JP2016184532A - 表示灯 - Google Patents

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Abstract

【課題】視認性が高く、かつ安価に製造可能な表示灯を提供する。
【解決手段】表示灯1は、中心軸線Cの周囲に向けて中心軸線Cから離れる放射状に放光する。表示灯1は、ベース部材3と、ベース部材3に支持され、中心軸線Cの周囲に向けて中心軸線Cから離れる放射状に発光するように中心軸線Cまわりに環状に等間隔に並べて配置された複数の発光ダイオード5と、ベース部材3に支持され、複数の発光ダイオード5の主発光方向Xにそれぞれ対向するように中心軸線Cまわりに環状に並べて配置された複数のレンズ6とを有する。各レンズ6は、中央部11および両端部12を有しており、これらは、発光ダイオード5からの入射光を主発光方向Xから周方向Rに離れる方向に導くことによって周方向Rの配光幅を広げる配光幅拡大機能を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、機械設備、看板などに用いられる表示灯に関する。
従来から、表示灯の光源として発光ダイオードを利用することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、回転灯が記載されており、この回転灯は、発光ダイオードと、この発光ダイオードからの光を周囲に向けて放光するための回転可能な反射板と、この反射板を回転させるモータ等の駆動機構とを有する。
実公平7−22005号公報
しかしながら、特許文献1の回転灯は、周囲全周からの高い視認性を得ることができるものの、反射板を回転させるための駆動機構を有するので、製造コストが高価であった。
そこで、本発明の一つの目的は、視認性が高く、かつ安価に製造可能な表示灯を提供することである。
前記の目的を達成するため、この発明は、中心軸線の周囲に向けて前記中心軸線から離れる放射状に放光する表示灯であって、ベース部材と、前記ベース部材に支持され、前記中心軸線の周囲に向けて前記中心軸線から離れる放射状に発光するように前記中心軸線まわりに環状に等間隔に並べて配置された複数の発光ダイオードと、前記ベース部材に支持され、前記複数の発光ダイオードの主発光方向にそれぞれ対向するように前記中心軸線まわりに環状に並べて配置され、前記発光ダイオードからの入射光を前記主発光方向から周方向に離れる方向に導くことによって前記周方向の配光幅を広げる配光幅拡大部を有する複数のレンズとを含む、表示灯を提供する。
この発明によれば、複数の発光ダイオードからの光は、放射状に放光され、対応するレンズの配光幅拡大部により、主発光方向から周方向に離れるように導かれる。従って、発光ダイオードからの光をそのまま周囲に向けて放光する場合と比べて、周囲における周方向のより広い範囲に光を到達させることができる。それにより、周囲全周からの高い視認性を得ることが可能となる。また、反射板を回転するための駆動機構を必要としないので、表示灯の製造コストを安価にできる。
また、この発明の一実施形態においては、各レンズが、前記発光ダイオードからの入射光を前記中心軸線に沿う方向に関して集光する集光部を中央部に有し、前記中央部の前記周方向の両端部に一対の前記配光幅拡大部を有する(請求項2)。この場合、発光ダイオードからの光は、レンズの中央部の集光部を透過することにより、中心軸線に沿う方向について集光される。従って、強い光を放射できるので、視認性が高められる。また、発光ダイオードからの光は、レンズの両端部の配光幅拡大部を通ることにより、周方向について主発光方向から遠い側へ向けて導かれる。それにより、隣り合う発光ダイオードの主発光方向の間の方向に光を導くことができるので、周囲全周からの高い視認性が得られる。
また、この構成において、各レンズが、前記中央部の光軸を対応する前記発光ダイオードの前記主発光方向と整合させて配置されてもよい(請求項3)。これにより、発光ダイオードの主発光方向に離れた外方の位置から表示灯を見るときの視認性を高めることができる。さらに、周囲全周にわたって高い視認性を得るための光学設計が容易になる。
また、この発明の一実施形態においては、3個〜8個の前記発光ダイオードが前記中心軸線まわりに等間隔で配置されている(請求項4)。この場合、使用する発光ダイオードの数を抑制しつつ、周囲全周から見たときの視認性を高めることができる。例えば、発光ダイオードは5個以上とするのが、全周からの高い視認性を得るのに好ましい。特に、5個または6個の発光ダイオードを用いる場合が、高い視認性を得つつ製造コストを抑制できて好ましい。
また、この発明の一実施形態においては、前記周方向に隣り合う一対の前記発光ダイオードに等しい電流を流して発光させたときに、前記一対のうちの一つの発光ダイオードの前記主発光方向に所定距離だけ離れた第1測定位置で測定される第1照度に対して、前記一対の発光ダイオードのそれぞれの主発光方向が成す角を二等分する中間方向に前記所定距離だけ離れた第2測定位置で測定される第2照度が、0.3倍〜3倍の範囲となるように、前記複数の発光ダイオードが配置されている(請求項5)。この場合、視認性のばらつきが周方向に関して小さいので、周囲全周からの視認性がより一層高められる。
また、この発明の一実施形態においては、前記複数の発光ダイオードの全てを発光状態としたときに、前記中心軸線まわりの全周にわたって前記複数の発光ダイオードから発せられる光が連続するように、前記複数の発光ダイオードの発光特性、前記複数の発光ダイオードの配置、および前記レンズの光学特性が設計されている(請求項6)。この場合、周囲全周からの視認性をより一層高めることができる。
また、この発明の一実施形態においては、前記レンズがフレネルレンズを含む(請求項7)。この場合、レンズを薄形にできるので、光の明るさを保つことで視認性を高めることができて、しかも製造コストの低減に寄与する。加えて、表示灯を小型かつ軽量に構成することができる。
また、この発明の一実施形態においては、前記複数のレンズを外方から覆い、前記発光ダイオードから発した光を前記中心軸線から離れる方向に透過させる筒状のグローブをさらに含み、前記グローブが前記発光ダイオードからの光を拡散させて透過させる拡散部を有している(請求項8)。この場合、周囲全周からの視認性をより一層高めることができる。
また、この発明の一実施形態においては、前記複数の発光ダイオードの発光を制御する制御ユニットをさらに含み、前記制御ユニットが、前記複数の発光ダイオードを前記周方向の配列順に従って発光させ、且つ、配列順に従って消灯させるようにプログラムされている(請求項9)。この場合、周囲から見ると、光が周方向に移動するように見え、回転灯と同様の視覚効果および高い視認性を得ることができる。このように、回転灯と同様の視覚効果を、発光ダイオードの発光の制御で実現できるので、従来の回転灯のような駆動機構を必要としない。従って、視認性が高く、かつ安価に製造可能な疑似回転灯を実現できる。特に、複数の発光ダイオードのうちで隣り合うもの同士の発光期間が一部重複するようにするのが、回転灯と同様の視覚効果を得るのに、好ましい。
本発明の一実施形態の表示灯の概略構成の正面図であり、主としてグローブの内部の構成を示す。 図1の表示灯の中心軸線に直交する横断面図である。 図3(a)は、前記表示灯に備えられたレンズおよび発光ダイオードの正面図であり、図3(b)は、レンズおよび発光ダイオードの側面図であり、図3(c)は、レンズおよび発光ダイオードの平面図である。 図4(a)は、第1測定位置P1近傍での配光特性例を示す特性図であり、横軸に、その中央の第1測定位置P1からの周方向Rの距離L1を示し、縦軸に照度を示す。図4(b)は、第2測定位置P2近傍での配光特性例を示す特性図であり、横軸に、その中央の第2測定位置P2からの周方向Rの距離L2を示し、縦軸に照度を示す。 図5(a)は、前記表示灯に備えられた制御ユニットによる発光ダイオードへの通電電流波形例を示す波形図であり、図5(b)は、通電電流波形の変形例を示す波形図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の表示灯1の概略構成の正面図であり、主としてグローブ7の内部の構成が示されている。図2は、図1の表示灯1の中心軸線Cに直交する横断面図である。
表示灯1は、回転体形状、例えば、略円柱形をなしており、中心軸線Cを有している。表示灯1は、例えば、中心軸線Cが上下方向に沿うように設置され、その外周面に、光を発する発光部2を有している。発光部2は、周方向Rの全周にわたって連続しており、中心軸線Cの周囲に向けて中心軸線Cから離れる放射状に放光する。
表示灯1の設置態様は、特に限定されないが、以下では、便宜上、中心軸線Cが上下方向に沿うように設置される場合に則して説明する。
表示灯1は、ベース部材3と、ベース部材3に回路基板4を介して支持される複数の発光ダイオード5と、複数の発光ダイオード5にそれぞれ対応して設けられた複数のレンズ6と、グローブ7とを含む。グローブ7は、複数の発光ダイオード5および複数のレンズ6を外方から覆う筒状、例えば、カップ形をなす透光性の部材である。グローブ7は、発光ダイオード5から発した光を中心軸線Cから離れる方向(径方向外方)に透過させる。
この実施形態では、発光ダイオード5からの光をレンズ6に向かうように反射させる反射面は設けられていない。
すなわち、複数の発光ダイオード5は、中心軸線Cの周囲に向けて中心軸線Cから離れる放射状に発光するように中心軸線Cまわりに環状に等間隔に並べて配置されている。各発光ダイオード5は、主発光方向Xに光を最も強く発光することができるようになっている。各発光ダイオード5は、主発光方向Xが中心軸線Cに関する径方向(中心軸線Cと直交する方向)に沿うように配置されている。
複数のレンズ6は、ベース部材3に支持され、複数の発光ダイオード5の主発光方向Xにそれぞれ対向するように中心軸線Cまわりに環状に並べて配置されている。各レンズ6は、フレネルレンズであり矩形の平板状をなしている。
この実施形態では、複数の発光ダイオード5の構成は同等である。また、この実施形態では、複数のレンズ6の構成は同等である。発光ダイオード5とレンズ6とは互いに対応させて同数で、例えば、それぞれ6個が用いられており、互いに対応する発光ダイオード5とレンズ6との複数組は、同等の位置関係で配置されている。
互いに隣接するレンズ6の間には光を遮る遮光部材は設けられておらず、各レンズ6には、対応する発光ダイオード5からの光の他に、隣接する発光ダイオード5からの光が入射できるようになっている。また、各レンズ6の周方向Rについての端部同士は、互いに隣接しており、発光部2が連続できるように各レンズ6が配置されている。これらによっても、周方向Rについてのレンズ6の端部を通った光の視認性が高められている。
また、グローブ7は、発光ダイオード5からの光を拡散させて透過させる拡散部16を有している。拡散部16は、グローブ7の内面に形成された複数の突条により構成されている。突条は、中心軸線Cが延びる方向に、例えば、グローブ7の内周面の母線に沿って延びている。拡散部16を設けることにより、周囲全周からの視認性がより一層高められている。
この実施形態の表示灯1は、複数の発光ダイオード5の発光を制御する制御ユニット8によって制御される。制御ユニット8は、表示灯1に内蔵または付属されてもよいし、表示灯1外の別の装置に備えられてもよい。
制御ユニット8は、各発光ダイオード5に電気的に接続されている。制御ユニット8は、マイクロコンピュータを含み、予め記憶されたプログラムに従って、各発光ダイオード5への電力供給を制御することができる。制御ユニット8は、任意の発光ダイオード5の点灯および消灯を任意のタイミングで自在に制御する制御するようにプログラム可能である。
例えば、制御ユニット8は、複数の発光ダイオード5を、周方向Rの配列順に従って発光させ、且つ、配列順に従って消灯させるようにプログラムされていてもよい。この場合、周囲から見ると、発光部2からの光が周方向Rに移動するように見え、回転灯と同様の視覚効果および高い視認性を得ることができる。
また、制御ユニット8は、所定の発光ダイオード5の点灯および消灯を制御することで、発光部2の全体または一部を所望のタイミングで点滅させることができる。
複数の発光ダイオード5を用いて、発光部2が移動するように見えるようにする場合、各発光ダイオード5に対応する発光部2が互いに離れていると、回転灯のような視覚効果が得られ難い。そこで、本実施形態では、各発光ダイオード5に対応する発光部2が互いに近接させて配置されており、それにより、回転灯に近似した視覚効果が得られるようにしている。
図3(a)は、レンズ6および発光ダイオード5の正面図であり、図3(b)は、レンズ6および発光ダイオード5の側面図であり、図3(c)は、レンズ6および発光ダイオード5の平面図である。
各レンズ6は、中央部11と、この中央部11に対して周方向Rの両側にそれぞれ隣接した両端部12と、中央部11および両端部12を取り囲む周囲部13とを有する一体の光学部品である。中央部11は、正面視で横長の長方形をなしており、両端部12は、正面視で半円形をなしている。中央部11および両端部12は、入射光の向きに対して出射光の向きを変えることができる有効開口を形成している。この有効開口は、横長形状の長円形をなしている。レンズ6の光軸Sは、中央部11の中心を通っている。なお、周囲部13は、入射光の向きに対して出射光の向きを変えない。
中央部11は、発光ダイオード5からの入射光を中心軸線Cに沿う方向に関して集光する集光部として機能する。それにより、中央部11を通った光は、中心軸線Cに直交する方向、すなわち水平方向に導かれる。その一方で、中央部11は、発光ダイオード5からの入射光を主発光方向Xから周方向Rに離れる方向に導くことによって周方向Rの配光幅を広げる配光幅拡大部としても機能する。それにより、中央部11を通った光の放射角が、広げられる。このように、中央部11は、いわゆる楕円配光特性を有しており、中心軸線Cに沿う方向の配光特性と、周方向Rに沿う方向の配光特性とが異なっている。ただし、中央部11は、周方向Rに関して配光幅を広げる機能を有していなくてもよい。
両端部12は、発光ダイオード5からの入射光を主発光方向Xから周方向Rに離れる方向に導くことによって周方向Rの配光幅を広げる配光幅拡大部として機能する。両端部12は、中心軸線Cに沿う方向に関する集光機能を併せて有していてもよいし、このような集光機能を有していなくてもよい。
中央部11および両端部12を有するレンズ6は、全体として、いわゆる楕円配光特性を実現する。より具体的には、図3(b)に示すように、発光ダイオード5からの光は、レンズ6の集光部としての中央部11を透過することにより、周方向Rに広げられつつ、中心軸線Cに沿う方向について集光されて、中心軸線Cに直交する方向(水平方向)に向かう。従って、表示灯1を真横から見るときの視認性を高めることができる。
一方、図3(c)に示すように、発光ダイオード5からの光は、レンズ6の配光幅拡大部としての中央部11および両端部12を通ることにより、周方向Rについて主発光方向Xから遠い側へ向けて導かれる。こうして配光幅が広げられるので、周囲全周から見たときの高い視認性を得るのに寄与する。
このように本実施形態によれば、各発光ダイオード5から放射状に放光される光は、対応するレンズ6の中央部11および両端部12の配光幅拡大機能により主発光方向Xから周方向Rに離れるように導かれ、その一方で、少なくとも中央部11の集光機能によって回転軸線Cに沿う方向の集光を受ける。従って、発光ダイオード5からの光をそのまま周囲に向けて放光する場合と比べて、周方向Rのより広い範囲に光を到達させることができる。それにより、周囲全周から見たときの高い視認性を得ることが可能となる。また、レンズ6がフレネルレンズであることにより、レンズ6を薄形にできるので、光の明るさを保つことで視認性を高めることができて、しかも製造コストの低減に寄与する。加えて、レンズ6が薄型であるので、表示灯1を小型に構成できる。
また、従来の回転灯のような駆動機構を要しないので、表示灯1の製造コストを安価にできる。また、駆動機構を備えていないことによって、表示灯1の寿命を長くできる。
また、この実施形態では、各レンズ6が、中央部11の光軸Sを対応する発光ダイオード5の主発光方向Xと整合させて、すなわち光軸Sを主発光方向Xに概ね一致するようにして配置されている。これにより、発光ダイオード5の主発光方向Xに離れた外方の位置から表示灯1を見るときの視認性を高めることができる。周囲全周にわたって高い視認性を得るための光学設計が容易になる。
また、この実施形態においては、図2に示すように、6個の発光ダイオード5が中心軸線Cまわりに配置されている。この発光ダイオード5の個数は限定されるものではないが、3個〜8個の発光ダイオード5が中心軸線Cまわりに等間隔で配置されているのが、好ましい。3個〜8個の場合、使用する発光ダイオード5の数を抑制しつつ、周囲全周から見たときの視認性を高めることができる。さらにいえば、発光ダイオード5は5個以上とするのが、高い視認性を得るのにより好ましい。特に、5個または6個の発光ダイオード5を用いる場合が、高い視認性を得つつ製造コストを抑制できて好ましい。
回転灯に近似した視覚的効果を実現するためには、中心軸線Cのまわりのいずれの方向から見たときにも少なくとも3個の発光ダイオードからの光が観測可能であるように複数個の発光ダイオードが環状に等間隔で配置されることが好ましい。そのためには、少なくとも5個、好ましくは6個以上の発光ダイオードを中心軸線Cのまわりに等間隔に配置することが好ましい。
図4(a)は、図2に示す第1測定位置P1近傍での配光特性例を示す特性図であり、横軸に、その中央の第1測定位置P1からの周方向Rの距離L1を示し、縦軸に照度を示す。すなわち、図4(a)は、第1測定位置P1を含み、主発光方向Xに直交する測定平面M1上の照度の測定値をプロットしたものである。同様に、図4(b)は、図2に示す第2測定位置P2近傍での配光特性例を示す特性図であり、横軸に、その中央の第2測定位置P2からの周方向Rの距離L2を示し、縦軸に照度を示す。すなわち、図4(b)は、第2測定位置P2を含み中間方向Yに直交する測定平面M2上の照度の測定値をプロットしたものである。
表示灯1の設計に際しては、一つの発光ダイオード5の主発光方向Xに中心軸線Cから所定距離だけ離れた第1測定位置P1で第1照度D1を測定する。次に周方向Rに隣り合う一対の発光ダイオード5に互いに等しく、且つ前記第1照度D1を測定した際の電流と等しい電流を流して発光させ、一対の発光ダイオード5のそれぞれの主発光方向Xが成す角を二等分する中間方向Yに中心軸線Cから同じ距離だけ離れた第2測定位置P2で第2照度D2を測定する。これらの測定結果に基づいて、第1照度D1に対して第2照度D2が、0.3倍〜3倍の範囲内になるように、具体的には、より好ましい範囲である0.5倍〜2倍の範囲となるように、複数の発光ダイオード5の配置が設計されている。
第1照度D1に対して第2照度D2が0.3倍〜3倍の範囲内にあれば、周方向Rに関する視認性のばらつきが小さいので、周囲全周からの視認性を高めることができる。
さらに、この実施形態においては、複数の発光ダイオード5の全てを発光状態としたときに、中心軸線Cまわりの全周にわたって複数の発光ダイオード5から発せられる光が連続するように、複数の発光ダイオード5の発光特性、複数の発光ダイオード5の配置、およびレンズ6の光学特性が設計されている。この場合、周囲全周からの視認性をより一層高めることができる。
より具体的には、この実施形態では、レンズ6の配光幅拡大機能と、レンズ6に対応する発光ダイオード5の配置とにより、第1照度D1に対して第2照度D2が0.3倍〜3倍の範囲内にある条件が充足されている。さらにまた、レンズ6の配光幅拡大機能と、レンズ6に対応する発光ダイオード5の配置とにより、複数の発光ダイオード5の全てを発光状態としたときに発光部2が周方向Rに連続する連続帯状発光部として視認される条件が実現されている。
図5(a)は、制御ユニット8による発光ダイオード5への通電電流波形例を示す波形図であり、図5(b)は、通電電流波形の変形例を示す波形図であり、ともに、横軸に時間を示し、縦軸に電流値を示す。また、図5(a)および図5(b)には、周方向に順に並んだ6個の発光ダイオード5の通電電流波形が、太実線、細実線、太破線、細破線、太一点鎖線、細一点鎖線でそれぞれ図示されている。
図5(a)および図5(b)のいずれの通電電流波形例においても、複数の発光ダイオード5は、周方向の配列順に通電される。図5(a)および図5(b)の波形例では、台形状の波形を成すように各発光ダイオード5への通電が行われる。すなわち、各発光ダイオード5の通電電流は、一定値まで漸次的に立ち上がってその一定値に所定時間だけ保持された後、漸次的に零まで減少する。図5(a)の通電電流波形は、台形波形の裾の部分が広くなっている。これに対して、図5(b)の通電電流波形は、リニア増加/減少する斜辺を有する台形波形となっている。これらの波形は例に過ぎず、この他にも、種々の波形が考えられる。
このように、制御ユニット8は、複数の発光ダイオード5を周方向Rの配列順に従って発光させ、且つ、配列順に従って消灯させるようにプログラムされている。これにより、回転灯と同様の視覚効果および高い視認性を実現でき、いわば擬似回転灯として動作する表示灯を提供できる。このように、回転灯と同様の視覚効果を、発光ダイオード5の発光の制御で実現できるので、反射板を回転させるための駆動機構を必要としない。従って、視認性が高くて安価な表示灯1を実現できる。
図5(a)および図5(b)の波形例のように、複数の発光ダイオード5のうちで隣り合うもの同士の発光期間が一部重複するようにするのが、回転灯と同様の視覚効果を得るのに、好ましい。図5(a)および図5(b)の波形例では、台形波形の斜線領域が隣り合うもの同士で重なり合って、この重なり部分の期間においては、2つの発光ダイオード5が同時に発光する。それにより、発光強度の変動を抑制しながら、一つの発光ダイオード5の主発光方向から隣の発光ダイオード5の主発光方向へと、発光方向が連続的に変化するかのような視覚的効果が生じる。
この実施形態について、以下のような変形例を考えることができる。以下の説明では、前述の実施形態と異なる点を中心に説明する。
例えば、前述の実施形態では、レンズ6は、中央部11と両端部12が周方向Rに並ぶように配置されていたが、これには限らず、中心軸線Cが延びる方向に平行に並ぶように配置されていてもよい。また、レンズ6の中央部11が配光幅拡大機能を有する例を説明したが、中央部11は配光幅拡大機能を有しなくてもよい。同様に、中央部11が中心軸線Cに沿う方向に関する集光機能を有する例を説明したが、中央部11はこのような集光機能を有しなくてもよい。また、両端部12がない構成や周囲部13がない構成のレンズが用いられてもよい。また、レンズ6がフレネルレンズ以外の構造であってもよい。このようにレンズ6の具体的な構成や形状や配置の態様は、種々考えられる。要は、レンズ6が配光幅拡大部を有していればよい。
また、前述の実施形態では、発光ダイオード5からの光をレンズ6に向かうように反射させる反射面は設けられていないが、このような反射面を設けてもよい。この場合でも、反射面を駆動する駆動機構を設けることなく、複数の発光ダイオード5の発光制御によって、擬似回転灯としての機能を有する表示灯を提供できる。
また、前述の実施形態では、主として、擬似回転灯としての動作を説明したが、たとえば、複数の発光ダイオード5を同時に点灯/消灯することによって、中心軸線Cのまわりの全周に対して点滅光を放射するフラッシュ動作を行わせることもできる。その他、複数の発光ダイオード5の発光制御については、とくに限定されるものではない。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 表示灯
3 ベース部材
5 発光ダイオード
6 レンズ(フレネルレンズ)
7 グローブ
8 制御ユニット
11 中央部(配光幅拡大部、集光部)
12 両端部(配光幅拡大部)
16 拡散部
C 中心軸線
D1 第1照度
D2 第2照度
P1 第1測定位置
P2 第2測定位置
R 周方向
S 光軸
X 主発光方向
Y 中間方向

Claims (9)

  1. 中心軸線の周囲に向けて前記中心軸線から離れる放射状に放光する表示灯であって、
    ベース部材と、
    前記ベース部材に支持され、前記中心軸線の周囲に向けて前記中心軸線から離れる放射状に発光するように前記中心軸線まわりに環状に等間隔に並べて配置された複数の発光ダイオードと、
    前記ベース部材に支持され、前記複数の発光ダイオードの主発光方向にそれぞれ対向するように前記中心軸線まわりに環状に並べて配置され、前記発光ダイオードからの入射光を前記主発光方向から周方向に離れる方向に導くことによって前記周方向の配光幅を広げる配光幅拡大部を有する複数のレンズとを含む、表示灯。
  2. 各レンズが、前記発光ダイオードからの入射光を前記中心軸線に沿う方向に関して集光する集光部を中央部に有し、前記中央部の前記周方向の両端部に一対の前記配光幅拡大部を有する、請求項1に記載の表示灯。
  3. 各レンズが、前記中央部の光軸を対応する前記発光ダイオードの前記主発光方向と整合させて配置されている、請求項2に記載の表示灯。
  4. 3個〜8個の前記発光ダイオードが前記中心軸線まわりに等間隔で配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の表示灯。
  5. 前記周方向に隣り合う一対の前記発光ダイオードに等しい電流を流して発光させたときに、前記一対のうちの一つの発光ダイオードの前記主発光方向に所定距離だけ離れた第1測定位置で測定される第1照度に対して、前記一対の発光ダイオードのそれぞれの主発光方向が成す角を二等分する中間方向に前記所定距離だけ離れた第2測定位置で測定される第2照度が、0.3倍〜3倍の範囲となるように、前記複数の発光ダイオードが配置されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の表示灯。
  6. 前記複数の発光ダイオードの全てを発光状態としたときに、前記中心軸線まわりの全周にわたって前記複数の発光ダイオードから発せられる光が連続するように、前記複数の発光ダイオードの発光特性、前記複数の発光ダイオードの配置、および前記レンズの光学特性が設計されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の表示灯。
  7. 前記レンズがフレネルレンズを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の表示灯。
  8. 前記複数のレンズを外方から覆い、前記発光ダイオードから発した光を前記中心軸線から離れる方向に透過させる筒状のグローブをさらに含み、前記グローブが前記発光ダイオードからの光を拡散させて透過させる拡散部を有している、請求項1〜7のいずれか一項に記載の表示灯。
  9. 前記複数の発光ダイオードの発光を制御する制御ユニットをさらに含み、
    前記制御ユニットが、前記複数の発光ダイオードを前記周方向の配列順に従って発光させ、且つ、配列順に従って消灯させるようにプログラムされている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の表示灯。
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