JP2016185529A - 水素製造用ペーパー状触媒前駆体及びその製造方法、並びに水素製造用ペーパー状触媒構造体 - Google Patents

水素製造用ペーパー状触媒前駆体及びその製造方法、並びに水素製造用ペーパー状触媒構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】 水素製造用ペーパー状触媒構造体の前駆体として、成形加工性及び取り扱い性に優れたペーパー状触媒前駆体を提供する。
【解決手段】 無機繊維とニッケル触媒前駆体を含有し、無機繊維同士が無機バインダによって結着されたシート状多孔質成形体に有機バインダを付着することによりペーパー状触媒前駆体の機械的強度を向上する。
【選択図】 なし

Description

本発明は炭化水素を含有するガスから水素を効率よく製造するためのペーパー状触媒前駆体及びその製造方法、並びにペーパー状触媒構造体に関するものである。
近年、メタンを主成分として含有するガスから水素を製造するため触媒として、従来のハニカム構造やペレット構造の触媒構造体とは異なる、シート状に成形したペーパー状触媒構造体が提案されている(特許文献1、非特許文献1)。
ペーパー状触媒構造体は効率的な触媒反応場を提供するとともに、従来のハニカム構造やペレット構造の触媒に比べ形状加工が容易なため、各装置に付帯して使用することで装置全体の小型化が期待できる。例えばペーパー状触媒構造体を固体酸化物形燃料電池の燃料極前段に設置し、ペーパー状触媒構造体によって改質したガスにより発電するシステムが提案されている(非特許文献2)。
前記ペーパー状触媒構造体は湿式抄紙法により容易に得ることができる。さらにペーパー状触媒構造体の有している特有な繊維ネットワーク構造及び該繊維ネットワーク上に担持された金属触媒により、反応ガスとの反応を効率的に進行させることができ、触媒構造体本体の小型化も期待できると考えられている。
特許文献1ではメタンを主成分として含有するガスの水蒸気改質触媒として、耐熱性繊維を用い、ニッケル金属又はニッケル金属を含む酸化物を含ませたペーパー状触媒構造体を提案している。該特許文献では、ニッケル金属又はニッケル金属を含む酸化物と同時に添加される無機バインダ成分が、ペーパー状触媒構造体の作製時の焼成温度が1000℃より低い場合には触媒反応を妨げると記載されている。
また、予めペーパー状触媒担体を作製したのちに、金属塩水溶液にペーパー状触媒担体を浸漬した後、乾燥、焼成、還元することでペーパー状触媒構造体を作製する方法が提案されている(非特許文献1)。非特許文献1ではセラミックファイバーとアルミナゾルを用い湿式抄紙法によりシート状成形体を作製した後、500℃の焼成を行うことでペーパー状触媒担体を得、次に硝酸マグネシウム及び硝酸ニッケルの各水溶液に随時浸漬するか、又は硝酸マグネシウムと硝酸ニッケルの混合水溶液に浸漬した後、乾燥、焼成、還元することでペーパー状触媒構造体を得ている。該ペーパー状触媒構造体はメタンの水蒸気改質の触媒として良好な性能が得られている。非特許文献1に提案されている方法は、より低い温度での焼成によりペーパー状触媒構造体を作製ができ、かつ触媒活性も良好なため非常に有用な手法である。
以上のようにセラミックファイバーを含む耐熱性繊維を抄紙したシート中にニッケル金属又はニッケル金属を含む酸化物を分散したペーパー状触媒構造体が提案され、いずれも良好な特性が得られている。
特開2011−092825号公報
Shin Miura, et.al., 「In situ synthesis ofNi/MgO catalysts on inorganic paper−like matrix for methane steam reforming」,Chemical Engineering Journal, Vol.229,2013,pp515−521
Yusuke Shiratori, et.al.,「Study on paper−structured catalyst for direct internal reforming SOFC fueled by the mixture of CH4 and CO2」, INTERNATIONAL JOURNAL OF HYDROGEN ENERGY, Vol.38,2013, pp10542−10551
しかしながらペーパー状触媒構造体はその構造によっては不具合が生じてしまう場合がある。ペーパー状触媒構造体は無機繊維同士を無機バインダにより結着しているが、例えば焼成処理後のペーパー状触媒前駆体あるいは還元処理後のペーパー状触媒構造体を所望の形状に加工する際や所望の場所に設置する際に、ペーパー状触媒前駆体あるいはペーパー状触媒構造体が折れたり、破断してしまうという問題があった。この問題は特にペーパー状触媒前駆体あるいはペーパー状触媒構造体の厚みが薄い場合に問題が発生し易い。
上記問題を回避するためには、例えばより多くの無機バインダをペーパー状触媒構造体中に含有させる方法が考えられる。しかしながら、無機バインダの含有量を増加させると、ペーパー状触媒構造体は無機バルクのように硬くはなるが、逆に割れやすく脆くなってしまい好ましくない。さらにはペーパー状触媒構造体の持つ効率的な触媒反応場となる空隙が無機バインダによって閉塞されてしまう問題が新たに生じてしまう。
前述のようにペーパー状触媒は特に触媒構造体として非常に有効な触媒であるが、一方でその構造に起因する低い機械的強度が問題であった。
本発明では形状加工が容易であり取り扱いやすさを改善したペーパー状触媒前駆体であって、所望の場所に設置した後、加熱還元することで高い触媒性能を発揮するペーパー状触媒構造体が作製できるペーパー状触媒前駆体とその製法を提供する。
本発明者は、上記課題を解決すべく誠意研究を重ねた結果、下記の発明が目的に合致することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、無機繊維とニッケル触媒前駆体とを含有し、無機繊維同士が無機バインダによって結着されたシート状多孔質成形体に有機バインダが付着していることを特徴とする水素製造用ペーパー状触媒前駆体である(本発明1)。
また、本発明は、前記有機バインダが、アクリルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、メチルセルロース、エチルセルロース、及び前記化合物の共重合体又は誘導体より選ばれる一種以上からなる本発明1に記載の水素製造用ペーパー状触媒前駆体である(本発明2)。
また、本発明は、前記無機繊維がアルミナ、シリカ、ジルコニア、セリア、カルシア、マグネシアから選ばれる一種類以上を含む繊維である本発明1又は2に記載の水素製造用ペーパー状触媒前駆体である(本発明3)。
また、本発明は、前記無機バインダがシリカ、アルミナ、ジルコニア、安定化ジルコニア、セリアより選ばれる一種以上からなる本発明1〜3のいずれかに記載の水素製造用ペーパー状触媒前駆体である(本発明4)。
また、本発明は、前記ニッケル触媒前駆体がニッケル酸化物を含む化合物である本発明1〜4のいずれかに記載の水素製造用ペーパー状触媒前駆体である(本発明5)。
また、本発明は、無機繊維と無機バインダ原料とニッケル触媒前駆体とを含むスラリーを湿式抄紙法によってシート状成形体とし、該シート状成形体を500℃以上で焼成してシート状多孔質成形体とした後、該シート状多孔質成形体を有機バインダを溶解若しくは分散させた溶液中に浸漬又は該シート状多孔質成形体に有機バインダを溶解若しくは分散させた溶液を塗布若しくは噴霧し、乾燥させることを特徴とする本発明1〜5のいずれかに記載の水素製造用ペーパー状触媒前駆体の製造方法である(本発明6)。
また、本発明は、無機繊維と無機バインダ原料とを含むスラリーを湿式抄紙法によってシート状成形体とし、該シート状成形体を500℃以上で焼成してシート状多孔質成形体とした後、該シート状多孔質成形体にニッケル触媒前駆体を担持し、該シート状多孔質成形体を有機バインダを溶解若しくは分散させた溶液中に浸漬又は該シート状多孔質成形体に有機バインダを溶解若しくは分散させた溶液を塗布若しくは噴霧し、乾燥させることを特徴とする本発明1〜5のいずれかに記載の水素製造用ペーパー状触媒前駆体の製造方法である(本発明7)。
また、本発明は、本発明1〜5のいずれかに記載のペーパー状触媒前駆体を還元雰囲気下で加熱処理を行うことによって製造される水素製造用ペーパー状触媒構造体である(本発明8)。
また、本発明は、本発明8に記載の水素製造用ペーパー状触媒構造体を用いて炭化水素を分解することを特徴とする水素の製造方法である(本発明9)。
また、本発明は、本発明8に記載の水素製造用ペーパー状触媒構造体を用いることを特徴とする燃料電池システムである(本発明10)。
本発明のペーパー状触媒前駆体は無機繊維同士が無機バインダによって結着されたシート状多孔質成形体に有機バインダが付着されているため、機械的強度が高く成形加工性及び取り扱い性に優れている。さらに、シート状多孔質成形体に付着した有機バインダは加熱によって消失し、この加熱は水素製造用の反応器内で行うことができるため、有機バインダを付着したペーパー状触媒前駆体を取り扱い性に優れた状態のまま反応器に設置して用いることができる。
また、有機バインダは加熱により消失するため、ペーパー状触媒構造体中の無機繊維間の空隙をバインダで閉塞する事がなく、ペーパー状触媒構造体の本来持つ触媒性能を損なうことがない。
強度試験方法 改質性評価装置
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明に係るペーパー状触媒前駆体は、無機繊維とニッケル触媒前駆体とを含む。
ペーパー状触媒前駆体を構成する無機繊維としては、ペーパー状触媒前駆体を加熱還元した後のペーパー状触媒構造体としての使用条件での熱的安定性、化学的安定性が高い無機物からなる繊維体を用いる事ができる。
無機繊維は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、セリア、カルシア、マグネシアから選ばれる一種類以上を含む繊維であることが好ましく、例えば、アルミナとシリカで構成されるリフラクトリーセラミックファイバーやアルミナが主成分であるアルミナファイバー、シリカとマグネシアとカルシアを成分とする生体溶解性繊維等が挙げられる。無機繊維は一種類で使用しても複数を混合して使用しても良い。また、より耐熱性を向上させる目的でジルコニア繊維が含まれていても良い。
リフラクトリーセラミックファイバーとしては、例えば、イビデン株式会社製IBIWOOL(登録商標)、イソライト工業株式会社製イソウール(登録商標)、ニチアス株式会社製ファインフレックス(登録商標)等である事が好ましい。
アルミナファイバーとしては、電気化学工業株式会社製デンカアルセン(登録商標)等であることが好ましい。
生体溶解性繊維としては、イビデン株式会社製IBIWOOL(登録商標)−E、ニチアス株式会社製ファインフレックス(登録商標)−E、新日本サーマルセラミックス株式会社製スーパーウール(登録商標)等であることが好ましい。
ジルコニア繊維としては安定化ジルコニア繊維が好ましく、ジルカー社製ZYBF−2等である事が好ましい。
無機繊維の長さ及び太さは、ペーパー状触媒構造体を形成できる範囲であればよく、本発明のペーパー状触媒構造体の用途を考慮して適宜決定される。通常、平均全長30μm〜6mm、好ましくは50μm〜3mm、平均直径が1〜20μm、好ましくは4〜10μmである。なお、無機繊維の長さ及び太さは走査型電子顕微鏡(SEM)で確認する事ができる。また、通常、無機繊維には製造工程中に発生したショットと呼ばれる繊維形状以外の物質が含まれているが、これらショットを除去した無機繊維を用いる事がより好ましい。
無機繊維は耐熱性とともに機械的強度を向上させる目的でグラスファイバーを含んでいても良い。
本発明のニッケル触媒前駆体としては、ニッケル酸化物を含む化合物を用いる事ができる。
このようなニッケル触媒前駆体としては、例えば酸化ニッケルや、ニッケルを含有する若しくはニッケルが担持された酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、及びペロブスカイト型酸化物が挙げられる。ペロブスカイト型酸化物としては、例えばチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム等やその一部が他の元素に置換された化合物を使用する事ができる。また、本発明のニッケル触媒前駆体はマグネシウムの一部がニッケルに置換したニッケルとマグネシウムとアルミニウムとを含有する複合金属酸化物(例えばハイドロタルサイト様化合物である層状複水酸化物を焼成して得られる複合金属酸化物)であってもよい。
本発明におけるニッケル触媒前駆体は前記の酸化物等としてペーパー状触媒前駆体に含有され、触媒として利用される前に、還元雰囲気下により還元される。あるいは、加熱雰囲気下、炭化水素を含むガスをペーパー状触媒前駆体内部に通じることでニッケルが還元され、触媒性を出現させて使用される。
本発明のペーパー状触媒前駆体を加熱還元して得たペーパー状触媒構造体のニッケルの含有量は用途、原料ガスの組成などに応じて適宜選択されるが、通常、ペーパー状触媒全体を100重量%とした時に、ニッケル元素換算量で1〜20重量%の範囲である。
ペーパー状触媒構造体を構成する無機繊維は、無機バインダによって繊維同士が結着される。
前記ニッケル触媒前駆体の粒子は、直接無機繊維上に担持されるか、あるいは無機バインダを介して無機繊維上に結着される。
無機バインダとしては、本発明のペーパー状触媒構造体の使用条件において、十分な化学的安定性を有し、且つ、十分な機械的強度に結着できるものであれば、従来公知の無機バインダを使用できる。無機バインダは、シリカ、アルミナ、ジルコニア、安定化ジルコニア、セリアより選ばれる一種以上からなることが好ましい。
無機バインダによる無機繊維の結着は無機繊維と無機バインダ原料とをシート状に成形した後に焼成して行うことができ、結着された無機繊維間に多数の空隙を有するシート状多孔質成形体を得ることができる。このシート状多孔質成形体は焼成されたセラミックスが主成分であり、また、薄く成形されているために、脆く機械的強度に欠ける。
本発明に係るペーパー状触媒前駆体は、無機繊維とニッケル触媒前駆体とを含有し、無機繊維同士が無機バインダによって結着されたシート状多孔質成形体に有機バインダが付着している。有機バインダは、シート状多孔質成形体を構成する無機バインダで結着された無機繊維の表面及び無機繊維の結合部を覆うように付着していることが好ましい。また、有機バインダが無機繊維同士の間の空隙を閉塞せず、通気できる状態であるほうが、ペーパー状触媒前駆体の還元時に有機バインダが容易に分解されるため好ましい。
本発明の有機バインダとしては、ペーパー状触媒前駆体の機械的強度を改善し、かつ前記ニッケル触媒前駆体が還元される雰囲気下(非酸化雰囲気下)において十分に加熱分解される有機バインダを用いる。
このような有機バインダとしては、アクリルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、メチルセルロース、エチルセルロース及び各有機バインダの共重合体及び誘導体等が挙げられる。有機バインダは非酸化雰囲気下においても低温で焼失するものが好ましく、例えばアクリルポリマーがより好ましい。有機バインダとしては、例えば、東亜合成株式会社製 アロン(登録商標)シリーズ(NW−7060、NW−400、A−3611、A−104、A−106、NS−1200(1)、AS−2000、AS−1100、AS−1800等)、共栄社化学工業株式会社製 オリコックスKCシリーズ(KC−1700P、KC−1100、KC−7000、KC−500、KC−700、KC−800、KC−1775、KC−7025T、KC−210等)、アルファ化研株式会社製 アルファレジンC−401、などを用いる事ができる。
有機バインダは各種溶剤又は水に溶解又は分散させて用いる。
各種溶剤としてはメタノール、エタノール、IPA、ブタノール、エチレングリコール、ターピネオール、ヘキサノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、MIBK、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、ブチルセルソルブ、THF、DMF等が用いられる。これらは単独で用いても複数混合して用いても良い。あるいは水と混合して用いても良い。
有機バインダはペーパー状触媒前駆体に含まれる無機繊維とニッケル触媒前駆体と無機バインダとの合計量に対して0.1〜20重量%になるように調製する事が好ましい。より好ましくは0.5〜5重量%である。
本発明に係るペーパー状触媒前駆体の機械的強度は、例えば図1に示すように試験片の上下をつかんで引っ張った際に試験片が断裂するまでの最大荷重で計測する事ができる。厚さ1mm程度のペーパー状触媒前駆体を50mm×15mmの短冊状に切断した試験片を、上下を30mmの間隔で5mm幅のつかみ部でチャッキングして引っ張り速度100mm/minで引っ張った場合においては、試験片が断裂するまでの最大荷重が4.0未満の時にはペーパー状触媒前駆体の機械的強度が不足し、形状加工や取り扱い時の問題を充分に解決できない。
次に本発明に係るペーパー状触媒前駆体の製造方法を述べる。
本発明に係るペーパー状触媒前駆体は、無機繊維と無機バインダ原料とニッケル触媒前駆体とを含むスラリーを湿式抄紙法によってシート状成形体とし、該シート状成形体を500℃以上で焼成してシート状多孔質成形体とした後、該シート状多孔質成形体を有機バインダを溶解若しくは分散させた溶液中に浸漬又は該シート状多孔質成形体に有機バインダを溶解若しくは分散させた溶液を塗布若しくは噴霧し、乾燥させることで製造する事ができる。
又は本発明に係るペーパー状触媒前駆体は、無機繊維と無機バインダ原料とを含むスラリーを湿式抄紙法によってシート状成形体とし、該シート状成形体を500℃以上で焼成してシート状多孔質成形体とした後、該シート状多孔質成形体にニッケル触媒前駆体を担持し、該シート状多孔質成形体を有機バインダを溶解若しくは分散させた溶液中に浸漬又は該シート状多孔質成形体に有機バインダを溶解若しくは分散させた溶液を塗布若しくは噴霧し、乾燥させることで製造する事ができる。
次に市販の抄紙装置を用いた場合のシート状成形体の作製について一例を記述するが、製造方法を限定するものではない。各製紙装置に合わせて量や材料あるいは添加手順を最適化して選ぶ事ができる。
まず、無機繊維、ニッケル触媒前駆体の粉末、無機バインダ原料、及び必要に応じて他の成分(気孔調製剤、分散剤、pH調製剤他)を溶媒にいれて、均一になるまで分散させたスラリーを作製する。
シート状成形体中にニッケル触媒前駆体の粉末を均一に抄き込む事を目的に、予めニッケル触媒前駆体の粉末を含む液体を機械的に撹拌し、分散処理したスラリーを用いても良い。
無機バインダ原料としては、従来公知の無機バインダを使用でき、例えば、市販されているアルミナゾル、シリカゾル、ジルコニアゾル、安定化ジルコニアゾル、セリアゾルを使用する事ができる。
また、スラリーには、パルプを加えることが好ましい。パルプは湿潤状態での強度を確保し、ろ過用メッシュからの焼成前のシート状成形体の採取を容易にする。また、パルプはシート状成形体の焼成中に焼失し、空隙(拡散パス)を生成するため、ペーパー状触媒構造体内部の気孔調整ができる。パルプの量は無機繊維100重量%に対し1重量%〜50重量%、好ましくは1重量%〜20重量%である。パルプは予め叩解処理したものを用いることが好ましい。
前記スラリーにイオン性ポリマーなどの凝集剤を添加してフロックを生成し、そのフロックに水力学的せん断力を加えて崩壊させると同時に200メッシュの抄き網を用いて脱水・抄造し、均質なシート状の複合体を得る。得られたシート状複合体を乾燥し、熱処理及び加圧処理を行うことにより、均一な厚さのシート状成形体を得る。
続いて、シート状成形体を500℃以上で焼成してシート状多孔質成形体を得る。焼成温度はペーパー状触媒の構成成分、用途、条件によって適宜最適な温度を選択する事ができるが、好ましくは500℃〜850℃である。
焼成時の焼成雰囲気は、空気や不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス等)等が用いられるが、通常は空気が用いられる。焼成によりシート状成形体に含まれる有機物成分を除去するとともに、無機バインダが溶融あるいは焼結する温度まで加熱することで、ニッケル触媒前駆体酸化物粉末を無機繊維に結着させるとともに無機繊維同士の結着を行う。
得られたシート状多孔質成形体を予め調製した有機バインダ溶液中に浸漬し、乾燥させてシート状多孔質成形体に有機バインダを付着させてペーパー状触媒前駆体とする。
また、シート状多孔質成形体に有機バインダを付着させる別の方法としては、予め調製した有機バインダ溶液を該シート状成形体に塗布するか又は噴霧した後に乾燥しても良い。
いずれの方法を用いても、有機バインダはペーパー状触媒前駆体に含まれる無機繊維と無機バインダとニッケル触媒前駆体の合計量に対して0.1〜20wt%になるように調製する事が好ましく、より好ましくは0.5〜5wt%である。
別のペーパー状触媒前駆体の製造法としては、無機繊維及び無機バインダ原料とを含み、ニッケル触媒前駆体の粉末を含まないスラリーを用い、前述の方法と同様に湿式抄紙法により作製したシート状成形体を、500℃以上で焼成を行った後に、ニッケルイオンを含む溶液中に浸漬し、500℃以上で焼成してシート状多孔質成形体を得る。この方法によりニッケル触媒前駆体が無機繊維上及び無機バインダ上に担持される。
また、さらに別のペーパー状触媒前駆体の製造法としては、無機繊維と無機バインダ原料とを含み、ニッケルを含まない酸化物の粉末を含むスラリーを用い、前述の方法と同様に湿式抄紙法により作製したシート状成形体を、500℃以上で焼成を行った後に、ニッケルイオンを含む溶液中に浸漬し、500℃以上で焼成してシート状多孔質成形体を得る。ニッケルを含まない酸化物としては、後にニッケルを担持又は含有させることができる化合物であればよく、例えば前述のニッケル触媒前駆体に用いられる酸化物を用いることができ、特にマグネシウムとアルミニウムとを含有する複合金属酸化物又はその前駆体である層状複水酸化物が好ましい。シート状多孔質成形体が酸化物を含む場合には、この方法によりシート状多孔質成形体にニッケルが固溶した酸化物あるいはニッケルを含む複合金属酸化物等のニッケル触媒前駆体が生成する。
得られたシート状多孔質成形体には、前述と同様の方法により有機バインダを付着させることができる。
本発明においては、シート状多孔質成形体に有機バインダが付着していることで、ペーパー状触媒前駆体の機械的強度に優れるため、成形加工性及び取り扱い性に優れている。すなわち、ペーパー状触媒前駆体をハサミや打ち抜き金型などで容易に所望の形に切断、打ち抜きにより成形することができ、また、取り扱い時に不用意に折れ曲がり、破断や欠落が発生することがない。
本発明に係るペーパー状触媒前駆体は、還元雰囲気下で加熱処理を行うことによってニッケル触媒前駆体が還元されて金属ニッケルの微粒子が生成され、水素を製造する機能を発揮するペーパー状触媒構造体となる。還元のための加熱温度は好ましくは700℃〜850℃である。
ニッケル触媒前駆体が還元される加熱条件下ではシート状多孔質成形体に付着させた有機バインダは分解されて消失する。この加熱は水素製造用の反応器内で行うことができるため、有機バインダが付着したニッケル触媒前駆体を反応器の所望の場所に設置してから還元してペーパー状触媒構造体とすればよく、反応器はそのまま水素の製造に用いることができる。
また、還元雰囲気下での加熱処理によって有機バインダは消失するため、ペーパー状触媒構造体中の無機繊維間の空隙がバインダで閉塞されることがなく、ペーパー状触媒構造体の有する良好な触媒性能を発揮する事ができる。
さらには、ニッケル触媒は炭化水素を改質するのに好適であるため、ペーパー状触媒前駆体中の有機バインダが加熱分解されて発生した炭化水素を改質することで、ペーパー状触媒構造体内部に有機バインダ由来の炭素の析出が起こりにくくなるというメリットがある。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
マグネシウムとアルミニウムとを含有する複合金属酸化物又は層状複水酸化物の平均粒子径は走査型電子顕微鏡(SEM)(HITACHI製 S−4800)で確認した。
ペーパー状触媒前駆体に含まれる有機バインダ成分の重量比は熱分析装置(Seiko Instruments Inc. 製 EXSTAR 6000 TG/DTA6300)を用いて行った。
シート状成形体に抄きこまれるマグネシウムとアルミニウムとを含有する複合金属酸化物に含まれるニッケル、マグネシウム及びアルミニウムの量は、ICPプラズマ発光分析装置(Thermal Fisher製 iCAP−6500DUO)を用いて測定した。
ペーパー状触媒構造体に含まれるニッケルの量は、ペーパー状触媒構造体を乳鉢にて粉砕し、ICPプラズマ発光分析装置(Thermal Fisher製 iCAP−6500DUO)を用いて測定した。
ペーパー状触媒構造体に含まれるマグネシウムとアルミニウムとを含有する複合金属酸化物上に析出したニッケル微粒子の平均粒子径は走査型電子顕微鏡(SEM)(HITACHI製 S−4800)で観察して測定した。
ペーパー状触媒構造体のBET比表面積は「モノソープMS−21(カンタクロム株式会社製)」を用いて窒素吸着によるBET法により測定した。
以下の実施例において、使用した原料はそれぞれ次のとおりである。
1.無機繊維
・非晶質シリカ−アルミナ繊維 IBIWOOL(登録商標)J−15 イビデン株式会社製
2.無機バインダ
・アルミナゾル(日産化学工業製)
・ジルコニアゾル(第一稀元素化学工業製)
3.イオン性ポリマー
いずれのポリマーも0.2wt%の水溶液に調整して用いた。
・PDADMAC(Polydiallyldimethylammonium chloride, Sigma−Aldrich,Ltd.製)
カチオン性
分子量:約3×10
電荷密度:5.5 meq/g
・ポリアクリルアミド(富士化水工業製)
アニオン性
分子量:約1.2×107
電荷密度:0.83〜1.36 meq/g
4.ニッケルとマグネシウムとアルミニウムとを含有する複合金属酸化物
平均粒子径:100nm
Ni含有量:21%
Mg/Al比:3
5.マグネシウムとアルミニウムとを含有する層状複水酸化物
和光純薬工業株式会社製
平均粒子径:150nm
Mg/Al比:3.0
6.有機バインダ
・東亜合成株式会社製 AS−2000
水溶性アクリルポリマーの水溶液
実施例1
無機繊維としてIBIWOOL J−15(5g)と600mLの水をミキサーで約3分混合した。次いで、3Lのプラスチックカップにマグネチックスターラーチップ、ニッケルとマグネシウムとアルミニウムとを含有する複合金属酸化物(1g)と先の混合処理したIBIWOOL J−15のスラリーを投入し、全体で1.5Lの体積になるよう水を加えて約30秒撹拌した。スターラーで攪拌しながらカチオン性ポリマーであるPDADMACの水溶液(0.2wt%)を15.0g投入し、約3分間撹拌した。
次いで、焼成後に無機バインダとして機能するジルコニアゾル(固形分濃度20wt%)を2.5g加え約30秒間撹拌した。次にアニオン性ポリマーであるポリアクリルアミドポリマーの水溶液(0.2wt%)を32.5g加え約3分間撹拌した。なお、アニオン性ポリマーを投入した瞬間に、無機繊維等が凝集して玉状になる。
次に、叩解処理したパルプ(10wt%)2.5gを解繊してスラリーに加え、約3分攪拌した。
得られたスラリーを市販の抄紙装置(熊谷理機工業株式会社製)に注ぎ込み、直径160mmの円形のろ過用金属網(200メッシュ)に懸濁混合物を脱水により堆積させた。形成された堆積物をメッシュから剥がし取り、350kPaで3分プレスし、105℃で2時間乾燥させてシート状成形体とし、続いて、大気雰囲気中600℃で5時間焼成しシート状多孔質成形体を得た。
シート状多孔質成形体をアクリルポリマーの水溶液に浸漬した後、105℃で乾燥させ、ペーパー状触媒前駆体を得た。有機バインダ成分としてはペーパー状触媒前駆体に含まれる無機繊維と無機バインダとニッケル触媒前駆体の合計量に対して10.1wt%であった。
実施例2
無機繊維としてIBIWOOL J−15(5g)と600mLの水をミキサーで約3分混合した。次いで、3Lのプラスチックカップにマグネチックスターラーチップ、ニッケルとマグネシウムとアルミニウムとを含有する複合金属酸化物(1g)と先の混合処理したIBIWOOL J−15のスラリーを投入し、全体で1.5Lの体積になるよう水を加えて約30秒撹拌した。スターラーで攪拌しながらカチオン性ポリマーであるPDADMACの水溶液(0.2wt%)を15.0g投入し、約3分間撹拌した。
次いで、焼成後に無機バインダとして機能するアルミナゾル(固形分濃度20wt%)を2.5g加え約30秒間撹拌した。次にアニオン性ポリマーであるポリアクリルアミドポリマーの水溶液(0.2wt%)を16.25g加え約3分間撹拌した。なお、アニオン性ポリマーを投入した瞬間に、無機繊維等が凝集して玉状になる。
次に、叩解処理したパルプ(10wt%)2.5gを解繊してスラリーに加え、約3分攪拌した。
得られたスラリーを市販の抄紙装置(熊谷理機工業株式会社製)に注ぎ込み、直径160mmの円形のろ過用金属網(200メッシュ)に懸濁混合物を脱水により堆積させた。形成された堆積物をメッシュから剥がし取り、350kPaで3分プレスし、105℃で2時間乾燥させてシート状成形体とし、続いて、大気雰囲気中800℃で5時間の焼成を行い、シート状多孔質成形体を得た。
シート状多孔質成形体をアクリルポリマーの水溶液に浸漬した後、105℃で乾燥させ、ペーパー状触媒前駆体を得た。有機バインダ成分としてはペーパー状触媒前駆体に含まれる無機繊維と無機バインダとニッケル触媒前駆体の合計量に対して4.1wt%であった。
実施例3
無機繊維としてIBIWOOL J−15(5g)と600mLの水をミキサーで約3分混合した。次いで、3Lのプラスチックカップにマグネチックスターラーチップ、マグネシウムとアルミニウムとを含有する層状複水酸化物(2g)と先の混合処理したIBIWOOL J−15のスラリーを投入し、全体で1.5Lの体積になるよう水を加えて約30秒撹拌した。スターラーで攪拌しながらカチオン性ポリマーであるPDADMACの水溶液(0.2wt%)を17.5g投入し、約3分間撹拌した。
次いで、焼成後に無機バインダとして機能するジルコニアゾル(固形分濃度20wt%)を2.5g加え約30秒間撹拌した。次にアニオン性ポリマーであるポリアクリルアミドポリマーの水溶液(0.2wt%)を37.5g加え約3分間撹拌した。なお、アニオン性ポリマーを投入した瞬間に、無機繊維等が凝集して玉状になる。
次に、叩解処理したパルプ(10wt%)2.5gを解繊してスラリーに加え、約3分攪拌した。
得られたスラリーを市販の抄紙装置(熊谷理機工業株式会社製)に注ぎ込み、直径160mmの円形のろ過用金属網(200メッシュ)に懸濁混合物を脱水により堆積させた。形成された堆積物をメッシュから剥がし取り、350kPaで3分プレスし、105℃で2時間乾燥させてシート状成形体とし、続いて、大気雰囲気中800℃で5時間焼成しシート状多孔質成形体を得た。
続いて、0.1mol/lの硝酸ニッケル水溶液中にシート状成形体を1時間浸漬した後、105℃で乾燥後、800℃で5時間焼成してニッケル触媒前駆体を含有するシート状多孔質成形体を得た。
シート状多孔質成形体をアクリルポリマーの水溶液に浸漬した後、105℃で乾燥させ、ペーパー状触媒前駆体を得た。有機バインダ成分としてはペーパー状触媒前駆体に含まれる無機繊維と無機バインダとニッケル触媒前駆体の合計量に対して1.6wt%であった。
比較例1〜3
有機バインダを含有させる処理を行わない以外は実施例1〜3と同様の操作を行い、ペーパー状触媒前駆体を得た。
Figure 2016185529
ペーパー状触媒前駆体の機械的強度測定
実施例1〜3及び比較例1〜3のペーパー状触媒前駆体の機械的強度は図1に示すように、ペーパー状触媒前駆体を50mm×15mmの短冊状に切断した試験片を、IMADA製引っ張り試験器を用い、上下を30mmの間隔で5mm幅のつかみ部でチャッキングして引っ張り速度100mm/minで引っ張り、試験片が断裂するまでの最大荷重(N)で表わした。表2に示すように実施例1〜3は比較例1〜3に比べて引っ張り強度が向上した。
ペーパー状触媒前駆体の還元によるペーパー状触媒構造体の調製
実施例1〜3及び比較例1〜3のペーパー状触媒前駆体中のニッケルを還元させ触媒性能を発現するために、得られたシート状成形体を20Vol% H/N中、800℃において5時間還元処理を行ってペーパー状触媒構造体を得た。還元処理はペーパー状触媒前駆体(直径20mmの円に切断)を2枚重ね、直径20mmの円筒形の改質性評価装置(図2)に組み込んで行った。
改質試験
実施例1〜3及び比較例1〜3で作製したペーパー状触媒前駆体を還元処理したペーパー状触媒構造体に対し、メタンガスと水蒸気を通過させ、その触媒性能の評価を行った。
ペーパー状触媒構造体を組み込んだ改質性評価装置(図2)において、GHSV 5000h−1、S/C(Steam/Carbon)比を3に設定し、600℃及び700℃の反応温度で改質試験を行い、メタンの転化率の値で性能を評価した(表2)。実施例1〜3はいずれも良好な改質触媒能を有したペーパー状触媒であり、触媒前駆体への有機バインダの付着が触媒性能を損なうことはなかった。
Figure 2016185529
本発明のペーパー状触媒前駆体は、機械的強度が高く、成型加工性及び取り扱い性に優れているため、水素を効率よく製造できるペーパー状触媒構造体の普及を妨げる問題を解決できる。
1 試験片
2 チャッキング
11 ペーパー状触媒構造体
12 反応管
13 加熱装置
GC ガスクロマトグラフ

Claims (10)

  1. 無機繊維とニッケル触媒前駆体とを含有し、無機繊維同士が無機バインダによって結着されたシート状多孔質成形体に有機バインダが付着していることを特徴とする水素製造用ペーパー状触媒前駆体。
  2. 前記有機バインダが、アクリルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、メチルセルロース、エチルセルロース、及び前記化合物の共重合体又は誘導体より選ばれる一種以上からなる請求項1に記載の水素製造用ペーパー状触媒前駆体。
  3. 前記無機繊維がアルミナ、シリカ、ジルコニア、セリア、カルシア、マグネシアから選ばれる一種類以上を含む繊維である請求項1又は2に記載の水素製造用ペーパー状触媒前駆体。
  4. 前記無機バインダがシリカ、アルミナ、ジルコニア、安定化ジルコニア、セリアより選ばれる一種以上からなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の水素製造用ペーパー状触媒前駆体。
  5. 前記ニッケル触媒前駆体がニッケル酸化物を含む化合物である請求項1〜4のいずれか一項に記載の水素製造用ペーパー状触媒前駆体。
  6. 無機繊維と無機バインダ原料とニッケル触媒前駆体とを含むスラリーを湿式抄紙法によってシート状成形体とし、該シート状成形体を500℃以上で焼成してシート状多孔質成形体とした後、該シート状多孔質成形体を有機バインダを溶解若しくは分散させた溶液中に浸漬又は該シート状多孔質成形体に有機バインダを溶解若しくは分散させた溶液を塗布若しくは噴霧し、乾燥させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の水素製造用ペーパー状触媒前駆体の製造方法。
  7. 無機繊維と無機バインダ原料とを含むスラリーを湿式抄紙法によってシート状成形体とし、該シート状成形体を500℃以上で焼成してシート状多孔質成形体とした後、該シート状多孔質成形体にニッケル触媒前駆体を担持し、該シート状多孔質成形体を有機バインダを溶解若しくは分散させた溶液中に浸漬又は該シート状多孔質成形体に有機バインダを溶解若しくは分散させた溶液を塗布若しくは噴霧し、乾燥させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の水素製造用ペーパー状触媒前駆体の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のペーパー状触媒前駆体を還元雰囲気下で加熱処理を行うことによって製造される水素製造用ペーパー状触媒構造体。
  9. 請求項8に記載の水素製造用ペーパー状触媒構造体を用いて炭化水素を分解することを特徴とする水素の製造方法。
  10. 請求項8に記載の水素製造用ペーパー状触媒構造体を用いることを特徴とする燃料電池システム。
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