JP2016185380A - シューズのアッパー構造およびシューズ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】着用者の足を覆うアッパー2において、足の中足部に対応する中足部領域に伸縮部20を配置するとともに、中足部領域を除く内甲側領域および外甲側領域に非伸縮部21を配置する。伸縮部20および非伸縮部21の境界面を実質的にフラットな面から形成する。境界面においては、伸縮部20および非伸縮部21の各々の端部を縫製して、境界面に縫い目が現れないようにする。
【選択図】図1
Description
図1ないし図11は本発明の一実施例によるアッパー構造が採用されたシューズを示している。ここでは、サッカーシューズを例にとって説明する。なお、以下の説明文中、前方(前側/前)および後方(後側/後)とは、シューズにおける前後方向の位置関係を表し、上方(上側/上)および下方(下側/下)とは、シューズにおける上下方向の位置関係を表すものとする。
(1)試験方法
JIS L 1096 8.14.1 「織物及び編物の生地試験方法」A法(ストリップ法)に準拠した定速伸長法による。
試験片を引張試験機でつかんで引っ張った後、伸長率を測定する。
(2)試験条件
試験片のつかみ間隔: 200mm
引張速度: 200mm/min.
(3)伸長率の計算方法
伸長率(%)=(L1−L0)/L0×100
L0: つかみ間隔
L1: 荷重29.4Nの作用時のつかみ間隔
ここで、JISでは、荷重14.7N(1.5kgf)の作用時の伸長率を定めているが、任意の荷重でよいと記されているため、ここでは29.4Nを採用した。
(4)試験結果
試験片として、伸縮部20については、伸縮性のある編物のメッシュ素材(ポリエステル糸およびウレタン糸からなるメッシュ)に伸縮性のあるPUフィルム(厚み約0.3mm)およびホットメルト接着剤を熱圧着したものを用意し、非伸縮部21については、伸縮しにくい織物のメッシュ素材およびホットメルトを人工皮革に熱圧着したものを用意して、引張試験を行った結果は、以下のとおりである。
伸縮部20の伸長率: 11.1%
非伸縮部21の伸長率: 3.8%
本アッパー構造においては、アッパー2の外甲側領域が非伸縮部21から構成されているので(図1、図3参照)、ターン動作時に蹴り出す足がアッパー2の外甲側に移動しようとした際には、アッパー2の外甲側領域に配置された非伸縮部21が足の外甲側を保持して足をホールドし、これにより、ターン動作時のホールド性を向上できる。しかも、この場合には、アッパー2の内甲側領域の一部である中足部領域(または足の内側縦アーチの一部の領域に対応する部分)が伸縮部20から構成されているので(図1、図2参照)、伸縮部20がターン動作時の足の捩じれに追従することができ、これにより、ターン動作時のフィット性を向上できる。
このような素早いターン動作時に、蹴り出す足がアッパー2の外甲側に急激に移動しようとした際でも、アッパー2の外甲側領域の非伸縮部21が足の外甲側を確実に保持して足をホールドするので、ホールド性を向上できる。また、素早いターン動作時の急激な足の捩じれに対してもアッパー2の内甲側の伸縮部20が確実に追従するので、フィット性を向上できる。
前記実施例では、アッパー2の伸縮部20および非伸縮部21の境界部分において、伸縮部20の端部20Eおよび非伸縮部21の端部21Eを縫糸25で「縫い割り」により縫製した例を示したが(図4参照)、本発明の適用はこれに限定されない。
図5においては、前記実施例と同様に、伸縮部20の端部20Eおよび非伸縮部21の端部21Eが裏側に折り返されてこれらループ状の各折返し部が縫糸25で縫製されているが、同図に示すものでは、さらに、縫糸25を挟んで左右の部分が別の縫糸26により縫製されている。このような縫製方法は、一般に「縫い押え」と呼称されている。同図に示すように、伸縮部20および非伸縮部21の境界部分は、実質的にフラットな境界面から形成されている。
図12ないし図14は、本発明の変形例によるアッパー構造が採用されたシューズを示している。
前記実施例では、アッパー2の伸縮部20が内甲側領域の一部の領域である中足部領域(つまり内側縦アーチの一部の領域に対応する部分)または内側縦アーチに対応する部分に設けられた例を示したが、この変形例では、伸縮部20は、中足部領域から後方側にかけての内甲側領域に設けられている。図12および図13に示すように、伸縮部20の前端縁部の位置および形状は前記実施例に示すものと同様であるが、伸縮部20の後端縁部は踵後端まで延びている(図12および図14参照)。なお、この例では、踵後端における伸縮部20の後端縁部の形状が、踵後端を外甲側から内甲側にかけて斜め下方に横切るように形成されているが、後端縁部の形状はこれに限定されず、踵後端を外甲側から内甲側にかけて斜め上方に横切るように形成されていてもよく、あるいは、踵後端において上下方向に真っ直ぐに延設されていてもよい。
前記実施例では、アウトソール3の底面3Sに形成される溝4が外甲側から内甲側にかけて徐々に湾曲しつつ斜め後方に向かって配設された例を示したが、溝4の傾きや形状はこれに限定されるものではなく、その他の傾きでもよく、直線状に配設されていてもよい。また、溝4は、前後方向中心線Lを跨いで配設されていなくてもよく、前後方向中心線Lを挟んでいずれか一方の領域(つまり内甲側領域または外甲側領域)に配設されていてもよい。溝4の本数や隣り合う各溝4の間隔も前記実施例に示すものには限定されず、その他の本数でもよく、各溝4が平行に配設されていてもよい。さらに、溝の横断面形状についても、前記実施例に示すものには限定されず、その他の任意の形状をとり得る。
上述した実施例および各変形例はあらゆる点で本発明の単なる例示としてのみみなされるべきものであって、限定的なものではない。本発明が関連する分野の当業者は、本明細書中に明示の記載はなくても、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神および本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施例を構築し得る。
前記実施例では、本発明によるアッパー構造がサッカーシューズに適用された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、本発明は、ラグビーシューズやアメリカンフットボールシューズ、フットサルシューズ等の他のスポーツシューズにも同様に適用可能である。
2: アッパー
20: 伸縮部
21: 非伸縮部
25: 縫糸
3: アウトソール
3S: 底面
4: 溝
TE: 拇指球部領域
HE: 子指球部領域
ST: 載距突起部分
CC: 踵骨
TR: 三角形状領域
Claims (7)
- シューズのアッパー構造であって、
着用者の足を覆うアッパーを備え、
前記アッパーの内甲側領域の一部を伸縮部から構成し、前記アッパーの外甲側領域を非伸縮部から構成するとともに、前記伸縮部および前記非伸縮部の境界面が実質的にフラットな面を有している、
ことを特徴とするシューズのアッパー構造。 - 請求項1において、
前記伸縮部が足の内側縦アーチに対応する部分またはその一部の領域に配置されている、
ことを特徴とするシューズのアッパー構造。 - 請求項1において、
前記伸縮部が足の内側縦アーチに対応する部分またはその一部の領域に配置され、前記非伸縮部が前記伸縮部を除く内甲側領域および外甲側領域に配置されている、
ことを特徴とするシューズのアッパー構造。 - 請求項1において、
前記境界面が、前記伸縮部および前記非伸縮部の各々の端部の縫製により形成されている、
ことを特徴とするシューズのアッパー構造。 - 請求項4において、
前記境界面に縫い目が現れていない、
ことを特徴とするシューズのアッパー構造。 - シューズであって、
着用者の足を覆うアッパーと、
前記アッパーの下部に設けられるアウトソールとを備え、
前記アッパーの内甲側領域の一部を伸縮部から構成しかつ外甲側領域を非伸縮部から構成するとともに、前記伸縮部および前記非伸縮部の境界面を実質的にフラットな面にし、
前記アウトソールの底面において、足の拇指球部領域、子指球部領域および踵骨の載距突起部分にそれぞれ対応する位置を結んでできる三角形状領域またはその内部に溝を形成した、
ことを特徴とするシューズ。 - 請求項6において、
前記溝が複数本形成されており、子指球部領域またはその近傍領域に対応する位置を起点として内甲側に向かうにしたがい扇状に分布している、
ことを特徴とするシューズ。
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