以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に、本発明の実施形態に係る情報送信システム1を示す。まず、情報送信システム1の概要について説明する。情報送信システム1は、自動販売機10と、本実施形態に係る移動通信端末20とを含んで構成される。移動通信端末20は、通信事業者により設けられる移動体通信網であるネットワークNを介して、所定の通信先としての管理サーバ30及び決済サーバ40と移動通信を行うことができる。情報送信システム1は、移動通信端末20の移動通信機能を利用して、自動販売機10に格納された情報等を管理サーバ30及び決済サーバ40に対して送信する。
自動販売機10は、商品の販売のために販売者によって例えば駅又は街中等に設置され、対面販売によらず消費者であるユーザに商品を提供する装置である。自動販売機10は、ユーザ自身の希望に応じた操作等が行われることにより、商品の提供及び釣り銭の返還等を行う。自動販売機10は、ユーザによって商品の選択等のための操作が行われるボタン又はタッチパネルディスプレイ等を有している。
また、自動販売機10は、商品の金額が投入される投入口、商品が提供される商品取出口、及び釣り銭を返還する返還口等を有している。自動販売機10は、金額投入口にユーザにより通貨(硬貨及び紙幣等)又はカード等が投入され、ユーザによって商品の選択のための操作が行われて商品の選択信号が入力されたことを検知すると、当該選択信号に対応する商品が商品取出口から提供される。この際、自動販売機10は、金額投入口に投入された通貨が示す金額の方が商品の金額よりも多い場合にはその差額を返還口から釣り銭として返還する。
また、自動販売機10は、近距離無線通信機能を有しており、金額投入口への通貨等の投入によらず、近距離無線通信機能を有する移動通信端末20との間での近距離無線通信を利用した電子決済(以下、単に「決済」ともいう)によっても商品を提供することが可能である。例えば、ユーザからの商品の選択信号が入力されたことを検知した状態において、ユーザによって移動通信端末20が自動販売機10に近づけられ、移動通信端末20から自動販売機10へ近距離無線通信によって商品の決済処理に必要な決済承認情報が送信されると、当該選択信号が示す商品に対応する商品が商品取出口から提供される。近距離無線通信とは、具体的にはBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)又はNFC(Near Field Communication)等の通信規格のデータ通信である。一般的に、BLEの通信可能距離は、10m〜50m程度で、NFCの通信可能距離は、10cm程度である。すなわち、NFCの通信の方がBLEの通信よりも通信可能距離が短い。
自動販売機10は、商品の選択信号に対応付けられた商品の識別番号及び商品の金額等の商品に関する情報を予め記憶している。当該対応付けは、自動販売機10の事業者等により予め設定されている。自動販売機10は、ユーザによりボタン又はタッチパネルディスプレイが押され選択信号が入力されたことを検知すると、予め記憶された上記対応付けに基づき、選択信号に対応する商品の識別番号及び商品の金額等の商品に関する情報を取得する。
自動販売機10は、取得した商品に関する情報等を自装置内に格納する。自動販売機10に内に格納される情報、すなわち格納情報は、例えば商品の在庫管理又は決済処理等に必要な情報である。よって、商品の在庫管理又は決済処理等を行う際においては、自動販売機10における格納情報が、例えば自動販売機メーカの管理サーバ30又は決済サーバ40等に送信される必要がある。なお、自動販売機10における格納情報の詳細は後述する。
自動販売機10は、少なくとも1つのPSIM(Portable SIM)を備えている。PSIMは、通信事業者により設けられる移動体通信網に接続するための情報であるSIM(Subscriber Identity Module)情報(認証情報)と、所定の通信先を示す通信先情報とを保持する通信認証モジュールを含む。SIM情報及び通信先情報は、例えば自動販売機10の事業者等に対し、移動体通信網の通信事業者から発行される。以下、自動販売機10が備えるPSIMを「PSIMb」ともいい、自動販売機10が備えるSIMに含まれるSIM情報を「SIMb情報」ともいう。PSIMbは、近距離無線通信機能を有している。なお、PSIMbは、自動販売機10の内部に組み込まれていてもよく、自動販売機10の外部に外付けされていてもよい。PSIMbは、自動販売機10と一体化されていてもよく、自動販売機10から取り外し可能であってもよい。なお、通信先情報は、PSIMに保持されていなくてもよく、PSIMとは別に自動販売機10に記憶されていてもよい。また、SIMb情報も、PSIMに保持されていなくてもよく、PSIMとは別に自動販売機10に記憶されていてもよい。
自動販売機10は、PSIMbを備えていることにより、通信機能として近距離無線通信機能を有している。一方、自動販売機10は、通信機能として移動通信機能を有していない。このため、自動販売機10自体はSIMb情報に基づく移動通信を行わない。移動通信とは、具体的には3G又はLTE等の通信規格のデータ通信である。自動販売機10は、近距離無線通信機能によって、ユーザの移動通信端末20と近距離無線通信を行う。
自動販売機10は、近距離無線通信によって、SIMb情報及び通信先情報を移動通信端末20へ送信する。これにより、自動販売機10は、SIMb情報に基づく移動通信端末20の移動通信機能を利用する。つまり、自動販売機10は、自動販売機10における格納情報を近距離無線通信によって移動通信端末20へ送信する。そして、移動通信端末20へ送信された格納情報は、SIMb情報に基づく移動通信端末20の移動通信機能を用いた移動通信によって、所定の通信先としての管理サーバ30又は決済サーバ40等へ送信される。
移動通信端末20は、移動体通信網と接続することで移動通信可能な端末であり、例えば携帯電話又はスマートフォン等である。移動通信端末20は、通信機能として移動通信機能及び近距離無線通信機能を有する。移動通信端末20は、自端末の移動通信機能を利用して移動体通信網に接続するためのSIM情報を少なくとも1つ有している。以下、移動通信端末20が有しているSIM情報を、「SIMa情報」ともいう。SIMa情報は、例えば回線契約を結んだ移動通信端末20のユーザに対して、移動体通信網の通信事業者によって発行される。移動通信端末20は、通常(すなわち、以下に説明する自動販売機10との間で近距離無線通信が行われている場合以外)は、SIMa情報に基づく移動通信機能を用いて移動体通信網であるネットワークNと接続される。
移動通信端末20は、自動販売機10との間で近距離無線通信を行うことで自動販売機10からSIMb情報を受信すると、自動販売機10との間で近距離無線通信が行われている間は、受信したSIMb情報に基づく移動通信機能を用いてネットワークNと接続される。なお、この際、移動通信端末20は、SIMb情報に基づく移動通信機能を用いたネットワークNとの接続を許可するか否かをユーザに判断させ、ユーザが接続を許可した場合にだけ接続を行ってもよい。ユーザに当該判断をさせる際には、例えば、接続を許可するか否かの判断を求める表示等が移動通信端末20において行われ、表示に従って接続を許可又は拒否することを示す操作がユーザによって行われる。移動通信端末20は、接続を許可することを示す操作を検出すると、当該操作に応じて接続を行い、接続を拒否することを示す操作を検出すると、当該操作に応じて接続を行わない。
そして移動通信端末20は、ネットワークNを介し、自動販売機10から送信された格納情報をそれぞれの種類別に対応した所定の通信先へ送信する。例えば、移動通信端末20は、管理サーバ30に対しては、自動販売機10における格納情報のうち、商品の在庫管理に必要な情報、自動販売機10の機器管理に必要な情報、及び商品の販売促進に利用可能な情報等を送信する。また、例えば、移動通信端末20は、決済サーバ40に対しては、商品の決済処理に必要な情報等を送信する。
管理サーバ30は、自動販売機10から移動通信端末20を介して送信された情報(商品の在庫管理に必要な情報、自動販売機10の機器管理に必要な情報、及び商品の販売促進に必要な情報等)を管理するサーバ装置である。管理サーバ30は、例えば移動体通信網の通信事業者によって設けられる。管理サーバ30は、移動体通信網を介して移動通信端末20と接続されている。
管理サーバ30は、移動体通信網を介して商品の製造元サーバ等と接続されている。管理サーバ30は、例えば商品の在庫管理に必要な情報として、自動販売機10における商品の在庫状況を示す情報を移動通信端末20から取得すると、商品の製造元サーバ又は自動販売機10の近くに存在する在庫補充用トラックを運転中の事業者が所持する移動通信端末等に対し、移動体通信網を介して当該情報を通知する。これにより、商品の製造元又は商品補充用トラックを運転中の事業者は、自動販売機10の在庫状況をリアルタイムに知り、現在の在庫状況に基づく商品等の在庫補充を行うことができる。
また、管理サーバ30は、移動体通信網を介して自動販売機10の管理元サーバ又は製造元サーバ等と接続されている。管理サーバ30は、例えば自動販売機10の機器管理に必要な情報として、自動販売機10の機器状態を示す情報を移動通信端末20から取得すると、自動販売機10の管理元サーバ又は製造元サーバ等に対し、移動体通信網を介して当該情報を通知する。これにより、自動販売機10の管理元又は製造元は、自動販売機10の機器状態をリアルタイムに把握し、現在の機器状態に応じたメンテナンス、修理、又は交換等を行うことができる。
決済サーバ40は、自動販売機10から移動通信端末20を介して送信された情報(決済処理に必要な情報)を管理するサーバ装置である。決済サーバ40は、例えば移動体通信網の通信事業者によって設けられる。決済サーバ40は、移動体通信網であるネットワークNを介して移動通信端末20と接続されている。また、決済サーバ40は、ネットワークNを介して管理サーバ30と接続されていてもよく、移動通信端末20から決済サーバ40へ情報が送信されると、当該情報が送信されたことを管理サーバ30に対して通知してもよい。
決済サーバ40は、移動体通信網を介して決済実行サーバ等と接続されている。決済実行サーバとは、例えば通信事業者により運営される決済処理サービスを提供するためのサーバである。決済処理サービスとは、例えばNFCの通信を利用した電子決済を実行するサービスである。決済サーバ40は、移動通信端末20から送信された決済処理に必要な情報を記憶して蓄積する。決済サーバ40は、蓄積した情報を、一定の間隔(例えば、月に一回)で決済実行サーバへ送信する。これにより、決済実行サーバは、送信された情報に基づき、商品の決済処理を実行することができる。すなわち、決済実行サーバは、ユーザの銀行口座に蓄えられた金額等から商品の購入金額を定期的(例えば、月に一回)差し引く処理を行う。なお、決済サーバ40は、移動通信端末20からの決済処理に必要な情報を受信する度に決済実行サーバへ送信してもよい。
次に、情報送信システム1における自動販売機10及び移動通信端末20の各機能構成について詳細に説明する。まず、自動販売機10の機能構成を説明する。自動販売機10は、商品情報取得部11と、在庫情報取得部12と、機器情報取得部13と、通信情報保持部14と、近距離無線通信部15(認証情報送信手段)と、情報格納部16と、クーポン認証部17とを有している。
商品情報取得部11は、ユーザによって選択された商品の購入商品情報を取得する。具体的に、商品情報取得部11は、例えばユーザによって自動販売機10の商品選択用のボタン等が押圧され商品の選択信号が入力されたことを検知すると、ボタン等に対応する商品の識別番号及び商品の金額等の商品に関する情報を取得する。商品の識別番号及び商品の金額等の商品に関する情報は、商品の製造者等によって予め設定されている。商品情報取得部11は、取得した商品に関する情報等を自装置内に記憶する。以下、商品の識別番号を「商品ID」ともいい、ユーザによって選択された商品の金額を示す情報を「購入金額」ともいう。
また、商品情報取得部11は、ユーザによって商品選択用のボタンが押圧されて商品の選択信号が入力されたときの時刻を示す日時情報を取得する。当該日時情報は、選択信号に対応する商品が購入された時刻を示す日時情報であり、以下、「購入日時」ともいう。また、以下、購入した商品に関する商品ID、購入金額、及び購入日時を含む情報を「購入商品情報」ともいう。商品情報取得部11は、取得した購入商品情報(商品ID、購入金額、及び購入日時)を情報格納部16に出力する。
在庫情報取得部12は、自動販売機10内の商品及び通貨等の在庫状況を示す在庫情報(以下、単に「在庫情報」ともいう)を取得する。自動販売機10内の商品の数は、ユーザによって商品が購入されること、及び商品の販売事業者等によって自動販売機10内の商品が補充されること等に基づき変動する。また、自動販売機10内の通貨(すなわち硬貨及び紙幣等)の数は、ユーザによって商品の代金として通貨が自動販売機10内へ投入されること、商品の代金に対する釣り銭として自動販売機10から通貨がユーザに対して返されること、及び商品の販売事業者等によって自動販売機10内の通貨が補充されること等に基づき変動する。
在庫情報取得部12は、自動販売機10内で商品及び通貨の数が変動したことを検知すると、商品及び通貨の変動数をカウントする。そして、在庫情報取得部12は、例えば今回自動販売機10内で商品及び通貨の数の変動が検知される前に情報格納部16に記憶されていた前回の在庫情報が示す商品及び通貨の数から、カウントした商品及び通貨の変動数を減算又は加算することによって、今回の自動販売機10内の在庫情報を取得する。在庫情報取得部12は、取得した在庫情報を、情報格納部16へ出力する。
機器情報取得部13は、自動販売機10内の機器状態を示す機器ステータス情報を取得する。機器ステータス情報とは、例えば自動販売機10における動作状態等を示す情報である。機器ステータス情報は、自動販売機10が正常に動作しているか否かを判定するための条件情報となり得る。具体的に、機器情報取得部13は、例えば自動販売機10内の温度又は照明の点灯の有無等をセンサ等によって検知し、検知した情報を機器ステータス情報として取得する。
機器情報取得部13は、取得した機器ステータス情報を、情報格納部16へ出力する。機器情報取得部13は、常時又は一定の間隔で機器ステータス情報を取得する。なお、機器情報取得部13は、情報格納部16へ出力せずに、機器ステータス情報を取得する度に近距離無線通信部15へ出力してもよい。また、機器情報取得部13は、検知した自動販売機10内の温度又は照明の点灯の有無等に基づき、自動販売機10が正常に動作しているか否かを判定し、その判定結果を機器ステータス情報として取得し、取得した当該機器ステータス情報を情報格納部16又は近距離無線通信部15へ出力してもよい。
通信情報保持部14は、SIMb情報及び通信先情報を保持する。通信情報保持部14が保持するSIMb情報及び通信先情報は、自動販売機10と移動通信端末20との間で近距離無線通信部15による近距離無線通信が行われると、近距離無線通信部15によって、移動通信端末20へ送信される。SIMb情報は、上述した通り、移動体通信網に接続するための情報であるSIM情報(認証情報)である。通信先情報は、所定の通信先を示す情報であって、例えば管理サーバ30及び決済サーバ40等の所在を示すアドレスである。通信先情報には、所定の通信先のそれぞれのアドレスに、送信すべきデータの種別が予め対応付けられている。当該対応付けは、例えば所定の通信先としての管理サーバ30及び決済サーバ40を運営する事業者等によって設定される。なお、当該対応付けの詳細は、後述する。
近距離無線通信部15は、移動通信端末20との間で近距離無線通信を行う。具体的には、近距離無線通信部15は、移動通信端末20と、NFC及びBLEによる近距離無線通信を行う。近距離無線通信部15は、自動販売機10の周囲において通信可能な装置を検知する。近距離無線通信部15は、例えばNFCの通信可能距離に移動通信端末20が近づくと、当該移動通信端末20を検知し、当該移動通信端末20との間でNFCの通信を行う。これにより、自動販売機10と移動通信端末20とがNFCの通信で接続された状態となる。
近距離無線通信部15は、移動通信端末20との間でNFCの通信による接続(以下、「NFC接続」ともいう)がなされると、NFCの通信によって、通信情報保持部14が保持するSIMb情報及び通信先情報を移動通信端末20へ送信する。また、近距離無線通信部15は、NFCの通信によって、移動通信端末20から、商品の決済処理等に必要な決済承認情報、及び商品の販売促進に利用可能な顧客情報等を受信する。近距離無線通信部15は、受信したこれらの情報を、情報格納部16へ出力する。
決済承認情報とは、例えば移動通信端末20において移動体通信網の通信事業者から提供される決済処理サービスを利用するために必要な情報であって、当該決済処理サービス上で管理されているユーザ識別情報である。より具体的に、決済承認情報は、例えば決済処理サービスの初期利用時にユーザによって設定されるユーザの氏名及びユーザのクレジットカードの番号等である。以下、決済承認情報を、「決済ID」ともいう。
顧客情報とは、購入商品情報(商品ID、購入金額、及び購入日時)に対して、その購入商品情報が示す商品を購入したユーザの属性を示す情報(例えば性別又は年齢等)が対応付けられた情報である。以下、ユーザの属性を示す情報を「顧客ID」ともいう。顧客IDは、例えば移動通信端末20のユーザによって設定されて移動通信端末20上に保持されている。顧客情報は、購入商品情報が示す商品を購入したユーザがどのような性別又は年齢であるか等を示している。顧客情報は、購入商品に対する顧客層がどのような層であるかを示しており、商品の販売促進に利用し得る情報である。
近距離無線通信部15は、NFC接続がなされ、SIMb情報及び通信先情報が移動通信端末20へ送信された後に、自動販売機10と移動通信端末20との間でBLE通信による接続(以下、「BLE接続」ともいう)を行う。具体的には、近距離無線通信部15は、NFCの通信によって、移動通信端末20へ自動販売機10の機器種別情報を送信すると共に、移動通信端末20から移動通信端末20の機器種別情報を受信する。機器種別情報とは、少なくとも機器の種別を判断できる情報である。自動販売機10の機器種別情報は、例えば上述の通信情報保持部14により保持されていてもよい。近距離無線通信部15は、移動通信端末20から受信した機器種別情報を参照して、移動通信端末20がBLE接続対象の機器であるか否かを判断する。近距離無線通信部15は、移動通信端末20がBLE接続対象の機器であると判断すると、移動通信端末20との間でBLE接続をする。
近距離無線通信部15は、移動通信端末20との間でBLE接続がなされている間、自動販売機10における格納情報(決済処理情報、在庫情報、機器ステータス情報、及び顧客情報等)を、移動通信端末20へ送信する。格納情報(決済処理情報、在庫情報、機器ステータス情報、及び顧客情報等)は情報格納部16に記憶されており、近距離無線通信部15は、情報格納部16に記憶された情報を参照することにより、これらの情報を取得する。なお、近距離無線通信部15は、機器情報取得部13から出力されることにより機器ステータス情報を取得してもよい。近距離無線通信部15は、例えば移動通信端末20との間でBLE接続が確立されると、情報格納部16における格納情報を取得し、当該格納情報を移動通信端末20へ、BLE接続が解除されるまでの間の所定のタイミングで送信する。例えば、近距離無線通信部15は、情報格納部16を監視して、今回のBLE接続よりも前のBLE接続を行った際に送信した格納情報以外の格納情報が情報格納部16に入っていたら、当該格納情報を送信する。
また、近距離無線通信部15は、例えば、移動通信端末20からクーポン情報を受信したタイミングで、情報格納部16における格納情報を移動通信端末20へ送信してもよい。なお、クーポン情報の詳細は、後述する。さらに、近距離無線通信部15は、後述するクーポン認証部17からクーポン情報が有効であることを示す判定結果が出力されたタイミングで、情報格納部16における格納情報を移動通信端末20へ送信してもよい。すなわち、近距離無線通信部15は、移動通信端末20のユーザがクーポン情報を利用可能となったタイミングで、情報格納部16における格納情報を移動通信端末20へ送信してもよい。また、近距離無線通信部15が移動通信端末20へ格納情報を送信するタイミングは、予め設定されており、情報の種類毎に異なっていてもよい。
また、近距離無線通信部15は、管理サーバ30から移動通信端末20に対して送信されたクーポン情報を、BLEの通信によって移動通信端末20から受信する。近距離無線通信部15は、受信したクーポン情報をクーポン認証部17へ出力すると共に、クーポン認証部17によるクーポン情報の認証結果をクーポン認証部17から取得する。近距離無線通信部15は、取得した認証結果を移動通信端末20へ出力する。なお、上述のPSIMbは、機能的には、通信情報保持部14及び近距離無線通信部15によって実現される。
情報格納部16は、商品情報取得部11から出力された購入商品情報と、在庫情報取得部12から出力された在庫情報と、機器情報取得部13から出力された機器ステータス情報と、近距離無線通信部15から出力された決済ID及び顧客IDとをそれぞれ格納する。情報格納部16は、購入商品情報として、商品ID、購入金額、及び購入日時を互いに紐付けて格納する。情報格納部16は、例えば移動通信端末20のユーザによって自動販売機10における商品選択用のボタン等が押圧され、商品の選択信号が入力されてから一定の時間以内に出力された決済ID及び顧客IDを、購入商品情報に対して紐付けてもよい。情報格納部16は、商品の選択信号が入力されてから一定の時間以内に決済ID及び顧客IDが出力されなかった場合には、購入商品情報を記憶せずに消去してもよい。また、情報格納部16は、商品情報取得部11から出力された購入商品情報に対して、商品情報取得部11から当該購入商品情報が出力されてから例えば直近のタイミングで近距離無線通信部15によって出力された決済IDを紐付けて、決済処理情報として格納する。また、情報格納部16は、商品情報取得部11から出力された購入商品情報に含まれる商品IDに対して、商品情報取得部11から当該購入商品情報が出力されてから例えば直近のタイミングで近距離無線通信部15によって出力された顧客IDを紐付けて、顧客情報として記憶する。なお、初期状態においては、情報格納部16には、自動販売機10に予め補充されていた商品及び貨幣等の初期の在庫情報が記憶されている。
情報格納部16には、自動販売機10と移動通信端末20との間における近距離無線通信接続が確立している間、これらの格納情報(決済処理情報、在庫情報、機器ステータス情報、及び顧客情報等)が蓄積される。情報格納部16には、自動販売機10と移動通信端末20との間で今回の近距離無線通信接続が確立する以前に蓄積された格納情報が蓄積されていてもよい。また、例えば本実施形態に係る情報送信システム1を利用せずに、現金による決済又は他のシステムを利用して電子決済を行った場合の格納情報が蓄積されていてもよい。蓄積された格納情報には、移動通信端末20ユーザの情報だけでなく、移動通信端末20とは別の端末のユーザの情報も含まれ得る。例えば、顧客情報には、同じ購入商品に、移動通信端末20のユーザの顧客IDが紐付けられているだけでなく、他の端末のユーザの顧客IDも紐付けられていることがある。
また、情報格納部16は、未決済処理情報を記憶していてもよい。未決済処理情報とは、自動販売機10と移動通信端末20との間における今回の近距離無線通信接続を確立する以前に、自動販売機10との間でNFC接続が確立した移動通信端末のユーザにより選択された商品の決済処理情報であって、決済サーバ40へ送信されていない情報である。すなわち、未決済処理情報とは、未だ決済が実行されていない情報である。未決済処理情報は、例えば、自動販売機10に格納された決済処理情報が、自動販売機10と移動通信端末との間でBLE接続が確立しなかったために自動販売機10から移動通信端末へと送信できなかった場合等に生じ得る。また、未決済処理情報は、例えば本実施形態に係る情報送信システム1を利用せずに、現金による決済又は他のシステムを利用して電子決済を行った場合にも生じ得る。未決済処理情報は、移動通信端末20のユーザ自身の未決済処理情報であってもよく、移動通信端末20とは別の端末のユーザの未決済処理情報であってもよい。
クーポン認証部17は、近距離無線通信部15から出力されたクーポン情報を取得し、取得したクーポン情報の認証を行う。すなわち、クーポン認証部17は、取得したクーポン情報が有効か否かを判定する。クーポン情報とは、後述するユーザ特典情報の一例である。クーポン情報は、例えば、商品の金額から一定の金額を差し引いた額を購入金額とすることができる情報、又は商品の金額から一定の割合を割り引いた額を購入金額とすることができる情報等である。なお、クーポン情報の利用制限等は、商品の販売事業者等によって適宜設定される。クーポン情報の利用制限としては、例えばクーポン情報が購入商品のみに利用できるか、もしくは購入商品の販売事業者が取り扱う商品の全般に利用できるかの制限、クーポン情報に有効期限を設けるか否か、及び、クーポン情報に利用回数制限を設けるか否か等がある。
クーポン認証部17は、取得したクーポン情報が有効か否かを判定するために、例えば上記のクーポン情報の利用制限についての判定を行う。クーポン認証部17は、例えば購入商品について利用可能である場合、有効期限がある場合にはその有効期限以内である場合、又は利用回数制限がある場合にはその利用回数以内である場合等には、クーポン情報が有効であると判定する。すなわち、クーポン認証部17は、認証結果としてクーポン情報が移動通信端末20のユーザにとって利用可能であると判定する。クーポン認証部17は、例えば購入商品について利用可能でない場合、有効期限がある場合にはその有効期限を過ぎている場合、又は利用回数制限がある場合にはその利用回数を超えている場合等には、クーポン情報が無効であると判定する。すなわち、クーポン認証部17は、認証結果としてクーポン情報が移動通信端末20のユーザにとって利用不可能であると判定する。クーポン認証部17は、認証結果を近距離無線通信部15へ出力する。
なお、自動販売機10のクーポン認証部17によってクーポン情報の認証を行うことにより、自動販売機10は、クーポン情報がユーザに利用可能となったことを認識した上で、その引き換えとして格納情報を送信することができる。また、自動販売機10のクーポン認証部17によってクーポン情報の認証を行うためには、移動通信端末20から自動販売機10へクーポン情報を送信しなければならず、移動通信端末20は自動販売機10のBLEの通信可能距離の範囲に位置している必要がある。このため、自動販売機10のクーポン認証部17によってクーポン情報の認証を行うことにより、例えば移動通信端末20においてクーポン情報を受信した後すぐに、移動通信端末20が自動販売機10のBLEの通信可能距離の範囲外へ遠ざかってしまい、移動通信端末20がクーポン情報を受信した後に自動販売機10が格納情報を送信できなくなるという問題を回避できる。なお、クーポン情報の認証には、以前利用せずに保存したクーポンの利用が有効か否かの認証が含まれてもよい。
続いて、移動通信端末20の機能構成を説明する。移動通信端末20は、端末情報保持部21と、近距離無線通信部22(情報取得手段)と、移動通信部23(情報送信手段、及び情報受信手段)と、クーポン取得部24とを有している。
端末情報保持部21は、SIMa情報、顧客ID、及び決済ID等を含む自端末のユーザ固有の情報を保持する。SIMa情報は、上述した通り、移動体通信網に接続するために移動通信端末20のユーザに対して通信事業者から発行されたSIM情報(認証情報)である。顧客IDは、上述した通りユーザの属性情報(性別又は年齢等)であり、移動通信端末20のユーザによって予め設定されている。決済IDは、上述した通り、移動通信端末20で利用する決済処理サービス上で管理されるユーザ識別情報であり、移動通信端末20のユーザによって決済処理サービスを最初に利用するときに設定され移動通信端末20上に記憶されている。
また、端末情報保持部21は、自端末情報を保持してもよい。自端末情報とは、移動通信端末20のユーザに関する情報である。自端末情報は、移動通信端末20のユーザ固有の情報であって、例えば商品の販売促進に利用し得る情報である。自端末情報は、例えば移動通信端末20におけるアプリケーション上でユーザによって予め入力される。なお、当該アプリケーションは、例えばクーポン情報の閲覧等を行うためのアプリケーションであって、その詳細は後述する。自端末情報は、例えば移動通信端末20のユーザのプロフィールデータである。プロフィールデータとは、ユーザの個性、特徴、又は嗜好性等を示す情報として予めユーザによって設定された情報である。プロフィールデータは、例えば生年月日、住まいの都道府県、出身地、血液型、職業、性別、家族構成、身体情報、又は健康情報等を示す情報である。また、自端末情報は、例えば予め商品の販売事業者等から配信されたアンケート等に対する移動通信端末20のユーザの回答情報等であってもよい。アンケートは、例えば商品に対する評価又は購買意識等に関するアンケートである。
近距離無線通信部22は、自動販売機10の近距離無線通信部15との間で、NFC及びBLEによる近距離無線通信を行う。近距離無線通信部22は、NFCの通信可能距離に近づいた自動販売機10を検知することにより、自動販売機10の近距離無線通信部15とNFCの通信により接続する。
近距離無線通信部22は、自動販売機10との間でNFC接続がなされると、NFCの通信によって、端末情報保持部21が保持する決済ID及び顧客IDを自動販売機10の近距離無線通信部15へ送信する。また、近距離無線通信部22は、NFCの通信によって、自動販売機10の近距離無線通信部15から送信されるSIMb情報及び通信先情報を受信する。近距離無線通信部22は、受信したSIMb情報及び通信先情報を、移動通信部23へ出力する。
近距離無線通信部22は、NFC接続がなされ、SIMb情報及び通信先情報を自動販売機10から受信した後に、自動販売機10の近距離無線通信部15との間でBLE接続を行う。具体的には、近距離無線通信部22は、NFCの通信によって、自動販売機10へ移動通信端末20の機器種別情報を送信すると共に、自動販売機10の近距離無線通信部15から受信した機器種別情報を参照して、自動販売機10がBLE接続対象の機器であるか否かを判断する。近距離無線通信部22は、自動販売機10がBLE接続対象の機器であると判断すると、自動販売機10の近距離無線通信部15との間でBLE接続をする。なお、移動通信端末20の機器種別情報は、例えば上述の端末情報保持部21により保持されていてもよい。
近距離無線通信部22は、自動販売機10の近距離無線通信部15との間でBLE接続がなされている間、近距離無線通信部15から送信される格納情報(決済処理情報、在庫情報、機器ステータス情報、及び顧客情報等)を受信する。近距離無線通信部22は、近距離無線通信部15から格納情報を受信すると、受信した格納情報を、受信する度、移動通信部23へ出力する。なお、当該出力の際、近距離無線通信部22は、端末情報保持部21において保持された自端末情報を併せて移動通信部23へ出力してもよい。この際、移動通信部23へ出力する自端末情報には、セキュリティの観点から、例えば上記のプロフィールデータにおけるユーザ個人を特定するようなユーザの個人情報を含まないようにしてもよい。自端末情報に上記プロフィールデータのどの内容を含めるかについては適宜設定される。自端末情報に上記プロフィールデータのどの内容を含めたかに応じて、特典情報を変化させてもよい。例えば、特典情報は、自端末情報に含まれた内容に応じた特典情報であってもよいし、自端末情報に含まれる内容が増えるほどより利点を多く含む特典情報であってもよい。また、移動通信端末20のユーザ自身が、自端末情報に含まれる情報のうち、どの情報を移動通信部23へ出力するかを設定してもよい。
また、近距離無線通信部22は、自動販売機10の近距離無線通信部15との間でBLE接続がなされている間、クーポン取得部24から出力されたクーポン情報を、自動販売機10の近距離無線通信部15へ送信する。また、近距離無線通信部22は、自動販売機10の近距離無線通信部15から送信されたクーポン情報の認証結果を受信する。そして、近距離無線通信部22は、受信した認証結果をクーポン取得部24へ出力する。
移動通信部23は、近距離無線通信部22と近距離無線通信部15との間でBLE接続を行っていない通常時においては、端末情報保持部21が保持するSIMa情報に基づく移動通信機能を用いて移動通信を行う。移動通信部23は、近距離無線通信部22からSIMb情報及び通信先情報が出力され、近距離無線通信部22と近距離無線通信部15との間でBLE接続が行われると、SIMb情報及び通信先情報に基づき移動通信を行う。
具体的には、移動通信部23は、近距離無線通信部22と近距離無線通信部15との間でBLE接続が行われている間は、近距離無線通信部15から受信したSIMb情報に基づく移動通信を行い、通信先情報が示す所定の通信先に対し、近距離無線通信部22から出力された格納情報を送信する。そして、近距離無線通信部22と近距離無線通信部15との間でBLE接続が切断されると、SIMb情報に基づく移動通信機能を用いた移動通信が行われなくなり、SIMa情報に基づく移動通信機能を用いた移動通信が行われる。
上述したように、通信先情報が示す所定の通信先のそれぞれのアドレスには、送信すべきデータの種別が予め対応付けられている。例えば、管理サーバ30を示すアドレスには、在庫情報、機器ステータス情報、商品ID、顧客情報、及び自端末情報等の種別が対応付けられている。よって、移動通信部23は、当該対応付けに基づき、在庫情報、機器ステータス情報、商品ID、顧客情報、及び自端末情報等を管理サーバ30に対して送信する。
決済サーバ40を示すアドレスには、決済処理情報(購入商品情報及び決済ID)及び未決済処理情報等の種別が対応付けられている。よって、移動通信部23は、当該対応付けに基づき、決済処理情報及び未決済処理情報等を決済サーバ40に対して送信する。移動通信部23による各情報を管理サーバ30又は決済サーバ40へ送信するタイミングとしては、例えば近距離無線通信部22から出力される度に送信する。また、移動通信部23は、管理サーバ30及び決済サーバ40等からの送信要求等に応じたタイミング等で各サーバへの送信を行ってもよい。
また、移動通信部23は、管理サーバ30から、ネットワークNを介して、自端末に対する情報を受信する。自端末に対する情報とは、例えばユーザに対し何らかの特典を供与し得る特典情報である。以下、自端末に対する情報を「ユーザ特典情報」ともいう。ユーザ特典情報は、例えば商品の販売事業者等によって予め設定される。ユーザ特典情報は、例えば上述のクーポン情報、又は新商品販売促進情報等である。新商品販売促進情報とは、新商品の販売促進に利用し得る情報であって、例えば新商品の発売日を示す情報又は新商品のキャンペーン情報等である。
移動通信部23から所定の通信先へ情報が送信されると、これに応じて、移動通信部23は、所定の通信先からユーザ特典情報を受信する。移動通信部23は、ユーザ特典情報を受信すると、受信したユーザ特典情報をクーポン取得部24へ出力する。移動通信部23は、例えば移動通信部23から決済サーバ40への情報の送信、又は、移動通信部23から管理サーバ30への情報の送信等に応じて、ユーザ特典情報を受信してもよい。
より具体的には、例えば移動通信部23から決済サーバ40へ決済処理情報が送信されると、当該決済処理情報が送信されたことが決済サーバ40から管理サーバ30へ通知される。当該通知に応じ、管理サーバ30から移動通信部23へユーザ特典情報が送信されることで、移動通信部23がユーザ特典情報を受信してもよい。また、例えば移動通信部23から管理サーバ30へ商品IDが送信されると、当該商品IDに関連したユーザ特典情報が管理サーバ30から送信されることで、移動通信部23がユーザ特典情報を受信してもよい。なお、当該商品IDに関連したユーザ特典情報とは、例えば、当該商品IDに対応付けられたクーポン情報である。
また、移動通信部23は、上述のようにしてユーザ特典情報を受信した後に、ユーザ特典情報の受信に応じた情報として、自動販売機10における格納情報の送信を行ってもよい。具体的に、移動通信部23は、例えばユーザ特典情報を管理サーバ30から受信した後に、在庫情報、機器ステータス情報、商品ID、及び顧客情報等を管理サーバ30に対して送信してもよい。また、移動通信部23は、例えばユーザ特典情報を受信した後に、決済処理情報及び未決済処理情報等を決済サーバ40に対して送信してもよい。また、移動通信部23は、自動販売機10における格納情報を各サーバ等へ送信する際、自端末情報を併せて各サーバ等へ送信してもよい。また、移動通信部23がこれらの情報を各サーバへ送信するタイミングは、ユーザ特典情報がクーポン情報である場合には、クーポン情報が有効であることを示す認証結果がクーポン取得部24から出力され、確実にクーポン情報がユーザに利用可能となった後であってもよい。
また、移動通信部23は、例えばユーザによって利用することを選択されたクーポン情報がクーポン認証部17により有効であると判定された場合には、クーポン情報をクーポン取得部24から取得する。移動通信部23は、取得したクーポン情報を、ネットワークNを介して決済サーバ40へ送信する。これにより、決済サーバ40では、クーポン情報に基づく割引サービス又は差引サービス等が適用された決済金額を保存可能となる。
また、移動通信部23は、例えばユーザによってクーポン情報を利用せずに保存することが選択されたことを示す情報をクーポン取得部24から取得する。移動通信部23は、取得した当該情報を、ネットワークNを介して管理サーバ30へ送信する。これにより、未使用クーポン情報が管理サーバ30上に保存可能となる。
クーポン取得部24は、移動通信部23から出力されたユーザ特典情報を取得する。クーポン取得部24は、取得したユーザ特典情報を移動通信端末20のユーザに対して報知する。ユーザ特典情報をユーザに対して報知する方法としては、例えば移動通信端末20のディスプレイ等に表示して報知する方法、又は、音声等を鳴らして報知する方法等がある。なお、移動通信端末20には、取得したクーポン情報の閲覧等を行うためのアプリケーションが予めインストールされていてもよい。当該アプリケーションは、初回起動時において、ユーザによって利用許諾についての同意が行われると利用可能となる。当該アプリケーション上で、移動通信端末20のユーザは、クーポン情報の利用、所有しているクーポン情報の閲覧及び管理、あるいは利用したクーポン情報の履歴の閲覧及び管理等を行うことができる。
当該アプリケーション上では、自動販売機10における格納情報を所定の通信先へ送信すること、所定の通信先からユーザ特典情報を取得すること、及びクーポン情報を利用するための決済処理サービスとの連携等が行われてもよい。また、当該アプリケーション上では、ユーザが自端末情報等を入力することが可能である。例えば、当該アプリケーション上で、移動通信端末20のユーザが自身のプロフィールデータを入力することができる。また例えば、当該アプリケーション上で、予め商品の販売事業者等から配信されたアンケート等に対してユーザが回答を行うことができる。
クーポン取得部24は、取得したユーザ特典情報がクーポン情報である場合、自動販売機10のクーポン認証部17におけるクーポン情報の認証を行うために、クーポン情報を近距離無線通信部22へ出力する。また、クーポン取得部24は、取得したユーザ特典情報がクーポン情報である場合、必ずしも近距離無線通信部22へ出力しなくてもよく、例えばクーポン情報を利用することを移動通信端末20のユーザが選択した場合にだけクーポン情報を近距離無線通信部22へ出力してもよい。
具体的に、クーポン取得部24は、例えば移動通信端末20のタッチパネルディスプレイ上に当該クーポン情報の「利用」及び「保存」の選択肢を表示させる。これにより、移動通信端末20のユーザは、クーポン情報を利用するか又は保存するかを選択することができる。クーポン取得部24は、タッチパネルディスプレイ上における「利用」及び「保存」の選択肢の何れかの表示部分がユーザによってタッチされたことを検知することにより、ユーザがクーポン情報の「利用」及び「保存」の何れを選択したかを示す情報を取得する。
この場合、クーポン取得部24は、ユーザが「利用」を選択したことを示す情報を取得すると、自動販売機10のクーポン認証部17におけるクーポン情報の認証を行うために、クーポン情報を近距離無線通信部22へ出力する。クーポン取得部24は、ユーザが「保存」を選択したことを示す情報を取得すると、未使用のクーポン情報を管理サーバ30上で保存しておくために、ユーザによってクーポン情報を保存することが選択されたことを示す情報を移動通信部23へ出力する。また、クーポン取得部24は、自動販売機10のクーポン認証部17による認証結果を近距離無線通信部22から取得する。クーポン取得部24は、クーポン情報が有効であることを示す認証結果を取得すると、当該クーポン情報を決済サーバ40に送信するため、当該クーポン情報を移動通信部23へ出力する。
次に、自動販売機10及び移動通信端末20のハードウェア構成を説明する。図2に示すように、自動販売機10はCPU(Central Processing Unit)101、主記憶装置であるRAM(RandomAccess Memory)102及びROM(Read Only Memory)103、PSIM108、及びハードディスク等の補助記憶装置107等のハードウェアを備えるコンピュータとして構成される。PSIM108は、近距離無線通信を行うための近距離無線通信モジュール104、近距離無線通信用のアンテナ105、及びSIMb情報及び通信先情報を含む通信認証モジュール106を含む。すなわち、上述のPSIMbは、ハードウェア構成としては、PSIM108によって実現される。これらの構成要素がプログラム等により動作することにより、上述した自動販売機10の機能が発揮される。
図3に示すように、移動通信端末20は、CPU201、主記憶装置であるRAM202及びROM203、近距離無線通信を行うための近距離無線通信モジュール204、近距離無線通信用のアンテナ205、移動通信を行うための移動通信モジュール206、操作モジュール207、及びディスプレイ208等のハードウェアにより構成されている。これらの構成要素がプログラム等により動作することにより、上述した移動通信端末20の機能が発揮される。
次に、図4を参照して、以上の構成の情報送信システム1で実行される処理及び動作、すなわち情報送信システム1の動作方法である情報送信方法を説明する。図4は、情報送信システムによる処理のシーケンス図である。なお、図4のシーケンスでは、NFCの近距離無線通信による接続の確立及び情報の送受信を破線の矢印で示し、BLEの近距離無線通信による接続の確立及び情報の送受信を一点破線の矢印で示し、移動通信による情報の送受信を実線の矢印で示している。また、移動通信端末20は予めSIMa情報を有しており、自動販売機10との間でBLE接続がなされていない場合にはSIMa情報に基づく移動通信機能を用いた移動通信が行われていることを前提としている。
まず、ユーザによって自動販売機10の商品が選択されると、自動販売機10の商品情報取得部11は、ユーザによって選択された商品の商品ID、選択された商品の金額、及び商品が選択された日時を含む購入商品情報を取得し、情報格納部16へ出力する(S1)。選択された商品の電子決済を行うためにユーザによって移動通信端末20が自動販売機10に近づけられ、移動通信端末20の近距離無線通信部22と自動販売機10の近距離無線通信部15との間の距離がNFCの通信可能距離となると、近距離無線通信部22と近距離無線通信部15との間でNFC接続が確立する(S2)。
NFC接続が確立すると、NFCの通信によって、移動通信端末20の近距離無線通信部22から自動販売機10の近距離無線通信部15に対して決済ID及び顧客IDが送信される(S3)。このとき、ユーザからの商品の選択信号が入力されたことを検知した状態において、移動通信端末20から自動販売機10へ決済IDが送信されることにより、自動販売機10の商品取出口から商品が提供される。近距離無線通信部15は、送信された決済ID及び顧客IDを情報格納部16に出力する。
この際、情報格納部16では、近距離無線通信部22から送信された決済IDが、商品情報取得部11によって取得された購入商品情報に紐付けられて、決済処理情報として格納される。また、情報格納部26では、近距離無線通信部22から送信された顧客IDが、商品情報取得部11によって取得された商品IDと紐付けられて、顧客情報として格納される。これにより、情報格納部16には、決済処理情報(購入商品情報及び決済ID)、及び顧客情報(商品ID及び顧客ID)等が格納される。
また、情報格納部16には、一定間隔毎に機器情報取得部13によって取得された自動販売機10の機器ステータス情報が格納される。なお、情報格納部16には、S2におけるNFC接続の確立以前に、近距離無線通信部15との間でNFC接続が確立した移動通信端末から送信された決済ID及び顧客IDがそれぞれ決済処理情報及び顧客情報として格納されていてもよい。また、情報格納部16には、未決済処理情報が格納されていてもよい。
また、NFC接続が確立すると、NFCの通信によって、自動販売機10の近距離無線通信部15から移動通信端末20の近距離無線通信部22に対してSIMb情報及び通信先情報が送信され(S4:認証情報送信ステップ)、これにより移動通信端末20の近距離無線通信部22がSIMb情報及び通信先情報を取得する(情報取得ステップ)。続いて、自動販売機10の近距離無線通信部15と移動通信端末20の近距離無線通信部22との間でのBLE接続が行われる。具体的には、近距離無線通信部15と近距離無線通信部22との間で、NFCの通信によって、互いの機器種別情報を送受信することで、互いにBLE接続対象の機器であるか否かを判断する。互いにBLE接続対象の機器である場合には、近距離無線通信部15と近距離無線通信部22との間でBLE接続を確立する(S5)。
BLE接続が確立すると、移動通信端末20の近距離無線通信部22は、SIMa情報をSIMb情報に置換するSIMb置換処理を行う(S6)。具体的には、近距離無線通信部22は、BLE接続が確立している間は、SIMa情報に基づく移動通信機能を用いて移動通信を行うのではなく、受信したSIMb情報に基づく移動通信機能を用いて移動通信を行う。続いて、自動販売機10の近距離無線通信部15は、移動通信端末20の近距離無線通信部22に対し、BLEの通信によって、決済処理情報(商品ID、購入金額、購入日時、及び決済ID)の情報を送信する(S7)。
移動通信端末20の近距離無線通信部22は、上記決済処理情報を受信すると、受信した決済処理情報を移動通信部23へ出力する。移動通信部23は、出力された決済処理情報を、SIMb情報に基づく移動通信端末20の移動通信機能を用いた移動通信により、所定の通信先に送信する。具体的に、移動通信部23は、決済処理情報の情報を、SIMb情報に基づく移動通信端末20の移動通信によって決済サーバ40へ送信する(S8:情報送信ステップ)。決済サーバ40では、決済サーバ40へ送信された当該決済処理情報に基づき、決済処理が行われる(S9)。
すなわち、S9において、決済サーバ40は、移動通信端末20からの決済処理情報を、決済実行サーバで決済処理を実行させるための情報として記憶する。決済サーバ40は、一定期間当該情報の記憶を繰り返して決済処理情報を蓄積し、蓄積した決済処理情報を定期的に(例えば月に一回)決済実行サーバへ送信する。なお、S9において、決済サーバ40は、S9により決済処理情報を受信する度に、受信した当該決済処理情報を決済実行サーバへ送信してもよい。
また、移動通信部23は、決済処理情報に含まれる商品IDを、SIMb情報に基づく移動通信端末20の移動通信によって管理サーバ30へ送信する(S10:情報送信ステップ)。管理サーバ30は、商品IDを受信すると、受信した商品IDに対応付けられたクーポン情報を、移動体通信網を介して移動通信端末20の移動通信部23へ送信する(S11)。移動通信部23は、クーポン情報を受信すると、クーポン取得部24へ出力する。クーポン取得部24は、クーポン情報を移動通信端末20のタッチパネルディスプレイ等に表示する(S12)。この際、クーポン取得部24は、クーポン情報の「利用」及び「保存」の選択肢をタッチパネルディスプレイ上に併せて表示し、ユーザに対しクーポン情報を利用するか保存するかを選択させてもよい。
クーポン取得部24は、例えばユーザによってクーポン情報の「利用」を示す選択肢がタッチされたことを検知すると(S13)、クーポン認証部17によるクーポン情報の認証を行うため、クーポン情報を近距離無線通信部22へ出力する。続いて移動通信端末20の近距離無線通信部22から、自動販売機10の近距離無線通信部15へと、BLEの通信によってクーポン情報が送信される。そして、自動販売機10において、近距離無線通信部15からクーポン認証部17にクーポン情報が出力される。これにより、クーポン認証部17において、クーポン情報が有効か否かの判断、すなわちクーポン認証が行われる(S14)。クーポン認証部17による認証結果は、近距離無線通信部15へ出力され、続いて自動販売機10の近距離無線通信部15から移動通信端末20の近距離無線通信部22へとBLEの通信により送信される。そして近距離無線通信部22からクーポン取得部24へ、認証結果が出力され、クーポン情報がユーザによって利用可能となる。
クーポン情報がユーザにより利用可能となると、自動販売機10の近距離無線通信部15は、情報格納部16における格納情報(在庫情報、機器ステータス情報、顧客情報、及び未決済処理情報等)を、移動通信端末20の近距離無線通信部22へと送信する(S15)。移動通信端末20の近距離無線通信部22は受信した情報を移動通信部23へ出力する。移動通信部23は、出力された格納情報のうち、在庫情報、機器ステータス情報、及び顧客情報を、ネットワークNを介して管理サーバ30へ送信する(S16)。なお、移動通信部23は、S16において、自端末情報を併せて送信してもよい。S16において管理サーバ30へ送信された情報は、例えば一定間隔毎に管理サーバ30から製造元のメーカ等へ連絡され、商品の在庫管理、自動販売機10のメンテナンス、又は商品の販売促進等に利用される。また、移動通信部23は、出力された情報のうち未決済処理情報を、ネットワークNを介して決済サーバ40へ送信する(S17)。S17において決済サーバ40へ送信された未決済処理情報は、例えば決済サーバ40に蓄積された後、定期的に(例えば月に一回)決済実行サーバへ送信される。なお、決済サーバ40は、S17において未決済処理情報を受信する度に、受信した当該未決済処理情報を決済実行サーバへ送信されてもよい。
また、クーポン情報がユーザにより利用可能となると、移動通信端末20のクーポン取得部24から移動通信部23へ、クーポン情報が出力される。移動通信部23は、出力されたクーポン情報を、決済サーバ40へ送信する(S18)。続いて決済サーバ40では、送信されたクーポン情報に基づき、キャッシュバックが行われる(S19)。
具体的には、決済サーバ40は、S9において、決済実行サーバで決済処理を実行させるための情報として記憶した購入金額から、クーポン情報に基づく割引サービス又は差引サービスとして、クーポン情報が示す割引額又は差引額を割り引く又は差し引く。そして決済サーバ40は、割引後又は差引後の金額を、クーポン情報に基づく割引サービス又は差引サービスを適用後のキャッシュバック金額情報として記憶する。決済サーバ40は、一定期間当該決済金額の記憶を繰り返して情報を蓄積し、蓄積した情報を定期的に(例えば月に一回)決済実行サーバへ送信する。
なお、S19において、決済サーバ40は、S18で受信したクーポン情報に基づくキャッシュバック金額情報を取得する度に、取得したキャッシュバック金額情報を決済実行サーバへ送信してもよい。また、S19において、決済サーバ40は、S17で受信した未決済処理情報を併せて決済実行サーバへ送信してもよい。
管理サーバ30及び決済サーバ40に対する情報の送信、及びクーポン情報に基づくキャッシュバックが完了すると、自動販売機10の近距離無線通信部15と移動通信端末20の近距離無線通信部22との間のBLE接続が解除される(S20)。BLE接続が解除されると、移動通信端末20の近距離無線通信部22は、SIMb情報からSIMa情報へ復帰するSIMa復帰処理を行う(S21)。具体的には、BLE接続が解除されると、近距離無線通信部22は、SIMb情報に基づく移動通信機能を用いて移動通信を行うのではなく、自端末が有するSIMa情報に基づく移動通信機能を用いて移動通信を行う。以上のようにして、情報送信システム1で実行される処理及び動作が終了する。
以上、本実施形態に係る移動通信端末20、情報送信方法、及び情報送信システム1によれば、自動販売機10から移動通信端末20へ送信されたSIMb情報を用いて、移動通信端末20の移動通信機能によって移動通信端末20から管理サーバ30及び決済サーバ40へ情報が送信される。よって、自動販売機10に格納された情報等を、移動通信端末20を介して管理サーバ30又は決済サーバ40へ送信することができ、例えば自動販売機10における商品の在庫管理又は決済処理等に利用することができる。そして、移動通信端末20の移動通信機能によって情報の送信を行うことから、自動販売機10に移動通信のための通信設備を設ける必要がなく、通信設備のコスト削減が実現できる。以上より、通信設備のコスト削減が実現できる移動通信端末20、情報送信方法、及び情報送信システム1を提供することができる。
また、本実施形態によれば、例えば自動販売機10等の装置に格納された在庫情報及び決済処理情報等が管理サーバ30及び決済サーバ40へ送信されるので、管理サーバ30へ送信された在庫情報を例えば商品の在庫管理に利用し、又、決済サーバ40へ送信された決済処理情報を例えば商品の決済処理等に利用することができる。
また、本実施形態によれば、自端末が有する自端末情報が管理サーバ30等へ送信されるので、例えば自端末のユーザに関する情報を、例えば商品の販売等に利用することができる。
また、本実施形態によれば、移動通信部23から管理サーバ30及び決済サーバ40への情報の送信に応じて、移動通信端末20のユーザにとってのユーザ特典情報が受信可能となる。
また、本実施形態によれば、例えばユーザ特典情報を移動通信部23によって確実に受信した後に、移動通信部23による管理サーバ30及び決済サーバ40への情報の送信が行われる。よって、移動通信端末20のユーザが確実にユーザ特典情報を得た引き換えとして、移動通信端末20の移動通信機能による移動通信を用いて、例えば在庫情報等を管理サーバ30等へ送信することができる。これにより、消費者である移動通信端末20のユーザと、自動販売機10が扱う商品の販売事業者との双方に利点を有する。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、移動通信端末20は、ネットワークNを介し管理サーバ30からユーザ特典情報等を取得するとしたが、これに限られない。例えば、移動通信端末20は、ネットワークNを介し決済サーバ40からユーザ特典情報等を取得してもよい。
また、自動販売機10は、近距離無線通信機能を有するPSIMbを備えることによって近距離無線通信を行うことができるとしたが、これに限られない。例えば、自動販売機10は、SIMb情報及び通信先情報を含む通信認証モジュールとは別に、近距離無線通信機能を有するモジュールを備えていてもよい。
また、上記実施形態においては、NFCの通信によって、自動販売機10の近距離無線通信部15から移動通信端末20の近距離無線通信部22に対してSIMb情報及び通信先情報を送信するとしたが、これに限られず、NFCの通信以外の近距離無線通信を用いてもよい。例えば、BLEの通信によって、自動販売機10の近距離無線通信部15から移動通信端末20の近距離無線通信部22に対してSIMb情報及び通信先情報を送信してもよい。