JP2016183245A - 樹脂組成物、散乱膜、カラーフィルタ及び表示装置 - Google Patents

樹脂組成物、散乱膜、カラーフィルタ及び表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】組成物状態における含有粒子の高い分散安定性を確保しつつ、それを硬化させて散乱膜とした場合においては極めて高い光散乱性能を発揮することが可能な、樹脂組成物を提供すること。【解決手段】本発明は、(A)樹脂、(B)有機粒子及び(C)無機粒子を含有し、上記(B)有機粒子の質量と、上記(C)無機粒子の質量との総和に対する、上記(B)有機粒子の質量の比が、0.1〜0.7である、樹脂組成物を提供する。【選択図】なし

Description

樹脂組成物、散乱膜、カラーフィルタ及び表示装置に関する
表示装置は、反射型表示装置と、透過型表示装置とに大別される。反射型表示装置は外光を反射して表示するものであり、ユーザーが視認する角度によっては、視認性が大幅に低下する。また透過型表示装置の内、液晶表示装置では外光の反射による問題は生じないが、同じく透過型表示装置である有機エレクトロルミネセンス表示装置では、有機エレクトロルミネセンス層の発光光率を高めるために設けられた反射電極に外光が反射し、やはり視認性が低下する問題が生じる。このような外光の反射による視認性低下の問題を改善する簡便な方法として、表示装置が備えるカラーフィルタのオーバーコート膜や画素に、光散乱性能を付与すること、すなわち、それらオーバーコート膜や画素を散乱膜とすること、が知られている。
カラーフィルタのオーバーコート膜等に光散乱機能を付与して散乱膜とする技術としては、オーバーコート膜等の原料となる樹脂組成物に無機粒子と有機粒子とを混合する方法(特許文献1)や、その断面形状が楕円状となる粒子を混合する方法(特許文献2)が知られている。
特許第3969067号 特開2007−070372号公報
しかしながら、従来の樹脂組成物に無機粒子と有機粒子とを混合する方法では、形成される散乱膜の光散乱性能が不足しており、さらなる性能の向上が要求されていた。また、断面形状が楕円状となる粒子を混合する方法では、粒子形状が略真球でないことから粒子同士が凝集し易く、必要十分な分散安定性が確保できないものであった。
そこで本発明は、組成物状態における含有粒子の高い分散安定性を確保しつつ、それを硬化させて散乱膜とした場合においては極めて高い光散乱性能を発揮することが可能な、樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討をした結果、樹脂組成物の必須成分として(A)樹脂、(B)有機粒子及び(C)無機粒子を選択し、かつ、(B)有機粒子の質量と(C)無機粒子の質量との総和に対する、(B)有機粒子の質量の比特定範囲にあることが、上記課題の解決に極めて有効であることを見出し、本発明を完成した。なお、本発明では樹脂組成物中においては真球に近い形状である(B)有機粒子が、散乱膜中においては楕円状の有機粒子に変化することで、さらなる光散乱性能の向上を図るものである。
本発明によれば、組成物状態においては含有粒子の分散安定性が確保可能であり、かつ、それを硬化させた散乱膜は顕著な光散乱性能を奏することができる。
本発明の樹脂組成物は、(A)樹脂、(B)有機粒子及び(C)無機粒子を含有し、上記(B)有機粒子の質量と、上記(C)無機粒子の質量との総和に対する、上記(B)有機粒子の質量の比が、0.1〜0.7であることを特徴とする。
本発明の樹脂組成物が含有する(A)樹脂とは、重量平均分子量(以下、「Mw」)が1000〜50000の有機化合物をいう。(A)樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド又はポリイミド前駆体が挙げられるが、汎用性の高いアクリル樹脂が好ましい。
アクリル樹脂とは、共重合成分として不飽和カルボン酸又はその誘導体を含む樹脂をいう。不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物の共重合体を好ましく用いることができる。不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸若しくはビニル酢酸又はこれらの酸無水物が挙げられる。これら不飽和カルボン酸を共重合成分として含む樹脂としては、例えば、不飽和カルボン酸のみの単独重合体、又は、エチレン性不飽和化合物との共重合体が挙げられる。不飽和カルボン酸と共重合可能なエチレン性不飽和化合物としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸nープロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸イソ−ブチル、メタクリル酸イソ−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ペンチル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート若しくはベンジルメタクリレート等の不飽和カルボン酸アルキルエステル、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン若しくはα−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、アミノエチルアクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル、グリシジルアクリレート若しくはグリシジルメタクリレート等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル、酢酸ビニル若しくはプロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル若しくはα−クロルアクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、1,3−ブタジエン若しくはイソプレン等の脂肪族共役ジエン、あるいは、それぞれ末端にアクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有するポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート又はポリシリコーン等のマクロモノマが挙げられる。
アクリル樹脂の酸価は、30〜120mgKOH/gが好ましく、40〜90mgKOH/gがより好ましい。アクリル樹脂の酸価が30mgKOH/g未満であると、現像時に未露光部の溶解性に支障をきたす場合がある。一方で、樹脂酸価が120mgKOH/gを超えると、現像時にパターンの欠けが発生し易くなる。
また、露光及び現像時の感度を向上させて、厚膜であっても順テーパー形状を形成するためには、アクリル樹脂が、側鎖にエチレン性不飽和基を有することが好ましい。そのようなアクリル樹脂の不飽和当量は、250〜1200が好ましく、300〜700がより好ましい。不飽和当量が250未満であると、露光時に塗布膜の内部応力が増加し、パターンが剥がれ易くなる。一方で、不飽和当量が1200を超えると、2μm以上の膜厚においてパターンが逆テーパー形状になり易い。
エチレン性不飽和基としては、例えば、ビニル基、アリル基、アクリル基又はメタクリル基が挙げられる。このようなエチレン性不飽和基を、側鎖としてアクリル樹脂に導入する方法としては、アクリル樹脂がカルボキシル基又は水酸基等を有する場合には、これらにグリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物、アクリル酸又はメタクリル酸クロライドを付加反応させる方法が一般的である。その他、イソシアネートを利用してエチレン性不飽和基を有する化合物を付加反応させることもできる。ここでいうグリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物、アクリル酸又はメタクリル酸クロライドとしては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエーテル、アクリル酸クロライド又はメタクリル酸クロライドが挙げられる。
本発明の樹脂組成物が含有する(B)有機粒子とは、有機物を主成分としてなり、樹脂組成物中において粒子状で存在するものをいう。ここで有機物を主成分とするとは、粒子の全質量に占める有機物の割合が、50質量%以上であることをいう。有機粒子を構成する成分としては、アクリル樹脂、ポリスチレン、AS樹脂(アクリロニトリル/スチレンの共重合体)若しくはその架橋体、メラミン−ホルマリン縮合物の粒子、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)等の含フッ素ポリマー又はシリコーン樹脂が挙げられるが、柔軟性が高く、組成物が硬化した散乱膜中で楕円形状になり易い、アクリル樹脂、ポリスチレン又はAS樹脂からなる粒子が好ましい。(B)有機粒子の構造としては、成分が異なる、2以上の層からなる粒子であっても構わない。
(B)有機粒子の粒径は、0.2〜1.0μmが好ましく、0.3〜0.6μmがより好ましい。粒径が0.2μm以上であると、可視光領域での光散乱が十分なものとなる。一方で、粒子径が1.0μm以内であると、降伏値又は形成する散乱膜の平坦性が良好となる。(B)有機粒子の粒径は、レーザ回折・散乱法粒度分布測定装置(例えば、LS 13 320;ベックマン・コールター製)で測定した粒度分布における、ピークの粒径を(B)有機粒子の粒径とすることができる。
樹脂組成物中における(B)有機粒子の形状は、樹脂組成物中での分散不良又は沈降を抑制するため、真球に近いことが好ましく、(B)有機粒子の短径r1に対する、長径r2の比が、1.2未満であることがより好ましい。樹脂組成物中における(B)有機粒子の形状は、TRANSEMサンプルホルダー(ライフセム社製)に封入した樹脂組成物を、常圧下、走査型電子顕微鏡(以下、「SEM」)を用いて観察して確認することができる。より具体的には、SEMによる観察では二次電子の強度の違いにより、(B)有機粒子は高コントラストに、(C)無機粒子は低コントラストに、それぞれ観察され、(A)樹脂は観察されない。このため、樹脂組成物中における(B)有機粒子の形状を確認することが可能となる。また、SEMの画像について2値化の処理をして、無作為に選択した100個の(B)有機粒子について、それぞれ最大幅及び最小幅を計測し、最大幅の平均値を長径r2、最小幅の平均値を短径r1、とすることができる。
市販の(B)有機粒子としては、例えば、“エポスター”(登録商標)S(メラミン−ホルムアルデヒド縮合物;粒径0.2μm)、S6(メラミン−ホルムアルデヒド縮合物;粒径0.5μm)若しくはMX200W(ポリメタクリル酸メチル(以下、「PMMA」);粒径0.4μm)(以上、いずれも日本触媒製) “ケミスノー”(登録商標)MX−80H3wT(架橋PMMA;粒径0.8μm)、MP−1451(アクリル樹脂;粒径0.15μm)、MP−2200(アクリル樹脂;粒径0.35μm)、MP−1000(アクリル樹脂;粒径0.4μm)、MP−5000(AS樹脂;粒径0.4μm)若しくはMP−5500(AS樹脂;粒径0.4μm)(以上、いずれも綜研化学製)、FS−201(AS樹脂;粒径0.5μm)、FS−501(アクリル樹脂;粒径0.5μm)若しくはMG−351(アクリル樹脂;粒径1.0μm)(以上、いずれも日本ペイント株式会社製)、あるいは、ガンツパール(登録商標)PM−030S(アクリル樹脂;粒径0.3μm)若しくはPM−030D(アクリル樹脂;粒径0.3μm)又はスタフィロイド(登録商標)IM−203”(コアがアクリル樹脂、シェルがエポキシ樹脂の複層粒子;粒径0.3μm)、IM−601(コアがアクリル樹脂、シェルがAS樹脂の複層粒子;粒径0.3μm)、AC4030(アクリル樹脂;粒径0.5μm)、AC3832(アクリル樹脂;粒径0.5μm)、AC3816N(アクリル樹脂;粒径0.5μm)若しくはAC3355(アクリル樹脂;粒径0.5μm)(以上、いずれもアイカ工業製)が挙げられる。
本発明の樹脂組成物が含有する(C)無機粒子とは、無機物を主成分としてなり、樹脂組成物中において粒子状で存在するものをいう。ここで無機物を主成分とするとは、粒子の全質量に占める無機物の割合が、50質量%以上であることをいう。無機粒子を構成する成分としては、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、ジルコニア、ステンレス又は鉛ガラスが挙げられる。(C)無機粒子の比重は、樹脂組成物中での分散安定性を高めるため、3以上であることが好ましい。(C)無機粒子の構造としては、成分が異なる、2以上の層からなる粒子であっても構わない。
(C)無機粒子の粒径は0.2μm以下が好ましい。粒子径が0.2μmを超えると、可視光領域での吸収が起こる場合がある。
本発明の樹脂組成物は、(B)有機粒子の質量と(C)無機粒子の質量との総和に対する、(B)有機粒子の質量の比が、0.1〜0.7である必要があるが、該質量比は0.2〜0.5であることが好ましい。該質量比がこの範囲にあることにより、本発明の樹脂組成物は十分な光散乱性能及び安定的な流動性を奏することとなる。
樹脂組成物中の(B)有機粒子と(C)無機粒子とのそれぞれの質量は、次の方法で測定することができる。まず、樹脂組成物を、(C)無機粒子と、上澄み液とに分離する。沈降物を、有機物が熱分解する温度で加熱乾燥することで、(C)無機粒子のみが残存し、(C)無機粒子の質量を測定することができる。上澄み液は、予め質量を測定した孔径0.1μmのフィルターでろ過し、フィルター上に(B)有機粒子を捕捉する。ろ過後のフィルターを真空乾燥して質量を測定し、その値からフィルター自身の質量を差し引くことで、(B)有機粒子の質量を算出することができる。なお、沈降物を加熱乾燥する温度は、上澄み液を真空乾燥した後に、熱重量分析をして決定することができる。
本発明の樹脂組成物は、多官能モノマを含有しても構わない。ここで多官能モノマとは、二以上のエチレン性不飽和二重結合を有する、分子量が1000未満の化合物をいう。多官能モノマとしては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレートカルバメート、変性ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、アジピン酸1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリル酸エステル、無水フタル酸プロピレンオキサイド(メタ)アクリル酸エステル、トリメリット酸ジエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、ロジン変性エポキシジ(メタ)アクリレート、アルキッド変性(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート又は[9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、多官能モノマに加えて、単官能モノマを含有しても構わない。ここで単官能モノマとは、一のエチレン性不飽和二重結合を有する、分子量が1000未満の化合物をいう。単官能モノマとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、n−ブチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート又はイソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
中でも、形成する散乱膜の光散乱性能を高めるため、本発明の樹脂組成物は、高屈折率であるフルオレン系多官能モノマを含有することが好ましい。ここでフルオレン系多官能モノマとは、分子中にフルオレン骨格と及び二以上のエチレン性不飽和二重結合を有する、分子量が1000未満の化合物をいう。フルオレン系多官能モノマとしては、例えば、[9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン又は[9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)−3−ヒドロキシフェニル]フルオレンが挙げられるが、形成する散乱膜の透明性が高い、[9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、感光性を具備するため、光重合開始剤を含有しても構わない。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルーベンジル)−1−(モリフォリンー4−イルーフェニル)−ブタンー1−オン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、4−(p−メトキシフェニル)−2,6−ジ−(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,2オクタジオン、1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]又はエタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]1,1−(O−アセチルオキシム)が挙げられる。
樹脂組成物中の全固形分に占める光重合開始剤の割合は、1〜30質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。光重合開始剤の割合が1質量%以上であると、樹脂組成物の感光性が十分となる。一方で、光重合開始剤の割合が30質量%以内であると、現像後のパターンのテーパー長さが適度なものとなる。ここで全固形分とは、溶媒を除く、樹脂組成物中の全成分をいう。
本発明の樹脂組成物は、(A)樹脂を溶解する、溶媒を含有しても構わない。
溶媒としては、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル若しくはジエチレングリコールエチルメチルエーテル等のエチレングリコール又はプロピレングリコール誘導体、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセト酢酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート若しくは3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等の脂肪族エステル類、エタノール若しくは3−メチル−3−メトキシブタノール等の脂肪族アルコール類、シクロペンタノン若しくはシクロヘキサノン等のケトン類、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド若しくはN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系極性溶媒、あるいは、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン若しくはε−カプロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
さらには、樹脂組成物の塗布性の向上又は現像時のパターン欠けの抑制のため、2種類以上の溶剤を適宜組み合わせた、混合溶媒を含有することが好ましい。この場合には、副溶媒として、(A)樹脂に対する貧溶媒を用いても構わない。そのような混合溶媒としては、例えば、シクロペンタノン等の沸点が180℃以下の溶媒を70〜95質量%と、N−メチルピロリドン等の沸点が180℃以上の溶媒を5〜30質量%と、からなる混合溶媒などが挙げられる、中でも、沸点が200℃以上の溶媒を5〜20質量%含有すると、現像時のパターン欠けがさらに起こり難く、より好ましい。
本発明の樹脂組成物は、染料又は有機顔料等の、着色成分を含有しても構わない。
本発明の樹脂組成物は、高精細なパターン形成のため、紫外線吸収剤を含有しても構わない。紫外線吸収剤としては、形成する散乱膜の透明性の向上又は着色の抑制のため、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物又はトリアジン系化合物が好ましく、ベンゾトリアゾール系化合物がより好ましい。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tertブチルフェノール)、2,4ジ−tertブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−tert−ペンチルフェノール、2−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テオtラメチルブチル)フェノール、2(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール又は2[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾールが挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、オクタベンゾン又は2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンが挙げられる。
トリアジン系化合物としては、例えば、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールが挙げられる。
(A)樹脂及び多官能モノマに対する、紫外線吸収剤の割合は、0.3〜10質量%が好ましく、2.0〜8.0質量%がより好ましい。紫外線吸収剤の割合が0.3質量%以上であると、テーパー部の形状が良好となり、紫外線吸収剤の割合が10質量%以内であると、現像時の感度が十分となる。
本発明の樹脂組成物樹脂は、その他必要に応じて、重合禁止剤、界面活性剤又は密着改良剤を含有しても構わない。
本発明の樹脂組成物は、降伏値が1.0×10−3Pa以下であることが好ましい。樹脂組成物の降伏値が1.0×10−3Pa以下であると、その分散安定性が良好であると判断される。降伏値は、円錐平板型粘度計(例えば、RE100L;東機産業(株)製)を用いて、異なるずり速度での粘度を3点測定し、それらの値をCassonの式に当てはめて算出することができる。
本発明の散乱膜は、本発明の樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする。
本発明の樹脂組成物は、例えば、基板上で硬化させて散乱膜を形成することができる。散乱膜を形成する基板としては、例えば、透明基板、ポリイミド層を形成した透明基板、ブラックマトリクスを形成した透明基板、反射表示部着色層と透過表示部着色層とを形成した基板、カラーフィルタ又はカラーフィルタ対向基板が挙げられる。
散乱膜の一般的な形成方法を以下に例示する。まず、基板上に本発明の樹脂組成物を塗布し、得られた塗布膜を加熱乾燥(プリベーク)して、乾燥膜を得る。加熱乾燥の方法としては、例えば、ホットプレート若しくはオーブンを用いた加熱、又は、真空乾燥が挙げられる。
得られた乾燥膜の表面に、ポジ型フォトレジストを塗布し、得られたフォトレジストの塗布膜を加熱乾燥する。フォトレジストの乾燥膜を、マスクを介して紫外線で選択的に露光する。露光の光源としては、例えば、超高圧水銀灯、ケミカル灯又は高圧水銀灯が挙げられる。露光の方式としては、例えば、プロキシミティ露光、縮小露光、レンズスキャン露光又はミラープロジェクション露光が挙げられる。露光量は、365nmにおける放射照度の時間積分値で、50〜200mJ/cmが一般的である。
露光したフォトレジストの乾燥膜をアルカリ現像し、露光部を除去して樹脂組成物/フォトレジストの積層のパターンを形成した後、有機溶媒でフォトレジストを剥離する。
アルカリ現像に用いるアルカリ現像液は、有機アルカリ現像液及び無機アルカリ現像液のいずれでも構わない。無機アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液が挙げられる。有機アルカリ現像液としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液又はメタノールアミン水溶液等のアミン系水溶液が挙げられる。
これらアルカリ現像液に占めるアルカリ性化合物の割合は、0.01〜50質量%が好ましく、は0.05〜5質量%がより好ましい。アルカリ現像液は界面活性剤を含有することも好ましく、形成する散乱膜のパターン形状を良好にするため、非イオン系界面活性剤等を0.01〜10質量%添加することが好ましく、0.1〜5質量%添加するがより好ましい。
アルカリ現像の方法としては、例えば、ディップ現像、シャワー現像又はパドル現像が挙げられる。アルカリ現像後はアルカリ現像液を除去するため、得られたパターンを純水等により洗浄をしても構わない。
フォトレジストの剥離後に得られた本発明の樹脂組成物を硬化してなるパターンは、その後加熱乾燥(ポストベーク)することで、散乱膜となる。加熱乾燥の条件としては、空気中、窒素雰囲気中又は真空中、150〜300℃好ましくは180〜260℃で、0.25〜5時間、連続的又は段階的に加熱乾燥をするのが一般的である。
形成された散乱膜が含有する(B)有機粒子は、高効率に光散乱性能を高めるため、短径r1に対する、長径r2の比が、1.2以上であることが好ましい。
以下に本発明をその実施例及び比較例を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<評価方法>
(アクリル樹脂溶液(A−1)の合成)
14質量部のメタクリル酸メチル、14質量部のスチレン、48質量部のメタクリル酸、3質量部2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、及び、150質量部のγ−ブチロラクトンを重合容器中に仕込み、90℃で2時間撹拌し、液温を100℃に上げて、さらに1時間撹拌した。この反応液に、57質量部のメタクリル酸グリシジル、1.1質量部のジメチルベンジルアミン、及び、0.2質量部のp−メトキシフェノールを添加し、90℃で4時間撹拌し、反応終了時に29質量部のγ−ブチロラクトンを添加して、アクリル樹脂溶液(A−1)(固形分43質量%、酸価68mgKOH/g、Mw18000)を得た。
(有機粒子分散液(B−1)の調製)
10質量部の“スタフィロイド”(登録商標)AC3355、23.25質量部のアクリル樹脂(A−1)及び66.75質量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルを、ビーズミルを用いて分散し、有機粒子分散液(B−1)(固形分20質量%)を調製した。
(有機粒子分散液(B−2)の調製)
10質量部のPM−030S、23.25質量部のアクリル樹脂(A−1)及び66.75質量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルを、ビーズミルを用いて分散し、有機粒子分散液(B−2)(固形分20質量%)を調製した。
(有機粒子分散液(B−3)の調製)
10質量部のMG−351、23.25質量部のアクリル樹脂(A−1)及び66.75質量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルを、ビーズミルを用いて分散し、有機粒子分散液(B−3)(固形分20質量%)を調製した。
(有機粒子分散液(B−4)の調製)
10質量部のMX−150、23.25質量部のアクリル樹脂(A−1)及び66.75質量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルを、ビーズミルを用いて分散し、有機粒子分散液(B−4)(固形分20質量%)を調製した。
(有機粒子分散液(B−5)の調製)
10質量部のMG−151、23.25質量部のアクリル樹脂(A−1)及び66.75質量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルを、ビーズミルを用いて分散し、有機粒子分散液(B−5)(固形分20質量%)を調製した。
(無機粒子分散液(C−1)の調製)
10質量部の酸化チタン粒子(TITANIX AMT−660;テイカ株式会社製;比重4.0、粒径0.03μm)、23.35質量部のアクリル樹脂(A−1)及び66.75質量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルを、ビーズミル用いて分散し、無機粒子分散液(C−1)(固形分20質量%)を調製した。
(無機粒子分散液(C−2)の調製)
10質量部のジルコニア粒子(Zirconium(IV)Oxide;IoLiTec社製;比重6.0、粒径0.10μm)、23.35質量部のアクリル樹脂(A−1)及び66.75質量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルを、ビーズミル用いて分散し、無機粒子分散液(C−2)(固形分20質量%)を調製した。
(無機粒子分散液(C−3)の調製)
10質量部のアモルファスシリカ粒子(シーホスターKE−E10;日本触媒製;比重1.2、粒径0.10μm)、23.35質量部のアクリル樹脂(A−1)及び66.75質量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルを、ビーズミル用いて分散し、無機粒子分散液(C−3)(固形分20質量%)を調製した。
(実施例1)
25質量部の有機粒子分散液(B−1)、75質量部の無機粒子分散液(C−1)、1質量部の2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルーベンジル)−1−(モリフォリンー4−イルーフェニル)−ブタンー1−オン、及び、9質量部のジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを混合し、樹脂組成物(D−J1)を調製した。得られた樹脂組成物(D−J1)が含有する(B)有機粒子について、短径r1及び長径r2を測定した結果を、表2に示す。また、得られた樹脂組成物(D−J1)の降伏値を、以下の判断基準に基づき評価した。評価結果を、表2に示す。
降伏値が1.0×10−3Pa以下 : ○
降伏値が1.0×10−3Pa超 : ×
厚さ0.5mmのガラス基板上に、樹脂組成物(D−J1)を加熱乾燥後の膜の厚さが2μmになるようにスピン塗布し、100℃で10分加熱乾燥後、さらに230℃で30分加熱乾燥して、散乱膜1を形成した。散乱膜1を形成したガラス基板を、5×5cm角に割断し、UV分光光度計(U−3010;日立製)を用いて、波長550nmにおける全光線透過率と平行光線透過率とを測定し、その差を散乱透過率とした。散乱透過率の値を、以下の判断基準に基づき評価した。評価結果を、表2に示す。
散乱透過率が5%未満 : ×
散乱透過率が5%以上15%未満 : △
散乱透過率が15%以上25%未満 : ○
散乱透過率が25%以上 : ◎
また、5×5cm角に割断された、散乱膜1を形成したガラス基板について、断面をSEMで観察し、SEMの画像について2値化の処理をして、無作為に選択した100個の(B)有機粒子の最大幅及び最小幅をそれぞれ計測し、最大幅の平均値を長径r2、最小幅の平均値を短径r1、とした。これらr1及びr2の値を、表2に示す。
(実施例2)
有機粒子分散液(B−1)を60質量部に、無機粒子分散液(C−1)を40質量部に、それぞれ変更した以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物(D−J2)を調製し、実施例1と同様の評価をした。評価結果を表2に示す。
(実施例3)
有機粒子分散液(B−1)を15質量部に、無機粒子分散液(C−1)を85質量部に、それぞれ変更した以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物(D−J3)を調製し、実施例1と同様の評価をした。評価結果を表2に示す。
(実施例4)
無機粒子分散液(C−1)に代えて無機粒子分散液(C−2)を用いた以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物(D−J4)を調製し、実施例1と同様の評価をした。評価結果を表2に示す。
(実施例5)
有機粒子分散液(B−1)に代えて有機粒子分散液(B−2)を用いた以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物(D−J5)を調製し、実施例1と同様の評価をした。評価結果を表2に示す。
(実施例6)
有機粒子分散液(B−1)に代えて有機粒子分散液(B−3)を用いた以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物(D−J6)を調製し、実施例1と同様の評価をした。評価結果を表2に示す。
(比較例1)
有機粒子分散液(B−1)を80質量部に、無機粒子分散液(C−1)を20質量部に、それぞれ変更した以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物(D−H1)を調製し、実施例1と同様の評価をした。評価結果を表2に示す。
(比較例2)
有機粒子分散液(B−1)を0質量部に、無機粒子分散液(C−1)を100質量部に、それぞれ変更した以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物(D−H2)を調製し、実施例1と同様の評価をした。評価結果を表2に示す。
(比較例3)
無機粒子分散液(C−1)に代えて無機粒子分散液(C−4)を用いた以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物(D−H3)を調製し、実施例1と同様の評価をした。評価結果を表2に示す。
(比較例4)
有機粒子分散液(B−1)に代えて有機粒子分散液(B−4)を用いた以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物(D−H4)を調製し、実施例1と同様の評価をした。評価結果を表2に示す。
(比較例5)
有機粒子分散液(B−1)に代えて有機粒子分散液(B−5)を用いた以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物(D−H5)を調製し、実施例1と同様の評価をした。評価結果を表2に示す。
Figure 2016183245
Figure 2016183245
(実施例7)
無アルカリガラス基板(OA−10;日本電気ガラス(株)製)上に、ポリイミド樹脂中にカーボンブラック(MA100;三菱化学(株)製)を分散させた組成物を用いて、ブラックマトリクス(開口幅10μm×30μm、膜厚1.5μm、線幅10μm)を形成した。
次に、ブラックマトリクスの開口部を完全に覆うように、赤、青及び緑の画素をそれぞれ形成した。
赤の画素は、ポリイミド樹脂中にC.I.ピグメントレッド254(BKCF;チバ・スペシャルティケミカルズ(株)製)及びC.I.ピグメントレッド177(6125EC;大日精化(株)製)を分散させた着色剤組成物を用いて形成した(膜厚2.0μm、画素幅10μm×30μm)。
緑の画素は、ポリイミド樹脂中に、C.I.ピグメントグリーン36(2YK−CF;DIC(株)製)及びC.I.ピグメントイエロー150(E4GNGT;ランクセス(株)製)を分散させた着色剤組成物を用いて形成した(膜厚2.0μm、画素幅10μm×30μm)。
青の画素は、ポリイミド樹脂中に、C.I.ピグメントブルー15:6(7602;東洋インキ社製)を分散させた着色剤組成物を用いて形成した(膜厚2.0μm、画素幅10μm×30μm)。
この基板上に、樹脂組成物(D−J1)をスリットコーターを用いて塗布し、得られた塗布膜を真空乾燥及び加熱乾燥をしてから、全面に100mJ/cmのi線を照射した後、230℃で30分加熱乾燥して散乱膜を形成した。
さらに、ネガ型感光性アクリル材料であるNN810(JSR製)を用いてフォトスペーサを形成し、液晶配向のためのラビング処理を施した液晶配向膜を形成して、反射型カラーフィルタ基板1を作製した。
(反射型液晶表示装置の作製)
薄膜ダイオード(TFD)素子、走査線、信号線及び透明電極を備える駆動素子基板上に、アルミ蒸着膜をパターニングした反射膜及び液晶配向のためのラビング処理を施した液晶配向膜をそれぞれ形成し、反射型対向基板1を作製した。反射型対向基板1と反射型カラーフィルタ基板1とを対向させて、シール材を用いて貼り合わせた。シール部に設けられた注入口から液晶を注入してから、注入口を封止し、ICドライバ等を実装して、反射型液晶表示装置1を完成した。
反射型液晶表示装置1を屋外で使用したところ、太陽光が正反射する角度も眩しさを感じない、良好な表示性能を示した。
(比較例6)
樹脂組成物(D−J1)に代えて樹脂組成物(D−H1)を用いた以外は実施例7と同様にして、反射型液晶表示装置2を完成させた。
反射型液晶表示装置2を屋外で使用したところ、太陽光が正反射する角度で眩しく感じる、視認性に劣る表示性能を示した。
(実施例8)
無アルカリガラス基板上(OA−10;日本電気ガラス(株)製)に、実施例7と同様の方法でブラックマトリクスを形成した。
次に、ブラックマトリクスの開口部を完全に覆うように、赤、青、緑及び白色の画素をそれぞれ形成した。赤、青及び緑の画素は、いずれも実施例7と同様に形成した。
白色画素は、樹脂組成物(D−J1)を用いて形成して、透過型カラーフィルタ基板1を作製した。(膜厚2.0μm、画素幅10μm×30μm)。
無アルカリガラス基板(AN100;旭硝子(株)製)上に、アルミニウムをスパッタしてアルミニウム薄膜を成膜した後、フォトリソグラフィー法によるパターニングをして、絶縁膜のない開口部に背面電極層を形成した。背面電極層の上に、真空蒸着法で、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(以下、「Alq3」)の層を成膜し、電子輸送層を形成した。電子輸送層上に、真空蒸着法でAlq3にジシアノメチレンピラン、キナクリドン及び4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニルをドーピングしたものの層を成膜し、発光層を形成した。発光層上に、真空蒸着法で、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(α−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンの層を成膜し、正孔輸送層を形成した。最後にスパッタリング法で、全面に電極であるITO薄膜を成膜し、有機EL素子1を作製した。
有機エレクトロルミネセンス素子1と透過型カラーフィルタ基板1とを対向させて封止剤により貼り合せて、有機エレクトロルミネセンス表示装置1を完成した。
有機エレクトロルミネセンス表示装置1を屋外で使用したところ、太陽光が正反射する角度でも眩しさを感じない、良好な表示性能を示した。
(比較例7)
樹脂組成物(D−J1)に代えて樹脂組成物(D−H1)を用いた以外は実施例8と同様にして、有機エレクトロルミネセンス表示装置2を完成させた。
有機エレクトロルミネセンス表示装置2を屋外で使用したところ、太陽光が正反射する角度で眩しく感じる、視認性に劣る表示性能を示した。
本発明の樹脂組成物を硬化してなる散乱膜は、表示装置、特に反射型表示装置又は有機エレクトロルミネセンス表示装置に好適に使用できる。

Claims (12)

  1. (A)樹脂、(B)有機粒子及び(C)無機粒子を含有し、
    前記(B)有機粒子の質量と、前記(C)無機粒子の質量との総和に対する、前記(B)有機粒子の質量の比が、0.1〜0.7である、樹脂組成物。
  2. 前記(C)無機粒子の比重が3以上である、請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 前記(B)有機粒子の粒径が、0.2〜1.0μmである、請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 前記(B)有機粒子の短径r1に対する、長径r2の比が、1.2未満である、請求項1〜3のいずれか一項記載の樹脂組成物。
  5. さらに(D)光重合開始剤を含有する、請求項1〜4のいずれか一項記載の樹脂組成物。
  6. 降伏値が1.0×10−3Pa以下である、請求項1〜5のいずれか一項記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項記載の樹脂組成物を硬化してなる、散乱膜。
  8. 短径r1に対する、長径r2の比が、1.2以上である前記(B)有機粒子を含有する、請求項7記載の散乱膜。
  9. 請求項7又は8記載の散乱膜を具備する、カラーフィルタ。
  10. 請求項9記載のカラーフィルタを具備する、表示装置。
  11. 請求項9記載のカラーフィルタを具備する、反射型表示装置。
  12. 請求項9記載のカラーフィルタを具備する、有機エレクトロルミネセンス表示装置。
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