JP2016180363A - 車両制御装置 - Google Patents

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Yohei Hareyama
陽平 晴山
近藤 真実
Masamitsu Kondo
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Abstract

【課題】気筒休止運転を実行可能なエンジンの燃料消費量の増加を抑制することができる車両制御装置を提供する。
【解決手段】複数の気筒を有し、一部の気筒で燃焼を休止する気筒休止運転および全ての気筒で燃焼を実行する全気筒運転が可能なエンジンと、エンジンを制御する制御部と、を備え、制御部は、エンジンのパワーが所定パワー未満となると気筒休止運転を開始し、制御部は、気筒休止運転の実行中(ステップS10−Y)にパワーが所定パワー以上(ステップS20−Y)となると、気筒休止運転を継続しながら、パワーが所定パワーとなった時点で全気筒運転に切り替えたと仮定した場合の燃料消費量の積算値を推定し(ステップS40)、パワーが所定パワーとなってからの気筒休止運転による燃料消費量の積算値と推定値との差分が所定量以上(ステップS50−Y)となると全気筒運転に切り替える(ステップS60)。
【選択図】図8

Description

本発明は、車両制御装置に関する。
従来、エンジンの一部の気筒で燃焼を休止する技術がある。このような運転を実行する車両制御装置として、特許文献1には、パワープラントトルクに対する目標トルクが休筒上限トルクを超えた場合であっても、車両の乗員が違和感を感じることがない程度の減速を許容することによって休筒運転を継続させ、休筒運転から全筒運転へと切り換えるタイミングを遅延させることによって燃費を向上させるハイブリッド車両の制御装置の技術が開示されている。
特開2005−042699号公報
一部の気筒で燃焼を休止する気筒休止運転と、全ての気筒で燃焼を実行する全気筒運転との間で運転状態の切替えがなされる場合、トルク変動の抑制等のために一時的に燃料消費量が増加する。このため、運転状態の切替えが適切になされないと燃料消費量の増加を招く可能性がある。例えば、運転状態の切替えが繰り返されるハンチングが発生すると、燃料消費量の増加を招いてしまう。
本発明の目的は、気筒休止運転を実行可能なエンジンの燃料消費量の増加を抑制することができる車両制御装置を提供することである。
本発明の車両制御装置は、複数の気筒を有し、一部の気筒で燃焼を休止する気筒休止運転および全ての気筒で燃焼を実行する全気筒運転が可能なエンジンと、前記エンジンを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記エンジンのパワーが所定パワー未満となると前記気筒休止運転を開始し、前記制御部は、前記気筒休止運転の実行中に前記パワーが前記所定パワー以上となると、前記気筒休止運転を継続しながら、前記パワーが前記所定パワーとなった時点で前記全気筒運転に切り替えたと仮定した場合の燃料消費量の積算値を推定し、前記パワーが前記所定パワーとなってからの前記気筒休止運転による燃料消費量の積算値と前記推定値との差分が所定量以上となると前記全気筒運転に切り替えることを特徴とする。
上記車両制御装置は、気筒休止運転の実行中にパワーが所定パワー以上となると、気筒休止運転を継続しながら、パワーが所定パワーとなった時点で全気筒運転に切り替えたと仮定した場合の燃料消費量の積算値を推定し、パワーが所定パワーとなってからの気筒休止運転による燃料消費量の積算値と推定値との差分が所定量以上となると全気筒運転に切り替える。気筒休止運転を継続することによる燃料消費量の増分が所定量以上となってから全気筒運転への切替えがなされることで、運転状態のハンチング等が抑制される。よって、運転状態の切替えに伴う燃料消費量の増加が抑制される。
本発明に係る車両制御装置は、気筒休止運転の実行中にパワーが所定パワー以上となると、気筒休止運転を継続しながら、パワーが所定パワーとなった時点で全気筒運転に切り替えたと仮定した場合の燃料消費量の積算値を推定し、パワーが所定パワーとなってからの気筒休止運転による燃料消費量の積算値と推定値との差分が所定量以上となると全気筒運転に切り替える。これにより、運転状態のハンチング等が抑制されるため、運転状態の切替えに伴う燃料消費量の増加が抑制されるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る車両の概略構成図である。 図2は、全気筒運転から気筒休止運転への移行に係るタイムチャートである。 図3は、気筒休止運転から全気筒運転への移行に係るタイムチャートである。 図4は、全気筒運転に係る燃費マップを示す図である。 図5は、気筒休止運転に係る燃費マップを示す図である。 図6は、合成燃費マップを示す図である。 図7は、実施形態の気筒休止運転からの復帰条件を説明する図である。 図8は、実施形態の制御に係るフローチャートである。 図9は、実施形態の制御に係るタイムチャートである。 図10は、実施形態の第1変形例に係るフローチャートである。 図11は、実施形態の第1変形例に係るタイムチャートである。 図12は、実施形態の第1変形例に係る他のタイムチャートである。 図13は、低アクセル開度の場合の全気筒運転への移行を説明する図である。 図14は、高アクセル開度の場合の全気筒運転への移行を説明する図である。 図15は、実施形態の第2変形例に係るフローチャートである。 図16は、実施形態の第2変形例に係るタイムチャートである。 図17は、実施形態の第2変形例に係る他のタイムチャートである。 図18は、実施形態の第3変形例における運転状態の切替えを説明する図である。 図19は、実施形態の第3変形例に係るフローチャートである。 図20は、実施形態の第3変形例に係るタイムチャートである。 図21は、実施形態の第4変形例における運転状態の切替えを説明する図である。 図22は、実施形態の第4変形例に係るフローチャートである。 図23は、実施形態の第4変形例に係るタイムチャートである。
以下に、本発明の実施形態に係る車両制御装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1から図9を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、車両制御装置に関する。図1は、本発明の実施形態に係る車両の概略構成図である。
図1に示すように、実施形態に係る車両100は、車両制御装置1と、トルクコンバータ20と、無段変速機30とを含む。本実施形態の車両制御装置1は、エンジン10と、ECU50とを含む。ECU50は、エンジン10を制御する制御部としての機能を有している。
エンジン10は、複数の気筒を有する多気筒エンジンである。本実施形態のエンジン10は、4つの気筒を有している。エンジン10の吸気通路12には、スロットルバルブ13が配置されている。スロットルバルブ13によって、エンジン10の各気筒に吸入される空気量が調節される。スロットルアクチュエータ14は、スロットルバルブ13の開度を調節する。
エンジン10は、燃料の燃焼エネルギーをクランクシャフト60の回転運動に変換する。本実施形態のエンジン10は、気筒休止運転および全気筒運転をそれぞれ実行可能である。気筒休止運転は、エンジン10において一部の気筒で燃焼を休止する運転制御である。一方、全気筒運転は、エンジン10の全ての気筒で燃焼を実行する運転制御である。本実施形態のエンジン10は、気筒休止運転において、4つの気筒のうち2つの気筒において燃焼を休止する。
エンジン10のクランクシャフト60は、トルクコンバータ20を介して無段変速機30の入力軸70に接続されている。無段変速機30は、プライマリプーリ31と、セカンダリプーリ32と、ベルト33を有する。プライマリプーリ31は、入力軸70に接続されている。セカンダリプーリ32は、無段変速機30の出力軸80に接続されている。無端のベルト33は、プライマリプーリ31およびセカンダリプーリ32に巻き掛けられている。出力軸80は、デファレンシャルギヤ18およびドライブシャフト19を介して左右の駆動輪90に接続されている。
油圧制御装置40は、プライマリプーリ31に供給する油圧およびセカンダリプーリ32に供給する油圧を制御する。油圧制御装置40は、これらの油圧を制御することにより無段変速機30の変速比を変化させる。
ECU50は、車両100を制御する制御装置であり、例えば電子制御ユニットである。ECU50は、エンジン10の燃料噴射制御、点火制御等を実行する。ECU50は、スロットルアクチュエータ14にスロットルバルブ13の開度制御を実行させる。また、ECU50は、油圧制御装置40によって無段変速機30の変速制御を実行させる。ECU50には、アクセルポジションセンサ11、スロットルポジションセンサ15、エンジン回転数センサ17、車速センサ51、および油温センサ52が接続されている。アクセルポジションセンサ11は、アクセル開度を検出する。スロットルポジションセンサ15は、スロットルバルブ13の開度を検出する。エンジン回転数センサ17は、エンジン10の回転数(回転速度)を検出する。車速センサ51は、車両100の走行速度を検出する。油温センサ52は、エンジン10の油温を検出する。各センサ11,15,17,51,52の検出結果を示す信号は、ECU50に出力される。
本実施形態のECU50は、全気筒運転の実行中に予め定められた開始条件が成立すると、エンジン10の運転状態を全気筒運転から気筒休止運転に切り替える。本実施形態の開始条件は、エンジン10の運転状態に関するパラメータが所定値未満となる条件である。具体的には、エンジン10の動作点を示すエンジン回転数NEおよびエンジントルクTEに基づいて気筒休止運転への切り替え判断がなされる。本実施形態のECU50は、エンジン10のパワーが所定パワー未満となると、開始条件が成立したと判断する。ECU50は、開始条件が成立すると、エンジン10の気筒のうち、予め定められた2つの気筒の燃焼を休止させる。また、エンジン10は、気筒休止運転の実行中に予め定められた復帰条件が成立すると、エンジン10の運転状態を気筒休止運転から全気筒運転に切り替える。
ここで、以下に図2および図3を参照して説明するように、全気筒運転から気筒休止運転へ移行する場合、および気筒休止運転から全気筒運転へ移行する場合には、それぞれ一時的にエンジン10の燃料消費量が増加する。本実施形態の車両制御装置1では、移行時の燃料消費量の増加量を考慮して復帰条件が定められており、燃費の低下を抑制することができる。
図2のタイムチャートには、全気筒運転から気筒休止運転へ移行する際の動作が示されている。図2には、(a)エンジントルク、(b)1気筒当りの空気量、(c)点火時期、および(d)燃焼を行う気筒の合計空気量が示されている。合計空気量は、例えば、単位時間当りや1サイクル当りに燃焼気筒に吸入される空気量の合計である。
時刻t1に全気筒運転から気筒休止運転への移行が開始される。ECU50は、スロットルバルブ13の開度を増加させて1気筒当りの空気量を増加させる。空気量の増加に応じて、燃料噴射量も増加する。ECU50は、エンジントルクTEの変動を抑制するために、点火時期を徐々に遅角させていく。ECU50は、時刻t2に1気筒当りの空気量が目標空気量まで増加すると、2つの気筒の燃焼を休止させて気筒休止運転を開始する。目標空気量は、例えば、全気筒運転時の空気量の約2倍である。ECU50は、気筒休止運転の開始と同期して点火遅角制御を終了する。時刻t1から時刻t2までの切替え期間には、一時的にエンジン10の燃料消費量が増加する。この増加量ΔGfaは、下記式(1)によって算出される。ここで、Gf1:時刻t2における燃料噴射量の増加分である。
ΔGfa = 0.5×Gf1×(t2−t1)…(1)
図3のタイムチャートには、気筒休止運転から全気筒運転へ移行する際の動作が示されている。時刻t3に気筒休止運転から全気筒運転への移行が開始される。ECU50は、時刻t3にエンジン10の全ての気筒で燃焼を開始させると共に、スロットルバルブ13の開度を減少させて1気筒当りの空気量を減少させていく。時刻t3に燃焼気筒数が2気筒から4気筒に変化することで、合計空気量および燃料消費量が急増する。ECU50は、燃焼気筒数の増加によるエンジントルクの変動を抑制するために点火時期を遅角させ、その後に徐々に進角させていく。時刻t4に1気筒当りの空気量が目標値まで低下する。時刻t3から時刻t4までの切替え期間には、一時的にエンジン10の燃料消費量が増加する。この増加量ΔGfbは、下記式(2)によって算出される。ここで、Gf2:時刻t3における燃料噴射量の増加分である。
ΔGfb = 0.5×Gf2×(t4−t3)…(2)
本実施形態の車両制御装置1では、以下に説明するように、気筒休止運転から全気筒運転への切替えに必要となる燃料消費量の増加分ΔGfbに基づいて、2つの運転状態の切替え判断にヒステリシスが設定されている。これにより、最適な切替え判断を行って燃料消費量を抑制することが可能となっている。
まず、図4に示す全気筒運転に係る燃費マップについて説明する。図4において、横軸はエンジン回転数NE、縦軸はエンジントルクTEを示す。等燃費線Lc1,Lc2,Lc3は、全気筒運転において燃費が等しくなる動作点を結んだ曲線である。等燃費線Lc3から等燃費線Lc1へ向けて中心側ほど単位時間当りの燃料消費量が少なくなる。エンジン10には、全気筒運転の最適燃費線である第一最適燃費線Lx1が定められている。なお、等パワー線Lp1は、エンジン10の出力パワーが等しくなる動作点を結んだものである。
図5には、気筒休止運転に係る燃費マップが示されている。破線B1で囲まれた領域Rkは、気筒休止運転が許容される領域(以下、「休止許容領域」と称する。)である。休止許容領域Rkは、中低トルクの領域である。等燃費線Lc4,Lc5,Lc6は、この順番で単位時間当りの燃料消費量が多くなる。エンジン10には、気筒休止運転の最適燃費線である第二最適燃費線Lx2が定められている。
図6には、2つの燃費マップを合成した合成燃費マップが示されている。全気筒運転から気筒休止運転への移行は、第一移行線Ls1に沿って実行される。第一移行線Ls1は、等パワー線Lp1における第一最適燃費線Lx1との交点C1と、第二最適燃費線Lx2との交点C2との間の区間である。ECU50は、全気筒運転の実行中に、エンジン10のパワー(以下、単に「エンジンパワー」と称する。)が等パワー線Lp1のパワーまで低下すると、気筒休止運転の開始条件が成立したと判定する。ECU50は、開始条件が成立すると、エンジン10の動作点を交点C1から第一移行線Ls1に沿って交点C2まで変化させる。ECU50は、エンジン10の動作点の変化と同時に無段変速機30をダウンシフトさせてエンジン回転数NEを上昇させる。また、ECU50は、第一移行線Ls1上のいずれかの動作点、例えば交点C2において、エンジン10の運転状態を全気筒運転から気筒休止運転に切替える。
本実施形態の車両制御装置1では、図7を参照して説明するように、気筒休止運転からの復帰条件にヒステリシスが設けられている。ECU50は、気筒休止運転の実行中にエンジンパワーが等パワー線Lp1のパワー(所定パワー)以上となると、気筒休止運転を継続しながら、燃料消費量の仮定積算値Xおよび実積算値Yを算出する。仮定積算値Xは、エンジンパワーが所定パワーとなった時点で気筒休止運転から全気筒運転に切替えたと仮定した場合の燃料消費量の推定値である。実積算値Yは、エンジンパワーが所定パワーとなってからの気筒休止運転による燃料消費量の積算値であり、実際にエンジン10が消費した燃料消費量である。
エンジンパワーが所定パワー以上であると、気筒休止運転による燃料消費量が全気筒運転による燃料消費量よりも多くなりやすい。一方、気筒休止運転から全気筒運転へ移行する際には、一時的に燃料消費量が増加する。このため、エンジンパワーが所定パワー以上となったからといって即座に全気筒運転への切替えがなされてしまうと、燃費の低下につながる可能性がある。また、気筒休止運転と全気筒運転の間で頻繁に運転状態が切り替わるハンチングが発生することは好ましくない。
本実施形態のECU50は、実積算値Yと仮定積算値Xとの差分が所定量未満である間は気筒休止運転を継続し、当該差分が所定量以上となると全気筒運転に切替える。所定量は、気筒休止運転から全気筒運転へ移行する際の燃料消費量の増加量(以下、単に「復帰時の増加量」と称する。)ΔGfbのN倍(Nは実数)である。所定量は、ヒステリシス領域で気筒休止運転を行うときの燃料悪化最大量である。所定量は、適合実験の結果等に基づいて、運転状態のハンチングを抑制しつつ最適なタイミングで全気筒運転に復帰させてエンジン10の燃費を最大限向上させることができるように定められる。
ECU50は、以下の式(3)が成立すると、復帰条件が成立したと判定する。すなわち、ECU50は、全気筒運転に復帰した場合と比較したときの気筒休止運転による燃料消費量の増加分が、燃料悪化最大量以上となると、気筒休止運転から全気筒運転に切替える。これにより、燃費の低下を抑制しつつ最適なタイミングで気筒休止運転を終了させることができる。例えば、気筒休止運転の実行中に一時的にエンジンパワーが所定パワーを超えた後ですぐにエンジンパワーが所定パワー未満に低下したとする。この場合、気筒休止運転を継続したままであれば、エンジン10の運転状態の切替えに伴う燃料消費量の増加分(ΔGfb,ΔGfa)を無駄に消費しなくて済む。一方で、エンジンパワーが所定パワーを超えた状態が続く場合は、下記式(3)が成立した時点で全気筒運転に復帰することで、それ以上の燃料消費量の増加を抑制することができる。
(Y−X)≧N×ΔGfb…(3)
なお、本実施形態では、図7に示すように、気筒休止運転から全気筒運転への切替えを判断する動作点(以下、「切替え点」と称する。)C3が設けられている。切替え点C3は、気筒休止運転を継続した場合に上記式(3)の条件が成立する可能性が高い動作点として実験結果に基づいて定められている。交点C2から気筒休止運転による加速がなされた場合に、エンジン10の動作点が切替え点C3まで変化すると、気筒休止運転による燃料消費量の増加分が、燃料悪化最大量以上となる可能性が高い。ECU50は、エンジン10の動作点が切替え点C3となると、動作点を第二移行線Ls2に沿って第一最適燃費線Lx1上の動作点C4まで変化させる。第二移行線Ls2は、例えば、等パワー線上に設定される。ECU50は、第二移行線Ls2上の何れかのタイミング、例えば動作点C4で全気筒運転への切替えを実行する。
図8および図9を参照して、実施形態の動作について説明する。図9のタイムチャートには、(a)エンジンパワー、(b)エンジントルクTE、(c)エンジン回転数NE、(d)積算燃料消費量の差分(Y−X)、および(e)運転状態切替えフラグが示されている。図8のフローチャートは、エンジン10の運転中に所定の間隔で繰り返し実行される。
ステップS10において、ECU50は、気筒休止運転中であるか否かを判定する。ECU50は、例えば、運転状態切替えフラグの値を参照する。本実施形態の運転状態切替えフラグは、気筒休止運転を実行する場合にOFFとされ、全気筒運転を実行する場合にONとされるフラグである。ステップS10で気筒休止運転中であると肯定判定された場合(ステップS10−Y)にはステップS20に進み、否定判定された場合(ステップS10−N)には今回の制御プロセスが終了する。
ステップS20において、ECU50は、エンジンパワーが所定パワー以上であるか否かを判定する。図9では、時刻t11にエンジンパワーが所定パワー以上となる。ステップS20において肯定判定された場合(ステップS20−Y)にはステップS30に進み、否定判定された場合(ステップS20−N)には今回の制御プロセスが終了する。
ステップS30において、ECU50は、実積算値Yを算出する。ECU50は、エンジン10の現在の動作点と気筒休止運転に係る燃費マップ(図5)から現在の燃料消費量の瞬時値を算出する。ECU50は、この瞬時値を積算することにより、実積算値Yを求める。ステップS30が実行されると、ステップS40に進む。
ステップS40において、ECU50は、仮定積算値Xを算出する。ECU50は、エンジン10の現在のエンジンパワーから、現在全気筒運転を実行していると仮定した場合の動作点(以下、「仮定動作点」と称する。)を決定する。仮定動作点は、現在のエンジンパワーに対応する等パワー線と第一最適燃費線Lx1との交点である。ECU50は、仮定動作点と、全気筒運転に係る燃費マップ(図4)から燃料消費量の瞬時値を算出する。ECU50は、この瞬時値を積算することにより、仮定積算値Xを求める。ステップS40が実行されると、ステップS50に進む。
ステップS50において、ECU50は、実積算値Yと仮定積算値Xとの差分が燃料悪化最大量(N×ΔGfb)以上であるか否かを判定する。ステップS50で肯定判定された場合(ステップS50−Y)にはステップS60に進み、否定判定された場合(ステップS50−N)にはステップS30に移行する。
ステップS60において、ECU50は、気筒休止運転と全気筒運転の切替えを実施する。ECU50は、運転状態切替えフラグをOFFからONに切替え、気筒休止運転を終了して全気筒運転を開始する。図9では、時刻t12に気筒休止運転から全気筒運転への切替えが実行される。ステップS60が実行されると今回の制御プロセスが終了する。
以上説明したように、本実施形態の車両制御装置1のECU50は、気筒休止運転の実行中(ステップS10−Y)にエンジンパワーが所定パワー以上(ステップS20−Y)となると、気筒休止運転を継続しながら、エンジンパワーが所定パワーとなった時点で全気筒運転に切り替えたと仮定した場合の燃料消費量の積算値(仮定積算値X)を推定し(ステップS40)、エンジンパワーが所定パワーとなってからの気筒休止運転による燃料消費量の積算値(実積算値Y)と上記推定値(仮定積算値X)との差分が所定量以上(ステップS50−Y)となると全気筒運転に切り替える(ステップS60)。本実施形態の車両制御装置1によれば、気筒休止運転の開始条件に係るパラメータの値と、気筒休止運転を終了する復帰条件に係るパラメータの値にヒステリシスが設けられている。また、このヒステリシスは、気筒休止運転を継続することによる燃料消費量の増分が所定量を超えないように、気筒休止運転から全気筒運転へ切替える際の復帰時の増加量ΔGFbに基づいて設定されている。よって、本実施形態の車両制御装置1は、エンジン10の燃料消費量の増加を抑制することができる。
なお、ドライバビリティの優先度合いを上げ、その分燃費向上の優先度合いを下げる場合、|Y−X|>(N×ΔGfb)として、全気筒運転中に第一最適燃費線Lx1から外れて低回転までヒス領域を広げ、全気筒運転から気筒休止運転に移行させるようにしてもよい。
[実施形態の第1変形例]
実施形態の第1変形例について説明する。図10は、実施形態の第1変形例に係るフローチャート、図11は、実施形態の第1変形例に係るタイムチャートである。全気筒運転と気筒休止運転の切替え判断は、エンジンパワーに代えて、エンジン10の運転状態に係る少なくとも1つのパラメータの値に基づいてなされてもよい。第1変形例のパラメータは、エンジントルクTEである。所定トルクTE1よりも高トルク側の領域は基本的に全気筒運転のトルク領域であり、所定トルクTE1以下の領域は、気筒休止運転のトルク領域である。従って、エンジントルクTEが所定トルクTE1となると、全気筒運転と気筒休止運転の切替え判断がなされる。ただし、気筒休止運転から全気筒運転へ移行する場合には、エンジントルクTEにヒステリシスが設けられている。
図11のタイムチャートには、(a)車速、(b)エンジン回転数、(c)エンジントルク、および(d)加速度が示されている。図11において、各欄の実線は本変形例の制御がなされた場合の値の推移を示し、破線は比較例の値の推移を示す。比較例では、ヒステリシスは設けられておらず、所定トルクTE1を閾値として全気筒運転と気筒休止運転の切替えがなされる。
時刻t21の前にエンジントルクTEが所定トルクTE1を超えると、比較例では全気筒運転への切替えがなされる。全気筒運転への切替え直後に減速操作がなされてエンジントルクTEが低下し、比較例では時刻t22に気筒休止運転への切替えがなされる。なお、このときの切替え判断は、現在のエンジンパワーと等パワーで全気筒運転から気筒休止運転へ移行した場合にエンジントルクTEが所定トルクTE1となるか否かに基づく。気筒休止運転が開始されてから再加速の操作がなされて、時刻t23にエンジントルクTEが所定トルクTE1を超え、比較例では再び全気筒運転への切替えがなされる。このように加減速が繰り返される場合、比較例では運転状態の切替えが頻繁に発生してしまう。
一方、本変形例の制御では、時刻t21にエンジントルクTEが所定トルクTE1を超えても、全気筒運転への切替えはなされない。本変形例では、エンジントルクTEが所定トルクTE1よりも大きい閾値TE2を超えるまで、全気筒運転への切替えが実行されない。図11では、エンジントルクTEが閾値TE2を超えることなく所定トルクTE1未満となることで、気筒休止運転が継続される。時刻t23にエンジントルクTEが所定トルクTE1を超え、更に時刻t24に閾値TE2を超えると、全気筒運転への切替えが実行される。これにより、エンジン10の運転状態のハンチングが抑制される。本変形例の制御によれば、比較例に比べて、全気筒運転と気筒休止運転の切替え頻度が低減する。よって、切替えに伴うエンジン回転数NEの変化による騒音・振動の発生や、エンジン動作点の変化(加速度の変動)によるショックの発生が抑制される。
図10を参照して、第1変形例の制御について説明する。図10のフローチャートは、エンジン10において気筒休止運転が実行されている場合に所定の間隔で繰り返し実行される。ステップS100において、ECU50は、気筒休止運転から全気筒運転への切替え判断が成立したか否かを判定する。ECU50は、エンジントルクTEが所定トルクTE1以上であると、ステップS100で肯定判定する。ステップS100において肯定判定された場合(ステップS100−Y)にはステップS110に進み、否定判定された場合(ステップS100−N)には今回の制御プロセスが終了する。
ステップS110において、ECU50は、設定されたヒスを超えたか否かを判定する。第1変形例のヒステリシス幅は、閾値TE2と所定トルクTE1との差分である。ECU50は、エンジントルクTEが閾値TE2を超えている場合にステップS110で肯定判定する。ステップS110で肯定判定された場合(ステップS110−Y)にはステップS120に進み、否定判定された場合(ステップS110−N)にはステップS110の判定が繰り返される。
ステップS120において、ECU50は、気筒休止運転から全気筒運転への切替えを実行する。ステップS120が実行されると、今回の制御プロセスが終了する。
なお、運転状態の切替え判断のためのパラメータは、エンジントルクTEに限らず、例えば、アクセル開度ACC、エンジン回転数NE、車速SPD、およびエンジン油温THO等であってもよい。また、図12を参照して説明するように、パラメータにおいて、気筒休止運転が許可される下限値が設けられてもよい。図12では、パラメータの一例として縦軸にエンジントルクTEが示されている。所定値TE3は、気筒休止運転が許可されるエンジントルクTEの下限値である。エンジントルクTEが所定値TE3以下となると、気筒休止運転から全気筒運転への切替えが実行される。また、全気筒運転の実行中にエンジントルクTEが所定値TE3を超えると、気筒休止運転への切替え判断がなされる。ただし、エンジントルクTEが所定値TE3よりも大きな閾値TE4以上となるまでは、全気筒運転への切替えは実行されない。
[実施形態の第2変形例]
実施形態の第2変形例について説明する。第2変形例において、上記実施形態と異なる点は、アクセル開度ACCに基づいて気筒休止運転から全気筒運転への切替え条件が変更される点である。図13を参照して、アクセル開度ACCが低開度である場合の切替え判断について説明する。アクセル開度ACCが低開度であり、緩やかに加速している場合、エンジン10の動作点の変動が小さい。このような走行状態では、動作点がいずれは切替え点C3に移動すると考えられるが、切替え点C3に到達するまでに多くの時間を要する可能性が高い。切替え点C3に到達するまでの気筒休止運転の実行時間が長くなると、実積算値Yと仮定積算値Xとの差分が大きくなり、燃料消費量が増加してしまう。
これに対して、第2変形例では、アクセル開度ACCが低開度である場合、ヒステリシス領域での気筒休止運転の実行時間が閾値以上となると全気筒運転への切替えが実行される。これにより、燃費の低下が抑制される。図13では、動作点が交点C2と切替え点C3との間の点C5となったときに全気筒運転への切替え判断がなされる。動作点の移動は、点C5を通る等パワー線に沿って行われる。
図14を参照して、アクセル開度ACCが高開度である場合について説明する。アクセル開度ACCが高開度であり、要求されるエンジンパワーが気筒休止運転で実現可能なパワーよりも大きな場合、即座に全気筒運転への切替えがなされる。例えば、動作点が図14に示す点C6にある状態からアクセルペダルが踏み込まれ、要求エンジンパワーが気筒休止運転で実現可能なパワーを超えたとする。この場合、ECU50は、即座に気筒休止運転から全気筒運転への切替えを実行し、動作点を要求エンジンパワーに対応する点C7まで変化させる。このときの動作点の移動経路は、等パワー線に沿ったものではなく、最短経路とされる。これにより、加速応答性が向上する。
アクセル開度ACCが低開度と高開度との間の中開度である場合、上記実施形態と同様のヒステリシスによって全気筒運転への切替えがなされる。図15から図17を参照して、第2変形例の制御について説明する。図15のフローチャートは、エンジン10の運転中に所定の間隔で繰り返し実行される。図16のタイムチャートには、(a)エンジンパワー、(b)エンジントルクTE、(c)エンジン回転数NE、(d)積算燃料消費量の差分(Y−X)、(e)ヒステリシス領域での運転継続時間、および(f)運転状態切替えフラグが示されている。
ステップS200において、ECU50は、気筒休止運転中であるか否かを判定する。ステップS200で肯定判定された場合(ステップS200−Y)にはステップS210に進み、否定判定された場合(ステップS200−N)には今回の制御プロセスが終了する。
ステップS210において、ECU50は、要求パワーが気筒休止運転で実現可能なパワー未満であるか否かを判定する。ECU50は、アクセル開度ACCや車速等から算出された要求パワーの値が、気筒休止運転で実現可能な最大パワー未満である場合にステップS210で肯定判定する。ステップS210で肯定判定された場合(ステップS210−Y)にはステップS220に進み、否定判定された場合(ステップS210−N)にはステップS270に進む。
ステップS220において、ECU50は、実積算値Yを算出する。ECU50は、エンジンパワーが交点C2のパワー以上となると、実積算値Yの積算を開始する。実積算値Yの算出方法は、上記実施形態と同様である。ステップS220が実行されると、ステップS230に進む。
ステップS230において、ECU50は、仮定積算値Xを算出する。ECU50は、エンジンパワーが交点C2のパワー以上となると、仮定積算値Xの積算を開始する。仮定積算値Xの算出方法は、上記実施形態と同様である。ステップS230が実行されると、ステップS240に進む。
ステップS240において、ECU50は、実積算値Yと仮定積算値Xとの差分が燃料悪化最大量(N×ΔGfb)以上であるか否かを判定する。ステップS240で肯定判定された場合(ステップS240−Y)にはステップS260に進み、否定判定された場合(ステップS240−N)にはステップS250に進む。
ステップS250において、ECU50は、気筒休止運転の継続時間が閾値よりも大であるか否かを判定する。この継続時間は、実積算値Yおよび仮定積算値Xの積算を開始した時点からの経過時間である。図16では、時刻t31に気筒休止運転の継続時間が計測され始める。ステップS250の閾値は、例えば、アクセル開度ACCが中開度である場合にエンジン10の動作点が交点C2から切替え点C3まで変化するために要する時間あるいはこれよりもわずかに長い時間である。アクセル開度ACCが低開度である場合、図16に示すように、実積算値Yと仮定積算値Xとの差分が燃料悪化最大量(N×ΔGfb)に達する前の時刻t32に継続時間が閾値に到達する。よって、積算燃料消費量に基づく判定方法よりも全気筒運転への切替えが先出しされる。ステップS250において肯定判定された場合(ステップS250−Y)にはステップS260に進み、否定判定された場合(ステップS250−N)にはステップS210に移行する。
ステップS260において、ECU50は、気筒休止運転と全気筒運転の切替えを実施する。アクセル開度ACCが中開度である場合、ステップS240で肯定判定がなされてステップS260へと進み、全気筒運転への切替えがなされる。ステップS260が実行されると、今回の制御プロセスが終了する。
ステップS270において、ECU50は、気筒休止運転と全気筒運転の切替えを実施する。アクセル開度ACCが高開度である場合、ステップS270に進み、全気筒運転への切替えがなされる。図17に示すように、気筒休止運転の実行中に要求エンジンパワーが気筒休止運転で実現可能な最大パワーPmaxを超えると、即座に全気筒運転への切替えがなされる。ステップS270が実行されると、今回の制御プロセスが終了する。
[実施形態の第3変形例]
実施形態の第3変形例について説明する。第3変形例では、気筒休止運転の実行中に所定値以上の加速が要求されると、即座に全気筒運転への切替えがなされる。この場合に、全気筒運転から気筒休止運転への移行には燃料消費量に基づくヒステリシスが設けられる。これにより、燃費の悪化を抑制しつつ運転状態のハンチング抑制や加速応答性の向上によってドライバビリティを向上させることができる。
図18に示すC8点においてアクセルが踏み込まれて所定値以上の加速が要求された場合、交点C2よりも低パワー側の動作点であっても、即座に全気筒運転への切替えがなされる。ECU50は、エンジン10の動作点を点C8から等パワー線に沿って第一最適燃費線Lx1上の点C9へ変化させる。ここで、すぐに気筒休止運転への移行判断がなされてしまうと、運転状態のハンチングが生じてしまう。本実施形態のECU50は、全気筒運転への切替えがなされると、全気筒運転で実際に消費した燃料の積算値である実積算値Wと、全気筒運転への切替えを行わずに気筒休止運転を継続したと仮定した場合の燃料消費量の積算値である仮定積算値Zを算出する。ECU50は実積算値Wと仮定積算値Zとの差分が、復帰時の増加量ΔGFbのN’倍(ただし、N’は実数)よりも大となると、気筒休止運転への切替えを実行する。図18では、点C10において積算燃料消費量の差分が所定の値となり、気筒休止運転への切替えがなされる。
図19および図20を参照して、第3変形例の制御について説明する。図19のフローチャートは、エンジン10の運転中に所定の間隔で繰り返し実行される。図20のタイムチャートには、(a)アクセル開度、(b)要求エンジンパワー、(c)運転状態切替えフラグ、(d)実積算値Wと仮定積算値Zの差分、および(e)加速度が示されている。なお、運転状態切替えフラグおよび加速度において、実線は第3変形例の制御に係る値の変化を示し、一点鎖線は、比較例に係る値の変化を示す。比較例は、例えば、従来の制御がなされた場合である。
ステップS300において、ECU50は、気筒休止運転中であるか否かを判定する。ステップS300で肯定判定された場合(ステップS300−Y)にはステップS310に進み、否定判定された場合(ステップS300−N)には今回の制御プロセスが終了する。
ステップS310において、ECU50は、アクセルが踏み増しされたか否かを判定する。ステップS310で肯定判定された場合(ステップS310−Y)にはステップS320に進み、否定判定された場合(ステップS310−N)には今回の制御プロセスが終了する。
ステップS320において、ECU50は、踏み増し分の要求パワーが所定の閾値以上であるか否かを判定する。ステップS320で肯定判定された場合(ステップS320−Y)にはステップS330に進み、否定判定された場合(ステップS320−N)には今回の制御プロセスが終了する。図20では、時刻t41にアクセル開度ACCに応じた要求エンジンパワーの増分が閾値を超えてステップS320で肯定判定がなされる。
ステップS330において、ECU50は、全気筒運転への切替えを実行する。ステップS330が実行されると、ステップS340に進む。
ステップS340において、ECU50は、実積算値Wを算出する。ECU50は、全気筒運転への切替えが実行されてからの全気筒運転による燃料消費量の積算値を算出する。ECU50は、例えば、現在の動作点に基づいて、燃費マップ(図4)から燃料消費量の瞬時値を算出する。ECU50は、この瞬時値を積算して実積算値Wを算出する。ステップS340が実行されると、ステップS350に進む。
ステップS350において、ECU50は、仮定積算値Zを算出する。ECU50は、全気筒運転への切替えを行わずに気筒休止運転を継続したと仮定した場合の燃料消費量の瞬時値を算出する。ECU50は、例えば、気筒休止運転を継続していたとすれば、現在のエンジン10の動作点は、現在のエンジンパワーに対応する等パワー線と第二最適燃費線Lx2との交点であると仮定する。ECU50は、この交点における燃料消費量の瞬時値を積算して仮定積算値Zを算出する。ステップS350が実行されると、ステップS360に進む。
ステップS360において、ECU50は、現在のエンジン10の動作点が最低燃費線上の点ではないかが判定される。ECU50は、現在の動作点が第一最適燃費線Lx1上の点でない場合にステップS360で肯定判定する。ステップS360で肯定判定された場合(ステップS360−Y)にはステップS370に進み、否定判定された場合(ステップS360−N)には今回の制御プロセスが終了する。
ステップS370において、ECU50は、実積算値Wと仮定積算値Zとの差分が燃料悪化最大量(N’×ΔGfb)以上であるか否かを判定する。ステップS370で肯定判定された場合(ステップS370−Y)にはステップS380に進み、否定判定された場合(ステップS370−N)にはステップS340へ移行する。図20では、時刻t44にステップS370で肯定判定がなされて全気筒運転から気筒休止運転への切替えがなされる。
ステップS380において、ECU50は、気筒休止運転への切替えを実行する。ステップS380が実行されると、今回の制御プロセスが終了する。
第3変形例の制御では、時刻t41に要求エンジンパワーが閾値を超えると、即座に全気筒運転への切替えがなされる。その後は、積算燃料消費量の差分(W−Z)が燃料悪化最大量以上となるまで、気筒休止運転への切替えがなされない。これにより、エンジン10の運転状態のハンチングが抑制され、加速応答性が向上することでドライバビリティが向上する。また、積算燃料消費量の差分を考慮して運転状態の切替えがなされることで、燃費の悪化が抑制される。これに対して、比較例では、エンジンパワーの大きさ等に基づいて時刻t42に全気筒運転への切替えが実行される。図20に示すように、要求パワーがピークとなるところで運転状態の切替えがなされることで加速要求に対する応答遅れが発生し、ドライバビリティの低下につながる可能性がある。また、全気筒運転が開始された直後の時刻t43にアクセル開度や要求パワーの低下に応じて気筒休止運転への切替えがなされる。運転状態が短時間の間に頻繁に切り替わることで、ドライバビリティの低下を招く。
[実施形態の第4変形例]
実施形態の第4変形例について説明する。図21は、実施形態の第4変形例における運転状態の切替えを説明する図である。第4変形例において、上記実施形態の第3変形例と異なる点は、全気筒運転においてエンジン10の動作点が最適燃費線から外れた場合には、経過時間に基づいて気筒休止運転への切替えがなされる点である。例えば、アクセル踏み込み直後は加速要求が大きくとも、その後の要求パワーの変化によっては著しい燃料消費量の悪化はないものの動作点が最適燃費線からずれてしまうことがある。第4変形例では、最適燃費線からずれた点での運転時間が長くなると、気筒休止運転への切替えが実行される。これにより、燃費の悪化が抑制される。
第4変形例では、上記第3変形例と同様に、気筒休止運転の実行中に所定値以上の加速が要求されると、即座に全気筒運転への切替えがなされる。図21では、点C11で所定値以上の加速が要求されて即座に全気筒運転への切替えがなされる。全気筒運転への切替え後に、エンジン10の動作点が第一最適燃費線Lx1から外れると、第一最適燃費線Lx1から外れた状態での経過時間がカウントされる。この経過時間が所定時間となると、図21に矢印Y1で示すように気筒休止運転への切替えが実行される。
図22および図23を参照して、実施形態の第4変形例の動作について説明する。図23のタイムチャートには、(a)アクセル開度、(b)要求エンジンパワー、(c)運転状態切替えフラグ、(d)実積算値Wと仮定積算値Zの差分、および(e)最適燃費線から外れた動作点での経過時間が示されている。図22のフローチャートは、エンジン10の運転中に所定の間隔で繰り返し実行される。
図22のフローチャートにおいて、ステップS300からステップS360までの処理は、上記第3変形例(図19)のステップS300からステップS360までの処理と同様である。第4変形例では、ステップS370において肯定判定された場合(ステップS370−Y)にはステップS380に進み、否定判定された場合(ステップS370−N)にはステップS390に進む。
ステップS390において、ECU50は、最適燃費線から外れた動作点で運転した経過時間が所定時間を超えたか否かを判定する。ステップS390において肯定判定された場合(ステップS390−Y)にはステップS380に進み、否定判定された場合(ステップS390−N)にはステップS340へ移行する。
ステップS380において、ECU50は、気筒休止運転への切替えを実行する。ステップS380が実行されると、今回の制御プロセスが終了する。
[実施形態の第5変形例]
上記実施形態および各変形例の制御は、気筒休止運転と全気筒運転との切替え以外に適用されてもよい。例えば、過給リーンバーンエンジンにおいて、リーン燃焼モードとその他の燃焼モード(一例として、ストイキ燃焼モード)との切替えがなされてもよい。
上記の実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
1 車両制御装置
10 エンジン
50 ECU(制御部)
90 駆動輪
100 車両
C3 切替え点
Lp1 等パワー線
Ls1 第一移行線
Ls2 第二移行線
Lx1 第一最適燃費線
Lx2 第二最適燃費線
Rk 休止許容領域
X,Z 仮定積算値
Y,W 実積算値
ΔGfb 復帰時の増加量

Claims (1)

  1. 複数の気筒を有し、一部の気筒で燃焼を休止する気筒休止運転および全ての気筒で燃焼を実行する全気筒運転が可能なエンジンと、
    前記エンジンを制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記エンジンのパワーが所定パワー未満となると前記気筒休止運転を開始し、
    前記制御部は、前記気筒休止運転の実行中に前記パワーが前記所定パワー以上となると、前記気筒休止運転を継続しながら、前記パワーが前記所定パワーとなった時点で前記全気筒運転に切り替えたと仮定した場合の燃料消費量の積算値を推定し、前記パワーが前記所定パワーとなってからの前記気筒休止運転による燃料消費量の積算値と前記推定値との差分が所定量以上となると前記全気筒運転に切り替える
    ことを特徴とする車両制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6270254B1 (ja) * 2016-10-26 2018-01-31 マツダ株式会社 エンジンの制御装置
CN110366635A (zh) * 2017-03-17 2019-10-22 马自达汽车株式会社 车辆的控制装置

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