JP2016183891A - テーパねじゲージ及びこれを使用するテーパねじの検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】テーパねじのねじ山に山やせが発生しているかどうかを簡単かつ正確に判定することができるテーパねじの検査方法を提供すること。【解決手段】ピッチ線15の位置よりも山の頂に近い部分17及びピッチ線15の位置よりも谷底に近い部分18におけるフランクの形状の少なくと一方が基準山形16の形状と比べてねじ山の幅が狭くなる方向に後退しているテーパねじゲージ14を、検査対象のテーパねじに止まるまでねじ込んだときの位置に基づいて合格か不合格かを判定する。【選択図】図3

Description

この発明は、テーパねじの検査方法に関する発明であり、例えば、管継手など、に形成されたテーパねじの山やせをテーパねじゲージを使用して簡単かつ正確に検査する方法に関する。
日本工業規格JIS B 2301(非特許文献1)に規格が定められたねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手(以下「ねじ込み式管継手」という。)は、可鍛鋳鉄でなり、管との接合部に管用テーパねじ(おねじ又はめねじ)が形成されている管継手である。ねじ込み式管継手の使用に際しては、管に形成されたねじ部を管継手の接合部に形成されたねじ部にねじ込むことによって、管と管継手を接合する。管用テーパねじは、ねじ山が円すいの外面又は内面にあるため、管を管継手にねじ込むにつれて接合力が増し、流体の漏れのない確実な接合を実現することができる。
管用テーパねじの規格は、日本工業規格JIS B 0203(非特許文献2)に定められている。管継手に形成された管用テーパねじの検査は、一般に、おねじの外径及び有効径並びにめねじの内径及び有効径について行われる。ねじの検査方法には、ねじの各部の寸法を実測し、その値によって合格か不合格かを判定する方法、限界ゲージを用いて合格か不合格かを判定する方法及びこれらを混合した方法がある。
管用テーパねじを検査する限界ゲージ(管用テーパねじゲージ)の規格は、日本工業規格JIS B 0253(非特許文献3)に定められている。管用テーパめねじの検査に使用される限界ゲージはテーパねじプラグゲージと呼ばれる。テーパねじプラグゲージの使用の際は、ゲージをテーパめねじに止まるまでねじ込み、テーパめねじの管端がゲージに設けられた切欠きの範囲内にあれば、そのテーパめねじは、テーパねじプラグゲージによるはめあい検査に合格したものとする。このような検査方法により、テーパめねじの管端からゲージがねじ込まれる長さまでの範囲で、ねじの互換性を検査することができる。
また、管用テーパおねじの検査に使用されるテーパねじリングゲージと呼ばれるリング形状をしたゲージもあり、テーパねじプラグゲージと同様の検査方法によってテーパおねじのはめあい検査を実施することができる。
特開平10−332303号公報
JIS B 2301「ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手」 JIS B 0203「管用テーパねじ」 JIS B 0253「管用テーパねじゲージ」
上記の確立された管用テーパねじゲージを使用した管用テーパねじの検査方法によれば、一定の精度ではめあい検査を実施することができる。すなわち、はめあい検査に合格したねじ込み式管継手であれば、規格に適合した管用テーパねじが管に切られた管をねじ込んで接合するという必要最小限の機能が保証される。
しかしながら、ねじ込み式管継手に必要とされる機能は、単に管と管継手を機械的に接合する機能だけにとどまらず、管の内部を流れる流体(例えば、ガス又は液体など。)が外部に漏れ出したり、逆に外部のガス又は液体が管内に侵入したりすることを確実に防止する機能(以下「耐密性」という。)も同時に求められることはいうまでもない。耐密性を確保するには、管及びねじ込み式管継手のそれぞれに切られた管用テーパねじのねじ山が互いにほぼ隙間のない状態で接合されることが必要である。
ねじの山の頂と谷底とを連絡する面をフランクという。ねじ山が設計通りに加工されている場合は、フランクは軸線を含んだ断面において直線となるように形成されており、かつ、管及びねじ込み式管継手のそれぞれに切られたねじ山の角度は等しい。この場合、管のフランクとねじ込み式管継手のフランクとは面接触し、互いにほぼ隙間のない状態で接合される。
ところが、ねじ山の加工工程においてフランクのピッチ線の位置が過剰に切削されると、フランクは軸線を含んだ断面において直線でなくねじ山の中央に向かって湾曲した曲線となり、ねじ山の幅が狭くなる場合がある。本明細書では、このようなねじ山の形状の不適合を「山やせ」という。管のねじ山及びねじ込み式管継手のねじ山の少なくとも一方に山やせが発生すると、管のフランクとねじ込み式管継手のフランクとは面接触することができず、双方の間に隙間が生じるので、耐密性が低下する。
おねじに発生した山やせはおねじの外観の目視検査によって比較的容易に検知することができる。しかし、管又はねじ込み式管継手の内径面に切られためねじに発生した山ややせは、視認性が低いことから目視検査によって検知することが困難であり、特に問題となる。
特許文献1には、管用テーパめねじの山やせを検査するテーパめねじ内径用検査ゲージの発明が開示されている。この検査ゲージはプラグ型の形状をしており、めねじと接触する案内面にはねじ山が設けられておらず、平滑である。使用の際は検査ゲージを管用テーパめねじ内に挿入し、案内面がねじ山に接触してそれ以上挿入できなくなったときの検査ゲージの位置が所定量の範囲内である場合は合格とし、所定量の範囲を超えて挿入された場合は不合格と判定することができる。
しかしながら、特許文献1に記載された検査方法だと、案内面はねじ山の最も高い部分と接触するので、山の頂におけるねじ山の高さが規格内の寸法であれば合格と判定される。このため、フランクのピッチ線の位置に山やせが発生していても、これを検知することができない。
本発明は、上記の諸課題に鑑みてなされたものであり、山やせが発生しているかどうかを簡単かつ正確に判定することができるテーパねじゲージ及びテーパねじの検査方法を提供することを目的とする。
本発明に係るテーパねじゲージは、ねじ山、ねじ溝及びフランクを備え、ピッチ線の位置におけるねじ山の幅及びねじ溝の幅が検査しようとするテーパねじのピッチの2分の1にそれぞれ等しいテーパねじゲージであって、ピッチ線の位置よりも山の頂に近い部分におけるフランクの形状及びピッチ線の位置よりも谷底に近い部分におけるフランクの形状の少なくとも一方が基準山形の形状と比べてねじ山の幅が狭くなる方向に後退している。テーパねじゲージ側のフランクの形状をこのような形状に形成することによって、テーパねじ側のフランクに山やせが発生しているかどうかを簡単かつ正確に判定することができる。
また、本発明に係るテーパねじの検査方法は、テーパねじゲージを検査対象に設けられたテーパねじに止まるまでねじ込んだときのテーパねじゲージの位置と、検査対象の基準となる位置との差が所定の範囲内にあるときに合格と判定する。この検査方法によれば、誰でも特別な技量を必要せず、テーパねじの山やせが発生しているかどうかを簡単かつ正確に判定することができる。
本発明に係るテーパねじの検査方法の他の実施の形態においては、テーパねじゲージを検査対象に設けられたテーパねじに止まるまでねじ込んだときのテーパねじゲージの位置と、フランクの後退がない通常のテーパねじゲージを検査対象に設けられたテーパねじに止まるまでねじ込んだときの通常のテーパねじゲージの位置との差が所定の範囲内にあるときに合格と判定する。この検査方法によれば、検査対象の有効径の誤差が相殺され、山やせが発生しているがどうかをより高い精度で判定することができる。
本発明に係る検査方法によれば、検査対象に設けられたテーパねじに山やせが発生しているかどうかについて簡単かつ正確に判定することができるので、不適合があった場合には直ちにこれを検知することが可能となる。この結果、不適合品の出荷を未然に防止することができるだけでなく、不適合の発生原因を追究して根本的な対策を施すことができる。
また、本発明に係る検査方法は、3次元測定機等の高度な測定機器を必要としないため、耐密性に関係する重要な品質管理項目である山やせについてあまりコストをかけずに検査を行うことができる。このため、資力に乏しい製造者であっても、本発明に係る検査方法を導入することによって、経済的な負担を伴うことなくねじ込み式管継手の品質水準を向上させることができる。
一般的なねじ各部の名称を示した模式図である。 ねじ込み式管継手に管がねじ込まれた状況を示した模式図である。 本発明に係るテーパねじゲージのねじ山の形状の例を示した模式図である。 本発明に係るテーパねじゲージが正常なテーパねじにねじ込まれた状況を示した模式図である。 本発明に係るテーパねじゲージが山やせの存在するテーパねじにねじ込まれた状況を示した模式図である。 本発明の好ましい実施の形態に係るテーパねじゲージの形状を示した模式図である。
本発明を実施するための形態につき、以下図を参照しながら詳細に説明する。なお、ここに記載された実施の形態はあくまで例示であり、本発明を実施するための形態はここに記載された形態に限定されない。
図1は、一般的なねじ各部の名称を示した模式図である。ねじは、円筒又は円すいの表面に一定のピッチでらせん状に形成されたねじ山1及びねじ溝2で構成されている。山の頂3と谷底4とを連絡する面をフランク5という。フランク5は、軸線を含んだ断面では一般に直線になっている。この直線と軸線に直角な直線がなす角をフランク角α1という。隣り合う二つのフランク5がなす角をねじ山の角度αという。谷底4から測った山の頂3の高さをねじ山の高さ6という。Pはねじ山のピッチである。管用テーパねじの規格を定めた日本工業規格JIS B 0203(非特許文献2)では、フランク角α1は27.5度、ねじ山の角度αは55度とそれぞれ定められている。
図2は、ねじ込み式管継手に管がねじ込まれた状況を示した模式図である。図2において、軸線に対して対称な位置における断面図は省略されている。ねじ込み式管継手7の内径側に形成されたテーパめねじ9に、管8の外径側に形成されたテーパおねじ10がねじ込まれることによって、ねじ込み式管継手7と管8とが接合される。テーパめねじ9とテーパおねじ10とは、実際には双方のフランクが互いに接触した状態で接合されているが、図2ではわかりやすいようにねじ込み式管継手7と管8とが上下方向に分離して描かれている。
図2に示されたねじ込み式管継手7の内径側に形成されたテーパめねじ9と、管8の外径側に形成されたテーパおねじ10とは、いずれも図の右側から左側にかけて直径が細くなるように形成されている。このため、平行ねじの場合とは異なり、テーパおねじ10をテーパめねじ9にねじ込んだ場合にはどこまでもねじ込むことはできず、テーパおねじ10を特定の長さだけテーパめねじ9にねじ込んだ後は、それ以上ねじ込むことができなくなる。
テーパめねじ9及びテーパおねじ10において、軸線の方向に対する直径の変化率は一定であり、かつ、互いに等しい。管用テーパねじの規格を定めた日本工業規格JIS B 0203(非特許文献2)では、テーパの傾きは、軸線の方向に16進んだときの直径の変化が1となるように定められている。
ねじ込み式管継手7の端部の位置を基準径の位置11という。図2のテーパめねじ9及びテーパおねじ10の位置に、ねじ溝の幅がねじ山の幅に等しくなるような仮想的な直線がそれぞれ描かれている。これらの直線を「ピッチ線」15という。基準径の位置11におけるピッチ線15の径をねじ込み式管継手7の有効径(めねじ)12という。管8をねじ込み式管継手7に止まるまでねじ込んだときの基準径の位置11におけるテーパおねじ10のピッチ線15の径を管8の有効径(おねじ)13という。
図2には、ねじ込み式管継手7の内径側にテーパめねじが形成され、管8の外径側にテーパおねじ8が形成されている例が示されている。ねじ込み式管継手に管端がねじ込まれた状況としては、ここに例示した場合とは逆に、ねじ込み式管継手の外径側にテーパおねじが形成され、管の内径側にテーパめねじが形成されている場合もある。両者は、ねじ込み式管継手におけるテーパねじが形成されている面が異なるだけで、以下に説明する本発明の要旨はいずれの場合も全く同じであるから、以後の説明は検査対象の内径側にテーパめねじが形成された状態に限定し、検査対象の外径側にテーパおねじが形成された場合については説明を省略する。
本発明に係るテーパねじゲージは、ねじ山、ねじ溝及びフランクを備え、ピッチ線の位置におけるねじ山の幅及びねじ溝の幅が検査しようとするテーパねじのピッチの2分の1にそれぞれ等しいテーパねじゲージである。テーパねじゲージのねじ山、ねじ溝及びフランクは、検査しようとするテーパねじのねじ溝、ねじ山及びフランクにそれぞれ対応するように形成される。テーパねじのねじ溝の幅がねじ山の幅に等しくなるような仮想的な直線をピッチ線ということは既に述べたが、本発明においては、テーパねじゲージのねじ溝の幅がねじ山の幅に等しくなるような仮想的な直線についても、テーパねじの場合と同様にピッチ線という。
テーパねじゲージのピッチ線の位置におけるねじ山の幅とは、一つのねじ山の進み側フランクとピッチ線との交点と追い側フランクとピッチ線との交点の距離を軸線と平行な方向に測った距離をいう。同様に、ピッチ線の位置におけるねじ溝の幅とは、一つのねじ溝の進み側フランクとピッチ線との交点と追い側フランクとピッチ線との交点の距離を軸線と平行な方向に測った距離をいう。ピッチ線は、ねじの山の頂3と谷底4とのほぼ中間に位置しており、ピッチ線の位置は、ねじ山でいうとねじ山の高さ6のほぼ中間の高さの位置に相当する。
テーパねじゲージのピッチ線の位置におけるねじ山及びねじ溝の幅をピッチPの2分の1にそれぞれ等しくなるように形成することによって、テーパねじのフランクの高さ方向のほぼ中央の位置に山やせがない場合には、テーパねじゲージのフランクをテーパねじのフランクに当接させることができる。日本工業規格JIS B 0203(非特許文献2)に規格が定められた従来の管用テーパねじゲージにおいても、ピッチ線の位置におけるねじ山の幅及びねじ溝の幅は検査しようとするテーパねじのピッチの2分の1にそれぞれ等しくなっている。
本発明に係るテーパねじゲージは、その技術的な特徴として、ピッチ線の位置よりも山の頂に近い部分におけるフランクの形状及びピッチ線の位置よりも谷底に近い部分におけるフランクの形状の少なくとも一方が基準山形の形状と比べてねじ山の幅が狭くなる方向に後退している。「基準山形」とは、ねじ山の軸線を含んだ断面の形状を定めるための基準となる理論上のねじ山形状をいう。管用テーパねじゲージの基準山形の形状は、日本工業規格JIS B 0253(非特許文献3)の付表1及び付表2に定められている。ここに定められている基準山形の形状は、直線でなるフランクと円の一部でなる山の頂及び谷底とで構成されている。
テーパねじゲージのフランクの形状が基準山形の形状と比べてねじ山の幅が狭くなる方向に後退しているとは、フランクの形状が基準山形の位置にまで到達することなく退いているために、ねじ山の幅が通常より狭くなっていることをいう。本発明に係るテーパねじゲージは、ピッチ線の位置よりも山の頂に近い部分におけるフランクの形状及びピッチ線の位置よりも谷底に近い部分におけるフランクの形状の少なくとも一方が基準山形の形状と比べてねじ山の幅が狭くなる方向に後退している。
図3は、本発明に係るテーパねじゲージのねじ山の形状の例を示した模式図である。テーパねじゲージ14において、ねじ溝の幅がねじ山の幅に等しくなるような仮想的なピッチ線15が描かれている。軸線を含む断面において、ピッチ線15の位置におけるねじ山の幅はピッチPの2分の1に等しくなっている。それと同時に、ピッチ線15の位置におけるねじ溝の幅もピッチPの2分の1に等しくなっている。
図3には、基準山形16の形状が破線で描かれている。ピッチ線の位置よりも山の頂に近い部分17におけるフランクの形状及びピッチ線の位置よりも谷底に近い部分18におけるフランクの形状は、基準山形16の形状と比べてねじ山の幅が狭くなる方向に後退している。通常のテーパねじゲージにおいては、フランクの形状は、山の頂と谷底を除き基準山形16の形と同じ形状に形成されている。これに対し、本発明に係るテーパねじゲージにおいては、ピッチ線の位置よりも山の頂又は谷底に近い位置におけるねじ山の幅は、通常のテーパねじゲージに比べて小さい。逆に、ピッチ線の位置より山の頂又は谷底に近い位置におけるねじ溝の幅は通常のテーパねじゲージに比べて大きい。
本発明に係るテーパねじゲージにおいて、山の頂の形状が基準山形の形状と比べて山の頂がより低くなる方向に後退していることが好ましく、谷底の形状が基準山形の形状と比べて谷底がより深くなる方向に後退していることが好ましい。山の頂及び/又は谷底の形状をこのように構成することにより、検査しようとするテーパねじの谷底及び/又は山の頂の形状に不適合があった場合であっても、テーパねじの不適合な箇所とテーパねじゲージとの当接を防止することができるので、テーパねじの谷底及び/又は山の頂の形状の適合、不適合にかかわらず山やせが発生しているかどうかのみを独立して判定することができる。
本発明において、テーパねじゲージのフランクの形状は、ピッチ線の位置よりも山の頂に近い部分17及び谷底に近い部分18の少なくとも一方のおいて基準山形16の形状と比べて後退していれば、どのような形状であってもよい。例えば、図3に例示されているように、本発明の好ましい実施の形態において、フランクの形状が、ピッチ線の位置を頂点とするなだらかな曲面の形状である。テーパねじゲージのフランクの形状をエッジのないなだらかな曲面で構成することによって、エッジのある複数の平面で構成さた場合と比べてテーパねじのフランクと当接しても摩耗するおそれが少なく、また、テーパねじのフランクを傷つけるおそれも少なくなる。
フランクの形状は、例えば、ピッチ線の位置を頂点とする2以上の直線で形成してもよい。あるいは、ピッチ線の位置を頂点とする階段形状に形成してもよい。本発明において、上記の特徴的なフランクの形状を有するテーパねじゲージを実現するには、公知のねじ溝の加工方法を用いることができる。例えば、タップ、ダイス又はチェーザーなどの工具を使用してねじ溝を加工する場合は、これらの工具の刃先形状を上記の形状のフランクを形成することができるような形状にすればよい。
本発明において、本発明に係るテーパねじゲージを検査対象に設けられたテーパねじに止まるまでねじ込んだときのテーパねじゲージの位置と、検査対象の基準となる位置との差が所定の範囲内にあるときに合格と判断する。本発明に係るテーパねじゲージはフランクの形状に特徴を有するため、このような簡単な方法によって正確にテーパねじの山やせの検査を実施することができる。本発明に特有なフランク形状の作用につき、以下図面を用いてさらに詳細に説明する。
図4は、本発明に係るテーパねじゲージが検査対象に設けられた山やせのない正常なテーパねじにねじ込まれた状況を示した模式図である。テーパねじ9のフランクに山やせはなく、軸線を含む断面において進み側フランク5a及び追い側フランク5bの形状はいずれも直線となっている。本発明に係るテーパねじゲージ14のピッチ線15の位置におけるねじ山の幅はピッチの2分の1に等しいので、テーパねじゲージ14のフランクはピッチ線15の位置においてテーパねじ9の進み側フランク5a及び追い側フランク5bとそれぞれほぼ同時に接触する。
ピッチ線15の位置においてテーパねじ9のねじ山とテーパねじゲージ14のねじ山との間に隙間がなく、テーパねじゲージ14を検査対象であるテーパねじ9に止まるまでねじ込むと、その位置におけるテーパねじ9の有効径とテーパねじゲージ14の有効径がほぼ等しいためにテーパねじゲージ14はそれ以上ねじ込むことができなくなり、ねじ込みが完了する。ねじ込みが完了したときのテーパねじゲージ14の位置と、テーパねじ9の基準となる位置との差が所定の範囲内にあるときは、テーパねじ9のねじ山に山やせが存在せず、合格と判定することができる。例えば、テーパねじ9の管端がテーパねじゲージ14に設けられた切欠きの範囲内にあるときは合格と判定することができる。
図5は、本発明に係るテーパねじゲージが検査対象に設けられた山やせの存在するテーパねじにねじ込まれた状況を示した模式図である。テーパねじ9のフランクは、破線で示された山やせのない状態に比べてねじ山の幅が小さくなっている。テーパねじ9の進み側フランク5a及び追い側フランク5bとテーパねじゲージ14のフランクとの間に大きな隙間が発生している。
検査対象であるテーパねじ9の基準となる位置までテーパねじゲージ14がねじ込まれても、フランク同士が接触しないため、ねじ込み動作は完了しない。テーパねじゲージ14は、テーパねじ9とテーパねじゲージ14の有効径が一致してそれ以上ねじ込むことができなくなるまでさらに奥へねじ込むことができる。このため、ねじ込みが完了したときのテーパねじゲージ14の位置が、検査対象の基準となる位置に対して所定の範囲に収まらないので、テーパねじ9のねじ山に山やせが存在することが検知でき、不合格と判定することができる。
ねじ込みが完了したときのテーパねじゲージの位置が、検査対象の基準となる位置に対してどのくらいずれたときに不合格と判定するかは、検査対象のサイズ等に応じて適宜定めることができる。例えば、ねじ山のピッチPに対して上記のずれが3/4P以下のときは合格とし、4/4P(1P)以上のときは不合格とすることができる。ずれが3/4Pを越えて4/4P未満である場合は、合格、不合格のいずれとも判定せずに、例えば目視検査その他の検査方法を併用して最終的に判定することができる。
本発明の他の実施の形態において、本発明に係るテーパねじゲージを検査対象に設けられたテーパねじに止まるまでねじ込んだときのテーパねじゲージの位置と、フランクの後退がない通常のテーパねじゲージを検査対象に設けられたテーパねじに止まるまでねじ込んだときの通常のテーパねじゲージの位置との差が所定の範囲内にあるときに合格と判断する。2種類のテーパねじゲージを使用することによってねじ込み式管継手の有効径の誤差が相殺されるので、山やせが発生しているかどうかをより高い精度で判定することができる。本発明において通常のテーパねじゲージとは、例えば、非特許文献3に定められた限界ゲージなど、をいう。
本発明に係る検査方法の好ましい実施の形態において、検査対象はねじ込み式管継手である。本発明におけるねじ込み式管継手は、例えば、日本工業規格JIS B 2301(非特許文献1)に規格が定められたねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手であって、可鍛鋳鉄でなり、管用テーパねじ(おねじ又はめねじ)が切られている管継手など、をいう。本発明におけるねじ込み式管継手は、可鍛鋳鉄以外の材料(例えば、ステンレス鋼など。)でなるねじ込み式管継手であってもよく、また、日本工業規格以外の、例えば、これに相当する外国の規格に適合したねじ込み式管継手など、であってもよい。
本発明に係るテーパねじゲージ及びこれ用いた検査方法は、接合部の耐密性が必要なねじ込み式管継手の管用テーパねじのねじ検査に好適に用いることができるが、テーパねじが切られた製品であれば、ねじ込み式管継手に限らず、他の製品を対象に使用することも可能である。ここでいう他の製品の具体例としては、例えば、ねじ込み式管継手と組み合わせることができる中実のプラグ(栓)や、管用テーパねじが切られた管などがある。
図6は、本発明の好ましい実施の形態に係るテーパねじゲージの形状を示した模式図である。本発明の好ましい実施の形態において、山の頂に近い部分におけるフランクの形状が山払い19の形状である。山払いとは、通常のテーパねじゲージの山の頂を平らに加工してねじ山の高さ6を低くすることをいう。山払いを行うことによってピッチ線の位置よりも山の頂3に近い位置におけるねじ山が幅全体にわたり除去されるので、フランクの形状が基準山形16の形状に比べてねじ山の幅が狭くなる(幅がゼロになる)方向に後退していると同時に、山の頂の形状が基準山形16の形状と比べて山の頂がより低くなる方向に後退しているように形成される。この方法は、本発明に係るテーパねじゲージを製作するに際して特別な工具(タップ、ダイス又はチェーザー)を必要としない点で有利である。
本発明の好ましい実施の形態において、谷底に近い部分におけるフランクの形状が逃げ溝20の形状である。逃げ溝とは、通常のテーパねじゲージの谷底を軸線の方向と直角な方向に深さを有する溝の形状に研削加工することをいう。逃げ溝を形成することによってピッチ線の位置よりも谷底4に近い位置におけるねじ溝の幅が拡張され、その分ねじ山の幅が縮小されるので、フランクの形状が基準山形16の形状に比べてねじ山の幅が狭くなる方向に後退していると同時に、谷底の形状が基準山形16の形状と比べて谷底がより深くなる方向に後退しているように形成される。この方法も、本発明に係るテーパねじゲージを製作するに際して特別な工具(タップ、ダイス又はチェーザー)を必要としない点で有利である。山払い19と逃げ溝20を併用すればさらに好ましい。
本発明の好ましい実施の形態において、テーパねじゲージはプラグゲージである。プラグゲージは、円柱状の部材の外径側にねじ山及びねじ溝が形成されたもので、ねじ込み式管継手の内径側に形成されたテーパめねじの検査に使用することができる。プラグゲージには持ち手を設けることができる。本発明の好ましい実施の形態において、テーパねじゲージはリングゲージである。リングゲージは、リング状の部材の内径側にねじ山及びねじ溝が形成されたもので、ねじ込み式管継手の外径側に形成されたテーパおねじの検査に使用することができる。
以上要するに、本発明によれば、高額の設備投資を要することなく、検査対象に設けられたテーパねじに山やせが発生しているかどうかを簡単かつ正確に判定することができるので、例えば、管継手などに求められる主要な機能である耐密性を一定の水準に維持するのに貢献し、その産業上の利用価値は極めて高い。
1 ねじ山
2 ねじ溝
3 山の頂
4 谷底
5 フランク
5a 進み側フランク
5b 追い側フランク
6 ねじ山の高さ
7 ねじ込み式管継手
8 管
9 テーパめねじ
10 テーパおねじ
11 基準径の位置
12 有効径(めねじ)
13 有効径(おねじ)
14 テーパねじゲージ
15 ピッチ線
16 基準山形
17 山の頂に近い部分
18 谷底に近い部分
19 山払い
20 逃げ溝
α ねじ山の角度
α1 フランク角
P ピッチ

Claims (11)

  1. ねじ山、ねじ溝及びフランクを備え、
    ピッチ線の位置における前記ねじ山の幅及び前記ねじ溝の幅が検査しようとするテーパねじのピッチの2分の1にそれぞれ等しいテーパねじゲージであって、
    ピッチ線の位置よりも山の頂に近い部分における前記フランクの形状及びピッチ線の位置よりも谷底に近い部分における前記フランクの形状の少なくとも一方が基準山形の形状と比べて前記ねじ山の幅が狭くなる方向に後退している
    テーパねじゲージ。
  2. 前記フランクの形状が、ピッチ線の位置を頂点とするなだらかな曲面の形状である請求項1に記載のテーパねじゲージ。
  3. 前記山の頂に近い部分における前記フランクの形状が山払いの形状である請求項1に記載のテーパねじゲージ。
  4. 前記谷底に近い部分における前記フランクの形状が逃げ溝の形状である請求項1に記載のテーパねじゲージ。
  5. 前記山の頂に近い部分における前記フランクの形状が前記山払いの形状であり、前記谷底に近い部分における前記フランクの形状が前記逃げ溝の形状である請求項1に記載のテーパねじゲージ。
  6. プラグゲージである請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のテーパねじゲージ。
  7. リングゲージである請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のテーパねじゲージ。
  8. テーパねじの検査方法であって、
    請求項1から請求項7までのいずれかに記載のテーパねじゲージを検査対象に設けられたテーパねじに止まるまでねじ込んだときの前記テーパねじゲージの位置と、検査対象の基準となる位置との差が所定の範囲内にあるときに合格と判定する
    テーパねじの検査方法。
  9. 前記検査対象がねじ込み式管継手であり、前記基準となる位置が前記ねじ込み式管継手の基準径の位置である請求項8に記載のテーパねじの検査方法。
  10. テーパねじの検査方法であって、
    請求項1から請求項7までのいずれかに記載のテーパねじゲージを検査対象に設けられたテーパねじに止まるまでねじ込んだときの前記テーパねじゲージの位置と、前記フランクの後退がない通常のテーパねじゲージを前記検査対象に設けられたテーパねじに止まるまでねじ込んだときの前記通常のテーパねじゲージの位置との差が所定の範囲内にあるときに合格と判定する
    テーパねじの検査方法。
  11. 前記検査対象がねじ込み式管継手である請求項10に記載のテーパねじの検査方法。
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