JP2016179477A - 鋳物砂 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却効果を大きくするとともに均一冷却を可能とし、鋳物砂の再生利用も容易な鋳造方法を提供する。【解決手段】金属粉として鉄粉を砂の代用品とする方法であり、45〜73wt%のジルコサンドに、20〜50wt%の鉄粉、2〜3wt%のホウ砂、1〜2wt%のメッキスラジを混合して鋳型を形成する方法であって、金属粉とジルコサンドの組み合わせにより鋳型砂の結合力がアップし、ガス抜き空間を保持して通気性を向上し、且つ、全体均一冷却のためフィン効果のある立込みボルトを併用し、メッキスラジは金属イオンを核として、鋳型中の水分やホウ砂中の結晶水を還元作用で無害化し、体積膨張により通気孔を形成しガス抜き機能を促進する鋳物砂を用いる鋳型の形成方法。【選択図】図1
Description
本発明は鋳造用鋳型に使用される砂に関するものであり、鋳型全体を均一に冷却する方法に関するものである。従来、鋳型中に金属を入れて冷し金として、より均一に冷却する方法が知られているが、製品形状が複雑な場合は冷し金の載置方法が難しく均一冷却は困難であった。本発明では、冷し金として砂の中に金属粉を入れることで、冷却効果を大きくするとともに均一冷却を可能とした。更に、鋳物砂の再生利用も容易な鋳造方法である。
日本全国の川砂採取は国土庁の管理河川となるため今は輸入砂が主力であり、この輸入砂も入手困難となりつつある。海砂は塩化ナトリウムの除去対策として雨水や真水による脱塩工程を要し時間と費用を要する。従来鋳物砂は天然産出される珪砂(SiO2)で再使用も可能なためJISG5901−1974に規定された粒度48号(旧JIS5号)〜150号(旧JIS6号)が適用されているが、川砂の入手が困難となってきており海外から輸入するケースが増加してきている。珪砂は耐破砕性が劣るため、再生時に破砕、微細化してダストとなり廃棄物増加の原因となっている。又、珪砂は熱膨張が大きく特に有機自硬性鋳型ではベイニング発生による焼き付きが鋳物製品に発生しやすくその対策として部分的にクロマイト砂などの特殊砂の適用が必要となり鋳型コストが高くなるうえに回収砂へのクロマイト砂の蓄積が問題となる。クロマイトが蓄積すると回収砂の耐火度が低下して新たな溶着による砂の焼き付きが鋳物製品に発生しやすくなり、廃棄砂のクロム含有量が増加し処理を難しいものにしている。
川砂に代わり、人工砂としてニッケル鉱滓の溶融スラグや高炉溶融スラグ等(2MgO・SiO2)が使われる事例もあるが、鋭角のため砂の焼き付きが鋳造製品に付着しやすくなる。そのため除去作業に手間取る。かつ、フラン再生珪砂の自硬性(焼入れ温度から空気中で冷却する程度でも、容易にマルテンサイトを生じて硬化する性質)鋳型では、0.7〜0.8%のフラン樹脂の焼き付きが発生し、鋳物砂の廃棄はさらに困難であるものの、再生率は90%以上であり極めて高い。しかしながら、5%前後は廃棄砂となり、強アルカリ性の水ガラス(Na2SiO4)の形成により、中和廃棄処分費も多くなりつつある。
ジルコサンド(ZrSiO4)は珪砂(SiO2)より非常に高価なため、100%再使用するも破砕による微細化は確実に発生する。ジルコサンドは珪砂と比べて長寿命であるが微細化砂は熱膨張率の差が小さい(例えば、SiO2は2.8〜7.3×10−6、ZrSiO4は5.9×10−6)ことから鋳型の下型、上型の合わせ面の別れ砂として十分に使用可能である。金属粉は冷し金の代用として適するも、高温保持と高熱膨張性を考えると多く入れることは鋳型の割れに繋がる。
高炉溶融スラグは高炉セメントとして流通しており、低コストで多量に発生することから、人工砂として鋳物砂に適しているが、粒度のバラツキが大きく、鋳造メーカーで粒度選別と再粉砕工程が発生し手間とコストがかかり、鋳物砂の安定的な供給原としては問題がある。人工砂はいずれも肌砂としては使えず鋳肌に直接影響しない裏砂としての使用が主である。このように、人工砂は回収や選別も大変なため、鋳物砂としては品質と価格を考慮して海砂が使われることが多い。一方、鋳物砂として金属粉は、鋳型コストは高くなるが、酸化効果によりピンホールを抑えることができる点や、再使用(選別機投入の一時的コスト増)回数を多くできる点、さらに、最終的にベンガラ(Fe2O3)として鋳型剤としても使用できることから有望である。金属粉は磁力選別による磁気分離にて98%近く回収できる点でも優れている。
特開2005−238263号広報において、人工砂としてニッケル製錬時発生スラグとして2MgO・SiO2を使うことが示されているが、人工砂の粒度が粗くバラつきが大きいため粒度選別が必要であり、生産量の10%程度しか利用できないため、安定供給が困難である。又、粗粒であるため肌砂としての利用ではなく主として裏砂として使っている。
特開2013−56358号広報において、鋳物工場の最終廃棄砂及び廃棄集塵ダスト中に含まれる重金属、フッ素、ホウ素、などの有害物質を除去するため不溶化剤として酸化マグネシウムを投入しダスト表面に付着させて回収する技術が示されている。
特開2007−69232号広報において、複雑鋳造品製作のため鋳型分割組立方式でブロックを作り組み立てるため、ブロック鋳型の複合成形方法と接合法が大切である。
特開平10−26050号広報において、複雑水路をもつエンジンブロックの鋳造法でケレンの打ち方にて鋳型の自由なる伸び縮みを吸収する鋳造方案であり、ケレンの作り方に経験的な重なりと酸化防止のためケレンにSnメッキをしているのが特徴である。
特開2011−121097号広報において、鋳物砂中に含まれる重金属やハロゲンやホウ素などの環境基準値に厳しい元素化合物に対して、酸化マグネシウムなどを入れることで不溶化剤に吸着させる方法が示されている。
鋳物は、形状や肉厚差にて冷却効果に差が生じると、引け、巣、クラックなどが発生するため、通常冷し金などを鋳物砂に入れることで防いでいる。しかしながら、形状の複雑な鋳物は冷し金の配置も複雑となり、経験や勘に頼るため品質欠陥が生じる場合があり歩留りが悪く生産効率が低下していた。この課題を解決するため、金属粉として鉄粉を砂の代用品とする方法であり、45〜73wt%のジルコサンドに、20〜50wt%の鉄粉、2〜3wt%のホウ砂、1〜2wt%のメッキスラジを混合して鋳型を形成する。金属粉とジルコサンドの組み合わせにより鋳物砂の結合力がアップし、ガス抜き空間を保持して通気性を向上する。且つ、全体均一冷却のためフィン効果のある立込みボルトを併用する。メッキスラジは金属イオンを核として、鋳型中の水分やホウ砂中の結晶水を還元作用で無害化し、体積膨張により通気孔を形成しガス抜き機能を促進するものである。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、ジルコサンド(ZrSiO4)と鉄粉とメッキスラジとホウ砂(Na2B4O7・10H2O)を含有することを特徴とする鋳物砂である。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、請求項1に記載された鋳物砂に冷し金を入れて鋳型を形成することを特徴とする鋳造法。
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、請求項1又は請求項2に記載した使用済みの鋳物砂を回収し撹拌槽に充填し、高周波炉の製錬中に発生するフッ化物を吸引し、該フッ化物を前記撹拌槽に吹き込んで、前記使用済み鋳物砂と混練し、前記フッ化物で前記使用済み鋳物砂に含有している強アルカリ成分を中和し、排気ガスは、サイクロンに導いて粗ダストを分離沈降させた後、さらにベンチュリースクラバーに導いて、微粉ダストとフッ化物を洗浄・沈降せしめて清浄ガスとし、さらにサイクロンに導いてミストを分離した後放散することを特徴とする鋳物砂回収方法である。
第1の解決手段による効果は以下である。(1)供給量の少ない珪砂の代わりに鉄粉を使用できる。(2)鉄粉により鋳型内冷却が均一にできる。(3)鉄粉は、Fe→FeO→Fe2O3と変化することで鋳物砂中の水分と反応し無害化する作用がある。そのメカニズムは、H2O→2H↑+O→O+Fe→Fe2O3である。遊離水素ガスは燃焼しながら砂型から外気中に排出されるためピンホールなどの発生を抑える。
第2の解決手段による効果は以下である。(1)冷し金により鋳型内冷却を均一にできる。(2)複雑形状の鋳物製造が可能である。
第3の解決手段による効果は以下である。(1)高周波電気炉よりフラックスとの還元作用にて生まれるフッ素ガスを鋳物砂中に吹き込んで、強酸であるフッ素ガスにて、鋳物砂の強アルカリを中和するので、フッ素ガスや鋳物砂中のアルカリ成分を無害化できる。(2)使用済みの鋳物砂を再生できる。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、ジルコサンド(ZrSiO4)と鉄粉とメッキスラジとホウ砂(Na2B4O7・10H2O)を含有することを特徴とする鋳物砂である。
鋳物砂として鉄粉:20〜50wt%、ホウ砂(Na2B4O7・10H2O):2〜3wt%、メッキスラジ:1〜2wt%、水蒸気は鋳型中の水分2〜3wt%+ホウ砂中の結晶水である。鉄粉の酸化をある程度防ぐため300〜600℃とメッキスラジ中の微小塩素がNaと反応しNaCLとなったり、塩素系ハロゲン物を作る際、還元剤となって金属イオンが核となり熱膨張して鋳型中に通気孔となる空間を残す。砂はケイ酸ソーダ(Na2SiO3)で固めるためCO2↑ガスを使うが、Na2OnSiO2+2HCL+(x−1)H2O→(SiO2)n・xH2O;2NaCLメッキスラジ中の塩化物の分解にて水酸化ケイ素と塩となる。
一般に鋳物砂は珪砂を主体としたアルミナ(AL2O3)、酸化第二鉄(Fe2O3)や酸化カルシウム(CaO)、マグネシア(MgO)を含みさらに微量のアルカリ(NaO、K2O)を含むため鋳型が溶湯と接する面は高熱を受けるためガラス化する。本発明者は、特開2013−035017号広報において、メッキスラジを入れた塗型剤を発明した。メッキスラジ中の金属イオンを核として還元作用が従来の塗型剤より強いことを見出した。この技術をさらに発展させて、ステンレス鋳物、ハイクロム鋳鉄専用として新たに特願2015−030327「鋳造用塗型剤」を発明した。本発明において、鋳型内空間キャビティ状の内面にメッキスラジ入り塗型剤塗布することにより、鋳型表面にシリカガラス及びケイ酸塩ガラスを形成させる。その結果、鋳型表面にSiO2、B2O3、ZnCL2、Na2O、CaO、MgO、AL2O3を含有する成分が形成される。
鋳物砂に加える鉄粉は、FeとFeOとFe2O3である。添加剤としてCrO2を加えてもよい。鋳物砂中に鉄粉をいれると、鉄粉は、Fe→FeO→Fe2O3と変化することで鋳物砂中の水分と反応し無害化する作用がある。そのメカニズムは、H2O→2H↑+O→O+Fe→Fe2O3である。遊離水素ガスは燃焼しながら砂型から外気中に排出されるためピンホールなどの発生を抑える。ハイクロム鋳鉄やステンレス鋳物などの塗型剤は鋳造品に炭素の侵入を防ぐため、黒鉛は使用しないことから、水分から遊離した水素は化学結合できないためアセチレンガスとなり単独の燃焼のみとなる。
鋳物砂中にホウ砂を入れることにより、鋳物砂中の化学結合剤兼ガラス化助成剤となり、金属粉の酸化防止剤として還元作用の機能を果たす。鉄粉鋳型では鉄粉の長寿命化がコスト削減上重要であるが、特に鉄粉の酸化を防止するためにホウ砂を含有させている。水ガラスの結合剤も同じく還元剤の働きにはなるが、水ガラスの成分である珪砂は融点1710℃、沸点2230℃では耐火材でとしての機能だけである。そのためホウ砂(融点741℃、沸点1575℃)を選択した。メッキスラジ中の塩化物と化合するともっと融点は降下する。鋳物砂として鉄粉を20〜50wt%入れると、使い捨てカイロと同様の原理で鉄は酸素や水分と次式のように反応する。Fe+3/4O2+3/2H2O→Fe(OH)3+96kcal/mol。このため、鉄を保護するために、ホウ砂を低融点ガラス状にして鉄粉をコーティングし酸素や水分との接触を遮断する。ホウ砂は酸化燃焼から鉄粉を守る最大の働きをする。
鋳物砂中にメッキスラジを入れることで、メッキスラジ中に含有されるメッキ金属及び金属化合物が金属イオン核となって、ホウ砂中の水分を奪うので無水ホウ砂となって金属粉の結合剤兼還元剤となる。そのメカニズムは、Na2B4O7・10H2O→Na2B4O7+10H2O(結晶水)である。鉄が燃えるのを防ぐ意味でジルコサンドとの混合とした。耐熱性の向上と還元作用の働きを強くするため2〜3wt%のホウ砂と1〜2wt%のメッキスラジを入れたことを特徴とする。
メッキスラジを鋳物砂に混入することで再利用可能となった。Znメッキスラジはアルミニウム鋳造、Cu、Niスラジは銅合金鋳造、Crメッキスラジ、FeCLスラジはステンレス鋳造、ハイクロム鋳造に使用できる。但し、Ag、Auメッキスラジは貴金属のためリサイクル可能であり鋳物砂としては使用しない。
日本中のメッキ工場の主力メッキは、Znメッキ、Crメッキ、Niメッキ、Cuメッキ、Agメッキ、Auメッキの6種類が主体である。そのため、メッキスラジも酸化亜鉛(ZnO:融点419.6℃)、酸化クロム(CrO:融点1857℃)、酸化ニッケル(NiO:融点1453℃)、酸化銅(CuO:融点1083℃)、酸化Ag(Ag2O:融点962℃)と塩化物としてFeCL2、ZnCL2、NiCL2、CuCL、AgCLなどが入っている。全部一緒とすることも可能であるも単体で取り出すことも可能である。磁力線回収のためFeCL2、CrOを主力とするメッキスラジを投入する。鉄粉、CrO、ZrSiO2の耐熱性効果による鋳型となり結合材として、水ガラス+硼ケイ酸塩低融点ガラスが水酸基を取られることで多量の水蒸気にてガラス化した成分を持ち上げて通気性の道となる空間を鋳型内に作るため発生ガスの通気道となる。耐熱効果と通気性効果に優れている。
金属粉を守るためにホウ砂を入れているが、ホウ砂は47.2wt%の結晶水を持っている。これらが1550℃の溶湯にて急激に加熱されると熱分解し結晶水の急激な膨張により鉄粉鋳型内に通気道を作る。この時、メッキスラジの金属イオンが核となり酸素と結合するため鉄粉の酸化を守る。鉄粉の長寿命化対策としてフラックスの役目をする。
鉄粉(Fe粉)20〜50wt%に対して、ジルコサンドとホウ砂(Na2B4O7・10H2O)とメッキスラジにて構成することで従来の3倍近い熱伝導率による急激な冷却効果による冷し金の代用とする鋳物砂である。熱膨張係数は、鉄粉11.7×10−6、珪砂2.8×10−6、ジルコサンド5.9×10−6である。熱伝導率は、鉄粉0.7cal/scm℃、珪砂0.191cal/scm℃、ジルコサンド0.0264cal/scm℃である。熱伝導率と比熱の差による冷し金効果である。
従来の天然砂の50〜60wt%に対して鉄粉+ジルコサンド+メッキスラジ+ホウ砂の併用組立鋳型とすることで冷却効果が従来の3倍となる。
鋳物砂中2〜3wt%のホウ砂とメッキスラジを入れることにより、500〜600℃の低融点にて、硼ケイ酸ガラスが形成されジルコサンドと鉄粉を強固に結合する。かつホウ砂の結晶水は急激に膨らみ鉄粉とジルコサンドの結合間に通気性の道を作り鋳造ガスの脱出を助ける。かつ鉄粉の酸化を助ける働きもある。鋳物砂にベースとして含有している水ガラスもガラス化する。その成分は、SiO2:67wt%、Na2O:5wt%>、B2O3:25wt%>、CaO:3wt%>のガラス状となり鉄粉とジルコサンドを結合する。かつ、メッキスラジの金属イオンはガラス化した成分に侵入しやすくなる。B2O3、ZrO2、SiO2の一部となりイオン交換スピードを保有するため急激なる湯の注入により1500±50℃から500℃へと凝固する間に硼ケイ酸ガラスの組織となり結合力を保持する。
注湯後の鋳型ばらしによる鉄粉回収は磁気分離にて回収される。鉄粉はFe→FeO+Fe2O3の酸化が進行してベンガラとして最終回収される。注湯により鉄粉が酸化される現象は、鋳造物に対して鉄粉が酸化されることでガス抜きされていることを示しており、高品質の鋳造品を生み出すのに不可欠である。ガラス化した硼ケイ酸塩ガラスは研削後比重の差にて回収可能であるもアルカリ性ガラス粒子であるため、乾燥後は微細粉ガラス状の中にクリオライト(3NaFALF3)を3対1の割合に配合し、ハイクロム鋳鉄やステンレス鋳物などの高周波炉溶解の際のフラックスとして再利用可能である。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、請求項1に記載された鋳物砂40で形成した鋳型90に冷し金50を入れて鋳造することを特徴とする鋳型90である。
高価であるが鉄粉とジルコサンドの組み合わせにより複雑形状の肉厚差のある鋳造品には、冷し金効果を併せ持つ鉄粉鋳型による鋳造が採用されている。冷し金50は鋳造時に、鋳物の特定の部分の冷却を速めるために使用する金属片であるが、引け防止や鋳造組織の緻密化により鋳物の機械的性質を改善する効果がある。
鋳型型込め手順として、木型の上に2〜3cmの厚みに鋳物砂40を固める、肉厚の差に応じて冷し金50として金属製立込みボルト50を埋め込む。熱量放熱計算にて銅、アルミニウム、鉄製ボルトなどを選択して鋳型90内に固めることで、鋳型内放熱を均一化する。肉厚差から生じる熱応力で発生するクラック防止に特に効果がある。鋳造欠陥の最大の原因は鋳造品の肉厚変化であり、肉厚の大きな部位は冷却まで時間がかかり、肉厚の小さな部位は冷却が早く結果的に両者の中間に引張と縮の差の鋳造応力が働くためクラックとなる危険性がある。鋳型の伸び縮み率を全部同じとするため冷し金50を鋳ぐるむことが鉄粉を混合した鋳型のため可能となった。SS400:0.17cal/scm℃に対して、Cu:0.952cal/scm℃は5.6倍の熱伝導率である。AL:0.531cal/scm℃は3.1倍、黄銅:0.293cal/scm℃で1.7倍である。肉厚の差を冷し金50として立込みボルト50に置き換えることで複雑鋳造の鉄粉鋳型が可能にした。従来の珪砂鋳型では不可能である。
抜熱効果に優れた銅製の立込みボルト50は鉄の5倍以上の熱伝導率のため急激な熱応力にて鋳型90の膨張割れを防ぐ意味がある。従来の珪砂だけと比較すると3倍の放熱となる。鉄粉主体の鋳物砂で形成した鋳型90は、鉄粉そのものが冷し金50となる利点があり、急激な熱膨張率による割れ防止にも繋がる。これをさらに効果的にするのが放熱性に優れた銅製の立込みボルト50である。従来複雑形状の鋳物を鋳造する場合は、鋳型90の分割組立法にて肉厚の差に応じて冷し金50も分割して入れる場合がある。鋳物砂40が鉄粉を含有しているため金型鋳造に近い鋳造となる。金型は高価であるが鉄粉鋳型は安価である。従来の様に木型に沿って砂型鋳型を形成することで、金型鋳型と同等の鋳型で鋳鋳造可能である。
鉄粉のため従来の3倍以上の冷却効果のため冷し金を入れる必要がないが、大きな肉厚の差は鉄粉鋳型内に金属製立込みボルトを鉄粉+ジルコサンドと一緒に固めることで放熱フィンとして均一冷却可能となった。
鉄粉+ジルコサンド鋳型内に金属製冷却フィンボルトと同時に鋳込み結合することで鋳造熱の均一放熱にて繋がるため鋳造品表面の皺が100%できず割れ、巣やピンホールが減少する。
図1は本発明の実施形態を示す。大型排気ブロワーランナーの翼型羽根10のハイクロム鋳鉄の鋳ぐるみ断面を示す。特願2015−030451「メッキ銀ロウによる鋳ぐるみロウ付け法」の発明を応用して鋳ぐるみした金属粉鋳型鋳造法である。鋳ぐるみ羽根はランナー溶接組立するため、翼型羽根10はSM−490を芯金11としている。芯金11にNi+Zn+Ag+Cuを多層メッキ30して、多層メッキ30に15〜20%のピンホールを生成し、ピンホール中に特許4736105号の液体フラックスを含浸させて鋳ぐるみしている。溶融したハイクロム鋳鉄20の有する1500±50℃の熱にて多層メッキ30がフラックスの助けにてカーケンドール効果にて銀ロウとなって、芯金11にハイクロム鋳鉄20が鋳ぐるみロウ付けされている。Ni+Zn+Ag+Cuの多層メッキ30は銀ロウの役割を果たしている。鋳物砂40は鉄粉+ジルコサンド+メッキスラジ+ホウ砂である。鋳型90は上段鋳型91と下段鋳型92に分離している。上段鋳型91と下段鋳型92の2段にてハイクロム鋳鉄20の流れ込む空間を保持する。鋳物砂40の鉄粉が急激に吸収する熱量をフィン効果にて放熱するCuボルト50を一緒に鋳物砂40の鋳型中に保持する。鋳物砂40の外側は従来の川砂の珪砂60である。鋳型上部には湯口兼押湯口70を設けている。溶湯は湯道80を通って注入される。ハイクロム鋳鉄20は芯金11が冷し金となるため肉の薄いところは速く冷えるが、肉厚の厚い部分は冷却速度が遅いためショア硬度で±5程度のバラツキが出る。そのため冷却フィンボルト50にて5倍速く熱を取ることで均一硬度を保持する。
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、請求項1又は請求項2に記載した使用済みの改修鋳物砂200を撹拌槽105に充填し、高周波電気炉100の製錬中に発生するフッ化物を吸引し、該フッ化物を前記撹拌槽105に吹き込んで、前記回収鋳物砂200と混練し、前記フッ化物で前記回収鋳物砂200に含有している強アルカリ成分を中和し、排気ガスは、第1サイクロン109に導いて粗ダストを分離沈降させた後、さらにベンチュリースクラバー114に導いて、微粉ダストとフッ化物を洗浄・沈降せしめ清浄ガスとし、さらに第2サイクロン118に導いてミストを分離した後、放散することを特徴とする鋳物砂回収方法である。
図2は高周波炉で発生した排ガスを回収鋳物砂200に吹き込んで、排ガスに含有している強酸のフッ素ガスで、回収鋳物砂200に含有されている強アルカリ成分を中和するためのフロー図である。高周波炉電気炉100では、溶湯の清浄化と表面張力の除去、酸化防止のために、蛍石(CaF)やクリオライト(3NaF・ALF3)などのフッ化物を使用するため有害なフッ素ガスが発生する。このガスは、大気中の湿度と結びつき強酸性(pH1)のフッ化水素(HF)となる。高周波電気炉100から発生するガスは、F+CO2+CO+3NaF・ALF3のような混合ガスであり毒性が強いので、通常、湿式や環式の集塵機を通すことにより無害化した後に大気中に放出している。又、粉塵として、Na2SiF6(ケイフッ化ナトリウム)、3NaF(フッ化ナトリウム)、ALO2(酸化アルミニウム)などが発生するが、粉塵は回収後水を添加して固めて産業廃棄物して処理している。
本発明は、高周波電気炉100よりフラックスとの還元作用にて生まれるフッ素ガスを無害とし、回収鋳物砂200中の強アルカリをこの排ガスにて中和する方法である。高周波電気炉100では、蛍石、クリオライトなどのフッ化物のフラックスを用いて、ステンレス鋳物、ハイクロム鋳鉄などの溶湯を清浄化、還元、不純物のカラミ状浮かしをしている。高周波電気炉100で発生するフッ化物を主体とする排気ガスの強酸と回収鋳物砂200に含まれる水ガラスなどの強アルカリを湿式もしくは環式タンク内で中和することにより、フッ素ガスやNa2SiO4などを無害化できる。具体的には、高周波電気炉100で発生するフッ素ガス+CO2+COの混合気体を、回収鋳物砂200を充填した撹拌槽105内に注入する。撹拌槽105内に吹き込んだ排気ガスで回収鋳物砂200を激しく撹拌する。
このように、従来大気放散していたガスや産業廃棄物として廃棄していた粉塵を集塵フード101で捕集して、ダクト102を通して、第1吸引ブロワー103で吸引するとともにダクト104を通じて撹拌槽105に吹き込む。撹拌槽105には、エアレーション板106があり、回収鋳物砂200を充填載置している。回収鋳物砂200はホッパー300からバルブ301とダクト302を介して撹拌槽105へと充填される。回収鋳物砂200は混合ガスと混合され、強アルカリ流動研削除去しながら反応中和される。その反応式は以下である。(1)nSiO2+2NaOH→Na2OnSiO2+H2Oで生成した水ガラスは、(2)Na2On・SiO2+2HF+(x−1)H2O→(SiO2)n・xH2O+2NaFとなる。砂同士を研削することで珪砂とフッ化ナトリウム(NaF)となり、2NaFは再度フラックスとなる。高周波電気炉100で発生したCaFや3NaF・ALF3を有効利用できる。CaF+2CO2→CaCO3+回収ガス(CO↑+F↑)、4CaCO3+CO+F+3NaF・ALF3→ALO3+3NaF+4CaF+3CO2↑+COとなる。蛍石、(CaF)、フッ化ナトリウム(NaF)、3酸化アルミニウム(ALO3)として回収する。中和されて撹拌槽105に残留した回収鋳物砂200やエアレーション板106の下に落ちた細粒回収鋳物砂201は取り出し口107から排出され、鋳物砂やフラックスとして再利用する。撹拌槽105で研削することで排ガス中のフッ素ガスをフッ化ナトリウム(NaF)、フッ化カルシウム(CaF)として再回収し1回湿気を与えて固まらせて乾燥後固形フラックスとして還元剤フラックスとして使用する。
比重の差にて3段階に分離した砂は、最上段:Na2O・nSiO2+2HF+(x−1)H2O→(SiO2)n・xH2O+2NaFである。乾燥後溶解フラックスとして再利用する。中段:珪砂が60wt%以上で再使用。下段:金属粉+ジルコサンド再使用、下段を回収し再比重別にてベンガラとして再利用する。
撹拌槽105の排気ガスはダクト108からサイクロン109に導かれ、粗ダスト202を補修し、バルブ110から排出する。第1サイクロン109を出た排気は第2吸引ブロワー112で吸引されダクト111及びダクト113を通って集塵タンク115に吹き込まれる。集塵タンク115の入り口にはベンチュリースクラバー114があり、ノズル116から水を噴出して排気ガス中の微細ダストとフッ素を補修する。集塵タンク115を出た排気ガスはダクト117を通って第2サイクロン118に吹き込まれ、ここでミストを補修し、無害な排気ガスだけがスタック119から排出される。集塵タンク115では回収砂203が補足され水槽120の底に堆積する。第2サイクロン118では回収砂204が補足され水槽120の底に堆積する。回収鋳物砂203や204はフラックスとして再利用される。集塵タンク115の排出ダクト115aとサイクロン118の排出ダクト118aは水槽120に浸漬しており水封されるので外気が侵入することはない。水槽120には仕切り板121と仕切り板122を設けており、上澄み水がポンプ123で吸引され配管124を通ってノズル116に圧送され、ベンチュリースクラバー114のスプレー水として再利用される。
回収排水は水槽120中にて、pH7に中和する。水酸化カルシウム(Ca(OH)2)にて中和して回収する。水槽120の底に中和して溜まったケイ酸カルシウム(CaSiO5・nH2O)、酸化カルシウム、フッ化カルシウムは乾燥後溶解フラックスとして再利用する。
10:翼型羽根
11:芯金
20:ハイクロム鋳鉄
30:多層メッキ
40:鋳物砂
50:冷し金(立込みボルト)
60:珪砂
70:湯口兼押湯口
80:湯道
90:鋳型
91:上段鋳型
92:下段鋳型
100:高周波電気炉
101:フード
102:ダクト
103:第1吸引ブロワー
104:ダクト
105:撹拌槽
106:エアレーション板
107:取り出し口
108:ダクト
109:第1サイクロン
110:バルブ
111:ダクト
112:第2吸引ブロワー
113:ダクト
114:ベンチュリースクラバー
115:集塵タンク
116:ノズル
117:ダクト
118:第2サイクロン
119:スタック
120:水槽
121:仕切り板
122:仕切り板
123:ポンプ
124:配管
200:回収鋳物砂
201:回収鋳物砂
202:回収鋳物砂
203:回収鋳物砂
204:回収鋳物砂
300:ホッパー
301:バルブ
302:ダクト
11:芯金
20:ハイクロム鋳鉄
30:多層メッキ
40:鋳物砂
50:冷し金(立込みボルト)
60:珪砂
70:湯口兼押湯口
80:湯道
90:鋳型
91:上段鋳型
92:下段鋳型
100:高周波電気炉
101:フード
102:ダクト
103:第1吸引ブロワー
104:ダクト
105:撹拌槽
106:エアレーション板
107:取り出し口
108:ダクト
109:第1サイクロン
110:バルブ
111:ダクト
112:第2吸引ブロワー
113:ダクト
114:ベンチュリースクラバー
115:集塵タンク
116:ノズル
117:ダクト
118:第2サイクロン
119:スタック
120:水槽
121:仕切り板
122:仕切り板
123:ポンプ
124:配管
200:回収鋳物砂
201:回収鋳物砂
202:回収鋳物砂
203:回収鋳物砂
204:回収鋳物砂
300:ホッパー
301:バルブ
302:ダクト
Claims (3)
- ジルコサンド(ZrSiO4)と鉄粉とメッキスラジとホウ砂(Na2B4O7・10H2O)を含有することを特徴とする鋳物砂。
- 請求項1に記載された鋳物砂で形成した鋳型に冷し金を入れて鋳造することを特徴とする鋳型。
- 請求項1又は請求項2に記載した使用済みの鋳物砂を回収し撹拌槽に充填し、高周波炉の製錬中に発生するフッ化物を吸引し、該フッ化物を前記撹拌槽に吹き込んで、前記使用済み鋳物砂と混練し、前記フッ化物で前記使用済み鋳物砂に含有している強アルカリ成分を中和し、排気ガスは、サイクロンに導いて粗ダストを分離沈降させた後、さらにベンチュリースクラバーに導いて、微粉ダストとフッ化物を洗浄・沈降せしめて清浄ガスとし、さらにサイクロンに導いてミストを分離した後、放散することを特徴とする鋳物砂回収方法である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015060228A JP2016179477A (ja) | 2015-03-23 | 2015-03-23 | 鋳物砂 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015060228A JP2016179477A (ja) | 2015-03-23 | 2015-03-23 | 鋳物砂 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016179477A true JP2016179477A (ja) | 2016-10-13 |
Family
ID=57131429
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015060228A Pending JP2016179477A (ja) | 2015-03-23 | 2015-03-23 | 鋳物砂 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016179477A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112846079A (zh) * | 2021-01-05 | 2021-05-28 | 中国第一重型机械股份公司 | 一种大型水轮机叶片砂型的造型控制方法 |
-
2015
- 2015-03-23 JP JP2015060228A patent/JP2016179477A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112846079A (zh) * | 2021-01-05 | 2021-05-28 | 中国第一重型机械股份公司 | 一种大型水轮机叶片砂型的造型控制方法 |
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