JP2016189166A - 化学プラントの制御装置及び操業支援方法 - Google Patents

化学プラントの制御装置及び操業支援方法 Download PDF

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Abstract

【課題】化学プラントの製造プロセスをモデル化し、製造される製品の品質の予測シミュレーションを行うことにより、化学プラントの操業を支援することができる、化学プラントにおける制御装置及び操業支援方法を提供する。
【解決手段】化学プラントの操業支援を行う制御装置であって、前記制御装置は、前記化学プラント内に設けられたセンサーの検出値に対して物理化学計算モデルを参照して、製造される化学物質のセンサー検出時における算出物理化学量を算出し、前記センサー検出時における算出物理化学量に対して工程管理チャートを参照して、前記操業支援のためのガイダンス情報を判別する反応制御部と、前記センサーの検出値、前記センサー検出時における算出物理化学量、及び前記ガイダンス情報を表示する表示部と、からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、化学プラントの操業を支援する技術に関し、特に、化学プラントの製造ラインを取り扱うオペレータのライン制御処理を支援するための制御装置及び操業支援方法に関する。
従来、エチレンやスチレン等の単量体(以下、「モノマー」と呼ぶ)、あるいはナイロンやエラストマーに代表される高分子重合体(以下、「ポリマー」と呼ぶ)等の化学物質を製造する化学プラントは、多くの場合、多量の製品が流れる製造ラインをごく少人数のオペレータが管理することにより操業している。
このような製造ラインで製造される化学物質の品質は、当該製造ラインを取り扱うオペレータの技量、知識あるいは経験に大きく左右されることがあり、例えば熟練者でないオペレータが誤って判断して操作を行うと、必要な製造品質を満たさないばかりでなく、最悪の場合、事故や災害を引き起こす原因となる可能性がある。
また、化学プラントは、容器内で熱化学反応を生じさせるプロセスが多いため製造ラインの内部の状態を視覚的に把握することが困難である。このため、製造ラインの様々な箇所に内部の状態(例えば、温度や圧力等の検出値)を検出するためのセンサーが設けられている。
このような製造ラインにおいては、オペレータ(操業者)は上記のような様々なセンサーによる大量のデータを逐次チェックしてその動向を把握、適切な処理を行う必要があり、オペレータには、製造ライン内部の状態を推測する能力や化学式だけでなく過去の経験に照らして適切な判断を下して操作を行う能力等の非常に高度な知識とスキルが求められる。
また、熟練の操業者が持っている化学プラントの運転ノウハウや技能を伝承することが困難であることは、化学プラントの分野のみでなく現場作業においては大きな課題であり、経験の少ない操業者への技術伝承や教育も含めて、化学プラントを操業時の操業支援を行うことができる技術が求められている。
製造ラインでの操業支援を行う技術として、連続する製造物(連続鋳造による鋼板)が連続的に流れる製造プロセスの操業を支援するための操業支援装置であって、製造プロセスを上記製造物の流れ方向に複数のステージに分け、各ステージ毎に製造物の属性の状態遷移モデルと設備の状態遷移モデルとを作成し、各ステージ内での製造物の属性の状態と設備の状態との間の影響関係を定義して作成した離散モデルを用いて、各ステージ毎に初期状態を設定し、当該初期状態から到達可能な状態を示す各ステージの状態遷移図を作成する第1の状態遷移図作成手段と、当該第1の状態遷移図作成手段により作成した全ステージの状態遷移図を用いて、製造プロセス全体の状態遷移図を作成する第2の状態遷移図作成手段と、を備えた装置が知られている(特許文献1参照)。
また、化学プラントにおける予測オペレーションを実現する技術として、オンラインでデータを取得するとともにその中間値をシミュレーションすることにより計測されていないものを含む連続的な状態量の可視化を行うミラーモデルと、動的補償付データリコンシリエーションによりプラントの機器の性能パラメータを推定する同定モデルと、近未来のプラントの状態予測や最適運転状態の検索等を行う解析モデルと、を含むミラープラントを用いて、酢酸ビニルモノマーの製造プロセスにおけるプラントの内部状態の予測や異常状態の検知を行う方法が知られている(非特許文献1参照)。
特開2012−146269号公報
初谷恵美子、仲矢実、「予測オペレーションを実現するミラープラントHMIの設計と酢酸ビニルモノマープロセスへの適用」、ヒューマンファクターズ、日本プラント・ヒューマンファクター学会、平成26年2月28日、Vol.18 No.2
特許文献1に開示されている操業支援装置によれば、製造物が連続的に流れる製造プロセスを複数のステージに分けて離散モデリングして各ステージの状態遷移図を作成し、作成した各ステージの状態遷移図を用いて製造プロセス全体の状態遷移図を作成することにより、操業者の運転ノウハウを含む操業トラブルの回避や操業トラブル発生時のアクションをガイダンスする等の製造プロセスの操業支援を行うことができるという効果がある。
しかしながら、特許文献1に記載された操業支援装置は、金属材料である鋼の連続鋳造プロセスに適用される操業支援技術であり、当該連続鋳造プロセスにおける鋼の状態変化のみに着目した制御となるため、化学物質どうしの重合反応等の化学反応を生じさせる化学プラントの製造プロセスに対して直接的に適用できるものではない。
一方、非特許文献1に開示されているミラープラントを用いた予測オペレーション技術では、化学プラントへの適用は可能であるものの、化学反応式が比較的単純であるモノマープラントの場合を例示するのみであり、反応の状態が複雑であるポリマープラントでは、分子配向や末端基等が重合反応に影響するため、化学反応の予測モデルを構築することが困難である。
したがって、従来の化学プラントでのポリマーの製造プロセスにおいては、化学反応の終了後に分析をしなければ、製造される製品の品質の良否を確認することができなかった。
こうしたことから、複雑で予測が困難な化学反応を生じさせる化学プラントの内部の製品の品質をリアルタイムで予測するとともに、操業中の操作ガイダンスの表示等の操業支援を行うことができる操業支援技術が求められている。
そこで本発明の目的は、化学プラントの製造プロセスをモデル化し、製造される製品の品質の予測シミュレーションを行うことにより、化学プラントの操業を支援することができる、化学プラントにおける制御装置及び操業支援方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の化学プラントの制御装置は、前記化学プラント内に設けられたセンサーの検出値に対して物理化学計算モデルを参照して、製造される化学物質のセンサー検出時における算出物理化学量を算出し、前記センサー検出時における算出物理化学量に対して工程管理チャートを参照して、前記操業支援のためのガイダンス情報を判別する反応制御部と、前記センサーの検出値、前記センサー検出時における算出物理化学量、及び前記ガイダンス情報を表示する表示部と、からなることを特徴とする。
また、本発明の化学プラントの操業支援方法は、前記化学プラント内に設けられたセンサーの検出値に対して物理化学計算モデルを参照して、製造される化学物質のセンサー検出時における算出物理化学量を算出し、前記センサー検出時における化学物質の算出物理化学量に対して工程管理チャートを参照して、前記操業支援のためのガイダンス情報を判別し、前記センサーの検出値、前記センサー検出時における算出物理化学量、及び前記ガイダンス情報を操業者に対して表示することを特徴とする。
本発明の化学プラントの制御装置及び操業支援方法によれば、化学プラントの製造プロセスをモデル化し、製造される製品の品質の予測シミュレーションを行うことにより、化学プラントの操業を支援することができる。
また、本発明の化学プラントの制御装置及び操業支援方法は、操業者の知識や経験、技能等によらず、適切なタイミングで化学プラントの各種の動作を実行するタイミングやトラブルが発生した際のリカバリー操作等のガイダンス情報を操業者に知らせることができるとともに、装置に異常が発生することを予測し未然に防ぐことが可能となる。
本発明の化学プラントの制御装置及び操業支援方法が適用される製造プロセスをモデル化した製造プロセスモデルの概要図である。 本発明の化学プラントの制御装置及び操業支援方法が適用される化学プラントの概要図である。 本発明の化学プラントの操業支援方法を実行する制御装置の構成を示すブロック図である。 図2に示すポリマー製造装置で実行されるポリマー製造プロセスを示すフローチャートであって、図4(a)は製造プロセス全体の順序を示し、図4(b)は図4(a)における重合工程で実施される工程をさらに細分化したものである。 本発明の実施例1による化学プラントの操業支援方法における具体的な動作を示す工程管理チャートを示す図である。 本発明の実施例1による仮想ステップサブルーチンにおける反応制御部の具体的な動作を示す図である。 本発明の実施例1による予測ステップサブルーチンにおける反応制御部の具体的な動作を示す図である。 本発明の実施例2による仮想ステップサブルーチンにおける反応制御部の具体的な動作を示す図である。 本発明の実施例2による予測ステップサブルーチンにおける反応制御部の具体的な動作を示す図である。 本発明の化学プラントの制御装置における表示部のモニター画面の一例である。
本発明の化学プラントの制御装置及び操業支援方法は、化学プラントの製造プロセスにおいて、製造ライン又は製造装置を制御する操業者の制御動作又は制御指令の入力作業を補佐するものとして適用される。
ここで、本願における「化学プラント」とは、複数の化学物質を混合して反応させ、反応後の物質を生成する工程を実施するための一連の装置を含むものである。
また、本願における「製造装置」とは、複数の化学物質を混合及び反応させるための反応装置と、当該反応装置に上記複数の化学物質をそれぞれ供給するための供給系と、上記反応装置から反応後の生成物を回収する回収系と、これらの動作を制御する制御系と、を含むものである。
本発明に適用される化学プラントで製造される化学物質として、以下の実施例ではポリマーを例示する。ここでいう「ポリマー」は、複数の化学物質を重合反応させることによって得られるものであれば、その物質に特に限定されるものではないが、本発明の一例の実施態様として、以下の(1)式の物理化学式で定義される重合反応で得られるポリマーの場合を説明する。

「蓚酸ジブチル(DBO)」+「ノナンジアミン(NDA)」
→ 「ポリオキサミド」+「ブタノール」 ・・・(1)
<用語の定義>
本明細書において使用される用語については、以下のように定義する。
・「検出値」
上記化学プラントの製造装置に設けられた各種センサーの出力の瞬間値を意味するものであり、例えば重合槽内の温度、圧力やポリマーを攪拌するフィンの電流値、供給配管を流れる物質の温度や圧力、流量等が含まれる。
・「算出物理化学量」
後述する反応制御部で算出されたポリマーの物理的又は化学的性質を示す数値を意味するものであり、上記検出値を以下の物理化学計算モデルあるいは時間的連続モデルに適用することによって算出される。例えば、ポリマーの温度、粘度、重合度等が含まれる。
・「物理化学状態」
ポリマーの相変化や、末端基の活性状態などといった、時間的に連続ではないポリマーの物理的又は化学的な状態の変化を意味する。
・「製造データ」
上記化学プラントで過去に同一又は同様のポリマーの製造プロセスを実施した際に各種センサーから得られた検出値、ポリマーの算出物理化学量、あるいは操業者の操作内容を含む操作履歴等を、製造開始からの時間とともに後述の記憶部に記憶したものを意味する。
・「物理化学計算モデル」
上記(1)式で定義されるポリマーの物理化学式や、重合槽内の温度センサーの検出値とポリマーの温度との関係式、あるいはフィンのトルク値とポリマーの重合度との関係式等が含まれるものであり、化学プラントに設けられた各種センサーの検出値から重合槽内部のポリマーに対するセンサー検出時の算出物理化学量を算出する際に使用される。
・「時間的連続モデル」
上記物理化学計算モデルに含まれる定義式や単純な物理化学モデルで表現できない反応式(例えば、上記式(1)で表現できない副反応やポリマーの分子量分布の影響)等を、重合反応過程における時間の関数で表した演算式等が含まれるものであり、上記センサー検出時の算出物理化学量から所定時間後(例えばt秒後)の算出物理化学量を算出する際や、上記物理化学計算モデルで表現できない反応式についての予測式を構築する際に使用される。
・「離散状態モデル」
ポリマーの上記物理化学状態を表す演算式や計算モデルを意味し、上記センサー検出時又は上記所定時間後の算出物理化学量に適用することにより、センサー検出時あるいは所定時間後のポリマーの物理化学状態を判別する際に用いられる。このような連続的でない離散的な状態変化を記述するために、ペトリネットによるモデリング手法が使用される。
・「工程管理チャート」
化学プラントでの製造プロセスを本発明の制御装置が制御する際に、各工程間の切り替えのタイミング等を上記検出値又は上記算出物理化学量に基づいて判別する際に用いられるものであり、工程及び動作の内容を記述したフローチャートにより表される。
・「ガイダンス情報」
本発明の制御装置が操業者に対して表示を行うことにより、ポリマーの製造工程の次の動作等の示唆を与える情報であり、例えば現在の工程や、次に実施する工程、工程を切り替えるタイミング、あるいはトラブル発生時のリカバリー操作等が含まれる。
・「システムモデル」
化学プラントでの製造プロセスのフローとして表されるものであり、当該ポリマー製造プロセスが現在どのステージにあるかを把握し、そのステージに合わせた上記ガイダンス情報を選択、判別して操業者に提供するために使用される。
・「操作履歴モデル」
化学プラントで過去に実施された製造プロセスにおいて、操業者が後述する制御装置の入力装置を操作して実際に入力した動作の履歴や、操業者が無意識に実施している操作上の行動(例えば、「バルブ操作前にセンサー値が正常運転範囲であることを確認する」等のインタビューやビデオ撮影等によって抽出されるものであって、装置の操作手順書に記載されていない事項)等を後述の記憶部に蓄積したものであり、上記算出物理化学量や物理化学状態に応じて、過去の動作の履歴を参照した上記ガイダンス情報を選択、判別するのに使用される。
<製造プロセスモデルの概要>
図1に、本発明の化学プラントの制御装置及び操業支援方法が適用される製造プロセスをモデル化した製造プロセスモデルの概要を示す。
図1に示すように、化学プラントで実行される製造プロセスの製造プロセスモデル1は、上記のとおり定義された物理化学計算モデル2と、時間的連続モデル3と、離散状態モデル4と、システムモデル5と、操作履歴モデル6と、からなる。
この製造プロセスモデルは、製造プロセスの流れ(現在の進捗状況)をシステムモデル5で把握し、現在の製造プロセスの工程に応じて、センサーの検出値に対して物理化学計算モデル2と時間的連続モデル3とを参照することにより、プラント内の化学物質の算出物理化学量を算出するとともに、その算出結果に対して離散モデルを参照してプラント内の化学物質の物理化学状態を判別する。
そして、算出された算出物理化学量及び判別された物理化学状態に対して、操作履歴モデル6を参照することにより、プラント内の化学物質の物理量や物理化学状態に応じて、過去の運転動作に基づくガイダンス情報を抽出することができる。
このような製造プロセスモデルを用いることにより、化学プラント内部の化学物質の状態を予測するとともに、操業者に運転動作の示唆を与えることができるため、トラブル発生時のリカバリー操作の情報を提供することができる。
また、上記製造プロセスモデルは、実際の運転中以外に仮想のセンサーの検出値を与えることにより、仮想条件による操業シミュレーションを行うことも可能となり、化学プラントの運転動作のシミュレータとして、経験の浅い操業者の教育等にも利用することができる。
<ポリマー製造装置の概要>
図2に、本発明の化学プラントの制御装置及び操業支援方法を代表的な化学物質のうちの「ポリマー」に適用した場合の一例として、化学プラントにおけるポリマー製造装置の概要を示す。
本発明が適用されるポリマー製造装置は、代表的な適用例のうちの一例として上記(1)式で示した物理化学式による製造プロセスの場合に適用すると、図1に示すように、原材料である蓚酸ジブチル(DBO)とノナンジアミン(NDA)とを混合及び反応させる反応装置10と、当該反応装置10に蓚酸ジブチル、ノナンジアミン及び窒素ガス(N)をそれぞれ供給する供給系20と、上記反応装置10から反応後の生成物を回収する回収系30と、を含む。
反応装置10は、原材料の化学物質を内部で重合反応させる重合槽11と、該重合槽11の内部を昇温又は降温させるための媒体の温度を制御する熱交換器12と、上記媒体を重合槽11と熱交換器12との間で循環させる循環ポンプ13と、を含む。
重合槽11は、内部に複数の化学物質を攪拌するフィン11aを備えており、投入された複数の化学物質(蓚酸ジブチル及びノナンジアミン)は、重合槽11の内部において温度管理下で攪拌されつつ重合反応する。
また、重合槽11、熱交換器12及び循環ポンプ13は、互いの間を上記媒体が流通する配管で接続されている。
なお、反応装置10を構成する構成要素には、それぞれ図示しない温度計や圧力計等のセンサーが取り付けられており、各構成要素でのセンサー検出時(リアルタイム)の検出値を検出して後述の反応制御部に情報を送るように構成されている。
図2では示されていないが、重合槽11は内壁面と該壁面との間に上記媒体が流通できる流路を備えた構造となっている。
例えば、重合槽11の内部を昇温させる場合、熱交換器12で加熱された媒体を循環ポンプ13で重合槽11に送り、上記流路を媒体が流通する間に重合槽11の内部を所望の温度まで加熱する。
一方、重合槽11の内部を降温させる場合、熱交換器12で冷却された媒体を循環ポンプ13で重合槽11に送り、上記流路を媒体が流通する間に重合槽11の内部を所望の温度まで冷却する。
そして、重合槽11内部の温度の制御は、例えば上記したセンサーと後述の反応制御部とによるフィードバック制御等で行われる。
また、フィン11aを回転させるモータからは、例えばモータの回転数及びトルク等が検出される。
供給系20は、蓚酸ジブチル(DBO)を反応装置10の重合槽11に供給する第1の供給系21と、ノナンジアミン(NDA)を反応装置10の重合槽11に供給する第2の供給系22と、窒素ガス(N)を反応装置10の重合槽11に供給する第3の供給系23と、を含む。
第1の供給系21は、DBOの供給源21aと、重合槽11に供給する前に一時的に蓚酸ジブチルを貯留するリザーバー21bと、該リザーバー21bに貯留されたDBOを送るためのフィードポンプ21cと、DBOの供給量を調整するバルブ21dと、を備え、DBOの供給源21a、リザーバー21b、フィードポンプ21c、バルブ21d及び重合槽11は、それぞれ供給配管で接続されている。
第2の供給系22は、第1の供給系21と同様の構成を備えているが、説明及び図示が重複するため省略する。
また、第3の供給系23は、ボンベ等の窒素ガスの供給源23aと、窒素ガスの供給量を調整するバルブ23dと、を備え、窒素ガスの供給源23a、バルブ23d及び重合槽11は、それぞれ供給配管で接続されている。
なお、供給系20を構成する構成要素には、それぞれ図示しない温度計や圧力計等のセンサーが取り付けられており、各構成要素でのセンサー検出時(リアルタイム)の検出値を検出して後述の反応制御部に情報を送るように構成されている。
回収系30は、生成されたポリマーを反応装置10の重合槽11から取り出す第1の回収系31と、重合反応で生じるブタノールを重合槽11から回収する第2の回収系32と、を含む。
第1の回収系31は、重合槽11から生成されたポリマーを流出させる流出口の開閉を行うバルブ31aと、該バルブ31aから流出したポリマーを所望の大きさのペレットに成形するペレタイザー(造粒機)31bと、を備え、重合槽11、バルブ31a及びペレタイザー31bは、それぞれ配管で接続されている。
第2の回収系32は、ポリマーの重合反応時に副産物として生成されるブタノールを重合槽11から流出させる流路の開閉を行うバルブ32aと、該バルブ32aを通過したブタノールガスを液化させるコンデンサー(復水器)32bと、コンデンサー32bで液化したブタノール液を貯蔵及び回収するタンク32cと、を備え、重合槽11、バルブ32a、コンデンサー32b及びタンク32cは、それぞれ配管で接続されている。
また、第2の回収系32に設けられているバルブ32aは、操業者の指令又は調整によって開弁してポリマーの重合反応時にブタノールを回収する機能の他に、上記ブタノールの発生により重合槽11の内圧が所定値より大きくなることがないように、当該所定値(例えば0.5MPa)で自動的に開弁する安全弁としての機能を併せ持っている。
なお、回収系30を構成する構成要素には、それぞれ図示しない温度計や圧力計等のセンサーが取り付けられており、各構成要素でのセンサー検出時(リアルタイム)の検出値を検出して後述の反応制御部に情報を送るように構成されている。
<制御装置の概要>
図3は、本発明の化学プラントの操業支援方法を実行する代表的な制御装置の一例について、その構成を示すブロック図である。
図3に示すように、本発明の制御装置100は、代表的な一態様として、ポリマー製造装置の過去の製造データ、上記センサーで検出された検出値、後述する演算処理部で演算されたポリマーの算出物理化学量等のデータを記憶及び保存する記憶部110と、上記センサーの検出値に基づいてポリマーの算出物理化学量を算出するとともに、上記ポリマー製造装置の動作を制御する反応制御部120と、上記センサーの検出値、ポリマーの算出物理化学量、及び操業支援情報を表示する表示部130と、を備えている。
記憶部110は、反応制御部120と接続されて電気信号をやり取りし、上記化学プラントのポリマー製造装置で過去に同一又は同様のポリマーの製造を実施した際に各種センサーから得られた検出値、後述する演算処理部で演算されたポリマーの算出物理化学量等のデータ、あるいは操業者の操作内容を含む操作履歴等を、製造開始からの時間とともに記憶及び保存する。
ここで、本発明のポリマー製造装置を用いたポリマー製造プロセスにおいて、記憶部110に記憶及び保存されるデータは、後述する演算処理部における演算処理で微小単位時間経過する毎に蓄積されるように構成されている。なお、記憶部110のデータ容量を抑制したい場合は、上記微小単位時間毎のデータを所定の間隔毎のデータとしてその間のデータを間引いて蓄積すればよい。
このようにして、記憶部110には、現在の製造プロセスでの製造データや操業者が実行する操作履歴等を含む過去の情報が、いわゆるノウハウとして蓄積されていく。
反応制御部120は、その一例として図3に示すように、主制御部121と演算処理部122とを含む。
主制御部121は、記憶部110及び表示部130との間で指令信号やデータ等のやり取りを行うとともに、演算処理部122に工程管理ルーチンを用いたポリマーの算出物理化学量の算出動作を行うように指令信号を発する。
また、主制御部121は、ポリマー製造装置とも接続されており、当該ポリマー製造装置の各構成要素に駆動又は停止指令を送るとともに、各構成要素に取り付けられたセンサーからの出力を受け取り、これらの検出値を記憶部110、演算処理部122及び表示部130に送る機能を備えている。
演算処理部122は、反応制御部140からの指令を受けて主たる演算処理動作を行う主処理部122aと、後述する仮想ステップサブルーチンを実行する仮想演算部122bと、同様に後述する予測ステップサブルーチンを実行する予測演算部122cと、を含んでいる。
主処理部122aには、主たる演算処理動作を実行するためのプログラムが内蔵されており、仮想演算部122b及び予測演算部122cは、主処理部122aの主たる演算処理動作中に実行されるサブの演算動作(サブルーチン)を実行するように構成されている。
ここで、図3では、演算処理部122に主処理部122aと仮想演算部122bと予測演算部122cとがそれぞれ別個の処理部として含まれるものを例示しているが、これらの処理部を一つの処理部として適宜組み合わせて構成してもよい。
また、主処理部122aに内蔵されている上記プログラムは、上記仮想演算部122b及び予測演算部122cが実行するサブルーチンで使用される物理化学計算モデルと、時間的連続モデルと、離散状態モデルと、を含む。
表示部130は、反応制御部120と接続されており、例えば反応制御部120からの表示指令を受けて、ポリマー製造装置を操作する操業者に各種検出値やポリマーの算出物理化学量等の操作情報を表示するモニターと、操業者が実際に操作を行うための入力装置と、を含む。
操業者に表示される操作情報としては、各センサーから検出される検出時(リアルタイム)での検出値、上記演算処理部122で演算されたポリマーの算出物理化学量及びその予測値、あるいは操業者への次の動作の示唆やトラブル発生時のリカバリー操作を含むガイダンス情報等が挙げられる。
また、入力装置としては、キーボードやボタン式等の各種の入力手段を採用できる。さらに、モニターと入力装置とを統合したタッチパネル方式の表示手段を用いてもよい。
<ポリマー製造工程の概要>
以下に、本発明のポリマー製造装置の制御装置を用いたポリマー製造工程の一例について、その概要を示す。
図4は、ポリマー製造装置で実行されるポリマー製造プロセスを示すフローチャートであって、図4(a)は製造プロセス全体の順序を示し、図4(b)は図4(a)における重合工程で実施される工程をさらに細分化したものを示す。
図2に示したポリマー製造装置を用いて上記(1)式の物理化学式で定義される重合反応によりポリマーを製造するポリマー製造プロセスは、図4(a)に示すように、NDA(ノナンジアミン)投入工程S1と、重合工程S2と、造粒工程S3と、からなる。
NDA投入工程S1は、重合反応させる2つの化学物質のうちNDAを予め決められたモル量だけ重合槽内に投入しておく工程であり、図2に示す第2の供給系22を用いて、所定量のNDAを重合槽11内に供給する。
重合工程S2は、予めNDAが投入されて温度や圧力が制御された重合槽11内にDBO(蓚酸ジブチル)を投入し、上記(1)式のような重合反応を生じさせてポリマーを生成する工程であり、その詳細については後述する。
造粒工程S3は、反応後に生成されたポリマーを図2に示すペレタイザー(造粒機)31bによって所望の大きさのペレット(粒状体)に成形する工程であり、成形後のポリマーは、例えば直径3mm程度の球状の粒子として製品となる。
図4(b)に示すように、重合工程S2は、NDA融解工程S21と、混合・反応工程S22と、静置工程S23と、からなる。
NDA融解工程S21は、重合槽11内にDBOを供給する前に、予め投入されたNDAが反応に適した溶融状態(温度及び粘度)となるように加熱及び攪拌する工程であり、重合槽11を温度管理のもとで加熱するとともに、NDAが所定の攪拌開始温度(例えば50℃)に到達したらフィン11aを回転駆動して攪拌を行う。そして、NDAの温度が所定の重合開始温度(例えば150℃)に到達したら混合・反応工程S22に移行する。
混合・反応工程S22は、重合槽11にDBOを供給し、融解したNDAと混合することにより、上記(1)式に記載した重合反応を生じさせる工程であり、重合槽11に第1の供給系21からDBOを供給し、DBOとNDAとの重合反応が十分に進行するまで重合槽11内の加熱と攪拌とを継続する。このとき、重合反応の副産物として発生するブタノールを重合槽11内から吸い出して回収する。
そして、重合槽11内で十分に反応が進行しかつ内部が大気圧程度まで低下したら静置工程S23に移行する。
静置工程S23は、生成されたポリマーを回収する造粒工程S3を実施する前に、当該ポリマーが重合反応や攪拌によって内部に巻き込んでいる気体(気泡)を除去するための工程であり、重合槽11内のフィン11aによる攪拌を停止するとともに、槽内を気密にして内部に高圧の窒素(N)を供給することにより、ポリマーの表面から気圧をかけてポリマー内部の気泡を排出させる。
そして、静置工程S23で所定時間を経過させた後、造粒工程S3に移行する。
<実施例1>
本発明の化学プラントの制御装置及び操業支援方法は、図4(a)及び図4(b)に示す各工程において適用することができるが、以下では、その具体例として、重合工程S2の混合・反応工程S22に適用した場合を説明する。
すなわち、以下の具体例を実施する前に、図2に示すポリマー製造装置では、予め第1の供給系21を用いて、重合槽11内にNDAを投入しておく。
そして、重合槽11の内部のNDAがDBOとの重合反応に適した物理化学状態となるまで、重合槽11の内部を加熱しつつ溶融したNDAをフィン11aで攪拌する。
これらの動作の終了を確認した操業者は、制御装置の入力装置を用いて、混合・反応工程の開始を指示する。
すると、図3に示す反応制御部120の主制御部121が、演算処理部122に混合・反応工程の開始を指令する信号を発し、この信号を受けた演算処理部122の主処理部122aは、混合・反応工程の主たる演算処理動作を行うプログラムを読み出して処理を開始する。
図5は、本発明のポリマー製造装置の操業支援方法の混合・反応工程における具体的な動作を示す工程管理チャートを示す図である。
図5に示すように、混合・反応工程では、まず反応制御部120と接続されているポリマー製造装置の各構成要素に取り付けられているセンサーから検出値を取得する(ステップS221)。
このとき、混合・反応工程では、上記センサー検出時における検出値として、例えば重合槽11内の温度、圧力、熱交換器12との間で循環する媒体の温度、フィン11aを回転させるモータの電流値及び回転数、第1の供給系21の配管内でのDBOの流量、混合・反応工程を開始してからの経過時間等が挙げられる。
続いて、主処理部122aは、仮想演算部122bに仮想ステップサブルーチンS222を実行させる。
仮想ステップサブルーチンS222は、上記ステップS221で取得したセンサーの検出値に対して物理化学計算モデルを参照して、仮想演算部122bがセンサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量(例えば、重合反応後のポリオキサミドの温度や粘度等)を算出するものである。
このとき、製造されるポリマーが、上記(1)式のように物理化学式で表すことができないものである場合、上記過去の製造データと時間的連続モデルとを組み合わせて近似物理化学計算モデルを構築し、当該近似物理化学計算モデルを参照することにより、センサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量を算出することも可能である。
次に、主処理部122aは、予測演算部122cに予測ステップサブルーチンS223を実行させる。
予測ステップサブルーチンS223は、上記ステップS222で演算したセンサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量に対して時間的連続モデルを参照して、予測演算部122cが所定時間後におけるポリマーの算出物理化学量(例えば、ポリオキサミドの温度や粘度等)を算出するものである。
予測演算部122cでは、上記物理化学計算モデルと時間的連続モデルを用いて、センサー検出時から微小単位時間(例えば0.1秒)後の連続的なポリマーの算出物理化学量を演算する時間的連続モデル演算と、当該連続的なポリマーの算出物理化学量に対して離散状態モデルを参照して、物質の相変化や末端基の活性状態等のポリマーの物理化学状態を判別する離散状態モデル判別と、を上記微小単位時間の積算値が所定時間(例えば5.0秒)となるまで繰り返し、上記微小単位時間の積算値が上記所定時間となったときの最終的な上記連続的なポリマーの算出物理化学量を、上記所定時間後におけるポリマーの算出物理化学量として出力する。
続いて、主処理部122aは、上記ステップS222で取得されたセンサーの検出値と、上記仮想ステップサブルーチンS222で算出されたセンサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量と、上記予測ステップサブルーチンS223とで算出された所定時間後におけるポリマーの算出物理化学量と、のデータをそれぞれ主制御部121に送る(ステップS224)。
このステップS224で主処理部122aからの上記データを受けた主制御部121は、表示部130にこれらのデータを表示するように指令信号を出力する。この指令信号を受けた表示部130は、送られてきたポリマー製造装置のセンサーの検出値やポリマーの算出物理化学量等のデータをモニターに出力する。
そして、表示部130の表示を見た操業者は、同一の条件で重合槽11内の加熱及び攪拌を継続するか、操業者の判断で加熱条件又は攪拌条件(例えばフィン11aの回転数)等を適宜調整する。
また、主制御部121は、上記送られてきたデータ及び操作履歴を記憶部110にも送信し、新たな製造データとして記憶・蓄積させる。
続いて、主処理部122aは、重合槽11に供給されるDBOのフィード量が所定値に達したかどうかを判別する(ステップS225)。
このときの判別は、例えば図2の第1の供給系21の配管に設けられたセンサーで検出されるDBOの流量値を積算することでフィード量を算出し、当該フィード量を用いて判別することができる。
ここで、ステップS225での判別結果が「Yes」の場合、主処理部122aは反応制御部140にDBOの供給停止の指令信号を出力する(ステップS226)。
そして、ステップS226で出力されたDBOの供給停止の指令信号を受けた主制御部121は、表示部130に重合槽11内に所定量のDBOが供給されたことを表示するよう指令信号を出力する。この指令信号を受けた表示部130は、モニターに重合槽11内に所定量のDBOが供給されたとのガイダンス情報を表示する。
この表示を見た操業者は、入力装置を用いて第1の供給系21のフィードポンプ21cのスイッチをOFFにし、DBOの供給を停止する。このような動作により、予め重合槽11内に投入されていたNDAと供給されるDBOとを過不足なく反応させることができる。
一方、ステップS225での判別結果が「No」の場合、主処理部122aはDBOの供給量が所定量に達していないと判断して、ステップS227に移行する。
続いて、主処理部122aは、重合槽11の内圧が常圧(大気圧)より低いかどうかを判別する(ステップS227)。
上記(1)式で示したとおり、DBOとNDAとの重合反応により、製品となるポリマーの他に、副産物としてブタノールがガスとして発生する。一方、混合・反応工程が開始した段階では、重合槽11は第1の供給系21の供給配管以外とは連通していないため、上記発生したブタノールガスが重合反応の進行とともに重合槽11内に充満して内圧が上昇する。
そこで、ステップS227での判別結果が「No」の場合、主処理部122aは主制御部121にブタノールを回収する指令信号を出力する(ステップS228)。
ステップS228で出力されたブタノール回収の指令信号を受けた主制御部121は、表示部130に第2の回収系32のバルブ32aを開けてブタノールガスを回収することを表示するよう指令信号を出力する。この指令信号を受けた表示部130は、モニターにブタノールを回収する動作を実行すべきとのガイダンス情報を表示する。
そして、この表示を見た操業者は、入力装置を用いて第2の回収系32のバルブ32aのスイッチをONにし、重合槽11内のブタノールガスを回収する。
続いて、主処理部122aは、重合反応が終了したかどうかを判別する(ステップS229)。
NDAとDBOとの重合反応が終了したかどうかは、例えば両者が過不足なく反応した場合に所定の粘度にまで上昇することを利用して、上記仮想ステップサブルーチンS222で演算したセンサー検出時におけるポリマーの粘度が所定値まで上昇したかどうかで判別する。
そして、ステップS229での判別結果が「No」の場合、主処理部122aは、重合槽11内で重合反応が進行中であるとして、本工程管理チャートのスタートに戻って再度S221〜S229までの動作を繰り返す。
一方、ステップS228での判別結果が「Yes」の場合、主処理部122aは、重合槽11内でのNDAとDBOとの重合反応がすべて終了し、かつ重合槽11内のブタノールをすべて回収したものと判断し、混合・反応工程を終了して続く静置工程に移行するように主制御部121に指令信号を出力する。
主処理部122aから上記静置工程に移行する指令信号を受けた主制御部121は、表示部130に重合槽11内の重合反応がすべて終了したことを表示するよう指令信号を出力する。
この指令信号を受けた表示部130は、モニターに重合槽11内の重合槽11内の重合反応がすべて終了したとのガイダンス情報を表示する。この表示を見た操業者は、入力装置を用いて第1の供給系21からDBOを供給するスイッチと第2の回収系32でブタノールを回収するバルブのスイッチとをいずれもOFFにし、重合槽11内に第3の供給系23から高圧の窒素ガスを供給するスイッチをONとする。
図6は、図5に示す仮想ステップサブルーチンS222における仮想演算部122bの具体的な動作を示す図である。
図6に示すように、仮想演算部122bは、主処理部122aからセンサーの検出値を取得(引き継ぎ)する(ステップSS11)。
そして、主処理部122aが内蔵しているプログラムの物理化学計算モデルに含まれるポリマーの物理化学式(上記(1)式)や伝熱計算式等を抽出するとともに、記憶部110から過去の製造データにおける混合・反応工程を実施したときのデータを読み出す(ステップSS12)。
ここで、過去の製造データには、例えば混合・反応工程におけるポリマーの温度や粘度についての適正範囲やその平均値等が、製造開始からの時間とともに含まれる。
また、上述のとおり、製造されるポリマーが、上記(1)式のように物理化学式で表すことができないものである場合、上記過去の製造データと時間的連続モデルとを組み合わせて近似物理化学計算モデルを構築し、当該近似物理化学計算モデル参照することにより、センサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量を算出することも可能である。
続いて、仮想演算部122bは、取得したセンサーの検出値に対して上記物理化学計算モデルから抽出した式を参照して、センサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量(例えばポリオキサミドの温度や粘度)を算出する(ステップSS13)。
ここで、センサー検出時におけるポリマーの温度を演算する場合、例えばポリマーの初期温度や加熱する媒体の温度等を含む非定常の熱伝導式に必要な検出値を代入することにより求めることができる。
また、センサー検出時におけるポリマーの粘度を演算する場合、例えばフィン11aを回転させるモータのトルクを検出し、当該モータのトルクとポリマーの粘度との関係式から粘度を求めることもできる。
続いて、仮想演算部122bは、ステップSS13で算出したセンサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量が、過去の製造データの適切な範囲に含まれているかどうかを判別する(ステップSS14)。
このときの判別は、例えば算出したポリマーの温度が重合前のポリマーの適切な温度の上限値(第1の閾値)を超えるかどうかで判別することができる。
ステップSS14において、ステップSS13で算出したセンサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量が上記第1の閾値内である(すなわち「Yes」)と判別した場合、そのまま次のステップSS15に進む。
一方、ステップSS14における判別が「No」の場合、重合槽11内のポリマーの重合状態が異常であると判断してステップSS16に進む。
ここで、ステップSS14の判別手法として、算出されたセンサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量が第1の閾値内である場合を例示したが、第1の閾値を上限値及び下限値を有する所定の範囲として、その所定の範囲内にあるかどうかで判別するようにしてもよい。
続いて、仮想演算部122bは、上記センサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量が、混合・反応工程の経過時間に対して過去の製造データとの間にどの程度の差異があるかどうかを判別する(ステップSS15)。
上記のとおり、本発明のポリマー製造装置の制御装置100における記憶部110には、過去の製造データとして、例えば適切な混合・反応工程を行った場合のポリマーの算出物理化学量(温度や粘度)と時間との関係を示すデータも記憶されている。
そこで、ステップSS15においては、例えばステップSS11で取得した経過時間における過去の適切な製造データの算出物理化学量に対して、算出したセンサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量が所定のバラツキ(例えば標準偏差)の範囲内にあるかどうかを判別する。
そして、算出したセンサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量が所定のバラツキの範囲内にある(すなわち「Yes」)と判別した場合、仮想演算部122bは、上記センサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量を主処理部122aに出力してルーチンを終了する。
一方、ステップSS15における判別が「No」の場合、重合槽11内のポリマーの重合状態が異常であると判断してステップSS16に進む。
上記のとおり、ステップSS14及びステップSS15での判別がそれぞれ「No」となった場合は、異常と判断されたセンサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量の種類とその数値を特定し(ステップSS16)、当該センサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量の種類と数値とを反応制御部140に送るとともに、警告の表示を指令する警告指令信号を併せて出力する(ステップSS17)。
上記警告指令信号を受けた主制御部121は、表示部130に重合槽11内のポリマーの算出物理化学量が異常であることを表示するよう指令信号を出力する。
この指令信号を受けた表示部130は、モニターに重合槽11内の上記センサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量を表示するとともに、当該センサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量が異常であるとの警告情報を表示する。この表示を見た操業者は、入力装置を用いてポリマー製造装置の動作を停止させ、加熱条件の見直しや装置の故障の有無の確認等の対応を行う。
図7は、図5に示す予測ステップサブルーチンS223における予測演算部122cの具体的な動作を示す図である。
図7に示すように、予測演算部122cは、主処理部122aからセンサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量を取得(引き継ぎ)する(ステップSS21)。
そして、主処理部122aが内蔵しているプログラムの物理化学計算モデルに含まれるポリマーの物理化学式や伝熱計算式、時間的連続モデルに含まれるポリマーの算出物理化学量と時間との関数の定義式、あるいは離散状態モデルに含まれるポリマーの算出物理化学量とポリマーの相状態を示す関係式等を抽出するとともに、記憶部110から過去の製造データにおける混合・反応工程を実施したときのデータを読み出す(ステップSS22)。
ここで、過去の製造データには、例えば混合・反応工程におけるポリマーの温度や粘度についての適正範囲やその平均値等が、製造開始から時間とともに含まれる。
続いて、予測演算部122cは、所定時間tだけ経過後のポリマーの算出物理化学量を予測するための変数tをリセットし(ステップSS23)、次いで当該変数tに微小単位時間Δtを加える(ステップS24)。
ここで、微小単位時間Δtは、例えば0.1秒が採用されるが、演算する処理装置(コンピュータ等)の性能に応じてさらに微小な間隔の時間等も採用可能である。
続いて、予測演算部122cは、取得したセンサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量に対して上記時間的連続モデルから抽出した式を参照して、上記した時刻tにおけるポリマーの算出物理化学量(例えばポリオキサミドの温度や粘度)を算出する(ステップSS25)。
ここで、時刻tにおけるポリマーの温度を算出する場合、例えば有限要素法等の空間的な近似手法を微小単位時間での変化等を考慮して演算することにより求めることができる。
また、時刻tにおけるポリマーの粘度を算出する場合、例えばフィン11aを回転させるモータのトルクを検出し、当該モータのトルクとポリマーの粘度との間の時間を変数とする関係式から粘度を求めることもできる。
次に、予測演算部122cは、ステップSS25で算出された時刻tにおけるポリマーの算出物理化学量に対して離散状態モデルを参照して、時刻tにおける物質の相状態や末端基の活性状態等のポリマーの物理化学状態を判別する(ステップSS26)。
続いて、予測演算部122cは、現時点での時刻tが予め設定した所定時間(目標値)と一致したかどうかを判別する(ステップSS27)。
ここで、ステップSS27での判別が「Yes」である場合、所定時間後におけるポリマーの算出物理化学量が算出されたと判断して次のステップSS28に進む。
一方、ステップSS27での判別が「No」である場合、ステップSS24に戻って再びステップSS24〜ステップSS26の動作を繰り返す。
続いて、予測演算部122cは、ステップSS25で演算した時刻tにおけるポリマーの算出物理化学量が、過去の製造データの適切な範囲に含まれているかどうかを判別する(ステップSS28)。
このときの判別は、例えば算出したポリマーの温度が重合前のポリマーの適切な温度の上限値(第2の閾値)を超えるかどうかで判別することができる。
ステップSS28において、ステップSS25で算出した時刻tにおけるポリマーの算出物理化学量が上記第2の閾値内である(すなわち「Yes」)と判別した場合、そのまま次のステップSS29に進む。
一方、ステップSS28における判別が「No」の場合、重合槽11内のポリマーの重合状態が異常であると判断してステップSS30に進む。
ここで、ステップSS28の判別手法として、演算された時刻tにおけるポリマーの算出物理化学量が第2の閾値内である場合を例示したが、第2の閾値を上限値及び下限値を有する所定の範囲として、その所定の範囲内にあるかどうかで判別するようにしてもよい。
また、判別されるポリマーの算出物理化学量が同一(例えば温度や粘度等)である場合は、上記第2の閾値を図5に示した第1の閾値と同一のものとしてもよい。
続いて、仮想演算部122bは、上記時刻tにおけるポリマーの算出物理化学量が、混合・反応工程の経過時間に対して過去データとの間にどの程度の差異があるかどうかを判別する(ステップSS29)。
上記のとおり、本発明のポリマー製造装置の制御装置100における記憶部110には、過去の製造データとして、例えば適切な混合・反応工程を行った場合のポリマーの算出物理化学量(温度や粘度)と時間との関係を示すデータも記憶されている。
そこで、ステップSS29においては、例えばステップSS21で取得した経過時間における過去の適切な製造データの算出物理化学量に対して、算出した時刻tにおけるポリマーの算出物理化学量が所定のバラツキ(例えば標準偏差)の範囲内にあるかどうかを判別する。
そして、算出した時刻tにおけるポリマーの算出物理化学量が所定のバラツキの範囲内にある(すなわち「Yes」)と判別した場合、予測演算部122cは、上記時刻tにおけるポリマーの算出物理化学量を所定時間後におけるポリマーの算出物理化学量として、主処理部122aに出力してルーチンを終了する。
一方、ステップSS29における判別が「No」の場合、重合槽11内のポリマーの重合状態が異常であると判断してステップSS30に進む。
なお、判別されるポリマーの算出物理化学量が同一(例えば温度や粘度等)である場合は、上記標準偏差を図6に示したものと同一としてもよい。
上記のとおり、ステップSS28及びステップSS29での判別がそれぞれ「No」となった場合は、異常と判断されたポリマーの算出物理化学量の種類とその数値を特定し(ステップSS30)、当該ポリマーの算出物理化学量の種類と数値とを主制御部121に送るとともに、警告の表示を指令する警告指令信号を併せて出力する(ステップSS31)。
上記警告指令信号を受けた主制御部121は、表示部130に重合槽11内の所定時間後におけるポリマーの算出物理化学量が異常と予測されることを表示するよう指令信号を出力する。
この信号を受けた表示部130は、モニターに重合槽11内の上記所定時間後におけるポリマーの算出物理化学量を表示するとともに、当該所定時間後における算出物理化学量が異常と予測されること意味する警告情報を表示する。
この表示を見た操業者は、表示部130に表示されているセンサー検出時におけるセンサーの検出値に異常がないかどうか確認するとともに、必要に応じて、入力装置を用いてポリマー製造装置の動作を停止させ、加熱条件の見直しや装置の故障の有無の確認等の対応を行う。
本発明の制御装置100は、反応制御部120の主制御部121が上記の動作を演算処理部122に実行させることにより、混合・反応工程でのセンサー検出時及び所定時間後におけるポリマーの算出物理化学量を算出し、従来は困難であった重合槽内部のポリマーの物理化学状態を予測することができる。
そして、上記センサー検出時及び所定時間後におけるポリマーの算出物理化学量の算出を行う際に過去の製造データに対する異常状態の判別を行う機能を設けることにより、混合・反応工程中に重合槽11の内部で異常な重合反応が生じた場合であっても、ポリマー製造装置の異常な事象を検知し、又は所定時間後における異常な事象を含む警告情報を操業者に提供することが可能となる。
<実施例2>
以下、本発明の化学プラントの制御装置及び操業支援方法の第2の具体例として、混合・反応工程S22の仮想ステップサブルーチン及び予測ステップサブルーチンにおいて、操作履歴モデルを参照した判断を追加した場合を説明する。
ここで、実施例2においては、図5に示したものと同一の工程管理チャートを用いて混合・反応工程を実施する。また、図6及び図7に示した仮想ステップサブルーチン及び予測ステップサブルーチンで実行する動作と大部分が共通するため、以下では実施例2において追加された部分を中心に説明する。
図8は、本発明の実施例2による仮想ステップサブルーチンS222における具体的な動作を示す図である。
すなわち、実施例2において、仮想演算部122bは、実施例1の場合と同様に、主処理部122aからセンサーの検出値を取得(引き継ぎ)し、記憶部110から過去の製造データにおける混合・反応工程を実施したときのデータを読み出し、センサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量(例えばポリオキサミドの温度や粘度)を算出する(ステップSS11〜SS13)。
続いて、仮想演算部122bは、ステップSS13で算出したセンサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量が、過去の製造データの適切な範囲に含まれているかどうかを判別し、その後、上記センサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量が、混合・反応工程の経過時間に対して過去データとの間にどの程度の差異があるかどうかを判別する(ステップSS14〜SS15)。
そして、算出したセンサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量が所定のバラツキの範囲内にある(すなわち「Yes」)と判別した場合、仮想演算部122bは、上記センサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量を主処理部122aに出力してルーチンを終了する。
一方、ステップSS14又はSS15における判別が「No」の場合、重合槽11内の重合反応が異常状態であると判断してステップSS16に進む。
上記のとおり、ステップSS14及びステップSS15での判別がそれぞれ「No」となった場合、仮想演算部122bは、異常と判断されたポリマーの算出物理化学量の種類とその数値を特定する(ステップSS16)。
その後、仮想演算部122bは、上記操作履歴モデルを参照することにより、上記異常と判断されたセンサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量の種類及び数値に対応する過去の操業者による操作履歴から、現在発生している異常状態からリカバリーするための動作をガイダンス情報として選択、判別する(ステップSS17)。
なお、操作履歴モデルを参照してもリカバリーしきれないと判断できる程度の異常な数値が算出された場合には、リカバリー動作なしとするガイダンス情報を判別するように構成することもできる。
そして、仮想演算部122bは、上記ポリマーの算出物理化学量の種類及び数値と上記ガイダンス情報とを主制御部121に送るとともに、警告の表示を指令する警告指令信号を併せて出力する(ステップSS18)。
上記警告指令信号を受けた主制御部121は、表示部130に重合槽11内の重合反応が異常状態であること、及びその異常状態をリカバリーするためのガイダンス情報を表示するよう指令信号を出力してルーチンを終了する。
この指令信号を受けた表示部130は、モニターに重合槽11内の上記ポリマーの算出物理化学量及びガイダンス情報を表示するとともに、重合槽11内の重合反応が異常状態であるとの警告情報を表示する。この表示を見た操業者は、入力装置を用いて上記ガイダンス情報に基づくポリマー製造装置への操作入力を実行し、異常な反応状態のリカバリー動作を行う。
なお、上記のとおり、操作履歴モデルを参照してもリカバリーしきれないと判断できる程度の異常な数値が算出された場合には、操業者に警告情報のみを表示し、ポリマー製造装置の緊急停止を促すこともできる。
図9は、本発明の実施例2による予測ステップサブルーチンS223における具体的な動作を示す図である。
すなわち、実施例2において、予測演算部122cは、主処理部122aからセンサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量を取得(引き継ぎ)し(ステップSS21)、記憶部110から過去の製造データにおける混合・反応工程を実施したときのデータを読み出す(ステップSS21〜SS22)。
続いて、予測演算部122cは、所定時間tだけ経過後のポリマーの算出物理化学量を予測するための変数tをリセットし、次いで当該変数tに微小単位時間Δtを加える(ステップSS23〜SS24)。
ここで、微小単位時間Δtは、実施例1の場合と同様に、例えば0.1秒が採用されるが、演算する処理装置(コンピュータ等)の性能に応じてさらに微小な間隔の時間等も採用可能である。
続いて、予測演算部122cは、実施例1の場合と同様に、取得したセンサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量に対して上記時間的連続モデルから抽出した式を参照して、上記した時刻tにおけるポリマーの算出物理化学量(例えばポリオキサミドの温度や粘度)を算出する(ステップSS25)。
次に、予測演算部122cは、ステップSS25で算出された時刻tにおけるポリマーの算出物理化学量に対して離散状態モデルを参照して、時刻tにおける物質の相状態や末端基の活性状態等のポリマーの物理化学状態を判別する(ステップSS26)。
続いて、予測演算部122cは、ステップSS25で算出した時刻tにおけるポリマーの算出物理化学量が、過去の製造データの適切な範囲に含まれているかどうかを判別し(ステップSS27)、その後、上記時刻tにおけるポリマーの算出物理化学量が、混合・反応工程の経過時間に対して過去データとの間にどの程度の差異があるかどうかを判別する(ステップSS28)。
そして、算出した時刻tにおけるポリマーの算出物理化学量が所定のバラツキの範囲内にあると判別した場合(すなわちステップSS27及びSS28において、いずれも「Yes」と判別した場合)、予測演算部122cは、現時点での時刻tが予め設定した所定時間(目標値)と一致したかどうかを判別する(ステップSS29)。
ここで、ステップSS29での判別が「Yes」である場合、予測演算部122cは、上記時刻tにおけるポリマーの算出物理化学量を所定時間後におけるポリマーの算出物理化学量として、主処理部122aに出力してルーチンを終了する。
一方、ステップSS29での判別が「No」である場合、ステップSS24に戻って再びステップSS24〜ステップSS29の動作を繰り返す。
また、ステップSS27又はSS28における判別のいずれかが「No」の場合、重合槽11内の重合反応が異常状態であると判断してステップSS30に進む。そして、ステップSS30において、予測演算部122cは、異常と判断されたポリマーの算出物理化学量の種類とその数値を特定する。
その後、予測演算部122cは、上記操作履歴モデルを参照することにより、上記異常と判断された時刻tにおけるポリマーの算出物理化学量の種類及び数値に対応する過去の操業者による操作履歴から、t秒後(すなわち所定時間後)に発生すると予測される異常状態を未然に防ぐための回避動作をガイダンス情報として選択、判別する(ステップSS31)。
なお、操作履歴モデルを参照しても異常状態を回避できないと判断できる程度の異常な数値が算出された場合には、回避動作なしとするガイダンス情報を判別するように構成することもできる。
そして、予測演算部122cは、上記時刻tにおけるポリマーの算出物理化学量の種類及び数値と上記ガイダンス情報とを主制御部121に送るとともに、警告の表示を指令する警告指令信号を併せて出力する(ステップSS32)。
上記警告指令信号を受けた主制御部121は、表示部130に重合槽11内の所定時間後におけるポリマーの算出物理化学量が異常と予測されること、及びその異常状態を回避するためのガイダンス情報を表示するよう指令信号を出力してルーチンを終了する。
この指令信号を受けた表示部130は、モニターに重合槽11内の上記所定時間後におけるポリマーの算出物理化学量及びガイダンス情報を表示するとともに、当該所定時間後における算出物理化学量が異常と予測されること意味する警告情報を表示する。
この表示を見た操業者は、表示部130に表示されているセンサー検出時における検出値に異常がないかどうか確認するとともに、必要に応じて、入力装置を用いて上記ガイダンス情報に基づくポリマー製造装置への操作入力を実行し、異常な反応状態の回避動作を行う。
なお、上記のとおり、操作履歴モデルを参照しても回避できないと判断できる程度の異常な数値が算出された場合には、操業者に警告情報のみを表示し、ポリマー製造装置の緊急停止を促すこともできる。
本発明の制御装置100は、実施例1で示した、従来困難であった重合槽内部のポリマーの物理化学状態を予測することができるとともに、操作履歴モデルを参照して算出されたポリマーの算出物理化学量等に応じた操作の示唆を操業者に提供することができる。
そして、上記センサー検出時及び所定時間後におけるポリマーの算出物理化学量の演算を行う際に、過去の製造データに対する異常状態を判別するとともに、操作履歴モデルを参照した操業者へのリカバリー動作等をガイダンス情報として選択、判別する機能を設けることにより、混合・反応工程中に重合槽11の内部で異常な重合反応等が生じた場合であっても、ポリマー製造装置の故障や破損等の被害を最小限に抑えるとともに、所定時間後の状態予測を行って異常を未然に防ぐことが可能となる。
図10は、本発明の化学プラントの制御装置及び操業支援方法による混合・反応工程を実施した場合における表示部130のモニター画面の一例を示す。
図10に示すように、表示部130のモニターは、操業者にポリマー製造装置の様々なデータ等の情報を提供するための表示部131を有している。
また、表示部131は、ポリマー製造装置全体に設けられたセンサーからの検出値を表示する監視画面132と、重合槽内のポリマーの算出物理化学量等の演算値を表示する重合槽内表示画面133と、重合槽内に製造されているポリマーの品質の予測値を表示する品質予測画面134と、操業者にガイダンス情報や警告情報等の情報を提供する操作ガイダンス画面135と、を備える。
監視画面132は、例えばポリマー製造装置の各構成要素の接続状態を示す概要図や上記各構成要素に取り付けられた各種センサーから出力された検出値の数値等を表示する。
このとき、上記仮想ステップサブルーチンにおいて異常と判断された検出値を例えば赤字で表示することにより、警告表示と併せて操業者がどの構成要素に異常が発生しているかを特定しやすくすることができる。
重合槽内表示画面133は、重合槽11内で生じている重合反応に伴って変化するポリマーの算出物理化学量等を表示する。
このとき、重合槽内表示画面132にセンサーからの検出値、仮想ステップサブルーチンで演算されたセンサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量等が表示されており、上記監視画面132の場合と同様に、上記仮想ステップサブルーチンにおいて異常と判断された検出値や算出物理化学量を例えば赤字で表示することにより、警告表示と併せて操業者がどの構成要素に異常が発生しているかを特定しやすくすることができる。
品質予測画面134は、重合槽11内の化学反応等によるポリマーの算出物理化学量の変化の予測値をグラフ等で表示する。
例えば、重合反応におけるポリマーの重合度等の算出物理化学量について、横軸に時間、縦軸にポリマーの算出物理化学量とすることにより、重合開始からセンサー検出時、そして所定時間後におけるポリマーの算出物理化学量をグラフで表示する構成となっている。
このとき、例えば縦軸のポリマーの算出物理化学量について異常と判断する閾値を横線で表示するようにすれば、操業者が所定時間後における予測値を見て重合槽11の内部の異常を事前に予測することができるようになる。
また、図示しない入力ボタン等を操作することにより、表示したいポリマーの算出物理化学量を切り換える機能を備えてもよい。
操作ガイダンス画面135は、上記したとおり、算出したポリマーの算出物理化学量又はその予測値に基づいて、工程の切り替えや動作の開始のタイミング等のガイダンス情報を表示して操業者に知らせるように構成されている。
また、操作ガイダンス画面135は、上記仮想ステップサブルーチン及び予測ステップサブルーチンで検知した検出値や演算した算出物理化学量が異常と判断した場合に、操業者に異常な検出値又は算出物理化学量の警告情報やその内容、あるいはリカバリー動作等を表示して知らせたりする機能も備える。
このとき、ガイダンス情報や警告情報を表示する際に、ブザー音等の音を併せて鳴らすことにより、操業者への報知の効果を向上させてもよい。
以上のような構成及び実施例の態様により、本発明による化学プラントの制御装置及び操業支援方法は、化学プラント内に設けられたセンサーの検出値に対して物理化学計算モデルを参照して、上記センサーの検出時におけるポリマーの算出物理化学量を算出し、上記センサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量に対して工程管理チャートを参照して、前記ポリマー製造装置の操業支援のためのガイダンス情報を判別し、上記検出値、上記センサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量、及び上記ガイダンス情報を操業者に対して表示する動作を実施する。
このような構成により、重合槽の内部で生じているポリマーの化学反応によって変化するポリマーの算出物理化学量及びその予測値を精度良く得ることができ、かつ過去の製造データとの比較により異常な反応状態を予測して操業者に知らせることができる。
また、上記実施例1及び実施例2において、所定時間の目標値を十分に長く、すなわち通常の重合反応が終了した後の時刻に設定すれば、現在の重合反応の状況に基づいて最終製品のポリマーの算出物理化学量とポリマーの物理化学状態を予測することができる。
これにより、化学プラントの運転中において最終製品の品質が不良と予測できる場合に、操業者はガイダンス情報に基づくリカバリー操作を実施するか、あるいはリカバリー不能と判断して早急に運転を停止することができ、従来は困難であった反応中の重合槽内部の状態の予測が可能となる。
上記に説明したとおり、本発明の化学プラントの制御装置及び操業支援方法によれば、製造プロセスをプロセスモデル化し、反応装置内の製品の状態を予測する機能を備えることにより、操業者の知識や経験、技能等によらず、適切なタイミングでポリマー製造装置の各種の動作を実行するタイミングを操業者に知らせることができるとともに、装置に異常が発生することを予測し未然に防ぐことが可能となる。
また、本発明の化学プラントの制御装置及び操業支援方法によれば、上記プロセスモデルを適用して仮想条件による操業シミュレーションを行うことも可能となり、経験の浅い操業者の教育にも利用が可能となる。
なお、本発明は上記の実施例1及び2に限定されるものではなく、種々の改変を施すことができる。
例えば、上記実施例1及び実施例2では、本発明の装置及び方法を図3に示したポリマー製造に関わる混合・反応工程に適用した場合について説明したが、例えば図3(a)の造粒工程や図3(b)のNDA融解工程あるいは静置工程等についても、上記した物理化学計算モデル、時間的連続モデル及び離散状態モデルをそれぞれの工程に合わせて予め定義しておくことによって適用することが可能である。
上記実施例1及び実施例2では、仮想ステップサブルーチンにおいて、センサーの検出値からセンサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量を算出するステップを行う場合を例示したが、当該ステップに加えて、上記算出したセンサー検出時におけるポリマーの算出物理化学量に対して離散状態モデルを参照して、センサー検出時におけるポリマーの物理化学状態を判別するステップを追加するように構成してもよい。
また、上記実施例1及び実施例2では、仮想ステップサブルーチン又は予測ステップサブルーチンにおいて、算出されたセンサー検出時あるいは所定時間後のポリマーの算出物理化学量が異常値であると判別された場合に、操作履歴モデルを参照してリカバリー動作や異常の回避動作を判別する場合を例示したが、これらのサブルーチンで正常範囲内の算出物理化学量が得られた場合であっても、上記操作履歴モデルを参照することにより、過去に実施したより品質の良い製品を得るための操作のガイダンス情報を抽出して操業者に示唆を行うステップを追加するように構成することも可能である。
さらに、上記実施例1及び実施例2では、ポリマー製造装置の操作に関わるガイダンス情報や警告情報等を表示部に表示することで操業者に知らせる態様を例示したが、必要に応じて、操業者に入力装置での操作を促すのではなく、反応制御部が自動で工程の切替や異常時の停止動作を実施させるように構成することも可能である。
上記実施例1及び実施例2で示した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。
また、上記実施例1及び実施例2で示した各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈して実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
さらに、実施例1及び実施例2で示した反応制御部における各処理部(例えば仮想演算部及び予測演算部)を別々に構成する態様を例示したが、これらを合体して一体のシステムとして構成してもよい。
その他にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記の各実施例に種々の改変を施すことができる。
11 重合槽
11a フィン
12 熱交換器
21 第1の供給系
22 第2の供給系
23 第3の供給系
31 第1の回収系
32 第2の回収系
100 制御装置
110 記憶部
120 反応制御部
121 主制御部
122 演算処理部
122a 主処理部
122b 仮想演算部
122c 予測演算部
130 表示部

Claims (14)

  1. 化学プラントの操業支援を行う制御装置であって、
    前記制御装置は、
    前記化学プラント内に設けられたセンサーの検出値に対して物理化学計算モデルを参照して、製造される化学物質のセンサー検出時における算出物理化学量を算出し、前記センサー検出時における算出物理化学量に対して工程管理チャートを参照して、前記操業支援のためのガイダンス情報を判別する反応制御部と、
    前記センサーの検出値、前記センサー検出時における算出物理化学量、及び前記ガイダンス情報を表示する表示部と、
    からなる制御装置。
  2. 前記制御装置は、前記反応制御部と接続された記憶部をさらに備え、
    前記記憶部は、前記化学プラントで製造された前記化学物質の過去の製造データ、及び前記反応制御部の指令に基づいて新たに取得した製造データを格納しており、
    前記反応制御部は、前記センサー検出時における算出物理化学量を算出する際に、前記過去の製造データと時間的連続モデルとを組み合わせて近似物理化学計算モデルを構築し、前記近似物理化学計算モデルを参照して前記センサー検出時における算出物理化学量を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記反応制御部は、前記センサー検出時における算出物理化学量に対して時間的連続モデルを参照して、所定時間後における算出物理化学量を算出し、前記所定時間後における算出物理化学量に対して離散状態モデルを参照して、前記化学物質の所定時間後における物理化学状態を判別し、
    前記表示部は、前記所定時間後における算出物理化学量及び前記所定時間後における物理化学状態を表示する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 前記反応制御部は、前記センサー検出時における算出物理化学量又は前記所定時間後における算出物理化学量が、過去の製造データに基づく閾値を超えた場合に、前記センサー検出時における算出物理化学量又は前記所定時間後における算出物理化学量が異常値であると判断し、前記表示部に警告情報を表示させる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御装置。
  5. 前記反応制御部は、前記センサー検出時における算出物理化学量又は前記所定時間後における算出物理化学量に対して操作履歴モデルを参照して、過去の化学プラントの操作履歴に応じた操作の情報を前記ガイダンス情報に追加する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の制御装置。
  6. 前記工程管理チャートは、複数の工程を実施する際に各工程での動作の内容を記述したフローチャートであり、
    前記物理化学計算モデルは、前記化学物質の物理化学式を含む定義式であり、前記時間的連続モデルは、前記物理化学計算モデルに含まれる定義式等を、反応過程における時間の関数で表した演算式であり、前記離散状態モデルは、前記化学物質の前記物理化学状態を表す演算式や計算モデルであり、前記操作履歴モデルは、操業者が実際に入力した動作や、操業者が無意識に実施している操作上の行動の履歴を記憶したモデルであり、
    前記物理化学状態は、前記化学物質の相変化及び末端基の活性状態を含む、時間的に連続ではない前記化学物質の物理的又は化学的な状態の変化である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の制御装置。
  7. 前記センサー検出時における算出物理化学量又は前記所定時間後における算出物理化学量は、前記化学物質の温度、粘度及び重合度を含む、前記化学物質自体の物理的又は化学的性質を示す数値である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の制御装置。
  8. 化学プラントの操業支援方法であって、
    前記化学プラント内に設けられたセンサーの検出値に対して物理化学計算モデルを参照して、製造される化学物質のセンサー検出時における算出物理化学量を算出し、前記センサー検出時における化学物質の算出物理化学量に対して工程管理チャートを参照して、前記操業支援のためのガイダンス情報を判別し、
    前記センサーの検出値、前記センサー検出時における算出物理化学量、及び前記ガイダンス情報を操業者に対して表示する操業支援方法。
  9. 前記センサー検出時における算出物理化学量を算出する際に、前記化学プラントで製造された前記化学物質の過去の製造データと時間的連続モデルとを組み合わせて近似物理化学計算モデルを構築し、前記近似物理化学計算モデルを参照して前記センサー検出時における算出物理化学量を算出する
    ことを特徴とする請求項8に記載の操業支援方法。
  10. 前記センサー検出時における算出物理化学量に対して時間的連続モデルを参照して、所定時間後における算出物理化学量を算出するとともに、前記所定時間後における算出物理化学量に対して離散状態モデルを参照して、前記化学物質の所定時間後における物理化学状態を判別し、
    前記所定時間後における算出物理化学量及び前記所定時間後における物理化学状態を操業者に対して表示する
    ことを特徴とする請求項8又は9に記載の操業支援方法。
  11. 前記センサー検出時における算出物理化学量又は前記所定時間後における算出物理化学量が、過去の製造データに基づく閾値を超えた場合に、前記センサー検出時における算出物理化学量又は前記所定時間後における算出物理化学量が異常値であると判断して警告情報を表示させる
    ことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の操業支援方法。
  12. 前記センサー検出時における算出物理化学量又は前記所定時間後における算出物理化学量に対して操作履歴モデルを参照して、過去の前記化学プラントの操作履歴に応じた操作の情報を前記ガイダンス情報に追加する
    ことを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の操業支援方法。
  13. 前記工程管理チャートは、複数の工程を実施する際に各工程での動作の内容を記述したフローチャートであり、
    前記物理化学計算モデルは、前記化学物質の物理化学式を含む定義式であり、前記時間的連続モデルは、前記物理化学計算モデルに含まれる定義式等を、反応過程における時間の関数で表した演算式であり、前記離散状態モデルは、前記化学物質の前記物理化学状態を表す演算式や計算モデルであり、前記操作履歴モデルは、操業者が実際に入力した動作や、操業者が無意識に実施している操作上の行動の履歴を記憶したモデルであり、
    前記物理化学状態は、前記化学物質の相変化及び末端基の活性状態を含む、時間的に連続ではない前記化学物質の物理的又は化学的な状態の変化である
    ことを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の操業支援方法。
  14. 前記センサー検出時における算出物理化学量又は前記所定時間後における算出物理化学量は、前記化学物質の温度、粘度及び重合度を含む、前記化学物質自体の物理的又は化学的性質を示す数値である
    ことを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の操業支援方法。

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