JP2016180210A - 建築板 - Google Patents

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城本 浩之
Hiroyuki Shiromoto
浩之 城本
隆史 古宮
Takashi Furumiya
隆史 古宮
山本 智久
Tomohisa Yamamoto
智久 山本
優作 岡嶋
Yusaku Okajima
優作 岡嶋
拓朗 北村
Takuro Kitamura
拓朗 北村
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Abstract

【課題】コア層及びスキン層を有する無機質系の建築板の対向する長辺に形成された実部に、隣合う建築板の実部又は固定具から強い力が掛かっても、この実部が破損しにくい建築板を提供する。【解決手段】本発明に係る建築板は、水硬性無機質材料を含む成形材料から形成されるコア層2と、水硬性無機質材料を含む成形材料から形成され、コア層2を覆うスキン層3とを備え、スキン層3の絶乾比重がコア層2の絶乾比重よりも大きく、スキン層3を形成する成形材料の硬化物の曲げ強度が5MPa以上であり、対向する長辺に沿って形成される実部31、実部32は、長手方向及び厚み方向において、スキン層3を形成する前記成形材料と同材料で形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、一般には、建築板に関し、詳細には、水硬性無機質材料を主成分とする成形材料から形成され、コア層と、このコア層を覆うスキン層とを有する建築板に関する。
従来、セメントや石膏等の材料製の建築板は、建築物の外壁等、種々の建材用途として利用されている。このような建築板は、様々な材料から、多様な構造に形成される。例えば、特許文献1には、セメント系無機材料とケイ酸含有物質とを主成分とする基材層と、セメント系無機材料とケイ酸含有物質を主成分とし基材層の上に形成される表面層とからなる無機質板が記載されている。
更に、特許文献1に記載されているような建築板が、建築物に複数並んで設置される場合、建築板の長辺に形成された実部と、隣合う建築板の実部とが、接合した状態で設置される。或いは、建築板の長辺に形成された実部と、他方の建築板の実部とが、固定具で連結された状態で設置される。
特開2004−123399号公報
しかし、上記のような複数の層を備える建築板は、実部が最も外側の層と同一材料で形成され、しかも建物に設置された場合には強風等によって負圧が作用し、実部に隣合う建築板の実部又は固定具から強い力が掛かるため、実部が破損しやすいという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、コア層及びスキン層を有する無機質系の建築板の対向する長辺に形成された実部に、隣合う建築板の実部又は固定具から強い力が掛かっても、この実部が破損しにくい建築板を提供することを目的とする。
本発明に係る建築板は、水硬性無機質材料を含む成形材料から形成されるコア層と、
水硬性無機質材料を含む成形材料から形成され、前記コア層を覆うスキン層とを備え、
前記スキン層の絶乾比重が前記コア層の絶乾比重よりも大きく、
前記スキン層を形成する前記成形材料の硬化物の曲げ強度が5MPa以上であり、
対向する長辺に沿って形成される実部は、長手方向及び厚み方向において、前記スキン層を形成する前記成形材料と同材料で形成されることを特徴とする。
本発明に係る建築板は、コア層及びスキン層を有する無機質系の建築板の実部に、隣合う建築板の実部から、又は隣合う建築板の実部と連結する固定具から強い力が掛かっても、実部が破損しにくい。
図1Aは本発明に係る建築板の一例を示す断面図である。図1Bは図1Aに示す建築板の実部と隣合う建築板の実部とを接合した状態を示す概略の断面図である。 隣合う二つの建築板の実部が破損した状態を示す概略の断面図である。 図3Aは本発明に係る建築板の他の一例を示す断面図である。図3Bは図3Aに示す建築板の実部と隣合う建築板の実部とを固定具で連結した状態を示す概略の断面図である。 図4Aは固定具の概略の正面図である。図4Bは図4Aに示す固定具の概略の側面図である。 隣合う二つの建築板の実部が破損した状態を示す概略の断面図である。 本発明に係る建築板の変形例を示す断面図である。 本発明に係る建築板の製造に用いる押出成形機、及び押出成形機に備えられた金型の概略の平面図である。 図5に示す押出成形機が備える金型の概略の断面図である。 図9Aは本発明で用いる中空成形体の概略の平面図である。図9Bは図9Aで示す中空成形体の概略の側面図である。 図10Aは、建築板の一方の実部を残して切断した試験体と建築板の他方の実部を残して切断した試験体とを突き合わせた状態を示す平面図である。図10Bは図10Aに示す二つの試験体を固定具で連結した状態を示す断面図である。図10Cは図10Bに示す二つの試験体の平面図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
まず、本実施形態に係る建築板1の構成について説明する。
建築板1の形状は特に限定されないが、例えば、平面視矩形状である。
建築板1は、図1Aに示すように、水硬性無機質材料を含む成形材料から形成されるコア層2と、コア層2を覆う水硬性無機質材料を含む成形材料から形成されるスキン層3とを備える。
このコア層2の絶乾比重と、このスキン層3の絶乾比重とを比較すると、スキン層3の絶乾比重の方がコア層2の絶乾比重よりも大きい。これにより、コア層2を軽量化して建築板1全体を軽量化することができると共に、スキン層3をコア層2よりも高密度化してスキン層3の強度をコア層2よりも高くすることができる。
本実施形態では、スキン層3の絶乾比重が0.8以上であることが好ましい。これにより、スキン層の3の強度を特に高くすることができる。
本実施形態では、スキン層3の絶乾比重が0.8以上2.0以下、コア層2の絶乾比重が0.7以上2.0未満であることが好ましい。この場合、コア層2の軽量化による建築板1全体の軽量化と、スキン層3の強度の確保とを、特に両立しやすい。これにより、建築板1の耐風圧性能を確保することができる。
本実施形態の建築板1は、例えば、図1Aに示すように、対向する長辺に沿って形成された実部31及び実部32を備える。実部31及び実部32はスキン層3の一部分である。このため、実部31及び実部32は、長手方向及び厚み方向において、スキン層3を形成する成形材料と同材料で形成される。
図1Aに示す建築板1を複数並べて設置する場合、例えば、図1Bに示すように、隣合う二つの建築板1の一方の建築板1の実部31と、他方の建築板1の実部32とが接合した状態で下地6の上に設置される。
本実施形態では、図1Aに示す、コア層2の実部31側の端面21を覆うスキン層3の厚みT1、及びコア層2の実部32側の端面22を覆うスキン層3の厚みT2が、5mm以上であることが好ましい。厚みT1及び厚みT2は、50mm以下であることが好ましい。また、図1Aに示す、コア層2の実部31側の表面23を覆うスキン層3の厚みT3、及びコア層2の実部32側の表面24を覆うスキン層3の厚みT4が、1mm以上であることが好ましい。厚みT3及び厚みT4は、建築板1全体の厚みの1/3以下であることが好ましい。この場合、スキン層3の実部31付近及び実部32付近の強度を確保することができると共に、切削加工によって実部31及び実部32を形成しやすい。
本実施形態では、スキン層3を形成する成形材料の硬化物の曲げ強度が5MPa以上である。これにより、スキン層3の強度を十分に確保することができる。この曲げ強度は、図1Aに示す建築板1の実部31又は実部32から幅50mm、長さ60mm、厚み5mmの成形体を切り出して、この成形体をオートグラフにより、10mm/min、50mmのスパンで曲げ試験を行うことにより導出される。
本実施形態では、建築板1の実部31及び実部32が長手方向及び厚み方向において、スキン層3を形成する成形材料と同材料で形成されると共に、スキン層3を形成する成形材料の硬化物の曲げ強度が5MPa以上であるため、実部31及び実部32の強度が十分に確保されている。このため、図1Bに示す隣合う二つの建築板1に、強風等によって負圧が掛かり、実部31又は実部32に力が掛かっても、図2に示すひび割れ7のような、実部31又は実部32の破損が生じにくい。
特に、スキン層3の絶乾比重が0.8以上である場合、スキン層3の強度が十分に確保されているため、実部31及び実部32に、特に破損が生じにくい。
特に、コア層2の実部31側の端面21を覆うスキン層3の厚みT1、及びコア層2の実部32側の端面22を覆うスキン層3の厚みT2が、5mm以上であり、コア層2の実部31側の表面23を覆うスキン層3の厚みT3、及びコア層2の実部32側の表面24を覆うスキン層3の厚みT4が、1mm以上である場合、スキン層3の実部31付近、及びスキン層3の実部32付近の強度が十分に確保されているため、実部31及び実部32に特に破損が生じにくい。
また、建築板1の形状は、図1Aに示すものに限定されず、例えば、図3Aに示すように、対向する長辺に沿って形成される実部31及び実部32を備え、更に実部31よりも側方に突出した前凸部33を備えていてもよい。
図3Aの建築板1を複数並べて設置する場合には、例えば図3Bに示すように、隣合う二つの建築板1の一方の建築板1の実部31と、他方の建築板1の実部32とが突き合った状態で、実部31と実部32とが固定具5によって連結され、この固定具5に設けられた固定孔57を介して、釘、ビス、ネジ等が下地6に打ち込まれることで設置される。
この固定具5は、図4A、図4Bに示すように、固定板50と、水平片51と、受け爪52と、押さえ爪53と、突出片54と、内向き片55と、外向き片56とを備える。水平片51、受け爪52、押さえ爪53、突出片54、内向き片55、外向き片56は、固定板50の一部を切り起こすことで形成され得る。固定板50には固定孔57が設けられている。
図4Bに示すように、水平片51は固定板50から直交する方向に突出している。水平片51は固定板50を切り起こすことにより形成されるため、固定板50の下部に開口部58が設けられている(図4A参照)。
図4A、図4Bに示すように、受け爪52は、水平片51の先端から水平片51と交差する方向に突出している。受け爪52は分断することなく、水平片51の左右方向の略全長に亘って設けられている。図4Aに示す受け爪52の幅Xは、例えば66mm以上であることが好ましい。
図4A,図4Bに示すように、押さえ爪53は、水平片51の先端から水平片51と交差する方向に突出している。押さえ爪53は受け爪52とは反対側に突出している。押さえ爪53は2つに分断されている。図4Aに示す押さえ爪53の幅Yは、例えば44mm以上であることが好ましい。
突出片54は、固定板50の左右両端から前方に突出している。突出片54の突出長さは、水平片51の突出長さよりも短い。内向き片55は突出片54の先端から固定板50と略平行に内側に設けられ、外向き片8は突出片54の先端から固定板50と略平行に外側に設けられている。
図3Bに示すように、隣合う二つの建築板1のうち一方の建築板1の実部32は、固定具5の押さえ爪53と外向き片56との間に挟まれている。また、隣合う二つの建築板1のうち他方の建築板1の実部31は固定具5の受け爪52と外向き片56との間に挟まれている。これにより、実部32と実部32とが連結される。この場合、図3Bに示すように、受け爪52及び押さえ爪53を前凸部33で覆って隠すことができる。
本実施形態では、図3Aに示す、コア層2の実部31側の端面21を覆うスキン層3の厚みT1、及びコア層2の実部32側の端面22を覆うスキン層3の厚みT2が、5mm以上であることが好ましい。厚みT1及び厚みT2は、50mm以下であることが好ましい。また、図3Aに示す、コア層2の実部31側の表面23を覆うスキン層3の厚みT3、及びコア層2の実部32側の表面24を覆うスキン層3の厚みT4が、1mm以上であることが好ましい。厚みT3及び厚みT4は、建築板1全体の厚みの1/3以下であることが好ましい。この場合、スキン層3の実部31付近及び実部32付近の強度を確保することができると共に、切削加工によって実部31及び実部32を形成しやすい。
図3Aに示す、実部31の厚みT5は、例えば7mm以上であることが好ましく、実部32の厚みT6は、例えば6mm以上であることが好ましい。前凸部33の厚みT7は、例えば3mm以上であることが好ましい。この場合、実部31、実部32、及び前凸部33の強度を十分に確保することができる。
図3Aに示す建築板1においても、スキン層3を形成する成形材料の硬化物の曲げ強度は5MPa以上である。これにより、スキン層3の強度を十分に確保することができる。この曲げ強度は、図3Aに示す実部31又は実部32から幅50mm、長さ60mm、厚み5mmの成形体を切り出して、この成形体をオートグラフにより、10mm/min、50mmのスパンで曲げ試験を行うことにより導出される。
本実施形態では、建築板1の実部31及び実部32は長手方向及び厚み方向において、スキン層3を形成する成形材料と同材料で形成されると共に、スキン層3を形成する成形材料の硬化物の曲げ強度が5MPa以上であるため、実部31及び実部32の強度が十分に確保されている。このため、図3Bに示す二つの建築板1に強風等によって、負圧が掛かり、固定具5から実部31、実部32に強い力が掛かっても、図5に示すひび割れ7のような、実部31又は実部32の破損が生じにくい。
次に、建築板1について更に詳しく説明する。
建築板1のコア層2は、上記の通り、水硬性無機質材料を含む成形材料から形成される。本明細書では、コア層2の形成に用いる成形材料をコア材料という。このコア材料は、例えば、無機質系主材、無機質系混和材、有機質系混和材、補強繊維、及び水を含有することができる。
無機質系主材は、ケイ素とカルシウムのうち少なくとも一方を含む化合物からなる。無機質系主材は、水硬性無機質材料であるセメントを主成分とする。無機質系主材は、更に、フライアッシュ、シリカヒューム、けい石粉からなる群から選択される一種以上の材料を含有することができる。
無機質系混和材は、例えば、マイカ、けい酸ソーダ等が含まれる。
有機質系混和材は、例えば、メチルセルロース、有機質系発泡粒子等が含まれる。有機系発泡粒子は、例えば、スチレン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、及びアクリロニトリル系樹脂からなる群から選択される一種以上の材料を含有することができる。
補強繊維は、例えば、パルプ、ポリプロピレン繊維等が含まれている。
コア材料には、上記の原料以外に、更に無機質系発泡体が含まれていてもよい。無機質系発泡体は、例えば、パーライト、フライアッシュバルーン、及びバーミキュライトからなる群から選択される一種以上の材料を含有することができる。
コア材料に含まれる各物質の割合は特に限定されないが、例えば、コア材料に無機質系主材が73〜97重量%の範囲内、無機質系混和材が1〜20重量%の範囲内、有機質系混和材が1〜3.5重量%の範囲内、補強繊維が1〜3.5重量%の範囲内で含まれていることが好ましい。
建築板1のスキン層3は、上記の通り、水硬性無機質材料を含む成形材料から形成される。本明細書では、スキン層3の形成に用いる成形材料をスキン材料という。このスキン材料は、例えば、無機質系主材、無機質系混和材、有機質系混和材、補強繊維、及び水を含有することができる。スキン材料は、更に添加剤を含んでもよい。
スキン材料に含まれる無機質系主材、無機質系混和材、有機質系混和材、及び補強繊維は、例えば、コア材料に含まれる無機質系主材、無機質系混和材、有機質系混和材、及び補強繊維と同じである。
スキン材料に含まれる各物質の割合は特に限定されないが、例えば、スキン材料にけい酸カルシウム化合物が69.5〜97.5重量%の範囲内、無機質系混和材が1〜20重量%の範囲内、有機質系混和材が1〜3.5重量%の範囲内、補強繊維が1〜7重量%の範囲内で含まれていることが好ましい。
本実施形態では、スキン材料に含まれる成分の選択、成分の量の調節等の適宜の手法により、スキン材料の硬化物の曲げ強度を5MPa以上に調節することができる。
上記のコア材料及びスキン材料を成形することにより未硬化の成形体(グリーンシート)が作製される。この未硬化の成形体を養生して硬化させることにより、コア層2及びスキン層3を備える建築板1が得られる。
この未硬化の成形体を養生する工程では、例えば、常温養生、蒸気養生、オートクレーブ養生からなる群から選択される一種以上の養生を行う。本実施形態では特に、蒸気養生を行うことが好ましい。
この蒸気養生の条件は、例えば、温度が40〜90℃の範囲内であり、養生時間が6〜48時間の範囲内であることが好ましい。
成形体を養生した後、成形体を乾燥させる。乾燥方法は、特に限定されないが、例えば、熱風乾燥、遠赤外線乾燥が挙げられる。成形体を乾燥させることにより、成形体に含まれる水の割合(含水率)を調節することができる。成形体の含水率は、3〜20%の範囲内であることが好ましい。この場合、成形体を軽く、且つ折れにくくすることができると共に、成形体の乾燥収縮による反り、収縮等の変形を小さくすることができる。
特に、コア層2の絶乾比重とスキン層3の絶乾比重とを比較すると、スキン層3の絶乾比重の方がコア層2の絶乾比重よりも大きい。このスキン層3の絶乾比重は0.8以上であることが好ましい。更に、スキン層3の絶乾比重が0.8以上2.0以下、コア層2の絶乾比重は0.7以上2.0未満であることが好ましい。スキン層3の絶乾比重がコア層2の絶乾比重よりも大きく、且つコア層2及びスキン層3の絶乾比重が上記の範囲内であることにより、コア層2を軽量化することで建築板1全体の軽量化を実現する共に、スキン層3をコア層2よりも高密度化することでスキン層3の強度をコア層2よりも高くし、これにより、建築板1全体の強度を向上させることができる。このコア層2及びスキン層3の絶乾比重は、例えば、コア材料及びスキン材料に含まれる水の割合、及び有機発泡体の割合を変えることによって、調節することができる。
更に本実施形態では、成形体を乾燥した後、図1A又は図3Aに示す実部31及び実部32を形成する。実部31及び実部32は、例えば、乾燥した成形体の対向する長辺に、切削加工を施すことによって形成することができる。この場合、コア層2の実部31側の端面21を覆う部分のスキン層3の厚みT1、及びコア層2の実部32側の端面22を覆う部分のスキン層3の厚みT2を5mm以上に形成することが好ましい。また、コア層2の実部31側の表面23を覆う部分のスキン層3の厚みT3、及びコア層2の実部32側の表面24を覆う部分のスキン層3の厚みT4を1mm以上に形成することが好ましい。これにより、スキン層3の実部31付近及び実部32付近の強度を十分に確保することができる。
尚、建築板1の構造は、図1A及び図3Aに示すものに限られない。例えば、コア層2とスキン層3との界面が凹凸形状を有していてもよい。この凹凸形状は、例えば、断面が四角形の凹凸が複数並んだ凹凸であってもよく、断面が三角形の凹凸が複数並んだジグザグ形状であってもよく、断面が円弧状の凹凸が複数並んだ波形状であってもよい。この場合、凍害現象によって、コア層2とスキン層3との層間剥離が生じることを抑制することができる。
図6に示す建築板1のように、コア層2に複数の中空孔4が形成されていてもよい。すなわち、建築板1が中空構造を有していてもよい。建築板1が中空構造を有する場合、建築板1の更なる軽量化が可能となる。
また、建築板1の表面、すなわちスキン層3の表面に、必要に応じて、表面仕上げのためのシーラー及び塗料が塗布されていてもよい。
以下、本実施形態の建築板1の製造方法について詳しく説明する。
建築板1は、例えばコア材料及びスキン材料を、押出成形機10で押出成形することで製造される。図7には、その押出成形機10の概略を示している。
図7の押出成形機10は、第一押出機11及び第二押出機12を備える。第一押出機11はスキン材料を押出すものであり、第二押出機12はコア材料を押出すものである。第一押出機11及び第二押出機12は金型100に接続されている。
図7に示すように、金型100は、その先端に流入口103を、後端に押出口104を備える。流入口103は第一押出機11と接続されている。このため、流入口103には第一押出機11からスキン材料が流れ込む。
図8には、この金型100の概略の断面図が示されている。この金型100は上型101、下型102、中子105、流路106、流路107、及び流路108を備えている。上型101と下型102とは、上下に対向して重ねられている。
金型100の内部には空洞が形成されている。この空洞内に中子105が設けられている。図8の断面図に現れる上型101の下面と、中子105の上面との間が、流路106であり、下型102の上面と、中子105の下面との間が、流路107である。流路106及び流路107は、流入口103と繋がっている。このため、流路106及び流路107には、スキン材料が流れる。
また図8の断面図に現れるように、中子105は、その流入口103付近から流入口103に向かって厚みが徐々に小さくなっている。また、中子105の押出口104側の端部は、押出口104に向かって厚みが徐々に小さくなっている。中子105の押出口104側の先端は、押出口104と対向するように配置されている。中子105の先端部の上面は、先端に向かう平坦な傾斜面111として形成され、中子105の先端部の下面は先端に向かう平坦な傾斜面112として形成されている。
図8の断面図に現れるように、中子105の内部に流路108が形成されている。この流路108は第二押出機12と接続されている。詳細には、中子105内の流路108は、第二押出機12とパイプ17を介して連結している。このため、流路108には、第二押出機12で混練されたコア材料が流れ込む。また、中子105の先端には、流路108に通じる矩形の開口部110が形成されている。
これらの流路106、流路107、及び流路108は、図8の断面図に現れるように、金型100内における流路106及び流路107に対して押出口104側に設けられた合流部109で合流している。このため、押出口104は、流路106、流路107、及び流路108と接続している。
以下、上記の押出成形機10によって建築板1が製造される手順を説明する。
まず、図7に示す第一押出機11の投入口13にスキン材料を投入すると共に、図7に示す第二押出機12の投入口15にコア材料を投入する。スキン材料及びコア材料は、それぞれ、第一押出機11内に設けられたスクリュー14、及び第二押出機12内に設けられたスクリュー16によって混練されながら搬送される。
次に、コア材料は第二押出機12からパイプ17を介して流路108に流入する。また、スキン材料は第一押出機11から流入口103を通って流路106及び流路107に流入する。
次に、流路108を通ったコア材料が開口部110に達する。開口部110から吐出されるコア材料は、開口部110の形状に合わせて板状に成形される。また、流路106を通ったスキン材料と流路107を通ったスキン材料とが合流部109において合流する。これにより、板状に成形されたコア材料の外側が、スキン材料によって包まれる。
次に、コア材料がスキン材料によって包まれたまま、コア材料及びスキン材料が押出口104から押し出される。このコア材料及びスキン材料を任意の長さで切断することにより、未硬化の成形体(グリーンシート)が形成される。この未硬化の成形体を養生して硬化させることにより、コア層2とスキン層3とを備える建築板1が製造される。この建築板1の対向する長辺に切削加工を施すことで、図1A、図3Aに示すように、建築板1に実部31及び実部32を形成することができる。
また、図6に示されるような中空構造を有する建築板1を製造する場合には、例えば図9A及び図9Bに示す中空形成体200が使用される。中空形成体200は、本体部201と、複数の突出棒202とを備える。この複数の突出棒202は、所定の間隔をあけて一列に並ぶと共に、互いに平行に設けられている。複数の突出棒202の寸法はいずれも同じである。この中空形成体200は、流路108の内部に配置可能な寸法を有する。
中空形成体200は、例えば、図8に示す中子105の流路108内に設けられる。この場合、複数の突出棒202の一部が開口部110から突出する。中空形成体200を流路108内に設けた中子105を金型100内に設け、この金型100を使用して押出成形することで、図6に示すような中空構造を有する建築板1が製造される。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1〜3、比較例1)
無機質系主材、無機質系混和材、有機質系混和材、補強繊維、及び水を、下記の表1に示す割合で配合することで、コア材料及びスキン材料を調製した。尚、表1中の水含有量は、コア材料及びスキン材料の各々における全固形分に対する水の比率である。
(評価)
<スキン材料の硬化物の曲げ強度>
実施例1〜3、比較例1のスキン材料を成形し、これを60℃、24時間の条件で蒸気養生した後、乾燥機にて含水率を10%に調製した。これにより、幅50mm、長さ60mm、厚み5mmの成形体を作製した。この成形体について、オートグラフで曲げ試験を行った。曲げ試験の試験速度は10mm/min、スパンは50mmとした。この結果を下記の表1に示す。
<絶乾比重>
上記のコア材料及びスキン材料を、第一押出機11、第二押出機12、及び図6に示す金型100を備える押出成形機10を使用して成形し、成形体を作製した。この成形体を60℃、24時間の条件で蒸気養生して硬化させることにより、幅480mm、長さ3100mm、厚み16mmを有し、且つコア層2とスキン層3とを備えた建築板1を製造した。この建築板1におけるスキン層3の厚みは2mmである。この建築板1のコア層2及びスキン層3の絶乾比重を、アルキメデス法によって測定した。その結果を下記の表1に示す。
<固定具引抜試験>
上記の通り作製した実施例1〜3及び比較例1の建築板1について、乾燥機にて含水率を10%に調製した後、建築板1の対向する長辺にそれぞれ切削加工を施して、図3Aに示す実部31及び実部32を形成した。この建築板1において、コア層2の実部31側の端面21を覆うスキン層3の厚みT1及びコア層2の実部32側の端面22を覆うスキン層3の厚みT2は、25mmである。また、コア層2の実部31側の表面23を覆うスキン層3の厚みT3及びコア層2の実部32側の表面24を覆うスキン層3の厚みT4は2mmである。実施例1〜3及び比較例1の建築板1をそれぞれ2枚用意した。
これらの2枚の建築板1のうち、一方の建築板1は、実部31を残して幅100mm、長さ200mmの寸法に切断して試験体を作製した。更に、2枚の建築板1のうち、他方の建築板1は、実部32を残して、幅100mm、長さ200mmの寸法に切断して試験体を作製した。この2種類の試験体の実部31と実部32とを図10Aに示すように突き合わせ、更に、2枚の試験体の実部31と実部32とを図10Bに示すように固定具5で連結した。尚、この固定具5は、図10Cに示すように、実部31及び実部32の長手方向の中心に設置した。
固定具5で連結された2枚の試験体を固定した状態で、オートグラフを用いて、図8Bに示す方向Dに向けて固定具5を引張り、固定具5が引き抜けた時の力を測定し、この力の値を固定具保持力とした。
窯業系サイディングの一般的な施工高さは13m以下であり、高さ13mで風速46m/sの地域における風荷重は、国土交通省告示1458号の計算式より−1955.6N/mである。固定具留のピッチが455mm、サイディングの働き幅が455mmである場合の固定具留施工において、この風荷重に耐えうる必要保持力は、405N以上である。
このことから、固定具保持力が405N以上である場合を合格、405N未満である場合を不合格と判定した。実施例1〜3、比較例1の試験体について、固定具保持力を測定した結果、及びその判定結果を、下記の表1に示す。
Figure 2016180210
表1に示すように、スキン材料の硬化物の曲げ強度が5MPa以上である実施例1〜3では、固定具保持力が405N以上であるため、合格と判定されている。
これに対して、スキン材料の硬化物の曲げ強度が5MPa未満である比較例1では、固定具保持力が405N未満であるため、不合格と判定されている。
これは、実施例1〜3では、スキン材料の硬化物の曲げ強度が5MPa以上であるため、このスキン材料から形成される実部31及び実部32の強度が十分に確保されているのに対して、比較例1では、スキン材料の硬化物の曲げ強度が5MPa未満であり、スキン材料から形成される実部31及び実部32の強度が十分に確保されていないためである。
1 建築板
2 コア層
21、22 端面
23、24 表面
3 スキン層
31、32 実部
T1、T2、T3、T4 厚み

Claims (4)

  1. 水硬性無機質材料を含む成形材料から形成されるコア層と、
    水硬性無機質材料を含む成形材料から形成され、前記コア層を覆うスキン層とを備え、
    前記スキン層の絶乾比重が前記コア層の絶乾比重よりも大きく、
    前記スキン層を形成する前記成形材料の硬化物の曲げ強度が5MPa以上であり、
    対向する長辺に沿って形成される実部は、長手方向及び厚み方向において、前記スキン層を形成する前記成形材料と同材料で形成されることを特徴とする建築板。
  2. 前記スキン層の絶乾比重が0.8以上であることを特徴とする請求項1に記載の建築板。
  3. 前記コア層の前記実部側の端面を覆う部分のスキン層の厚みが5mm以上、前記コア層の前記実部側の端部の表面を覆う部分のスキン層の厚みが1mm以上であることを特徴とする請求項2に記載の建築板。
  4. 前記スキン層の絶乾比重が0.8以上2.0以下、前記コア層の絶乾比重が0.7以上2.0未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の建築板。
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