126を介してテールパイプ115(外側排気管114a)の後端側を連結支持する。脱穀部9の右外側面(右側機筐9b、機筐枠体9c)に沿わせてテールパイプ115の中間部ないし後端部を機体前後方向に延設している。
図15〜図18、図31〜図33に示す如く、刈取クラッチレバー46または脱穀クラッチレバー47が配置されたサイドコラム39後部下方の消音器111に向けて、テールパイプ115の前端部を前下がり姿勢に延設させると共に、テールパイプ115の前下がり前端部の前面側を覆う遮熱カバー体127を備え、サイドコラム39の後部に遮熱カバー体127の傾斜下端側を締結固定し、サイドコラム39後部斜め上方に向けて遮熱カバー体127の傾斜上端側を突設させ、サイドコラム39右側方の運転座席42に対してテールパイプ115の前下がり前端側を遮熱カバー体127にて遮蔽し、テールパイプ115側の熱風が運転座席42のオペレータ方向に移動するのを遮熱カバー体127にて防止するように構成している。なお、遮熱カバー体127は、内側カバー127aと外側カバー127bを有し、テールパイプ115に内側カバー127aを対面させ、テールパイプ115と外側カバー127bの間に内側カバー127aを介在させて、外側カバー127bが比較的低温に保たれるように構成している。
図15〜図18、図31〜図33に示す如く、脱穀部9から揚穀筒としての揚穀コンベヤ32を介して穀物を搬入するグレンタンク6を備え、脱穀部9とグレンタンク6の間に後向きに前記エンジン7の排気管としてのテールパイプ115を延設させると共に、脱穀部9に揚穀筒支持フレーム体124を介して揚穀コンベヤ32の上端側を支持させる構造であって、揚穀筒支持フレーム体124にパイプ支持フレームとしての後部支持ブラケット126を介してテールパイプ115の後端側を支持させたものであるから、グレンタンク6が機外側方に展開可能に支持される構造であっても、脱穀部9の側縁部にテールパイプ115を支持する必要がなく、脱穀部9の上部構造を簡略化して、テールパイプ115の支持構造を低コストに構成できると共に、テールパイプ115の組付け作業性などを簡単に向上できる。
さらに、図1、図3、図15〜図18、図24に示す如く、エンジン7の吸気マニホールドに過給機116のコンプレッサ(図示省略)を介して新気(外気)を導入する主エアクリーナ131と前置エアクリーナ132を備える。エンジン7が内設されたエンジンルームハウジング133の上面のうち、運転座席42後方の上面にクリーナ支持台134を介して主エアクリーナ131を載置すると共に、エンジン7の過給機116に主エアクリーナ131の主吸気配管131aを接続させている。また、脱穀部9の右側上面に前置支持フレーム135を立設させ、前置支持フレーム135に前置支持ブラケット136を介して前置エアクリーナ132本体を固着すると共に、揚穀コンベヤ32上端部の穀粒排出ケース32aの外側面に配管ブラケット体137を介して前置エアクリーナ132の前置吸気配管132aを固着し、脱穀部9右側上部とグレンタンク6の左側上部の間で、グレンタンク6上面よりも高位置に、前置支持フレーム135と配管ブラケット体137を介して、前置エアクリーナ132を着脱可能に支持している。
加えて、主エアクリーナ131と前置エアクリーナ132を介して新気(外気)を導入するときに発生する吸気音を低減させる共振ケース体141を備える。共振ケース体141は、合成樹脂材料を成形加工して形成する。エンジン7が内設されたエンジンルーム左側の左エンジンルーム支柱143に共振ケース台144を介して共振ケース体141を載置する。左エンジンルーム支柱143と右エンジンルーム支柱145の上端部を上部水平フレーム146にて連結すると共に、係合軸体147と係合フック148にて上部水平フレーム146に係止させる締結バンド体149を備え、共振ケース体141の左右側及び後面側に締結バンド体149を巻装させて、上部水平フレーム146に共振ケース体141の上下中間部を固定支持させる。
また、前置吸気配管132aに吸気パイプ142を介して共振ケース体141の共振入口管141aを接続させると共に、主エアクリーナ131の新気入口側に共振ケース体141の共振出口管141bを接続させている。即ち、前置エアクリーナ132に取入れた新気(外気)を、吸気パイプ142を介して共振ケース体141に移動させると共に、共振ケース体141にて吸気音を減衰させながら、共振ケース体141から主エアクリーナ131に新気(外気)を移動させ、主エアクリーナ131からエンジン7に新気(外気)を供給するように構成している。
次いで、図22、図23を参照して、トラックフレーム50と、後部支脚フレーム69a,69b(前部支脚フレーム68a,68b)の変形構造を説明する。図22、図23に示す如く、トラックフレーム50は、上部トラックフレーム50aと、下部トラックフレーム50bを有するものであり、上部トラックフレーム50aの下面に下部トラックフレーム50bの上面を溶接加工にて一体的に固着して、トラックフレーム50を構成している。また、後部受圧フレーム体90(前部受圧フレーム体77)を省いた構造において、前後延設フレーム64a,64bの下面側に後部支脚体81a,81b(前部支脚体71a,71b)の上端側の一部を直接的に当接させて、溶接加工にて一体的に固着している。
加えて、図22、図23に示す如く、前後延設フレーム64a,64bの機外側面に、後部補助支脚体82a,82b(前部補助支脚体72a,72b)の上端側を直接的に当接させて、溶接加工にて一体的に固着している。即ち、左右延設フレーム65a,65bの左右端面の上半分と、後部補助支脚体82a,82b(前部補助支脚体72a,72b)上端側の機内側面が、前後延設フレーム64a,64bの左右側面の下半分に当接するものであり、左右延設フレーム65a,65b左右端部と、後部補助支脚体82a,82b(前部補助支脚体72a,72b)上端部にて、前後延設フレーム64a,64bを挟持固定するように構成している。
図1〜図14に示す如く、走行部としての走行クローラ2及び運転座席42を有する走行機体1と、刈刃15を有する刈取部3と、扱胴21を有する脱穀部9と、刈取部3及び脱穀部9などを駆動するエンジン7を備えるコンバインにおいて、走行機体1前後方向視で下端側の左右幅寸法が大きくなる末広がり状の左右の支脚体71a,71bまたは81a,81bと、支脚体71a,71bまたは81a,81bの機外側面に沿って延設させる左右の補助支脚体72a,72bまたは82a,82bを備え、走行機体1の左右両側下方に左右の支脚体71a,71bまたは81a,81bと補助支脚体72a,72bまたは82a,82bを介して左右のトラックフレーム50を連結させ、左右のトラックフレーム50に左右の走行クローラ2を支持する構造であって、トラックフレーム50の上面側に支脚ブラケット体としてのケースブラケット体75またはテンションブラケット体86を設け、トラックフレーム50の側面とケースブラケット体75またはテンションブラケット体86の側面に支脚体71a,71bまたは81a,81bの下端側を一体的に固着すると共に、支脚ブラケット体75または86の平坦な上面に補助支脚体72a,72bまたは82a,82bの下端側を一体的に面圧着させている。したがって、トラックフレーム50側面及びケースブラケット体75またはテンションブラケット体86側面と支脚体71a,71bまたは81a,81b下端側との固着にて、主に左右方向の変形力に対応させることができる一方、ケースブラケット体75またはテンションブラケット体86の平坦な上面と補助支脚体72a,72bまたは82a,82bの下端側との固着にて、主に上下方向の変形力に対応させることができるものであり、トラックフレーム50と支脚体71a,71bまたは81a,81b下端側の連結部を補助支脚体72a,72bまたは82a,82bにて容易に補強できる。即ち、トラックフレーム50と支脚体71a,71bまたは81a,81b下端側の連結強度を簡単に確保して、走行機体1とトラックフレーム50の連結剛性を容易に確保でき、支脚体71a,71bまたは81a,81bの板金加工などの製造コストを低減できると共に、支脚体71a,71bまたは81a,81bの軽量化を図ることができる。
図4〜図14に示す如く、支脚体71a,71bまたは81a,81bの前後幅寸法よりも補助支脚体72a,72bまたは82a,82bの前後幅寸法を大きく形成する構造であって、ケースブラケット体75またはテンションブラケット体86の平坦な上面に補助支脚体72a,72bまたは82a,82bの下端側を面圧着させている。したがって、従来の補助支脚体72a,72bまたは82a,82bの下部端面がトラックフレーム50に接合される構造に比べ、トラックフレーム50と補助支脚体72a,72bまたは82a,82b下端側の連結強度を容易に確保できる。例えば、支脚体71a,71bまたは81a,81bの断面端面がU形状に形成される板金加工にて、支脚体71a,71bまたは81a,81bを製造すると共に、支脚体71a,71bまたは81a,81bの上面側(U形状開口部)を補助支脚体72a,72bまたは82a,82bにて閉塞して筒状に構成する構造において、従来よりも板厚が厚い鉄剛板材料を用いて補助支脚体72a,72bまたは82a,82bを形成することにより、トラックフレーム50と支脚体71a,71bまたは81a,81b下端側の連結部剛性を補助支脚体72a,72bまたは82a,82bにて容易に向上できる。板厚が厚い鉄剛板材料を用いて支脚体71a,71bまたは81a,81bを形成する必要がないから、支脚体71a,71bまたは81a,81bの軽量化またはコスト低減を容易に図ることができる。
図4〜図14に示す如く、走行機体1を形成する前後延設フレーム64a,64bを備える構造であって、前後延設フレーム64a,64bの下面側に受圧フレーム体77または90を介して支脚体71a,71bまたは81a,81bの上端側端面の一部と補助支脚体72a,72bまたは82a,82bの上端側端面を固着している。したがって、支脚体71a,71bまたは81a,81bの上端側端面の一部と補助支脚体72a,72bまたは82a,82bの上端側端面に受圧フレーム体77または90の下面側を溶接加工にて固着した後で、前後延設フレーム64a,64bに受圧フレーム体77または90を溶接加工にて固着して、前後延設フレーム64a,64bの下面側に支脚体71a,71bまたは81a,81bの上端側の一部と補助支脚体72a,72bまたは82a,82bの上端側を連結でき、溶接加工作業性を向上できる。例えば、トラックフレーム50の上面側に支脚体71a,71bまたは81a,81bの下端側と補助支脚体72a,72bまたは82a,82bの下端側を溶接した後で、前後延設フレーム64a,64bの下面側に受圧フレーム体77または90を溶接でき、前後延設フレーム64a,64bの下面側に支脚体71a,71bまたは81a,81bの上端側と補助支脚体72a,72bまたは82a,82bの上端側を連結させるための溶接加工作業を簡略化できる。
図4〜図14に示す如く、走行機体1を形成する前後延設フレーム64a,64bと左右延設フレーム65a,65bを備え、前後延設フレーム64a,64bと左右延設フレーム65a,65bに支脚体71a,71bまたは81a,81bの上端側を固着する構造であって、左右延設フレーム65a,65bの下面側に上部補強フレーム体76または91の左右幅中間部の上面側を固着し、左右の支脚体71a,71bまたは81a,81b上端側の機内側面に上部補強フレーム体76または91の左右両端側の上面側を固着している。したがって、左右の支脚体71a,71bまたは81a,81bの上端側を離間させた状態で、左右延設フレーム65a,65bの下面側に左右の支脚体71a,71bまたは81a,81bの上端側を固着でき、左右延設フレーム65a,65bに左右の支脚体71a,71bまたは81a,81bを連結させるための溶接加工作業を簡略化できるものでありながら、左右延設フレーム65a,65bの下面側と左右の支脚体71a,71bまたは81a,81bの上端側の連結剛性を上部補強フレーム体76または91にて簡単に確保して、左右延設フレーム65a,65bと左右の支脚体71a,71bまたは81a,81bの連結剛性を容易に確保できる。
図4〜図14に示す如く、走行機体1を形成する前後延設フレーム64a,64bを備え、前後延設フレーム64a,64bと後部支脚体81a,81bの前面側に前側補強板体83a,83bを連結すると共に、前後延設フレーム64a,64bと後部支脚体81a,81bの後面側に後側補強板体84a,84bを連結する構造であって、前側補強板体83a,83bの前後幅寸法よりも後側補強板体84a,84bの前後幅寸法を大きく形成したものであるから、後部支脚体81a,81bの加工形状を簡略化して、製造コストを低減できるものでありながら、前後延設フレーム64a,64bの支持荷重を容易に確保できる。
次いで、図24〜図33を参照して、エンジンの給排気構造を説明する。図24、図31〜図33に示す如く、鉄板製の締結バンド体149に弾性ゴム製バンドカバー151を被覆装着する。締結バンド体149の一端側に係合フック148を設けて、上部水平フレーム146右側上面の係合軸体147に係合フック148を係止させると共に、締結バンド体149の他端側に締結ボルト150を設け、上部水平フレーム146左側上面の係合ブラケット体146aに締結ボルト150を介して締結バンド体149の他端側を締結固定させる。滑り止め用のバンドカバー151を介して共振ケース体141の左右角隅部及び後面側に締結バンド体149を圧着させている。なお、共振ケース体141の左右幅寸法に比べ、上部水平フレーム146上面の係合軸体147と係合ブラケット体146a(締結ボルト150螺着部)の間隔を大きく形成し、共振ケース体141の本機左右方向の組付け寸法の誤差を吸収可能に構成している。
また、左エンジンルーム支柱143に載台ブラケット152を固着し、本機上下方向の組付け寸法の誤差を吸収可能なクッションゴム体153を介して、載台ブラケット152の上面に共振ケース体141の底部を載置させる。上部水平フレーム146の背面にクッションゴム体154を固着すると共に、上部水平フレーム146の上面に当て板体155を立設させ、当て板体155にクッションゴム体156を固着している。本機前後方向の組付け寸法の誤差を吸収可能なクッションゴム体153,156を介して、載台ブラケット152上の共振ケース体141の前面に上部水平フレーム146背面と当て板体155背面を当接させる。なお、エンジン7が内設されたエンジンルーム上面板158にエアクリーナ取付け台157を設け、エアクリーナ取付け台157に主エアクリーナ131が支持される。
図24、図31〜図33に示す如く、主エアクリーナ131と前置エアクリーナ132を介してエンジン7に新気(外気)を導入すると共に、新気の導入にて発生する吸気音を低減させる合成樹脂製の共振ケース体141を備える構造であって、エンジンルーム支柱143,145上端部の上部水平フレーム146と、係合軸体147と係合フック148にて上部水平フレーム146に係止させる締結バンド体149を備え、共振ケース体141の左右側及び後面側に締結バンド体149を巻装させて、上部水平フレーム146に共振ケース体141を固定支持させたものであるから、共振ケース体141を安価に成形加工でき、エンジン7の新気導入構造を低コストに構成できると共に、エンジン7が設置されるエンジンルームを構成するための高剛性構造のエンジンルーム支柱143,145を活用して、共振ケース体141を簡単に組付けることができる。
図31〜図33に示す如く、穀粒排出コンベヤ8の駆動をオンオフ(コンベヤクラッチの入り切り操作)する穀粒排出レバー161を備える。グレンタンク6前面のうち運転座席42後方の前面に、レバー支点軸体162を設ける支点ブラケット体163と、レバーガイド溝164を設けるレバーガイド板体165を配置している。レバー支点軸体162に穀粒排出レバー161の下端側を軸支し、前後方向に長尺なレバーガイド溝164の案内にて穀粒排出レバー161を前後に傾動操作する。また、共振ケース体141の右側方に穀粒排出レバー161を支持させ、運転座席42側からオペレータが穀粒排出レバー161を操作可能に構成している。
なお、テンションプーリ状のコンベヤクラッチ及びコンベヤ駆動ベルトなどを介して、エンジン7の駆動出力が穀粒排出コンベヤ8に伝達されるものであり、穀粒排出レバー161にクラッチ操作ロッド166を介して前記コンベヤクラッチを連結する。穀粒排出レバー161の前後傾動操作にて前記コンベヤクラッチを入り切り操作して、エンジン7の出力にて穀粒排出コンベヤ8を駆動するように構成している。
加えて、図24〜図30に示す如く、外形状が四角箱型の合成樹脂製の共振ケース体141には、共振ケース体141の左側半分の容積を有する左側チャンバー171と、共振ケース体141の右側半分の容積を有する右側チャンバー172と、左側チャンバー171に右側チャンバー172を連通する連通路173を形成している。左側チャンバー171と右側チャンバー172の各背面の上下幅中間部に締結溝171a,172aを形成し、締結溝171a,172aに締結バンド体149の中間部を嵌着し、共振ケース体141の外側面に締結バンド体149の中間部を巻装させるように構成している。
左側チャンバー171の上面に共振入口管141aを上向きに突設させ、左側チャンバー171内部に上方側から外気(新気)を導入させると共に、左側チャンバー171の背面の上下幅中間部(締結溝171aの下側)に水平段部171bを設け、左側チャンバー171の上側半分の前後幅寸法に比べ、左側チャンバー171の下側半分の前後幅寸法を小さく形成している。即ち、左側チャンバー171の上側半分の容積に比べ、左側チャンバー171の下側半分の容積を小さく形成する(図25、図28参照)。
また、図29に示す如く、左側チャンバー171の上下幅中間部の右側面と右側チャンバー172の上下幅中間部の左側面に連通路173の左右両端部を連結させる。連通路173は、端面が台形状のパイプ体174にて形成されている。左側チャンバー171及び右側チャンバー172の上下幅中間部の前後幅寸法に比べ、パイプ体174の前後幅寸法を小さく形成すると共に左側チャンバー171及び右側チャンバー172の上下幅中間部の前面とパイプ体174の垂直前面壁174aの前面を略面一に形成している。パイプ体174の垂直前面壁174aの上下幅寸法に比べ、パイプ体174の垂直後面壁174bの上下幅寸法を大きく形成する。即ち、左側チャンバー171の上側半分から垂直後面壁174b(連通路173の後部)側を介して右側チャンバー172の上下幅中間部に移動する外気(新気)の流動抵抗が、他部(垂直前面壁174a側)の流動抵抗よりも小さくなるように構成する。左側チャンバー171及び右側チャンバー172の前面側に片寄って形成された連通路173を介して、左側チャンバー171から右側チャンバー172に向けて外気(新気)がスムーズに流動するように構成する。
さらに、図25、図30に示す如く、右側チャンバー172の下部前面に共振出口管141bを前向きに突設させると共に、共振出口管141bに対向する右側チャンバー172の下部後面に傾斜段部172bを設け、連通路173の右側端部から右側チャンバー172の内部に向けて移動する外気(新気)がスムーズに膨張するように構成する。即ち、左側チャンバー171の共振入口管141aから右側チャンバー172の共振出口管141bに外気(新気)が移動するとき、左側チャンバー171または右側チャンバー172内部で吸気音を減衰させ、主エアクリーナ131に向けて右側チャンバー172内部の外気(新気)を移動させるように構成する。なお、右側チャンバー172の上部右側の角隅部に傾斜コーナー部172cを設け、共振ケース体141の右側上部の角隅部を切断した形状に形成し、共振ケース体141の右側に設置された穀粒排出レバー161の操作空間を広く確保し、穀粒排出レバー161の操作性を向上させている。
次いで、図34〜図37から明らかなように、走行機体1を形成する前後延設フレーム64a,64bと左右延設フレーム65a,65bを備え、前後延設フレーム64a,64bと左右延設フレーム65a,65bに支脚体81a,81b(71a,71b)の上端側を固着すると共に、前後延設フレーム64a,64bと支脚体81a,81b(71a,71b)の前面側に前側補強板体83a,83bを連結し、前後延設フレーム64a,64bと後部支脚体81a,81b(71a,71b)の後面側に後側補強板体84a,84bを連結する構造であって、前後延設フレーム64a,64b上の作業部搭載フレーム枠体66と、前側補強板体83a,83bとの間に、左右延設フレーム65a,65b前面側を覆うための泥除けカバー体85を張設させたものであるから、左右延設フレーム65a,65b前面側に圃場の泥土が堆積する不具合をなくすことができ、圃場の泥土の堆積による走行抵抗を容易に低減できる。
図34〜図37に示す如く、泥除けカバー体85は、左右延設フレーム65bと作業部搭載フレーム枠体66に上下端部を締結固定する中央カバー181と、中央カバー181に一端側を締結固定する左右のサイドカバー182を有する。左右延設フレーム65bと作業部搭載フレーム枠体66間の空間を中央カバー181にて閉塞している。前側補強板体83a,83bに左右のサイドカバー182の他端側を締結固定し、前側補強板体83a,83bと中央カバー181左右端部間の空間を左右のサイドカバー182にて閉塞している。即ち、前後延設フレーム64a,64bと、左右延設フレーム65a,65b(作業部搭載フレーム枠体66)と、前側補強板体83a,83b間に中央カバー181と左右のサイドカバー182を延設させ、中央カバー181と左右のサイドカバー182にて前面視でトンネル形状の空間を形成し、作業部搭載フレーム枠体66下方側で左右の後部支脚体81a,81b間に入り込む圃場の泥土が、泥除けカバー体85の案内にてスムーズに後方側に移動するように構成している。