<<第1実施形態>>
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
本発明に係る遊技機に好適な実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、本発明に係る遊技機を、旧第一種に属する遊技機(所謂デジパチ)に適用している。
<<遊技機の基本構成>>
図1は、本実施形態に係る遊技機100の正面図である。図1を参照して遊技機100の基本構成を説明する。尚、以下の説明において、上下左右とは、特に記述無き限り、遊技盤101に正対する遊技者から見た上下左右を指し、上下方向も左右方向も遊技盤101の盤面に平行である。上下方向は鉛直方向に平行であり、左右方向は水平方向に平行である。
遊技機100は、パチンコ遊技機であって、遊技施設に配される島構造体に取り付けられる外枠10と、外枠10に対して開閉自在に取り付けられる内枠11と、内枠11に対して開閉自在に取り付けられる扉枠12と、を備える。内枠11は外枠10に対して、また、扉枠12は内枠11に対して、共に、左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能(開閉可能)に構成される。扉枠12は内枠11の前面側全体を覆うように内枠11に対して取り付けられるが、扉枠12には後述する遊技領域のほぼ全域を前方(遊技者側)から視認することができるように、透明性を有するガラス板が嵌め込まれてなる窓部12aが形成されている。
遊技機100は、遊技盤101を含む。遊技盤101は内枠11に対して着脱可能に取り付けられ、図1に示された各構成部材を備える。遊技盤101の下部位置には、遊技球を発射するための発射部が配置されている(発射部の詳細構造は図示せず)。
遊技機100において、発射部の駆動により上方に発射された遊技球は、レール102a及び102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技盤101に形成された遊技領域103内を落下(流下)するようになっている。遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に移動方向を変化させながら落下する。また、遊技盤101において、遊技領域103における遊技球の落下経路には、遊技球の落下方向を変化させる風車(不図示)や、第1始動口105、第2始動口106、電動チューリップ107、ゲート108、大入賞口111及び普通入賞口112が設置される。
遊技盤101の略中央部分には、液晶ディスプレイパネル等から成る画像表示部104が配置される。画像表示部104は各種の演出画像を表示する。例えば、画像表示部104は、当たり抽選(特別図柄抽選)の抽選結果を表すための特別図柄に対応して設けられた装飾図柄を表示すると共に、遊技機100が当たり抽選の抽選結果を示すまでに行う演出に関する画像を表示する。画像表示部104には、普通図柄抽選の抽選結果を表すための図柄(普通装飾図柄)などを表示しても良い。なお、当たり抽選を受けるための権利は、後述する所定の第1始動条件又は第2始動条件が成立することによって取得される。また、普通図柄抽選を受けるための権利は、後述する所定の普通図柄抽選条件が成立することによって取得される。
画像表示部104の下方には、第1始動口105が設置され、画像表示部104の右方には、第2始動口106が設置される。始動口105及び106は、遊技球が通過可能(入賞可能)な始動領域を形成する。上述した第1、第2始動条件は、夫々、遊技球が始動口105、106を通過することによって、即ち始動口105、106に遊技球が入賞することによって成立する。また、遊技機100は、始動口105又は106に入賞した遊技球を検出すると、所定個数(例えば、始動口105に対する入賞に対しては3個、始動口106に対する入賞に対しては1個)の遊技球を払い出す。始動口105、106や入賞口(大入賞口111及び普通入賞口112)に対する遊技球の入賞に起因して払い出される遊技球を賞球とも呼ぶ。そして、始動口105に対する遊技球の入賞に対して3個の遊技球が払出されることを、「始動口105の賞球は3個である」と称することができる。本実施形態において、始動口105、106、大入賞口111、普通入賞口112の賞球は、夫々、3個、1個、10個、9個である。なお、第1始動口105は、常時開放されている始動口であるのに対して、第2始動口106は電動チューリップ107が作動しているときのみ開放される始動口である。以下の説明では、第1始動口105への遊技球の入賞により成立した第1始動条件に基づく当たり抽選を「第1特別図柄抽選」と称し、第2始動口106への遊技球の入賞により成立した第2始動条件に基づく当たり抽選を「第2特別図柄抽選」と称することがあり、また、両者を区別する必要がない場合には単に「当たり抽選」と称する。尚、入賞を入球と読み替えてもよい。
電動チューリップ107は第2始動口106の近傍に設けられる。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞し難くさせる閉状態(閉口した状態)と、閉状態よりも遊技球を第2始動口106へ入賞しやすくさせる開状態(開放した状態)の内の、どちらかの状態をとる。これらの状態の切り替えは、電動チューリップ107が備えるソレノイド420(図4参照)によって行われる。実質的には、電動チューリップ107が閉状態であるとき、遊技球の第2始動口106への入賞は不可能であり、電動チューリップ107が開状態であるときにのみ、遊技球の第2始動口106への入賞が可能となる。電動チューリップ107が開状態となることを、電動チューリップ107の開放とも言う。画像表示部104の右側、且つ、電動チューリップ107の上方にはゲート108が配置される。上述した普通図柄抽選条件は、遊技球がゲート108を通過することによって成立する。そして、電動チューリップ107は普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放される。ゲート108も、始動口105及び106と同様、遊技球が通過可能な始動領域を形成する。
第1始動口105の右方、第2始動口106の下方には大入賞口111が設けられる。大入賞口111も、電動チューリップ107のように開閉動作が可能となっている。大入賞口111は、遊技球を大入賞口111へ入賞し難くさせる閉状態(閉口した状態)と、閉状態よりも遊技球を大入賞口111へ入賞しやすくさせる開状態(開放した状態)の内の、どちらかの状態をとる。これらの状態の切り替えは、大入賞口111が備えるソレノイド421(図4参照)によって行われる。実質的には、大入賞口111が閉状態であるとき、遊技球の大入賞口111への入賞は不可能であり、大入賞口111が開状態であるときにのみ、遊技球の大入賞口111への入賞が可能となる。大入賞口111が開状態となることを、大入賞口111の開放とも言う。大入賞口111は、通常、閉鎖されており、当たり抽選にて大当たりに当選した場合に、所定条件(例えば、30秒経過又は遊技球7個の入賞)を満たすまで開状態となるラウンドを所定回数(例えば4回)だけ繰り返す。遊技機100は、大入賞口111に入賞した遊技球を検出すると、所定個数(例えば10個)の賞球を払い出す。
画像表示部104の側方や下方などには、1以上の普通入賞口112が設置される。遊技機100は、普通入賞口112への入賞を検出した場合に所定個数(例えば9個)の賞球を払い出す。尚、第1始動口105、第2始動口106、ゲート108、大入賞口111、普通入賞口112は、図1に示した位置に限らず遊技領域103内の任意の位置に配置されて良い。遊技領域103の最下部には、第1始動口105、第2始動口106、大入賞口111及び普通入賞口112の何れにも入賞しなかった遊技球を回収する回収口113が設けられている。遊技盤101の右下部分には情報表示部114が設けられている(詳細は後述)。尚、回収口113、情報表示部114の設置位置は任意に変更することができる。
上述したように扉枠12には、窓部12aが形成されており、窓部12aの周囲(扉枠12の外周部分)には、遊技機100が当たり抽選の抽選結果を示すまでに行う演出を含む任意の演出に用いられる各種演出部材等が組み込まれている。演出部材としては、第1のスピーカ115a、第2のスピーカ115b、第3のスピーカ115c(以下、いずれのスピーカであるかを区別する必要がない場合は、単に「スピーカ115」と称することもある。)、演出ライト部116、枠可動役物117が組み込まれている。スピーカ115からは演出に用いられる音声が出力される。演出ライト部116は複数のランプ及び複数のモータを有しており、各モータの駆動により各ランプによる光の照射方向を上下又は左右方向に変更することができる。枠可動役物117は、基本的に基準位置で待機しており、演出に用いられるときに作動位置に移動して演出の一部を構成する部材である。
枠可動役物117について詳説すると、枠可動役物117は折畳式可動役物であり、扉枠12の左上部及び右上部に一つずつ設けられている。左上部及び右上部に設けられた枠可動役物117は、基準位置において、夫々、枠可動役物117の左側及び右側が共に扉枠12に接触するように配される一方、作動位置において、前者は、左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動され、後者は、右側を回動基端側とし左側を回動先端側として前方へ回動されて、枠可動役物117の回動先端側は基準位置に比べて遊技者に向かって突出した位置となる。図1は枠可動役物117が基準位置にある状態を示している。
ところで、演出に用いられる可動役物は、遊技盤101上にも設けられており、本実施形態において遊技盤101上には盤可動役物130(図1参照)が設けられる。盤可動役物130は、基本的に基準位置(図1に示した位置)で待機しており、演出に用いられるときに作動位置(基準位置から下方へスライドして画像表示部104の前面へ進出した位置)に移動して演出の一部を構成する。演出に用いられないときには、図1に示すように画像表示部104の上部に設けられた収納スペースに退避することで、遊技者による画像表示部104の視認を妨げることが防がれる。
扉枠12の右下位置には、操作ハンドル119が配置されている。操作ハンドル119は遊技者側に突出するような形状を有しており、その外周部には発射指示部材120が設けられている。発射指示部材120は、操作ハンドル119により回転可能に支持されている。遊技者は遊技球を発射させる場合、発射指示部材120を時計回りに回転させる。このとき、発射指示部材120を回転させる角度により、遊技者は遊技球の発射強度を調整できるようになっている。遊技者は後述する右打ち遊技を行う場合、左打ち遊技を行う場合に比べて、発射指示部材120を回転させる角度を大きくすればよい。また、操作ハンドル119には、遊技者が発射指示部材120を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。発射指示部材120が遊技者によって直接操作されていることを当該センサが検出した場合にのみ、遊技機100は遊技球を発射する。
扉枠12において遊技領域103の下方には、演出ボタン121、十字キー122、上皿(打球供給皿)123、上皿レバー124、下皿(余剰球受皿)125及び下皿レバー126などが設けられている。演出ボタン121及び十字キー122は、遊技者からの操作を受け付けるための操作受付部を構成している。上皿123は遊技球を収容可能な形状を有しており、収容している遊技球を発射部へ送り出す。上皿レバー124は上皿123に収納された遊技球を下皿125に送り出す手段である。下皿125は上皿123に収容しきれない遊技球を収容可能な形状を有しており、遊技球を貯留する。下皿レバー126は下皿125の下面の一部を開口する開口手段であり、遊技者が下皿レバー126を操作することで下皿125に貯留された遊技球が下皿125の下方に配された箱体(不図示の所謂ドル箱)に落下する。
<<情報表示部>>
図2に示す如く、情報表示部114は、当たり抽選の抽選結果を示す特別図柄を表示する特別図柄表示部201、普通図柄抽選の抽選結果を示す普通図柄を表示する普通図柄表示部202、保留表示部203、ラウンド数表示部204及び右打ち表示部205を備えている。各表示部201〜205をLED(Light Emitting Diode)表示器にて形成することができる。
特別図柄として第1及び第2特別図柄が存在する。特別図柄表示部201は、第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示部201a及び第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示部201bを有する。保留表示部203は、表示部203a、203b及び203cを有する。第1特別図柄抽選の権利(後述の特図判定用情報)は、所定数(例えば4)を上限として保留され、その保留された権利の個数が保留情報数U1として表示部203aに表示される。第2特別図柄抽選の権利(後述の特図判定用情報)は、所定数(例えば4)を上限として保留され、その保留された権利の個数が保留情報数U2として表示部203bに表示される。遊技球がゲート108を通過したことによる普通図柄抽選の権利(後述の普図判定用情報)は、所定数(例えば4)を上限として保留され、その保留された権利の個数が保留情報数U3として表示部203cに表示される。
<<遊技機の背面構成>>
図3を参照して、遊技機100の背面構成を説明する。図3は、遊技機100の背面構成を示す、遊技機100の背面斜視図である。遊技機100の裏面には、主制御基板301、賞球制御基板302、演出制御基板303、遊技機100内の各基板に電源を供給する電源基板304、及び、出力端子基板305等が設けられている。それらの基板(特に演出制御基板303)は複数のプリント基板から形成されていても良い。また、遊技機100の裏面には、電源基板304に電力を供給するための電源プラグ315や、電源スイッチ(不図示)も設けられている。また、主制御基板301にはRAMクリアスイッチ(不図示)が設けられている。遊技機100の電源がオフ状態であるときに、RAMクリアスイッチを押しながら電源スイッチを押して電源をオンにすることで、遊技機100に電力が供給されると共にRAMクリア準備状態となり、再度RAMクリアスイッチを押すことで遊技機100の遊技情報を初期化(RAMクリア)することができる。なお、RAMクリアスイッチが押さずに電源スイッチを押して電源をオンにすると、電源オフ前の遊技機100の遊技情報に基づいて遊技機100が制御される。
<<遊技機の基本動作>>
次に、遊技機100の基本動作について説明する。遊技機100は、第1又は第2始動条件が成立すると、その成立タイミングに応じた特図判定用情報を取得し、特図判定用情報に基づく当たり抽選を行う。特図判定用情報の取得は、当たり抽選の権利の取得に相当する。当たり抽選では、当たりに当選したか否か(大当たりに当選したか或いはハズレであるか)が判定される。尚、大当たりの当選を大当たりの発生と表現することがある。第1特別図柄抽選をおこなった場合、遊技機100は、第1特別図柄表示部201aの第1特別図柄を変動表示させる。そして、この変動表示の開始から所定時間経過後に、第1特別図柄抽選の抽選結果を示す図柄で(即ち当たり抽選の抽選結果を示す態様で)第1特別図柄を停止表示させる。一方、第2特別図柄抽選をおこなった場合、遊技機100は、第2特別図柄表示部201bの第2特別図柄を変動表示させる。そして、この変動表示の開始から所定時間経過後に、第2特別図柄抽選の抽選結果を示す図柄で(即ち当たり抽選の抽選結果を示す態様で)第2特別図柄を停止表示させる。
遊技機100は、特別図柄(第1又は第2特別図柄)を変動表示させると、それに合わせて画像表示部104上で装飾図柄を変動表示させ、特別図柄の停止表示に合わせて装飾図柄を停止表示させる。画像表示部104に表示される装飾図柄は、第1〜第3装飾図柄を含み、各装飾図柄には数値又は記号等が対応付けられている。
第1〜第3装飾図柄は、当たり抽選の結果が大当たりである場合には大当たりの種類に応じた組み合わせで停止表示される。例えば、後述の16Rの確変長当たり(図7参照)に当選した場合には、第1〜第3装飾図柄を、16R確変長当たりを示す赤色の装飾図柄(例えば、「3,3,3」又は「7,7,7」の数字図柄のゾロ目)で停止表示させる。後述の4R確変長当たり、4R潜確長当たり又は4Rの通常長当たりに当選した場合には、各装飾図柄を4R確変長当たり、4R潜確長当たり又は4R通常長当たりを示す青色の装飾図柄(例えば、「3,3,3」又は「7,7,7」以外の数字図柄のゾロ目)で停止表示させる。尚、16R確変長当たりに当選した場合であっても、画像表示部104上に上記青色の装飾図柄を停止表示させ、その後において、16R確変長当たりであることを明示する昇格成功演出を行うこともある。
また、後述の2R潜確短当たり又は2R通常短当たり(図7参照)に当選した場合、及び、当たり抽選の結果がハズレの場合(即ち、当たり抽選に落選した場合、換言すれば、大当たりに当選していない場合)には、第1〜第3装飾図柄を、所謂バラケ目で停止表示させる。バラケ目とは、第1装飾図柄と第2装飾図柄とを関連性のない図柄で停止させることに相当する。なお、本実施形態によれば、当たり抽選の結果が短当たり(2R確変短当たり又は2R通常短当たり)である場合と、当たり抽選の結果がハズレの場合と、で共に、第1〜第3装飾図柄がバラケ目で停止表示されるため、各装飾図柄の停止表示の組み合わせのみでは、当たり抽選の結果が短当たりであるか、ハズレであるかを判別することはできないが、各装飾図柄の停止表示の組み合わせ以外の演出により、遊技者に対して、当たり抽選の結果が短当たりであるか、ハズレであるかを認識させる。例えば、後述する潜伏モードBに対応付けられた画像(例えば、“エスケープモード”の文字を含む画像)を画像表示部104に表示することにより、当たり抽選の結果が短当たりであることを遊技者に認識させ、潜伏モードBに対応付けられた画像が画像表示部104に表示されないことにより、当たり抽選の結果がハズレであることを遊技者に認識させる。また、当たり抽選の結果が短当たりである場合には、第1〜第3装飾図柄が停止表示された後に、後述する大当たり遊技が実行されるため、遊技者は、大当たり遊技の実行の有無によっても、当たり抽選の結果が短当たりであるか、ハズレであるかを判別することが可能である。
大当たりを示す組み合わせで特別図柄を停止表示させると、遊技機100は、大当たり遊技状態となる。大当たり遊技状態では、大入賞口111を開放させるラウンド遊技を、当選した大当たりの種類(図7参照)に応じたラウンド分(本実施形態では2ラウンド分又は4ラウンド分又は16ラウンド分)実行する遊技を含む大当たり遊技が行われる。大入賞口111の開放中に遊技球が開放中の大入賞口111へ入賞すると、遊技機100は所定個数(例えば10個)の賞球を払い出す。大当たり遊技状態は、大当たり遊技が終了することによって終了する。
大当たり遊技は、当たり抽選の結果が大当たりであることを示す特別図柄が特別図柄表示部201に停止表示された後に開始される。大当たり遊技が開始されると、所定のオープニング期間(例えば5秒)経過後に、大入賞口111を開放させるラウンド遊技が、所定のラウンド間インターバル期間(後述する大入賞口開放パターンにて設定される時間)を隔てて複数回(後述する大当たりの種類に応じて設定されるラウンド数(図7参照)に応じた回数)実行される。そして、最後のラウンド遊技が終了し、所定のエンディング期間(例えば5秒)が経過した後に、大当たり遊技が終了される。つまり本実施形態において大当たり遊技は、オープニング期間、N回分のラウンド遊技が実行される期間、(N−1)回分のラウンド間インターバル期間、エンディング期間から構成されるといえる(Nは、大当たりの種類に応じて設定されるラウンド数に応じた回数)。なお、大当たり遊技が開始されてから終了されるまでの期間(つまり遊技機100が大当たり遊技状態である期間)のことを、大当たり遊技期間或いは大当たり遊技中とも称する。
遊技機100は、大当たり遊技状態において、当たり抽選(特別図柄抽選)を行わないが、普通図柄抽選は行う。なお、大当たり遊技状態は、後述する非電サポ遊技状態に属するものと扱われ、大当たり遊技状態における普通図柄抽選は、非電サポ遊技状態における普通図柄抽選と同様に行われる。遊技機100は、大当たり遊技の終了後、遊技機100の遊技状態が大当たり遊技状態から、他の遊技状態(例えば高確率電サポ遊技状態)に変更されることで、当たり抽選を行う状態に復帰する。大当たり遊技中は、右打ちによって遊技が行われる。右打ちとは、遊技領域103の内、遊技領域103を左右に分断する中心線の右側の遊技領域に遊技球が打ち出されることを指す。これに対し、左打ちとは、遊技領域103の内、上記中心線の左側の遊技領域に遊技球が打ち出されることを指し、左打ちでは第2始動口106、大入賞口111に対して遊技球を入賞させることができない。大当たり遊技状態は、通常遊技状態よりも、遊技者にとって有利な遊技状態である(換言すれば、大当たり遊技は、通常遊技状態における遊技よりも遊技者にとって有利である)。大当たり遊技における有利とは、通常遊技状態での遊技と比べて、大入賞口111の開放に伴い、遊技者がより多くの賞球を得やすい(得られる賞球の期待値が大きい)ことを意味する。
<<遊技機の遊技状態>>
遊技機100は、大入賞口111の開放を伴う遊技状態(上述した大当たり遊技状態を含む)を除いて、低確率非電サポ遊技状態である通常遊技状態、高確率電サポ遊技状態、及び、高確率非電サポ遊技状態の内、何れか1つの遊技状態をとる。遊技機100の初期状態における遊技状態は、低確率非電サポ遊技状態である。電サポとは、電チューサポート機能の略であり、詳細については後述する。
通常遊技状態(低確率非電サポ遊技状態)は、低確率遊技状態に属する。低確率遊技状態において、遊技機100は、低確率特図当たり判定テーブル(後述の図6のテーブルTAt1参照)を用いた当たり抽選を行う。本実施形態では例として、1/129の確率で大当たりに当選する当たり抽選を行うものとする。
高確率電サポ遊技状態及び高確率非電サポ遊技状態は、高確率遊技状態に属する。高確率遊技状態において、遊技機100は、高確率特図当たり判定テーブル(後述の図6のテーブルTAt2参照)を用いた当たり抽選を行う。本実施形態では例として、1/26の確率で大当たりに当選する当たり抽選を行うものとする。つまり、高確率遊技状態では、低確率遊技状態に比べて、約5倍高い確率で大当たりに当選するようになっている。従って、大当たりの当選に関して高確率遊技状態は低確率遊技状態よりも遊技者に有利である。
高確率電サポ遊技状態は、電サポ遊技状態に属する。電サポ遊技状態において、遊技機100は、電動チューリップ107の開閉を伴う遊技サポート機能(以下「電サポ」という)を付与する(即ち電サポを発動させる)。遊技機100が電サポ遊技状態である期間を電サポ遊技期間或いは電サポ遊技中と称することがある。電サポの具体的な内容としては、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、例えば、電サポが付与されたとき、そうでない時と比べて、普通図柄の変動時間の短縮、普通図柄抽選の当選確率の増加(従って、電動チューリップ107の開放頻度の増加)、及び、電動チューリップ107の開放時間の増加が図られ、結果、電サポ遊技状態では、電サポが付与されない非電サポ遊技状態に比べて、第2始動口106へ遊技球が入賞しやすくなる。電サポ遊技状態では、上述した右打ちによって遊技が行われ、当たり抽選の契機は第2始動口106への入賞となる。なお、遊技領域103には、右打ち遊技が行われているときに打ち出された遊技球が第1始動口105に入賞されないように釘や障害物が設けられており、右打ち遊技が行われているときおいて第1始動条件は成立しない。
通常遊技状態(低確率非電サポ遊技状態)及び高確率非電サポ遊技状態は、電サポが付与されない非電サポ遊技状態に属する。非電サポ遊技状態では、上述した左打ちによって遊技が行われ、当たり抽選の契機は主として第1始動口105への入賞となる。上述の説明からも理解されるように、電サポ遊技状態は非電サポ遊技状態よりも相対的に始動条件(第2始動条件)が成立しやすい遊技状態である。従って、始動条件の成立しやすさに関して電サポ遊技状態は非電サポ遊技状態よりも遊技者に有利である。
<<遊技機の内部構成>>
図4を参照して、遊技機100の内部構成を説明する。図4は、遊技機100内の、制御に関わる部分のブロック図である。図4に示す如く、遊技機100に設けられた制御部400は、遊技の進行を制御する主制御部401と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部402と、演出内容を制御する演出制御部403とを備えている。制御部400の他、図4に示される各構成要素が遊技機100に設けられる。例えば、図3の主制御基板301、賞球制御基板302及び演出制御基板303により、夫々、図4の主制御部401、賞球制御部402及び演出制御部403が形成され、図3の出力端子基板305は図4の盤用外部情報端子基板491を含む。
[1.主制御部]
主制御部401は、CPU(Central Processing Unit)411と、ROM(Read Only Memory)412と、RAM(Random Access Memory)413と、不図示の入出力インターフェース(I/O)等を備えて構成される。主制御部401におけるCPU、ROM、RAMを、夫々、特に、メインCPU、メインROM、メインRAMとも呼ぶ。メインCPU411は、遊技の進行に関する各種プログラム等をメインROM412から読み出し、メインRAM413をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。図4に示す如く、メインROM412には、テーブルTAt、TZt、THt、FAt、FZt、FHt及びDKtが格納され、メインRAM413には、記憶領域413a〜413jが設けられている。この他にも、様々なテーブルをメインROM412に格納しておくことができると共に、様々な記憶領域をメインRAM413に設けておくことができる。
また、主制御部401には、遊技球を検出する各種スイッチ(以下「SW」と略すことがある)が接続されている。例えば、図示のように、主制御部401には、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW414aと、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW414bと、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW415と、大入賞口111へ入賞した遊技球を検出する大入賞口SW416と、普通入賞口112へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW417と、が接続されている。
SW414a及び414b並びにSW415〜417の夫々は、遊技球を検出したか否かを示す検出信号を主制御部401へ出力し、主制御部401は、入力された検出信号に基づき、当たり抽選を受けるための権利に相当する特図判定用情報を記憶したり、特図判定用情報を用いて当たり抽選をおこなったり、普通図柄抽選を受けるための権利に相当する普図判定用情報を記憶したり、普図判定用情報を用いて普通図柄抽選をおこなったり、賞球制御部402に対して賞球の払い出し指示をおこなったりする。SW414a、414b、415、416及び417として、近接スイッチなどを採用することができる。また、第1始動口105が遊技盤101上に複数設けられている場合、複数の第1始動口105の夫々に対して第1始動口SW414aが設けられる。第2始動口106、ゲート108、大入賞口111、普通入賞口112が複数設けられる場合も同様である。
また、主制御部401には、遊技盤101上の電動役物を駆動させる各種ソレノイドが接続されている。例えば、図示のように、主制御部401には、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド420と、大入賞口111を開閉動作させる大入賞口ソレノイド421と、が接続されている。主制御部401は、普通図柄抽選の抽選結果に基づき電動チューリップソレノイド420に対し電気信号を入力又は非入力とし、当たり抽選の抽選結果に基づき大入賞口ソレノイド421a及び421bに対し電気信号を入力又は非入力とする。ソレノイド420及び421は、夫々、主制御部401から供給される電気信号を機械的な運動に変換することで、電動チューリップ107の開閉動作、大入賞口111の開閉動作を行う。
また、主制御部401には、図2の情報表示部114内の各種表示部が接続される(但し、図4において表示部204及び205の図示は省略)。主制御部401は、当たり抽選の抽選結果に基づき第1特別図柄表示部201a又は第2特別図柄表示部201bの表示制御を行い、普通図柄抽選の抽選結果に基づき普通図柄表示部202の表示制御を行う。更に、主制御部401は、保留情報数U1、U2及びU3に基づき保留表示部203の表示内容を制御する。
[1−1.メイン処理]
図5に、主制御部401が行う主だった処理を列記する。遊技機100へ電力が供給されると、メインCPU411によりメイン処理が実行される。メイン処理において、メインCPU411は、主制御部401のCTC(タイマカウンタ)などの内蔵デバイスの初期設定を行って、設定内容を示す設定情報を設定記憶領域413aに記憶させる。例えば、後述のタイマ割込処理を実行する周期などを示す情報が、設定情報に含まれる。また、メイン処理では、遊技機100への電源の遮断の有無が監視され、電源が遮断された場合にはバックアップ情報を生成して、該バックアップ情報をバックアップ記憶領域413bに記憶させる。メインRAM413にはバックアップ電源(不図示)により、遊技機100の電源が遮断されても一定期間(例えば1日)電源が供給されるようになっている。このため、メインRAM413は、遊技機100の電源が遮断されても一定期間、バックアップ記憶領域413bに記憶されたバックアップ情報を保持できる。
[1−2.タイマ割込み処理]
メインCPU411は、メイン処理により設定記憶領域413aに記憶された周期(例えば数ミリ秒又はそれ以下の周期)で、メイン処理に対しタイマ割込処理を割り込み実行する(図5参照)。タイマ割込処理において、メインCPU411は、乱数更新処理、スイッチ処理、特別図柄処理、普通図柄処理、電動役物制御処理、賞球処理及び出力処理を順次実行する。
[1−2−1.乱数更新処理]
乱数更新処理を説明する(図5参照)。乱数更新処理において、メインCPU411は、カウンタ記憶領域413cに記憶された各乱数カウンタのカウント値に「1」を加算することで各乱数カウンタのカウント値を更新する。カウンタ記憶領域413cには、特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2、特図変動パターン乱数カウンタC3、及び、普図当たり乱数カウンタC4を含む、主制御部401が管理する各種乱数カウンタのカウント値が記憶されている。カウンタC1〜C4は、夫々、特図当たり乱数、特図図柄乱数、特図変動パターン乱数、普図当たり乱数をカウントする。乱数更新処理において、メインCPU411は、乱数カウンタC1〜C4の内、何れか任意のカウンタのカウント値が所定の上限値を超えたときには、当該カウンタのカウント値を「0」に戻し、その後、同様のカウントアップを行う。ここでは例えば、特図当たり乱数、特図図柄乱数、特図変動パターン乱数を、夫々、「0〜3353」、「0〜99」、「0〜499」の範囲内でカウントさせるものとする。また、例えば、普図当たり乱数を、「0〜99」の範囲内でカウントさせるものとする。尚、本実施形態における任意の乱数は、特に記述無き限り、整数値のみをとる。
[1−2−2.スイッチ処理]
スイッチ処理を説明する(図5参照)。スイッチ処理において、メインCPU411は、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理、大入賞口スイッチ処理、普通入賞口スイッチ処理を順次実行する。
始動口スイッチ処理は、第1及び第2始動口スイッチ処理から成る(図5参照)。第1始動口スイッチ処理において、メインCPU411は、第1始動口SW414aにより第1始動口105に入賞した遊技球が検出されたタイミング(即ち、始動口105への入賞に基づく第1始動条件の成立タイミング)で、カウンタ記憶領域413cの特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2及び特図変動パターン乱数カウンタC3のカウント値を取得し、取得したカウンタC1〜C3のカウント値を、特図当たり乱数、特図図柄乱数及び特図変動パターン乱数として含んだ特図判定用情報(特図保留情報)をメインRAM413の特図判定用情報記憶領域413dに記憶させる。第2始動口スイッチ処理において、メインCPU411は、第2始動口SW414bにより第2始動口106に入賞した遊技球が検出されたタイミング(即ち、始動口106への入賞に基づく第2始動条件の成立タイミング)で、カウンタ記憶領域413cの特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2、特図変動パターン乱数カウンタC3のカウント値を取得し、取得したカウンタC1〜C3のカウント値を特図当たり乱数、特図図柄乱数及び特図変動パターン乱数として含んだ特図判定用情報(特図保留情報)を、メインRAM413の特図判定用情報記憶領域413dに記憶させる。
特図判定用情報記憶領域413dは、第1始動条件の成立に基づく特図判定用情報及び第2始動条件の成立に基づく特図判定用情報の夫々を、所定数を上限として記憶することができる(「特図判定用情報を特図判定用情報記憶領域413dに記憶すること」と「当たり抽選の権利を保留すること」とは同義であるともいえる)。ここでは、その所定数が4であるとする。従って、記憶領域413dには、最大8つまでの特図判定用情報を記憶することができる。記憶領域413d内における、第1、第2始動条件の成立を契機とした特図判定用情報の個数が、夫々、上記の保留情報数U1、U2に相当する。また、記憶領域413dに記憶された各特図判定用情報に対し、当たり抽選を受けるための優先順位が設定されている。基本的に、時間的に先に取得された特図判定用情報に対しより高い優先順位が設定される。但し、第1始動条件の成立によって取得された特図判定用情報と比べ、第2始動条件の成立によって取得された特図判定用情報に対し、より高い優先順位が設定されるものとする(つまり、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが優先される)。始動口スイッチ処理の中で実行される事前判定処理については後述する。
ゲートスイッチ処理(図5参照)において、メインCPU411は、ゲートSW415によりゲート108を通過した遊技球が検出されたタイミング(即ち、ゲート108の通過に基づく普通図柄抽選条件の成立タイミング)で、カウンタ記憶領域413cの普図当たり乱数カウンタC4のカウント値を取得し、取得したカウンタC4のカウント値を普図当たり乱数として含んだ普図判定用情報(普図保留情報)を、メインRAM413の普図判定用情報記憶領域413iに記憶させる。普図判定用情報記憶領域413iは、普図判定用情報を所定数を上限として記憶することができる(「普図判定用情報を普図判定用情報記憶領域413iに記憶すること」と「普通図柄抽選の権利を保留すること」とは同義であるともいえる)。ここでは、その所定数が4であるとする。記憶領域413i内における普図判定用情報の個数が上記の保留情報数U3に相当する。記憶領域記憶領域413iに記憶された各普図判定用情報に対し普通図柄抽選を受けるための優先順位が設定されている。時間的に先に取得された普図判定用情報に対しより高い優先順位が設定される。
大入賞口スイッチ処理(図5参照)において、メインCPU411は、大入賞口111に入賞した遊技球を大入賞口SW416により検出する。普通入賞口スイッチ処理(図5参照)において、メインCPU411は、普通入賞口112に入賞した遊技球を普通入賞口SW417により検出する。
[1−2−3.特別図柄処理]
特別図柄処理(図5参照)を説明する。特別図柄処理において、メインCPU411は特図判定を実行する。特図判定は、特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定から成る。上述の当たり抽選は、特図当たり判定及び特図図柄判定を含み、特図変動パターン判定を更に含むと考えても良い。故に、特図判定は当たり抽選を包含すると考えても良いし、特図判定と当たり抽選は互いに等価であると考えても良い。特別図柄処理において、メインCPU411は、特図判定用情報記憶領域413dに記憶されている特図判定用情報を用いて、特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定を順次実行し、これらの判定結果を特図判定結果記憶領域413eに記憶させる。そして、特図変動パターン判定によって選択された特図変動パターンが示す変動時間だけ特別図柄の変動表示を行った後、特図当たり判定及び特図図柄判定の判定結果を示す図柄で特別図柄を停止させる。
メインCPU411は、特別図柄の変動表示を開始する際、特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の判定結果を含む変動開始コマンドをメインRAM413に設定することで演出制御部403に対し変動演出の実行開始を指示し、特別図柄の変動を停止する際、変動停止コマンドをメインRAM413に設定することで演出制御部403に対し変動演出の実行終了を指示する。また、特図当たり判定の結果が大当たりの当選を示しているとき、メインCPU411は、変動停止コマンドに続きオープニングコマンドをメインRAM413に設定することで演出制御部403に対し大当たりに対応付けられた当たり演出の実行開始を指示し、エンディングコマンドをメインRAM413に設定することで演出制御部403に対し、大当たりに対応付けられた当たり演出の実行終了を指示する。オープニングコマンドには、大当たり遊技中における当たり演出の実行開始を指示する役割の他、ラウンド遊技が開始されるまでの時間を示す情報(言い換えれば上記オープニング期間を示す情報)、大当たりの種類を示す情報、大当たりに係る抽選が第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選のいずれの抽選であるかを示す情報、大当たりの発生時における遊技機100の遊技状態(高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるか、及び、電サポ遊技状態であるか非電サポ遊技状態であるか)を特定可能な情報が含まれる。エンディングコマンドには、大当たり遊技の終了タイミングを示す情報、言い換えれば上記エンディング期間を示す情報が含まれる。演出制御部403は上記オープニングコマンド及びエンディングコマンドに含まれる情報に基づいて大当たり遊技中における当たり演出の内容を決定することが可能である。これらのコマンドは、後述の出力処理(図5参照)において演出制御部403に出力される。演出制御部403により決定される当たり演出の詳細については、後述する当たり演出処理(図13参照)にて説明する。
特別図柄処理において、メインCPU411は、特図判定用情報記憶領域413d内で最も優先順位を高く設定された特図判定用情報を判定対象(当該判定対象)TTとして取得し、判定対象TTの特図判定用情報を用いて特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定を順次実行する。判定対象TTとなった特図判定用情報は記憶領域413dから消去されて(故に保留情報U1又はU2が1だけ減少し)他の記憶領域(不図示)に移される。尚、特別図柄処理において、記憶領域413dに特図判定用情報が記憶されていない場合には、特図判定が行われることなく特別図柄処理を終える。
特別図柄処理において、メインCPU411は、まず、メインROM412に記憶された特図当たり判定テーブルTAtと判定対象TTの特図当たり乱数との比較を伴う特図当たり判定を行う。
図6に示すように、特図当たり判定テーブルTAtは、低確率特図当たり判定テーブルTAt1と、高確率特図当たり判定テーブルTAt2とから構成される。テーブルTAt1及びTAt2の夫々は、大当たりに対応付けられた所定の判定値を有して構成される。
メインCPU411は、特図当たり判定時(即ち当たり抽選時)に、高確率遊技フラグがOFFに設定されていた場合にはテーブルTAt1を用いて特図当たり判定を行い、高確率遊技フラグがONに設定されていた場合にはテーブルTAt2を用いて特図当たり判定を行う。そして、メインCPU411は、判定対象TTの特図当たり乱数が大当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には大当たりに当選したと判定し、そうでない場合にはハズレである(即ち大当たりに当選していない)と判定する。遊技機100の遊技状態は、高確率遊技フラグがONであるときに高確率遊技状態であり、高確率遊技フラグがOFFであるときに低確率遊技状態である。ここでは、大当たりの当選確率(当たり抽選の当選確率)が、低確率遊技状態、高確率遊技状態において、夫々、1/129、1/26となるように、特図当たり判定テーブルTAtが形成されているものとする。
図7は、大当たりの種類を示す図である。大当たりの種類として、特A〜特D、及び、通A〜通Bがある。特A及び特Cは確変長当たりに属し、特Bは潜確長当たりに属し、通Aは通常長当たりに属し、特Dは潜確短当たりに属し、通Bは通常短当たりに属する。特A〜特D、及び、通A〜通Bには夫々ラウンド数が設定されており、特A、特B、特C、特D、通A、通Bのラウンド数は、夫々、4、4、16、2、4、2である。尚、大当たりにおける“R”はラウンドを示す。各ラウンドにおいて、大入賞口111の開放時間が所定時間に達するまで、大入賞口111が開放される。但し、各ラウンドにおいて、大入賞口111の開放時間が所定時間に達さなくても、大入賞口111への遊技球の入賞数が所定数(例えば、7個であり、以下、所定カウント数と称することがある)に達した時点で大入賞口111は閉鎖される。以下の大入賞口111の開放時間に関する説明では、各ラウンドにおいて大入賞口111への遊技球の入賞数が所定数に達していない状況を想定している。
確変長当たり、潜確長当たり及び通常長当たりにおける各ラウンドの大入賞口111の開放時間は、所定のロング開放時間dt1(例えば30秒)である。各ラウンドの大入賞口111の開放時間は、確変長当たり、潜確長当たり及び通常長当たり間で同じであるが、確変長当たり、潜確長当たり及び通常長当たり間で多少異なっていても良い。
潜確短当たり及び通常短当たりにおける各ラウンドの大入賞口111の開放時間は上記所定のロング開放時間dt1よりも開放時間が短い所定のショート開放時間dt2(例えば0.2秒)である。各ラウンドの大入賞口111の開放時間は、潜確短当たり及び通常短当たり間で同じであるが、潜確短当たり及び通常短当たり間で多少異なっていても良い。
第1特別図柄抽選において、大当たりに当選したとき、その大当たりが、特A、特B、通Aとなる割合は、夫々、60%、20%、20%である。第2特別図柄抽選において、大当たりに当選したとき、その大当たりが、特A、特C、特D、通Bとなる割合は、夫々、35%、40%、5%、20%である。つまり、第1特別図柄抽選において、特C、特D及び通Bの大当たりに当選することは無く、また、第2特別図柄抽選において、特B及び通Aの大当たりに当選することは無い。
図8に、大当たりの発生を契機とした遊技状態及び演出モードの変化の様子を示す。尚、演出モードに関する詳細は、後の説明から明らかとなる。
特A又は特Cの大当たりに当選した場合、メインCPU411は、特A又は特Cの大当たり遊技の終了後、遊技機100の遊技状態を高確率電サポ遊技状態に設定し、次回の大当たりに当選するまで、その設定内容(高確率電サポ遊技状態)を維持する。実際には例えば、特A又は特Cの大当たり遊技の終了後、次回の大当たりが発生しない限り、特別図柄が10000回変動するまで高確率電サポ遊技状態が維持される。高確率電サポ遊技状態における大当たりの当選確率は “1/26”であるため、特A又は特Cの大当たり遊技の終了後は、実質的に、次回の大当たりの当選まで高確率電サポ遊技状態が維持されると言える。
特B又は特Dの大当たりに当選した場合、メインCPU411は、特B又は特Dの大当たり遊技の終了後、遊技機100の遊技状態を高確率非電サポ遊技状態に設定し、次回の大当たりに当選するまで、その設定内容(高確率非電サポ遊技状態)を維持する。実際には例えば、特B又は特Dの大当たり遊技の終了後、次回の大当たりが発生しない限り、特別図柄が10000回変動するまで高確率非電サポ遊技状態が維持される。高確率非電サポ遊技状態における大当たりの当選確率は “1/26”であるため、特B又は特Dの大当たり遊技の終了後は、実質的に、次回の大当たりの当選まで高確率非電サポ遊技状態が維持されると言える。
通A又は通Bの大当たりに当選した場合、メインCPU411は、通A又は通Bの大当たり遊技の終了後、遊技機100の遊技状態を低確率非電サポ遊技状態(即ち通常遊技状態)に設定する。
特図当たり判定において大当たりに当選したと判定した場合、メインCPU411は、メインROM412に記憶されている特図図柄判定テーブルTZtと判定対象TTの特図図柄乱数とを比較し、比較結果に基づいて大当たりの種類を判定する特図図柄判定を行う。
特図図柄判定テーブルTZtは、第1特図図柄判定テーブルと、第2特図図柄判定テーブルとから構成される。判定対象TTが第1始動条件の成立を契機として取得された特図判定用情報である場合には第1特図図柄判定テーブルを用いて、判定対象TTが第2始動条件の成立を契機として取得された特図判定用情報である場合には第2特図図柄判定テーブルを用いて、特図図柄判定が行われる。第1、第2特別図柄についての大当たりの種類が上述した割合(図7参照)で定まるように、夫々、第1、第2特図図柄判定テーブルが形成されている。
図7から分かるように、第2始動条件の成立による特図図柄判定は、第1始動条件の成立による特図図柄判定よりも遊技者にとって相対的に有利なものとなっている(即ち、より多くの賞球を得やすい)。ここにおける相対的に有利とは、第2始動条件の成立に基づき実行される大当たり遊技において大入賞口111への入賞により得られる賞球数の期待値が、第1始動条件の成立に基づき実行される大当たり遊技において大入賞口111への入賞により得られる賞球数の期待値よりも大きいことを意味する。“大当たり遊技において大入賞口111への入賞により得られる賞球数の期待値”を、大当たり遊技におけるラウンド数の期待値、又は、大当たり遊技における大入賞口111の総開放時間の最大値の期待値に読み替えても良い。
具体的には、第1特別図柄抽選では、16Rの大当たりに当選しないのに対して、第2特別図柄抽選では、16Rの大当たりに当選しうる点が、第1始動条件の成立による特図図柄判定に比べて、第2始動条件の成立による特図図柄判定の方が16Rの大当たりに当選する確率が高確率であることが、遊技者にとって有利となる一因である。
メインCPU411は、特別図柄処理において、特図変動パターンテーブルTHtと判定対象TTの特図変動パターン乱数とに基づき、判定対象TTに対する特図変動パターンを判定する特図変動パターン判定を行う。特図変動パターンの判定は特図変動パターンの選択又は設定と同義である。特図変動パターンテーブルTHtには複数の特図変動パターンが含まれており、特図変動パターン判定において判定対象TTに対する1つの特図変動パターンが選択される。各特図変動パターンは、特別図柄の変動態様を定義したものであり、例えば、特別図柄の変動時間(特別図柄の変動表示が行われる時間の長さ)を定義している。
図9に、特図変動パターンテーブルTHtの例を示す。特図変動パターンテーブルTHtには、遊技機100の遊技状態に対応付けられた特図変動パターンテーブルが含まれており、確変モード用特図変動パターンテーブルTHt_a、潜伏モード用特図変動パターンテーブルTHt_b、通常モード用特図変動パターンテーブルTHt_cを含む複数の特図変動パターンテーブルから形成される。なお、後述するように演出制御部403は、遊技機100の遊技状態に基づいて、複数の演出モードから1つの演出モードを選択及び設定するため、各特図変動パターンテーブルは、演出モードに対応付けられているともいえる。
テーブルTHt_a〜THt_cの夫々は、特別図柄の変動態様を各々に定義する複数の特図変動パターンを格納している。特図変動パターン判定において、CPU411は、遊技機100の遊技状態に基づき、テーブルTHt_a〜THt_cの内の1つのテーブルを選択し、選択したテーブルに含まれる複数の特図変動パターンの中から、判定対象TTの特図変動パターン乱数に基づき、1つの特図変動パターンを選択する。
以下、通常モード用特図変動パターンテーブルTHt_c及び確変モード用特図パターンテーブルTHt_aを例にこの順に説明する。
図10に、通常モード用特図変動パターンテーブルTHt_cの例を示す。通常モード用特図変動パターンテーブルTHt_cは、遊技機100の遊技状態が低確率非電サポ遊技状態であるときに選択・使用されるテーブルであり、ハズレ用の特図変動パターンテーブルTHt_c1と、大当たり用の特図変動パターンテーブルTHt_c2とを含む。
テーブルTHt_c1及びTHt_c2の夫々は、特図変動パターンTHp_c11〜THp_c16の全部又は一部に対して所定の判定値を対応づけたテーブルである。特図変動パターンTHp_c11〜THp_c16を含む各特図変動パターンは、特別図柄の変動態様を定義したものであり、例えば、特別図柄を変動させる時間(特別図柄の変動表示が行われる時間の長さであって、以下「変動時間」と称することがある)を定義している。特図変動パターンTHp_c11〜THp_c16における特別図柄の変動時間は、夫々、13.5秒、30秒、40秒、60秒、70秒、90秒である。
テーブルTHt_cを用いた特図変動パターン判定において、CPU411は、特図当たり判定の判定結果がハズレの場合にはテーブルTHt_c1を選択する一方、特図当たり判定の判定結果が大当たりの場合にはテーブルTHt_c2を選択する。そして、CPU411は、判定対象TTの特図変動パターン乱数が、選択テーブル(ここでは、THt_c1又はTHt_c2)における特図変動パターンTHp_ciに割り当てられた判定値と一致する場合に、判定対象TTに対応する特図変動パターンとして、特図変動パターンTHp_ciを選択及び設定する(ここで、iは11以上16以下の整数)。
テーブルTHt_c1では、特図変動パターンTHp_c11、THp_c12、THp_c13、THp_c14、THp_c15に対して、夫々、計475個の判定値「0〜474」、計16個の判定値「475〜490」、計5個の判定値「491〜495」、計3個の判定値「496〜498」、1個の判定値「499」を割り当てている(各判定値は整数)。テーブルTHt_c2では、特図変動パターンTHp_c12、THp_c13、THp_c14、THp_c15、THp_c16に対して、夫々、計25個の判定値「0〜24」、計50個の判定値「25〜74」、計125個の判定値「75〜199」、計290個の判定値「200〜489」、計10個の判定値「490〜499」を割り当てている(各判定値は整数)。
テーブルTHt_c1では、特図変動パターンTHp_c16に対し判定値が割り当てられていない。また、テーブルTHt_c2では、特図変動パターンTHp_c11に対し判定値が割り当てられていない。通常モード用特図変動パターンテーブルTHt_cが用いられる遊技状態では、変動時間が長い特図変動パターンほど大当たり時に選択されやすくハズレ時に選択され難くなっている。つまり、変動時間が長い特図変動パターンほど大当たりに対する信頼度が高くなるように、テーブルTHt_c内の判定値が定められている。
尚、図10には示していないが、保留情報数U1が所定数(例えば3)以上であるときにおいて、判定対象TTの特図当たり判定の結果がハズレであり且つ判定対象TTの特図変動パターン乱数が“0〜474”内の何れかである場合、13.5秒より小さな変動時間(例えば2秒)を持つ特図変動パターンを、判定対象TTに対応する特図変動パターンとして選択及び設定するようにしても良い。また、保留情報数U1が所定数(例えば1)以下であるときにおいて、判定対象TTの特図当たり判定の結果がハズレであり且つ判定対象TTの特図変動パターン乱数が“0〜474”内の何れかである場合、13.5秒より大きく、30秒よりも小さな変動時間(例えば20秒)を持つ特図変動パターンを、判定対象TTに対応する特図変動パターンとして選択及び設定するようにしても良い。
図11に、確変モード用特図変動パターンテーブルTHt_aの例を示す。確変モード用特図変動パターンテーブルTHt_aは、遊技機100の遊技状態が高確率電サポ遊技状態であるときに選択・使用されるテーブルであり、高確率電サポ遊技状態における(遊技機100の遊技状態が大当たり遊技状態から高確率電サポ遊技状態に変更された以降の)特別図柄の変動回数が1回〜(所定回数−1)回におけるハズレ用の特図変動パターンテーブルTHt_a1と、高確率電サポ遊技状態における特別図柄の変動回数が1回〜(所定回数−1)回における大当たり用の特図変動パターンテーブルTHt_a2と、高確率電サポ遊技状態における特別図柄の変動回数が所定回数におけるハズレ・大当たり共通の特図変動パターンテーブルTHt_a3と、高確率電サポ遊技状態における特別図柄の変動回数が(所定回数+1)回以降におけるハズレ・大当たり共通の特図変動パターンテーブルTHt_a4と、を含む。所定回数は特に限られるものではないが、本実施形態では31回とし、以下の説明において、高確率電サポ遊技状態における特別図柄の変動回数が1〜30回目である期間(すなわち1回目の特別図柄の変動開始から30回目の特別図柄の変動停止までの期間)を、「非加速期間」と称し、特別図柄の変動回数が31回目である期間(すなわち31回目の特別図柄の変動開始から31回目の特別図柄の変動停止までの期間)を「切替期間」と称し、高確率電サポ遊技状態における特別図柄の変動回数が32回目以降である期間(すなわち32回目の特別図柄の変動開始から大当たり遊技が開始されるまでの時間)を「加速期間」と称することがある。また、確変モード用特図変動パターンテーブルTHt_aにおいて、切替期間、及び、加速期間の夫々において選択・使用されるテーブルに関し、ハズレの場合と大当たりの場合とで、共通のパターンテーブルが選択・使用されることとしたが、ハズレの場合と大当たりの場合とで、内容が互いに異なるパターンテーブルが選択・使用されることとしてもよい。
テーブルTHt_a1〜THt_a4の夫々は、特図変動パターンTHp_a11〜THp_a15の全部又は一部に対して所定の判定値を対応づけたテーブルである。特図変動パターンTHp_a11〜THp_a15を含む各特図変動パターンは、特別図柄の変動態様を定義したものであり、例えば、特別図柄の変動時間を定義している。特図変動パターンTHp_a11〜THp_a15における特別図柄の変動時間は、夫々、0.2秒、3秒、10秒、30秒、40秒である。
テーブルTHt_aを用いた特図変動パターン判定において、CPU411は、非加速期間における特図当たり判定の判定結果がハズレの場合にはテーブルTHt_a1を選択し、非加速期間における特図当たり判定の判定結果が大当たりの場合にはテーブルTHt_a2を選択し、切替期間においては特図当たり判定の判定結果を問わずテーブルTHt_a3を選択し、加速期間においては特図当たり判定の判定結果を問わずテーブルTHt_a4を選択する。そして、CPU411は、判定対象TTの特図変動パターン乱数が、選択テーブル(ここでは、THt_a1〜THt_a4)における特図変動パターンTHp_aiiに割り当てられた判定値と一致する場合に、判定対象TTに対応する特図変動パターンとして、特図変動パターンTHp_aiiを選択及び設定する(ここで、iiは11以上15以下の整数)。
テーブルTHt_a1では、特図変動パターンTHp_a12、及び、THp_a14に対して、夫々、計450個の判定値「0〜449」、計50個の判定値「450〜490」を割り当てている(各判定値は整数)。テーブルTHt_a2では、特図変動パターンTHp_a15に対して、全て(500個)の判定値「0〜499」を割り当てている(各判定値は整数)。テーブルTHt_a3では、特図変動パターンTHp_a13に対して、全て(500個)の判定値「0〜499」を割り当てている(各判定値は整数)。テーブルTHt_a4では、特図変動パターンTHp_a11に対して、全て(500個)の判定値「0〜499」を割り当てている(各判定値は整数)。
非加速期間において選択されるテーブルTHt_a1及びテーブルTHt_a2とを比較すると、テーブルTHt_a1では、特図変動パターンTHp_a15に対し判定値が割り当てられていない。また、テーブルTHt_a2では、特図変動パターンTHp_a12及びTHp_a14に対し判定値が割り当てられていない。つまり非加速期間においては、変動時間が長い特図変動パターンほど大当たり時に選択されやすくハズレ時に選択され難くなっている。つまり、変動時間が長い特図変動パターンほど大当たりに対する信頼度が高くなるように、テーブルTHt_a内の判定値が定められている。
また、非加速期間及び加速期間において選択される特別図柄の変動時間(つまりテーブルTHt_a1、テーブルTHt_a2及びテーブルTHt_a4)を比較すると、非加速期間において選択される特別図柄の変動時間は、3秒又は30秒又は40秒であるのに対して、加速期間において選択される特別図柄の変動時間は、0.2秒となっており、加速期間における特別図柄の変動時間は、非加速期間における特別図柄の変動時間と比較して、極めて短時間である。特別図柄の変動時間が短く設定されることで、加速期間では、非加速期間に比べて、単位時間あたりに行われる当たり抽選の回数を多くすることができる。
尚、図11には示していないが、保留情報数U2が所定数(例えば1)以下であるときにおいて、判定対象TTの特図当たり判定の結果がハズレであり且つ判定対象TTの特図変動パターン乱数が“0〜449”内の何れかである場合、0.2秒及び3秒より大きく、30秒よりも小さな変動時間(例えば15秒)を持つ特図変動パターンを、判定対象TTに対応する特図変動パターンとして選択及び設定するようにしても良い。
特図判定結果記憶領域413e(図4参照)には、判定対象TTについての特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の各判定結果が、互いに対応付けられた状態で記憶される。
[始動口スイッチ処理の中の事前判定処理]
また、始動口スイッチ処理の中でメインCPU411は事前判定処理を実行する(図5参照)。事前判定処理において、メインCPU411は、特図判定用情報記憶領域413dに記憶されて保留されることとなる特図判定用情報を事前判定対象として設定し、事前判定対象に対して特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定を順次実行する。事前判定対象に対する特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の方法は、判定対象TTに対するそれらの方法と同じである。事前判定処理の判定結果(即ち、事前判定対象に対する特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の判定結果)は事前判定情報記憶領域413hに記憶され、事前判定処理の判定結果を含む事前判定コマンドがメインRAM413に設定されて、後述の出力処理にて演出制御部403に送信される。或る特図判定用情報に対する事前判定処理は、その特図判定用情報が取得された時に、それが記憶領域413dに記憶される前に始動口スイッチ処理の中で実行される。
[1−2−4.普通図柄処理]
普通図柄処理(図5参照)を説明する。普通図柄処理において、メインCPU411は普図判定を実行する。普図判定は、普図当たり判定を含んで成る。上述の普通図柄判定は、普図当たり判定を含むと考えても良い。故に、普図判定は普通図柄抽選を包含すると考えても良いし、普図判定と普通図柄抽選は互いに等価であると考えても良い。普通図柄処理において、メインCPU411は、普図判定用情報記憶領域413iに記憶されている普図判定用情報を用いて、普図当たり判定を実行し、その判定結果を普図判定結果記憶領域413jに記憶させる。そして、普図当たり判定の結果、普図当たりに当選した場合、所定の変動時間だけ普通図柄の変動表示を行った後、普図当たり判定の判定結果を示す図柄で普通図柄を停止させる。
メインCPU411は、普通図柄の変動表示を開始する際、普図当たり判定の判定結果を含む普図変動開始コマンドをメインRAM413に設定することで演出制御部403に対し普通図柄の変動演出の実行開始を指示し、普通図柄の変動を停止する際、普図変動停止コマンドをメインRAM413に設定することで演出制御部403に対し普通図柄の変動演出の実行終了を指示する。
普通図柄処理において、メインCPU411は、普図判定用情報記憶領域413i内で最も優先順位を高く設定された普図判定用情報を普図判定対象FFとして取得し、普図判定対象FFの普図判定用情報を用いて普図当たり判定を実行する。普図判定対象FFとなった普図判定用情報は記憶領域413iから消去されて(故に、保留情報数U3が1だけ減少し)他の記憶領域(不図示)に移される。尚、普通図柄処理において、記憶領域413iに普図判定用情報が記憶されていない場合には、普図判定が行われることなく普通図柄処理を終える。
普図当たり判定において、メインCPU411は、メインROM412に記憶された普図当たり判定テーブルFAtと普図判定対象FFの普図当たり乱数との比較を伴う普図当たり判定を行う。
図12に示すように、普図当たり判定テーブルFAtは、低確率普図当たり判定テーブルFAt1と、高確率特図当たり判定テーブルFAt2とから構成される。テーブルFAt1及びFAt2の夫々は、普図当たりに対応付けられた所定の判定値を有して構成される。
なお、特図当たり判定における“高確率”とは、高確率遊技フラグがONに設定され、特図当たり判定における“低確率”とは、高確率遊技フラグがOFFに設定されている状態をいうが、普図当たり判定における“高確率” 、“低確率” と、高確率遊技フラグのON/OFFとは異なる概念である。上述したように、普通図柄抽選の当選確率は、電サポ遊技状態であるか否かによって異なるものであり、普図当たり判定における“高確率”は、電サポ遊技フラグがONに設定されている状態(電サポ遊技状態)に等しく、普図当たり判定における“低確率”とは、電サポ遊技フラグがOFFに設定されている状態(非電サポ遊技状態)に等しい。以下、普図当たり判定に関する説明における“高確率”、“低確率”は、特別な記載がない限り、上述した意味(すなわち、電サポ遊技フラグのON又はOFF)で用いる。
なお、遊技フラグ記憶領域413fに、更に、普図高確率遊技フラグが設定されていることとし、電サポ遊技フラグがONに設定されているときに普図高確率遊技フラグがONに設定され、電サポ遊技フラグがOFFに設定されているときに普図高確率遊技フラグがOFFに設定されることとしてもよい。この場合、普図当たり判定に関する説明における“高確率”、“低確率”は、特別な記載がない限り、夫々、普図高確率遊技フラグがONに設定されている状態、普図高確率遊技フラグがOFFに設定されている状態に相当する。
メインCPU411は、普図当たり判定時(すなわち普通図柄抽選時)に、電サポ遊技フラグがOFFに設定されていた場合にはテーブルFAt1を用いて普図当たり判定を行い、電サポ遊技フラグがONに設定されていた場合にはテーブルFAt2を用いて普図当たり判定を行う。そして、メインCPU411は、普図判定対象FFの普図当たり乱数が当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には普図当たりに当選したと判定し、そうでない場合にはハズレである(即ち普図当たりに当選していない)と判定する。ここでは、当たりの当選確率が、低確率時、高確率時において、夫々、10/100、100/100となるように、普図当たり判定テーブルFAtが形成されているものとする。つまり、本実施形態において、電サポ遊技フラグがONに設定されている場合、普図当たり抽選の結果は、100%の確率で普図当たりに当選するものとなる。
[1−2−5.電動役物制御処理]
電動役物制御処理を説明する(図5参照)。電動役物制御処理では、大入賞口処理及び電チュー処理が順次実行される。
大入賞口処理では、特図判定の結果が大当たりの当選を示しているときに、大当たりの種類に応じた大入賞口開放パターンを用いて大入賞口111が開閉動作される。大入賞開放パターンテーブルDKtには、大入賞口111の開放態様を定義した大入賞口開放パターンが大当たりの種類ごとに格納されている。メインCPU411は、テーブルDKtを参照して大入賞口処理を実現する。
特A〜特C及び通Aの大当たり遊技において、各ラウンドでの大入賞口111の開放時間は30秒分の所定のロング開放時間ttLONGであって、各ラウンドにおいて大入賞口111が継続してロング開放時間ttLONGだけ開放される。但し、上述したように、各ラウンドにおいて、大入賞口111の開放時間がロング開放時間ttLONGに達していなくても、大入賞口111への遊技球の入賞数が所定値(例えば7)に達した時点で大入賞口111は閉鎖され、当該ラウンドは終了する。
特D及び通Bの大当たり遊技では、各ラウンドでの大入賞口111の開放時間は0.2秒分の所定のショート開放時間ttshortであって、各ラウンドにおいて大入賞口111が継続してショート開放時間ttshortだけ開放するショート開放処理が所定のラウンド間インターバル時間(例えば2秒)を間に挟んで2回実行される。
尚、上述の特D及び通Bによる大当たり遊技の夫々では、ショート開放時間による大入賞口111の開放回数が2回になっているが、ショート開放時間による大入賞口111の開放回数を3回以上にしても良いし、1回にしても良い。但し、ショート開放時間による大入賞口111の開放回数は、特D及び通Bによる大当たり遊技の間で、共通にしておくことが好ましい。
また、特D若しくは通Bの大当たり遊技でも、短時間であるとはいえ大入賞口111が開放されるため、特D若しくは通Bの大当たり遊技が行われる遊技状態も、通常遊技状態よりも、遊技者にとって有利な遊技状態である、と言える(換言すれば、特D若しくは通Bの大当たり遊技は、通常遊技状態における遊技よりも遊技者にとって有利である)。大当たり遊技における有利とは、通常遊技状態での遊技と比べて、大入賞口111の開放に伴い、遊技者がより多くの賞球を得やすい(得られる賞球の期待値が大きい)ことを意味する。
また、大入賞口処理の中で遊技状態設定処理(図5参照)が実行される。遊技状態設定処理において、メインCPU411は、遊技状態を定める高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグなどの各種遊技フラグを遊技フラグ記憶領域413fに設定する。上述したように、遊技機100の遊技状態は、高確率遊技フラグがONであるときに高確率遊技状態であり、高確率遊技フラグがOFFであるときに低確率遊技状態である。遊技機100の遊技状態は、電サポ遊技フラグがONであるときに電サポ遊技状態であり、電サポ遊技フラグがOFFであるときに非電サポ遊技状態である。大当たりの発生に応答して実行される大入賞口処理中の遊技状態設定処理では、発生した大当たりの種類に応じて、高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグのON/OFFが設定される他、発生した大当たりの種類に応じて、高確率遊技状態が維持される特別図柄の残りの変動回数を示す高確率遊技残回数X及び電サポ遊技状態が維持される特別図柄の残りの変動回数を示す電サポ遊技残回数JがメインRAM413に設定される。
従って、特A及び特Cの大当たりに伴う遊技状態設定処理では(図5参照)、高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグが共にONとされ且つ高確率遊技残回数X及び電サポ遊技残回数Jに共に「10000」が設定される。特B及び特Dの大当たりに伴う遊技状態設定処理では、高確率遊技フラグがONとされる一方で電サポ遊技フラグがOFFとされ且つ高確率遊技残回数X及び電サポ遊技残回数Jに夫々「10000」及び「0」が設定される。通A及び通Bの大当たりに伴う遊技状態設定処理では、高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグが共にOFFとされ且つ高確率遊技残回数X及び電サポ遊技残回数Jに共に「0」が設定される。
遊技状態設定処理にて設定された高確率遊技残回数Xは、“X≧1”であるとき特図判定が1回実行されるごとに“1”だけ減算され、“X=0”となると高確率遊技フラグにOFFが設定されて遊技機100の遊技状態は低確率遊技状態となる。遊技状態設定処理にて設定された電サポ遊技残回数Jは、“J≧1”であるとき特図判定が1回実行されるごとに“1”だけ減算され、“J=0”となると電サポ遊技フラグにOFFが設定されて遊技機100の遊技状態は非電サポ遊技状態となる。遊技機100の初期状態において、高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグはOFFであり且つ回数X及びJには“0”が設定されている。上述したように、遊技盤101の背面に設けられたRAMクリアスイッチを用いて遊技機100の遊技情報を初期化することで、初期状態となる。
電チュー処理において、メインCPU411は、普通図柄処理の処理結果及び遊技機100の遊技状態に基づき電動チューリップ107を開閉動作させる。具体的には、遊技機100の遊技状態が電サポ遊技状態であり、且つ、普通図柄抽選の判定結果が普図当たりである場合、電動チューリップ107は、5秒分の所定のロング開放時間ftlong開放される。また、遊技機100の遊技状態が非電サポ遊技状態であり、且つ、普通図柄抽選の判定結果が普図当たりである場合、電動チューリップ107は、0.2秒分の所定のショート開放時間ftshort開放される。また、普通図柄抽選の結果がハズレである場合、電動チューリップ107は、開放されない(閉状態のまま維持される)。つまり、普通図柄抽選の結果、普図当たりに当選した場合、遊技機100の遊技状態によって、電動チューリップ107が開放される時間が異なり、電サポ遊技状態では非電サポ遊技状態に比べて開放される時間が長い。これにより、普図当たりに当選した場合、電サポ遊技状態では非電サポ遊技状態に比べて、第2始動口106に対して、遊技球を入賞しやすく、従って、普通図柄抽選は、非電サポ遊技状態において行われるより、電サポ遊技状態において行われるほうが、遊技者にとって有利であるといえる。
[1−2−6.賞球処理]
賞球処理において、メインCPU411は、第1始動口105、第2始動口106、大入賞口111及び普通入賞口112の各入賞口への入賞に対して所定個数の賞球を払い出させるための払い出し指示を、賞球コマンドとして賞球情報記憶領域413gに設定する。
[1−2−7.出力処理]
出力処理において、メインCPU411は、メインRAM413内の各記憶領域の記憶内容を示す情報(任意のコマンドを含む)などを、主制御部401に接続された各制御部(賞球制御部402及び演出制御部403を含む)に対して出力する。賞球に関するコマンドは賞球制御部402に出力され、演出に関するコマンドは演出制御部403に出力される。尚、出力処理において、メインCPU411は自身が認識又は保持している任意の情報(例えば、電サポ遊技フラグ及び高確率遊技フラグの状態を示す情報)を演出制御部403に伝達できる。出力処理の終了によってタイマ割込処理も終了し、タイマ割込処理の終了によってメインCPU411が実行する処理はメイン処理に戻る(図5参照)。
また、図4に示すように、主制御部401には盤用外部情報端子基板491が接続されており、主制御部401は、メインRAM413内の記憶内容を示す情報を、基板491を通じて外部(例えば遊技施設のホールコンピュータ)に出力することができる。
<<演出に関するコマンドに関する補足>>
本実施形態では、演出制御部403が実行する演出に用いられるコマンドとして、ゲート入球コマンド及び電チュー入賞コマンドが主制御部401から演出制御部403に出力される。ゲート入球コマンドには、遊技球がゲート108に入球したこと及び入球タイミングを示す情報が含まれ、電チュー入賞コマンドには、遊技球が第2始動口106に入賞したこと及び入賞タイミングを示す情報が含まれる。
[2.賞球制御部]
賞球制御部402は、CPUと、ROMと、RAMと、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。賞球制御部402は、主制御部401からの払い出し指示(賞球コマンド)に基づき、賞球の払い出しを行う。
賞球制御部402には、遊技球を検出する各種SWが接続されている。例えば、図示のように、賞球制御部402には、所定位置の遊技球を検出する定位置検出SW424と、払い出した遊技球を検出する払出球検出SW425と、上皿123内に遊技球があるかを検出する球有り検出SW426と、上皿123が遊技球で満たされていることを検出する満タン検出SW427aと、下皿125が遊技球で満たされていることを検出する満タン検出SW427bと、が接続されている。SW424〜426、427a及び427bの夫々は、遊技球を検出したか否かを示す検出信号を賞球制御部402へ出力する(具体的には、遊技球を検出した場合にはONとなり検出信号を出力し、遊技球を検出しない場合にはOFFとなり検出信号を出力しない)。賞球制御部402は、主制御部401から出力された払い出し指示や、SW424〜426、427a及び427bから入力される検出信号に基づき、賞球を払い出したり、賞球の払い出しをやめたりする。また、賞球制御部402は、SW424〜426、427a及び427bから入力される検出信号を主制御部401へ出力しても良い。
また、賞球制御部402には、発射部428が接続される。賞球制御部402は、発射部428に対する遊技球の発射の操作(遊技者による操作)を検出して遊技球の発射を制御する。発射部428は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部402は、発射部428のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を打ち出す。
また、賞球制御部402には、賞球を払い出すための払出部429が接続される。払出部429は、遊技球を貯留する不図示の貯留部から所定数の遊技球を払い出すための払出駆動モータを備える。賞球制御部402は、払出部429を制御して払出駆動モータを駆動させることで、各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、大入賞口111、普通入賞口112)への入賞に対応した賞球の払い出しを実現する。また、賞球制御部402には枠用外部情報端子基板492が接続されており、賞球制御部402が取り扱う各種情報を、基板492を通じて外部に出力することができる。
[3.演出制御部]
演出制御部403は、CPU431と、ROM432と、RAM433と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される(図4参照)。演出制御部403におけるCPU、ROM、RAMを、夫々、特に、サブCPU、サブROM、サブRAMとも呼ぶ。サブCPU431は、遊技機100が行う演出の制御に関する各種プログラムをサブROM432から読み出し、サブRAM433をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
演出制御部403は、画像表示部104の表示制御やスピーカ115の音声出力制御を行う画像/音声制御部(不図示)と、演出ライト部116及び遊技盤101上の盤ランプ135の点灯制御並びに可動役物117及び130の駆動制御を行うランプ制御部(不図示)などを備える。また、演出制御部403には、遊技者からの操作を受け付ける演出ボタン121及び十字キー122が接続されている。演出制御部403は、演出ボタン121及び十字キー122に対する遊技者からの入力操作内容に応じた演出を行うことができる。
演出制御部403は、変動演出を含む任意の演出を、演出実現要素(演出手段と言い換えることもでき、上述した演出部材と同義であると考えてよい)を用いて実現する。即ち、演出制御部403は、演出実現要素を制御することで演出実現要素に所望の演出を行わせる(この表現における演出の主体は演出実現要素であるが、本実施形態の説明では、主として、演出制御部403が演出の主体であると捉える)。演出実現要素は、画像表示部104、スピーカ115、演出ライト部116、枠可動役物117、盤ランプ135及び盤可動役物130の内、少なくとも1つを含む。変動演出は、特別図柄の変動表示から停止表示までの間において演出制御部403により実行される演出を指し、特図判定の判定結果を示唆する演出を含む。尚、演出による示唆、報知、告知又は通知は、特に記述無き限り、遊技者に対するものと考えて良い。
[3−1.演出メイン処理]
図13に、演出制御部403が行う主だった処理を列記する。演出制御部403へ電力が供給されると、サブCPU431により演出メイン処理が実行される。演出メイン処理において、サブCPU431は、演出制御部403内のCTCなどの内蔵デバイスの初期設定を行って、設定内容をサブRAM433に記憶させる。
[3−2.演出タイマ割込処理]
サブCPU431は、演出メイン処理によりサブRAM433に記憶された設定内容に従う周期で、演出メイン処理に対し演出タイマ割込処理を割り込み実行する(図13参照)。演出タイマ割込処理において、サブCPU431は、コマンド受信処理及び操作受付処理を順次実行する。
[3−2−1.コマンド受信処理]
コマンド受信処理において、サブCPU431は、特図演出処理、普図演出処理、及び、当たり演出処理を実行する。
[3−2−1−1.特図演出処理]
特図演出処理は、演出開始処理及び演出終了処理を含む。サブCPU431は、主制御部401からの変動開始コマンドの受信に応答して演出開始処理を実行することで変動演出を開始した後、主制御部401からの変動停止コマンドの受信に応答して演出終了処理を実行することで変動演出を終了する。演出開始処理には、変動演出パターン選択処理が内包される。変動演出パターン選択処理において、サブCPU431は、主制御部401より受信したコマンド等に基づき、サブROM432に記憶された特図変動演出パターンテーブルから特図変動演出パターンを選択及び判定する。選択及び判定された特図変動演出パターンによる変動演出が特図演出処理において実行される。
また、サブCPU431は、主制御部401から事前判定コマンドを受信したとき、コマンド受信処理において、主制御部401により実行された事前判定処理(図5参照)の判定結果をサブRAM433に記憶すると共に、保留増加処理を行う。保留増加処理では、事前判定対象に対応する保留画像を画像表示部104に追加表示する。事前判定対象に対応する保留画像は、後に、その事前判定対象が判定対象TTとなって変動開始コマンドが受信された際に、画像表示部104から消去される又は特定の表示位置にシフトされる。サブCPU431は、事前判定コマンドに基づき、事前判定対象についての先読み予告演出を行うこともできる。
[3−2−1−2.普図演出処理]
普図演出処理は、普図演出開始処理及び普図演出終了処理を含む。サブCPU431は、主制御部401からの普図変動開始コマンドの受信に応答して普図演出開始処理を実行することで普通図柄の変動演出を開始した後、主制御部401からの普図変動停止コマンドの受信に応答して普図演出終了処理を実行することで普通図柄の変動演出を終了する。
[3−2−1−3.当たり演出処理]
当たり演出処理(図13参照)は、主制御部401から当たり演出に関するコマンドが受信された場合にサブCPU431により実行される。大当たり遊技の開始時、大当たり遊技の終了時には、当たり演出に関するコマンドとして、夫々、オープニングコマンド、エンディングコマンドが主制御部401から演出制御部403に送信される。当たり演出処理において、演出制御部403は、オープニングコマンドの受信に応答して当たり演出を開始し、エンディングコマンドの受信に応答して当たり演出を終了させる。
[3−2−2.操作受付処理]
操作受付処理(図13参照)において、サブCPU431は、演出ボタン121又は十字キー122からの信号に基づき、遊技者による演出ボタン121又は十字キー122への操作状態(操作の入力有無及び操作の内容)を認識する。演出制御部403は、認識された操作状態に応じた演出を行うことができる。
<<演出モードについて>>
図14(a)に、演出制御部403のサブROM432に格納された演出モードテーブルMtを示す。サブCPU431は、主制御部401から受信したコマンド等に基づきつつ、演出モードテーブルMtに定義される複数の演出モードの中から1つの演出モードを選択及び設定する。ここで選択される演出モードを、以下、対象演出モードと呼ぶことがある。演出制御部403は対象演出モードにて変動演出を含む各種の演出を行う。上記複数の演出モードには、第1〜第6の演出モードとしての確変モード、潜伏モードA、潜伏モードB、通常モードA、通常モードB及び通常モードCが含まれる(以下、「通常モードA、通常モードB及び通常モードC」を区別する必要がない場合には単に「通常モード」と称する)。演出制御部403は、確変モード、潜伏モードA、潜伏モードB、通常モードA、通常モードB及び通常モードC間において、互いに異なる演出を実行する。図14(a)に示すように、演出モードテーブルMtにおける各演出モードに対しモードフラグが対応付けられている。演出モードとして確変モード、潜伏モードA、潜伏モードB、通常モードA、通常モードB及び通常モードCが選択及び使用される状態は、夫々、モードフラグに“1”、“2”、“3” 、“4” 、“5”、“6”が設定される状態に相当する。モードフラグはサブRAM433に記憶され、サブCPU431によって、その値が可変設定される。図14(b)には、各演出モードと大当たり当選確率及び電サポ付与の有無との関係が示されている。図14(b)及び図8に示す如く、演出制御部403は、高確率電サポ遊技状態において、確変モードを対象演出モードとして設定する。また、高確率非電サポ遊技状態において、潜伏モードA又は潜伏モードBを対象演出モードとして設定する。また、低確率非電サポ遊技状態(通常遊技状態)において、通常モードA、通常モードB、通常モードC、潜伏モードA又は潜伏モードBを対象演出モードとして設定する。なお、図8では単に「通常モード」と記載されているが、本段落にて説明したように、「通常モードA、通常モードB及び通常モードCのいずれかの通常モード」との意味である。
図15(a)〜(c)に、夫々、確変モード、潜伏モードA、潜伏モードBにおける画像表示部104の表示例を示し、図16(a)〜(c)に、夫々、通常モードA、通常モードB及び通常モードCにおける画像表示部104の表示例を示す。各演出モードにおいて、演出制御部403は、画像表示部104に背景画像を表示し、背景画像上に装飾図柄等を重畳表示することができる。確変モード、潜伏モードA、潜伏モードB、通常モードA、通常モードB及び通常モードC間で背景画像は互いに異なる。装飾図柄等の表示態様は、通常モード間(通常モードA、通常モードB及び通常モードC)で互いに共通であってもよいが、確変モード、潜伏モードA、潜伏モードB及び通常モード間で互いに異なりうる。当たり抽選の権利が保留されていることを示す保留表示態様(保留画像)は、確変モード、潜伏モードA、潜伏モードB、通常モードA、通常モードB及び通常モードC間で互いに異なりうる。
確変モードは、高確率電サポ遊技状態において使用され且つ現在の遊技状態が高確率電サポ遊技状態であることを遊技者に示唆する演出モード(大当たりの当選確率が高確率に制御されていることを遊技者に示唆する特定の演出モード)である。従って、確変モードによる演出を見た遊技者は、現在の遊技状態が高確率電サポ遊技状態であることを比較的容易に理解できる。尚、確変モードによる演出は、遊技者に右打ちを促す演出(例えば、“右打ちして下さい”等の文字の表示)を含む。
潜伏モードA及び潜伏モードBは、低確率非電サポ遊技状態及び高確率非電サポ遊技状態に共通して使用され且つ現在の遊技状態が高確率遊技状態である可能性の存在を遊技者に示唆する演出モードである。潜伏モードA又は潜伏モードBによる演出を見た遊技者は、現在の遊技状態が高確率遊技状態及び低確率遊技状態のどちらであるのかを判別不能である又は容易には判別できない。潜伏モードA又は潜伏モードBによる演出を見た遊技者は、現在の遊技状態が高確率遊技状態であることへの期待感を持って遊技を行うことができる。尚、潜伏モードA又は潜伏モードBによる演出は、遊技者に左打ちを促す演出(例えば、“左打ちに戻して下さい”等の文字の表示)を含む。
潜伏モードA及び潜伏モードBは、低確率非電サポ遊技状態及び高確率非電サポ遊技状態に共通して使用されるという点で共通しているが、互いに使用される条件が異なっている。潜伏モードAが使用される条件は、特B又は通Aの大当たりが発生し、特B又は通Aの大当たり遊技が終了した後、遊技状態が高確率非電サポ遊技状態又は低確率非電サポ遊技状態に設定されることである。一方、潜伏モードBが使用される条件は、特D又は通Bの大当たりが発生し、特D又は通Bの大当たり遊技が終了した後、遊技状態が高確率非電サポ遊技状態又は低確率非電サポ遊技状態に設定されることである。つまり、第1特別図柄抽選により大当たりが発生した場合、大当たり遊技が終了した後に、潜伏モードAは使用されうるが、潜伏モードBは使用されない。一方、第2特別図柄抽選により大当たりが発生した場合、大当たり遊技が終了した後に、潜伏モードBは使用されうるが、潜伏モードAは使用されない。
通常モードは、低確率非電サポ遊技状態において使用され且つ現在の遊技状態が低確率非電サポ遊技状態であることを遊技者に示唆する演出モードである。従って、通常モードによる演出を見た遊技者は、現在の遊技状態が低確率非電サポ遊技状態であることを比較的容易に理解できる。低確率非電サポ遊技状態において、通常モードA、通常モードB及び通常モードCのいずれを使用するかは演出制御部403が適宜設定すればよい。例えば、各通常モードにおける特別図柄の変動回数が一定回数(例えば30回)に達した場合に、他の通常モードに変更することとすればよく、変更は、通常モードA、通常モードB、通常モードCの順にループしながら順次実行されることとすればよい。なお、他の通常モードへの変更判断方法は上記方法に限られるものではなく、他の通常モードへの変更判断方法として、演出制御部403が生成する演出用乱数を用いて判定し、判定の結果、他の通常モードへ変更すると判定された場合に、他の通常モードへ変更することとしてもよい。
また、或いは、低確率非電サポ遊技状態において、通常モードA、通常モードB及び通常モードCのいずれを使用するかに関して、遊技者が選択可能であることとしてもよい。遊技者が選択可能である場合、遊技機100の初期状態では通常モードAが使用され、遊技者が任意のタイミングで演出ボタン121を押すことで、通常モードA、通常モードB、通常モードCの順にループさせて、使用する通常モードを変更可能であることとしてもよい。
<潜伏モードA及び潜伏モードBと通常モードとの関係について>
上述し、且つ、図8に示すように、低確率非電サポ遊技状態では、通常モード又は潜伏モードA又は潜伏モードBが対象演出モードとして設定される。これらは、低確率非電サポ遊技状態において任意に(ランダムに)対象演出モードとして設定されるものではない。上述したように、潜伏モードAは第1特別図柄抽選により通Aの大当たりに当選した場合に、大当たり遊技後に使用される演出モードであり、潜伏モードBは第2特別図柄抽選により通Bの大当たりに当選した場合に、大当たり遊技後に使用される演出モードである。低確率非電サポ遊技状態において潜伏モードA又は潜伏モードBが使用されている場合、所定の通常モード移行条件が成立することで、対象演出モードが、潜伏モードA又は潜伏モードBから通常モードに変更される。
所定の通常モード移行条件は、例えば、潜伏モードA又は潜伏モードBが使用されている間において、所定回数(例えば20回)分の特別図柄の変動が終了することにより成立する。当該所定の通常モード移行条件によれば、遊技者は、特別図柄の変動回数が所定回数分終了し、対象演出モードが、潜伏モードA又は潜伏モードBから、通常モードに変更されることで、現在の遊技状態が低確率遊技状態であることを認識することができる。また、遊技者は、特別図柄の変動回数が所定回数分終了した後も、対象演出モードが、潜伏モードA又は潜伏モードBから、通常モードに変更されないことで、現在の遊技状態が高確率遊技状態であることを認識することができる。
図17に、特A〜特D、及び、通A〜通Bの大当たりの発生に基づく、対象演出モードの変化の様子を示す。遊技機100の初期状態における演出モード(対象演出モード)は通常モードである。なお、上述したように遊技機100の初期状態において通常モードA、通常モードB及び通常モードCのいずれを使用するかは演出制御部403或いは遊技者が適宜設定する事項であるため、図17及びこれに関連する説明では通常モードA、通常モードB及び通常モードCを区別せず、通常モードとして記載する。
演出制御部403は、特A又は特Cの大当たりが発生した場合、特A又は特Cの大当たりが発生した際の遊技機100の遊技状態を問わず(言い換えれば当該大当たりが発生した際の対象演出モードの如何を問わず)、対応する大当たり遊技の後に対象演出モードを確変モードに設定する。また、演出制御部403は、特B又は通Aの大当たりが発生すると、特B又は通Aの大当たりが発生した際の遊技機100の遊技状態を問わず(言い換えれば当該大当たりが発生した際の対象演出モードの如何を問わず)、対応する大当たり遊技の後に対象演出モードを潜伏モードAに設定する。また、演出制御部403は、特D又は通Bの大当たりが発生すると、特D又は通Bの大当たりが発生した際の遊技機100の遊技状態を問わず(言い換えれば当該大当たりが発生した際の対象演出モードの如何を問わず)、対応する大当たり遊技の後に対象演出モードを潜伏モードBに設定する。
なお、図示していないが、通Aの大当たりが発生し、対象演出モードが潜伏モードAとされ、或いは、通Bの大当たりが発生し、対象演出モードが潜伏モードBとされた場合においては、上述したように、所定の通常モード移行条件が成立した際に、対象演出モードが潜伏モードA又は潜伏モードBから通常モードに変更される。
<<演出制御部403により実行される特徴的な演出について>>
次に、遊技機100の遊技状態が高確率電サポ遊技状態である場合において、演出制御部403(サブCPU431)が実行する特徴的な演出について説明する。当該説明にあたり、まず、ゲート108と第2始動口106との位置関係について補足する。
<<ゲート108と第2始動口106との位置関係について>>
図18は、遊技盤101において、ゲート108及び第2始動口106に注目した部分拡大図である。上述したようにゲート108は、電動チューリップ107の上方に配置されており、且つ、電動チューリップ107は第2始動口106の近傍に設けられていることから、第2始動口106は、ゲート108の下方(図18では直下)に配置されているといえる。
ゲート108の出口と第2始動口106の入口との離間距離D1は、特に限定されるものではないが、遊技球が当該離間距離D1を落下するのに要する時間が、電サポ遊技状態において上述した普通図柄抽選条件の成立により実行される普通図柄抽選の結果、普図当たりに当選した場合における普通図柄の変動時間(0.2秒)よりも長時間となる程度の距離に設定される。なお、普通図柄の変動表示後、所定の確定時間、普通図柄が普通図柄表示部202に確定表示(遊技者に認識可能に表示すること)される場合には、遊技球が当該離間距離D1を落下するのに要する時間が、普通図柄の変動時間及び確定時間を合算した時間よりも長時間となる程度の距離に設定される。
当該設定によれば、電サポ遊技状態において、遊技球がゲート108を通過し、普通図柄抽選の結果、普図当たりに当選した場合、ゲート108を通過した遊技球が第2始動口106に至る前に、電動チューリップ107が開放されるので、当該遊技球を第2始動口106に入賞させることが可能になる。本実施形態では、電サポ遊技状態における右打ち遊技中(右打ち遊技が行われている間)に打ち出された遊技球の殆どがゲート108に導かれるように遊技盤101が形成されており、且つ、ゲート108を通過した遊技球がそのまま第2始動口106に入賞しうるよう設定されていることから、第2始動口の賞球は1個とされる。
なお、遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則に関する技術上の規格解釈基準には以下の記載が含まれる。
a)役物の作動により開放等する入賞口が始動口を兼ねることが可能である。
b)入賞口の入口とは、入賞口及び当該入賞口に連なる遊技くぎ等(その間を遊技球が通過できない形で連続配置されている遊技くぎ等)で構成される遊技球の通過面のうち、入賞口から最も離れた位置にあるものである。
c)普通電動役物が入賞口内のゲートの通過により作動する性能を持つものであってはならない。
これら解釈基準a)〜c)に従えば、ゲート108を通過した遊技球の全てが第2始動口106に入賞される構成とした場合、ゲート108が第2始動口106の入口よりも内部に配されると共に、当該ゲート108の通過により電動チューリップ107が開放されることになり、規格に抵触するおそれがある。そこで本実施形態では、図18に示すゲート108と第2始動口106とを最短距離で繋ぐ空間を主たる流通経路とした場合に、当該流通経路の左側及び右側に夫々1本ずつ釘を設け、左側に配された釘n1と第2始動口106との上下方向の離間距離、及び、右側に配された釘n2と第2始動口106との上下方向の離間距離を、遊技球の大きさ(例えば直径11mm)よりも大きな距離D2(例えば15mm)として排出部を構成し、当該排出部を介して遊技球が流通経路から脱落しうるように構成される。なお、以下の説明において、排出部を介して遊技球が流通経路から脱落することを、「遊技球が抜ける」と称することがある。なお、図示していないが、遊技球が外部(流通経路外)から流通経路に進入することを防ぐ障害物を設けてもよい。
ところで、電サポ遊技状態において遊技球が抜けているか否かは、右打ち遊技中に例えば釘n1と第2始動口106との間、及び、釘n2と第2始動口106との間を注視し、遊技球が現に各間(上述した排出部)を通過したか否かを目視することによって判断されてきた。しかしながら、遊技機の製造・検品段階においては、多量の遊技機の夫々について、遊技球が抜けているか否かを判断しなければならず、簡易な方法にて遊技球が抜けているか否かを判断できることが望ましい。そこで本実施形態では、電サポ遊技状態において、遊技球が抜けているか否かを示唆する所定演出として、エラー演出を実行することとする。
遊技機100の遊技状態が高確率電サポ遊技状態である場合において、演出制御部403は、特図演出処理(図13及び図19参照)において、エラー演出に関する各種処理を実行する。
図19は、エラー演出に関連して演出制御部403が実行する処理に着目した、演出制御部403により実行される特図演出処理の詳細を示す図である。特図演出処理において、演出制御部403は、球数更新処理、球数比較処理、所定演出開始処理及び所定演出終了処理を実行する。各処理は、演出制御部403が設定する処理フラグに基づいて実行される。処理フラグとしては、球数更新フラグ、球数比較フラグ及び所定演出開始フラグが設けられる。
そして演出制御部403は、球数更新フラグがONに設定されることにより球数更新処理を実行し、球数比較フラグがONに設定されることにより球数比較処理を実行し、所定演出開始フラグがONに設定されることにより所定演出開始処理を実行し、所定演出開始フラグがOFFに設定されることにより所定演出終了処理を実行する。初期状態(遊技機100の遊技状態が大当たり遊技状態から高確率電サポ遊技状態に変更されたとき)においては、球数更新フラグのみがONに設定され、他の処理フラグはOFFに設定される。
[3−2−1−1−1.球数更新処理]
球数更新処理(図19参照)において、演出制御部403は、主制御部401からゲート入球コマンド又は電チュー入賞コマンドを受信する毎に、サブRAM433に記憶されたゲート入球数カウント値GC又は電チュー入賞数カウント値DCに「1」を加算することで、カウント値GC又はDCを更新する。初期状態においてサブRAM433に記憶されているゲート入球数カウント値GC、及び、電チュー入賞数カウント値DCは共に「0」である。各カウント値GC及びDCは演出制御部403は、ゲート入球数カウント値GCが所定値(例えば20)に到達するまで、球数更新処理を実行し(すなわち球数更新フラグをONに設定し)、ゲート入球数カウント値GCが所定値に到達した後、球数更新フラグをOFFに設定すると共に、球数比較フラグをONに設定する。
[3−2−1−1−2.球数比較処理]
球数比較処理(図19参照)において、演出制御部403は、サブRAM433に記憶されているゲート入球数カウント値GCと電チュー入賞数カウント値DCとを比較し、比較結果が所定条件を満たした場合には、球数比較フラグをOFFに設定すると共に、所定演出開始フラグをONに設定し、比較結果が所定条件を満たさない場合には、球数比較フラグをOFFに設定する。ここで所定条件は、ゲート入球数カウント値GCと電チュー入賞数カウント値DCとの差が閾値(例えば1)以下であることである。上述した球数更新処理は、ゲート入球数カウント値GCが所定値(20)に到達するまで実行されているため、球数比較処理においてサブRAM433に記憶されているゲート入球数カウント値GCは「20」である。従って本例では、球数比較処理においてサブRAM433に記憶されている電チュー入賞数カウント値DCが「19」以上である場合に所定条件を満たすことになる。比較結果が所定条件を満たさず、球数比較フラグがOFFに設定された場合、以後の処理(所定演出開始処理及び所定演出終了処理)は実行されない。
なお、本処理において、上記所定条件を、ゲート入球数カウント値GCと電チュー入賞数カウント値DCとが一致することとしなかったのは、ゲート108を通過した遊技球が第2始動口106に入賞するまでには所定の時間を要し、同一の遊技球がゲート108を通過するタイミングと、第2始動口106に入賞するタイミングとの間にはタイムラグが生ずるからである。すなわち、ゲート108を通過した遊技球の全てが第2始動口106に入賞していたとしても、ゲート入球数カウント値GCが“20”に到達した瞬間における、ゲート入球数カウント値GCと電チュー入賞数カウント値DCとは一致しないためである。
[3−2−1−1−3.所定演出開始処理]
所定演出開始処理(図19参照)において、演出制御部403は、所定演出としてエラー演出を実行する。エラー演出としては、演出ライト部116を赤色光にて点滅させる発光報知を含む演出を実行する。当該エラー演出は、演出開始後、所定時間(例えば30秒間)実行され、演出制御部403は、30秒経過後に、所定演出開始フラグをOFFに設定する。なお、エラー演出としては、発光報知以外の報知、例えば、画像表示部104を用いて実行される表示報知(例えば、画像表示部104に「抜けエラー」と表示する表示報知)や、スピーカ115を用いて実行される音声報知(スピーカ115から「抜けエラー」との音声を出力する音声報知)が実行されてもよいが、表示報知及び音声報知は、遊技者による遊技を妨げない態様で実行されることが望ましい。
[3−2−1−1−4.所定演出終了処理]
所定演出終了処理(図19参照)において、演出制御部403は、エラー演出を終了する。
[球数更新処理に関する補足]
本実施形態では球数更新フラグが設けられ、球数更新フラグがONに設定されているときに球数更新処理において、カウント値GC及びDCを共に更新することとしたが、球数更新フラグに代えて、例えば、ゲート球数更新フラグ及び電チュー球数更新フラグを設け、ゲート球数更新フラグがONに設定されているときにゲート入球数カウント値GCを更新し、電チュー球数更新フラグがONに設定されているときに電チュー入賞数カウント値DCを更新することとしてもよい。そして、球数更新処理処理において、ゲート入球数カウント値GCが所定値(例えば20)に到達したときに、ゲート球数更新フラグをOFFに設定し、ゲート球数更新フラグがOFFに設定されてから所定時間経過後(例えば0.5秒後)に電チュー球数更新フラグをOFFに設定すると共に球数比較フラグをONに設定することとしてもよい。当該構成によれば、上記所定条件を、ゲート入球数カウント値GCと電チュー入賞数カウント値DCとが一致することとすることが可能である。
或いは、球数更新フラグに加えて、所定時間経過フラグを設け、球数更新フラグがONに設定され、ゲート入球数カウント値GCが更新されると同時(カウント値GCが“1”になった際)に所定時間経過フラグをONに設定し、所定時間経過フラグがONに設定されてから所定時間経過したときに、所定時間経過フラグ及び球数更新フラグをOFFにすると共に、球数比較フラグをONに設定することとしてもよい。当該構成によっても、上記所定条件を、ゲート入球数カウント値GCと電チュー入賞数カウント値DCとが一致することとすることが可能である。
[エラー演出に関する補足]
本実施形態のエラー演出は、遊技状態が高確率電サポ遊技状態とされてから、次に大当たり遊技状態とされるまでの間に、1回実行されることとする。従って、所定演出開始処理において所定演出開始フラグがOFFに設定されて以後、各処理フラグはOFFに設定され、大当たりが発生して大当たり遊技状態とされ、さらにその後、高確率電サポ遊技状態とされた際に、球数更新フラグがONに設定される。また、球数更新処理、球数比較処理、及び、所定演出開始処理のいずれかを実行しているときに、大当たりが発生した場合には、実行中の処理を中断する(すなわちONに設定されている処理フラグをOFFに設定する)。
また、エラー演出を、遊技状態が高確率電サポ遊技状態とされてから、次に大当たり遊技状態とされるまでの間に、複数回実行することとしてもよいが、その場合は、所定演出開始処理において所定演出開始フラグがOFFに設定された後、所定のエラー演出再実行条件(例えば、所定時間経過や、所定回数分の特別図柄の変動の終了)が成立した際に、球数更新フラグをONに設定することとすればよい。
本実施形態において、演出制御部403は、処理フラグに基づいて、球数更新処理、球数比較処理、所定演出開始処理及び所定演出終了処理を実行することとしたが、処理フラグを用いず、適宜各処理を実行するか否かを判定し、実行すると判定した処理を実行することとしてもよい。
<<第2実施形態>>
第1実施形態では、電サポ遊技状態において、遊技球が抜けているか否かを示唆する所定演出として、エラー演出を実行することとした。エラー演出は、主として、遊技機100の管理者に対して、遊技球が抜けていないことを報知するものであり、遊技の興趣の向上に寄与しにくい演出である。そこで本実施形態では、遊技者にとって遊技の興趣を向上しうる演出としながらも、管理者に対して遊技球が抜けていないことを認識させうる特別演出を実行することとする。
本実施形態においても演出制御部403は、第1実施形態と同様に、処理フラグに基づいて特別演出に関する処理を実行するが、図19に示す各処理の内、球数比較処理は実行されない。また、第1実施形態では、初期状態において、球数更新フラグのみがONに設定され、他の処理フラグはOFFに設定されることとしたが、本実施形態では、初期状態において全ての処理フラグがOFFに設定される。
そこでまず、遊技状態が高確率電サポ遊技状態とされてから、処理フラグがONに設定されるまでの流れについて説明する。なお、演出制御部403は、上述した非加速期間、切替期間、加速期間において互いに異なる演出を実行する。具体的には、非加速期間、切替期間、及び、加速期間の夫々に対応付けられた特図変動演出パターンテーブルを選択し、選択した特図変動演出パターンテーブルを参照して変動演出を実行する。
非加速期間における特別図柄の変動時間は、当たり抽選の結果がハズレである場合、450/500の確率で3秒間であり、50/500の確率で30秒間であり、当たり抽選の結果が大当たりである場合、40秒間である。特別図柄の変動時間が3秒間である場合に演出制御部403が実行する変動演出は、例えば、第1〜第3装飾図柄を変動させた後、後述するリーチ演出が行われることなく、第1〜第3の装飾図柄をバラケ目で停止表示する演出(いわゆるノーマルハズレ演出)である。特別図柄の変動時間が30秒間又は40秒間である場合に演出制御部403が実行する変動演出は、例えば、第1〜第3装飾図柄を変動させた後、リーチ演出を実行し、前者の場合(すなわちハズレの場合)には、リーチ演出後、第1〜第3の装飾図柄をバラケ目で停止表示し、後者の場合(すなわち大当たりの場合)には、リーチ演出後、第1〜第3の装飾図柄をゾロ目で停止表示する演出である。
リーチ演出とは、特別図柄の変動表示から停止表示までの間において演出制御部403により実行される変動演出の一部であり、例えば3つの装飾図柄(第1装飾図柄〜第3装飾図柄)を変動させる場合、有効ライン上に第1装飾図柄及び第2装飾図柄を同一のもので揃えた後に第3装飾図柄のみを変動させ、変動時間をノーマルハズレ演出のそれよりも長くして、大当たりへの期待を高めるようにした演出である。従って、リーチ演出が行われない場合の、第1〜第3装飾図柄の変動時間は3秒と短時間に設定される一方、リーチ演出が行われる場合の、第1〜第3装飾図柄の変動時間は30秒(ハズレの場合)又は40秒(大当たりの場合)と、リーチ演出が行われない場合に比べて長時間に設定される(図11参照)。
切替期間において、演出制御部403は、演出態様が、非加速期間に対応付けられた演出態様(第1〜第3装飾図柄の変動時間の最短時間が3秒であり、大当たりの際にはリーチ演出が行われる演出態様)から、後述する加速期間に対応付けられた演出態様に変更されることを遊技者に示唆する切替演出を実行する。具体的には、画像表示部104に「加速期間突入」や「加速装置発動」等の文字を含む画像を表示する。なお、上述した切替演出は、切替期間に対応する当たり抽選(すなわち、31回目の当たり抽選)の結果がハズレである場合に実行され、当たり抽選の結果が大当たりである場合には、切替演出が行われず、大当たりに当選したことを示唆する演出(大当たり演出)が実行される。具体的には、切替期間に対応付けられた特図変動演出パターンテーブルにおいて、当たり抽選の結果がハズレである場合に参照されるテーブルには上述した切替演出が含まれ、当たり抽選の結果が大当たりである場合に参照されるテーブルには大当たり演出が含まれ、当たり抽選の結果に応じて、いずれかの演出が実行される。従って遊技者は、切替期間において、切替演出が行われず、大当たり演出が開始されることで、当たり抽選の結果が大当たりであることを認識することが可能である。
切替期間が終了すると(具体的には、主制御部401から31回目の特別図柄の変動停止コマンドを受信したときに)、演出制御部403は、球数更新フラグ及び所定演出開始フラグをONに設定する。加速期間における特別図柄の変動時間は、当たり抽選の結果がハズレであるか大当たりであるかを問わず、0.2秒間である。加速期間において演出制御部403が実行する変動演出は、例えば、当たり抽選の結果がハズレの場合には、第1〜第3装飾図柄を変動させた後、第1〜第3の装飾図柄をバラケ目で停止表示し、当たり抽選の結果が大当たりである場合には、第1〜第3装飾図柄を変動させた後、第1〜第3の装飾図柄をゾロ目で停止表示する演出である。また、加速期間において、演出制御部403は、所定演出として、特別演出を実行する。以下、図19を参照して特別演出について説明する。
[3−2−1−1−1α.球数更新処理]
球数更新処理(図19参照)において、演出制御部403は、主制御部401からゲート入球コマンド又は電チュー入賞コマンドを受信する毎に、サブRAM433に記憶されたゲート入球数カウント値GC又は電チュー入賞数カウント値DCに「1」を加算することで、カウント値GC又はDCを更新する。初期状態においてサブRAM433に記憶されているゲート入球数カウント値GC、及び、電チュー入賞数カウント値DCは共に「0」である。各カウント値GC及びDCは演出制御部403は、ゲート入球数カウント値GCが所定値(例えば20)に到達するまで、球数更新処理を実行し(すなわち球数更新フラグをONに設定し)、ゲート入球数カウント値GCが所定値に到達した後、球数更新フラグをOFFに設定する。
[3−2−1−1−2α.所定演出開始処理]
図20及び図21は、特別演出の例を示す説明図である。所定演出開始処理(図19参照)において、演出制御部403は、所定演出として特別演出を実行する。特別演出としては、例えば、画像表示部104の右下領域Rに、複数段階(図中では下方から上方に向けて第1目盛〜第19目盛の合計19段階)に設定されたゲージ画像P1が表示され、第19目盛内には目標位置であることを示す文字(MAX)が示される(図20(a)参照)。演出制御部403は、主制御部401から電チュー入賞コマンドを受信する毎に、ゲージ画像P1の第1目盛から第19目盛に向けて順次、各目盛を所定の色彩にて塗りつぶす表示演出(図20(b)参照)を含む演出を実行する。目盛を塗りつぶす演出は、球数更新フラグがOFFに設定されるまで実行され、球数更新フラグがOFFに設定されるまでに第19目盛が塗りつぶされている場合(電チュー入賞数カウント値DCが“19”以上である場合)には、第19目盛まで塗りつぶされたことを示唆する演出(例えば、画像表示部104に「EXCELLENT」等の文字を含む画像を表示する表示演出を含む演出)を実行し(図21(a)参照)、球数更新フラグがOFFに設定されるまでに第19目盛が塗りつぶされていない場合には、第19目盛まで塗りつぶされていないことを示唆する演出(例えば、画像表示部104に「GOOD」等の文字を含む画像を表示する表示演出を含む演出)を実行する(図21(b)参照)。その後、所定演出開始フラグをOFFに設定する。
当該特別演出は遊技ポイント獲得演出の一部を構成することとしてもよく、球数更新フラグがOFFに設定されるまでに第19目盛が塗りつぶされている場合、即ち「EXCELLENT」が画像表示部104に表示された場合には、球数更新フラグがOFFに設定されるまでに第19目盛が塗りつぶされていない場合、即ち「GOOD」が画像表示部104に表示された場合に比べて、多量の遊技ポイントを獲得することができることとしてもよい。
なお、遊技者が獲得した遊技ポイント(遊技ポイントの獲得結果)は、遊技者が遊技終了時において画像表示部104に表示させることが可能な2次元バーコードにより、遊技者が所持する携帯端末等に伝達することが可能である。具体的には携帯端末にて所定のアプリケーションを起動し、当該アプリケーションが機能として有する2次元バーコード読み取り機能により、画像表示部104に表示された2次元バーコードから遊技ポイントの獲得結果を取得する。遊技ポイントの獲得結果を取得した携帯端末はインターネットを介して当該携帯端末に対応付けられた遊技履歴を格納するサーバに接続し、遊技ポイントの獲得結果を遊技履歴に反映(すなわち過去に獲得した遊技ポイントに加算)する。遊技者は遊技ポイントを所定ポイント以上貯めることで、遊技機100に関する特別なコンテンツ(写真、音楽や映像等)を携帯端末にて視聴可能になる等の特典が得られる。
[3−2−1−1−3α.所定演出終了処理]
所定演出終了処理(図19参照)において、演出制御部403は、特別演出を終了する。
[特別演出に関する補足]
本実施形態では特別演出において、遊技球がゲート108を通過するごとに画像表示部104の右下領域Rに、異なる画像(塗りつぶされた目盛の数が異なる画像)を表示し、球数更新フラグがOFFとされた時点(即ち、ゲート108を通過した遊技球数が「20」に達したときにおける塗りつぶされた目盛の数(即ち、第2始動口106を通過した遊技球数が「19」に達しているか否か)に応じて画像表示部104の右下領域Rに、異なる画像が表示される(即ち、第2始動口106を通過した遊技球数が「19」に達していれば図21(a)に示す「EXCELLENT」の文字を含む画像が表示され、達していなければ図21(b)に示す「GOOD」の文字を含む画像が表示される)こととした。しかしながらこれに限られるものではなく、少なくとも、遊技球がゲート108を通過するごとに画像表示部104の右下領域Rに表示される画像は、共通の画像であってもよい。例えば、遊技球がゲート108を通過するごとに、扉の前に爆弾をセットし(図22参照)爆発させる画像(図22に示す画像P2を含む画像)が表示されると共に、球数更新フラグがOFFとされた時点における第2始動口106を通過した遊技球数が「19」に達していなければ、図23(a)に示すような扉が破壊されない画像P3が表示され、第2始動口106を通過した遊技球数が「19」に達していれば、図23(b)に示すような扉が破壊された画像P4を表示することとしてもよい。
本実施形態において演出制御部403は、非加速期間においてリーチ演出を実行しうることとし、加速期間においてリーチ演出を実行しないこととしたが、加速期間においてもリーチ演出を実行することとしてもよい。
また、高確率電サポ遊技状態(確変モード)における遊技期間(高確率電サポ遊技状態である期間)が、非加速期間、切替期間、及び、加速期間を含んで構成されることとしたが、加速期間のみから構成されることとしてもよい。
確変モードにおける遊技期間において、非加速期間を先に設定(すなわち特別図柄の変動回数が1回〜(所定回数−1)回を非加速期間と)し、加速期間を後に設定(すなわち特別図柄の変動回数が(所定回数+1)回以降を加速期間と)したが、これに限られるものではなく、加速期間を先に設定し、非加速期間を後に設定することとしてもよい。本実施形態の遊技機100は、特定の大当たり(特A〜特D)の発生後、実質的に次回の大当たりに当選するまで高確率遊技状態が維持される、いわゆるループ機であるが、特定の大当たり後、特別図柄がループ機に比べて少ない回数(例えば50回)変動するまで高確率遊技状態が維持される、いわゆるST機においては、加速期間を先に設定し、非加速期間を後に設定することが望ましい。
また、確変モードにおける遊技期間が、非加速期間及び加速期間を含んで構成される場合と、加速期間を含まずに構成されている場合と、が大当たりの種類に応じて選択されることとしてもよい。例えば特Aの大当たり発生後における確変モードにおいては、非加速期間、切替期間、及び、加速期間の夫々に対応付けられた演出が実行され、特Cの大当たり発生後における確変モードにおいては、非加速期間に対応付けられた演出が実行されることとしてもよい。
<<各実施形態に関する発明の考察>>
各実施形態に関する発明について考察する。
一側面に係る遊技機W1は、遊技球が通過可能な第1所定領域と、前記第1所定領域を通過した遊技球が入球可能な位置に設けられ、前記第1所定領域に対する遊技球の通過に基づいて、遊技球が入球し易い開放状態に変化可能な第2所定領域と、前記第2所定領域に対する遊技球の入球に応じて、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う判定手段と、所定期間内に前記第1所定領域を通過した遊技球の通過数と前記第2所定領域に入球した遊技球の入球数とに基づいて、所定の演出を行わせることが可能な演出制御手段と、を備えることを特徴としている。
上記構成の遊技機W1において、判定手段は、遊技機100において例えば主制御部401により実現される。また、演出制御手段は、遊技機100において例えば演出制御部403により実現される。また、第1所定領域は、遊技機100において例えばゲート108により実現される。また、第2所定領域は、遊技機100において例えばゲート108を通過した遊技球が入球可能な位置(即ちゲート108の直下)に設けられる第2始動口106により実現される。
上記構成の遊技機W1が遊技機100において上述した各構成により実現される場合、遊技者にとって有利な特別遊技を行うか否かの特別遊技判定は、特図判定に相当する。また、遊技者にとって有利な特別遊技とは、遊技機100において例えば大入賞口111の開放動作を伴う大当たり遊技に相当する。
また、演出制御部403により実行可能な所定の演出は、例えば、ゲート108と第2始動口106との間で遊技球が抜けていること或いは抜けていないことを、遊技機100の管理者又は遊技者に示唆・報知しうる演出である。但し遊技者に対して実行される演出は、遊技の興趣が向上しうる演出でもあり、変動演出の一部として認識しうる演出であることが望ましい。
また上記構成の遊技機W1において、前記演出制御手段は、前記所定の演出において、前記第1所定領域を通過した遊技球数が所定個数に達した後に、前記第2所定領域を通過した遊技球数が特定個数に達していたとき、その旨を示唆する第1演出を行わせることが可能であることを特徴としている。
遊技機100においては、第1所定領域(即ちゲート108)を通過した遊技球数が所定個数(例えば20個)に達した後に、第2所定領域(即ち第2始動口106)を通過した遊技球数が特定個数(例えば19個)に達していたとき、その旨の示唆する演出(例えば図21(a)に示す演出)が実行されることにより、第1演出が実現される。これにより、遊技機100の管理者にとって、ゲート108と第2始動口106との間で遊技球が抜けていない(抜けていない可能性が高い)ことを容易に認識することができる。また、第2始動口106を通過した遊技球数が特定個数に達することで、その旨を示唆する演出が行われるため、遊技者は、より多くの遊技球を第2始動口106に入球させようと遊技(遊技球の打ち出し)を継続することとなって遊技機100の管理者にとって望ましく、且つ、その演出が実行されることで、遊技の興趣が向上する。
また上記構成の遊技機W1において、前記演出制御手段は、前記所定の演出において、前記第1所定領域を遊技球が通過するごとに前記第1演出とは異なる第2演出を行わせるとともに、前記第1所定領域を通過した遊技球数が所定個数に達した後に、前記第2所定領域を通過した遊技球数が特定個数に達していたときと達していなかったときとで前記第1の演出として互いに異なる演出を行わせることを特徴としている。
遊技機100においては、第1所定領域(即ちゲート108)を遊技球が通過するごとに第1の演出とは異なる演出(例えば図20に示す、ゲージ画像P1において順次目盛を塗りつぶす演出)が実行されることで、全ての目盛が塗りつぶされるように、遊技者は、より多くの遊技球を第2始動口106に入球させようと遊技(遊技球の打ち出し)を継続することとなって遊技機100の管理者にとって望ましく、且つ、その演出が実行されることで、遊技の興趣が向上する。更に、第2始動口106を通過した遊技球数が特定個数に達するか否かにより異なる演出が実行される(例えば特定個数に達した場合は図21(a)に示す演出が実行され、特定個数に達しなかった場合は図21(b)に示す演出が実行される)。これにより遊技者は、特定個数に達した場合に実行される第1の演出を見たいと考え、より多くの遊技球を第2始動口106に入球させようと遊技(遊技球の打ち出し)を継続することとなる。
また上記構成の遊技機W1において、前記第2所定領域が前記開放状態に変化し易い特定遊技状態で遊技を制御する特定遊技状態制御手段を備え、前記演出制御手段は、前記特定遊技状態で遊技が制御されているときに、前記所定の演出を行わせることが可能であることを特徴としている。
上記構成の遊技機W1によれば、第2所定領域が開放状態に変化し易い特定遊技状態で遊技を制御する特定遊技状態制御手段を備え、所定の演出は、特定遊技状態で遊技が制御されているときに実行される。即ち、遊技機100では、遊技状態が非電サポ遊技状態に属するときよりも、電サポ遊技状態に属するほうが、ゲート108の通過により第2始動口106が開放されやすい。そして、非電サポ遊技状態において所定の演出を行っても、ゲート108を通過した遊技球がそのまま第2始動口106に入球される可能性は低く、その場合、所定の演出として第1の演出が実行されることは、事実上なくなってしまう。一方、電サポ遊技状態では、ゲート108を通過した遊技球がそのまま第2始動口106に入球される可能性が高く、所定演出として第1の演出が実行されやすい。
///変形等///
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
また、上述の実施形態では、本発明を旧第一種タイプのパチンコ遊技機に適用した例を説明したが、本発明を、それ以外のタイプ(例えば旧一種二種混合タイプ)のパチンコ遊技機に適用しても良いし、パチンコ遊技機に分類されない、スロットマシンなどの他の遊技機に適用しても良い。パチンコ遊技機では、遊技媒体として遊技球が用いられるが、スロットマシンではコインが遊技媒体として用いられる。