JP2016182313A - 遊技台 - Google Patents

Abstract

【課題】報知手段に特徴を持った遊技台を提供する。【解決手段】遊技台は、操作デバイスの制御を含む遊技制御を実行する遊技制御手段を有する遊技制御部と、前記遊技制御部に電力を供給する電力供給手段と、を備え、前記電力供給手段から供給される電力によって少なくとも前記遊技制御に伴う遊技情報を保持する揮発性の情報記憶手段と、前記情報記憶手段に保持されている遊技情報が正常に保持されているか否かを判定する異常判定手段と、前記異常判定手段による判定が異常であった場合、異常を解消するための情報を報知する第一の報知手段と、前記異常を解消するための情報が報知されなかった場合、前記情報記憶手段に記憶されている情報に補正が必要か否かを判定する補正判定手段と、前記補正判定手段によって補正の必要があると判定された場合、補正が必要である旨の情報を報知する第二の報知手段と、を備える。【選択図】図２５

Description

本発明は、弾球遊技機（パチンコ機）、回胴遊技機（スロットマシン）、封入式遊技機あるいはメダルレススロットマシンに代表される遊技台に関する。

従来、スロットマシンやパチスロと呼ばれる遊技台では、複数の図柄を回転表示させ、乱数などを用いて行われた入賞役の抽選結果と、遊技者に操作可能に設けられた停止ボタンなどの操作結果に応じてリール制御を行って、停止した図柄が所定の停止態様で停止することで入賞が発生した場合はメダルなどの遊技媒体を払い出すものが一般的であり、それらの遊技制御に伴って発生する当選情報、遊技情報、遊技者の個人情報や時刻情報などを所定のＲＡＭなどに記憶して演出内容などを決定する際に用いる。ＲＡＭは一般的に揮発性なものであるため、情報を保持するためには所定の電力の供給を必要とする。

また、電断時にはＲＡＭの情報がバックアップされるが、商用電源が断たれた場合のなどのために、ＲＡＭが補助電源に接続される場合がある。また、計時情報（日時（年月日や時分秒））を取得するためのＲＴＣ（real-time clock：リアルタイムクロック）を備える遊技台では、ＲＴＣも補助電源に接続される場合がある。

そして、電源投入時には、ＲＡＭ（およびＲＴＣ）の異常を監視しており、異常が発生した場合（例えば、情報が正常にバックアップされていない場合）には、表示手段などによって当該異常の発生を報知することが一般的である。

特開２０１２−１７０５６４号公報

しかしながら、従来では、異常の発生が報知された場合、当該報知だけでは、異常の根本的な原因が特定できず、暫定的（対処的）な異常の解消はできるものの、根本的な原因が解消しないために何度も同じ異常報知がなされる問題があった。

具体的には、例えば、補助電源と制御基板とを接続するハーネスやコネクタが離脱した状態で電源が投入された場合、ＲＡＭ異常（ＲＡＭの情報が正常にバックアップされていない異常）が報知される。そして、当該ＲＡＭ異常を解消する一般的な方法として、電源を切断および再投入した場合、電断時にバックアップの処理は実行されるものの補助電源と切断されているために、正しい情報がバックアップされない場合がある。このような場合では、根本的な原因である補助電源と制御基板との切断を解消しない限り（再接続しない限り）、電源の切断、投入を行っても何度も同じＲＡＭ異常の報知が繰り返されるという問題がある。

本発明は、このような従来の問題点を解決するためのものであって、報知手段に特徴を持った遊技台を提供することを目的とする。

本発明に係る遊技台は、操作デバイスの制御を含む遊技制御を実行する遊技制御手段を少なくとも備えた遊技制御部と、前記遊技制御部に電力を供給する電力供給手段と、を備えた遊技台であって、前記電力供給手段から供給される電力によって少なくとも前記遊技制御に伴う遊技情報を保持する揮発性の情報記憶手段と、前記情報記憶手段に保持されている遊技情報が正常に保持されているか否かを判定する異常判定手段と、前記異常判定手段による判定が異常であった場合、異常を解消するための情報を報知する第一の報知手段と、前記異常を解消するための情報が報知されなかった場合、前記情報記憶手段に記憶されている情報に補正が必要か否かを判定する補正判定手段と、前記補正判定手段によって補正の必要があると判定された場合、補正が必要である旨の情報を報知する第二の報知手段と、を備えたことを特徴とする遊技台である。

本発明に係る遊技台によれば、報知手段に特徴を持った遊技台を提供することができる。

本発明の実施形態に係るスロットマシン１００の外観斜視図である。 前面扉１０２を開けた状態のスロットマシン１００を示す正面図である。 制御部の回路ブロック図を示したものである。 電源供給および制御情報の流れを概念的に示す図である。 （ａ）各リール（左リール１１０、中リール１１１、右リール１１２）に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。（ｂ）入賞役（作動役を含む）の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示した図である。 スロットマシンの主制御部の遊技状態の遷移を示した状態遷移図である。 （ａ）操作デバイス（演出ボタン）を示す図であり、（ｂ）従来の異常発生を報知する演出画像表示装置の表示例である。 本実施形態における異常発生を報知する演出画像表示装置の表示例である。 本実施形態における日時設定のための演出画像表示装置の表示例である。 第１副制御部の電子部品と回路基板を概念的に示す図である。 主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。 主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。 （ａ）主制御部初期設定処理の流れを示すフローチャートである。（ｂ）主制御部電源投入処理の流れを示すフローチャートである。 主制御部電断処理の流れを示すフローチャートである。 第１副制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。 （ａ）第１副制御部のコマンド受信割込処理の流れを示すフローチャートである。（ｂ）第１副制御部のタイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。（ｃ）第１副制御部初期設定処理の流れを示すフローチャートである。 第１副制御部電断処理の流れを示すフローチャートである。 第１副制御部電源投入処理の流れを示すフローチャートである。 ＲＡＭ異常監視処理の流れを示すフローチャートである。 ＲＴＣ異常監視処理の流れを示すフローチャートである。 （ａ）演出制御処理の流れを示すフローチャートである。（ｂ）ＲＡＭ異常報知処理の流れを示すフローチャートである。 日付設定報知処理の流れを示すフローチャートである。 （ａ）第２副制御部のメイン処理の流れを示すフローチャートである。（ｂ）第２副制御部のコマンド受信割込処理の流れを示すフローチャートである。（ｃ）第２副制御部のタイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。（ｄ）第２副制御部の画像制御処理の流れを示すフローチャートである。 変形例に係る電源供給および制御情報の流れを概念的に示す図である。 変形例に係る第１副制御部の電子部品と回路基板を概念的に示す図である。

以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る遊技台（本例では、回胴遊技機（スロットマシン））について説明する。

＜全体構成＞

最初に、図１を用いて、スロットマシン１００の全体構成について説明する。なお、図１は、本発明の実施形態に係るスロットマシン１００の外観斜視図である。

このスロットマシン１００は、本体１０１と、本体１０１の正面に取り付けられ、本体１０１に対して開閉可能な前面扉１０２と、を備える。本体１０１の中央内部には、外周面に複数種類の図柄（図５参照）が配置されたリールが３個（左リール１１０、中リール１１１、右リール１１２）収納され、スロットマシン１００の内部で回転できるように構成されている。これらのリール１１０乃至１１２はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。

本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され（図５参照）、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール１１０乃至１１２が構成されている。リール１１０乃至１１２上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓１１３から縦方向に概ね３つ表示され、合計９つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール１１０乃至１１２を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール１１０乃至１１２は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、３個のリールをスロットマシン１００の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置は本例に限定されるものではない。

各々のリール１１０乃至１１２の背面には、図柄表示窓１１３に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト（図示省略）が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン１００内部において各々のリール１１０乃至１１２の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ（図示省略）が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール１１０乃至１１２を停止させる。

入賞ライン表示ランプ１２０は、有効となる入賞ライン１１４を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン１１４は５ラインあり、例えば、メダルが１枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが２枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された３本が有効となり、メダルが３枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された５ラインが入賞ラインとして有効になる。

なお、入賞ライン１１４の数については５ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが１枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの５ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に関係なく、一律に同一数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。

告知ランプ１２３は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役（具体的には、ボーナス）に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ１２４は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ１２２は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること（メダルの投入が不要であること）を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ１２８は演出用のランプである。

ベットボタン１３０乃至１３２は、スロットマシン１００に電子的に貯留されているメダル（クレジットという）を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン１３０が押下される毎に１枚ずつ最大３枚まで投入され、ベットボタン１３１が押下されると２枚投入され、ベットボタン１３２が押下されると３枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン１３２はＭＡＸベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ１２９は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ１２１が点灯する。演出ボタン１６８は、遊技者による各種操作を受け付けたり、店員による時刻設定等に使用されるボタンである（詳細は後述する）。

メダル投入口１４１は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン１３０乃至１３２により電子的に投入することもできるし、メダル投入口１４１から実際のメダルを投入（投入操作）することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器１２５は、スロットマシン１００に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器１２６は、各種の内部情報（例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数）を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器１２７は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器１２５、遊技情報表示器１２６、および、払出枚数表示器１２７は、７セグメント（ＳＥＧ）表示器とした。

スタートレバー１３５は、リール１１０乃至１１２の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口１４１に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン１３０乃至１３２を操作して、スタートレバー１３５を操作すると、リール１１０乃至１１２が回転を開始することとなる。スタートレバー１３５に対する操作を遊技の開始操作と言う。

ストップボタンユニット１３６には、ストップボタン１３７乃至１３９が設けられている。ストップボタン１３７乃至１３９は、スタートレバー１３５の操作によって回転を開始したリール１１０乃至１１２を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール１１０乃至１１２に対応づけられている。以下、ストップボタン１３７乃至１３９に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第１停止操作、次の停止操作を第２停止操作、最後の停止操作を第３停止操作という。なお、各ストップボタン１３７乃至１３９の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン１３７乃至１３９の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。

メダル返却ボタン１３３は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン１３４は、スロットマシン１００に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口１５５から排出するためのボタンである。ドアキー孔１４０は、スロットマシン１００の前面扉１０２のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。

ストップボタンユニット１３６の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル１６２が設けられている。タイトルパネル１６２の下部には、メダル払出口１５５、メダルの受け皿１６１が設けられている。

音孔１８１はスロットマシン１００内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉１０２の左右各部に設けられたサイドランプ１４４は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉１０２の上部には演出装置１６０が配設されており、演出装置１６０の上部には音孔１４３が設けられている。

この演出装置１６０は、水平方向に開閉自在な２枚の右シャッタ１６３ａ、左シャッタ１６３ｂからなるシャッタ（遮蔽装置）１６３と、このシャッタ１６３の奥側に配設された液晶表示装置１５７（以降、演出画像表示装置と称する場合がある）を備えており、右シャッタ１６３ａ、左シャッタ１６３ｂが液晶表示装置１５７の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置１５７の表示画面がスロットマシン１００正面側（遊技者側）に出現する構造となっている。

なお、本発明に係る「表示手段」は、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ（７セグディスプレイ）、ドットマトリクスディスプレイ、有機ＥＬディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール（ドラム）、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。

＜内部構成＞

次に、図２を用いて、スロットマシン１００の内部構成について説明する。なお、図２は、前面扉１０２を開けた状態のスロットマシン１００を示す正面図である。

本体１０１は、上面板２６１、左側の側面板２６０、右側の側面板２６０、下面板２６４および背面板２４２で囲われ、前面に開口する箱体である。本体１０１の内部には、背面板２４２の上部に設けた通風口２４９と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース２１０が配置され、この主制御基板収納ケース２１０の下方に、３つのリール１１０乃至１１２が配置されている。主制御基板収納ケース２１０及びリール１１０乃至１１２の側方、即ち向って左側の側面板２６０には、内部に副制御基板を収納した副制御基板収納ケース２２０が配設してある。また、例えば、左側の側面板２６０（この例では、副制御基板収納ケース２２０の前面）には、補助電源基板を収納した補助電源基板収納ケース７４０が配設されている。つまり、補助電源基板は、副制御基板収納ケース２２０に収納された副制御基板とは別の基板であり、両者は不図示のハーネスによって接続されている。また、向かって右側の側面板２６０には、主制御基板に接続されて、スロットマシン１００の情報を外部装置に出力する外部集中端子板２４８が取り付けられている。

そして、下面板２６４には、メダル払出装置１８０（バケットに溜まったメダルを払出す装置）が配設され、このメダル払出装置１８０の上方、即ちリール１１０乃至１１２の下方には、電源基板を有する電源装置２５２が配設され、電源装置２５２正面には電源スイッチ２４４を配設している。電源装置２５２は、スロットマシン１００に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して後述する主制御部３００、副制御部４００、５００等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品（例えば主制御部３００のＲＡＭ３０８等）に所定の期間（例えば１０日間）電源を供給するための蓄電回路（例えばコンデンサ）を備えている。

メダル払出装置１８０の右側には、メダル補助収納庫２４０が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている（図示省略）。電源装置２５２には、電源コード２６５を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード２６５が、本体１０１の背面板２４２に開設した電源コード用穴２６２を通して外部に延出している。

前面扉１０２は、本体１０１の左側の側面板２６０にヒンジ装置２７６を介して蝶着され、図柄表示窓１１３の上部には、演出装置１６０、および、この演出装置１６０を制御する演出制御基板（図示省略）、上部スピーカ２７２、を設けている。図柄表示窓１１３の下部には、ＲＡＭクリアボタン２９０、設定変更ボタン２９１、設定値表示器２９２を設けている。ＲＡＭクリアボタン２９０は、スロットマシン１００のリセット（初期化）や、エラー状態を解除する場合にＲＡＭを強制的にクリアするためのボタンであり、設定変更ボタン２９１は、スロットマシン１００の設定値を設定１〜設定６のいずれかに切り替えるためのボタンである。また、設定値表示器２９２は、現在の設定値を表示するための表示器である。また、リール１１０乃至１１２の右側には、設定変更ボタン２９１による設定値の変更を可能とするための設定キースイッチ２９３を配設している。

ＲＡＭクリアボタン２９０等の下方には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ１７０、このメダルセレクタ１７０が不正なメダル等をメダル受皿１６１に落下させる際にメダルが通過する通路２６６等を設けている。さらに、音孔１８１に対応する位置には低音スピーカ２７７を設けている。

＜回路構成＞

次に、図３を用いて、スロットマシン１００の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、図３は、制御部の回路ブロック図を示したものである。

スロットマシン１００の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部３００と、主制御部３００が送信するコマンド信号（以下、単に「コマンド」と呼ぶ）に応じて、主な演出の制御を行う第１副制御部４００と、第１副制御部４００より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第２副制御部５００と、によって構成されている。

＜主制御部＞

まず、スロットマシン１００の主制御部３００について説明する。主制御部３００は、主制御部３００の全体を制御する基本回路３０２を備えており、この基本回路３０２には、ＣＰＵ３０４と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのＲＯＭ３０６と、一時的にデータを記憶するためのＲＡＭ３０８と、各種デバイスの入出力を制御するためのＩ／Ｏ３１０と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ３１２と、ＷＤＴ（ウォッチドックタイマ）３１３を搭載している。なお、ＲＯＭ３０６やＲＡＭ３０８については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第１副制御部４００や第２副制御部５００についても同様である。この基本回路３０２のＣＰＵ３０４は、水晶発振器３１４が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、ＣＰＵ３０４は、電源が投入されるとＲＯＭ３０６の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ３１２に送信し、カウンタタイマ３１２は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をＣＰＵ３０４に送信する。ＣＰＵ３０４は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器３１４が出力するクロック信号を８ＭＨｚ、カウンタタイマ３１２の分周値を１／２５６、ＲＯＭ３０６の分周用のデータを４７に設定した場合、割り込みの基準時間は、２５６×４７÷８ＭＨｚ＝１．５０４ｍｓとなる。

主制御部３００は、０〜６５５３５の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路３１６と、電源が投入されると起動信号（リセット信号）を出力する起動信号出力回路３３８を備えており、ＣＰＵ３０４は、この起動信号出力回路３３８から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する（後述する主制御部メイン処理を開始する）。

また、主制御部３００には、センサ回路３２０を備えており、ＣＰＵ３０４は、割り込み時間ごとに各種センサ３１８（ベットボタン１３０センサ、ベットボタン１３１センサ、ベットボタン１３２センサ、メダル投入口１４１から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー１３５センサ、ストップボタン１３７センサ、ストップボタン１３８センサ、ストップボタン１３９センサ、精算ボタン１３４センサ、メダル払出装置１８０から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール１１０のインデックスセンサ、リール１１１のインデックスセンサ、リール１１２のインデックスセンサ、ＲＡＭクリアボタン２９０の押下を検出するためのＲＡＭクリアボタンセンサ、設定変更ボタン２９１の押下を検出するための設定変更ボタンセンサ、設定キースイッチ２９３の操作を検出するための設定キースイッチセンサ、演出ボタン１６８の操作を検出する演出ボタンセンサ等）の状態を監視している。

なお、センサ回路３２０がスタートレバーセンサのＨレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路３１６に出力する。この信号を受信した乱数発生回路３１６は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。

メダル受付センサは、メダル投入口１４１の内部通路に２個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー１３５センサは、スタートレバー１３５内部に２個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン１３７センサ、ストップボタン１３８センサ、および、ストップボタン１３９は、各々のストップボタン１３７乃至１３９に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。

ベットボタン１３０センサ、ベットボタン１３１センサ、および、ベットボタン１３２センサは、メダル投入ボタン１３０乃至１３２のそれぞれに設置されており、ＲＡＭ３０８に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン１３４センサは、精算ボタン１３４に設けられている。精算ボタン１３４が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置１８０が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。

リール１１０のインデックスセンサ、リール１１１のインデックスセンサ、および、リール１１２のインデックスセンサは、各リール１１０乃至１１２の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにＬレベルになる。ＣＰＵ３０４は、この信号を検出すると、リールが１回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。

主制御部３００は、リール装置１１０乃至１１２に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路３２２、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ１７０に設けたソレノイドを駆動する駆動回路３２４、メダル払出装置１８０に設けたモータを駆動する駆動回路３２６、各種ランプ３３８（入賞ライン表示ランプ１２０、告知ランプ１２３、遊技メダル投入可能ランプ１２４、再遊技ランプ１２２、遊技メダル投入ランプ１２９は、遊技開始ランプ１２１、貯留枚数表示器１２５、遊技情報表示器１２６、払出枚数表示器１２７）を駆動する駆動回路３２８を備えている。

また、基本回路３０２には、情報出力回路３３４（外部集中端子板２４８）を接続しており、主制御部３００は、この情報出力回路３３４を介して、外部のホールコンピュータ（図示省略）等が備える情報入力回路６５２にスロットマシン１００の遊技情報（例えば、遊技状態）を出力する。

また、主制御部３００は、電源管理部（図示しない）から主制御部３００に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路３３０を備えており、電圧監視回路３３０は、電源の電圧値が所定の値（本実施形態では９ｖ）未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路３０２に出力する。

また、主制御部３００は、第１副制御部４００にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第１副制御部４００との通信を可能としている。なお、主制御部３００と第１副制御部４００との情報通信は一方向の通信であり、主制御部３００は第１副制御部４００にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第１副制御部４００からは主制御部３００にコマンド等の信号を送信できないように構成している。

＜副制御部＞

次に、スロットマシン１００の第１副制御部４００について説明する。第１副制御部４００は、主制御部３００が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第１副制御部４００の全体を制御する基本回路４０２を備えており、この基本回路４０２は、ＣＰＵ４０４と、一時的にデータを記憶するためのＲＡＭ４０８と、各種デバイスの入出力を制御するためのＩ／Ｏ４１０と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ４１２を搭載している。基本回路４０２のＣＰＵ４０４は、水晶発振器４１４が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ＲＯＭ４０６は、第１副制御部４００の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等を記憶する。

ＣＰＵ４０４は、所定のタイミングでデータバスを介してＲＯＭ４０６の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ４１２に送信する。カウンタタイマ４１２は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をＣＰＵ４０４に送信する。ＣＰＵ４０４は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ＩＣや各回路を制御する。

また、第１副制御部４００には、音源ＩＣ４１８を設けており、音源ＩＣ４１８に出力インタフェースを介してスピーカ２７２、２７７を設けている。音源ＩＣ４１８は、ＣＰＵ４０４からの命令に応じてアンプおよびスピーカ２７２、２７７から出力する音声の制御を行う。音源ＩＣ４１８には音声データが記憶されたＳ−ＲＯＭ（サウンドＲＯＭ）が接続されており、このＲＯＭから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ２７２、２７７から出力する。

また、第１副制御部４００には、駆動回路４２２が設けられ、駆動回路４２２に入出力インタフェースを介して各種ランプ４２０（上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ１４４、タイトルパネル１６２ランプ、等）が接続されている。

また、ＣＰＵ４０４は、出力インタフェースを介して第２副制御部５００へ信号の送受信を行う。第２副制御部５００では、演出画像表示装置１５７の表示制御を含む演出装置１６０の各種制御や、各種演出用駆動装置１６５の制御を行う。なお、第２副制御部５００は、例えば、演出画像表示装置１５７の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部（例えば、シャッタ１６３のモータ駆動を制御する制御部）とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。

また、第１副制御４００は、電源管理部（図示しない）から第１副制御部４００に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路７０２を備えており、電圧監視回路７０２は、電源の電圧値が所定の値（本実施形態では９ｖ）未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路４０２に出力する。

第１副制御部４００は、計時情報（日時（年月日や時分秒））を取得するためのＲＴＣ（real-time clock：リアルタイムクロック）７０４も備える。ＲＴＣ７０４は、揮発性の記憶手段（記憶領域）を備え、計時情報の記憶が可能である。また、ＲＴＣ７０４は、電力の供給開始からあらかじめプログラムされた時間になるとホールに導入された同機種の遊技台が全台一斉に特別演出（ＲＴＣ演出、一斉演出）を繰り出すこともでき、その意味ではＲＴＣ回路７０４は計時手段ともいえる。

また、第１副制御部４００には演出ボタン１６８が設けられ、演出ボタン１６８によって遊技台の計時情報（日時データ）の設定、修正（変更）が行える。

図４は、スロットマシン１００の電源供給および制御情報の流れの他の例を概念的に示すブロック図である。同図において黒矢印が電源供給の流れであり、白抜き矢印が制御情報の流れである。

スロットマシン１００の外部に設けられた外部電源（電源基板）７０８から供給される電源電圧（交流電源）は、図４に示すように、電源生成部７１２及び電源貯留部７１４を備えた電源管理部７１０によって直流化され、主制御部３００および副制御部（第１副制御部４００）に供給される。電源生成部７１２では、外部から入力されるＤＣ１００［Ｖ］から、各制御基板（主制御部３００、第１副制御部４００）で使用される電圧を生成する。主制御部３００および第１副制御部４００ではＤＣ１２［Ｖ］が使用されるため、それぞれに変換した電圧で電源を供給する。電源貯留部７１４は、コンデンサ等からなり、電源を所定の期間（例えば、１０日間）貯留する。

主制御部３００に供給された電源電圧は、主制御部３００が備える変圧回路７００で所定の電圧に変圧された後に基本回路３０２（ＣＰＵ３０４）に供給される。具体的には、外部電源７０８から供給されるＤＣ１２［Ｖ］から主制御部３００のＣＰＵ３０４の動作に必要となるＤＣ５［Ｖ］に変圧されて基本回路３０２に供給される。主制御部３００の電圧監視回路３３０は、この変圧回路７００に供給される電圧レベルを監視している。

また、主制御部３００は、電源管理部７１０からの電源が断たれた後も所定の部品に所定の期間（例えば１０日間）電源を供給するための補助電源（例えば、コンデンサや電池など）７１６を備えている。

第１副制御部４００に供給された電源電圧は、第１副制御部４００が備える変圧回路７１８で所定の電圧に変圧された後に基本回路４０２（ＣＰＵ４０４）に供給される。具体的には、外部電源７０８から供給されるＤＣ１２［Ｖ］から第１副制御部４００のＣＰＵ４０４を動作させるためのＤＣ３．３［Ｖ］に変圧されて基本回路４０２に供給される。第１副制御部４００の電圧監視回路７０２は、この変圧回路７１８に供給される電圧レベルを監視している。

また、第１副制御部４００は、電源管理部７１０からの電源が断たれた後も所定の部品（例えば、ＲＴＣ７０４など）に所定の期間（例えば１０日間）電源を供給するための補助電源（例えば、コンデンサや電池など）７２０と接続されている。

第１副制御部４００の補助電源７２０（例えば、電池）は、第１副制御部４００の基板（副制御基板）とは別の基板に設けてハーネスなどの接続手段により副制御基板と接続され、第１副制御部４００へ電源供給するようにしている（図２参照）。リユース（再使用）の遊技台１００では、バックアップ用の補助電源７２０である電池が切れることがままあるが、このような構成により電池交換を容易にすることができる。

電源貯留部７１４および補助電源７１６，７２０によって、外部電源７０８から電源が供給されなくなる場合（電断の場合）においても、急激に電圧が低下することが無く、主制御部３００の電圧監視回路３３０および第１副制御部４００の電圧監視回路７０２が電圧の低下を検知することで、バックアップ等の処理を行うことが可能となる。

そして上述のとおり、主制御部３００と第１副制御部４００との情報通信は一方向の通信であり、主制御部３００の基本回路３０２は、第１副制御部４００の基本回路４０２にコマンド等の信号を送信できるように構成している。

＜図柄配列＞

図５（ａ）を用いて、上述の各リール１１０乃至１１２に施される図柄配列について説明する。なお、同図（ａ）は、各リール（左リール１１０、中リール１１１、右リール１１２）に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。

各リール１１０乃至１１２には、同図の右側に示す複数種類（本実施形態では８種類）の図柄が所定コマ数（本実施形態では、番号０〜２０の２１コマ）だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号０〜２０は、各リール１１０乃至１１２上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール１１０の番号０のコマには「白７」の図柄、中リール１１１の番号１のコマには「チェリー」の図柄、右リール１１２の番号１のコマには「ベル」の図柄、がそれぞれ配置されている。

＜入賞役の種類＞

次に、図５（ｂ）を用いて、スロットマシン１００の入賞役の種類について説明する。なお、同図（ｂ）は入賞役（作動役を含む）の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示している。

本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス（ＢＢ１、ＢＢ２）および、レギュラーボーナス（ＲＢ）はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技（リプレイ、リプレイ２）は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない（メダルの払い出しを伴わない）作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。

スロットマシン１００の入賞役には、ビッグボーナス（ＢＢ１、ＢＢ２）と、レギュラーボーナス（ＲＢ）と、小役（ベル、スイカ、チェリー）と、再遊技（リプレイ、リプレイ２）がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。

「ビッグボーナス（ＢＢ１、ＢＢ２）」（以下、単に、「ＢＢ」と称する場合がある）は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技（ＢＢ遊技）が開始される特別役（作動役）である。対応する図柄組合せは、ＢＢ１が「白７−白７−白７」、ＢＢ２が「青７−青７−青７」である。また、ＢＢ１、ＢＢ２についてはフラグ持越しを行う。すなわち、ＢＢ１、ＢＢ２に内部当選すると、これを示すフラグが立つ（主制御部３００のＲＡＭ３０８の所定のエリア内に記憶される）が、その遊技においてＢＢ１、ＢＢ２に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもＢＢ１、ＢＢ２に内部当選中となり、ＢＢ１に対応する図柄組み合わせ「白７−白７−白７」、ＢＢ２に対応する図柄組み合わせ「青７−青７−青７」が、揃って入賞する状態にある。

「レギュラーボーナス（ＲＢ）」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技（ＲＢ遊技）が開始される特殊役（作動役）である。対応する図柄組合せは、「ＲＥＧ−ＲＥＧ−ＲＥＧ」である。なお、ＲＢについても上述のＢＢと同様にフラグ持越しを行う。但し、（詳細は後述するが）ビッグボーナス遊技（ＢＢ遊技）においては、レギュラーボーナス遊技（ＲＢ遊技）が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、１回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。「小役（ベル、スイカ、チェリー）」（以下、単に、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」と称する場合がある）は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、ベルが「ベル−ベル−ベル」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、チェリーが「チェリー−ＡＮＹ−ＡＮＹ」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー−ＡＮＹ−ＡＮＹ」の場合、左リール１１０の図柄が「チェリー」であればよく、中リール１１１と右リール１１２の図柄はどの図柄でもよい。

「再遊技（リプレイ）」は、入賞により次回の遊技でメダル（遊技媒体）の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役（作動役）であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技役１（リプレイ）は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、再遊技役２（リプレイ２）は「リプレイ−リプレイ−ベル」である。

＜遊技状態の種類＞

次に、スロットマシン１００の遊技状態の種類について説明する。遊技状態とは、抽選などにおいて選択する抽選データの種別を識別するための情報である。本実施形態では、スロットマシン１００の遊技状態は、通常遊技と、ＢＢ遊技と、ＲＢ遊技と、ビッグボーナス（ＢＢ）およびレギュラーボーナス（ＲＢ）の内部当選遊技と、に大別した。但し、内部当選遊技は、通常遊技に含まれる区分けであってもよい。

＜通常遊技＞

通常遊技に内部当選する入賞役には、ビッグボーナス（ＢＢ）と、レギュラーボーナス（ＲＢ）と、再遊技（リプレイ、リプレイ２）と、小役（チェリー、スイカ、ベル）がある。

「ビッグボーナス（ＢＢ）」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技（ＢＢ遊技）が開始される特別役（作動役）である。レギュラーボーナス（ＲＢ）」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技（ＲＢ遊技）を開始する特殊役（作動役）である。「再遊技（リプレイ、リプレイ２）」は、入賞により次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役（作動役）であり、メダルの払出も行われない。「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。

なお、各々の役の内部当選確率は、通常遊技に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ（例えば６５５３５）で除した値で求められる。通常遊技に用意された抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも１つの役の当選確率を異ならせた設定１〜設定６が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。

通常遊技は、内部抽選の結果が概ねハズレ（ビッグボーナス（ＢＢ）、レギュラーボーナス（ＲＢ）、再遊技（リプレイ、リプレイ２）および小役に当選していない）となる設定、又は、停止表示結果がいずれの役の図柄組合せに該当しないハズレの停止表示結果が概ね導出される設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。但し、予め定めた条件を満たした場合（例えば、特定の図柄組み合わせが表示された場合）には、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせてもよい遊技状態であり、この場合、遊技に用いられるメダルの消費が抑えられ、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態になり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。

＜ＢＢ遊技＞

ＢＢ遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、ＢＢ遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。ＢＢ遊技は、本実施形態では、ビッグボーナス（ＢＢ）の入賞により開始され、ＲＢ遊技（後述する）を連続して繰り返し実行可能になっており、遊技中に予め定められた一の数（例えば、４６５枚）を超えるメダルが獲得された場合に終了する。但し、ＢＢ遊技はＲＢ遊技を複数回数実行可能であればよく、例えば、ＲＢ遊技を開始する役（図柄組み合わせは例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ）を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、ＲＢ遊技を開始するように設定してもよい。さらには、ＢＢ遊技は、ＢＢ遊技中のＲＢ遊技を除くＢＢ一般遊技を予め定めた回数（例えば、３０回）実行した場合、または、ＢＢ遊技中に実行したＲＢ遊技の回数が予め定めた回数に達した場合（例えば、３回）に終了するようにしてもよい。

＜ＲＢ遊技＞

ＲＢ遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、ＲＢ遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。ＲＢ遊技は、本実施形態では、レギュラーボーナス（ＲＢ）の入賞により開始され、予め定めた一の役が内部当選の確率を上昇させる変動（例えば、「設定１」「通常遊技」に設定された「小役１」の内部当選確率１／１５を、予め定めた一の値である内部当選確率１／１．２に上昇させる）をし、予め定めた一の数（例えば、８回）の入賞があった場合に終了する。

なお、ＲＢ遊技は、予め定めた回数（少なくとも２回）の入賞があった場合（例えば、８回）、または、ＲＢ遊技中に実行したＲＢ遊技の回数が予め定めた回数に達した場合（例えば、８回）に終了するようにしてもよい。上述したＢＢ遊技は、ＲＢ遊技を複数回数実行可能であるので、一回のＲＢ遊技を行った場合には、ＢＢ遊技で得られるメダルの総数よりも少ないメダル数を獲得して終了することとなる。

＜ビッグボーナス（ＢＢ）およびレギュラーボーナス（ＲＢ）の内部当選遊技＞

ビッグボーナス（ＢＢ）およびレギュラーボーナス（ＲＢ）の内部当選遊技に内部当選する入賞役には、再遊技（リプレイ）と、小役がある。ビッグボーナス（ＢＢ）およびレギュラーボーナス（ＲＢ）は内部当選することはなく、ビッグボーナス（ＢＢ）かレギュラーボーナス（ＲＢ）に対応する図柄組み合わせを入賞させることが可能となっている遊技状態である。

ただし、ビッグボーナス（ＢＢ）およびレギュラーボーナス（ＲＢ）に内部当選した次遊技から、再遊技の内部当選の確率を変動させてもよく、例えば、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせて、ビッグボーナス（ＢＢ）およびレギュラーボーナス（ＲＢ）対応する図柄組み合わせが入賞するまでの間は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数とほぼ同じとなる遊技状態とし、通常遊技と比べると遊技者にとっては利益となる遊技状態としてもよい。なお、リプレイ（再遊技役）の内部当選確率が高確率状態となる期間をリプレイタイム（ＲＴ）と称する。また、ＢＢ遊技、ＲＢ遊技は両者とも遊技者にとって利益となる遊技状態であるため、総じて、ボーナス遊技、又は、特別遊技と称する場合がある。

次に、図６を用いて、スロットマシン１００の主制御部３００における遊技状態の種類について説明する。なお、同図は、主制御部３００の遊技状態の遷移を示した状態遷移図である。

本実施形態では、スロットマシン１００の主制御部３００の遊技状態は、再遊技高確率状態（ＲＴ０モード）と、ＢＢ（ボーナス）内部当選状態（ＲＴ１モード）と、ボーナス遊技状態（ＲＴ２モード）と、再遊技高確率状態（ＲＴ３モード）と、に大別することができる。

ＢＢ内部当選状態（ＲＴ１モード）は、特別役１〜３（ＢＢ１、ＢＢ２、ＲＢ）に対応する図柄組合せを有効な入賞ライン上に表示させることが可能となっている遊技状態をいう。このボーナス内部当選状態（ＲＴ１モード）は、再遊技高確率状態（ＲＴ０モード）または再遊技高確率状態（ＲＴ３モード）において、特別役１〜３（ＢＢ１、ＢＢ２、ＲＢ）に内部当選した場合に移行する。また、特別役１〜３（ＢＢ１、ＢＢ２、ＲＢ）に対応する図柄組合せが有効な入賞ライン上に表示された場合に終了し、次に説明するボーナス遊技状態（ＲＴ２モード）に移行する。

ボーナス遊技状態（ＲＴ２モード）の内容は特に限定されないが、遊技者にとって通常遊技状態よりも利益の大きい遊技状態であり、本実施形態では、遊技中に獲得するメダルの総数が、遊技中に投入したメダルの総数を超えるような遊技状態をいう。ボーナス遊技状態（ＲＴ２モード）は、特別役（ボーナス役）内部当選状態（ＲＴ１モード）において特別役１〜３（ＢＢ１、ＢＢ２、ＲＢ）に対応する図柄組合せが有効な入賞ライン上に表示された場合に移行する。また、ボーナス遊技状態（ＲＴ２モード）は、遊技中に予め定められた所定の数（例えば、ＢＢ遊技の場合は２４０枚、ＲＢ遊技の場合は１０４枚）を超えるメダルが払い出された場合に終了し、次に説明する再遊技高確率状態（ＲＴ０モード）に移行する。

再遊技高確率状態（ＲＴ０モード）は、通常状態ともいえ、ボーナスに内部当選した場合は、ＢＢ内部当選状態（ＲＴ１モード）に移行し、再遊技２（リプレイ２）に内部当選した場合に再遊技高確率状態（ＲＴ３モード）に移行する。

再遊技高確率状態（ＲＴ３モード）は、ボーナスに内部当選した場合は、ＢＢ内部当選状態（ＲＴ１モード）に移行し、規定ゲーム数を経過した場合には、再遊技高確率状態（ＲＴ０モード）に移行する。

＜演出ボタン＞

次に、図７（ａ）を用いて、上述の演出ボタン１６８について説明する。なお、同図は、演出ボタン１６８の外観正面図である。

演出ボタン１６８は、上ボタン１６８ａ、下ボタン１６８ｂ、左ボタン１６８ｃ、右ボタン１６８ｄ、決定ボタン１６８ｅ、キャンセルボタン１６８ｆの６つのボタンを有して構成されている。この演出ボタン１６８は、遊技に用いられるほか、後述する日時調整に用いられ、例えば、上ボタン１６８ａや下ボタン１６８ｂで年月日や時間（数値）の変更を行ったり、左ボタン１６８ｃや右ボタン１６８ｄで年月日や時間の各入力項目の切り替えなどを行う。

図７（ｂ）は、異常発生を報知する従来の例であり、演出画像表示装置１５７における報知例である。

スロットマシン１００は、電源立ち上げ時にＲＡＭ４０８のバックアップフラグをチェックし、正常にバックアップされていないと判定された場合はＲＡＭ異常が発生したとして、同図に示すように、ＲＡＭ異常を報知するエラーメッセージ（この例では、「バックアップエラー」の文字とキャラクタ（殿）が倒れている画像）を表示する。従来の報知例では同図に示すようにＲＡＭ異常を報知するエラーメッセージのみが表示され、操作を受け付けなくなるが、それ以外の情報（例えば、エラーを解除するための情報など）は表示されない。

＜異常発生の報知（演出）例＞

図８は、本実施形態において異常（ＲＡＭ異常）が発生した場合の報知例（報知演出例）である。ここでは一例として、第１副制御部４００を構成する副制御基板と補助電源基板７２２とを接続するハーネス（コネクタ）が離脱したことによるＲＡＭ異常を報知する場合の、演出画像表示装置１５７における表示例を示す。

同図に示すように、第１副制御部４００は、ＲＡＭ異常が発生したと判断すると、ＲＡＭ異常が発生したことを報知するエラーメッセージＥ１（この例では、「バックアップエラー」の文字とキャラクタ（殿）が倒れている画像）を表示し、さらに、当該異常を解消するための方法を示唆する情報（異常解消示唆情報Ｅ２）を報知する。異常解消示唆情報Ｅ２とは、この場合はＲＡＭ異常が発生した原因（例えば、ハーネス（コネクタ）抜け）を解消するための手順（方法）であり、ここでは、手順１として「１．電源を落とし補助電源のハーネス接続を確認してください」という文字と、手順２として「２．ハーネス接続を確認後、電源投入を２回行ってください」という文字を表示する。

このように本実施形態では、揮発性の記憶手段であるＲＡＭ４０８（ＲＡＭ３０８も同様）などに異常が発生した場合に、ＲＡＭ４０８の異常を報知するとともに、当該ＲＡＭ４０８の異常を取り除くための異常解消示唆情報Ｅ２の報知を行う。このとき、１つ（単独）の電子部品（例えば、ＲＡＭ４０８）の異常判定処理において、他の電子部品（例えば、ＲＯＭ４０６やＲＴＣ７０４）の異常判定も同時に行い、２つ（複数）の電子部品（例えば、ＲＡＭ４０８とＲＴＣ７０４（またはＲＯＭ４０６））に共通の異常解消示唆情報Ｅ２の報知を行う。

なお、異常発生の報知（エラーメッセージ）および異常解消示唆情報の報知は、同図に示すように、演出画像表示装置１５７における表示であってもよいし、スピーカ２７２，２７７からの音声出力であってもよい。またこれらの演出手段や、他の演出手段（ランプなど）の組合せであってもよい。

後に詳述するが、制御部（主制御部３００および第１副制御部４００）は、電源投入後にＲＡＭ異常を判定する処理（ＲＡＭ異常監視処理）においてＲＡＭ異常ありと判定した場合には、図８に示すＲＡＭ異常の発生を報知するエラーメッセージＥ１と共に、異常解消示唆情報Ｅ２の報知を行う。

店員が、異常解消示唆情報Ｅ２の手順１の表示（「１．電源を落とし補助電源のハーネス接続を確認してください」）に基づき、電源を遮断した場合、第１副制御部４００の電断処理では、バックアップの処理は実行するが、補助電源基板７２２（補助電源７２０）との接続が切断されているため、正しいデータがバックアップされない（バックアップデータが破壊された状態となる）。引き続き店員がハーネスの接続を確認し（接続に問題がない場合は補助電源７２０の交換を行い）、手順２の表示（「２．ハーネス接続を確認後、電源投入を２回行ってください」）に基づき１回目の電源投入を行った場合、この状態では、ＲＡＭ４０８の内容がクリアされていないため、第１副制御部４００は電源投入後のＲＡＭ異常監視処理で再度ＲＡＭ異常と判断する（ＲＴＣ７０４の異常が発生している可能性も残る）。ＲＡＭ異常監視処理では強制的にＲＡＭ４０８がクリアされるため、破壊されたバックアップデータは消去される。店員が２回目の電源投入を行うために電源を遮断すると、電断処理では再度バックアップの処理が実行される。このとき、第１副制御部４００は、補助電源基板７２０と接続されているため、正常なバックアップが行える。そして店員が２回目の電源投入を実行すると、ＲＡＭ４０８が正常復帰する。

なお、同図に示す異常解消示唆情報Ｅ２の報知が行われた場合、第１副制御部４００は、ＲＡＭ４０８の診断（異常か否かの判断）は行っているが、ＲＴＣ７０４の診断は行っていない。つまり、異常解消示唆情報Ｅ２の報知が行われた場合には、ＲＴＣ７０４の異常が発生している可能性もある。

このため、ＲＡＭ４０８が正常に復帰した後、第１副制御部４００は、演出制御処理において、ＲＡＭ４０８またはＲＴＣ７０４の記憶領域に保存されている計時情報（日時データ）が破壊されたと判断した場合は、日時設定報知処理を実行し、破壊されたデータを復帰させるためにデータ復帰操作示唆情報を報知して、日時設定の操作を促す。

＜データ復帰操作示唆情報の報知例＞

図９は、演出画像表示装置１５７におけるデータ復帰操作示唆情報Ｅ３の報知例である。

第１副制御部４００は、演出制御処理において、ＲＡＭ４０８またはＲＴＣ７０４の記憶領域に保存されている計時情報（日時データ）が破壊されたと判断した場合は、日時設定報知処理を実行し、図９（ａ）に示す日時設定の操作を促す画面を表示する。保存されている計時情報（日時）のデータが破壊されたか否かの判定は、例えば、電源立ち上げ時に日時データが一定のしきい値（ＲＯＭ４０６に記憶された初期値）となる日時（例えば、２０１１年１月１日）以前か否か以前か否かを判定し、しきい値となる日時以前だった場合は、保持データが破壊されたと判定して、同図（ａ）の日時設定画面を表示する。

日時設定画面では、時刻の設定が必要であることを示唆する情報（この例では、「時刻を設定してください。」という文字）と、日時を調整するための情報（この例では「２０１１／０１／０１ ００：００」という表示と、演出ボタン１６８の操作を促すための画像、およびＲＯＭ４０６から取得した日時データ（年月日や時分秒のデータ）の初期値の情報（この例では、「（現在時刻）２０１１／０１／０１ ００：００」という年月日と時分の表示）を、演出画像表示装置１５７に表示し、日時設定の変更が必要であることを報知する。

そして、演出ボタン１６８の上ボタン１６８ａ、下ボタン１６８ｂによって現在日時が入力され、決定ボタン１６８ｅによって入力内容が決定されると、同図（ｂ）に示す設定完了画面が表示される。設定完了画面は、この例では、「設定完了！！」という文字と、設定後の日時（この例では「２０１５／０２／１５ ０８：４５」という表示）と、ＲＴＣ７０４の記憶手段に新たに記憶（更新）された日時データ（年月日や時分秒のデータ）に含まれる年月日や時分秒の情報（この例では「２０１５／０２／１５ ０８：４５」という表示）が表示される。また、再設定の場合があるため、演出ボタン１６８の画像も引き続き表示される。

図１０は、第１副制御部４００の基板（副制御基板）の構成の一例を示す図であり、第１副制御部４００を構成する電子部品と回路基板の一部を抜き出して示す概念図である。

第１副制御部４００を構成する副制御基板は、第一の回路基板７２４と、第二の回路基板７２２を含んで構成される（これ以外の回路基板を含んでもよい）。例えば同図（ａ）に示すように、第一の回路基板７２４は、ＣＰＵ４０４（第三の電子部品）、ＲＡＭ４０８（第一の情報記憶手段、第一の電子部品）およびＲＴＣ７０４（第二の情報記憶手段、第二の電子部品）が実装される基板であり、第二の回路基板７２２と接続するための端子（コネクタ）７２８を備えている。コネクタ７２８は、ＲＡＭ４０８やＲＴＣ７０４に接続される配線経路７３２と接続する。また、第二の回路基板７２２は、補助電源７２０が実装される基板であり、第一の回路基板７２４と接続するための端子（コネクタ）７２６を備えている。コネクタ７２６は、補助電源７２０に接続される配線経路７３２と接続する。

この例では、補助電源７２０としてＲＡＭ（第一の情報記憶手段）４０８のバックアップ用の電源７２０ａと、ＲＴＣ７０４（第二の情報記憶手段）のバックアップ用の電源７２０ｂとを別体で準備し、それぞれを、第二の回路基板７２２に実装している。

コネクタ７２６，７２８はハーネス７３０などの接続手段に着脱自在となっている。同図（ａ）の右図に示すように、コネクタ７２６，７２８をハーネス７３０を介して接続することで、第一の回路基板７２４と第二の回路基板７２２が電気的に接続され、図３に示す第１副制御部４００の回路基板（副制御基板）が構成される。

また、同図（ｂ）に示すように、第一の回路基板７２２には、ＲＡＭ４０８（第一の情報記憶手段）と揮発性の記憶手段（第二の情報記憶手段）を備えるＲＴＣ７０４が実装され、第二の回路基板７２４には、ＣＰＵ４０４とＲＯＭ４０６が実装される構成でもよい。互いに着脱自在なコネクタ７２６，７２８を接続することで、同図（ｂ）の右図に示すように、第１副制御部４００の回路基板（副制御基板）が構成される。

本実施形態では、同図に示すように一つの基板に揮発性の記憶手段などの複数の電子部品（ＲＡＭ４０８、ＲＴＣ７０４）を実装することで、ＲＡＭ４０８（第一の電子部品）の異常（例えば、コネクタ外れ）を単独で検出した場合、それと同一基板（第二の回路基板７２２）上にあるＲＴＣ７０４（第二の電子部品）も異常（コネクタ外れ）が発生したと判断することができる。そこで、本実施形態では、一つの電子部品の異常判定で、複数の部品に共通の異常解消示唆情報Ｅ２の報知を行う。

このような構成により、少ない異常判定で効率良く異常解消示唆情報Ｅ２（異常解消のための操作などの情報）を報知することができる。

また、本実施形態では、揮発性の記憶手段であるＲＡＭなどに異常が発生した場合に、ＲＡＭの異常を報知するとともに、当該ＲＡＭの異常を取り除く情報（異常解消示唆情報Ｅ２）の報知を行う。更に、正常なデータに戻すための情報（データ復帰操作示唆情報Ｅ３）の報知も行う。

具体的には、同図左図に示すように、例えばＲＡＭ４０８とＲＴＣ７０４を実装する第一の回路基板７２４と、補助電源７２０を実装する第二の回路基板７２２のコネクタ７２６，７２８（ハーネス７３０）の離脱（コネクタ外れ、ハーネス外れ）によって、ＲＡＭ異常が発生した場合、ＲＡＭ異常が発生したことの報知（エラーメッセージＥ１）とともに、まず異常を取り除くための異常解消示唆情報報知Ｅ２を行い（図８参照）、その後（例えば、コネクタ７２６，７２８が接続された後に）、正常なデータに戻すための、データ復帰操作示唆情報Ｅ３を報知する（図９参照）。データ復帰操作示唆情報Ｅ３は、例えば、日時設定の操作を示唆する情報である（図９参照）。

このような構成により、無駄な異常解消処理（異常解消のための操作）が行われることなく、効率良く異常状態から回復することができる。

なお、第１副制御部４００のバックアップエラーの主な原因は、コネクタ７２６，７２８およびハーネス７３０の接続不良である。しかし、コネクタ７２６，７２８およびハーネス７３０の接続不良でないにもかかわらずバックアップエラーになる他の原因としては、補助電源（電池）７２０の電池切れがあり、この場合も、図８，図９に示す異常解消示唆情報報知Ｅ２やデータ復帰操作示唆情報Ｅ３が報知される。

＜主制御部メイン処理＞

次に、図１１を用いて、主制御部３００のＣＰＵ３０４が実行する主制御部メイン処理について説明する。同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。

遊技の基本的制御は、主制御部３００のＣＰＵ３０４が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、ＣＰＵ３０４が同図の主制御部メイン処理を繰り返し実行する。

上述したように、主制御部３００には、電源が投入されると起動信号（リセット信号）を出力する起動信号出力回路（リセット信号出力回路）３３８を設けている。この起動信号を入力した基本回路３０２のＣＰＵ３０４は、リセット割込によりリセットスタートしてＲＯＭ３０６に予め記憶している制御プログラムに従って図１１に示す主制御部メイン処理を実行する。つまり、制御プログラムには、以下に説明する各処理を実行するプログラムが含まれる。

電源投入が行われると、まず、ステップＳ１０１の主制御部初期設定処理で、電源立ち上げ処理等を行う。主制御部初期設定処理の詳細は後述する

ステップＳ１０２では、メダル投入スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ１２０を点灯させる。また、第１副制御部４００に対してメダルが投入されたことを示すメダル投入コマンドを送信する準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。

また、スタートレバー１３５が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定するとともに、第１副制御部４００に対してスタートレバー１３５が操作されたことを示すスタートレバー受付コマンドを送信する準備を行う。

ステップＳ１０３では、投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定し、ステップＳ１０４では、乱数発生回路３１６で発生させた乱数を取得する。

ステップＳ１０５では、入賞役内部抽選処理を実行する。ここでは、現在の遊技状態に応じてＲＯＭ３０６に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップＳ１０５で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役（作動役を含む）に内部当選した場合には、内部当選した役の条件装置（フラグ）を作動させる（その入賞役のフラグがオンになる）。

ステップＳ１０６では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択し、ステップＳ１０７では全リール１１０〜１１２の回転を開始させる。

ステップＳ１０８では、ストップボタン１３７〜１３９の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール１１０〜１１２の何れかをステップＳ１０６で選択したリール停止データに基づいて停止させる。第３停止操作が終了（詳しくは、第３停止操作の対象となったストップボタン１３７〜１３９が押下状態から非押下状態になった時点）し、かつ、全リール１１０〜１１２が停止すると、ステップＳ１０９へ進む。

このステップＳ１０８では、各停止操作に対しては停止操作したストップボタン１３７〜１３９に関する停止ボタン受付コマンドを第１副制御部４００に送信する準備を行い、各リールの停止に対しては、リールの停止位置に関するリール停止コマンドを第１副制御部４００に送信する準備を行う。

ステップＳ１０９では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン１１４上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」が揃っていたならばスイカ入賞と判定する。

ステップＳ１１０では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。

ステップＳ１１１では、遊技状態を移行するための制御が行われる遊技状態制御処理を行う。例えば、ＢＢ（ビッグボーナス）入賞の場合には次回からＢＢ遊技状態を開始できるよう準備する。また、このステップＳ１１１では、遊技状態を示す遊技状態更新コマンドを送信する準備を行う。例えば、遊技状態がＢＢ遊技の場合には、ＢＢ遊技を示す遊技情報更新コマンドを送信する準備を行う。

以上により１ゲームが終了する。以降ステップＳ１０２へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。

なお、上記各ステップで準備された各種コマンドは、後述する主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理（図１２のステップＳ２０６）において送信される。

＜主制御部３００タイマ割込処理＞

次に、図１２を用いて、主制御部３００のＣＰＵ３０４が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。

主制御部３００は、所定の周期（本実施形態では約２ｍｓに１回）でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ３１２を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。

ステップＳ２０１では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、ＣＰＵ３０４の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。

ステップＳ２０２では、ＷＤＴ３１４のカウント値が初期設定値（本実施形態では３２．８ｍｓ）を超えてＷＤＴ割込が発生しないように（処理の異常を検出しないように）、ＷＤＴ３１４を定期的に（本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約２ｍｓに１回）リスタートを行う。

ステップＳ２０３では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、Ｉ／Ｏ３１０の入力ポートを介して、各種センサ３１８のセンサ回路３２０の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、ＲＡＭ３０８に各種センサ３１８ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。

ステップＳ２０４では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し（各種センサ３１８からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する）、このステータスに従った処理を行う（例えば、取得した各ストップボタン１３７乃至１３９の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う）。ステップＳ２０５では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。

ステップＳ２０６では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第１副制御部４００に送信される。なお、第１副制御部４００に送信する出力予定情報は本実施形態では１６ビットで構成しており、ビット１５はストローブ情報（オンの場合、データをセットしていることを示す）、ビット１１〜１４はコマンド種別（本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、内部当選コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール１１０乃至１１２の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン１３７乃至１３９の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール１１０乃至１１２の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド、遊技状態を示すコマンド等）、ビット０〜１０はコマンドデータ（コマンド種別に対応する所定の情報）で構成されている。

第１副制御部４００では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部３００における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。

ステップＳ２０７では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、ＲＡＭ３０８に記憶している遊技情報を、情報出力回路３３４を介してスロットマシン１００とは別体の情報入力回路６５２に出力する。

ステップＳ２０８では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップＳ２０３において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ３１８の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には（図示省略）エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ１７０（メダルセレクタ１７０内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ）、各種ランプ３３６、各種の７セグメント（ＳＥＧ）表示器の設定を行う。

ステップＳ２０９では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合（電源の遮断を検知した場合）にはステップＳ２１１に進み、低電圧信号がオフの場合（電源の遮断を検知していない場合）にはステップＳ２１０に進む。

ステップＳ２１０では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップＳ２０１で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図１１に示す主制御部メイン処理に復帰する。一方、ステップＳ２１１では、主制御部電断処理を実行する。主制御部電断処理の詳細は後述するが、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてＲＡＭ３０８の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図１１に示す主制御部メイン処理に復帰する。

＜主制御部初期設定処理＞

次に、図１３を用いて、主制御部メイン処理の主制御部初期設定処理（ステップＳ１０１）について説明する。図１３（ａ）は、主制御部初期設定処理の流れを示すフローチャートである。

同図（ａ）に示すように、ステップＳ３０１では、主制御部電源投入処理を行う。スロットマシン１００の電源スイッチ２４４がオンされることによって、スロットマシン１００に電源が投入され、電源管理部７１０から主制御部３００に電源が供給されると、主制御部３００のＣＰＵ３０４にて、主制御部電源投入処理が最初に実行される。この処理の詳細は、同図（ｂ）にて説明する。ステップＳ３０２はその他の初期化処理を行う。

同図（ｂ）は、主制御部電源投入処理の流れを示すフローチャートである。

ステップＳ４０１では、まず各種の初期化処理（イニシャル処理）を行う。この初期設定では、後述する待機タイマの初期化、ＣＰＵ３０４のスタックポインタ（ＳＰ）へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、Ｉ／Ｏ３１０の初期設定、ＲＡＭ３０８に記憶する各種変数の初期設定、ＷＤＴ３１４への動作許可および初期値の設定等などの初期化処理を実行する。

初期化処理が終了すると、電源投入を検出したか否か、すなわち、電圧監視回路３３０が出力する低電圧信号がオンかオフかを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合（電源の電圧値が所定の値（本実施形態では９ｖ）未満である場合）には、電源投入の監視を継続し、低電圧信号がオフの場合（電源の電圧値が所定の値（本実施形態では９ｖ）以上である場合）にはＲＡＭ異常監視処理を行う。ＲＡＭ異常監視処理では、主制御部３００のＲＡＭ３０８に異常があるかどうかを判定する。

ステップＳ４０２では、設定キースイッチセンサによって設定キースイッチ２９３がオン状態かオフ状態かを判定する。そして、設定キースイッチ２９３がオン状態であると判定した場合にはステップＳ４０４に進み、オフ状態であると判定した場合にはステップＳ４０３に進む。

ステップＳ４０３では、強制ＲＡＭクリアがオン状態か否かを判定する。具体的には、電源が投入され、かつ上述のＲＡＭクリアボタン２９０が長押し（例えば、５秒以上の押下）されたことに基づき、強制ＲＡＭクリアのオン状態とする。そして、強制ＲＡＭクリアがオン状態の場合はステップＳ４０５に移行し、オフ状態の場合はステップＳ４０６に進む。

ステップＳ４０５では、全てのＲＡＭ３０８の記憶領域のクリア（初期化）を行った後に、図１１の主制御部メイン処理のステップＳ１０２に移行する。

ステップＳ４０４では、設定値変更処理を行う。この設定値変更処理では、現在設定されている設定値（遊技モード）を設定値表示器２９２に表示させ、設定変更ボタンセンサによって設定変更ボタン２９１の押下操作があったか否かを判定する。そして、設定変更ボタン２９１の押下操作があった場合は、設定変更ボタン２９１の押下操作を１回検出する毎に、現在設定されている設定値１〜６に対して１ずつ加算更新し、設定値が６を超えると１に戻ることを繰り返して実行する。

また、スタートレバーセンサから入力する信号を検出し、スタートレバー１３５の操作があったか否かを判定し、スタートレバー１３５の操作があった場合には、現在、設定値表示器２９２に表示されている設定値をＲＡＭ３０８の設定値記憶領域に記憶し、設定値を確定する。また、設定キースイッチ２９３がオン状態からオフ状態に変更されたか否かを判定し、設定キースイッチ２９３がオフ状態に変更された場合は設定値変更処理を終了する。

ステップＳ４０６以降では、正常復帰を示す制御コマンドを副制御部３００に送信した後、スロットマシン１００を電源が遮断される前の状態に復帰させるための復帰処理を行う。まずステップＳ４０６では、前回の電断時（前回、低電圧信号のオンを検出した時）に退避しておいたスタックポインタの値を、元のスタックポインタに復帰する処理を行い、ステップＳ４０７では、前回の電断時（前回、低電圧信号のオンを検出した時）に退避しておいたレジスタの値を、元のレジスタに復帰する処理を行いステップＳ４０８では割込許可の処理を行う。これにより、電源オフ前の処理の状態を維持して遊技を再開することができる。

このように、スロットマシン１００に電源が投入され、ＲＡＭ３０８がクリアされると、初期状態でスロットマシン１００が起動することとなる。

一方、スロットマシン１００に電源が投入され、ＲＡＭ３０８がクリアされることなく起動されると、主制御部３００は、電源オフ前の処理の状態で（内部抽選の結果をはじめ、電源オフ前の遊技中にＲＡＭ３０８に書き込まれた各種パラメータをそのまま利用して）復帰するよう制御し、ＲＡＭ異常が検知されたり、設定変更ボタン２９１や強制ＲＡＭクリアボタン２９０がオンされていた場合には、ＲＡＭ３０８をクリアし、初期状態で起動するよう制御する。

＜主制御部電断処理＞

次に、図１４を用いて、図１２の主制御部タイマ割込処理における主制御部電断処理（ステップＳ２１１）について説明する。同図は主制御部電断処理の流れを示すフローチャートである。

ステップＳ５０１では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてＲＡＭ３０８の所定の領域に退避する。ステップＳ５０２では、ＲＡＭ３０８に記憶している電源ステータスにサスペンドを示す情報を設定し、電源ステータスを更新する。

ステップＳ５０３では、電断処理時にバックアップが正常に実行されたことを示すデータを診断用データとして所定の記憶領域に設定する。診断用データは例えば、ＲＡＭ３０８の所定の領域に記憶しているデータを全て加算して加算値を算出し、この加算値との和が０になる数値（チェックサム用データ）や、特定の値（６ＡＨ）などである。

ステップＳ５０５では、ＲＡＭ３０８のアクセスを禁止する設定を行い、ステップＳ５０５では出力ポートのデータを待避し、ステップＳ５０６では電断検出信号以外を割込禁止に設定した後に、処理を終了する。

＜第１副制御部メイン処理＞

次に、図１５を用いて、第１副制御部４００のＣＰＵ４０４が実行する第１副制御部メイン処理について説明する。同図は、第１副制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。

第１副制御部４００は、電源が投入されるとＲＯＭ４０６に予め記憶している制御プログラムに従って図１５に示す第１副制御部メイン処理を実行する。つまり、制御プログラムには、以下に説明する各処理を実行するプログラムが含まれる。

ステップＳ６０１では、第１副制御部４００の初期設定処理を行う。当該初期設定処理については、後述する。

ステップＳ６０２では、タイマ変数が１０以上か否かを判定し、タイマ変数が１０となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が１０以上となったときには、タイマ変数に０を代入し、ステップＳ６０３の処理に移行する。

ステップＳ６０３では、電断を検出したか否かを判定し、電断を検出しなかった場合はステップＳ６０４に進み、電断を検出した場合は、ステップＳ６０５に進む。

ステップＳ６０４では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第１副制御部４００のＣＰＵ４０４は、主制御部３００からコマンドを受信したか否かを判別し、新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。

ステップＳ６０５では、副制御部電断処理を行うが、この処理については後述する。

ステップＳ６０６では、演出制御処理を行う。演出制御処理については後に詳述するが、例えば、演出指示情報をＲＡＭ４０８から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。

ステップＳ６０７では、ステップＳ６０６の処理結果に基づいて音制御処理を行う。この音制御処理では、例えば、ステップＳ６０６で読み出した演出指示情報の中に音源ＩＣ４１８への命令がある場合には、この命令を音源ＩＣ４１８に出力する。

ステップＳ６０８では、ステップＳ６０６の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。このランプ制御処理では、例えば、ステップＳ６０６で読み出した演出指示情報の中に各種ランプ４２０への命令がある場合には、この命令を駆動回路４２２に出力する。

ステップＳ６０９では、ステップＳ６０６の処理結果に基づいて第２副制御部５００に制御コマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップＳ６０６で読み出した演出指示情報の中に第２副制御部５００に送信する制御コマンドがある場合（演出画像表示装置１５７に関する情報などがある場合）には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップＳ６０２に戻る。

＜第１副制御部４００が実行する処理＞

図１６を用いて、第１副制御部４００が実行する処理について引き続き説明する。同図（ａ）は、第１副制御部４００のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図（ｂ）は、第１副制御部４００のタイマ割込処理のフローチャートである。同図（ｃ）は、第１副制御部メイン処理の第１副制御部初期設定処理（ステップＳ６０１）のフローチャートである。

図１６（ａ）に示す第１副制御部コマンド受信割込処理は、第１副制御部４００が、主制御部３００が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップＳ７０１では、主制御部３００が出力したコマンドを未処理コマンドとしてＲＡＭ４０８に設けたコマンド記憶領域に記憶する。

ステップＳ７０２では、時刻設定中フラグを判定する。時刻設定中フラグがオンの場合には、ステップＳ７０３に進み、そうでない場合は処理を終了する。

ステップＳ７０３では時刻設定中フラグにオフをセットし、ステップＳ７０４に進む。ステップＳ７０４ではＲＴＣ異常の有無を判定するためのＲＴＣ異常フラグにオフをセットする。

なお、図９に示すデータ復帰操作示唆情報Ｅ３（日時設定の表示）は消去する処理を行わないが、主制御部３００からコマンドを受信し、当該コマンドに基づいて他の演出表示を実行する場合には、当該他の演出表示でデータ復帰操作示唆情報Ｅ３（日時設定の表示）を上書き表示するので、結果としてデータ復帰操作示唆情報Ｅ３（日時設定の表示）は遊技者に視認不可となる。

図１６（ｂ）を用いて、第１副制御部４００のＣＰＵ４０４によって実行する第１副制御部タイマ割込処理について説明する。第１副制御部４００は、所定の周期（本実施形態では２ｍｓに１回）でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。

ステップＳ８０１では、図１５に示す第１副制御部メイン処理におけるステップＳ６０２において説明したＲＡＭ４０８のタイマ変数記憶領域の値に、１を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップＳ６０２において、タイマ変数の値が１０以上と判定されるのは２０ｍｓ毎（２ｍｓ×１０）となる。

ステップＳ８０２では、演出ボタン１６８の操作受付を監視し、ステップＳ８０３では、第１副制御部メイン処理（図１５）のステップＳ６０９で設定された第２副制御部５００への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。また、このステップＳ８０３では、ＲＴＣ７０４から日時データ（年月日や時分秒のデータ）を取得し、ＲＡＭ４０８またはＲＴＣ７０４の記憶領域に記憶する。

図１６（ｃ）を用いて、第１副制御部メイン処理のステップＳ６０１の第１副制御部初期設定処理について説明する。

ステップＳ９０１では、第１副制御部電源投入処理を実行し、ステップＳ９０２では、ＲＡＭ４０８のバックアップ異常が発生しているか否かを監視するＲＡＭ異常監視処理を実行する。

ステップＳ９０３では、ＲＴＣ７０４の日時データに異常が発生しているか否かを監視するＲＴＣ異常監視処理を実行する。第１副制御部電源投入処理、ＲＡＭ異常監視処理およびＲＴＣ異常監視処理については後述する。

ステップＳ９０４では、入出力ポートの初期設定や、ＲＡＭ４０８内の記憶領域の初期化処理等の他の各種の初期化処理を実行する。

＜第１副制御部電断処理＞

次に、図１７を用いて、図１５の第１副制御部メイン処理における第１副制御部電断処理（ステップＳ６０５）について説明する。同図は第１副制御部電断処理の流れを示すフローチャートである。

ステップＳ１００１では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてＲＡＭ４０８の所定の領域に退避する。ステップＳ１００２では、ＲＡＭ４０８に記憶している電源ステータスにサスペンドを示す情報を設定し、電源ステータスを更新する。

ステップＳ１００３では、電断処理時にバックアップが正常に実行されたことを示すデータを診断用データとして所定の記憶領域に設定する。診断用データは例えば、ＲＡＭ４０８の所定の領域に記憶しているデータを全て加算して加算値を算出し、この加算値との和が０になる数値（チェックサム用データ）や、特定の値（６ＡＨ）などである。

ステップＳ１００５では、ＲＡＭ４０８のアクセスを禁止する設定を行い、ステップＳ１００５では出力ポートのデータを待避し、ステップＳ１００６では電断検出信号以外を割込禁止に設定した後に、処理を終了する。

＜第１副制御部電源投入処理＞

図１８を用いて、第１副制御部初期設定処理（図１６（ｃ））の第１副制御部４００の電源投入処理（ステップＳ９０１）について説明する。同図は、第１副制御部電源投入処理の流れを示すフローチャートである。

ステップＳ１１０１で制御コマンド要求バッファおよび出力ポートのクリアを行い、ステップＳ１１０２で制御コマンド要求バッファ（出力ポート）に正常復帰コマンドを設定する。制御コマンド要求バッファに正常復帰コマンドを最優先で設定することで、それ以外のコマンドが第１副制御部４００に取りこぼされることを防止することができる。そして、ステップＳ１１０３でスタックポインタを復帰させる処理を行い、ステップＳ１１０４ではレジスタを復帰させる処理を行う。そして、ステップＳ１１０５で割り込み処理を許可して処理を終了する。割り込み処理を電源投入処理の最後に行うことにより、コマンド送信及び電断検出を行うタイミングを遅らせることができる。

＜ＲＡＭ異常監視処理＞

次に、図１９を用いて、第１副制御部初期設定処理（図１６（ｃ））のＲＡＭ異常監視処理（ステップＳ９０２）について説明する。同図は、ＲＡＭ異常監視処理の流れを示すフローチャートである。

ステップＳ１２０１では、第１副制御部電断処理（図１７）のステップＳ１００３でＲＡＭ４０８の所定領域に記憶した診断用データ（所定の領域のチェックサムや特定の値（例えば、６ＡＨなど））を取得する。

ステップＳ１２０２では、ＲＡＭ異常の有無を判定する。具体的には、ＲＯＭ４０６の所定記憶領域に予め記憶しているデータと、ステップＳ１２０１で取得した診断用データが一致するか否かを判定する。例えば、チェックサムにより判定する場合は、ステップＳ１２０２で取得したチェックサム用データと、ＲＡＭ４０８の所定の領域に記憶（バックアップ）しているデータを全て加算して加算値を算出し、この加算値が０になるかどうかによりチェックサムがＯＫかＮＧかを判定する。これらの判定の結果、チェックサムがＯＫの場合にはＲＡＭ異常なしと判定してステップＳ１２０４に進み、そうでない場合にはＲＡＭ異常ありと判定してステップＳ１２０３に進む。ステップＳ１２０３では、ＲＡＭ４０８を強制的にクリアする強制ＲＡＭクリア処理を実行し、ステップＳ１２０４に進む。ステップＳ１２０４では、ＲＡＭ異常フラグをオンに設定し、ＲＡＭ異常報知用の演出データを設定し、処理を終了する。

なお、図１３（ｂ）に示した主制御部電源投入処理のＲＡＭ異常判定処理（ステップＳ４０１）も上記と同様の流れで実行することができる。

＜ＲＴＣ異常監視処理＞

次に、図２０を用いて、第１副制御部初期設定処理（図１６（ｃ））のＲＴＣ異常監視処理（ステップＳ９０３）について説明する。同図は、ＲＴＣ異常監視処理の流れを示すフローチャートである。

ステップＳ１５０１では、ＲＴＣ異常以外の他の異常（例えば、ＲＡＭ異常、メダルセレクター異常、払出異常、ホッパー異常など）のいずれかの異常が発生しているか（いずれかの異常フラグにオンが設定されているか）否かを判断し、オンでない場合（異常が発生していない場合）は、ＳステップＳ１５０２に進み、オンの場合は処理を終了する。このように、ＲＴＣ７０４の異常は、他の異常よりも優先順位が低いため、他の異常が発生していた場合はそれらの処理を優先する。なお、扉開放中（扉開放エラー）は、本ステップの「異常」とは判断しない。

ステップＳ１５０２では、ＲＴＣ７０４の日時データが正常であるか否かを判断する。日時データの判定は、例えば、現在のＲＴＣ７０４の日時データが、ＲＯＭ４０６などから取得した一定のしきい値となる日時（例えば、２０１１年１月１日）以前か否かを判定し、しきい値となる日時以前だった場合は、正しくないと判定してステップＳ１５０３に進み、正しいと判定した場合は処理を終了する。

ステップＳ１５０３では、ＲＯＭ４０６に記憶された日時データの初期値を、図９に示す日時設定画面に表示するデータとしてセットする。

ステップＳ１５０４では、ＲＴＣ異常フラグにオンをセットし、処理を終了する。

本実施形態では、電源投入時のみＲＴＣ異常監視処理によってＲＴＣ異常を監視しているが、電源投入時以外（例えば、遊技終了後やデモ中等）でもＲＴＣ異常を監視してもよい。また、電源投入時以外でＲＴＣ異常を監視し、ＲＴＣ異常が発生していた場合には、図９に示す日時設定画面（データ復帰操作示唆情報Ｅ３）を表示するのではなく、遊技者向けに「店員を呼んでください」、店員向けに「ＲＴＣ異常のため電源再投入をしてください」と言った異常メッセージ（エラーメッセージＥ１、異常解消示唆情報Ｅ２、データ復帰操作示唆情報Ｅ３）を含む画像を遊技終了後やデモ中等に表示するものであってもよい。

＜演出制御処理＞

次に、図２１を用いて、第１副制御部メイン処理（図１５）の演出制御処理（ステップＳ６０６）について説明する。同図（ａ）は、演出制御処理の流れを示すフローチャートである。

ステップＳ１３０１では、ＲＡＭ異常報知処理を実行する。ＲＡＭ異常報知処理の詳細は後述するが、図１９のＲＡＭ異常監視処理（ステップＳ１２０３）においてＲＡＭ異常フラグがオンに設定された場合、このＲＡＭ異常報知処理において報知される。

ステップＳ１３０２では日時設定報知処理を実行する。日時設定報知処理については後述する。ステップＳ１３０３では、演出指示情報をＲＡＭ４０８から読み出すなどして、その他の演出設定処理を実行する。なお、その他の異常報知は、本ステップＳ１３０３において実行される。

＜ＲＡＭ異常報知処理＞

次に、同図（ａ）の演出制御処理におけるＲＡＭ異常報知処理（ステップＳ１３０１）について説明する、同図（ｂ）は、ＲＡＭ異常報知処理の流れを示すフローチャートである。

ステップＳ１４０１では、図１９のＲＡＭ異常監視処理で設定したＲＡＭ異常フラグを判定し、オンの場合（ＲＡＭ異常が発生している（報知する必要がある）場合）はステップＳ１４０２に進み、オフの場合（ＲＡＭ異常が発生していない（報知する必要がない）場合）は処理を終了する。

ステップＳ１４０２では、ＲＡＭ異常の報知演出を実行するためのデータをセットする。これにより、例えば、図８に示すように、演出画像表示装置１５７にＲＡＭ異常が発生したことを報知するエラーメッセージを表示するとともに、異常解消示唆情報Ｅ２が表示される。

ステップＳ１４０３では、ＲＡＭ異常フラグにオフを設定し、処理を終了する。

＜日時設定報知処理＞

次に、図２２を用いて、演出制御処理（図２１（ａ））の日時設定報知処理（ステップＳ１３０２）の一例について説明する。同図は、日時設定報知処理の流れを示すフローチャートの一例である。

ステップＳ１６０１では、ＲＴＣ異常フラグを判定する。ＲＴＣ異常監視処理（図２０）のステップＳ１５０４において、ＲＴＣ異常フラグがオンに設定されていた場合、ステップＳ１６０３に進み、そうでない場合（ＲＴＣ異常フラグがオフの場合）、ステップＳ１６０２に進む。

ステップＳ１６０２では、日時設定報知要求フラグを判定する。第１副制御部４００が主制御部３００から設定確認コマンドを受信したことで実行されるスロットマシン１００の設定値の確認中の状態において、演出ボタン１６８の決定ボタン１６８ｅが所定時間長押しされた場合に、日時設定報知要求フラグにオンがセットされる。すなわち、本ステップＳ１６０２は、異常処理ではなく、通常の店舗における設定処理において実行される。日時設定報知要求フラグがオンの場合は、ステップＳ１６０３に進み、そうでない場合は処理を終了する。

ステップＳ１６０３では、時刻設定中フラグを判定する。時刻設定中フラグにオンがセットされている場合は、ステップＳ１６０６に進み、そうでない場合（オフがセットされている場合）には、ステップＳ１６０４に進む。ステップＳ１６０４では、図９（ａ）に示す日時設定画面の初期画面（日時データに初期値がセットされた画面）を表示するためのデータをセットする。ステップＳ１６０５では時刻設定中フラグをオンにセットしてステップＳ１６０６に進む。

このように、ステップＳ１６０３で時刻設定中フラグがオフにセットされている場合は、図９（ａ）に示す日時設定画面の初期画面が初めて表示される場合であり、ステップＳ１６０３で時刻設定中フラグがオンにセットされている場合は、既に図９（ａ）に示す日時設定画面の初期画面が表示されている場合である。

ステップＳ１６０６では、図９（ａ）に示すような日時設定画面の表示処理を行い、演出ボタン１６８による入力受付処理を行う。入力受付処理では演出ボタン１６８の上ボタン１６８ａ、下ボタン１６８ｂ、左ボタン１６８ｃ、右ボタン１６８ｄ、決定ボタン１６８ｅ、キャンセルボタン１６８ｆの受付を行う。

続くステップＳ１６０７では、入力されたデータに基づき、日時設定画面の更新データをセットする。すなわち、演出ボタン１３６の操作に基づいてＲＡＭ４０８またはＲＴＣ７０４の記憶領域に保持されている日時データ（年月日や時分秒のデータ）を更新し、更新後の日時データをＲＴＣ７０４に送信し、第２副制御部５００に対して、更新後の日時データを含むコマンドを送信する準備を行う。これにより、例えば、図９（ｂ）に示すような日時設定画面の表示処理が実行される。

なお、ステップＳ１６０６の入力受付処理において、入力完了が受け付けられた場合は、本ステップにおいてデモ画面用のデータをセットする（日時設定画面がデモ画面に切り替わる）。

また、本実施形態においては、日時設定は、ＲＡＭバックアップ異常とは異なり（ＲＡＭ異常のような致命的な異常ではなく）、日時が異なるだけの軽微な異常であるため、日時設定報知処理の実行中に、遊技が開始された場合（スタートレバー操作の受付に伴うコマンドを受信した場合）や遊技が進行した場合（メダル投入、ＢＥＴ操作、停止操作の受付に伴うコマンドを受信した場合）には、入力が完了しているか否かによらず、日時設定画面を消去するように構成しているが、不正行為の履歴を当該日時に基づいて収集する機能を搭載したり、当該日時が遊技性や演出に密に関わる場合（例えば、日時に基づいて演出の展開を異ならす等）には、遊技が開始された場合であっても入力が完了していなければ、日時設定画面を消去しないように構成してもよい。

ステップＳ１６０８では入力が完了したか否か（決定ボタン１６８ｅまたはキャンセルボタン１６８ｆが押下されたか否か）を判定する。そして、入力が完了している場合にはステップＳ１６０９に進み、そうでない場合は処理を終了する。

ステップＳ１６０９では、時刻設定中フラグにオフをセットし、続くステップＳ１６１０ではＲＴＣ異常フラグにオフをセットし、続くステップＳ１６１１では日時設定報知要求フラグにオフをセットして処理を終了する。

＜第２副制御部が実行する処理＞

次に、図２３を用いて、第２副制御部５００の処理について説明する。図２３（ａ）は、第２副制御部５００のＣＰＵ５０４が実行するメイン処理の流れの一例を示すフローチャートである。

まず、図２３（ａ）のステップＳ１７０１では、第２副制御部５００の各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップＳ１７０１で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、ＲＡＭ５０８内の記憶領域の初期化処理等を行う。

次に、ステップＳ１７０３では、タイマ変数が１０以上か否かを判定し、タイマ変数が１０となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が１０以上となったときには、ステップＳ１７０５の処理に移行する。
ステップＳ１７０５では、タイマ変数に０を代入する。

ステップＳ１７０７では、コマンド処理を行う。コマンド処理では、第２副制御部５００のＣＰＵ５０４は、第１副制御部４００のＣＰＵ４０４から制御コマンドや状態信号を受信したか否かを判別する。

ステップＳ１７０９では、演出制御処理を行う。例えば、ステップＳ１７０７で新たなコマンドを受信した場合には、受信したコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをＲＯＭ５０６から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。

ステップＳ１７１１では、ステップＳ１７０９の処理結果に基づいて画像制御処理を行う。例えば、ステップＳ１７０９で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い（詳細は後述する）、ステップＳ１７０３へ戻る。

図２３（ｂ）は、第２副制御部５００のＣＰＵ５０４が実行する第２副制御部コマンド受信割込処理の流れの一例を示すフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、例えば、第２副制御部５００が、第１副制御部４００が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップＳ１８０１では、第１副制御部４００が出力したコマンドを未処理コマンドとしてＲＡＭ５０８に設けたコマンド記憶領域に記憶する。

図２３（ｃ）は、第２副制御部５００のＣＰＵ５０４が実行する第２副制御部タイマ割込処理の流れの一例を示すフローチャートである。第２副制御部５００は、所定の周期（本実施形態では２ｍｓに１回）でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。

ステップＳ１９０１では、図２３（ａ）に示す第２副制御部メイン処理におけるステップＳ１７０３において説明したＲＡＭ５０８のタイマ変数記憶領域の値に、１を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って本例では、ステップＳ１７０３においてタイマ変数の値が１０以上と判定されるのは、２０ｍｓ毎（２ｍｓ×１０）となる。次に、ステップＳ１９０３では、演出用乱数値の更新処理等を行う。

図２３（ｄ）は、第２副制御部メイン処理の画像制御処理（ステップＳ１７１１）の流れの一例を示すフローチャートである。画像制御処理のステップＳ２００１では、画像データの転送指示を行う。ここでは、ＣＰＵ５０４は、まず、ＶＲＡＭ５３６の表示領域Ａと表示領域Ｂの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された１フレームの画像が演出画像表示装置１５７に表示される。次に、ＣＰＵ５０４は、ＶＤＰ５３４のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてＲＯＭ座標（ＲＯＭ５０６の転送元アドレス）、ＶＲＡＭ座標（ＶＲＡＭ５３６の転送先アドレス）などを設定した後、ＲＯＭ５０６からＶＲＡＭ５３６への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。ＶＤＰ５３４は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをＲＯＭ５０６からＶＲＡＭ５３６に転送する。その後、ＶＤＰ５３４は、転送終了割込信号をＣＰＵ５０４に対して出力する。

次に、ステップＳ２００３では、ＶＤＰ５３４からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップＳ２００５に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。

ステップＳ２００５では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、ＣＰＵ５０４は、ステップＳ２００１でＶＲＡＭ５３６に転送した画像データに基づいてＶＲＡＭ５３６の表示領域ＡまたはＢに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報（ＶＲＡＭ５３６の座標軸、画像サイズ、ＶＲＡＭ座標（配置座標）など）をＶＤＰ５３４に指示する。ＶＤＰ５３４はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。

次に、ステップＳ２００７では、描画指示を行う。この描画指示では、ＣＰＵ５０４は、ＶＤＰ５３４に画像の描画開始を指示する。ＶＤＰ５３４は、ＣＰＵ５０４の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。

次に、ステップＳ２００９では、画像の描画終了に基づくＶＤＰ５３４からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップＳ２０１１に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。

ステップＳ２０１１では、ＲＡＭ５０８の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントする演出シーンカウンタをインクリメント（＋１）して処理を終了する。

＜変形例１＞

次に、図２４を参照して、本発明の実施形態の変形例を説明する。図２４は、スロットマシン１００´の電源供給および制御情報の流れの他の例を概念的に示すブロック図である。同図において黒矢印が電源供給の流れであり、白抜き矢印が制御情報の流れである。なお、以下の図に詳細に示した構成以外の基本的な主制御部３００´および第１副制御部４００´の回路構成は、図３に示す主制御部３００および第１副制御部４００と同様である。

図２４は、スロットマシン１００´の電源供給および制御情報の流れの一例を概念的に示すブロック図である。同図において黒矢印が電源供給の流れであり、白抜き矢印が制御情報の流れである。

スロットマシン１００´の外部に設けられた外部電源（電源基板）７０８´から供給される電源電圧（交流電源）は、図２４に示すように、電源生成部７１２´及び電源貯留部７１４´を備えた電源管理部７１０´によって直流化され、主制御部３００´および副制御部（第１副制御部４００´）に供給される。電源生成部７１２´では、外部から入力されるＤＣ１００［Ｖ］から、各制御基板（主制御部３００´、第１副制御部４００´）で使用される電圧を生成する。主制御部３００´および第１副制御部４００´ではＤＣ１２［Ｖ］が使用されるため、それぞれに変換した電圧で電源を供給する。電源貯留部７１４´は、コンデンサ等からなり、電源を所定の期間（例えば、１０日間）貯留する。

主制御部３００´に供給された電源電圧は、主制御部３００´が備える変圧回路７００´で所定の電圧に変圧された後に基本回路３０２´（ＣＰＵ３０４´）に供給される。具体的には、外部電源７０８´から供給されるＤＣ１２［Ｖ］から主制御部３００´のＣＰＵ３０４´の動作に必要となるＤＣ５［Ｖ］に変圧されて基本回路３０２´に供給される。主制御部３００´の電圧監視回路３３０´は、この変圧回路７００´に供給される電圧レベルを監視している。

また、主制御部３００´は、電源管理部７１０´からの電源が断たれた後も所定の部品に所定の期間（例えば１０日間）電源を供給するための補助電源（例えば、コンデンサや電池など）７１６を備えている。

第１副制御部４００´に供給された電源電圧は、第１副制御部４００´が備える変圧回路７１８´で所定の電圧に変圧された後に基本回路４０２´（ＣＰＵ４０４´）に供給される。具体的には、外部電源７０８´から供給されるＤＣ１２［Ｖ］から第１副制御部４００´のＣＰＵ４０４´を動作させるためのＤＣ３．３［Ｖ］に変圧されて基本回路４０２´に供給される。第１副制御部４００´の電圧監視回路７０２´は、この変圧回路７１８´に供給される電圧レベルを監視している。

また、第１副制御部４００´は、電源管理部７１０´からの電源が断たれた後も所定の部品（例えば、ＲＴＣ７０４´など）に所定の期間（例えば１０日間）電源を供給するための補助電源（例えば、コンデンサや電池など）７２０´を備えている。

電源貯留部７１４´および補助電源７１６´，７２０´によって、外部電源７０８´から電源が供給されなくなる場合（電断の場合）においても、急激に電圧が低下することが無く、主制御部３００´の電圧監視回路３３０´および第１副制御部４００´の電圧監視回路７０２´が電圧の低下を検知することで、バックアップ等の処理を行うことが可能となる。

そして上述のとおり、主制御部３００´と第１副制御部４００´との情報通信は一方向の通信であり、主制御部３００´の基本回路３０２´は、第１副制御部４００´の基本回路４０２´にコマンド等の信号を送信できるように構成している。

この場合、補助電源７２０´は、第１副制御部４００´を構成する基板と同一基板に実装されており、補助電源７２０´と第１副制御部４００´とのコネクタ（ハーネス）外れは生じない。従って、ＲＡＭ４０８´のバックアップエラーの主な原因は、補助電源７２０の電池切れであり、異常解消示唆情報Ｅ２は、電池交換が必要である旨の報知となる。

＜変形例２＞

次に、図２５を参照して、本発明の実施形態の変形例を説明する。図２５は、第１副制御部４００´の基板（副制御基板）の構成の一例を示す図であり、第１副制御部４００´を構成する電子部品と回路基板の一部を抜き出して示す概念図である。

第１副制御部４００´を構成する副制御基板は、第一の回路基板７２２´と、第二の回路基板７２４´を含んで構成される（これ以外の回路基板を含んでもよい）。例えば同図（ａ）に示すように、第一の回路基板７２２´は、ＲＡＭ４０８´（第一の情報記憶手段、第一の電子部品）やＲＯＭ４０６´（第二の情報記憶手段、第二の電子部品）が実装される基板であり、第二の回路基板７２４´と接続するための端子（コネクタ）７２６´を備えている。コネクタ７２６´は、ＲＡＭ４０８´やＲＯＭ４０６´に接続される配線経路７３２´と接続する。また、第二の回路基板７２４´は、ＣＰＵ４０４´（第三の電子部品）が実装される基板であり、第一の回路基板７２２´と接続するための端子（コネクタ）７２８´を備えている。コネクタ７２８´は、ＣＰＵ４０４´に接続される配線経路７３２´と接続する。

コネクタ７２６´，７２８´はハーネス７３０´などの接続手段に着脱自在となっている。同図（ａ）の右図に示すように、コネクタ７２６´，７２８´をハーネス７３０´を介して接続することで、第一の回路基板７２２´と第二の回路基板７２４´が電気的に接続され、示す第１副制御部４００´の回路基板（副制御基板）が構成される。

また、同図（ｂ）に示すように、第一の回路基板７２２´には、ＲＡＭ４０８´（第一の情報記憶手段）と揮発性の記憶手段（第二の情報記憶手段）を備えるＲＴＣ７０４´が実装され、第二の回路基板７２４´には、ＣＰＵ４０４´とＲＯＭ４０６´が実装される構成でもよい。互いに着脱自在なコネクタ７２６´，７２８´を接続することで、同図（ｂ）の右図に示すように、第１副制御部４００´の回路基板（副制御基板）が構成される。

この場合、コネクタ７２６´、７２８´はハーネス７３０´の離脱（通信不良）を判定することによって、通信不良を判定する。

以上、本実施形態では、第１副制御部４００におけるＲＡＭ４０８（ＲＴＣ７０４）に異常があった場合の報知手段について説明したが、主制御部３００におけるＲＡＭ３０８（および／またはＲＴＣ）に異常があった場合や、第２副制御部５００におけるＲＡＭ５０８（および／またはＲＴＣ）に異常があった場合の報知手段についても同様に実施でき、同様の効果が得られる。

以上説明したように、本実施形態に係る遊技台（例えば、スロットマシン１００）は、操作デバイス（例えば、演出ボタン１６８）の制御を含む遊技制御を実行する遊技制御手段（例えば、主制御部３００，第１副制御部４００）を少なくとも備えた遊技制御部（例えば、制御部）と、前記遊技制御部に電力を供給する電力供給手段（例えば、外部電源７０８，電源管理部７１０、補助電源７１６、７２０）と、を備えた遊技台であって、前記電力供給手段から供給される電力によって少なくとも前記遊技制御に伴う遊技情報を保持する揮発性の情報記憶手段（例えば、ＲＡＭ４０８，ＲＴＣ７０４の記憶領域）と、前記情報記憶手段に保持されている遊技情報が正常に保持されているか否かを判定する異常判定手段（例えば、第１副制御部４００のＣＰＵ４０４、ＲＡＭ異常監視処理（のプログラム））と、前記異常判定手段による判定が異常であった場合、異常を解消するための情報（例えば、図８に示す異常解消示唆情報Ｅ２）を報知する第一の報知手段（例えば、演出画像表示装置１５７，図８に示す異常解消示唆情報Ｅ２の報知演出）と、前記異常を解消するための情報が報知されなかった場合、前記情報記憶手段に記憶されている情報に補正が必要か否かを判定する補正判定手段（例えば、ＲＴＣ異常監視処理（のプログラム））と、前記補正判定手段によって補正の必要があると判定された場合、補正が必要である旨の情報（例えば、図９に示すデータ復帰操作示唆情報Ｅ３）を報知する第二の報知手段（例えば、演出画像表示装置１５７，図９に示すデータ復帰操作示唆情報Ｅ３の報知演出）と、を備えたことを特徴とする遊技台である。

このような構成によれば、発生している異常と当該異常を解消するための示唆情報を確実に報知することができるので、無駄な異常解消のための処理（操作）が行われることなく、効率よく異常状態から回復できる場合がある。

また、前記遊技台は、前記揮発性の情報記憶手段を含む複数の情報記憶手段（例えば、ＲＡＭ４０８，ＲＴＣ７０４の記憶領域およびＲＯＭ４０８）を備え、前記複数の情報記憶手段は、着脱可能な一つのコネクタを介して前記異常判定手段（例えば、第１副制御部４００のＣＰＵ４０４）に接続される手段であり、前記第一の報知手段は、前記異常判定手段による判定が異常であった場合、前記コネクタの接続に関する情報を報知する手段であってもよい。

このような構成によれば、１つの異常判定処理で複数の異常判定が可能となる場合がある。すなわち、複数の情報記憶手段が個別に異常判定手段に接続されていた場合、異常があった場合に、配線（配線経路７３２´，接続手段７３０´，コネクタ７２６´，７２８´）の確認およびその補正を、個別に（１つずつセットで）行う必要があるが、本実施形態によれば、複数の情報記憶手段が１つのコネクタを介して異常判定手段に接続している（複数の情報記憶手段を実装する基板に設けられた１つのコネクタが、異常判定手段を実装する基板に設けられた他の１つのコネクタに接続している）ので、１つ（互いに接続する１組）のコネクタの接続異常によって、複数の情報記憶手段の異常判定が可能となり、効率良く異常判定を行うことができる場合がある。

また、前記情報記憶手段は、前記電力供給手段から供給される電力の電圧が所定の値未満であった場合に実行される電断処理に関する情報を記憶する第一の情報記憶手段（例えば、ＲＡＭ４０８）と、少なくとも日付または時刻のいずれか一方で構成される計時情報を記憶可能な第二の情報記憶手段（例えば、ＲＴＣ７０４の記憶領域）と、を含む手段であり、前記異常判定手段は、前記第一の情報記憶手段に保持されている遊技情報が正常に保持されていない場合に異常と判定する手段であり、前記補正判定手段は、前記第一の報知手段によって異常を解消するための情報が報知されておらず、かつ前記第二の情報記憶手段に記憶されている情報に補正が必要と判定した場合に、補正が必要である旨の情報を報知する手段であり、前記遊技制御手段は、前記操作デバイスの操作に基づいて、前記計時情報を補正可能な計時情報補正手段（例えば、日時設定報知処理）を含む手段であってもよい。

このような構成によれば、異常とその解消手段（解消方法）を適切に報知することができるので、無駄な異常解消処理が行われることなく、効率よく異常状態から回復できる場合がある。

また、本実施形態に係る遊技台（例えば、スロットマシン１００）は、操作デバイス（例えば、演出ボタン１６８）の制御を含む遊技制御を実行する遊技制御手段（例えば、基本回路４０２）を少なくとも備えた遊技制御部（例えば、第１副制御部４００）と、前記遊技制御部に電力を供給する電力供給手段（例えば、外部電源７０８，電源管理部７１０）と、前記遊技制御に関する情報を報知する報知手段（例えば、演出画像表示装置１５７）と、を備えた遊技台であって、前記遊技制御部は、前記遊技制御を行う制御回路として構成された複数の回路基板を備え、前記複数の回路基板には、第一の電子部品（例えば、ＲＡＭ４０８）と、第二の電子部品（例えば、ＲＴＣ７０４）と、前記第一の電子部品に関する異常の発生または前記第二の電子部品に関する異常の発生を判定可能な異常判定手段（例えば、ＲＡＭ異常監視処理（のプログラム）、ＲＴＣ異常監視処理（のプログラム））を含んだ第三の電子部品（例えば、ＣＰＵ４０４）とが実装された第一の回路基板（例えば、第１副制御部４００の基板（副制御基板）７２４）と、前記遊技制御部に補助電力を供給する補助電力供給手段（例えば、補助電源７２０）が実装された第二の回路基板（例えば、補助電源基板７２２）と、が含まれ、前記遊技制御部は、前記第一の回路基板と前記第二の回路基板を電気的に接続する接続手段（例えば、ハーネス７３０）を備え、前記接続手段は、前記補助電力供給手段に接続された配線経路に、一つの端子（コネクタ７２６または７２８）を介して接続される手段であり、前記報知手段は、前記異常判定手段により異常が発生したと判定された場合、異常を解消するための情報（例えば、図８（ａ）に示す異常解消示唆情報Ｅ２）を報知する手段であり、前記報知手段は、前記異常判定手段によって、前記第一の電子部品または前記第二の電子部品のうち一方の電子部品について異常が発生したと判定された場合、前記第一の電子部品と前記第二の電子部品に共通した異常を解消するための情報を報知する手段である、ことを特徴とする遊技台である。

このような構成によれば、店員に確実に異常の原因と異常解消示唆情報Ｅ２を報知することができるので、異常が適切に解消されないことによる、繰り返しの異常報知（同じ異常報知）を減らすことができる。

また、前記一つの端子は、前記補助電力供給手段に接続された配線経路に着脱可能に設けられたコネクタであり、前記報知手段は、前記異常判定手段によって前記第一の電子部品または前記第二の電子部品のうち一方の電子部品について異常が発生したと判定された場合、前記コネクタの接続に関する情報（例えば、図８（ａ）に示す、「１．電源を落とし補助電源のハーネス接続を確認してください」、「２．ハーネス接続を確認後、電源投入を２回行ってください」という情報）を報知する手段であってもよい。

このような構成によれば、まず物理的な配線接続を正常に戻すための報知を行うことにより、確実に異常状態を解消することができる場合がある。

また、前記第一の電子部品または前記第二の電子部品のうち、少なくともいずれか一方の電子部品（例えば、ＲＴＣ７０４）は、遊技に関する情報を記憶可能な情報記憶手段（例えば、計時情報）を含み、前記遊技に関する情報は、前記操作デバイスの操作により、補正することが可能な情報であり、前記第三の電子部品は、前記情報記憶手段に記憶されている情報に補正が必要か否かを判定する補正判定手段（例えば、ＲＴＣ異常監視処理のプログラム）を含み、前記報知手段は、前記異常を解消するための情報を報知した後に、前記補正判定手段によって補正の必要があると判定された場合は、補正が必要である旨の情報（例えば、図９に示すデータ復帰操作示唆情報Ｅ３）を報知する手段であってもよい。

このような構成によれば、発生している異常と当該異常を解消するための示唆情報を確実に報知することができるので、無駄な異常解消のための処理（操作）が行われることなく、効率よく異常状態から回復できる場合がある。

また、本実施形態に係る遊技台（例えば、スロットマシン１００´）は、操作デバイス（例えば、演出ボタン１６８）の制御を含む遊技制御を実行する遊技制御手段（例えば、主制御部３００´，第１副制御部４００´）を少なくとも備えた遊技制御部（例えば、制御部）と、前記遊技制御部に電力を供給する電力供給手段（例えば、外部電源７０８´，電源管理部７１０´、補助電源７１６´、７２０´）と、前記遊技制御に関する情報を報知する報知手段（例えば、演出画像表示装置１５７，スピーカ２７２、２７７など）と、を備えた遊技台であって、前記遊技制御部は、前記遊技制御を行う制御回路として構成された複数の回路基板を備え、前記複数の回路基板には、第一の電子部品（例えば、ＲＡＭ４０８´）と第二の電子部品（例えば、ＲＯＭ４０６´、ＲＴＣ７０４´）が実装された第一の回路基板（例えば、第一の回路基板７２２´）と、前記第一の電子部品または前記第二の電子部品に関する異常の発生を判定可能な異常判定手段（例えば、ＲＡＭ異常監視処理のプログラム）を含んだ第三の電子部品（例えば、ＣＰＵ４０４´）が実装された第二の回路基板（例えば、第二の回路基板７２４´）と、が含まれ、前記遊技制御部は、前記第一の回路基板と前記第二の回路基板を電気的に接続する接続手段（例えば、ハーネス７３０´）を備え、前記接続手段は、前記第三の電子部品に接続された配線経路（例えば、配線経路７３２´）に、一つの端子（例えば、コネクタ７２８´）を介して接続される手段であり、前記報知手段は、前記異常判定手段により異常が発生したと判定された場合、異常を解消するための情報（例えば、図８に示す異常解消示唆情報Ｅ２）を報知する手段であり、前記報知手段は、前記異常判定手段によって、前記第一の電子部品または前記第二の電子部品のうち一方の電子部品について異常が発生したと判定された場合、前記第一の電子部品と前記第二の電子部品に共通した異常を解消するための情報（例えば、図８に示す異常解消示唆情報Ｅ２）を報知する手段である、ことを特徴とする遊技台である。

このような構成によれば、１つの異常判定処理で複数の異常解消示唆情報を報知することができる場合がある。すなわち、複数の情報記憶手段が個別に異常判定手段に接続されていた場合、異常があった場合に、配線（配線経路７３２´，接続手段７３０´，コネクタ７２６´，７２８´）の確認およびその補正を、個別に（１つずつセットで）行う必要があるが、本実施形態によれば、複数の情報記憶手段が１つのコネクタを介して異常判定手段に接続している（複数の情報記憶手段を実装する基板に設けられた１つのコネクタが、異常判定手段を実装する基板に設けられた他の１つのコネクタに接続している）ので、１つ（互いに接続する１組）のコネクタの接続異常によって、複数の情報記憶手段の異常判定が可能となり、効率良く複数の異常解消示唆情報を報知することができる場合がある。

また、上記実施形態においては、メダル（コイン）を遊技媒体としたスロットマシン１００の例を示したが、これに限るものではなく、遊技球（例えば、パチンコ玉）を遊技媒体としたスロットマシンにも適用可能である。また、スロットマシンは、メダルを使用せずに電子データのやり取りのみ行うスロットマシンであってもよく、この場合、遊技媒体は、メダルに相当する電子化したデータを含むものであり、遊技媒体の投入は、所定の外部装置（電子貯留装置）から、電子化したデータを入力することを含むものであり、遊技媒体の払出は、所定の外部装置（電子貯留装置）へ、電子化したデータを出力することを含むものである。

また、本発明を、アレンジボール遊技機、じゃん球遊技機、ピンボールマシン、に適用してもよい。また、本発明を、遊技媒体の投入を契機として遊技可能となる遊技機（例えば、カジノマシン、ビデオゲームマシン、封入式のパチンコ遊技機）、遊技媒体自体を遊技に使用する遊技機（例えば、メダル落としゲーム機）に適用してもよい。ここで、「遊技媒体の投入」とは「賭ける」を意味し、「ベット」とも同意である。「遊技媒体の投入」は、「通貨の投入」や「電子マネーの投入」を含む。カジノマシンとは、通貨の投入により遊技が開始可能となり、抽選結果が当選の場合に、該当選結果に対応付けられて設定された図柄が停止し、遊技者に特典となる払出しを行う、カジノマシンである。

また、本発明に係る遊技台は、封入式遊技機に適用することもできる。ここで、「封入式遊技機」は、遊技機内に封入された遊技球を循環使用するものである。封入式遊技機は、封入した球を発射球として使用し、球の払出はクレジットによって実行されるものであってもよい。

また、主制御部、第１副制御部、および第２副制御部をワンチップで構成してもよいし、主制御部と第１副制御部で双方向の通信が可能に構成してもよい。また、主制御部と第１副制御部で双方向の通信を可能とする一方で、第１副制御部から第２副制御部への通信は一方向の通信としてもよい。

また、本発明の実施の形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。また、実施形態に記載した複数の構成のうち、１つの構成に記載している内容を、他の構成に適用することでより遊技の幅を広げられる場合がある。

本発明に係る遊技台は、回胴遊技機（スロットマシン）や弾球遊技機（パチンコ機）などに代表される遊技台に適用することができる。

１００ スロットマシン
１５７ 演出画像表示装置
３００ 主制御部
４００ 第１副制御部
５００ 第２副制御部
７２０ 補助電源
７２２ 補助電源基板

Claims (3)

1. 操作デバイスの制御を含む遊技制御を実行する遊技制御手段を少なくとも備えた遊技制御部と、
   前記遊技制御部に電力を供給する電力供給手段と、
   を備えた遊技台であって、
   前記電力供給手段から供給される電力によって少なくとも前記遊技制御に伴う遊技情報を保持する揮発性の情報記憶手段と、
   前記情報記憶手段に保持されている遊技情報が正常に保持されているか否かを判定する異常判定手段と、
   前記異常判定手段による判定が異常であった場合、異常を解消するための情報を報知する第一の報知手段と、
   前記異常を解消するための情報が報知されなかった場合、前記情報記憶手段に記憶されている情報に補正が必要か否かを判定する補正判定手段と、
   前記補正判定手段によって補正の必要があると判定された場合、補正が必要である旨の情報を報知する第二の報知手段と、
   を備えたことを特徴とする遊技台。
2. 請求項１記載の遊技台であって、
   前記遊技台は、前記揮発性の情報記憶手段を含む複数の情報記憶手段を備え、
   前記複数の情報記憶手段は、着脱可能な一つのコネクタを介して前記異常判定手段に接続される手段であり、
   前記第一の報知手段は、前記異常判定手段による判定が異常であった場合、前記コネクタの接続に関する情報を報知する手段である、
   ことを特徴とする遊技台。
3. 請求項１又は請求項２に記載の遊技台であって、
   前記情報記憶手段は、前記電力供給手段から供給される電力の電圧が所定の値未満であった場合に実行される電断処理に関する情報を記憶する第一の情報記憶手段と、少なくとも日付または時刻のいずれか一方で構成される計時情報を記憶可能な第二の情報記憶手段と、を含む手段であり、
   前記異常判定手段は、前記第一の情報記憶手段に保持されている遊技情報が正常に保持されていない場合に異常と判定する手段であり、
   前記補正判定手段は、前記第一の報知手段によって異常を解消するための情報が報知されておらず、かつ前記第二の情報記憶手段に記憶されている情報に補正が必要と判定した場合に、補正が必要である旨の情報を報知する手段であり、
   前記遊技制御手段は、前記操作デバイスの操作に基づいて、前記計時情報を補正可能な計時情報補正手段を含む手段である、
   ことを特徴とする遊技台。